JP2023101262A - プロゲステロン定量用イムノクロマト測定キット - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、酪農の現場において血液や乳汁などの生体試料中のプロゲステロン濃度を迅速、簡便、安価に測定可能なイムノクロマト測定キットを提供する。【解決手段】 本発明は、生体試料中のプロゲステロンを定量するためのイムノクロマト測定キットであって、前記生体試料を希釈するための検体希釈液、競合試薬、およびイムノクロマトストリップを含み、前記イムノクロマトストリップは、試料添加部材、含浸部材、膜担体、吸収部材が順に連接配置されてなり、前記含浸部材には、ランタノイド錯体で標識された抗ビオチン抗体またはアビジンまたはストレプトアビジンが含浸されており、前記膜担体は、抗プロゲステロン抗体が固定化されたテストラインを備えることを特徴とする測定キットである。【選択図】なし
Description
本発明は、牛から得られる生体試料中のプロゲステロンを定量するためのイムノクロマト測定キットに関する。より詳しくは、生体試料(検体)を希釈するための検体希釈液、競合試薬およびイムノクロマトストリップからなる、生体試料中のプロゲステロンを定量するための測定キットに関する。
酪農経営にとって乳牛が妊娠することは、牛乳を搾る上での必要条件である。乳牛が妊娠し、分娩して初めて牛乳の生産が開始される。より多くの妊娠牛を確保することは、酪農の経営安定化には最も重要である。受精後、不受胎になった場合には、経済的損失を抑えるためになるべく早期に再交配を行うなどの対処が必要となる。従って、授精後に妊娠診断を行い、妊娠の成否をなるべく早期に知ることは極めて重要である。乳牛の妊娠検査は、直腸検査法、携帯型超音波画像診断装置を用いた診断、70日ノンリターン法(授精後70日を経て発情がなければ妊娠したと判定する方法)などの方法により、従来から実施されてきている。一方、新たな妊娠検査法として、血中や乳汁中のプロゲステロンを測定する方法も提唱されている。(非特許文献1、非特許文献2)。
しかしながら、これまでのRIAやEIAによるホルモン測定は、操作が煩雑で結果が出るまでに長時間を要し、酪農の現場では応用価値が低いものであると思われる。即ち、酪農の現場においては、生体材料中のプロゲステロン濃度を簡便に測定する技術が求められている。
非特許文献1、2には、牛の血中や乳汁中のプロゲステロンをイムノクロマトストリップを用いて測定する技術が開示されている。また、特許文献1には、プロゲステロンをイムノクロマト法を用いて測定する技術が開示されている。
乳汁は血液よりも採取が容易であることから、乳汁中プロゲステロン測定により牛の妊娠/非妊娠を知ることが出来れば農家の負担軽減、生産性向上に繋がると期待できる。しかし、非妊娠状態であれば、乳汁中のプロゲステロンはしばしば1ng/mL未満となることから、より高感度かつ簡便にプロゲステロンの測定が可能な測定キットが望まれている。
Talanta,132,685-689,2015
J.of Dairy Sci.,103(7),6600-6611,2020
本発明は、上記問題点を解決するために案出されたもので、血液や乳汁などの生体試料中に存在するプロゲステロン濃度を高感度、かつ迅速・簡便に測定することができる測定キットを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に示す手段により上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1) 生体試料中のプロゲステロンを定量するためのイムノクロマト測定キットであって、前記生体試料を希釈するための検体希釈液、競合試薬、およびイムノクロマトストリップを含み、
前記イムノクロマトストリップは、試料添加部材、含浸部材、膜担体、吸収部材が順に連接配置されてなり、
前記含浸部材には、ランタノイド錯体で標識された抗ビオチン抗体またはアビジンまたはストレプトアビジンが含浸されており、
前記膜担体は、抗プロゲステロン抗体が固定化されたテストラインを備えることを特徴とする測定キット。
(2) 前記競合試薬は、プロゲステロンとビオチンとの複合体であることを特徴とする(1)に記載の測定キット。
(3) 前記ランタノイドは、ユウロピウムである、(1)または(2)に記載の測定キット。
(4) 前記生体試料は、全血、血漿、血清、または乳汁であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の測定キット。
(5) ウシの妊娠状態を判定するために用いられることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の測定キット。
(1) 生体試料中のプロゲステロンを定量するためのイムノクロマト測定キットであって、前記生体試料を希釈するための検体希釈液、競合試薬、およびイムノクロマトストリップを含み、
前記イムノクロマトストリップは、試料添加部材、含浸部材、膜担体、吸収部材が順に連接配置されてなり、
前記含浸部材には、ランタノイド錯体で標識された抗ビオチン抗体またはアビジンまたはストレプトアビジンが含浸されており、
前記膜担体は、抗プロゲステロン抗体が固定化されたテストラインを備えることを特徴とする測定キット。
(2) 前記競合試薬は、プロゲステロンとビオチンとの複合体であることを特徴とする(1)に記載の測定キット。
