JP2023094184A - 船外機 - Google Patents

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Abstract

【課題】船外機の大型化を抑制しつつ、動力源等の冷却効果を高める。【解決手段】船外機は、ロアケース5内に設けられ、船外機の外部から水を取り込む取水路51と、ドライブシャフト20の回転により駆動され、取水路51から取り込まれた水を冷却水としてエンジン等に供給するプライマリポンプ71と、ドライブシャフト20の回転により駆動され、取水路51から取り込まれた水を冷却水としてエンジン等に供給するセカンダリポンプ81とを備え、プライマリポンプ71とセカンダリポンプ81とは船外機内において分散して配置されている。【選択図】図4

Description

本発明は、動力源等を冷却する冷却機構を備えた船外機に関する。
海水または湖水等の水を内部に取り込み、取り込んだ水を冷却水として用いて動力源等を冷却する冷却機構を備えた船外機は知られている。従来の船外機の冷却機構は、例えばロアケース等、船外機のケースにおいて水面下に沈む部分に設けられた取水口と、取水口から船外機内に流入した水を冷却水として動力源等へ供給するための給水通路と、動力源等に設けられ、給水通路を介して供給された冷却水を流通させることにより動力源等を冷却するウォータジャケット等の冷却通路と、冷却通路を流通した後の冷却水を排水口へ移送する排水通路と、例えばロアケースの下部の後部に設けられ、排水通路を介して移送された冷却水を船外機外へ排出する排水口と、取水口から船外機内に流入した水を、給水通路、冷却通路および排水通路を順次流通させて排水口から船外機外へ排出するポンプとを備えている。また、従来の船外機の冷却機構は、上記ポンプとして、動力源からの回転出力を用いて駆動する1機のポンプを備えている。
下記の特許文献1には、このような冷却機構を備えた船外機が記載されている。
特開2009-127499号公報
例えば船舶の推進力を強化すべく、船外機の動力源の出力を増加させた場合、動力源等の発熱量が増加する。そのため、船外機の冷却機構による動力源等の冷却効果を高めることが求められる。
ポンプの吐出量を増加させ、ウォータジャケット等の冷却通路を流通する冷却水の流量を増やすことにより冷却機構による冷却効果を高めることができる。しかしながら、ポンプの吐出量を増加させるためには、ポンプのインペラの径寸法および高さ(幅)寸法をそれぞれ大きくする必要があり、その結果、ポンプの体積が大きくなる。そのため、ポンプの体積の増大に応じるべく、ポンプを収容する船外機のケース(例えばロアケースまたはアッパ-ケース)の容積を大きくしなければならず、それゆえ、船外機が大型化する。船外機の大型化は、航行時の水の抵抗の増大を招く等のデメリットがある。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、船外機の大型化を抑制しつつ、動力源等の冷却効果を高めることができる船外機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、船舶を推進させる船外機であって、当該船外機の上部に設けられた動力源と、前記動力源から当該船外機の下部に向かって上下方向に伸長し、前記動力源の回転出力により回転するドライブシャフトと、当該船外機の下部に設けられ、前記ドライブシャフトの回転により回転するプロペラシャフトと、前記プロペラシャフトに取り付けられたプロペラと、前記動力源、前記ドライブシャフトおよび前記プロペラシャフトを覆うケースと、前記ケースに設けられ、前記船外機の外部から前記ケース内に水を取り込む取水路と、前記ドライブシャフトの回転により駆動され、前記取水路から取り込まれた水を冷却水として前記動力源に供給する第1のポンプと、前記ドライブシャフトの回転により駆動され、前記取水路から取り込まれた水を冷却水として前記動力源に供給する第2のポンプとを備え、前記第1のポンプと前記第2のポンプとは当該船外機内において分散して配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、船外機の大型化を抑制しつつ、動力源等の冷却効果を高めることができる。
本発明の実施例の船外機を示す全体図である。 図1中の船外機の下部を示す斜視図である。 図2中の船外機の下部を示す平面図である。 図3中の切断線IV-IVに沿って切断した船外機の下部を示す断面図である。 図4中の船外機の下部のうち上側収容室内およびその周辺に配置された機構を示す断面図である。 図5中の切断線VI-VIに沿って切断した船外機の下部を示す断面図である。 図3中の切断線VII-VIIに沿って切断した船外機の下部を示す断面図である。 図5中の船外機の下部において、セカンダリポンプユニットをロアケースから分離した状態を示す断面図である。
本発明の実施形態の船外機は、当該船外機の上部に設けられた動力源と、動力源から当該船外機の下部に向かって上下方向に伸長し、動力源の回転出力により回転するドライブシャフトと、当該船外機の下部に設けられ、ドライブシャフトの回転により回転するプロペラシャフトと、プロペラシャフトに取り付けられたプロペラと、動力源、ドライブシャフトおよびプロペラシャフトを覆うケースと、ケースに設けられ、船外機の外部からケース内に水を取り込む取水路と、ドライブシャフトの回転により駆動され、取水路から取り込まれた水を冷却水として動力源に供給する第1のポンプと、ドライブシャフトの回転により駆動され、取水路から取り込まれた水を冷却水として動力源に供給する第2のポンプとを備え、第1のポンプと第2のポンプとは当該船外機内において分散して配置されている。
本実施形態の船外機によれば、第1のポンプおよび第2のポンプを備えているので、第1のポンプおよび第2のポンプがそれぞれ小型のポンプであったとしても、これら2機のポンプを同時に駆動させて冷却水を動力源(例えば動力源に設けられたウォータジャケット等の冷却通路)に供給することにより、動力源に供給する冷却水の量を増やすことができ、動力源の冷却効果を高めることができる。また、2機の小型のポンプを分散配置する方法によれば、船外機内に分散して存在している小さな空き領域等を利用して2機のポンプを船外機内に設けることができ、船外機の大型化を抑制することができる。
