JP2023104319A - 画像表示装置および画像表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精細、広視野の画像を、違和感なく容易に視認させる。【解決手段】画像平面200において、中心部分を含む領域212aを、その外側の領域214aより高い解像度で表す。領域212aは、レーザ光源220からの光をミラー222で反射させ2次元走査させることにより画像を投影するレーザ走査方式で表す。領域212aは、注視点202aが画像中心にあるときを基準とし、中心からの移動に伴い領域212bが拡張するように、ミラー222の角度の振幅を制御する。【選択図】図2
Description
本発明は、ユーザに画像を視認させる画像表示装置および画像表示方法に関する。
対象空間を自由な視点から鑑賞できる画像表示システムが普及している。例えばヘッドマウントディスプレイにパノラマ映像を表示し、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザが頭部を回転させると視線方向に応じたパノラマ画像が表示されるようにしたシステムが開発されている。ヘッドマウントディスプレイを利用することで、映像への没入感を高めたり、ゲームなどのアプリケーションの操作性を向上させたりすることもできる。また、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザが物理的に移動することで映像として表示された空間内を仮想的に歩き回ることのできるウォークスルーシステムも開発されている。
映像体験の質を高めるには、広い視野の画像を高精細に表現することが求められる。ところが解像度や視野角を拡張するほど処理すべき画像のデータサイズが増大し、処理や転送に時間を要する結果、表示までの遅延が生じやすくなる。そこで、視野の中心から端に至るほど視力が低下する人の視覚特性を利用し、中心領域とその外側で画像の解像度に差を設け、視認上の画質を維持しつつ処理の無駄を軽減させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ヘッドマウントディスプレイに限らず画像表示技術の分野において、広い視野で精細な画像を低遅延に表示できるようにすることは常に共通の課題である。例えば特許文献1の技術の場合、中心領域とそれ以外の領域で個別にディスプレイを設け、表示解像度に明確な差を与えることにより、処理リソースの適切な分配が容易になる。一方で、個別に表された解像度の異なる画像が合成されることにより、境界線が不自然に見えユーザに違和感を与えてしまう問題が生じ得る。これを解消するには、データ上で解像度を滑らかつなぐことが考えられるが、画像加工の処理が別途必要となる。高解像度の領域をユーザの注視点に連動させる場合は特に、変動する領域の切り取りや解像度調整のため、看過できない処理時間が生じることが考えられる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高精細、広視野の画像を、違和感なく容易に視認させることのできる技術を提供することにある。
本発明のある態様は画像表示装置に関する。この画像表示装置は、表示画像のうち、画像平面における中心部分を表す中心画像を生成する中心画像生成部と、表示画像のうち、中心画像の外側の領域を表す周辺画像を生成する周辺画像生成部と、画素を表すレーザ光を、ミラーの反射により2次元走査させて画像を投影するレーザ走査方式により、中心画像を表す中心画像出力部と、周辺画像を表示する周辺画像出力部と、中心画像と周辺画像を合成して視認させる画像合成部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の別の態様は画像表示方法に関する。この画像表示方法は、表示画像のうち、画像平面における中心部分を表す中心画像を生成するステップと、表示画像のうち、中心画像の外側の領域を表す周辺画像を生成するステップと、画素を表すレーザ光を、ミラーの反射により2次元走査させて画像を投影するレーザ走査方式の中心画像出力部により、中心画像を表すステップと、周辺画像出力部により、周辺画像を表示するステップと、中心画像と前記周辺画像を合成して視認させるステップと、を含むことを特徴とする。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によると、高精細、広視野の画像を、違和感なく容易に視認させることができる。
図1は、人の視覚特性と本実施の形態の表示形式との関係を説明するための図である。まず(a)に示す画像平面200において、丸印で示したユーザの注視点202が中心付近に存在するとする。一般的な人の視覚特性として、瞳孔から注視点へ向かう視線を中心軸として5°以内に対応する領域204は弁別視野と呼ばれ、視力などの視機能が優れている。また水平方向に約30°、垂直方向に約20°以内に対応する領域206は有効視野と呼ばれ、眼球運動だけで瞬時に情報を受容できる。
さらに水平方向に60~90°、垂直方向に45~70°以内に対応する領域208は安定注視野、水平方向に100~200°、垂直方向に85~130°以内に対応する領域210は補助視野、というように、注視点202から離れるほど情報の識別能力が低くなる。この特性を踏まえ、本実施の形態では(b)に示すように、注視点202を含む所定範囲の領域212を、その外側の領域214より高い解像度で表すことを基本とする。これを実現するため、領域212と領域214を異なる表示機構で表し、最終的にはそれらが合成された状態で視認されるようにする。
