JP2023099962A - 車両用樹脂ルーフ取付構造及び車両ルーフ構造 - Google Patents

車両用樹脂ルーフ取付構造及び車両ルーフ構造 Download PDF

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Abstract

【課題】温度変化によらず車体と樹脂製のルーフとの連結状態を良好に維持することができる車両用樹脂ルーフ取付構造を提供する。【解決手段】車両用樹脂ルーフ取付構造は、車両上部骨格部材に設けられブラケット側貫通孔110が形成されたブラケット26と、ルーフ側貫通孔80Aが周端部52Aに形成された樹脂製のメインルーフ50と、ブラケット側貫通孔110及びルーフ側貫通孔80Aに挿通された軸部94と、ルーフ側貫通孔80Aよりも大径の頭部92と、ブラケット側貫通孔110の周縁部112の下面に当接するように配設されたブラケット側貫通孔110よりも大径の爪部100と、を備え、軸部94の周面とブラケット側貫通孔110の孔壁との間に隙間を有して配設されたクリップ90と、クリップ90における頭部92の下面及びルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bの上面間に挟持された伸縮部材102と、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、車両用樹脂ルーフ取付構造及び車両ルーフ構造に関する。
下記特許文献1には、車室内の騒音低減及び断熱性向上を目的として、発泡性の成形体を備えた車両用天井内装材が開示されている。この天井内装材は、車室内に面するパネル状の基材の車室外側に、発泡性の成形体が一体に成形されている。
特開2011-225150号公報
上記特許文献1の天井内装材は、車両に付いた状態の一般的な金属製のルーフパネルに対して車室内側から圧接するように組み付けられる。よって、組付性に改善の余地がある。
そこで、組付性を向上するために、ルーフパネルを樹脂化して、この樹脂性のルーフパネルと発泡性の成形体とを一体成形することが考えられる。このように一体成形された樹脂ルーフを、車室外側から車体の上部に接着することで、組付性が向上される。
ここで、接着に加えて別の構造を適用することにより、車体と樹脂ルーフとの連結をさらに強化することが考えられる。ただし、樹脂ルーフは温度変化によって膨張及び収縮しやすいため、樹脂ルーフを車体に強固に固定してしまうと、この膨張及び収縮による樹脂ルーフの寸法変化を吸収することができない。よって、温度変化によらず、車体と樹脂ルーフとの連結状態を良好に維持することができる構造が求められる。
本発明は上記事実を考慮し、温度変化によらず車体と樹脂ルーフとの連結状態を良好に維持することができる車両用樹脂ルーフ取付構造及び車両ルーフ構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、車体上部に配置された車両上部骨格部材に設けられ、板厚方向に貫通するブラケット側貫通孔が形成されたブラケットと、板厚方向に貫通するルーフ側貫通孔が周端部に形成され、前記ブラケット側貫通孔の周縁部と前記ルーフ側貫通孔の周縁部とが上下方向に重なるように前記車両上部骨格部材の上方側に配設された樹脂製のメインルーフと、前記車両上部骨格部材を含む前記車体上部の基材に前記メインルーフの下面を接着する接着剤と、前記ブラケット側貫通孔及び前記ルーフ側貫通孔に挿通された軸部と、前記ルーフ側貫通孔の上方に配設された前記ルーフ側貫通孔よりも大径の頭部と、前記ブラケット側貫通孔の前記周縁部の下面に当接するように配設された前記ブラケット側貫通孔よりも大径の爪部と、を備え、前記軸部の周面と前記ブラケット側貫通孔の孔壁との間に隙間を有して配設されたクリップと、前記クリップにおける前記頭部の下面及び前記ルーフ側貫通孔の前記周縁部の上面間に挟持された伸縮性を有する伸縮部材と、を有する。
請求項1に記載の本発明によれば、車体上部に配置された車両上部骨格部材の上方側には、樹脂製のメインルーフ(樹脂ルーフ)が配設されている。ここで、メインルーフの下面は、接着剤によって車両上部骨格部材を含む車体上部の基材に接着されている。
また、車両上部骨格部材には、ブラケットが設けられている。このブラケットには、板厚方向に貫通するブラケット側貫通孔が形成されている。一方、メインルーフの周端部には、板厚方向に貫通するルーフ側通孔が形成されている。このメインルーフは、ブラケット側貫通孔の周縁部とルーフ側貫通孔の周縁部とが上下方向に重なる位置において、車両上部骨格部材の上方側に配設されている。
ここで、ブラケット側貫通孔及びルーフ側貫通孔には、クリップの軸部が挿通されている。クリップはさらに、ブラケット側貫通孔よりも大径の爪部を備えている。この爪部は、クリップの組付状態おいてブラケット側貫通孔の周縁部の下面側に配設されている。つまり、本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、爪部がブラケットの下面側に引っ掛かることでクリップが上方側(車室外側)に抜けないように構成されている。
クリップはさらに、ルーフ側貫通孔よりも大径の頭部を備えている。この頭部は、クリップの組付状態においてルーフ側貫通孔の上方に位置している。これにより、仮にメインルーフを車体上部の基材に接着する接着剤が剥がれたとしても、クリップの頭部にルーフ側貫通孔の周縁部が掛止されるため、メインルーフは飛散することなく車体への連結状態が維持される。
また、クリップにおける頭部の下面とメインルーフにおけるルーフ側貫通孔の周縁部の上面との間には、伸縮性のある伸縮部材が挟持されている。このとき、クリップの爪部は、ブラケット側貫通孔の周縁部の下面に当接している。つまり、クリップはメインルーフとブラケットとを上下方向に挟み込んだ状態で取り付けられる。このとき、伸縮部材を介してクリップが取り付けられるため、メインルーフがクリップによってブラケットに過剰に固定されることが抑制される。
このように、メインルーフはブラケットに対して緩く取り付けられているため、メインルーフの周端部はブラケットに対して滑動することができる。また、クリップは、ブラケット側貫通孔の孔壁とクリップの軸部の周面との間に隙間を有して配設されている。よって、温度変化によってメインルーフが膨張及び収縮して面方向に伸び縮みすると、クリップは、爪部がブラケット側貫通孔の周縁部の下面に当接した状態で、伸縮部材と共にメインルーフの周端部の動きに追従して移動する。これにより、メインルーフと車体との連結状態が維持されたまま、メインルーフの寸法変化が吸収される。
請求項2に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、請求項1に記載の発明において、前記メインルーフは平面視矩形状とされ、前記ブラケット側貫通孔は前記メインルーフの長手方向に沿う方向を長手方向とする長孔とされている。
請求項2に記載の本発明によれば、温度変化によってメインルーフが膨張及び収縮した場合、メインルーフの長手方向の寸法変化は、短手方向の寸法変化よりも大きくなる。
ここで、ブラケット側貫通孔は、メインルーフの長手方向に沿う方向を長手方向とする長孔とされている。つまり、ブラケット側貫通孔は、メインルーフの寸法変化の大きな方向に長く、メインルーフの寸法変化の小さな方向に短く形成されている。これにより、クリップの軸部の移動範囲を考慮した最小限の孔で、温度変化によるメインルーフの伸び縮みを効率よく吸収することができる。
請求項3に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、請求項2に記載の発明において、前記クリップの前記爪部は、前記メインルーフの短手方向に沿う方向に一対設けられている。
