JP2023097984A - 走行制御システム - Google Patents

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Tomohiko Sano
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Osamu Yoshida
亮輔 伊原
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Abstract

Figure 2023097984000001
【課題】作業車の走行位置が適切になりやすい走行制御システムを提供する。
【解決手段】測位装置80を有する作業車の走行を制御する走行制御システムであって、測位装置80は、測位装置80の位置を測定するように構成されており、作業車の中から基準部位STを決定する基準決定部と、測位装置80による測定結果に基づいて基準部位STの位置を算出する位置算出部と、作業車が走行するための目標経路LIを生成する経路生成部と、基準部位STの位置と、目標経路LIと、の間の距離が所定距離Yになるように作業車の走行を制御する距離制御を行う走行制御部と、を備え、基準決定部は、作業車の作業状況に応じて基準部位STを変更する。
【選択図】図7

Description

本発明は、測位装置を有する作業車の走行を制御する走行制御システムに関する。
上記のような走行制御システムとして、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この走行制御システムは、測位装置(特許文献1では「衛星測位モジュール」)による測定結果と、作業車(特許文献1では「コンバイン」)が走行するための目標経路(特許文献1では「走行経路」)と、に基づいて、作業車の走行を制御する。
特開2019-106983号公報
特許文献1に記載の走行制御システムにおいて、測位装置の位置を作業車における基準位置として設定し、当該基準位置と目標経路との偏差が小さくなるように作業車の走行を制御することが考えられる。この場合、測位装置が目標経路上を移動していくように、作業車の走行を制御することができる。しかしながら、測位装置が目標経路上に位置していても、状況によっては、作業車の走行位置が適切でない事態が想定される。
例えば、圃場における植立穀稈を刈り取る刈取装置を備えるコンバインの走行が制御される場合、目標経路の延びる方向に対してコンバインの機体方位が傾いていると、測位装置が目標経路上に位置していても、刈取装置が適切でない位置に位置している事態が想定される。その場合、刈り残しが生じる可能性がある。
本発明の目的は、作業車の走行位置が適切になりやすい走行制御システムを提供することである。
本発明の特徴は、測位装置を有する作業車の走行を制御する走行制御システムであって、前記測位装置は、前記測位装置の位置を測定するように構成されており、前記作業車の中から基準部位を決定する基準決定部と、前記測位装置による測定結果に基づいて前記基準部位の位置を算出する位置算出部と、前記作業車が走行するための目標経路を生成する経路生成部と、前記基準部位の位置と、前記目標経路と、の間の距離が所定距離になるように前記作業車の走行を制御する距離制御を行う走行制御部と、を備え、前記基準決定部は、前記作業車の作業状況に応じて前記基準部位を変更することにある。
本構成によれば、基準部位の位置と、目標経路と、の間の距離が所定距離になるように作業車の走行が制御される。そして、作業状況に応じて基準部位が変更される。そのため、作業状況に応じて最も重要な部位が基準部位として決定されるよう構成すれば、当該最も重要な部位の位置が精度良く制御されることとなる。その結果、作業車の走行位置が適切になりやすい。
例えば、作業車が圃場における植立穀稈を刈り取る刈取装置を備えるコンバインである場合において、当該コンバインが刈取走行を行う際、刈取装置が基準部位として決定されれば、刈取装置の位置が精度良く制御されることとなる。その結果、コンバインの走行位置が適切になりやすい。
即ち、本構成によれば、作業車の走行位置が適切になりやすい走行制御システムを実現できる。
さらに、本発明において、前記作業車の機体方位を取得する方位取得部を備え、前記位置算出部は、前記測位装置による測定結果と、前記機体方位と、に基づいて前記基準部位の位置を算出すると好適である。
作業車における測位装置と、測位装置以外の各部位と、の位置関係は、予め調べることが可能である。そのため、本構成によれば、当該位置関係と、測位装置による測定結果と、機体方位と、に基づいて基準部位の位置が算出される構成を実現できる。これにより、基準部位の位置を精度良く算出しやすい。
