JP2023104499A - ドライリフォーミングに使用される合成ガス製造用触媒及び合成ガスの製造方法 - Google Patents

ドライリフォーミングに使用される合成ガス製造用触媒及び合成ガスの製造方法 Download PDF

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達也 森合
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Abstract

【課題】転化率が高く、触媒活性を長時間維持することができる、ドライリフォーミングに使用される合成ガス製造用触媒及び合成ガスの製造方法を提供する。【解決手段】本発明の合成ガス製造用触媒は、メタンを含む原料ガスと二酸化炭素を反応させ、一酸化炭素と水素を含む合成ガスを製造する合成ガス製造用触媒であって、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びZnから選ばれる少なくとも1種の3d遷移金属からなるサブナノ粒子が担体に担持された担持体であることを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、ドライリフォーミングに使用される合成ガス製造用触媒及び合成ガスの製造方法に関する。
一酸化炭素と水素を含む混合ガスは、これを出発点として合成ガソリンやアルコールなど様々な化学製品が合成される化学原料として知られており、従来、木炭や石炭を高温で水蒸気改質することによって生成されてきた。
これを、メタンと二酸化炭素の混合ガスから合成するメタンドライリフォーミング(Dry reforming:DRM)は、天然ガスの主成分であると同時に主要な温室効果ガスでもあるメタンと二酸化炭素を化学原料に転換することができるため、天然ガスの高効率利用と地球温暖化抑止の観点から近年注目されている。
DRMはメタン改質反応のひとつで、反応式はCH4+CO2=2H2+2COで表される。DRMの主反応は、特に低温領域において炭素析出反応(2CO=固体状炭素+CO2及びCH4=固体状炭素+2H2)と強く競合する。すなわち、550℃から700℃までの温度域では、副反応であるCOの不均化やメタンの分解による固体状炭素の生成、言い換えるとコーキング(副生成物としてすすが出ること)が顕著になる。析出した固体状炭素は触媒の失活と原料ガス気流の閉塞をもたらし、結果として生産効率が下がり、反応装置が劣化する。炭素析出を抑えることは、低温領域で活性かつ長寿命のDRM触媒の開発における最重要課題の1つであった。また実際の反応条件下では複数の反応が競合し、500℃から700℃までの温度域では、別の副反応である逆水性シフト反応(CO2+H2=H2O+CO)などによる水の生成が顕著となる。
低温領域で特に顕著なコーキングによる触媒反応装置の栓塞を避けるため、従来のDRMは800℃超の高温条件下で行われてきた。700℃以上の高温域では、バルク、ナノ粒子を始めとした触媒による多くの報告例が存在している。しかし、燃料消費量が多いためコストがかかることや触媒が熱で不活性化してしまうなどの課題がある。燃料消費量が多いため工業規模での実用化には至っていない。
また、固体状炭素が生成しない500℃以下の低温領域は燃料消費量が少なく低コストではあるが、基質の活性化エネルギーが大きいことから、未だ研究例は乏しい。この低温領域で反応を進行させることができる触媒の開発が望まれている。
二酸化炭素によるメタンのドライリフォーミング反応は、白金等の貴金属触媒が活性を示すことが知られている(非特許文献1、2)。しかし白金は、高価かつ希少であり、また転化率は熱力学的平衡から求めた理論値上限を大きく下回る。また長時間使用で触媒活性が低下する。
周期表の中でも特に3d遷移金属を中心とした卑金属は、低コストかつ地球上に豊富に存在する金属である点で、工業的利用に有用である。3d金属のうちニッケルは、DRMの触媒としてバルクや、ジルコニウムとの合金であるナノ粒子(非特許文献3)等が報告されている。しかし、転化率は熱力学的平衡から求めた理論値上限を大きく下回り、反応効率を上げるためには高温や高圧等の過酷な反応条件を要するという課題が残されている。
近年、白金や金等の貴金属元素で構成するナノ粒子の触媒活性が注目されている。一方、ナノ粒子よりも原子数が少なくサイズの小さいサブナノ粒子の合成が報告されている。この1nm程度のサブナノ粒子は、わずか数十以下の原子から構成され、量子サイズ効果に基づいてバンドギャップが大きくかつ離散的となることや、元素固有の特異な幾何構造を形成することから、大きさや形といった単純な構造的特徴に基づいて議論されてきた従来のナノ粒子の考え方では捉えられない側面を有し、ナノ粒子以上の触媒活性や反応選択性を発現することが期待される。
サブナノ粒子の製造方法として、本発明者らによるフェニルアゾメチンデンドリマーを鋳型として用いる方法が探索、開発されている(非特許文献4、5、特許文献1~7)。フェニルアゾメチンデンドリマーは、末端のイミンから中心に向かってイミンの電子密度が増加するという電子密度勾配によって、最内層イミンから優先的に、段階的に金属塩と錯形成する。これにより白金塩等の1種単独の一元系をはじめとして、各層にそれぞれ異なる金属種を集積する、2種金属塩を用いた二元系や、更には3種、4種、5種等の多元系の精密へテロ金属集積も可能となり、金属塩の個数及び組成を規定したデンドリマー錯体を調製できる。この金属塩が配位したデンドリマー錯体を還元することで、粒径分布が極めて小さい精密に制御された金属サブナノ粒子の形成が可能となる。この白金等のサブナノ粒子は、3~5nmのナノ粒子よりも遙かに高い質量当たりの酸素還元触媒活性を示すこと等が報告されており、本発明者らは、フェニルアゾメチンデンドリマーを鋳型として用いた白金サブナノ粒子の担持体を炭化水素の酸化反応に触媒として用いる検討を行っている。しかし、メタンと二酸化炭素の混合ガスを基質とし、サブナノ粒子を触媒に用いたドライリフォーミング反応については未だ検討されていない。
D. Pakhare, et al., Chem. Soc. Rev. 2014, 43, 7813-7837. T. Kobayashi et al., Chem. Eng. J. 2019, 377, 120203. Y. Wang, et al., ACS Catal. 2018, 8, 6495-6506. K. Yamamoto et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54, 9810-9815. K. Yamamoto et al. Sci. Adv. 2017, 3, e1700101.