請求項3に記載の本発明によれば、ブラケット側貫通孔の周縁部の下面に当接するクリップの爪部は、メインルーフの短手方向に沿う方向に一対設けられている。つまり、クリップの爪部は、メインルーフの寸法変化の小さい方向に沿って配設されている。よって、温度変化によってメインルーフが膨張及び収縮した場合、一対の爪部が設けられている方向へのクリップの移動量は、一対の爪部と直交する方向へのクリップの移動量と比較して小さくなる。
また、長孔とされたブラケット側貫通孔の短手方向は、メインルーフの短手方向と一致している。つまり、クリップにおける一対の爪部は、ブラケット側貫通孔の短手方向における周縁部の下面に当接して配設される。これにより、爪部の外径を最小限に抑えつつ、爪部を安定してブラケットに引っ掛けることができる。
請求項4に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の発明において、前記伸縮部材は、前記クリップにおける前記頭部の下面と前記メインルーフにおける前記ルーフ側貫通孔の前記周縁部の上面との隙間を閉塞する。
請求項4に記載の本発明によれば、伸縮部材によって、クリップにおける頭部の下面とメインルーフにおけるルーフ側貫通孔の周縁部の上面との隙間が閉塞される。よって、ルーフ側貫通孔から車室内への水の進入が防止される。
請求項5に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、請求項1~請求項4の何れか一項に記載の発明において、前記メインルーフは、車両前後方向に一対設けられている。
請求項5に記載の本発明によれば、メインルーフは、前後方向に2枚設けられている。これにより、車両のメインルーフを1枚のみで構成する場合と比較して、1枚当たりの前後方向の寸法が短くなるため、温度変化によるメインルーフの前後方向への寸法変化を小さく抑えることができる。よって、小さなブラケット側貫通孔でメインルーフの寸法変化を吸収することができる。これにより、ルーフ側貫通孔も小さくすることができるため、メインルーフの強度及び剛性を向上することができる。さらに、クリップの頭部の寸法も小さくすることができる。よって、車体においてクリップが取り付けられた部分の外観意匠性を向上することができる。
請求項6に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、請求項1~請求項5の何れか一項に記載の発明において、前記メインルーフは、前記周端部を含んで構成された樹脂製のアウタ層と、前記アウタ層の前記周端部を除く所定の領域の下側に設けられた発泡樹脂製のインナ層と、を備える。
請求項6に記載の本発明によれば、アウタ層の下側、すなわち車室内側には、発泡樹脂製のインナ層が設けられている。よって、単層の樹脂パネルによってメインルーフを構成する場合と比較して、車室内の騒音が低減されると共に、車室の断熱性が向上される。
請求項7に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、請求項6に記載の発明において、前記アウタ層の外形端末がシーラで覆われている。
請求項7に記載の本発明によれば、アウタ層の外形端末と車体の上部との間から車室内への水の進入が防止される。
請求項8に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、請求項6又は請求項7に記載の発明において、前記クリップは、少なくとも前記アウタ層の4つの隅部にそれぞれ取り付けられている。
請求項8に記載の本発明によれば、メインルーフのアウタ層における4つの隅部は、クリップによってブラケットに連結されている。よって、仮に接着剤が剥がれたとしても、少なくともメインルーフの四隅において、メインルーフと車体との連結状態が維持される。これにより、例えば走行中に接着剤が剥がれたとしても、走行風によるメインルーフの浮き上がりを抑えることができるため、メインルーフの飛散を確実に防止することができる。
請求項9に記載の本発明に係る車両ルーフ構造は、請求項6~請求項8の何れか一項に記載の車両用樹脂ルーフ取付構造を有し、前記アウタ層よりも硬質な樹脂で形成されると共に、平面視で前記メインルーフとフロントウインドシールドとの間及び前記メインルーフとリアウインドシールドとの間にそれぞれ設けられ、前記メインルーフ、前記フロントウインドシールド及び前記リアウインドシールドをそれぞれ保持する一対のサブルーフと、を有する。
請求項9に記載の本発明によれば、前側のサブルーフによって、メインルーフ及び車両前方側に設けられたフロントウインドシールドが保持される。また、後側のサブルーフによって、メインルーフ及び車両後方側に設けられたリアウインドシールドが保持される。これらのサブルーフは、メインルーフのアウタ層よりも硬質な樹脂で形成されている。よって、金属製のルーフと比較して車両の質量を抑制しつつ、各ウインドシールドとメインルーフとを保持するために必要な強度及び剛性を確保することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、温度変化によらず車体と樹脂ルーフとの連結状態を良好に維持することができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、温度変化によるメインルーフの寸法変化を効率よく吸収することができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、小さなクリップで温度変化によるメインルーフの寸法変化を吸収しつつ、メインルーフを安定してブラケットに連結することができるという優れた効果を有する。
請求項4に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、ルーフ側貫通孔における止水性を確保することができるという優れた効果を有する。
請求項5に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、メインルーフの強度及び剛性を向上しつつ、クリップが取り付けられた部分の外観意匠性を向上することができるという優れた効果を有する。
請求項6に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、車室内の騒音を低減し車室の断熱性を向上することができるという優れた効果を有する。
請求項7に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、アウタ層の外形端末における止水性を確保することができるという優れた効果を有する。
請求項8に記載の本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、車体とルーフとの連結状態をより一層良好に維持することができるという優れた効果を有する。
請求項9に記載の本発明に係る車両ルーフ構造は、車両の質量を抑制しつつ必要な強度及び剛性を確保することができるという優れた効果を有する。
本実施形態に係る車両用樹脂ルーフ取付構造が適用された車両の車体上部を示す斜視図である。 図1に示される車体上部のX-X線において切断した断面図である。 図3(A)は、図1に示される車体上部におけるクリップの組付位置を示す図である。図3(B)は、図3(A)のA部を拡大して示す平面図である。 図3(A)及び図3(B)に示されるクリップの斜視図である。 図3(B)のY-Y線に沿って切断した断面図である。 図5の要部拡大図である。 図3(B)のZ-Z線に沿って切断した断面を示す要部拡大図である。