注視点202を含む領域212の表示機構として、本実施の形態ではレーザ走査方式を採用する。レーザ走査方式とは、画素に対応するレーザ光を、偏向用のミラーを用いて2次元走査させることにより、投影面に画像を形成する技術である。例えばレーザ光をユーザの瞳孔に収束させ、網膜に画像を投影する技術は、主にウェアラブルディスプレイへの適用が進められている(例えば国際公開第2009/066465号参照)。また、外部のスクリーンなどに画像を投影する小型のプロジェクタも実用化されている(例えば特開2017-83657号公報参照)。
図2は本実施の形態で採用する、レーザ走査方式の表示機構と画像上の領域との関係を説明するための図である。(a)、(b)の上段は、レーザ走査方式の表示機構を側面から見た模式図である。レーザ光源220は赤、青、緑の成分を含むレーザ光を出力する。当該レーザ光はミラー222により反射され投影面(画像平面200)に投影される。
ミラー222を2軸周りで揺動させることにより、レーザ光が投影面上で2次元走査され、各時刻で出力したレーザ光を画素とする画像が形成される。なおこの例でミラー222は、レーザの反射光が画像平面200の中心に到達する状態での姿勢を基準として対称に揺動させる。これによりレーザ走査方式で表現する領域212aの中心は、画像平面の中心と一致することになる。ただし本実施の形態をこれに限る主旨ではない。
また図ではヘッドマウントディスプレイを想定し、透過性を有するスクリーンなどの投影面の逆側にユーザの目224を示している。ただし上述のとおり網膜に直描してもよく、スクリーンは必須でない。ミラー222として、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを導入する。MEMSミラーは、電磁駆動により2軸周りの角度変化を精度よく制御できる、小型かつ低消費電力の装置である。ただしミラーの駆動方式は特に限定されない。
本実施の形態では、注視点の移動に応じてミラー222の角度の振幅を変化させることにより、画像平面200の中心から注視点が離れるほど、レーザ走査方式で表現する領域のサイズを拡張させる。まず(a)に示すケースは、図1で示したように、注視点202aが画像平面200の中心にある。このときのミラー222の角度の振幅、ひいてはレーザ光の走査角の振幅を基準値θstdとする。基準値θstdは、あらかじめ定められた最小値でよい。
一方、(b)に示すケースは、注視点202bが画像平面200の左下方向に移動している。このとき、ミラー222の角度の振幅θを、θstdより大きくする。具体的には、レーザ走査方式で表現する領域212bの縁が注視点202bから一定の距離を保つように、ミラー222の角度の振幅θを増加させ、領域212bを拡張させる。例えば(a)に示す基準状態の領域212aを縦方向にn倍に拡張する場合、次のように角度の振幅θを決定できる。
tanθ=n×tan(θstd)
当然、横方向についても同様に、ミラー222の角度の振幅を決定できる。
tanθ=n×tan(θstd)
当然、横方向についても同様に、ミラー222の角度の振幅を決定できる。
レーザ走査による表示方式では、フレームレートを固定とした場合、走査角と解像度が反比例の関係となる。すなわち領域212aをn倍に拡張する場合、拡張方向における単位角度当たりの画素の数は1/nとなる。一方、別の表示機構によって表される外側の領域214a、214bの解像度は一定でよい。このような制御によれば、まず、注視点は常に、レーザ走査方式で表現する領域212a、212bの内部にあるため、解像度に差が生じている境界部分が注視されづらい。また注視点が画像平面200の端に近づくほど、領域間の解像度差が小さくなるため境界が目立ちにくくなる。そのため仮に注視点がレーザ走査によって表現できる領域を超えても、境界線が認識されづらくなる。
なお(a)に示す基準状態においては、レーザ走査方式で表現する領域212aの縁が、少なくとも有効視野の外側になるようにするなど、一般的な視覚特性に応じて基準値θstdを決定すれば、解像度にある程度の差があってもその境界が視認されづらくなる。これにより、領域212aの解像度を高くし、高品質な画像を違和感なく見せることができる。以上のような効果は、レーザ走査型の表示方式においてミラー222の角度の振幅を制御することにより自ずと得られるため、処理負荷の増大を抑えることができる。
本実施の形態を適用できる表示装置は特に限定されないが、以後、ヘッドマウントディスプレイを例に説明する。図3は、本実施の形態のヘッドマウントディスプレイの外観例を示している。この例においてヘッドマウントディスプレイ100は、出力機構部102および装着機構部104で構成される。装着機構部104は、ユーザが被ることにより頭部を一周し装置の固定を実現する装着バンド106を含む。出力機構部102は、ヘッドマウントディスプレイ100をユーザが装着した状態において左右の目を覆うような形状の筐体108を含み、内部には上述したようなレーザ走査方式の表示機構と、その他の領域の画像を表示する機構とを備える。
筐体108内部にはさらに、表示された2領域の画像を合成する機構、および、視野角を拡大する接眼レンズを備える。左右の目のそれぞれに、視差を有するステレオ画像を表示することにより立体視を実現してもよい。筐体108内部にはさらに、表示された画像に対するユーザの注視点を検出する注視点検出器を備える。
