JP2023102537A - 作業支援システム、作業支援方法及び作業支援プログラム - Google Patents

作業支援システム、作業支援方法及び作業支援プログラム Download PDF

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Mitsuya Nakamura
雄一 池田
Yuichi Ikeda
泰志 森
Yasushi Mori
新 吉田
Arata Yoshida
悠 四宮
Yu Shinomiya
和樹 前澤
Kazuki Maezawa
澄人 竹内
Sumito Takeuchi
典良 木股
Noriyoshi Kimata
義範 那須
Yoshinori Nasu
憲一 宮部
Kenichi Miyabe
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Abstract

【課題】作業現場において、効率的かつ的確な墨出し作業を支援するための作業支援システム、作業支援方法及び作業支援プログラムを提供する。【解決手段】作業支援システムA1は、BIMを用いて、仮想空間に3次元モデルを配置して設計を行なう管理装置10と、仮想空間に配置された要素の3次元モデルを表示する作業支援装置30と、を備える。そして、作業支援装置30が、現実空間において、カメラ30bにより撮影された視野を特定し、視野に含まれる範囲の3次元モデルを特定し、現実空間に既設のオブジェクトと、3次元モデルとで、現実空間と仮想空間との位置合わせを行ない、後続して配置されるオブジェクトの3次元モデルを、平面に投影した2次元画像を生成し、視野の仮想空間内に2次元画像を表示する。【選択図】図1

Description

本開示は、工事現場での墨出し作業を支援する作業支援システム、作業支援方法及び作業支援プログラムに関する。
建築工事において、工事の進行に必要な線・形や寸法を表示する墨出しが行なわれている。この墨出し作業では、複数の基準点を設定し、それを結ぶ基準線に基づいて、寸法測定、角度出しを行なって、線引き図を実寸描写する。この墨出し作業の効率化を図るための技術が検討されている(特許文献1を参照)。この文献に記載された技術では、施工空間における任意の位置に、MR(複合現実)の相関位置を認識させる基準点を設置し、MR視野に表示される、線引き図の線の寸法精度を維持するために基準点切替え時に設置する基準点の相関位置の誤差修正を行なう。
特開2020-019129号公報
ところで、構築済み構造物が設計どおりに構築されているとは限らない。このため、構築済み構造物の既設鉄筋の位置に基づいて新たな配筋の墨出しを行なう場合、設計どおりの墨出しを行なうことができない場合がある。この場合、既設鉄筋の位置と、将来の配筋を考慮して墨出しを行なわなければ、構造物間の干渉が生じることがある。
上記課題を解決するための作業支援システムは、BIMを用いて、仮想空間に3次元モデルを配置して設計を行なう管理装置と、仮想空間に配置された要素の3次元モデルを表示する作業支援装置と、を備える。前記作業支援装置が、現実空間において、カメラにより撮影された視野を特定し、前記視野に含まれる範囲の3次元モデルを特定し、前記現実空間に既設のオブジェクトと、前記仮想空間内の前記3次元モデルとで、前記現実空間と前記仮想空間との位置合わせを行ない、後続して配置されるオブジェクトの3次元モデルを、平面に投影した2次元画像を生成し、前記視野の仮想空間内に前記2次元画像を表示する。
本開示は、作業現場において、効率的かつ的確な墨出し作業を支援することができる。
実施形態のシステムの説明図である。 実施形態のハードウェア構成の説明図である。 実施形態のBIM情報記憶部の説明図である。 実施形態で用いる情報の関係を説明する説明図である。 実施形態の処理手順の説明図である。 実施形態の処理手順の説明図である。 実施形態の仮想空間内における3次元モデルを説明する説明図である。 実施形態の表示画面の説明図である。 実施形態の表示画面の説明図である。
以下、図1~図9を用いて、作業支援システム、作業支援方法及び作業支援プログラムを具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、建物の建設現場において、杭頭の3次元画像と現場状況とを比較しながら、墨出し作業を行なう場合に用いる作業支援システム、作業支援方法及び作業支援プログラムとして説明する。
