JP2023104615A - 加熱調理器 - Google Patents

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みゅう 山下
Myu Yamashita
友秀 松井
Tomohide Matsui
智美 高嶋
Tomomi Takashima
香織 竹中
Kaori Takenaka
恵 安島
Megumi Yasujima
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Abstract

Figure 2023104615000001
【課題】適正な時間で食品を加熱することができる高周波加熱調理器を提供する。
【解決手段】被加熱物を入れる加熱室と、前記被加熱物を加熱する複数種の加熱ユニットと、前記被加熱物の表面温度を計測する赤外線センサと、計測した前記表面温度に基づいて前記複数種の加熱ユニットを制御する制御ユニットと、を備えた加熱調理器であって、前記制御ユニットは、加熱開始前の前記表面温度に基づいて前記被加熱物の初期状態を判別し、前記初期状態に応じて前記複数種の加熱ユニットを使用する順序を決定し、前記表面温度の経時変化に基づいて算出した昇温速度に応じて前記被加熱物の重量を推測し、推測した重量に基づいて前記複数種の加熱ユニットによる加熱時間を決定することを特徴とする加熱調理器。
【選択図】図4

Description

本発明は、被加熱物(食品)の状態に応じた調理方法を設定する加熱調理器に関する。
従来の加熱調理器には、加熱室内の被加熱物(食品)の表面温度を検出する赤外線センサや、被加熱物の総重量(容器使用時であれば、食品と容器の合計重量)を検出する重量センサなどのセンサ情報に基づいて、被加熱物の加熱を制御するものがある。
例えば、特許文献1の要約書には、「加熱室と、底面に設けられたテーブルプレートと、被加熱物を加熱する加熱手段と、被加熱物の重量を検出する重量センサと、加熱室の上方に設けられ被加熱物の温度を検出する赤外線センサと、重量センサ、赤外線センサの検出結果に基づいて加熱手段を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、重量センサによる検出値に基づき決定した温度上昇割合と、赤外線センサにより検出した被加熱物の温度の上昇割合と、を比較して加熱手段の出力を調整する」高周波加熱調理器が記載されている。
特開2019-190682号公報
しかしながら、特許文献1の高周波加熱調理器は、被加熱物の温度上昇割合に基づいて加熱手段の出力を調整するものであるため、被加熱物の初期状態が冷凍であっても、冷蔵・常温であっても、温度上昇割合が同じであれば同じように加熱手段が制御された。
すなわち、特許文献1では、被加熱物(食品)の初期状態に応じた適切な加熱方法を選択できないため、特に食品が冷凍状態であった場合には、食品をおいしく調理できないことがあった。
そこで、本発明では、被加熱物(食品)の初期状態が冷凍でも冷蔵・常温でも、食品の初期状態に適した加熱方法を選択でき、かつ、推定残時間を早期かつ正確に算出できる加熱調理器を提供することを目的とする。
上記事情に鑑み、本発明の加熱調理器は、被加熱物を入れる加熱室と、前記被加熱物を加熱する複数種の加熱ユニットと、前記被加熱物の表面温度を計測する赤外線センサと、計測した前記表面温度に基づいて前記複数種の加熱ユニットを制御する制御ユニットと、を備えた加熱調理器であって、前記制御ユニットは、加熱開始前の前記表面温度に基づいて前記被加熱物の初期状態を判別し、前記初期状態に応じて前記複数種の加熱ユニットを使用する順序を決定し、前記表面温度の経時変化に基づいて算出した昇温速度に応じて前記被加熱物の重量を推測し、推測した重量に基づいて前記複数種の加熱ユニットによる加熱時間を決定するものとした。
本発明の加熱調理器によれば、被加熱物(食品)の初期状態が冷凍でも冷蔵・常温でも、食品の初期状態に適した加熱方法を選択でき、かつ、推定残時間を早期かつ正確に算出することができる。
実施例1に係る加熱調理器の外観斜視図。 図1のA-A断面図。 実施例1に係る加熱調理器の機能ブロック図。 実施例1に係る加熱調理器の自動調理時の処理フローチャート。 実施例2に係る加熱調理器の自動調理時の処理フローチャート。
以下、本発明の加熱調理器の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。
まず、図1から図4を用いて、実施例1の加熱調理器を説明する。
