JP2023107563A - 内燃機関のガスシール構造 - Google Patents

内燃機関のガスシール構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2023107563A
JP2023107563A JP2022008821A JP2022008821A JP2023107563A JP 2023107563 A JP2023107563 A JP 2023107563A JP 2022008821 A JP2022008821 A JP 2022008821A JP 2022008821 A JP2022008821 A JP 2022008821A JP 2023107563 A JP2023107563 A JP 2023107563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove portion
cylinder
cylinder head
cylinder liner
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022008821A
Other languages
English (en)
Inventor
浩平 坂本
Kohei Sakamoto
壮太 渡邉
Sota Watanabe
博康 伊熊
Hiroyasu Ikuma
雄資 瀧本
Yusuke Takimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Engine and Turbocharger Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Engine and Turbocharger Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Engine and Turbocharger Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Engine and Turbocharger Ltd
Priority to JP2022008821A priority Critical patent/JP2023107563A/ja
Priority to KR1020247022404A priority patent/KR20240111008A/ko
Priority to EP23743244.8A priority patent/EP4446625A1/en
Priority to PCT/JP2023/001186 priority patent/WO2023140250A1/ja
Priority to CN202380016740.1A priority patent/CN118541540A/zh
Publication of JP2023107563A publication Critical patent/JP2023107563A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F11/00Arrangements of sealings in combustion engines 
    • F02F11/002Arrangements of sealings in combustion engines  involving cylinder heads
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
    • F02F1/10Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling
    • F02F1/16Cylinder liners of wet type
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F11/00Arrangements of sealings in combustion engines 
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F11/00Arrangements of sealings in combustion engines 
    • F02F11/005Arrangements of sealings in combustion engines  involving cylinder liners
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/02Sealings between relatively-stationary surfaces
    • F16J15/06Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces
