JP2023096663A - キャリア濃度の測定方法、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

キャリア濃度の測定方法、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化珪素エピタキシャル基板のキャリア濃度を短時間で精度良く測定する。【解決手段】第1炭化珪素基板上に第1炭化珪素エピタキシャル層が設けられた第1炭化珪素エピタキシャル基板が準備される。第1炭化珪素エピタキシャル層は、第1炭化珪素基板上に配置された第1層と、第1層上に配置された第2層とを含んでいる。第1層のキャリア濃度は、第2層のキャリア濃度よりも高い。さらに、第2層に第1電極を配置した状態で第1炭化珪素エピタキシャル基板に電圧を印加し、第1炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量が測定される。電圧と静電容量とに基づいて、第1層のキャリア濃度が算出される。第1層のキャリア濃度は、1×1018/cm3以上である。【選択図】図3

Description

本開示は、キャリア濃度の測定方法、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
国際公開2020/115951号(特許文献1)には、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いて炭化珪素エピタキシャル基板の窒素濃度を測定する方法が記載されている。
国際公開2020/115951号
しかしながら、SIMSを用いて炭化珪素エピタキシャル基板の窒素濃度を測定する場合、測定時間が長くなる。
本開示の目的は、炭化珪素エピタキシャル基板のキャリア濃度を短時間で精度良く測定することである。
本開示に係るキャリア濃度の測定方法は以下の工程を備えている。第1炭化珪素基板上に第1炭化珪素エピタキシャル層が設けられた第1炭化珪素エピタキシャル基板が準備される。第1炭化珪素エピタキシャル層は、第1炭化珪素基板上に配置された第1層と、第1層上に配置された第2層とを含んでいる。第1層のキャリア濃度は、第2層のキャリア濃度よりも高い。さらに、第2層に第1電極を配置した状態で第1炭化珪素エピタキシャル基板に電圧を印加し、第1炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量が測定される。電圧と静電容量とに基づいて、第1層のキャリア濃度が算出される。第1層のキャリア濃度は、1×1018/cm3以上である。
本開示によれば、炭化珪素エピタキシャル基板のキャリア濃度を短時間で精度良く測定することができる。
図1は、第1炭化珪素エピタキシャル基板の構成を示す断面模式図である。 図2は、本実施形態に係るキャリア濃度の測定方法を概略的に示すフロー図である。 図3は、第1炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量を測定する工程を示す断面模式図である。 図4は、第1炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量とバイアス電圧との関係を示す図である。 図5は、第2領域の拡大図である。 図6は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造装置の構成を示す断面模式図である。 図7は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を概略的に示すフロー図である。 図8は、第2炭化珪素基板を準備する工程を示す断面模式図である。 図9は、第2炭化珪素基板上に第2炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程を示す断面模式図である。 図10は、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法を概略的に示すフローチャートである。 図11は、ボディ領域を形成する工程を示す断面模式図である。 図12は、ソース領域を形成する工程を示す断面模式図である。 図13は、第2炭化珪素エピタキシャル層の第6主面にトレンチを形成する工程を示す断面模式図である。 図14は、ゲート絶縁膜を形成する工程を示す断面模式図である。 図15は、ゲート電極および層間絶縁膜を形成する工程を示す断面模式図である。 図16は、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面模式図である。 図17は、サンプル1に係る炭化珪素エピタキシャル基板のキャリア濃度を測定する方法を示す断面模式図である。 図18は、サンプル1に係る炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量とバイアス電圧との関係を示す図である。
[本開示の実施形態の概要]
まず本開示の実施形態の概要について説明する。本明細書の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示す。結晶学上の指数が負であることは、通常、数字の上に”-”(バー)を付すことによって表現されるが、本明細書では数字の前に負の符号を付すことによって結晶学上の負の指数を表現する。
(1)本開示に係るキャリア濃度の測定方法は以下の工程を備えている。第1炭化珪素基板70上に第1炭化珪素エピタキシャル層80が設けられた第1炭化珪素エピタキシャル基板101が準備される。第1炭化珪素エピタキシャル層80は、第1炭化珪素基板70上に配置された第1層81と、第1層81上に配置された第2層82とを含んでいる。第1層81のキャリア濃度は、第2層82のキャリア濃度よりも高い。さらに、第2層82に第1電極6を配置した状態で第1炭化珪素エピタキシャル基板101に電圧を印加し、第1炭化珪素エピタキシャル基板101の静電容量が測定される。電圧と静電容量とに基づいて、第1層81のキャリア濃度が算出される。第1層81のキャリア濃度は、1×1018/cm3以上である。
(2)上記(1)に係るキャリア濃度の測定方法によれば、第2層82のキャリア濃度は、1×1016/cm3以下であってもよい。
(3)上記(1)または(2)に係るキャリア濃度の測定方法によれば、第2層82の厚みは、0.1μm以上であってもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれかに係るキャリア濃度の測定方法によれば、電圧は、-10V以下であってもよい。
(5)上記(1)から(4)のいずれかに係るキャリア濃度の測定方法によれば、第1電極6の材質は、水銀であってもよい。