本発明の船外機の実施例について説明する。実施例において、上(Ud)、下(Dd)、前(Fd)、後(Bd)、左(Ld)、右(Rd)の方向を述べる際には、図1~図8の右下に描いた矢印に従う。
(船外機)
図1は本発明の実施例の船外機1を示している。図2は船外機1の下部を左後上方から見た状態を示している。図3は船外機1の下部を上方から見た状態を示している。図4は図3中の切断線IV-IVに沿って切断した船外機1の下部の断面を左方(図3中において下方)から見た状態を示している。
船外機1は船舶を推進させる装置であり、本実施例の船外機1は、図1に示すように、二重反転プロペラ方式の船外機である。船外機1は、動力源としてのエンジン15と、外側プロペラシャフト16と、外側プロペラシャフト16に取り付けられた前側プロペラ17と、外側プロペラシャフト16の内側に設けられた内側プロペラシャフト18と、内側プロペラシャフト18に取り付けられた後側プロペラ19と、エンジン15の回転出力により回転するドライブシャフト20と、ドライブシャフト20の回転を各プロペラシャフト16、18に伝達するギヤ機構45と、各プロペラシャフト16、18の回転方向を切り替える回転方向切替機構31とを備えている。
エンジン15は船外機1の上部に配置され、各プロペラシャフト16、18は船外機1の下部に配置されている。ドライブシャフト20は、エンジン15から船外機1の下部に向かって上下方向に伸長している。ドライブシャフト20は、上側シャフト部21、中間シャフト部22、および下側シャフト部23に分割されている。上側シャフト部21の上端部はエンジン15に接続されている。中間シャフト部22と下側シャフト部23とは連結部材24により連結されている。回転方向切替機構31は、上側シャフト部21と中間シャフト部22との間に設けられ、上側シャフト部21に対する中間シャフト部22の回転方向を切り替えることにより、各プロペラシャフト16、18の回転方向を切り替える。ギヤ機構45は、船外機1の下部に配置され、下側シャフト部23の下端部と各プロペラシャフト16、18の前端部とを接続している。
エンジン15はボトムカウル2およびトップカウル3により覆われている。また、上側シャフト部21はアッパーケース4に覆われている。また、回転方向切替機構31、中間シャフト部22、連結部材24、下側シャフト部23、ギヤ機構45、および各プロペラシャフト16、18の前側部分はロアケース5に覆われている。
ロアケース5は、図2~図4に示すように、上部が開口した大略箱状に形成されたロアケース本体6と、ロアケース本体6の上部を覆う蓋部材7とを有している。蓋部材7には、図4に示すように、ドライブシャフト挿入穴8が形成されている。また、ロアケース5内の前上部には上側収容室9が設けられている。ドライブシャフト挿入穴8は上側収容室9と連通している。また、ロアケース5の前下部には下側収容室10が設けられている。また、ロアケース5内において上側収容室9と下側収容室10との間には、両室間を接続する接続穴11が形成されている。また、ロアケース5内において下側収容室10の後方には、プロペラシャフト配置穴12が形成されている。また、図2に示すように、ロアケース本体6の後上部には、プロペラ17、19への空気の引き込みを抑制するアンチキャビテーションプレート13が設けられている。
なお、外側プロペラシャフト16および内側プロペラシャフト18はそれぞれ「プロペラシャフト」の具体例であり、前側プロペラ17および後側プロペラ19はそれぞれ「プロペラ」の具体例である。また、上側シャフト部21は「第1のシャフト部」の具体例であり、中間シャフト部22、下側シャフト部23および連結部材24は「第2のシャフト部」の具体例である。また、ボトムカウル2、トップカウル3、アッパーケース4およびロアケース5は「ケース」の具体例であり、ボトムカウル2およびトップカウル3は「カウル」の具体例である。
(推進力生成に関する機構)
図5は、図4中のロアケース5の上側収容室9内およびその周辺に配置された機構を拡大して示している。図6は、図5中の切断線VI-VIに沿って切断した船外機1の下部の断面を上方から見た状態を示している。
ドライブシャフト20の上側シャフト部21は、その上端側がエンジン15に接続され、下端側は、図5に示すように、ドライブシャフト挿入穴8内に挿入され、回転方向切替機構31に接続されている。上側シャフト部21はエンジン15の回転出力により一の方向に回転する。以下、上側シャフト部21の回転方向を正方向とする。
回転方向切替機構31はロアケース5の上側収容室9内に配置されている。回転方向切替機構31は、リバース駆動ギヤ32、リバース中間ギヤ34、中間ギヤシャフト35、リバース出力ギヤ36、およびクラッチ39を備えている。
リバース駆動ギヤ32は、ベベルギヤであり、歯が形成された部分が下を向くように上側収容室9の上部に配置され、蓋部材7にベアリングを介して回転可能に支持されている。また、リバース駆動ギヤ32は上側シャフト部21の下端部に例えばスプライン結合(嵌合)され、上側シャフト部21と一体に正方向に回転する。
リバース中間ギヤ34は、ベベルギヤであり、歯が形成された部分が後ろを向くように上側収容室9の前部に配置されている。中間ギヤシャフト35は、リバース中間ギヤ34をロアケース本体6に支持するシャフトであり、上側収容室9の前部に配置されている。リバース中間ギヤ34および中間ギヤシャフト35は、ロアケース5内において、ドライブシャフト20(中間シャフト部22)の前方に配置されている。中間ギヤシャフト35は、前後方向に伸長し、ドライブシャフト20の軸線Aと直交する軸線を有している。また、中間ギヤシャフト35の後端部にリバース中間ギヤ34が結合され、固定されている。本実施例においては、中間ギヤシャフト35とリバース中間ギヤ34とは互いに一体形成されている。中間ギヤシャフト35はロアケース本体6にベアリングを介して回転可能に支持されている。中間ギヤシャフト35およびリバース中間ギヤ34は一体に回転する。
リバース出力ギヤ36は、ベベルギヤであり、歯が形成された部分が上を向くように上側収容室9の下部に配置され、ロアケース本体6にベアリングを介して回転可能に支持されている。また、リバース出力ギヤ36はリバース駆動ギヤ32と同軸となるように配置されている。また、リバース出力ギヤ36の中心部には貫通穴38が形成されている。貫通穴38内には中間シャフト部22の上端側部分が挿入されているが、貫通穴38と中間シャフト部22の上端側部分とは互いに離間している。
