JP2023094185A - 船外機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ギヤオイルのレベルまたは状態の確認とギヤオイルの交換とを容易かつ円滑に行うことができるようにする。【解決手段】船外機のロアケース5は、ギヤ機構31、41が収容され、かつギヤオイルが貯留されたオイル貯留空間Rを有している。また、船外機は、ギヤオイルのレベルまたは状態を確認するためのギヤオイルゲージ51を備え、ロアケース5には、ギヤオイルゲージ51を取り付けるためのゲージ取付孔61と、ギヤオイルゲージ51をゲージ取付孔61内に挿入するためのゲージ挿入部62が設けられている。また、ロアケース5には、オイル貯留空間R内からギヤオイルを排出し、またはオイル貯留空間R内へギヤオイルを供給するためのオイル給排通路70と、ポンプをオイル給排通路70に接続するためのポンプ接続部81とを備えている。また、ゲージ挿入部62とポンプ接続部81とはロアケース5の上部の右部に前後方向に並んで配置されている。【選択図】図2
Description
本発明は、ロアケース内に、ギヤ機構を収容し、かつギヤオイルを貯留した船外機に関する。
多くの船外機において、船外機の下部に設けられたロアケースの内部空間内には、ドライブシャフトの回転をプロペラシャフトに伝達するギヤ機構が収容されている。また、その内部空間内には、ギヤ機構を潤滑するギヤオイルが貯留されている。
また、船外機の中には、ロアケースの下部にドレンボルトが設けられ、ロアケースの内部空間内に貯留されたギヤオイルをドレンボルトの取付孔を介して船外機の外部に排出し、また、船外機の外部からドレンボルトの取付孔を介してロアケースの内部空間内にギヤオイルを注入するタイプのものがある。小型の船外機にはこのタイプのものが多い。一方、船外機の中には、ロアケースの内部空間内に貯留されたギヤオイルを船外機の外部に排出し、または船外機の外部から内部空間内にギヤオイルを供給するためのオイル給排通路が設けられ、このオイル給排通路にオイルポンプを接続してギヤオイルの吸引または注入を行うタイプのものがある。中型または大型の船外機にはこのタイプのものがある。下記の特許文献1、2には、後者のタイプの船外機が記載されている。
ところで、従来の船外機には、エンジンオイルのレベルを確認するためのゲージは設けられているものの、ギヤオイルのレベルまたは状態を確認するためのゲージは設けられていない。船外機に、ギヤオイルのレベル(貯留量)または状態(汚れ具体等)を確認するためのゲージを設けるようにすれば、ギヤオイルのレベルまたは状態を確認することが容易になる。これにより、利用者はギヤオイルの交換の要否を日常的に確認することが可能になるので、船外機の管理をきめ細かく行うことができ、ひいては航行の安全性を高めることができる。
また、利用者がゲージを用いてギヤオイルの状態を確認した結果、ギヤオイルの交換が必要であると判断したときに、ギヤオイルの状態の確認作業からギヤオイルの交換作業へ円滑に移行することができれば便利である。また、ギヤオイルを船外機に注入しながら、ゲージを用いてギヤオイルの注入量を確認することができれば便利である。このようなことを実現するためには、利用者が船外機の近くの一箇所の位置にとどまった状態で、または船外機の近くを僅かに移動するだけで、ゲージの抜き差し、オイルポンプの接続、オイルポンプの操作等をそれぞれ行うことができるようにすることが望ましい。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、ギヤオイルのレベルまたは状態の確認とギヤオイルの交換とを容易にかつ円滑に行うことができる船外機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、船舶を推進させる船外機であって、当該船外機の上部に配置された動力源と、当該船外機の下部に配置され、プロペラが取り付けられたプロペラシャフトと、前記動力源と前記プロペラシャフトとの間に設けられ、前記動力源の回転出力により回転するドライブシャフトと、当該船外機の下部に配置され、前記ドライブシャフトの回転を前記プロペラシャフトに伝達するギヤ機構と、当該船外機の下部に配置され、前記ギヤ機構が収容されかつ前記ギヤ機構を潤滑するギヤオイルが貯留された内部空間を有するロアケースと、前記内部空間内に貯留されたギヤオイルのレベルまたは状態を確認するためのギヤオイルゲージと、前記ロアケースに設けられ、前記ギヤオイルゲージをその一端側が前記内部空間内に貯留されたギヤオイルに浸かるように前記ロアケースに挿抜可能に取り付けるためのゲージ取付孔と、前記ギヤオイルゲージを前記ゲージ取付孔内に挿入するためのゲージ挿入部と、前記ロアケースに設けられ、前記内部空間内から当該船外機の外部へギヤオイルを排出し、または当該船外機の外部から前記内部空間内へギヤオイルを供給するためのオイル給排通路と、ギヤオイルの給排を行うポンプを前記オイル給排通路に接続するためのポンプ接続部とを備え、前記ゲージ挿入部と前記ポンプ接続部とは、前記ロアケースの上部の左右方向一側部分に前後方向に並んで設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ギヤオイルのレベルまたは状態の確認とギヤオイルの交換とを容易にかつ円滑に行うことができる。
本発明の実施形態の船外機は、当該船外機の上部に配置された動力源と、当該船外機の下部に配置され、プロペラが取り付けられたプロペラシャフトと、動力源とプロペラシャフトとの間に設けられ、動力源の回転出力により回転するドライブシャフトと、当該船外機の下部に配置され、ドライブシャフトの回転をプロペラシャフトに伝達するギヤ機構と、当該船外機の下部に配置され、ギヤ機構が収容されかつギヤ機構を潤滑するギヤオイルが貯留された内部空間を有するロアケースとを備えている。
