JP2023098380A - デメチルタンゲレチンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】6又は8-デメチルタンゲレチンの製造方法及び用途を提供する。【解決手段】化合物(II)にメトキシ安息香酸誘導体(III)を縮合させて得られるβ-ジケトン化合物(IV)を脱保護及び縮環反応に付す、(I)の製造方法。TIFF2023098380000018.tif80170【選択図】なし
Description
本発明は6又は8-デメチルタンゲレチンの製造方法及びその用途に関する。
タンゲレチンは、ノビレチンと共に温州みかんやシークワーサー等の柑橘類に含まれるポリメトキシフラボノイドの一種であり、例えば、神経突起伸長促進作用(特許文献1)、血管新生抑制(特許文献2)等、種々の生理活性を有することが知られていることから、健康食品の重要な成分として認識されている。
また、ポリメトキシフラボノイドは、生体内でCYP代謝を受けデメチル化されることが報告され(非特許文献1)、例えば、ノビレチンのデメチル体には、様々な生理活性があることが報告されている(非特許文献2)。また、タンゲレチンのデメチル体である4’-デメチルタンゲレチンには、神経突起伸長作用や記憶改善作用(特許文献3)、皮膚のシワに対する予防・改善作用(特許文献4)があることが報告されている。
ノビレチンを始めとするポリメトキシフラボノイドの化学合成法は、種々報告されており(例えば、特許文献5、特許文献6)、例えば、特許文献5では、以下に示すように、アセトフェノン誘導体(8)に対し、ジメトキシ安息香酸誘導体(9)(RはCl又はベンゾトリアゾリルである)を作用させ、β-ジケトン(10)を得、これを環化させることにより、ノビレチンを合成する方法が開示されている。
Biol. Pharm. Bull., 2007, 30, 2317
生物機能開発研究所紀要 2018, 19, 36
本発明は、6又は8-デメチルタンゲレチンの製造方法及びその用途を提供することに関する。
本発明者らは、下記反応式に示すように、所定の水酸基をメトキシメチル基(MOM基)で保護したアセトフェノン誘導体である化合物(II)にメトキシ安息香酸誘導体(III)を縮合させて得られるβ-ジケトン体(IV)を脱保護及び縮環反応に付すことにより、収率良く6又は8-デメチルタンゲレチン(I)を製造できること、また当該化合物には優れた抗酸化能があることを見出した。
〔式中、R1a及びR2aはいずれか一方がメチル基で他方がメトキシメチル基を示し、R3はベンゾトリアゾリル基を示し、R1及びR2はそれぞれR1a及びR2aに対応し、いずれか一方が水素原子で他方がメチル基を示す。〕
すなわち、本発明は、以下の1)~2)に係るものである。
1)上記一般式(II)で表される化合物に、上記一般式(III)で表されるメトキシ安息香酸誘導体を反応させて、上記一般式(IV)で表されるβ-ジケトン体を得、次いで脱保護及び縮環反応に付す、上記一般式(I)で表される6又は8-デメチルタンゲレチンの製造方法。
2)上記一般式(I)で表される6若しくは8-デメチルタンゲレチン又はその塩を有効成分とする抗酸化剤。
1)上記一般式(II)で表される化合物に、上記一般式(III)で表されるメトキシ安息香酸誘導体を反応させて、上記一般式(IV)で表されるβ-ジケトン体を得、次いで脱保護及び縮環反応に付す、上記一般式(I)で表される6又は8-デメチルタンゲレチンの製造方法。
2)上記一般式(I)で表される6若しくは8-デメチルタンゲレチン又はその塩を有効成分とする抗酸化剤。
本発明によれば、6又は8-デメチルタンゲレチンを効率よく化学合成できる。6又は8-デメチルタンゲレチンは抗酸化作用を有し、酸化ストレスを低減するための医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品として、或いは当該医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品に配合して当該製剤の酸化を防止して保存安定性を高めるために使用できる。また体内で形成されるタンゲレチン代謝物の体内動態を追跡するための標品となり得る。
本発明において、「6又は8-デメチルタンゲレチン」は、下記式で示されるノビレチンの生体内代謝物であり、タンゲレチンの6位又は8位のメトキシ基が脱メチル化された化合物(Ia、Ib)を意味する。
本発明の6又は8-デメチルタンゲレチン(I)の製造方法は、以下に示すように、所定の水酸基をメトキシメチル基(MOM基)で保護したアセトフェノン誘導体である化合物(II)にメトキシ安息香酸誘導体(III)を縮合させて得られるβ-ジケトン体(IV)を脱保護及び縮環反応に付すものである。
〔式中、R1a及びR2aはいずれか一方がメチル基で他方がメトキシメチル基を示し、R3はベンゾトリアゾリル基を示し、R1及びR2はそれぞれR1a及びR2aに対応し、いずれか一方が水素原子で他方がメチル基を示す。〕
化合物(II)とメトキシ安息香酸誘導体(III)との反応は、公知の縮合反応(アルドール反応)に従って行うことができ、適宜な溶媒中、塩基の存在下で行われる。
溶媒としては反応に悪影響を及ぼさない限り限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒の他、アセトニトリル、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、アセトン等の非プロトン性極性溶媒、またはそれらの混合溶媒を用いることができ、好ましくはテトラヒドロフランである。
塩基としては、例えばリチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムアミド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド(NHMDS)、リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)、カリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)等のアミン類の金属塩、カリウム-t-ブトキシド等のアルコール類の金属塩、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等の有機リチウム化合物等が挙げられ、好ましくは、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムヘキサメチルジシラジドである。
メトキシ安息香酸誘導体(III)の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1.0~3.0モル、好ましくは1.0~2.0モル、さらに好ましくは1.0~1.5モル、さらに好ましくは1.1~1.3モルである。
塩基の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常2.0~5.0モル、好ましくは3.0~5.0モル、さらに好ましくは3.5~4.5モル、さらに好ましくは3.8~4.2モルである。
反応は通常、室温下、又は冷却下で、好ましくは0~30℃、より好ましくは22~27℃の条件下、1~5時間、好ましくは3~4時間行われる。
次いで、得られたβ-ジケトン体(IV)について、MOM基の脱離(脱保護)及び縮環反応に付す。当該反応は、適当な溶媒中、酸を用いて行うことができる。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒の他、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1、2―ジクロロエタン、クロロホルム等の含ハロゲン溶媒、アセトニトリル、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、アセトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、或いはこれらの混合溶媒等を用いることができ、好ましくはメタノールとトルエンの混合溶媒である。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒の他、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1、2―ジクロロエタン、クロロホルム等の含ハロゲン溶媒、アセトニトリル、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、アセトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、或いはこれらの混合溶媒等を用いることができ、好ましくはメタノールとトルエンの混合溶媒である。
酸としては、p-トルエンスルホン酸、(1S)-(+)-10-カンファースルホン酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸が挙げられ、好ましくはp-トルエンスルホン酸である。
酸の使用量は、β-ジケトン体(IV)1モルに対して、通常3~9モル、好ましくは4~8モル、さらに好ましくは5~7モル、さらに好ましくは5.5~6.5モルである。
酸の使用量は、β-ジケトン体(IV)1モルに対して、通常3~9モル、好ましくは4~8モル、さらに好ましくは5~7モル、さらに好ましくは5.5~6.5モルである。
反応は必要に応じ、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブスなどの脱水剤を用いて進行させてもよく、好ましくは硫酸ナトリウムが挙げられる。
反応温度は特に限定されず、通常、室温下及び加熱下のいずれでも反応が行われる。好ましくは50~100℃、さらに好ましくは60~90℃、さらに好ましくは75~85℃の温度条件下、9~17時間反応させるのがよい。
尚、メトキシ安息香酸誘導体(III)は、後述する参考例1に示すように、市販の3,4-メトキシ安息香酸を塩化チオニルと反応させることにより得られる酸クロリドを塩基の存在下でベンゾトリアゾールと反応させることにより製造できる。