リバース駆動ギヤ32はリバース中間ギヤ34と噛合し、リバース中間ギヤ34はリバース出力ギヤ36と噛合している。リバース駆動ギヤ32が正方向に回転したとき、その回転がリバース中間ギヤ34を介してリバース出力ギヤ36に伝達され、リバース出力ギヤ36が逆方向に回転する。
クラッチ39は、上側シャフト部21またはリバース駆動ギヤ32の正方向の回転を中間シャフト部22に伝達するか、リバース出力ギヤ36の逆方向の回転を中間シャフト部22に伝達するかを選択する機能を有する部材である。クラッチ39はドッグクラッチであり、円筒状に形成され、上端面および下端面にそれぞれクラッチ爪40が形成されている。また、クラッチ39の外周面には溝41が全周に亘って形成されている。クラッチ39はリバース駆動ギヤ32とリバース出力ギヤ36との間に配置されている。
また、中間シャフト部22の上端側部分が、リバース出力ギヤ36の貫通穴38を貫通して、リバース駆動ギヤ32とリバース出力ギヤ36との間に進入している。クラッチ39は、中間シャフト部22の上端側部分に、中間シャフト部22に対して周方向には移動不能であるが、軸方向には移動可能となるように結合されている。これにより、クラッチ39と中間シャフト部22とは一体に回転するが、クラッチ39は中間シャフト部22に対して上下方向に移動することができる。
また、ロアケース5内において、上側収容室9の後部にはシフトフォーク42が設けられ、上側収容室9の後方にはクラッチ制御部43が設けられている。シフトフォーク42およびクラッチ制御部43は、ロアケース5内において、ドライブシャフト20(中間シャフト部22)の後方に配置されている。また、クラッチ制御部43は、図6に示すように、ロアケース5内の左右方向一側(例えば右側)に配置されている。シフトフォーク42は左右方向に傾斜しつつ前後方向に伸長している。シフトフォーク42の前端部は、フォーク状に形成され、クラッチ39の溝41内に、クラッチ39がシフトフォーク42に対して回転自在となるように挿入されている。また、シフトフォーク42の後端部は、クラッチ制御部43に設けられたアクチュエータ(図示せず)に接続されている。
クラッチ制御部43のアクチュエータを作動させることにより、シフトフォーク42を上下方向に移動させ、クラッチ39を上下方向に移動させることができる。クラッチ39が上方に移動したとき、クラッチ39の上端面に形成されたクラッチ爪40が、リバース駆動ギヤ32の下端面に形成されたクラッチ爪33と係合する。これにより、リバース駆動ギヤ32の正方向の回転が直接的に中間シャフト部22に伝達され、その結果、中間シャフト部22が正方向に回転する。一方、クラッチ39が下方に移動したとき、クラッチ39の下端面に形成されたクラッチ爪40が、リバース出力ギヤ36の上端面に形成されたクラッチ爪37と係合する。これにより、リバース出力ギヤ36の逆方向の回転が中間シャフト部22に伝達され、その結果、中間シャフト部22が逆方向に回転する。また、クラッチ39が中立位置に位置し、クラッチ39の上端面に形成されたクラッチ爪40がリバース駆動ギヤ32のクラッチ爪33と係合せず、かつクラッチ39の下端面に形成されたクラッチ爪40がリバース出力ギヤ36のクラッチ爪37と係合しない状態であるときには、リバース駆動ギヤ32の回転もリバース出力ギヤ36の回転も中間シャフト部22に伝達されない。この場合には、中間シャフト部22は回転しない。
中間シャフト部22および下側シャフト部23は、図4に示すように、接続穴11内を上下方向に伸長している。中間シャフト部22は、上側シャフト部21の下方に位置し、上側シャフト部21と同軸に配置されている。また、中間シャフト部22の上端側部分は上述したようにクラッチ39と結合されている。また、中間シャフト部22の下端部は連結部材24を介して下側シャフト部23に接続されている。下側シャフト部23は、中間シャフト部22の下方に位置し、中間シャフト部22と同軸に配置されている。連結部材24は筒状に形成され、中間シャフト部22の下端部は連結部材24の上部に挿入され、下側シャフト部23の上端部は連結部材24の下部に挿入されている。また、連結部材24の内周面、中間シャフト部22の下端部の外周面、および下側シャフト部23の上端部の外周面にはスプラインがそれぞれ形成され、中間シャフト部22の下端部および下側シャフト部23の上端部は連結部材24とそれぞれスプライン結合されている。また、連結部材24はベアリングを介してロアケース本体6に回転可能に支持されている。また、下側シャフト部23は、接続穴11にベアリングを介して回転可能に支持されている。中間シャフト部22、下側シャフト部23および連結部材24は一体に回転する。
ギヤ機構45は、下側シャフト部23の回転を各プロペラシャフト16、18に伝達する機構である。ギヤ機構45は下側収容室10内に配置されている。ギヤ機構45は、メイン駆動ギヤ46、前側被動ギヤ47および後側被動ギヤ48を備えている。
メイン駆動ギヤ46は、ベベルギヤであり、歯が形成された部分が下を向くように下側収容室10の上部に配置されている。メイン駆動ギヤ46は、下側シャフト部23の下端部に結合され、固定されている。本実施例において、メイン駆動ギヤ46と下側シャフト部23とは互いに一体形成されている。メイン駆動ギヤ46は下側シャフト部23と一体に回転する。
前側被動ギヤ47は、ベベルギヤであり、歯が形成された部分が後ろを向くように下側収容室10の前部に配置されている。また、前側被動ギヤ47は、ベアリングを介してロアケース本体6に回転可能に支持されている。また、前側被動ギヤ47は、メイン駆動ギヤ46の前方に配置され、メイン駆動ギヤ46と噛合している。
後側被動ギヤ48は、ベベルギヤであり、歯が形成された部分が前を向くように下側収容室10の後部に配置されている。また、後側被動ギヤ48は、ベアリングを介してロアケース本体6に回転可能に支持されている。また、後側被動ギヤ48は、メイン駆動ギヤ46の後方に配置され、メイン駆動ギヤ46と噛合している。