(6)上記(1)から(4)のいずれかに係るキャリア濃度の測定方法によれば、第1電極6の材質は、チタン、ニッケル、アルミニウム、白金または金であってもよい。
(7)上記(1)から(6)のいずれかに係るキャリア濃度の測定方法によれば、第1炭化珪素エピタキシャル基板101の静電容量を測定する工程においては、第1炭化珪素基板70に第2電極を配置した状態で、第1電極6と第2電極との間に電圧が印加されてもよい。
(8)本開示に係る炭化珪素エピタキシャル基板102の製造方法は以下の工程を備えている。上記(1)から(7)のいずれかに記載のキャリア濃度の測定方法によって算出された第1層81のキャリア濃度に基づいて、窒素源の流量が決定される。第1炭化珪素基板70とは異なる第2炭化珪素基板11が準備される。第2炭化珪素基板11上に第2炭化珪素エピタキシャル層20が形成される。第2炭化珪素基板11上に第2炭化珪素エピタキシャル層20を形成する工程において、決定された窒素源の流量が用いられる。
(9)本開示に係る炭化珪素半導体装置400の製造方法は以下の工程を備えている。上記(8)に記載の製造方法で製造された炭化珪素エピタキシャル基板102が準備される。炭化珪素エピタキシャル基板102が加工される。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態の詳細について説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。
まず、本実施形態に係る第1炭化珪素エピタキシャル基板の構成について説明する。図1は、第1炭化珪素エピタキシャル基板の構成を示す断面模式図である。
図1に示されるように、本実施形態に係る第1炭化珪素エピタキシャル基板101は、第1炭化珪素基板70と、第1炭化珪素エピタキシャル層80とを有している。第1炭化珪素エピタキシャル層80は、第1炭化珪素基板70上に設けられている。第1炭化珪素エピタキシャル層80は、第1層81と、第2層82とを有している。第1層81は、第1炭化珪素基板70上に配置されている。第1層81は、第1炭化珪素基板70に接している。第2層82は、第1層81上に配置されている。第2層82は、第1層81に接している。
第1炭化珪素エピタキシャル基板101は、第1主面91と、第2主面92とを有している。第1炭化珪素エピタキシャル基板101において、第2主面92は、第1主面91の反対側にある。第1主面91は、炭化珪素エピタキシャル基板101の表面を構成する。第1主面91は、第2層82により構成されている。第2主面92は、炭化珪素エピタキシャル基板101の裏面を構成する。第2主面92は、第1炭化珪素基板70により構成されている。
第1炭化珪素基板70は、第3主面93を有している。第3主面93は、第1層81に接している。第1炭化珪素基板70において、第3主面93は、第2主面92の反対側に位置している。第1炭化珪素基板70を構成する炭化珪素のポリタイプは、特に限定されないが、たとえば4Hである。同様に、第1層81および第2層82の各々を構成する炭化珪素のポリタイプは、特に限定されないが、たとえば4Hである。
第1炭化珪素エピタキシャル基板101の直径は、特に限定されないが、たとえば100mm(4インチ)以上である。第1炭化珪素エピタキシャル基板101の直径は、125mm(5インチ)以上でもよいし、150mm(6インチ)以上でもよい。第1炭化珪素エピタキシャル基板101の直径の上限は、特に限定されないが、たとえば200(8インチ)mm以下であってもよい。
なお本明細書において、4インチは、100mm又は101.6mm(4インチ×25.4mm/インチ)のことである。5インチは、125mm又は127.0mm(5インチ×25.4mm/インチ)のことである。6インチは、150mm又は152.4mm(6インチ×25.4mm/インチ)のことである。8インチは、200mm又は203.2mm(8インチ×25.4mm/インチ)のことである。
第1炭化珪素エピタキシャル基板101の第1主面91は、たとえば{0001}面または{0001}面に対して8°以下のオフ角で傾斜していてもよい。具体的には、第1主面91は、(0001)面または(0001)面に対して8°以下のオフ角で傾斜していてもよい。第2主面92は、(000-1)面または(000-1)面に対して8°以下のオフ角で傾斜していてもよい。
オフ角の上限は、特に限定されないが、たとえば6°以下であってもよいし、4°以下であってもよい。オフ角の下限は、特に限定されないが、たとえば2°以上であってもよいし、1°以上であってもよい。オフ方向は、特に限定されないが、たとえば<11-20>方向であってもよいし、<0001>方向であってもよい。
第1炭化珪素基板70は、たとえば窒素(N)などのn型不純物を含んでいる。第1炭化珪素基板70の導電型は、たとえばn型(第1導電型)である。この場合、キャリアは電子である。第1炭化珪素基板70のキャリア濃度は、たとえば1×1018-3以上1×1020cm-3以下である。第1炭化珪素基板70の厚み(第3厚みT3)は、特に限定されないが、たとえば200μm以上500μm以下である(図1参照)。
第1層81は、たとえば窒素(N)などのn型不純物を含んでいる。第1層81の導電型は、たとえばn型(第1導電型)である。この場合、キャリアは電子である。第1層81のキャリア濃度は、1×1018/cm3以上である。第1層81のキャリア濃度の下限は、特に限定されないが、たとえば3×1018/cm3以上であってもよいし、5×1018/cm3以上であってもよいし、1×1019/cm3以上であってもよい。第1層81のキャリア濃度の上限は、特に限定されないが、たとえば1×1020/cm3以下であってもよいし、7×1019/cm3以下であってもよいし、5×1019/cm3以下であってもよい。
第1層81の厚み(第1厚みT1)は、特に限定されないが、たとえば0.1μm以上10μm以下である。第1厚みT1の下限は、特に限定されないが、たとえば0.5μm以上であってもよいし、1μm以上であってもよい。第1厚みT1の上限は、特に限定されないが、たとえば8μm以下であってもよいし、5μm以下であってもよい。
第2層82は、たとえば窒素(N)などのn型不純物を含んでいる。第2層82の導電型は、たとえばn型(第1導電型)である。この場合、キャリアは電子である。第2層82のキャリア濃度は、たとえば1×1016/cm3以下である。第2層82のキャリア濃度の下限は、特に限定されないが、たとえば3×1014/cm3以上であってもよいし、5×1014/cm3以上であってもよいし、7×1014/cm3以上であってもよい。第2層82のキャリア濃度の上限は、特に限定されないが、たとえば7×1015/cm3以下であってもよいし、5×1015/cm3以下であってもよいし、1×1015/cm3以下であってもよい。第1層81のキャリア濃度は、第2層82のキャリア濃度よりも高い。