さらに、本発明において、前記所定距離は、前記距離制御によって前記目標経路上に前記測位装置が位置するように設定されていると好適である。
測位装置を有する作業車においては、測位装置が機体の左右中央に配置されていることが多い。測位装置が機体の左端や右端に配置されている場合に比べて、測位装置が機体の左右中央に配置されている場合、基準部位がどの部位であっても、基準部位の位置が、測位装置を中心とした比較的狭い範囲内に収まりやすい。即ち、平面視における測位装置と基準部位との間の距離が比較的短くなりやすい。
そのため、本構成によれば、距離制御によって目標経路上に測位装置以外の特定の部位が位置するように所定距離が設定される場合に比べて、所定距離を比較的長い距離に設定しなければならない事態を回避しやすい。従って、所定距離が比較的長い距離に設定されることにより距離制御で生じ得る誤差が大きくなってしまう事態を回避しやすい。
さらに、本発明において、前記基準決定部は、前記作業車の有する作業装置における左端部または右端部を前記基準部位として決定可能であると好適である。
本構成によれば、例えば作業車が圃場を網羅的に作業する場合、作業装置の左端部または右端部の位置が精度良く制御されることとなる。その結果、作業装置による作業範囲のオーバーラップ幅等が精度良く制御されることとなる。これにより、作業車による作業が効率的になる。
このように、本構成によれば、作業車による作業が効率的になりやすい走行制御システムを実現できる。
さらに、本発明において、前記基準決定部は、前記作業車の有する走行装置における左右方向中央位置に位置する部位である中央部位を前記基準部位として決定可能であると好適である。
本構成によれば、走行装置の位置が重要である作業状況においては、走行装置における左右方向中央位置に位置する部位である中央部位が基準部位として決定される構成を実現できる。これにより、走行装置の位置が重要である作業状況において、作業車の走行位置が適切になりやすい走行制御システムを実現できる。
コンバインの左側面図である。 最外周走行を示す図である。 最外周走行の完了時点での圃場を示す図である。 制御部に関する構成を示すブロック図である。 作業対象領域等を示す図である。 コンバインが自動走行する様子を示す図である。 目標刈取経路に沿った自動走行における距離制御を説明する平面図である。 コンバインにおける各部位の位置関係を示す平面図である。
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、図中の矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
〔コンバインの全体構成〕
図1に示すように、普通型のコンバイン1(本発明に係る「作業車」に相当)は、収穫部H(本発明に係る「作業装置」に相当)、左右のクローラ11を有する走行装置2、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14、搬送部16、穀粒排出装置18、衛星測位モジュール80(本発明に係る「測位装置」に相当)を備えている。
走行装置2は、コンバイン1における下部に備えられている。また、走行装置2は、コンバイン1に搭載されたエンジン(図示せず)からの動力によって駆動する。そして、コンバイン1は、走行装置2によって走行可能である。
また、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14は、走行装置2より上側に備えられている。運転部12は運転座席12aを有している。運転部12にはオペレータが搭乗可能である。
穀粒排出装置18は、穀粒タンク14の上側に設けられている。また、衛星測位モジュール80は、運転部12の上面に取り付けられている。
収穫部Hは、コンバイン1における前部に備えられている。そして、搬送部16は、収穫部Hの後側に設けられている。また、収穫部Hは、左右の分草具10、刈刃15、リール17を含んでいる。
左右の分草具10は、収穫部Hの前端部における左端部及び右端部に設けられている。左右の分草具10は、圃場の植立穀稈を、収穫対象と対象外とに分草する。左の分草具10よりも右側、且つ、右の分草具10よりも左側の植立穀稈は、収穫対象として分草される。左の分草具10よりも左側の植立穀稈、及び、右の分草具10よりも右側の植立穀稈は、対象外として分草される。
刈刃15は、左右の分草具10により収穫対象として分草された植立穀稈を刈り取る。また、リール17は、機体左右方向に沿うリール軸芯17b周りに回転駆動しながら収穫対象の植立穀稈を掻き込む。刈刃15により刈り取られた刈取穀稈は、搬送部16へ送られる。