上記化合物(II)は、アリールハロゲン化物である化合物(V)より以下の工程により製造することができる。
〔式中、X1a及びX2aはいずれか一方がメトキシ基で他方がハロゲン原子を示し、
X1b及びX2bはいずれか一方がメトキシ基で他方が水酸基を示し、R1a及びR2aはいずれか一方がメチル基で他方がメトキシメチル基を示す。〕
X1b及びX2bはいずれか一方がメトキシ基で他方が水酸基を示し、R1a及びR2aはいずれか一方がメチル基で他方がメトキシメチル基を示す。〕
1)工程-1
本工程は、化合物(V)を、パラジウム触媒、リガンド及び塩基の存在下、水酸化物無機塩とクロスカップリングさせて、当該化合物(V)の3位(X1a又はX2a)に水酸基を導入する反応である。本反応は、バックワルド・ハートウィグクロスカップリング反応とも称され、公知の反応条件を参考にして適宜設定できる。
なお、X1a又はX2aで示されるハロゲン原子としては、臭素原子又はヨウ素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。
本工程は、化合物(V)を、パラジウム触媒、リガンド及び塩基の存在下、水酸化物無機塩とクロスカップリングさせて、当該化合物(V)の3位(X1a又はX2a)に水酸基を導入する反応である。本反応は、バックワルド・ハートウィグクロスカップリング反応とも称され、公知の反応条件を参考にして適宜設定できる。
なお、X1a又はX2aで示されるハロゲン原子としては、臭素原子又はヨウ素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。
パラジウム触媒としては、特に限定されないが、Pd2(dba)3(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、PdCl2(塩化パラジウム)、Pd(OAc)2(酢酸パラジウム)等が挙げられ、好ましくはPd2(dba)3である。
リガンドとしては、例えば、tBuXPhos(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル)、BINAP(2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル)、DPPF(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)、X-Phos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル)等が挙げられ、好ましくはtBuXPhosである。
水酸化物無機塩としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等が挙げられ、このうち水酸化カリウムが好ましい。本工程において、水酸化物無機塩は水酸基を供与するための配位子となるが、併せて塩基としても機能する。
水酸化物無機塩の使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常1~20モル、好ましくは5~15モル、さらに好ましくは7~13モル、さらに好ましくは9~11モルである。
水酸化物無機塩の使用量は、化合物(V)1モルに対して、通常1~20モル、好ましくは5~15モル、さらに好ましくは7~13モル、さらに好ましくは9~11モルである。
反応溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1、4―ジオキサン等のエーテル系溶媒を用いることができ、1、4―ジオキサン等のエーテル系溶媒が好ましい。
反応温度、例えば80~130℃、好ましくは90~120℃、より好ましくは105~115℃であり、反応時間は、例えば0.1~2.0時間、好ましくは0.5~1.5時間、より好ましくは0.9~1.1時間である。
反応温度、例えば80~130℃、好ましくは90~120℃、より好ましくは105~115℃であり、反応時間は、例えば0.1~2.0時間、好ましくは0.5~1.5時間、より好ましくは0.9~1.1時間である。
工程-2
本工程は、化合物(VI)のMOM基を脱離する反応である。
MOM基の脱離は、β-ジケトン体(IV)の脱保護反応で述べたとおり、適当な溶媒(例えば、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1、2―ジクロロエタン、クロロホルム等の含ハロゲン溶媒、アセトニトリル、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、アセトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、或いはこれらの混合溶媒)中、酸を用いて行うことができる。
酸としては、p-トルエンスルホン酸、(1S)-(+)-10-カンファースルホン酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、ギ酸、酪酸、ピバル酸等が挙げられ、好ましくはp-トルエンスルホン酸である。
酸の使用量は、化合物(VI)1モルに対して、通常1.0~5.0モル、好ましくは2.5~3.5モルである。
反応温度は特に限定されず、通常、室温下及び加熱下のいずれでも反応が行われる。好ましくは10~40℃、さらに好ましくは20~30℃で、0.5~1.5時間反応させるのがよい。
本工程は、化合物(VI)のMOM基を脱離する反応である。
MOM基の脱離は、β-ジケトン体(IV)の脱保護反応で述べたとおり、適当な溶媒(例えば、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1、2―ジクロロエタン、クロロホルム等の含ハロゲン溶媒、アセトニトリル、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、アセトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、或いはこれらの混合溶媒)中、酸を用いて行うことができる。
酸としては、p-トルエンスルホン酸、(1S)-(+)-10-カンファースルホン酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、ギ酸、酪酸、ピバル酸等が挙げられ、好ましくはp-トルエンスルホン酸である。
酸の使用量は、化合物(VI)1モルに対して、通常1.0~5.0モル、好ましくは2.5~3.5モルである。
反応温度は特に限定されず、通常、室温下及び加熱下のいずれでも反応が行われる。好ましくは10~40℃、さらに好ましくは20~30℃で、0.5~1.5時間反応させるのがよい。
工程-3
本工程は、化合物(VII)の3位の水酸基をメトキシメチル化する反応である。
メトキシメチル化は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジクロロメタン、トルエン等の溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物および、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアミノピリジン等の有機塩基存在下、化合物(V)をクロロメチルメチルエーテルと反応させることにより行われる。
本工程は、化合物(VII)の3位の水酸基をメトキシメチル化する反応である。
メトキシメチル化は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジクロロメタン、トルエン等の溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物および、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアミノピリジン等の有機塩基存在下、化合物(V)をクロロメチルメチルエーテルと反応させることにより行われる。
クロロメチルメチルエーテルの使用量は、化合物(VII)1モルに対して、通常1.0~3.0モル、好ましくは1.5~2.5モル、さらに好ましくは1.7~2.3モル、さらに好ましくは1.9~2.1モルである。
塩基の使用量は、化合物(VII)1モルに対して、通常3.0~5.0モル、好ましくは3.7~4.3モル、さらに好ましくは3.9~4.1モルである。
反応温度は特に限定されず、通常、冷却下、室温下及び加熱下のいずれでも反応が行われる。好ましくは0~50℃、さらに好ましくは10~40℃、さらに好ましくは25~35℃程度の温度条件下、6~14時間反応させるのがよい。
なお、化合物(V)は、後述する実施例に示すように、市販の1,2,3,5-テトラメトキシベンゼン又は3,4,5-トリメトキシフェノールから、以下の工程で製造できる。
〔式中、X1a及びX2aはいずれか一方がメトキシ基で他方がハロゲン原子を示し、
Xはハロゲン原子を示す。〕
Xはハロゲン原子を示す。〕
式中、各工程で使用される反応試薬を以下に示す。
(1a)塩化アルミニウム,塩化アセチル、(1b)p-トルエンスルホン酸一水和物,N-ブロモスクシンイミド、(1c)N,N-ジイソプロピルエチルアミン,クロロメチルメチルエーテル、(2a)トリエチルアミン,無水酢酸。
(2b)トリフルオロボランエーテル錯体,酢酸、(2c)p-トルエンスルホン酸一水和物,N-ブロモスクシンイミド,MeCN、(2d)N,N-ジイソプロピルエチルアミン,クロロメチルメチルエーテル。
(1a)塩化アルミニウム,塩化アセチル、(1b)p-トルエンスルホン酸一水和物,N-ブロモスクシンイミド、(1c)N,N-ジイソプロピルエチルアミン,クロロメチルメチルエーテル、(2a)トリエチルアミン,無水酢酸。
(2b)トリフルオロボランエーテル錯体,酢酸、(2c)p-トルエンスルホン酸一水和物,N-ブロモスクシンイミド,MeCN、(2d)N,N-ジイソプロピルエチルアミン,クロロメチルメチルエーテル。