また、本実施形態の船外機は、ロアケースの内部空間内に貯留されたギヤオイルのレベルまたは状態を確認するためのギヤオイルゲージと、ロアケースに設けられ、ギヤオイルゲージをその一端側が内部空間内に貯留されたギヤオイルに浸かるようにロアケースに挿抜可能に取り付けるためのゲージ取付孔と、ギヤオイルゲージをゲージ取付孔内に挿入するためのゲージ挿入部とを備えている。
さらに、本実施形態の船外機は、ロアケースに設けられ、内部空間内から当該船外機の外部へギヤオイルを排出し、または当該船外機の外部から内部空間内へギヤオイルを供給するためのオイル給排通路と、ギヤオイルの給排を行うオイルポンプをオイル給排通路に接続するためのポンプ接続部とを備えている。
また、本実施形態の船外機において、ゲージ挿入部とポンプ接続部とは、ロアケースの上部の左右方向一側部分に前後方向に並んで設けられている。
本実施形態の船外機はギヤオイルゲージを備えているので、利用者は、ギヤオイルゲージを用いることにより、ロアケースの内部空間内に貯留されたギヤオイルのレベルまたは状態を容易に確認することができる。例えば、利用者は、ギヤオイルゲージを用いて、ギヤオイルの交換の要否を日常的に確認することができ、船外機の管理をきめ細かく行うことができる。これにより、航行の安全性を高めることができる。
また、本実施形態の船外機において、ゲージ挿入部とポンプ接続部とは、ロアケースの上部の左右方向一側部分に前後方向に並んで設けられている。したがって、利用者は、船外機の左右方向一側の一箇所の位置にとどまった状態で、または船外機の左右方向一側を僅かに移動するだけで、オイルギヤゲージの抜き差し、オイルポンプの接続、オイルポンプの操作等をそれぞれ行うことができる。これにより、利用者がギヤオイルゲージを用いてギヤオイルの状態を確認した結果、ギヤオイルの交換が必要であると判断したときに、ギヤオイルの状態の確認作業からギヤオイルの交換作業へ円滑に移行することができる。また、利用者は、ギヤオイルを船外機に注入しながら、ギヤオイルゲージを用いてギヤオイルの注入量を確認することができる。このように、本実施形態の船外機によれば、ギヤオイルのレベルまたは状態の確認とギヤオイルの交換とを容易にかつ円滑に行うことができる。
本発明の船外機の実施例について説明する。実施例において、上(Ud)、下(Dd)、前(Fd)、後(Bd)、左(Ld)、右(Rd)の方向を述べる際には、図1~図6、図8の右下に描いた矢印に従う。
(船外機)
図1は本発明の実施例の船外機1の全体を右方から見た状態を示している。図2は船外機1の下部を右方から見た状態を示している。図3は船外機1の下部を上方から見た状態を示している。図4は、図3中の切断線IV-IVに沿って切断した船外機1の下部の断面を左方(図3中における上方)から見た状態を示している。
図1は本発明の実施例の船外機1の全体を右方から見た状態を示している。図2は船外機1の下部を右方から見た状態を示している。図3は船外機1の下部を上方から見た状態を示している。図4は、図3中の切断線IV-IVに沿って切断した船外機1の下部の断面を左方(図3中における上方)から見た状態を示している。
船外機1は船舶を推進させる装置である。本実施例の船外機1は、図1に示すように、二重反転プロペラ方式を採用している。船外機1は、動力源としてのエンジン21と、外側プロペラシャフト22と、外側プロペラシャフト22に取り付けられた前側プロペラ23と、外側プロペラシャフト22の内側に設けられた内側プロペラシャフト24と、内側プロペラシャフト24に取り付けられた後側プロペラ25と、エンジン21の回転出力により回転するドライブシャフト26と、ドライブシャフト26の回転を各プロペラシャフト22、24に伝達する上側ギヤ機構31および下側ギヤ機構41とを備えている。なお、外側プロペラシャフト22および内側プロペラシャフト24は「プロペラシャフト」の具体例であり、前側プロペラ23および後側プロペラ25は「プロペラ」の具体例である。また、上側ギヤ機構31および下側ギヤ機構41は「ギヤ機構」の具体例である。
エンジン21は船外機1の上部に配置され、各プロペラシャフト22、24は船外機1の下部に配置されている。ドライブシャフト26は、エンジン21から船外機1の下部に向かって上下方向に伸長している。ドライブシャフト26は、上側シャフト部27、中間シャフト部28、および下側シャフト部29に分割されている。上側シャフト部27の上端部はエンジン21に接続されている。中間シャフト部28と下側シャフト部29とは連結部材30により連結されている。上側ギヤ機構31は上側シャフト部27と中間シャフト部28との間に設けられている。下側ギヤ機構41は船外機1の下部に配置されている。
エンジン21はボトムカウル2およびトップカウル3により覆われている。また、上側シャフト部27はアッパーケース4に覆われている。また、上側ギヤ機構31、中間シャフト部28、連結部材30、下側シャフト部29、下側ギヤ機構41、および各プロペラシャフト22、24の前側部分はロアケース5に覆われている。ロアケース5はアッパーケース4の下方に位置し、アッパーケース4に装着され、接続されている。
ロアケース5は、図2~図4に示すように、上部が開口した大略箱状に形成されたロアケース本体6と、ロアケース本体6の上部を覆う蓋部材7とを有している。蓋部材7には、図4に示すように、ドライブシャフト挿入穴8が形成されている。ロアケース5内の前上部には上側ギヤ室9が設けられている。ドライブシャフト挿入穴8は上側ギヤ室9と連通している。また、ロアケース5の前下部には下側ギヤ室10が設けられている。また、ロアケース5内において上側ギヤ室9と下側ギヤ室10との間には、両室間を接続する接続穴11が設けられている。また、ロアケース5内において、上側ギヤ室9、下側ギヤ室10および接続穴11の前方には、給排通路配置穴12が設けられている。
