JP2023106417A - 塞栓マイクロスフェア及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】治療塞栓術、特に肥満動脈塞栓術(BAE)の方法に有用な組成物及び方法を提供する。【解決手段】ポリマーからなるポリマーミクロスフェアの集団であって、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが10%以下であり、かつ、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下である、固有のサイズ分布を有する、前記ポリマーミクロスフェアの集団からなる組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、治療塞栓術、特に肥満動脈塞栓術(BAE)のための方法に有用な組成物及び方法に関する。
治療塞栓術は、血管を閉塞して血流を減速又は停止させて組織の虚血を引き起こすために、経カテーテル経路によって材料を血管の中に導入する低侵襲的な処置である。このアプローチは、肝細胞癌などの血管過多腫瘍の治療や、子宮筋腫などの良性腫瘍の治療に以前から使用されている。最近の前臨床観察では、胃底に供給する血管の塞栓術(肥満動脈塞栓術又はBAEとして知られている)が体重増加の制御に有用である可能性があることが示唆されている。
いくつかの態様では、本発明は、ポリマーからなるポリマーミクロスフェアの集団であって、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが10%以下であり、及び、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下である固有のサイズ分布を有するポリマーミクロスフェアの集団からなる組成物を提供する。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ミクロスフェアは、1000kPaを超える平均圧縮弾性率を有してよい。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ミクロスフェアは、ビーズブロック(Bead Block)(登録商標)300-500の平均圧縮弾性率の少なくとも5倍の平均圧縮弾性率を有する。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ミクロスフェアは、100μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、及び、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが5%以下である固有のサイズ分布を有する。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ミクロスフェアは、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、及び、185μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下である固有のサイズ分布を有する。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ブタ腎臓モデルにおいて、80μm未満の浸透値を有するミクロスフェアは10%以下である。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、300μmを超える浸透値を有するミクロスフェアは10%以下である。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、80μm未満の浸透値を有するミクロスフェアは5%以下であり、300μmを超える浸透値を有するミクロスフェアは5%以下である。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、90μm未満の浸透値を有するミクロスフェアは5%以下であり、250μmを超える浸透値を有するミクロスフェアは5%以下である。
本発明の別の態様は、ポリマーミクロスフェアの集団を含む組成物に関し、ポリマーミクロスフェアの集団は、ポリマーを含有し、ブタ腎臓モデルにおいて、80μm未満の浸透値を有するミクロスフェアは10%以下である。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、300μmを超える浸透値を有するミクロスフェアは10%以下である。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、80μm未満の浸透値を有するミクロスフェアは5%以下であり、300μmを超える浸透値を有するミクロスフェアは5%以下である。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、90μm未満の浸透値を有するミクロスフェアは5%以下であり、250μmを超える浸透値を有するミクロスフェアは5%以下である。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ミクロスフェアは、120μm未満の直径を有するクロスフェアが10%以下であり、及び200μmを超える直径を有するミクロスフェアが10以下である固有のサイズ分布を有する。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ミクロスフェアは、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、及び185μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下である固有のサイズ分布を有する。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ミクロスフェアは、1000kPaを超える平均圧縮弾性率を有する。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ミクロスフェアは、ビーズブロック(登録商標)300-500の平均圧縮弾性率の少なくとも10倍の平均圧縮弾性率を有する。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ポリマーはヒドロゲルである。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリビニルアルコールを含有する。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ポリマーは画像化可能である。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ポリマーは放射線不透過性である。
上記態様と組み合わせて使用できるいくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリマーに共有結合した沈降ミクロスフェアの1mLあたり70~150mgのヨウ素を含み、好ましくは沈降したミクロスフェアの85~120mg/mL、特に沈降したミクロスフェアの90~110mg/mLでヨウ素を含む。
本発明の別の態様は、上記態様及び実施形態にかかるポリマーミクロスフェアの集団、及び薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物に関する。
本発明の別の態様は、体重の減少、又は体重の増加の遅延を要する患者において、体重の減少を誘発、又は体重の増加を遅延させる方法に関し、方法は、有効量の上記態様及び実施形態にかかるミクロスフェアの集団、又は有効量の上記態様及び実施形態の任意の1つに係る薬学的組成物を患者の胃底の毛細血管床に送達する工程を含む。
本発明の別の態様は、肥満の治療を要する患者に肥満の治療をするための方法に関し、方法は、有効量の上記態様及び実施形態のいずれか1つにかかるミクロスフェアの集団、又は有効量の上記態様及び実施形態のうちのいずれか1つに係る薬学的組成物を患者の胃底の毛細血管床に送達する工程を含む。
いくつかの実施形態において、ミクロスフェアは、経カテーテル経路によって患者に送達される。
本発明の他の態様は、体重の減少を誘発、又は体重の増加を遅延させる必要のある患者に、体重の減少を誘発、又は体重の増加を遅延させる方法で使用するための上記態様及び実施形態のいずれか1つにかかる組成物に関する。
