JP2023094128A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023094128A
JP2023094128A JP2021209419A JP2021209419A JP2023094128A JP 2023094128 A JP2023094128 A JP 2023094128A JP 2021209419 A JP2021209419 A JP 2021209419A JP 2021209419 A JP2021209419 A JP 2021209419A JP 2023094128 A JP2023094128 A JP 2023094128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover
imaging
imaging unit
viewpoint
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021209419A
Other languages
English (en)
Inventor
良太 川俣
Ryota Kawamata
圭一 別井
Keiichi Betsui
和良 山崎
Kazuyoshi Yamazaki
怜威 榊原
Rei Sakakibara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2021209419A priority Critical patent/JP2023094128A/ja
Priority to PCT/JP2022/029927 priority patent/WO2023119709A1/ja
Publication of JP2023094128A publication Critical patent/JP2023094128A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R11/00Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for
    • B60R11/02Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for for radio sets, television sets, telephones, or the like; Arrangement of controls thereof
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B11/00Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C3/00Measuring distances in line of sight; Optical rangefinders
    • G01C3/02Details
    • G01C3/06Use of electric means to obtain final indication
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B15/00Special procedures for taking photographs; Apparatus therefor
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B35/00Stereoscopic photography
    • G03B35/08Stereoscopic photography by simultaneous recording
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/45Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof for generating image signals from two or more image sensors being of different type or operating in different modes, e.g. with a CMOS sensor for moving images in combination with a charge-coupled device [CCD] for still images
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/50Constructional details
    • H04N23/55Optical parts specially adapted for electronic image sensors; Mounting thereof

