JP2023103700A - 振動締め固め装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の軌道用タンピング装置では、軽量化や小型化が実現され難いという課題があった。【解決手段】本発明の振動締め固め装置10では、振動回転軸27及び振動部13が、筐体部14の内部に配設される。振動部13を構成する振動プレート34が、振動回転軸27の下端側に分割して配設される。そして、振動プレート34は、振動回転軸27に配設されるベアリング31,32,33の間に配設される。この構造により、振動回転軸27の回転時に、振動回転軸27が振動プレート34から受ける外力が分散され、振動回転軸27の撓み量が低減される。また、筐体部14とベアリング31,32,33との接触面積が増大することで、筐体部14が振動プレート34から受ける外力が分散される。その結果、振動回転軸27や筐体部14の材料の選択幅が増え、振動締め固め装置10の小型化や軽量化が実現される。【選択図】図3A

Description

特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイト掲載日:2021年2月26日 ウェブサイトアドレス:https://www.ishida-seisakusyo.co.jp/topics/index.cgi?id=80 [刊行物等]販売日:2021年2月25日 販売先:レール軌材株式会社 他21社
本発明は、振動締め固め装置に関する。
従来の軌道用タンピング装置100(以下、「タンピング装置100」と呼ぶ。)として、図7に示す構造が知られている。図7Aは、従来のタンピング装置100を説明する斜視図である。図7Bは、従来のタンピング装置100を説明する分解側面図である。
図7Aに示す如く、タンピング装置100は、主に、エンジン101と、燃料タンク102と、振動ユニット103と、タンピングツール104と、保持バー105と、一対のグリップ106,107と、を備える。この構造により、作業者は、グリップ106,107を握りながら保持バー105を操作し、バラスト内にタンピングツール104を押し込んで、振動させることで、バラストを締め固めることができる。
図7Bに示す如く、振動ユニット103の振動伝達部108は、主に、振動発生部109と、振動発生部109に接続された自在シャフト110と、を備え、自在シャフト110は、タンピングツール104の内部の挿入孔114へと挿入される。一方、振動発生部109は、その回転軸111の端部に設けられた接続部112を介して、エンジン101の回転軸115の端部に設けられた接続部113と直接連結する(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014-12984号公報
図7Bに示す如く、タンピング装置100では、エンジンの101の回転軸115と振動発生部109の回転軸111とは、接続部112,113を介して直接連結し、エンジン101の回転力が、振動発生部109の回転力として伝達される。そして、振動発生部109は、回転軸111の中央部に設けられた偏心カムであり、偏心カムが、上記回転力を利用して回転することで振動が発生する。振動発生部109では、自在シャフト110を介してその振動をタンピングツール104に伝えることで、上記したようにバラストを締め固めることができる。
この構造により、タンピング装置100では、タンピングツール104の先端部からバラスト内へと挿入される。そして、タンピングツール104の先端部は、バラストとの接触時間が長く、最もバラストへと上記振動を伝達する領域となる。
しかしながら、タンピング装置100では、振動発生部109は、タンピングツール104の上方の振動ユニット103内に配設されるため、自在シャフト110を介してタンピングツール104及びその先端部に上記振動が伝達される。その結果、上記振動が減衰され易く、所望の振動強さを得難いという課題がある。
一方、上記振動の減衰量を補うため、偏心カムを大きくする場合には、タンピング装置100が大型化し、総重量が重くなってしまうという、新たな課題が発生する。一方、偏心カムの量を増加させる場合にも、タンピング装置100の総重量が重くなってしまうという、新たな課題が発生する。
また、タンピング装置100では、保持バー105が、振動ユニット103の筐体の側面に連結する構造であり、振動発生部109にて発生する振動が、直接、保持バー105に伝達してしまう、という課題がある。具体的には、保持バー105に伝達した振動が、手元振動として作業者に伝わり、作業者は、締め固め時における微妙なバラストの固さやバラストの状態を感じ取り難くなり、作業効率の悪化を招く恐れがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、筐体部の下端側の振動回転軸に振動プレートを分割して配設することで、振動の減衰量を低減し、装置の小型化や軽量化を実現する振動締め固め装置を提供する。