図1は、本実施例の加熱調理器1を前方から見た外観斜視図である。ここに示すように、加熱調理器1の前方には下辺を回転軸として開閉自在なドア2が設けられており、ドア2の前面下部には操作部2aと表示部2bが設けられている。操作部2aは使用者が自動調理メニューや手動調理の加熱時間等を設定する際に利用する、ボタン、ダイヤル、タッチパネル等のユーザインターフェースである。また、表示部2bは操作部2aを利用して設定した自動調理メニューや手動調理の加熱時間等を表示する、液晶ディスプレイ等のユーザインターフェースである。なお、図1では、操作部2aと表示部2bをドア2に設けた構成を例示しているが、操作部2aと表示部2bをドア2ではなく加熱調理器1の本体前面に設けた構成としても良い。
図2は、図1の加熱調理器1のA-A断面図である。ここに示すように、ドア2の後方には加熱室3が設けられており、使用者がドア2を開閉することで加熱室3に被加熱物4を入れたり、加熱室3から被加熱物4を出したりすることができる。なお、本実施例では、図示する高さの棚に設置した焼網3a上に被加熱物4を載置した状態で自動調理メニューによる調理がされるものとする。
本実施例の加熱調理器1には、加熱室3内の被加熱物4を加熱するため、マイクロ波を利用したレンジ加熱を実施するレンジユニット5(加熱室3の下方に設けた、マグネトロン5a、導波管5b、回転アンテナ5c等)と、熱風を利用したオーブン加熱を実施するオーブンユニット6(加熱室3の後方に設けた、熱風ヒータ6a、熱風ファン6b等)と、輻射熱を利用したグリル加熱を実施するグリルユニット7(加熱室3の上方に設けた、面ヒータ7a等)と、100℃以上の高温の蒸気を利用した過熱水蒸気加熱を実施する過熱水蒸気ユニット8(加熱室3の下方または後方に設けた、水タンク8a、ポンプ8b、ボイラー8c等)などの、複数種の加熱ユニットを備えている。
また、加熱室3の上面後部には、被加熱物4の表面温度を計測するための赤外線センサ9が設けられている。この赤外線センサ9は、視野方向を変化させる回転機構を備えており、視野を所望の方向に向けることで、焼網3a上の任意位置に置かれた被加熱物4の表面温度を測定することができる。
なお、上記の加熱ユニット(5~8)や赤外線センサ9には、特許文献1等の先行文献でも開示される周知技術を利用できるため、以下では、これらの詳細構造や詳細制御に関する説明を適宜省略するものとする。
図3は、本実施例の加熱調理器1の機能ブロック図である。ここに示すように、加熱調理器1は、操作部2a、表示部2b、レンジユニット5、オーブンユニット6、グリルユニット7、過熱水蒸気ユニット8、赤外線センサ9と接続された制御ユニット10を有している。この制御ユニット10は、CPU等の演算装置が所定のプログラムを実行することで、食品状態判定部11、調理フロー決定部12、タイマー13、温度履歴記録部14、加熱ユニット制御部15等の各機能部を実現するコンピュータである。以下、制御ユニット10の各機能部を詳細に説明する。
食品状態判定部11は、赤外線センサ9で計測した被加熱物4の表面温度に基づいて、被加熱物4の初期状態が、氷点以下の低温(冷凍)であるか、氷点より高温(冷蔵・常温)であるかを判定する。
調理フロー決定部12は、使用者が操作部2aを利用して設定した自動調理メニューと、食品状態判定部11で判定した被加熱物4の初期状態に応じて、自動調理時に加熱ユニットを使用する順序(以下、「調理フロー」と称する)を決定する。なお、調理フロー決定部12では、自動調理の加熱時間も決定するが、その具体的な方法は後述する。
Figure 2023104615000002
上記の表1は、ある自動調理メニューの調理フローを定義するテーブルを例示したものである。このテーブルを利用する場合、被加熱物4の初期状態が冷凍であれば、調理フロー決定部12は、第一加熱工程(被加熱物4の内部温度を急速に上昇させる工程)でレンジユニット5を使用し、その後の第二加熱工程(被加熱物の内部温度を均一に上昇させながら焼く工程)でオーブンユニット6と過熱水蒸気ユニット8を併用し、その後の第三加熱工程(焼き上げの工程)でグリルユニット7を使用する調理フローを選択する。
ここで、第二加熱工程でオーブンユニット6を使用するのは、被加熱物4が冷凍の場合、第一工程の終了時点で被加熱物4に加熱ムラが生じている可能性が高いため、オーブンユニット6から吐出する熱風により加熱室3の内部を一様に加熱することで被加熱物4の内部温度をより均一に上昇させるためである。また、第二加熱工程で過熱水蒸気ユニット8を併用するのは、大きな熱エネルギーを持つ過熱水蒸気によって被加熱物4をより均一に加熱するためであり、また、水分を供給しながら加熱することで焦げやすい調味料を使用した被加熱物4での焦げの発生を抑制するためである。
