JP2023104752A - マスク検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスク検査装置を小型化し、且つマスク体の張力を精度良く検査できるようにする。【解決手段】マスク検査装置(1)は、ワーク受け具(10)と、ワーク受け具(10)の上方に配置された定盤(20)と、ワーク受け具(10)に載置されたマスク印刷版(500)の版枠(502)を定盤(20)の下面に押し付ける押付機構(30)と、定盤(20)の上方に配置された測定ユニット(80)と、測定ユニット(80)を定盤(20)の上方位置で移動させる移動機構(40)と、押付機構(30)、測定ユニット(80)および移動機構(40)の動作を制御する制御装置(5)とを備える。当該マスク検査装置(1)は、マスク印刷版(500)の版枠(502)を定盤(20)の下面に押し付けた状態で、所定の荷重を付加したときのマスク体(504)の変位量を測定する。【選択図】図11

Description

本開示は、マスク検査装置に関する。
マスク印刷版は、印刷手法の一つであるスクリーン印刷に使用される。マスク印刷版は、シート状のマスク体と版枠とを含んで構成される。マスク体には、印刷パターンが形成される。印刷パターンは、所定の形状に開口する孔で構成される。マスク体は、版枠の内側に張力の掛かった状態で支持される。スクリーン印刷では、マスク体に載せたペースト(インキ)をスキージと呼ばれる押付け部材で押し付けながら擦って印刷パターンの孔に刷り込むことにより、その孔を通過させたペーストをワークに印刷(転写)する。
スクリーン印刷において、ワークにペーストを印刷するときには、押付け部材がマスク体をワークの表面に押し付けられる。このため、押付け部材の移動に追随してマスク体がワークの表面から離れる、いわゆる版離れ時に、マスク体をワークの表面から確実に離し、ワークに印刷されたペーストパターンの品質に影響を与えないことが重要である。マスク体の版離れを良くするには、マスク体の張力を管理する必要がある。そこで、マスク体の張力を検査することが行われる。
マスク体の張力を検査するための機器としては、マスク検査装置が使用される。マスク検査装置の一例は、特許文献1に開示される。特許文献1に開示のマスク検査装置は、メタルマスクのテンション測定装置である。このテンション測定装置は、メタルマスク(マスク体)に対して一定の荷重を加えたときの当該メタルマスクの変位量を測定する。これにより、メタルマスクの張力の変化を検査する。
特開2001-062996号公報
特許文献1に開示のテンション測定装置では、メタルマスク台(定盤)にメタルマスクを載置し、メタルマスクに分銅を載せることにより一定の荷重を加える。このテンション測定装置を自動化すると、メタルマスク台上には、分銅を含む測定ユニットおよび測定ユニットを移動させる移動機構が設けられる。そのため、当該テンション測定装置は、メタルマスクと移動機構との干渉(ぶつかり合い)を避けるべく、メタルマスクが大型であると、そのサイズに合わせてメタルマスク台を拡大しなくてはならない。このことは、テンション測定装置の大型化を招く。
また、メタルマスクの版枠(メタルマスク枠)には捩れや歪みが生じることがある。特許文献1に開示のテンション測定装置では、メタルマスクをメタルマスク台に載せた後、メタルマスク上にテンプレートを置いているだけであり、版枠に捩れや歪みが生じた場合、その捩れや歪みを矯正できない。版枠に捩れや歪みが生じた状態では、分銅で加えた荷重に対するメタルマスクの変位量を正確に測定することが難しい。そのため、メタルマスクの張力を精度良く検査できない。
本開示の目的は、マスク検査装置を小型化し、且つマスク体の張力を精度良く検査できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、本開示の技術では、マスク印刷版のセット位置を定盤の下側とし、マスク印刷版の版枠を定盤に押し付けて矯正するようにした。
具体的には、本開示の第1の態様は、印刷パターンを有するシート状のマスク体が張力の掛かった状態で版枠の内側に支持されてなるマスク印刷版を検査対象として、前記マスク体の張力を検査するマスク検査装置を対象とする。
第1の態様のマスク検査装置は、前記マスク印刷版が載置されるワーク受け具と、前記ワーク受け具の上方に配置され、前記ワーク受け具に載置された前記マスク印刷版の前記版枠と対向し、前記マスク体に対応する開口が形成された定盤と、前記ワーク受け具を前記定盤側に移動させることにより、当該ワーク受け具に載置された前記マスク印刷版の前記版枠を前記定盤の下面に押し付ける押付機構と、前記定盤の上方に配置され、前記開口を介して前記マスク体に下方向への荷重を付加し、荷重を付加したときの前記マスク体の変位量を測定する測定ユニットと、前記測定ユニットを前記定盤の上方位置で移動させる移動機構と、前記マスク体に設定された複数の測定箇所の間で前記測定ユニットを移動させ、それぞれの前記測定箇所において、前記マスク印刷版の前記版枠を前記定盤の下面に押し付けた状態で、前記マスク体の変位量を測定するように、前記押付機構、前記測定ユニットおよび前記移動機構の動作を制御する制御装置とを備える。
この第1の態様では、マスク印刷版は、定盤の下側でワーク受け具に支持される。マスク印刷版を定盤の下に潜り込ませると、測定ユニットおよび移動機構とマスク印刷版とが、定盤に対して互いに反対側に位置し、互いの干渉が避けられる位置関係にある。そして、測定ユニットは、定盤の開口を介してマスク印刷版のマスク体における荷重を付加したときの変位量を測定する。こうした構成により、マスク印刷版が大型のものであっても対応することができ、マスク印刷版のサイズに合わせて定盤を拡大しなくても済む。したがって、マスク検査装置を小型化できる。また、測定ユニットによる荷重を付加したときのマスク体の変位量の測定は、マスク印刷版の版枠を定盤の下面に押し付けた状態で行われる。マスク印刷版の版枠に捩れや歪みが生じた場合、版枠を定盤の下面に押し付けることで、版枠に生じた捩れや歪みを矯正できる。そのことで、版枠の捩れや歪みを矯正しながらマスク体の変位量を測定できる。これによれば、測定ユニットで付加した荷重に対するマスク体の変位量を好適に測定し、マスク体の張力を精度良く検査できる。