本発明の振動締め固め装置は、筐体部と、前記筐体部の内部に配設される振動部と、前記振動部を駆動させる駆動部と、前記駆動部の駆動回転軸と前記振動部が配設される振動回転軸とを連結させる連結機構と、前記筐体部の内部に配設され、前記振動回転軸を回転自在に支持する軸受部と、を備え、前記軸受部は、前記振動回転軸の下端側に複数配置され、前記振動部は、前記振動回転軸に固定される振動プレートであり、前記振動プレートは、前記振動回転軸の延在方向において前記軸受部の間に分割して配置されることを特徴とする。
また、本発明の振動締め固め装置では、前記筐体部の下端側に固定される締め固め部と、を更に備え、前記締め固め部は、前記筐体部に固定するための装着部と、バラストに振動を伝達する振動伝達部と、を有し、前記振動プレートは、前記振動回転軸の延在方向において、前記振動伝達部と重畳しない領域に配置され、あるいは、前記振動伝達部との重畳領域を前記振動プレートの配置領域の長さに対して20%以下有することを特徴とする。
また、本発明の振動締め固め装置では、前記筐体部の下端側に固定される締め固め部と、を更に備え、前記締め固め部は、前記筐体部に固定するための装着部と、バラストに振動を伝達する振動伝達部と、前記振動伝達部の外周面に形成されるブレードと、を有し、前記振動プレートは、前記振動回転軸の延在方向において、前記ブレードとの重畳領域を前記振動プレートの配置領域の長さに対して15%以下有することを特徴とする。
また、本発明の振動締め固め装置では、前記筐体部及び前記振動回転軸は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されることを特徴とする。
また、本発明の振動締め固め装置では、前記軸受部は、軸受筐体部と、前記軸受筐体部の内部にて回転するベアリングと、を有し、前記軸受筐体部は、その外周面が前記筐体部の内周面と接触した状態にて、前記筐体部に固定されることを特徴とする。
また、本発明の振動締め固め装置では、前記駆動部は、エンジンまたはバッテリ式モータであることを特徴とする。
本発明の振動締め固め装置では、振動部を構成する振動プレートが、振動回転軸の下端側に分割して配設される。そして、振動プレートは、振動回転軸に配設される軸受部の間に配設される。この構造により、振動回転軸の回転時に、振動回転軸が振動プレートから受ける外力が分散され、振動回転軸の撓み量が低減される。また、筐体部と軸受部との接触面積が増大することで、筐体部が振動プレートから受ける外力が分散される。その結果、振動回転軸や筐体部の材料の選択幅が増え、振動締め固め装置の小型化や軽量化が実現される。
また、本発明の振動締め固め装置では、振動プレートは、振動回転軸の延在方向において、振動伝達部と重畳しない領域に配置され、あるいは、振動伝達部との重畳領域を振動プレートの配置領域の長さに対して20%以下有する。この構造により、振動部が、振動回転軸の先端過ぎず、振動伝達部の近傍に配設されることで、振動部にて発生した振動が、振動伝達部を介して効率的にバラストへと伝達される。
また、本発明の振動締め固め装置では、振動プレートは、振動回転軸の延在方向において、ブレードとの重畳領域を振動プレートの配置領域の長さに対して15%以下有する。この構造により、振動部が、振動回転軸の先端過ぎず、振動伝達部やブレードの近傍に配設されることで、振動部にて発生した振動が、振動伝達部やブレードを介して効率的にバラストへと伝達される。
また、本発明の振動締め固め装置では、筐体部及び振動回転軸は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成される。この構造により、振動締め固め装置の軽量化が実現される。
また、本発明の振動締め固め装置では、軸受部は、軸受筐体部と、軸受筐体部の内部にて回転するベアリングと、を有する。この構造により、軸受筐体部にて筐体部の強度を補強すると共に、ベアリングが、直接、筐体部の内周面と接触した状態にて回転しない構造が実現される。その結果、筐体部の耐久性を維持しつつ、筐体部の軽量化が実現される。
また、本発明の振動締め固め装置では、駆動部は、エンジンまたはバッテリ式モータである。この構造により、駆動部に動力を供給する外部電源が不要となり、電源コードレス化が実現される。そして、作業者は、電源コードに制限を受けることなく作業を行うことが可能となり、作業効率が向上される。また、作業者は、電源コードレス化により軌道短絡の注意を意識せずにバラストの締め固め作業に集中でき、作業効率が向上される。