(3) 前記ランタノイドは、ユウロピウムである、(1)または(2)に記載の測定キット。
(4) 前記生体試料は、全血、血漿、血清、または乳汁であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の測定キット。
(5) ウシの妊娠状態を判定するために用いられることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の測定キット。
本発明により、酪農の現場において生体試料中のプロゲステロン濃度を高感度、かつ迅速、簡便に測定することが可能なプロゲステロン定量用のイムノクロマト測定キットが提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、生体試料中のプロゲステロンを定量するためのイムノクロマト測定キットであって、前記生体試料を希釈するための検体希釈液、競合試薬、およびイムノクロマトストリップを含み、前記イムノクロマトストリップは、試料添加部材、含浸部材、膜担体、吸収部材が順に連接配置されてなり、前記含浸部材には、ランタノイド錯体で標識された抗ビオチン抗体またはアビジンまたはストレプトアビジンが含浸されており、前記膜担体は、抗プロゲステロン抗体が固定化されたテストラインを備える測定キットである。
(生体試料)
本発明において、生体試料は、特に限定されるものではないが、血液(全血でも血清でも血漿でもよい)や乳汁等が適している。動物種も、ウシの他、ヒト、ブタ、ウマ、イヌ、ネコなどの生体試料を測定対象とすることが出来る。
本発明において、生体試料は、特に限定されるものではないが、血液(全血でも血清でも血漿でもよい)や乳汁等が適している。動物種も、ウシの他、ヒト、ブタ、ウマ、イヌ、ネコなどの生体試料を測定対象とすることが出来る。
(プロゲステロン)
プロゲステロンは、卵巣の黄体で合成されるステロイドホルモンの1種である。生体内で黄体ホルモンとして働いている物質のほとんどがプロゲステロンである。黄体ホルモンの主な働きは、子宮を妊娠の準備をするように変化させ、もし妊娠が起こった場合には、出産までの間、妊娠を維持させる役目を果たすことなどである。
プロゲステロンは、卵巣の黄体で合成されるステロイドホルモンの1種である。生体内で黄体ホルモンとして働いている物質のほとんどがプロゲステロンである。黄体ホルモンの主な働きは、子宮を妊娠の準備をするように変化させ、もし妊娠が起こった場合には、出産までの間、妊娠を維持させる役目を果たすことなどである。
(ランタノイド)
ランタノイド(Ln)とは、周期表で第6周期第3族に位置する15個の金属元素の総称である。これらの金属は他の分子との複合体(錯体)を形成したときに強い蛍光を発するが、その蛍光は、通常の有機化合物の蛍光に比べて、水中で約1万倍から10万倍という長い蛍光寿命を持つことが大きな特徴である。ランタノイド錯体の蛍光プローブを用いれば、励起光を当てた後に一定の時間を置いて(余分な蛍光が減衰してから)測定を開始することにより、高いS/N比で測定することが出来る。これは時間分解測定と呼ばれる。ランタノイド錯体として、前記特性を有するユウロピウム、テルビウム、サマリウム、ジスプロシウム等を利用することができる。
ランタノイド(Ln)とは、周期表で第6周期第3族に位置する15個の金属元素の総称である。これらの金属は他の分子との複合体(錯体)を形成したときに強い蛍光を発するが、その蛍光は、通常の有機化合物の蛍光に比べて、水中で約1万倍から10万倍という長い蛍光寿命を持つことが大きな特徴である。ランタノイド錯体の蛍光プローブを用いれば、励起光を当てた後に一定の時間を置いて(余分な蛍光が減衰してから)測定を開始することにより、高いS/N比で測定することが出来る。これは時間分解測定と呼ばれる。ランタノイド錯体として、前記特性を有するユウロピウム、テルビウム、サマリウム、ジスプロシウム等を利用することができる。
(ランタノイド標識)
ランタノイド錯体は、蛍光標識物質として抗体などのタンパク質に結合させることが出来る。例えば、市販の標識体作成のためのキット(QuickALLAssayTMユーロピウムキレートラベリングキット、BNpands、W1024)などを利用することが出来る。キットを利用して、例えば、ユウロピウム錯体標識した抗ビオチン抗体を作製することが出来る。
ランタノイド錯体は、蛍光標識物質として抗体などのタンパク質に結合させることが出来る。例えば、市販の標識体作成のためのキット(QuickALLAssayTMユーロピウムキレートラベリングキット、BNpands、W1024)などを利用することが出来る。キットを利用して、例えば、ユウロピウム錯体標識した抗ビオチン抗体を作製することが出来る。
(蛍光強度測定)
前述のように、ランタノイドは、通常の蛍光物質と比較し蛍光寿命が非常に長いという特徴がある。この特徴を利用した時間分解測定では、通常の蛍光が消光した後に測定を開始し、一定時間内の蛍光強度の測定を行う。更に、ランタノイドはストークスシフト(ユウロピウムの場合は、励起波長340nm,蛍光波長615nm)が非常に広いという特徴も持ち合わせているため、バックグラウンドの影響を最小限に抑えることができる。本発明の測定キットの蛍光強度測定には、ユウロピウムの時間分解測定に対応したイムノクロマトリーダーなどが好適に利用出来る。