    • F16J15/08Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with exclusively metal packing

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Gasket Seals (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】内燃機関のガスシール構造において、ガスシール性能の向上を図る。【解決手段】円柱形状をなす空間部を有するシリンダブロックと、円筒形状をなして空間部に配置されるシリンダライナと、シリンダライナに軸方向に移動自在に支持されるピストンと、シリンダブロックの上部に締結されるシリンダヘッドと、シリンダブロックおよびシリンダライナとシリンダヘッドとの間に配置されるガスケットと、を備える内燃機関において、シリンダライナとガスケットとの接触面積と、シリンダヘッドとガスケットとの接触面積が同じである。【選択図】図3

Description

本開示は、内燃機関のガスシール構造に関するものである。
内燃機関は、シリンダブロックと、シリンダヘッドと、ピストンとを備える。シリンダブロックは、鉛直方向に沿って円柱形状をなす空間部が水平方向に間隔を空けて複数設けられる。複数の空間部は、それぞれ円筒形状をなすシリンダライナが嵌め込まれる。ピストンは、シリンダライナに対して軸方向に移動自在に支持される。シリンダブロックは、上部にガスケットを介してシリンダヘッドが締結されることで、ピストンに対向して燃焼室が区画される。燃焼室は、吸気ポートと排気ポートがそれぞれ連通し、吸気ポートは、吸気弁により開閉自在であり、排気ポートは、排気弁により開閉自在である。そして、シリンダヘッドは、燃焼室に対して燃料を噴射する燃料噴射弁が設けられる。
燃焼室は、シリンダライナとシリンダヘッドとの間に配置されるガスケットにより燃焼室内の燃焼ガスの外部漏洩が防止される。すなわち、シリンダヘッドは、シリンダブロックとの間にガスケットが配置された状態で、複数のボルトによりシリンダブロックに締結される。このとき、ガスケットは、上面がシリンダヘッドの下面に密着し、下面がシリンダライナの上面に密着する。そのため、ガスケットとシリンダヘッドとの接触面と、ガスケットとシリンダライナとの接触面に所定の荷重が作用することで互いに密着してシールされる。このような内燃機関のガスシール構造としては、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。
実公昭63-020850号公報 特開2014-126023号公報
ガスケットは、シリンダヘッドとシリンダライナとの間で、所定の荷重を受けることで、上下面がシリンダヘッドとシリンダライナに密着する。このとき、ガスケットは、シリンダヘッドとの接触面積とシリンダライナとの接触面積が相違する。すなわち、接触面積の大きいガスケットとシリンダヘッド間の面圧は、接触面積の小さいガスケットとシリンダライナとの面圧より低くなる。一方で、内燃機関の稼働時、シリンダライナは、爆発荷重を受けて変形するシリンダブロックの剛性にならって変形するが、シリンダヘッドは、自身の剛性で爆発荷重を受けてシリンダライナとは異なる挙動で変形する。そのため、面圧の低い側のガスケットとシリンダヘッドとの接触面で相対すべりが発生する。すると、相対すべりが発生する面、つまり、ガスケットの上面とシリンダヘッドの下面に面荒れが生じ、ガスケットによるガスシール性能が低下してしまうという課題がある。
本開示は、上述した課題を解決するものであり、ガスシール性能の向上を図る内燃機関のガスシール構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本開示の内燃機関のガスシール構造は、円柱形状をなす空間部を有するシリンダブロックと、円筒形状をなして前記空間部に配置されるシリンダライナと、前記シリンダライナに軸方向に移動自在に支持されるピストンと、前記シリンダブロックの上部に締結されるシリンダヘッドと、前記シリンダブロックおよび前記シリンダライナと前記シリンダヘッドとの間に配置されてファイアリングを有するガスケットと、を備える内燃機関において、前記シリンダライナと前記ファイアリングとの接触面積と、前記シリンダヘッドと前記ファイアリングとの接触面積が同じである。
本開示の内燃機関のガスシール構造によれば、ガスシール性能の向上を図ることができる。
図1は、本実施形態のディーゼルエンジンを表す要部断面図である。 図2は、締結前の内燃機関のガスシール構造を表す要部断面図である。 図3は、締結後の内燃機関のガスシール構造を表す要部断面図である。 図4は、ガスケットとシリンダヘッドとの接触面における径方向の面圧分布を表すグラフである。
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
<エンジン>
図1は、本実施形態のディーゼルエンジンを表す要部断面図である。