特許第4511125号公報 国際公開第2004/9076531号 特開2010-18610号公報 特開2013-159588号公報 特開2007-23166号公報 特開2017-087151号公報 特開2018-145172号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、転化率が高く、触媒活性を長時間維持することができる、ドライリフォーミングに使用される合成ガス製造用触媒及び合成ガスの製造方法を提供することを主要な課題としている。
上記主要な課題の中でも特に、500℃以下のような低温でも転化率が高い合成ガス製造用触媒及び合成ガスの製造方法を提供することを別の課題としている。
上記主要な課題の中でも特に、700℃以上のような高温でも凝集を抑制し触媒活性を長時間維持することができる合成ガス製造用触媒及び合成ガスの製造方法を提供することを別の課題としている。
上記主要な課題の中でも特に、固体状炭素が生成する温度領域でも炭素析出による不活性化を抑制し触媒活性を長時間維持することができる合成ガス製造用触媒及び合成ガスの製造方法を提供することを別の課題としている。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、身近に多く存在している卑金属の3d遷移金属元素をサブナノ粒子のクラスターとし、CH4ドライリフォーミング反応触媒として応用することで、触媒機能を引き出して高い転化率で触媒活性を長時間維持することができることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の合成ガス製造用触媒は、メタンを含む原料ガスと二酸化炭素を反応させ、一酸化炭素と水素を含む合成ガスを製造する合成ガス製造用触媒であって、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びZnから選ばれる少なくとも1種の3d遷移金属からなるサブナノ粒子が担体に担持された担持体であることを特徴としている。
本発明の合成ガスの製造方法は、メタンを含む原料ガスと二酸化炭素を反応させ、一酸化炭素と水素を含む合成ガスを製造する方法であって、反応触媒として、前記触媒を用いることを特徴としている。
本発明において製造される一酸化炭素と水素を含む合成ガスは、産業上有用なガス、例えば、これを出発点として合成ガソリンやアルコールなど様々な化学製品が合成される化学原料として用いることができる。
本発明によれば、転化率が高く、触媒活性を長時間維持することができる。
特に、前記サブナノ粒子がNi単体又はNiを含む合金であると、500℃以下のような低温でも高い転化率が得られる。
特に、前記サブナノ粒子を用いることで、700℃以上のような高温でも凝集を抑制し触媒活性を長時間維持することができる。
特に、前記サブナノ粒子を用いることで、固体状炭素が生成する温度領域でも炭素析出による不活性化を抑制し触媒活性を長時間維持することができる。
(A)は600℃でH2により予め還元されたNi28/シリカ触媒を使用してDRM反応を行い、200~900℃で測定されたマススペクトルであり、(B)は微量の水の生成を別途に示したものである。 (A)は500℃でH2により予め還元されたNi28/シリカ触媒を使用してDRM反応を行い、200~900℃で測定されたマススペクトルであり、(B)は微量の水の生成を別途に示したものである。 (A)は400℃でH2により予め還元されたNi28/シリカ触媒を使用してDRM反応を行い、200~900℃で測定されたマススペクトルであり、(B)は微量の水の生成を別途に示したものである。 (A)Niバルク/シリカ、(B)l-Nps/シリカ、(C)s-Nps/シリカ、(D)Ni28/シリカを使用してDRM反応を行い、200~900℃で測定されたマススペクトルである。縦軸は組成比に換算した。 (A)Ni4/シリカ、(B)Ni12/シリカ、(C)Ni28/シリカ、(D)Ni60/シリカを使用してDRM反応を行い、200~900℃で測定されたマススペクトルである。縦軸は組成比に換算した。 DRM反応中に測定されたH2に対応するm/z=2の質量強度によるDRM反応の開始温度の触媒サイズ依存性を示す。全ての触媒を2wt%で統一した。 DRM反応中に測定されたH2に対応するm/z=2の質量強度によるDRM反応の開始温度の触媒サイズ依存性を示す。触媒の表面積の違いによる活性の差を排除するために、基質に対して十分量の触媒を用いた。 (A)は500℃でH2によって事前に還元されたNi28/シリカ触媒を使用してDRM反応中に測定されたマススペクトル強度。(B)は各スペクトルをBelMASSによって正規化した結果、(C)は1気圧及びCO2/CH4=1の入口供給比でのDRM反応の平衡量比のシミュレーションであり、ソフトウェアHSC Chemistryのギブズ自由エネルギー最小化アルゴリズムによって実行された。 Ni28/シリカ触媒を使用して200℃から900℃まで100℃ごとに反応温度を一定にしてDRM反応を行い、反応開始時点の転化率を算出したプロットと、ギブズ自由エネルギー最小化アルゴリズムを使用したHSC Chemistry10ソフトウェアでのシミュレーションによる理論曲線との比較結果である。 (A)はDRM反応の平衡量比のシミュレーション、(B)は400℃、(C)は500℃における、10時間のDRM反応を行ったCH4(下)とCO2(上)の転化率の経時変化である。 (A)はDRM反応の平衡量比のシミュレーション、(B)は600℃、(C)は700℃における、10時間のDRM反応を行ったCH4(下)とCO2(上)の転化率の経時変化である。 (A)はDRM反応の平衡量比のシミュレーション、(B)は800℃、(C)は900℃における、10時間のDRM反応を行ったCH4(下)とCO2(上)の転化率の経時変化である。 (A)400℃、(B)500℃、(C)600℃、(D)700℃、(E)800℃、(F)900℃で10時間DRM反応を行った後のNi28/シリカのSTEM像である。 Ni28/シリカと、2wt%でシリカと物理混合したNiナノ粒子それぞれを触媒として用いて700℃で10hDRM反応を行った後、大気下でTG-DTA測定を行ったプロファイルである。 Ni12Cu16/シリカ触媒を使用してDRM反応を行い、200~900℃で測定されたマススペクトルである。 Co28/シリカ触媒を使用してDRM反応を行い、200~900℃で測定されたマススペクトルである。
以下に、本発明を実施する形態について具体的に説明する。
(合成ガス製造用触媒)
本発明に使用される触媒は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びZnから選ばれる少なくとも1種の3d遷移金属からなるサブナノ粒子が担体に担持された担持体である。
従来、単純な濃度制御や担体の添加等の条件下で、還元法により合成した白金等のナノ粒子としては、粒径が2nmを超え、元素数に換算すると1000を超えるものが知られている。これに対して本発明において「サブナノ」の用語は、粒子の粒径が例えば0.5~2nmの範囲内にあること、特に0.8~1.8nmの範囲内にあることを意味している。いくつかの原子が集まり、それらの一部もしくは全体が直接結合することによって作られる多面体型の原子集団は一般にクラスターと称されているが、その意味においてサブナノ粒子はクラスターである。
