JP2023103468A - 制御ユニット、エアロゾル生成装置、ヒータを制御する方法及びプログラム、並びに喫煙物品 - Google Patents

制御ユニット、エアロゾル生成装置、ヒータを制御する方法及びプログラム、並びに喫煙物品 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザ自身が吸引可能期間のどの段階にいるのかを感覚的に認識することができるエアロゾル生成装置を提供する。【解決手段】エアロゾル生成装置は、エアロゾル源を含む喫煙物品の外周を加熱可能に構成されたヒータと、ヒータを制御する制御部と、を備える。制御部は、予め定めた吸引可能期間におけるエアロゾルの送達プロファイルが、前記吸引可能期間の始点と終点との間で1つ又は複数の極大値を有するように、ヒータを制御するよう構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、制御ユニット、エアロゾル生成装置、ヒータを制御する方法及びプログラム、並びに喫煙物品に関する。
従来の燃焼式シガレットに代わり、エアロゾル形成基材(喫煙物品)をヒータで霧化することによって生じたエアロゾルを吸引する非燃焼式のエアロゾル生成装置が知られている(特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1は、固体エアロゾル形成基材を含む喫煙物品と、使用時にエアロゾル形成基材に挿入されるブレード型のヒータと、を有するエアロゾル生成装置を開示する。このヒータは、内部からエアロゾル形成基材を加熱する。
特許文献2は、固体エアロゾル形成基材を含む喫煙物品と、使用時にエアロゾル形成基材の外周に配置される筒型のヒータと、を有するエアロゾル生成装置を開示する。このヒータは、外周側からエアロゾル形成基材を加熱する。
特許文献1及び特許文献2に開示されたエアロゾル生成装置は、従来の燃焼式シガレットとは異なり、ユーザの吸引動作に応じた外観変化が乏しいので、ユーザは自身が吸引可能期間のどの段階にいるのかを感覚的に理解するのが難しい場合があった。
特開2017-113016号公報 国際公開第2018/019786号公報
第1の特徴は、エアロゾル生成装置であって、エアロゾル源を含む喫煙物品の外周を加熱可能に構成されたヒータと、前記ヒータを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、予め定めた吸引可能期間におけるエアロゾルの送達プロファイルが、前記吸引可能期間の始点と終点との間で1つ又は複数の極大値を有するように、前記ヒータを制御するよう構成されていることを要旨とする。
第2の特徴は、第1の特徴におけるエアロゾル生成装置であって、前記ヒータは、柱状の前記喫煙物品の外周を取り囲む筒形状を有することを要旨とする。
第3の特徴は、第2の特徴におけるエアロゾル生成装置であって、前記ヒータの半径方向外側に配置された筒状の断熱材を有することを要旨とする。
第4の特徴は、第1の特徴から第3の特徴のいずれかにおけるエアロゾル生成装置であって、前記喫煙物品は、エアロゾル源を含むエアロゾル存在領域と、生成されたエアロゾルの流れ方向において前記エアロゾル存在領域の下流に位置するエアロゾル非存在領域と、を含み、前記ヒータの加熱部分は、前記喫煙物品の前記エアロゾル存在領域から、前記喫煙物品の前記エアロゾル非存在領域にわたって延びるよう配置されていることを要旨とする。
第5の特徴は、第1の特徴から第4の特徴のいずれかにおけるエアロゾル生成装置であ
って、前記制御部は、第1期間中に第1目標温度に向けて前記ヒータの温度を制御し、第1期間後の第2期間中に前記第1目標温度よりも低い第2目標温度に向けて前記ヒータの温度を制御し、第2期間後の第3期間中に前記第2目標温度よりも低い第3目標温度に向けて前記ヒータの温度を制御するよう構成されていることを要旨とする。
第6の特徴は、第1の特徴から第5の特徴のいずれかにおけるエアロゾル生成装置であって、前記終点におけるエアロゾルの送達量は、前記始点におけるエアロゾルの送達量よりも大きいことを要旨とする。
第7の特徴は、第1の特徴から第6の特徴のいずれかにおけるエアロゾル生成装置であって、前記送達プロファイルは、時間軸に対して漸増する勾配を有して増加する初期と、時間軸に対して漸減する勾配を有して減少する終期と、前記初期と前記終期の間で1つ又は複数の極大値を含む中期と、を含むことを要旨とする。
第8の特徴は、第7の特徴におけるエアロゾル生成装置であって、前記終期における前記勾配の最大値は、前記初期における前記勾配の最大値よりも小さいことを要旨とする。
第9の特徴は、第7の特徴又は第8の特徴におけるエアロゾル生成装置であって、前記終期における前記勾配の最小値は、前記初期における前記勾配の最小値よりも小さいことを要旨とする。
第10の特徴は、第7の特徴から第9の特徴のいずれかにおけるエアロゾル生成装置であって、前記中期は、前記初期及び前記終期の各々よりも長いことを要旨とする。
第11の特徴は、第7の特徴から第10の特徴のいずれかにおけるエアロゾル生成装置であって、前記中期は、前記初期と前記終期の合計の期間と同じか又は当該期間よりも長い以上であることを要旨とする。
第12の特徴は、第7の特徴から第11の特徴のいずれかにおけるエアロゾル生成装置であって、前記中期は、前記勾配が、前記初期における前記勾配の最小値よりも小さく、かつ前記終期における前記勾配の最小値よりも小さい安定期間を含み、前記安定期間は、前記初期及び前記終期の各々よりも長いことを要旨とする。
第13の特徴は、エアロゾル源を含む喫煙物品の外周を加熱可能に構成されたヒータを制御するための制御部を備えた制御ユニットであって、前記制御部は、予め定めた吸引可能期間におけるエアロゾルの送達プロファイルが、前記吸引可能期間の始点と終点との間で1つ又は複数の極大値を有するよう、前記ヒータの温度を制御するよう構成されていることを要旨とする。
第14の特徴は、エアロゾル源を含む喫煙物品の外周を加熱するヒータを制御する方法であって、予め定めた吸引可能期間におけるエアロゾルの送達プロファイルが、前記吸引可能期間の始点と終点との間で1つ又は複数の極大値を有するよう、前記ヒータを制御するステップを含むことを要旨とする。
第15の特徴は、第14の特徴における方法をコンピュータに実行させるプログラムであることを要旨とする。
第16の特徴は、エアロゾル源を含む喫煙物品であって、前記喫煙物品の外周を加熱してエアロゾルを送達するように構成された装置と一緒に使用されるときの送達プロファイルが、始点と終点との間で1つ又は複数の極大値を有するように構成されていることを要旨とする。
図1は、一実施形態に係る香味吸引器を示す図である。 図2は、喫煙物品が挿入された香味吸引器を示す図である。 図3は、図2に示す香味吸引器の内部構造を示す図である。 図4は、図2に示す喫煙物品の内部構造を示す図である。 図5は、香味吸引器のブロック図である。 図6は、図3の領域5Rの模式的拡大図である。 図7は、喫煙物品の基材部と、エアロゾル生成装置のヒータ及び内側筒部材と、の間の位置関係を簡略的に示す図である。 図8は、ヒータの加熱プロファイルと、主要エアロゾル成分の送達プロファイルと、を示す図である。 図9は、ヒータの加熱プロファイルを示す図である。
以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
[開示の概要]
従来の燃焼式シガレットであれば、ユーザは、シガレットの燃焼位置を視認することで、自身が吸引可能期間の初期、中期、及び終期のうちのどの段階にいるのかを、容易に認識することができる。しかしながら、多くのエアロゾル生成装置においては、喫煙物品の大半がヒータ又は他の部材の内側に隠れるため、喫煙物品の加熱状態を視認することはできない。
特許文献1に記載された主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、ヒータの作動初期に増加し、その後、ヒータが停止するまで一定を保つ。したがって、ユーザは、吸引可能期間の初期、中期及び終期のうちのどの期間にあるのかを、エアロゾルを吸引した感覚によって意識し難い。
本態様では、エアロゾル源を含む喫煙物品の外周を加熱可能に構成されたヒータは、予め定めた吸引可能期間におけるエアロゾルの送達プロファイルが、前記吸引可能期間の始点と終点との間で1つ又は複数の極大値を有するように制御される。