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Studio Devices (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)
  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)

Abstract

【課題】撮像装置においてカバーによる反射光の影響を抑えること。【解決手段】撮像装置1は、撮像部100として、第1視点P1を有する第1撮像部101、および第2視点P2を有する第2撮像部102と、撮像部100を収容するように、第1撮像部101の第1視野V1と第2撮像部102の第2視野V2との少なくとも一部に交差する領域に配置された光透過性のカバー2とを備える。カバー2は、第1視点P1の近傍領域からの光線を第2視点P2の近傍領域へ向かわせるように反射させる形状のカバー部分として、回転楕円面形状の部分を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、撮像装置の技術に関する。
例えば自動車の自動運転の実現においては、自車両の全周囲に存在する物体についての広い視野での画像による認識や物体までの距離測定が必要である。また、例えば天井や壁等に設置される防犯カメラ(言い換えると監視カメラ)においても、広い視野での画像取得などが要求される。この視野の範囲内で、信頼度の高い人物追跡や正確な物体寸法測定を行うためには、画像取得のみならず距離測定も必要となる。
特開2001-094842号(特許文献1)には、車載カメラにおける室内写り込み防止方法として、フロントガラスの内側での反射によるインパネ上部の写り込みを防止して認識性能に及ぼす影響を回避する旨、カメラの偏光フィルタの偏光軸を垂直に対してオフセット角θを持たせるようにして装着する旨が記載されている(要約書)。
特許第4388530号(特許文献2)には、第1反射部と、第2反射部と、第3反射部と、映像撮像部と、を含み、第2反射部は、中央に孔があいており、第1反射部から反射された光および第3反射部から反射された光が同時に孔を通過する旨が記載されている(請求項1)。
特開2001-094842号 特許第4388530号
特許文献1には、車載ステレオカメラによる撮像時に、フロントガラスの内側での反射による映り込みを、偏光フィルタを用いて防止する旨が記載されている。特許文献1では、フロントガラスの特定の形状についての記述は無く、カメラに装着する偏光フィルタを別途用意しなければいけない。
特許文献2には、例えば3枚の双曲面が対向して配置され、一方の双曲面の内部に1台のカメラが配置され、3枚の双曲面によって反射された2つの視点からの像を、その1台のカメラによって撮影する旨が記載されている。これにより、ステレオカメラが構成され、全方位周囲360度の画像取得と距離測定が可能である。特許文献2では、2枚の双曲面を支持および収容するカバーの形状についての記述は無い。特許文献2の図7には、試作機における円筒形状のカバーは示されている。しかしながら、そのような形状のカバーの場合、そのカバーによる反射光が迷光として取得画像に写り込む。その反射光が画像に写り込む場合、画像認識や距離測定の精度が低下する。
本発明の目的は、撮像装置におけるカバーによる反射光の影響を抑えることができる技術を提供することである。
本開示のうち代表的な実施の形態は以下に示す構成を有する。実施の形態の撮像装置は、撮像部として、第1視点を有する第1撮像部、および第2視点を有する第2撮像部と、前記第1撮像部および前記第2撮像部を収容するように、前記第1撮像部の第1視野と前記第2撮像部の第2視野との少なくとも一部に交差する領域に配置された光透過性のカバーと、を備え、前記カバーは、前記第1視点の近傍領域からの光線を前記第2視点の近傍領域へ向かわせるように反射させる形状のカバー部分を有する。
本開示のうち代表的な実施の形態によれば、撮像装置におけるカバーによる反射光の影響を抑えることができる。上記した以外の課題、構成および効果等については、発明を実施するための形態において示される。
実施の形態1の撮像装置の機能ブロック構成例を示す説明図である。 実施の形態1の撮像装置を自動車に搭載する例を示す説明図である。 実施の形態1の撮像装置における、撮像部およびカバーの構成例を示す説明図である。 実施の形態1の撮像装置における、撮像部視点とカバー焦点との関係などについての説明図である。 実施の形態1の撮像装置における、撮像部の光反射抑制の構成例を示す説明図である。 実施の形態1の変形例の撮像装置における、撮像部およびカバーの構成例を示す説明図である。 実施の形態1の変形例の撮像装置における、基板および筐体の構成例を示す説明図である。 実施の形態2の撮像装置における、ヘッドライトユニットに搭載された構成例を示す説明図である。 実施の形態3の撮像装置における、建物の天井に設置された構成例を示す説明図である。 実施の形態4の撮像装置における、撮像部およびカバーの構成例を示す説明図である。 実施の形態5の撮像装置における、撮像部およびカバーの構成例を示す説明図である。 実施の形態5の撮像装置における、撮像部の光反射抑制の構成例を示す説明図である。 実施の形態5の撮像装置における、カバーの射出成形に係わる構成例を示す説明図である。 実施の形態1に対する比較例の撮像装置における、2つの撮像部とカバーとの位置関係の例を示す説明図である。 実施の形態4に対する比較例の撮像装置における、2つの撮像部とカバーの位置関係の例を示す説明図である。 実施の形態5に対する比較例の撮像装置における、撮像部およびカバーの構成例を示す説明図である。