この構成により、収穫部Hは、圃場の穀物を収穫する。そして、コンバイン1は、刈刃15によって圃場の植立穀稈を刈り取りながら走行装置2によって走行する刈取走行が可能である。
収穫部Hにより収穫された刈取穀稈は、搬送部16によって機体後方へ搬送される。これにより、刈取穀稈は脱穀装置13へ搬送される。
脱穀装置13において、刈取穀稈は脱穀処理される。脱穀処理により得られた穀粒は、穀粒タンク14に貯留される。穀粒タンク14に貯留された穀粒は、必要に応じて、穀粒排出装置18によって機外に排出される。
また、図1に示すように、運転部12には、通信端末4が配置されている。通信端末4は、種々の情報を表示可能に構成されている。本実施形態において、通信端末4は、運転部12に固定されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、通信端末4は、運転部12に対して着脱可能に構成されていても良いし、通信端末4は、コンバイン1の機外に位置していても良い。
ここで、コンバイン1は、圃場における刈取作業を行う場合、図2及び図3に示すように最外周走行を行った後、自動走行によって刈取走行を行うように構成されている。尚、最外周走行とは、手動操作によって圃場の最外周領域SAにおいて行われる刈取走行である。ただし、本発明はこれに限定されず、最外周領域SAにおいて行われる刈取走行は、自動走行によって行われても良い。
本実施形態における最外周走行は、圃場を一周する刈取走行である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、二周以上の周回走行が行われても良い。
コンバイン1の走行は、走行制御システムA(図4参照)によって制御される。即ち、走行制御システムAは、衛星測位モジュール80を有するコンバイン1の走行を制御する。以下では、走行制御システムAについて詳述する。
〔未作業領域の算出〕
図4に示すように、走行制御システムAは、制御部20及び衛星測位モジュール80を備えている。制御部20は、位置算出部21及び領域算出部22を有している。尚、制御部20及び衛星測位モジュール80は、コンバイン1に搭載されている。
衛星測位モジュール80は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)で用いられる人工衛星GS(図1参照)からのGPS信号を受信する。これにより、衛星測位モジュール80は、衛星測位モジュール80の位置を測定するように構成されている。そして、図4に示すように、衛星測位モジュール80は、測定結果を位置算出部21へ送る。
尚、本発明はこれに限定されない。衛星測位モジュール80は、GPSを利用するものでなくても良い。例えば、衛星測位モジュール80は、GPS以外のGNSS(GLONASS、Galileo、みちびき、BeiDou等)を利用するものであっても良い。
位置算出部21は、衛星測位モジュール80により出力された測定結果に基づいて、コンバイン1の位置座標を経時的に算出する。これにより、位置算出部21は、コンバイン1の軌跡を算出する。そして、領域算出部22は、位置算出部21により算出されたコンバイン1の軌跡を取得する。特に、領域算出部22は、コンバイン1が上述の最外周走行を行った際のコンバイン1の軌跡を取得する。
本実施形態において位置算出部21により算出される軌跡は、より具体的には、収穫部Hの圃場内側端部の軌跡である。即ち、位置算出部21により算出される軌跡は、左右の分草具10のうち圃場内側に位置する方の分草具10の軌跡である。そして、領域算出部22は、当該軌跡を取得する。
尚、本発明はこれに限定されない。位置算出部21により算出される軌跡、及び、領域算出部22により取得される軌跡は、例えば、衛星測位モジュール80の軌跡であっても良い。
図2では、最外周走行を行った際の収穫部Hの圃場内側端部の軌跡が、実線の矢印により示されている。また、最外周走行を行った際の衛星測位モジュール80の軌跡が、仮想線の矢印により示されている。尚、実際の最外周走行では、コンバイン1は、圃場の隅部において前進と後進とを繰り返しながら方向転換を行う。図2では、前進の軌跡のみが示されており、後進の軌跡は省略されている。
領域算出部22は、取得した軌跡に基づいて、最外周走行の完了時点での圃場における未作業領域UA(図3参照)を算出する。
本実施形態において、未作業領域UAは、コンバイン1が植立穀稈の刈取を行っていない領域である。また、未作業領域UAは、コンバイン1が刈取走行を行った領域に囲まれた領域である。未作業領域UAの輪郭は、全周に亘って、収穫部Hの圃場内側端部の軌跡により規定される。未作業領域UAの輪郭は、多角形状になる場合もあるし、多角形状にならない場合もある。