以下、図1~図7を用いて、本発明の一実施形態に係る車両用樹脂ルーフ取付構造及びこの車両用樹脂ルーフ取付構造を備えた車両ルーフ構造について説明する。なお、各図に適宜示される矢印UPは車両上方側を示しており、矢印FRは車両前方側を示しており、矢印LH及び矢印RHは車両左側及び車両右側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右、内外の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車室の内外をそれぞれ示すものとする。
まず、図1及び図2を用いて車両ルーフ構造について説明した後、図3~図7を用いて車両用樹脂ルーフ取付構造について詳述する。
〔車両ルーフ構造〕
図1には、本実施形態に係る車両用樹脂ルーフ取付構造が適用された車両10の車体上部12が示されている。車体上部12の車両幅方向両端部には、車両上部骨格部材としての金属製のルーフサイドレール20がそれぞれ前後方向に延在している。各ルーフサイドレール20の上側には、サイドメンバアウタパネル14(以下、「サイメンアウタ14」と称す。)の上部が配置されている。
また、左右一対のルーフサイドレール20の間には、車両幅方向に延在する金属製のルーフリインフォースメント30が、前後方向に間隔を空けて3本設けられている。以下、前側のルーフリインフォースメント30を「前側ルーフRF30F」と称し、中央のルーフリインフォースメント30を「中央ルーフRF30C」と称し、後側のルーフリインフォースメント30を「後側ルーフRF30B」と称す。各ルーフリインフォースメント30は、ルーフサイドレール20に溶接されている(図5参照)。
ここで、平面視で前側ルーフRF30Fと左右一対のルーフサイドレール20とで囲まれた部位には、略矩形平板状のサブルーフ40が設けられている。また、後側ルーフRF30Bと左右一対のルーフサイドレール20とで囲まれた部位にもサブルーフ40が設けられている。
前側のサブルーフ40は、車両前方側に設けられたフロントウインドシールド(図示省略)の上端部を保持している。一方、後側のサブルーフ40は、車両後方側に設けられたリアウインドシールド(図示省略)の上端部を保持している。上記のルーフサイドレール20、ルーフリインフォースメント30、サイメンアウタ14及びサブルーフ40が本発明における「基材」に相当する。
さらに、平面視で前後一対のサブルーフ40の間には、前後一対のメインルーフ50が設けられている。一対のメインルーフ50は、後に詳述する車両用樹脂ルーフ取付構造によって車体上部12の基材にそれぞれ取り付けられている。本実施形態に係る車両ルーフ構造は、このメインルーフ50とサブルーフ40とを含んで構成されている。
前側のメインルーフ50は、平面視で前側ルーフRF30Fと中央ルーフRF30Cと左右一対のルーフサイドレール20とで囲まれた部位に設けられている。一方、後側のメインルーフ50は、平面視で後側ルーフRF30Bと中央ルーフRF30Cと左右一対のルーフサイドレール20とで囲まれた部位に設けられている。
図2には、図1に示される車体上部12のX-X線において切断した面を左側から見た断面図が示されている。図2に示されるように、前側ルーフRF30Fは、車両側方から見た断面視で下方側に凸となる略ハット型形状のアンダリインフォースメント32Fを備えている。前側ルーフRF30Fはさらに、車両側方から見た断面視で前側が上方側へ向かって略矩形状に膨出した膨出部37とされたアッパリインフォースメント36Fを備えている。アンダリインフォースメント32Fの前端部及び後端部に形成されているフランジ部34Fと、アッパリインフォースメント36Fの前端部及び後端部に形成されているフランジ部38Fとが、スポット溶接等によって互いに接合されることで閉断面形状に構成されている。
また、中央ルーフRF30Cは、車両側方から見た断面視で下方側に凸となる略ハット型形状のアンダリインフォースメント32Cと、車両側方から見た断面視で上方側に凸となる略ハット型形状のアッパリインフォースメント36Cとを備えている。中央ルーフRF30Cは、アンダリインフォースメント32Cの前端部及び後端部に形成されているフランジ部34Cと、アッパリインフォースメント36Cの前端部及び後端部に形成されているフランジ部38Cとが、スポット溶接等によって互いに接合されることで閉断面形状に構成されている。アッパリインフォースメント36Cのフランジ部38Cを除く前側には、車両側方から見た断面視で下方側へ略矩形状に凹む凹部39が一体に屈曲形成されている。
また、前側のサブルーフ40の後端部には、車両側方から見た断面視で下方側へ略L字状に屈曲された段差部42と、段差部42の後方側において車両側方から見た断面視で下方側へ凸となる略ハット型形状の支持部44とが形成されている。支持部44の下面44Dは、第1接着剤G1を介して前側ルーフRF30Fのアッパリインフォースメント36Fにおける膨出部37の上面37Uに接着されている。つまり、サブルーフ40の後端部は、前側ルーフRF30Fによって支持されている。
ここで、前側のメインルーフ50及び後側のメインルーフ50は、サブルーフ40と共に車両10のルーフパネルを構成するアウタ層52と、アウタ層52の周端部52Aを除く所定の領域の下面に一体的に接合されたインナ層56とをそれぞれ有している。各アウタ層52は、平面視で前後方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。
アウタ層52は、例えばアクリロニトリル・エチレン-プロピレン-ジエン・スチレン(AES)等の耐候性を有する樹脂材料で形成されており、その板厚は、1.0mm~2.5mmとされている。一方、インナ層56は、発泡性の成形体(例えば発泡ウレタンフォーム等)で構成されており、アウタ層52よりも厚く形成されている。具体的には、インナ層56の板厚は、前後方向の部位によっても異なるが、10mm以上とされている。このように、メインルーフ50は、樹脂製のアウタ層52とインナ層56とを含んで構成されているため、「樹脂ルーフ」とも称される。
また、前述したサブルーフ40は、アウタ層52よりも硬質な樹脂材料として、例えばガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等の強度及び剛性の高い樹脂材料で形成されており、その板厚は、2.0mm以上とされている。
〔車両用樹脂ルーフ取付構造〕
(第2接着剤G2及び第3接着剤G3)
図5に示されるように、サイメンアウタ14の車両幅方向内側には、車両後方側から見た断面視で下方側へ略L字状に屈曲された段差部16が形成されている。また、段差部16の車両幅方向内側端部には、さらに下方側へ略L字状に屈曲された支持部18が一体に形成されている。
図2及び図5に示されるように、メインルーフ50のアウタ層52における周端部52Aの下面には、第2接着剤G2が環状に設けられている。メインルーフ50において、この第2接着剤G2が設けられている部分がアウタ層接着部54とされている。
図2に示されるように、前側のアウタ層接着部54は、第2接着剤G2によって、前側のサブルーフ40の支持部44の上面44Uに接着されている。また、後側のアウタ層接着部54は、第2接着剤G2によって、中央ルーフRF30Cにおけるアッパリインフォースメント36Cの凹部39の上面39Uに接着されている。さらに、右側のアウタ層接着部54は、第2接着剤G2によって、右側のサイメンアウタ14の支持部18の上面18Uに接着されている(図5参照)。左側のアウタ層接着部54については、右側のアウタ層接着部54と同様であるため説明を省略する。
また、インナ層56の下面には、第3接着剤G3が環状に設けられている。メインルーフ50において、この第3接着剤G3が設けられている部分がインナ層接着部58とされている。