図1に示すように、ディーゼルエンジン(内燃機関)10は、シリンダブロック11と、シリンダライナ12と、シリンダヘッド13と、ピストン14と、ガスケット15とを備える。本実施形態では、内燃機関をディーゼルエンジン10としたが、ガソリンエンジンなどの他の形式のエンジンであってもよい。
シリンダブロック11は、ブロック形状をなし、鉛直方向に沿って円柱形状をなす空間部21が設けられる。図示しないが、空間部21は、シリンダブロック11の水平方向に間隔を空けて複数設けられる。シリンダライナ12は、円筒形状をなし、空間部21に嵌め込まれて固定される。シリンダヘッド13は、シリンダブロック11およびシリンダライナ12の上部に配置され、複数のボルト(図示略)によりシリンダブロック11に締結されて固定される。
ピストン14は、円柱形状をなし、外周面に複数(本実施形態では、3個)のピストンリング22が軸方向に間隔を空けて装着される。ピストン14は、シリンダライナ12の内部に配置され、軸方向に沿って移動自在に支持される。このとき、ピストン14は、ピストンリング22の外周部がシリンダライナ12の内周面を摺動する。シリンダブロック11は、図示しないが、下部にクランクシャフトが回転自在に支持され、ピストン14とクランクシャフトがコネクティングロッド23を介して連結される。
ガスケット15は、シリンダブロック11およびシリンダライナ12とシリンダヘッド13との間に配置される。シリンダヘッド13は、シリンダブロック11との間にガスケット15が配置された状態で、シリンダブロック11に締結される。ガスケット15は、上面がシリンダヘッド13の下面に密着し、下面がシリンダライナ12の上面に密着し、ガスシール機能を有する。
燃焼室24は、シリンダヘッド13の下面とシリンダライナ12の内周面とピストン14の上面により区画される空間である。燃焼室24は、シリンダヘッド13に設けられた吸気ポート25および排気ポート26の各端部が連通する。吸気ポート25は、吸気弁27の下端部が配置され、排気ポート26は、排気弁28の下端部が配置される。吸気弁27および排気弁28は、シリンダヘッド13に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、付勢部材(図示略)により吸気ポート25および排気ポート26を閉止する方向(図1にて上方)に付勢される。
吸気弁27および排気弁28は、図示しない吸気カムおよび排気カムが作用することで、吸気ポート25および排気ポート26を開閉する。また、燃焼室24は、上方、つまり、シリンダヘッド13の下部に燃料噴射弁29が配置される。燃料噴射弁29は、所定のタイミングで燃焼室24に高圧燃料を噴射することができる。
ディーゼルエンジン10は、クランクシャフトが2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程を実行する。このとき、吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトが1回転し、吸気弁27および排気弁28が吸気ポート25および排気ポート26を開閉する。燃焼室24に吸気ポート25から空気が供給されると、ピストン14の上昇により吸入空気が圧縮される。また、燃焼室24に燃料噴射弁29から高圧燃料が噴射されると、高圧燃料が自然着火して燃焼する。このときの爆発荷重によりピストン14が押し下げられ、クランクシャフトを回転する。燃焼室24で発生した燃焼ガスは、排ガスとして排気ポート26から排出される。
<ガスシール構造>
図2は、締結前の内燃機関のガスシール構造を表す要部断面図、図3は、締結後の内燃機関のガスシール構造を表す要部断面図である。
ガスケット15は、シリンダブロック11に対するシリンダヘッド13の締結力によりシリンダライナ12の上面とシリンダヘッド13の下面に密着する。燃焼室24は、シリンダライナ12とシリンダヘッド13との間に配置されるガスケット15により発生したガス(燃焼ガスまたは排気ガス)の外部漏洩が防止される。
図2に示すように、ガスケット15は、所定の厚さを有する矩形断面の平板形状をなし、燃焼室24に対応したシリンダ数の円形孔15aが形成される。ガスケット15は、ガスケット本体31と、ファイアリング32とを有する。ガスケット本体31は、円形孔31aが設けられる。ファイアリング32は、リング形状をなし、ガスケット本体31の円形孔31aの内周部に配置される。
ガスケット15は、ガスケット本体31がシリンダブロック11とシリンダヘッド13との間に配置され、ファイアリング32がシリンダライナ12とシリンダヘッド13との間に配置される。ガスケット15は、ファイアリング32がシリンダライナ12とシリンダヘッド13とから締結荷重を受けることで、下面32aがシリンダライナ12の上面12aに密着し、上面32bがシリンダヘッド13の下面13aに密着する。