すなわち、エアロゾルの送達プロファイルは、まず増大し、それから極大値を有し、それから減少する。これにより、ユーザは、吸引可能期間の初期、中期及び終期のうちのどの期間にあるのかを、エアロゾルを吸引した感覚によって意識することができる。
(香味吸引器)
以下において、一実施形態に係る香味吸引器について説明する。図1は、一実施形態に係る香味吸引器を示す図である。図2は、喫煙物品が挿入された香味吸引器を示す図である。図3は、図2に示す香味吸引器の内部構造を示す図である。図4は、図2に示す喫煙物品の内部構造を示す図である。図5は、香味吸引器のブロック図である。
香味吸引器100は、燃焼を伴わずに、喫煙物品からエアロゾルを生成するための非燃焼型の香味吸引器であってよい。香味吸引器100は、特に携帯型の機器であってよい。
香味吸引器100は、エアロゾル源を含有する喫煙物品110と、喫煙物品110から
エアロゾルを生成させるエアロゾル生成装置120と、を有する。
喫煙物品110は、エアロゾル源及び香味源を含有し得る交換可能なカートリッジであり、長手方向に沿って延びる柱状形状を有する。喫煙物品110はエアロゾル生成装置120に挿入された状態で加熱されることによってエアロゾル及び香味成分を発生するように構成されていてよい。
図4に示す実施形態において、喫煙物品110は、充填物111と、充填物111を巻装する第1の巻紙112と、を含む基材部11Aと、基材部11Aとは反対側の端部を形成する吸口部11Bと、を有する。基材部11Aと吸口部11Bは、第1の巻紙112とは異なる第2の巻紙113によって連結されている。ただし、第2の巻紙113を省略し、第1の巻紙112を用いて基材部11Aと吸口部11Bを連結することもできる。
図4中の吸口部11Bは、紙管部114と、フィルタ部115と、紙管部114とフィルタ部115との間に配置された中空セグメント部116と、を有する。中空セグメント部116は、例えば、1つ又は複数の中空チャネルを有する充填層と、充填層を覆うプラグラッパーとで構成される。充填層は繊維の充填密度が高いため、吸引時は、空気やエアロゾルは中空チャンネルのみを流れることになり、充填層内はほとんど流れない。香味発生物品110において、フィルタ部115でのエアロゾル成分の濾過による減少を少なくしたいときに、フィルタ部115の長さを短くして中空セグメント部116で置き換えることはエアロゾルのデリバリ量を増大させるために有効である。
図4中の吸口部11Bは3つのセグメントから構成されているが、本実施形態において、吸口部11Bは1つ又は2つのセグメントから構成されていてもよいし、4つ又はそれ以上のセグメントから構成されていてもよい。例えば、中空セグメント部116を省略し、紙管部114とフィルタ部115を互いに隣接配置して吸口部11Bを形成することもできる。
図4に示す実施形態において、喫煙物品110の長手方向の長さは、40~90mmであることが好ましく、50~75mmであることがより好ましく、50~60mmであることがさらに好ましい。喫煙物品110の円周は15~25mmであることが好ましく、17~24mmであることがより好ましく、20~23mmであることがさらに好ましい。また、喫煙物品110の長手方向において、基材部11Aの長さは20mm、第1の巻紙112の長さは20mm、中空セグメント部116の長さは8mm、フィルタ部115の長さは7mmであってよいが、これら個々のセグメントの長さは、製造適性、要求品質等に応じて、適宜変更できる。
本実施形態において、喫煙物品110の充填物111は、所定温度で加熱されてエアロゾルを発生するエアロゾル源を含有し得る。エアロゾル源の種類は、特に限定されず、用途に応じて種々の天然物からの抽出物質及び/又はそれらの構成成分を選択することができる。エアロゾル源として、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセチン、1,3-ブタンジオール、及びこれらの混合物を挙げることができる。充填物111中のエアロゾル源の含有量は、特に限定されず、十分にエアロゾルを発生するとともに、良好な香喫味の付与の観点から、通常5重量%以上であり、好ましくは10重量%以上であり、また、通常50重量%以下であり、好ましくは20重量%以下である。
本実施形態における喫煙物品110の充填物111は、香味源としてたばこ刻みを含有し得る。たばこ刻みの材料は特に限定されず、ラミナや中骨等の公知のものを用いることができる。喫煙物品110における充填物111の含有量の範囲は、円周22mm、長さ20mmの場合、例えば、200~400mgであり、250~320mgであることが
好ましい。充填物111の水分含有量は、例えば、8~18重量%であり、10~16重量%であることが好ましい。このような水分含有量であると、巻染みの発生を抑制し、基材部11Aの製造時の巻上適性を良好にする。充填物111として用いるたばこ刻みの大きさやその調製法については特に制限はない。例えば、乾燥したたばこ葉を、幅0.8~1.2mmに刻んだものを用いてもよい。また、乾燥したたばこ葉を平均粒径が20~200μm程度になるように粉砕して均一化したものをシート加工し、それを幅0.8~1.2mmに刻んだものを用いてもよい。さらに、上記のシート加工したものについて刻まずにギャザー加工したものを充填物111として用いてもよい。また、充填物111は、1種又は2種以上の香料を含んでいてもよい。当該香料の種類は特に限定されないが、良好な喫味の付与の観点から、好ましくはメンソールである。
本実施形態において、喫煙物品110の第1及び第2の巻紙112,113は、坪量が例えば20~65gsmであり、好ましくは25~45gsmである原紙から作られることができる。巻紙112,113の厚みは、特に限定されないが、剛性、通気性、及び製紙時の調整の容易性の観点から、10~100μmであり、好ましくは20~75μmであり、より好ましくは30~50μmである。
本実施形態において、喫煙物品110の巻紙112,113には填料が含まれうる。填料の含有量は、巻紙112,113の全重量に対して10重量%以上60重量%未満を挙げることができ、15~45重量%であることが好ましい。本実施形態において、好ましい坪量の範囲(25~45gsm)に対して、填料が15~45重量%であることが好ましい。填料としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カオリン等を使用することができる。このような填料を含む紙は、喫煙物品110の巻紙として利用する外観上の観点から好ましい白色系の明るい色を呈し、恒久的に白さを保つことができる。そのような填料を多く含有させることで、例えば、巻紙のISO白色度を83%以上にすることができる。また、喫煙物品110の巻紙として利用する実用上の観点から、第1及び第2の巻紙112,113は8N/15mm以上の引張強度を有することが好ましい。この引張強度は、填料の含有量を少なくすることで高めることができる。具体的には、この引張強度は、上記で例示した各坪量の範囲において示した填料の含有量の上限よりも填料の含有量を少なくすることで、高めることができる。
図3を参照すると、エアロゾル生成装置120は、喫煙物品110を挿入可能な挿入孔130を有する。すなわち、エアロゾル生成装置120は、挿入孔130を構成する内側筒部材132を有する。内側筒部材132は、例えばアルミニウムやステンレス(SUS)のような熱伝導部材によって構成されていてよい。
また、エアロゾル生成装置120は、挿入孔130を塞ぐ蓋部140を有していてよい。蓋部140は、挿入孔130を塞いだ状態(図1参照)と、挿入孔130を露出させた状態(図2参照)との間をスライド可能に構成されていてよい。
エアロゾル生成装置120は、挿入孔130に連通する空気流路160を有していてよい。空気流路160の一端は、挿入孔130に連結されており、空気流路160の他端は、挿入孔130とは別のところでエアロゾル生成装置120の外部(外気)に連通している。
エアロゾル生成装置120は、空気流路160の、外気に連通する側の端部を覆う蓋部170を有していてよい。蓋部170は、空気流路160の、外気に連通する側の端部を覆った状態にすることもでき、空気流路160を露出させた状態にすることもできる。