尚、制御部20、及び、制御部20に含まれる位置算出部21等の各要素は、マイクロコンピュータ等の物理的な装置であっても良いし、ソフトウェアにおける機能部であっても良い。
〔目標走行経路の生成〕
図4に示す領域算出部22は、コンバイン1による最外周走行が完了すると、取得した軌跡に基づいて、多角形状の作業対象領域CAを決定する。図5に示すように、本実施形態において、作業対象領域CAは、第1辺C1、第2辺C2、第3辺C3、第4辺C4により規定される四角形状である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、作業対象領域CAは、例えば三角形状であっても良いし、五角形状であっても良い。
また、図5に示すように、作業対象領域CAは、最外周走行の完了時点での未作業領域UAを包含している。作業対象領域CAの輪郭は、最外周走行の完了時点での未作業領域UAの輪郭に接している。
図4に示すように、制御部20は、経路生成部23を有している。領域算出部22により算出された作業対象領域CAを示す情報は、領域算出部22から経路生成部23へ送られる。経路生成部23は、領域算出部22から送られた作業対象領域CAを示す情報に基づいて、複数の目標刈取経路LI(本発明に係る「目標経路」に相当)(図5参照)を生成する。
複数の目標刈取経路LIは、コンバイン1が最外周領域SAよりも内側の領域を刈取走行するための経路である。経路生成部23は、複数の目標刈取経路LIにより作業対象領域CAの全体が網羅されるように、複数の目標刈取経路LIを生成する。
即ち、走行制御システムAは、コンバイン1が走行するための目標刈取経路LIを生成する経路生成部23を備えている。
尚、図5に示すように、本実施形態においては、複数の目標刈取経路LIは、縦横方向に延びる複数のメッシュ線である。
図4に示すように、走行制御システムAは、慣性計測装置81を備えている。また、制御部20は、方位取得部24を有している。尚、慣性計測装置81は、コンバイン1に搭載されている。
慣性計測装置81は、コンバイン1の機体のヨー角度の角速度、及び、互いに直交する3軸方向の加速度を経時的に検知する。慣性計測装置81による検知結果は、方位取得部24へ送られる。
方位取得部24は、位置算出部21から、コンバイン1の位置座標を受け取る。そして、方位取得部24は、慣性計測装置81による検知結果と、コンバイン1の位置座標と、に基づいて、コンバイン1の機体方位を算出する。
より具体的には、まず、コンバイン1の走行中に、現在のコンバイン1の位置座標、及び、直前に走行していた地点におけるコンバイン1の位置座標に基づいて、方位取得部24は、初期機体方位を算出する。次に、初期機体方位が算出されてからコンバイン1が一定時間走行すると、方位取得部24は、その一定時間の走行の間に慣性計測装置81により検知された角速度を積分処理することにより、機体方位の変化量を算出する。
そして、このように算出された機体方位の変化量を初期機体方位に足し合わせることによって、方位取得部24は、機体方位の算出結果を更新する。その後、一定時間毎に、機体方位の変化量が同様に算出されると共に、順次、機体方位の算出結果が更新されていく。
以上の構成により、方位取得部24は、コンバイン1の機体方位を算出する。これにより、方位取得部24は、コンバイン1の機体方位を取得する。
即ち、走行制御システムAは、コンバイン1の機体方位を取得する方位取得部24を備えている。
図4に示すように、制御部20は、経路選択部25を有している。また、制御部20は、走行制御部26を有している。走行制御部26は、走行装置2を制御することにより、コンバイン1の走行を制御可能に構成されている。
走行制御部26は、複数の目標刈取経路LIのうちまだ走行していない目標刈取経路LIに沿った刈取走行をコンバイン1が繰り返すように、コンバイン1の走行を制御する。これにより、圃場における刈取走行が自動走行にて行われることとなる。
詳述すると、経路選択部25は、位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標と、経路生成部23により生成された複数の目標刈取経路LIと、に基づいて、コンバイン1が次に走行するべき目標刈取経路LIを選択する。経路選択部25により選択された目標刈取経路LIを示す情報は、走行制御部26へ送られる。