ドライブシャフト挿入穴8内にはドライブシャフト26の上側シャフト部27が挿入されている。上側シャフト部27とドライブシャフト挿入穴8との間はシールされている。上側ギヤ室9内には上側ギヤ機構31が収容されている。接続穴11内にはドライブシャフト26の中間シャフト部28、下側シャフト部29および連結部材30が配置されている。下側ギヤ室10内には下側ギヤ機構41が収容されている。また、給排通路配置穴12内には、後述するオイル給排通路70の一部である第2の給排管72および第3の給排管73が配置されている。また、上側ギヤ室9内、接続穴11内、下側ギヤ室10内、および給排通路配置穴12内には、上側ギヤ機構31および下側ギヤ機構41が有する複数のギヤおよび複数のベアリング等を潤滑するギヤオイルが貯留されている。以下、ロアケース5内において、ギヤオイルを貯留する空間、すなわち、上側ギヤ室9、接続穴11、下側ギヤ室10および給排通路配置穴12を「オイル貯留空間R」という。なお、オイル貯留空間Rは「内部空間」の具体例である。
また、ロアケース5内において下側ギヤ室10の後方には、プロペラシャフト配置穴14が形成されている。プロペラシャフト配置穴14内には、プロペラシャフト22、24の前部が配置されている。また、ロアケース5内において、給排通路配置穴12の前方にはメイン取水路15が設けられている。また、ロアケース5内において、上側ギヤ室9および接続穴11の後方にはサブ取水路16が設けられている。メイン取水路15およびサブ取水路16は、メイン取水口17およびサブ取水口18から取り込まれた海水または湖水等の水を流通させる通路である。この水はエンジン21等を冷却する冷却水として用いられる。また、ロアケース5内において、サブ取水路16の後方には排気通路19が設けられている。排気通路19は、エンジン21から排出された排気ガスを船外機1の外部へ排出するための通路である。プロペラシャフト配置穴14、メイン取水路15、サブ取水路16および排気通路19のそれぞれとオイル貯留空間Rとの間は、オイル貯留空間R内のギヤオイルがプロペラシャフト配置穴14、メイン取水路15、サブ取水路16および排気通路19のいずれにも漏洩しないように、隔壁により隔絶され、またはシール部材によりシールされている。
ロアケース5の上側ギヤ室9内に収容された上側ギヤ機構31は、上側シャフト部27に対する中間シャフト部28の回転方向を切り替えることにより、各プロペラシャフト22、24の回転方向を切り替える機構である。上側ギヤ機構31は、リバース駆動ギヤ32、リバース中間ギヤ33、リバース出力ギヤ34、およびクラッチ35を有している。
リバース駆動ギヤ32、リバース中間ギヤ33およびリバース出力ギヤ34はそれぞれベベルギヤであり、ロアケース5にベアリングを介して回転可能に支持されている。リバース駆動ギヤ32は上側シャフト部27の下端部に結合され、上側シャフト部27と一体に回転する。リバース中間ギヤ33は、上側シャフト部27の軸線と直交する軸線を中心として回転する。リバース出力ギヤ34は、上側シャフト部27の軸線と同一の軸線を中心として回転する。リバース駆動ギヤ32はリバース中間ギヤ33と噛合し、リバース中間ギヤ33はリバース出力ギヤ34と噛合している。上側シャフト部27はエンジン21の回転出力により正方向に回転する。したがって、リバース駆動ギヤ32も正方向に回転する。リバース駆動ギヤ32の回転がリバース中間ギヤ33を介してリバース出力ギヤ34に伝達されることにより、リバース出力ギヤ34はリバース駆動ギヤ32の正方向の回転に対して逆方向に回転する。
クラッチ35は、ドッグクラッチであり、リバース駆動ギヤ32とリバース出力ギヤ34との間に配置されている。クラッチ35は、リバース出力ギヤ34の貫通穴36を通ってリバース駆動ギヤ32とリバース出力ギヤ34との間に進入した中間シャフト部28の上端側部分に、中間シャフト部28に対して周方向には移動不能であるが、軸方向には移動可能となるように結合されている。これにより、クラッチ35と中間シャフト部28とは一体に回転するが、クラッチ35は中間シャフト部28に対して上下方向に移動することができる。また、中間シャフト部28の下端側は、リバース出力ギヤ34の中心部に設けられた貫通穴36を貫通し、リバース出力ギヤ34の下方に伸長している。中間シャフト部28は貫通穴36に接触しておらず、リバース出力ギヤ34とは独立して回転することができる。
クラッチ35は、図示しないアクチュエータの作動により上下方向に移動する。クラッチ35が上方に移動したとき、クラッチ35の上端面に形成されたクラッチ爪が、リバース駆動ギヤ32の下端面に形成されたクラッチ爪と係合する。これにより、リバース駆動ギヤ32の正方向の回転が直接的に中間シャフト部28に伝達され、中間シャフト部28が正方向に回転する。一方、クラッチ35が下方に移動したときには、クラッチ35の下端面に形成されたクラッチ爪が、リバース出力ギヤ34の上端面に形成されたクラッチ爪と係合する。これにより、リバース出力ギヤ34の逆方向の回転が中間シャフト部28に伝達され、中間シャフト部28が逆方向に回転する。
中間シャフト部28および下側シャフト部29は上側シャフト部27と同軸に配置されている。中間シャフト部28と下側シャフト部29とは、連結部材30により連結され、一体に回転する。また、このように一体化した中間シャフト部28および下側シャフト部29はロアケース5内の接続穴11にベアリングを介して回転可能に支持されている。
ロアケース5の下側ギヤ室10内に収容された下側ギヤ機構41は、下側シャフト部29の下端部と各プロペラシャフト22、24の前端部とを接続する機構である。下側ギヤ機構41は、メイン駆動ギヤ42、前側被動ギヤ43および後側被動ギヤ44を備えている。メイン駆動ギヤ42、前側被動ギヤ43および後側被動ギヤ44はそれぞれベベルギヤである。メイン駆動ギヤ42は、下側シャフト部29の下端部に結合され、下側シャフト部29と一体に回転する。前側被動ギヤ43および後側被動ギヤ44はメイン駆動ギヤ42の前側および後側にそれぞれ配置され、メイン駆動ギヤ42とそれぞれ噛合している。また、前側被動ギヤ43および後側被動ギヤ44のそれぞれは、ベアリングを介してロアケース本体6に回転可能に支持されている。また、前側被動ギヤ43は内側プロペラシャフト24の前端部に結合されており、これにより、前側被動ギヤ43と内側プロペラシャフト24とは一体に回転する。また、後側被動ギヤ44は外側プロペラシャフト22の前端部に結合されており、これにより、後側被動ギヤ44と外側プロペラシャフト22とは一体に回転する。