ヘッドマウントディスプレイ100はさらに、装着時にユーザの耳に対応する位置にスピーカーやイヤホンを備えてよい。この例でヘッドマウントディスプレイ100は、筐体108の前面にステレオカメラ110を備え、ユーザの視線に対応する視野で周囲の実空間を動画撮影する。さらにヘッドマウントディスプレイ100は筐体108の内部あるいは外部に、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、GPSなど、ヘッドマウントディスプレイ100の動き、姿勢、位置などを導出するための各種センサのいずれかを備えてよい。
図4は、ヘッドマウントディスプレイ100の内部回路構成を示している。ヘッドマウントディスプレイ100は、CPU(Central Processing Unit)120、GPU(Graphics Processing Unit)122、メインメモリ124を含む。これらの各部は、バス140を介して相互に接続されている。バス140にはさらに入出力インターフェース138が接続されている。入出力インターフェース138には、通信部126、モーションセンサ128、ステレオカメラ110、注視点検出器130、第1表示部132、第2表示部134、および音声出力部136が接続される。
CPU120は、メインメモリ124に格納されているオペレーティングシステムを実行することによりヘッドマウントディスプレイ100の全体を制御する。CPU120はまた、通信部126を介してダウンロードされた各種プログラムを実行したり、電子コンテンツを再生したりする。GPU122は、ジオメトリエンジンの機能とレンダリングプロセッサの機能とを有し、CPU120からの描画命令に従って表示画像を描画し、第1表示部132、第2表示部134に出力する。
メインメモリ124はRAM(Random Access Memory)により構成され、CPU120などの処理に必要なプログラムやデータを記憶する。通信部126は、有線又は無線LANやBluetooth(登録商標)などのネットワークインターフェースであり、外部の装置との通信を実現する。モーションセンサ128は加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、GPSなどのセンサの少なくともいずれかで構成され、ヘッドマウントディスプレイ100、ひいてはそれを装着しているユーザの頭部の位置、姿勢、動きを計測する。
ステレオカメラ110は図3で示したとおり、ユーザの視点に対応する視野で、周囲の実空間を左右の視点から撮影するビデオカメラの対である。ステレオカメラ110が撮影した動画像を第1表示部132、第2表示部134に即時に表示させれば、ユーザが向いた方向の実空間の様子がそのまま見える、いわゆるビデオシースルーを実現できる。さらに撮影画像に写っている実物体の像上に仮想オブジェクトを描画すれば、拡張現実を実現できる。またステレオカメラ110が撮影した画像を、Visual SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)など公知の技術で解析することにより、ヘッドマウントディスプレイ100、ひいてはユーザの頭部の位置や姿勢を追跡できる。
撮影画像の解析結果とモーションセンサ128の計測結果を統合することにより、より高い精度でユーザ頭部の動きを取得してもよい。これにより、頭部の動きに応じた視野での表示画像を高精度に生成でき、映像世界への没入感を高められる。また、ユーザの頭部の動きを、コンテンツに対するユーザ操作として受け付け、それに応じて処理を分岐させることもできる。
注視点検出器130は、第1表示部132、第2表示部134により表される画像を見ているユーザの注視点の位置座標を所定のレートで検出する。注視点検出器130は例えば、眼球に赤外線を照射する機構と、その反射光を撮影するカメラで構成され、撮影画像から瞳孔の向きを特定することにより、画像上でユーザが注視しているポイントを追跡する。その他、注視点を検出する手段としては様々な技術が実用化されており、本実施の形態ではそのいずれを採用してもよい。
第1表示部132は図2で説明したレーザ走査方式の表示機構で構成され、画像平面の中心を含む領域の画像を投影表示する。以後、第1表示部132により表される部分的な画像を「中心画像」と呼ぶ。第2表示部134は、中心画像の外側の領域の画像を表示する。以後、第2表示部134により表される部分的な画像を「周辺画像」と呼ぶ。第2表示部134の表示方式は特に限定されず、液晶パネルや有機ELパネルなど発光素子の2次元配列からなる表示パネルでもよいし、第1表示部132と同様のレーザ走査方式の表示機構でもよい。いずれにしろ第2表示部134は、第1表示部132が表示する中心画像より低い解像度で周辺画像を表示する。
第1表示部132、第2表示部134はそれぞれ、GPU122が生成した中心画像と周辺画像を所定のレートで表示する。第1表示部132、第2表示部134が表示した画像は、後述する合成機構により合成され、1つの表示画像としてユーザに視認される。なお上述のとおり、左右の目に対しステレオ画像を表示することにより立体視を実現してもよい。この場合、ステレオ画像は、中心画像と周辺画像を合成した画像の対となる。音声出力部136は、ヘッドマウントディスプレイ100の装着時にユーザの耳に対応する位置に設けたスピーカーやイヤホンで構成され、ユーザに音声を聞かせる。