前側のインナ層接着部58は、第3接着剤G3によって、前側ルーフRF30Fにおけるアッパリインフォースメント36Fの後端部に形成されているフランジ部38Fに接着されている。また、後側のインナ層接着部58は、第3接着剤G3によって、中央ルーフRF30Cにおけるアッパリインフォースメント36Cの前端部に形成されているフランジ部38Cに接着されている。さらに、左側及び右側のインナ層接着部58は、第3接着剤G3によって、それぞれルーフサイドレール20の車両幅方向内側のフランジ部28(図1参照)に接着されている。
(ガイドピン用ブラケット60)
インナ層56の下面において、車両幅方向中央部の前端部及び後端部には、それぞれガイドピン用ブラケット60が設けられている。各ブラケット60は、略矩形平板状のベース部62と、ベース部62の下面中央に一体に形成された円筒状のボス部64と、ベース部62の下面とボス部64の外周面とを一体に連結する複数の平板状のリブ68とを備えている。各ブラケット60は、ベース部62の上面が両面テープT等の粘着材によってインナ層56の下面に接合されることで、インナ層56の下面に取り付けられている。ボス部64は、複数のリブ68によって補強されている。
各ガイドピン用ブラケット60は、ボス部64の内周面に雌ねじ部66が形成されており、略円柱状のガイドピン70を螺合可能に構成されている。ガイドピン70は、上下方向を軸方向とする所定長さの本体部72と、本体部72の上端部に形成された雄ねじ部76とを備えている。雄ねじ部76は、ガイドピン用ブラケット60の雌ねじ部66に螺合されている。つまり、ガイドピン70は、ガイドピン用ブラケット60を介してインナ層56の下面に着脱可能に垂設される構成とされている。
前側ルーフRF30Fにおけるアッパリインフォースメント36F及びアンダリインフォースメント32Fの車両幅方向中央部には、それぞれ上下方向に貫通する孔部33が形成されている。また、中央ルーフRF30Cの前端部で互いに接合されているフランジ部34C、38Cの車両幅方向中央部には、上下方向に貫通する孔部35が形成されている。ガイドピン70の本体部72は、アウタ層接着部54及びインナ層接着部58をそれぞれ接着した状態で、孔部33、35を貫通して、アンダリインフォースメント32F、32Cの下面よりも下方側へ突出する長さとされている。
前側ルーフRF30Fに形成された孔部33は、インナ層56の下面に取り付けられるガイドピン用ブラケット60の前後方向における位置の誤差を吸収するため、前後方向に長い略楕円形状の長孔とされている。孔部33の車両幅方向の内径は、ガイドピン70における本体部72の外径とほぼ同じ大きさとされている。また、中央ルーフRF30Cに形成された孔部35は、ガイドピン70における本体部72の外径とほぼ同じ内径を有する円形状の嵌合孔とされている。
したがって、後側のガイドピン70が孔部35に上方からほぼ隙間無く挿入され、前側のガイドピン70が孔部33に上方から前後方向に隙間を有して挿入されることで、メインルーフ50が、サブルーフ40及び各ルーフRF30F、30Cに対して位置決めされて配置されるようになっている。
また、メインルーフ50は、各ガイドピン70が各孔部33、35に挿入されて位置決めされた状態で、第2接着剤G2によってアウタ層接着部54が接着され、第3接着剤G3によってインナ層接着部58が接着されるようになっている。各ガイドピン70は、アウタ層接着部54及びインナ層接着部58がそれぞれ接着された後、各ガイドピン用ブラケット60から取り外されるようになっている。
(シーラS)
また、アウタ層52の周端部52Aにおける外形端末52Bは、サブルーフ40の段差部42の上面の一部、中央ルーフRF30Cにおけるアッパリインフォースメント36Cの上面の一部及びサイメンアウタ14の段差部16(図5参照)の上面の一部と共に、耐候性を有する柔らかいシーラSによって覆われている。シーラSは、湿式のシール材であり、外形端末52Bに沿って環状に設けられている。
(隅部80)
図3(A)に示されるように、前後一対のメインルーフ50において、平面視でそれぞれの4つの隅に位置する隅部80には、樹脂製のクリップ90が取り付けられている。クリップ90は、例えばポリアセタール(POM)等の耐候性を有する樹脂材料で形成されている。メインルーフ50の各隅部80は、アウタ層52の周端部52Aに形成されている(図5参照)。
図3(B)には、図3(A)のA部を拡大して上方側から見た平面図が示されている。図3(B)に示されるように、後側のメインルーフ50において、右端部かつ後端部の隅部80に取り付けられたクリップ90は、サイメンアウタ14よりも車両幅方向内側(左側)かつ後側のサブルーフ40よりも前方側に設けられている。他の隅部80に取り付けられたクリップ90については、右端部かつ後端部の隅部80に取り付けられたこのクリップ90と同様であるため説明を省略する。
(クリップ取付用ブラケット26)
図5には、図3(B)のY-Y線に沿って切断した面を後方側から見た断面図が示されている。図5に示されるように、ルーフサイドレール20は、車両後方側から見た断面視で下方側に凸となる略ハット型形状のアンダリインフォースメント22と、車両後方側から見た断面視で下方側に凸となる略ハット型形状のアッパリインフォースメント24とを備えている。ルーフサイドレール20は、アンダリインフォースメント22の車両幅方向両端部に形成されているフランジ部22Aがアッパリインフォースメント24にスポット溶接等によって互いに接合されることで閉断面形状に構成されている。アッパリインフォースメント24には、サイメンアウタ14の支持部18の下方において、車両後方側から見た断面視で下方側へ略矩形状に凹む凹部24Aが屈曲形成されている。
アッパリインフォースメント24の上面には、メインルーフ50の隅部80に対応する位置に、車両後方側から見た断面視で略Z字状のクリップ取付用ブラケット26が設けられている。クリップ取付用ブラケット26は、ルーフサイドレール20のアッパリインフォースメント24の凹部24Aの上面に溶接された外側フランジ部26Aを備えている。
また、クリップ取付用ブラケット26には、外側フランジ部26Aの車両幅方向内側端部から上方側かつ車両幅方向内側へ向かって延在する外側壁部26Bが一体に成形されている。さらに、クリップ取付用ブラケット26は、外側壁部26Bの上端部から車両幅方向内側へ向かって延在する締結支持部26Cを備えている。メインルーフ50のアウタ層52の周端部52Aにおける隅部80は、このクリップ取付用ブラケット26の締結支持部26Cの上側に重ねて配設されている。
図7に示されるように、クリップ取付用ブラケット26は、車両側方から見た断面視で上方側に凸となる略ハット型形状とされている。クリップ取付用ブラケット26は、締結支持部26Cの前端部から前方側かつ下方側へ向かって延在する前側壁部26Dと、前側壁部26Dの下端部からさらに前方側へ向かって延在する前側フランジ部26Eとを備えている。また、クリップ取付用ブラケット26は、締結支持部26Cの後端部から後方側かつ下方側へ向かって延在する後側壁部26Fと、後側壁部26Fの下端部からさらに後方側へ向かって延在する後側フランジ部26Gとを備えている。後側フランジ部26Gは、前側フランジ部26Eよりも上方側に形成されている。なお、クリップ取付用ブラケット26の形状は上記に限らず、例えば車両後方側から見た断面視で略ハット型形状かつ車両側方から見た断面視で略Z字形状に形成されていてもよい。
後側のサブルーフ40は、前方側かつ車両幅方向外側の端部において、車両側方から見た断面視で下方側へ略L字状に屈曲された段差部46を備えている。クリップ取付用ブラケット26の後側フランジ部26Gの上面は、第1接着剤G1によってサブルーフ40の段差部46の下面に接着されている。
(ルーフ側貫通孔80A及びブラケット側貫通孔110)
