JP2023100293A - 冷却装置及び宇宙構造物 - Google Patents

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Takashi Moriyama
健一 坂元
Kenichi Sakamoto
健次 加藤
Kenji Kato
透 山田
Toru Yamada
智彦 齊藤
Tomohiko Saito
達也 草島
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Abstract

【課題】ポンプを用いた冷却装置において、放熱部での放熱能力の低下と、ポンプへの気泡流入とを抑制しつつ、ポンプに流入する冷媒の過冷却度を十分に確保可能にする。【解決手段】冷却装置100は、液体の冷媒を循環させるポンプ1と、冷媒により電子機器2のような発熱機器を冷却する冷却器4と、冷媒を冷却する放熱器5とを順次接続して環状に構成された冷媒流路を備える。放熱器5には、冷却器4から流出した冷媒が流入し、流入した冷媒が複数に分岐して流れて放熱する凝縮流路6aと、凝縮流路6aから流出した冷媒が流入し、流入した冷媒が直列に流れて放熱するサブクール流路7aとが設けられた。【選択図】図1

Description

本開示は、発熱機器を冷却する冷却装置と、冷却装置を備える宇宙構造物とに関する。
宇宙構造物では、内部に電子機器が格納された構体と、構体内部の電子機器を支持するパネルとに熱を伝導するヒートパイプ群が埋め込まれる。構体内部の電子機器から発生した熱は、ヒートパイプ群を介して構体の放熱面まで伝導される。放熱面に伝導された熱が放熱面から深宇宙に向けて放射される。これにより、電子機器が冷却される。
非特許文献1には、ヒートパイプ群を用いる代わりにポンプを用いて冷媒を強制的に輸送する冷却装置が記載されている。これにより、電子機器から放熱面まで熱が輸送されている。
"A Robust Two-Phase Pumped Loop with Multiple Evaporators and Multiple Radiators for Spacecraft Applications", 47th International Conference on Environmental Systems 16-20 July 2017, ICES-2017-221
ヒートパイプ群を用いて宇宙構造物内部の電子機器を冷却する。この場合、電子機器から放熱面までの熱の経路上の複数の箇所でヒートパイプが連結される。そのため、ヒートパイプ間の接触熱抵抗が大きくなり、冷却効率が低下してしまう。また、宇宙構造物の質量が増加してしまう。
ヒートパイプ間の連結を少なくするには、電子機器を構体の放熱面近傍に配置する必要がある。そのため、ヒートパイプ間の連結を少なくしようとすると、構体内部の中心部に密集して発熱量が多い電子機器を配置することができない。
非特許文献1に記載されたようなポンプを用いた冷却装置を用いることにより、構体内部の中心部にある電子機器に冷媒を直接供給可能になる。しかし、このような冷却装置は、ポンプに蒸気が流入することによる動作不良を防ぐ必要がある。そのため、過冷却液状態の冷媒液をポンプに流入させる必要がある。
過冷却液状態の冷媒液をポンプに流入させる場合には、放熱部において、気相冷媒を十分に凝縮し、凝縮された液相冷媒をさらに温度低下させる必要がある。この液相冷媒をさらに温度低下させる際に、放熱部の温度が低下する。そのため、放熱部の温度が低下した部分では深宇宙への輻射放熱効率が低下する。そして、放熱部全体での放熱能力が低下する。その結果、ポンプに流入する冷媒の過冷却度を十分に確保できないことがある。また、冷却装置全体の温度と圧力とが増加して、発熱機器の温度上昇を招いてしまうことがある。
本開示は、放熱部での放熱能力の低下と、ポンプへの気泡流入とを抑制しつつ、ポンプに流入する冷媒の過冷却度を十分に確保可能にすることを目的とする。
本開示に係る冷却装置は、
搭載装置に搭載された発熱機器を冷却する冷却装置であり、
液体の冷媒を循環させるポンプと、前記冷媒により前記発熱機器を冷却する冷却器と、前記冷媒を冷却する放熱器とを順次接続して環状に構成された冷媒流路を備え、
前記放熱器には、前記冷却器から流出した前記冷媒が流入し、流入した前記冷媒が複数に分岐して流れて放熱する凝縮流路と、前記凝縮流路から流出した前記冷媒が流入し、流入した前記冷媒が直列に流れて放熱するサブクール流路とが設けられた。
本開示では、凝縮流路とサブクール流路とが設けられた。凝縮流路では冷媒が複数に分岐して流れる。そのため、気相比率の高い冷媒を効率的に放熱させることができる。これにより、冷媒がほぼ液単相になるまで放熱させることができる。一方、サブクール流路では冷媒が直列に流れる。そのため、放熱面積に対して流路を長くとることが可能になる。放熱面積に対して流路を長くとることにより、過冷却度を小さくしつつ、ほぼ液単相の冷媒に残存している気泡の熱交換を促進できる。過冷却度を小さくできるため、放熱部での放熱能力を低下させることを抑制可能になる。残存している気泡の熱交換を促進できるため、ポンプへの気泡流入を抑制可能になる。また、過冷却度を小さくしつつも、十分な過冷却度を確保することは可能である。
実施の形態1に係る冷却装置100の冷媒回路図。 実施の形態1に係る冷却装置100の冷媒回路図。 実施の形態1に係る冷却装置100の冷媒回路図。 実施の形態1に係る冷却装置100を備えた人工衛星200の概略構成図。 従来の冷却装置の状態遷移模式図。 実施の形態1に係る冷却装置100の状態遷移模式図。 実施の形態1に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造図。 実施の形態1に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造図。 実施の形態1に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造図。 実施の形態1に係る凝縮流路6aの流路断面図。 実施の形態1に係る凝縮流路6aの流路断面図。 実施の形態1に係る凝縮流路6aの流路断面図。 実施の形態1に係る凝縮流路6aの流路断面図。 実施の形態2に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造図。 実施の形態3に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造図。 実施の形態3に係る凝縮流路6aの流路断面図。 実施の形態3に係る凝縮流路6aの流路断面図。 実施の形態4に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造図。 実施の形態5に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造図。 実施の形態6に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造図。 実施の形態7に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造図。 実施の形態8に係る冷却装置100の冷媒回路図。 実施の形態9に係る冷却装置100の冷媒回路図。 実施の形態10に係る冷却装置100の冷媒回路図。 実施の形態11に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造図。 実施の形態11に係る凝縮流路6aとヒートパイプ17の流路断面図。 実施の形態11に係る凝縮器6とヒートパイプ17と凝縮器側放熱面3aとの構造例を示す分解斜視図。
実施の形態1.
***構成の説明***
図1から図4を参照して、実施の形態1に係る冷却装置100及び冷却装置100を搭載した搭載装置である人工衛星200の構成を説明する。人工衛星200は、宇宙構造物の一例である。
図1から図4において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
<基本構成>
冷却装置100は、ポンプ1と冷却器4と放熱器5とを配管により順次接続して環状に構成された、冷媒が循環する閉ループの冷媒流路を備える。冷媒は、ポンプ1で液体の状態で昇圧される。昇圧された冷媒は、冷却器4で電子機器2から熱を受け取って電子機器2を冷却する。電子機器2を冷却した冷媒は、放熱器5で放熱して、再びポンプ1に戻る。このように、冷媒は、冷媒流路を循環する。
冷却器4は、電子機器2で発生した熱を受け取って内部の冷媒が加熱されるように、電子機器2の内部又は電子機器2に接するように設けられる。放熱器は、冷却器4において電子機器2を冷却することにより加熱された冷媒を冷却する。
図4に示すように、人工衛星200は、本体21の内部に、電子機器2と冷却装置100とを備える。電子機器2と冷却装置100とは、フレーム21aによって支持されている。電子機器2は、各種ミッションを実施するための機器類と、この機器類及び冷却装置100の各電気稼働機器の制御を実施する機器類とを含む装置である。冷却装置100は、電子機器2が動作する際に発生する熱を放熱面3まで輸送して、人工衛星200の外側へ放熱することにより、電子機器2を冷却する装置である。