第2層82の厚み(第2厚みT2)は、たとえば0.1μm以上である。第2厚みT2の下限は、特に限定されないが、たとえば0.3μm以上であってもよいし、0.5μm以上であってもよい。第2厚みT2の上限は、特に限定されないが、たとえば3μm以下であってもよいし、2μm以下であってもよいし、1μm以下であってもよい。
図2は、本実施形態に係るキャリア濃度の測定方法を概略的に示すフロー図である。
図2に示されるように、本実施形態に係るキャリア濃度の測定方法は、第1炭化珪素エピタキシャル基板を準備する工程(S10)と、第1炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量を測定する工程(S20)と、第1炭化珪素エピタキシャル基板の第1層のキャリア濃度を測定する工程(S30)とを有している。
まず、第1炭化珪素エピタキシャル基板を準備する工程(S10)が実施される。具体的には、図1に示される第1炭化珪素エピタキシャル基板101が準備される。
次に、第1炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量を測定する工程(S20)が実施される。
第1炭化珪素エピタキシャル基板101の静電容量は、たとえばFour Dimesions社製のC-V(静電容量-電圧)測定装置(型番:CVmap92A)を用いて測定することができる。図3は、第1炭化珪素エピタキシャル基板101の静電容量を測定する工程を示す断面模式図である。図3に示されるように、第1炭化珪素エピタキシャル基板101の第2層82に第1電極6が配置される。C-V測定装置は、第1電極6と、本体部5とを有している。第1電極6は、本体部5の内部に位置している。第1電極6の材質は、たとえば水銀である。第1電極6は、第1主面91において第1炭化珪素エピタキシャル基板101の第2層82に接触する。第1電極6の測定径は、たとえば1.2mmである。測定速度は、たとえば1分である。
第1電極6の材質は、水銀に限定されない。第1電極6の材質は、炭化珪素に対してショットキー接続ができる材料であればよく、たとえばチタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)または金(Au)であってもよい。第1電極6の材料としてチタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)または金(Au)を用いた場合は、真空蒸着等により形成することができる。またフォトリソグラフィにより円形の第1電極6を形成することもできる。あるいは、メタルマスクを用いて円形の第1電極6を形成することもできる。
図3に示されるように、C-V測定装置の第2電極8は、たとえば第1炭化珪素エピタキシャル基板101の第2主面92に配置される。具体的には、第2電極8は、第1炭化珪素基板70に配置される。第2電極8は、第1炭化珪素基板70とオーミック接続されている。第2電極8は、例えば、ウェハーを設置する金属製のステージとすることができる。真空吸着により、第2主面92と、ウェハーを設置する金属製のステージが密着することにより、オーミック接続とすることができる。第2層82に第1電極6を配置しかつ第1炭化珪素基板70に第2電極8を配置した状態で、第1電極6と第2電極8との間に電圧(以降、バイアス電圧とも呼ぶ)が印加される。これにより、第2層82と第1電極6との境界から第2層82の内部において空乏層が広がる。第1電極6と第2電極8との間に電圧が印加された状態で、第1電極6と第2電極8との間の静電容量が測定される。
以上のように、第1炭化珪素エピタキシャル基板101の第2層82に第1電極6を配置した状態で第1炭化珪素エピタキシャル基板101に電圧を印加し、第1炭化珪素エピタキシャル基板101の静電容量が測定される。なお、上記においては、第2電極8が第1炭化珪素基板70に配置される場合について説明したが、本実施形態に係るキャリア濃度の測定方法は、上記に限定されない。第2電極8に相当するオーミック接続される電極は、第2層82に配置されてもよいし、第1層81に配置されてもよい。
次に、第1炭化珪素エピタキシャル基板の第1層のキャリア濃度を測定する工程(S30)が実施される。具体的には、電圧(V)と静電容量(C)とに基づいて、第1層81のキャリア濃度が算出される。第1層81のキャリア濃度は、以下の数式1を用いて求められる。
1/C2={2/(e×ε0×εS)}×(V-V)×Nd ・・・(数式1)
C:第1電極で測定された静電容量(F)
e:電荷素量=1.602×10-19(C)
εS:第1層の比誘電率
ε0:真空の誘電率=8.854×10-14(F/cm)
V:炭化珪素エピタキシャル基板に印加した電圧(V)
d:基準電位(V)
d:第1層のキャリア濃度(cm-3
図4は、第1炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量とバイアス電圧との関係を示す図である。図4の横軸は、第1炭化珪素エピタキシャル基板に印加されるバイアス電圧である。図4の縦軸は、第1炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量の2乗の逆数(1/C2)である。
図4に示されるように、バイアス電圧が-2V以上0V未満の領域(第1領域111)においては、第2層82において空乏層が広がっていると考えられる。バイアス電圧の絶対値が大きくなるに従って1/C2は大きくなる。バイアス電圧の絶対値を大きくすることにより、空乏層は第2層82から第1層81に向かって広がる。バイアス電圧が-40V以上-20V以下の領域(第2領域112)においては、第2層82と第1層81とにおいて空乏層が広がっていると考えられる。第2領域112における単位バイアス電圧あたりの1/C2の変化量は、第1領域111における単位バイアス電圧あたりの1/C2の変化量よりも小さい。本実施形態に係るキャリア濃度の測定方法においては、バイアス電圧は-10V以下の値まで印加される。バイアス電圧は-20V以下の値まで印加されてもよいし、-40以下の値まで印加されてもよい。
図5は、第2領域の拡大図である。図5に示されるように、バイアス電圧が-40V以上-30V以下の領域において、バイアス電圧の絶対値が大きくなるに従って1/C2は大きくなる。バイアス電圧に対して1/C2は線形に変化している。バイアス電圧が-40V以上-30V以下の領域における静電領域とバイアス電圧とに基づいて、第1層81のキャリア濃度が算出される。第1層81のキャリア濃度は、バイアス電圧が-40V以上-20V以下の領域における静電領域とバイアス電圧とに基づいて算出されてもよい。