蓋部170は、空気流路160を覆った状態であっても空気流路160に気密に閉塞す
ることはない。すなわち、蓋部170が空気流路160を覆った状態であっても、蓋部170付近を介して空気流路160内に外気が流入可能に構成されている。
ユーザは、香味吸引器100に喫煙物品110を挿入した状態で、喫煙物品110の一端部、具体的には、図4中の吸口部11Bを咥え、吸引動作を行う。ユーザの吸引動作により、空気流路160に外気が流入する。空気流路160内に流入した空気は、挿入孔130内の喫煙物品110を通って、ユーザの口腔内に導かれる。
なお、蓋部140が挿入孔130を覆っておらず、かつ喫煙物品110が挿入されていない状態、すなわち、内側筒部材132の内部空間及び空気流路160が露出した状態では、ユーザは、ブラシのような清掃用具を用いて、内側筒部材132の空気流路160内を清掃することができる。この清掃用具は、図3中の上方の蓋部140側から空気流路160内に挿入されてもよいし、下方の蓋部170側から空気流路160内に挿入されてもよい。
エアロゾル生成装置120は、空気流路160内又は空気流路160を構成する壁部の外面に、温度センサを有していてよい。温度センサは、例えば、サーミスタや熱電対等であってよい。ユーザが喫煙物品110の吸口部11Bを吸引すると、空気流路160内を蓋部170側かヒータ30側に向かって流れる空気の影響で、空気流路160の内部温度又は空気流路160を構成する壁部の温度が低下する。温度センサは、この温度低下を測定することによってユーザの吸引動作を検知することができる。
エアロゾル生成装置120は、バッテリ10と、制御ユニット20と、ヒータ30と、を有する。バッテリ10は、エアロゾル生成装置120で用いる電力を蓄積する。バッテリ10は、充放電可能な二次電池であってよい。バッテリ10は、例えばリチウムイオン電池であってよい。
ヒータ30は、内側筒部材132の周りに設けられていてよい。ヒータ30を収容する空間と、バッテリ10を収容する空間は、隔壁180によって互いに分離されていてよい。これにより、ヒータ30により加熱された空気が、バッテリ10を収容する空間内に流入することを抑制することができる。したがって、バッテリ10の温度上昇を抑制することができる。
ヒータ30は、柱状の喫煙物品110の外周を加熱可能な筒形状であることが好ましい。ヒータ30は、例えばフィルムヒータであってよい。フィルムヒータは、一対のフィルム状の基板と、一対の基板の間に挟まれた抵抗発熱体と、を有していてよい。フィルム状の基板は、耐熱性及び電気絶縁性に優れた材料から作られることが好ましく、典型的には、ポリイミドから作られる。抵抗発熱体は、銅、ニッケル合金、クロム合金、ステンレス、白金ロジウム等の金属材料の1つ又は2つ以上から作られることが好ましく、例えば、ステンレス製の基材によって形成され得る。さらに、抵抗発熱体はフレキシブルプリント回路(FPC)によって電源と接続するために接続部位及びそのリード部に銅メッキを施してもよい。
図6は、図3の領域5Rの模式的拡大図であり、ヒータ30及びその周辺を拡大した断面図である。図6に示す例では、ヒータ30は、前述したフィルムヒータであり、喫煙物品110を受け入れ可能な内側筒部材132の外周に巻かれている。すなわち、ヒータ30は、内側筒部材132を囲む円筒状に巻かれている。これにより、ヒータ30は、喫煙物品の外周を取り囲み、喫煙物品110を外側から加熱することができる。
好ましくは、熱収縮チューブ136が、ヒータ30の外側に設けられていてよい。言い
換えると、ヒータ30は、熱収縮チューブ136内に設けられていることが好ましい。熱収縮チューブ136は、熱により半径方向に収縮するチューブ136であり、例えば熱可塑性エラストマによって構成されていてよい。熱収縮チューブ136の収縮作用により、ヒータ30が内側筒部材132に押し付けられる。これにより、ヒータ30と内側筒部材132の密着性が高まるので、ヒータ30から喫煙物品110への内側筒部材132を介した熱の伝導性が高まる。
エアロゾル生成装置120は、ヒータ30の半径方向の外側、好ましくは熱収縮チューブ136の外側に、筒状の断熱材138を有していてもよい。断熱材138は、ヒータ30の外周を取り囲んでいることが好ましい。断熱材138は、ヒータ30の熱を遮断することによって、エアロゾル生成装置120の筐体外面が過度な高温に達するのを防止する役割を果たし得る。断熱材138は、例えば、シリカエアロゲル、カーボンエアロゲル、アルミナエアロゲル等のエアロゲルから作られることができる。断熱材138としてのエアロゲルは、典型的には、断熱性能が高くかつ製造コストが比較的低いシリカエアロゲルであってよい。ただし、断熱材138は、グラスウールやロックウール等の繊維系断熱材であってもよいし、ウレタンフォームやフェノールフォームの発泡系断熱材であってもよい。或いは、断熱材138は真空断熱材であってもよい。
断熱材138は、喫煙物品110に面する内側筒部材132と、断熱材138の外側の外側筒部材134と、の間に設けられていてよい。外側筒部材134は、例えばアルミニウムやステンレス(SUS)のような熱伝導部材によって構成されていてよい。断熱材138は、密閉された空間内に設けられることが好ましい。
図7は、本実施形態の香味吸引器100における、喫煙物品110の基材部11Aと、エアロゾル生成装置120のヒータ30及び内側筒部材132と、の間の、軸線方向の位置関係を簡略的に示す図である。ここでいう軸線とは、エアロゾル生成装置120における挿入孔130の中心軸を意味し、挿入孔130に喫煙物品110が挿入されたときには、その軸線と喫煙物品110の中心軸とが部分的に重なり合う(図3も参照)。
ヒータ30の軸線方向長さD0は、喫煙物品110の基材部11Aの軸線方向長さL0よりも小さくされることができる(D0<L0)。さらに、長さL0に対する長さD0の比(D0/L0)は、0.70~0.90であり、好ましくは0.75~0.85であり、典型的には0.80であってよい。よって、基材部11Aの長さL0が20mmである場合、ヒータ30の長さD0は14~18mmであり、好ましくは15~17mmであり、典型的には16mmであってよい。
基材部11Aの上流端は、ヒータ30の上流端よりも上流側に長さD1で突き出していてよい。ここでいう上流及び下流とは、ユーザの吸引動作により空気流路160内を通る空気流の上流及び下流にそれぞれ対応する(図3も参照)。基材部11Aのヒータ30からの突き出し部分は、その半径方向外側にヒータ30を有さないので、基材部11Aの他の部分と比較して、その内部温度が幾分低くなり得る。これにより、基材部11Aの上流端及びその近傍でのエアロゾル生成を抑制できるので、そこで発生したエアロゾルが空気流路160で凝縮したり、空気流路160を逆流したりするのを防止できる。基材部11Aの他の部分で発生したエアロゾルは基材部11Aの上流端及びその近傍で凝縮しうる。
基材部11A全体の長さL0に対する突き出し長さD1の比(D1/L0)は、0.25~0.40であり、好ましくは0.30~0.35であり、典型的には0.325であってよい。よって、基材部11A全体の長さL0が20mmである場合、突き出し長さD1は5~8mmであり、好ましくは6~7mmであり、典型的には6.5mmであってよい。
ヒータ30の下流端は、基材部11Aの下流端よりも下流側に長さD2で突き出していてよい。これにより、基材部11Aの下流端及びその近傍を十分に加熱できるので、そこでのエアロゾル生成量が不足したりエアロゾル凝縮が発生したりするのを防止できる。基材部11Aの長さL0に対するヒータ30の突き出し長さD2の比(D2/L0)は、0.075~0.175であり、好ましくは0.1~0.15であり、典型的には0.125であってよい。よって、基材部11Aの長さL0が20mmである場合、ヒータ30の突き出し長さD2は1.5~3.5mmであり、好ましくは2~3mmであり、典型的には2.5mmであってよい。