本開示の第2の態様は、第1の態様のマスク検査装置において、前記マスク印刷版として、第1マスク印刷版と、該第1マスク印刷版よりも小さいサイズの第2マスク印刷版とを検査対象とする、マスク検査装置である。前記ワーク受け具は、前記第1マスク印刷版の前記版枠が載置される第1載置部と、前記第1マスク印刷版の前記版枠を前記第1載置部で位置決めする第1位置決め部と、前記第2マスク印刷版の前記版枠が載置される第2載置部と、前記第2マスク印刷版の前記版枠を前記第2載置部で位置決めする第2位置決め部とを有する。前記第1載置部と前記第2載置部とは段差を介して互いに隣り合う。前記第1載置部と前記第2載置部との間の前記段差をなす段差壁面は、前記第1位置決め部または前記第2位置決め部として機能する。
この第2の態様では、ワーク受け具が段差を介して互いに隣り合う第1載置部および第2載置部を有する。第1載置部に載置された第1マスク印刷版は、第1位置決め部によって位置決めされる。第2載置部に載置された第2マスク印刷版は、第2位置決め部によって位置決めされる。第1位置決め部または第2位置決め部は、第1載置部と第2載置部との間の段差をなす段差壁面で構成される。これによれば、互いに異なるサイズの第1マスク印刷版および第2マスク印刷版を位置決めして載置可能なワーク受け具を簡単な構成で実現できる。
本開示の第3の態様は、第1または第2の態様のマスク検査装置において、前記定盤の上方に配置され、前記開口を介して前記マスク印刷版の前記マスク体の表面を撮影するカメラユニットをさらに備える、マスク検査装置である。前記移動機構は、前記カメラユニットを移動させる機構としても機能する。
この第3の態様では、マスク検査装置がカメラユニットを備える。カメラユニットは、移動機構によって移動し、定盤の開口を介してマスク体の表面を撮影する。制御装置は、カメラユニットによって撮影された撮影画像を取得でき、撮影画像を画像処理などで解析することにより、マスク体の印刷パターンにペーストが残留しているかなど、マスク体の表面状態を検査できる。移動機構は、測定ユニットおよびカメラユニットを移動させる機構として兼用される。このことは、マスク検査装置を小型化するのに有利である。
本開示の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか1つのマスク検査装置において、前記マスク印刷版としてメタルマスクを検査対象とする、マスク検査装置である。
この第4の態様では、メタルマスクを検査対象とする。メタルマスクは、マスク印刷版の一種であって、主にワークとしての基板に対して半田ペースト(クリーム半田)を印刷するのに使用される。メタルマスクでも基板からの版離れの良さがペーストパターンの品質を向上させるのに肝心である。よって、本開示の技術は、メタルマスクを検査対象とするマスク検査装置においても有効である。
本開示の技術によれば、マスク検査装置を小型化し、且つマスク体の張力を精度良く検査できる。
図1は、マスク検査装置の概略構成を例示する図である。 図2は、検査対象とするマスク印刷版の概略構成を例示する平面図である。 図3は、検査機の概略構成を例示する平面図である。図3では、第1マスク印刷版をセットした場合を二点鎖線で例示する。 図4は、図3の矢視Aから見た検査機の側面図である。図4では、第1マスク印刷版をセットした場合を実線で例示し、第2マスク印刷版および第3マスク印刷版をセットした場合を二点鎖線で例示する。図4では、便宜上、第1~第3マスク印刷版を断面図として示す。 図5は、図3の矢視Bから見た検査機の側面図である。図5では、第1マスク印刷版をセットした場合を実線で例示し、第2マスク印刷版および第3マスク印刷版をセットした場合を二点鎖線で例示する。図5では、便宜上、第1~第3マスク印刷版を断面図として示す。 図6Aは、ワーク受け具の概略構成を第1マスク印刷版のセット状態および定盤(いずれも二点鎖線で示す)と共に例示する平面図である。 図6Bは、ワーク受け具の概略構成を第2マスク印刷版のセット状態および定盤(いずれも二点鎖線で示す)と共に例示する平面図である。 図6Cは、ワーク受け具の概略構成を第3マスク印刷版のセット状態および定盤(いずれも二点鎖線で示す)と共に例示する平面図である。 図7は、測定ユニットの概略構成を例示する斜視図である。 図8は、測定ユニットの連結機構の構成を例示する断面図である。 図9は、測定ユニットの連結機構の動作を例示する断面図である。 図10は、制御装置と主な関連機器とを例示するブロック図である。 図11は、マスク検査装置での検査時における押付機構の動作を例示する図5相当図である。図11では、第1マスク印刷版をセットした場合を例示する。図11では、便宜上、マスク印刷版を断面図として示す。 図12は、マスク検査装置でのマスク印刷版の開口検査時の動作を例示する平面図である。図12では、第1マスク印刷版をセットした場合を二点鎖線で例示する。 図13は、マスク検査装置でのマスク印刷版の張力検査時における測定ユニットと移動機構との連結動作を例示する平面図である。図13では、第1マスク印刷版をセットした場合を二点鎖線で例示する。 図14は、マスク検査装置でのマスク印刷版の張力検査時の動作を例示する平面図である。図14では、第1マスク印刷版をセットした場合を二点鎖線で例示する。 図15は、マスク検査装置でのマスク印刷版の張力検査時におけるゼロ点調整の動作を例示する要部の断面図である。図15では、第1マスク印刷版をセットした場合を例示する。 図16は、マスク検査装置でのマスク印刷版の張力検査時におけるゼロ点調整の動作を例示する要部の断面図である。図16では、第1マスク印刷版をセットした場合を例示する。 図17は、マスク検査装置でのマスク印刷版の張力検査時におけるマスク体の変位量測定の動作を例示する要部の断面図である。図17では、第1マスク印刷版をセットした場合を例示する。 図18は、マスク検査装置でのマスク印刷版の張力検査時におけるマスク体の変位量測定の動作を例示する要部の断面図である。図18では、第1マスク印刷版をセットした場合を例示する。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明では、マスク検査装置1について、上下方向における上側を「上」、下側を「下」と称し、ワーク受け具10へのマスク印刷版500のセット作業を行う側を「前」、マスク印刷版500のセット作業を行う側から見て奥側を「後」と称し、前側から後側を見たときの左側を「左」、右側を「右」と称する。なお、以下に述べる「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