すなわち、1,2,3,5-テトラメトキシベンゼンを、塩化アルミニウムの存在下、塩化アセチルを用いてアセチル化して化合物1を得、p-トルエンスルホン酸一水和物の存在下、N-ブロモスクシンイミドを用いて臭素化して化合物2’を得る。続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下、クロロメチルメチルエーテルと反応させることにより、X1aがハロゲン原子で、X2aがメトキシ基である化合物(V)を得ることができる。
また、3,4,5-トリメトキシフェノールを、トリエチルアミンの存在下、無水酢酸を用いたアセチル化と続くトリフルオロボランエーテル錯体を用いたアセチル基の転位反応によって、化合物7を得る。続いて、p-トルエンスルホン酸一水和物の存在下、N-ブロモスクシンイミドを用いて臭素化して化合物8’を得、N,N-ジイソプロピルエチルアミンの存在下、クロロメチルメチルエーテルと反応させることにより、X1aがメトキシ基で、X2aがハロゲン原子である化合物(V)を得ることができる。
斯くして得られた6又は8-デメチルタンゲレチン(I)は、後記実施例に示すように、抗酸化活性(抗酸化能)を有する。したがって、6若しくは8-デメチルタンゲレチン又はその塩は、生体内で発生する活性酸素と活性酸素を消去する抗酸化能のバランスの崩壊によって生じる酸化ストレスを低減し、酸化ストレスにより生じる疾病、例えば癌、老化、心疾患、生活習慣病等の予防又は改善に有用な抗酸化剤として使用でき、また食品、医薬品、医薬部外品、化粧品等の組成物の酸化を防止するための抗酸化剤として使用できる。
すなわち、本発明の抗酸化剤は、それ自体、酸化ストレスを低減するための医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品であってもよく、或いは当該医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品に配合して、酸化ストレスを低減するため或いは組成物の酸化を防止して保存安定性を高めるために使用される素材又は製剤であってもよい。
なお、当該食品には、酸化ストレス低減をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、例えば機能性食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示食品、サプリメントが包含される。
6又は8-デメチルタンゲレチンの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。
すなわち、本発明の抗酸化剤は、それ自体、酸化ストレスを低減するための医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品であってもよく、或いは当該医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品に配合して、酸化ストレスを低減するため或いは組成物の酸化を防止して保存安定性を高めるために使用される素材又は製剤であってもよい。
なお、当該食品には、酸化ストレス低減をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、例えば機能性食品、病者用食品、特定保健用食品、機能性表示食品、サプリメントが包含される。
6又は8-デメチルタンゲレチンの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。
6若しくは8-デメチルタンゲレチン又はその塩を含む上記医薬品(医薬部外品を含む)の投与形態は任意であり、経口投与及び非経口投与の何れであってもよく、その剤型も錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤のような固形製剤、エリキシル、シロップ、懸濁液のような液体製剤のいずれでも良い。また、6若しくは8-デメチルタンゲレチン又はその塩を含有する化粧品の形態も限定されず、顔、ボディ、頭部の洗浄料や化粧料等、いずれでも良い。
斯かる医薬品(サプリメント、医薬部外品を含む)や化粧品等の6若しくは8-デメチルタンゲレチン又はその塩を含む組成物には、必要に応じてそれらに許容される担体、その他の薬効成分もしくは化粧成分等と組みあわせて、常法に従って製造することができる。当該担体としては、例えば、各種油剤、界面活性剤、ゲル化剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、分散剤、キレート剤、増粘剤、紫外線吸収剤、乳化安定剤、pH調整剤、色素、香料等が挙げられる。
上記の医薬品(医薬部外品を含む)や化粧品等の製剤中の6若しくは8-デメチルタンゲレチン又はその塩の含有量は、例えば6又は8-デメチルタンゲレチン遊離体換算で、総量中0.001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上であり、更に好ましくは0.1質量%以上であり、且つ5質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以下であり、更に好ましくは質量0.5%以下である。また、好ましくは0.001~5質量%、より好ましくは0.01~1質量%、更に好ましくは0.1~0.5質量%である。
上記医薬品(医薬部外品も含む)又は化粧品の投与量若しくは使用量は、適宜決定され得るが、通常、成人(60kg)に対して1日あたり、6又は8-デメチルタンゲレチン(遊離体)として、好ましくは50mg以上、より好ましくは100mg以上であり、且つ好ましくは250mg以下、より好ましくは150mg以下である。また、好ましくは50~250mg、より好ましくは100~150mgである。なお、斯かる医薬品や化粧品の投与又は使用対象としては、例えば、酸化ストレスの軽減又は改善を望むヒト、老化や生活習慣病の予防を望むヒト等が挙げられる。
また、本発明の抗酸化剤を、食品、医薬品、化粧品等の組成物に添加してその酸化を防止するために使用する場合、抗酸化剤の使用量は、組成物1質量部に対して、6又は8-デメチルタンゲレチン(遊離体)として、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上で、且つ好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下であり、また、好ましくは0.1~2質量部、より好ましくは0.2~1質量部である。
参考例1 化合物Aの製造
以下の工程により、3,4-メトキシ安息香酸から化合物Aを合成した。
以下の工程により、3,4-メトキシ安息香酸から化合物Aを合成した。
(1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾ-1-イル)(4-メトキシ)メタノン(化合物A)の合成
アルゴン雰囲気下、200mL丸底フラスコに4-メトキシ安息香酸(5g、27mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(66mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、塩化チオニル(3mL、41mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(833μL、11mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと滴下した後、1.5時間撹拌した。反応後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。次に、得られた残渣をジクロロメタン(57mL)で再溶解し、トリエチルアミン(3.8mL、27mmol)と1,2,3-ベンゾトリアゾール(3.3g、27mmol)を0℃で加え、30分間撹拌した。反応後、1N水酸化ナトリウム水溶液を室温で加え、反応液を塩基性にすることで反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をジクロロメタンとヘキサンにより再結晶し、白色固体として化合物A(5.2g、収率66%)を得た。
アルゴン雰囲気下、200mL丸底フラスコに4-メトキシ安息香酸(5g、27mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(66mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、塩化チオニル(3mL、41mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(833μL、11mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと滴下した後、1.5時間撹拌した。反応後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。次に、得られた残渣をジクロロメタン(57mL)で再溶解し、トリエチルアミン(3.8mL、27mmol)と1,2,3-ベンゾトリアゾール(3.3g、27mmol)を0℃で加え、30分間撹拌した。反応後、1N水酸化ナトリウム水溶液を室温で加え、反応液を塩基性にすることで反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をジクロロメタンとヘキサンにより再結晶し、白色固体として化合物A(5.2g、収率66%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3)δ 8.37(ddd、J=8.3、1.0、1.0Hz、1H)、8.17(ddd、J=8.3、0.9、0.9Hz、1H)、8.04(dd、J=8.5、2.0Hz、1H)、7.82(d、J=1.9Hz、1H)、7.70(ddd、J=8.3、7.1、1.1Hz、1H)、7.54(ddd、J=8.9、7.1、0.5Hz、1H)、7.03(d、J=8.3Hz、1H)、4.01(s、3H)、3.99(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 165.61、153.99、148.79、145.62、132.62、130.22、127.24、126.16、123.39、120.09、114.82、114.05、110.29、56.21,56.13