一方、被加熱物4の初期状態が冷蔵・常温であれば、調理フロー決定部12は、第一加熱工程でレンジユニット5を使用し、その後の第二加熱工程でグリルユニット7と過熱水蒸気ユニット8を併用し、その後の第三加熱工程でグリルユニット7を使用する調理フローを選択する。
ここで、第二加熱工程でグリルユニット7を使用するのは、被加熱物4が冷蔵・常温の場合、第一工程の終了時点で被加熱物4に加熱ムラが生じている可能性が低いため、熱風加熱しなくても被加熱物4の内部温度を均一に上昇させることができるためである。なお、第二加熱工程で過熱水蒸気ユニット8を使用するのは、上記と同等の理由による。
タイマー13は、調理の開始から終了までの経過時間を計測する。
温度履歴記録部14は、赤外線センサ9とタイマー13の出力を用いて、被加熱物4の表面温度の経時変化データを記録する。なお、温度履歴記録部14には、複数の経時変化を並行して記録できるため、焼網3a上に複数の被加熱物4が載置されている場合は各々の経時変化を記録できるが、説明の簡略化のため、以下では、焼網3a上には1つの被加熱物4のみが載置されているものとする。
加熱ユニット制御部15は、調理フロー決定部12で決定した調理フローおよび加熱時間に基づいて、各加熱ユニットを制御する。
<自動調理時の処理フロー>
ここで、図4の処理フローチャートを用いて、本実施例の加熱調理器1による、自動調理時の処理フローを説明する。使用者がドア2を開き、被加熱物4を焼網3aにのせ、ドア2を閉じた後、操作部2aを操作して所望の自動調理メニューを設定し、調理スタートボタンを操作すると、図4の処理フローチャートによる自動調理が開始される。
まず、ステップS1では、赤外線センサ9は、焼網3a上の被加熱物4の表面温度の計測を開始する。以降、被加熱物4の表面温度の経時変化データは、温度履歴記録部14に記録される。
次に、ステップS2では、食品状態判定部11は、被加熱物4の初期温度に基づいて、被加熱物4の初期状態が、冷凍状態であるか、冷蔵・常温状態であるかを判定する。そして、冷凍状態であればステップS3aに進み、冷蔵・常温状態であればステップS3bに進む。
以降、ステップS3a~S8aの処理と、ステップS3b~S8bの処理に分岐するが、両処理は使用する加熱ユニットの種別やパラメータが一部異なるだけで基本的には同様の処理であるため、以下では、特に必要な場合を除き、被加熱物4が冷凍状態である場合の処理(ステップS3a~S8a)を詳細に説明することとし、被加熱物4が冷蔵・常温状態である場合の処理(ステップS3b~S8b)については詳細説明を省略する。
ステップS3aでは、調理フロー決定部12は、ステップS2の判定結果に応じた調理フローを決定し、加熱ユニット制御部15は、その調理フローに従った加熱ユニット(例えば、表1に従えばレンジユニット5)を用いて第一加熱工程の自動調理を開始する。
ステップS4aでは、赤外線センサ9は、被加熱物4の表面温度を再計測する。そして、温度履歴記録部14は、被加熱物4の表面温度の経時変化データを更新する。
ステップS5aでは、調理フロー決定部12は、赤外線センサ9が計測した被加熱物4の表面温度が重量算出温度TA(例えば、40℃)に到達したかを判断する。そして、表面温度が重量算出温度TAに到達すればステップS6aに進み、そうでなければステップS4aに戻る。
同様に、ステップS5bでは、調理フロー決定部12は、赤外線センサ9が計測した被加熱物4の表面温度が重量算出温度TB(例えば、50℃)に到達したかを判断する。そして、表面温度が重量算出温度TBに到達すればステップS6bに進み、そうでなければステップS4bに戻る。
なお、上記の例のように、被加熱物4が冷凍状態であった場合の重量算出温度TAより、被加熱物4が冷蔵・常温状態であった場合の重量算出温度TBを高温としたのは、ステップS6aやステップS6bに進むタイミングをなるべく近づけるためである。
ステップS6aでは、調理フロー決定部12は、温度履歴記録部14に記録された経時変化データを参照し、被加熱物4の昇温速度VAを算出する。具体的には、被加熱物4の表面温度が、重量算出温度TAより低い所定温度(例えば、20℃)から、重量算出温度TA(例えば、40℃)に上昇する時間を算出し、両温度の温度差を算出した時間で除算することで被加熱物4の昇温速度VA(℃/s)を算出する。