前述のように、ランタノイドは、通常の蛍光物質と比較し蛍光寿命が非常に長いという特徴がある。この特徴を利用した時間分解測定では、通常の蛍光が消光した後に測定を開始し、一定時間内の蛍光強度の測定を行う。更に、ランタノイドはストークスシフト(ユウロピウムの場合は、励起波長340nm,蛍光波長615nm)が非常に広いという特徴も持ち合わせているため、バックグラウンドの影響を最小限に抑えることができる。本発明の測定キットの蛍光強度測定には、ユウロピウムの時間分解測定に対応したイムノクロマトリーダーなどが好適に利用出来る。
(検体希釈液)
本発明において、検体希釈液は、所定のpH範囲において充分な緩衝能力を有していれば、いかなる種類の緩衝剤を用いてもよく、例えば、トリス、リン酸、フタル酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、シュウ酸、ホウ酸、酒石酸、酢酸、炭酸、グッドバッファー(MES、ADA、PIPES、ACES、コラミン塩酸、BES、TES、HEPES、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシン)等が挙げられる。
本発明において、検体希釈液は、所定のpH範囲において充分な緩衝能力を有していれば、いかなる種類の緩衝剤を用いてもよく、例えば、トリス、リン酸、フタル酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、シュウ酸、ホウ酸、酒石酸、酢酸、炭酸、グッドバッファー(MES、ADA、PIPES、ACES、コラミン塩酸、BES、TES、HEPES、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシン)等が挙げられる。
本発明において、検体希釈液は、イムノクロマトストリップ上での生体試料の展開性を向上させ、かつ免疫反応に影響しない非イオン性界面活性剤を含むことが好ましい。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(Triton(登録商標)系界面活性剤等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij(登録商標)系界面活性剤等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween(登録商標)系界面活性剤等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。また、前記界面活性剤は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、検体希釈液中の界面活性剤の濃度は、生体試料の希釈倍率にもよるが0.01質量%以上0.2質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.2質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.15質量%以下がさらに好ましい。濃度が低すぎると、生体試料希釈液が展開しにくくなることがあり、濃度が高すぎると、テストラインのシグナルが低くなることがある。
また、検体希釈液は、競合反応の効率化、促進、特異性向上のために、ポリエチレングリコールおよび/または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。検体希釈液へのポリエチレングリコールおよび塩化ナトリウムの添加濃度は、生体試料希釈液中の終濃度がそれぞれ、1質量%以上4質量%以下、1質量%以上3質量%以下となるように添加するのが好ましい。なお、使用するポリエチレングリコールの数平均分子量は、好ましくは2000以上16000以下であり、より好ましくは5000以上10000以下である。数平均分子量が小さい場合、本発明に適した充分な抗原抗体反応の促進作用が得られないことがある。また、数平均分子量が大きい場合、同様に、抗原抗体反応の促進作用が得られないとか、検体希釈液の粘性が高くなり、イムノクロマトストリップ上の展開性が低下することがある。
(競合試薬)
本発明において、競合試薬は、生体試料中の遊離またはタンパク質に結合した状態のプロゲステロンと競合することが出来、かつ標識抗体により検出が可能であれば特に制限はない。競合試薬としては、プロゲステロンとビオチンとの複合体を用いるのが好ましい。複合体とすることによりプロゲステロンが安定し、また性能の良い抗体が入手し易いことから好ましい。詳細な理由は不明だが、プロゲステロンと低分子量であるビオチンとの複合体は、プロゲステロンとアルブミン等の高分子量物質との複合体よりも、生体試料中のプロゲステロンに対して競合原理が働きやすいと推測している。また、プロゲステロンと低分子量物質との複合体は、プロゲステロンと牛血清アルブミンなどのタンパク質(高分子量物質)との複合体よりも製造コストを低く抑えられるメリットもある。
本発明において、競合試薬は、生体試料中の遊離またはタンパク質に結合した状態のプロゲステロンと競合することが出来、かつ標識抗体により検出が可能であれば特に制限はない。競合試薬としては、プロゲステロンとビオチンとの複合体を用いるのが好ましい。複合体とすることによりプロゲステロンが安定し、また性能の良い抗体が入手し易いことから好ましい。詳細な理由は不明だが、プロゲステロンと低分子量であるビオチンとの複合体は、プロゲステロンとアルブミン等の高分子量物質との複合体よりも、生体試料中のプロゲステロンに対して競合原理が働きやすいと推測している。また、プロゲステロンと低分子量物質との複合体は、プロゲステロンと牛血清アルブミンなどのタンパク質(高分子量物質)との複合体よりも製造コストを低く抑えられるメリットもある。