フェニルアゾメチンデンドリマーを鋳型として精密に合成したサブナノ粒子は、サイズ分布の少ない粒径のクラスターとなることが確認されている。サブナノ粒子の粒径は、転化率を高める点から、好ましくは1.8nm以下、より好ましくは1.5nm以下、更に好ましくは1.3nm以下である。また、好ましくは0.6nm以上、より好ましくは0.8nm以上、更に好ましくは1.0nm以上である。
サブナノ粒子の元素数は、転化率を高める点から、好ましくは4以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは20以上である。また、好ましくは60以下、より好ましくは40以下である。
クラスターの構成元素は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びZnから選ばれる少なくとも1種の3d遷移金属元素である。
これらの単体又は合金を構成元素とするサブナノ粒子は、転化率が高く、触媒活性を長時間維持することができる。特に、700℃以上のような高温でも凝集を抑制し触媒活性を長時間維持することができ、また固体状炭素が生成する温度領域でも炭素析出による不活性化を抑制し触媒活性を長時間維持することができる。合金は、2種以上の元素からなるものであれば特に限定されないが、例えば2種や3種の元素からなるものが挙げられる。
特に、前記サブナノ粒子がNi単体又はNiを含む合金であると、500℃以下のような低温でも高い転化率が得られる。Niを含む合金としては、2種以上の元素からなるものであれば特に限定されないが、例えば2種や3種の元素からなるものが挙げられる。Niを含む合金Nixyの組成は(ここでMは1種または2種以上の3d遷移金属元素を示す。)、特に限定されないが、例えば、X:Y=10:1~1:10、あるいは5:1~1:5の範囲である。
本発明の触媒は、サブナノ粒子を担体に担持することによって、サブナノ粒子の凝集等を抑え、触媒活性の低下を効果的に抑えることが可能となる。
サブナノ粒子が担持される担体の形状は、特に限定されるものではなく、触媒床の方式に応じて適宜選択することができ、粒状、繊維状、顆粒状、膜状、板状等、各種のものであってよい。単位重量当たりの表面積が大きく触媒に適している点を考慮すると、粒状(粉末状)が好ましい。
担体としては、400℃~900℃の範囲で担体として維持できる材質であればよい。例えば、無機材料を用いることができる。無機材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、酸化鉄、酸化銅、ガラス、珪砂、タルク、マイカ、クレイ、ウォラスナイト等が挙げられる。これらの無機材料は多孔質物質であってもよく、細孔表面にサブナノ粒子を担持できる。
担体への担持は、例えば、サブナノ粒子を内包したデンドリマーを有機溶媒等の適宜の溶媒に溶解した溶液を用いて、担体分散液との混合、含浸、塗布、滴下等によって担体に接触させた後、乾燥することによって行うことができる。必要に応じて粉砕処理を行ってもよい。
サブナノ粒子の担体への担持量としては、特に限定されないが、基質に対する反応効率を上げるために担持量を高くすること等を考慮すると、0.1Wt%以上が好ましく、0.2Wt%以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、クラスターの凝集が起こりにくいことや凝集による触媒回転頻度の低下を抑制する点を考慮すると、10Wt%以下が好ましく、5Wt%以下がより好ましい。
本発明の触媒における好ましい例においては、クラスターが、その構成元素の金属塩が集積された有機高分子の還元物である。この有機高分子は金属塩が集積する複数の部位を分子内に持つ鋳型分子であり、特にデンドリマーである。
デンドリマーは、中心から規則的に分枝した構造を持つ樹状高分子であり、コアとなる中心分子と、側鎖部分となるデンドロンとから構成される。また、デンドロン部分の分岐回数は世代とも呼ばれる。デンドリマーの中心分子から一段階分岐した部分を第1世代、二段階分岐した部分を第2世代と呼ぶ。一般にデンドリマーはコアから規則正しく、完全に樹状分岐をしているポリマーであり、中心付近が疎、表面付近が密な球形構造をしており、中心から分岐を繰り返すごとに世代数が増えていく。これに対してハイパーブランチポリマーは、完全な樹状構造を持つデンドリマーとは異なり、不完全な樹状分岐を持つポリマーである。本発明においてデンドリマーは、このような部分的に分岐ユニットの欠陥をもつハイパーブランチ型高分子であってもよい。
デンドリマーは、ダイバージェント法、コンバージェント法等によって製造することができる。ダイバージェント法は、官能基を複数持つ分子をコアとし、中心から外側に向かって枝を伸ばしていく方法である。コンバージェント法は、外側から内側に枝を伸ばしていき、最後にコアに接着させて球状高分子にする方法であり、デンドリマーの外殻となる部分から内側に向かってデンドロンの合成を進めていき、最後にコアにいくつかのデンドロンを結合させる。
デンドリマーは、金属塩と相互作用する環境の異なる部位を持つ。ここでデンドリマーの「環境の異なる部位」とは、デンドリマーにおける金属塩を集積し得る部位であって、金属塩との相互作用が互いに異なる部位を意味する。当該部位は、金属塩との錯形成部位、イオン結合部位、共有結合部位を含む。「錯形成部位」とは、デンドリマーにおける金属塩との錯体を形成する部位を意味し、シッフ塩基となる部分である。1方向の電子密度勾配型デンドリマーでは、錯形成強度等の相互作用の強度が内層から外層へ次第に弱くなるように段階的に変化し、環境の異なる部位を形成するが、その他に、例えば、最外層に電子供与性の配位子を持つデンドリマーが、最外層だけ強い配位環境になった場合には、最も相互作用が強い部位が最外層となるように、内層における相互作用がそれよりも弱い部位とともに、環境の異なる部位を形成する。
上記の環境の異なる部位は、コア自体に有していてもよい。したがってデンドリマーの内層には、1世代目の当該部位の他、コアも含むものとする。1方向の電子密度勾配型デンドリマーでは、コアから末端にかけて塩基性勾配が生じているため、コアやそれに最も近い1世代目の錯形成部位の錯形成定数が最も高く、外側に向かって段階的に錯形成定数が減少していく。この錯形成定数の差が駆動力となって、金属塩は段階的に中心に近い1世代目から2世代目、3世代目と集積されていく。各層までが充填される数は、コアの分岐数が4の場合、4、12、28、60となり、コアの分岐数が3の場合、3、9、21、45となり、コアの分岐数が2の場合、2、6、14、30となる。コアに1つの配位サイトを追加したピリジルトリフェニルメタンコアのデンドリマーでは、1、1、3、2、6となる。この場合、最初にコアのピリジン部位で錯形成し、その後内層から外層へと段階的に錯形成する。その際、各層において、最初にピリジルトリフェニルメタンコアのピリジン部と結合しているデンドロンの錯形成部位(イミン部位)と錯形成し、次いで各層のその他の錯形成部位と錯形成すると考えられる。
本発明においてデンドリマーは、樹状構造の分岐点に錯形成部位として電子供与性の結合または原子を含むものが好ましい。例えば、電子供与体になる孤立電子対を持つ窒素原子や酸素原子を含むデンドリマー等が挙げられる。金属塩が配位することのできる窒素原子としては、アゾメチン結合(-CH=N-)中の窒素原子等が挙げられる。本発明においてデンドリマーは、このように錯形成部位がイミン部位を含むことが好ましい。