本実施形態では、図1に示すように、作業支援システムA1は、ネットワークを介して相互に接続された管理装置10、支援サーバ20、作業支援装置30を用いる。
(ハードウェア構成の説明)
図2を用いて、管理装置10、支援サーバ20、作業支援装置30を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアによって実現することも可能である。
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
入力装置H12は、各種情報の入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。なお、入力装置H12及び表示装置H13として、タッチパネルディスプレイを用いてもよい。
記憶装置H14は、管理装置10、支援サーバ20、作業支援装置30の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、管理装置10、支援サーバ20、作業支援装置30における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各処理のための各種プロセスを実行する。
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、以下で構成し得る。
〔1〕コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
〔2〕各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路
〔3〕それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
(システム構成)
次に、図1を用いて、作業支援システムA1の各機能を説明する。
管理装置10は、BIM(Building Information Modeling)を用いて、構造物の設計処理(3次元CAD処理)を行なうためのコンピュータ端末である。このBIMでは、建築に用いる要素の形状だけではなく、建物要素の属性(プロパティ)を管理することができる。この管理装置10は、オペレーティングシステム上で動作するBIMアプリケーションにより、BIM実行部11として機能する。
BIM実行部11は、BIM技術により、各要素を3次元モデル(オブジェクト)により表現して仮想3次元空間内に配置することにより、3次元CAD(computer-aided design)を実現する。各3次元モデルは、建築に関する各種情報を属性として保持している。
支援サーバ20は、複合現実(MR:Mixed Reality)を利用して、現場状況の管理を支援する処理を実行するコンピュータシステムである。この支援サーバ20は、制御部21、BIM情報記憶部22、表示モデル記憶部23を備える。
制御部21は、後述する処理(変換段階、管理段階等を含む処理)を行なう。このための処理プログラムを実行することにより、制御部21は、変換部211、管理部212等として機能する。
変換部211は、3次元CADデータを、複合現実の3次元仮想空間に表示可能なデータに変換する。ここでは、BIMを利用して設計された3次元CADデータを、軽量化、ポリゴン化して、作業支援装置30の表示アプリケーションで利用可能なフォーマットに変換する。
管理部212は、作業支援装置30から現場状況を取得し、BIM情報記憶部22に記録する。
図3に示すように、BIM情報記憶部22には、BIMを用いて作成したBIMモデル情報220が記録される。このBIMモデル情報220は、3次元CADを用いて、建築物の設計を行なった場合に記録される。BIMモデル情報220は、プロジェクト情報に対して、3次元モデル情報(要素モデル、配置情報、属性情報)を含む。本実施形態では、杭頭、基礎梁配筋等の3次元モデルを用いる。
プロジェクト情報は、プロジェクトID、作業現場の名称、経度・緯度、建設現場の方位等に関する情報を含む。