図6には、図5のクリップ90が取り付けられている部分を拡大した要部拡大図が示されている。図6に示されるように、クリップ取付用ブラケット26の締結支持部26Cには、板厚方向(略上下方向)に貫通するブラケット側貫通孔110が形成されている。また、メインルーフ50の隅部80には、板厚方向(略上下方向)に貫通するルーフ側貫通孔80Aが形成されている。さらに、図5に示されるように、ルーフサイドレール20のアッパリインフォースメント24において、凹部24Aよりも車両幅方向内側には、円形のアッパリインフォースメント側貫通孔24Bが形成されている。
ブラケット側貫通孔110(図6参照)、ルーフ側貫通孔80A(図6参照)及びアッパリインフォースメント側貫通孔24Bは、それぞれ平面視で対応する位置に形成されている。換言すると、図6に示されるように、メインルーフ50は、ブラケット側貫通孔110の周縁部112とルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bとが上下方向に重なる位置に配設されている。
ここで、ルーフ側貫通孔80Aは、車両幅方向の長さR1(図6参照)が車両前後方向の長さR2(図7参照)よりも短く形成された平断面視略矩形状の長孔とされている(R1<R2)。一例として、ルーフ側貫通孔80Aの車両幅方向の長さR1は7mm、車両前後方向の長さR2は9mmとされている。また、ブラケット側貫通孔110は、車両幅方向の長さB1(図6参照)が車両前後方向の長さB2(図7参照)よりも短く形成された平断面視略矩形状の長孔とされている(B1<B2)。一例として、ブラケット側貫通孔110の車両幅方向の長さB1は11mm、車両前後方向の長さB2は13mmとされている。ブラケット側貫通孔110は、組付時のバラツキ(例えば前後方向及び左右方向共に2mm)を考慮して、ルーフ側貫通孔80Aよりも大きく形成されている(B1>R1かつB2>R2)。なお、ブラケット側貫通孔110は、平断面視略矩形状に限らず、例えば平断面視で楕円形状であってもよい。また、ルーフ側貫通孔80Aは、長孔に限らず、例えば平断面視で正方形状又は円形状の孔であってもよい。
(クリップ90)
図4~図7に示されるように、クリップ90は、組付状態における略上下方向に厚みを有する頭部92と、頭部92の下側に形成され略上下方向を軸方向とする軸部94とを備えている。軸部94の上下方向の長さH(図7参照)は、頭部92の下面からクリップ90の下端までの長さであり、爪部100の上下方向の長さ(図6参照)とルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bの板厚とブラケット側貫通孔110の周縁部112の板厚との和よりも長く形成されている。頭部92は、幅方向の外径C1(図6参照)が前後方向の外径C2(図7参照)よりも短く形成された平断面視略楕円形状とされている。
図4に示されるように、軸部94は、略四角柱状の軸部本体96と、頭部92と軸部本体96とを連結する平断面視で略十字形状に形成された係合部98とを備えている。軸部本体96は、車両幅方向の長さJ1(図6参照)が車両前後方向の長さJ2(図7参照)よりも短く形成された平断面視略矩形状とされている(J1<J2)。一例として、軸部本体96の幅方向長さJ1は2mm、前後方向長さJ2は4mmとされている。
軸部本体96の上側に設けられた係合部98は、頭部92の長手方向に沿って軸部本体96の両側に一対設けられた長手方向突起部98Aと、頭部92の短手方向に沿って軸部94の両側に一対設けられた短手方向突起部98Bとを備えている。
係合部98において、一対の短手方向突起部98Bを含む短手方向の長さF1(図6参照)は、一対の長手方向突起部98Aを含む長手方向の長さF2(図7参照)よりも短く形成されている(F1<F2)。また、係合部98の長手方向の長さF2(図7参照)は、ルーフ側貫通孔80Aの車両幅方向の長さR1(図6参照)よりも長く形成されている(F2>R1)。一例として、係合部98の短手方向長さF1は6mm、長手方向長さF2は8mmとされている。一対の長手方向突起部98A及び一対の短手方向突起部98Bにおける各下面は、軸部94の軸心側に向かうにつれて下方側に傾斜する向きに形成されている。なお、軸部94は係合部98を備えていなくてもよい。
クリップ90はさらに、頭部92の短手方向に沿って、軸部本体96の下端部から上方かつ互いに離れる向きへ向かって延在する一対の爪部100を備えている。一対の爪部100は、車両後方側から見た断面視で略V字状に形成されている。一例として、一対の爪部100の車両後方側から見た断面視での板厚T3(図6参照)は1mmとされ、一対の爪部100の前後方向の厚さは、軸部本体96の前後方向の厚さJ2(図7参照)と同じ4mmとされている。なお、一対の爪部100の形状は、車両後方側から見た断面視で略V字状に限らず、例えば錨型形状であってもよい。
クリップ90ににおける頭部92の下面には、上下方向に厚みを有する伸縮部材としてのスポンジ102が接着されている。スポンジ102は、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の耐候性及び伸縮性を有する樹脂材料で形成されている。スポンジ102は、幅方向の外径E1(図6参照)が前後方向の外径E2(図7参照)よりも短く形成された平断面視略楕円形状とされている(E1<E2)。スポンジ102は、平面視でクリップ90の頭部92よりも一回り小さく形成されている(E1<C1かつE2<C2)。一例として、頭部92の幅方向の外径C1(図6参照)は24mmとされ、スポンジ102の幅方向の外径E1は22mmとされている。なお、クリップ90の頭部92及びスポンジ102の形状は、それぞれ平断面視略楕円形状に限らず、例えば平断面視円形状に形成されていてもよい。
また、スポンジ102は、平断面視略十字形状の十字孔102Aを平断面視中央部に備えている。この十字孔102Aは、クリップ90の係合部98と係合する形状とされている。具体的には、十字孔102Aの短手方向の長さP1(図6参照)は、十字孔102Aの長手方向の長さP2(図7参照)よりも短く形成されている(P1<P2)。なお、クリップ90の係合部及びスポンジ102の孔は平断面視略十字形状に限らない。
また、図6に示されるように、十字孔102Aの短手方向の長さP1は、係合部98の短手方向の長さF1よりも大きく形成されている(P1>F1)。さらに、図7に示されるように、十字孔102Aの長手方向の長さP2は、係合部98の長手方向の長さF2よりも大きく形成されている(P2>F2)。一例として、十字孔102Aの短手方向の長さP1は9mm、十字孔102Aの長手方向の長さP2は11mmとされている。
スポンジ102は伸縮性を有するため、クリップ90の下方側からスポンジ102の十字孔102Aにクリップ90の一対の爪部100及び軸部94を通すことで、図4に示されるようにクリップ90にスポンジ102を装着できるようになっている。
図6に示されるように、スポンジ102を装着したクリップ90は、メインルーフ50を挟んだ状態で、クリップ取付用ブラケット26に取り付けられている。このとき、軸部94は、ブラケット側貫通孔110及びルーフ側貫通孔80Aに挿通されている(F1<R1かつF2<R2)。
またこのとき、クリップ90の頭部92は、ルーフ側貫通孔80Aの上方に配設されている。クリップ90の頭部92は、短手方向及び長手方向共に、ルーフ側貫通孔80Aよりも大径とされている(C1>R1かつC2>R2)。さらに、クリップ90の頭部92は、製造バラツキや熱伸び量を考慮したルーフ側貫通孔80Aの径よりも大きく形成されている。