下側シャフト部29と一体にメイン駆動ギヤ42が回転したとき、その回転は、前側被動ギヤ43および後側被動ギヤ44にそれぞれ伝達される。その結果、内側プロペラシャフト24および外側プロペラシャフト22がそれぞれ回転する。このときの内側プロペラシャフト24および外側プロペラシャフト22の回転方向は互いに反対の方向となる。内側プロペラシャフト24および外側プロペラシャフト22の回転に伴い、後側プロペラ25および前側プロペラ23がそれぞれ回転する。また、クラッチ35により、上側シャフト部27の正方向の回転が中間シャフト部28、下側シャフト部29および下側ギヤ機構41等を介して各プロペラシャフト22、24に伝達されたときには、プロペラ23、25により船舶を前進させる推進力が生成される。また、クラッチ35により、リバース出力ギヤ34の逆方向の回転が中間シャフト部28、下側シャフト部29および下側ギヤ機構41等を介して各プロペラシャフト22、24に伝達されたときには、プロペラ23、25により船舶を後進させる推進力が生成される。
さらに、船外機1は冷却水ポンプ45を備えている。冷却水ポンプ45は、エンジン21等を冷却するために、海水または湖水等の水をメイン取水路15およびサブ取水路16を介して吸水し、吸水した水を冷却水としてエンジン21等に供給する装置である。冷却水ポンプ45は、図4に示すように、上側シャフト部27の外周側に配置され、上側シャフト部27の回転により駆動される。また、冷却水ポンプ45はロアケース5の蓋部材7に取り付けられている。
また、図2に示すように、ロアケース本体6の後上部には、プロペラ23、25への空気の引き込みを抑制するアンチキャビテーションプレート46が設けられている。また、図1に示すように、船外機1において、アッパーケース4の前方には、船外機1を船舶のトランサムに取り付けるクランプブラケット47が設けられている。また、図示を省略しているが、船外機1には、クランプブラケット47に対して、船外機1を前後方向に傾斜(チルト・トリム)させることができるチルト・トリム装置を備えている。チルト・トリム装置には、船外機1の傾斜角度(チルト・トリム角)を変化させるための油圧式または電動式のアクチュエータが設けられている。
(ギヤオイルゲージ)
図5は図3中の切断線V-Vに沿って切断した船外機1の下部の断面を後方(図3中における左方)から見た状態を示している。図6は図2中の切断線VI-VIに沿って切断した船外機1の下部の断面を上方から見た状態を示している。図7はギヤオイルゲージ51を示している。
図5は図3中の切断線V-Vに沿って切断した船外機1の下部の断面を後方(図3中における左方)から見た状態を示している。図6は図2中の切断線VI-VIに沿って切断した船外機1の下部の断面を上方から見た状態を示している。図7はギヤオイルゲージ51を示している。
船外機1は、図5に示すように、ギヤオイルゲージ51、ゲージ取付孔61、およびゲージ挿入部62を有している。ギヤオイルゲージ51は、オイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルのレベル(貯留量)または状態(汚れ具合等)を確認するための器具である。ゲージ取付孔61は、ギヤオイルゲージ51をロアケース5に挿抜可能に取り付けるための孔である。ゲージ挿入部62は、ギヤオイルゲージ51をゲージ取付孔61内に挿入するための部分である。
ギヤオイルゲージ51は、図7に示すように、ゲージ本体52、プラグ53、マグネット56、およびマーク57を備えている。ゲージ本体52は、例えば金属材料により細長い棒状に形成されている。また、ゲージ本体52は、弾性変形することができる。具体的には、ギヤオイルゲージ51をゲージ取付孔61内に取り付けたときには、ギヤオイルゲージ51は図5に示すように曲がり、ギヤオイルゲージ51をゲージ取付孔61から取り外したときには、ギヤオイルゲージ51は図7に示すように直線状になる。ゲージ本体52は、例えば、弾性を有する金属製のワイヤである。また、ゲージ本体52の長さは、オイル貯留空間R内にギヤオイルが適正量貯留されている状態においてギヤオイルゲージ51をゲージ取付孔61内に取り付けたときに、ゲージ本体52の下端側部分が、オイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルに浸かるように所定の長さに設定されている。
プラグ53は、ギヤオイルゲージ51をゲージ挿入部62に止める機能、およびゲージ挿入部62に設けられたゲージ挿入孔63を塞ぐ機能を有する部材である。プラグ53は例えば樹脂またはゴム等により形成されている。プラグ53はゲージ本体52の上端部に固定されている。また、プラグ53の上部には摘まみ54が設けられている。また、プラグ53の外周部には、ゴム等により形成されたOリング55が設けられている。
マグネット56は、オイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイル内の鉄粉を付着させるための磁石である。ギヤ機構31、41等の異常によりギヤオイル内に鉄粉が拡散することがある。その場合、それら鉄粉はマグネット56に付着する。鉄粉の付着具合により、ギヤ機構31、41等に異常が発生していることを知ることができる。マグネット56は、ゲージ本体52の下端部に設けられている。オイル貯留空間R内にギヤオイルが適正量貯留されている状態においてギヤオイルゲージ51をゲージ取付孔61内に取り付けたとき、マグネット56はオイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルに浸かる。