本発明の一実施形態の振動締め固め装置を説明する斜視図である。 本発明の一実施形態の振動締め固め装置を説明する側面図である。 本発明の一実施形態の振動締め固め装置を説明する断面図である。 本発明の一実施形態の振動締め固め装置を説明する分解斜視図である。 本発明の一実施形態の振動締め固め装置を説明する背面図である。 本発明の一実施形態の振動締め固め装置を説明する断面図である。 本発明の一実施形態の振動締め固め装置を説明する断面図である。 従来のタンピング装置を説明する斜視図である。 従来のタンピング装置を説明する分解側面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る振動締め固め装置10を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、上下方向は振動締め固め装置10の高さ方向を示し、左右方向は振動締め固め装置10を前方から見た場合の横幅方向を示し、前後方向は振動締め固め装置10の奥行方向を示している。
図1は、本実施形態の振動締め固め装置10を説明する斜視図である。図2は、本実施形態の振動締め固め装置10を説明する側面図である。図3Aは、本実施形態の振動締め固め装置10の振動部13を説明する断面図である。図3Bは、本実施形態の振動締め固め装置10の振動部13を説明する分解斜視図である。図4は、本実施形態の振動締め固め装置10の締め固め部15を説明する背面図である。図5は、本実施形態の振動締め固め装置10の連結機構16を説明する断面図である。図6は、本実施形態の振動締め固め装置10の締め固め部15の変形例を説明する断面図である。尚、説明の都合上、図5では、連結機構16を中心に部分的に断面図として示す。
図1及び図2に示す如く、振動締め固め装置10は、主に、エンジンから成る駆動部11と、駆動部11に供給する燃料を貯蔵する燃料タンク12と、駆動部11からの動力により振動する振動部13(図3参照)と、振動部13をその内部に収納する筐体部14と、筐体部14の先端部に固定される締め固め部15と、駆動部11の動力を伝達する駆動回転軸21B(図4参照)と振動部13が固定される振動回転軸27(図3参照)とを連結させる連結機構16(図4参照)と、振動部13等にて発生する振動を防振する防振ゴム17と、筐体部14を操作するハンドル部18と、防振ゴム17と連結する支持フレーム19と、を備える。
振動締め固め装置10の一例としては、タイタンパであり、タイタンパの場合には、筐体部14の一部や締め固め部15が、バラスト(図示せず)内へと挿入される。そして、振動締め固め装置10では、主に、締め固め部15からの振動をバラストへと伝達し、まくらぎ(図示せず)下方のバラストを突くことで、バラストを締め固める。尚、振動部13から伝達された振動は、筐体部14を介してもバラストへと伝達される。
駆動部11としては、例えば、本田技研工業株式会社製のGX35の自在傾斜4ストロークエンジンが採用され、駆動部11は、燃料タンク12から供給される燃料により駆動する。そして、駆動部11は、支持フレーム19の一部である第1の支持フレーム19Aに対して固定されると共に、ハンドル部18の内部空間に配設される。一方、燃料タンク12は、駆動部11の側方に隣接して配設され、燃料ホース(図示せず)を介して駆動部11に燃料を供給する。
この構造により、振動締め固め装置10では、発電機等の外部電源から駆動部11へと電力を供給する必要がなく、駆動部11と外部電源とを接続する電源コードが不要となる。その結果、振動締め固め装置10の電源コードのコードレス化が実現され、作業者は、発電機や電源コード等の運搬、設置作業が不要となると共に、作業者が、作業範囲に応じて電源コードを延長する作業が不要となる。
更には、作業者は、作業中に電源コードがレール(図示せず)やまくらぎに絡まない様に取り扱う必要がない。その結果、作業者は、ハンドル部18を介してまくらぎに対して作業し易い方向から筐体部14の一部や締め固め部15をバラスト内へと挿入させることができ、作業効率が大幅に向上される。また、作業者は、電源コードレス化により軌道短絡の注意を意識せずにバラストの締め固め作業に集中でき、作業効率が向上される。
尚、軌道短絡とは、従来の発電機から電源コードを用いて電力の供給を受けるタイタンパにおいて、同時に複数台のタイタンパを用いて作業を行う際に、発電機のケーブルのアース線にてタイタンパ同士が接続状態となり、タイタンパが、左右の一対のレールの片側毎に接触した場合に発生するショート状態である。そして、この軌道短絡が発生することで、踏切等の遮断機に誤動作信号が流れてしまう。また、軌道短絡箇所に列車が存在することになるため、管制制御に支障をきたしてしまう。
筐体部14は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成される円筒形状のパイプ部材である。筐体部14の大きさは、例えば、その内径が60mm、その長さが690mm、板厚が5mmである。そして、筐体部14の上端側は、支持フレーム19を構成する第2の支持フレーム19Bに対して固定される。詳細は後述するが、筐体部14の内部には、振動回転軸27及び振動回転軸27に固定された振動部13を収納することで、筐体部14自体が振動する。つまり、振動部13にて発生した振動は、筐体部14を介在して締め固め部15に伝達される。