外側プロペラシャフト16は、図4に示すように、筒状に形成され、前後方向に伸長している。外側プロペラシャフト16は、その前端側部分がプロペラシャフト配置穴12内に配置され、ベアリングを介してロアケース本体6に回転可能に支持されている。また、外側プロペラシャフト16の前端部には、後側被動ギヤ48がスプライン結合されている。これにより、後側被動ギヤ48と外側プロペラシャフト16とは一体に回転する。また、外側プロペラシャフト16の後端部には前側プロペラ17が取り付けられている。
内側プロペラシャフト18は、前後方向に伸長し、その前部が外側プロペラシャフト16内に配置されている。また、内側プロペラシャフト18は外側プロペラシャフト16と同軸に配置されている。また、内側プロペラシャフト18は、外側プロペラシャフト16および後側被動ギヤ48に、ベアリングを介して外側プロペラシャフト16および後側被動ギヤ48に対して回転可能に支持されている。また、内側プロペラシャフト18の前端部には、前側被動ギヤ47がスプライン結合されている。これにより、前側被動ギヤ47と内側プロペラシャフト18とは一体に回転する。また、内側プロペラシャフト18の後端部には後側プロペラ19が取り付けられている。
下側シャフト部23と一体にメイン駆動ギヤ46が回転したとき、その回転は、後側被動ギヤ48および前側被動ギヤ47にそれぞれ伝達される。その結果、外側プロペラシャフト16および内側プロペラシャフト18がそれぞれ回転する。このときの外側プロペラシャフト16および内側プロペラシャフト18の回転方向は互いに反対の方向となる。外側プロペラシャフト16および内側プロペラシャフト18の回転に伴い、前側プロペラ17および後側プロペラ19がそれぞれ回転する。
また、クラッチ39により、上側シャフト部21の正方向の回転が中間シャフト部22、下側シャフト部23およびギヤ機構45等を介して外側プロペラシャフト16および内側プロペラシャフト18に伝達されたときには、前側プロペラ17および後側プロペラ19により船舶を前進させる推進力が生成される。また、クラッチ39により、リバース出力ギヤ36の逆方向の回転が中間シャフト部22、下側シャフト部23およびギヤ機構45等を介して外側プロペラシャフト16および内側プロペラシャフト18に伝達されたときには、前側プロペラ17および後側プロペラ19により船舶を後進させる推進力が生成される。
(エンジン等の冷却に関する機構)
船外機1は、図4に示すように、船外機1の外部から海水または湖水等の水を船外機1の内部に取り込む取水路51、および取水路51から取り込まれた水を冷却水としてエンジン15等に供給する2機のポンプ(プライマリポンプ71、セカンダリポンプ81)を備えている。
取水路51は、2つのメイン取水口52、共通通路54、第1の専用通路55、第1の吸水口56、第2の吸水口57、2つのサブ取水口58、および第2の専用通路60を有している。
2つのメイン取水口52は、水を船外機1の外部からロアケース5内に流入させる穴である。各メイン取水口52はロアケース本体6の壁部の一部を貫通している。各メイン取水口52は水面下に位置している。2つのメイン取水口52は、ロアケース本体6の前端部の下部にそれぞれ設けられ、一方のメイン取水口52はロアケース本体6の左に開口し、他方のメイン取水口52はロアケース本体6の右に開口している。また、メイン取水口52を介してロアケース5内に砂、ゴミ等が入ることを抑制するために、各メイン取水口52には、図2に示すように、多数の小孔が穿設されたカバー53が取り付けられている。なお、各メイン取水口52は「取水口」の具体例である。
共通通路54は、各メイン取水口52から流入した水をプライマリポンプ71およびセカンダリポンプ81に向けて移送する通路である。共通通路54内には、プライマリポンプ71に移送される水とセカンダリポンプ81に移送される水の双方が流通する。共通通路54は、ロアケース本体6内の前端部に設けられた通路部61、およびロアケース5の前端部の上部に取り付けられた後述のセカンダリポンプユニット91に設けられた通路部62の下部により形成されている。共通通路54は上下方向に伸長し、共通通路54の下端部は各メイン取水口52に接続されている。
第1の専用通路55は、共通通路54を介して移送された水をプライマリポンプ71に移送する通路である。第1の専用通路55は、セカンダリポンプユニット91に設けられた通路部62の上部、および蓋部材7内の前部に設けられた通路部63により形成されている。第1の専用通路55の一端は共通通路54の上部に接続されている。
第1の吸水口56は、第1の専用通路55を介して移送された水をプライマリポンプ71のポンプケース75内に流入させる穴である。第1の吸水口56は、プライマリポンプ71の底板72に設けられている。第1の吸水口56には第1の専用通路55の他端が接続されている。
第2の吸水口57は、共通通路54を介して移送された水をセカンダリポンプ81のポンプケース85内に流入させる穴である。第2の吸水口57は、ロアケース5の前端部の上部に取り付けられたセカンダリポンプユニット91に設けられ、セカンダリポンプユニット91において、通路部62とポンプケース85との間に配置されている。第2の吸水口57は通路部62とポンプケース85とを連通させている。これにより、共通通路54の上部が第2の吸水口57を介してポンプケース85内と接続されている。
このように、共通通路54は、ロアケース5の前端部の上部において、プライマリポンプ71に接続された通路(第1の専用通路55および第1の吸水口56)と、セカンダリポンプ81に接続された通路(第2の吸水口57)とに分岐している。なお、共通通路54は「本通路」の具体例であり、第1の専用通路55、第1の吸水口56および第2の吸水口57は「分岐通路」の具体例である。
2つのサブ取水口58は、水を船外機1の外部からロアケース5内に流入させる口である。各サブ取水口58はロアケース本体6の壁部の一部を貫通する穴であり、水面下に位置している。一方のサブ取水口58はロアケース本体6の左部に設けられ、他方のサブ取水口58はロアケース本体6の右部に設けられている。また、各サブ取水口58にも、メイン取水口52と同様に、多数の小孔が穿設されたカバー59が取り付けられている。
第2の専用通路60は、各サブ取水口58から流入した水をプライマリポンプ71に向けて移送する通路である。第2の専用通路60は、ロアケース本体6内の前後方向中間部に設けられた通路部64、および蓋部材7内の前後方向中間部に設けられた通路部65により形成されている。第2の専用通路60の下端部は各サブ取水口58に接続され、第2の専用通路60の上端側は第1の吸水口56に接続されている。