この実施形態のマスク検査装置1は、マスク印刷版500を検査対象として、マスク印刷版500の印刷パターン501の孔501hの開口状態を検査する開口検査と、マスク体502に掛かった張力を検査する張力検査とを行う用途で使用される。図1に示すマスク検査装置1は、ユーザの操作に従い、マスク印刷版500の開口検査および張力検査を選択的に実行する装置である。マスク検査装置1は、マスク印刷版500の開口検査および張力検査を連続的に実行可能であってもよい。
図2に示すように、マスク印刷版500は、版枠502と、マスク体504とを含んで構成される。版枠502は、例えば平面視で矩形状に形成された枠体である。版枠502は、例えばアルミニウム製のものである。アルミニウム製の版枠502は、比較的軽量であって扱い易いが、捩れや歪みが生じて平面度が損なわれることがある。マスク体504は、シート状物であって、印刷パターン501を有する。印刷パターン501は、所定の形状に開口する孔501hで構成される。
マスク検査装置1は、マスク印刷版500としてメタルマスクを検査対象とする。メタルマスクのマスク体504は、例えばステンレス製のものである。マスク体504は、所要の張力の掛かった状態で版枠502の内側に支持される。メタルマスクは、紗と呼ばれるメッシュ部材(不図示)が版枠502に張り付けられ、マスク体504がメッシュ部材に接着剤により固定された、いわゆるコンビネーションマスクである。メタルマスクは、マスク体504が版枠502に直接張り付けられた、いわゆる直張りマスクであってもよい。
マスク検査装置1は、複数種類のサイズのマスク印刷版500に対応する。本例のマスク検査装置1は、マスク印刷版500として、第1マスク印刷版500Aと、第2マスク印刷版500Bと、第3マスク印刷版500Cとを検査対象とする(図6A~図6C参照)。第1マスク印刷版500A、第2マスク印刷版500Bおよび第3マスク印刷版500Cは、互いに異なる寸法に設計される。第1マスク印刷版500A、第2マスク印刷版500Bおよび第3マスク印刷版500Cのサイズは、この順で大きい。
第1マスク印刷版500Aは、相対的に大きなサイズの版である。第1マスク印刷版500Aのサイズは、例えば736mm×736mmである。第2マスク印刷版500Bは、第1マスク印刷版500Aよりも小さなサイズの版である。第2マスク印刷版500Bのサイズは、例えば550mm×650mmである。第3マスク印刷版500Cは、第2マスク印刷版500Bよりも小さなサイズの版である。第3マスク印刷版500Cは、例えば550mm×600mmである。
-マスク検査装置の構成-
図1に示すように、マスク検査装置1は、検査機3と、制御装置5と、記憶装置7とを備える。図3~図5に示すように、検査機3は、ワーク受け具10と、定盤20と、押付機構30と、移動機構40と、カメラユニット60と、ガイド機構70と、測定ユニット80とを備える。
〈ワーク受け具〉
ワーク受け具10は、マスク印刷版500が載置される治具である。図6A~図6Cに示すように、ワーク受け具10は、マスク印刷版500の版枠502を受ける。本例のワーク受け具10は、一対の受け部材11によって構成される。一対の受け部材11は、左右方向に互いに間隔をあけて配置される。一対の受け部材11はそれぞれ、前後方向に延びる帯板状に形成される。各受け部材11は、長さ方向を前後方向に、幅方向を左右方向に対応させて設けられる。各受け部材11は、水平板部12と、縦壁部13とを含んで構成される。
各受け部材11の水平板部12には、第1載置部14と、第2載置部15とが設けられる。第1載置部14は、第1マスク印刷版500Aの版枠502が載置される部分である(図6A参照)。第2載置部15は、第2マスク印刷版500Bの版枠502および第3マスク印刷版500Cの版枠502が載置される部分である(図6Bおよび図6C参照)。第1載置部14と第2載置部15とは、段差を介して互いに隣り合う。第1載置部14は、一対の受け部材11の互いの近接側に位置する。第2載置部15は、一対の受け部材11の互いの離間側に位置する。第1載置部14の版枠502を受ける面は、第2載置部15の版枠502を受ける面よりも高い位置に形成される。
各受け部材11の縦壁部13は、水平板部12の端部から上方に突出する壁部である。縦壁部13は、第1載置部14の第2載置部15とは反対側の端部、つまり一対の受け部材11の互いの離間側の端部に設けられる。当該縦壁部13は、第1マスク印刷版500Aの版枠502を第1載置部14で位置決めする第1位置決め部16として機能する。また、第1載置部14と第2載置部15との間の段差をなす段差壁面17は、第2マスク印刷版500Bの版枠502および第3マスク印刷版500Cの版枠502を第2載置部15で位置決めする第2位置決め部18として機能する。各受け部材11は、平面視で定盤20から手前側に延び出る。
〈定盤〉
定盤20は、マスク印刷版500の検査を行うための基準平面(水平面)を提供する盤体である。定盤20は、例えば矩形状の板状物である。定盤20は、例えば鋳鉄製のものである。定盤20は、ワーク受け具10の上方に配置される。定盤20は、ワーク受け具10に載置されたマスク印刷版500の版枠502と対向する位置に設けられる。定盤20には、検査用開口22と、第1確認窓24と、第2確認窓26とが形成される。