放熱器5は、冷却器4で加熱された冷媒が冷却されるように、本体21の外面に設けられた放熱面3の内部又は放熱面3に接するように設けられる。放熱器5が冷媒から受け取った熱は、放熱面3から人工衛星200外部の深宇宙に向けて輻射放熱される。
<基本構成の補足>
惑星を周回する人工衛星200では、放熱面3が強い日射を受けて輻射放熱量が減少又は逆に受熱することがある。輻射放熱量が減少又は逆に受熱しないように、放熱面3は、南面と北面との両方又は南面と北面とのいずれか一方に備えられると良い。放熱器5及び放熱面3は、複数に分けて構成されても良い。複数に分けて構成された放熱器5及び放熱面3は、直列又は並列になるように流路に接続されても良い。
冷却装置100は、冷却器4で加熱された冷媒を、日陰となっている放熱面3に設けられた放熱器5へ流すように流路を切り替えることが可能な構成であっても良い。この構成であれば、東面又は西面に放熱器5及び放熱面3を備え、日陰となっている側の放熱器5に冷却器4から加熱された冷媒を流して、放熱面3から放熱することができる。
<特徴的構成>
図1に示すように、冷却装置100は、放熱器5には、内部流路が、凝縮流路6aとサブクール流路7aとに分かれて構成される。凝縮流路6aは、冷却器4から流出した冷媒が流入し、流入した冷媒が複数に分岐して流れて放熱する。サブクール流路7aは、凝縮流路6aから流出した冷媒が流入し、流入した冷媒が直列に流れて放熱する。
図2に示すように、放熱器5は、凝縮器6と、凝縮器6とは分離したサブクール熱交換器7とを備える構成であっても良い。凝縮器6には、凝縮流路6aが設けられる。サブクール熱交換器7には、サブクール流路7aが設けられる。
図3に示すように、放熱面3が凝縮器側放熱面3aとサブクール熱交換器側放熱面3bとに分割されても良い。そして、凝縮器側放熱面3aが凝縮器6と接続され、サブクール熱交換器側放熱面3bがサブクール熱交換器7と接続されても良い。なお、図4では、図3と同様に放熱面3が分割された場合の人工衛星200が示されている。
凝縮流路6aは、内部を気液二相冷媒が高速で流れる。そのため、凝縮流路6aは、高速の気液二相冷媒による圧力損失が少なくなるように1つの流路の断面積が広くとられる。さらに、凝縮流路6aは、流路が複数に分岐して並列に流れ、再び合流してサブクール流路7aに流入するように構成される。
サブクール流路7aは、内部を圧力損失が少ない液相比率が多い冷媒が流れる。そのため、サブクール流路7aは、液相比率が多い冷媒が長時間流れて放熱面3と熱交換できるように、流路の断面積が狭くされる。さらに、サブクール流路7aは、直列に接続された流路が密集して構成される。
つまり、凝縮流路6aの断面積は、サブクール流路7aの断面積よりも広い。
凝縮流路6aでは、冷却器4において冷媒液が蒸発することで受け取った多量の熱を、冷媒蒸気を再び冷媒液に凝縮させることで放熱する必要がある。そのため、放熱面3での放熱量を多くする必要がある。サブクール流路7aでは、過冷却液と残存気泡との間で熱交換を促進できれば良い。そのため、放熱面3からの放熱量は凝縮流路6aよりも少なくても良い。
凝縮流路6aは、放熱器5における凝縮領域に設けられている。サブクール流路7aは、放熱器5におけるサブクール領域に設けられている。凝縮流路6aについて放熱面3での放熱量は多くするため、凝縮領域はサブクール領域よりも大きくとられる。また、凝縮流路6aについて放熱面3での放熱量は多くするため、凝縮流路6aは、サブクール流路7aよりも疎らに設けられる。つまり、サブクール流路7aは、凝縮流路6aに比べて、密集して設けられる。言い換えると、凝縮領域において凝縮流路6aが占める割合は、サブクール領域においてサブクール流路7aが占める割合よりも低くなる。
そのため、凝縮流路6aの単位長さ当たりの凝縮流路6aを覆う部分の放熱面3の面積は、サブクール流路7aの単位長さ当たりのサブクール流路7aを覆う部分の放熱面3の面積よりも広い。言い換えると、凝縮流路6aの流路長に対する放熱面積の比は、サブクール流路7aの流路長に対する放熱面積の比よりも高い。凝縮流路6aの流路長は、凝縮流路6aの入口から出口までの流路の長さである。凝縮流路6aの放熱面積は、凝縮流路6aを覆う放熱面3の面積である。サブクール流路7aの流路長は、サブクール流路7aの入口から出口までの流路の長さである。サブクール流路7aの放熱面積は、サブクール流路7aを覆う放熱面3の面積である。
<その他構成>
冷媒流路には、冷媒がポンプ1から吐出されてから冷却器4に流入するまでの間に蒸気生成部8が設けられる。蒸気生成部8は、ポンプ1から吐出した冷媒液に蒸気泡を生成する。これにより、冷却器4での沸騰冷却が促進される。蒸気生成部8は、ヒーターとレーザーと電磁波と超音波等のいずれかの方法で蒸気泡を生成する。蒸気生成部8は、ポンプ1の昇圧量が大きい場合は、流路の急収縮及び急拡大等による減圧作用を利用して蒸気泡を生成しても良い。
蒸気生成部8において、ポンプ1から流出した過冷却液を飽和蒸気温度まで加熱すると容易に蒸気泡を生成できる。しかし、ポンプ1から流出する冷媒の過冷却度と流量とが大きいほど、飽和蒸気温度まで加熱するまでに必要な消費電力が多くなる。蒸気泡の生成には、流れる冷媒液を必ずしもすべて飽和蒸気温度前後まで加熱させる必要はない。局所的に蒸気泡を生成して、その他の冷媒液は過冷却状態を維持しても良い。
冷媒流路には、冷媒が放熱器5を流出してからポンプ1に吸入されるまでの間に、分岐するようにアキュムレータ9が設けられる。アキュムレータ9は、内部に冷媒液を貯留している。アキュムレータ9は、貯留する冷媒液の量により、冷却装置100の各部を循環する冷媒について、気相と液相との比率と、圧力と、飽和蒸気温度とを調整する。アキュムレータ9は、内部の冷媒液量を調整可能なように、機械的に内部の容積を直接変化できる機械式で構成される。又は、アキュムレータ9は、加熱と冷却とによってアキュムレータ内部の冷媒の気相と液相の比率を変化させる熱式で構成される。
人工衛星200の電子機器2とポンプ1とアキュムレータ9と蒸気生成部8等の動力源は電力である。
電力は、太陽電池パネル22で太陽といった恒星から受け取った放射光から得られる。太陽電池パネル22は、本体21の南面と北面との両方又はどちらか一方に設けられる。太陽電池パネル22は、太陽からの放射光に受光面が向くように東西方向に向きが制御される。
電力は、人工衛星200内にある畜電池から供給されても良い。又は、電力は、発電装置を用いて燃料から生成されても良い。電力を変換又は制御する機器と、蓄電池と、発電装置とは発熱機器である電子機器2に含まれる。
***動作の説明***
冷却装置100を備えた人工衛星200は、地球を周回し、軌道上で電子機器2による各種ミッションを実施する。電子機器2と、ポンプ1等の冷却装置100の各構成要素との動作に必要な電力は、太陽電池パネル22又は電子機器2に含まれる蓄電池等から供給される。太陽電池パネル22の受光面は太陽へ向けられるように制御される。
電子機器2が動作して発熱した際に、ポンプ1が起動し、蒸気生成部8を通って冷却器4に冷媒が供給される。冷却器4を介して電子機器2から冷媒へ熱が移動することにより、電子機器2が冷却される。冷却器4から熱を受け取った冷媒は、放熱器5に流れて放熱面3に熱を供給し、再びポンプ1へ戻る。放熱器5を介して冷媒から放熱面3に供給された熱は、放熱面3から深宇宙に向けて輻射放熱される。
冷媒が冷却装置100の各構成要素を循環する過程において、冷媒は冷却器4で熱を受け取る際に、冷媒液の一部が蒸発して冷媒蒸気になる。冷媒蒸気は、放熱器5において冷却されて再び冷媒液に戻る。このような潜熱輸送を伴うと、高い冷却能力及び冷却効率を得ることができる。
放熱面3での放熱量が不足して放熱器5の冷媒蒸気の一部が残存し、冷媒蒸気のままポンプ1へ流入すると、ポンプ1が動作不良を起こしてしまうことがある。
ポンプ1に蒸気が流入することを防ぐために、アキュムレータ9に溜めていた冷媒液を冷却装置100の各構成要素に注入する。これにより、アキュムレータ9を除く冷却装置100の各構成要素の冷媒液の量が増加して飽和蒸気圧力が上がる。すると、冷却器4において冷媒液が蒸発しにくくなり、放熱器5において冷媒蒸気が凝縮し易くなる。
但し、アキュムレータ9から冷却装置100の各構成要素に冷媒液を注入すると、冷却器4で冷媒液が蒸発しにくくなり、冷媒の飽和蒸発温度が上がる。すると、冷却器4全体の温度が上がってしまい、冷却能力及び冷却効率が低下してしまう。したがって、アキュムレータ9内部の冷媒液量が適正な量になるようにアキュムレータ9が制御される。
また、アキュムレータ9から冷却装置100の各構成要素に冷媒液を注入することにより、冷却器4に過冷却状態の冷媒液のみが流入するようになる。すると、冷却器4内部の伝熱面近傍の冷媒液が飽和蒸気温度を超えても沸騰を開始しない沸騰遅れが生じる場合がある。この場合には、沸騰を開始して潜熱冷却される場合よりも、伝熱面の温度が大幅に上昇してしまい、電子機器2に冷却ムラ又は冷却不足が生じる恐れがある。
冷却器4での沸騰遅れが生じないように、蒸気生成部8が予め蒸気泡を生成して、蒸気泡を含んだ冷媒を冷却器4に流入させる。これにより、冷却器4での蒸気泡の成長による液相から気相への相変化を利用した潜熱冷却が促され、沸騰遅れが防がれる。