マーク57は、オイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルのレベルを測る目盛りとして機能する印である。マーク57は例えば金属または樹脂等により球状に形成されている。例えばマーク57には穴が設けられ、ゲージ本体52はその穴を貫通している。また、マーク57はゲージ本体52に固定されている。本実施例においては、2個のマーク57がゲージ本体52に設けられている。各マーク57は、ゲージ本体52において、プラグ53とマグネット56との間における所定の位置に配置されている。ゲージ本体52の下端と下側のマーク57との距離D1、およびゲージ本体52の下端と上側のマーク57との距離D2はそれぞれ所定の値に設定されている。
ゲージ取付孔61は、図3に示すように、ロアケース本体6の上部の右部(左右方向一側部分)に設けられている。また、ゲージ取付孔61は、図2に示すように、ロアケース本体6の前後方向中間部、具体的には、船外機1の側方視においてドライブシャフト26の後方に設けられている。ゲージ取付孔61は、図5に示すように、細長い孔であり、ギヤオイルゲージ51のゲージ本体52、マグネット56およびマーク57を通すことができる直径を有している。ゲージ取付孔61は、上下方向に伸長し、ゲージ取付孔61の下端がゲージ取付孔61の上端よりも左に位置するように左右方向に傾斜している。また、ゲージ取付孔61の上端はロアケース本体6の上面に開口している。また、ゲージ取付孔61の下端は、ロアケース本体6においてオイル貯留空間Rに臨む内面に開口しており、オイル貯留空間R内と連通している。
ゲージ挿入部62は、ギヤオイルゲージ51をゲージ取付孔61内に案内すると共に、ギヤオイルゲージ51をゲージ取付孔61内に止める台座としての機能を有している。ゲージ挿入部62は、ゲージ取付孔61と同様に、ロアケース本体6の上部の右部の前後方向中間部(ドライブシャフト26の後方)に設けられている。ゲージ挿入部62は、ロアケース5の蓋部材7に設けられ、蓋部材7から上方に突出している。ゲージ挿入部62は、例えば上下方向に伸長した軸線を有する円柱状に形成され、ゲージ挿入部62の中央にはゲージ挿入孔63が形成されている。ゲージ挿入孔63は、ゲージ挿入部62および蓋部材7を上下方向に貫通している。ゲージ挿入部62は、ゲージ取付孔61の上端の上方に配置され、ゲージ挿入孔63はゲージ取付孔61と連通している。また、ゲージ挿入孔63の直径は、例えばゲージ取付孔61の直径以上に設定されている。また、ゲージ挿入孔63の直径は、ゲージ挿入孔63にギヤオイルゲージ51のプラグ53が装着されるように設定されている。
図5に示すように、ギヤオイルゲージ51は、ゲージ本体52がその下端からゲージ挿入孔63内およびゲージ取付孔61内に順次挿入されることにより、ゲージ取付孔61に取り付けられる。また、ギヤオイルゲージ51は、ゲージ本体52が曲がった状態でゲージ取付孔61に取り付けられる。また、ギヤオイルゲージ51は、プラグ53がゲージ挿入孔63内に上方から装着されることにより、ゲージ挿入部62に止められる。すなわち、プラグ53がゲージ挿入孔63内に装着されたとき、Oリング55がプラグ53とゲージ挿入孔63の内面との間に押圧されてゲージ挿入孔63の内面に強く接触する。これにより、プラグ53がゲージ挿入孔63内に抜け止めされ、ギヤオイルゲージ51がゲージ挿入部62に止められる。また、Oリング55がゲージ挿入孔63の内面に接触することにより、プラグ53とゲージ挿入孔63との間がシールされる。また、ギヤオイルゲージ51がこのようにゲージ取付孔61に取り付けられたとき、ゲージ本体52の下端側部分およびマグネット56が、ゲージ取付孔61の下端から出て、オイル貯留空間R内に入る。そして、オイル貯留空間R内にギヤオイルが適正量貯留されている場合には、ゲージ本体52の下端側部分およびマグネット56がオイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルに浸かる。また、ゲージ本体52の下端側部分およびマグネット56は、図6に示すように、オイル貯留空間Rのうち上側ギヤ室9の右後方に位置において、ギヤオイルに浸かる。
図5中のL1は、オイル貯留空間R内にギヤオイルが適正量貯留されている状態であって、水平に対する船外機1の傾斜角度が0度であるときのギヤオイルのレベル(オイル面の位置)を示している。このときのギヤオイルのレベルL1は、ゲージ取付孔61に取り付けられたギヤオイルゲージ51において例えば2個のマーク57の間の位置となる。また、図5中のL2は、オイル貯留空間R内にギヤオイルが適正量貯留されている状態であって、水平に対する船外機1の傾斜角度が、ギヤオイルの吸引または注入を行うときの所定の傾斜角度であるときのギヤオイルのレベルを示している。このときのギヤオイルのレベルL2は、ゲージ取付孔61に取り付けられたギヤオイルゲージ51において例えば下側のマーク57とマグネット56との間の位置となる。
利用者は、ギヤオイルゲージ51のプラグ53に設けられた摘まみ54を摘まんで引っ張ることにより、ギヤオイルゲージ51をゲージ取付孔61およびゲージ挿入部62から引き抜くことができる。その後、利用者は、ゲージ本体52の下端側部分に付着したギヤオイルを見ることにより、オイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルのレベルおよび状態を知ることができる。また、利用者は、マグネット56に付着した鉄粉の付着具合を見ることにより、ギヤ機構31、41等に異常が発生していないかどうかを確認することができる。
(オイル給排通路)
船外機1は、図2~図4に示すように、オイル給排通路70およびポンプ接続部81を有している。オイル給排通路70は、オイル貯留空間R内から船外機1の外部へギヤオイルを排出し、または船外機1の外部からオイル貯留空間R内へギヤオイルを供給するための通路である。ポンプ接続部81は、ギヤオイルの給排を行うオイルポンプをオイル給排通路70に接続するための部分である。