内側筒部材132の上流端と基材部11Aの上流端の軸線方向位置は概ね一致していてよい。その一方で、内側筒部材132の下流端は、ヒータ30の下流端と同じく、基材部11Aの下流端よりも下流側に長さD3で突き出していてよい。これにより、基材部11Aの下流端及びその近傍に加えて、紙管部114の上流端及びその近傍を加熱できるので、基材部11Aから発生したエアロゾルが紙管部114の上流端及びその近傍で過度に冷却されて凝縮するのを防止できる。ヒータ30の突き出し長さD2に対する内側筒部材132の突き出し長さD3の比(D3/D2)は、2.6~3.4であり、好ましくは2.8~3.2であり、さらに好ましくは3.0であってよい。よって、ヒータ30の突き出し長さD2が2.5mmである場合、内側筒部材132の突き出し長さD3は6.5~8.5mmであり、好ましくは7.0~8.0mmであり、典型的には7.5mmであってよい。
図5を参照すると、制御ユニット20は、制御基板、CPU、及びメモリ等を含んでいてよい。CPU及びメモリは、エアロゾル源を加熱するヒータ30を制御する制御部22を構成する。また、制御ユニット20は、ユーザに各種情報を報知するための通知部40を有する。通知部40は、例えばLEDのような発光素子もしくは振動素子、又はこれらの組み合わせであってよい。
制御部22は、ユーザの起動要求を検知したら、バッテリ10からヒータ30への電力供給を開始する。ユーザの起動要求は、例えば、ユーザによる押しボタンやスライド式スイッチの操作や、ユーザの吸引動作によって成される。本実施形態では、ユーザの起動要求は、押しボタン150の押下によって成される。より具体的には、ユーザの起動要求は、蓋部140が開いた状態での押しボタン150の押下によって成される。或いは、ユーザの起動要求は、ユーザの吸引動作の検知によって成されてもよい。ユーザの吸引動作は、例えば前述したような温度センサによって検知できる。
次に、エアロゾル生成装置における主要エアロゾル成分の送達プロファイルについて図8を用いて説明する。本実施形態において、加熱プロファイルとは、ヒータ30の制御上の目標温度の時間変化を示すグラフである。また、送達プロファイルとは、ユーザが喫煙物品110を吸引したときにユーザの口腔内に送達される、吸引動作1回当たりの主要エアロゾル成分量の時間変化を示すグラフである。図8は、ヒータ30の加熱プロファイルと、主要エアロゾル成分の送達プロファイルと、を示す図である。図8の縦軸は、ヒータの温度又は主要エアロゾル成分の送達量を示す。図8の横軸は、時間を示す。
ここで、「主要エアロゾル成分」とは、喫煙物品に含まれる種々のエアロゾル源を所定温度以上で加熱したときに発生する可視性のエアロゾル成分である。喫煙物品に含まれるエアロゾル源は、典型的にはプロピレングリコール及びグリセリンである。また、喫煙物品がたばこ等の香味源を含有する場合には、当該香味源に由来するエアロゾル成分も主要エアロゾル成分に含まれる。他方、本明細書において、喫煙物品に含まれる水分に由来するエアロゾル成分は、主要エアロゾル成分の対象とは考えない。
主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、以下のような方法により測定できる。まず、主要エアロゾル成分の送達プロファイルを測定すべきエアロゾル生成装置を準備する。次に、エアロゾル生成装置に喫煙物品を挿入した状態で、自動喫煙器(例えば、Borgwaldt KC Inc.製)を用いて喫煙物品の吸口部から吸引を行う。この際、準備したエアロゾル生成装置で規定されている制御方法にてヒータ30を加熱する。吸引条件としては、カナダ保健省が定めたHCI条件(HCI;Health Canada Intense)に準ずるものが採用される。具体的には、吸引条件は、吸引量27.5ml/秒、吸引時間2秒/回、吸引間隔20秒というものである。
前述した吸引条件にて自動喫煙器で吸引したエアロゾルをケンブリッジフィルター(例えば、Borgwaldt KC Inc.製、CM-133)で捕集する。具体的には、上記ケンブリッジフィルターを通過した煙をドライアイス-イソプロパノール冷媒で-70℃に冷却したメタノール10mLに捕集した。ケンブリッジフィルターに、たばこ煙を捕集したメタノール溶液10mLおよび内標溶液(d-32ペンタデカン0.05mg/mL,d-1-エタノール50mL/L,アネトール2mL/L,1,3-ブタンジオール4mL/L)1mLを加え30分間振とうし、内容成分を抽出した。
内容成分の抽出は、各々の吸引ごとに行われる。これにより、エアロゾル生成装置から自動喫煙器まで送達された主要エアロゾル成分の量が、各吸引において定まる。各吸引が行われた時間ごとに送達された主要エアロゾル成分の量をプロットすることで、時間軸上での主要エアロゾル成分の送達プロファイルが離散的に導出される。なお、図8では、離散的に導出された送達プロファイルが近似曲線によって連続的に描かれていることに留意されたい。
本実施形態において、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、初期Q1と、中期Q2と、終期Q3と、を有する。初期Q1は、時間に対する主要エアロゾル成分の勾配が徐々に増加する期間である。言い換えると、初期Q1は、吸引ごとの主要エアロゾル成分の送達量の増大分が、徐々に増加する期間とも言える。
ここで、主要エアロゾル成分の送達プロファイルの勾配とは、送達プロファイルを形成する曲線上の各点の傾きの絶対値である。主要エアロゾル成分の送達プロファイルの勾配は、例えば以下の方法によって規定することができる。前述したように、時間軸上での主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、離散的に導出される。この場合、主要エアロゾル成分の送達プロファイルの勾配は、時間軸上で互いに隣接するプロットについて、主要エアロゾル成分の送達プロファイルの差分を当該プロット間の時間差で割った値によって規定することができる。
この代わりに、主要エアロゾル成分の送達プロファイルの勾配は、例えば離散的なプロットに基づき導出された近似曲線を用いて導出してもよい。この場合、近似曲線の解析式が定まれば、主要エアロゾル成分の送達プロファイルの勾配は、解析式の微分値を算出することによって規定できる。このような近似曲線は、例えば多項式によって導出されてもよく、三角関数によって導出されてもよい。
本実施形態において、送達プロファイルの始点S0は、エアロゾル吸引可能期間(吸引可能期間)の始点によって規定される(図9参照)。具体的には、送達プロファイルの始点S0は、後述する吸引可能期間の開始の報知(図9のタイミングT2)によって規定される。
また、初期Q1と中期Q2との境界S1は、初期Q1における主要エアロゾル成分の勾
配が最大となる点によって規定されていてよい。言い換えると、初期Q1と中期Q2との境界S1は、主要エアロゾル成分の勾配が、送達プロファイルの全体を通じて最初に減少し始める点とも言える。送達プロファイルが連続的な近似曲線で近似される場合、初期Q1と中期Q2との境界S1は、変曲点によって規定されてもよい。
終期Q3は、時間に対する主要エアロゾル成分の勾配が徐々に減少する期間である。言い換えると、終期Q3は、吸引ごとの主要エアロゾル成分の送達量の減少分が、徐々に小さくなる期間とも言える。
本実施形態において、送達プロファイルの終点S3は、エアロゾル吸引可能期間(吸引可能期間)の終点によって規定される(図9参照)。具体的には、送達プロファイルの終点S3は、吸引可能期間の終了の報知があったタイミング(図9のタイミングT7)によって規定できる。
また、中期Q2と終期Q3との境界S2は、終期Q3における主要エアロゾル成分の勾配が最大となる点によって規定されていてよい。言い換えると、中期Q2と終期Q3との境界S2は、主要エアロゾル成分の勾配が、送達プロファイルの全体を通じて最後に減少し始める点とも言える。送達プロファイルが連続的な近似曲線で近似される場合、中期Q2と終期Q3との境界S2は、変曲点によって規定されてもよい。
中期Q2は、初期Q1と終期Q3との間の期間である。中期Q2は、送達プロファイルの始点及び終点よりも大きい1つ又は複数の極大値を含む。図8に示す送達プロファイルでは、中期Q2は1つの極大値(最大値)を含んでいる。
前述したエアロゾルの送達プロファイルによれば、エアロゾルの送達量は、初期Q1から中期Q2にかけて増大し、中期Q2で極大値を有し、中期Q2から終期Q3にかけて減少する。これにより、ユーザは、吸引可能期間の初期Q1、中期Q2、及び終期Q3のうちのどの期間にあるのかを、エアロゾルを吸引した感覚によって意識することができる。