同様に、ステップS6bでは、調理フロー決定部12は、温度履歴記録部14に記録された経時変化データを参照し、被加熱物4の昇温速度VBを算出する。具体的には、被加熱物4の表面温度が、重量算出温度TBより低い所定温度(例えば、30℃)から、重量算出温度TB(例えば、50℃)に上昇する時間を算出し、両温度の温度差を算出した時間で除算することで被加熱物4の昇温速度VB(℃/s)を算出する。
ステップS7aでは、調理フロー決定部12は、ステップS6aで算出した昇温速度VAに基づいて、被加熱物4の重量(食品重量W)を推定する。なお、本ステップでの重量推定には適当な方法を利用すれば良いが、例えば、表2のようなテーブルを利用し、昇温速度VAがV~Vの範囲内にあれば、被加熱物4の重量が大凡MAであると推定するような推定方法を用いても良いし、所定の演算式を用いて被加熱物4の重量を算出しても良い。
Figure 2023104615000003
ステップS8aでは、調理フロー決定部12は、ステップS7aで推定した食品重量Wに基づいて、第一加熱工程から第三加熱工程の各加熱時間を決定する。なお、本ステップでの加熱時間の決定には適当な方法を利用すれば良いが、例えば、表3のようなテーブルを利用し、被加熱物4の推定重量がMAであれば、第一加熱工程の加熱時間をt1A、第二加熱工程の加熱時間をt2A、第三加熱工程の加熱時間をt3Aと決定するような推定方法を用いても良いし、所定の演算式を用いて各加熱工程の加熱時間を算出しても良い。
Figure 2023104615000004
同様に、ステップS8bでは、調理フロー決定部12は、ステップS7bで推定した食品重量Wに基づいて、第一加熱工程から第三加熱工程の各加熱時間を決定する。なお、本ステップでの加熱時間の決定には適当な方法を利用すれば良いが、例えば、表4のようなテーブルを利用し、被加熱物4の推定重量がMBであれば、第一加熱工程の加熱時間をt1B、第二加熱工程の加熱時間をt2B、第三加熱工程の加熱時間をt3Bと決定するような推定方法を用いても良いし、所定の演算式を用いて各加熱工程の加熱時間を算出しても良い。
Figure 2023104615000005
ステップS9では、調理フロー決定部12は、ステップS8aまたはステップS8bで決定した各加熱工程の加熱時間を合計し、表示部2bに表示させる。これにより、使用者は、被加熱物4の表面温度が重量算出温度TAまたはTBに到達した時点で、自動調理終了までの大凡の残時間を把握することができる。なお、本ステップ以降、表示部2bに表示された残時間はカウントダウンしながら更新されるものとする。
ステップS10では、加熱ユニット制御部15は、調理フロー決定部12が決定した第一加熱工程の加熱時間が終了するまで、現状の加熱ユニット(表1に従えばレンジユニット5)を使用した自動調理を継続する。
ステップS11では、加熱ユニット制御部15は、調理フロー決定部12が決定した第二加熱工程の加熱ユニットを用いて、第二加熱工程の加熱調理を実行する。例えば、表1に従えば、被加熱物4の初期状態が冷凍状態であれば、過熱水蒸気ユニット8とオーブンユニット6を併用した自動調理を実行し、被加熱物4の初期状態が冷蔵・常温状態であれば、過熱水蒸気ユニット8とグリルユニット7を併用した自動調理を実行する。
ステップS12では、加熱ユニット制御部15は、調理フロー決定部12が決定した第三加熱工程の加熱ユニットを用いて、第三加熱工程の自動調理を実行する。例えば、表1に従えば、グリルユニット7を使用した自動調理を実行する。
以上で説明した本実施例の加熱調理器によれば、被加熱物(食品)の初期状態が冷凍でも冷蔵・常温でも、食品の初期状態に適した加熱方法を選択でき、かつ、推定残時間を早期かつ正確に算出することができる。
次に、図5のフローチャートを用いて、実施例2の加熱調理器を説明する。なお、実施例1との共通点は重複説明を省略する。
実施例1では、図4のステップS5a~S9、S5b~S9に示したように、被加熱物4の表面温度が重量算出温度TAまたはTBに到達した時点で各加熱工程の加熱時間を決定し、それらを合計した総加熱時間を自動調理終了までの残時間として表示部2bに表示した。
しかしながら、実施例1では、各加熱工程の加熱時間の決定精度を高めるため、重量算出温度TA、TBを比較的高い温度に設定しており、被加熱物4の表面温度がそれらの温度に到達するまでに相応の時間を要していたことから、使用者が自動調理終了までの残時間を確認するまでにも相応の時間を要していた。