このとき、ファイアリング32は、下面32aとシリンダライナ12の上面12aとの密着面におけるシリンダライナ12の径方向長さL1と、上面32bとシリンダヘッド13の下面13aとの密着面におけるシリンダライナ12の径方向長さL2とが相違する。すなわち、径方向長さL2が径方向長さL1より長い。そのため、ファイアリング32は、シリンダライナ12との接触面積と、シリンダヘッド13との接触面積とが相違し、同一荷重を上下から受けた結果、両者の面圧も相違するものとなり、シリンダヘッド13とシリンダライナ12の異なる挙動による相対すべりを面圧が低い下面32aで引き受けることとなる。
そこで、本実施形態のガスシール構造は、ガスケット15(ファイアリング32)とシリンダライナ12との接触面積と、ガスケット15(ファイアリング32)とシリンダヘッド13との接触面積を同じにする。そのため、シリンダライナ12は、上面12aにて、ガスケット15におけるファイアリング32の下面32aに接触する接触面(径方向長さL1の領域)に周方向に沿う第1溝部41が設けられる。また、シリンダヘッド13は、下面13aにて、ガスケット15におけるファイアリング32の上面32bに接触する接触面(径方向長さL2の領域)に周方向に沿う第2溝部42,43が設けられる。この場合、第2溝部42,43の数が第1溝部41の数より多い。つまり、シリンダヘッド13に2本の第2溝部42,43を設け、シリンダライナ12の上面12aに1本の第1溝部41を設ける。そして、第1溝部41および第2溝部42,43の断面形状および断面寸法は、同じである。
すなわち、シリンダライナ12は、上面12aに周方向に沿う1本の第1溝部41が設けられる。第1溝部41は、ファイアリング32の下面32aが接触するシリンダライナ12の接触領域(径方向長さL1の領域)に設けられる。一方、シリンダヘッド13は、下面13aに周方向に沿う2本の第2溝部42,43が設けられる。第2溝部42,43は、ファイアリング32の上面32bが接触するシリンダヘッド13の接触領域(径方向長さL2の領域)に設けられる。そのため、シリンダライナ12とファイアリング32との接触面積は、第1溝部41の分だけ減少し、シリンダヘッド13とファイアリング32との接触面積は、第2溝部42,43分だけ減少する。すると、ガスケット15におけるファイアリング32とシリンダライナ12との接触面積と、ガスケット15におけるファイアリング32とシリンダヘッド13との接触面積が同じになる。ここで、接触面積が同じとは、例えば、面積比が0%~5%の範囲にあることである。
第1溝部41と第2溝部42,43とは、シリンダライナ12の径方向にずれて配置される。第1溝部41は、径方向長さL1の中間位置に設けられる。つまり、第1溝部41と径方向長さL1における一端との径方向長さL1aと、第1溝部41と径方向長さL1における他端との径方向長さL1bは、同じ長さである。第2溝部42は、第1溝部41に対して径方向の内側に設けられる内側第2溝部として機能し、第2溝部43は、第1溝部41に対して径方向の外側に設けられる外側第2溝部として機能する。そして、第1溝部41と第2溝部(内側第2溝部)42との径方向長さL2aと、第1溝部41と第2溝部(外側第2溝部)43との径方向長さL2bは、同じ長さである。
図3に示すように、ディーゼルエンジン10が組み付けられるとき、ガスケット15は、シリンダブロック11とシリンダヘッド13の間に配置される。このとき、ファイアリング32は、シリンダライナ12とシリンダヘッド13との間に配置される。この状態で、シリンダヘッド13が所定のボルト締結力によりシリンダブロック11に締結されると、図2に示すように、ファイアリング32は、圧縮荷重を受け、下面32aがシリンダライナ12の上面12aに密着し、上面32bがシリンダヘッド13の下面13aに密着する。
シリンダライナ12とシリンダヘッド13は、鋳鉄で製作される。一方、ガスケット15のファイアリング32は、冷間圧延鋼板であるSPCC(Steel Plate Cold Commercial)で製作される。つまり、ファイアリング32は、シリンダライナ12やシリンダヘッド13に比べて軟質材料である。
そのため、ファイアリング32は、シリンダヘッド13がシリンダブロック11に締結されることで、板厚方向に圧縮力を受けたとき、材料の降伏点を超える面圧印加により塑性変形する。すると、ファイアリング32は、第1溝部41により圧縮力を受けない下面32aの一部が下方に突出し、第1溝部41に入り込む第1凸部51が形成される。また、ファイアリング32は、第2溝部42,43により圧縮力を受けない上面32bの一部が上方に突出し、第2溝部42,43に入り込む第2凸部52,53が形成される。
なお、本実施形態では、シリンダライナ12の上面12aに1本の第1溝部41を設け、シリンダヘッド13の下面13aに2本の第2溝部42,43を設けたが、この構成に限定されるものではない。ガスケット15とシリンダライナ12との接触面積と、ガスケット15とシリンダヘッド13との接触面積が同じになれば、第1溝部41と第2溝部42,43の本数は限定されない。例えば、シリンダヘッド13の下面13aに第2溝部を設け、シリンダライナ12の上面12aに第1溝部41を設けなくてもよい。また、第1溝部41と第2溝部42,43の形成位置や形状も、適宜設定すればよい。