図6は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造装置の構成を示す断面模式図である。図6に示されるように、炭化珪素エピタキシャル基板の製造装置200は、たとえばホットウォール方式の横型CVD(Chemical Vapor Deposition)装置である。炭化珪素エピタキシャル基板の製造装置200は、チャンバ201と、ガス供給部235と、制御部245と、発熱体203、石英管204、断熱材(図示せず)、誘導加熱コイル(図示せず)とを主に有している。
発熱体203は、たとえば筒状の形状を有しており、内部にチャンバ201を形成している。発熱体203は、たとえば黒鉛製である。発熱体203は、石英管204の内部に設けられている。断熱材は、発熱体203の外周を取り囲んでいる。誘導加熱コイルは、たとえば石英管204の外周面に沿って巻回されている。誘導加熱コイルは、外部電源(図示せず)により、交流電流が供給可能に構成されている。これにより、発熱体203が誘導加熱される。結果として、チャンバ201が発熱体203により加熱される。
チャンバ201は、発熱体203の内壁面205に取り囲まれて形成されている。チャンバ201には、炭化珪素基板(図示せず)を保持するサセプタ210が設けられる。サセプタ210は、たとえば炭化珪素により構成されている。炭化珪素基板は、サセプタ210に載置される。サセプタ210は、ステージ206上に配置される。ステージ206は、回転軸209によって自転可能に支持されている。ステージ206が回転することで、サセプタ210が回転する。
炭化珪素エピタキシャル基板の製造装置200は、ガス導入口207およびガス排気口208をさらに有している。ガス排気口208は、図示しない排気ポンプに接続されている。図6中の矢印は、ガスの流れを示している。ガスは、ガス導入口207からチャンバ201に導入され、ガス排気口208から排気される。チャンバ201内の圧力は、ガスの供給量と、ガスの排気量とのバランスによって調整される。
ガス供給部235は、チャンバ201に、原料ガスとドーパントガスとキャリアガスとを含む混合ガスを供給可能に構成されている。具体的には、ガス供給部235は、たとえば第1ガス供給部231と、第2ガス供給部232と、第3ガス供給部233と、第4ガス供給部234とを含んでいる。
第1ガス供給部231は、たとえば炭素原子を含む第1ガスを供給可能に構成されている。第1ガス供給部231は、たとえば第1ガスが充填されたガスボンベである。第1ガスは、たとえばプロパン(C38)ガスである。第1ガスは、たとえばメタン(CH4)ガス、エタン(C26)ガス、アセチレン(C22)ガス等であってもよい。
第2ガス供給部232は、たとえばシランガスを含む第2ガスを供給可能に構成されている。第2ガス供給部232は、たとえば第2ガスが充填されたガスボンベである。第2ガスは、たとえばシラン(SiH4)ガスである。第2ガスは、シランガスと、シラン以外の他のガスとの混合ガスでもよい。
第3ガス供給部233は、たとえばアンモニアガスを含む第3ガスを供給可能に構成されている。第3ガス供給部233は、たとえば第3ガスが充填されたガスボンベである。第3ガスは、N(窒素原子)を含むドーピングガスである。アンモニアガスは、三重結合を有する窒素ガスに比べて熱分解されやすい。なお、第3ガスは、窒素ガスでもよい。
第4ガス供給部234は、たとえば水素などの第4ガス(キャリアガス)を供給可能に構成されている。第4ガス供給部234は、たとえば水素が充填されたガスボンベである。
制御部245は、ガス供給部235からチャンバ201に供給される混合ガスの流量を制御可能に構成されている。具体的には、制御部245は、第1ガス流量制御部241と、第2ガス流量制御部242と、第3ガス流量制御部243と、第4ガス流量制御部244とを含んでいてもよい。各制御部は、たとえばMFC(Mass Flow Controller)であってもよい。制御部245は、ガス供給部235とガス導入口207との間に配置されている。言い換えれば、制御部245は、ガス供給部235とガス導入口207とを繋ぐ流路に配置されている。
(炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法)
次に、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法について説明する。図7は、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を概略的に示すフロー図である。図7に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法は、第1層のキャリア濃度に基づいて窒素源の流量を決定する工程(S40)と、第2炭化珪素基板を準備する工程(S50)と、第2炭化珪素基板上に第2炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程(S60)とを有している。
まず、第1層のキャリア濃度に基づいて窒素源の流量を決定する工程(S40)が実施される。具体的には、本実施形態に係るキャリア濃度の測定方法を用いて、第1炭化珪素エピタキシャル基板101の第1層81のキャリア濃度が測定される。第1層81のキャリア濃度がターゲットキャリア濃度と比較される。
第1層81のキャリア濃度がターゲットキャリア濃度よりも低い場合は、第1層81を形成する際に用いた第3ガスの流量は、必要とされる流量よりも少ないことになる。そのため、第3ガスの流量が多くなるように、第3ガス流量制御部243が調整される。これにより、次回のエピタキシャル成長時において形成されるエピタキシャル層のキャリア濃度は、第1層81のキャリア濃度よりも高くなり、ターゲットキャリア濃度に近づく。
反対に、第1層81のキャリア濃度がターゲットキャリア濃度よりも高い場合は、第1層81を形成する際に用いた第3ガスの流量は、必要とされる流量よりも多いことになる。そのため、第3ガスの流量が少なくなるように、第3ガス流量制御部243が調整される。これにより、次回のエピタキシャル成長時において形成されるエピタキシャル層のキャリア濃度は、第1層81のキャリア濃度よりも低くなり、ターゲットキャリア濃度に近づく。