ここで、スポンジ102は、クリップ90における頭部92の下面及びルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bの上面の間に挟持されている。一例として、このように挟持されて圧縮された状態でのスポンジ102の上下方向の厚さT2がクリップ90の頭部92の上下方向の厚さT1と略同一となるように、スポンジ102の圧縮前の厚さは、頭部92の厚さT1よりも厚く形成されている。スポンジ102の下面は、ルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bの上面に接着されている。このときスポンジ102は、クリップ90における頭部92の下面とルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bの上面との隙間を閉塞している。
また、一対の爪部100の幅方向の径は、ブラケット側貫通孔110の車両幅方向の長さB1よりも大径とされている。クリップ90は、一対の爪部100の上面100Aが、それぞれブラケット側貫通孔110の周縁部112の下面に当接するように配設されている。
また、クリップ90は、頭部92及び係合部98の長手方向がルーフ側貫通孔80A及びブラケット側貫通孔110の長手方向に沿う向きに配置されている。このとき、図6に示されるように、一対の爪部100は、ルーフ側貫通孔80A及びブラケット側貫通孔110の短手方向に沿う向きに配置されている。つまり、クリップ90は、頭部92及び係合部98の長手方向がメインルーフ50の長手方向(車両前後方向)に沿う向きかつ一対の爪部100がメインルーフ50の短手方向(車両幅方向)に沿う向きに配設されている。
クリップ90を上方側からルーフ側貫通孔80Aに挿入してメインルーフ50及びクリップ取付用ブラケット26に取り付ける際には、ルーフ側貫通孔80Aに当接した一対の爪部100は、二点鎖線で示すように互いに接近する向きに変形される。そして、スポンジ102が上下方向に圧縮されて図6に示される状態よりも下方側にクリップ90が押し込まれる。これにより、爪部100が再び開かれる。このとき、スポンジ102がその伸縮性によって元の大きさに戻ろうとすることで、一対の爪部100の上面100Aはブラケット側貫通孔110の周縁部112に当接する。これにより、クリップ90がメインルーフ50及びクリップ取付用ブラケット26に固定される。
図6及び図7に示されるように、組付状態において、クリップ90の係合部98の各長手方向突起部98Aの下面及び各短手方向突起部98Bの下面は、ルーフ側貫通孔80A及びブラケット側貫通孔110と略同一の高さに位置している。
一対の長手方向突起部98A及び一対の短手方向突起部98Bの各下面を含む軸部94の周面とブラケット側貫通孔110の孔壁との間には、隙間が形成されている。図7に示されるように、クリップ90がバラツキなく取り付けられた場合、クリップ90は、車両前後方向に距離Lだけ移動できるように構成されている。この距離Lの隙間は、温度変化によってメインルーフ50が熱膨張した場合のクリップ90の前後方向の移動量を考慮して定められるものであり、一例として3mmとされている。
また、図6に示されるように、クリップ90がバラツキなく取り付けられた場合、爪部100の上面110Aにおける内側端は、ルーフ側貫通孔80Aの周縁よりも距離Wだけクリップ90の左右方向外側に配置される。この距離Wは、温度変化によってメインルーフ50が熱膨張した場合のクリップ90の左右方向の移動量を考慮して定められるものであり、一例として1mmとされている。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態に係る車両用樹脂ルーフ取付構造によれば、車体上部12に配置されたルーフサイドレール20の上方側には、樹脂製のメインルーフ50が配設されている。メインルーフ50のアウタ層52は、第2接着剤G2によって、車体上部12のサイメンアウタ14と、サブルーフ40と、ルーフリインフォースメント30とに接着されている。また、メインルーフ50のインナ層56は、第3接着剤G3によって、ルーフサイドレール20及びルーフリインフォースメント30に接着されている。
また、ルーフサイドレール20には、クリップ取付用ブラケット26が設けられている。クリップ取付用ブラケット26には、板厚方向(略上下方向)に貫通するブラケット側貫通孔110が形成されている。一方、メインルーフ50の周端部50Aには、板厚方向(略上下方向)に貫通するルーフ側貫通孔80Aが形成されている。メインルーフ50は、ブラケット側貫通孔110の周縁部112とルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bとが上下方向に重なる位置において、ルーフサイドレール20の上方側に配設されている。
ここで、ブラケット側貫通孔110及びルーフ側貫通孔80Aには、クリップ90の軸部94が挿通されている。クリップ90はさらに、ブラケット側貫通孔110よりも大径の爪部100を備えている。この爪部100は、クリップ90の組付状態においてブラケット側貫通孔110の周縁部112の下面側に配設されている。つまり、本発明に係る車両用樹脂ルーフ取付構造は、爪部100がクリップ取付用ブラケット26の下面側に引っ掛かることでクリップ90が上方側(車室外側)に抜けないように構成されている。
クリップ90はさらに、ルーフ側貫通孔80Aよりも大径の頭部92を備えている。この頭部92は、クリップ90の組付状態においてルーフ側貫通孔80Aの上方に位置している。これにより、仮に第2接着剤G2及び第3接着剤G3が剥がれたとしても、クリップ90の頭部92にルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bが掛止されるため、メインルーフ50は飛散することなく車体への連結状態が維持される。よって、温度変化によらず車体とメインルーフ50との連結状態を良好に維持することができる。
また、クリップ90における頭部92の下面とメインルーフ50におけるルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bの上面との間には、伸縮性のあるEPDM製のスポンジ102が挟持されている。このとき、クリップ90の爪部100の上面100Aは、ブラケット側貫通孔110の周縁部112の下面に当接している。つまり、クリップ90は、メインルーフ50とクリップ取付用ブラケット26とを略上下方向に挟み込んだ状態で取り付けられる。このとき、スポンジ102を介してクリップ90が取り付けられることで、メインルーフ50がクリップ90によってクリップ取付用ブラケット26に過剰に固定されることが抑制される。
このように、メインルーフ50はクリップ取付用ブラケット26に対して緩く取り付けられているため、メインルーフ50の周端部50Aはクリップ取付用ブラケット26に対して滑動することができる。これにより、樹脂製のメインルーフ50が温度変化によって膨張及び収縮して面方向に伸び縮みした場合、小さな寸法変化であれば、スポンジ102の弾性変形によってメインルーフ50の移動が吸収される。つまり、小さな寸法変化であれば、クリップ90が動くことなくメインルーフ50の移動が吸収される。
また、クリップ90は、ブラケット側貫通孔110の孔壁とクリップ90の軸部94の周面との間に隙間を有して配設されている。よって、温度変化によってメインルーフ50が膨張及び収縮して面方向に大きく伸び縮みした場合には、クリップ90は爪部100の上面100Aがブラケット側貫通孔110の周縁部112の下面に当接した状態で、スポンジ102と共にメインルーフ50の周端部50Aの動きに追従して移動する。これにより、温度変化によってメインルーフ50が大きく伸び縮みした場合であっても、クリップ90によるメインルーフ50と車体との連結状態が維持されたまま、メインルーフ50の寸法変化が吸収される。