本発明に使用されるデンドリマーとしては、例えば、フェニルアゾメチンデンドリマー、カルバゾールデンドリマー、カルバゾール・フェニルアゾメチンデンドリマー、ポリアミドアミンデンドリマー、ポリプロピレンイミンデンドリマー等のポリアルキレンイミンデンドリマー、ポリベンジルエーテルデンドリマー等のポリアリールアルキルエーテルデンドリマー等が挙げられる。
その中でも、フェニルアゾメチンを樹状分岐構造の構成単位とするフェニルアゾメチンデンドリマー、カルバゾールを樹状分岐構造の構成単位とするカルバゾールデンドリマー、フェニルアゾメチンとカルバゾールを組み合わせた構造であるカルバゾール・フェニルアゾメチンデンドリマーが好ましい。これらは、π共役による剛直な構造であるため非常に硬いことを特徴とし、分子の内部には十分な広さの空間が確保され、金属塩と錯体を形成する配位サイトを多数有していることから、多数の金属塩を内層から外層へ各段階の錯形成部位に精密集積するのに適している。
フェニルアゾメチンデンドリマーとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023104499000001
上記式(1)中のAは、フェニルアゾメチンデンドリマーのコアとなる中核分子基であり、フェニルアゾメチンデンドリマー分子は、この中核分子基を中心として、外側に向かって式(1)中のBで表される単位の連鎖を成長させる。その結果、成長後のフェニルアゾメチンデンドリマー分子は、上記Aを中心として、上記Bが連鎖して放射状に成長した構造を有する。Bが連鎖する回数を「世代」と呼び、中核分子基Aに隣接する世代を第1世代として、外側に向かって世代数が増加していく。上記式(1)中のAは、次式
Figure 2023104499000002
の構造で表され、R2は、単環または多環の芳香族基、ヘテロ芳香族基、ポルフィリン基、フタロシアニン基、サイクラム基等が挙げられ、これらは置換基を有してもよい。
上記式(1)中のBは、上記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成させる次式
Figure 2023104499000003
の構造で表され、R3は、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表す。このBは、フェニルアゾメチンデンドリマーの世代を構成し、中核分子基Aに直接結合するBが第1世代となる。
上記一般式(1)中のR1は、末端基として上記Bにアゾメチン結合を形成する次式
Figure 2023104499000004
の構造で表され、R4は、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表す。R1は、フェニルアゾメチンデンドリマー分子の放射状に伸びた構造の末端に位置することになる。
上記式(1)において、qは、フェニルアゾメチンデンドリマーの上記Bの構造を介しての世代数を表し、pは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基R1の数を表し、p=2qrである。
置換基を有してもよい芳香族基であるR2、R3、R4は、それぞれ独立に、その骨格構造として、フェニル基またはその類縁の構造であってよく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ビフェニルアルキレン基、ビフェニルオキシ基、ビフェニルカルボニル基、フェニルアルキル基等の各種のものが挙げられる。これらの骨格は、置換基として、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、メトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、アルキルチオ基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基等の各種の置換基が例示される。上記骨格は、これらの置換基を、任意に1または複数有することができる。
上記式R2(-N=)rで表される中核部分において、rとしては、特に限定されないが、例えば1~4の整数が挙げられる。また、上記式(1)におけるqは、特に限定されないが、2~6であることが好ましく例示される。
上記式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマーは、単分子化合物としては比較的大きな分子(例えば、4世代(q=3)のフェニルアゾメチンデンドリマーであれば、直径約2nm程度である。)であり、分子内に、金属原子が配位することのできる窒素原子を所定の間隔で複数有する。このため、フェニルアゾメチンデンドリマーは、単分子化合物としては比較的大きな分子サイズの内部に、複数個の金属元素を1原子ずつ規則的に配置させることができる。
フェニルアゾメチンデンドリマーのサイズは、世代数、末端に結合する芳香族基のサイズ、末端に結合する芳香族基が有する置換基のサイズを適宜選択することで調整できる。その構造に基づいてフェニルアゾメチンデンドリマーのサイズを調整することで、フェニルアゾメチンデンドリマーを用いて形成されるデンドリマーの金属塩集積体のサイズを調整することができる。
デンドリマーの金属塩集積体を製造する際には、最初の工程として、デンドリマーを含む溶液を調製する。デンドリマーとその金属塩集積体を溶解させる溶媒は、これらを溶解させることができるものであれば特に限定されない。例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエタン、四塩化炭素等の含塩素系有機溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソール、アセトフェノン等の芳香族系有機溶媒、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、リモネン、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセトニトリル等の有機溶媒が挙げられる。これらは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
金属塩を混合する前の溶液中におけるデンドリマーの濃度は、特に限定されないが、0.01~50μmol/Lが好ましく、0.1~10μmol/Lがより好ましい。
次の工程として、金属塩を溶液と混合し、金属塩が集積したデンドリマーの金属塩集積体を得る。
金属塩をデンドリマー溶液と混合する方法としては、特に限定されないが、金属塩溶液のデンドリマー溶液への滴下等が挙げられる。
デンドリマーと金属塩とが混合されると、金属元素がデンドリマーの錯形成部位に配位し、デンドリマーの内部に取り込まれる。1方向の電子密度勾配型デンドリマーでは、このとき、金属元素はデンドリマーの中心部側の錯形成部位に優先的に配位するので、中心部側に存在する錯形成部位から外側に存在する錯形成部位の順に配位する。白金を含む複数元素のクラスターでは、各元素を持つ金属化合物のうち、最初に混合した金属塩はデンドリマーのコアもしくは第1世代の錯形成部位から外側に世代順に配位し、次いで混合した錯形成強度の弱い別の金属塩は、先の金属塩が配位した錯形成部位からさらに外側に世代順に配位する。すなわち、金属塩はデンドリマーのコアもしくは第1世代の錯形成部位から外側に世代順に配位する。そのため、デンドリマーと金属塩とのモル比を制御することにより、デンドリマーの所望の位置に金属元素を配置できる。