そこで、本実施例では、被加熱物4の初期状態が冷凍状態である場合、図4のステップS4a~S8aに相当する処理を二巡することとした(図5のステップS14a~S18a、S24a~S28a)。これにより、1巡目の処理で残時間の概算を早期に表示し、2巡目の処理で正確な残時間を表示することで、使用者の利便性を高めた。
同様に、本実施例では、被加熱物4の初期状態が冷蔵・常温状態である場合も、図4のステップS4b~S8bに相対する処理を二巡することとした(図5のステップS14b~S18b、S24b~S28b)。これにより、1巡目の処理で残時間の概算を早期に表示し、2巡目の処理で正確な残時間を表示することで、使用者の利便性を高めた。
なお、図5のステップS14a~S18a、S24a~S28aは、図4のステップS4a~S8aの相対処理であり、また、図5のステップS14b~S18b、S24b~S28bは、図4のステップS4b~S8bの相対処理であるため、以下では、図4の各処理との差異が大きい図5の各処理に限定して詳細に説明することとし、その他の処理については説明を省略することとする。
<被加熱物4の初期状態が冷凍状態である場合>
1巡目のステップS15aでは、調理フロー決定部12は、赤外線センサ9が計測した被加熱物4の表面温度が重量算出温度TA1(例えば、20℃)に到達したかを判断する。その後、ステップS16aでは、調理フロー決定部12は、被加熱物4の表面温度が、重量算出温度TA1より低い所定温度(例えば、10℃)から、重量算出温度TA1(例えば、20℃)に上昇する時間を算出し、両温度の温度差を算出した時間で除算することで被加熱物4の昇温速度を算出する。
これにより、図4のステップS5a(重量算出温度TA(例えば、40℃)を基準)に比べ、例えば、被加熱物4の表面温度が20℃低い時点で、各加熱工程の加熱時間を決定することができるため(ステップS18a)、実施例1に比べより早期に使用者に自動調理終了までの残時間を通知することができる。
一方、2巡目のステップS25aでは、調理フロー決定部12は、赤外線センサ9が計測した被加熱物4の表面温度が重量算出温度TA2(例えば、60℃)に到達したかを判断する。その後、ステップS26aでは、調理フロー決定部12は、被加熱物4の表面温度が、重量算出温度TA2より低い所定温度(例えば、20℃)から、重量算出温度TA(例えば、60℃)に上昇する時間を算出し、両温度の温度差を算出した時間で除算することで被加熱物4の昇温速度を算出する。
これにより、重量算出温度TA(例えば、40℃)を基準とする図4のステップS5aに比べ、より遅いタイミングで各加熱工程の加熱時間を再決定できるため(ステップS28a)、実施例1に比べより正確な残時間を使用者に通知することができる。
<被加熱物4の初期状態が冷蔵・常温状態である場合>
同様に、1巡目のステップS15bでは、調理フロー決定部12は、赤外線センサ9が計測した被加熱物4の表面温度が重量算出温度TB1(例えば、30℃)に到達したかを判断する。その後、ステップS16bでは、調理フロー決定部12は、被加熱物4の表面温度が、重量算出温度TB1より低い所定温度(例えば、20℃)から、重量算出温度TB1(例えば、30℃)に上昇する時間を算出し、両温度の温度差を算出した時間で除算することで被加熱物4の昇温速度を算出する。
これにより、図4のステップS5b(重量算出温度TB(例えば、50℃)を基準)に比べ、例えば、被加熱物4の表面温度が20℃低い時点で、各加熱工程の加熱時間を決定することができるため(ステップS18b)、実施例1に比べより早期に使用者に自動調理終了までの残時間を通知することができる。
一方、2巡目のステップS25bでは、調理フロー決定部12は、赤外線センサ9が計測した被加熱物4の表面温度が重量算出温度TB2(例えば、70℃)に到達したかを判断する。その後、ステップS26bでは、調理フロー決定部12は、被加熱物4の表面温度が、重量算出温度TB2より低い所定温度(例えば、30℃)から、重量算出温度TB2(例えば、70℃)に上昇する時間を算出し、両温度の温度差を算出した時間で除算することで被加熱物4の昇温速度を算出する。
これにより、重量算出温度TB(例えば、50℃)を基準とする図4のステップS5bに比べ、より遅いタイミングで各加熱工程の加熱時間を再決定できるため(ステップS28b)、実施例1に比べより正確な残時間を使用者に通知することができる。
1 加熱調理器
2 ドア
2a 操作部
2b 表示部
3 加熱室
3a 焼網
4 被加熱物
5 レンジユニット
5a マグネトロン
5b 導波管
5c 回転アンテナ
6 オーブンユニット