検査用開口22は、定盤20において、ワーク受け具10に載置されたマスク印刷版500のマスク体504に対応する部分に形成される。検査用開口22は、検査対象とする複数のマスク印刷版500(本例では、第1~第3マスク印刷版500A,500B,500C)に共通するマスク体504の変位量測定に必要なエリアに開口する。検査用開口22は、例えば、矩形状の開口の一辺(図2などに示す例では左側の辺)に外側へ延びる長孔を付加したような形状に形成される。検査用開口22は、平面視で一対の受け部材11の間に位置し、各受け部材11の水平板部12の端縁部分にかかるように設けられる。検査用開口22の長孔部分22aは、一方の受け部材11の第1載置部14および第2載置部15にかかるように延びる。
第1確認窓24および第2確認窓26はそれぞれ、ワーク受け具10におけるマスク印刷版500の載置状態を確認するための開口である。第1確認窓24および第2確認窓26はいずれも、定盤20の手前側に形成される。第1確認窓24と第2確認窓26とは、左右方向おける両側に分けて形成される。第1確認窓24は、検査用開口22に対して左前側に位置し、左側の受け部材11における第1載置部14および第2載置部15と上方に覗かせる。第2確認窓26は、検査用開口22に対して右前側に位置し、右側の受け部材11における第1載置部14および第2載置部15を上方に覗かせる。
第1確認窓24は、例えば矩形状の開口によって構成される。第2確認窓26は、例えば手前側に開放された矩形状の切欠きによって構成される。第2確認窓26は、マスク印刷版500(少なくとも版枠502の角部)を第1確認窓24よりも広範囲に亘って上方に定盤20から露出させる。そのことで、第2確認窓26は、ワーク受け具10に対するマスク印刷版500の載置位置を調整する際の作業領域としても利用可能になっている。
〈押付機構〉
押付機構30は、ワーク受け具10に載置されたマスク印刷版の版枠を定盤の下面に押し付ける機構である。押付機構30は、支持ステー32と、アクチュエータ34とを備える。支持ステー32およびアクチュエータ34は、受け部材11ごとに設けられる。支持ステー32の一端側は、受け部材11の縦壁部13に固定される。支持ステー32の他端側は、アクチュエータ34に取り付けられる。アクチュエータ34は、定盤20の下側に配置される。アクチュエータ34は、定盤20の下面に取り付けられる。
押付機構30は、ワーク受け具10を吊り下げ状態に支持する。アクチュエータ34は、支持ステー32を介してワーク受け具10を上下方向に移動させる機械部品である。アクチュエータ34は、例えばエアシリンダによって構成される。押付機構30は、アクチュエータ34の作動により、ワーク受け具10を上方に移動させる。そのことにより、マスク印刷版500の版枠502を定盤20の下面に宛がい、所定の圧力で押し付ける。また、押付機構30は、アクチュエータ34の作動により、ワーク受け具10を下方に移動させる。そのことにより、マスク印刷版500の版枠502を定盤20の下面から離間させる。
〈移動機構〉
移動機構40は、測定ユニット80を定盤20の上方位置で移動させる機構である。移動機構40は、カメラユニット60を移動させる機構としても機能する。移動機構40は、カメラユニット60を前後方向および左右方向に移動可能に支持する。移動機構40は、第1直動機構41と、第2直動機構45とを含んで構成される。第1直動機構41は、カメラユニット60および測定ユニット80を左右方向に移動させる機構である。第2直動機構45は、カメラユニット60および測定ユニット80を前後方向に移動させる機構である。
第1直動機構41は、第1送りねじ機構42と、第1駆動モータ44とを有する。第1送りねじ機構42は、定盤20上において検査用開口22の後側に設置される。第1送りねじ機構42は、キャリッジ43と、リニアガイドおよびボールねじ(共に不図示)とを含んで構成される。第1駆動モータ44は、第1送りねじ機構42を作動させる。第1駆動モータ44は、回転方向を切り換え可能に構成される。第1駆動モータ44は、例えばサーボモータである。第1直動機構41は、第1駆動モータ44の駆動によりキャリッジ43を左右方向に移動させる。
第2直動機構45は、第1送りねじ機構42のキャリッジ43上に設置される。第2直動機構45は、検査用開口22の前後方向における全長にかかるように、第1直動機構41と直交する姿勢で設けられる。第2直動機構45は、第2送りねじ機構46と、第2駆動モータ48とを有する。第2送りねじ機構46は、キャリッジ47と、リニアガイドおよびボールねじ(共に不図示)とを含んで構成される。第2駆動モータ48は、第2送りねじ機構42を作動させる。第2駆動モータ48は、回転方向を切り換え可能に構成される。第2駆動モータ48は、例えばサーボモータである。第2直動機構45は、第2駆動モータ48の駆動によりキャリッジ47を前後方向に移動させる。
移動機構40は、第1駆動モータ44の作動により、第2直動機構45ごとキャリッジ47を左右方向に移動させる。移動機構40は、第2駆動モータ48の作動により、第2直動機構45のキャリッジ47を前後方向に移動させる。第2直動機構45のキャリッジ47は、主面を左側に臨ませて設けられる。当該キャリッジ47の主面には、ブラケット49が取り付けられる。ブラケット49は、キャリッジ47から左側に延びる。ブラケット49には、連結ステー50が当該ブラケット49を延長するようにして固定される。連結ステー50の先端部には、挿通孔52が形成される。
〈カメラユニット〉
カメラユニット60は、定盤20の検査用開口22を介してマスク印刷版500のマスク体504の表面を撮影する装置である。カメラユニット60は、図示しないが、撮影装置と、照明装置とを有する。撮影装置は、CCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどの公知の撮影装置により構成される。照明装置は、撮影対象に向けて光を照射する装置である。照明装置は、例えばLED(Light Emitting Diode)を含んで構成される。