プライマリポンプ71は、例えばベーンポンプ等の容積式ポンプである。プライマリポンプ71は、ドライブシャフト20の回転、具体的には、ドライブシャフト20の上側シャフト部21の回転により駆動される。プライマリポンプ71は、図5に示すように、ロアケース5の上面上に取り付けられている。また、プライマリポンプ71は、ドライブシャフト20の軸線Aと交差する位置に配置され、上側シャフト部21の外周側に上側シャフト部21を包囲するように設けられている。ロアケース5がアッパーケース4に装着されたとき、プライマリポンプ71はアッパーケース4により覆われる。なお、プライマリポンプ71は「第1のポンプ」の具体例である。
プライマリポンプ71は、底板72、インペラ74、およびポンプケース75を有している。底板72は、ロアケース5の蓋部材7において、ドライブシャフト20の軸線Aが通る位置に形成された開口部66の周縁部に、開口部66を閉塞するように取り付けられている。底板72には、ドライブシャフト挿通穴73が設けられている。ドライブシャフト挿通穴73内には上側シャフト部21が挿通されている。ドライブシャフト挿通穴73の直径は上側シャフト部21の直径よりも大きいので、上側シャフト部21はドライブシャフト挿通穴73に対して回転することができる。また、底板72においてドライブシャフト挿通穴73の外周側部分の一部には、第1の吸水口56が設けられている。
インペラ74は、ドライブシャフト20の軸線Aと同軸の軸線を有している。インペラ74のボスは、上側シャフト部21に結合され、固定されている。したがって、インペラ74は上側シャフト部21と一体に回転する。
ポンプケース75は、ドライブシャフト20の軸線Aと略同軸の軸線を有する大略筒状に形成され、インペラ74を覆っている。また、ポンプケース75は底板72上に固定されている。インペラ74は、ポンプケース75と底板72とによって画成された空間内に配置されている。また、ポンプケース75にはドライブシャフト挿通穴76が設けられ、ドライブシャフト挿通穴76内には上側シャフト部21が挿通されている。ドライブシャフト挿通穴76の直径は上側シャフト部21の直径よりも大きいので、上側シャフト部21はドライブシャフト挿通穴76に対して回転することができる。また、ドライブシャフト挿通穴76と上側シャフト部21との間はシールされている。また、ポンプケース75には、第1の吸水口56から吸い込んだ水を冷却水として吐出する吐出口77が設けられている。
セカンダリポンプ81は、例えば渦巻きポンプまたはタービンポンプ等の非容積式ポンプである。セカンダリポンプ81は、ドライブシャフト20の回転、具体的には、ドライブシャフト20の回転がリバース駆動ギヤ32およびリバース中間ギヤ34を介して伝達されることにより回転する中間ギヤシャフト35の回転により駆動される。セカンダリポンプ81は、ドライブシャフト20の前方であり、ドライブシャフト20から離れた位置に配置されている。具体的には、セカンダリポンプ81は、ロアケース5の前上部に配置されている。このように、プライマリポンプ71とセカンダリポンプ81とは、船外機1内において分散して配置されている。また、セカンダリポンプ81は、図4に示すように、船舶の停止時に水面下となり、かつアンチキャビテーションプレート13よりも高い位置に配置されている。なお、セカンダリポンプ81は「第2のポンプ」の具体例である。
セカンダリポンプ81は、図5に示すように、ポンプシャフト82、インペラ83、シャフト支持部84、およびポンプケース85を有している。ポンプシャフト82は、前後方向に伸長し、中間ギヤシャフト35と同軸に配置されている。また、ポンプシャフト82は、その後端部が中間ギヤシャフト35の前端部に例えばスプライン結合され、中間ギヤシャフト35と一体に回転する。
インペラ83は、中間ギヤシャフト35の軸線と同軸の軸線を有している。インペラ83のボスは、ポンプシャフト82の前端部に結合され、固定されている。インペラ83はポンプシャフト82と一体に回転する。
シャフト支持部84は、中間ギヤシャフト35の軸線と同軸の軸線を有する筒状に形成されている。シャフト支持部84内には、ポンプシャフト82がベアリングを介して回転可能に支持されている。また、シャフト支持部84とポンプシャフト82との間はシールされている。
ポンプケース85は、中間ギヤシャフト35の軸線と略同軸の軸線を有する有蓋の大略筒状に形成され、インペラ83を覆っている。ポンプケース85は、シャフト支持部84の前方に配置され、シャフト支持部84に固定されている。インペラ83は、ポンプケース85とシャフト支持部84とによって画成された空間内に配置されている。また、ポンプケース85の前部には第2の吸水口57が設けられている。また、図7は、図3中の切断線VII-VIIに沿って切断した船外機1の下部の断面を前方(図3中において左方)から見た状態を示している。図7に示すように、ポンプケース85には、第2の吸水口57から吸い込んだ水を冷却水として吐出する吐出口86が設けられている。吐出口86には、L型の継手87を介して接続管88が接続されている。接続管88は、図3に示すように、ロアケース5の上方を後方に伸長している。
また、セカンダリポンプ81および通路部62はセカンダリポンプユニット91を形成している。セカンダリポンプユニット91は、図8に示すように、ロアケース5に対して着脱することができる。セカンダリポンプユニット91は、図3に示すように、ボルト92によりロアケース5に装着されている。セカンダリポンプユニット91がロアケース5に装着された状態では、図8に示すように、シャフト支持部84の後部が、ロアケース本体6の前上部に設けられた取付穴67内に挿入される。シャフト支持部84の後部が取付穴67内に挿入されたとき、ポンプシャフト82の後端部が中間ギヤシャフト35の前端部にスプライン結合される。また、ボルト92を外し、セカンダリポンプユニット91をロアケース5に対して前方へ移動させることで、セカンダリポンプユニット91をロアケース5から分離させることができる。