締め固め部15は、筐体部14の下端側に着脱自在に固定される。締め固め部15は、
作業時にバラストと衝突を繰り返すが、例えば、機械構造用炭素鋼鋼管、機械構造用合金鋼、または機械構造用炭素鋼等を用いて形成されることで、所望の剛性及び耐久性を有する。そして、締め固め部15は、筐体部14に装着するための装着部15Aと、バラスト内へと挿入される振動伝達部15Bと、を有する。
図3Aに示す如く、振動部13は、筐体部14の内部に配設され、主に、振動回転軸27を回転自在に支持するベアリング31,32,33と、上記ベアリング31,32,33間に配設される複数枚の振動プレート34と、を有する。そして、詳細は後述するが、ベアリング31,32,33は、それぞれ軸受筐体部39の内部に回転自在な状態に配設される。
振動回転軸27は、筐体部14の長手方向に沿って配設される。振動回転軸27は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されるパイプ部材である。
ここで、一点鎖線30は、筐体部14の軸心14Aを示すが、振動回転軸27の軸心27Aが、上記軸心14Aと略一致するように、振動回転軸27は、複数のベアリング23(図4参照),31,32,33を介して筐体部14に支持される。そして、振動回転軸27が、連結機構16を介して駆動部11の駆動回転軸21Bと一体に回転する。尚、振動回転軸27は、その上端部側の第2の支持フレーム19Bの近傍にて、ベアリング23及び軸受筐体部39を介して筐体部14に支持される。
複数枚の振動プレート34が、個々に振動回転軸27に対してボルト締結される。振動プレート34は、上面視略半円形状の板状体であり、所謂、偏心カムである。この構造により、振動プレート34は、振動回転軸27と一体に回転することで、振動部13では、振動が発生する。そして、振動部13にて発生した振動が、筐体部14や締め固め部15へと伝達されることで、筐体部14や締め固め部15が振動する。
ここで、図3Bに示す如く、本実施形態では、ベアリング23,31,32,33は、リング形状の軸受筐体部39の内部に配設される。軸受筐体部39は、筐体部14の内部に圧入して配設されることで、筐体部14に対して回転することなく固定される。そして、ベアリング23,31,32,33は、軸受筐体部39と接触状態にて回転し、振動回転軸27を軸支する。尚、ベアリング23,31,32,33は、係止部材39Aにより軸受筐体部39から抜け落ちることが防止される。
この構造により、振動部13の配設領域では、筐体部14は、軸受筐体部39にてその内部側から3箇所支えられた補強構造となる。そして、筐体部14では、振動部13の振動発生時に大きな応力を受ける上記振動部13の配設領域の剛性が高まることで、上記アルミニウム合金等の使用が可能となり、軽量化が実現される。
また、図3Aに示すように、締め固め部15の内部には、筐体部14の一部を収納し、支持するための装着空間35が形成される。そして、アルマイト処理された支持部36が、装着空間35に対して嵌合状態にて配置される。支持部36は、筐体部14の先端部と当接する第1の位置決め部36Aと、ベアリング33の筐体と当接する第2の位置決め部36Bと、を有する。
第1の位置決め部36Aは、支持部36の中間部であり、その外周面に沿って環状に形成される。そして、筐体部14は、装着空間35にて締め固め部15の内周面と当接状態にて挿入されると共に、その先端部が、第1の位置決め部36Aの上面と当接する。
第2の位置決め部36Bは、円筒形状に形成されると共に、筐体部14の内部へと挿入される。装着空間35において、筐体部14は、締め固め部15の内周面と第2の位置決め部36Bとの間に挟持される。そして、ベアリング33が収納される軸受筐体部39は、第2の位置決め部36Bの上面と当接することで、ベアリング33が、筐体部14の内部にて位置決めされる。
図示したように、ベアリング32が収納される軸受筐体部39は、位置決めプレート37を介してベアリング33が収納される軸受筐体部39の上方に位置決めされる。同様に、ベアリング31が収納される軸受筐体部39は、位置決めプレート38を介してベアリング32が収納される軸受筐体部39の上方に位置決めされる。この構造により、振動回転軸27は、ベアリング31,32,33を介して軸心14Aと略一致するように回転する。
更には、支持部36の第2の位置決め部36Bの外周面には、雄ねじ加工が施され、筐体部14の内周面には、雌ねじ加工が施される。そして、支持部36は、筐体部14に対してねじ締め付け関係にて締結される。この構造により、振動回転軸27や振動プレート34の点検や交換作業等を行う際には、支持部36の脱着作業が容易となり、振動締め固め装置10のメンテナンス性が向上される。