さらに、初期Q1では、時間に対する主要エアロゾル成分の勾配が徐々に増加し、送達プロファイルは下に凸の形状となる。一方、中期Q2では、送達プロファイルは上に凸の形状となる。したがって、エアロゾルの送達量は、初期Q1から中期Q2への移行時に比較的大きく変化し得る。また、終期Q3では、時間に対する主要エアロゾル成分の勾配が徐々に減少し、送達プロファイルは下に凸の形状となる。したがって、エアロゾルの送達量は、中期Q2から終期Q3への移行時に比較的大きく変化し得る。これにより、ユーザは、初期Q1から中期Q2への移行、及び中期Q2から終期Q3への移行を、エアロゾルを吸引した感覚によって、より認識しやすくなる。
好ましくは、中期Q2は、初期Q1及び終期Q3よりも長い。より好ましくは、中期Q2は、初期Q1と終期Q3の合計の期間以上である。例えば、中期Q2は全期間の50~60%であり、初期Q1及び終期Q3は全期間の20~25%であってよい。これにより、主要エアロゾル成分の送達量が多い期間が相対的に長くなるため、ユーザは、主要エアロゾル成分を比較的長期間にわたって吸引することができる。
終期Q3の終点S3における主要エアロゾル成分の送達量は、始点S0における主要エアロゾル成分の送達量よりも大きいことが好ましい。この場合、エアロゾルの送達量が、終期Q3において、過度に減少するのを抑制することができる。これにより、主要エアロゾル成分の送達量が、吸引可能期間の途中で、低い水準まで減少するのを防止することができ、特に、終期Q3の最後まで高い水準の送達量を維持することができる。
終期Q3における主要エアロゾル成分の勾配の最大値は、初期Q1における主要エアロゾル成分の勾配の最大値よりも小さいことが好ましい。この場合、初期Q1における主要エアロゾル成分の増大スピードが比較的大きくなるので、吸引可能期間の比較的早い段階で、高い水準のエアロゾル送達量を達成できるようになる。一方、終期Q3における主要エアロゾル成分の勾配が小さいため、終期Q3における主要エアロゾル成分の減少スピードが比較的小さくなる。したがって、エアロゾル送達量が終期Q3において急激に減少するのを抑制することができる。これにより、高い水準のエアロゾル送達量を比較的長期間にわたって維持することができる。
終期Q3における主要エアロゾル成分の勾配の最小値は、初期Q1における主要エアロゾル成分の勾配の最小値よりも小さいことが好ましい。終期Q3における主要エアロゾル成分の勾配の最小値が小さいため、終期Q3における主要エアロゾル成分の減少スピードが比較的小さくなる。したがって、エアロゾルの送達量が、終期Q3において急激に減少するのを抑制することができる。
中期Q2は、主要エアロゾル成分の勾配の絶対値が、初期Q1における主要エアロゾル成分の勾配の最小値よりも小さく、かつ終期Q3における主要エアロゾル成分の勾配の最小値よりも小さい安定期間SPを含んでいてよい。すなわち、安定期間SPは、吸引ごとの主要エアロゾル成分の送達量の変動が比較的小さい期間である。
安定期間SPは、初期Q1及び終期Q3よりも長いことが好ましい。安定期間SPでは、主要エアロゾル成分の送達量が多く、当該送達量の変動が小さい。したがって、安定期間SPが初期Q1及び終期Q3よりも長いと、中期Q2において主要エアロゾル成分を比較的長期間にわたって安定的に供給することができる。また、安定期間SPは、中期Q2の50~60%であることが好ましい。これにより、中期Q2において、主要エアロゾル成分を比較的長期間にわたって安定的に供給することができる。
前述した送達プロファイル、及びその有利な点は、本願発明者が鋭意研究の結果、見出したものであることに留意されたい。
エアロゾル生成装置120の制御部22は、前述した主要エアロゾル成分の送達プロファイルが実現されるように、ヒータ30を制御するよう構成されていてよい。ここで、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、主には、ヒータ30の加熱プロファイルに依存し得る。
図9は、ヒータの加熱プロファイルの一例を示している。図9に示す加熱プロファイルは、前述した主要エアロゾル成分の送達プロファイルを実現するために適した一例であり、必ずしもこれに限定されないことに留意されたい。
前述した通り、加熱プロファイルとは、ヒータ30の制御上の目標温度の時間変化を表すグラフである。ヒータ30の温度制御は、例えば公知のフィードバック制御によって実現できる。具体的には、エアロゾル生成装置120の制御部22は、バッテリ22からの電力を、パルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)によるパルスの形態でヒータ30に供給することができる。この場合、制御部22は、電力パルスのデューティ比を調整することによって、ヒータ30の温度制御を行うことができる。
フィードバック制御では、制御部22は、ヒータ30の温度を測定又は推定し、測定又は推定されたヒータ30の温度と目標温度との差分等に基づいて、ヒータ30へ供給する電力、例えば、前述のデューティ比を制御すればよい。フィードバック制御は、例えばPID制御であってよい。ヒータ30の温度は、例えば、ヒータ30を構成する発熱抵抗体の電気抵抗値を測定又は推定することによって定量できる。これは、発熱抵抗体の電気抵
抗値は、温度に応じて変化するためである。発熱抵抗体の電気抵抗値は、例えば、発熱抵抗体での電圧降下量を測定することによって推定できる。発熱抵抗体での電圧降下量は、発熱抵抗体に印加される電位差を測定する電圧センサによって測定できる。他の例では、ヒータ30の温度は、ヒータ30付近に設置された温度センサによって測定されることができる。
以上のように、本実施形態では、ヒータ30の実温度が、加熱プロファイルの目標温度に近づくように、ヒータ30への供給電力を制御している。ただし、加熱プロファイルは目標温度が急激に変化する箇所を含む場合があり、そのような箇所ではヒータ30の実温度の目標温度からの乖離が一時的に大きくなる場合がある。図9に例示した加熱プロファイルにおいて、ヒータ30の実温度の目標温度からの乖離が大きくなる箇所を破線で示している。
図9に示す加熱プロファイルでは、ユーザの起動要求を受けて、バッテリ10からヒータ30への電力供給が開始されると、制御部22は、まず、第1期間P1中に第1目標温度TA1に向けてヒータ30の温度を制御する。すなわち、制御部22は、初期温度から第1目標温度TA1に向けてヒータ30を加熱する。第1期間P1では、ヒータ30が第1目標温度TA1に達すると、制御部22は、ヒータ30の温度が第1目標温度TA1を維持するよう制御する。
第1目標温度TA1は、好ましくは225~240℃であり、典型的には230℃であってよい。
第1期間P1において第1目標温度TA1を比較的高く設定することにより、ヒータ30の昇温速度を大きくすることができる。ヒータ30の昇温速度を大きくすることにより、ヒータ30への電力供給を開始してからエアロゾルの吸引が可能になるまでの期間を短くすることができる。
制御部22は、第1期間P1中であってヒータ30の温度が第1目標温度TA1に維持されている期間内に、吸引可能期間が開始したことをユーザに報知するよう構成されていてよい。吸引可能期間が開始したことの報知は、通知部40の制御によって行うことができ、例えば、LED等の発光素子の発光色を変えたり、発光パターンを変えたり、振動素子を駆動したりする制御、又はこれらの組み合わせによって行うことができる。
図9に示す例では、吸引可能期間が開始したことの報知は、タイミングT2で行われる。より具体的には、吸引可能期間が開始したことの報知は、ヒータ30の温度が第1目標温度に到達してから所定の期間P1b経過したタイミングT2、及びヒータ30への電力供給の開始から所定の期間経過したタイミングのどちらか早い方で行われればよい。所定の期間P1bは、好ましくは20~26秒であり、典型的には23秒であってよい。
好ましくは、制御部22は、第1期間P1の後半に、吸引可能期間が開始したことを報知するよう構成されていてよい。第1期間P1の後半とは、第1期間P1の真ん中よりも後ろの期間を意味する。
制御部22は、吸引可能期間が開始したことを報知したタイミングT2から所定の期間P1cが経過したタイミングT3において、後述する第2期間P2に移行する。所定の期間P1cは、5~15秒であることが好ましく、典型的には10秒であってよい。これにより、ユーザが第1期間P1中に1回目の吸引動作を行う可能性が高くなる。この場合、ヒータ温度が、加熱プロファイルの最高温度である第1目標温度TA1の付近に維持されている間に、ユーザに1回目の吸引動作を行わせることができる。