また、走行制御部26は、位置算出部21からコンバイン1の位置座標を受け取る。そして、走行制御部26は、位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標と、経路選択部25により選択された目標刈取経路LIを示す情報と、に基づいて、コンバイン1の自動走行を制御する。より具体的には、走行制御部26は、目標刈取経路LIに沿った自動走行によって刈取走行が行われるように、コンバイン1の走行を制御する。
この自動走行において、図4に示すように、経路選択部25は、選択された目標刈取経路LIを示す情報を経路生成部23へ送る。経路生成部23は、当該情報に基づいて、図6に示すように、コンバイン1が現在走行している目標刈取経路LIの端部と、次に走行する目標刈取経路LIの端部と、を繋ぐ目標旋回経路TL(本発明に係る「目標経路」に相当)を生成する。図4に示すように、生成された目標旋回経路TLを示す情報は、経路生成部23から走行制御部26へ送られる。走行制御部26は、図6に示すように、現在走行している目標刈取経路LIに沿った刈取走行の後、目標旋回経路TLに沿った旋回走行が行われ、その後、次に走行する目標刈取経路LI(即ち、経路選択部25により選択された目標刈取経路LI)に沿った刈取走行が行われるように、コンバイン1の走行を制御する。即ち、経路生成部23は、コンバイン1が走行するための目標旋回経路TLを生成する。
〔基準部位〕
図4に示すように、制御部20は、基準決定部27を有している。基準決定部27は、コンバイン1の機体の各部位の中から、基準部位ST(図7参照)を決定する。
即ち、走行制御システムAは、コンバイン1の中から基準部位STを決定する基準決定部27を備えている。
本実施形態において、基準決定部27は、収穫部Hにおける左端部または右端部を基準部位STとして決定可能である。より具体的には、基準決定部27は、図7に示すように、左または右の分草具10の前端部10aを基準部位STとして決定可能である。図7に示す例では、右の分草具10の前端部10aが基準部位STとして決定されている。
尚、左の分草具10の前端部10aは、収穫部Hにおける左端部の具体例である。右の分草具10の前端部10aは、収穫部Hにおける右端部の具体例である。
このように、基準決定部27は、コンバイン1の有する収穫部Hにおける左端部または右端部を基準部位STとして決定可能である。
また、本実施形態において、基準決定部27は、中央部位2a(図6参照)を基準部位STとして決定可能である。中央部位2aは、走行装置2における左右方向中央位置に位置する部位である。
即ち、基準決定部27は、コンバイン1の有する走行装置2における左右方向中央位置に位置する部位である中央部位2aを基準部位STとして決定可能である。
基準決定部27は、コンバイン1の作業状況に応じて基準部位STを決定するように構成されている。以下では、基準部位STの決定について詳述する。
コンバイン1が自動走行を行っているとき、図4に示すように、走行制御部26は、コンバイン1の作業状況を示す情報を基準決定部27へ送る。基準決定部27は、当該情報に基づいて、基準部位STを決定する。この構成により、基準決定部27は、コンバイン1の作業状況に基づいて基準部位STを決定する。
より具体的には、基準決定部27は、図7に示すように、コンバイン1が目標刈取経路LIに沿った自動走行を行っているとき、収穫部Hにおける左端部または右端部を基準部位STとして決定する。この場合、本実施形態では、右の分草具10の前端部10aが基準部位STとして決定される。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。コンバイン1が目標刈取経路LIに沿った自動走行を行っているとき、基準決定部27は、左の分草具10の前端部10aを基準部位STとして決定しても良い。また、例えば、基準決定部27は、左右の分草具10のうち圃場内側に位置する方の分草具10の前端部10aを基準部位STとして決定しても良いし、圃場外側に位置する方の分草具10の前端部10aを基準部位STとして決定しても良い。
また、基準決定部27は、図6における拡大図に示すように、コンバイン1が目標旋回経路TLに沿った旋回走行を行っているとき、中央部位2aを基準部位STとして決定する。
この構成により、コンバイン1が目標刈取経路LIに沿った刈取走行の後、目標旋回経路TLに沿った旋回走行を開始した場合は、基準決定部27は、基準部位STを、右の分草具10の前端部10aから中央部位2aに変更する。また、コンバイン1が目標旋回経路TLに沿った旋回走行の後、目標刈取経路LIに沿った刈取走行を開始した場合は、基準決定部27は、基準部位STを、中央部位2aから右の分草具10の前端部10aに変更する。
即ち、基準決定部27は、コンバイン1の作業状況に応じて基準部位STを変更する。
〔距離制御〕