6a 熱風ヒータ
6b 熱風ファン
7 グリルユニット
7a 面ヒータ
8 過熱水蒸気ユニット
8a 水タンク
8b ポンプ
8c ボイラー
9 赤外線センサ

Claims (7)

  1. 被加熱物を入れる加熱室と、
    前記被加熱物を加熱する複数種の加熱ユニットと、
    前記被加熱物の表面温度を計測する赤外線センサと、
    計測した前記表面温度に基づいて前記複数種の加熱ユニットを制御する制御ユニットと、
    を備えた加熱調理器であって、
    前記制御ユニットは、
    加熱開始前の前記表面温度に基づいて前記被加熱物の初期状態を判別し、
    前記初期状態に応じて前記複数種の加熱ユニットを使用する順序を決定し、
    前記表面温度の経時変化に基づいて算出した昇温速度に応じて前記被加熱物の重量を推測し、
    推測した重量に基づいて前記複数種の加熱ユニットによる加熱時間を決定することを特徴とする加熱調理器。
  2. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    前記制御ユニットは、
    前記初期状態が冷凍状態である場合の前記複数種の加熱ユニットの使用順序と、
    前記初期状態が冷蔵・常温状態である場合の前記複数種の加熱ユニットの使用順序と、
    を異ならせることを特徴とする加熱調理器。
  3. 請求項2に記載の加熱調理器において、
    前記制御ユニットは、
    前記被加熱物の初期状態が冷凍状態であった場合、
    レンジユニットを使用して前記被加熱物を加熱する第一工程と、
    オーブンユニットと過熱水蒸気ユニットを併用して前記被加熱物を加熱する第二工程と、
    グリルユニットを使用して前記被加熱物を加熱する第三工程と、
    を順次実施することを特徴とする加熱調理器。
  4. 請求項2に記載の加熱調理器において、
    前記制御ユニットは、
    前記被加熱物の初期状態が冷蔵・常温状態であった場合、
    レンジユニットを使用して前記被加熱物を加熱する第一工程と、
    グリルユニットと過熱水蒸気ユニットを併用して前記被加熱物を加熱する第二工程と、
    グリルユニットを使用して前記被加熱物を加熱する第三工程と、
    を順次実施することを特徴とする加熱調理器。
  5. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    前記制御ユニットは、
    前記初期状態が冷凍状態である場合、前記表面温度が第一温度に到達した時に、前記被加熱物の重量を推定するとともに、前記加熱時間を決定し、
    前記初期状態が冷蔵・常温状態である場合、前記表面温度が前記第一温度より高温の第二温度に到達した時に、前記被加熱物の重量を推定するとともに、前記加熱時間を決定することを特徴とする加熱調理器。
  6. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    前記制御ユニットは、
    前記初期状態が冷凍状態である場合、前記表面温度が第三温度に到達した時に、前記被加熱物の重量を推定するとともに、前記加熱時間を決定し、その後、前記第三温度より高温の第四温度に到達した時にも、前記被加熱物の重量を推定するとともに、前記加熱時間を決定し、
    前記初期状態が冷蔵・常温状態である場合、前記表面温度が前記第三温度より高温の第五温度に到達した時に、前記被加熱物の重量を推定するとともに、前記加熱時間を決定し、その後、前記第四温度と前記第五温度より高温の第六温度に到達した時にも、前記被加熱物の重量を推定するとともに、前記加熱時間を決定することを特徴とする加熱調理器。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の加熱調理器において、
    さらに、調理終了までに要する推定残時間を表示する表示部を備えており、
    前記表示部には、前記表面温度の経時変化に基づいて決定した加熱時間を推定残時間として表示することを特徴とする加熱調理器。
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CN117200637A (zh) * 2023-10-19 2023-12-08 昶旭电子制品(深圳)有限公司 一种智能烧烤马达的控制方法、系统和存储介质

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