図4に示す如く、締め固め部15は、装着部15Aと、振動伝達部15Bとを有する。振動伝達部15Bは、断面視略六角形状の基部15B1と、略円錐形状の先端部15B2と、を有する。ここで、図3Aに示すように、締め固め部15では、例えば、円筒形状の第1の基材41と略鉛筆形状の第2の基材42とが溶接接合される。筐体部14の周囲では、第1の基材41の板厚t1は、例えば、3mmであり、第2の基材42の板厚t2は、例えば、6mmであり、第2の基材42の板厚t3は、例えば9mmである。
図示したように、装着部15Aは、筐体部14と略同形状の円筒形状となり、筐体部14の外周面に沿って一周に渡り覆うように配置される。そして、装着部15Aは、その内側に筐体部14を締め付けて配置し、分割領域15A3にて、周方向の両端部がボルト15A1とナット15A2により締結されることで、筐体部14に対して装着される。
上述したように、装着部15Aでは、第1の基材41と第2の基材42とが溶接接合される。そして、装着部15Aは、その板厚が、その他の領域に対して薄くなることで、振動締め固め装置10の組み付け作業や締め固め部15の脱着作業の際に、装着部15Aが、分割領域15A3を介して開き易くなり、作業性が向上される。
また、装着部15Aが、筐体部14の下端側から1/3程度の領域を覆うことで、作業時に筐体部14が直接バラストと衝突し難くなる。そして、装着部15Aに被覆されることで筐体部14の耐久性が向上し、筐体部14の変形等が防止される。その結果、筐体部14として上記アルミニウム合金等の使用が可能となり、振動締め固め装置10の軽量化が実現される。
振動伝達部15Bは、筐体部14の周囲に配置される基部15B1と、基部15B1の先端に形成される先端部15B2と、を有する。基部15B1は、装着部15Aの先端に連続して形成され、板厚t3が9mmの部分の第2の基材42から形成される。そして、基部15B1の外周面が、例えば、断面視略六角形形状となるように切削加工される。一方、先端部15B2は、装着部15Aの先端に連続して形成され、略円錐形状となる。例えば、振動伝達部15Bは、六角形状の鉛筆の先端側が鉛筆削りに削られた形状となる。
この構造により、作業者は、ハンドル部18を用いて振動伝達部15Bの先端部15B2を操作し、バラスト間の隙間を利用しながら、締め固め部15をバラストの内部へと挿入する。そして、作業者は、締め固め部15及び筐体部14の一部がバラストの内部に挿入された状態にて、丸印43にて示す基部15B1のエッジ部にてバラストを引っ掛けながらバラストを均すことが出来る。その結果、締め固め部15が、まくらぎ(図示せず)の下方まで容易に挿入されることで、まくらぎの下方のバラストが締め固められ、まくらぎの浮き上がり現象を防止できる。
更に、図3Aに示す如く、本実施形態の振動部13では、2枚の振動プレート34が、ベアリング31,32との間に固定され、別の2枚の振動プレート34が、ベアリング32,33の間に固定される。つまり、2枚の振動プレート34同士が、ベアリング32にて分割された状態にて、筐体部14の内部に配置される。
複数枚の振動プレート34が、振動回転軸27の下端側に配置される。そして、複数のベアリング31,32,33間に分割して配置されることで、振動プレート34の配設領域が、振動回転軸27の長さ方向(紙面上下方向)において広がる。この構造により、振動回転軸27の回転時における振動プレート34による遠心力が分散し、振動回転軸27の振幅幅が狭まり、振動回転軸27の撓み量が抑制される。また、振動プレート34の配置領域におけるベアリング31,32,33と筐体部14との接触面積を増大させることで、上記遠心力が分散され、筐体部14への応力集中が抑制される。
その結果、筐体部14及び振動回転軸27の設計強度が緩和され、それらの材料として、上記アルミニウム合金等を用いることが可能となり、振動締め固め装置10の軽量化が実現される。また、複数枚の振動プレート34の組み合わせ構造とすることで、個々の振動プレート34の大きさが小さくなる。そして、振動プレート34の形状の小型化により、筐体部14の内径を小さくすることが可能となり、筐体部14の小型化、つまり、振動締め固め装置10の小型化が実現される。
更には、本実施形態では、振動回転軸27の長さ方向において、振動プレート34と締め固め部15の振動伝達部15Bとの重畳領域が、振動プレート34の配置領域の長さL1の20%以下とすることが出来る。尚、支持部36の第2の位置決め部36Bの長さを調整することで、振動プレート34が、振動伝達部15Bと重畳することなく配置されることも可能となる。この構造により、振動部13が、振動回転軸27の先端過ぎず、振動伝達部15Bの近傍に配置されることで、振動部13にて発生した振動の減衰量が低減される。そして、上記振動が、振動伝達部15Bを介してバラストへと効率的に伝達される。また、振動回転軸27や筐体部14の上記撓み現象も防止される。