次に、第2炭化珪素基板を準備する工程(S50)が実施される。図8は、第2炭化珪素基板11を準備する工程を示す断面模式図である。第2炭化珪素基板11は、第1炭化珪素基板70とは異なる基板である。第2炭化珪素基板11は、たとえば昇華法により形成された炭化珪素インゴット(図示せず)をスライスすることにより得られる。第2炭化珪素基板11は、たとえば窒素(N)などのn型不純物を含んでいる。第2炭化珪素基板11の導電型は、たとえばn型(第1導電型)である。この場合、キャリアは電子である。第2炭化珪素基板11のキャリア濃度は、たとえば1×1019-3以上1×1020cm-3以下である。第2炭化珪素基板11の厚みは、特に限定されないが、たとえば200μm以上500μm以下である。
図8に示されるように、第2炭化珪素基板11は、第4主面3と、第5主面1とを有している。第5主面1は、第4主面3の反対側に位置している。第2炭化珪素基板11を構成する炭化珪素のポリタイプは、たとえば4Hである。第2炭化珪素基板11の直径は、特に限定されないが、たとえば100mm(4インチ)以上である。第2炭化珪素基板11の直径は、125mm(5インチ)以上でもよいし、150mm(6インチ)以上でもよい。第2炭化珪素基板11の直径の上限は、特に限定されないが、たとえば200(8インチ)mm以下であってもよい。
第4主面3は、たとえば{0001}面または{0001}面に対して8°以下のオフ角で傾斜していてもよい。具体的には、第4主面3は、(0001)面または(0001)面に対して8°以下のオフ角で傾斜していてもよい。第2主面92は、(000-1)面または(000-1)面に対して8°以下のオフ角で傾斜していてもよい。
次に、第2炭化珪素基板上に第2炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程(S60)が実施される。まず、第2炭化珪素基板11がチャンバ201に配置される。第2炭化珪素基板11は、チャンバ201内において、サセプタ210上に載置される。次に、チャンバ201が、たとえば1600℃以上1700℃以下の温度まで昇温される。次に、たとえばシランとプロパンとアンモニアと水素とを含む混合ガスがチャンバ201に導入される。これにより、第2炭化珪素基板11上に第2炭化珪素エピタキシャル層20が形成される。
図9は、第2炭化珪素基板11上に第2炭化珪素エピタキシャル層20を形成する工程を示す断面模式図である。図9に示されるように、第2炭化珪素基板11上にバッファ層23が形成される。具体的には、シランとプロパンとアンモニアと水素とを含む混合ガスがチャンバ201に導入されることにより、第2炭化珪素基板11上にバッファ層23が形成される。バッファ層23を形成する工程において、シランガスの流量は、たとえば46sccmとなるように調整される。プロパンガスの流量は、たとえば14sccmとなるように調整される。水素ガスの流量は、たとえば120slmとなるように調整される。
アンモニアガスの流量は、たとえば0.7sccmである。上述の通り、アンモニアガス(第3ガス)の流量は、第1層81のキャリア濃度に基づいて決定されている。そのため、第1層81のキャリア濃度と比較して、バッファ層23のキャリア濃度は、ターゲートキャリア濃度に近づく。これにより、バッファ層23のキャリア濃度を精度良く制御することができる。
次に、バッファ層23上にドリフト層22が形成される。ドリフト層22を形成する工程において、シランガスの流量は、たとえば115sccmとなるように調整される。プロパンガスの流量は、たとえば37.5sccmとなるように調整される。水素ガスの流量は、たとえば120slmとなるように調整される。アンモニアガスの流量は、たとえば0.23sccmとなるように調整される。これにより、バッファ層23上にドリフト層22が形成される。
以上により、第2炭化珪素エピタキシャル基板102が製造される。図9に示されるように、第2炭化珪素エピタキシャル基板102は、第2炭化珪素基板11と、第2炭化珪素エピタキシャル層20と、第6主面2とを有している。第2炭化珪素エピタキシャル層20は、バッファ層23と、ドリフト層22とを有している。バッファ層23は、第2炭化珪素基板11上にある。ドリフト層22は、バッファ層23上にある。第6主面2は、ドリフト層22により構成されている。
(炭化珪素半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置400の製造方法について説明する。図10は、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置400の製造方法を概略的に示すフローチャートである。図10に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置400の製造方法は、第2炭化珪素エピタキシャル基板を準備する工程(S70)と、第2炭化珪素エピタキシャル基板を加工する工程(S80)とを主に有している。
まず、第2炭化珪素エピタキシャル基板を準備する工程(S70)が実施される。第2炭化珪素エピタキシャル基板を準備する工程(S70)においては、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を用いて第2炭化珪素エピタキシャル基板102が準備される(図9参照)。
次に、炭化珪素エピタキシャル基板を加工する工程(S80)が実施される。「加工」には、たとえば、イオン注入、熱処理、エッチング、酸化膜形成、電極形成、ダイシング等の各種加工が含まれる。すなわち炭化珪素エピタキシャル基板を加工する工程(S80)は、イオン注入、熱処理、エッチング、酸化膜形成、電極形成およびダイシングのうち、少なくともいずれかの加工を含むものであってもよい。具体的には、まず、炭化珪素エピタキシャル基板102に対してイオン注入が行われる。
図11は、ボディ領域を形成する工程を示す断面模式図である。具体的には、第2炭化珪素エピタキシャル層20の第6主面2に対して、たとえばアルミニウムなどのp型不純物がイオン注入される。これにより、p型の導電型を有するボディ領域13が形成される。第2炭化珪素エピタキシャル層20において、ボディ領域13が形成されなかった部分は、ドリフト領域21となる。ボディ領域13の厚みは、たとえば0.9μmである。
次に、ソース領域を形成する工程が実施される。図12は、ソース領域を形成する工程を示す断面模式図である。具体的には、ボディ領域13に対して、たとえばリンなどのn型不純物がイオン注入される。これにより、n型の導電型を有するソース領域14が形成される。ソース領域14の厚みは、たとえば0.4μmである。ソース領域14が含むn型不純物の濃度は、ボディ領域13が含むp型不純物の濃度よりも高い。
次に、ソース領域14に対して、たとえばアルミニウムなどのp型不純物がイオン注入されることにより、コンタクト領域18が形成される。コンタクト領域18は、ソース領域14およびボディ領域13を貫通し、ドリフト領域21に接するように形成される。コンタクト領域18が含むp型不純物の濃度は、ソース領域14が含むn型不純物の濃度よりも高い。