なお図示するヘッドマウントディスプレイ100の機能の一部は、ヘッドマウントディスプレイ100と通信を確立した外部の装置に設けてもよい。例えば、適切な視野を決定し全体的な画像を生成する処理、注視点に応じて中心画像と周辺画像の境界を制御する処理、中心画像と周辺画像のデータを生成する処理、などの少なくとも一部は、外部の画像生成装置やネットワークを介して接続した画像提供サーバが行ってもよい。
図5は、ヘッドマウントディスプレイ100の機能ブロックの構成を示している。同図に示す各機能ブロックは、ハードウェア的には、図4で示した各種回路によりで実現でき、ソフトウェア的には、記録媒体からメインメモリ124にロードした、情報処理機能、画像処理機能、表示機能、通信機能などの諸機能を発揮するプログラムで実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
ヘッドマウントディスプレイ100は、表示対象の画像のデータを取得する画像データ取得部50、表示された画像に対するユーザの注視点を取得する注視点取得部52、中心画像のサイズを制御する中心画像サイズ制御部54、中心画像を生成する中心画像生成部56、周辺画像を生成する周辺画像生成部58、中心画像を表示対象として出力する中心画像出力部60、周辺画像を表示対象として出力する周辺画像出力部62、中心画像と周辺画像を合成した状態でユーザの目に到達させる画像合成部64を備える。
画像データ取得部50は、表示すべき動画像または静止画像の生成に必要なデータを取得する。ここで画像が表す内容は特に限定されず、ゲーム画像、映画、ライブ映像、録画映像、アニメーション、写真、環境映像、ウェブサイト、文書、デジタルサイネージなどのいずれでもよい。またステレオカメラ110が撮影した画像や、それに加工を施したり仮想オブジェクトを描画したりした画像であってもよい。このような画像の内容によって、画像データ取得部50によるデータの取得先は様々でよい。
例えば画像データ取得部50は、外部の画像生成装置やサーバがストリーム転送する動画像のデータを取得してもよいし、内部の記憶装置に格納されたデータを用いて画像を描画したり再生したりしてもよい。注視点取得部52は図4で示した注視点検出器130を含み、表示画像に対するユーザの注視点の位置座標を所定のレートで取得する。なお本実施の形態において表示画像とは、ユーザの視界に入る画像であればよく、レーザ光の投影も「表示」としている。
中心画像サイズ制御部54は、ユーザの注視点の位置に応じて中心画像のサイズを制御する。具体的には図2で説明したように、注視点が画像平面の中心にあるときを基準状態とし、注視点の移動に応じて中心画像がそれを内包するように範囲を拡張する。結果として中心画像は、注視点が中心から離れるほど広がり、注視点が中心に近づくほど狭くなる。中心画像サイズ制御部54は、所定のレートまたは必要に応じて中心画像のサイズを決定し、中心画像生成部56、周辺画像生成部58、および中心画像出力部60にその情報を供給する。
中心画像生成部56は図4で示したGPU122を含み、画像データ取得部50から必要なデータを取得して中心画像を生成する。周辺画像生成部58も図4で示したGPU122を含み、画像データ取得部50から必要なデータを取得して周辺画像を生成する。ここで周辺画像は、表示画像全体のうち、中心画像の領域を黒抜きにした(無効にした)画像である。中心画像と周辺画像の境界は、中心画像サイズ制御部54からの情報に従い適宜更新する。
中心画像出力部60は、図4で示した第1表示部132を含み、中心画像生成部56が生成した中心画像を、レーザ走査により所定のレートで表示する。詳細には中心画像出力部60は、中心画像サイズ制御部54から通知された中心画像のサイズに応じて、ミラーの角度の振幅を2軸周りのそれぞれに対して決定する。そして中心画像の各画素の色を表すレーザ光を、当該振幅に対応する走査角で2次元走査させることにより、ユーザの網膜または眼前のスクリーンなどに投影する。
周辺画像出力部62は、図4で示した第2表示部134を含み、発光素子からなる表示パネルまたはレーザ走査により周辺画像を表示する。表示パネルを用いる場合、中心画像の領域は発光させない。レーザ走査方式を採用する場合、中心画像の領域に対してはレーザ光を出力しない。いずれにしろ中心画像のサイズによらず、周辺画像を表示するための画素の密度は一定である。
画像合成部64は、表示された中心画像と周辺画像が1つの画像として目に到達するように合成する光学系である。すなわち画像合成部64は、中心画像と周辺画像をずれなく合成して見せるハードウェア構造であり、第1表示部132と第2表示部134の位置関係や、注視点検出器130に求められる配置などに応じて様々な形態をとり得る。具体例は後述する。
図6は、注視点の移動に対する中心画像と周辺画像の変化を模式的に示している。図の上段は表示画像全体、中段は中心画像、下段は周辺画像である。なお中心画像および周辺画像は、画像全体に対する領域の範囲を、範囲外を暗色とすることで示しており、データとしての画像のサイズを示すものではない。(a)に示すように注視点70aが画像全体の中心にある場合、中心画像はそれを中心とする所定サイズ(Xstd,Ystd)の領域、周辺画像は、画像全体から中心画像の領域を除いた領域とする。