なお、ビオチンと複合体を形成したプロゲステロンは不安定な化合物であり、光や熱によって二重結合の異性化が起こりやすく、また酸や空気、金属イオンとも反応しやすいため容易に分解してしまう畏れがある。そのため、競合試薬は低温、暗所にて使用時まで保存するのが好ましい。保存温度としては4℃以下が好ましく、-20℃以下がより好ましく、-80℃以下がさらに好ましい。
本発明において、生体試料1mLに対して競合試薬を10pg以上1ng以下添加するのが好ましい。生体試料中のプロゲステロン濃度と競合試薬の添加量の差が大きすぎると競合が上手くいかず定量性が低下することがある。なお、競合試薬は凍結乾燥等されたものを用いてもよいし、溶液の状態であってもよい。
(希釈倍率)
本発明において、生体試料の希釈倍率は、50倍以上1000倍以下とするのが適当である。希釈倍率が低すぎると、生体試料中の夾雑物質が定量値に影響を与えることがある。また、希釈倍率が高すぎると、生体試料中のプロゲステロン量が少なくなるため、測定の精度が低くなることがある。
本発明において、生体試料の希釈倍率は、50倍以上1000倍以下とするのが適当である。希釈倍率が低すぎると、生体試料中の夾雑物質が定量値に影響を与えることがある。また、希釈倍率が高すぎると、生体試料中のプロゲステロン量が少なくなるため、測定の精度が低くなることがある。
(イムノクロマトストリップ)
イムノクロマトストリップの具体例としては、図1、2に示すようなイムノクロマトストリップ8が挙げられる。図1、2において、1は粘着シート、2は含浸部材、3は膜担体、4はテストライン、5はコントロールライン、6は試料添加部材、7は吸収部材を示している。膜担体3は、幅5mm、長さ25mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンからなり、同じく幅5mmの粘着シート1の中ほどに貼り付けられている。膜担体3には、クロマト展開の始点側、すなわち図1、2の左側(上流側)の末端から右側(下流側)に向かって3mm以上15mm以下の位置に、競合試薬(プロゲステロンと化合物との複合体)と生体試料中のプロゲステロンを競合的に捕捉するためのテストライン4が形成(抗プロゲステロン抗体が線状に固定)されている。さらに、膜担体3の上流側の末端から下流側に向かって8mm以上25mm以下の位置にコントロールライン5が形成(標識体中の化合物を特異的に結合する抗体が線状に固定)されている。なお、テストラインはコントロールラインよりも上流側に配置され、テストラインとコントロールラインとの距離は3mm以上10mm未満とするのが好ましい。コントロールライン5は、分析対象物質であるプロゲステロンの存否に係わらずイムノクロマト展開が行われたことを確認するためのものである。
イムノクロマトストリップの具体例としては、図1、2に示すようなイムノクロマトストリップ8が挙げられる。図1、2において、1は粘着シート、2は含浸部材、3は膜担体、4はテストライン、5はコントロールライン、6は試料添加部材、7は吸収部材を示している。膜担体3は、幅5mm、長さ25mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンからなり、同じく幅5mmの粘着シート1の中ほどに貼り付けられている。膜担体3には、クロマト展開の始点側、すなわち図1、2の左側(上流側)の末端から右側(下流側)に向かって3mm以上15mm以下の位置に、競合試薬(プロゲステロンと化合物との複合体)と生体試料中のプロゲステロンを競合的に捕捉するためのテストライン4が形成(抗プロゲステロン抗体が線状に固定)されている。さらに、膜担体3の上流側の末端から下流側に向かって8mm以上25mm以下の位置にコントロールライン5が形成(標識体中の化合物を特異的に結合する抗体が線状に固定)されている。なお、テストラインはコントロールラインよりも上流側に配置され、テストラインとコントロールラインとの距離は3mm以上10mm未満とするのが好ましい。コントロールライン5は、分析対象物質であるプロゲステロンの存否に係わらずイムノクロマト展開が行われたことを確認するためのものである。
(試料添加部材)
本発明において、試料添加部材6は、例えば、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレンなどのような多孔質合成樹脂のシートまたはフィルム、あるいは、濾紙および綿布などのようなセルロース製の紙または不織布などを用いることができる。
本発明において、試料添加部材6は、例えば、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレンなどのような多孔質合成樹脂のシートまたはフィルム、あるいは、濾紙および綿布などのようなセルロース製の紙または不織布などを用いることができる。
(含浸部材)
本発明において、含浸部材2は、5mm×15mmの帯状のガラス繊維を用いるが、これに限定されるものではなく、例えば、濾紙、ニトロセルロース膜、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック不織布なども使用できる。含浸部材2は、標識された抗体または標識されたアビジン/ストレプトアビジンを含む懸濁液を前記ガラス繊維等の部材に含浸せしめ、これを乾燥させるなどによって作製することができる。