<ガスシール構造の作用>
図2に示すように、シリンダライナ12は、ファイアリング32の下面32aに対向する上面12aに第1溝部41が設けられ、シリンダヘッド13は、ファイアリング32の上面32bに対向する下面13aに第2溝部42,43が設けられる。そのため、ファイアリング32とシリンダライナ12との接触面積と、ファイアリング32とシリンダヘッド13との接触面積が同じになる。そのため、ファイアリング32とシリンダライナ12との接触面での面圧と、ファイアリング32とシリンダヘッド13との接触面での面圧が同じになる。
ディーゼルエンジン10の稼働時、シリンダライナ12は、爆発荷重を受けて変形するシリンダブロック11の剛性にならって変形し、シリンダヘッド13は、自身の剛性で爆発荷重を受けて変形する。ここで、ファイアリング32は、シリンダライナ12との接触面圧とシリンダヘッド13との接触面圧が同じであることから、シリンダライナ12とファイアリング32とシリンダヘッド13との接触面での相対すべりを片方で受け持つことなくすべり量が小さい。そのため、ファイアリング32とシリンダライナ12との接触面やファイアリング32とシリンダヘッド13との接触面での面荒れが抑制され、ガスケット15によるガスシール性能の低下が抑制される。
また、ファイアリング32は、シリンダライナ12とシリンダヘッド13から圧縮力を受けることで、下面32aおよび上面32bが変形し、第1凸部51がシリンダライナ12の第1溝部41に入り込み、第2凸部52,53がシリンダヘッド13の第2溝部42,43に入り込む。すると、第1凸部51および第2凸部52,53がシリンダライナ12およびシリンダヘッド13に対してアンカーとなり、上下面の面圧均一化効果に加えさらに相対すべりを抑制することができる。この場合、ファイアリング32をシリンダライナ12やシリンダヘッド13より軟質材料とすることで、アンカー部の凸部ヤング率の範囲での弾性変形によりすべりを吸収し、アンカー部の硬度が低いことで溝部をき裂させることがない。
図4は、ガスケットとシリンダヘッドとの接触面における径方向の面圧分布を表すグラフである。
図4は、ガスケット15のファイアリング32の上面32bとシリンダヘッド13の下面13aとの接触面におけるファイアリング32の径方向の面圧分布を表している。図4に示すように、第2溝部42,43が設けられていない場合、面圧(図4の一点鎖線)は、径方向の中間部が比較的高くなるような分布となる。一方、第2溝部42,43が設けられている場合、面圧(図4の実線)は、第2溝部42,43に向けて高くなり、第2溝部42,43の位置で0になる分布となる。すなわち、第2溝部42,43の両端にて、平均面圧より高いピーク面圧が作用することで、平滑時の面圧分布よりガスシール性能が向上する。
[本実施形態の作用効果]
第1の態様に係る内燃機関のガスシール構造は、円柱形状をなす空間部21を有するシリンダブロック11と、円筒形状をなして空間部21に配置されるシリンダライナ12と、シリンダライナ12に軸方向に移動自在に支持されるピストン14と、シリンダブロック11の上部に締結されるシリンダヘッド13と、シリンダブロック11およびシリンダライナ12とシリンダヘッド13との間に配置されてファイアリング32を有するガスケット15とを備えるディーゼルエンジン(内燃機関)10において、シリンダライナ12とファイアリング3215との接触面積と、シリンダヘッド13とファイアリング32との接触面積が同じである。
第1の態様に係る内燃機関のガスシール構造によれば、ファイアリング32とシリンダライナ12との接触面積と、ファイアリング32とシリンダヘッド13との接触面積が同じになることで、各接触面での面圧が同じになる。すると、シリンダライナ12やシリンダヘッド13が燃焼室24からの爆発荷重を受けて変形するとき、ファイアリング32は、シリンダライナ12との接触面やシリンダヘッド13との接触面での相対すべりが発生しにくくなり、相対すべりによる面荒れが抑制される。その結果、ガスケット15によるガスシール性能の向上を図ることができる。
第2の態様に係る内燃機関のガスシール構造は、ファイアリング32に接触するシリンダライナ12の接触面に周方向に沿う第1溝部41を設け、ファイアリング32に接触するシリンダヘッド13の接触面に周方向に沿う第2溝部42,43を設ける。これにより、簡単な構成で、ファイアリング32とシリンダライナ12との接触面積と、ファイアリング32とシリンダヘッド13との接触面積を同じにすることができ、構造の複雑化を抑制することができる。
第3の態様に係る内燃機関のガスシール構造は、第1溝部41と第2溝部42,43とをシリンダライナ12の径方向にずれて配置する。これにより、ファイアリング32に対する面圧が抜ける位置を径方向にずらすことができ、ファイアリング32とシリンダライナ12およびシリンダヘッド13との接触面での相対すべりの発生を抑制することができる。
第4の態様に係る内燃機関のガスシール構造は、第2溝部42,43の数を第1溝部41の数より多くする。これにより、適切にファイアリング32とシリンダライナ12との接触面積と、ファイアリング32とシリンダヘッド13との接触面積を同じにすることができる。