以下、図面を参照しながら本開示の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一部には原則として同一符号を付し、繰り返しの説明を省略する。図面において、構成要素の表現は、発明の理解を容易にするために、実際の位置、大きさ、形状、および範囲等を表していない場合がある。
説明上、プログラムによる処理について説明する場合に、プログラムや機能や処理部等を主体として説明する場合があるが、それらについてのハードウェアとしての主体は、プロセッサ、あるいはそのプロセッサ等で構成されるコントローラ、装置、計算機、システム等である。計算機は、プロセッサによって、適宜にメモリや通信インタフェース等の資源を用いながら、メモリ上に読み出されたプログラムに従った処理を実行する。これにより、所定の機能や処理部等が実現される。プロセッサは、例えばCPUやGPU等の半導体デバイス等で構成される。プロセッサは、所定の演算が可能な装置や回路で構成される。処理は、ソフトウェアプログラム処理に限らず、専用回路でも実装可能である。専用回路は、FPGA、ASIC、CPLD等が適用可能である。
プログラムは、対象計算機に予めデータとしてインストールされていてもよいし、プログラムソースから対象計算機にデータとして配布されてもよい。プログラムソースは、通信網上のプログラム配布サーバでもよいし、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えばメモリカード)でもよい。プログラムは、複数のモジュールから構成されてもよい。コンピュータシステムは、複数台の装置によって構成されてもよい。コンピュータシステムは、クライアントサーバシステムやクラウドコンピューティングシステムやIoTシステム等で構成されてもよい。各種のデータや情報は、例えばテーブルやリスト等の構造で構成されるが、これに限定されない。識別情報、識別子、ID、名、番号等の表現は互いに置換可能である。
<実施の形態1>
図1~図5等を用いて、本開示の実施の形態1の撮像装置について説明する。実施の形態1の撮像装置は、後述の図3のようなカバー2を有し、カバー2は、回転楕円面形状を有する。このカバー2により、反射光が抑制され、撮像部100に入射する迷光が低減される。
[撮像装置および処理装置(1)]
図1は、実施の形態1の撮像装置1の機能ブロック構成例を示す。実施の形態1の撮像装置1は、撮像部100として、第1視点を有する第1撮像部101、および第2視点を有する第2撮像部102と、カバー2と、処理装置3とを備える。撮像部100は言い換えるとカメラであり、第1撮像部101は言い換えると第1カメラであり、第2撮像部102は言い換えると第2カメラである。カバー2は、当該カバー2で区切られる空間内に撮像部100を収容する光透過性部材である。撮像部100およびカバー2は、設置面4(特に基板40)に設置されている。
実施の形態1の撮像装置1は、特に、撮像部100のカバー2に特徴を有する。なお、図1では、カバー2や設置面4については概念のみを図示しており、カバー2や設置面4の具体的な形状等は後述の図3等で示される。また、図1では、実施の形態1の撮像装置1に対し外部に接続される処理装置3も図示している。
撮像装置1は、所定の対象物、例えば自動車や自律走行ロボットなどに搭載される。あるいは、撮像装置1は、防犯カメラ等の用途で建物の壁や天井などに設置される。実施の形態1の撮像装置1は、任意の対象物に対し設置可能である。実施の形態1の撮像装置1は、例えば自動車の車外カメラまたは車内カメラとして利用できる。
[利用・設置例]
図2は、実施の形態1の撮像装置1を具体的に利用・設置する例を示し、(A)は第1例、(B)は第2例を示す。(A)の第1例では、撮像装置1は、自動車200のフロントガラス(言い換えるとウィンドシールド)201に対する内側で、バックミラー付近に搭載されている。この場合、撮像装置1は、撮像部100の光軸方向が自動車200の前方方向(例えばY方向)を向いており、Y方向の軸周りに360度で所定の画角、本例ではY軸に対し180度より小さい画角、を有している。
(B)の第2例では、撮像装置1は、自動車200の車体の例えば天井202の外側、上側に搭載されている。この場合、撮像装置1は、撮像部100の光軸方向が鉛直方向(Z方向)を向いており、Z方向の軸周りに360度で所定の画角、本例ではZ軸に対し180度以上の広角、を有している。なお、撮像装置1の画角は、撮像部100である2つのカメラの画角を選択・設計することで変更できる。