放熱器5で凝縮しきれなかった気泡がポンプ1に流入しないように、アキュムレータ9から冷却装置100の各構成要素に冷媒液を注入する。これにより、ポンプ1に吸入される冷媒液の過冷却度が大きなる。すると、ポンプ1から吐出する冷媒液の過冷却度も大きくなる。その結果、蒸気生成部8で蒸気泡を生成して冷却器4に流入するまで気泡を維持するのに必要な蒸気生成部8の消費電力が大きくなる。また、放熱器5において過冷却液が流れる領域が多くなると、過冷却液と熱交換する放熱面3の温度が低下し、放熱量が低下してしまう。
冷却装置100は、放熱器5での放熱量の低下とポンプ1への気泡流入とを抑制しつつ、ポンプ1に流入する冷媒液の過冷却度を低めに抑える。これにより、蒸気生成部8の消費電力を少なくすることが可能になる。これを実現するために、冷却装置100では、凝縮流路6aとサブクール流路7aとに分けて放熱する。
電子機器2から熱を受け取って冷却器4から流出した気液二相冷媒が、まず凝縮流路6aに流入する。凝縮流路6aでは上流から下流にかけて、冷媒が飽和蒸気に近い高エンタルピー状態から飽和液状態又は飽和液状態に近い低エンタルピー状態まで冷却される。この際は、ほぼ気液二相状態が維持されるため、冷媒は一定の温度が保たれる。それにより、凝縮流路6aと熱交換する放熱面3の一部分の温度がムラなく高い温度で維持される。凝縮流路6aと熱交換する放熱面3の一部分は、図3の構成であれば、凝縮器側放熱面3aである。以下の説明において、放熱面3が凝縮流路6aと熱交換する放熱面3を意味する場合には、その放熱面3は凝縮器側放熱面3aを含む。
凝縮流路6aから流出した、飽和液状態に近い低エンタルピーの冷媒がサブクール流路7aに流入する。サブクール流路7aでは、上流から下流にかけて、放熱により次第に温度が低下するほぼ過冷却液状態の冷媒が流れる。それにより、サブクール流路7aと熱交換する放熱面3の一部分の温度が低くなる。サブクール流路7aと熱交換する放熱面3の一部分は、図3の構成であれば、サブクール熱交換器側放熱面3bである。以下の説明において、放熱面3がサブクール流路7aと熱交換する放熱面3を意味する場合には、その放熱面3はサブクール熱交換器側放熱面3bを含む。
凝縮流路6aの単位長さ当たりの凝縮流路6aを覆う部分の放熱面3の面積は、サブクール流路7aの単位長さ当たりのサブクール流路7aを覆う部分の放熱面3の面積よりも広い。そのため、凝縮流路6aから受け取った熱を深宇宙に向けて輻射放熱する温度の高い面積が広くとられる。これにより、放熱効率の低下が防がれる。
一方、サブクール流路7aから受け取った熱を深宇宙に向けて輻射放熱する面積は狭くなる。この放熱面3の面積を広くとってしまうと、サブクール流路7aを流れる冷媒の温度がますます低下してしまう。すると、図1又は図2の構成の場合には、凝縮流路6aから受け取った熱を放熱する高温の放熱面3を圧迫して、放熱効率を低下させてしまう。また、サブクール流路7aを流れる冷媒液の過冷却度が増加してしまう。しかし、サブクール流路7aから受け取った熱を深宇宙に向けて輻射放熱する面積が狭いため、サブクール流路7aを流れる冷媒液の過冷却度の過度な増加が防がれる。
凝縮流路6aは、放熱面3での放熱面積に対する流路長さが短くなる。しかし、凝縮流路6aの冷媒側と放熱器5又は凝縮器6の固体との間の管壁熱伝達は相変化を伴う凝縮熱伝達様式となっている。そのため、放熱面3での輻射放熱効率よりも圧倒的に熱交換効率が大きくなっているため、流路長さが短くなる影響はほとんどない。
冷却器4から流出した高エンタルピーの気液二相冷媒は低密度な気相が多い。そのため、流速が速くなり、圧力損失が大きくなりやすい。しかし、凝縮流路6aが複数に分岐して流れることで、分岐流路1つあたりの冷媒流速が遅くなり流路長が短くなる。そのため、圧力損失も抑制される。
凝縮流路6aが複数に分岐することで、偏流が起きやすくなる。しかし、特定の分岐流路に流れる冷媒流量が少ない場合、放熱量に対する流量が少なくなったことで、代わりにエンタルピーの減少量が多くなり、凝縮量が増える。特定の分岐流路に流れる冷媒流量が少ない場合とは、例えば液相に対する気相の比率が多くなる場合等である。その結果、液相比率が増加して流速が遅くなって圧力損失が低下する。そのため、その分岐流路に冷媒が流れやすくなる。したがって、凝縮流路6aで偏流が起きそうになっても、自動的に流量の偏りが低減されるように調整される。
サブクール流路7aは、放熱面3の面積が狭くなったことで冷媒の放熱量が少なくなる。しかし、過冷却液中に含まれる残存気泡を消失させることができればこの領域での放熱量は必要ではない。サブクール流路7aは直列の流路が密に配置されて流路長さが長くなっている。そのため、上流から下流にかけて流路内の過冷却液と残存気泡との間での熱交換が長い時間促進されて、少ない過冷却度でも残存気泡が消失する。
サブクール流路7aは低エンタルピーの冷媒液量の比率が多くなり、冷媒の流速が遅くなる。そのため、細い流路が密に直列に繋がれて流路が長くなっても、圧力損失の増加は抑えられる。
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る冷却装置100は、放熱器5の内部流路が凝縮流路6aとサブクール流路7aに分けて構成された。これにより、深宇宙への放熱効率が増加する。そして、電子機器2が高負荷時の冷却装置100全体の冷媒の圧力、つまり冷却器4での冷媒温度の上昇が抑制される。また、ポンプ1に流入する冷媒の過冷却度が少なくても残存気泡の流入が防がれる。
図5及び図6を参照して、実施の形態1に係る冷却装置100の効果を説明する。
図5は、従来技術の冷却装置の状態変化を示す模式図である。図6は、実施の形態1に係る冷却装置100の状態変化を示す模式図である。図5及び図6のグラフにおいて、縦軸は圧力、横軸はエンタルピーを示している。図5及び図6のグラフにおいて、低エンタルピー側の実線Xは液相と二相との境界である飽和液曲線を示している。また、高エンタルピー側の実線Yは二相と気相との境界である飽和蒸気曲線を示している。
図5及び図6のグラフにおいて、実線矢印は冷媒の状態遷移を示している。図5に示す従来技術の冷却装置100では、実線矢印は、ポンプ、蒸気生成部、冷却器、放熱器を順に経て、再びポンプへ戻る循環経路を示している。図6に示す実施の形態1に係る冷却装置100では、実線矢印は、ポンプ1、蒸気生成部8、冷却器4、凝縮流路6a、サブクール流路7aを順に経て、再びポンプ1へ戻る循環経路を示している。
潜熱利用の従来の冷却装置は、ポンプを用いて冷媒を循環させるとともに、冷却器で冷媒液の一部を蒸発させて、放熱器で冷媒蒸気を凝縮させる。潜熱利用の従来の冷却装置では、冷媒の循環量を増やすために液体の冷媒をポンプで昇圧させて循環させる。冷媒液用のポンプに蒸気が流入すると動作不良を起こす可能性がある。そのため、ポンプに流入する前の冷媒のエンタルピーが飽和凝縮エンタルピーよりも低くなるように、過冷却状態を確保する必要がある。
ポンプに流入する前の過冷却状態を確保すると、ポンプで昇圧後の冷媒液も過冷却が確保された状態となる。そして、ポンプで昇圧後の時点のエンタルピーと飽和凝縮エンタルピーとの差分に相当する熱量を加えないと蒸発が開始しない。そのため、冷却器の流入側では液単相での熱交換になってしまう。過冷却液が単相状態で冷却器に流入すると、冷却器の内側壁面近傍の冷媒液が飽和蒸気温度を超えても気泡核が生成及び成長せずに沸騰が遅れて、熱伝達率が低下してしまう。その結果、冷却器の入口側と出口側で冷却斑が生じ、冷却器の入口側に取り付けられた電子機器の温度が高くなってしまうことがある。
ポンプに流入する前の過冷却状態を確保しつつ、冷却器の流入側ですぐに沸騰が開始されるように、蒸気生成部で予め蒸気泡を発生させる。しかし、過冷却度が大きい冷媒液中に蒸気を生成しても、気泡が成長せずにすぐに凝縮してしまう場合がある。そこで、図5に示すように、ポンプ吐出直後の過冷却冷媒液を蒸気生成部で飽和凝縮曲線前後まで加熱した状態で蒸気泡を生成させる必要がある。しかしながら、この方法では、図5に示すように、ポンプで昇圧後の時点のエンタルピーと飽和凝縮エンタルピーとの差分に相当する熱量を蒸気生成部で加熱する必要がある。そのため、その熱量とほぼ同等の多くの電力を蒸気生成部で消費することになる。
また、ポンプに気泡が流入しないようにポンプに流入する前の過冷却度を大きくすると、その分だけ流入する前の冷媒温度がその圧力での飽和蒸気温度より低くなる。つまり、ポンプ入口のエンタルピーが飽和液エンタルピーより大幅に低くなる。そのため、放熱器において冷媒が飽和液エンタルピー以下になってからも、残存気泡を消滅させるために必要な放熱量が多くなる。放熱器での冷媒温度が下がると放熱面の温度が下がり、輻射放熱量が低下する。
さらに飽和液エンタルピー以下の液単相領域では凝縮潜熱による熱交換がほとんど生じない。そのため、放熱器の内側壁面近傍の冷媒液に温度勾配が生じる顕熱交換となって、気相の凝縮による潜熱交換よりも圧倒的に熱伝達率が低下する。その結果、放熱器の内部の冷媒の流路において、飽和液エンタルピー以下のほぼ液単相の領域が広がり、その領域と熱交換する放熱面の一部分では放熱量が低下する。その結果、放熱器での放熱効率が低下してしまう。