実施例1 6-デメチルタンゲレチンの合成
以下の工程により、6-デメチルタンゲレチンを合成した。
以下の工程により、6-デメチルタンゲレチンを合成した。
(1)1-(2-ヒドロキシ-3,4,6-トリメトキシフェニル)エタノン(化合物1)の合成(工程1a)
アルゴン雰囲気下、200mL丸底フラスコに1,2,3,5-テトラメトキシベンゼン(5g、25mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(42mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、塩化アセチル(5.4mL、76mmol)と塩化アルミニウム(833μL、38mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、室温まで昇温し、24時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下8N水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと滴下し、反応液を塩基性にすることで反応を停止し、6N塩酸水溶液にて中和後、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1⇒3:1、v/v))により精製し、淡黄色油状物として化合物1(3.1g、収率55%)を得た。
アルゴン雰囲気下、200mL丸底フラスコに1,2,3,5-テトラメトキシベンゼン(5g、25mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(42mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、塩化アセチル(5.4mL、76mmol)と塩化アルミニウム(833μL、38mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、室温まで昇温し、24時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下8N水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと滴下し、反応液を塩基性にすることで反応を停止し、6N塩酸水溶液にて中和後、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1⇒3:1、v/v))により精製し、淡黄色油状物として化合物1(3.1g、収率55%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 13.80(s、1H)、5.95(s、1H)、3.92(s、3H)、3.88(s、3H)、3.80(s、3H)、2.60(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 203.73、159.01、158.81、158.38、130.48、106.33、86.34、60.73、55.94、55.56、33.21
HRMS calcd. for C11H14O5Na [M+Na]+:249.0739;found:249.0729
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 203.73、159.01、158.81、158.38、130.48、106.33、86.34、60.73、55.94、55.56、33.21
HRMS calcd. for C11H14O5Na [M+Na]+:249.0739;found:249.0729
(2)1-(3-ブロモ-6-ヒドロキシ-2,4,5-トリメトキシフェニル)エタノン(化合物2)の合成(工程1b)
アルゴン雰囲気下、300mL丸底フラスコに化合物1(4g、18mmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(3.5g、19mmol)をとり、アセトニトリル(88mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、N-ブロモスクシンイミド(3.3g、19mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、30分間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下超純水にて希釈、混合液をろ過し、黄色個体を得た。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-クロロホルム(3:1⇒2:1、v/v))により精製し、化合物2(3.9g、収率73%)として淡黄色固体を得た。
アルゴン雰囲気下、300mL丸底フラスコに化合物1(4g、18mmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(3.5g、19mmol)をとり、アセトニトリル(88mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、N-ブロモスクシンイミド(3.3g、19mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、30分間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下超純水にて希釈、混合液をろ過し、黄色個体を得た。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-クロロホルム(3:1⇒2:1、v/v))により精製し、化合物2(3.9g、収率73%)として淡黄色固体を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 13.23(s、1H)、4.04(s、3H)、3.86(s、3H),3.86(s、3H)、2.72(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 204.06、158.02、156.10、155.48、138.17、112.41、102.18、61.90、61.32、60.98、31.56
HRMS calcd. for C11H14BrO5 + [M+H]+:305.0025;found:305.0011
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 204.06、158.02、156.10、155.48、138.17、112.41、102.18、61.90、61.32、60.98、31.56
HRMS calcd. for C11H14BrO5 + [M+H]+:305.0025;found:305.0011
(3)1-(3-ブロモ-2,4,5-トリメトキシ-6-(メトキシメトキシ)フェニル)エタノン(化合物3)の合成(工程1c)
アルゴン雰囲気下、20mL丸底フラスコに化合物2(55mg、0.18mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(5mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(87μL、0.54mmol)とクロロメチルメチルエーテル(76μL、0.36mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、14時間撹拌した。反応後、超純水を加え反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(10:1⇒5:1、v/v))により精製し、無色油状物として化合物3(67mg、収率100%)を得た。
アルゴン雰囲気下、20mL丸底フラスコに化合物2(55mg、0.18mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(5mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(87μL、0.54mmol)とクロロメチルメチルエーテル(76μL、0.36mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、14時間撹拌した。反応後、超純水を加え反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(10:1⇒5:1、v/v))により精製し、無色油状物として化合物3(67mg、収率100%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 5.11(s、2H)、3.91(s、3H)、3.86(s、3H)、3.79(s、3H)、3.48(s、3H)、2.53(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 200.42、152.65、149.61、146.41、143.73、128.31、108.27、99.64、62.76、61.14、61.06、57.53、32.53
HRMS calcd. for C13H17BrO6Na+ [M+Na]+:371.0106;found:371.0095
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 200.42、152.65、149.61、146.41、143.73、128.31、108.27、99.64、62.76、61.14、61.06、57.53、32.53
HRMS calcd. for C13H17BrO6Na+ [M+Na]+:371.0106;found:371.0095
(4)1-(3-ヒドロキシ-2,4,5-トリメトキシ-6-(メトキシメトキシ)フェニル)エタノン(化合物4)の合成(工程1d)