上記例に限らず、撮像装置1は、例えば自動車200の天井の上側で光軸を車両前方とする向きで設置されてもよい。
[撮像装置および処理装置(2)]
図1に戻る。撮像装置1は、撮像部100を用いて、物体認識用の画像と、距離測定用の2つの視点からの2つの画像(言い換えるとステレオ画像)とを取得する機能を少なくとも有する装置である。
第1撮像部101および第2撮像部102は、それぞれ、例えば単眼カメラである。第1撮像部101は、受光した光に基づいて撮像画像信号を生成し、その撮像画像信号(第1画像31とも記載)を出力する。同様に、第2撮像部102は、受光した光に基づいて撮像画像信号を生成し、その撮像画像信号(第2画像32とも記載)を出力する。
一般的に、撮像装置で取得、言い換えると撮像された画像は、その画像からの対象物の検知(言い換えると物体認識)や距離測定などの処理を実行するプロセッサを有する処理装置へ送信される。処理装置は、言い換えると、画像処理部、計算機などである。プロセッサは、CPUやGPU等の半導体デバイスが挙げられる。実施の形態1では、撮像装置1の撮像部100の第1撮像部101および第2撮像部102で取得された2つの画像である第1画像31および第2画像32は、処理装置3へと送信される。
実施の形態1の撮像装置1は、撮像部100と処理装置3とが、設置面4、特に基板40を介して、直接的に、所定の信号線、言い換えると通信線や接続線で、電気的に接続されている。撮像部100は、撮像によって取得した画像や、他の情報を、その信号線を通じて、処理装置3に対し出力、送信する。また、処理装置3側から、信号線を通じて、制御信号によって、撮像部100が制御されてもよい。また、撮像部100と処理装置3とが、有線または無線の通信インタフェースを介して通信接続されてもよい。
図1中の処理装置3は、プロセッサ、メモリ、バス、入出力インタフェース等を備える。処理装置3は、撮像部100からの2つの画像である第1画像31および第2画像32の入力に基づいて、距離測定などを含む画像処理を行う。そして、処理装置3は、処理結果として、2つの画像である第1画像および第2画像、ならびに距離測定情報などのデータ・情報を、外部に出力する機能を有する。
なお、実施の形態1の撮像装置1は、処理装置3を備えない構成であるが、これに限定されず、他の実施の形態の撮像装置は、処理装置3を備える構成としてもよい。その場合の撮像装置は、処理装置3が、撮像部100から取得した2つの画像から距離を測定する処理などを行う機能も有している。この撮像装置は、距離測定装置などと言い換え可能である。
処理装置3は、撮像部100からの撮像画像信号の2つの画像に対し画像処理を行うユニットである。処理装置3は、入力インタフェースとして第1入力インタフェース301および第2入力インタフェース302と、補正部として第1補正部311および第2補正部312と、ステレオ処理部320と、出力インタフェース330とを備える。ステレオ処理部320は言い換えると距離測定部である。
処理装置3の各部(言い換えると機能ブロック)は、所定のハードウェアおよびソフトウェアで構成される。各部は、主に回路、例えばFPGA等による専用回路により実現されてもよいし、少なくとも一部がソフトウェアプログラム処理により実現されてもよい。例えば、ステレオ処理部320は、CPU等のプロセッサがメモリ上のプログラムに従った処理を実行することで実現される。処理装置3内における、図示しないメモリ、あるいは外部記憶装置には、予め、プログラムや設定情報などの各種のデータ・情報が格納される。プロセッサは、適宜にメモリに対し処理過程のデータ・情報を読み書きする。また、メモリ等には、撮像部100から取得された2つの画像の画像データや、各処理後の画像データなどが適宜に格納される。
第1入力インタフェース301は、第1撮像部101からの第1画像31を受信、入力する。第2入力インタフェース302は、第2撮像部102からの第2画像32を受信、入力する。入力インタフェースは、それぞれ、例えばアナログ/デジタル変換器を含み、撮像部100からのアナログ信号である撮像画像信号をデジタル信号に変換し、後段の機能ブロックへ出力する。
入力インタフェースの後段には、補正部として、第1補正部311および第2補正部312が接続されている。第1補正部311は、第1入力インタフェース301から出力されたデジタル信号である撮像画像信号(第1画像33とも記載)に対し、所定の各種の画像処理を施すことで補正を行い、後段の機能ブロックへ出力する。同様に、第2補正部312は、第2入力インタフェース302から出力されたデジタル信号である撮像画像信号(第2画像34とも記載)に対し、所定の各種の画像処理を施すことで補正を行い、後段の機能ブロックへ出力する。補正部が実行する画像処理は、例えば、汎用的な幾何変換である。この幾何変換の画像処理により、撮像光学系に応じた座標系での歪みを有する撮像画像を、ステレオ処理のために好適な所定の座標系の画像に変換することができる。補正部が実行する画像処理は、他にも例えばデモザイキング処理などを含んでもよい。