要素モデルは、作業現場を構成する各要素の3次元形状(3次元モデル)に関する情報である。本実施形態では、建築要素オブジェクト、マーカオブジェクトが用いられる。建築要素オブジェクトは、建築に用いる資機材に関するオブジェクトである。この建築要素オブジェクトとして、杭頭オブジェクト、配筋オブジェクトが含まれる。杭頭オブジェクトは、杭頭のコンクリート領域に関するオブジェクトである。この杭頭オブジェクトにより、杭頭のコンクリートの外縁を把握することができる。配筋オブジェクトは、杭主筋、杭頭補強筋、基礎梁主筋等に関するオブジェクトである。マーカオブジェクトは、3次元仮想空間と現実空間との位置合わせに用いるオブジェクトである。
配置情報は、3次元モデルを配置(3次元仮想空間内の座標)に関する情報を含む。
属性情報は、この要素モデルのオブジェクトIDを含む。オブジェクトIDは、各要素の3次元形状(3次元モデル)を特定するための識別子に関する情報である。建築要素オブジェクトには、更に、仕様(資機材の種類、規格、寸法、面積、体積、素材、価格等)、工程に関するプロパティ情報が記録される。マーカオブジェクトには、属性情報としてマーカIDが記録される。
表示モデル記憶部23は、複合現実の3次元仮想空間において表示可能な3次元モデル(MRモデル情報)が記録される。このMRモデル情報は、BIMモデル情報220の変換処理を行なった場合に記録される。このMRモデル情報にも、BIMモデル情報220と同様に、3次元仮想空間における配置情報、属性情報が記録されている。
図1に示す作業支援装置30は、現場において墨出しを支援するコンピュータ端末(モバイル端末)である。例えば、HoloLens(登録商標)等のヘッドマウント(HMD:Head Mounted Display)端末を用いる。この作業支援装置30は、表示部30a、カメラ30b、操作部30c、位置特定部30dを備える。更に、作業支援装置30は、作業支援プログラムを実行することにより、MR処理部31、作業支援部32を実現するとともに、表示モデル記憶部35を備える。
表示部30aは、各種情報を入力するために用いる。各種情報を出力するための出力部として機能する。
カメラ30bは、被写体を撮影する撮影部である。
操作部30cは、各種情報を入力するための操作に用いる。例えば、マイクで集音した音声の音声認識や、カメラ30bで撮影した画像によるジェスチャを用いて操作入力を行なう。
位置特定部30dは、自己位置推定により、作業支援装置30の現在地を特定する処理を実行する。この自己位置推定には、例えば、カメラ30bで逐次撮影された画像の相対的な変化に応じて移動距離を推定する視覚オドメトリー技術(VO:visual odometry)を用いることができる。この技術では、位置特定部30dは、撮影画像内の特徴点の検出、特徴点の相関位置関係に応じて、カメラ30bの動きを推定する。なお、位置の特定は、視覚オドメトリー技術を用いる方法に限定されるものではない。例えば、3軸の加速度センサやジャイロセンサ等のIMU(Inertial Measurement Unit)を用いたり、併用したりして、VIO(visual-inertial odometry)を行なうようにしてもよい。
MR処理部31は、カメラ30bによって撮影した画像に対して、表示モデル記憶部35に記録されたMRモデルを重畳して表示する処理を実行する。
作業支援部32は、カメラ30bによる撮影画像とMRモデルとを比較して、作業現場における墨出しを支援する処理を実行する。
表示モデル記憶部35には、支援サーバ20から取得した表示モデルが記録される。
〔作業支援処理〕
図4~図9を用いて、作業支援処理を説明する。
本実施形態では、図4に示す既設物410の3次元モデル、後続物420の3次元モデルを表示させることにより、後続物の配筋位置の墨出しを行なう。ここでは、既設物410としての杭頭に対して、後続物420としての杭頭補強筋、基礎梁主筋の位置の平面表示430を行なう。そして、この平面表示430を用いて、既設物410に対して、後続物420である杭頭補強筋の墨出し位置440を特定できる。
以下では、墨出し位置440を特定するための設計処理(図5)、墨出し処理(図6)を説明する。
(設計処理)
図5を用いて、墨出しのための設計処理を説明する。ここでは、建物の杭や基礎梁の設計を行なう。
まず、管理装置10のBIM実行部11は、3次元モデル生成処理を実行する(ステップS101)。具体的には、管理装置10のBIM実行部11は、プロジェクト情報に関連付けたCAD画面を表示装置H13に出力する。