船外機1は、図2~図4に示すように、オイル給排通路70およびポンプ接続部81を有している。オイル給排通路70は、オイル貯留空間R内から船外機1の外部へギヤオイルを排出し、または船外機1の外部からオイル貯留空間R内へギヤオイルを供給するための通路である。ポンプ接続部81は、ギヤオイルの給排を行うオイルポンプをオイル給排通路70に接続するための部分である。
ポンプ接続部81は、図3に示すように、ロアケース5の上部の右部に設けられている。また、ポンプ接続部81は、図2に示すように、ロアケース5の前後方向中間部、具体的には、船外機1の側方視においてドライブシャフト26の後方に設けられている。また、ポンプ接続部81はゲージ挿入部62の前方に設けられている。すなわち、ゲージ挿入部62とポンプ接続部81とは、ロアケース5の上部の右部において前後方向に並び、かつ互いに隣り合うように設けられている。
図8はロアケース5においてポンプ接続部81が設けられた部分を示している。図8に示すように、ポンプ接続部81は、ロアケース5の蓋部材7に設けられ、蓋部材7から上方に突出している。また、ポンプ接続部81にはオイル給排孔82が形成されている。オイル給排孔82の一端はポンプ接続部81の上面に開口し、オイル給排孔82の他端はポンプ接続部81の前面に開口している。また、オイル給排孔82はその上方からプラグ83が装着されることにより塞がれる。プラグ83は例えば樹脂またはゴム等により形成され、プラグ83の上部には摘まみ84が設けられている。また、プラグ83の外周部には、ゴム等により形成されたOリング85が設けられている。
オイル給排通路70は、図2~図4に示すように、第1の給排管71、第2の給排管72、および第3の給排管73を有している。第1の給排管71は、図2および図3に示すように、ロアケース5の蓋部材7の右前部の上方に配置されている。第1の給排管71は例えば可撓性を有するホースもしくはチューブ、または図2および図3に示すように湾曲したパイプにより形成されている。第1の給排管71は略前後方向に伸長し、第1の給排管71の後端部はポンプ接続部81の前面に開口したオイル給排孔82の前端に接続されている。また、第1の給排管71の前端部はロアケース5の蓋部材7の前端部の右部に形成された給排通路導入孔87内に配置された第2の給排管72の上端部に接続されている。給排通路導入孔87はオイル給排通路70をロアケース5内に導く孔であり、蓋部材7を上下方向に貫通している。
第2の給排管72は、図4に示すように、ロアケース5の給排通路配置穴12内の上部に配置されている。第2の給排管72は例えば可撓性を有するホースもしくはチューブ、または図4に示すように湾曲したパイプにより形成され、上下方向に伸長している。第2の給排管72の上端部は、上述したように、給排通路導入孔87内に配置され、第1の給排管71の前端部に接続されている。第2の給排管72の上端部と給排通路導入孔87との間はシールされている。
第3の給排管73は、ロアケース5内において、給排通路配置穴12内の下部に配置されている。第3の給排管73は、例えば金属製または樹脂製のパイプにより形成され、上下方向に直線状に伸長している。
第3の給排管73の上下方向中間部は、ロアケース5内に設けられた給排管支持部材76により給排通路配置穴12の壁部に支持されている。また、第3の給排管73の下端部は、ロアケース本体6において給排通路配置穴12の底部に設けられた支持穴77に挿入され、支持されている。
第3の給排管73の上端部は第2の給排管72の下端部に連結チューブ75を介して接続されている。また、第3の給排管73の下端部において支持穴77から出た部分の周壁部にはオイル入出口74が設けられている。オイル入出口74が設けられた第3の給排管73の下端部は、オイル貯留空間Rの前下角部に位置している。オイル貯留空間R内からギヤオイルを吸引して船外機1の外部に排出するとき、または船外機1の外部からオイル貯留空間R内にギヤオイルを注入するとき、船外機1に設けられたチルト・トリム装置を作動させて、船外機1を所定の傾斜角度(例えば水平に対して4度~15度程度)前傾させる。船外機1を所定の傾斜角度前傾させたとき、オイル貯留空間Rの前下角部は、オイル貯留空間Rにおける最下位置となる。
利用者は、船外機1を上記所定の傾斜角度前傾させた後、ポンプ接続部81にオイルポンプを接続することにより、オイル貯留空間Rに貯留されたギヤオイルをオイルポンプにより吸引して、船外機1の外部に排出することができる。このとき、オイル貯留空間Rに貯留されたギヤオイルは、第3の給排管73のオイル入出口74から第3の給排管73内に流入し、続いて、第3の給排管73内、第2の給排管72内、第1の給排管71内、およびオイル給排孔82内を順次流通して、船外機1の外部に出る。また、利用者は、オイル貯留空間R内のギヤオイルを排出した後、船外機1を前傾させた状態で、ポンプ接続部81にオイルポンプを接続することにより、オイルポンプを用いて船外機1の外部からオイル貯留空間R内に新しいギヤオイルを注入することができる。このとき、オイルポンプからオイル給排孔82内に吐出されたギヤオイルは、オイル給排孔82内、第1の給排管71内、第2の給排管72内、および第3の給排管73内を順次流通し、オイル入出口74からオイル貯留空間R内に流入する。
また、図2に示すように、ロアケース5の右面の上部であって、ポンプ接続部81の近傍(本実施例においてはゲージ挿入部62の下側)には、オイル貯留空間Rに連通した小孔が設けられ、その小孔にはボルト88が当該小孔を塞ぐように取り付けられている。オイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルを吸引するときには上記小孔を介してオイル貯留空間R内に空気を入れるために、またはオイル貯留空間R内にギヤオイルを注入するときには上記小孔を介してオイル貯留空間R内から空気を放出するために、ボルト88を取り外す。
(ゲージ挿入部およびポンプ接続部の配置)