テストサンプルと比較して市販のミクロスフェア調製物の固有のサイズ分布を示すサイズ分布グラフ。 ブタ腎臓における、放射線不透過性102ミクロスフェア(ヨウ素129mg/mL)の浸透値を示すサイズ分布ヒストグラム。 ブタ腎臓における、放射線不透過性304ミクロスフェア(ヨウ素113mg/mL)の浸透値を示すサイズ分布ヒストグラム。 ブタ腎臓における、(放射線不透過性ではない)ビーズブロック(登録商標)300-500μm(公称サイズ範囲)ミクロスフェア(ヨウ素なし)の浸透値を示すサイズ分布ヒストグラム。 放射線不透過性の102ミクロスフェアを用いてBAEで治療したブタにおける体重増加率を示すグラフ。 放射線不透過性の102ミクロスフェアの潰瘍スコアを、より小さいミクロスフェア(ディーシービーズルミ(DC Bead LUMI)(登録商標)40-90μm(公称))、及びより大きいミクロスフェア(ディーシービーズルミ100-300μm(公称))と対比して示す散布図。40~90μmのサイズ範囲のヨウ素含有量は131~169mg/mLであり、100~300μmのサイズ範囲のヨウ素含有量は122~162mg/mlである。散布図は、各ミクロスフェアの集団の潰瘍スコアの平均と標準偏差を示す。潰瘍スコア:潰瘍なし=0、小(<=2cm)=1、大(>2cm)=2、全層潰瘍=3。 図6のデータの代替図であって、「BAEビーズ」は、図6の102ミクロスフェア(100~200um)であり、潰瘍スコアを正規化した、図。 個々のブタの体重増加を胃底被覆率に対してプロットして示すグラフであって、データは、例4(102ミクロスフェア)の個々の動物のコーンビームCTスキャンから得たものであり、胃底被覆率は、総胃底面積の割合として胃底内の放射線不透過性の範囲を示す、グラフ。
上記のように、本発明は、治療塞栓術、特に肥満動脈塞栓術(BAE)の方法に有用な組成物及び方法に関する。
治療塞栓術は、血管を閉塞して、血流を減速又は停止させて供給された組織の虚血を引き起こすために、経カテーテル経路によって材料を血管に導入する低侵襲的方法である。このアプローチは、肝細胞癌などの血管過多腫瘍の治療や、子宮筋腫などの良性腫瘍の治療に従前より使用されている。
近年の前臨床観察では、胃底に供給する血管の塞栓術(肥満動脈塞栓術又はBAEとして知られる)は、特に肥満、及び関連する扁平上皮の治療において、体重増加の制御に有用である可能性が示唆されている(Arepally et al 2007、 Bawudun et al、2012、Paxton et al 2013、Kipshidze et al 2013、Weiss et al 2014)。これらの研究は、BAEが、体重増加の減少、循環グレリンレベルの減少、及び胃底におけるグレリン分泌細胞の数の減少につながることを示唆している。例えば、米国特許第9572700号明細書は300~500μmのサイズ範囲のミクロスフェア(ビードブロック(登録商標)300-500バイオコンパチブルズUK社(BiocompatiblesUK Ltd))を使用したBAE処置を開示しており、サイズ範囲が小さい場合には、胃底の粘膜壊死、胃潰瘍、及びオフターゲットの塞栓形成、例えば食道、肝臓及び/又は脾臓などでの塞栓形成、を引き起こす可能性があることを示唆している。しかしながら、Fu et al(2018)では、公称直径が300~500μmのミクロスフェアを使用して、ブタで、体重増加の抑制又はグレリン発現細胞の減少を示すことができなかった。
この方法は有望ではあるが、動物モデルで胃体及び胃炎など、粘膜表面の潰瘍などの有害事象の報告が続いている(Paxton et al 2014、及びWeiss et al 2014)。したがって、BAEは、体重増加、肥満、及び関連する後遺症の調節に対して潜在的に有用なアプローチではあるが、胃底の効果的な塞栓形成を達成しつつ、安全性の面で改善された組成物及び方法を提供することが望ましい。
本発明者は、粘膜の損傷の制御における重要な要因は、塞栓が生じる血管床内の深さと、胃底の外側の粘膜領域のオフターゲットの塞栓の存在であることを特定した。本発明者はさらに、粘膜損傷の1つの原因は、粘膜下組織内にミクロスフェアが存在することであり、塞栓形成がカテーテルのわずかにより近位に(すなわち粘膜から離間する方向に)のみに起こる場合は、虚血を引き起こすのに効果的であるが、一般に長期的又は重大な粘膜損傷を引き起こすことはないことを特定した。一方で塞栓形成が、近位すぎる場合、すなわち粘膜から離間しすぎている場合には、胃壁内の側副路の存在によって塞栓の効果が低下するため効力が低下すると考えられる。
ミクロスフェアは、一般に、ミクロスフェアを調製するために使用される方法及び使用されるサイズを形成する技術に応じて一定の広がりのあるサイズを有する球の集団として形成されるが、ミクロスフェアの浸透性自体は、さまざまな要因によって支配される。これらには、サイズ分布だけでなく、球の圧縮率(圧縮弾性率)も含まれる。
ミクロスフェアを体内で(in situ)視覚化できることは特に有用である。何故なら、これにより、術者はミクロスフェアがどこに沈着しているかをリアルタイムで判断できるとともに、オフターゲットの塞栓を特定できるためである。しかしながら、ポリマーへの放射線不透過性成分の添加は、ミクロスフェアの圧縮性を変更することがあるため、ミクロスフェアの浸透性に影響を及ぼす可能性がある。
第1の態様では、本発明は、したがって、100μm未満の直径を有するミクロスフェアが10%以下であり、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下であるような固有のサイズ分布を有するポリマーミクロスフェアの集団を含有する組成物を提供する。
固有のサイズは、注入前のミクロスフェアのサイズである。ヒドロゲルなどの水膨潤性ポリマーの場合、これは、通常の生理食塩水(10mMリン酸塩;500mM NaCl;pH7.4)で完全に水和したミクロスフェアのサイズである。
好ましくは、ミクロスフェアは、100μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、より好ましくは、及び、代替的には、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であるような固有のサイズ分布を有する。
好ましくは、ミクロスフェアは、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、より好ましくは、及び、代替的には、185μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下であるような固有のサイズ分布を有する。
特に好ましい組み合わせでは、ミクロスフェアは、100μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、及び、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、より好ましくは、ミクロスフェアは、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、及び、185μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下であるような固有のサイズ分布を有する。
上記の複数の好ましい固有のサイズ分布は、追加的ではなく代替的であるとして解釈されたい。
ミクロスフェアの圧縮率(圧縮弾性率)は、血管床の中への浸透の深さに影響を及ぼす。ミクロスフェアの圧縮性が高ければ高いいほど、所定のサイズで血管床内により深く浸透する。ミクロスフェアの圧縮弾性率の測定については、Caine et al(2017)、及びDuran et al(2016)に記載されている。本明細書に記載の測定方法が上記方法から逸脱する範囲については、本明細書に記載の方法に従うものとする。本明細書の例2を参照。
本明細書で説明するように、平均圧縮弾性率は、個々のミクロスフェアから得られた少なくとも5回の測定の平均であり、当業者であれば、読み取りが多く得られれば得られるほど平均はより正確になることが理解できるが、弾性率は、少なくとも25回の測定の平均であることが好ましい。ミクロスフェアがヒドロゲルである場合、弾性率は、通常の生理食塩水で完全に水和したときに測定されなければならない。
ミクロスフェアの好ましい弾性率は、少なくとも500kPa~1000kPa、好ましくは少なくとも2000kPa、より好ましくは少なくとも4000kPa、さらにより好ましくは少なくとも5000kPaである。好ましくは、弾性率は50,000kPaを超えない。なぜなら、そのようなミクロスフェアは、送達がより困難になり、ミクロスフェアの剛性は、カテーテルの閉塞を引き起こす傾向を増加させるため、であるが、これはカテーテルのサイズにも多少依存する。弾性率は、好ましくは30000kPaを超えず、より好ましくは25000kPaを超えない。