本発明において、含浸部材2は、5mm×15mmの帯状のガラス繊維を用いるが、これに限定されるものではなく、例えば、濾紙、ニトロセルロース膜、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック不織布なども使用できる。含浸部材2は、標識された抗体または標識されたアビジン/ストレプトアビジンを含む懸濁液を前記ガラス繊維等の部材に含浸せしめ、これを乾燥させるなどによって作製することができる。
(膜担体)
本発明において、膜担体3は、ニトロセルロース製メンブレンフィルターを用いるが、生体試料に含まれるプロゲステロンをクロマト展開可能で、かつ、テストライン4を形成する抗体等の物質を固定可能なものであれば、いかなるものであってもよく、他のセルロース類膜、ナイロン膜、ガラス繊維膜なども使用できる。
本発明において、膜担体3は、ニトロセルロース製メンブレンフィルターを用いるが、生体試料に含まれるプロゲステロンをクロマト展開可能で、かつ、テストライン4を形成する抗体等の物質を固定可能なものであれば、いかなるものであってもよく、他のセルロース類膜、ナイロン膜、ガラス繊維膜なども使用できる。
(テストライン)
本発明において、テストライン4に固定化する抗体は、プロゲステロンに特異的に結合することが出来る抗プロゲステロン抗体であればよく、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよいが、反応特異性の観点から、モノクローナル抗体であることが好ましい。
本発明において、テストライン4に固定化する抗体は、プロゲステロンに特異的に結合することが出来る抗プロゲステロン抗体であればよく、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であってもよいが、反応特異性の観点から、モノクローナル抗体であることが好ましい。
(抗プロゲステロン抗体)
プロゲステロン(分子量314)は低分子化合物であり十分な複雑性を備えていないため、通常では免疫応答を誘発できない。このため、免疫した動物に抗体を産出させるには、卵白アルブミンなどのキャリアタンパク質にプロゲステロンを化学結合したものを免疫原として用いる必要がある。また、アジュバントを混合して免疫原を注入すると、免疫応答強度が上がり、よい抗体を得られる可能性が高まる。ポリクローナル抗体は、ウサギやマウスなどに免疫して得られた抗血清から精製して得ることが出来る。モノクローナル抗体の産生細胞は、例えば、プロゲステロンと卵白アルブミンとの結合物を適当なアジュバントとともにマウスのような動物に免疫したのち、免疫された動物の脾細胞とミエローマ細胞とを融合し、融合細胞のみが増殖出来る選択培地で培養し、増殖した細胞を前記エストロンとの結合物などを使用して、たとえば酵素標識免疫法などを利用して選別することにより取得することができる。
プロゲステロン(分子量314)は低分子化合物であり十分な複雑性を備えていないため、通常では免疫応答を誘発できない。このため、免疫した動物に抗体を産出させるには、卵白アルブミンなどのキャリアタンパク質にプロゲステロンを化学結合したものを免疫原として用いる必要がある。また、アジュバントを混合して免疫原を注入すると、免疫応答強度が上がり、よい抗体を得られる可能性が高まる。ポリクローナル抗体は、ウサギやマウスなどに免疫して得られた抗血清から精製して得ることが出来る。モノクローナル抗体の産生細胞は、例えば、プロゲステロンと卵白アルブミンとの結合物を適当なアジュバントとともにマウスのような動物に免疫したのち、免疫された動物の脾細胞とミエローマ細胞とを融合し、融合細胞のみが増殖出来る選択培地で培養し、増殖した細胞を前記エストロンとの結合物などを使用して、たとえば酵素標識免疫法などを利用して選別することにより取得することができる。
(コントロールライン)
本発明において、コントロールライン5には、標識された抗体(または標識されたアビジン/ストレプトアビジン)を特異的に結合する抗体が固定化されているのが好ましい。前記抗体としては、抗IgG抗体を用いることができ、具体的には抗ヤギIgG抗体などを膜担体に固定化することによって形成することができる。コントロールラインを用いることにより、標識された抗体が膜担体の最下流部まで移動したこと、即ち、イムノクロマト展開が(正常に)行われたことを確認することができる。
本発明において、コントロールライン5には、標識された抗体(または標識されたアビジン/ストレプトアビジン)を特異的に結合する抗体が固定化されているのが好ましい。前記抗体としては、抗IgG抗体を用いることができ、具体的には抗ヤギIgG抗体などを膜担体に固定化することによって形成することができる。コントロールラインを用いることにより、標識された抗体が膜担体の最下流部まで移動したこと、即ち、イムノクロマト展開が(正常に)行われたことを確認することができる。
(吸収部材)
本発明において、吸収部材7は、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。
本発明において、吸収部材7は、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。