放熱器内部の冷媒流路が長くなるように構成すれば、冷媒が飽和液エンタルピー以下となった後に放熱器を流出するまでに内部流路を流れる時間が長くなる。その結果、冷媒液と残存気泡との間での熱交換が促進されて、過冷却度が低くても残存気泡が消失しやすくなる。しかし、上流側の飽和液エンタルピー以上の気液二相領域では流路が長くなったことで圧力損失が大きくなる。
放熱器での圧力損失が大きいと、ポンプで循環させる冷媒の流量が減少する。また、冷却器に対して放熱器での圧力が低下することで飽和蒸気温度が低下して冷媒の温度が下がり、放熱面の温度が下がることで放熱効率が低下する。放熱器での冷媒圧力が低下しないように、アキュムレータを制御して全体の圧力を上昇させると、冷却器内部の冷媒圧力が上昇する。そのため、冷却器での飽和蒸気温度が上昇して、電子機器の温度が上昇してしまう。
このように、従来の冷却装置ではポンプの動作不良を防ぐために、ポンプに気泡を流入させないようにアキュムレータを制御すると、冷却装置全体の冷却性能及び冷却効率が低下してしまう課題があった。
実施の形態1に係る冷却装置100は、放熱器5の内部流路が凝縮流路6aとサブクール流路7aに分けて構成された。そして、凝縮流路6aに少ない圧力損失でも多量に放熱させ、サブクール流路7aに少ない過冷却度でも残存気泡を消失させるように役割が分担された。これにより、従来技術よりも冷却装置100の冷却性能及び冷却効率を向上できる。
凝縮流路6aでは放熱しても温度が変わらない高温の気液二相冷媒が流れている。その高温冷媒から熱を受け取る放熱面3の部分の放熱面積が広く確保される。そのため、深宇宙に向けて放射できる熱量を増やすことができる。
温度が低下したほぼ冷媒液単相が流れるサブクール流路7aと熱交換する放熱面3の部分では、温度が低下して放熱量が低下する。しかし、サブクール流路7aと熱交換する放熱面3の部分の放熱面積が狭くなったことで、その分、凝縮流路6aと熱交換する放熱面3の部分の放熱面積を広く確保できる。そのため、冷却装置100全体としては放熱量を増やすことができる。
凝縮流路6aは、冷媒が並列に流れ、熱交換する放熱面3の一部分の放熱面積に対して流路長が短くなる。そのため、密度が低くて高速になる気相の比率が多くなっても、圧力損失を少なくすることができる。深宇宙への放熱面積に対して、流路壁面の熱伝達面積の比率が小さくなる。しかし、凝縮流路6aは気液二相の冷媒が流れるため、流路壁面の熱伝達率は十分高いので、熱交換性能が低下する影響は少ない。
サブクール流路7aは、流路長さが長くなったことで、過冷却液と残存気泡とが熱交換する時間が長くなり、少ない過冷却度でも残存気泡が凝縮しやすくなる。流路長さが長くなるほど圧力損失は多くなる。しかし、サブクール流路7aの内部は液相比率が多い低エンタルピーの気液二相流又は残存気泡を含む過冷却液となっている。そのため、流速が遅くなっても圧力損失の増加を抑えられる。
サブクール流路7aの内部の管壁近傍はほぼ液体で覆われる。そのため、温度勾配が生じる顕熱交換となり、気液二相の場合の凝縮潜熱交換よりも熱伝達率が低下する。しかし、流路長を長くして密に配置したことで総管壁面積が広くなるので、放熱面3の一部の熱交換量の低下は抑えられる。
サブクール流路7aでは、少ない過冷却度でも残存気泡を消失させやすくなった。そのため、サブクール流路7aと熱交換する放熱面3の部分の放熱面積を狭くすることができる。その分だけ、凝縮流路6aと熱交換する放熱面3の部分の放熱面積を広く確保できる。そのため、冷却装置100全体としては放熱量を増やすことができる。
さらにポンプ1に流入する冷媒の過冷却度が少なくなれば、ポンプ1から流出する冷媒の過冷却度も少なくなる。その結果、蒸気生成部8において蒸気泡を発生させるために飽和液エンタルピー近くまで予加熱するのに必要な消費電力を減らすことができる。
以上のように実施の形態1に係る冷却装置100は、少ない消費電力かつ高い冷却能力で電子機器2を冷却できる。
***補足***
図7から図9までを参照して、実施の形態1に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構造例を説明する。
図7から図9において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
図7は、図1と同様に、放熱器5に凝縮流路6aとサブクール流路7aが設けられた構成を示す。図8は、図2と同様に、放熱器5が、凝縮器6とサブクール熱交換器7とに分かれた構成を示す。図9は、図3と同様に、放熱面3が凝縮器側放熱面3aとサブクール熱交換器側放熱面3bとに分かれた構成を示す。
図7に示すように、凝縮流路6aは、冷媒が並列に流れる複数の並列流路によって構成される。サブクール流路7aは、冷媒が直列に流れる流路が折り曲げられることにより、冷媒が第1方向D1に流れる第1流路71と、冷媒が第1方向71と対向する第2方向D2に流れる第2流路72とが繰り返されて構成される。凝縮流路6aを構成する複数の並列流路の間の間隔I1は、サブクール流路7aを構成する第1流路71と第2流路72との間の間隔I2よりも広い。そして、凝縮流路6aを流れる冷媒の熱を深宇宙へ放熱する放熱面3の部分の面積が広くなるように、放熱器5の大部分に凝縮流路6aが構成される。一方、サブクール流路7aを流れる冷媒の熱を深宇宙へ放熱する放熱面3の部分の面積が狭くなるように、放熱器5の小部分にサブクール流路7aが構成される。
図8に示す構造例では、放熱器5が凝縮器6とサブクール熱交換器7に分かれた。これにより、凝縮器6とサブクール熱交換器7とを構成する固体部分が流路接続部を除いて不連続となる。そのため、高温の凝縮器6から低温のサブクール熱交換器7への熱の移動が抑えられる。凝縮器6と熱交換する放熱面3の部分の温度も高いまま維持される。そのため、深宇宙への放熱量がさらに増えるとともに、サブクール熱交換器7のサブクール流路7a内を流れる冷媒液の温度が低下しやすくなって残存気泡が消失しやすくなる。その結果、冷却装置100の消費電力をより少なくして、冷却能力を向上できる。
図9に示す構造例では、放熱面3が凝縮器側放熱面3aとサブクール熱交換器側放熱面3bに分かれた。固体部分が不連続となったことで、高温の凝縮器側放熱面3aから低温のサブクール熱交換器側放熱面3bへの熱の移動が抑えられる。面積が広い凝縮器側放熱面3aの温度が高いまま維持されるため、深宇宙への放熱量がさらに増える。また、サブクール熱交換器側放熱面3bと熱交換するサブクール流路7a内を流れる冷媒液の温度が低下しやすくなって残存気泡が消失しやすくなる。その結果、冷却装置100の消費電力をさらに少なくして、冷却能力を向上できる。
図10から図13までを参照して、実施の形態1に係る凝縮流路6aの周り及び内部の構造例を説明する。
ここでは、凝縮流路6aが凝縮器6に設けられるものとして説明する。しかし、凝縮流路6aは放熱器5に設けられても良い。
図10は、凝縮器6の内部に凝縮流路6aが形成された構造例を示す。このような構成では、凝縮流路6aの流路壁面から直接凝縮器に熱が伝わる。そのため、凝縮流路6aから凝縮器6と凝縮器側放熱面3aを経て深宇宙に放熱するまでの熱抵抗が小さくなり、熱交換効率が向上する。
図11は、凝縮器6が配管で構成された凝縮流路6aの構造例を示す。凝縮流路6aは、配管支持部6bで支持される。配管支持部6bは、熱交換基板6cに取り付けられる。熱交換基板6cは、配管支持部6bが取り付けられた面と反対側の面が凝縮器側放熱面3aと接している。このような構成では、凝縮流路6aから凝縮器6と凝縮器側放熱面3aとを経て深宇宙に放熱するまでの経路に不連続部が増える。そのため、接触熱抵抗が増加して熱交換効率が低下する。しかし、凝縮器6の内部に凝縮流路6aを設けるような複雑な加工を施さなくても凝縮器6を構成できる。
図12は、凝縮流路6a内部の流路壁面に溝6dが設けられた構造例を示す。このような構成では、溝6dにより凝縮流路6a内部を流れる冷媒と接触する流路壁面の面積が増加する。また、境界層の流れが乱されることによって熱伝達が促進され、熱交換効率が向上する。
図13は、凝縮流路6aの流路断面が矩形となる構造例を示す。このような構成では、凝縮器6の厚みを増やすことなく、凝縮流路6aの流路断面積を広くすることができる。そのため、各並列流路を流れる冷媒の流速が低下して圧損圧力損失を低減することができる。
さらに無重力又は微小重力の宇宙空間では気相が流路中央に丸くなって流れやすくなる。そのため、矩形流路断面の各辺の中央付近では液膜厚さが薄くなる。その結果、高温の気相との熱交換を促進して熱伝達が促進され、熱交換効率が向上する。
図10から図13までは凝縮流路6aの構造例を示していた。しかし、直列に繋がれた流路が密に並んだ構造のものに置き換えれば、サブクール流路7aも同様に構成しても良い。特に図13のように、サブクール流路7aの流路断面が矩形になれば、流路断面が円形の場合に比べて、直列に繋がれたサブクール流路7aを密に並べて流路長さを長くすることができる。その結果、残存気泡との熱交換を促進できるため、より気泡を消失させやすくなる。
また、図10から図13の構造例では凝縮器6と凝縮器側放熱面3aが接していて熱交換する構造例をもとに説明したが、凝縮器6と放熱面3の一部分が接している構造に置き換えても良い。
実施の形態2.