好ましい弾性率の範囲は、2,000kPa~30,000kPaであり、より好ましくは5000kPa~25000kPaである。
したがって、好ましい態様では、組成物は、100μm未満の直径を有するミクロスフェアが10%以下であり、かつ、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下であるような固有のサイズ分布を有するポリマーミクロスフェアの集団を含有し、ミクロスフェアは、少なくとも1000kPaの平均圧縮弾性率を有する。
圧縮弾性率は、相対的な文言で表現することもできる。したがって、ミクロスフェアでは、好ましくは、ビーズブロック(登録商標)300-500ミクロスフェアの圧縮弾性率の少なくとも5倍の圧縮弾性率を有する。ビーズブロック(登録商標)ミクロスフェアは、国際公開第2004/071495号明細書の実施例1の低AMPSの場合に従って調製し、300~500のサイズ範囲にふるいにかけられてもよい。
好ましくは、ミクロスフェアは、ビーズブロック(登録商標)300-500の弾性率の少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも15倍、さらにより好ましくは少なくとも20倍、より好ましくは少なくとも25倍の弾性率を有する。
好ましくは、ミクロスフェアは、ビーズブロック(登録商標)300-500の圧縮弾性率の200倍を超える圧縮弾性率を有さず、好ましくは150倍未満であり、より好ましくは125倍未満であり、より好ましくは110倍未満であり、さらにより好ましくは、ビーズブロック(登録商標)300-500の圧縮弾性率の100倍未満である。
好ましくは、ミクロスフェアは、ビーズブロック(登録商標)300-500の圧縮弾性率の10~200倍の圧縮弾性率を有する。より好ましくは、ビーズブロック(登録商標)300-500の圧縮弾性率の15~150倍、より好ましくはさらに20~110倍、さらにより好ましくは25~110倍又は25~100倍の圧縮弾性率を有する。
したがって、さらに好ましい態様では、組成物は、100μm未満の直径を有するミクロスフェアが10%以下であり、及び、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下であるような固有のサイズ分布を有するポリマーミクロスフェアの集団を含有し、ミクロスフェアは、ビーズブロック(登録商標)300-500の平均圧縮弾性率の少なくとも5倍の平均圧縮弾性率を有する。
ミクロスフェアが浸透する血管床内の深さは、ミクロスフェアの固有のサイズ及びミクロスフェアの圧縮性(圧縮弾性率)を含む多くの要因によって支配される。本明細書で使用する場合、ミクロスフェアの「浸透値」は、血管を遮断する時、1個のミクロスフェアが留まる部位における血管の最小の直径である。これは、ミクロスフェアの集団が腎動脈に送達されて腎臓血管系の塞栓形成を引き起こしたブタ腎臓モデルで決定される(例えばCaine et al 2017参照)。浸透値は、剖検後に顕微鏡で決定される。塞栓された腎臓は切断されて染色され、1個のミクロスフェアによって塞栓された血管の最小の直径が測定される(多くの血管は楕円を示す角度で切断され、血管の最小の直径は楕円の最小直径である)。これがミクロスフェアの浸透値である(例3も参照)。
上記ミクロスフェア集団は、第2の態様により、以下に記載する浸透特性を有し得る。
第2の態様では、本発明は、ブタ腎臓モデルにおいて、80μm未満の浸透値を有するミクロスフェアが10%以下である、ポリマーミクロスフェアの集団を含有する組成物も提供する。
好ましくは、80μm未満の浸透値を有するミクロスフェアは5%以下であり、代替的、及びより好ましくは、90μm未満の浸透値を有するミクロスフェアは5%以下である。好ましくは、300μmを超える浸透値を有するミクロスフェアは10%以下であり、より好ましくは、300μmを超える浸透値を有するミクロスフェアは5%以下である。あるいは、さらにより好ましくは、250μmを超える浸透値を有するミクロスフェアは5%以下である。好ましくは、ブタ腎臓モデルでは、ミクロスフェアの集団において、80μm未満の浸透値を有するミクロスフェアは10%以下であり、及び、300μmを超える浸透値を有すミクロスフェアは10%以下である。より好ましくは、80μm未満の浸透値を有するミクロスフェアは5%以下であり、及び、300μmを超える浸透値を有するミクロスフェアの5%以下である。あるいは、さらにより好ましくは、90μm未満の浸透値を有するミクロスフェアの5%以下であり、かつ、250μmを超える浸透値を有するミクロスフェアは5%以下である。
上記上限及び下限の浸透分布の好ましい値は、追加的ではなく代替的であるものとして解釈されたい。
そのような集団は、第1の態様に関して上記したように、固有のサイズ分布及び圧縮性特性を有する。
好ましくは、ポリマーは親水性ポリマーであり、これは、そのようなポリマーが、一般により生体適合性が高いためである。
親水性ポリマーは、アクリルポリマー、アクリルアミド、アセタール、アリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリホスフェート、ポリウレタン、スチレン系、ビニル、多糖類、又はそれらの組み合わせ、及び/又はコポリマーからなる群から選択されてもよい。好ましくは、ポリマーは、ビニルアルコール、エチレン又はプロピレングリコール、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド又はメタクリルアミドから選択されるモノマーを含有する。
好ましい親水性ポリマーには、ポリビニルアルコール(PVA)などのビニルアルコールポリマー;ポリアクリル酸及び塩などのアクリルポリマー、ポリ(メチルアクリレート)などのポリ(アルキルアクリレート)、ポリメチルメタクリレート及びポリエチルメタクリレートなどのポリアルキル(アルキルアクリレート);ポリヒドロキシエチルメタクリレートなどのポリヒドロキシアルキル(アルキルアクリレート);ポリアクリルアミドなどのアクリルアミドポリマー、ポリ(アルキルアクリルアミド)、トリス-(ヒドロキシメチル)メチルアクリルアミドなどのポリメタクリルアミド(ヒドロキシアルキル)アクリルアミドなどの;ポリビニルピロリドン、ポリエチレングルコール(PEG)ポリマー、例えばPEG、PEG-アクリルアミド及びジアクリルアミド、PEG-アクリレート及びジアクリレート、PEG-メタシレート及びジメタクリレートなど;及び、PEG-メタクリルアミド及びジメタクリルアミド;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース;キトサン、アルギン酸塩、ゼラチン、デンプン、又は上記の少なくとも1つを含む組み合わせ又はコポリマーを含む。ポリマーは架橋されてもよい。
特定の実施形態では、ポリマーは、ポリヒドロキシル化ポリマー、すなわち、1つ以上のペンダントヒドロキシルを有する繰り返し単位を含むポリマーを含有するか、又はそのようなポリマーである。好ましいポリヒドロキシル化ポリマーには、ポリ(ヒドロキシアルキルアクリレート)及びポリ(ヒドロキシアルキル(アルキルアクリレート)、特に、ポリヒドロキシエチル(メタクリレート)などのアクリレート及びアルキルアクリレート(例えばメタシレート)のポリオールエステル;ポリ(ヒドロキシアルキルアクリルアミド)及びポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド;ポリ(ビニルアルコール)又は(エチレン-ビニルアルコール)コポリマーなどのビニルアルコールを含有するポリマー;及びデンプン、キトサン、グリコーゲンなどの多糖類、メチルセルロースなどのセルロース、アルギン酸塩、及びカラゲナン、ガー、キサンタン、ジェラン、ローカスビーンガム、ガムアラビアックなどの多糖類ガムを含有するポリマーが含まれる。
さらなる実施形態では、親水性ポリマーは、ポリカルボキシル化ポリマー、すなわち、1つ以上のペンダントカルボキシル基を有する繰り返し単位を含むポリマーであってよい。これらのポリマーには、例えばポリアクリル酸、ポリアルキルアクリル酸、ポリメタクリル酸など、及びそれらのコポリマー、特にPVAを有するものが含まれる。そのようなポリマーは、ナトリウム塩又はカリウム塩などのそれらの塩の形態であってよい。
特に好ましいのは、ポリビニルアルコール(PVA)のホモポリマー及びコポリマーなどのPVA、PEGポリマー、PEG-アクリルアミド及びジアクリルアミド、PEG-アクリレート及びジアクリレート、PEG-メタシレート及びジメタクリレートなど;及びPEG-メタクリルアミド及びジメタクリルアミド;及びポリメタクリル酸などのポリアルキルアクリル酸を含有するポリマーである。最も好ましいのは、ポリビニルアルコールのホモポリマー及びコポリマーなどの、PVAを含有するポリマーである。