カメラユニット60は、定盤20の上方に配置される。カメラユニット60は、ブラケット49に取り付けられ、ブラケット49の側方(例えば前側)に位置する。カメラユニット60は、撮影レンズを下方に向けた姿勢で設けられる。カメラユニット60は、移動機構40の駆動により、水平方向(前後方向および左右方向)に移動する。カメラユニット60は、照明装置により撮影対象に光を照射しつつ、撮影装置で撮影対象を撮影する。カメラユニット60の撮影結果は、制御装置5に出力される。
〈ガイド機構〉
ガイド機構70は、測定ユニット80を支持すると共に測定ユニット80の移動を案内する機構である。ガイド機構70は、定盤20上に設置される。ガイド機構70は、一対の第1リニアガイド71と、第2リニアガイド75とを有する。
一対の第1リニアガイド71は、検査用開口22の後側と前側とに分けて設置される。前側の第1リニアガイド71は、第1確認窓24の前側に第2確認窓26にかからないように設置される。各第1リニアガイド71は、第1レール72と、第1スライダ73とを含んで構成される。第1レール72は、第1スライダ73のスライドを案内するガイドである。第1レール72は、左右方向に直線状に延びる。第1スライダ73は、第1レール72に対して長手方向にスライド自在に取り付けられる。
第2リニアガイド75は、検査用開口22の前後方向における全長にかかるように、第1レール72と直交する姿勢で設けられる。第2リニアガイド75は、第2レール76と、第2スライダ77とを有する。第2レール76は、第2スライダ77のスライドを案内するガイドである。第2レール76は、前後方向に直線状に延びる。第2レール76の両端部分は、互いに異なる第1スライダ73に固定される。第2スライダ77は、第2レール76に対して長手方向にスライド自在に取り付けられる。
〈測定ユニット〉
測定ユニット80は、マスク印刷版500のマスク体504に検査用開口22を介して下方向への荷重を付加し、荷重を付加したときのマスク体504の変位量を測定する装置である。測定ユニット80は、定盤20の上方に配置される。測定ユニット80は、ブラケット81を介して第2スライダ77に支持される。ブラケット81は、第2スライダ77に取り付けられる。
ブラケット81は、側面視でL字形の金具であって、支持板部82を有する。支持板部82は、主面を右側に臨ませて設けられる。測定ユニット80は、支持板部82に取り付けられる。測定ユニット80は、マスク印刷版500の張力検査を行っていないときには、定盤20の左右方向における一端寄りの位置(本例では左端寄りの位置)に退避される(図3および図5参照)。図7に示すように、測定ユニット80は、分銅83と、変位計84と、アクチュエータ87と、連結機構92とを有する。
分銅83は、円柱形の金属塊である。変位計84は、マスク印刷版500のマスク体504が分銅83の荷重で下方に撓んだとき、その撓み量(移動量)を測定するセンサである。変位計84は、例えば接触式の直動変位センサによって構成される。アクチュエータ87は、分銅83および変位計84を上下方向に移動させる機械部品である。アクチュエータ87は、ブラケット81の支持板部82に固定される。例えば電動スライダによって構成される。アクチュエータ87は、上下方向に移動する可動板88を有する。
変位計84は、アクチュエータ87の可動板88に固定される。変位計84は、直方体状の本体部85と、棒状の接触子86とを有する。接触子86は、本体部85からの突出側へ常時付勢される。変位計84は、接触子86が本体部85から下方に向けて延びる姿勢に設けられる。可動板88における変位計84の下側位置には、板状の支持片89が設けられる。支持片89には、挿通孔(不図示)が形成される。この挿通孔には、分銅83の上部に取り付けられたボルト91が挿通される。分銅83は、ボルト91を介して支持片89に吊り下げられる。
ボルト91における支持片89の挿通孔から上方に突出する長さは、分銅83がマスク印刷版500に載置された後の可動板88の下降に応じて変化する。測定ユニット80では、可動板88が下降すると、マスク印刷版500(ゼロ点調整時に版枠502、変位量の測定時にマスク体504)の表面に載置される(図15および図17参照)。これにより、マスク印刷版500に所定の荷重が付加される。さらに可動板88が下降すると、ボルト91の上部が変位計84の接触子86に接近し、接触子86の先端に突き当てられる(図16および図18参照)。接触子86は、ボルト91から付勢力に抗する上方への圧力が加えられると、本体部85側に変位する。変位計84は、接触子86の変位量を計測可能に構成される。
連結機構92は、測定ユニット80を移動機構40と連結する機構である。連結機構92は、一対のガイド板93と、連結ロッド96と、アクチュエータ98とを有する。図8に示すように、一対のガイド板93は、L字形の金具である。各ガイド板93は、ブラケット81の支持板部82に固定される。一対のガイド板93は、上下方向において互いに対向するように設けられる。一対のガイド板93は、互いに間隔をあけて配置される。一対のガイド板93の間には、挿入空間94が設けられる。挿入空間94は、移動機構40の連結ステー50が挿入される空間である。
各ガイド板93には、挿通孔95が形成される。一対のガイド板93の挿通孔95同士は、上下方向に対応する。連結ロッド96およびアクチュエータ98は、下側のガイド板93の下方に配置される。連結ロッド96は、上下方向に延びる姿勢でアクチュエータ98のピストンロッド99に設けられる。アクチュエータ98は、ブラケット81の支持板部82に固定される。アクチュエータ98は、連結ロッド96を上下方向に移動させる機械部品である。アクチュエータ98は、例えばエアシリンダによって構成される。
図9に示すように、連結機構92は、アクチュエータ98の作動により、連結ロッド96を上方に移動させる。このとき、移動機構40の連結ステー50が挿入空間94に挿入されて、連結ステー50の挿通孔52と各ガイド板93の挿通孔52とが上下方向に対応していると、連結ロッド96は、連結ステー50の挿通孔52と各ガイド板93の挿通孔95とに串刺し状に挿通される。それにより、測定ユニット80が連結ステー50を介して移動機構40(第2直動機構45のキャリッジ47)と連結される。