デンドリマーに集積させる金属塩における金属元素は、サブナノ粒子の金属種として前述したものである。金属塩におけるカウンターアニオンもしくは配位子としては、特に限定されないが、例えば、トリフルオロ酢酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオンや、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、アセチルアセトン、アセトニトリル、サレン、シクロペンタジエン、テトラフルオロホウ酸イオン等が挙げられる。
複数種の金属塩を用いて合金サブナノ粒子を製造する場合、複数種の金属塩をただ混ぜ合わせるだけでは金属塩間でイオン交換が起きてしまう、また、配位力が強過ぎると多座配位を起こし、逆に弱過ぎると特にデンドリマーの外層側で錯形成が外れてしまう。この他にも配位性溶媒が存在していないとデンドリマーに配位できないもの、逆に少しでも存在していると配位できないものがあるなど、金属塩によって溶媒との相性が異なる場合がある。そのような場合、デンドリマーと金属塩の溶媒をジクロロメタンに統一し、さらに金属塩のカウンターアニオンをトリフルオロ酢酸(TFA)イオンとすることが好ましい。金属塩のカウンターアニオンをTFAとすることでイオン交換を防ぎ、適度な立体障害によって多座配位を抑えることができるだけでなく、高い溶解性といった利点がある。また、溶媒をジクロロメタンの単一系にすることで、配位性溶媒をできるだけ用いず、錯形成挙動を統一することができる。この場合、TFA塩としては、TiIII(TFA)3、VIII(TFA)3、CrIII(TFA)3、MnII(TFA)2(H2O)4、FeII(TFA)2(H2O)4、CoII(TFA)2(H2O)4、NiII(TFA)2(H2O)4、CuII(TFA)2(H2O)4、ZnII(TFA)2(H2O)6が挙げられる。
本発明において、金属塩は、デンドリマーの前記環境の異なる部位に直接配位する金属塩である他、金属塩が対アニオンとなる有機カチオンまたはプロトンが前記部位に配位して集積される化合物であってもよい。
このデンドリマーの金属塩集積体を還元することによって、その金属元素のサブナノ粒子を製造することができる。
デンドリマーの金属塩集積体の還元は、例えば、金属塩に対して還元作用を有し、これを0価の状態まで還元することができる還元剤を用いて溶液中で行うことができる。
溶液中で還元する場合、還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素、ヒドラジン類、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素テトラn-ブチルアンモニウム、水素化ホウ素メチルアンモニウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、ボラン錯体類、トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化トリブチルホウ素リチウム、水素化トリブチルホウ素カリウム、Schwartz試薬、Stryker試薬、水素化トリブチルスズ、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、ベンゾフェノンケチルラジカル類、金属ナフタレニド類、過酸化水素等が挙げられる。
このようにしてデンドリマーの金属塩集積体を還元することで、集積させた金属塩の数に相当する大きさのサブナノ粒子を、デンドリマーに包含されたものとして調製することができる。
このようなサブナノ粒子を前述したように担体に担持し、本発明の触媒が得られる。
デンドリマーの金属塩化合物集積体、上記のような溶液中他に例えば、担体に担持し、この担持体を水素ガス、あるいは水素を含む窒素やアルゴンとの混合ガス雰囲気下で焼成することで、気相で還元することができる。
(合成ガスの製造方法)
次に、本発明の合成ガス製造用触媒を用いた合成ガスの製造方法について説明する。
本発明の合成ガスの製造方法は、メタンを含む原料ガスと二酸化炭素を反応させ、一酸化炭素と水素を含む合成ガスを製造する方法であって、反応触媒として、以上に説明した触媒を用いる。
メタンのドライリフォーミング反応は、温室効果ガスであるCO2やメタンを有用ガスである水素やCOに変換することができる反応である。メタンのドライリフォーミング反応は吸エルゴン的であるため、理論的には反応物と生成物との間の差分のエネルギーすなわち反応エンタルピー分を熱等のエネルギーとして与える必要がある。また、実際のエネルギー図は、下記のような山を形成しており、余分なエネルギーを別途必要とする。
この余分な活性化エネルギーが形成する山は触媒によって下げることができるが、従来物質と比べて反応性が極めて高いサブナノ触媒を利用することでこの余分な活性化エネルギーを下げることができ、特にNi等では活性化エネルギーを可能な限り0まで下げることができる。
バルクからサブナノサイズのクラスターまでサイズを小さくすることで触媒活性が大きく向上する。この要因としては、Ni粒子を例に説明するとNi粒子の構造変化に伴う活性サイトの発現によるものであると考えられる。既報によると、平面上に比べ、このようなステップ状のNiサイトでは、メタンの炭素原子に対して複数のNi原子が相互作用することで、メタンのドライリフォーミング反応の律速段階であるメタンの活性化を促進することが分かっている。よって、結晶構造を保つことができないほどの極微小サイズであるクラスターは、このような大きく活性化された反応サイトや配位不飽和サイトをもつことで、効率よく基質を活性化できていることが予想される。
また、水素還元する前とした後のNi28、そしてNiバルクを用いてXANESスペクトルとEXAFSスペクトルの比較を行った。XANESスペクトルではホワイトラインやプレエッジピーク、ショルダーピークなどの変化、またEXAFSスペクトルでは得られたピークの位置からNi28が十分に還元されていることが確認された。また、EXAFSスペクトルを解析することでNi28中のNi原子の配位数を算出した。Niバルク中のNi原子の配位数は12であるが、既報によると3nm前後のナノ粒子中の配位数は10から8とされている。それに比べ、Ni28中の配位数は6~7となり、従来のナノ粒子よりもさらに小さい値が見られ、この結果から従来のナノ粒子よりもさらに小さい粒子ができていること、また1つ1つの原子がより配位不飽和の状態で活性化されていることが示唆された。また、得られたEXAFSスペクトルについてより詳細に解析を行ったところ、Niクラスターはバルクやナノ粒子よりもさらに短いNi-Ni結合をもつこと、さらに、6~7という非常に小さい配位数が算出された。既報から、Ni28クラスターはこのようにアイコサへドロンの一部のような構造が最安定とされており、この中の原子の配位数が5から8であることから、算出された6~7という配位数は妥当であると考えられる。よって、このEXAFS解析結果は、サブナノクラスターは従来のナノ粒子よりもさらに小さい粒子であること、また1つ1つの原子がより配位不飽和の状態で活性化されていることが示唆する。