第5の態様に係る内燃機関のガスシール構造は、第1溝部41に対して径方向の内側に設けられる第2溝部(内側第2溝部)42と、径方向の外側に設けられる第2溝部(外側第2溝部)43とを設け、第1溝部41と第2溝部42との径方向長さL2aと、第1溝部41と第2溝部43との径方向長さL2bを同じとする。これにより、シリンダライナ12とシリンダヘッド13は、ガスケット15のファイアリング32に対して、径方向に均等な荷重を作用させることとなり、ガスシール性能の低下を抑制することができる。
第6の態様に係る内燃機関のガスシール構造は、ガスケット15が面圧を受けて塑性変形することで第1溝部41と第2溝部42,43に侵入する第1凸部51と第2凸部52,53を形成可能な軟質材料により構成される。これにより、第1凸部51および第2凸部52,53がシリンダライナ12およびシリンダヘッド13に対してアンカーとなり、相対すべりの発生を効果的に抑制することができる。
10 ディーゼルエンジン(内燃機関)
11 シリンダブロック
12 シリンダライナ
13 シリンダヘッド
14 ピストン
15 ガスケット
21 空間部
22 ピストンリング
23 コネクティングロッド
24 燃焼室
25 吸気ポート
26 排気ポート
27 吸気弁
28 排気弁
29 燃料噴射弁
31 ガスケット本体
32 ファイアリング
41 第1溝部
42 第2溝部(内側第2溝部)
43 第2溝部(外側第2溝部)
51 第1凸部
52,53 第2凸部

Claims (6)

  1. 円柱形状をなす空間部を有するシリンダブロックと、
    円筒形状をなして前記空間部に配置されるシリンダライナと、
    前記シリンダライナに軸方向に移動自在に支持されるピストンと、
    前記シリンダブロックの上部に締結されるシリンダヘッドと、
    前記シリンダブロックおよび前記シリンダライナと前記シリンダヘッドとの間に配置されてファイアリングを有するガスケットと、
    を備える内燃機関において、
    前記シリンダライナと前記ファイアリングの接触面積と、前記シリンダヘッドと前記ファイアリングとの接触面積が同じである、
    内燃機関のガスシール構造。
  2. 前記ファイアリングに接触する前記シリンダライナの接触面に前記ファイアリングの周方向に沿う第1溝部を設け、前記ファイアリングに接触する前記シリンダヘッドの接触面に前記ファイアリングの周方向に沿う第2溝部を設ける、
    請求項1に記載の内燃機関のガスシール構造。
  3. 前記第1溝部と前記第2溝部とは、前記シリンダライナの径方向にずれて配置される、
    請求項2に記載の内燃機関のガスシール構造。
  4. 前記第2溝部の数が前記第1溝部の数より多い、
    請求項2または請求項3に記載の内燃機関のガスシール構造。
  5. 前記第2溝部は、前記第1溝部に対して径方向の内側に設けられる内側第2溝部と、径方向の外側に設けられる外側第2溝部とを有し、前記第1溝部と前記内側第2溝部との径方向長さと、前記第1溝部と前記外側第2溝部との径方向長さは、同じである、
    請求項4に記載の内燃機関のガスシール構造。
  6. 前記ガスケットは、面圧を受けて塑性変形することで前記第1溝部と前記第2溝部に侵入する第1凸部と第2凸部を形成可能な軟質材料により構成される、
    請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関のガスシール構造。
JP2022008821A 2022-01-24 2022-01-24 内燃機関のガスシール構造 Pending JP2023107563A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022008821A JP2023107563A (ja) 2022-01-24 2022-01-24 内燃機関のガスシール構造
KR1020247022404A KR20240111008A (ko) 2022-01-24 2023-01-17 내연 기관의 가스 시일 구조
EP23743244.8A EP4446625A1 (en) 2022-01-24 2023-01-17 Gas seal structure of internal combustion engine
PCT/JP2023/001186 WO2023140250A1 (ja) 2022-01-24 2023-01-17 内燃機関のガスシール構造
CN202380016740.1A CN118541540A (zh) 2022-01-24 2023-01-17 内燃机的气体密封结构

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022008821A JP2023107563A (ja) 2022-01-24 2022-01-24 内燃機関のガスシール構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023107563A true JP2023107563A (ja) 2023-08-03