補正部の後段には、ステレオ処理部320が接続されている。ステレオ処理部320は、補正部から出力される2つの撮像画像(第1画像35および第2画像36とも記載)を用いて、ステレオ処理、言い換えると距離測定処理を実行する。ステレオ処理部320は、この処理の結果として、距離情報、すなわち撮像部100と物体との距離を表す情報を抽出する。ステレオ処理部320は、その距離情報(言い換えると距離測定結果情報)を含む画像である距離画像データを作成する。距離画像データは、例えば、画像内の画素毎に距離値を有する距離画像であり、言い換えると、画像内の位置座標毎に物体との距離が色や輝度で表現された距離画像のデータである。そして、ステレオ処理部320は、その距離画像データを、後段の機能ブロックである出力インタフェース330へ出力する。また、ステレオ処理部320は、補正部からのそれぞれの撮像画像である第1画像35および第2画像36のデータについても、出力インタフェース330に出力する。出力データ37は、上記距離画像データおよび2つの撮像画像を含むデータである。
ステレオ処理部320の後段には、出力インタフェース330が接続されている。出力インタフェース330は、ステレオ処理部320から出力された距離画像データおよび撮像画像データを含む出力データ37に対応した出力データ38を、外部装置へ出力する。外部装置は、撮像装置1を利用・制御する制御装置などが挙げられる。外部装置は、例えば図2のような自動車200に搭載されている電子制御ユニット(ECU)でもよい。外部装置は、撮像装置1を搭載するロボットのコンピュータでもよい。外部装置は、通信網上のサーバ装置などでもよい。出力インタフェース330は、外部装置との通信インタフェースが実装された装置でもよい。なお、図2の例の場合、図1の処理装置3は、撮像装置1とともに一体で自動車200に設置されていてもよいし、自動車200のECU等の側に設置されていてもよい。
[比較例A]
図14は、実施の形態1の撮像装置1(後述の図3)に対する比較例(比較例Aとする)の撮像装置1Aの構成を示す。図14では、比較例Aの撮像装置1Aにおける撮像部100Aの2つのカメラとカバー2Aとの位置関係などの例を、模式的な斜視図で示している。比較例Aの撮像装置1Aは、撮像部100Aとして第1撮像部101Aおよび第2撮像部102Aと、それらを収容するカバー2Aとを備える。撮像部100Aおよびカバー2Aは、設置面4Aに設置されている。
設置面4Aは、ドットパターンで示す四角形の領域であり、図示のX-Y面に配置されている。第1撮像部101Aおよび第2撮像部102Aは、設置面4A上の所定の位置に設置されている。第1撮像部101Aおよび第2撮像部102Aは、例えばX方向の直線上で、所定の距離を置いた、所定の2つの位置に配置されている。第1撮像部101Aは、第1視点P1Aを有し、第2撮像部102Aは、第2視点P2Aを有する。これらの撮像部は、一点鎖線矢印で示すように、光軸がZ方向を向いている。光軸J1Aは、第1撮像部101Aの光軸、光軸J2Aは、第2撮像部102Aの光軸を示す。視野V1Aは、光軸J1Aを中心とした所定の画角、本例ではX-Z面で60度程度の画角の撮像視野を示す。視野V2Aは、光軸J2Aを中心とした所定の画角、本例ではX-Z面で60度程度の画角の撮像視野を示す。
設置面4A上に、2つの撮像部である第1撮像部101Aおよび第2撮像部102Aを覆うように、カバー2Aが固定されている。言い換えると、カバー2Aにより区切られる空間内に、2つのカメラが収容されている。このカバー2Aの形状は、単純な長方体の例であり、設置面4Aに平行な上面や、設置面4Aに垂直な4側面を有している。なお、カバー2Aの長方体の6平面のうち設置面4Aに対応した1平面は欠いている。
第1撮像部101Aは、視野V1A内の被写体から第1撮像部101Aの第1視点P1Aに向かう光線群に基づいて、出力画像である第1画像を生成する第1カメラである。第2撮像部102Aは、視野V2A内の被写体から第2撮像部102Aの視点P2Aに向かう光線群に基づいて、出力画像である第2画像を生成する第2カメラである。
また、共通視野V3Aは、図面では格子のパターン領域で示しており、2つの撮像部の2つの視野(V1A,V2A)が重なっている部分である。共通視野V3Aは、ステレオカメラとしての距離測定が可能となる空間領域を示している。
光線a1や光線a2は、これらの視野内の光線群に属する一部の光線を図示したものである。例えば、光線a1は、第1撮像部101Aの視野V1A内において、Z方向で上から下へ向かって第1視点P1Aに入射する光線を示す。光線a2は、第2撮像部102Aの視野V2A内において、Z方向で上から下へ向かって第2視点P2Aに入射する光線を示す。したがって、この撮像部100Aは、2つの撮像部視点である第1視点P1Aおよび第2視点P2Aからの異なる出力画像である2つの画像を生成・取得する。
ここで、視点または撮像部視点またはカメラ視点とは、言い換えると、光学系としての入射瞳位置のことである。視点とは、具体例では、カメラを構成するイメージセンサの位置である。