ポリマーは、好ましくは架橋ポリマーである。架橋は、共有結合又は非共有結合であってよい。非共有結合には、例えば、ポリマー鎖の絡み合い、又は結晶領域の存在による物理的な架橋が含まれる。イオン性架橋は、ポリマー上の荷電基が逆の電荷を帯びた多価基によって架橋される場合に生じる。いくつかの場合には、これは、アルギン酸塩ポリマーの場合のように、カルシウム、マグネシウム又はバリウムなどの二価以上の金属イオンを介することができる。共有結合架橋は、異なる鎖上の官能基を共有結合させるための確立された方法のいずれかによって達成される。重合段階で達成される場合、これは、二官能性モノマーの組み込みによって達成され得る。後重合の場合、アミン基、ヒドロキシル基、又はカルボキシル基、又はエチレン性不飽和基などのポリマー上の官能基と反応することができる二官能性種によって達成され得る。ポリマーはまた、そのような架橋可能な基をそれ自体が有するペンダント基を含んでもよい。例えば、エチレン性不飽和基を含んでもよい。
好ましい実施形態では、ポリマーは、pH7.4で帯電した官能基によって置換されてもよい。このような官能基は、正又は負の電荷を帯びており、生理学的pH(pH7.4)で逆の電荷を帯びた化合物に可逆的に結合できる。スルホナート(sulphonate)基、リン酸基、アンモニウム基、ホスホニウム基、及びカルボキシラート基を含む様々な荷電基を使用することができ、カルボキシラート基、及びスルホナート基が好ましい。架橋ポリマーの一実施形態では、荷電基は、架橋部分上にあってもよい。
特に好ましくは、ポリマーは、ヒドロゲルであり、つまり、ポリマーは、水膨潤性であるが水不溶性である。それは、50重量%を超える水、好ましくは最大98重量%までの水を含有し、好ましくは65~85%、より好ましくは75~85%の水を含有する。ポリヒドロキシル化ポリマー又はポリカルボキシル化ポリマー、及び、好ましくは架橋ポリヒドロキシポリマーは、そのようなヒドロゲルを形成する傾向があるため、この点において好ましい。
特に好ましい実施形態では、ポリマーは、ヒドロゲルの形態の架橋ポリビニルアルコールポリマー又はコポリマーである。一実施形態では、そのようなポリマーは、物理的又は共有結合的に架橋されてもよい。ポリマーは、ポリマーが架橋される架橋可能な官能基を有するペンダント基(-OH基以外)、例えば、エチレン性不飽和基などを含み、または、ポリマーは、アルデヒド、又は酸などの、PVA骨格のヒドロキシル基と反応する複数の官能基を有する架橋剤を介して架橋されてもよい。
特に好ましいのは、上記のような荷電基を有するポリマーであり、特にポリマーがスルホナート基、又はカルボキシラート基を含む場合である(例えば、国際公開第2004/071495号明細書及び国際公開第2017/037276号明細書参照)。
好ましいタイプのポリマーは、ポリビニルアルコールマクロマーであり、PVA分子ごとに2つ以上のエチレン性不飽和ペンダント基を有し、PVAとエチレン性不飽和モノマーとの反応によって形成される。PVAマクロマーは、例えば、ペンダントビニル基、又はアクリル基を有するPVAポリマーを設けることによって形成されてもよい。ペンダントアクリル基は、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸をPVAと反応させて、いくつかのヒドロキシル基を介してエステル結合を形成することによって設けられてもよい。ポリビニルアルコールに結合することができるビニル基を含有する化合物は、例えば、米国特許第4,978,713号明細書、好ましくは、米国特許第5,508,317号明細書、及び米国特許第5,583,163号明細書に記載されている。したがって、好ましいマクロマーは、(アルク)アクリルアミノアルキル部分((alk)acrylaminoalkyl moiety)に結合されたポリビニルアルコールの骨格を含む。そのようなポリマーの例は、ネルフィルコン-B(Nelfilcon-B)、又はアクリルアミド-PVAとして知られる、PVA-N-アクリロイルアミノアセトアルデヒド(NAAADA)マクロマーを含有する。
好ましい実施形態において、このマクロマーは、任意選択で正又は負の電荷を有するエチレン性不飽和モノマー、例えば、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)と反応させてもよい。そのようなポリマー及びそれらを製造する方法は、国際公開第2004/071495号明細書、国際公開第2012/101455号明細書及び国際公開第2017/037276号明細書に記載されている。ディーシービーズ(DC Bead(登録商標))は、そのようなポリマーミクロスフェアの1つである。
特に好ましくは、ミクロスフェアは画像化可能である。これは、処置中又は処置後の視覚化に役立つ。画像化可能性には、超音波、X線、磁気共鳴画像法、超常磁性共鳴画像法(superparamagnetic resonance imaging)、陽電子放射型画像法(PETなど)又は光子放射型画像法(SPECTなど)が含まれる。画像化可能性は、画像化可能な構成要素を組み込むことによって達成され、好ましくは、それは、ミクロスフェア全体に組み込まれる。そのような薬剤は、ミクロスフェアのポリマーに共有結合されていることが特に好ましい。
好ましい実施形態では、ミクロスフェアは、X線によって画像化可能である。これは、放射線不透過性成分を共有結合又は非共有結合のいずれかでポリマーミクロスフェアに組み込むことによって達成可能である。非共有的に組み込まれた放射線不透過性成分の例には、例えば、バリウム塩(例えば、硫酸バリウム)などの粒子状物質(例えば、Thanoo et al 1991参照)、金、鉄又はタンタルなどの金属、又はリピオドール(Lipidol(登録商標))などのヨウ素化油が含まれる。しかしながら、より好ましいアプローチでは、ポリマーは、好ましくはミクロスフェア全体に結合されたヨウ素(例えば、国際公開第2015/033092号明細書)、又はビスマス(例えば、国際公開第2018/093566号明細書)などの共有結合された放射線不透過性成分を含有してもよい。
1つのアプローチでは、ポリマーミクロスフェアは、放射線不透過性成分を含むペンダント基などの共有結合基を含む。好ましくは、共有結合されたペンダント基は、ヨウ素化芳香族基、特にフェニル基などのヨウ素化された基である。当業者であれば、ポリマー中のヨウ素の量は、ヨウ素化された基のポリマーへのカップリングの程度を制御することによって、例えば、PVAでは、ポリマー中のペンダント基の数、又は、例えばペンダント基上のヨウ素の数を制御することによって調節し得ることが理解できる。ヨウ素のレベルは、ミクロスフェア1mlあたりのヨウ素の量(mg)として簡便に表し得る。ミクロスフェアが水膨潤性である場合、たとえば架橋されたPVAなどのヒドロゲルでは、これは、充填体積として通常の生理食塩水中の完全に水和したビーズ1mlあたりのヨウ素の量を指す(たとえば、メスシリンダーで定量化される)。本発明では、ミクロスフェアは、適切な放射線不透過性(又は放射線密度)を形成するように選択されたヨウ素のレベルを有する一方で、ミクロスフェアの圧縮度が、必要とされるレベルの取り扱い及び浸透を可能にし、かつ、カテーテル送達の容易性や懸濁特性が過度に妥協されないことを保証する。
本明細書に記載のミクロスフェア集団は、沈降ミクロスフェアの70~150mg/ml、好ましくは80~140mg/ml、より好ましくは85~120mg/ml、特に90~110mg/mlの範囲のポリマー中のヨウ素レベルを有してもよい。これらのレベルは、特に、ポリマーが本明細書に記載されるように架橋されたPVAポリマー又はコポリマーであるミクロスフェアに対して、良好な特性を付与することが見出されている。
このような官能基は、ポリマー上の官能基の利用可能性に応じて、さまざまな化学作用を介してポリマー主鎖に結合させてもよい。例えば、ポリヒドロキシル化ポリマーの場合、ペンダント基は、エーテル結合、エステル結合、又は環状アセタール結合を介して結合させてもよい。ヨウ素化芳香族基は、リンカーを介して、又はカップリング基を介して直接ポリマーに結合させてもよい。鎖が、N,S,Oから選択された1つの原子のみ含むように形成される場合には、適切なリンカーは、芳香族基とカップリング基との間に、C、N、S及びOから選択される1~6個の原子の鎖を有するリンカーを含む。ここで、Cは、任意選択で、=O、-CH、及び(-CHから選択される基、特には、=Oで置換され、Nは、Rで置換され、Rは、H及びC1-4アルキル、特にH及びメチルから選択され、Sは、-SO-基である。このリンカー内では、Sはあまり好ましくない。適切なリンカーには、式-(CH-O-(CH-と、ここで、p及びqは、p及びqが両方とも0であってはならないという条件で、0、1、又は2であり、式-(CHNHC(O)-と、ここで、nは、1又は2であり、式C1-6アルキレンの基とが含まれる。好ましいリンカーは、メチレンエチレン及びプロピレン基、メトキシレン、エトキシレン、オキシメチレン、及びオキシエチレン基、-(CHNHC(O)-、ここで、nは、1又は2であり、メチレン、エチレン、及びプロピレン基から選択される。