そして、ユーザは、BIM実行部11によって出力されたCAD画面上で、建物を構成する各要素(オブジェクト)の3次元要素モデルを配置することにより、設計を行なう。各要素についての属性情報が入力された場合、BIM実行部11は、BIMモデルの属性情報として記録する。
本実施形態では、図7に示すように、杭頭周辺の3次元モデル500を生成する。3次元モデル500には、建築要素オブジェクトとして、杭頭501、杭頭補強筋502、基礎梁主筋503等の3次元モデルが含まれる。
次に、管理装置10のBIM実行部11は、位置補正マーカの設置処理を実行する(ステップS102)。具体的には、ユーザは、管理装置10のBIM実行部11を用いて、建物の所定位置に、所定の向きで、位置補正マーカ(第1位置補正マーカ)を設置する。この位置補正マーカも、BIM上での一つのオブジェクトである。この場合、BIM実行部11は、このオブジェクトの属性情報として「マーカ」、「マーカID」、「マーカ寸法」を設定する。本実施形態では、位置補正マーカを、例えば、杭の通り芯の交点等、現場において、位置決め容易で、配置し易い場所に設定する。
ここでは、図7に示すように、杭頭の通り芯上に、マーカオブジェクト504の3次元モデルを配置する。
次に、支援サーバ20の制御部21は、MR用データ変換処理を実行する(ステップS103)。具体的には、管理装置10に設定完了が入力された場合、制御部21の変換部211は、BIM情報記憶部22に記録されたBIMモデル情報220のBIMモデルを、複合現実の仮想空間内で表示可能なMRモデルに変換する。ここでは、3次元モデルを軽量化してポリゴン化し、作業支援装置30のMR処理部31で表示可能な形式のMRモデルを生成する。このMRモデルには、建築要素オブジェクト、マーカオブジェクトの3次元モデルが含まれる。
(墨出し支援処理)
次に、図6を用いて、墨出し支援処理を説明する。ここでは、現場において、BIMにおいて設定された位置補正マーカに対応する位置に、予め位置補正マーカ(第2位置補正マーカ)を印刷したマーカ印刷シートを配置しておく。このマーカ印刷シートには、位置補正マーカが、BIMで作成された所定の大きさで、位置補正マーカが印刷されている。位置補正マーカとしては、マーカIDをコード化した2次元コード画像を用いる。この2次元コード画像は、3次元で設計した所定の大きさの矩形状の外枠を有しており、3次元仮想空間で配置された向きに置く。そして、作業支援装置30において、作業支援プログラムを実行させて、MR処理部31を起動する。
ます、作業支援装置30は、プロジェクト選択処理を実行する(ステップS201)。具体的には、ユーザは、支援サーバ20の表示モデル記憶部23に記録されたプロジェクトを選択する。この場合、MR処理部31は、表示モデル記憶部23から、選択されたプロジェクトのMRモデルを取得し、表示モデル記憶部35に記録する。
次に、作業支援装置30は、位置補正マーカ撮影処理を実行する(ステップS202)。具体的には、ユーザは、位置補正マーカが配置されている場所まで移動する。そして、表示部30aで位置補正マーカを確認する。
この場合、図8に示す表示画面510が、作業支援装置30の表示部30aに表示される。
そして、現場に配置されたシート511を、作業支援装置30のカメラ30bで捉える。作業支援装置30は、カメラ30bの撮影画像でマーカを認識した場合、表示部30aに、マーカを特定する四角形枠を表示する。
次に、作業支援装置30は、位置補正マーカのデコード処理を実行する(ステップS203)。具体的には、MR処理部31は、シート511の位置補正マーカをデコードして、マーカID、マーカ寸法を取得する。
次に、作業支援装置30は、マーカ位置合わせ処理を実行する(ステップS204)。具体的には、MR処理部31は、撮影された2次元コード画像の撮影画像内の配置(形状、大きさ、向き)を、デコードしたマーカIDの仮想空間内の位置補正マーカの配置に対応させる。この対応付けにより、撮影された位置(座標)や向きを特定して、仮想空間内の座標軸を、現実空間内の座標軸に合わせるとともに、マーカ寸法に応じて縮尺を決定する。この結果、取得したMRモデルを用いて、作業支援装置30のカメラ30bを視点とする仮想空間の視野画像を、カメラ30bの撮影画像に写像可能なように位置合わせを実現する。カメラ30bの撮影画像と、3次元仮想空間の視野内の表示対象のMRモデル画像とを重畳させた複合現実画像を表示する。更に、MR処理部31は、表示部30aに、スライダを表示する。このスライダを用いることにより、表示部30aに表示されるMRモデル画像の重畳度を調整することができる。この重畳度の調整により、必要に応じてMRモデルの線の濃淡を調整する。