カバー2Aは、撮像対象の波長を透過する材質で製作されている光透過性部材である。カバー2Aは、可視光を対象とする場合には、例えばガラスや樹脂のような材質で製作されており、赤外線を対象とする場合には、例えばゲルマニウムのような材質で製作されている。カバー2Aは、例えば撮像部100Aの防塵・防滴などの目的で設けられている。
図14の比較例Aでの課題などについて説明する。一般的に、撮像装置は、カバーとしてよく採用される形状として、カバー2Aの例のように、複数の平面から成る直方体形状が挙げられる。このような直方体形状を有するカバー2Aの場合、カバー2Aで反射した光が、撮像部100に入射する。図14の例では、光線a3は、2つの視野(V1A,V2A)の外から、カバー2Aに対し、長方体の例えば一側面を透過して入射し、長方体の上平面でZ方向の下側に向かって反射されて、第2撮像部102Aの第2視点P2Aに入射する光線を示している。これにより、意図しない視野外の光(例えば光線a3)が、視野内の光(例えば光線a2)に混在してしまう。この結果として、光線a3の反射光は、第2撮像部102Aの出力画像に、迷光として現れてしまう。出力画像に迷光が現れた場合、その出力画像を用いた画像認識や距離測定の精度が低下する。
そこで、実施の形態1の撮像装置1は、後述の図3のように、カバー2の形状が工夫されており、上記のような視野外の光の混在による迷光(特にカバーによる反射光)を防止または抑制する。具体的には、図3の実施の形態1の撮像装置1では、カバー2の形状は、回転楕円面の形状を有する。これにより、このような迷光が抑制される。
[撮像装置およびカバー]
図3は、実施の形態1の撮像装置1の撮像部100およびカバー2の構成を示す。図3では、撮像装置1における撮像部100の2つのカメラとカバー2との位置関係などの例を、模式的な斜視図で示している。図3の例では、撮像装置1は、図示の座標系(X,Y,Z)において配置されている。設置面4は、ドットパターンで示す楕円形状の領域であり、図示のX-Y面に配置されている。第1撮像部101および第2撮像部102は、設置面4上の所定の位置に設置されている。第1撮像部101および第2撮像部102は、例えばX方向の直線上で、所定の距離を置いた、所定の2つの位置に配置されている。
第1撮像部101は、直線300上に、第1視点P1を有し、第2撮像部102は、第2視点P2を有する。これらの撮像部は、一点鎖線矢印で示すように、光軸がZ方向を向いている。光軸J1は、第1撮像部101の光軸、光軸J2は、第2撮像部102の光軸を示す。視野V1は、光軸J1を中心とした所定の画角、本例ではX-Z面で90度程度の画角の撮像視野を示す。視野V2は、光軸J2を中心とした所定の画角、本例ではX-Z面で90度程度の画角の撮像視野を示す。
設置面4上において、2つの撮像部である第1撮像部101および第2撮像部102を覆うように、カバー2が固定されている。言い換えると、カバー2により区切られる空間内に、2つのカメラが収容されている。
カバー2は、撮像対象とする光(例えば可視光)に関する光透過性を有する材質で作製されたカバー、言い換えると保護部材や固定部材である。カバー2は、少なくとも、撮像部100を保護する機能を有し、例えば、撮像部100に埃や液体が付着することを防止する防塵・防滴機能を有する。さらに、実施の形態1でのカバー2は、撮像部100への迷光(すなわち被写体からの光以外の外光などによる反射光)の入射を防止・低減する機能を有する。
カバー2の基本的な要件として、カバー2は撮像部100と干渉しないことが必要である。言い換えると、カバー2の大きさの条件として、カバー2の概略的な半球面の内側の空間内に、撮像部100の2つのカメラの視点(P1,P2)が収められることが必要である。
カバー2は、第1撮像部101の第1視点P1の近傍(後述のカバー第1焦点F1)からの光線が当該カバー2によって反射して第2撮像部102の第2視点P2の近傍(後述のカバー第2焦点F2)に向かう形状、または、第2視点P2の近傍からの光線が当該カバー2によって反射して第1視点P1の近傍に向かう形状、を有する。より具体的には、カバー2は、そのような作用を実現する形状として、回転楕円面形状、言い換えると楕円曲面形状を有する。
図3では、カバー2は、設置面4上に、概略的な半球面としての空間を占めており、その半球面の詳細形状として、回転楕円面形状を有する。なお、カバー2の概略的な半球面のうち設置面4に接している楕円状の平面の部分は欠けており、撮像装置1をカバー2等に分解した場合には、その部分は開口である。カバー2は、概略的な半球面を全体とした場合に、その全体のうち少なくとも一部に回転楕円面形状を有する構成であればよい。
第1撮像部101は、視野V1内の被写体から第1撮像部101の第1視点P1に向かう光線群に基づいて、出力画像である第1画像を生成する第1カメラである。第2撮像部102は、視野V2内の被写体から第2撮像部102の視点P2に向かう光線群に基づいて、出力画像である第2画像を生成する第2カメラである。また、共通視野V3は、図面では格子のパターン領域で示しており、2つの撮像部の2つの視野(V1,V2)が重なっている部分である。共通視野V3は、ステレオカメラとしての距離測定が可能となる空間領域を示している。