図9はギヤオイル確認交換部91を示している。ギヤオイル確認交換部91は、船外機1において、利用者がオイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルのレベルもしくは状態を確認するとき、またはオイル貯留空間R内のギヤオイルを交換するときにアクセスする部分である。ギヤオイル確認交換部91は、図1に示すように、アッパーケース4の下部の右部の前後方向中間部に設けられている。ギヤオイル確認交換部91は、図9に示すように、アッパーケース4の下部の右部の前後方向中間部の外壁面を左方(左右方向内側)に凹ませることにより形成された凹部である。
図9はギヤオイル確認交換部91を示している。ギヤオイル確認交換部91は、船外機1において、利用者がオイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルのレベルもしくは状態を確認するとき、またはオイル貯留空間R内のギヤオイルを交換するときにアクセスする部分である。ギヤオイル確認交換部91は、図1に示すように、アッパーケース4の下部の右部の前後方向中間部に設けられている。ギヤオイル確認交換部91は、図9に示すように、アッパーケース4の下部の右部の前後方向中間部の外壁面を左方(左右方向内側)に凹ませることにより形成された凹部である。
ギヤオイル確認交換部91内には、ゲージ挿入部62とポンプ接続部81とが前後方向に並び、かつ互いに隣り合うように配置されている。詳しくは、ギヤオイル確認交換部91の下壁には、2個の挿通孔92が前後方向に並んで配置されており、ロアケース5の蓋部材7に設けられたゲージ挿入部62およびポンプ接続部81のそれぞれの上端側部分がこれら2つの挿通孔92を通ってギヤオイル確認交換部91内に突出している。また、ゲージ挿入部62のゲージ挿入孔63に装着されたギヤオイルゲージ51のプラグ53と、ポンプ接続部81のオイル給排孔82に装着されたプラグ83とがギヤオイル確認交換部91内に位置している。
利用者は、オイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルのレベルまたは状態を確認するときには、ギヤオイル確認交換部91にアクセスし、ギヤオイル確認交換部91内のプラグ53の摘まみ54を摘まんで、ギヤオイルゲージ51をゲージ挿入部62から引き抜き、ギヤオイルのレベルまたは状態を確認することができる。また、利用者は、オイル貯留空間R内のギヤオイルを交換するときには、ギヤオイル確認交換部91にアクセスし、ギヤオイル確認交換部91内のプラグ83の摘まみ84を摘まんで、プラグ83をポンプ接続部81から取り外し、ポンプ接続部81にオイルポンプを接続することができる。
以上説明した通り、本発明の実施例の船外機1はギヤオイルゲージ51を備えている。したがって、利用者は、ギヤオイルゲージ51を用いることにより、オイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルのレベルまたは状態を容易に確認することができる。例えば、利用者は、ギヤオイルゲージ51を用いて、ギヤオイルの交換の要否を日常的に確認することができ、船外機1の管理をきめ細かく行うことができる。これにより、航行の安全性を高めることができる。
また、本実施例の船外機1において、ゲージ挿入部62とポンプ接続部81とは、ロアケース5の上部の右部において前後方向に並んで設けられている。したがって、利用者は、船外機1の右側の一箇所の位置にとどまった状態で、または船外機1の右側を僅かに移動するだけで、ギヤオイルゲージ51の抜き差し、オイルポンプの接続、オイルポンプの操作等をそれぞれ行うことができる。例えば、利用者は、ギヤオイルゲージ51をゲージ挿入部62から引き抜き、ギヤオイルゲージ51に付着したギヤオイルを見て、オイル貯留空間R内に貯留されたギヤオイルの状態を確認する作業を行い、その結果、ギヤオイルの交換が必要であると判断したときには、続いて、利用者は、ポンプ接続部81にオイルポンプを接続し、オイルポンプを操作してオイル貯留空間R内のオイルを吸引し、船外機1外に排出する作業を行う。本実施例の船外機1によれば、これらの作業を、船外機1の右側の一箇所から順次行うことができる。また、オイル貯留空間R内のオイルを船外機1外に排出し終えた後、利用者は、ポンプ接続部81にオイルポンプを接続し、オイルポンプを用いて新しいギヤオイルをオイル貯留空間R内に注入する。本実施例の船外機1によれば、利用者は、船外機1の右側の一箇所にとどまったまま、ギヤオイルを注入しながら、ギヤオイルゲージ51を用いてギヤオイルの注入量を確認することができる。このように、本実施例の船外機1によれば、ギヤオイルの状態の確認とギヤオイルの交換とを容易にかつ円滑に行うことができる。
また、本実施例の船外機1によれば、ゲージ挿入部62とポンプ接続部81とが前後方向に互いに隣り合うように設けられているので、ギヤオイルの状態の確認とギヤオイルの交換とを一層円滑に行うことができる。
また、本実施例の船外機1においては、ゲージ挿入部62およびポンプ接続部81が、アッパーケース4の下部の右部の前後方向中間部に設けられたギヤオイル確認交換部91内に配置されている。したがって、利用者は、ギヤオイルのレベルまたは状態を確認する際にゲージ挿入部62に容易にアクセスすることができ、ギヤオイルを交換する際にポンプ接続部81に容易にアクセスすることができる。上記特許文献1に記載された船外機のように、ギヤオイルを交換するために船外機のケースを取り外す必要はない。また、本実施例の船外機1によれば、ゲージ挿入部62およびポンプ接続部81が、アッパーケース4の下部の右部の前後方向中間部に設けられたギヤオイル確認交換部91内に配置されているので、船外機1を船舶に取り付けた状態でも、ギヤオイルの交換を行うことができる。
また、図1に示すように、ギヤオイル確認交換部91が船外機1において見易い箇所に配置され、そのギヤオイル確認交換部91内にゲージ挿入部62およびポンプ接続部81の双方が集約して配置されているので、利用者は、船外機1において、ゲージ挿入部62およびポンプ接続部81の配置箇所を覚え易く、かつ忘れ難い。
