JP2023098599A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板支持部に対するリングアセンブリの適切な位置決めが可能なプラズマ処理装置を提供する。【解決手段】プラズマ処理チャンバと、基板支持面及びリング支持面を有する基板支持部と、少なくとも3つの貫通孔を有する絶縁性リングであって、貫通孔の各々は、絶縁性リングの径方向における第1の幅と、絶縁性リングの周方向において第1の幅よりも小さい第2の幅と、を有する上側孔部分と、横から見て下方に向けて広がるフレア形状を有する下側孔部分と、を有する絶縁性リングと、下面に貫通孔の各々に対応する少なくとも3つの溝を有する導電性リングであって、溝の各々は、導電性リングの径方向における第3の幅と、導電性リングの周方向における第4の幅とを有し、第4の幅は、第3の幅よりも小さい導電性リングと、溝の各々に対応する少なくとも3つのリフトピンと、少なくとも1つのアクチュエータと、を含む、プラズマ処理装置。【選択図】図4A

Description

本開示は、プラズマ処理装置に関する。
特許文献1には、環状部材が載置される環状部材載置面と、前記環状部材載置面から突出可能に構成される3本以上のリフターと、を有する基板支持台が開示されている。特許文献1の記載によれば、前記環状部材の底面における前記リフターそれぞれに対応する位置に、上方に凹む凹面から形成される凹部が設けられており、平面視において、前記凹部は、前記環状部材載置面の上方への前記環状部材の搬送精度より大きく、且つ、前記リフターの上端部よりも大きく形成される。また、前記リフターの上端部は半球状に形成され、前記凹面は、前記リフターの上端部の前記半球状を形成する凹面よりも曲率が小さく形成される。
特開2021-141313号公報
本開示にかかる技術は、基板支持部に対するリングアセンブリの適切な位置決めが可能なプラズマ処理装置を提供する。
本開示の一態様は、基板を処理するプラズマ処理装置であって、プラズマ処理チャンバと、前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する基板支持部と、前記リング支持面上に配置され、少なくとも3つの貫通孔を有する絶縁性リングであって、前記少なくとも3つの貫通孔の各々は、上側孔部分及び下側孔部分を有し、前記上側孔部分は、前記絶縁性リングの径方向における第1の幅と、前記絶縁性リングの周方向における第2の幅とを有し、前記第2の幅は、前記第1の幅よりも小さく、前記下側孔部分は、横から見て下方に向けて広がるフレア形状を有する、絶縁性リングと、前記絶縁性リングによって支持され、下面に前記少なくとも3つの貫通孔の各々に対応する少なくとも3つの溝を有する導電性リングであって、前記少なくとも3つの溝の各々は、前記導電性リングの径方向における第3の幅と、前記導電性リングの周方向における第4の幅とを有し、前記第4の幅は、前記第3の幅よりも小さい、導電性リングと、前記リング支持面の下方に配置され、前記少なくとも3つの溝の各々に対応する少なくとも3つのリフトピンであって、前記少なくとも3つのリフトピンの各々は、上側支持部分及び下側支持部分を有し、前記上側支持部分は、前記絶縁性リングの前記貫通孔を介して前記導電性リングの前記溝の底面と接触することで前記導電性リングを下方から支持するように構成され、前記下側支持部分は、前記下側孔部分を規定する前記絶縁性リングの傾斜面と接触することで前記絶縁性リングを下方から支持するように構成される、少なくとも3つのリフトピンと、前記少なくとも3つのリフトピンを縦方向に移動させるように構成される少なくとも1つのアクチュエータと、を含む。
本開示によれば、基板支持部に対するリングアセンブリの適切な位置決めが可能なプラズマ処理装置を提供することができる。
プラズマ処理システムの構成の概略を示す説明図である。 実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 図2の部分拡大図である。 絶縁性リングの構成の概略を示す説明図である。 絶縁性リングの構成の概略を示す説明図である。 内側エッジリングの構成の概略を示す説明図である。 内側エッジリングの構成の概略を示す説明図である。 内側エッジリングに対する溝の他の形成例を示す説明図である。 内側エッジリングに対する溝の他の形成例を示す説明図である。 絶縁性リングに対する貫通孔の他の形成例を示す説明図である。 リングアセンブリの交換処理の様子を示す図である。 リングアセンブリの交換処理の様子を示す図である。 リングアセンブリの交換処理の様子を示す図である。 リングアセンブリの交換処理の様子を示す図である。 リングアセンブリの交換処理の様子を示す図である。 内側エッジリングの他の構成例を示す図である。 内側エッジリングの他の構成例を示す図である。 内側エッジリングの他の構成例を示す図である。 内側エッジリングに対する溝の他の形成例を示す説明図である。 内側エッジリングに対する溝の他の形成例を示す説明図である。 内側エッジリングに対する溝の他の形成例を示す説明図である。 内側エッジリングに対する溝の他の形成例を示す説明図である。 内側エッジリングに対する溝の他の形成例を示す説明図である。 内側エッジリングに対する溝の他の形成例を示す説明図である。 内側エッジリングに対する溝の他の形成例を示す説明図である。
半導体デバイス等の製造プロセスでは、半導体基板(以下、単に「基板」という。)に対して、プラズマを用いて、エッチング等のプラズマ処理が行われる。プラズマ処理は、減圧可能に構成された処理容器内に配置された基板支持部に、基板が載置された状態で行われる。
また、この基板支持台は、プラズマ処理の際に基板の中央部と周縁部とで良好且つ均一な処理結果を得るために、基板支持部上の基板の周囲を囲むように配置された複数の環状部材を備える。複数の環状部材は、基板支持部上の基板に隣接するように配置されるエッジリングや、エッジリングの外側面を覆うように配置されるカバーリングを含む。これら環状部材は、プラズマに晒されることにより消耗するため、定期的な交換が必要となる。環状部材の交換は、例えば、環状部材を支持した状態で昇降するリフターと、環状部材を搬送する搬送機構とを用いて行われる。
ここで、これらリフターや搬送機構を用いた環状部材の交換を行う場合、例えば搬送機構による搬送精度などに起因し、基板支持部上の所望の位置に対して、これら環状部材を適切に配置できない場合がある。そして、近年の環状部材の搬送機能の実現にあたっては、搬送機構による搬送精度と比較して、基板支持部に対する環状部材の設置精度の向上がより求められている。
特許文献1に記載のプラズマ処理装置では、エッジリングの底面に搬送機構による搬送精度よりも大きい溝を形成し、且つ、カバーリングに搬送機構による搬送精度よりも大きい貫通孔を形成し、これにより環状部材の位置決め精度を向上することを図っている。しかしながら、特許文献1に示されるプラズマ処理装置を用いて環状部材の交換を行った場合、例えば環状部材の機差(例えば加工公差)や熱膨張等の影響によりリフターと溝(貫通孔)の位置に相対的なズレが生じた際に、環状部材の位置決め精度が悪化するおそれや、又はリフターや環状部材に損傷を与えるおそれがある。
本開示にかかる技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、基板支持部に対するリングアセンブリの適切な位置決めが可能なプラズマ処理装置を提供する。以下、本実施形態にかかる基板処理装置を備えるプラズマ処理システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<プラズマ処理システム>
一実施形態において、プラズマ処理システムは、図1に示すようにプラズマ処理装置1、搬送装置2及び制御部3を含む。プラズマ処理システムは、基板処理システムの一例であり、プラズマ処理装置1は、基板処理装置の一例である。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面を有する。
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP;Capacitively Coupled Plasma)、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等であってもよい。また、AC(Alternating Current)プラズマ生成部及びDC(Direct Current)プラズマ生成部を含む、種々のタイプのプラズマ生成部が用いられてもよい。一実施形態において、ACプラズマ生成部で用いられるAC信号(AC電力)は、100kHz~10GHzの範囲内の周波数を有する。従って、AC信号は、RF(Radio Frequency)信号及びマイクロ波信号を含む。一実施形態において、RF信号は、100kHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。