イムノクロマトストリップは、これを保護するため、また、取り扱いがし易いように、プラスチック製のハウジングケース9などに収容されるのが好ましい(図3)。このケースは、例えば、イムノクロマトストリップの試料添加部材6の上部に試料滴下部10が開口され、テストライン4およびコントロールライン5の上部に判定部(判定窓)11が開口されていることが好ましい。
(イムノクロマト展開)
本発明のプロゲステロンの定量方法について説明する。まず、生体試料、競合試薬、および検体希釈液を混合して生体試料希釈液を調製する。得られた生体試料希釈液をイムノクロマトストリップの試料滴下部位に滴下して毛細管現象を利用してイムノクロマトストリップ上を展開させる。展開した生体試料希釈液は、含浸部材を通過する際に標識された抗体(または標識されたアビジン/ストレプトアビジン)を溶出させる。展開中の生体試料希釈液中のプロゲステロンは、展開中に競合試薬(プロゲステロンとビオチンとの複合体)と競合的にテストラインを成す抗プロゲステロン抗体に捕捉される。標識された抗体は、抗プロゲステロン抗体に捕捉された競合試薬(プロゲステロンとビオチンとの複合体)に結合する。こうして得られたテストラインのシグナル(蛍光強度)を測定することにより定量することが出来る。なお、展開開始後、5~12分の間にテストラインの呈色を測定することが望ましい。この間に測定を行えば、プロゲステロンと、競合試薬(プロゲステロンとビオチンの複合体)との競合反応が最も効果的に起き、プロゲステロンの濃度変化に応じた測定値の変化がテストラインにおいて得られ、プロゲステロン濃度の違いが測定値に的確に反映されるため好ましい。即ち、生体試料中のプロゲステロン濃度を正確に測定することが出来る。5分未満では、テストラインの抗プロゲステロン抗体と生体試料中のプロゲステロンまたは競合試薬(プロゲステロンとビオチンとの複合体)との反応が充分でないため測定値が低くなるとか、生体試料中のプロゲステロン濃度の違いを正確に反映した測定値を得ることが出来ないことがある。また、12分を超えると、抗プロゲステロン抗体に対する非特異的な反応が増加するため、生体試料中のプロゲステロン濃度に応じた正確な測定値変化が得られなくなることがある。
本発明のプロゲステロンの定量方法について説明する。まず、生体試料、競合試薬、および検体希釈液を混合して生体試料希釈液を調製する。得られた生体試料希釈液をイムノクロマトストリップの試料滴下部位に滴下して毛細管現象を利用してイムノクロマトストリップ上を展開させる。展開した生体試料希釈液は、含浸部材を通過する際に標識された抗体(または標識されたアビジン/ストレプトアビジン)を溶出させる。展開中の生体試料希釈液中のプロゲステロンは、展開中に競合試薬(プロゲステロンとビオチンとの複合体)と競合的にテストラインを成す抗プロゲステロン抗体に捕捉される。標識された抗体は、抗プロゲステロン抗体に捕捉された競合試薬(プロゲステロンとビオチンとの複合体)に結合する。こうして得られたテストラインのシグナル(蛍光強度)を測定することにより定量することが出来る。なお、展開開始後、5~12分の間にテストラインの呈色を測定することが望ましい。この間に測定を行えば、プロゲステロンと、競合試薬(プロゲステロンとビオチンの複合体)との競合反応が最も効果的に起き、プロゲステロンの濃度変化に応じた測定値の変化がテストラインにおいて得られ、プロゲステロン濃度の違いが測定値に的確に反映されるため好ましい。即ち、生体試料中のプロゲステロン濃度を正確に測定することが出来る。5分未満では、テストラインの抗プロゲステロン抗体と生体試料中のプロゲステロンまたは競合試薬(プロゲステロンとビオチンとの複合体)との反応が充分でないため測定値が低くなるとか、生体試料中のプロゲステロン濃度の違いを正確に反映した測定値を得ることが出来ないことがある。また、12分を超えると、抗プロゲステロン抗体に対する非特異的な反応が増加するため、生体試料中のプロゲステロン濃度に応じた正確な測定値変化が得られなくなることがある。
(競合法)
本発明において、生体試料中のプロゲステロンは競合法により定量するのが好ましい。プロゲステロンのような低分子化合物は、2種類の抗体でサンドイッチすることが難しいため、競合法をとることが好ましい。
本発明において、生体試料中のプロゲステロンは競合法により定量するのが好ましい。プロゲステロンのような低分子化合物は、2種類の抗体でサンドイッチすることが難しいため、競合法をとることが好ましい。
(イムノクロマト測定キット)
本発明のイムノクロマト測定キットは、上記のイムノクロマトストリップに加えて、検体を希釈するための検体希釈液、競合試薬を少なくとも含み、更に必要に応じて、検量線を作成するためのプロゲステロン標準液や、生体試料希釈液を調製するための容器などを含む。また、イムノクロマト結果を測定するための測定装置(クロマトリーダー等)も含む場合がある。
本発明のイムノクロマト測定キットは、上記のイムノクロマトストリップに加えて、検体を希釈するための検体希釈液、競合試薬を少なくとも含み、更に必要に応じて、検量線を作成するためのプロゲステロン標準液や、生体試料希釈液を調製するための容器などを含む。また、イムノクロマト結果を測定するための測定装置(クロマトリーダー等)も含む場合がある。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例で測定された特性値の測定は、以下の方法に従った。