アルゴン雰囲気下、500mL丸底フラスコに化合物3(2.8g、8.0mmol)をとり、超純水(40mL)と1,4-ジオキサン(40mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、水酸化カリウム(4.5g、80mmol)と2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(683mg、1.6mmol)とトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(736mg、0.8mmol)を室温で加えた後、110℃まで加熱し1時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1⇒1:1、v/v))とアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(1:2、v/v)⇒クロロホルム:メタノール(91:9、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物4(1.9g、収率81%)を得た。
アルゴン雰囲気下、500mL丸底フラスコに化合物3(2.8g、8.0mmol)をとり、超純水(40mL)と1,4-ジオキサン(40mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、水酸化カリウム(4.5g、80mmol)と2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(683mg、1.6mmol)とトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(736mg、0.8mmol)を室温で加えた後、110℃まで加熱し1時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1⇒1:1、v/v))とアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(1:2、v/v)⇒クロロホルム:メタノール(91:9、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物4(1.9g、収率81%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 5.53(s、1H)、5.01(s、2H)、3.97(s、3H)、3.85(s、3H)、3.83(s、3H)、3.48(s、3H)、2.53(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 200.87、142.27、141.99、139.13、139.02、139.00、126.69、100.06、62.03、61.26、61.06、57.41、32.69
HRMS calcd. for C13H18O17Na+ [M+Na]+:309.0950;found:309.0937
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 200.87、142.27、141.99、139.13、139.02、139.00、126.69、100.06、62.03、61.26、61.06、57.41、32.69
HRMS calcd. for C13H18O17Na+ [M+Na]+:309.0950;found:309.0937
(5)1-(3,6-ジヒドロキシ-2,4,5-トリメトキシフェニル)エタン-1-オン(化合物5)の合成(工程1e)
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物4(0.50g、1.7mmol)をとり、メタノール(17mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、p-トルエンスルホン酸一水和物(1.0g、5.2mmol)を室温で加えた後、1時間撹拌した。反応後、超純水で希釈し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1⇒3:1、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物5(0.44g、収率100%)を得た。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物4(0.50g、1.7mmol)をとり、メタノール(17mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、p-トルエンスルホン酸一水和物(1.0g、5.2mmol)を室温で加えた後、1時間撹拌した。反応後、超純水で希釈し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1⇒3:1、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物5(0.44g、収率100%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 12.94(s、1H)、4.12(s、3H)、3.92(s、3H)、3.86(s、3H)、2.69(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 204.27、151.61、146.85、143.42、135.84、133.73、110.37、61.34、60.93、60.83、31.99
HRMS calcd. for C11H14O6Na+[M+Na]+:265.0688;found:265.0669
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 204.27、151.61、146.85、143.42、135.84、133.73、110.37、61.34、60.93、60.83、31.99
HRMS calcd. for C11H14O6Na+[M+Na]+:265.0688;found:265.0669
(6)1-(6-ヒドロキシ-3-(メトキシメトキシ)-2,4,5-トリメトキシ-フェニル)エタノン(化合物6)の合成(工程1f)
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物5(0.44g、1.8mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(16mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(670μL、8.0mmol)とクロロメチルメチルエーテル(146μL、4.0mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、室温まで昇温し14時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(10:1⇒5:1、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物6(0.28g、収率64%)を得た。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物5(0.44g、1.8mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(16mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(670μL、8.0mmol)とクロロメチルメチルエーテル(146μL、4.0mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、室温まで昇温し14時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(10:1⇒5:1、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物6(0.28g、収率64%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3)δ 13.17(s、1H)、5.02(s、2H)、4.06(s、3H)、3.92(s、3H)、3.85(s、3H)、3.60(s、3H)、2.67(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 204.22,154.95、153.63、151.40、137.07、134.68、110.59、99.14、61.26、61.22、60.95、57.41、32.12
HRMS calcd. for C13H18O7Na+ [M+Na]+:309.0950;found:309.0945
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 204.22,154.95、153.63、151.40、137.07、134.68、110.59、99.14、61.26、61.22、60.95、57.41、32.12
HRMS calcd. for C13H18O7Na+ [M+Na]+:309.0950;found:309.0945
(7)2-(4’-メトキシフェニル)-6-ヒドロキシ-5,7,8-トリメトキシ-4H-クロメン-4-オン(6-デメチルタンゲレチン)の合成(工程1g、1h)