ポリマーがPVA(PVAポリマー及びコポリマー)である場合、又はそれを含む場合、放射線不透過性成分を含むペンダント基(好ましくはヨウ素化フェニル基)は、国際公開第2015/033092号明細書及び国際公開第2015/03309号明細書に記載されているように、環状アセタール基を介してポリマーに共有結合できる。したがって、特に好ましい実施形態では、ミクロスフェアは、上記のヒドロゲルの形態の架橋されたポリビニルアルコールポリマー又はコポリマーを含み、PVA骨格は、例えば環状アセタール結合、好ましくは環状アセタールを介して直接結合を介してPVA骨格に結合されたヨウ素化フェニル基をさらに含む。
適切なヨウ素化フェニル基を以下に示す。
最適なペンダント基は、式Aの官能基である。
そのようなペンダント基を有するPVAポリマー及びコポリマーを調製するための工程は、国際公開第2015/033092号明細書及び国際公開第2015/03309号明細書に記載されている。
特に好ましいアプローチでは、ポリマーは、本明細書に記載のように、架橋されたPVAポリマー又はコポリマーの形態のヒドロゲルであり、ポリマー全体にわたって共有結合したヨウ素化基を含み、その結果、ポリマーは、70~150mg/mlのヨウ素を含有する。
1つのアプローチでは、有効量の1つ以上の医薬活性剤を組成物に含めることができる。ミクロスフェアから活性剤を送達することが望ましい場合があるため、ミクロスフェアは、例えばイオン相互作用によってポリマーに結合、又は組み込まれ得るそのような活性剤を含有してもよい。
有利な実施形態では、本発明のミクロスフェアは、例えば、イオン交換機構によって帯電した医薬活性物質がミクロスフェアに搭載され得る正味の電荷を有する。その結果、治療薬は、ヒドロゲル内に静電的に保持され、生理食塩水又は生体内などの電解媒体内でヒドロゲルから溶出して、血液又は組織内で、数時間、数日、さらには数週間にわたって薬物の持続的な放出を行う。この実施形態では、本発明のミクロスフェアは、正に帯電した薬物が生体内でヒドロゲルからの持続的に溶出されるために、制御可能かつ再現可能にミクロスフェアに搭載されてその内部に静電的に保持されるように、生理学的条件(pH7.4)を含むpHの一定の範囲にわたって正味の負電荷を有する場合に、特に有用である。このような電荷は、ポリマーマトリックスに結合したカルボキシル基、又はスルホナート(sulphonate)基などのイオン交換基に由来し得る。生理学的pHで電荷のない薬物であっても、本発明のミクロスフェアに装薬することができ、これは、例えば塞栓形成直後に、迅速な溶出、又は「バースト効果」が望まれる場合に特に有利であり、又は生理学的条件下の薬物の低溶出性がイオン相互作用よりもむしろ薬物の放出プロファイルを決定する場合に特に有用である。
そのような化合物の例には、血漿グレリンレベルを抑制するものが含まれ、例えばソマトスタチン及びソマトスタチン類似体など、例えばオクトレオチド(通常は酢酸塩として)、L-システインなどのアミノ酸(McGavin et al 2015)、又はインスリン(Saad et al 2002)やGLP-1などのホルモンなどが含まれる。
本明細書に記載のミクロスフェアの集団は、通常、少なくとも1000個のミクロスフェアを含み、より一般には、少なくとも25又は50μLの沈降体積、好ましくは少なくとも100μL、より好ましくは少なくとも250μLの沈降体積のミクロスフェアの単位で付与される。
本発明の第3の態様は、本明細書に記載のミクロスフェアの集団と、治療薬がミクロスフェアマトリックスに吸収され得る薬学的に活性な薬剤とを含む医薬組成物を提供する。そのような活性物質は、集団内に薬理学的に有効な量、すなわち、ミクロスフェアの集団から所望の効果を得るために必要な活性剤又はミクロスフェアの量で存在してよい。そのような組成物は、一般には、本明細書に記載のミクロスフェア及び薬学的に許容可能な希釈剤又は担体、一般には水性希釈剤又は担体を含有する。水性希釈剤又は担体は好ましくは無菌であり、例えば注射用滅菌水又は生理食塩水であり、好ましくは適切なpH、例えばpH7~8の間、例えばpH7.4±0.2で緩衝されている。注射用の水又は通常の生理食塩水が一般的である。希釈剤又は担体は、通常、注射又は注入に適しており、したがって、例えば、通常、発熱物質を含まない。
医薬組成物は、造影剤(イオン性又は非イオン性のいずれか及び/又ヨード化ケシの実油(リピオドール(登録商標)などの油性造影剤))などの追加の成分も含んでもよい。適切な非イオン性造影剤には、イオパミドール、イオジキサノール、イオヘキソール、イオプロミド、イオブチリドール、イオメプロール、イオペントール、イオパミロン、イオキシラン、イオトロラン、イオトロール及びイオバーソルが含まれる。イオン性造影剤を使用してもよいが、特にポリマーがイオン性電荷を帯びる場合、薬物を搭載したミクロスフェアと組み合わせて使用することは好ましくない。なぜなら、高イオン濃度は、マトリックスからのイオン性薬物の解離に有利に働くためである。イオン性造影剤には、ジアトリゾエート、メトリゾエート、及びイオキサグレートが含まれる。
代替的には、本発明の放射線不透過性ヒドロゲルミクロスフェアは、乾燥形態で提供されてもよい。ミクロスフェア又は別の放射線不透過性ポリマー製品が乾燥して提供される場合、乾燥する前に、薬学的に許容される水溶性ポリオールをポリマーに組み込むことが有利である。これは、水の不在下でヒドロゲルマトリックスを保護するため、ヒドロゲルにとって特に有利である。有用なポリオールは、グルコース、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトールなどの自由に水に溶け得る糖(単糖又は二糖)である。
ミクロスフェアは、当技術分野で認められている任意の工程によって乾燥させることができるが、凍結乾燥(凍結乾燥)などによる真空下での乾燥は、ミクロスフェアを乾燥して減圧下で保存できるため有利である。このアプローチは、国際公開第2007/147902号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているように、改善された再水和性をもたらす。通常、乾燥したミクロスフェアが保存される圧力は1mBar(ゲージ)未満である。
ミクロスフェアの本発明に係る組成物の胃底への送達は、患者の体重の減少を誘発し、又は体重の増加率を低下させる。送達は通常、経カテーテル経路で実施される。適切な患者には、哺乳動物患者、特にヒト患者が含まれるが、このアプローチは、他の哺乳動物種でも使用することができ、愛玩哺乳動物など、例えば、ネコ、イヌ、ウマなどで体重の減少を誘発させたり、又は体重の増加率を低下させたりするためにも使用できる。
したがって、第4の態様では、本発明は、患者の胃底の毛細血管床に、本明細書に記載の有効量のミクロスフェアの集団を送達する工程を含む、患者の体重減少を誘発、又は体重増加を遅延させる方法を提供する。そのような組成物は、本明細書に記載された医薬組成物の形態で送達されてもよい。
ミクロスフェアの有効量は、治療する適応症に測定可能な改善をもたらすために必要な量である。この体積は、治療される患者に依存するが、ヒトなどのより大きな哺乳動物の場合、通常、充填ミクロスフェア体積として測定して、50~1000μL~1600μL、好ましくは100~800μL、より好ましくは150~750μLの範囲である。
体重の減少、又は体重増加率の低下を必要とする患者の症状の治療、例えば肥満なども、その状態の併存症の軽減、又はそのような状態のリスクの低下をもたらすことが期待される。このような状態には、インスリン抵抗性、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、心血管疾患、睡眠時無呼吸、胆嚢疾患、高尿酸血症、痛風、変形性関節症などの慢性状態、及び脳卒中などの急性状態が含まれる。したがって、別の態様では、本発明は、これらの併存する疾患の治療のための方法も提供する。BAEは、グレリンレベルの低下、胃底におけるグレリン分泌細胞の数の減少、及び空腹の低下をもたらすことが知られているため、本発明は、別の態様において、血中のグレリンレベルを低下させる方法、患者の胃底におけるグレリン分泌細胞の数を減少させるための方法、及び患者の空腹を低下させるための方法も提供する。