図4に示すように、方位取得部24は、コンバイン1の機体方位を位置算出部21へ送る。また、基準決定部27は、決定された基準部位STを示す情報を、位置算出部21へ送る。位置算出部21は、当該情報と、衛星測位モジュール80による測定結果と、コンバイン1の機体方位と、に基づいて、基準部位STの位置を経時的に算出する。尚、位置算出部21により算出される基準部位STの位置は、圃場における位置である。
即ち、走行制御システムAは、衛星測位モジュール80による測定結果に基づいて基準部位STの位置を算出する位置算出部21を備えている。また、位置算出部21は、衛星測位モジュール80による測定結果と、機体方位と、に基づいて基準部位STの位置を算出する。
例えば、図8に示す例では、右の分草具10の前端部10aが基準部位STとして決定されている。また、本実施形態のコンバイン1においては、衛星測位モジュール80から見て、前方に対して右側に所定角度Eだけ傾いた方向に、右の分草具10の前端部10aが位置している。また、平面視における衛星測位モジュール80と右の分草具10の前端部10aとの間の距離は、第1距離D1である。このような衛星測位モジュール80と右の分草具10の前端部10aとの位置関係は、位置算出部21に予め記憶されている。尚、図8において、衛星測位モジュール80を通る破線の矢印は、機体の前方を示している。
そして、図8に示す例では、位置算出部21は、圃場における衛星測位モジュール80の位置から見てコンバイン1の機体前方に対して右側に所定角度Eだけ傾いた方向に位置しており、且つ、圃場における衛星測位モジュール80の位置から第1距離D1だけ離れている位置を、基準部位STの位置として算出する。
また、図8に示すように、本実施形態のコンバイン1においては、衛星測位モジュール80から見て、直後方に中央部位2aが位置している。また、平面視における衛星測位モジュール80と中央部位2aとの間の距離は、第2距離D2である。このような衛星測位モジュール80と中央部位2aとの位置関係は、位置算出部21に予め記憶されている。
そして、中央部位2aが基準部位STとして決定されている場合では、位置算出部21は、圃場における衛星測位モジュール80の位置から見て直後方に位置しており、且つ、圃場における衛星測位モジュール80の位置から第2距離D2だけ離れている位置を、基準部位STの位置として算出する。
図4に示すように、位置算出部21により算出された基準部位STの位置は、走行制御部26へ送られる。コンバイン1が目標刈取経路LIに沿った自動走行を行っているとき、走行制御部26は、基準部位STの位置と、目標刈取経路LIと、に基づいてコンバイン1の走行を制御する。このとき、走行制御部26は、図7に示すように、基準部位STの位置と、目標刈取経路LIと、の間の距離が所定距離になるようにコンバイン1の走行を制御する距離制御を行う。尚、図7に示す例では、所定距離は、刈取用距離Yである。
図7に示すように、刈取用距離Yは、距離制御によって目標刈取経路LI上に衛星測位モジュール80が位置するように設定されている。
また、図6の拡大図に示すように、コンバイン1が目標旋回経路TLに沿った自動走行を行っているとき、走行制御部26は、基準部位STの位置と、目標旋回経路TLと、に基づいてコンバイン1の走行を制御する。このとき、走行制御部26は、基準部位STの位置と、目標旋回経路TLと、の間の距離が所定距離になるようにコンバイン1の走行を制御する距離制御を行う。図6の拡大図に示す例では、所定距離は、0(ゼロ)である。尚、ここでの距離の単位は特に限定されないが、0メートルであっても良いし、0センチメートルであっても良い。
即ち、コンバイン1が目標旋回経路TLに沿った自動走行を行っているとき、コンバイン1の走行は、基準部位STが目標旋回経路TL上を移動するように制御される。
このように、走行制御システムAは、基準部位STの位置と、目標刈取経路LIまたは目標旋回経路TLと、の間の距離が所定距離になるようにコンバイン1の走行を制御する距離制御を行う走行制御部26を備えている。
尚、この「所定距離」は、コンバイン1の作業状況や基準部位STに応じて変更されても良いし、変更されない固定値であっても良い。
以上で説明した構成によれば、基準部位STの位置と、目標刈取経路LIまたは目標旋回経路TLと、の間の距離が所定距離になるようにコンバイン1の走行が制御される。そして、作業状況に応じて基準部位STが変更される。そのため、作業状況に応じて最も重要な部位が基準部位STとして決定されるよう構成すれば、当該最も重要な部位の位置が精度良く制御されることとなる。その結果、コンバイン1の走行位置が適切になりやすい。