また、温度変化によってメインルーフ50が膨張及び収縮した場合、メインルーフ50の長手方向の寸法変化は、短手方向の寸法変化よりも大きくなる。ここで、ブラケット側貫通孔110は、メインルーフ50の長手方向に沿う方向を長手方向とする長孔とされている。つまり、ブラケット側貫通孔110は、メインルーフ50の寸法変化の大きな方向に長く、メインルーフ50の寸法変化の小さな方向に短く形成されている。これにより、クリップ90の軸部94の移動範囲を考慮した最小限のブラケット側貫通孔110で、温度変化によるメインルーフ50の伸び縮みを効率よく吸収することができる。
さらに、クリップ90の爪部100は、メインルーフ50の短手方向に沿う方向に一対設けられている。つまり、クリップの爪部100は、メインルーフ50の寸法変化の小さい方向に沿って配設されている。よって、温度変化によってメインルーフ50が膨張及び収縮した場合、一対の爪部100が設けられている方向(車両幅方向)へのクリップ90の移動量は、一対の爪部100と直交する方向(車両前後方向)へのクリップの移動量と比較して小さくなる。
また、長孔とされたブラケット側貫通孔110の短手方向は、メインルーフ50の短手方向と一致している。つまり、クリップ90における一対の爪部100は、ブラケット側貫通孔110の短手方向における周縁部112の下面に当接して配設される。これにより、爪部100の外径を最小限に抑えつつ、爪部100を安定してクリップ取付用ブラケット26に引っ掛けることができる。よって、小さなクリップ90で温度変化によるメインルーフ50の寸法変化を吸収しつつ、メインルーフ50を安定してクリップ取付用ブラケット26に連結することができる。
さらにまた、クリップ90における頭部92の下面とメインルーフ50におけるルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bの上面との隙間は、スポンジ102によって閉塞されている。よって、ルーフ側貫通孔80Aから車室内への水及び粉塵の進入が防止される。
また、メインルーフ50は、車両前後方向に一対設けられている。これにより、車両10のメインルーフを1枚のみで構成する場合と比較して、メインルーフ1枚当たりの前後方向の寸法が短くなるため、温度変化によるメインルーフ50の前後方向への寸法変化を小さく抑えることができる。よって、小さなルーフ側貫通孔80Aでメインルーフ50の寸法変化を吸収することができるため、メインルーフ50の強度及び剛性を向上することができる。さらに、クリップ90の頭部92の寸法も小さくすることができる。よって、車体上部12においてクリップ90が取り付けられた部分の外観意匠性を向上することができる。
さらに、メインルーフ50は、周端部52Aを含んで構成されたAES製のアウタ層52と、アウタ層52の周端部52Aを除く所定の領域の下側(車室内側)に設けられた発泡ウレタンフォーム製のインナ層56とを備えている。よって、単層の樹脂パネルによってメインルーフを構成する場合と比較して、車室内の騒音が低減されると共に、車室の断熱性が向上される。
さらにまた、アウタ層52の周端部52Aにおける外形端末52Bは、サブルーフ40の段差部42の上面の一部、中央ルーフRF30Cにおけるアッパリインフォースメント36Cの上面の一部及び左右のサイメンアウタ14の上面の一部と共に、耐候性を有する柔らかいシーラSによって覆われている。これにより、外形端末52Bと段差部42の上面との隙間及び外形端末52Bとアッパリインフォースメント36Cの上面との隙間からの車室内への水及び粉塵の進入を防止することができる。つまり、アウタ層52の外形端末52Bにおける止水性及び防塵性を確保することができる。このとき、シーラSの伸縮性から、メインルーフ50の伸び縮みを阻害せずに済む。
また、クリップ90は、メインルーフ50のアウタ層において、周端部52Aの4つの隅部80は、クリップ90によってクリップ取付用ブラケット26に連結されている。よって、仮に走行中に第2接着剤及び第3接着剤が剥がれたとしても、メインルーフ50の四隅においてメインルーフ50と車体との連結状態が維持されるため、走行風によるメインルーフ50の浮き上がりを抑えてメインルーフ50の飛散を確実に防止することができる。よって、車体とメインルーフ50との連結状態をより一層良好に維持することができる
さらに、本実施形態に係る車両ルーフ構造によれば、前側のメインルーフ50とフロントウインドシールド(図示省略)との間には、前側のサブルーフ40が設けられている。前側のサブルーフ40は、フロントウインドシールド(図示省略)の上端部を保持している。また、前側のメインルーフ50における前側のアウタ層接着部54は、第2接着剤G2によって、前側のサブルーフ40の支持部44に接着されている。つまり、前側のサブルーフ40は、前側のメインルーフ50の前端部を保持している。一方、後側のメインルーフ50とリアウインドシールド(図示省略)との間には、後側のサブルーフ40が設けられている。後側のサブルーフ40は、リアウインドシールド(図示省略)の上端部及び後側のメインルーフ50の後端部を保持している。そして、サブルーフ40は、AESで形成されたアウタ層52よりも硬質なGFRPで形成されている。
よって、本実施形態に係る車両ルーフ構造によれば、金属製のルーフと比較して車両10の質量を抑制しつつ、車両前後のウインドシールドとメインルーフ50とを保持するために必要な強度及び剛性を確保することができる。
また、クリップ90の頭部92及びスポンジ102はそれぞれ平断面視略楕円形状に形成されている(C1<C2かつE1<E2)。さらに、クリップ90の軸部94には、一方を長手方向とする平断面視略十字形状の係合部98が形成されている(F1<F2)。そして、スポンジ102には、クリップ90の係合部98と係合する平断面視略十字形状の十字孔102Aが形成されている(P1<P2)。これにより、クリップ90の頭部92の長手方向とスポンジ102の長手方向とを一致させて、スポンジ102を正しい向きで容易にクリップ90に取り付けることができる。
さらに、ルーフ側貫通孔80Aは長孔とされている(R1<R2)。よって、スポンジ102を装着したクリップ90を車体に取り付ける際に、クリップ90の頭部92の長手方向をルーフ側貫通孔80Aの長手方向に沿わせることで、正しい向きで容易に取り付けることができる。
さらにまた、係合部98の長手方向の長さF2は、ルーフ側貫通孔80Aの車両幅方向(短手方向)の長さR1よりも大きく形成されている(F2>R1)。よって、クリップ90を誤った方向で挿入することを防ぐことができるため、より一層組付性が向上される。
また、ルーフ側貫通孔80Aはメインルーフ50の長手方向に沿う方向を長手方向とする長孔とされている。つまり、ルーフ側貫通孔80Aもブラケット側貫通孔110と同様に、メインルーフ50の寸法変化の大きな方向に長く、メインルーフ50の寸法変化の小さな方向に短く形成されている。前述のように、メインルーフ50の寸法変化が小さい場合には、クリップ90が動くことなくスポンジ102の弾性変形によってメインルーフ50の移動が吸収される。よって、ルーフ側貫通孔80Aを上記のような長孔にすることで、クリップ90の軸部94に対してルーフ側貫通孔80Aが移動する範囲を考慮した最小限のルーフ側貫通孔80Aで、温度変化によるメインルーフ50の伸び縮みを効率よく吸収することができる。
さらに、スポンジ102の上面は、クリップ90の下面に接着されている。よって、スポンジ102がクリップ90に対してずれ動くことを抑制することができる。また、クリップ90とスポンジ102とが一体となったものを車体に取り付けることができるため、車体への組付性がより一層向上される。