搬送装置2は、基板W及び後述するリングアセンブリ120を保持して搬送する搬送アーム2aを含む。ウェハは基板Wの一例である。搬送装置2は、例えばプラズマ処理装置1の外部と、プラズマ処理装置1の内部に配置された基板支持部11との間で基板W及びリングアセンブリ120を搬送可能に構成されている。
制御部3は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1及び搬送装置2に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部3は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1及び搬送装置2の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部3の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部3は、処理部3a1、記憶部3a2及び通信インターフェース3a3を含んでもよい。制御部3は、例えばコンピュータ3aにより実現される。処理部3a1は、記憶部3a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部3a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部3a2に格納され、処理部3a1によって記憶部3a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ3aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース3a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部3a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部3a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース3a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。また、上記記憶媒体は、一時的なものであっても非一時的なものであってもよい。
<プラズマ処理装置>
続いて、上述したプラズマ処理装置1の一例として、容量結合型のプラズマ処理装置1の構成例について説明する。図2はプラズマ処理装置1の構成の概略を示す縦断面図である。図3は図2に示す基板支持部11の構成の一部を拡大して示す部分拡大図である。
容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
基板支持部11は、本体部110、リングアセンブリ120及びリフター130を含む。本体部110は、基板Wを支持するための中央領域110aと、リングアセンブリ120を支持するための環状領域110bとを有する。本体部110の環状領域110bは、平面視で本体部110の中央領域110aを囲んでいる。基板Wは、本体部110の中央領域110a上に配置され、リングアセンブリ120は、本体部110の中央領域110a上の基板Wを囲むように本体部110の環状領域110b上に配置される。従って、中央領域110aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域110bは、リングアセンブリ120を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
図3に示すように、一実施形態において本体部110は、基台111、静電チャック112、支持体113及び絶縁体114を含む。
基台111は、導電性部材を含む。基台111の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック112は、基台111の上に配置される。静電チャック112は、セラミック部材112aとセラミック部材112a内に配置される静電電極112bとを含む。セラミック部材112aは、中央領域110aを有する。一実施形態において、セラミック部材112a及び支持体113は、環状領域110bを有する。なお、支持体113のような環状絶縁部材に代えて、環状静電チャックのような静電チャック112を囲む他の部材が環状領域110bを有してもよい。リングアセンブリ120は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、図示のように静電チャック112と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。又は、環状静電チャックや環状絶縁部材の構成を省略し、静電チャック112のみの上にリングアセンブリ120を配置してもよい。
また、後述するRF電源31及び/又はDC電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材112a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号及び/又はDC信号が少なくとも1つのRF/DC電極に供給される場合、RF/DC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台111の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数の下部電極として機能してもよい。また、静電電極112bが下部電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つの下部電極を含む。
支持体113は、例えば石英等の絶縁性材料を用いて、平面視環状に形成された部材であり、基台111及び静電チャック112を支持する。一実施形態において、支持体113には、上記したようにリングアセンブリ120が載置される。また支持体113には、厚み方向に貫通する複数、本実施形態においては3つの貫通孔113aが形成されている。貫通孔113aには、図3に示すようにリフター130の後述するリフトピン131が挿通される。
絶縁体114は、セラミック等で形成された円筒状の部材であり、支持体113を支持する。絶縁体114は、例えば、支持体113の外径と同等の外径を有するように形成され、支持体113の周縁部を支持する。
環状部材としてのリングアセンブリ120は複数の環状部材を含む。図3に一例として示すように、リングアセンブリ120は、複数の環状部材として絶縁性リング121、外側エッジリング122及び内側エッジリング123を含む。外側エッジリング122と内側エッジリング123は、一例としてシリコン、炭化シリコン又は石英等から形成される。絶縁性リング121は、環状領域11b(リング支持面)を構成する支持体113に支持される。内側エッジリング123は、環状領域110b(リング支持面)を構成する静電チャック112及び絶縁性リング121に支持される。すなわち環状領域11b(リング支持面)を構成する支持体113には、絶縁性リング121と内側エッジリング123がこの順に積層して支持される。また、リングアセンブリ120はリフター130の動作により環状領域110b(リング支持面)からリフトアップされ、これによりプラズマ処理装置1の外部に配置された搬送装置2との間での受け渡しが可能に構成されている。
なお、上記した内側エッジリング123は、本開示の技術に係る「導電性リング」を構成し得る。また、上記した外側エッジリング122は、本開示の技術に係る「追加の導電性リング」を構成し得る。換言すれば、環状部材としてのリングアセンブリ120は、複数の環状部材として絶縁性リング121、追加の導電性リング122及び導電性リング123を含む。
外側エッジリング122は絶縁性リング121と比較して厚み方向に大きく形成され、内側エッジリング123及び絶縁性リング121を囲むように配置されるとともに、外側エッジリング122の内側部分が絶縁性リング121の外側部分と縦方向に重複するように配置される。換言すれば、絶縁性リング121の上面は、外側エッジリング122及び内側エッジリング123の支持面を構成している。
なお、リングアセンブリ120の構成は図示の例に限定されるものではなく、例えば、絶縁性リング121と外側エッジリング122が一体に構成されていてもよい。この時、絶縁性リング121と外側エッジリング122は同一部材で構成されてもよく、すなわち、外側エッジリング122が絶縁性リングの一部として機能してもよく、絶縁性リング121が追加の導電性リングの一部として機能してもよい。