第5の態様では、本明細書に記載の任意の状態の治療又は予防のための薬剤の製造に本明細書の態様のいずれか1つにかかるミクロスフェアの集団を含有する組成物の使用が提供される。さらなる態様では、本明細書に記載の治療方法のいずれかで使用するために、本明細書の態様の任意の1つにかかるミクロスフェアの集団を含有する組成物が提供される。いずれの場合も、この方法は、本明細書に記載の組成物を対象物の胃底の毛細血管床に送達する工程を含む。
次に、図面を参照して、以下の非限定的な例によって、本発明をさらに説明する。これらは、例示のみを目的として提供されており、特許請求の範囲内に入る別例は、これらに照らして当業者であれば理解できる。本明細書で引用されているすべての参考文献は、参照により援用される。
実験例
(実施例1)ミクロスフェアの調製
架橋したヒドロゲルミクロスフェアは、国際公開第2004/071495号明細書の実施例1(高AMPSの場合)に従って調製した。工程は、生成物を真空乾燥して残留溶媒を除去したあと、ミクロスフェアをふるいにかけて適切なサイズ範囲を形成した後に終了させた。500μm、425μm、355μm、323μm、250μm、212μm及び160μmのふるいを順次使用し、ふるいからミクロスフェアを回収して、使用するサンプル、つまり355~425μm(「304」)、250~323μm(「203」)、及び160~212μm(「102」)を形成した。ビーズは、乾燥状態で保存し、必要に応じて、国際公開第2015/033093号明細書に記載の方法に従って、2,3,5-トリヨードベンズアルデヒドでアセタール化して、放射線不透過性のヨウ素化ミクロスフェアを形成した。
簡潔に説明すると、1gの乾燥ミクロスフェアと適切な量のアルデヒド(以下の表1を参照)とを、窒素でパージした容器に入れた。30mLの無水DMSOを窒素雰囲気(blanket)の下に加え、ビーズを懸濁状態に保つために撹拌した。懸濁液を50℃に温めて、2.2mLのメタンスルホン酸をゆっくりと加えた。アルデヒドの消費をHPLCでモニターしながら、反応スラリーを50℃で22時間撹拌した。次に、反応スラリーを沈降させて、反応混合物を吸引により除去し、ミクロスフェアを30mlのDMSO/0.5%NaClで5回洗浄した後、続いて50mlの0.9%NaClで5回洗浄した。洗浄は50℃で行った。次に、得られたミクロスフェアのうちの1.5mLのサンプルを5mLのリン酸緩衝生理食塩水に保存した。
実際のミクロスフェアのサイズ範囲は、顕微鏡下で約200個のランダムなミクロスフェアの直径を測定することによって決定した。結果は、他の市販の架橋PVAヒドロゲルをベースとするミクロスフェアと対比させて図1に示した。
(実施例2)ミクロスフェアの弾性圧縮率(ECM)の測定
ミクロスフェアの弾性圧縮弾性率(ECM)は、Cain et al(2018)、及びDuran et al(2016)に概説されたプロトコルに従って測定してもよい。Caine et al(2018)は、さまざまな市販のミクロスフェアの圧縮弾性率の値の表も開示している。簡潔に説明すると、ECMは、独自のインデンテーションソフトウェアによって操作されるUNHTバイオインデンターシステム(UNHT Bioindentor system)(アントンパール社(Anton Paar)、スイス)を使用して、0.01~20mNの力範囲と、1nm~100μmの変位範囲で決定した。ミクロスフェアのサンプルは、皿に分散させて、通常の生理食塩水に沈めた。機器の光学顕微鏡を用いて個々のミクロスフェアを選択し、それらの直径を最も近い1μmまで測定した(5倍の倍率で)。個々のミクロスフェアを50μm/minで圧縮し、5秒間休止した後、サンプルを50μm/minで脱負荷(unloaded)させた。取得(Acquisition)は20Hzに設定した。各ビーズの弾性率は、2つの平坦な表面間で圧縮された球の場合に線形弾性ヘルツ接触力学(Hertzian contact mechanics)を適用することによって、荷重曲線から計算し、10~15%の個々のビーズ直径圧縮範囲でn=5の反復の算術平均として得た。
実験用及び市販のミクロスフェアのサンプルで得られた結果を表2に示す。
ビーズブロック(登録商標)及びディーシービーズ(登録商標)は両方とも、国際公開第2004/071495号明細書に記載されているように、PVA-N-アクリロイル-アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(NAADA)マクロマーを2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸で架橋することによって調製された架橋PVAミクロスフェアである。ディーシービーズルミ(登録商標)は、国際公開第2015/033092号明細書に記載されているように、ディーシビーズ(登録商標)に従って調製され、ヨウ素化フェニル基で置換されている。
(実施例3)生体内腎塞栓術
以下の手順に従って、体重約30kgの雌ヨークシャーブタの腎動脈に塞栓を形成した。
超音波ガイド下セルディンガー(Seldinger)法を用いて大腿動脈にカニューレを挿入した。微小穿刺セットの針の中を通して腹部大動脈の中にワイヤーを前進させた。次に、針を除去して、5~6フレンチ(1.7~2.3mm)の血管鞘を大腿動脈に配置した。第IVヘパリンを5,000IUで投与してもよいし、必要に応じて数時間後にこれを繰り返してもよい。X線透視下で、ワイヤー上に沿って大動脈の中にガイドカテーテルを前進させた。腎動脈のヨウ素化造影剤を用いた血管造影評価を行って、塞栓を形成するために透視ガイダンスの下で動脈を選択した。選択的な動脈カテーテルの挿入中の血管痙攣を防止するために、ニトロプルシド(100mg)を動脈内に注射してもよい。
次に、2.8フレンチレネゲードハイフロー(Renegade(登録商標)Hi-Flo)マイクロカテーテル(ボストンサイエンティフィック社)を使用して、塞栓ミクロスフェアを選択した血管に注入した。その際、次の液滴を投与する前に、血流がビーズを腎臓に送達できるように少量の液滴を断続的に送達した。次に、動物を、飽和させた過剰量のバルビツール酸塩をベースとする安楽死によって人道的に安楽死させて、腎臓を取り出した。
腎臓の集合管、髄質、及び皮質を含む上極、下極、及び側極から理想的な切片面で腎臓の連続切片を採取して、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した。次に、切片をデジタルスキャンして、ミクロスフェアの最遠の浸透を評価した。
1個のミクロスフェアが血管を閉塞していることが示されている場合には、閉塞した血管の直径は、その部位における血管内腔の内径(横血管断面の場合)、又は斜めの断面では楕円の最小軸として測定した。縦断面の場合には、血管の直径は最も大きいミクロスフェアのレベルで測定した。腎臓あたり少なくとも140個の血管径を分析した。
図2~4は、102(129mg/mL ヨウ素)、304(113mg/mL ヨウ素)のサンプルミクロスフェア調製物の浸透度のデータ、及び市販の調製物であるビーズブロック(登録商標)300-500μm(バイオコンパチブルズUK社)の浸透度のデータを示す。
(実施例4)ブタ胃底塞栓術
放射線不透過性の102ミクロスフェア(95mg/mL ヨウ素)を、健康で発育中のブタ(~32kg)の左胃大網動脈と、右胃動脈とに注入した。これらの2つの動脈は胃底に供給する。ミクロスフェアは、非イオン性造影剤で1:10に希釈して送達した。3匹の比較ブタに生理食塩水を注入して偽の処置を行った。
すべてのブタに、以前の試験で投与したように、潰瘍を防ぐための胃保護剤として、BAEの3日前~BAEの後28日目まで、毎日40mgの経口オメプラゾールを投与するか、又は偽の処置を行った。
25kgあたり1mLでケタミン(100mg/mL)、キシラジン、及びテラゾールを筋肉注射して、絶食させたブタを鎮静させて、静脈内注射で作用させるために、プロポフォール(~4mg/kg)で誘導した。全身麻酔は、1~2%のイソフルラン(バクスターヘルスケア社(Baxter Healthcare Corp.)、イリノイ州ディアフィールド)で維持した。ブタを挿管して機械的に換気させた。