また、図示を省略しているが、船外機1は、プライマリポンプ71の吐出口77から吐出された冷却水をエンジン15等へ移送する第1の給水通路、セカンダリポンプ81の吐出口86に接続された接続管88により移送された冷却水をエンジン15等へさらに移送する第2の給水通路、第1の給水通路および第2の給水通路を介してエンジン15等に移送された冷却水をエンジン15等の周囲または内部に流すことによりエンジン15等を冷却する冷却通路、並びに冷却通路を流れた後の冷却水を船外機1から外部へ排出する排水通路および排水口を備えている。第1の給水通路および第2の給水通路はそれぞれ例えば給水管等により形成され、これら給水管はアッパーケース4内およびボトムカウル2内等に配管されている。また、冷却通路は例えばエンジン15等に設けられたウォータジャケットである。また、排水通路は例えば排水管等により形成され、排水管はボトムカウル2内、アッパーケース4内およびロアケース5内等に配管されている。排水口は例えばロアケース5の後部に設けられている。
エンジン15が作動し、上側シャフト部21および中間ギヤシャフト35が回転しているとき、プライマリポンプ71のインペラ74が回転してプライマリポンプ71が駆動し、同時にセカンダリポンプ81のインペラ83が回転してセカンダリポンプ81が駆動する。これにより、各メイン取水口52から取り込まれた水は、共通通路54内を上に向かって流通し、共通通路54の上部において、第1の専用通路55内および第2の吸水口57内に分流する。共通通路54の上部から第1の専用通路55内に流入した水は、第1の専用通路55内を流通し、第1の吸水口56を介してプライマリポンプ71のポンプケース75内に流入する。また、共通通路54の上部から第2の吸水口57内に流入した水は、セカンダリポンプ81のポンプケース85内に流入する。一方、プライマリポンプ71の駆動により、各サブ取水口58から取り込まれた水が、第2の専用通路60内を流通し、第1の吸水口56を介してプライマリポンプ71のポンプケース75内に流入する。
プライマリポンプ71のポンプケース75内に流入した水は冷却水として、プライマリポンプ71の吐出口77から吐出する。また、セカンダリポンプ81のポンプケース85内に流入した水は冷却水として、セカンダリポンプ81の吐出口86から吐出し、その後、接続管88内を流通する。
プライマリポンプ71の吐出口77から吐出した冷却水、およびセカンダリポンプ81の吐出口86から吐出して接続管88内を流通した冷却水は、第1の給水通路内および第2の給水通路内をそれぞれ並列に流通し、その後、冷却通路内を流通し、エンジン15等を冷却する。その後、冷却水は、排水通路内を流通し、排水口から船外機1の外部へ排出される。
以上説明した通り、本発明の実施例の船外機1はプライマリポンプ71およびセカンダリポンプ81を備え、プライマリポンプ71およびセカンダリポンプ81は船外機1内において分散して配置されている。本実施例の船外機1によれば、プライマリポンプ71およびセカンダリポンプ81がそれぞれ小型のポンプであったとしても、これら2機のポンプ71、81を同時に駆動させて冷却水をウォータジャケット等の冷却通路に供給することにより、冷却通路を流通する冷却水の流量を増やすことができ、エンジン15等の冷却効果を高めることができる。また、2機の小型のポンプ71、81を分散配置する方法によれば、船外機1内に分散して存在している小さな空き領域等を利用して2機のポンプ71、81を船外機1内に設けることができ、船外機1の大型化を抑制することができる。
また、本実施例の船外機1によれば、2機のポンプ71、81を備えているので、いずれか一方のポンプが故障等により正常に作動しなくなった場合でも、他方のポンプの作動により冷却水を冷却通路に供給することができ、エンジン15のオーバーヒートを抑制することができる。
また、本実施例の船外機1において、プライマリポンプ71は、そのインペラ74がドライブシャフト20と同軸となるようにドライブシャフト20の外周側に配置され、セカンダリポンプ81は、ドライブシャフト20の前方であり、ドライブシャフト20から離れた位置に配置されている。この構成によれば、プライマリポンプ71については、ドライブシャフト20の回転を直接利用してインペラ74を回転させるようにすることができ、ドライブシャフト20からインペラ74へ回転を伝達する構成を簡素化することができる。また、セカンダリポンプ81については、船外機1内においてドライブシャフト20の前方の領域には他の領域と比較して大きい空き領域が存在しているので、セカンダリポンプ81を設置する領域をドライブシャフト20の前方に比較的容易に確保することができ、それゆえ、船外機1の大型化を避けつつ、セカンダリポンプ81を船外機1内に設けることができる。
また、本実施例の船外機1において、セカンダリポンプ81は、ロアケース5の前部において、船舶の停止時に水面下となり、かつアンチキャビテーションプレート13よりも高い位置に配置されている。この構成によれば、セカンダリポンプ81の位置が、船舶の停止時または低速航走時には水面よりも低い位置となり、船舶の滑走時には水面よりも若干高い位置(水面よりも高いが水面に接近した位置)となる。これにより、セカンダリポンプ81が空気を吸い込み、セカンダリポンプ81から吐出される冷却水に空気が混入し、その結果、冷却水の吐出量が減少することを抑制することができる。すなわち、船舶の停止時または低速航走時にはセカンダリポンプ81の位置が水面よりも低く、セカンダリポンプ81の吸水経路(メイン取水口52から第2の吸水口57にかけての通路)の位置も水面より低くなる。したがって、船舶の停止時にセカンダリポンプ81のインペラ83が停止している場合でも、船舶の低速航走時にセカンダリポンプ81のインペラ83の回転数が低い場合でも、セカンダリポンプ81の吸水経路は水に満たされるので、セカンダリポンプ81が空気を吸い込むことを抑制することができる。一方、船舶の滑走時には、セカンダリポンプ81の位置が水面よりも若干高くなるが、このときには、ドライブシャフト20の回転数が高く、それに伴い中間ギヤシャフト35の回転数も高く、それゆえ、セカンダリポンプ81のインペラ83の回転数も高く、その結果、インペラ83により生成される吸引力が大きくなっている。したがって、インペラ83により生成される吸引力によりセカンダリポンプ81の吸水経路は水で満たされるので、セカンダリポンプ81が空気を吸い込むことを抑制することができる。