また絶縁性リング121には、図4A及び図4Bに示すように、厚み方向に貫通する複数の、本実施形態においては3つの貫通孔121aが形成されている。貫通孔121aは支持体113に形成された貫通孔113aと対応する位置に形成され、図3に示すように後述するリフトピン131の上側支持部分131aが挿通される。
3つの貫通孔121aは、上側孔部分121a1と下側孔部分121a2を有する。
貫通孔121aの上側孔部分121a1は、絶縁性リング121の径方向R1に延伸する第1の幅W1が、当該径方向R1と直交する絶縁性リング121の周方向C1に延伸する第2の幅W2と比較して大きく形成された略矩形形状を有する。第1の幅W1は、少なくとも後述するリフトピン131の上側支持部分131aの径(後述する第5の幅W5)と比較して大きく形成される。第2の幅W2は、上側支持部分131aの径(第5の幅W5)と比較して大きく、且つ後述するリフトピン131の下側支持部分131bの径(後述する第6の幅W6)と比較して小さく形成される。
絶縁性リング121の下側孔部分121a2は、上側孔部分121a1の第1の幅W1及び第2の幅W2が下方(絶縁性リング121の底面)に向けて広がるフレア形状(傾斜面1211a)を有する。下側孔部分121a2の傾斜面1211a下端は、少なくとも搬送装置2によるリングアセンブリ120の搬送精度よりも大きく形成されることが望ましい。
本実施形態に係る絶縁性リング121においては、これにより上側孔部分121a1にリフトピン131の上側支持部分131aが挿通されるとともに、下側孔部分121a2の傾斜面1211aにリフトピン131の下側支持部分131bが周方向C1側(第2の幅W2側)で2点接触する。
なお、上記したように上側孔部分121a1においては、径方向R1に延伸する第1の幅W1を周方向C1に延伸する第2の幅W2と比較して大きく形成するが、第1の幅W1と第2の幅W2の大きさは可能な限り同程度とすることが望ましい。換言すれば、上側孔部分121a1は、平面視において略正方形形状を有することが望ましい。
導電性リングとしての内側エッジリング123はフォーカスリングと呼ばれる場合もあり、基板Wに対するプラズマ処理の面内均一性を向上させる。また、追加の導電性リングとしての外側エッジリング122は、基板支持部11上における平面視での導電性部分(内側エッジリング123)の面積を実質的に拡張する。内側エッジリング123及び外側エッジリング122は、上記したようにシリコン、炭化シリコン又は石英等から形成され得る。
内側エッジリング123の底面には、図5A及び図5Bに示すように、複数、本実施形態においては3つの溝123aが形成されている。溝123aは絶縁性リング121に形成された貫通孔121aと対応する位置に形成され、その底面123a1に、貫通孔121aに挿通されたリフトピン131の上側支持部分131aの先端部が接触する。
3つの溝123aは、図5Bに示すように、底面123a1における内側エッジリング123の径方向R2に延伸する第3の幅W3が、当該径方向R2と直交する内側エッジリング123の周方向C2に延伸する第4の幅W4と比較して大きく形成された略長穴形状を有する。第3の幅W3は、上側支持部分131aの径(第5の幅W5)と比較して大きく形成される。第4の幅W4は、後述するリフトピン131の上側支持部分131aの径(後述する第5の幅W5)と略同一の大きさで形成される。
また3つの溝123aの底面123a1は、特に第4の幅W4の延伸方向に対して、リフトピン131の上側支持部分131aの先端部形状と嵌合する形状を有する。具体的には、本実施形態においては、後述するように上側支持部分131aは、その先端部が突出する半球形状131a1を有するが、溝123aの底面123a1は、当該半球形状131a1と略同一の曲率を有する凹形状(以下、湾曲形状を有する底面123a1を「湾曲底面123a1’」という場合がある。)で形成される。
3つの溝123aのフレア状側面123a2は、底面123a1の第3の幅W3及び第4の幅W4が下方(内側エッジリング123の底面)に向けて広がるように傾斜部が形成されている。溝123aの傾斜部下端は、少なくとも搬送装置2による内側エッジリング123の搬送精度よりも大きく形成されることが望ましい。
本実施形態に係る内側エッジリング123においては、これにより底面123a1に対してリフトピン131の上側支持部分131aが内側エッジリング123の周方向(第4の幅W4方向)に向けて線接触する。
なお、溝123aの深さは、一例として0.4mm以上1.0mm以下である。
一実施形態においてリフター130は、複数、本実施形態においては絶縁性リング121の貫通孔121a及び内側エッジリング123の溝123aと対応する3つのリフトピン131と、少なくとも1つのアクチュエータ132を含む。またリフトピン131は、径が異なる複数の円柱支持部分を含む。図3に一例として示すように、リフトピン131は、上側支持部分131a及び下側支持部分131bを含む。上側支持部分131a及び下側支持部分131bは一体に構成され得る。
上側支持部分131aは、少なくとも絶縁性リング121に形成された貫通孔121aの第1の幅W1及び第2の幅W2よりも小径の第5の幅W5を有する。第5の幅W5は、内側エッジリング123に形成された溝123aの第4の幅W4と略同一の大きさを有する。上側支持部分131aは後述の下側支持部分131bの上面から軸方向に連接され、アクチュエータ132の動作により下側支持部分131bと一体に縦方向(軸方向)に移動する。そして上側支持部分131aは、貫通孔121aを介して絶縁性リング121の上面から突没自在に構成され、これにより絶縁性リング121の上面に支持された内側エッジリング123の下面、より具体的には内側エッジリング123に形成された溝123aの底面123a1を支持して縦方向に移動(リフトアップ)させる。
また上側支持部分131aの先端部は、上方に向けて漸次細くなる半球形状131a1で形成されている(図5Bを参照)。当該半球形状131a1は、内側エッジリング123に形成された溝123aの湾曲底面123a1’の凹面と略同一の曲率を有する。これにより上側支持部分131aの先端部は、内側エッジリング123に形成された溝123aと線接触可能に構成される。
下側支持部分131bは少なくとも絶縁性リング121に形成された貫通孔121aの第2の幅W2よりも大径(図3の第6の幅W6)を有する。すなわち下側支持部分131bは、上側支持部分131aの外周から径方向外側に突出する段差部を上面に有している。そして下側支持部分131bは、貫通孔121aの下側孔部分121a2に形成された傾斜面1211aを段差部により支持可能に構成され、これにより絶縁性リング121の下面を支持して縦方向に移動(リフトアップ)させる。またこの時、絶縁性リング121上に保持された外側エッジリング122も同時に縦方向に移動(リフトアップ)される。
アクチュエータ132はリフトピン131を縦方向(軸方向)に沿って移動させ、環状領域110b(リング支持面)の上方でリングアセンブリ120(絶縁性リング121、外側エッジリング122及び内側エッジリング123)の昇降を行う。これにより、基板支持部11と搬送装置2の搬送アーム2aとの間でのリングアセンブリ120の受け渡しを行う。アクチュエータの一例は、電気式アクチュエータやエアシリンダ、モータ等を含む。
なお、リフター130に配置されるアクチュエータ132の数は特に限定されるものではない。すなわち、例えば複数のリフトピン131を1つのアクチュエータ132により一体に縦方向に移動させてもよい。また例えば、リフトピン131のそれぞれに対応して複数のアクチュエータ132を配置し、それぞれのリフトピン131を独立して縦方向に移動させてもよい。
また、基板支持部11は、静電チャック112、リングアセンブリ120及び基板Wのうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路111a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路111aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路111aが基台111内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック112のセラミック部材112a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と静電チャック112の上面との間の間隙に伝熱ガス(バックサイドガス)を供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
図2の説明に戻る。