Family

ID=87348250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022008821A Pending JP2023107563A (ja) 2022-01-24 2022-01-24 内燃機関のガスシール構造

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP4446625A1 (ja)
JP (1) JP2023107563A (ja)
KR (1) KR20240111008A (ja)
CN (1) CN118541540A (ja)
WO (1) WO2023140250A1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5761146U (ja) * 1980-09-30 1982-04-10
JPS6320850U (ja) 1986-07-25 1988-02-10
US6036194A (en) * 1996-09-16 2000-03-14 Cummins Engine Company, Inc. Combustion gas seal for an internal combustion engine
JP6261857B2 (ja) 2012-12-27 2018-01-17 三菱重工業株式会社 シリンダカバー、シリンダヘッドガスケット及び内燃機関
CN105841890A (zh) * 2016-05-18 2016-08-10 中国北方发动机研究所(天津) 一种气缸密封机械疲劳试验装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN118541540A (zh) 2024-08-23
WO2023140250A1 (ja) 2023-07-27
KR20240111008A (ko) 2024-07-16
EP4446625A1 (en) 2024-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7104257B2 (en) Support structure of fuel injector
US8360031B2 (en) Variable compression ratio device
CN112955633A (zh) 具有被成形用于限制阀凹陷的双冠状座表面的用于发动机的阀座插入件
US5450783A (en) Low emission piston ring
US4137873A (en) Variable compression ratio piston
JP6006276B2 (ja) 内燃機関
US20140000549A1 (en) Compression ring for an engine
WO2023140250A1 (ja) 内燃機関のガスシール構造
EP3889401A1 (en) Valve, combustion-chamber structure, engine and vehicle
US10309293B2 (en) Internal combustion engine
KR101459426B1 (ko) 가변 압축비 장치
CN102257300B (zh) 用于往复式活塞内燃机的密封系统和缸盖垫片
US9964068B2 (en) Head gasket for an internal combustion engine
JP2020507038A (ja) 銅−ニッケル−スズ合金のピストン圧縮リング
US20100180851A1 (en) Piston engine comprising member to cover bottom face of valve head of poppet valve
US10815880B2 (en) Pulley system for crankshaft
US10323580B2 (en) Isobaric piston assembly
US20130213341A1 (en) Engine having piston with l-shaped timing ring
US11313466B2 (en) Piston assembly for an internal combustion engine of a motor vehicle
CN219034872U (zh) 一种燃烧室密封结构及柴油机
KR100489134B1 (ko) 오프셋 크랭크샤프트 장착 엔진의 피스톤 구조
JP2011516790A (ja) 改良された内燃機関
US10408255B2 (en) Variable compression ratio apparatus
JPH07239031A (ja) 内燃機関用ピストンリング
JP2011069447A (ja) 内燃機関