次に、作業支援装置30は、オブジェクトの特定処理を実行する(ステップS205)。具体的には、作業支援部32は、表示モデル記憶部35を用いて、杭頭から上方の所定範囲内に配置されている建築要素オブジェクトを特定する。建築要素オブジェクトには、杭頭の外縁部、杭主筋、基礎梁主筋、杭頭補助筋等に関するオブジェクトが含まれる。ここでは、特定する所定範囲は、墨出しを行なう建築要素(杭頭補助筋)の長さに応じた範囲(競合する可能性がある範囲)を用いる。
次に、作業支援装置30は、平面化処理を実行する(ステップS206)。具体的には、作業支援部32は、特定した建築要素オブジェクトを、平面に投影させた平面図(2次元画像)を生成する。本実施形態では、杭頭補強筋は鉛直方向に立設されるため、この鉛直方向に直交する水平面に投影させた平面図を生成する。
次に、作業支援装置30は、重畳度に応じて、オブジェクトの表示処理を実行する(ステップS207)。具体的には、MR処理部31は、表示部30aに、杭頭の上方(例えば、1~20cm)に、生成した平面図を出力する。この場合、スライダで調整された重畳度に応じた濃淡の平面図を表示する。
図8に示すように、表示画面510には、平面図512において、杭頭513、杭頭補強筋514、基礎梁主筋515が表示される。
図9は、作業支援装置30において、図8の表示画面510とは視野が異なる状態で表示される表示画面520である。視野が変わった場合も、表示画面520には、視野の変更に追従して、平面図512において、杭頭513、杭頭補強筋514、基礎梁主筋515が表示される。
次に、作業支援装置30は、位置合わせ処理を実行する(ステップS208)。具体的には、ユーザは、仮想空間の視野画像(MR画像)における杭頭の外縁部と、カメラ30bの撮影画像における杭頭の外縁部との位置を確認する。両者がずれている場合には、操作部30cを用いて、MR画像の杭位置を、実際の杭頭の外縁部に一致させる位置合わせ操作を行なう。この場合、作業支援部32は、位置合わせ操作情報(オブジェクトID、移動方向、移動量)を支援サーバ20に送信する。そして、制御部21の管理部212は、位置合わせ操作情報に応じて、BIM情報記憶部22の杭頭の建築要素オブジェクトを移動させる。更に、仮想空間の視野画像(MR画像)における杭頭に露出している杭主筋と、カメラ30bの撮影画像における杭主筋との位置を確認する。両者がずれている場合には、操作部30cを用いて、MR画像の杭主筋位置を、実際の杭主筋に一致させる位置合わせ操作を行なう。この場合も、作業支援部32は、位置合わせ操作情報(オブジェクトID、移動方向、移動量)を支援サーバ20に送信する。そして、制御部21の管理部212は、位置合わせ操作情報に応じて、BIM情報記憶部22の杭主筋の建築要素オブジェクトを移動させる。
次に、作業支援装置30は、墨出し支援処理を実行する(ステップS209)。具体的には、作業支援部32は、後続して配置する建築要素(杭頭補助筋)を特定する。そして、作業支援部32は、表示部30aに出力された平面図において、杭頭補助筋の位置を墨出し位置として出力する。
杭頭補助筋が、後続に配置される基礎梁主筋の一部と重複する位置にある場合には、ユーザは、杭頭補助筋の位置をずらす移動操作を行なう。この場合も、作業支援部32は、移動操作情報(オブジェクトID、移動方向、移動量)を支援サーバ20に送信する。そして、制御部21の管理部212は、移動操作情報に応じて、BIM情報記憶部22の杭頭補助筋の建築要素オブジェクトを移動させる。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、管理装置10のBIM実行部11は、位置補正マーカの設置処理を実行する(ステップS102)。そして、作業支援装置30は、位置補正マーカ撮影処理(ステップS202)、位置補正マーカのデコード処理(ステップS203)、マーカ位置合わせ処理(ステップS204)を実行する。これにより、3次元により設計されたオブジェクトと、現実空間のオブジェクトとの位置合わせを行なうことができる。