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10sに導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給部20からガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10sに導入される。また、シャワーヘッド13は、少なくとも1つの上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる、1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する少なくとも1つの流量変調デバイスを含んでもよい。
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ生成部12の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給される。
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号がパルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部32aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部32b及び波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a、32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10sの内部圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
例えば、上記実施形態では図3に示したようにリフトピン131の上側支持部分131aの先端部を半球形状131a1で形成したが、図6Aに示すように、上側支持部分131aの先端部は略平坦面131a2を有していてもよい。この場合、上側支持部分131aの先端部と溝123aの底面とを線接触させるため、当該溝123aの底面形状も、上記した湾曲底面123a1’に代え上側支持部分131aの先端部と係合する平坦底面123a1’’を有していることが望ましい。
またこの場合、図6Bに示すように、導電性リング123の少なくとも3つの溝123aの各々は、平坦底面123a1’’と、平坦底面123a1’’から下方に延在する垂直側面123a3と、垂直側面123a3から下方に向けて広がるフレア状側面123a2と、によって規定されてもよい。
また例えば、上記実施形態では絶縁性リング121に形成される貫通孔121aを略矩形形状、望ましくは略正方形形状で形成したが、図6Cに示すように、貫通孔121aは四隅のラウンド形状が大きな略長穴形状で形成されていてもよい。この場合、略長穴形状の貫通孔121aは、絶縁性リング121の径方向R1に延伸する第1の幅W1が、周方向C1に延伸する第2の幅W2と比較して大きいこと、すなわち、絶縁性リング121の径方向R1に長手方向を有する長穴形状であることが望ましい。
<効果等>
一実施形態に係るプラズマ処理システムは以上のように構成される。即ち、一実施形態に係るプラズマ処理システムは、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11、絶縁性リング121、導電性リング123、少なくとも3つのリフトピン131、及び少なくとも1つのアクチュエータ132を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置され、基板支持面110a及びリング支持面110bを有する。絶縁性リング121は、リング支持面110b上に配置され、少なくとも3つの貫通孔121aを有する。少なくとも3つの貫通孔121aの各々は、上側孔部分121a1及び下側孔部分121a2を有する。上側孔部分121a1は、絶縁性リング121の径方向R1における第1の幅W1と、絶縁性リング121の周方向C1における第2の幅W2とを有する。第2の幅W2は、第1の幅W1よりも小さく、下側孔部分121a2は、横から見て下方に向けて広がるフレア形状を有する。導電性リング123は、絶縁性リング121によって支持され、下面に少なくとも3つの貫通孔121aの各々に対応する少なくとも3つの溝123aを有する。少なくとも3つの溝123aの各々は、導電性リング123の径方向R2における第3の幅W3と、導電性リング123の周方向C2における第4の幅W4とを有する。第4の幅W4は、第3の幅W3よりも小さい。少なくとも3つのリフトピン131は、リング支持面110bの下方に配置され、少なくとも3つの溝123aの各々に対応する。少なくとも3つのリフトピン131の各々は、上側支持部分131a及び下側支持部分131bを有する。上側支持部分131aは、絶縁性リング121の貫通孔121aを介して導電性リング123の溝123aの底面123a1と接触することで導電性リング123を下方から支持するように構成される。下側支持部分131bは、下側孔部分121a2を規定する絶縁性リング121の傾斜面1211aと接触することで絶縁性リング121を下方から支持するように構成される。少なくとも1つのアクチュエータ132は、少なくとも3つのリフトピン131を縦方向に移動させるように構成される。リフトピン131の下側支持部分131bは、絶縁性リング121の周方向C1において傾斜面1211aと接触することなく、絶縁性リング121の径方向R1において傾斜面1211aと2点で接触するように構成される。
一実施形態において、絶縁性リング121の少なくとも3つの貫通孔121aの各々は、上から見て矩形形状を有する。一実施形態において、上側支持部分131aは、第2の幅W2よりも小さい第1の直径W5を有する円柱形状を有し、下側支持部分131bは、第2の幅W2よりも大きい第2の直径W6を有する円柱形状を有する。一実施形態において、リフトピン131の上側支持部分131aの先端は、半球形状131a1を有する。一実施形態において、リフトピン131の上側支持部分131aの先端は、平坦面131a2を有する。一実施形態において、導電性リング123の少なくとも3つの溝123aの各々は、平坦底面123a1’’と、平坦底面123a1’’から下方に延在する垂直側面123a3と、垂直側面123a3から下方に向けて広がるフレア状側面123a2と、によって規定される。一実施形態において、導電性リング123の少なくとも3つの溝123aの各々は、湾曲底面123a1’によって規定される。一実施形態において、導電性リング123の少なくとも3つの溝123aの各々は、平坦底面123a1’’と、平坦底面123a1’’から下方に向けて広がるフレア状側面123a2と、によって規定される。一実施形態において、プラズマ処理システム1は、導電性リング123及び絶縁性リング121の周囲を囲むように配置される追加の導電性リング122を更に含む。追加の導電性リング122の少なくとも一部は、絶縁性リング121の外側部分と縦方向に重複する。
また、一実施形態に係るプラズマ処理システム1は、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11、第1の環状部材121、第2の環状部材123、少なくとも3つのリフトピン131、及び少なくとも1つのアクチュエータ132を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置され、基板支持面110a及びリング支持面110bを有する。第1の環状部材121は、リング支持面110b上に配置され、少なくとも3つの貫通孔121aを有する。少なくとも3つの貫通孔121aの各々は、上側孔部分121a1及び下側孔部分121a2を有する。上側孔部分121a1は、第1の方向R1における第1の幅W1と、第1の方向R1と直交する第2の方向C1における第2の幅W2とを有する。第2の幅W2は、第1の幅W1よりも小さい。下側孔部分121a2は、横から見て下方に向けて広がるフレア形状1211aを有する。第2の環状部材123は、第1の環状部材121によって支持され、下面に少なくとも3つの貫通孔121aの各々に対応する少なくとも3つの溝123aを有する。少なくとも3つの溝123aの各々は、第3の方向R2における第3の幅W3と、第3の方向R2と直交する第4の方向C2における第4の幅W4とを有する。第4の幅W4は、前記第3の幅W3よりも小さい。少なくとも3つのリフトピン131は、リング支持面110bの下方に配置され、少なくとも3つの溝123aの各々に対応する。少なくとも3つのリフトピン131の各々は、上側支持部分131a及び下側支持部分131bを有する。上側支持部分131aは、第1の環状部材121の貫通孔121aを介して第2の環状部材123の溝123aの底面123a1と接触することで第2の環状部材123を下方から支持するように構成される。下側支持部分131bは、下側孔部分121a2を規定する第1の環状部材121の傾斜面1211aと接触することで第1の環状部材121を下方から支持するように構成される。少なくとも1つのアクチュエータ132は、少なくとも3つのリフトピン131を縦方向に移動させるように構成される。