本発明の合成ガス製造用触媒は、通常、後述する合成ガス製造に用いる際、還元処理により担持したNiの還元度を上げて、より金属状態に近づけることで触媒活性を向上させるため予め還元処理を行う。
還元処理の方法は、触媒の組成等によって適宜最適化することができるが、通常還元性気体中で還元処理をする。還元性気体は、特に限定されないが、好ましくは水素が用いられる。還元性気体は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスと混合していてもよく、通常は不活性ガスで還元性気体を希釈して用いる。
還元処理の温度は特に限定はされないが、還元反応を進行させる点から好ましくは500℃以上、より好ましくは600℃以上である。またエネルギーコストや凝集抑制等の点から好ましくは900℃以下である。
還元時間は、使用する触媒量や触媒組成に応じ、担持したサブナノ粒子が還元されるのに必要な時間に適宜調整することができるが、例えば30分以上である。
メタンを含む原料ガスは、メタン単独のガスの他、天然ガスやコークスの副生ガスなど、原料ガスとして有効に利用することができる点などを考慮し他のガス成分を含んでいてもよい。他のガス成分としては、特に限定されないが、例えば、エタン、プロパン、ブタン等の炭素数1~5の炭化水素が挙げられる。
合成ガス製造時の反応温度は、特に限定されないが、原料の転化率や反応速度の点から好ましくは400℃以上、より好ましくは500℃以上である。また、燃料消費量や熱による不活性化の抑制の点から好ましくは1000℃以下、より好ましくは900℃以下である。
上記の中でも、好ましい合成ガス製造時の反応温度の一例は、350~550℃、特に400~500℃である。
550℃から700℃までの温度域では、副反応であるCOの不均化やメタンの分解による固体状炭素の生成が顕著になる。この固体状炭素は触媒を被毒してしまうため、この温度域での触媒反応は避けることが望ましい。また、500℃から700℃までの温度域では、別の副反応である逆水性シフト反応による水の生成が顕著となる。
本発明では、特にサブナノ粒子がNi単体又はNiを含む合金等である場合、低温での触媒反応の進行を実現する。触媒サイズをバルクからサブナノまで下げることで活性が著しく向上し、Ni28では反応開始温度が熱力学平衡計算によるシミュレーション値と一致し、Ni28まで小さくするにつれて反応サイトがより活性化する。500℃以下のような低温域燃料消費量が少なく工業化に適しており、本発明の触媒によって基質の活性化エネルギーを下げることで、この低温域でも反応を進行させることができる。
また上記の中でも、好ましい合成ガス製造時の反応温度の別の例は、700℃以上、特に700~900℃である。この温度域では、固体状炭素の生成や副反応である逆水性シフト反応による水の生成が抑制され、特に、本発明のサブナノ粒子を触媒に用いることで、700℃以上のような高温でも凝集を抑制し、熱による触媒活性の低下をより抑えることができるので、触媒活性を長時間維持することができる。また、サブナノ粒子は粒子サイズが1nm程度と極めて小さく、それらが良く分散して担体に担持されていることで、高い触媒活性を発現させるだけでなく、粒子上における結晶状炭素の成長を妨げ、炭素析出による不活性化を一層抑制し、触媒活性を長時間維持することができる。
本発明の合成ガスの製造方法において、反応圧力は特に限定されないが、生産性等の点から好ましくは0.01MPa以上、より好ましくは0.1MPa以上である。また、高圧反応に必要な製造設備のコストを抑える点等から好ましくは10MPa以下、より好ましくは1MPa以下である。
本発明の合成ガスの製造方法において、反応形式は特に限定されず、例えば固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器、懸濁床反応器等を用いることができ、好ましくは固定床反応器である。
本発明の合成ガスの製造方法において、反応を固定床反応器で行う場合、そのガス空間速度(GHSV)は、特に限定されないが、好ましくは1000mL・g-1-1以上、より好ましくは10000mL・g-1-1以上である。また、好ましくは1000000mL・g-1-1以下、より好ましくは100000mL・g-1-1以下である。
本発明の合成ガスの製造方法において、原料ガス中のメタンに対する二酸化炭素のモル比は特に限定されないが、炭素析出による触媒活性の低下や反応器の閉塞を抑制する点等から、メタンに対する二酸化炭素のモル比(CO2/CH4)で、好ましくは0.1以上、より好ましくは1以上である。また、未反応のCO2が増えることによるリサイクル負荷やプロセス経済性の点等から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。
本発明の合成ガスの製造方法においては、メタンを含む原料ガスと二酸化炭素を反応させる際に、本発明の効果を阻害しない範囲において、メタンを含む原料ガスの他に、その他のガスを導入することを妨げない。
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.触媒の調製
下記のスキームに従って合成した。
グローブボックス雰囲気下、第4世代のフェニルアゾメチンデンドリマー(DPA G4)を溶解した溶液に、目的とするクラスターの元素数に応じた当量のTFA金属塩溶液を加えて、金属塩の錯形成を行った。TFA塩としては、ニッケルクラスターの合成にはNiII(TFA)2(H2O)4、ニッケルと銅の合金クラスターの合成にはNiII(TFA)2(H2O)4及びCuII(TFA)2(H2O)4、コバルトクラスターの合成にはCoII(TFA)2(H2O)4を用い、溶媒はクロロホルムを用いた。
攪拌後、ホウ素ナトリウム(NaBH4)を加えたメタノール溶液で還元を行った。その反応溶液をメタノールで分散させた担体と混合し、デンドリマー錯体を担体に集積し担持させた。担持させた触媒をメンブレンフィルターでろ過して、メタノールでの洗浄後、真空乾燥した。担体にはシリカを用いた。
STEM像からはサイズが揃ったクラスターであるサブナノ粒子が観察でき、その一つ一つのクラスターが複数の原子で構成されている様子も観察した。原子分解能観察で目的とする原子数のサブナノ粒子が確認できた。また、EDS分析からは、そのクラスターが目的とする金属元素で構成されていることが確認された。
STEM像より粒径分布をとったところ、合成されたサブナノ粒子はヒストグラムより例えばNi28が1.06±0.21nm、Ni4が0.74±0.24nm、Ni12が0.92±0.22nm、Ni60が1.31±0.15nmであった。またCo28が1.2±0.2nm。Ni12Cu16が1.1±0.3nmであった。
2.NiクラスターによるCH4ドライリフォーミング反応におけるNi触媒の前処理還元温度検討
触媒反応には常圧流通式の触媒分析装置であるBelCAT(MicrotracMRB)を用い、生成物同定には四重極質量分析計であるBelMASS(MicrotracMRB)を用いた。