光線A1や光線A2は、これらの視野内の光線群に属する一部の光線を図示したものである。例えば、光線A1は、第1撮像部101の視野V1内において、Z方向で上から下へ向かって第1視点P1に入射する光線を示す。光線A2は、第2撮像部102の視野V2内において、Z方向で上から下へ向かって第2視点P2に入射する光線を示す。この撮像部100は、2つの視点である第1視点P1および第2視点P2からの異なる出力画像である2つの画像を生成・取得する。
このカバー2における回転楕円面は、2つの撮像部である第1撮像部101(特に第1視点P1)および第2撮像部102(特に第2視点P2)を結んだ直線300を回転軸として楕円曲線を回転させることで形成される曲面である。この回転軸の直線300とは、詳しくは2つの視点である第1視点P1と第2視点P2とを結んだ直線であり、言い換えると回転軸である。図3の例では、直線300および第1視点P1および第2視点P2は、設置面4であるX-Y面からZ方向の上側に所定の距離の位置にある。
さらに、このカバー2の回転楕円面の2つの焦点(F1,F2)を、カバー第1焦点F1、カバー第2焦点F2とする。この場合に、実施の形態1の構成では、この2つの焦点(F1,F2)を、2つの撮像部である第1撮像部101および第2撮像部102の2つの視点である第1視点P1および第2視点P2とそれぞれ一致、言い換えると略一致させる。図3では、第1視点P1の近傍、例えばX方向で右側に、カバー第1焦点F1があり、第2視点P2の近傍、例えばX方向で右側に、カバー第2焦点F2がある。なお、第1視点P1に対するカバー第1焦点F1の関係と、第2視点P2に対するカバー第2焦点F2の関係とは、同じ関係、例えばX方向で右側に所定の距離の関係としているが、これに限定されない。
ここで、2種類の位置であるカメラ視点とカバー焦点との一致とは、それらの2点が、撮像部100の大きさのスケール程度の近傍に存在することを意味する。言い換えると、カメラ視点とカバー焦点とが撮像部100の大きさのスケール程度で概略的な一致として配置されていればよい。このような一致の条件の詳細については後述する。このような一致の条件が満たされる構成の場合、カバー2の回転楕円面の特性に基づいて、一方のカメラ視点からの光線は、カバー2の回転楕円面の形状によって反射されて、他方のカメラ視点へ入射する。例えば、図示の第1撮像部101の第1視点P1からの光線A3は、カバー2の回転楕円面の形状によって反射されて、反射後の光線A4が、第2撮像部102の第2視点P2へ入射する。
カバー2の内面である内側の曲面に対し外光が入射・反射する場合に、カバー焦点以外の方向から入射した外光などの光線は、カバー2の内面で反射された後、カバー焦点の近傍にあるカメラ視点には向かわない。これは回転楕円面の特性によるものである。そのため、その外光などの光線が迷光となることが防止される。
なお、カバー2の回転楕円面の形状とは、数学的に厳密な回転楕円面に限定するものではなく、概略的な回転楕円面の形状としてもよい。言い換えると、カバー2は、厳密な回転楕円面を基準とした場合に、その基準の回転楕円面から、ある程度の許容範囲内でずれた形状の楕円曲面としてもよい。この場合でも、カバー2による反射光抑制効果、迷光低減効果が、相応に得られる。
[位置関係および一致の条件]
図4は、図3の実施の形態1の撮像装置1等に係わる、撮像部100とカバー2との位置関係、および上記一致の条件についての説明図を示す。図4では、図3と同様のカバー2等の斜視図を用いて、カバー2の大きさや形状と撮像部100の大きさや形状との関係や、撮像部100の視点とカバー2の焦点との位置関係などを示している。図4では、カバー2の回転楕円面の第1半径である長軸半径をaとし、第2半径である短軸半径をbとし、2つの視点である第1視点P1と第2視点P2との間の距離をcとして図示している。
カバー2の大きさは、2つの変数である長軸半径aおよび短軸半径bで規定される。2つの変数(a,b)の最小値は、以下の2つの条件を定めることで決定できる。1つ目の条件は、撮像部100の2つの視点(P1,P2)と、カバー2の2つの焦点(F1,F2)との位置が、それぞれ一致することである。このとき、視点間の距離cと長軸半径aおよび短軸半径bとの間に、以下の式1の条件が与えられる。
式1: c=2√(a-b
2つ目の条件は、撮像部100を構成する第1撮像部101および第2撮像部102と、カバー2とが干渉しないことである。このとき、撮像部100の大きさと、撮像部100の位置とを考慮して、2つの変数(a,b)の下限値が決定される。第1撮像部101の大きさ、スケールをs1とし、第2撮像部102の大きさ、スケールをs2として示す。
この下限値の条件を満たしつつ、式1の条件から計算される2つの変数(a,b)の値が、求めるべきカバー2の大きさを規定する値である。この変数(a,b)の値は最小値であるため、式1を満たすのであれば、これよりも大きな値としてもよい。