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物6(265mg、0.93mmol)と化合物A(281mg、1.11mmol)をとり、脱水テトラヒドロフラン(9.3mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、1.3Mリチウム(ビストリメチルシリル)アミド(2.9mL、3.70mmol)をドライアイス-アセトンにて-78℃冷却下ゆっくりと加えた後、室温まで昇温し3時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1⇒3:1、v/v))により精製し、黄色油状物として混合物化合物7(247mg)を得た。次に、50mL丸底フラスコに得られた残渣を脱水メタノール(5.8mL)と脱水トルエン(5.8mL)で再溶解し、p-トルエンスルホン酸一水和物(668mg、3.51mmol)と無水硫酸ナトリウム(998mg、7.02mmol)を室温で加え、80℃まで加熱し14時間撹拌した。反応後、反応液を超純水で希釈し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(1:2⇒1:99、v/v))により精製し、白色固体として6-デメチルタンゲレチン(168mg、収率51%)を得た。
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物6(265mg、0.93mmol)と化合物A(281mg、1.11mmol)をとり、脱水テトラヒドロフラン(9.3mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、1.3Mリチウム(ビストリメチルシリル)アミド(2.9mL、3.70mmol)をドライアイス-アセトンにて-78℃冷却下ゆっくりと加えた後、室温まで昇温し3時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1⇒3:1、v/v))により精製し、黄色油状物として混合物化合物7(247mg)を得た。次に、50mL丸底フラスコに得られた残渣を脱水メタノール(5.8mL)と脱水トルエン(5.8mL)で再溶解し、p-トルエンスルホン酸一水和物(668mg、3.51mmol)と無水硫酸ナトリウム(998mg、7.02mmol)を室温で加え、80℃まで加熱し14時間撹拌した。反応後、反応液を超純水で希釈し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(1:2⇒1:99、v/v))により精製し、白色固体として6-デメチルタンゲレチン(168mg、収率51%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 7.71(d、J=9.1Hz、1H)、7.28(d、J=8.6Hz、1H)、6.61(s、1H)、4.12(s、3H)、4.02(s、3H)、3.98(s、3H)、3.87(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 177.19,162.20,161.39、145.48、144.99、140.15、139.97、137.99、127.66、123.79、114.44、114.14、106.34、62.63、62.04、61.36、55.45
HRMS calcd. for C19H19O7 + [M+H]+:359.1131;found:359.1122
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 177.19,162.20,161.39、145.48、144.99、140.15、139.97、137.99、127.66、123.79、114.44、114.14、106.34、62.63、62.04、61.36、55.45
HRMS calcd. for C19H19O7 + [M+H]+:359.1131;found:359.1122
実施例2 8-デメチルタンゲレチンの合成
以下の工程により、8-デメチルタンゲレチンを合成した。
以下の工程により、8-デメチルタンゲレチンを合成した。
(1)1-(6-ヒドロキシ-2,3,4-トリメトキシフェニル)エタノン(化合物8)の合成(工程2a、2b)
アルゴン雰囲気下、500mL丸底フラスコに3,4,5-トリメトキシフェノール(5.0g、27mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(140mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、トリエチルアミン(7.5mL、53mmol)と無水酢酸(5.1mL、53mmol)を室温で加え、1.5時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。次に、100mL丸底フラスコに得られた残渣を酢酸(66mL)とトリフルオロボランエーテル錯体(50mL)を室温で加え、70℃まで加熱し2時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下8N水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと滴下し、反応液を塩基性にすることで反応を停止し、6N塩酸水溶液にて中和後、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(10:1⇒5:1、v/v))により精製し、淡黄色油状物として化合物8(5.6g、収率93%)を得た。
アルゴン雰囲気下、500mL丸底フラスコに3,4,5-トリメトキシフェノール(5.0g、27mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(140mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、トリエチルアミン(7.5mL、53mmol)と無水酢酸(5.1mL、53mmol)を室温で加え、1.5時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。次に、100mL丸底フラスコに得られた残渣を酢酸(66mL)とトリフルオロボランエーテル錯体(50mL)を室温で加え、70℃まで加熱し2時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下8N水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと滴下し、反応液を塩基性にすることで反応を停止し、6N塩酸水溶液にて中和後、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(10:1⇒5:1、v/v))により精製し、淡黄色油状物として化合物8(5.6g、収率93%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 13.43(s、1H)、6.23(s、1H)、3.98(s、3H)、3.88(s、3H)、3.77(s、3H)、2.65(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 203.35、161.84、160.04、155.22、134.70、108.41、96.07、60.97、56.05、31.91
HRMS calcd. for C11H15O5 + [M+H]+:227.0919;found:227.091
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 203.35、161.84、160.04、155.22、134.70、108.41、96.07、60.97、56.05、31.91
HRMS calcd. for C11H15O5 + [M+H]+:227.0919;found:227.091
(2)1-(3-ブロモ-2-ヒドロキシ-4,5,6-トリメトキシフェニル)エタノン(化合物9)の合成(工程2c)
アルゴン雰囲気下、20mL丸底フラスコに化合物7(100mg、0.44mmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(88mg、0.46mmol)をとり、アセトニトリル(4mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、N-ブロモスクシンイミド(94mg、0.53mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、20分間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下超純水にて希釈、混合液をろ過し、黄色個体を得た。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-クロロホルム(10:1⇒6:1、v/v))により精製し、化合物8(94mg、収率70%)として淡黄色固体を得た。
アルゴン雰囲気下、20mL丸底フラスコに化合物7(100mg、0.44mmol)とp-トルエンスルホン酸一水和物(88mg、0.46mmol)をとり、アセトニトリル(4mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、N-ブロモスクシンイミド(94mg、0.53mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、20分間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下超純水にて希釈、混合液をろ過し、黄色個体を得た。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-クロロホルム(10:1⇒6:1、v/v))により精製し、化合物8(94mg、収率70%)として淡黄色固体を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 13.75(s、1H)、4.02(s、3H)、4.01(s、3H),3.80(s、3H)、2.69(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 203.92、157.89、157.38、155.52、138.88、111.19、100.52、61.21、61.19、61.17、32.30