プラズマ処理システムにおいては、搬送装置2を用いてプラズマ処理装置1内に基板Wを搬入し、搬入された基板Wに対してエッチング等の所望のプラズマ処理を施した後、搬送装置2を用いてプラズマ処理装置1の外部に基板Wを搬出する。
本実施形態において、内側エッジリング123及び外側エッジリング122は導電性材料で形成されている。したがって、プラズマ処理システムでのプラズマ処理に際しては、リングアセンブリ120の上方、より具体的には、導電性リングとしての内側エッジリング123及び追加の導電性リングとしての外側エッジリング122の上方にシースが形成される。これにより、基板支持部11に保持された基板Wの中央部と周縁部とで良好且つ均一なプラズマ処理結果を得ることができる。
ここで、上記したように、近年のプラズマ処理システムにおいては、基板支持部11に対するリングアセンブリ120の設置精度の向上が求められている。
特許文献1には、環状部材の設置精度の向上を図るため、エッジリングに形成する溝及びカバーリングに形成する貫通孔を、搬送機構による環状部材の搬送精度よりも大きく形成することが開示されているが、この場合、例えば環状部材の機差(例えば加工公差)や熱膨張等の影響によりリフターと溝(貫通孔)の位置にズレが生じた際に、環状部材の位置決め精度が悪化するおそれがある。
この点、本開示の技術に係るプラズマ処理装置1によれば、カバーリングに相当する絶縁性リング121に第1の幅W1が第2の幅W2と比較して大きい略矩形形状で貫通孔121aを形成するとともに、内側エッジリング123に第3の幅W3が第4の幅W4と比較して大きい略長穴形状で溝123aを形成する。
これにより、上記した加工公差等の影響によりリフトピン131の位置と貫通孔121a(溝123a)の位置とにズレが生じた場合であっても、絶縁性リング121がリフトピン131を軸として摺動可能、すなわち貫通孔121a(溝123a)の長手方向に対してフリーな状態となるため、適切に絶縁性リング121を所望の位置へと導くことができる。またこの時、追加の導電性リングとしての外側エッジリング122は絶縁性リング121の上面に保持されているため、当該外側エッジリング122の位置も同時に補正される。
またこの時、上記したようにリフトピン131の下側支持部分131bは貫通孔121aの下側孔部分121a2の傾斜部に対して2点接触する。このため、下側支持部分131bと下側孔部分121a2の傾斜部が周方向の3点以上で接触する場合や線接触、面接触する場合と比較して容易に絶縁性リング121が摺動し、当該絶縁性リング121(リングアセンブリ120)の位置ズレ補正をより適切に行うことができる。
またこの時、上記したようにリフトピン131の上側支持部分131aは溝123aの底面123a1に対して線接触する。
上側支持部分131aと溝123aの底面123a1が1点又は2点のみで接触する場合、上側支持部分131aと底面123a1は相対的に容易に摺動するため、内側エッジリング123の位置ズレ補正を容易にできるものの、この一方、容易に摺動するため、リフトピン131の縦方向の移動に際して内側エッジリング123の位置にズレが生じやすくなる。
一方、上側支持部分131aと溝123aの底面123a1が面接触する場合、底面123a1と上側支持部分131aの相対的な摺動を抑制できるものの、この一方、摺動が抑制されるため、内側エッジリング123の位置ズレ補正が困難になる。
この点、以上の実施形態では、リフトピン131の上側支持部分131aは溝123aの底面123a1に対して線接触するため、上側支持部分131aに対して底面123a1を摺動させて内側エッジリング123の位置ズレ補正が適切に行えるとともに、リフトピン131の縦方向の移動に際しての内側エッジリング123の位置ズレも適切に抑制できる。
なお、このように絶縁性リング121に第1の幅W1が第2の幅W2と比較して大きい略矩形形状で貫通孔121aが形成された場合、上記したように絶縁性リング121が貫通孔121aの長手方向に対して摺動し、これにより、リフトピン131の縦方向の移動に際して絶縁性リング121に位置にズレが生じるおそれがある。
かかる点を鑑みて、絶縁性リング121の位置ズレを抑制(絶縁性リング121の配置精度を向上)させるため、上記したように貫通孔121aは略正方形形状に形成することが望ましい。またこの時、貫通孔121aの長手方向の幅(第2の幅W2)は、当該貫通孔121aの傾斜部に対してリフトピン131の下側支持部分131bが2点接触する大きさで設定されることが望ましい。
これにより、少なくとも下側支持部分131bと傾斜部を2点接触させることで絶縁性リング121の位置ズレ補正を実施できると共に、貫通孔121aの長手方向に対するリフトピン131のフリー幅を小さくし、リフトピン131の縦方向の移動に際しての絶縁性リング121の位置ズレを抑制できる。
<リングアセンブリの交換方法>
続いて、以上のように構成されたリングアセンブリ120の交換処理について、図面を用いて説明する。なお、以下の処理は、一例として制御部3による制御の下、行われる。
(ステップSt1:内側エッジリング123の受け渡し、搬出)
先ず、交換対象の消耗した内側エッジリング123が、基板支持部11上から搬送装置2に受け渡される。
具体的には、先ず、リフター130の上昇が行われ、図7に示すように、絶縁性リング121の上面から、支持体113の貫通孔113a及び絶縁性リング121の貫通孔121aを通過したリフター130の上側支持部分131aへ、内側エッジリング123が受け渡される。この際、リフター130の上昇は、下側支持部分131bへ絶縁性リング121が受け渡されない範囲で行われ、また、上側支持部分131aの先端部が所望の高さH1になるまで行われる。ここでの所望の高さH1は、支持体113に載置された絶縁性リング121に保持された外側エッジリング122の上面を基準とした、リフター130上側支持部分131aの高さである。また、所望の高さH1は、支持体113に載置された絶縁性リング121上の外側エッジリング122と上側支持部分131aに支持された内側エッジリング123との間を、搬送アーム2aを挿抜させたときに、当該搬送アーム2aが、外側エッジリング122及び内側エッジリング123等と干渉しない高さである。
続いて、内側エッジリング123がプラズマ処理装置1のプラズマ処理チャンバ10内から搬出される。
具体的には、減圧されたプラズマ処理チャンバ10内に、搬入出口(図示せず)を介して、搬送アーム2aが挿入される。そして、支持体113に載置された絶縁性リング121上の外側エッジリング122と、リフター130の上側支持部分131aに支持された内側エッジリング123との間に、搬送アーム2aが移動される。
次いで、リフター130の下降が行われ、リフター130の上側支持部分131aから搬送アーム2aへ、内側エッジリング123が受け渡される。続いて、搬送アーム2aがプラズマ処理チャンバ10から抜き出され、内側エッジリング123単体が、プラズマ処理装置1外へ搬出される。搬出された内側エッジリング123は、一例として収納モジュール(図示せず)内に搬入される。
(ステップSt2:絶縁性リング121及び外側エッジリング122の受け渡し、搬出)
内側エッジリング123がプラズマ処理装置1から搬出されると、次いで、交換対象の消耗した絶縁性リング121及び外側エッジリング122が、基板支持部11上から搬送装置2に受け渡される。
具体的には、先ず、リフター130の上昇が行われ、図8に示すように、基板支持部11の環状領域110b(リング支持面)の上面から、支持体113の貫通孔113aを通過したリフター130の下側支持部分131bへ、絶縁性リング121が受け渡される。この時、外側エッジリング122は絶縁性リング121上に保持されているため、外側エッジリング122も絶縁性リング121を介して下側支持部分131bに受け渡される。この際、リフター130の上昇は、下側支持部分131bの段差部が所望の高さH2になるまで行われる。ここでの所望の高さH2は、基板支持部11の上面(より具体的には静電チャック112の上面)を基準とした、リフター130下側支持部分131bの高さである。また、所望の高さH2は、静電チャック112と下側支持部分131bに支持された絶縁性リング121との間を、搬送アーム2aを挿抜させたときに、当該搬送アーム2aが、絶縁性リング121及び静電チャック112等と干渉しない高さである。