(2)本実施形態では、管理装置10のBIM実行部11は、位置補正マーカの設置処理を実行する(ステップS102)。ここでは、位置補正マーカを、現場において、位置決め容易で、配置し易い場所に設定する。これにより、作業現場での基準位置を用いて、位置合わせのためのマーカを配置することができる。
(3)本実施形態では、作業支援装置30は、オブジェクトの特定処理(ステップS205)、平面化処理(ステップS206)を実行する。これにより、平面内で、各建築要素の配置を確認することができる。墨出しを行なう建築要素(本実施形態では杭頭補強筋)の延在方向に直交する平面に投影させた平面図を生成するので、延在方向で競合する可能がある建築要素の配置を効率的に確認することができる。杭頭の上方(例えば、1~20cm)に平面図が出力されるので、従来の設計図面を用いた現場作業と同様に、墨出しを行なうことができる。
(4)本実施形態では、作業支援装置30は、位置合わせ処理を実行する(ステップS208)。これにより、現実の配置に応じて、BIMモデル情報220を修正することができる。
(5)本実施形態では、作業支援装置30は、重畳度に応じて、オブジェクトの表示処理を実行する(ステップS207)。これにより、現実画像に対して、3次元仮想画像が重畳されるので、現実空間において特定し、墨出しを行なうことができる。
(6)本実施形態では、作業支援装置30は、墨出し支援処理を実行する(ステップS209)。これにより、既設の建築要素や、後で設置される建築要素を考慮して、各建築要素が重ならない墨出し位置を特定することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、建物の建設現場において、3次元画像と現場状況とを比較しながら墨出しを行なう。ここでは、杭頭において、杭頭補強筋の墨出しを行なった。本開示の適用対象は、杭頭に限定されるものではない。既設の要素で現実空間と仮想空間との位置合わせを行ない、後続して配置される建築要素の配置を考慮して、墨出しを行なうことができる。
・上記実施形態では、管理装置10、支援サーバ20及び作業支援装置30を用いる。ハードウェア構成は、これらに限定されるものではない。例えば、管理装置10や作業支援装置30において、3次元モデル情報からMRモデル情報に変換するようにしてもよい。この場合には、変換部211を各端末に設ける。
・上記実施形態では、作業支援装置30として、ヘッドマウント端末を用いる。これに代えて、表示部30a、操作部30cの両機能を備えたタッチパネルディスプレイを備えたタブレット端末を用いてもよい。
・上記実施形態では、作業支援装置30の位置特定部30dは、自己位置推定により、作業支援装置30の現在地を特定する処理を実行する。作業支援装置30の現在位置の特定方法は、これに限定されるものではない。例えば、GPS(Global Positioning System)を用いてもよい。また、LIDAR(Light Detection and Ranging)技術を用いてもよい。
・上記実施形態では、管理装置10のBIM実行部11は、位置補正マーカの設置処理を実行する(ステップS102)。位置合わせに用いる位置補正マーカは、2次元コード画像に限定されるものではない。固有の識別子として認識できるものであれば、2次元画像だけでなく3次元形状でもよい。この場合も、3次元のマーカオブジェクトにマーカ属性を付与することで、2次元コード画像と同様に位置合わせが可能となる。例えば、現場において、既に配置されている既設オブジェクトを位置補正マーカとして利用してもよい。既設オブジェクトとしては、早い段階で配置される建築要素を用いることができる。この場合には、位置特定部30dが、画像認識処理により、既設オブジェクトを認識する。そして、位置特定部30dが、認識したオブジェクト配置及び形状と、3次元モデル情報の要素モデルの配置(形状、大きさ、向き)とを比較して、位置合わせを行なう。