また、図示したように、振動伝達部15Bの装着空間35内には、支持部36が、筐体部14の径方向において架橋した状態で配置されると共に、筐体部14の先端部にて、上記ネジ締め構造により支持部36、筐体部14及び締め固め部15とが一体に密着状態にて配置される。更には、軸受筐体部39を介しても、筐体部14と締め固め部15とが一体に密着状態にて配置される。この構造により、締め固め部15と筐体部14とが一体状態にて振動することで、振動部13にて発生した振動の減衰量が低減され、上記振動をバラストへと効率的に伝達することが出来る。
つまり、振動プレート34を分割配置することで、振動プレート34の一体配置の場合と比較して発生する振動量は低減するが、各部材の密着状態により振動伝達ロスを最小限に抑制することで、振動締め固め装置10としての振動特性を維持することが出来る。
図5に示す如く、駆動部11は、ハンドル部18の内側に配設され、第1の支持フレーム19Aに対して固定される。駆動部11の駆動伝達部21が、駆動部11の底面側に配設され、駆動部11からの動力を振動回転軸27へと伝達する。
駆動伝達部21は、主に、駆動部11の底面側のクラッチ(図示せず)に組付けられるクラッチハウジング21Aと、クラッチハウジング21Aの中心部に配置される駆動回転軸21Bと、駆動回転軸21Bを回転自在に支持するベアリング21Cと、を有する。そして、クラッチハウジング21Aの内部のクラッチドラムが、駆動部11の回転数の上昇に伴いクラッチと接触し、回転することで、駆動回転軸21Bも回転する。図示したように、駆動伝達部21は、第1の支持フレーム19Aの中央に開口した開口部22へと挿入される。尚、駆動部11は、第1の支持フレーム19Aに対してボルト締結される。
第2の支持フレーム19Bは、第1の支持フレーム19Aの下方に配設される。4つの防振ゴム17は、第1の支持フレーム19Aと第2の支持フレーム19Bとの間にボルト締結される。第2の支持フレーム19Bにもその中央に開口した開口部24が形成される。上述したように、開口部24には、筐体部14が挿入され、筐体部14は、第2の支持フレーム19Bに対して溶接接合される。そして、駆動伝達部21の駆動回転軸21Bは、筐体部14の内部まで配設される。
連結機構16は、主に、駆動伝達部21の駆動回転軸21Bに装着される第1の軸継手部26と、振動回転軸27に装着される第2の軸継手部28と、第1の軸継手部26と第2の軸継手部28とを連結する連結部材29と、を有する。
第1の軸継手部26は、例えば、金属製の円筒状の蓋部材であり、その中心に駆動回転軸21Bが挿入される。そして、駆動回転軸21Bに設けられた回り止め溝26Aまで、第1の軸継手部26を貫通した固定ボルト26Bの先端を挿入することで、第1の軸継手部26と駆動回転軸21Bとは連結状態となる。
第2の軸継手部28は、例えば、金属製の円筒状の蓋部材であり、その中心に振動回転軸27が挿入される。そして、振動回転軸27に設けられた回り止め凹部(図示せず)まで、第2の軸継手部28を貫通した固定ボルト26Bを挿入することで、第2の軸継手部28と振動回転軸27とは連結状態となる。
連結部材29は、円柱形状のゴム部材であり、連結部材29の外周面には、周方向に渡り連続した波形状が形成される。そして、連結部材29の上端側は、第1の軸継手部26の内部に挿入されると共に、連結部材29の下端側は、第2の軸継手部28の内部に挿入される。そして、第1及び第2の軸継手部26,28の内周面にも、上記波形状と嵌合するための波形状が形成される。この構造により、振動回転軸27は、連結機構16を介して駆動部11の駆動回転軸21Bと一体に回転することで、駆動部11の動力が振動部13へと伝達される。
また、駆動回転軸21Bと振動回転軸27とは、連結部材29を介して連結すると共に、お互いに直接連結しない構造が実現される。その結果、振動部13にて発生した振動が、連結部材29にて減衰されるため、振動回転軸27から駆動回転軸21Bへと伝達される振動が大幅に低減される。
ここで、一点鎖線30は、筐体部14の軸心14Aを示すが、駆動部11では、駆動回転軸21Bが、振動回転軸27からの振動による影響を受け難くなり、駆動回転軸21Bが、一点鎖線30にて示す軸心14Aと略同一軸心上にて安定して回転する。その結果、駆動部11の部品の破損や駆動部11の寿命の低下が防止されると共に、駆動部11からの異音の発生が防止される。
また、図示したように、連結部材29の近傍であり、振動回転軸27の上端部側には、ベアリング23が配設され、振動回転軸27は、筐体部14に支持される。この構造により、振動回転軸27は、一点鎖線30にて示す軸心14Aと略同一軸心上にて安定して回転する。
また、ハンドル部18は、その内部に空間を有する箱型構造となると共に、ハンドル部18の先端は、第1の支持フレーム19Aに対して固定される。上述したように、第1の支持フレーム19Aと第2の支持フレーム19Bとは、4つの防振ゴム17を介して連結される。この構造により、振動部13からハンドル部18へと伝達される振動が、防振ゴム17にて大幅に低減される。その結果、作業者の手元振動が大幅に低減され、作業者は、作業時における微妙なバラストの固さやバラストの状態を把握し易くなり、作業効率が向上される。