また、セカンダリポンプ81の位置が船舶の滑走時に水面よりも高い位置となるので、船舶の滑走時における水の抵抗の増加を抑制することができる。すなわち、セカンダリポンプ81の設置により、ロアケース5においてアンチキャビテーションプレート13よりも上の部分の左右方向の寸法が大きくなったとしても、船舶の滑走時にはその部分が水面上に出るため、水の抵抗の増加を抑えることができる。
また、本実施例の船外機1において、プライマリポンプ71はロアケース5の上面上に取り付けられている。これにより、プライマリポンプ71をロアケース5から容易に取り外すことができ、インペラ74の交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、本実施例の船外機1において、取水路51は、ロアケース5の前部の下部に設けられたメイン取水口52と、メイン取水口52に接続され、ロアケース5の前部の内部を上方に伸長した共通通路54と、共通通路54の上部とプライマリポンプ71のポンプケース75内とを接続する第1の専用通路55および第1の吸水口56と、共通通路54の上部とセカンダリポンプ81のポンプケース85内とを接続する第2の吸水口57とを有している。この構成により、ロアケース5の上面上に配置されたプライマリポンプ71、およびロアケース5の前上部に配置されたセカンダリポンプ81のそれぞれに接続する吸水経路を一部共通化し、かつ、その共通化した吸水経路を短くすることができる。したがって、各ポンプ71、81における吸水の円滑化と、吸水経路の構造の簡素化を図ることができる。
また、本実施例の船外機1において、セカンダリポンプ81は、回転方向切替機構31における中間ギヤシャフト35の回転により駆動される。この構成により、ドライブシャフト20の軸線Aから離れた位置に配置したセカンダリポンプ81のインペラ83にエンジン15の回転出力を伝達する手段を、回転方向切替機構31の一部を利用して実現することができる。したがって、ドライブシャフト20の軸線Aから離れた位置に配置したセカンダリポンプ81のインペラ83にエンジン15の回転出力を伝達する手段を別途設ける必要がないので、船外機1の構造の複雑化を抑制することができ、また、船外機1の部品点数を削減することができる。また、回転方向切替機構31において、リバース中間ギヤ34の直径は、リバース駆動ギヤ32の直径よりも小さいので、中間ギヤシャフト35はドライブシャフト20よりも回転数が高い。したがって、セカンダリポンプ81のインペラ83の回転の高速化を容易に図ることができ、セカンダリポンプ81による冷却水の吐出量を増加させることができる。よって、ドライブシャフト20の回転数が低い場合でも、セカンダリポンプ81による冷却水の冷却通路への供給を安定させることができる。
また、本実施例の船外機1の回転方向切替機構31において、リバース中間ギヤ34および中間ギヤシャフト35がドライブシャフト20の前方に配置され、シフトフォーク42およびクラッチ制御部43がドライブシャフト20の後方に配置されている。そして、セカンダリポンプ81がドライブシャフト20の前方に配置され、セカンダリポンプ81のポンプシャフト82の後端が中間ギヤシャフト35の前端に結合されている。このような構成により、セカンダリポンプ81のロアケース5の前上部への配置と、エンジン15の回転出力のセカンダリポンプ81への伝達とを、船外機1の大型化を抑制しつつ容易に実現することができる。
また、本実施例の船外機1においては、セカンダリポンプ81をロアケース5の前上部に配置したことにより、セカンダリポンプ81(セカンダリポンプユニット91)をロアケース5に対して容易に着脱することができる。これにより、インペラ83の交換等、セカンダリポンプ81のメンテナンスを容易に行うことができる。
なお、上記実施例では、2つのメイン取水口52および共通通路54が、プライマリポンプ71とセカンダリポンプ81との共通の吸水経路を形成している。しかしながら、プライマリポンプ71の吸水経路とセカンダリポンプ81の吸水経路とをそれぞれ完全に独立させてもよい。例えば、左のメイン取水口52と第1の吸水口56とを接続する通路Lと、右のメイン取水口52と第2の吸水口57とを接続する通路Rとを別々に設けてもよい。これにより、左右2つのメイン取水口52のうちの一方が、詰まって塞がってしまった場合でも、他方のメイン取水口52から水を取り込んでエンジン15等の冷却を行うことができる。
また、左のメイン取水口52と第1の吸水口56とを接続する通路Lの途中と、右のメイン取水口52と第2の吸水口57とを接続する通路Rの途中とを繋ぐ連通路、およびその連通路を開閉する弁を設けてもよい。そして、2機のポンプ71、81が双方とも正常に作動しているときには、弁を閉じて、通路Lおよび通路Rを介して2機のポンプのそれぞれに水を供給し、一方、2機のポンプ71、81のうち一方のポンプが正常に作動しなくなったときには、弁を開いて、通路R、通路Lおよび連通路を介して他方のポンプに水を供給するようにしてもよい。これにより、2機のポンプ71、81のうちの1機が正常に作動しなくなった場合に、エンジン15等の冷却効果が大幅に低下することを抑制することができる。
また、上記実施例では、プライマリポンプ71をロアケース5の上面上に配置したが、プライマリポンプ71をドライブシャフト20の外周側における他の位置(例えば、より低い位置)に配置してもよい。
また、上記実施例では、リバース中間ギヤ34および中間ギヤシャフト35をドライブシャフト20の前方に配置し、シフトフォーク42およびクラッチ制御部43をドライブシャフト20の後方に配置し、セカンダリポンプ81をドライブシャフト20の前方に配置し、セカンダリポンプ81のポンプシャフト82と中間ギヤシャフト35とを結合したが、セカンダリポンプ81の設置場所をドライブシャフト20の後方に確保することができる場合には、リバース中間ギヤ34および中間ギヤシャフト35をドライブシャフト20の後方に配置し、シフトフォーク42およびクラッチ制御部43をドライブシャフト20の前方に配置し、セカンダリポンプ81をドライブシャフト20の後方に配置し、セカンダリポンプ81のポンプシャフト82と中間ギヤシャフト35とを結合してもよい。
また、上記実施例では、プライマリポンプ71に容積式ポンプを採用し、セカンダリポンプ81に非容積式ポンプを採用する場合を例にあげたが、プライマリポンプ71およびセカンダリポンプ81のいずれにおいても、ポンプの方式または種類は限定されない。