実施の形態2は、凝縮流路6aには、冷媒を分岐させる複数の突起であるフィン10が設けられた点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
***構成の説明***
図14を参照して、実施の形態2に係る凝縮流路6aの周りの構造を説明する。
図14において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
実施の形態2に係る冷却装置100は、凝縮流路6aが、放熱面3の一部分に沿って面上に設けられた流路に複数のフィン10を設置した構成である。
フィン10は円形又は多角形の構造でも、扁平な構造でも良い。フィン10は放熱面3側の凝縮流路6aの流路壁面から連続的に突き出た構造にする良い。この構造にすると、放熱面3までの不連続面が少なくなる。そのため、フィン10を介して凝縮流路6aを流れる冷媒から放熱面3まで熱が伝わりやすくなる。また、複数のフィン10は、冷媒が衝突した後に流れた先に再びフィン10が配置されて冷媒が繰り返し衝突しやすいように千鳥状等に配置すると良い。
***動作の説明***
実施の形態2に係る冷却装置100は、凝縮流路6aにおいて、冷媒がフィン10に衝突し分岐して再び合流することを繰り返しながら面上の流路内に広がるように流れる。面上に広がるように流れるため、各部分の冷媒流速が低下して圧力損失が低下する。また、冷媒がフィン10に衝突した際にフィン10周りの境界層がリセットされて熱伝達率が向上する。凝縮流路6aを流れる冷媒からフィン10に伝わった熱は放熱器5又は凝縮器6を介して放熱面3に伝わり、深宇宙に放出される。
凝縮流路6aを流れる気液二相の冷媒がフィン10に衝突した際に、気相と液相とが偏って分岐する場合がある。この場合には、密度が低く高速の気相が多い側は圧力損失が大きくなって流れにくくなる。その間に高温の気相が長時間熱交換して凝縮し、液相が多くなって再び流れやすくなる。そのため、結果として、凝縮流路6a内部は万遍なく冷媒が流れる。
***実施の形態2の効果***
実施の形態2に係る冷却装置100は、凝縮流路6aにおいて冷媒が面上に流れるため、圧力損失を低下させることができる。冷媒が複数のフィン10に衝突しながら流れることでフィン10を介して放熱面3まで熱が伝わりやすくなり、冷却性能をさらに向上させることができる。その結果、放熱器5又は凝縮器6の厚みを薄くするなどの小型化も可能となり、冷却装置100の軽量化なども可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3は、凝縮流路6aに、液相冷媒を吸収する多孔質体11が放熱面3と反対側の流路壁面に設置された点が実施の形態1,2と異なる。実施の形態3では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
***構成の説明***
図15及び図16を参照して、実施の形態3に係る凝縮流路6aの周り構造を説明する。
図15及び図16において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
実施の形態3に係る冷却装置100は、凝縮流路6aの放熱面3と反対側の流路壁面に液相冷媒を吸収する多孔質体11が設置される。多孔質体11は、発泡金属とメッシュと繊維状といった冷媒が入り込める空隙が存在するもので構成される。
***動作の説明***
実施の形態3に係る冷却装置100は、凝縮流路6aにおいて、液相冷媒が多孔質体11に捕らえられながら、多孔質体11の内部をゆっくり流れる。一方、気相冷媒は多孔質体11と放熱面3側の流路壁面との間の空間を早めに流れる。このとき、放熱面3側の流路壁面近傍では、流路壁面と気相との距離が近くなり、境界層の冷媒速度が速くなる。そのため、熱伝達率が向上し、気相を冷却しやすくなる。
***実施の形態3の効果***
実施の形態3に係る冷却装置100は、凝縮流路6aにおいて熱伝達率が向上し、気相を凝縮しやすくすることができる。凝縮流路6aにおいて熱伝達率が向上したことで、放熱面3の温度が上昇して、深宇宙への放熱量が増え、冷却装置100の冷却効率を向上する。その結果、放熱器5又は凝縮器6の厚みを薄くするなどの小型化も可能となり、冷却装置100の軽量化なども可能となる。
サブクール流路7aに流入する残存気泡の量も少なくなる。そのため、サブクール熱交換器7の縮小も可能となり、冷却装置100の更なる小型化が可能となる。また、サブクール熱交換器7を縮小した分だけ凝縮器6を拡大して、冷却装置100の更なる冷却効率の向上が可能となる。
***他の構成***
<実施の形態3の変形例1>
図17に示すように、冷却装置100は、凝縮器6の本体21内部側の面に一部の電子機器2を設置しても良い。凝縮器6の本体21内部側の面は、放熱面3が取り付けられた反対側の面である。つまり、凝縮器6の本体21内部側の面は、凝縮流路6aの多孔質体11が設けられた側の面である。これにより、凝縮流路6aの多孔質体11を流れる液相冷媒と電子機器2とが熱交換される。
電子機器2は本体21内部の様々な箇所に設置されるものである。放熱面3の近傍に電子機器2を設置し、その電子機器2を冷却する冷却器4を設置するとする。すると、冷却器4から凝縮流路6aの入口まで流路を延ばす必要があるため、冷却装置100の流路構成が長く、複雑なものになる。
そこで、放熱面3の近傍に設置する一部の電子機器2については、放熱器5又は凝縮器6に取りつけて、凝縮流路6aの多孔質体11を流れる液相冷媒により冷却させる。これにより、流路構成を長く、複雑な構成にする必要がなくなる。また、本体21内部の電子機器2を設置可能なスペースがさらに増える。そのため、人工衛星200に電子機器2を高密度実装して高機能化することが可能となる。又は、冷却装置100や人工衛星200を小型、軽量化することが可能となる。
電子機器2から受け取った熱で、凝縮流路6aの多孔質体11を流れる液相冷媒が気化しても、多孔質体11の毛管力により絶えず液相冷媒が供給される。このように、多孔質体11を電子機器2側の凝縮流路6aの流路壁面に設置したことで、電子機器2近傍の凝縮流路6aの一部分だけドライアウトすることを抑制できる。そのため、電子機器2を不足なく冷却することができる。
実施の形態4.
実施の形態4は、冷却装置100のサブクール熱交換器側放熱面3bが不連続に複数に分かれている点が実施の形態1~3と異なる。実施の形態4では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態4では、図3に示すように、冷却装置100は、放熱器5が凝縮器6とサブクール熱交換器7とを備え、放熱面3が凝縮器側放熱面3aとサブクール熱交換器側放熱面3bとに分割されている構成である例を用いて説明する。しかし、冷却装置100は、図1又は図2に示す構成であっても良い。冷却装置100が図1又は図2に示す構成である場合には、サブクール熱交換器側放熱面3bを、放熱面3のサブクール流路7aと熱交換される部分のように適宜読み替えすれば良い。
***構成の説明***
図18を参照して、実施の形態4に係るサブクール流路7aの周りの構造を説明する。
図18において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
実施の形態4に係る冷却装置100は、サブクール熱交換器側放熱面3bが互いに接触しないように不連続に複数に分かれている。サブクール熱交換器側放熱面3bは、サブクール流路7aの上流から下流にかけて順に熱交換するように、サブクール熱交換器7に取り付けられた構成となっている。つまり、少なくとも、サブクール流路7aの上流側と下流側とで異なるサブクール熱交換器側放熱面3bに覆われるように設けられている。
複数に分かれたサブクール熱交換器側放熱面3bは、互いに直接熱交換しないように、間に空間が設けられるか、断熱材が設置されると良い。サブクール流路7aの下流側と熱交換するサブクール熱交換器側放熱面3bほど、放射率が低く、低温での強度が強い素材又は取り付け部分の耐性が強い構成にすると良い。
***動作の説明***
実施の形態4に係る冷却装置100は、サブクール流路7aの上流から下流にかけて、冷媒液が各サブクール熱交換器側放熱面3bからの深宇宙への放熱によって温度が低下する。サブクール流路7aの下流になるほど、その領域と熱交換するサブクール熱交換器側放熱面3bは温度が低下して、深宇宙への輻射放熱量が減少する。一方、サブクール流路7aの上流側と熱交換するサブクール熱交換器側放熱面3bは温度が高いまま維持されて、輻射放熱量が多くなる。各サブクール熱交換器側放熱面3bは互いに不連続で断熱されたことで、この温度差が広がることになる。その結果、サブクール流路7aの上流側では放熱による残存気泡の凝縮が促進される。サブクール流路7aの下流側では十分に残存気泡が消失した後の放熱による不要な過冷却度の増加が抑えられ、気相と液相間での熱交換による残存気泡の消失量の比率が増える。
***実施の形態4の効果***
実施の形態4に係る冷却装置100は、サブクール流路7aにおいて、残存気泡がより消失しやすくなる。また、ポンプ1に流入する冷媒の過冷却度の増加を抑えることができる。
残存気泡が消失しやすくなったことでサブクール熱交換器7及びサブクール熱交換器側放熱面3b全体を縮小できる。その分、凝縮器6や凝縮器側放熱面3aを拡大して、冷却装置100の冷却性能を向上させることもできる。ポンプ1に流入する冷媒の過冷却度の増加を抑えられる。そのため、蒸気生成部8での予加熱量を減らして、冷却装置100の消費電力を減らして冷却効率を向上させることができる。
実施の形態5.
実施の形態5は、サブクール流路7aにフィルター12が設置された点が実施の形態1~4と異なる。実施の形態5では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態5では、図3に示すように、冷却装置100は、放熱器5が凝縮器6とサブクール熱交換器7とを備え、放熱面3が凝縮器側放熱面3aとサブクール熱交換器側放熱面3bとに分割されている構成である例を用いて説明する。しかし、冷却装置100は、図1又は図2に示す構成であっても良い。冷却装置100が図1又は図2に示す構成である場合には、サブクール熱交換器側放熱面3bを、放熱面3のサブクール流路7aと熱交換される部分のように適宜読み替えすれば良い。
***構成の説明***
図19を参照して、実施の形態5に係るサブクール流路7aの周りの構造を説明する。
図19において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
実施の形態5に係る冷却装置100は、サブクール流路7aにフィルター12が設置される。フィルター12は多孔質なもの、発泡金属、メッシュ、繊維状のものといった冷媒が通過可能な空隙が存在するものである。サブクール流路7aにフィルター12が複数個設置されて、冷媒が各フィルター12を通過するように構成しても良い。
***動作の説明***
実施の形態5に係る冷却装置100は、サブクール流路7aにおいて、残存気泡を含む冷媒液がフィルター12を通過する際に、毛管力によって冷媒液はフィルター12を難なく通過するが、残存気泡は通過しにくくなる。フィルター12を通過できなかった残存気泡は、後から流れてくる冷媒液と熱交換して凝縮して小さくなるか消失する。フィルター12を通過できた残存気泡も、通過した際に細かい小さな気泡に分けられて冷媒液と撹拌されるため、その後の冷媒液と熱交換が促進されて凝縮しやすくなる。残存気泡が消失すると過冷却度も低下する。
***実施の形態5の効果***
実施の形態5に係る冷却装置100は、サブクール流路7aにおいて、残存気泡がより消失しやすくなる。また、ポンプ1に流入する冷媒の過冷却度の増加を抑えることができる。残存気泡が消失しやすくなったことでサブクール熱交換器7及びサブクール熱交換器側放熱面3b全体を縮小できる。その分、凝縮器6及び凝縮器側放熱面3aを拡大して、冷却装置100の冷却性能を向上させることもできる。ポンプに流入する冷媒の過冷却度の増加を抑えられるため、蒸気生成部8での予加熱量を減らして、冷却装置100の消費電力を減らして冷却効率を向上させることができる。
実施の形態6.