次に、イオン注入された不純物を活性化するため活性化アニールが実施される。活性化アニールの温度は、好ましくは1500℃以上1900℃以下であり、たとえば1700℃程度である。活性化アニールの時間は、たとえば30分程度である。活性化アニールの雰囲気は、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、たとえばアルゴン雰囲気である。
次に、第2炭化珪素エピタキシャル層20の第6主面2にトレンチを形成する工程が実施される。図13は、第2炭化珪素エピタキシャル層20の第6主面2にトレンチを形成する工程を示す断面模式図である。ソース領域14およびコンタクト領域18から構成される第6主面2上に、開口を有するマスク17が形成される。マスク17を用いて、ソース領域14と、ボディ領域13と、ドリフト領域21の一部とがエッチングにより除去される。エッチングの方法としては、たとえば反応性イオンエッチング、特に誘導結合プラズマ反応性イオンエッチングを用いることができる。具体的には、たとえば反応ガスとしてSF6またはSF6とO2との混合ガスを用いた誘導結合プラズマ反応性イオンエッチングを用いることができる。エッチングにより、第6主面2に凹部が形成される。
次に、凹部において熱エッチングが行われる。熱エッチングは、第6主面2上にマスク17が形成された状態で、たとえば、少なくとも1種類以上のハロゲン原子を有する反応性ガスを含む雰囲気中での加熱によって行い得る。少なくとも1種類以上のハロゲン原子は、塩素(Cl)原子およびフッ素(F)原子の少なくともいずれかを含む。当該雰囲気は、たとえば、Cl2、BCl3、SF6またはCF4を含む。たとえば、塩素ガスと酸素ガスとの混合ガスを反応ガスとして用い、熱処理温度を、たとえば700℃以上1000℃以下として、熱エッチングが行われる。なお、反応ガスは、上述した塩素ガスと酸素ガスとに加えて、キャリアガスを含んでいてもよい。キャリアガスとしては、たとえば窒素ガス、アルゴンガスまたはヘリウムガスなどを用いることができる。
図13に示されるように、熱エッチングにより、第6主面2にトレンチ56が形成される。トレンチ56は、側壁面53と、底壁面54とにより規定される。側壁面53は、ソース領域14と、ボディ領域13と、ドリフト領域21とにより構成される。底壁面54は、ドリフト領域21により構成される。次に、マスク17が第6主面2から除去される。
次に、ゲート絶縁膜を形成する工程が実施される。図14は、ゲート絶縁膜を形成する工程を示す断面模式図である。具体的には、第6主面2にトレンチ56が形成された炭化珪素エピタキシャル基板102が、酸素を含む雰囲気中において、たとえば1300℃以上1400℃以下の温度で加熱される。これにより、底壁面54においてドリフト領域21と接し、側壁面53においてドリフト領域21、ボディ領域13およびソース領域14の各々に接し、かつ第6主面2においてソース領域14およびコンタクト領域18の各々と接するゲート絶縁膜15が形成される。
次に、ゲート電極を形成する工程が実施される。図15は、ゲート電極および層間絶縁膜を形成する工程を示す断面模式図である。ゲート電極27は、トレンチ56の内部においてゲート絶縁膜15に接するように形成される。ゲート電極27は、トレンチ56の内部に配置され、ゲート絶縁膜15上においてトレンチ56の側壁面53および底壁面54の各々と対面するように形成される。ゲート電極27は、たとえばLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
次に、層間絶縁膜が形成される。層間絶縁膜26は、ゲート電極27を覆い、かつゲート絶縁膜15と接するように形成される。層間絶縁膜26は、たとえば化学気相成長法により形成される。層間絶縁膜26は、たとえば二酸化珪素を含む材料により構成される。次に、ソース領域14およびコンタクト領域18上に開口部が形成されるように、層間絶縁膜26およびゲート絶縁膜15の一部がエッチングされる。これにより、コンタクト領域18およびソース領域14がゲート絶縁膜15から露出する。
次に、ソース電極を形成する工程が実施される。ソース電極16は、ソース領域14およびコンタクト領域18の各々に接するように形成される。ソース電極16は、たとえばスパッタリング法により形成される。ソース電極16は、たとえばTi(チタン)、Al(アルミニウム)およびSi(シリコン)を含む材料からなる。
次に、合金化アニールが実施される。具体的には、ソース領域14およびコンタクト領域18の各々と接するソース電極16が、たとえば900℃以上1100℃以下の温度で5分程度保持される。これにより、ソース電極16の少なくとも一部がシリサイド化する。これにより、ソース領域14とオーミック接合するソース電極16が形成される。好ましくは、ソース電極16は、コンタクト領域18とオーミック接合する。
次に、ソース配線19が形成される。ソース配線19は、ソース電極16と電気的に接続される。ソース配線19は、ソース電極16および層間絶縁膜26を覆うように形成される。
次に、ドレイン電極を形成する工程が実施される。まず、第5主面1において、第2炭化珪素基板11が研磨される。これにより、第2炭化珪素基板11の厚みが薄くなる。次に、ドレイン電極24が形成される。ドレイン電極24は、第5主面1において第2炭化珪素基板11と接するように形成される。以上により、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置400が製造される。
図16は、本実施形態に係る炭化珪素半導体装置の構成を示す断面模式図である。炭化珪素半導体装置400は、たとえばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。炭化珪素半導体装置400は、炭化珪素エピタキシャル基板102と、ゲート電極27と、ゲート絶縁膜15と、ソース電極16と、ドレイン電極24と、ソース配線19と、層間絶縁膜26とを主に有している。炭化珪素エピタキシャル基板102は、ドリフト領域21と、ボディ領域13と、ソース領域14と、コンタクト領域18とを有している。炭化珪素半導体装置400は、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等であってもよい。
次に、本実施形態に係るキャリア濃度の測定方法、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法の作用効果について説明する。