例えば、収穫部Hを備えるコンバイン1が刈取走行を行う際、収穫部Hにおける右の分草具10の前端部10aが基準部位STとして決定されれば、右の分草具10の前端部10aの位置が精度良く制御されることとなる。その結果、コンバイン1の走行位置が適切になりやすい。
即ち、以上で説明した構成によれば、コンバイン1の走行位置が適切になりやすい走行制御システムAを実現できる。
〔その他の実施形態〕
(1)走行装置2は、ホイール式であっても良いし、セミクローラ式であっても良い。
(2)上記実施形態においては、経路生成部23により生成される目標刈取経路LIは、縦横方向に延びる複数のメッシュ線である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、経路生成部23により生成される目標刈取経路LIは、縦横方向に延びる複数のメッシュ線でなくても良い。例えば、経路生成部23により生成される目標刈取経路LIは、渦巻き状の走行経路であっても良い。また、目標刈取経路LIは、別の目標刈取経路LIと直交していなくても良い。また、経路生成部23により生成される目標刈取経路LIは、互いに平行な複数の平行線であっても良い。
(3)走行制御システムAは、コンバイン1以外の種類の作業車の走行を制御するように構成されていても良い。例えば、走行制御システムAは、トラクタや田植機の走行を制御しても良い。この場合、トラクタ、田植機は、何れも本発明に係る「作業車」に相当する。また、トラクタが耕耘作業や農用資材散布作業(例えば肥料散布作業)を行う場合、耕耘装置及び散布装置は、何れも、本発明に係る「作業装置」に相当する。また、田植機が苗植付作業を行う場合、苗植付装置は本発明に係る「作業装置」に相当する。
(4)走行制御部26は、コンバイン1が目標旋回経路TLに沿った自動走行を行っているときに、距離制御を行わないように構成されていても良い。
(5)上記実施形態で基準部位STとして決定された各部位は、一例に過ぎないのであって、コンバイン1のいかなる部位が基準部位STとして決定されても良い。
(6)コンバイン1が目標刈取経路LIに沿って自動走行しているときの距離制御における所定距離は、距離制御によって目標刈取経路LI上に衛星測位モジュール80が位置するように設定されていなくても良い。
(7)位置算出部21は、収穫部Hの圃場内側端部の軌跡を算出できないように構成されていても良い。
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、普通型のコンバインだけではなく、自脱型のコンバイン、トラクタ、田植機、トウモロコシ収穫機、ジャガイモ収穫機、ニンジン収穫機、建設作業機等の種々の作業車に利用可能である。
1 コンバイン(作業車)
2 走行装置
2a 中央部位
21 位置算出部
23 経路生成部
24 方位取得部
26 走行制御部
27 基準決定部
80 衛星測位モジュール(測位装置)
A 走行制御システム
H 収穫部(作業装置)
LI 目標刈取経路(目標経路)
ST 基準部位
TL 目標旋回経路(目標経路)

Claims (5)

  1. 測位装置を有する作業車の走行を制御する走行制御システムであって、
    前記測位装置は、前記測位装置の位置を測定するように構成されており、
    前記作業車の中から基準部位を決定する基準決定部と、
    前記測位装置による測定結果に基づいて前記基準部位の位置を算出する位置算出部と、
    前記作業車が走行するための目標経路を生成する経路生成部と、
    前記基準部位の位置と、前記目標経路と、の間の距離が所定距離になるように前記作業車の走行を制御する距離制御を行う走行制御部と、を備え、
    前記基準決定部は、前記作業車の作業状況に応じて前記基準部位を変更する走行制御システム。
  2. 前記作業車の機体方位を取得する方位取得部を備え、
    前記位置算出部は、前記測位装置による測定結果と、前記機体方位と、に基づいて前記基準部位の位置を算出する請求項1に記載の走行制御システム。
  3. 前記所定距離は、前記距離制御によって前記目標経路上に前記測位装置が位置するように設定されている請求項1または2に記載の走行制御システム。
  4. 前記基準決定部は、前記作業車の有する作業装置における左端部または右端部を前記基準部位として決定可能である請求項1から3の何れか一項に記載の走行制御システム。
  5. 前記基準決定部は、前記作業車の有する走行装置における左右方向中央位置に位置する部位である中央部位を前記基準部位として決定可能である請求項1から4の何れか一項に記載の走行制御システム。
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