続いて、絶縁性リング121及び外側エッジリング122がプラズマ処理装置1のプラズマ処理チャンバ10内から搬出される。
具体的には、減圧されたプラズマ処理チャンバ10内に、搬入出口(図示せず)を介して、搬送アーム2aが挿入される。そして、静電チャック112と、リフター130の下側支持部分131bに支持された絶縁性リング121との間に、搬送アーム2aが移動される。
次いで、リフター130の下降が行われ、リフター130の下側支持部分131bから搬送アーム2aへ、絶縁性リング121及び外側エッジリング122が受け渡される。続いて、搬送アーム2aがプラズマ処理チャンバ10から抜き出され、絶縁性リング121及び外側エッジリング122が、プラズマ処理装置1外へ搬出される。搬出された絶縁性リング121及び外側エッジリング122は、一例として収納モジュール(図示せず)内に搬入される。
(ステップSt3:リングアセンブリ120の搬入、載置)
内側エッジリング123、絶縁性リング121及び外側エッジリング122がプラズマ処理装置1から搬出されると、次いで、交換対象の新たなリングアセンブリ120(絶縁性リング121、外側エッジリング122及び内側エッジリング123)が、プラズマ処理装置1内に搬入される。
具体的には、絶縁性リング121と、当該絶縁性リング121上に保持された外側エッジリング122及び内側エッジリング123を含む新たなリングアセンブリ120を保持した搬送装置2の搬送アーム2aが、プラズマ処理チャンバ10内に、搬入出口(図示せず)を介して挿入される。この際、プラズマ処理チャンバ10は減圧されていてもよい。そして、図9に示すように、基板支持部11の環状領域110bの上方へ、上記新たなリングアセンブリ120が搬送アーム2aによって搬送される。
続いて、新たなリングアセンブリ120が、搬送装置2から基板支持部11の環状領域110bに載置される。
具体的には、リフター130の上昇が行われ、図10Aに示すように、内側エッジリング123が、搬送アーム2aに保持された絶縁性リング121の上面から、当該絶縁性リング121の貫通孔121aを通過したリフター130の上側支持部分131aへ、受け渡される。
この時、絶縁性リング121の貫通孔121a及び内側エッジリング123の溝123aは、上記したように傾斜部の下端が少なくとも搬送装置2による内側エッジリング123の搬送精度よりも大きく形成される。このため、搬送装置2の搬送精度に起因してリフトピン131と貫通孔121a、溝123aの位置にズレが生じていた場合であっても、適切にリフトピン131を貫通孔121aに挿通し、更に溝123aの底面123a1へと導くことができる。
次いで、リフター130の上昇を継続し、図10Bに示すように、搬送アーム2aからリフター130の下側支持部分131bへ、絶縁性リング121が受け渡される。この時、絶縁性リング121上の外側エッジリング122も、同時に下側支持部分131bへと受け渡される。この際、リフター130の上昇は、下側支持部分131bの段差部が所望の高さH2になるまで行われる。
この時、本実施形態では絶縁性リング121の貫通孔121a及び内側エッジリング123の溝123aが、径方向幅(第1の幅W1又は第3の幅W3)が周方向幅(第2の幅W2又は第4の幅W4)と比較して大きく形成されている。このため、加工公差等に起因してリフトピン131と貫通孔121aの位置にズレが生じた場合であっても、適切にリフトピン131を貫通孔121aに挿通し、更に溝123aの底面123a1へと導くことができる。
またこの時、リフトピン131の下側支持部分131bは貫通孔121aの傾斜部と2点接触し、これにより、リフトピン131を軸として絶縁性リング121が貫通孔121aの長手方向に対してフリーな状態となる。このため、上記した種々の要因によりリフトピン131と貫通孔121a、溝123aの位置にズレが生じていた場合であっても、貫通孔121aの長手方向に対して絶縁性リング121が摺動し、絶縁性リング121及び外側エッジリング122を適切に所望の位置へと位置決めできる。
また同様に、リフトピン131の上側支持部分131aは溝123aの底面123a1と線接触し、これにより、内側エッジリング123を適切に所望の位置へと位置決めできるとともに、後のリングアセンブリ120の載置に際しての内側エッジリング123の位置ズレを抑制できる。
続いて、搬送アーム2aのプラズマ処理チャンバ10からの抜き出しが行われる。また、リフター130の下降が行われる。これにより、絶縁性リング121、外側エッジリング122及び内側エッジリング123が基板支持部11の環状領域110bの上面及び支持体113の上面に載置される。具体的には、まず、絶縁性リング121及び外側エッジリング122が支持体113の上面に載置され、次いで、内側エッジリング123が絶縁性リング121の上面及び基板支持部11の環状領域110bの上面に載置される。
こうして、リングアセンブリ120を基板支持部11上に載置するための一連の処理が完了する。
なお、上記実施形態ではリングアセンブリ120としての絶縁性リング121、外側エッジリング122及び内側エッジリング123の搬入、載置を同時に行ったが、これら絶縁性リング121、外側エッジリング122又は内側エッジリング123のいずれかの搬入、載置が独立して行われてもよい。
また、上記実施形態ではリングアセンブリ120としての絶縁性リング121、外側エッジリング122及び内側エッジリング123の受け渡し、搬出を順次行ったが、これら絶縁性リング121、外側エッジリング122又は内側エッジリング123のいずれかの受け渡し、搬出は同時に行われてもよい。この場合、内側エッジリング123は、絶縁性リング121上に載置された状態で、すなわち絶縁性リング121と一体に、リフトピン131と搬送アーム2aとの間での受け渡し、プラズマ処理装置1からの搬出が行われてもよい。
<エッジリングの変形例>
図11A~図11Cは、他の実施形態に係る内側エッジリング223の構成例を示す図である。
他の実施形態に係る内側エッジリング223においては、底面側に形成される複数、図示の例では3つの溝223a~223cのうち、少なくとも一の溝(図示の例では溝223a)を円形状で形成(図11B)し、残り(図示の例では溝223b、223c)を長穴形状で形成(図11C)するようにしてもよい。
一実施形態において、円形状を有する溝223aは、その底面223a1において、リフトピン131の上側支持部分131aの幅(第5の幅W5)と略同一の直径(図11の第1の直径D1)を有する。また、溝223aの底面223a1は、リフトピン131の上側支持部分131aの先端部形状と嵌合する形状を有する。換言すれば、上側支持部分131aの先端部は、内側エッジリング223に形成された溝223aの底面223a1と面接触可能に構成される。
また、溝223aの側面223a2は、底面223a1の第1の直径D1が下方(内側エッジリング223の底面)に向けて広がるように傾斜部(フレア形状)が形成されている。溝223aの傾斜部下端は、少なくとも搬送装置2による内側エッジリング223の搬送精度よりも大きく形成されることが望ましい。
一実施形態において、長穴形状を有する溝223b、223cは、上記実施形態で示した内側エッジリング123の溝123aと同一の構造を有する。すなわち溝223b、223cは内側エッジリング223の径方向に延伸する第3の幅W3が、当該径方向と直交する内側エッジリング223の周方向に延伸する第4の幅W4と比較して大きく形成され、その底面223b1、223c1は、特に第4の幅W4の延伸方向に対して、リフトピン131の上側支持部分131aの先端部形状と嵌合する形状を有する。また、溝223b、223cの側面223b2、223c2には傾斜部が形成されている。溝123aの傾斜部下端は、少なくとも搬送装置2による内側エッジリング123の搬送精度よりも大きく形成されることが望ましい。
上記実施形態で示したように、内側エッジリング123の底面に形成された3つの溝123a全てが長穴形状を有する場合、上記したように内側エッジリング123は溝123aの長手方向に対してフリーな状態となるため、これにより内側エッジリング123が摺動して位置ズレの原因となるおそれがある。