また、ギヤオイル確認交換部91は、アッパーケース4の外壁面を凹ませることにより形成された凹部であり、ゲージ挿入部62およびポンプ接続部81は、この凹んだギヤオイル確認交換部91の中に配置されている。これにより、船舶の航走時に流水や異物がゲージ挿入部62またはポンプ接続部81に当たることを抑制することができる。
また、本実施例の船外機1において、ギヤオイルゲージ51は曲がった状態でロアケース5に取り付けられる。したがって、ロアケース5の一部の小さな領域に、ギヤオイルゲージ51を、その下端部がオイル貯留空間Rに貯留されたギヤオイルに浸かった状態で取り付けることができる。よって、ロアケース5に設けられた他の部品のレイアウトを大幅に変更することなく、ギヤオイルゲージ51をロアケース5に取り付けることができる。
また、本実施例の船外機1において、オイル給排通路70の下端部、具体的には、第3の給排管73の下端部は、オイル貯留空間Rの前下角部に位置している。オイル貯留空間Rの前下角部は、上述したように船外機1を所定の傾斜角度前傾させたときに、オイル貯留空間Rにおける最下位置となる。したがって、船外機1を所定の傾斜角度前傾させた状態で、オイル貯留空間R内のギヤオイルを吸引することにより、オイル貯留空間R内のギヤオイルをほぼ完全に吸引して、船外機1外に排出することができる。
なお、上記実施例では、ギヤオイルゲージ51、ゲージ取付孔61、ゲージ挿入部62、およびポンプ接続部81等をロアケース5の上部の右部に設けたが、これらをロアケース5の上部の左部に設けてもよい。また、上記実施例では、ギヤオイル確認交換部91をアッパーケース4の下部に配置したが、これをロアケース5の上部に配置してもよい。また、上記実施例では、ゲージ挿入部62とポンプ接続部81とを互いに隣り合うように設けたが、これらは隣り合っていなくてもよく、例えば、ゲージ挿入部62とポンプ接続部81との間に他の部品を設けてもよい。また、本発明は二重反転プロペラ方式の船外機に限らず、種々の船外機に適用することができる。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う船外機もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 船外機
5 ロアケース
R オイル貯留空間(内部空間)
21 エンジン(動力源)
22 外側プロペラシャフト(プロペラシャフト)
23 前側プロペラ(プロペラ)
24 内側プロペラシャフト(プロペラシャフト)
25 後側プロペラ(プロペラ)
26 ドライブシャフト
31 上側ギヤ機構(ギヤ機構)
41 下側ギヤ機構(ギヤ機構)
51 ギヤオイルゲージ
61 ゲージ取付孔
62 ゲージ挿入部
70 オイル給排通路
81 ポンプ接続部
91 ギヤオイル確認交換部(凹部)
5 ロアケース
R オイル貯留空間(内部空間)
21 エンジン(動力源)
22 外側プロペラシャフト(プロペラシャフト)
23 前側プロペラ(プロペラ)
24 内側プロペラシャフト(プロペラシャフト)
25 後側プロペラ(プロペラ)
26 ドライブシャフト
31 上側ギヤ機構(ギヤ機構)
41 下側ギヤ機構(ギヤ機構)
51 ギヤオイルゲージ
61 ゲージ取付孔
62 ゲージ挿入部
70 オイル給排通路
81 ポンプ接続部
91 ギヤオイル確認交換部(凹部)
Claims (5)
- 船舶を推進させる船外機であって、
当該船外機の上部に配置された動力源と、
当該船外機の下部に配置され、プロペラが取り付けられたプロペラシャフトと、
前記動力源と前記プロペラシャフトとの間に設けられ、前記動力源の回転出力により回転するドライブシャフトと、
当該船外機の下部に配置され、前記ドライブシャフトの回転を前記プロペラシャフトに伝達するギヤ機構と、
当該船外機の下部に配置され、前記ギヤ機構が収容されかつ前記ギヤ機構を潤滑するギヤオイルが貯留された内部空間を有するロアケースと、
前記内部空間内に貯留されたギヤオイルのレベルまたは状態を確認するためのギヤオイルゲージと、
前記ロアケースに設けられ、前記ギヤオイルゲージをその一端側が前記内部空間内に貯留されたギヤオイルに浸かるように前記ロアケースに挿抜可能に取り付けるためのゲージ取付孔と、
前記ギヤオイルゲージを前記ゲージ取付孔内に挿入するためのゲージ挿入部と、
前記ロアケースに設けられ、前記内部空間内から当該船外機の外部へギヤオイルを排出し、または当該船外機の外部から前記内部空間内へギヤオイルを供給するためのオイル給排通路と、
ギヤオイルの給排を行うポンプを前記オイル給排通路に接続するためのポンプ接続部とを備え、
前記ゲージ挿入部と前記ポンプ接続部とは、前記ロアケースの上部の左右方向一側部分に前後方向に並んで設けられていることを特徴とする船外機。 - 前記ゲージ挿入部と前記ポンプ接続部とは前後方向に互いに隣り合うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の船外機。
- 前記ゲージ挿入部および前記ポンプ接続部は、前記ロアケースと接続されるアッパーケースの下部の左右方向一側部分の外壁面、または前記ロアケースの上部の左右方向一側部分の外壁面を左右方向内側に凹ませることにより形成された凹部内に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の船外機。
- 前記ギヤオイルゲージは曲がった状態で前記ロアケースに取り付けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の船外機。
- 前記オイル給排通路の下端部は前記収容空間の前下角部に位置していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の船外機。
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