ここで中心画像のサイズ(Xstd,Ystd)は、厳密には図1で説明したように、視線を中心軸としたときの角度と視力との関係に基づき決定することが望ましい。一方、(b)に示すように、注視点70bが画像平面上で中心から変位した場合、それを内包するように中心画像を拡張する。例えば図示するように画像中心からの注視点の変位ベクトルが(Δx,Δy)のとき、中心画像のサイズ(X,Y)を次のように決定する。
X=2*(|Δx|+mx)
Y=2*(|Δy|+my)
X=2*(|Δx|+mx)
Y=2*(|Δy|+my)
ここでmx、myは、中心画像の縁のうち注視点の最近傍にある2辺と注視点との距離に与えるマージンである。換言すれば、中心画像の縁は常に、注視点から少なくとも(mx、my)だけ外側に位置するように制御する。(mx,my)も、視線を中心軸としたときの角度と視力との関係に基づき、決定規則をあらかじめ準備しておくことが望ましい。例えば(mx,my)=(Xstd/2,Ystd/2)としてもよい。あるいは(mx、my)を、変位ベクトル(Δx,Δy)の関数としてもよい。この場合も周辺画像は、画像全体から中心画像の領域を除いた領域とする。
なお中心画像サイズ制御部54は、注視点の変位ベクトルの変化に応じて随時、中心画像のサイズを更新してもよいし、変位ベクトルがしきい値以上変化したときなどに、段階的に中心画像のサイズを更新してもよい。画像を立体視させる場合、中心画像生成部56および周辺画像生成部58は、左目用画像と右目用画像の双方について、図示するような中心画像、周辺画像を生成する。また中心画像生成部56および周辺画像生成部58は、ヘッドマウントディスプレイ100の接眼レンズによる歪曲収差や色収差と逆方向の歪みを与えた中心画像、周辺画像を生成することにより、接眼レンズを介して見たときに歪みや色ずれのない画像が視認されるようにする。また第1表示部132の構成によっては、中心画像の形状は矩形に限定されず、当然、周辺画像の黒抜きの領域の形状も中心画像の形状に依存する。
図7は、中心画像のサイズに対する解像度の変化を説明するための図である。図の上段は表示画像全体を示しており、(a)は注視点72aが中心にある基準状態、(b)は注視点72bが画像平面上で中心から変位した状態とする。下段は、画像平面上、注視点72a、72bを通る水平方向AA’とBB’における解像度の分布を示している。(a)に示す、基準状態における最小サイズの中心画像74aと比較し、(b)に示すように中心画像74bが広がると、その部分の解像度が低くなる。
ここで「解像度」とは、画像のデータ上の細かさではなく、単位面積(または単位角度)あたりの物理的な画像の描写数、すなわち画素密度を指す。レーザ走査方式の表示機構は上述のとおり、投影面積が小さいほど解像度が増加する特性を持つ。例えば水平方向の視野角30°の範囲に600画素分の画像を表示できる装置の場合、角解像度は20ppd(pixel per degree)である。その状態でミラーの角度の振幅を半減させると、視野角15°の範囲に同じく600画素分の画像が表示されることになるため、角解像度は40ppdになる。
この特性により、(a)に示す最小サイズの中心画像74aでは、その部分の解像度が最大となり、(b)に示すように中心画像74bのサイズが大きくなるほど解像度が減少する。ユーザは注視点72a、72bを中心に画像を見るため、視線を画像端方向に移すに従い解像度が逓減し周辺画像と滑らかにつながるように見える。また周辺画像は鑑賞に堪え得る一定の解像度で表示され続けているため、視野の範囲は維持される。結果として注視点がどのように変位しようと、領域境界が与える違和感を最小限に、広い視野の画像を高精細に視認させ続けることができる。
次に、以上の構成により実現できるヘッドマウントディスプレイ100の動作について説明する。図8は、本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ100が画像を表示する処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、ユーザがヘッドマウントディスプレイ100を装着し、図示しない入力装置などを介して表示対象のコンテンツを選択することにより開始される。これに応じて画像データ取得部50は、当該コンテンツの画像データ取得を開始する。なおヘッドマウントディスプレイ100は、内部でゲームなどの情報処理を行ったり、外部の装置と通信を確立し画像データを要求したりしてよいが、図では特に画像の表示処理について示している。
まずヘッドマウントディスプレイ100は、コンテンツの初期画像を表示する(S10)。当該初期画像も、中心画像出力部60が表示した中心画像と周辺画像出力部62が表示した周辺画像を合成した画像でよく、この場合の中心画像は初期画像に対しあらかじめ設定されたサイズを有していてよい。次に注視点取得部52は、初期画像に対するユーザの注視点を取得する(S12)。すると中心画像サイズ制御部54はまず、当該注視点が、中心画像出力部60、すなわち中心画像を表示するためのレーザ走査による描画可能範囲以内にあるか否かを確認する(S14)。
注視点が中心画像出力部60の描画可能範囲以内にある場合(S14のY)、中心画像サイズ制御部54は、図6で示したように注視点の位置に応じて中心画像のサイズを決定する(S16)。注視点が中心画像出力部60の描画可能範囲の外にある場合(S14のN)、中心画像サイズ制御部54は中心画像を最大サイズ、すなわち描画可能な最大範囲に決定する(S18)。これにより、中心画像の解像度は最低となり、周辺画像との解像度の差が不自然に視認される可能性を抑える。なお中心画像の解像度の最小値と、周辺画像の解像度を統一するように構成することにより、周辺画像に注視点があるときは解像度が均一化されるようにしてもよい。