さらにまた、スポンジの下面は、メインルーフ50のルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bに接着されている。よって、メインルーフ50の上面がスポンジ102の下面に対してずれ動くことを抑制することができる。つまり、クリップ90及びスポンジ102は、ルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bと一体となって、メインルーフ50の動きに効率よく追従することができる。また、ルーフ側貫通孔80Aに対するスポンジ102の下面の位置が一定となるため、温度変化によってメインルーフ50が伸び縮みした場合であっても、安定してルーフ側貫通孔80Aにおける止水性及び防塵性を確保することができる。
〔上記実施形態の補足説明〕
上記実施形態では、クリップ取付用ブラケット26はルーフサイドレール20に溶接されている。これに限らず、クリップ取付用ブラケット26は、車体上部12に配置された車両上部骨格部材に設けられていればよく、例えばルーフリインフォースメント30に溶接されていてもよい。
また、上記実施形態では、メインルーフ50のアウタ層52は、サイメンアウタ14と、サブルーフ40と、ルーフリインフォースメント30とに接着され、インナ層56は、ルーフサイドレール20及びルーフリインフォースメント30に接着されているものとして説明した。これに限らず、メインルーフ50は車体上部12の基材に接着されていればよい。
さらに、上記実施形態では、メインルーフ50は前後方向に長手方向を有する平面視略矩形状に形成されているものとして説明したが、これに限らず、例えば平面視正方形状又は左右方向に長手方向を有する平面視矩形状に形成されていてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、ブラケット側貫通孔110は、メインルーフ50の長手方向に沿う方向を長手方向とする長孔として説明したが、これに限らず、例えばメインルーフ50の短手方向に沿う方向を長手方向とする長孔や円形状の孔であってもよい。
また、上記実施形態では、クリップ90の爪部100は、メインルーフ50の短手方向に沿う方向に一対設けられているものとして説明したが、他の方向に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、スポンジ102がクリップ90における頭部92の下面とメインルーフ50におけるルーフ側貫通孔80Aの周縁部80Bの上面との隙間を閉塞するものとして説明したが、これに限らない。例えば、隙間を閉塞しない伸縮部材を設けて、別途隙間にシーラを充填することでルーフ側貫通孔80Aの止水性及び防塵性を確保してもよい。
さらに、上記実施形態では、メインルーフ50は車両前後方向に一対設けられているものとして説明したが、これに限らず、1枚又は3枚以上でメインルーフを構成してもよい。
さらにまた、上記実施形態では、メインルーフ50はアウタ層52とインナ層56とを含む2層構造の樹脂ルーフとして説明したが、これに限らず、単層又は3層以上の樹脂ルーフを用いてもよい。
また、上記実施形態では、アウタ層52の外形端末52BはシーラSで覆われているものとして説明したが、他の構成により車室の止水性を確保してもよい。
さらに、上記実施形態では、クリップ90は、前側のメインルーフ50における4つの隅部80及び後側のメインルーフ50における4つの隅部80にそれぞれ取り付けられているものとして説明した。これに限らず、クリップ90は、メインルーフ50の周端部52Aにおける他の位置に取り付けられていてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、メインルーフ50の前方側及び後方側にはそれぞれアウタ層52よりも硬質な樹脂製のサブルーフ40が設けられているものとして説明したが、これに限らず、金属製のサブルーフが設けられていてもよい。
10 車両
12 車体上部
14 サイドメンバアウタパネル(基材)
20 ルーフサイドレール(車両上部骨格部材)(基材)
26 クリップ取付用ブラケット(ブラケット)
30 ルーフリインフォースメント(基材)
40 サブルーフ
50 メインルーフ
52 アウタ層
52A 周端部
52B 外形端末
56 インナ層
80 隅部
80A ルーフ側貫通孔
80B ルーフ側貫通孔の周縁部
90 クリップ
92 頭部
94 軸部
100 爪部
102 スポンジ(伸縮部材)
110 ブラケット側貫通孔
112 ブラケット側貫通孔の周縁部
G2 第2接着剤(接着剤)
G3 第3接着剤(接着剤)
S シーラ

Claims (9)

  1. 車体上部に配置された車両上部骨格部材に設けられ、板厚方向に貫通するブラケット側貫通孔が形成されたブラケットと、
    板厚方向に貫通するルーフ側貫通孔が周端部に形成され、前記ブラケット側貫通孔の周縁部と前記ルーフ側貫通孔の周縁部とが上下方向に重なるように前記車両上部骨格部材の上方側に配設された樹脂製のメインルーフと、
    前記車両上部骨格部材を含む前記車体上部の基材に前記メインルーフの下面を接着する接着剤と、
    前記ブラケット側貫通孔及び前記ルーフ側貫通孔に挿通された軸部と、前記ルーフ側貫通孔の上方に配設された前記ルーフ側貫通孔よりも大径の頭部と、前記ブラケット側貫通孔の前記周縁部の下面に当接するように配設された前記ブラケット側貫通孔よりも大径の爪部と、を備え、前記軸部の周面と前記ブラケット側貫通孔の孔壁との間に隙間を有して配設されたクリップと、
    前記クリップにおける前記頭部の下面及び前記ルーフ側貫通孔の前記周縁部の上面間に挟持された伸縮性を有する伸縮部材と、
    を有する車両用樹脂ルーフ取付構造。
  2. 前記メインルーフは平面視矩形状とされ、前記ブラケット側貫通孔は前記メインルーフの長手方向に沿う方向を長手方向とする長孔とされている、
    請求項1に記載の車両用樹脂ルーフ取付構造。
  3. 前記クリップの前記爪部は、前記メインルーフの短手方向に沿う方向に一対設けられている、
    請求項2に記載の車両用樹脂ルーフ取付構造。
  4. 前記伸縮部材は、前記クリップにおける前記頭部の下面と前記メインルーフにおける前記ルーフ側貫通孔の前記周縁部の上面との隙間を閉塞する、
    請求項1~請求項3の何れか一項に記載の車両用樹脂ルーフ取付構造。
  5. 前記メインルーフは、車両前後方向に一対設けられている、
    請求項1~請求項3の何れか一項に記載の車両用樹脂ルーフ取付構造。
  6. 前記メインルーフは、
    前記周端部を含んで構成された樹脂製のアウタ層と、
    前記アウタ層の前記周端部を除く所定の領域の下側に設けられた発泡樹脂製のインナ層と、
    を備える、
    請求項1~請求項5の何れか一項に記載の車両用樹脂ルーフ取付構造。
  7. 前記アウタ層の外形端末がシーラで覆われている、
    請求項6に記載の車両用樹脂ルーフ取付構造。
  8. 前記クリップは、少なくとも前記アウタ層の4つの隅部にそれぞれ取り付けられている、
    請求項6又は請求項7に記載の車両用樹脂ルーフ取付構造。
  9. 請求項6~請求項8の何れか一項に記載の車両用樹脂ルーフ取付構造を有し、
    前記アウタ層よりも硬質な樹脂で形成されると共に、平面視で前記メインルーフとフロントウインドシールドとの間及び前記メインルーフとリアウインドシールドとの間にそれぞれ設けられ、前記メインルーフ、前記フロントウインドシールド及び前記リアウインドシールドをそれぞれ保持する一対のサブルーフと、
    を有する車両ルーフ構造。
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