炭化珪素エピタキシャル層のキャリア濃度は、CV測定装置を用いて測定することができる。しかしながら、高いキャリア濃度(たとえば5×1018cm-3以上)を有する炭化珪素エピタキシャル層にCV測定装置の第1電極6を配置した状態で炭化珪素エピタキシャル層に電圧を印加すると、第1電極6と炭化珪素エピタキシャル層とのショットキー接合においてリーク電流が発生する。そのため、炭化珪素エピタキシャル層において空乏層を安定的に形成することができない。従って、縦軸を静電容量の2乗の逆数とし横軸をバイアス電圧とした場合、CV特性が線形にならない。結果として、高いキャリア濃度を有する炭化珪素エピタキシャル層のキャリア濃度をCV測定装置で精度良く測定することができなかった。
発明者は、高いキャリア濃度を有する炭化珪素エピタキシャル層のキャリア濃度をCV測定装置で精度良く測定するための方策について鋭意検討を行った結果、以下の知見を得て、本実施形態に係るキャリア濃度の測定方法を見出した。
具体的には、まず、高いキャリア濃度を有する第1層81上に低いキャリア濃度を有する第2層82を形成する。次に、第2層82に第1電極6を配置した状態で炭化珪素エピタキシャル基板に電圧を印加し、炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量を測定する。これにより、低いキャリア濃度を有する第2層82において空乏層を形成した後に、さらにバイアス電圧を炭化珪素エピタキシャル基板に印加することで、高いキャリア濃度を有する第1層81に当該空乏層を延ばすことができる。結果として、第1層81において空乏層を安定して形成することができると考えられる。これにより、第1層81のキャリア濃度を精度良く測定可能であることを見出した。
本開示に係るキャリア濃度の測定方法によれば、第1炭化珪素エピタキシャル層80は、第1層81と、第1層81上に配置された第2層82とを含んでいる。第1層81のキャリア濃度は、第2層82のキャリア濃度よりも高い。第2層82に第1電極6を配置した状態で第1炭化珪素エピタキシャル基板101に電圧を印加し、第1炭化珪素エピタキシャル基板101の静電容量が測定される。電圧と静電容量とに基づいて、第1層81のキャリア濃度が算出される。第1層81のキャリア濃度は、1×1018/cm3以上である。これにより、第1層81のキャリア濃度を精度良く測定することができる。また電圧-静電容量法を用いることにより、SIMSを用いてキャリア濃度を測定する場合と比較して測定時間を短くすることができる。
また本開示に係るキャリア濃度の測定方法によれば、第2層82のキャリア濃度は、1×1016/cm3以下であってもよい。これにより、印加される電圧の絶対値が小さい段階において、第2層82において空乏層を安定的に形成することができる。そのため、印加される電圧の絶対値が大きくなった段階においても、第2層82から第1層81に安定的に空乏層を延ばすことができる。結果として、第1層81のキャリア濃度をさらに精度良く測定することができる。
さらに本開示に係るキャリア濃度の測定方法によれば、第2層82の厚みは、0.1μm以上であってもよい。これにより、印加される電圧の絶対値が小さい段階において、第2層82において空乏層を安定的に形成することができる。そのため、印加される電圧の絶対値が大きくなった段階においても、第2層82から第1層81に安定的に空乏層を延ばすことができる。結果として、第1層81のキャリア濃度をさらに精度良く測定することができる。
さらに本開示に係るキャリア濃度の測定方法によれば、電圧は、-10V以下であってもよい。これにより、第2層82から第1層81まで空乏層を十分に延ばすことができる。結果として、第1層81のキャリア濃度をさらに精度良く測定することができる。
さらに本開示に係るキャリア濃度の測定方法によれば、第1電極6の材質は、水銀であってもよい。第1電極6の材質に水銀を用いることによって、蒸着等を用いずに、キャリア濃度の測定を行うことができる。そのため、簡便にキャリア濃度の測定を行うことができる。
本開示に係る炭化珪素エピタキシャル基板102の製造方法によれば、上記に記載のキャリア濃度の測定方法によって算出された第1層81のキャリア濃度に基づいて、窒素源の流量が決定される。第2炭化珪素基板11上に第2炭化珪素エピタキシャル層20が形成される。第2炭化珪素基板11上に第2炭化珪素エピタキシャル層20を形成する工程において、決定された窒素源の流量が用いられる。これにより、第2炭化珪素エピタキシャル層20のキャリア濃度を精度良く制御することができる。そのため、炭化珪素エピタキシャル基板102の歩留まりを向上することができる。
本開示に係る炭化珪素半導体装置400の製造方法によれば、上記に記載の製造方法で製造された炭化珪素エピタキシャル基板102が準備される。炭化珪素エピタキシャル基板が加工される。これにより、炭化珪素半導体装置400の歩留まりを向上することができる。
(サンプル準備)
サンプル1から4に係る炭化珪素エピタキシャル基板を準備した。サンプル1から3に係る炭化珪素エピタキシャル基板は、実施例である。サンプル4に係る炭化珪素エピタキシャル基板は、実施例である。
図17は、サンプル4に係る炭化珪素エピタキシャル基板のキャリア濃度を測定する方法を示す断面模式図である。サンプル4に係る炭化珪素エピタキシャル基板は、炭化珪素基板70と、炭化珪素エピタキシャル層80とを有している。炭化珪素エピタキシャル層80は、単層である。SIMSで測定された炭化珪素エピタキシャル層80のキャリア濃度は、5×1018/cm3であった。図17に示されるように、炭化珪素エピタキシャル層の表面に第1電極6を配置した。炭化珪素基板70の裏面に第2電極8を配置した。
図1に示されるように、サンプル1から3に係る炭化珪素エピタキシャル基板は、炭化珪素基板70と、炭化珪素エピタキシャル層80とを有している。炭化珪素エピタキシャル層は、第1層81と、第2層82とを有している。サンプル1から3に係る炭化珪素エピタキシャル基板において、第1層81のキャリア濃度は、それぞれ5.3×1018/cm3、7.9×1018/cm3および2.4×1018/cm3とした。第2層82のキャリア濃度は、3×1015/cm3とした。第2層82の厚みは、1μmとした。図3に示されるように、第2層82の表面に第1電極6を配置した。炭化珪素基板70の裏面に第2電極8を配置した。
(評価方法)
Four Dimesions社製のC-V(静電容量-電圧)測定装置(型番:CVmap92A)を用いて炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量を測定した。炭化珪素エピタキシャル基板の表面に第1電極6を配置しかつ炭化珪素基板の裏面に第2電極8を配置した状態で、第1電極6と第2電極8との間にバイアス電圧を印加した。バイアス電圧を変化させながら、第1電極6と第2電極8との間の静電容量を測定した。第1電極6は、水銀により構成されている。第1電極6の測定径は、1.2mmとした。