中心画像サイズ制御部54は随時、決定した中心画像のサイズを中心画像出力部60に通知することにより、当該サイズに対応する、MEMSミラーの角度の振幅を設定させる(S20)。一方、中心画像生成部56および周辺画像生成部58は、中心画像サイズ制御部54から通知された中心画像のサイズに基づき、画像データ取得部50から必要なデータを取得したうえ中心画像および周辺画像をそれぞれ生成する(S22)。そして中心画像出力部60および周辺画像出力部62がそれぞれ、中心画像と周辺画像を表示することで、画像合成部64により合成された表示画像がユーザの目に到達する(S24)。
コンテンツの表示を終了させるユーザ操作がなされるなど、表示を終了する必要が生じない期間は、S12からS24の処理を繰り返す(S26のN)。これにより、注視点の移動によって中心画像の範囲と解像度を変化させながら画像表示が継続される。表示を終了する必要が生じたら全処理を終了させる(S26のY)。
次に、中心画像と周辺画像を合成して視認させる具体的な構造について説明する。図9は本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ100において、中心画像と周辺画像を合成して視認させる画像合成部64の構造例を示している。同図はヘッドマウントディスプレイ100を装着した際のユーザの目224と、第1表示部132、第2表示部134を含む表示部の位置関係を、垂直方向の断面図で模式的に示している。後述する図10~13も同様である。
図9の態様では、第1表示部132として、レーザ光源220、ミラー222とともに、反射したレーザ光を拡散透過させる部材からなる中心画像用スクリーン232を設ける。一方、第2表示部134として、発光素子の2次元配列からなる周辺画像用ディスプレイパネル234を設ける。そして中心画像用スクリーン232と周辺画像用ディスプレイパネル234のなす角度を90°とし、その中間に、それぞれと45°をなすように配置したハーフミラー236により、中心画像と周辺画像を合成する。ハーフミラー236は、入射光のうち所定の割合を透過させ、残りを反射させる一般的なものでよい。
図の例では、ミラー222で反射したレーザ光は、中心画像用スクリーン232で拡散透過し、ハーフミラー236を透過し接眼レンズ238を介して目224に到達する。すなわち第1表示部132は、中心画像用スクリーン232で拡散透過された状態で本来の像が表されるようにミラー222の動作等を制御する。一方、周辺画像用ディスプレイパネル234からの光はハーフミラー236で反射し、接眼レンズ238を介して目224に到達する。これにより中心画像と周辺画像が合成された状態で視認される。
ただし第1表示部132と第2表示部134の位置関係を逆とし、ミラー222からのレーザ光をハーフミラー236で反射させ、周辺画像用ディスプレイパネル234からの光を透過させて目224に到達させてもよい。また周辺画像用ディスプレイパネル234の代わりに、レーザ走査方式により周辺画像を表示してもよい。いずれにしろこの構成では、注視点検出器130に含まれる、眼球撮影用カメラ240は、図示するように接眼レンズ238の脇などに配置することが考えられる。
図10は本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ100において、中心画像と周辺画像を合成して視認させる画像合成部64の構造の別の例を示している。この構成では、第1表示部132として中心画像用スクリーンを設けず、レーザ光からなる画像をユーザの網膜に直接投影させる点が図9と異なる。マックスウェル視の原理により、映像を網膜に投影する手法については上述のとおり公知の技術を応用できる。つまり第1表示部132は、レーザ光が瞳孔で収束され網膜に結像したとき本来の像が視認されるようにミラー222の動作等を制御する。
ただし本実施の形態では、ハーフミラー236を介して中心画像を投影することにより、周辺画像用ディスプレイパネル234で表示されハーフミラー236で反射される周辺画像と合成して視認させる。なおこの場合、中心画像用スクリーンを設けないことにより、注視点検出器130に含まれる眼球撮影用カメラ240の配置の自由度が高くなる。例えば図示するように、ハーフミラー236を介して眼球を正面近傍から撮影することも可能になる。
図11は本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ100において、中心画像と周辺画像を合成して視認させる画像合成部64の構造の別の例を示している。この構成では、第1表示部132のレーザ光を拡散透過させる中心画像用スクリーン242を、周辺画像用ディスプレイ244と一体的に設け、ハーフミラーを設けない点が図9と異なる。ディスプレイパネルのうち画像を表示していない領域(非表示領域)においては背景からの光を透過可能な光透過型ディスプレイが知られている(例えば国際公開第2014/010585号参照)。本実施の形態ではこれを応用し、光透過型ディスプレイの基材を半透明の素材としたものを周辺画像用ディスプレイ244とする。