大腿動脈へのアクセスは、超音波ガイド(ゾナールメディカルシステムズ社(Zonare Medical Systems、Inc.)、カリフォルニア州マウンテンビュー)下で経皮的に行い、続いてイントロデューサーシース(5フレンチ)を配置した。X線透視ガイダンス(アキシオム アルティス ジー(Axiom Artis Zee)、フォルヒハイム、ドイツ)下で、腹腔軸を選択する為に、5フレンチの血管造影ガイドカテーテル(フレクション アキシス(Flexion Axis)、シュアファイアメディカル社(Surefire Medical)、コロラド州ウェストミンスター)を、0.035インチ(約0.089cm)のベントソン(Bentson)ガイドワイヤー(クックメディカル社(Cook Medical)、インディアナ州ブルーミントン)上に沿って腹部大動脈の中に前進させた。次に、4mL/秒で5秒間のイオヘキソール注射をして塞栓前の腹腔のデジタル差分血管造影図(DSA)を取得して、胃底に栄養を与える血管をマッピングした。次に、マイクロカテーテル(レネゲード(Renegade)(登録商標))を、0.016インチ(約0.04cm)のファソム(Fathom)(登録商標)ガイドワイヤー(ボストンサイエンティフィック社、マサチューセッツ州マールボロ)上に沿って胃動脈の胃底枝に進めた。選択した血管のDSAを、50%のイオヘキソールの穏やかなハンドパフで取得して、標的動脈のサブ選択を確認した。次に、100マイクログラムのニトロプルシドを筋弛緩薬としてその血管に送達して、マイクロカテーテルの展開中におけるけいれんを防止した。次に、動脈をミクロスフェアで塞栓して、5拍のうっ血が達成された後、ハンドパフDSAを使用して2番目の動脈を選択して、5拍の状態に塞栓した。塞栓ビーズの位置を記録するために中間のシングルショットを取得した。次に、標的動脈の塞栓形成を確認するためにハンドパフDSAを取得した。5拍のうっ血を超える残留流が観察された場合は、さらに塞栓を投与した。塞栓形成の成功を確認するために、塞栓形成後のCBCTを取得した。次の動脈枝の塞栓形成の前に、マイクロカテーテルを取り外して、生理食塩水で洗い流し、再度配置した。
体重は、基準時及び塞栓形成後1~8週目に測定した。腹腔のデジタル差分血管造影(DSA)は、塞栓術の前と直後、及び塞栓術の8週間後に取得した。胃のコーンビームCT(CBCT)画像は、塞栓形成直後と、処分する8週間前に取得した。胃の内視鏡検査は、塞栓形成の約1週間後に行われ、標準的な成人胃鏡(ペンタックス社(Pentax)、コロラド州デンバー)を使用して胃粘膜に対するミクロスフェアの影響を評価した。
放射線不透過性のミクロスフェアは、塞栓形成後8週間までCBCT画像で視覚化した。第1週の内視鏡評価では、すべての肥満動脈塞栓動物は、胃底又は胃体に小さな表在性の粘膜潰瘍を発症し、第8週までに治癒したが、比較動物には潰瘍は生じなかった。肥満動脈塞栓動物では、比較動物と対比して、体重増加のパーセンテージに有意な減少が認められた(肥満動脈塞栓動物対比較動物:42.3%±5.7対51.6%±2.9、p<0.001)。体重の進行を図5に示す。これは、100~200μmのミクロスフェアが、ブタモデルにおいて体重の増加を抑制するのに効果的であることを示す。図8は、胃底の被覆率と体重増加の関係を示す。データは、個々の動物のコーンビームCTスキャンから得た。胃底被覆率は、胃底内の放射線不透過性の範囲を総胃底面積の割合として示す。胃底被覆率は、胃底領域内の塞栓の程度を表す。
表3は、1週間での動物の潰瘍の発生率を示す。
*試験動物3は、塞栓術とは関係のない理由で、手術後24時間以内に死亡した。試験動物5では、大きな潰瘍が見られた。これが治療に関連しているかどうかは明らかではなかった。試験動物5は、治療に関連しない問題のため、塞栓形成の2週間後に安楽死させた。
(実施例5)代替サイズのミクロスフェアによるBAE
市販の放射線不透過性ミクロスフェア(ディーシービーズルミ(登録商標)公称サイズ40-90μm及び公称サイズ100-300μm-バイオコンパチブルズUK社)を使用して実施例4を行った。これらの製品のそれぞれでは、100μm未満のミクロスフェアは10%以上であった。
以下の表4は、動物の潰瘍の発生率を示す。
潰瘍スコア:潰瘍なし=0、小(<=2cm)=1、大(>2cm)=2、全層潰瘍=3。
S1動物は、1本の胃動脈に送達することにより、ディーシービーズルミ(登録商標)40-90μmミクロスフェアで処置した。S2動物は、ディーシービーズルミ(登録商標)ミクロスフェア40-90μmを2本の胃動脈に送達することによって処置した。L2動物は、ディーシービーズルミ(登録商標)100-300μmミクロスフェアを2つの胃動脈に送達することによって処置した。図6,7は、3種類のミクロスフェアを使用したBAE後に見られた潰瘍のレベルを示す。
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(付記1)
ポリマーからなるポリマーミクロスフェアの集団であって、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが10%以下であり、かつ、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下である、固有のサイズ分布を有する、前記ポリマーミクロスフェアの集団からなる組成物。
(付記2)
前記ミクロスフェアは、1000kPaを超える平均圧縮弾性率を有する、付記1に記載の組成物。
(付記3)
前記ミクロスフェアは、ビーズブロック(登録商標)300-500の平均圧縮弾性率の少なくとも5倍の平均圧縮弾性率を有する、付記1に記載の組成物。
(付記4)
前記ミクロスフェアは、100μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、かつ、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが5%以下である、固有のサイズ分布を有する、付記1~3のいずれか一項に記載の組成物。
(付記5)
前記ミクロスフェアは、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、かつ、185μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下であるような固有のサイズ分布を有する、付記1~3のいずれか一項に記載の組成物。
(付記6)
ブタ腎臓モデルにおいて、前記ミクロスフェアの10%以下は、80μm未満の浸透値を有する、付記1~5のいずれか一項に記載の組成物。
(付記7)
前記ミクロスフェアの10%以下は、300μmを超える浸透値を有する、付記1~5のいずれか一項に記載の組成物。
(付記8)
前記ミクロスフェアの5%以下は、80μm未満の浸透値を有し、かつ、前記ミクロスフェアの5%以下は、300μmを超える浸透値を有する、付記1~5のいずれか一項に記載の組成物。
(付記9)
前記ミクロスフェアの5%以下が90μm未満の浸透値を有し、かつ、前記ミクロスフェアの5%以下が250μmを超える浸透値を有する、付記1~5のいずれか一項に記載の組成物。
(付記10)
ポリマーからなるポリマーミクロスフェアの集団を含有する組成物であって、ブタ腎臓モデルでは、前記ミクロスフェアの10%以下は、80μm未満の浸透値を有する、組成物。
(付記11)
前記ミクロスフェアの10%以下は、300μmを超える浸透値を有する、付記10に記載の組成物。
(付記12)
前記ミクロスフェアの5%以下は、80μm未満の浸透値を有し、前記ミクロスフェアの5%以下は、300μmを超える浸透値を有する、付記10に記載の組成物。
(付記13)
前記ミクロスフェアの5%以下は、90μm未満の浸透値を有し、前記ミクロスフェアの5%以下は250μmを超える浸透値を有する、付記10に記載の組成物。
(付記14)
前記ミクロスフェアは、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが10%以下であり、かつ、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下である、固有のサイズ分布を有する、付記10~13のいずれか一項に記載の組成物。
(付記15)
前記ミクロスフェアは、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、かつ、185μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下であるような固有のサイズ分布を有する、付記9~12のいずれか一項に記載の組成物。
(付記16)
前記ミクロスフェアは、1000kPaを超える平均圧縮弾性率を有する、付記9~15のいずれか一項に記載の組成物。
(付記17)
前記ミクロスフェアは、ビーズブロック(登録商標)300-500の平均圧縮弾性率の少なくとも10倍の平均圧縮弾性率を有する、付記9~15のいずれか一項に記載の組成物。
(付記18)
前記ポリマーは、ヒドロゲルである、付記1~17のいずれか一項に記載の組成物。
(付記19)
前記ポリマーは、ポリビニルアルコールを含有する、付記1~18のいずれか一項に記載の組成物。
(付記20)
前記ポリマーは、画像化可能である、付記1~19のいずれか一項に記載の組成物。
(付記21)
前記ポリマーは、放射線不透過性である、付記1~20のいずれか一項に記載の組成物。