第1期間P1は、ヒータ30及び喫煙物品110の加熱状態や周辺温度等によって変動するが、典型的には35~55秒の範囲であってよい。ただし、制御部22は、第1期間P1におけるヒータ30の温度上昇の速さに基づき第1期間P1の長さを変更可能に構成されていることが好ましい。より具体的には、第1期間P1のうちの初期の昇温期間P1aが、ヒータ30の温度上昇の速さに基づき変更可能に構成されていてよい。具体的には、制御部22は、ヒータ30が加熱し始めてから所定の温度に達するまでの期間が短いほど、第1期間P1の長さを短く変更するよう構成されていることが好ましい。
本実施形態では、ヒータ30の温度が第1目標温度TA1に達してから所定の期間(P1b+P1c)が経過したときに、第1期間P1が終了する。すなわち、ヒータ30の温度上昇が速ければ、ヒータ30に電力供給し始める時点T0からヒータ30の温度が第1目標温度TA1に達するまでの期間P1aが短くなる。所定の期間(P1b+P1c)は、好ましくは25~41秒であり、典型的には33秒であってよい。
このように、ヒータ30の温度上昇が速い場合には、予備加熱期間を短くすることで、予備加熱期間で使用される消費電力を抑えることができる。
第1期間P1の可変範囲、より具体的には、吸引可能期間の開始の報知までの期間(P1a+P1b)の可変範囲は、所定の上限値を有することが好ましい。例えば、電力供給の開始T0から吸引可能期間の開始の報知T2までの期間(P1a+P1b)の上限値は、好ましくは40~60秒であり、典型的には50秒であってよい。これにより、ヒータ30の温度が第1目標温度TA1に達しない場合に、制御部22が第2期間P2に移行することなく予備加熱をし続けてしまうことを防止することができる。
次に、制御部22は、第1期間P1後の第2期間P2中に第1目標温度TA1よりも低い第2目標温度TA2に向けてヒータ30の温度を制御する。すなわち、制御部22は、ヒータ30の温度を第1目標温度TA1から低下させ、第2目標温度TA2に維持するようヒータ30を制御する。
第2目標温度TA2は、好ましくは190~210℃の範囲であり、典型的には200℃であってよい。第2期間P2は、好ましくは105~160秒の範囲であり、典型的には130秒であってよい。第2期間P2は、第1期間P1と、後述する第3期間P3よりも長いことが好ましい。第2期間は、第3期間P3よりも高い温度に維持される期間であるため、安定的にエアロゾル供給できる期間となる。これにより、安定的にエアロゾルを供給できる期間を相対的に長くできる。
第2期間P2において目標温度を低下させることにより、第2期間P2で消費する電力を低下させることができる。
制御部22は、第1期間P1の終了時から第2期間P2の初期にわたってヒータ30への電力供給を停止する第1オフ期間を有していてよい。第1オフ期間を設けることにより、第1目標温度TA1から第2目標温度TA2への温度低下を最短時間で達成することができる。制御部22は、第1オフ期間中もヒータ30の温度測定を継続することができる。この場合、制御部22は、ヒータ30の温度が第2目標温度TA2付近まで低下したときにヒータ30への電力供給を再開するように構成されることができる。
第1オフ期間は、一般的なユーザが2回又はそれ以上の吸引動作を行うことのないような時間間隔であることが好ましい。オフ期間中にユーザが2回又はそれ以上の吸引動作を行うと、ヒータ30の温度が急激に低下し、第2目標温度TA2を大きく下回ることがある。この場合には、喫煙物品110から発生するエアロゾル量が減少するおそれがある。一般的なユーザによる通常の吸引動作の時間間隔を約20秒と想定した場合、第1オフ期間は、例えば15~20秒の範囲であることが好ましい。第1目標温度TA1及び第2目
標温度TA2は、第1オフ期間中の自然冷却による第1目標温度TA1から第2目標温度TA2への温度低下が、上記の時間範囲内で行われるように設定されることができる。或いは、制御部22は、第1オフ期間の時間経過を計測し、第1オフ期間が所定の上限値に達したら強制的にヒータ30への電力供給を再開するように構成されることもできる。この場合の第1オフ期間の上限値は15~20秒であることが好ましい。
次に、制御部22は、第2期間P2後の第3期間P3中に第2目標温度TA2よりも低い第3目標温度TA3に向けてヒータ30の温度を制御する。すなわち、制御部22は、ヒータ30の温度を第2目標温度TA1からさらに低下させ、第3目標温度TA3に維持するようヒータ30を制御する。第3目標温度TA3は、好ましくは175~190℃の範囲であり、典型的には185℃であってよい。第3期間P3は、好ましくは30~90秒の範囲であり、典型的には60秒であってよい。第3期間P3において目標温度をより低下させることにより、第3期間P3で消費する電力をより低下させることができる。
第1目標温度TA1と第2目標温度TA2の温度差は(ΔT12)、第2目標温度TA2と第3目標温度TA3の温度差(ΔT23)よりも大きいことが好ましい。ヒータ30の消費電力は第3期間P3よりも第2期間P2の方が大きいので、第2期間P2から第3期間P3への移行時の温度差(ΔT23)よりも第1期間P1から第2期間P2への移行時の温度差(ΔT12)を大きくした方が、全期間を通じた消費電力の削減につながる。そのためΔT12/ΔT23は1よりも大きいことが好ましい。他方、ΔT23に対してΔT12を過度に大きくすると、エアロゾルの安定供給を意図した第2期間P2の目標温度TA2が相対的に低くなるので、第2期間P2でのエアロゾル生成が不安定になるおそれがある。そのため、ΔT12/ΔT23は所定の上限値を有することが好ましい。ΔT12/ΔT23の上限値は、例えば2.5であってよい。ΔT12/ΔT23は、好ましくは1.0~2.5であり、典型的には2.0であってよい。
制御部22は、第2期間P2の終了時から第3期間P3の初期にわたってヒータ30への電力供給を停止する第2オフ期間を有していてよい。第2オフ期間を設けることにより、第2目標温度TA2から第3目標温度TA3への温度低下を最短時間で達成することができる。制御部22は、第2オフ期間中もヒータ30の温度測定を継続することができる。この場合、制御部22は、ヒータ30の温度が第3目標温度TA3付近まで低下したときにヒータ30への電力供給を再開するように構成されることができる。第2オフ期間は、第1オフ期間と同様に、一般的なユーザが2回又はそれ以上の吸引動作を行うことのないような時間間隔であることが好ましく、例えば15~20秒の範囲であることが好ましい。第2目標温度TA2及び第3目標温度TA3は、第2オフ期間中の自然冷却による第2目標温度TA2から第3目標温度TA3への温度低下が、上記の時間範囲内で行われるように設定されることができる。或いは、制御部22は、第2オフ期間の時間経過を計測し、第2オフ期間が所定の上限値に達したら強制的にヒータ30への電力供給を再開するように構成されることもできる。
前述した通り、第1目標温度TA1と第2目標温度TA2の温度差(ΔT12)は、第2目標温度TA2と第3目標温度TA3の温度差(ΔT23)よりも大きいことが消費電力削減の観点から好ましいが、この関係は第1オフ期間と第2オフ期間をなるべく近似した値にするという観点でも好ましい。ニュートン冷却法則から、低温度帯よりも高温度帯の方が自然冷却時の温度低下速度が大きいので、第1オフ期間と第2オフ期間をなるべく近似させるためには、高温度帯に属する第1目標温度TA1と第2目標温度TA2の温度差(ΔT12)を相対的に大きくする必要がある。仮に、第1目標温度TA1と第2目標温度TA2の温度差(ΔT12)を、第2目標温度TA2と第3目標温度TA3の温度差(ΔT23)と等しくするか、又は前者の温度差(ΔT12)を後者の温度差(ΔT23)よりも小さくした場合は、第1オフ期間は第2オフ期間よりも常時短くなるので、2つ
のオフ期間を同じにすることは理論上できなくなる。
また、第2目標温度TA2と第3目標温度TA3との差に対する第1目標温度TA1と第2目標温度TA2との差の比は、2.5未満であることが好ましい。これは、第1目標温度TA1と第2目標温度TA2との差を大きくしすぎないことによって、パフ可能期間の中盤において、安定的にエアロゾルを生成させることができるようにするためである。