(競合試薬の調製)
プロゲステロン(シグマアルドリッチ、P0130)を、Biotin-hydrazide(同仁化学、B303)を用いて、ビオチン化することにより、競合試薬(プロゲステロン-ビオチン複合体)を調製した。調製後、使用時まで-30℃にて保存した。
プロゲステロン(シグマアルドリッチ、P0130)を、Biotin-hydrazide(同仁化学、B303)を用いて、ビオチン化することにより、競合試薬(プロゲステロン-ビオチン複合体)を調製した。調製後、使用時まで-30℃にて保存した。
(ランタノイド錯体標識抗ビオチン抗体の作製)
蛍光標識試薬であるユウロピウム錯体(ATBTA-Eu3+、東京化成工業、A2083)を用いた。即ち、タンパク質のアミノ基にジクロロトリアジニル基を導入し、DTBTA―Eu3+に変換することにより、抗ビオチン抗体のアミノ基をユウロピウム錯体標識して作製した。抗ビオチン抗体として、Goat Anti-Biotin antibody、シグマアルドリッチ、B3640を用いた。
蛍光標識試薬であるユウロピウム錯体(ATBTA-Eu3+、東京化成工業、A2083)を用いた。即ち、タンパク質のアミノ基にジクロロトリアジニル基を導入し、DTBTA―Eu3+に変換することにより、抗ビオチン抗体のアミノ基をユウロピウム錯体標識して作製した。抗ビオチン抗体として、Goat Anti-Biotin antibody、シグマアルドリッチ、B3640を用いた。
(検体希釈液の調製)
リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4、ナカライテスク社、27576-21)にTritonX-100(シグマアルドリッチ社、10789704001)、ポリエチレングリコール、およびNaClの終濃度がそれぞれ、0.15質量%、2.0質量%、1.5質量%になるように加えて溶解させ、検体希釈液を調製した。
リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4、ナカライテスク社、27576-21)にTritonX-100(シグマアルドリッチ社、10789704001)、ポリエチレングリコール、およびNaClの終濃度がそれぞれ、0.15質量%、2.0質量%、1.5質量%になるように加えて溶解させ、検体希釈液を調製した。
(抗プロゲステロン抗体の作製)
エストロンとBSA(ウシ血清アルブミン)の結合物をマウスに免疫して得られた血清から、アフィニティクロマトグラフィーによりIgGを精製して得られたものを、抗プロゲステロン抗体とした。
エストロンとBSA(ウシ血清アルブミン)の結合物をマウスに免疫して得られた血清から、アフィニティクロマトグラフィーによりIgGを精製して得られたものを、抗プロゲステロン抗体とした。
(含浸部材の作製)
8mm×150mmの帯状のガラス繊維不織布に、上記で得られたユウロピウム錯体標識した抗ビオチン抗体液(0.5mg/mL)を0.5mL含浸させた。室温で乾燥させた後に、8mm×5mmの大きさに切断し、含浸部材とした。
8mm×150mmの帯状のガラス繊維不織布に、上記で得られたユウロピウム錯体標識した抗ビオチン抗体液(0.5mg/mL)を0.5mL含浸させた。室温で乾燥させた後に、8mm×5mmの大きさに切断し、含浸部材とした。
(膜担体の作製)
前記抗プロゲステロン抗体を1mg/mLの濃度に調整した後、これを25mm×300mmのニトロセルロース製メンブレンフィルターに1.0μL/cmの量で線状に塗布してテストラインを作製した。
次に、抗ヤギIgG抗体(Donkey Anti-Goat IgG、アブカム、ab182021)を1mg/mLの濃度に調製した後、上記ニトロセルロース製メンブレンフィルターに1.0μL/cmの量で線状に塗布してコントロールラインを作製した。
テストラインおよびコントロールラインを作製後、50℃で30分間乾燥させ、25mm×5mmの大きさに切断し、膜担体とした。
前記抗プロゲステロン抗体を1mg/mLの濃度に調整した後、これを25mm×300mmのニトロセルロース製メンブレンフィルターに1.0μL/cmの量で線状に塗布してテストラインを作製した。
次に、抗ヤギIgG抗体(Donkey Anti-Goat IgG、アブカム、ab182021)を1mg/mLの濃度に調製した後、上記ニトロセルロース製メンブレンフィルターに1.0μL/cmの量で線状に塗布してコントロールラインを作製した。
テストラインおよびコントロールラインを作製後、50℃で30分間乾燥させ、25mm×5mmの大きさに切断し、膜担体とした。
(イムノクロマトストリップの作製)
粘着シート上に、調製した膜担体、含浸部材に加えて試料添加部材、吸収部材を配置し、イムノクロマトストリップを作製した。
粘着シート上に、調製した膜担体、含浸部材に加えて試料添加部材、吸収部材を配置し、イムノクロマトストリップを作製した。
(プロゲステロン標準液の調製)
プロゲステロン(シグマアルドリッチ、P0130)をPBS(リン酸緩衝生理食塩液)に添加し、プロゲステロン標準液を調製した。
プロゲステロン(シグマアルドリッチ、P0130)をPBS(リン酸緩衝生理食塩液)に添加し、プロゲステロン標準液を調製した。
(測定キットを用いた定量)