実施の形態6は、サブクール流路7aが上流から下流に向かうにつれ、徐々に流路の断面積が小さくなる点が実施の形態1~5と異なる。実施の形態6では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態6では、図3に示すように、冷却装置100は、放熱器5が凝縮器6とサブクール熱交換器7とを備え、放熱面3が凝縮器側放熱面3aとサブクール熱交換器側放熱面3bとに分割されている構成である例を用いて説明する。しかし、冷却装置100は、図1又は図2に示す構成であっても良い。冷却装置100が図1又は図2に示す構成である場合には、サブクール熱交換器側放熱面3bを、放熱面3のサブクール流路7aと熱交換される部分のように適宜読み替えすれば良い。
***構成の説明***
図20を参照して、実施の形態6に係るサブクール流路7aの周りの構造を説明する。
図20において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
実施の形態6に係る冷却装置100は、サブクール流路7aが上流から下流に向かうにつれ、徐々に流路の断面積が小さくなるように構成される。
***動作の説明***
実施の形態6に係る冷却装置100は、サブクール流路7aが上流から下流に向かうにつれ、密度の低い残存気泡が徐々に消失し、ボイド率が低下する。
上流から下流にかけて流路断面積が同じであれば、上流側の方が下流側に比べて冷媒の流速が速くなり、圧力損失が大きくなる。サブクール流路7aを上流から下流に向かうにつれ、徐々に流路断面積が狭くなるように構成されている。そのため、上流側の流速の増加が抑えられて圧力損失が低減される。また、下流側については、サブクール熱交換器7を縮小できる。
***実施の形態6の効果***
実施の形態6に係る冷却装置100は、サブクール流路7a上流側の圧力損失を抑えられる。そのため、より冷却装置100の冷却性能と冷却効率とを向上できる。また、サブクール流路7aの下流側についてサブクール熱交換器7の領域を縮小できる。その分、凝縮器6や凝縮器側放熱面3aを拡大して、冷却装置100の冷却性能を向上させることもできる。
実施の形態7.
実施の形態7は、サブクール流路7aに複数の偏向板13が設けられた点が実施の形態1~6と異なる。実施の形態7では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態7では、図3に示すように、冷却装置100は、放熱器5が凝縮器6とサブクール熱交換器7とを備え、放熱面3が凝縮器側放熱面3aとサブクール熱交換器側放熱面3bとに分割されている構成である例を用いて説明する。しかし、冷却装置100は、図1又は図2に示す構成であっても良い。冷却装置100が図1又は図2に示す構成である場合には、サブクール熱交換器側放熱面3bを、放熱面3のサブクール流路7aと熱交換される部分のように適宜読み替えすれば良い。
***構成の説明***
図21を参照して、実施の形態7に係るサブクール流路7aの周りの構造を説明する。
図21において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
実施の形態7に係る冷却装置100は、サブクール流路7aに複数の偏向板13が設けられている。サブクール流路7aでは、複数の偏向板13により、冷媒が何度も流れの向きを変えながら流れる。偏向板13は、流路が分岐しないように流れの方向を変えるものである。偏向板13は、サブクール流路7aの流路壁面に取り付けたものでも、サブクール熱交換器7の固体部分と一体として、周りにサブクール流路7aを設けて構成したものでも良い。
***動作の説明***
実施の形態7に係る冷却装置100では、複数の偏向板13により、冷媒が何度も流れの向きを変えながら流れる。凝縮流路6aに比べてサブクール流路7aの方が密度の低い気相の量が少なくて流速が遅い。そのため、複数の偏向板13を設けて、何度も流れ方向が変わるように曲がっても圧力損失があまり大きくならない。一方、サブクール流路7aでは、複数の偏向板13により何度も流れが曲げられることで、内部の二次流れが強くなり、冷媒液と残存気泡が撹拌される。その結果、熱交換が促進され、残存気泡が消失しやすくなる。
***実施の形態7の効果***
実施の形態7に係る冷却装置100は、サブクール流路7aにおいて、残存気泡がより消失しやすくなる。また、ポンプに流入する冷媒の過冷却度の増加を抑えることができる。残存気泡が消失しやすくなったことでサブクール熱交換器7及びサブクール熱交換器側放熱面3b全体を縮小できる。その分、凝縮器6及び凝縮器側放熱面3aを拡大して、冷却装置100の冷却性能を向上させることもできる。ポンプ1に流入する冷媒の過冷却度の増加を抑えられるため、蒸気生成部8での予加熱量を減らして、冷却装置100の消費電力を減らして冷却効率を向上させることができる。
実施の形態8.
実施の形態8は、ポンプ1と冷却器4との間の冷媒の一部を、凝縮流路6aとサブクール流路7aとの間に流す点が実施の形態1~7と異なる。実施の形態8では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態8では、図3に示すように、冷却装置100は、放熱器5が凝縮器6とサブクール熱交換器7とを備え、放熱面3が凝縮器側放熱面3aとサブクール熱交換器側放熱面3bとに分割されている構成である例を用いて説明する。しかし、冷却装置100は、図1又は図2に示す構成であっても良い。冷却装置100が図1又は図2に示す構成である場合には、サブクール熱交換器側放熱面3bを、放熱面3のサブクール流路7aと熱交換される部分のように適宜読み替えすれば良い。
***構成の説明***
図22を参照して、実施の形態8に係る冷却装置100の構成を説明する。
図22において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
実施の形態8に係る冷却装置100は、冷媒流路におけるポンプ1と冷却器4との間の流路から分岐して、凝縮流路6aとサブクール流路7aとの間の流路に合流する支流路を備える。支流路には、途中に冷媒の流量を調整する流量調整装置14が設けられる。流量調整装置14は、例えば、開度を調整可能な弁である。ポンプ1と冷却器4との間における分岐箇所は、蒸気生成部8の上流側でも下流側でも良い。
***動作の説明***
実施の形態8に係る冷却装置100は、循環する冷媒の温度が下がりやすい場合には、流量調整装置14の開度を上げる。これにより、支流路に流れる冷媒量が増え、冷却器4側の主流路を流れる冷媒量が減る。循環する冷媒の温度が下がりやすい場合とは、発熱機器の発熱量が少ない場合又は凝縮器側放熱面3aが日陰となって放熱効率が高い場合が考えられる。
冷却器4を流れる冷媒量が減少することで、発熱機器の発熱量が少ない場合でも冷却器4において冷媒液が沸騰しやすくなって、温度を一定に制御しやすくなる。また、凝縮流路6aを流れる冷媒量を少なくすることで熱伝達率を低くして、凝縮器側放熱面3aからの放熱量を低減できる。
流量調整装置14が設置された支流路は主に冷媒液が流れる。そのため、凝縮流路6aの下流で合流する際に冷媒液と残存気泡が撹拌される。その結果、残存気泡が消失しやすくなる。
蒸気生成部8の上流側で支流路が分岐する場合は、蒸気生成部8を流れる冷媒量が減少する。そのため、蒸気生成部8において飽和液エンタルピーまで冷媒を加熱するための消費電力が減少する。
蒸気生成部8の下流側で支流路が分岐する場合は、凝縮流路6aから流出した過冷却冷媒に、蒸気生成部8で飽和液エンタルピーまで加熱された冷媒が合流する。これにより、サブクール流路7aに流入する冷媒が温められる。そのため、ポンプ1に流入する冷媒が低温限界を下回って、ポンプ1が故障することが防がれる。
***実施の形態8の効果***
実施の形態8に係る冷却装置100は、ポンプ1を制御してポンプ1を流れる冷媒の流量を調整しなくても、流量調整装置14の制御によって冷却器4と凝縮流路6aを流れる冷媒の流量を調整できる。
ポンプ1で流量を調整する場合は、回転数制御又は電力変換等が必要になる場合がある。そのため、ポンプ1の電力量が多いほど冷却装置100のシステムが複雑となる場合がある。流量調整装置14で流量を制御することによって、ポンプ1での流量制御が不要となる。その結果、冷却装置100のシステムを簡素化することができる。
流量調整装置14のある支流路には、ほぼ飽和温度以下の冷媒液が流れる。そのため、凝縮流路6aから流出した冷媒との合流により残存気泡が一部消失する。その結果、サブクール流路7aが短くなっても十分に残存気泡を消失させることができるので、サブクール流路7aを短くできる。サブクール流路7aを短くした分、サブクール熱交換器7及びサブクール熱交換器側放熱面3b全体を縮小できる。その分、凝縮器6及び凝縮器側放熱面3aを拡大して、冷却装置100の冷却性能を向上させることもできる。
サブクール流路7aを短くすることで、ポンプ1に流入する冷媒の過冷却度の増加を抑えられる。そのため、蒸気生成部8での予加熱量を減らして、冷却装置100の消費電力を減らして冷却効率を向上させることができる。また、蒸気生成部8の上流側で支流路を分岐させることで、蒸気生成部8の消費電力をさらに削減できる。
蒸気生成部8の下流側で支流路が分岐する場合には、ポンプ1に流入する冷媒が低温限界を下回らないように、蒸気生成部8での加熱を利用してポンプ1が故障することが防ぐことが可能となる。これは、発熱機器の発熱量が非常に少ない場合又は凝縮器側放熱面3aが日陰となって放熱効率が非常に高い場合等に有効である。
実施の形態9.