HRMS calcd. for C11H13BrO5Na+ [M+Na]+:326.9844;found:326.9832
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 203.92、157.89、157.38、155.52、138.88、111.19、100.52、61.21、61.19、61.17、32.30
HRMS calcd. for C11H13BrO5Na+ [M+Na]+:326.9844;found:326.9832
(3)1-(3-ブロモ-4,5,6-トリメトキシ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)エタノン(化合物10)の合成(工程2d)
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物9(1.8g、5.9mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(30mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.1mL、18mmol)とクロロメチルメチルエーテル(0.9mL、12mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、19時間撹拌した。反応後、超純水を加え反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(10:1⇒5:1、v/v))により精製し、無色油状物として化合物10(2.1g、収率100%)を得た。
アルゴン雰囲気下、100mL丸底フラスコに化合物9(1.8g、5.9mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(30mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.1mL、18mmol)とクロロメチルメチルエーテル(0.9mL、12mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、19時間撹拌した。反応後、超純水を加え反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(10:1⇒5:1、v/v))により精製し、無色油状物として化合物10(2.1g、収率100%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 5.01(s、2H)、3.91(s、3H)、3.88(s、3H)、3.88(s、3H)、3.51(s、3H)、2.52(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 200.05、152.66、149.65、146.54、144.09、128.30、108.27、100.55、61.95、61.17、61.09、57.80、32.60
HRMS calcd. for C13H17BrO6Na+ [M+Na]+:371.0106;found:371.0092
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 200.05、152.66、149.65、146.54、144.09、128.30、108.27、100.55、61.95、61.17、61.09、57.80、32.60
HRMS calcd. for C13H17BrO6Na+ [M+Na]+:371.0106;found:371.0092
(4)1-(3-ヒドロキシ-4,5,6-トリメトキシ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)エタノン(化合物11)の合成(工程2e)
アルゴン雰囲気下、500mL丸底フラスコに化合物10(6.0g、17mmol)をとり、超純水(86mL)と1,4-ジオキサン(86mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、水酸化カリウム(9.7g、172mmol)と2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(1.5g、3.4mmol)とトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.6g、1.7mmol)を室温で加えた後、110℃まで加熱し1時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1⇒1:1、v/v))とアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(1:2、v/v)⇒クロロホルム:メタノール(91:9、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物11(4.6g、収率93%)を得た。
アルゴン雰囲気下、500mL丸底フラスコに化合物10(6.0g、17mmol)をとり、超純水(86mL)と1,4-ジオキサン(86mL)を加え撹拌し、澄明な溶液を得た。続いて、水酸化カリウム(9.7g、172mmol)と2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(1.5g、3.4mmol)とトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.6g、1.7mmol)を室温で加えた後、110℃まで加熱し1時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(2:1⇒1:1、v/v))とアミノシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(1:2、v/v)⇒クロロホルム:メタノール(91:9、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物11(4.6g、収率93%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 6.70(s、1H)、5.01(s、2H)、3.95(s、3H)、3.89(s、3H)、3.80(s、3H)、3.55(s、3H)、2.50(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 200.88、143.35、142.84、142.30、139.33、137.05、126.11、100.25、62.18、61.19、61.17、57.31、32.63
HRMS calcd. for C13H18O17Na+ [M+Na]+:309.0950;found:309.0936
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 200.88、143.35、142.84、142.30、139.33、137.05、126.11、100.25、62.18、61.19、61.17、57.31、32.63
HRMS calcd. for C13H18O17Na+ [M+Na]+:309.0950;found:309.0936
(5)1-(5,6-ジヒドロキシ-2,3,4-トリメトキシフェニル)エタノン(化合物12)の合成(工程2f)
アルゴン雰囲気下、20mL丸底フラスコに化合物11(1.0g、3.49mmol)をとり、メタノール(34mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、p-トルエンスルホン酸一水和物(1.99g、10.5mmol)を室温で加えた後、20分間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1⇒3:1、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物12(0.76g、収率90%)を得た。
アルゴン雰囲気下、20mL丸底フラスコに化合物11(1.0g、3.49mmol)をとり、メタノール(34mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、p-トルエンスルホン酸一水和物(1.99g、10.5mmol)を室温で加えた後、20分間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1⇒3:1、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物12(0.76g、収率90%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 13.23(s、1H)、4.08(s、3H)、3.91(s、3H)、3.81(s、3H)、2.68(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 204.40、147.88、147.53、146.71、138.45、133.50、109.81、61.27、61.06、31.96
HRMS calcd. for C11H14O6Na+ [M+Na]+:265.0688;found:265.0675
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 204.40、147.88、147.53、146.71、138.45、133.50、109.81、61.27、61.06、31.96
HRMS calcd. for C11H14O6Na+ [M+Na]+:265.0688;found:265.0675
(6)1-(6-ヒドロキシ-5-(メトキシメトキシ)-2,3,4-トリメトキシ-フェニル)エタノン(化合物13)の合成(工程2g)