測定ユニット80は、移動機構40に連結されると、移動機構40の駆動により、水平方向(前後方向および左右方向)に移動可能になる。測定ユニット80は、第1直動機構41の駆動により牽引される。そのことにより、測定ユニット80は、第1リニアガイド71に案内されて左右方向に移動する。測定ユニット80は、第2直動機構45の駆動により牽引される。そのことにより、測定ユニット80は、第2リニアガイド75に案内されて前後方向に移動する。
〈制御装置〉
制御装置5は、検査機3の動作を総合的に制御する。図10に示すように、制御装置5は、押付機構30のアクチュエータ34と、移動機構40の各駆動モータ44,48と、カメラユニット60と、測定ユニット80の変位計84、アクチュエータ87および連結機構92(アクチュエータ98)とに電気的に接続される。制御装置5は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラである。
制御装置5は、CPU(Central Processing Unit)5aと、メモリ5bとを有する。メモリ5bは、各種のプログラムおよびデータを記憶する。CPU5aは、メモリ5bから読み出したプログラムを実行する。制御装置5は、プログラムを実行することにより、自動モードのシーケンスに従って検査機3(押付機構30、移動機構40、カメラユニット60、測定ユニット80)を制御する。制御装置5は、マスク印刷版500の開口検査と、マスク印刷版500の張力検査とを、検査機3に実行させる。
制御装置5は、ワーク受け具10に載置されたマスク印刷版500のマスク体504にのうち定盤20の検査用開口22から露出する部分に対し、複数の測定箇所P1~P5を設定する(図6A~図6C参照)。測定箇所P1~P5は、マスク印刷版500の張力検査において、測定ユニット80により所定の荷重を付加したときのマスク体504の変位量を測定する箇所である。本例において、複数の測定箇所P1~P5は、検査用開口22の中央位置P1と、検査用開口22の四隅寄りの各位置P2~P4との5箇所に設定される。
制御装置5は、マスク印刷版500のサイズに応じたリセット箇所P0を設定する。リセット箇所P0は、変位計84の測定値をゼロにリセットする箇所である(図6A~図6C参照)。リセット箇所P0は、マスク印刷版500の張力検査において、検査用開口22の長孔部分22aにおいて、ワーク受け具10に載置されたマスク印刷版500の版枠502の位置に設定される。マスク印刷版500の版枠502の位置は、検査対象とするマスク印刷版500が第1マスク印刷版500A、第2マスク印刷版500B、第3マスク印刷版500Cのいずれであるかによって変わる。
制御装置5は、マスク印刷版500の張力検査において、マスク体504に設定された複数の測定箇所P1~P5との間で測定ユニット80を移動させる。制御装置5は、それぞれの測定箇所P1~P5において、マスク印刷版500の版枠502を定盤20の下面に押し付けた状態で、マスク体504の変位量を測定するように、押付機構30、測定ユニット80および移動機構40の動作を制御する。制御装置5は、マスク印刷版500の張力検査での計測結果(マスク体504の変位量)を、マスク印刷版500ごとにシリアルナンバーなどで個別管理して記憶装置7に記憶させる。
制御装置5は、マスク印刷版500の張力検査において、リセット箇所P0に測定ユニット80を移動させ、リセット箇所P0において、マスク印刷版500の版枠502を定盤20の下面に押し付けた状態で、版枠502に対して変位量の測定を行うことで測定値をゼロにリセットするように、押付機構30、測定ユニット80および移動機構40の動作を制御する。制御装置5は、測定箇所P1~P5でのマスク体504の変位量を測定する前に、測定値をゼロにリセットするゼロ点調整を測定ユニット80に行わせる。
〈記憶装置〉
記憶装置7は、各種の情報を記憶する。記憶装置7は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの公知の記憶装置により構成される。記憶装置7は、検査機3に内蔵されるか、または制御装置5と一体に構成される。記憶装置7は、検査機3外に設けられた外部記憶装置によって構成されてもよい。記憶装置7には、マスク印刷版500の開口検査で取得される撮影画像や、撮影画像の解析によって検出される不良箇所の情報が記憶される。記憶装置7にはさらに、マスク印刷版500の張力検査で取得される、所定の荷重を付加したときのマスク体504の変位量の測定値が記憶される。
-マスク検査装置の動作-
マスク検査装置1を使用してマスク印刷版500の開口検査を実施するには、まず、ユーザが、マスク印刷版500を定盤20の下側に潜り込ませて、図6A~図6Cに示すようにワーク受け具10にセットする。
検査対象のマスク印刷版500が第1マスク印刷版500Aである場合には、版枠502を両方の受け部材11の縦壁部13(第1位置決め部16)に沿わせて第1載置部14に載置することでマスク印刷版500を位置決めする(図6A参照)。検査対象のマスク印刷版500が第2マスク印刷版500Bである場合には、版枠502を両方の受け部材11の段差壁面17(第2位置決め部18)に沿わせて第2載置部15に載置することで、マスク印刷版500を位置決めする(図6B参照)。検査対象のマスク印刷版500が第3マスク印刷版500Cである場合には、版枠502を片方の受け部材11(本例では右側の受け部材11)の段差壁面17(第2位置決め部18)に沿わせて第2載置部15に載置することでマスク印刷版500を位置決めする(図6C参照)。
マスク検査装置1では、ユーザの操作に応じてマスク印刷版500の開口検査の実行が指示されると、図11に示すように、押付機構30のアクチュエータ34の作動により、ワーク受け具10が上方に移動し、マスク印刷版500の版枠502が定盤20の下面に押し付けられる。そして、図12に示すように、移動機構40の各駆動モータ44,48の作動により、カメラユニット60が検査用開口22から露出するマスク体504を全域に亘って走査するように移動する。このとき、カメラユニット60がマスク体504の表面を照明しながら撮影する。カメラユニット60によって撮影された撮影画像は、制御装置5に入力される。