上記標準液に検体希釈液を加えて表1に示す各濃度のプロゲステロン希釈液を調製した。プロゲステロン希釈液100μLあたり30pgの割り合いで競合試薬を加えた後、イムノクロマトストリップの試料滴下部に100μL滴下し、展開させた。滴下より10分後に、イムノクロマトリーダー(浜松ホトニクス社製、C10066-50)を用いてテストラインの蛍光強度を測定した。結果を表1および図4に示す。本発明の測定キットを用いることにより、プロゲステロン濃度が0ng/mL~10ng/mLの範囲において、精度よくプロゲステロンを定量できることが確認された。
上記標準液に検体希釈液を加えて表1に示す各濃度のプロゲステロン希釈液を調製した。プロゲステロン希釈液100μLあたり30pgの割り合いで競合試薬を加えた後、イムノクロマトストリップの試料滴下部に100μL滴下し、展開させた。滴下より10分後に、イムノクロマトリーダー(浜松ホトニクス社製、C10066-50)を用いてテストラインの蛍光強度を測定した。結果を表1および図4に示す。本発明の測定キットを用いることにより、プロゲステロン濃度が0ng/mL~10ng/mLの範囲において、精度よくプロゲステロンを定量できることが確認された。
(ELISA法測定との対比実験)
12頭の乳用牛から得られた乳汁中のプロゲステロン濃度を、それぞれELISA法および本発明のイムノクロマト測定キットを用いて測定した。ELISA法による測定は、Progesterone ELISA kit(Enzo Life Sciences.Inc.)にて測定した。イムノクロマト法では、標準液を同時に測定して得られた標準曲線を用いて、乳汁中のプロゲステロン濃度を算出し測定結果を表2および図5に示した。イムノクロマト法の測定値とELISA法による測定値の相関係数は0.97であり、良好な相関関係を示した。本発明の測定キットを用いることにより、精度よくプロゲステロンを定量できることが確認できた。
12頭の乳用牛から得られた乳汁中のプロゲステロン濃度を、それぞれELISA法および本発明のイムノクロマト測定キットを用いて測定した。ELISA法による測定は、Progesterone ELISA kit(Enzo Life Sciences.Inc.)にて測定した。イムノクロマト法では、標準液を同時に測定して得られた標準曲線を用いて、乳汁中のプロゲステロン濃度を算出し測定結果を表2および図5に示した。イムノクロマト法の測定値とELISA法による測定値の相関係数は0.97であり、良好な相関関係を示した。本発明の測定キットを用いることにより、精度よくプロゲステロンを定量できることが確認できた。
本発明により、酪農の現場において乳汁などの生体試料中のプロゲステロン濃度を高感度かつ迅速、簡便に測定することができるので、妊娠状態を把握することが出来、効率の良い乳用牛の生産を行うことが可能となる。
1 粘着シート
2 含浸部材
3 膜担体
4 テストライン
5 コントロールライン
6 試料添加部材
7 吸収部材
8 イムノクロマトストリップ
9 ハウジングケース
10 試料滴下部
11 判定部(判定窓)
2 含浸部材
3 膜担体
4 テストライン
5 コントロールライン
6 試料添加部材
7 吸収部材
8 イムノクロマトストリップ
9 ハウジングケース
10 試料滴下部
11 判定部(判定窓)
Claims (5)
- 生体試料中のプロゲステロンを定量するためのイムノクロマト測定キットであって、前記生体試料を希釈するための検体希釈液、競合試薬、およびイムノクロマトストリップを含み、
前記イムノクロマトストリップは、試料添加部材、含浸部材、膜担体、吸収部材が順に連接配置されてなり、
前記含浸部材には、ランタノイド錯体で標識された抗ビオチン抗体またはアビジンまたはストレプトアビジンが含浸されており、
前記膜担体は、抗プロゲステロン抗体が固定化されたテストラインを備えることを特徴とする測定キット。 - 前記競合試薬は、プロゲステロンとビオチンとの複合体であることを特徴とする請求項1に記載の測定キット。
- 前記ランタノイドは、ユウロピウムである請求項1または2に記載の測定キット。
- 前記生体試料は、全血、血漿、血清、または乳汁であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の測定キット。
- ウシの妊娠状態を判定するために用いられることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の測定キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022001791A JP2023101262A (ja) | 2022-01-07 | 2022-01-07 | プロゲステロン定量用イムノクロマト測定キット |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023101262A true JP2023101262A (ja) | 2023-07-20 |
Family
ID=87201736
Family Applications (1)
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-
2022
- 2022-01-07 JP JP2022001791A patent/JP2023101262A/ja active Pending
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