アルゴン雰囲気下、200mL丸底フラスコに化合物12(660mg、2.72mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(27mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.4mL、8.2mmol)とクロロメチルメチルエーテル(414μL、5.5mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、室温まで昇温し6時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(10:1⇒5:1、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物13(508g、収率65%)を得た。
アルゴン雰囲気下、200mL丸底フラスコに化合物12(660mg、2.72mmol)をとり、脱水ジクロロメタン(27mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.4mL、8.2mmol)とクロロメチルメチルエーテル(414μL、5.5mmol)を氷浴での冷却下ゆっくりと加えた後、室温まで昇温し6時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、クロロホルムにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(10:1⇒5:1、v/v))により精製し、赤褐色油状物として化合物13(508g、収率65%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 13.13(s、1H)、5.11(s、2H)、4.03(s、3H)、3.94(s、3H)、3.80(s、3H)、3.61(s、3H)、2.66(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 204.32、154.20、154.08、151.82、138.31、133.63、110.72、98.32、61.35、61.20、61.13、57.30、32.21
HRMS calcd. for C13H18O7Na+ [M+Na]+:309.0950;found:309.0936
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 204.32、154.20、154.08、151.82、138.31、133.63、110.72、98.32、61.35、61.20、61.13、57.30、32.21
HRMS calcd. for C13H18O7Na+ [M+Na]+:309.0950;found:309.0936
(7)2-(4’-メトキシフェニル)-8-ヒドロキシ-5,6,7-トリメトキシ-4H-クロメン-4-オン(8-デメチルタンゲレチン)の合成(工程2h、2i)
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物13(386mg、1.34mmol)と化合物A(408mg、1.62mmol)をとり、脱水テトラヒドロフラン(14mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、1.3Mリチウム(ビストリメチルシリル)アミド(4.2mL、5.40mmol)をドライアイス-アセトンにて-78℃冷却下ゆっくりと加えた後、室温まで昇温し3時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1⇒3:1、v/v))により精製し、黄色油状物として混合物化合物12(347mg)を得た。次に、50mL丸底フラスコに得られた残渣を脱水メタノール(8.2mL)と脱水トルエン(8.2mL)で再溶解し、p-トルエンスルホン酸一水和物(940mg、4.94mmol)と無水硫酸ナトリウム(1.4g、9.88mmol)を室温で加え、80℃まで加熱し14時間撹拌した。反応後、反応液を超純水で希釈し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(1:2⇒1:99、v/v))により精製し、白色固体として8-デメチルタンゲレチン(234mg、収率53%)を得た。
アルゴン雰囲気下、50mL丸底フラスコに化合物13(386mg、1.34mmol)と化合物A(408mg、1.62mmol)をとり、脱水テトラヒドロフラン(14mL)を加え撹拌し、黄色な溶液を得た。続いて、1.3Mリチウム(ビストリメチルシリル)アミド(4.2mL、5.40mmol)をドライアイス-アセトンにて-78℃冷却下ゆっくりと加えた後、室温まで昇温し3時間撹拌した。反応後、氷浴での冷却下飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(5:1⇒3:1、v/v))により精製し、黄色油状物として混合物化合物12(347mg)を得た。次に、50mL丸底フラスコに得られた残渣を脱水メタノール(8.2mL)と脱水トルエン(8.2mL)で再溶解し、p-トルエンスルホン酸一水和物(940mg、4.94mmol)と無水硫酸ナトリウム(1.4g、9.88mmol)を室温で加え、80℃まで加熱し14時間撹拌した。反応後、反応液を超純水で希釈し、酢酸エチルにて3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水により洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、エバポレーターにて溶媒を減圧蒸留した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(1:2⇒1:99、v/v))により精製し、白色固体として8-デメチルタンゲレチン(234mg、収率53%)を得た。
1H-NMR(600MHz、CDCl3) δ 7.85(d、J=9.0Hz、2H)、6.96(d、J=9.0Hz、2H)、6.57(s、1H)、4.09(s、3H)、3.95(s、3H)、3.90(s、3H)、3.84(s、3H)
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 177.56、162.17、161.35、144.76、144.02、143.36、141.99、134.74、127.80、123.70、114.77、114.34、106.47、62.30、61.65、61.60、55.42
HRMS calcd. for C19H19O7 + [M+H]+:359.1131
;found:359.1125
13C-NMR(150MHz、CDCl3) δ 177.56、162.17、161.35、144.76、144.02、143.36、141.99、134.74、127.80、123.70、114.77、114.34、106.47、62.30、61.65、61.60、55.42
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試験例1 抗酸化活性の評価
抗酸化能測定キット「PAO」(日研ザイル社製)を用いて抗酸化活性評価を実施した。
(1)方法
プラスチックチューブに390μLの希釈液を加えた後、ジメチルスルホキシドで溶解した1mM濃度のタンゲレチン(Tan)、本発明の8-デメチルタンゲレチン(8-deMeTan)、6-デメチルタンゲレチン(6-deMeTan)を10μL加えた。続いて、96wellプレートに上記で調製した溶液をそれぞれ各ウェルに200μLずつ分注し、SPARK10M(テカンジャパン社製)を用いて490nmにおける吸光度を測定した。その後、Cu2+試薬を各ウェルに50μL分注し、軽く振動させ攪拌し、室温にて3分間静止させた。反応後、各ウェルに反応停止液を50μL分注し、反応を停止させるとともに、490nmにおける吸光度を測定した。得られた抗酸化活性評価の結果を図1に示す。なお、データはExcelを用いて平均±標準偏差で表した。コントロール(Cont.)とタンゲレチン誘導体の2群間の比較はt検定を用い、有意水準は0.1%未満とした。
(2)結果
図1に示すとおり、本発明の6又は8-デメチルタンゲレチンはタンゲレチンが抗酸化活性を示さない一方で、優れた抗酸化活性を有することが確認された。
抗酸化能測定キット「PAO」(日研ザイル社製)を用いて抗酸化活性評価を実施した。
(1)方法
プラスチックチューブに390μLの希釈液を加えた後、ジメチルスルホキシドで溶解した1mM濃度のタンゲレチン(Tan)、本発明の8-デメチルタンゲレチン(8-deMeTan)、6-デメチルタンゲレチン(6-deMeTan)を10μL加えた。続いて、96wellプレートに上記で調製した溶液をそれぞれ各ウェルに200μLずつ分注し、SPARK10M(テカンジャパン社製)を用いて490nmにおける吸光度を測定した。その後、Cu2+試薬を各ウェルに50μL分注し、軽く振動させ攪拌し、室温にて3分間静止させた。反応後、各ウェルに反応停止液を50μL分注し、反応を停止させるとともに、490nmにおける吸光度を測定した。得られた抗酸化活性評価の結果を図1に示す。なお、データはExcelを用いて平均±標準偏差で表した。コントロール(Cont.)とタンゲレチン誘導体の2群間の比較はt検定を用い、有意水準は0.1%未満とした。
(2)結果
図1に示すとおり、本発明の6又は8-デメチルタンゲレチンはタンゲレチンが抗酸化活性を示さない一方で、優れた抗酸化活性を有することが確認された。
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JP2021215101A JP2023098380A (ja) | 2021-12-28 | 2021-12-28 | デメチルタンゲレチンの製造方法 |
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- 2021-12-28 JP JP2021215101A patent/JP2023098380A/ja active Pending
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