なお、消費電力削減の観点からは、第1目標温度TA1から第2目標温度TA2を経ることなく第3目標温度TA3でヒータ30を制御することが好ましい場合もある。しかしながら、その場合には、第1目標温度TA1から第3目標温度TA3に到達する期間(第2オフ期間)が相対的に長くなる。第1目標温度TA1から第3目標温度TA3に到達する期間はヒータ30への電力供給が停止されるため、この期間内にユーザが複数回の吸引動作を行うと、ヒータ30の温度が第3温度を大きく下回ってしまうおそれがある。第1目標温度TA1から第3目標温度TA3に移行する前に、第1目標温度TA1と第3目標温度TA2との間の第2目標温度TA2を経ることで、一の目標温度間から他の目標温度への移行にかかる期間を短くすることができる。これにより、ヒータ30への電力供給が停止されるオフ期間の連続時間が相対的に短くなるので、複数回の吸引動作により喫煙物品の温度が過度に低下し、その結果エアロゾル生成が不安定になるのを防止することができる。
制御部22は、第3期間P3の終了と同時にヒータ30への電力供給を停止する。次いで、制御部22は、ヒータ30への電力供給を停止(タイミングT6)してから所定の期間経過後のタイミングT7で吸引可能期間の終了を報知する。つまり、ヒータ30への電力供給が停止した後であっても、所定の期間を経過するまでは、ユーザにエアロゾルの吸引動作を促し、ヒータ30及び喫煙物品110の余熱によりユーザにエアロゾルを味わわせることができる。なお、吸引可能期間の終了の報知は、通知部40によって行うことができ、例えば、LED等の発光素子の発光色を変えたり、発光パターンを変えたり、振動素子を駆動したりする制御、又はこれらの組み合わせによって行うことができる。
ヒータ30が加熱プロファイルの第1期間P1、第2期間P2、第3期間P3を経過した後は、ヒータ30の熱が喫煙物品110の内部まで十分に伝達されている。そのため、第3期間P3が終了してから吸引可能期間が終了するまで期間、すなわち、図8中の第4期間P4においては、ヒータ30及び喫煙物品110の余熱だけで一定量のエアロゾルを生成できる。ただし、第4期間P4は、第1オフ期間及び第2オフ期間と同じくエアロゾル生成が不安定になりやすいので、ユーザが2回又はそれ以上の吸引動作を行わないような時間間隔であることが好ましい。そのため、第4期間P4は、好ましくは5~15秒であり、典型的には10秒であってよい。
また、制御部22は、吸引可能期間の終了を報知するタイミングT7から所定の期間Peだけ早いタイミングT5で、吸引可能期間の終了が近付いたことをユーザに報知することができる。このような報知は、例えば吸引可能期間が終了する20~40秒前に行うことができる。このような報知は、通知部40によって行うことができ、例えば、LED等の発光素子の発光色を変えたり、発光パターンを変えたり、振動素子を駆動したりする制御、又はこれらの組み合わせによって行うことができる。
前述した態様では、制御部22は、第3期間P3の終了時点でヒータ30への電力の供給を停止する。この他にも、制御部22は、ユーザによる吸引動作の回数が所定回数を超過した場合、第2期間P2又は第3期間P3内であってもヒータ30への電力供給を停止してもよい。ユーザによるパフ動作は、例えば前述した温度センサによって検出できる。
再び図8を参照する。主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、主には、ヒータ30の加熱プロファイルに依存し得る。具体的には、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、基本的には、喫煙物品110の内部の温度プロファイルに対応したプロファイルであり得る。喫煙物品110の内部の温度プロファイルは、ヒータ30の加熱プロファイルに追従するため、概して、加熱プロファイルに対して時間的に遅れた形状になり易い。
したがって、第1期間P1における第1目標温度TA1を、加熱プロファイル全体を通じた最高温度に設定することによって、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、初期Q1において、急勾配の上昇カーブを形成し易くなる。また、第1期間P1後の第2期間P2の大半においてヒータ30の温度を第2目標温度TA2に維持することによって、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、中期Q2において、吸引ごとの変動が少ない安定期間SPを形成し易くなる。さらに、第2期間P2後の第3期間P3中に第2目標温度TA2よりも低い第3目標温度TA3に向けてヒータ30の温度を制御することによって、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、終期Q3において下降カーブを形成し易くなる。特に、第2目標温度TA2と第3目標温度TA3の温度差T23を小さくすることによって、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、終期Q3において、より緩勾配の下降カーブを形成し易くなる。以上のように、図8に例示した加熱プロファイルに従ってヒータ30の加熱制御を行うことによって、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、中期Q2において極大点を有する上に凸のカーブを全体として形成し易くなり、初期Q1において急勾配の上昇カーブを形成し易くなり、かつ終期Q3において緩勾配の下降カーブを形成し易くなる。
前述したように、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、主に、ヒータ30の加熱プロファイルに依存する。しかしながら、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、ヒータ30の形状、断熱材138の有無及び形状、喫煙物品110の大きさ、ヒータ30と喫煙物品110の接触度、並びに喫煙物品110に対するヒータ30の加熱部分の位置等の要素に応じて変化し得る。したがって、所望の主要エアロゾル成分の送達プロファイルを実現するために、ヒータ30の加熱プロファイルと、これらの要素を適宜組みあわせればよい。
例えば、ヒータ30が柱状の喫煙物品の外周を取り囲む筒形状を有する場合、喫煙物品110に伝わった熱が外部に逃げにくいため、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、ヒータ30の加熱プロファイルに追従しやすくなる。同様に、ヒータ30の半径方向外側に筒状の断熱材138が配置されている場合、喫煙物品110に伝わった熱が外部に逃げにくいため、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、ヒータ30の加熱プロファイルにより追従しやすくなる。この場合、初期Q1における送達プロファイルの増大スピードが相対的に大きくなるので、初期Q1における送達プロファイルの上昇カーブが、全体的に、より急勾配になりうる。一方、終期Q3における送達プロファイルの減少スピードが相対的に小さくなるので、終期Q3における送達プロファイルの下降カーブが、全体的に、より緩勾配になりうる。
また、喫煙物品110の大きさ、より具体的には喫煙物品110の径が小さいほど、喫煙物品110の外側からの熱が喫煙物品110の内部まで伝わりやすい。したがって、喫煙物品110の径が小さいほど、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、ヒータ30の加熱プロファイルに追従しやすくなる。
また、使用時にヒータ30と喫煙物品110の接触度が高いほど、ヒータ30からの熱が喫煙物品110に伝わりやすい。すなわち、喫煙物品110を挿入孔130に挿入した状態で、喫煙物品110と内側筒部材132との間に隙間が少ない方が、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、ヒータ30の加熱プロファイルに追従しやすくなる。