実施の形態9は、凝縮流路6aとサブクール流路7aとの間の気相冷媒を冷却器4と凝縮流路6aとの間に戻す点が実施の形態1~8と異なる。実施の形態9では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態9では、図3に示すように、冷却装置100は、放熱器5が凝縮器6とサブクール熱交換器7とを備え、放熱面3が凝縮器側放熱面3aとサブクール熱交換器側放熱面3bとに分割されている構成である例を用いて説明する。しかし、冷却装置100は、図1又は図2に示す構成であっても良い。冷却装置100が図1又は図2に示す構成である場合には、サブクール熱交換器側放熱面3bを、放熱面3のサブクール流路7aと熱交換される部分のように適宜読み替えすれば良い。
***構成の説明***
図23を参照して、実施の形態9に係る冷却装置100の構成を説明する。
図23において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
実施の形態9に係る冷却装置100は、冷媒流路における凝縮流路6aとサブクール流路7aとの間に気液分離器15が設けられる。冷却装置100は、冷媒流路における冷却器4と凝縮流路6aとの間にエジェクタ16が設けられる。冷却装置100は、気液分離器15の冷媒出口の内、気相比率が多い冷媒が流出する冷媒出口と、エジェクタ16とを接続する第2支流路を備える。
気液分離器15は、遠心分離式のような遠心力などの慣性力を利用する、又は、フィルター式のように毛管力等を利用することにより、気相と液相とを分離する。気液分離器15で分離された気相冷媒は、エジェクタ16に第2支流路を介して流入する。エジェクタ16に第2支流路を介して流入した気相冷媒は、冷却器4から流出した気液二相冷媒と合流して再び、凝縮流路6aに流入する。エジェクタ16は、冷却器4から流出した気液二相冷媒を縮流して、高速流による剪断力と、静圧を動圧に変換して再び静圧回復させる効果とを利用して、気液分離器15で分離された気相を引き込むように構成される。
***動作の説明***
実施の形態9に係る冷却装置100は、凝縮流路6aから流出した気液二相流が気液分離器15によって、気相比率が多い側の冷媒と液相比率が多い側の冷媒に分離して流出する。気相比率が多い側の冷媒はエジェクタ16によって引き込まれる。そして、エジェクタ16に引き込まれた冷媒は、冷却器4から流出した気液二相冷媒と合流して、再び凝縮流路6aに流入する。一方、液相比率が多い側の冷媒は、サブクール流路7aに流入する。
その結果、凝縮流路6aでは冷媒全体の流量と気相の比率とが増加する。一方、サブクール流路7aでは冷媒全体の流量は変わらないが液相の比率が増加する。凝縮流路6aでは気相比率と冷媒流速とが増加したことで熱伝達率が向上する。サブクール流路7aでは残存気泡が少なくなって、残存気泡が消失しやすくなる。
***実施の形態9の効果***
実施の形態9に係る冷却装置100は、凝縮流路6aを流れる気相の量が増えて熱伝達率が向上する。これにより、冷却装置100の冷却能力と冷却効率とが向上する。
また、サブクール流路7aに流入する残存気泡の量が減少したことで、サブクール流路7aで残存気泡が消失しやすくなる。そのため、ポンプ1に流入する冷媒の過冷却度の増加を抑えることができる。残存気泡が消失しやすくなったことでサブクール熱交換器7及びサブクール熱交換器側放熱面3b全体を縮小できる。その分、凝縮器6及び凝縮器側放熱面3aを拡大して、冷却装置100の冷却性能をさらに向上させることもできる。ポンプ1に流入する冷媒の過冷却度の増加を抑えられるため、蒸気生成部8での予加熱量を減らして、冷却装置100の消費電力を減らして冷却効率を向上させることができる。
実施の形態10.
実施の形態10は、冷却器4と凝縮流路6aとの間の液相冷媒を、凝縮流路6aとサブクール流路7aとの間に流す点が実施の形態1~9と異なる。実施の形態10では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態10では、図3に示すように、冷却装置100は、放熱器5が凝縮器6とサブクール熱交換器7とを備え、放熱面3が凝縮器側放熱面3aとサブクール熱交換器側放熱面3bとに分割されている構成である例を用いて説明する。しかし、冷却装置100は、図1又は図2に示す構成であっても良い。冷却装置100が図1又は図2に示す構成である場合には、サブクール熱交換器側放熱面3bを、放熱面3のサブクール流路7aと熱交換される部分のように適宜読み替えすれば良い。
***構成の説明***
図24を参照して、実施の形態10に係る冷却装置100の構成を説明する。
図24において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。
実施の形態10に係る冷却装置100は、冷媒流路における冷却器4と凝縮流路6aとの間に気液分離器15が設けられる。また、冷却装置100は、気液分離器15の冷媒出口の内、液相比率が多い冷媒が流出する冷媒出口と、凝縮流路6aとサブクール流路7aとの間の流路とを接続する第3支流路を備える。第3支流路には、途中に冷媒の流量を調整する流量調整装置14が設けられる。
***動作の説明***
実施の形態10に係る冷却装置100は、電子機器2での発熱量と、凝縮器側放熱面3aでの放熱量とに応じて、凝縮流路6aを流れる冷媒の流量を流量調整装置14の開度で調整する。具体的には、電子機器2での発熱量が少ない場合に、流量調整装置14を開放して、凝縮流路6aに流さない液相冷媒の量を増やす。電子機器2での発熱量が少ない場合には、冷却器4から流出する冷媒の液相比率が多い。そのため、気液分離器15で分離して凝縮流路6aに流す液相の量を減らすことで、凝縮流路6aでの冷媒流速の増加が抑えられて熱伝達率が減少する。
さらに凝縮器側放熱面3aが日陰となって放熱効率が高くなる場合には、凝縮流路6aでの熱伝達率が高いと冷却装置100全体の冷媒温度が低下してしまう。そのため、凝縮流路6aでの熱伝達率を低下させて放熱量を減らすことで、ポンプ1に最低許容温度を下回る冷媒が流入することを防ぐ。
また、気液分離器15で分離された液相比率が多い冷媒と、凝縮流路6aから流出した残存気泡を含む過冷却冷媒が合流する際に、冷媒液と残存気泡が撹拌される。これにより、一部の残存気泡が消失してサブクール流路7aに流入する。
***実施の形態10の効果***
実施の形態10に係る冷却装置100は、ポンプ1を制御してポンプ1を流れる冷媒の流量を調整しなくても、流量調整装置14の制御によって凝縮流路6aを流れる冷媒の流量を調整できる。
ポンプ1で流量を調整する場合は、回転数制御又は電力変換等が必要になる場合がある。そのため、ポンプ1の電力量が多いほど冷却装置100のシステムが複雑となる場合がある。流量調整装置14で流量を制御することによって、ポンプ1での流量制御が不要となる。その結果、冷却装置100のシステムを簡素化することができる。
気液分離器15で分離されて流量調整装置14に流れる流路には、ほぼ飽和温度以下の冷媒液が流れる。そのため、凝縮流路6aから流出した冷媒との合流により残存気泡が一部消失する。その結果、サブクール流路7aが短くなっても十分に残存気泡を消失させることができる。サブクール流路7aを短くした分、サブクール熱交換器7及びサブクール熱交換器側放熱面3b全体を縮小できる。その分、凝縮器6や凝縮器側放熱面3aを拡大して、冷却装置100の冷却性能を向上させることもできる。
サブクール流路7aが短くすることで、ポンプ1に流入する冷媒の過冷却度の増加を抑えられる。そのため、蒸気生成部8での予加熱量を減らして、冷却装置100の消費電力を減らして冷却効率を向上させることができる。ポンプ1に流入する冷媒が低温限界を下回らないように、蒸気生成部8での加熱を利用してポンプ1が故障することが防ぐことが可能となる。これは、発熱機器の発熱量が非常に少ない場合又は凝縮器側放熱面3aが日陰となって放熱効率が非常に高い場合等に有効である。
実施の形態11.