シリカ担体のAerosil(登録商標)に4wt%で担持させたNi28触媒100mgに対して、200℃で5h前処理を行うことで触媒中の水を除去した後、600℃で30min水素処理(He:H2=40:10)することで触媒を十分に還元した。
昇温速度5℃/minで200℃から900℃までCH4:CO2=2sccm:2sccm(GHSV:30000ming-1-1)の混合ガスをフローさせることで触媒反応を行った。
得られたマススペクトルから、CO2とCH4それぞれに対応するm/z=44とm/z=16のスペクトルが400℃付近から降下し、H2とCOそれぞれに対応するm/z=2とm/z=28のスペクトルが同温度付近で上昇するという結果が得られた(図1A)。同時に500℃から600℃付近でm/z=18の水の生成が確認された(図1B、その他に図2B、3B)。これは副反応である逆水性シフト反応によるものと考えられる。
さらに、クラスターを担持させていないシリカ担体を用いたブランクテストを行ったところ、反応ガスの消費と目的ガスの生成は確認されなかった。
これらの結果から、Ni28がCH4ドライリフォーミング反応に対して活性を示すことがわかった。
DRM反応において、基質であるCH4を触媒上で活性化させるためにはNi触媒を還元処理する必要がある。合成後に酸化したNi28xは、水素処理によって水を生成しNi28となる。そこで、Ni28を用いて触媒の前処理還元温度を検討した。
水素処理温度が500℃の場合でも同様のマススペクトルが得られた(図2A)。しかし、水素処理温度が400℃の場合では、530℃までDRM反応は進行せず、それ以降の温度で急激な反応開始挙動が観測された(図3A)。
以上の結果は、530℃でCH4によって触媒が還元され、それと同時にDRM反応が進行したためと考えられる。これらの結果から、Ni28/シリカ担体をDRM反応触媒として用いる前には500℃で水素還元処理を行うことに決定した。
3.DRM反応に対するNi触媒のサイズ依存性
DRM反応に対するNi触媒活性のサイズ依存性について検討するため、Ni4、Ni12、Ni28、Ni60、市販Niナノ粒子(5-20nm:s-Nps、100nm:l-Nps)、市販Niバルク(>100μm)それぞれをシリカ担体のAerosil(登録商標)に対して2wt%としたサンプルを用いてDRM反応を行った。Ni4、Ni12、Ni28、Ni60はそれぞれをシリカ担体に担持させたものを用い、市販Niナノ粒子、市販Niバルクはそれぞれをシリカと物理混合させたものを用いた。
水素還元処理温度は2.の結果に基づいて500℃で統一し、他の条件も2.と同様とした。
反応条件は2.と統一して行い、CH4の転化率が1%となる温度を反応開始温度として評価した。
実際に行った触媒反応中のガス分析結果を図4A~4D及び図54A~4Dに示す。それぞれの結果から得られたH2に対応するm/z=2のマススペクトルを用いて、DRM反応活性の触媒サイズ依存性について検討した。触媒の量は基質に対して十分量加えているため、触媒の表面積の違いによる触媒活性の差を排除している。
図4A~4Dより、バルク(bulk)では、200℃から毎分5℃で昇温していき、650℃付近でメタンとCO2の減少と、水素とCOの生成が確認されたことから、650℃で触媒反応が開始した。大きめのナノ粒子(l-Nps)では500℃付近、小さめのナノ粒子(s-Nps)では400℃付近で触媒反応が開始した。つまりナノ粒子、バルクと、触媒のサイズが大きくなると、反応開始温度がさらに高温側へシフトした。
図5A~5Dより、触媒にNiクラスターを用いた場合では、300℃付近で反応が開始しており、バルクやナノ粒子よりもさらに低い温度で触媒反応を進行させることに成功していることが確認された。それぞれのNiサブナノ粒子触媒はDRM反応を進行させ、その中でも特にNi60/シリカ担体を用いた際の反応開始温度はNi28/シリカ担体を用いたときとほぼ同じ結果となった。これに対して、Ni12/シリカ担体、Ni4/シリカ担体とサブナノ粒子のサイズが減少するにつれて反応開始温度は高温側へシフトした。
以上の様々なサイズのNi触媒を応用し、昇温テストを行うことで反応開始温度を調べた(図6)。全ての触媒を2wt%で統一して検討した。
バルクからナノ粒子、サブナノ粒子と、触媒のサイズを小さくすることによってDRM反応活性が向上し、その中でも特にNi28/シリカ担体とNi60/シリカ担体が最も高い活性を示した。この両者のスペクトルは化学平衡計算から得られた理論曲線とほぼ一致しており(J. CO2 Util. 2013, 1, 37-42.)、DRM反応の活性化エネルギーを著しく低下させることに成功していると考えられる。Ni触媒の場合、フラットサイトと比べてステップサイトがCH4の活性化により効くことが知られている。よって、触媒サイズをサブナノ領域まで下げることで粒子中にステップサイトが増加し、Ni28で反応の活性化エネルギーが極限まで下げられていると考えられる。一方で、Ni12、Ni4と触媒サイズをさらに小さくすると反応開始温度は逆に上昇した。この要因としては、触媒が小さ過ぎると基質を活性化させ、さらに反応させるためのスペースが不足するため、又は反応の活性点となるサイトがNi4やNi12よりもNi28に比較的多く存在していることが考えられる。
図7では、触媒の表面積の違いによる活性の差を排除するために、昇温曲線の変化がなくなるまで触媒量を増やし、基質に対して十分量の触媒を用いて活性の触媒サイズ依存性を評価した。
反応の開始温度と触媒サイズの間には逆ボルケーノのような関係性が見られた。図6と同様に、特にNi28を用いた際に最も低温で反応が進行し、さらにこの温度は活性化エネルギーを0としたときのシミュレーション結果とほぼ同じ結果となった。
4.DRM反応におけるガスの定量化
シリカ担体のAerosil(登録商標)に2wt%で担持させたNi28触媒100mgに対して、Ar下200℃で5h前処理を行うことで触媒中の水を除去した後、500℃で30min水素処理することで触媒を十分に還元した。本測定は、昇温速度5℃/minで200℃から900℃までCH4:CO2=2sccm:2sccm(GHSV:30000ming-1-1)の混合ガスをフローさせることで触媒反応を行った(図8A)。
得られたスペクトルをBelMassを用いて規格化し、CO2、CH4、CO、H2それぞれを定量した(図8B)。
得られたプロットは、ソフトウェアHSC Chemistry(Chemistry Software Ltd)を用いて化学平衡計算から得られたシミュレーション結果(図8C)と良い一致を示した。
この結果から、合成したNi28触媒はDRM反応の活性化エネルギーを大きく低下させることに成功していることが示された。
5.Ni28におけるDRM活性の反応温度依存性
昇温実験の場合、特に高温領域では反応開始から数時間経過しているため転化率等の詳細な検討は困難である。そこで、Ni28を用いて200℃から900℃で反応温度を一定にしてDRM反応を行い、反応開始時点の転化率を算出した。
各温度で得られた基質であるメタンとCO2の転化率は化学平衡計算から得られたシミュレーションと良い一致を示した(図9)。この結果から、Ni28は様々な温度で高い触媒活性を示しており、従来の触媒と比べて反応の活性化エネルギーを0に限りなく近いほど削減することに成功していることが示された。
6.DRM反応に対するNi28の触媒耐久性