(付記22)
前記ポリマーは、ポリマーに共有結合した沈降ミクロスフェア1mLあたり70~150mgのヨウ素を含み、好適には沈降ミクロスフェアの85~120mg/mL、特に好適には90~110mg/mLのヨウ素を含む、付記1~21のいずれか一項に記載の組成物。
(付記23)
付記1~22のいずれか一項に記載のポリマーミクロスフェアの集団、及び薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物。
(付記24)
体重の減少の誘発、又は体重の増加の遅延を必要とする患者に体重の減少を誘発させ、又は体重の増加を遅延させる方法であって、前記方法は、患者の胃底の毛細血管床に、有効量の付記1~22のいずれか一項に記載のミクロスフェアの集団、又は有効量の付記23に記載の医薬組成物を含有する組成物を送達する工程を含む、方法。
(付記25)
体重の減少の誘発、又は体重の増加の遅延を必要とする患者に体重の減少を誘発、又は体重の増加を遅延させる方法であって、前記方法は、患者の胃底の毛細血管床に、有効量の付記1~22のいずれか一項に記載のミクロスフェアの集団、又は有効量の付記23に記載の医薬組成物を含有する組成物を送達する工程を含む、方法。
(付記26)
前記ミクロスフェアは、経カテーテル経路によって送達される、付記24又は25に記載の方法。
(付記27)
体重の減少の誘発、又は体重の増加の遅延を必要とする患者に体重の減少を誘発、又は体重の増加を遅延させる方法で用いられる、付記1~23のいずれか一項に記載の組成物。

Claims (27)

  1. ポリマーからなるポリマーミクロスフェアの集団であって、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが10%以下であり、かつ、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下である、固有のサイズ分布を有する、前記ポリマーミクロスフェアの集団からなる組成物。
  2. 前記ミクロスフェアは、1000kPaを超える平均圧縮弾性率を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ミクロスフェアは、ビーズブロック(登録商標)300-500の平均圧縮弾性率の少なくとも5倍の平均圧縮弾性率を有する、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記ミクロスフェアは、100μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、かつ、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが5%以下である、固有のサイズ分布を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記ミクロスフェアは、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、かつ、185μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下であるような固有のサイズ分布を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  6. ブタ腎臓モデルにおいて、前記ミクロスフェアの10%以下は、80μm未満の浸透値を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記ミクロスフェアの10%以下は、300μmを超える浸透値を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記ミクロスフェアの5%以下は、80μm未満の浸透値を有し、かつ、前記ミクロスフェアの5%以下は、300μmを超える浸透値を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記ミクロスフェアの5%以下が90μm未満の浸透値を有し、かつ、前記ミクロスフェアの5%以下が250μmを超える浸透値を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  10. ポリマーからなるポリマーミクロスフェアの集団を含有する組成物であって、ブタ腎臓モデルでは、前記ミクロスフェアの10%以下は、80μm未満の浸透値を有する、組成物。
  11. 前記ミクロスフェアの10%以下は、300μmを超える浸透値を有する、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記ミクロスフェアの5%以下は、80μm未満の浸透値を有し、前記ミクロスフェアの5%以下は、300μmを超える浸透値を有する、請求項10に記載の組成物。
  13. 前記ミクロスフェアの5%以下は、90μm未満の浸透値を有し、前記ミクロスフェアの5%以下は250μmを超える浸透値を有する、請求項10に記載の組成物。
  14. 前記ミクロスフェアは、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが10%以下であり、かつ、200μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下である、固有のサイズ分布を有する、請求項10~13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記ミクロスフェアは、120μm未満の直径を有するミクロスフェアが5%以下であり、かつ、185μmを超える直径を有するミクロスフェアが10%以下であるような固有のサイズ分布を有する、請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記ミクロスフェアは、1000kPaを超える平均圧縮弾性率を有する、請求項9~15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記ミクロスフェアは、ビーズブロック(登録商標)300-500の平均圧縮弾性率の少なくとも10倍の平均圧縮弾性率を有する、請求項9~15のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記ポリマーは、ヒドロゲルである、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記ポリマーは、ポリビニルアルコールを含有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 前記ポリマーは、画像化可能である、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 前記ポリマーは、放射線不透過性である、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記ポリマーは、ポリマーに共有結合した沈降ミクロスフェア1mLあたり70~150mgのヨウ素を含み、好適には沈降ミクロスフェアの85~120mg/mL、特に好適には90~110mg/mLのヨウ素を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 請求項1~22のいずれか一項に記載のポリマーミクロスフェアの集団、及び薬学的に許容される希釈剤を含む医薬組成物。
  24. 体重の減少の誘発、又は体重の増加の遅延を必要とする患者に体重の減少を誘発させ、又は体重の増加を遅延させる方法であって、前記方法は、患者の胃底の毛細血管床に、有効量の請求項1~22のいずれか一項に記載のミクロスフェアの集団、又は有効量の請求項23に記載の医薬組成物を含有する組成物を送達する工程を含む、方法。
  25. 体重の減少の誘発、又は体重の増加の遅延を必要とする患者に体重の減少を誘発、又は体重の増加を遅延させる方法であって、前記方法は、患者の胃底の毛細血管床に、有効量の請求項1~22のいずれか一項に記載のミクロスフェアの集団、又は有効量の請求項23に記載の医薬組成物を含有する組成物を送達する工程を含む、方法。
  26. 前記ミクロスフェアは、経カテーテル経路によって送達される、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 体重の減少の誘発、又は体重の増加の遅延を必要とする患者に体重の減少を誘発、又は体重の増加を遅延させる方法で用いられる、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物。
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