また、上記実施例では、ドライブシャフト20の回転を直接伝達してインペラを回転させるポンプをプライマリポンプとし、中間シャフトの回転を伝達してインペラを回転させるポンプをセカンダリポンプとしたが、2機のポンプにおけるプライマリ(メイン)、セカンダリ(サブ)の役割分担は適宜変更することができ、また、2機のポンプに同等の役割を与えるようにしてもよい。
また、プライマリポンプ71から吐出された冷却水の冷却対象、およびセカンダリポンプ81から吐出された冷却水の冷却対象は限定されない。例えば、プライマリポンプ71から吐出された冷却水およびセカンダリポンプ81から吐出された冷却水によりエンジン15を冷却してもよいし、プライマリポンプ71から吐出された冷却水によりエンジン15を冷却し、セカンダリポンプ81から吐出された冷却水によりオイルクーラを冷却してもよい。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う船外機もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 船外機
2 ボトムカウル(ケース、カウル)
3 トップカウル(ケース、カウル)
4 アッパーケース(ケース)
5 ロアケース(ケース)
13 アンチキャビテーションプレート
15 エンジン(動力源)
16 外側プロペラシャフト(プロペラシャフト)
17 前側プロペラ(プロペラ)
18 内側プロペラシャフト(プロペラシャフト)
19 後側プロペラ(プロペラ)
20 ドライブシャフト
21 上側シャフト部(第1のシャフト部)
22 中間シャフト部(第2のシャフト部)
23 下側シャフト部(第2のシャフト部)
24 連結部材(第2のシャフト部)
31 回転方向切替機構
32 リバース駆動ギヤ
34 リバース中間ギヤ
35 中間ギヤシャフト
36 リバース出力ギヤ
39 クラッチ
51 取水路
52 メイン取水口(取水口)
54 共通通路(本通路)
55 第1の専用通路(分岐通路)
56 第1の吸水口(分岐通路)
57 第2の吸水口(分岐通路)
71 プライマリポンプ(第1のポンプ)
74 インペラ
81 セカンダリポンプ(第2のポンプ)
83 インペラ

Claims (6)

  1. 船舶を推進させる船外機であって、
    当該船外機の上部に設けられた動力源と、
    前記動力源から当該船外機の下部に向かって上下方向に伸長し、前記動力源の回転出力により回転するドライブシャフトと、
    当該船外機の下部に設けられ、前記ドライブシャフトの回転により回転するプロペラシャフトと、
    前記プロペラシャフトに取り付けられたプロペラと、
    前記動力源、前記ドライブシャフトおよび前記プロペラシャフトを覆うケースと、
    前記ケースに設けられ、前記船外機の外部から前記ケース内に水を取り込む取水路と、
    前記ドライブシャフトの回転により駆動され、前記取水路から取り込まれた水を冷却水として前記動力源に供給する第1のポンプと、
    前記ドライブシャフトの回転により駆動され、前記取水路から取り込まれた水を冷却水として前記動力源に供給する第2のポンプとを備え、
    前記第1のポンプと前記第2のポンプとは当該船外機内において分散して配置されていることを特徴とする船外機。
  2. 前記第1のポンプは、当該第1のポンプのインペラが前記ドライブシャフトと同軸となるように前記ドライブシャフトの外周側に配置され、前記第2のポンプは、前記ドライブシャフトの前方であり、前記ドライブシャフトから離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の船外機。
  3. 前記ケースは、前記動力源を覆うカウルと、前記ドライブシャフトの上側部分を覆うアッパーケースと、前記ドライブシャフトの下側部分および前記プロペラシャフトの前側部分を覆うロアケースとを有し、
    前記ロアケースにはアンチキャビテーションプレートが設けられ、
    前記第2のポンプは、前記ロアケースの前部において、前記船舶の停止時に水面下となりかつ前記アンチキャビテーションプレートよりも高い位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の船外機。
  4. 前記第1のポンプは前記ロアケースの上面上に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の船外機。
  5. 前記取水路は、前記ロアケースの前部の下部に設けられた取水口と、前記取水口に接続され、前記ロアケースの前部の内部を上方に伸長した本通路と、前記本通路の上部からそれぞれ分岐し、前記第1のポンプおよび前記第2のポンプにそれぞれ接続された2つの分岐通路とを有していることを特徴とする請求項4に記載の船外機。
  6. 前記ドライブシャフトは、当該ドライブシャフトの上部を形成し、上端側が前記動力源に接続され、前記動力源の回転出力により一の方向に回転する第1のシャフト部と、当該ドライブシャフトの下部を形成し、下端側が前記プロペラシャフトに接続された第2のシャフト部とに分割され、
    前記第1のシャフト部と前記第2のシャフト部との間には、前記プロペラシャフトの回転方向を切り替える回転方向切替機構が設けられ、
    前記回転方向切替機構は、
    前記第1のシャフト部の下端側に固定されたベベルギヤであり、前記一の方向に回転するリバース駆動ギヤと、
    前記リバース駆動ギヤに噛合したベベルギヤであるリバース中間ギヤと、
    前記ドライブシャフトの軸線と直交する軸線を有し、前記リバース中間ギヤが固定された中間ギヤシャフトと、
    前記リバース駆動ギヤと同軸に配置され、前記リバース中間ギヤに噛合したベベルギヤであり、前記一の方向に対して逆の方向に回転するリバース出力ギヤと、
    前記第1のシャフト部または前記リバース駆動ギヤの前記一の方向の回転を前記第2のシャフト部に伝達するか前記リバース出力ギヤの前記逆の方向の回転を前記第2のシャフト部に伝達するかを選択するクラッチとを有し、
    前記第2のポンプは前記中間ギヤシャフトの回転により駆動されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の船外機。
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