制御装置5に入力された撮影画像は、制御装置5により画像解析される。そのことにより、印刷パターン501の孔501hにインクの残留物が付着しているなどの、印刷パターン501の開口状態の不良が検査される。マスク印刷版500の開口検査の結果(正常であるかまたは不良であるか、不良の場合は不良箇所の位置情報)は、記憶装置7に記憶される。記憶装置7に記憶された検査結果は、図示しないディスプレイに表示される。ユーザは、ディスプレイで検査結果およびその履歴を確認可能である。
マスク検査装置1では、マスク印刷版500の開口検査が完了すると、押付機構30のアクチュエータ34の作動により、ワーク受け具10が下方に移動し、マスク印刷版500の版枠502が定盤20の下面から離間する。これにより、ワーク受け具10に載置されたマスク印刷版500を手前側に引き出して、検査機3から検査済みのマスク印刷版500を取り出すことができる。
マスク検査装置1を使用してマスク印刷版500の張力検査を実施するには、まず、ユーザが、マスク印刷版500を定盤20の下側に潜り込ませて、図6A~図6Cに示すようにワーク受け具10にセットする。このときのワーク受け具10に対するマスク印刷版500の位置決めの方法は、上述した通りである。
マスク検査装置1では、ユーザの走査に応じてマスク印刷版500の張力検査の実行が指示されると、図11に示すように、押付機構30のアクチュエータ34の作動により、ワーク受け具10が上方に移動し、マスク印刷版500の版枠502が定盤20の下面に押し付けられる。次に、図13に示すように、移動機構40の各駆動モータ44,48の作動により、第2直動機構45のキャリッジ47が測定ユニット80に接近するように移動する。このとき、図8に示すように、連結ステー50が測定ユニット80の挿入空間94に挿通孔52を各ガイド板93の挿通孔95に対応させる位置に挿入される。さらに、図9に示すように、連結機構92のアクチュエータ98の作動により、測定ユニット80が移動機構40と連結する。
続けて、移動機構40の駆動モータ44,48の作動により、測定ユニット80が連結ステー50に牽引されてリセット箇所P0に移動する。そして、図15および図16に示すように、リセット箇所P0において、測定ユニット80のアクチュエータ87の作動によりゼロ点調整が行われ、変位計84の測定値がゼロにリセットされる。しかる後、図14に示すように、移動機構40の駆動モータ44,48の作動により、測定ユニット80が連結ステー50に牽引されて複数の測定箇所P1~P5に順次移動する。そして、図17および図18に示すように、各測定箇所P1~P5において、測定ユニット80のアクチュエータ87の作動により、分銅83がマスク体504の表面に載置され、マスク体504に所定の荷重が付加される。さらに、各測定箇所P1~P5において、変位計84が、所定の荷重に対するマスク体504の変位量を測定する。
測定ユニット80によって各測定箇所P1~P5で測定された測定結果(マスク体504の変位量の計測値)は、制御装置5に入力される。制御装置5に入力された測定結果は、マスク印刷版500におけるマスク体504の張力を算出するのに利用可能である。マスク体504の張力については、制御装置5に入力された測定結果に基づいて、ユーザが正常または不良の判断をしてもよく、制御装置5が閾値を用いて判定してもよい。マスク印刷版500の張力検査での測定結果は、記憶装置7に記憶される。記憶装置7に記憶された測定結果は、図示しないディスプレイに表示される。ユーザは、ディスプレイで測定結果およびその履歴(つまり、マスク体504の張力の変化推移)を確認可能である。
マスク検査装置1では、マスク印刷版500の張力検査が完了すると、押付機構30のアクチュエータ34の作動により、ワーク受け具10が下方に移動し、マスク印刷版500の版枠502が定盤20の下面から離間する。これにより、ワーク受け具10に載置されたマスク印刷版500を手前側に引き出して、検査機3から検査済みのマスク印刷版500を取り出すことができる。
-実施形態の特徴-
この実施形態のマスク検査装置1では、マスク印刷版500が定盤20の下側でワーク受け具10に支持される。マスク印刷版500を定盤20の下に潜り込ませると、測定ユニット80および移動機構40とマスク印刷版500とが、定盤20に対して互いに反対側に位置し、互いの干渉が避けられる位置関係にある。そして、測定ユニット80は、定盤20の検査用開口22を介してマスク印刷版500のマスク体504における荷重を付加したときの変位量を測定する。こうした構成により、マスク印刷版500が大型のものであっても対応することができ、マスク印刷版500のサイズに合わせて定盤20を拡大しなくても済む。したがって、マスク検査装置1を小型化できる。また、測定ユニット80による荷重を付加したときのマスク体504の変位量の測定は、マスク印刷版500の版枠502を定盤20の下面に押し付けた状態で行われる。マスク印刷版500の版枠502に捩れや歪みが生じた場合、版枠502を定盤20の下面に押し付けることで、版枠502に生じた捩れや歪みを矯正できる。そのことで、版枠502の捩れや歪みを矯正しながらマスク体504の変位量を測定できる。これによれば、測定ユニット80で付加した荷重に対するマスク体504の変位量を好適に測定し、マスク体504の張力を精度良く検査できる。
この実施形態のマスク検査装置1では、ワーク受け具10が段差を介して互いに隣り合う第1載置部14および第2載置部15を有する。第1載置部14に載置された第1マスク印刷版500Aは、第1位置決め部16によって位置決めされる。第2載置部15に載置された第2マスク印刷版500Bおよび第3マスク印刷版500Cは、第2位置決め部18によって位置決めされる。第2位置決め部18は、第1載置部14と第2載置部15との間の段差をなす段差壁面17で構成される。これによれば、互いに異なるサイズの第1マスク印刷版500A、第2マスク印刷版500Bおよび第3マスク印刷版500Cを位置決めして載置可能なワーク受け具10を簡単な構成で実現できる。