実施の形態11は、凝縮器6と凝縮器側放熱面3aとの間に複数のヒートパイプ17が設けられた点が実施の形態1~10と異なる。実施の形態11では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
***構成の説明***
図25から図27を参照して、実施の形態11に係る凝縮流路6aとサブクール流路7a周りの構成を説明する。
図25及び図27において、実線の矢印は冷媒の主流方向を示している。図26において、実線の矢印はヒートパイプ17内部を流れる気相冷媒の主流方向を示し、破線の矢印はヒートパイプ17内部を流れる液相冷媒の主流方向を示している。
実施の形態11に係る冷却装置100は、凝縮器6と凝縮器側放熱面3aとの間に挟むように複数のヒートパイプ17が設けられる。複数のヒートパイプ17は、凝縮流路6aを流れる冷媒から受け取った熱を凝縮器側放熱面3aに万遍なく広げるように配置される。各ヒートパイプ17は、内部の密閉空間に気相と液相との冷媒が混入されている。各ヒートパイプ17の内部の流路壁面には、発泡金属、メッシュ、繊維状等の多孔質体で、冷媒が流れることができる空隙が存在するウィック17aが設けられている。
***動作の説明***
実施の形態11に係る冷却装置100は、凝縮流路6aを流れる冷媒から放出された熱が、まず凝縮器6に取り付けられた複数のヒートパイプ17に運ばれる。
ヒートパイプ17では、凝縮器6が取り付けられている面近傍の近傍にあるウィック17aを流れる冷媒液が熱を受け取って蒸発する。すると、ウィック17aに囲まれた空間を蒸気が流れて、凝縮器側放熱面3aが取り付けられている面近傍にあるウィック17aにおいて、凝縮器側放熱面3aに向けて熱を放出する。これにより、再び蒸気が冷媒液となり、ウィック17aの毛管力により凝縮器6が取り付けられている面近傍の近傍にあるウィック17aに向かって流れる。以上のように、冷媒が繰り返し循環する。
その後、万遍なく取り付けられた複数のヒートパイプ17から熱を受け取った凝縮器側放熱面3aから深宇宙に向けて熱が放出される。
凝縮器側放熱面3aから深宇宙までの輻射放熱による熱コンダクタンスに対して、凝縮流路6a及びヒートパイプ17での気液二相対流熱伝達による熱コンダクタンスの方が圧倒的に大きい。そのため、凝縮器6及び凝縮流路6aを縮小して複数のヒートパイプ17に取り付けられる面積が小さくなっても、凝縮器側放熱面3aには温度があまり低下することなく万遍なく熱が伝わる。
***実施の形態11の効果***
実施の形態11に係る冷却装置100は、複数のヒートパイプ17を介して凝縮器6から凝縮器側放熱面3aに熱を伝える。これにより、凝縮流路6aを縮小することができる。
凝縮流路6aを縮小したことで、凝縮流路6aを流れる冷媒の圧力損失が減少する。そして、冷却装置100を循環する冷媒の流量が増えて、冷却効率を向上させることができる。また、凝縮流路6aを縮小したことで、冷却装置100全体の流路容積が減って、冷媒量を減らして軽量化することができる。
例えば、冷却装置100が人工衛星200に搭載されているとする。このとき、人工衛星200の本体21にスペースデブリが衝突したとする。凝縮器6は、面積が広い凝縮器側放熱面3aに直接取り付けられた部分が無く、接している面積も少ない。そのため、衝突したスペースデブリにより凝縮流路6aに穴が開いて冷却装置100が故障する確率を減らすことができる。
複数のヒートパイプ17のいずれかにスペースデブリの衝突によって穴が開いて多少熱交換効率が低下しても他のヒートパイプ17がカバーする。そのため、冷却装置100の機能が完全に停止することは無い。
従来のように、本体21内部において凝縮器側放熱面3aと反対側の複数のヒートパイプ17の面に一部の電子機器2を取りつけて冷却することも可能となる。そのため、本体21内部に電子機器2を高密度に設置して人工衛星200を高機能化することも可能である。
実施の形態12.
実施の形態12では、冷却装置100を人工衛星200以外の搭載装置に搭載する場合について説明する。
実施の形態1~11では、冷却装置100を人工衛星200に搭載した場合について説明した。しかし、冷却装置100は、人工衛星200に限らず、他の搭載装置に搭載されても良い。具体的には、探査機及び宇宙船といった、人工衛星以外の宇宙構造物に搭載しても良いし、地上の設備に搭載しても良い。
例えば、放熱面3、凝縮器側放熱面3a又はサブクール熱交換器側放熱面3bを空気及び水といった低温の各種流体と接する放熱フィンに置き換える。これにより、地上の設備で電子機器2を、低消費電力かつ高い放熱能力で冷却することができる。
冷却装置100は、重力方向に依らず、使用可能である。そのため、冷却装置100は、様々な姿勢で地上の設備に搭載可能である。冷却装置100は、使用中に姿勢が変わっても故障することなく、長寿命に使用することができる。例えば、自動車と、航空機と、鉄道車両と、エレベータといった、重力以外の慣性力が加わる移動する機器でも正常に動作するため、適用することができる。
また、例えば、エンジンで駆動する自動車を搭載装置とすることが考えられる。この場合には、電子機器2の代わりにエンジンで駆動する自動車の内燃機関といった発熱機器を冷却対象として使用することができる。また、ポンプ1を、自動車のエンジン又は電力装置から動力を得て駆動する回転駆動装置に取り付けて冷媒を循環させる構成としても良い。
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施しても良い。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施しても良い。なお、本開示は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
1 ポンプ、2 電子機器、3 放熱面、3a 凝縮器側放熱面、3b サブクール熱交換器側放熱面、4 冷却器、5 放熱器、6 凝縮器、6a 凝縮流路、6b 配管支持部、6c 熱交換基板、6d 溝、7 サブクール熱交換器、7a サブクール流路、8 蒸気生成部、9 アキュムレータ、10 フィン、11 多孔質体、12 フィルター、13 偏向板、14 流量調整装置、15 気液分離器、16 エジェクタ、17 ヒートパイプ、17a ウィック、21 本体、21a フレーム、22 太陽電池パネル、100 冷却装置、200 人工衛星。

Claims (20)

  1. 搭載装置に搭載された発熱機器を冷却する冷却装置であり、
    液体の冷媒を循環させるポンプと、前記冷媒により前記発熱機器を冷却する冷却器と、前記冷媒を冷却する放熱器とを順次接続して環状に構成された冷媒流路を備え、
    前記放熱器には、前記冷却器から流出した前記冷媒が流入し、流入した前記冷媒が複数に分岐して流れて放熱する凝縮流路と、前記凝縮流路から流出した前記冷媒が流入し、流入した前記冷媒が直列に流れて放熱するサブクール流路とが設けられた冷却装置。
  2. 前記凝縮流路の断面積は、前記サブクール流路の断面積よりも広い
    請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記凝縮流路は、前記放熱器における凝縮領域に設けられており、
    前記サブクール流路は、前記放熱器におけるサブクール領域に設けられており、
    前記凝縮領域は、前記サブクール領域よりも大きい。
    請求項1又は2に記載の冷却装置。
  4. 前記凝縮流路は、前記放熱器における凝縮領域に設けられており、
    前記サブクール流路は、前記放熱器におけるサブクール領域に設けられており、
    前記凝縮領域において前記凝縮流路が占める割合は、前記サブクール領域において前記サブクール流路が占める割合よりも低い
    請求項1から3までのいずれか1項の冷却装置。
  5. 前記凝縮流路は、前記冷媒が並列に流れる複数の並列流路によって構成され、
    前記サブクール流路は、前記冷媒が直列に流れる流路が折り曲げられることにより、前記冷媒が第1方向に流れる第1流路と、前記冷媒が前記第1方向と対向する第2方向に流れる第2流路とが繰り返されて構成され、
    前記凝縮流路を構成する前記複数の並列流路の間の間隔は、前記サブクール流路を構成する前記第1流路と前記第2流路との間の間隔よりも広い
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  6. 前記放熱器は、前記搭載装置の放熱面によって前記凝縮流路と前記サブクール流路とが覆われるように設けられており、
    前記凝縮流路の単位長さ当たりの前記凝縮流路を覆う部分の前記放熱面の面積は、前記サブクール流路の前記単位長さ当たりの前記サブクール流路を覆う部分の前記放熱面の面積よりも広い
    請求項1から5までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  7. 前記放熱器は、
    前記凝縮流路が設けられた凝縮器と、
    前記凝縮器とは分離したサブクール熱交換器であって、前記サブクール流路が設けられたサブクール熱交換器と
    を備える請求項1から6までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  8. 前記搭載装置には、分離した複数の放熱面があり、
    前記凝縮器と前記サブクール熱交換器とは、それぞれ異なる放熱面に覆われるように設けられた
    請求項7に記載の冷却装置。
  9. 前記凝縮流路には、前記冷媒を分岐させる複数の突起が設けられた
    請求項1から8までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  10. 前記凝縮流路には、放熱する側と反対側の流路壁面に多孔質体が設けられた
    請求項1から9までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  11. 前記搭載装置には、前記凝縮流路における前記多孔質体が設けられた側に前記発熱機器が搭載された
    請求項10に記載の冷却装置。
  12. 前記サブクール熱交換器は、前記サブクール流路の上流側と下流側とで異なる放熱面に覆われるように設けられた
    請求項8に記載の冷却装置。
  13. 前記サブクール流路には、前記冷媒が通過可能な空隙を有するフィルターが設けられた
    請求項1から12までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  14. 前記サブクール流路は、上流から下流へ向かって徐々に断面積が狭くなる
    請求項1から13までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  15. 前記サブクール流路には、前記冷媒の流れる方向を変える複数の偏向板が設けられた
    請求項1から14までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  16. 前記冷却装置は、さらに、
    前記冷媒流路における前記ポンプと前記冷却器との間の流路から分岐して、前記凝縮流路と前記サブクール流路との間の流路に合流する支流路であって、途中に流量調整装置が設けられた支流路
    を備える請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  17. 前記冷媒流路には、前記凝縮流路と前記サブクール流路との間に気液分離器が設けられ、前記冷却器と前記凝縮流路との間にエジェクタが設けられ、
    前記冷却装置は、さらに、
    前記気液分離器の冷媒出口の内、気相比率が多い冷媒が流出する冷媒出口と、前記エジェクタとを接続する第2支流路
    を備える請求項1から16までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  18. 前記冷媒流路には、前記冷却器と前記凝縮流路との間に気液分離器が設けられ、
    前記冷却装置は、さらに、
    前記気液分離器の冷媒出口の内、液相比率が多い冷媒が流出する冷媒出口と、前記凝縮流路と前記サブクール流路との間の流路とを接続する第3支流路であって、途中に流量調整装置が設けられた第3支流路
    を備える請求項1から17までのいずれか1項に記載の冷却装置。
  19. 前記凝縮器は、ヒートパイプを介して前記放熱面に覆われた
    請求項8に記載の冷却装置。
  20. 請求項1から19までのいずれか1項に記載の冷却装置を備える前記搭載装置である宇宙構造物。
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