そこで他の実施形態に係る内側エッジリング223においては、少なくとも1つの溝223aを円形状で形成し、当該円形状の溝223aを基点として内側エッジリング223の位置決めを行う。即ち、一実施形態に係るプラズマ処理システムは、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11、環状部材223、少なくとも3つの円柱状リフトピン131、及び少なくとも1つのアクチュエータ132を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置され、基板支持面110a及びリング支持面110bを有する。環状部材223は、リング支持面110b上に配置され、下面に少なくとも3つの溝223a~223cを有する。少なくとも3つの溝223a~223cのうち第1の溝223aは、上から見て円形状の底面223a1を有する。少なくとも3つの溝223a~223cのうち第2の溝223b及び第3の溝223cは、環状部材223の径方向R3における第1の幅W3と、環状部材223の周方向C3における第2の幅W4とを有する底面223b1、223c1を有する。第2の幅W4は、第1の幅W3よりも小さい。少なくとも3つの円柱状リフトピン131は、リング支持面110bの下方に配置され、少なくとも3つの溝223a~223cの各々に対応する。少なくとも3つの円柱状リフトピン131の各々は、環状部材223の溝223a~223cの底面と接触することで環状部材223を下方から支持するように構成される。少なくとも1つのアクチュエータ132は、少なくとも3つの円柱状リフトピン131を縦方向に移動させるように構成される。
これにより、略同一の大きさで形成された上側支持部分131aの先端部と溝223aの底面223a1が嵌合して面接触することから、内側エッジリング223とリフター130が少なくとも水平方向に摺動することが抑制される。また、残りの溝223b、223cが長穴形状で形成されることから、上記した種々の要因により溝223b、223cとリフトピン131の位置にズレが生じていた場合であっても、当該ズレを補正して適切にリフトピン131を溝223b、223cへと導き、所望の位置へと内側エッジリング223を位置決めすることができる。
なお、上記実施形態では、少なくとも3つの溝223a~223cの内、1つの溝223aを円形状で形成し、残りの溝223b、223cを長穴形状で形成したが、例えば内側エッジリング223の位置決めを適切に行える場合には、少なくとも3つの溝223a~223cの各々が円形状で形成されてもよい。
換言すれば、一実施形態において、導電性リング123の少なくとも3つの溝223a~223cの各々は、リフトピン131の上側支持部分131aの先端と嵌合可能な形状を有する底面223a1と、底面から下方に向けて広がるフレア状側面223a2と、によって規定される。
<内側エッジリングに形成される溝の変形例>
なお、内側エッジリングに形成される長穴形状の溝(内側エッジリング123の溝123a、内側エッジリング223の溝223b、223c)の断面形状は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば図12Aに示すように、溝123aは略平坦面を有する平坦底面123a1’’と、平坦底面123a1’’から垂直下方に延在する垂直壁としての垂直側面123a3と、垂直側面123a3から下方に向けて広がる拡幅壁としてのフレア状側面123a2を有してもよい。この時、溝123aの短手方向の第4の幅W4(垂直側面123a3部分の幅)は、リフトピン131に対して摺動可能にするために上側支持部分131aの径(第5の幅W5)と比較して若干大きく形成されることが望ましい。この場合、上側支持部分131aと溝123aの接触方式は1点接触である。
例えば図12Bに示すように、溝123aは半球形状のリフトピン131の先端部(半球形状131a1)よりも大きな曲率を有する湾曲面により形成されていてもよい。換言すれば、溝123aは湾曲形状の湾曲底面123a1’のみを有し、垂直側面123a3及びフレア状側面123a2を備えていなくてもよい。この時、溝123aは、リフトピン131に対して摺動可能に構成される。この場合、上側支持部分131aと溝123aの接触方式は1点接触である。
例えば図12Cに示すように、溝123aは略平坦面を有する平坦底面123a1’’と、平坦底面123a1’’から下方に向けて幅が広がる拡幅壁としてのフレア状側面123a2を有してもよい。換言すれば、上記実施形態と比較して、図12Cに示した例では平坦底面123a1’’はリフトピン131と嵌合する形状では形成されていない。この場合、上側支持部分131aと溝123aの接触方式は3点接触である。
また、上記の図5及び図12A~図12Cに示した例においては、溝123aの底面123a1(又は垂直側面123a3)から下方に向けて広がるフレア状側面123a2を、下方に向けて一定の割合で幅が広がる、側面視直線状の側面により構成したが、フレア状側面123a2は側面視湾曲状の側面により構成してもよい。
具体的に溝123aは、図12Dに一例として示すように、半球形状のリフトピン131の先端部(半球形状131a1)よりも大きな曲率を有する湾曲形状の湾曲底面123a1’と、湾曲底面123a1’から下方に向けて幅が広がり、上方(リフトピン131とは反対側)に向けて湾曲するフレア状湾曲側面123a4を有していてもよい。この場合、上側支持部分131aと溝123aの接触方式は1点接触である。
なお、フレア状湾曲側面123a4の曲率は特に限定されるものではない。換言すれば、本開示の技術に係るプラズマ処理装置1が備える内側エッジリング123には溝123aが形成され、溝123aは、底面123a1と、値が「0」以上の任意の曲率を有する1つ以上の側面(側面123a2、123a3及び123a4)により構成される。側面の曲率が「0」であるとは、側面が側面視直線状(側面123a2)であることを言う。曲率が「0」よりも大きいとは、側面が側面視湾曲状(側面123a4)であることを言う。
このように、溝123a(溝223b、223c)は任意の断面形状で形成され得る。この時、上側支持部分131aと溝123aの接触方式は断面形状により異なる。上側支持部分131aと溝123aの位置合わせを容易にするという観点からは、上側支持部分131aと溝123aの接触面積は小さいほうが好ましい。また、上側支持部分131aと溝123aの設置精度を向上させるという観点からは、上側支持部分131aと溝123aの接触面積は大きいほうが好ましい。
このように、目的に応じて溝123a(溝223b、223c)の断面形状は適宜設計され得る。
また、内側エッジリングに形成される円形状の溝(内側エッジリング223の溝223a)の断面形状も、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば図13Aに示すように、溝223aは略平坦面を有する平坦底面223a1’’と、平坦底面223a1’’から垂直下方に延在する垂直壁としての垂直側面223a3と、垂直側面223a3から下方に向けて広がる拡幅壁としてのフレア状側面223a2を有してもよい。この時、溝223aの第1の直径D1(垂直側面223a3部分の幅)は、リフトピン131の先端部を適切に平坦底面223a1’’に接触させるため、上側支持部分131aの径(第5の幅W5)と比較して若干大きく形成されることが望ましい。また、この場合、上側支持部分131aと溝123aの接触方式は1点接触である。
例えば図13Bに示すように、溝223aは半球形状のリフトピン131の先端部よりも大きな曲率を有する湾曲面により形成されていてもよい。換言すれば、溝223aは湾曲形状の湾曲底面223a1’のみを有し、フレア状側面223a2及び垂直側面223a3を備えていなくてもよい。この場合、上側支持部分131aと溝223aの接触方式は1点接触である。
例えば図13Cに示すように、溝223aは略平坦面を有する平坦底面223a1’’と、平坦底面223a1’’から下方に向けて幅が広がる拡幅壁としてのフレア状側面223a2を有してもよい。換言すれば、図11に示した例と比較して、図13Cに示した例では平坦底面223a1’’はリフトピン131と嵌合する形状では形成されていない。この場合、上側支持部分131aと溝223aの接触方式は3点接触である。
また図示は省略するが、円形状の溝223aについても、図12Dに示した例と同様に、フレア状側面123a2は側面視湾曲状の側面により構成してもよい。換言すれば、円形状の溝223aは、図示しないフレア状湾曲側面を有していてもよい。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
1 プラズマ処理装置
10 プラズマ処理チャンバ
11 基板支持部
12 プラズマ生成部
110b 環状領域
121 絶縁性リング
121a 貫通孔
121a1 上側孔部分
121a2 下側孔部分
123 内側エッジリング
123a 溝
123a1 底面
131 リフトピン
131a 上側支持部分
131b 下側支持部分
132 アクチュエータ
W1 第1の幅
W2 第2の幅
W3 第3の幅
W4 第4の幅

Claims (19)

  1. プラズマ処理チャンバと、
    前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する基板支持部と、