これにより、周辺画像用ディスプレイ244において周辺画像を表示していない領域を、ミラー222で反射したレーザ光を拡散透過させる中心画像用スクリーン242として利用できる。当然、中心画像のサイズ変化に応じて周辺画像の及ぶ範囲も変化するため、中心画像用スクリーン242の範囲は中心画像のサイズに応じて適切に変化する。なおこの場合、中心画像出力部60および周辺画像出力部62の一部が画像合成部64を兼ねることになる。このような構成とすることで、異なる方向から2種類の画像を投影するのと比較し、光学系をシンプルにできる。この構成では図9と同様、注視点検出器130に含まれる眼球撮影用カメラ240を、接眼レンズ238の脇などに配置することが考えられる。
図12は本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ100において、中心画像と周辺画像を合成して視認させる画像合成部64の構造の別の例を示している。この構成は図11と同様、光透過型ディスプレイを応用することで、中心画像用スクリーン242と周辺画像用ディスプレイ244とを一体的に設けている。一方、接眼レンズ238との間にハーフミラー246を設ける点が図11と異なる。すなわち中心画像用スクリーン242と周辺画像用ディスプレイ244からの光を、ハーフミラー246ごしに視認させる。このようにすると画像の光量は低下するが、目224の面と45°をなすようにハーフミラー246を配置すれば、その反射により目224の像を眼球撮影用カメラ240で撮影することができるため、正面からの撮影と同等の質で注視点を検出できる。
図13は本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ100において、中心画像と周辺画像を合成して視認させる画像合成部64の構造の別の例を示している。この構成では図9と同様、中心画像用スクリーン250と周辺画像用ディスプレイパネル252を個別に設けるが、それらを略同一平面に配置したうえ、中心画像用光学系254および周辺画像用光学系256によりそれぞれの像を適切な方向に誘導することにより画像合成を実現する。
自由曲面の光学系をヘッドマウントディスプレイに導入し、複数のディスプレイに表示した画像を反射や屈折により適切な位置に誘導して1つの画像として視認させる手法は、例えば国際公開第2019/147946号などに開示される。この構成によれば、異なる方向から2種類の画像を投影するのと比較し、ヘッドマウントディスプレイ100を小型化できる。また比較的自由に光路を設計できるため、眼球撮影用カメラ240の配置の自由度を高められる。
例えば図示するように、中心画像用スクリーン250と周辺画像用ディスプレイパネル252、およびそれぞれの光学系254、256を、目224の正面を避けて配置することにより、眼球撮影用光学系258と眼球撮影用カメラ240を目224の正面に配置することができる。これにより注視点の検出が容易になる。なお中心画像用光学系254および周辺画像用光学系256の設計によって、中心画像用スクリーン250および周辺画像用ディスプレイパネル252の位置や姿勢は様々であってよい。
以上述べた本実施の形態によれば、表示画像を中心画像と周辺画像に分割し、中心画像がより高い解像度で表されるように個別の機構で表示させたうえで合成して視認させる。ここで少なくとも中心画像を表す表示機構は、ミラーでの反射によりレーザを2次元走査させ画像を形成するレーザ走査方式とする。レーザ走査方式によれば、ミラーの角度の振幅を制御することにより、表示範囲と、それを表す画素の密度としての解像度とを変化させることができる。したがって、発光素子の密度が固定の表示パネルと比較し、表示画像における解像度の分布を制御しやすい。
例えばユーザの注視点が画像平面の中心から離れるに従い、それを包含する範囲に中心画像が拡張されるように、ミラーの角度の振幅を変化させる。これにより注視点の位置によらず、中心画像と周辺画像の境界線が注視点から離隔された状態となり、境界における解像度差が認識されづらくなる。また中心画像の拡張に伴い解像度が逓減するため、実際の解像度差も小さくなる。これにより、画像データの加工といった高負荷の処理を伴わずに、解像度に分布のある画像を違和感なく認識させることができる。結果として、視覚特性上、識別能力の高い領域にリソースを集中させることができ、広視野の画像であっても低遅延かつ高精細に見せることができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば本発明の実装形態はヘッドマウントディスプレイに限らず、プロジェクタや一般的なテレビ受像器などにも適用できる。これらの場合も内部構造は、図9、11、12、13のいずれかと同様でよい。プロジェクタの場合、接眼レンズ238の代わりに外部のスクリーンなどへ画像を投影する投射レンズを設ける。テレビ受像器の場合は、接眼レンズ238の代わりに像を透過させるスクリーンを表示面とする。あるいは図11の構成によれは、周辺画像用ディスプレイ244を実現する光透過型ディスプレイをそのまま用いることができる。
これらの場合、注視点検出器は当然、スクリーンや表示面を見ているユーザの目の方向に眼球撮影用のカメラを設ける。なお本実施の形態では注視点の移動に応じて中心画像のサイズを制御したが、注視点の代わりに、主要なオブジェクトの表示位置や、表示上、重要な領域の位置に応じて、それが中心画像に含まれるようにサイズを制御してもよい。主要なオブジェクトや重要な領域は注視される可能性が高いため、このようにしても本実施の形態と同様の効果を奏することが考えられる。