・上記実施形態では、作業支援装置30は、平面化処理を実行する(ステップS206)。具体的には、作業支援部32は、特定した建築要素オブジェクトを、水平面内に投影させた平面図を生成する。平面内に投影すれば、水平面に限定されるものではない。例えば、鉛直面等、墨出しを行なう場所や要素に応じて、平面の配置を変更する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(a)前記既設のオブジェクトの延在方向に対して直交する平面に、前記後続して配置されるオブジェクトの3次元モデルを投影することを特徴とする請求項1に記載の作業支援システム。
(b)前記現実空間に既設のオブジェクトと、前記3次元モデルとで、前記現実空間と前記仮想空間との位置合わせを行なう場合、前記位置合わせに応じて、前記BIMを用いて前記仮想空間内に配置された3次元モデルの位置を修正することを特徴とする請求項1又は(a)に記載の作業支援システム。
(c)3次元を用いて、仮想空間に配置されたオブジェクトの3次元モデルを記録する表示モデル記憶部に接続された作業支援装置であって、
前記作業支援装置が、
現実空間において、カメラにより撮影された位置補正マーカと、前記3次元の前記仮想空間に配置された位置補正マーカの3次元モデルとの位置関係により、前記現実空間と前記仮想空間との位置合わせを行ない、
前記仮想空間に配置されたオブジェクトを、前記カメラによる撮影画像に重畳した複合現実画像を出力するMR処理部を備えることを特徴とする作業支援装置。
A1…作業支援システム、10…管理装置、11…BIM実行部、20…支援サーバ、21…制御部、211…変換部、212…管理部、22…BIM情報記憶部、23…表示モデル記憶部、30…作業支援装置、30a…表示部、30b…カメラ、30c…操作部、30d…位置特定部、31…MR処理部、32…作業支援部、35…表示モデル記憶部。

Claims (3)

  1. BIMを用いて、仮想空間に3次元モデルを配置して設計を行なう管理装置と、仮想空間に配置された要素の3次元モデルを表示する作業支援装置と、を備えた作業支援システムであって、
    前記作業支援装置が、
    現実空間において、カメラにより撮影された視野を特定し、
    前記視野に含まれる範囲の3次元モデルを特定し、
    前記現実空間に既設のオブジェクトと、前記仮想空間内の前記3次元モデルとの位置合わせを行ない、
    後続して配置されるオブジェクトの3次元モデルを、平面に投影した2次元画像を生成し、
    前記視野の仮想空間内に前記2次元画像を表示することを特徴とする作業支援システム。
  2. BIMを用いて、仮想空間に3次元モデルを配置して設計を行なう管理装置と、仮想空間に配置された要素の3次元モデルを表示する作業支援装置と、を備えた作業支援システムを用いて、作業支援を行なう方法であって、
    前記作業支援装置が、
    現実空間において、カメラにより撮影された視野を特定し、
    前記視野に含まれる範囲の3次元モデルを特定し、
    前記現実空間に既設のオブジェクトと、前記仮想空間内の前記3次元モデルとの位置合わせを行ない、
    後続して配置されるオブジェクトの3次元モデルを、平面に投影した2次元画像を生成し、
    前記視野の仮想空間内に前記2次元画像を表示することを特徴とする作業支援方法。
  3. BIMを用いて、仮想空間に3次元モデルを配置して設計を行なう管理装置と、仮想空間に配置された要素の3次元モデルを表示する作業支援装置と、を備えた作業支援システムを用いて、作業支援を行なうプログラムであって、
    前記作業支援装置を、
    現実空間において、カメラにより撮影された視野を特定し、
    前記視野に含まれる範囲の3次元モデルを特定し、
    前記現実空間に既設のオブジェクトと、前記仮想空間内の前記3次元モデルとの位置合わせを行ない、
    後続して配置されるオブジェクトの3次元モデルを、平面に投影した2次元画像を生成し、
    前記視野の仮想空間内に前記2次元画像を表示する手段として機能させることを特徴とする作業支援プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102659582B1 (ko) * 2024-01-05 2024-04-22 주식회사 커넥트코리아 건축 구조 기반 평면도 생성 및 편집 방법, 장치 및 시스템

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