最後に、図6に示す振動締め固め装置50は、図1から図5を用いて説明した振動締め固め装置10とは、その締め固め部51の構造が異なる。そのため、以下の振動締め固め装置50の説明では、締め固め部51の構造を中心に説明をし、振動締め固め装置10と同一の構成部材には同一の付番を示し、上述した図1から図5の説明を参照する。
締め固め部51は、装着部51Aと、振動伝達部51Bとを有し、振動伝達部51Bは、円筒形状の基部51B1と、略円錐形状の先端部51B2と、ブレード52と、を有する。締め固め部51では、例えば、円筒形状の第1の基材53と略鉛筆形状の第2の基材54とが、溶接接合される。そして、第1の基材53の板厚t4は、例えば、3mmであり、第2の基材54の板厚t5は、例えば、7mmである。
尚、締め固め部51は、締め固め部15と同様に、例えば、機械構造用炭素鋼鋼管、機械構造用合金鋼、または機械構造用炭素鋼等を用いて形成される。また、装着部51Aの構造は、装着部15Aの構造と略同一の構造であり、上述した装着部15Aの説明を参照し、ここではその説明を省略する。
振動伝達部51Bは、筐体部14の周囲に配置される基部51B1と、基部51B1の先端に形成される先端部51B2と、を有する。基部51B1は、装着部51Aの先端に連続して形成され、板厚t5が7mmの第2の基材54から形成される。そして、先端部51B2は、基部51B1の先端に連続して形成され、略円錐形状となる。例えば、振動伝達部15Bは、丸形状の鉛筆の先端側が鉛筆削りに削られた形状となる。
基部51B1の外周面には、2枚のブレード52が形成され、略180度間隔にて配置される。そして、ブレード52は、先端部51B2が鋭角となる様に、側面視略台形形状となると共に、その板厚が、例えば、9mmとなる。
この構造により、作業者は、ハンドル部18を用いて振動伝達部51Bの先端部51B2を操作し、バラスト間の隙間を利用しながら、締め固め部51をバラストの内部へと挿入する。そして、作業者は、締め固め部51及び筐体部14の一部がバラストの内部に挿入された状態にて、ブレード52も利用してバラストに振動を伝達すると共に、ブレード52にてバラストを引っ掛けながらバラストを均すことが出来る。その結果、締め固め部51が、まくらぎ(図示せず)の下方まで容易に挿入されることで、まくらぎの下方のバラストが締め固められ、まくらぎの浮き上がり現象を防止できる。
また、振動締め固め装置50の稼働時には、駆動部11から発生する回転反発がハンドル部18に加わるが、ブレード52がバラスト内に挿入されバラストに引っ掛かることで、上記回転反発がブレード52の面で受け止められる。その結果、作業者が、ハンドル部18から受ける上記回転反力が低減することで、振動締め固め装置10の操作性が向上し、作業効率が向上される。
更に、図示したように、複数枚の振動プレート34が、振動回転軸27の下端側に配置される。そして、複数のベアリング31,32,33間に分割して配置されることで、振動プレート34の配設領域が、振動回転軸27の長さ方向において広がる。この構造により、振動回転軸27の回転時における振動プレート34による遠心力が分散し、振動回転軸27の振幅幅が狭まり、振動回転軸27の撓み量が抑制される。また、振動プレート34の配置領域におけるベアリング31,32,33が収納される軸受筐体部39と筐体部14との接触面積を増大させることで、上記遠心力が分散され、筐体部14への応力集中が抑制される。
その結果、筐体部14及び振動回転軸27の設計強度が緩和され、それらの材料として、上記アルミニウム合金を用いることが可能となり、振動締め固め装置50の軽量化が実現される。また、複数枚の振動プレート34の組み合わせ構造とすることで、個々の振動プレート34の大きさが小さくなる。そして、振動プレート34の形状の小型化により、筐体部14の内径を小さくすることが可能となり、筐体部14の小型化、つまり、振動締め固め装置50の小型化が実現される。
また、本実施形態では、振動回転軸27の長さ方向(紙面上下方向)において、振動プレート34と締め固め部51のブレード52との重畳領域が、振動プレート34の配置領域の長さL2の15%以下とすることが出来る。この構造により、振動部13が、振動回転軸27の先端過ぎず、振動伝達部51Bの近傍に配置されることで、振動部13にて発生した振動の減衰量が低減される。そして、上記振動が、振動伝達部51Bを介してバラストへと効率的に伝達される。また、振動回転軸27や筐体部14の上記撓み現象も防止される。