この実施形態のマスク検査装置1は、カメラユニット60を備える。カメラユニット60は、移動機構40によって移動し、定盤20の検査用開口22を介してマスク体504の表面を撮影する。制御装置5は、カメラユニット60によって撮影された撮影画像を取得でき、撮影画像を画像処理などで解析することにより、マスク体504の印刷パターン501にペーストが残留しているかなど、マスク体504の表面状態を検査できる。移動機構40は、測定ユニット80およびカメラユニット60を移動させる機構として兼用される。このことは、マスク検査装置1を小型化するのに有利である。
この実施形態のマスク検査装置1では、メタルマスクを検査対象とする。メタルマスクは、マスク印刷版500の一種であって、主にワークとしての基板に対して半田ペースト(クリーム半田)を印刷するのに使用される。メタルマスクでも基板からの版離れの良さがペーストパターンの品質を向上させるのに肝心である。よって、本開示の技術は、メタルマスクを検査対象とするマスク検査装置1においても有効である。
以上のように、本開示の技術の例示として、好ましい実施形態について説明した。しかし、本開示の技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。上記実施形態について、本開示の技術の趣旨を逸脱しない範囲においてさらに色々な変形が可能なこと、またそうした変形も本開示の技術の範囲に属することは、当業者に理解されるところである。
例えば、上記実施形態では、測定ユニット80が、分銅83をマスク印刷版500のマスク体504に載せることでマスク体504に所定の荷重を付加する構成であるとしたが、これに限らない。測定ユニット80には、電動スライダの駆動により円柱状の押当て体をマスク印刷版500のマスク体504に押し当てることでマスク体504に所定の荷重を付加する構成など、任意の構成を採用できる。
また、上記実施形態では、測定ユニット80に含まれる変位計84として、接触式の直動変位センサを例に挙げたが、これに限らない。変位計84は、レーザー式などの他の方式の変位センサによって構成されてもよい。
また、上記実施形態では、マスク検査装置1の検査対象として、メタルマスクを例に挙げたが、これに限らない。メタルマスクは、マスク印刷版500の一例に過ぎず、マスク検査装置1の検査対象は、樹脂組成物からなるマスク膜が線材で編成されたメッシュ部材上に形成されてなるマスク体504を備えたスクリーンマスクであってもよく、印刷パターン501を有するシート状のマスク体504が張力の掛かった状態で版枠502の内側に支持されてなるマスク印刷版500であればよい。
以上説明したように、本開示の技術は、マスク印刷版のマスク体に掛かった張力を検査するマスク検査装置について有用である。
P1~P5 測定箇所
1 マスク検査装置
5 制御装置
10 ワーク受け具
14 第1載置部
15 第2載置部
16 第1位置決め部
18 第2位置決め部
17 段差壁面
20 定盤
22 検査用開口(開口)
30 押付機構
40 移動機構
60 カメラユニット
80 測定ユニット
500 マスク印刷版
500A 第1マスク印刷版
500B 第2マスク印刷版
501 印刷パターン
502 版枠
504 マスク体

Claims (4)

  1. 印刷パターンを有するシート状のマスク体が張力の掛かった状態で版枠の内側に支持されてなるマスク印刷版を検査対象として、前記マスク体の張力を検査するマスク検査装置であって、
    前記マスク印刷版が載置されるワーク受け具と、
    前記ワーク受け具の上方に配置され、前記ワーク受け具に載置された前記マスク印刷版の前記版枠と対向し、前記マスク体に対応する開口が形成された定盤と、
    前記ワーク受け具を前記定盤側に移動させることにより、当該ワーク受け具に載置された前記マスク印刷版の前記版枠を前記定盤の下面に押し付ける押付機構と、
    前記定盤の上方に配置され、前記開口を介して前記マスク体に下方向への荷重を付加し、荷重を付加したときの前記マスク体の変位量を測定する測定ユニットと、
    前記測定ユニットを前記定盤の上方位置で移動させる移動機構と、
    前記マスク体に設定された複数の測定箇所の間で前記測定ユニットを移動させ、それぞれの前記測定箇所において、前記マスク印刷版の前記版枠を前記定盤の下面に押し付けた状態で、前記マスク体の変位量を測定するように、前記押付機構、前記測定ユニットおよび前記移動機構の動作を制御する制御装置と、を備える
    ことを特徴とするマスク検査装置。
  2. 請求項1に記載のマスク検査装置において、
    前記マスク印刷版として、第1マスク印刷版と、該第1マスク印刷版よりも小さいサイズの第2マスク印刷版とを検査対象とし、
    前記ワーク受け具は、前記第1マスク印刷版の前記版枠が載置される第1載置部と、前記第1マスク印刷版の前記版枠を前記第1載置部で位置決めする第1位置決め部と、前記第2マスク印刷版の前記版枠が載置される第2載置部と、前記第2マスク印刷版の前記版枠を前記第2載置部で位置決めする第2位置決め部と、を有し、
    前記第1載置部と前記第2載置部とは段差を介して互いに隣り合い、
    前記第1載置部と前記第2載置部との間の前記段差をなす段差壁面は、前記第1位置決め部または前記第2位置決め部として機能する
    ことを特徴とするマスク検査装置。
  3. 請求項1または2に記載のマスク検査装置において、
    前記定盤の上方に配置され、前記開口を介して前記マスク印刷版の前記マスク体の表面を撮影するカメラユニットをさらに備え、
    前記移動機構は、前記カメラユニットを移動させる機構としても機能する
    ことを特徴とするマスク検査装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のマスク検査装置において、
    前記マスク印刷版としてメタルマスクを検査対象とする
    ことを特徴とするマスク検査装置。
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