(評価結果)
図18は、サンプル4に係る炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量とバイアス電圧との関係を示す図である。図18に示されるように、バイアス電圧が0Vから-0.5V付近までの領域においては、1/C2はバイアス電圧が低くなるに従って単調に増加する。しかしながら、バイアス電圧がさらに低くなると、1/C2は徐々に減少する。
サンプル1から3に係る炭化珪素エピタキシャル基板においては、キャリア濃度が高い炭化珪素エピタキシャル層と第1電極6との間のショットキー接合においてリーク電流が発生していると考えられる。そのため、1/C2はバイアス電圧に対して線形に変化しない。結果として、サンプル1から3に係る炭化珪素エピタキシャル基板においては、キャリア濃度を精度良く測定することができない。
一方、図4および図5に示されるように、サンプル1から3に係る炭化珪素エピタキシャル基板においては、バイアス電圧がたとえば-20Vよりも低い領域(第2領域112)において、1/C2はバイアス電圧に対して線形に変化する。そのため、サンプル2に係る炭化珪素エピタキシャル基板においては、キャリア濃度を精度良く測定することができる。
Figure 2023096663000002
表1は、CV測定で測定された第1層81のキャリア濃度と、SIMSで測定された第1層81のキャリア濃度との関係を示している。表1に示されるように、サンプル1から3に係る炭化珪素エピタキシャル基板においては、CV測定で測定された第1層81のキャリア濃度は、SIMSで測定された第1層81のキャリア濃度とほぼ一致していた。以上の結果より、実施例に係る炭化珪素エピタキシャル基板においては、キャリア濃度を精度良く測定可能であることが確かめられた。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第5主面
2 第6主面
3 第4主面
5 本体部
6 第1電極
8 第2電極
11 第2炭化珪素基板
13 ボディ領域
14 ソース領域
15 ゲート絶縁膜
16 ソース電極
17 マスク
18 コンタクト領域
19 ソース配線
20 第2炭化珪素エピタキシャル層
21 ドリフト領域
22 ドリフト層
23 バッファ層
24 ドレイン電極
26 層間絶縁膜
27 ゲート電極
53 側壁面
54 底壁面
56 トレンチ
70 第1炭化珪素基板(炭化珪素基板)
80 第1炭化珪素エピタキシャル層(炭化珪素エピタキシャル層)
81 第1層
82 第2層
91 第1主面
92 第2主面
93 第3主面
101 第1炭化珪素エピタキシャル基板(炭化珪素エピタキシャル基板)
102 第2炭化珪素エピタキシャル基板(炭化珪素エピタキシャル基板)
111 第1領域
112 第2領域
200 製造装置
201 チャンバ
203 発熱体
204 石英管
205 内壁面
206 ステージ
207 ガス導入口
208 ガス排気口
209 回転軸
210 サセプタ
231 第1ガス供給部
232 第2ガス供給部
233 第3ガス供給部
234 第4ガス供給部
235 ガス供給部
241 第1ガス流量制御部
242 第2ガス流量制御部
243 第3ガス流量制御部
244 第4ガス流量制御部
245 制御部
400 炭化珪素半導体装置
T1 第1厚み
T2 第2厚み
T3 第3厚み

Claims (9)

  1. 第1炭化珪素基板上に第1炭化珪素エピタキシャル層が設けられた第1炭化珪素エピタキシャル基板を準備する工程を備え、
    前記第1炭化珪素エピタキシャル層は、前記第1炭化珪素基板上に配置された第1層と、前記第1層上に配置された第2層とを含み、
    前記第1層のキャリア濃度は、前記第2層のキャリア濃度よりも高く、さらに、
    前記第2層に第1電極を配置した状態で前記第1炭化珪素エピタキシャル基板に電圧を印加し、前記第1炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量を測定する工程と、
    前記電圧と前記静電容量とに基づいて、前記第1層のキャリア濃度を算出する工程とを備え、
    前記第1層のキャリア濃度は、1×1018/cm3以上である、キャリア濃度の測定方法。
  2. 前記第2層のキャリア濃度は、1×1016/cm3以下である、請求項1に記載のキャリア濃度の測定方法。
  3. 前記第2層の厚みは、0.1μm以上である、請求項1または請求項2に記載のキャリア濃度の測定方法。
  4. 前記電圧は、-10V以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のキャリア濃度の測定方法。
  5. 前記第1電極の材質は、水銀である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のキャリア濃度の測定方法。
  6. 前記第1電極の材質は、チタン、ニッケル、アルミニウム、白金または金である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のキャリア濃度の測定方法。
  7. 前記第1炭化珪素エピタキシャル基板の静電容量を測定する工程においては、前記第1炭化珪素基板に第2電極を配置した状態で、前記第1電極と前記第2電極との間に前記電圧が印加される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のキャリア濃度の測定方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のキャリア濃度の測定方法によって算出された前記第1層のキャリア濃度に基づいて、窒素源の流量を決定する工程と、
    前記第1炭化珪素基板とは異なる第2炭化珪素基板を準備する工程と、
    前記第2炭化珪素基板上に第2炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程と、を備え、
    前記第2炭化珪素基板上に第2炭化珪素エピタキシャル層を形成する工程において、決定された前記窒素源の前記流量が用いられる、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法で製造された炭化珪素エピタキシャル基板を準備する工程と、
    前記炭化珪素エピタキシャル基板を加工する工程と、を備えた、炭化珪素半導体装置の製造方法。
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