図示したように、振動伝達部51Bの装着空間35内には、支持部36が、筐体部14の径方向において架橋した状態で配置されると共に、筐体部14の先端部にて、上記ネジ締め構造により支持部36、筐体部14及び締め固め部51とが一体に密着状態にて配置される。更には、軸受筐体部39を介しても、筐体部14と締め固め部51とが一体に密着状態にて配置される。この構造により、締め固め部51と筐体部14とが一体状態にて振動することで、振動部13にて発生した振動の減衰量が低減され、上記振動をバラストへと効率的に伝達することが出来る。
尚、本実施形態では、駆動部11として、エンジンが採用される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、駆動部11としてバッテリ式のモータを採用する場合でも良い。この場合においても、モータの駆動源となるバッテリをモータの上面に配置することで、電源コードのコードレス化が実現され、上述した効果と同様な効果が得られる。
また、振動部13では、2枚の振動プレート34が、ベアリング31,32との間に固定され、別の2枚の振動プレート34が、ベアリング32,33の間に固定される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、各分割領域の振動プレート34の枚数は、1枚の場合でも、3枚の場合でも良く、発生させる振動量に応じて任意の設計変更が可能である。また、振動部13の配設領域に配置されるベアリングの個数を4個とし、振動部を3分割して配置する場合でも良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
10,50 振動締め固め装置
11 駆動部
12 燃料タンク
13 振動部
14 筐体部
14A 軸心
15,51 締め固め部
15A,51A 装着部
15B,51B 振動伝達部
15B1,51B1 基部
15B2,51B2 先端部
16 連結機構
17 防振ゴム
18 ハンドル部
19 支持フレーム
19A 第1の支持フレーム
19B 第2の支持フレーム
21 駆動伝達部
21A クラッチハウジング
21B 駆動回転軸
23,31,32,33 ベアリング
26 第1の軸継手部
27 振動回転軸
27A 軸心
28 第2の軸継手部
29 連結部材
34 振動プレート
35 装着空間
36 支持部
36A 第1の位置決め部
36B 第2の位置決め部
41,53 第1の基材
42,54 第2の基材
52 ブレード

Claims (6)

  1. 筐体部と、
    前記筐体部の内部に配設される振動部と、
    前記振動部を駆動させる駆動部と、
    前記駆動部の駆動回転軸と前記振動部が配設される振動回転軸とを連結させる連結機構と、
    前記筐体部の内部に配設され、前記振動回転軸を回転自在に支持する軸受部と、を備え、
    前記軸受部は、前記振動回転軸の下端側に複数配置され、
    前記振動部は、前記振動回転軸に固定される振動プレートであり、
    前記振動プレートは、前記振動回転軸の延在方向において前記軸受部の間に分割して配置されることを特徴とする振動締め固め装置。
  2. 前記筐体部の下端側に固定される締め固め部と、を更に備え、
    前記締め固め部は、
    前記筐体部に固定するための装着部と、
    バラストに振動を伝達する振動伝達部と、を有し、
    前記振動プレートは、前記振動回転軸の延在方向において、前記振動伝達部と重畳しない領域に配置され、あるいは、前記振動伝達部との重畳領域を前記振動プレートの配置領域の長さに対して20%以下有することを特徴とする請求項1に記載の振動締め固め装置。
  3. 前記筐体部の下端側に固定される締め固め部と、を更に備え、
    前記締め固め部は、
    前記筐体部に固定するための装着部と、
    バラストに振動を伝達する振動伝達部と、
    前記振動伝達部の外周面に形成されるブレードと、を有し、
    前記振動プレートは、前記振動回転軸の延在方向において、前記ブレードとの重畳領域を前記振動プレートの配置領域の長さに対して15%以下有することを特徴とする請求項1に記載の振動締め固め装置。
  4. 前記筐体部及び前記振動回転軸は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の振動締め固め装置。
  5. 前記軸受部は、軸受筐体部と、前記軸受筐体部の内部にて回転するベアリングと、を有し、
    前記軸受筐体部は、その外周面が前記筐体部の内周面と接触した状態にて、前記筐体部に固定されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の振動締め固め装置。
  6. 前記駆動部は、エンジンまたはバッテリ式モータであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の振動締め固め装置。
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