    前記リング支持面上に配置され、少なくとも3つの貫通孔を有する絶縁性リングであって、前記少なくとも3つの貫通孔の各々は、上側孔部分及び下側孔部分を有し、前記上側孔部分は、前記絶縁性リングの径方向における第1の幅と、前記絶縁性リングの周方向における第2の幅とを有し、前記第2の幅は、前記第1の幅よりも小さく、前記下側孔部分は、横から見て下方に向けて広がるフレア形状を有する、絶縁性リングと、
    前記絶縁性リングによって支持され、下面に前記少なくとも3つの貫通孔の各々に対応する少なくとも3つの溝を有する導電性リングであって、前記少なくとも3つの溝の各々は、前記導電性リングの径方向における第3の幅と、前記導電性リングの周方向における第4の幅とを有し、前記第4の幅は、前記第3の幅よりも小さい、導電性リングと、
    前記リング支持面の下方に配置され、前記少なくとも3つの溝の各々に対応する少なくとも3つのリフトピンであって、前記少なくとも3つのリフトピンの各々は、上側支持部分及び下側支持部分を有し、前記上側支持部分は、前記絶縁性リングの前記貫通孔を介して前記導電性リングの前記溝の底面と接触することで前記導電性リングを下方から支持するように構成され、前記下側支持部分は、前記下側孔部分を規定する前記絶縁性リングの傾斜面と接触することで前記絶縁性リングを下方から支持するように構成される、少なくとも3つのリフトピンと、
    前記少なくとも3つのリフトピンを縦方向に移動させるように構成される少なくとも1つのアクチュエータと、を含む、プラズマ処理装置。
  2. 前記リフトピンの前記下側支持部分は、前記絶縁性リングの周方向において前記傾斜面と接触することなく、前記絶縁性リングの径方向において前記傾斜面と2点で接触するように構成される、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記絶縁性リングの前記少なくとも3つの貫通孔の各々は、上から見て矩形形状を有する、請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記上側支持部分は、前記第2の幅よりも小さい第1の直径を有する円柱形状を有し、前記下側支持部分は、前記第2の幅よりも大きい第2の直径を有する円柱形状を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記リフトピンの前記上側支持部分の先端は、半球形状を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記リフトピンの前記上側支持部分の先端は、平坦面を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記導電性リングの前記少なくとも3つの溝の各々は、
    平坦底面と、
    前記平坦底面から下方に延在する垂直側面と、
    前記垂直側面から下方に向けて広がるフレア状側面と、によって規定される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記導電性リングの前記少なくとも3つの溝の各々は、湾曲底面によって規定される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記導電性リングの前記少なくとも3つの溝の各々は、
    平坦底面と、
    前記平坦底面から下方に向けて広がるフレア状側面と、によって規定される、請求項1~6のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記導電性リングの前記少なくとも3つの溝の各々は、
    前記リフトピンの前記上側支持部分の先端と嵌合可能な形状を有する底面と、
    前記底面から下方に向けて広がるフレア状側面と、を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記導電性リング及び前記絶縁性リングの周囲を囲むように配置される追加の導電性リングを更に含み、前記追加の導電性リングの少なくとも一部は、前記絶縁性リングの外側部分と縦方向に重複する、請求項1~10のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  12. プラズマ処理チャンバと、
    前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する基板支持部と、
    前記リング支持面上に配置され、下面に少なくとも3つの溝を有する環状部材であって、前記少なくとも3つの溝のうち第1の溝は、上から見て円形状の底面を有し、前記少なくとも3つの溝のうち第2の溝及び第3の溝は、前記環状部材の径方向における第1の幅と、前記環状部材の周方向における第2の幅とを有する底面を有し、前記第2の幅は、前記第1の幅よりも小さい、環状部材と、
    前記リング支持面の下方に配置され、前記少なくとも3つの溝の各々に対応する少なくとも3つの円柱状リフトピンであって、前記少なくとも3つの円柱状リフトピンの各々は、前記環状部材の前記溝の底面と接触することで前記環状部材を下方から支持するように構成される、少なくとも3つの円柱状リフトピンと、
    前記少なくとも3つの円柱状リフトピンを縦方向に移動させるように構成される少なくとも1つのアクチュエータと、を含む、プラズマ処理装置。
  13. 前記円柱状リフトピンの先端は、半球形状を有する、請求項12に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記円柱状リフトピンの先端は、平坦面を有する、請求項12に記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記環状部材の前記少なくとも3つの溝の各々は、
    平坦底面と、
    前記平坦底面から下方に延在する垂直側面と、
    前記垂直側面から下方に向けて広がるフレア状側面と、によって規定される、請求項12又は13に記載のプラズマ処理装置。
  16. 前記環状部材の前記少なくとも3つの溝の各々は、湾曲底面によって規定される、請求項12又は13に記載のプラズマ処理装置。
  17. 前記環状部材の前記少なくとも3つの溝の各々は、
    平坦底面と、
    前記平坦底面から下方に向けて広がるフレア状側面と、によって規定される、請求項12~14のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  18. 前記環状部材の前記少なくとも3つの溝の各々は、
    前記円柱状リフトピンの先端と嵌合可能な形状を有する底面と、
    前記底面から下方に向けて広がるフレア状側面と、によって規定される、請求項12~14のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  19. プラズマ処理チャンバと、
    前記プラズマ処理チャンバ内に配置され、基板支持面及びリング支持面を有する基板支持部と、
    前記リング支持面上に配置され、少なくとも3つの貫通孔を有する第1の環状部材であって、前記少なくとも3つの貫通孔の各々は、上側孔部分及び下側孔部分を有し、前記上側孔部分は、第1の方向における第1の幅と、前記第1の方向と直交する第2の方向における第2の幅とを有し、前記第2の幅は、前記第1の幅よりも小さく、前記下側孔部分は、横から見て下方に向けて広がるフレア形状を有する、第1の環状部材と、
    前記第1の環状部材によって支持され、下面に前記少なくとも3つの貫通孔の各々に対応する少なくとも3つの溝を有する第2の環状部材であって、前記少なくとも3つの溝の各々は、第3の方向における第3の幅と、前記第3の方向と直交する第4の方向における第4の幅とを有し、前記第4の幅は、前記第3の幅よりも小さい、第2の環状部材と、
    前記リング支持面の下方に配置され、前記少なくとも3つの溝の各々に対応する少なくとも3つのリフトピンであって、前記少なくとも3つのリフトピンの各々は、上側支持部分及び下側支持部分を有し、前記上側支持部分は、前記第1の環状部材の前記貫通孔を介して前記第2の環状部材の前記溝の底面と接触することで前記第2の環状部材を下方から支持するように構成され、前記下側支持部分は、前記下側孔部分を規定する前記第1の環状部材の傾斜面と接触することで前記第1の環状部材を下方から支持するように構成される、少なくとも3つのリフトピンと、
    前記少なくとも3つのリフトピンを縦方向に移動させるように構成される少なくとも1つのアクチュエータと、を含む、プラズマ処理装置。
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