また、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、喫煙物品110とヒータ30との位置関係にも依存し得る。再び図7を参照すると、ヒータ30は、喫煙物品110においてエアロゾル源を含有する基材部11Aから、エアロゾル源を含有しない紙管部114にわたって延びるよう配置されることが好ましい。これにより、ヒータ30からの熱が基材部11Aの下流側端面及びその近傍に十分に伝わりやすいため、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、ヒータ30の加熱プロファイルに追従しやすくなる。さらに、内周面で喫煙物品110に接触し、外周面でヒータ3に接触する内側筒部材132も、エアロゾル源を含有する基材部11Aから、エアロゾル源を含有しない紙管部114にわたって延びるよう配置されることが好ましい。特に、内側筒部材132の下流側端部は、ヒータ30の下流側端部よりも下流側に突き出していることが好ましい。これにより、基材部11Aの下流側端面だけでなく、紙管部114の上流側端面及びその近傍も十分加熱できるので、そこでのエアロゾルの凝集が抑制されるため、送達プロファイルが全体的に増加する要因となる。なお、ヒータ30の加熱部分31は、積極的に加熱される部分である。発熱抵抗体を含むヒータの場合、ヒータ30の加熱部分31は、発熱抵抗体を指す。
さらに、主要エアロゾル成分の送達プロファイルは、喫煙物品110を構成する成分にも起因し得る。より具体的には、喫煙物品110に含まれる水分量が、主要エアロゾル成分の送達プロファイルの初期Q1における増大スピードに影響することがある。例えば、喫煙物品110に含まれる水分量が比較的多い場合、ヒータ30からの熱がエアロゾル源を加熱する代わりに水分を気化するのに用いられるため、主要エアロゾル成分の送達プロファイルの増大スピードを小さくする要因となり得る。これにより、初期Q1における送達プロファイルが、全体的に、より緩勾配になることがある。前述した通り、喫煙物品110中の水分に由来するエアロゾルは、通常、主要エアロゾル成分には含まれない。
以上のような送達プロファイルに影響を与える要素を考慮しつつ、ヒータ30の加熱プロファイルを適宜設定することによって、前述した望ましい主要エアロゾル成分の送達プロファイルを実現できる。
(プログラム及び記憶媒体)
前述した加熱プロファイル及び/又は主要エアロゾル成分の送達プロファイルを実現するための制御フローは、制御部22が実行することができる。すなわち、本発明は、香味吸引器100及び/又はエアロゾル生成装置120に前述の方法を実行させるプログラム、当該プログラムが格納された記憶媒体をも含んでいてよい。このような記憶媒体は、非一過性の記憶媒体であってよい。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。

Claims (17)

  1. エアロゾル源を含む喫煙物品の外周を加熱可能に構成されたヒータと、
    前記ヒータを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、予め定めた吸引可能期間におけるエアロゾルの送達プロファイルが、前記吸引可能期間の始点と終点との間で1つ又は複数の極大値を有するように、前記ヒータを制御するよう構成され、
    前記吸引可能期間は、複数の吸引にわたる期間であり、前記送達プロファイルは、各吸引において吸引されるエアロゾル量の値を、前記複数の吸引にわたって、各吸引が行われる時間ごとにプロットした離散的な、または近似曲線による連続的なプロファイルを表す、
    エアロゾル生成装置。
  2. 前記ヒータは、柱状の前記喫煙物品の外周を取り囲む筒形状を有する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
  3. 前記ヒータの半径方向外側に配置された筒状の断熱材を有する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
  4. 前記喫煙物品は、エアロゾル源を含む基材部と、エアロゾル源を含まない管部と、を含み、
    前記ヒータの加熱部分は、前記喫煙物品の前記基材部から、前記喫煙物品の前記管部にわたって前記喫煙物品を加熱するように配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
  5. 前記管部は紙管により構成される、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
  6. 前記制御部は、第1期間中に第1目標温度に向けて前記ヒータの温度を制御し、第1期間後の第2期間中に前記第1目標温度よりも低い第2目標温度に向けて前記ヒータの温度を制御し、第2期間後の第3期間中に前記第2目標温度よりも低い第3目標温度に向けて前記ヒータの温度を制御するよう構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
  7. 前記第1目標温度と前記第2目標温度との差は、前記第2目標温度と前記第3目標温度との差よりも大きい、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
  8. 前記終点におけるエアロゾルの送達量は、前記始点におけるエアロゾルの送達量よりも大きい、請求項1から7のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
  9. 前記送達プロファイルは、
    時間軸に対して漸増する勾配を有して増加する初期と、
    時間軸に対して漸減する勾配を有して減少する終期と、
    前記初期と前記終期の間で1つ又は複数の極大値を有する中期と、
    を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
  10. 前記終期における前記勾配の最大値は、前記初期における前記勾配の最大値よりも小さい、請求項9に記載のエアロゾル生成装置。
  11. 前記終期における前記勾配の最小値は、前記初期における前記勾配の最小値よりも小さい、請求項9又は10に記載のエアロゾル生成装置。
  12. 前記中期は、前記初期及び前記終期の各々よりも長い、請求項9から11のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
  13. 前記中期は、前記初期と前記終期の合計の期間と同じか又は当該期間よりも長い、請求項9から12のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
  14. 前記中期は、前記勾配が、前記初期における前記勾配の最小値よりも小さく、かつ前記終期における前記勾配の最小値よりも小さい安定期間を含み、
    前記安定期間は、前記初期及び前記終期の各々よりも長い、請求項9から13のいずれか1項に記載のエアロゾル生成装置。
  15. エアロゾル源を含む喫煙物品の外周を加熱可能に構成されたヒータを制御するための制御部を備えた制御ユニットであって、
    前記制御部は、予め定めた吸引可能期間におけるエアロゾルの送達プロファイルが、前記吸引可能期間の始点と終点との間で1つ又は複数の極大値を有するよう、前記ヒータの温度を制御するよう構成され、
    前記吸引可能期間は、複数の吸引にわたる期間であり、前記送達プロファイルは、各吸引において吸引されるエアロゾル量の値を、前記複数の吸引にわたって、各吸引が行われる時間ごとにプロットした離散的な、または近似曲線による連続的なプロファイルを表す、
    制御ユニット。
  16. エアロゾル源を含む喫煙物品の外周を加熱するヒータを制御する方法であって、
    予め定めた吸引可能期間におけるエアロゾルの送達プロファイルが、前記吸引可能期間の始点と終点との間で1つ又は複数の極大値を有するよう、前記ヒータを制御するステップを含み、
    前記吸引可能期間は、複数の吸引にわたる期間であり、前記送達プロファイルは、各吸引において吸引されるエアロゾル量の値を、前記複数の吸引にわたって、各吸引が行われる時間ごとにプロットした離散的な、または近似曲線による連続的なプロファイルを表す、
    方法。
  17. 請求項16に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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