50 画像データ取得部、 52 注視点取得部、 54 中心画像サイズ制御部、 56 中心画像生成部、 58 周辺画像生成部、 60 中心画像出力部、 62 周辺画像出力部、 64 画像合成部、 100 ヘッドマウントディスプレイ、 110 ステレオカメラ、 120 CPU、 122 GPU、 124 メインメモリ、 130 注視点検出器、 132 第1表示部、 134 第2表示部。
Claims (12)
- 表示画像のうち、画像平面における中心部分を表す中心画像を生成する中心画像生成部と、
前記表示画像のうち、前記中心画像の外側の領域を表す周辺画像を生成する周辺画像生成部と、
画素を表すレーザ光を、ミラーの反射により2次元走査させて画像を投影するレーザ走査方式により、前記中心画像を表す中心画像出力部と、
前記周辺画像を表示する周辺画像出力部と、
前記中心画像と前記周辺画像を合成して視認させる画像合成部と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。 - 前記中心画像のサイズを制御する中心画像サイズ制御部をさらに備え、
前記中心画像出力部は、前記中心画像サイズ制御部が決定した中心画像のサイズに応じて、前記ミラーの角度の振幅を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。 - 表示画像に対するユーザの注視点を取得する注視点取得部をさらに備え、
前記中心画像サイズ制御部は、前記注視点が前記中心画像に含まれるように、前記注視点が画像平面の中心から離れるに従い、前記中心画像を拡張させることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。 - 前記中心画像サイズ制御部は、前記注視点が、前記中心画像出力部が表示可能な範囲の上限を超えた状態において、前記中心画像のサイズを、当該上限に設定することを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
- 前記画像合成部は、前記中心画像出力部が表す像と前記周辺画像出力部が表す像の一方を透過させ、他方を反射させることにより、両者を合成するハーフミラーを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像表示装置。
- 前記中心画像出力部は、前記ミラーにおいて反射したレーザ光を拡散透過させるスクリーンを含み、
前記画像合成部は、前記スクリーンを拡散透過してなる像を、前記ハーフミラーにより、前記周辺画像出力部が表す像と合成することを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。 - 前記中心画像出力部は、マックスウェル視により視認される前記中心画像を表すレーザ光をユーザの目の方向に投影し、
前記画像合成部は、前記ハーフミラーで、前記レーザ光を透過させるとともに、前記周辺画像出力部が表す像を反射させることにより、両者を合成して視認させることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。 - 前記周辺画像出力部は、非表示領域において背景の光を透過する光透過型ディスプレイにより前記周辺画像を表示し、
前記中心画像出力部は、前記ミラーにおいて反射したレーザ光を、前記光透過型ディスプレイの対応する領域に投影して拡散透過させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像表示装置。 - 前記光透過型ディスプレイからの光を透過させるとともに、ユーザの眼球の像を反射させるハーフミラーと、
前記ハーフミラーで反射してなる前記眼球の像を撮影し注視点を取得するためのカメラと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。 - 前記中心画像出力部は、前記ミラーにおいて反射したレーザ光を拡散透過させるスクリーンを含み、
前記画像合成部は、前記スクリーンを拡散透過してなる像と、前記周辺画像出力部が表す像とを、画像平面上の対応する位置に誘導する自由曲面光学系により、両者の像を合成することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像表示装置。 - ユーザの眼球の正面方向に、当該眼球を撮影し注視点を取得するためのカメラをさらに備え、前記スクリーンおよび、前記周辺画像出力部を構成するディスプレイパネルは、前記カメラの周囲に配置されることを特徴とする請求項10に記載の画像表示装置。
- 表示画像のうち、画像平面における中心部分を表す中心画像を生成するステップと、
前記表示画像のうち、前記中心画像の外側の領域を表す周辺画像を生成するステップと、
画素を表すレーザ光を、ミラーの反射により2次元走査させて画像を投影するレーザ走査方式の中心画像出力部により、前記中心画像を表すステップと、
周辺画像出力部により、前記周辺画像を表示するステップと、
前記中心画像と前記周辺画像を合成して視認させるステップと、
を含むことを特徴とする画像表示方法。
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