昇温実験では、低温側から温度を上げていき、特に高温側は反応を仕掛けてから数時間経過していることになるので、反応中にもし凝集等が起きてしまっている場合は高温側で得られる結果は信頼できなくなってしまう。
そこで次の検討として、Ni28を用いて反応温度を一定にして10時間反応を行うことで、CH4とCO2の転化率の経時変化から、ここの反応開始時点からその温度における真の触媒活性、また、10時間の経時変化から触媒の耐久性を評価した(図10-12)。
400℃と500℃での検討結果を図10B、10Cに示す。この温度域はどんなに反応性が高い触媒でも反応を進行させることが困難とされる温度であり、この温度で触媒活性を評価している文献は非常に少ない。400℃や500℃の低温領域では、CH4とCO2いずれに対しても10h反応後でNi28は安定した触媒耐久性を示した。そうした温度域においてもNi28は非常に高い反応性を示し、CH4とCO2共に計算シミュレーション(図10A)とほぼ同じ転化率を示し、また、それらを10時間維持したことから高い耐久性も示された。
続いて600℃と700℃での検討結果を図11B、11Cに示す。この温度域になると、シミュレーション(図11A)でCH4とCO2の転化率が50%前後まで上がってくる。結果としては、600℃と700℃共にシミュレーションとほぼ同じ転化率を示し、高い触媒活性が確認された。700℃では時間経過とともにわずかな転化率の低下が見られた。
最後に、800℃と900℃での検討結果を図12B、12Cに示す。この温度域になると、転化率がさらに上がってくるが、結果的にNi28は800℃と900℃共にシミュレーション(図12A)とほぼ同じ転化率を示し、高い触媒活性が確認された。800℃、900℃共に時間経過とともにわずかな転化率の低下が見られた。900℃では、CH4とCO2いずれにおいても反応開始後2hから5hまでの間で転化率の低下が見られた。
CH4、CO2の転化率の経時変化は、どちらも低温領域では優れた耐久性を示す一方で、特に900℃といった高温領域で少々不活性化が見られた。この要因について調査するために、各反応温度で触媒として用いたNi28の反応後のSTEMによる観察を行った。(図13A~13F)。
触媒の不活性化があまり見られなかった低温域である400℃から600℃の間では、目立った粒子同士の凝集は見られず、Ni28が反応前のサイズを保ったままシリカ担体上に分散担持されている様子が確認された(図13A、13B、13C)。
一方で、高温域で用いたNi28のSTEM像を観察したところ、700℃から少しずつ凝集が見られ(図13D)、800℃反応後(図13E)では最大4nmの様々なサイズの凝集体が確認され、900℃反応後(図13F)では約4nmのサイズの凝集体が多く確認された。10時間反応後の粒径分布は、400℃で1.08±0.17nm、500℃で1.13±0.17nm、600℃で1.12±0.17nm、700℃で1.25±0.23nmであるのに対し、800℃で1,66 ±0.52nm、900℃で2.65±0.61nmとなり、800℃から急に凝集が始まりヒストグラムの山が崩れて右にシフトした。
このように、Ni28は400℃、500℃では、どちらも優れた耐久性を示しており、反応後でもクラスターが元のサイズを保ったまま分散よく担持されている様子が観察された。沈殿法による10nmのナノ粒子であるNi-ZrNPs/SiO2は、低温(400℃、450℃)で耐久性があることが報告されているが(非特許文献3)、400℃の転化率はCH4が2.0、CO2が2.0である。一方、Ni28/SiO2の転化率はCH4が4.3、CO2が7.9であった。Ptナノ粒子(非特許文献2)では、各温度で熱力学的平衡から求めた理論値(Equilibrium)には達していない。400℃で行った際の転化率は、同じく400℃で行った既報のナノ粒子が示した結果を大きく上回っていることからも、本実施例で合成したNiクラスターの触媒としての有用性が示された。高温領域での若干の不活性化の要因はクラスターの凝集によるものである可能性がある。しかし、400℃や500℃といった、従来のナノ粒子触媒では反応進行が困難であった低温域でさえ、Ni28は高い反応性で反応を進行させた。
7.DRM反応におけるNi28の副生成物耐久性
DRM反応における触媒不活性化の代表的な要因として、粒子間の凝集と触媒の炭素被毒が考えられる。この固体状炭素はメタンの分解(CH4→C+2H2)とCOの不均化(2CO→C+CO2)によって生じる。そこで、TG-DTA測定を用いることで、反応後における触媒上の固体状炭素の有無を調査した。
2wt%で調製したNi28/シリカ担体と、2wt%でシリカと物理混合したNiナノ粒子(Ni l-NPs)それぞれを触媒として用いて700℃で10hDRM反応を行った後、大気下でTG-DTA測定を行った(図14)。
Niナノ粒子では、600℃付近で炭素の燃焼に由来する大きな重量減少が観測されたことから、NiNPs上における炭素析出が示唆された。
一方でNi28では、TG曲線とDTA曲線ともに大きな変化は見られなかったことから、Ni28上における炭素析出量は極めて少ないことが考えられる。
既報(J. Zhang et al., Appl. Catal. B 2015, 176, 513-521.、M. Akri et al., Nat. Commun. 2019, 10, 5181.)により、触媒を極限まで小さくし、それらをよく分散させると、触媒上に結晶状炭素が成長することを防ぐことが分かっている。以上の結果から、粒子サイズが1nm程度と極めて小さく、それらが良く分散して担持されていることで、高い触媒活性を発現させただけでなく、粒子上における結晶状炭素の成長を妨げ、炭素析出による不活性化も防げていることが示唆された。
8.金属元素の拡張
Ni12Cu16/シリカ触媒を使用してDRM反応を行い、200~900℃でマススペクトルを測定した(図15)。反応開始温度はNi28/シリカ触媒の場合に比べると高温側にシフトしたが、400℃付近から反応が開始した。
Co28/シリカ触媒を使用してDRM反応を行い、200~900℃でマススペクトルを測定した(図16)。反応開始温度はNi28/シリカ触媒の場合に比べると高温側にシフトしたが、700℃付近から反応が開始した。

Claims (3)

  1. メタンを含む原料ガスと二酸化炭素を反応させ、一酸化炭素と水素を含む合成ガスを製造する合成ガス製造用触媒であって、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びZnから選ばれる少なくとも1種の3d遷移金属からなるサブナノ粒子が担体に担持された担持体である合成ガス製造用触媒。
  2. 前記サブナノ粒子がNi単体又はNiを含む合金である請求項1に記載の合成ガス製造用触媒。
  3. メタンを含む原料ガスと二酸化炭素を反応させ、一酸化炭素と水素を含む合成ガスを製造する方法であって、反応触媒として、請求項1又は2に記載の触媒を用いる合成ガスの製造方法。
JP2022005520A 2022-01-18 2022-01-18 ドライリフォーミングに使用される合成ガス製造用触媒及び合成ガスの製造方法 Pending JP2023104499A (ja)

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