図4で、第1撮像部101の第1視点P1と、カバー第1焦点F1との距離をd1とする。第2撮像部102の第2視点P2と、カバー第2焦点F2との距離をd2とする。この場合に、上記一致の条件とは、第1視点P1とカバー第1焦点F1との関係については、距離d1がスケールs1以内であることを意味し、数式では例えばd1≦s1として表現される。同様に、第2焦点P2とカバー第2焦点F2との関係については、距離d2がスケールs2以内であることを意味し、d2≦s2として表現される。一致の条件は、言い換えると、1つ以上の撮像部について、撮像部視点とカバー焦点との距離が、撮像部の入射瞳(例えばレンズ中心領域)の大きさ以下であることである。このような条件は、一般的な光学から導出される。
図3の実施の形態1の撮像装置1は、撮像部100およびカバー2の構成として、上記のような一致の条件(言い換えると略一致の条件)を満たしている。なお、以下では、説明上、わかりやすさのために、撮像部100の視点とカバー2の焦点とが同じ位置にある、またはカメラ視点とカバー焦点とが同じである、とみなして説明する場合がある。
なお、上記一致の条件を満たす配置として、図4では、2つのカメラである第1撮像部101と第2撮像部102が、いずれも、カバー焦点に対し左側に距離dを有する関係で配置されている。これに限定されず、一致の条件を満たす範囲内で、各カバー焦点に対し、各カメラ焦点が、異なる方向や異なる距離で配置されている関係としてもよい。
[カバーの作用]
図3に戻る。実施の形態1で、撮像部100とカバー2を上記のような配置の構成とすることによる作用効果などについて説明する。図3の配置において、例えば、光線A4は、第2撮像部102の第2視点P2、すなわちその第2視点P2に一致するカバー第2焦点F2、に向かうカバー反射光の光線である。この光線A4は、カバー第1焦点F1から出た光線A3と対応した反射光である。この光線A3から光線A4への反射は、カバー2の回転楕円面における楕円の焦点の性質によるものである。ここで、カバー第1焦点F1と第1視点P1、ならびに、カバー第2焦点F2と第2視点P2は、それぞれ、前述の一致の条件を満たしている。そのため、光線A3は、第1撮像部101の入射瞳である第1視点P1の近傍から出る光となる。したがって、この場合に、第2撮像部102の出力画像(図1の第2画像32)に迷光として写り込む可能性がある光は、第1撮像部101の入射瞳である第1視点P1ならびにその近傍の第1撮像部101の部分からの光のみに限定される。
そこで、実施の形態1では、後述の図5のように、第1撮像部101の大部分として、第1視点P1への入射領域を除く部分を、例えば黒塗り、言い換えると光反射抑制部材の形成として、第1撮像部101での反射光を抑制する構成とする。これにより、第1撮像部101の第1視点P1の近傍の部分からの光線A3のような反射光が抑制され、その反射光がカバー2の内面で反射されて光線A4のようにして第2撮像部102の第2視点P2の近傍に入射することは抑制される。これにより、第2撮像部102の出力画像に写り込む迷光を抑制できる。このような作用は、第2撮像部102から第1撮像部101への光(例えば光線A3,A4を逆向きにして考えればよい)についても、同様に成立する。
図3の例で、光線A1を100%の光とした場合に、その光線A1は、最初にカバー2内に入射する際に、カバー2の作用によって、例えば10%の光に減光される。その入射した10%の光は、第1撮像部101のレンズで反射されて、光線A3となる。この際、第1撮像部101のレンズは、一般的な構成として、反射防止コーティングされている。そのため、その入射した10%の光は、第1撮像部101のレンズでの反射により、反射後の光線A3は、例えば1%程度の光に減光される。その1%の光線A3は、カバー2の内面で反射され、光線A4となる。その際、光線A3は、カバー2の内面での反射により、反射後の光線A4は、例えば0.1%~0.01%程度の光に減光される。
この光線A4が、第2撮像部102のレンズに入射して迷光となり得る光である。この光線A4は、元の光線A1に対し、0.1%~0.01%程度と十分に光量が小さい。そのため、第2撮像部102の画像に映り込む迷光を十分に小さく抑制することができる。さらに、撮像部100のレンズ以外の部分を黒塗りの構成とすることで、迷光をより低減できる。
また、変形例としては、カバー2は、カバー2内部空間に露出している側の面である内面に、反射防止コーティングが施された構成としてもよい。この構成の場合、例えば光線A3から光線A4への反射などの際の反射光をさらに減光することができる。
[撮像部の光反射抑制の構成例]
図5は、上記撮像部100の黒塗り、すなわち光反射抑制部材の形成の構成例を示す。図5の例では、第1撮像部101について、光軸J1を中心とした第1視点P1の領域、具体例では筐体内のイメージセンサへと結像するレンズの部分を除いて、設置面4上に露出している大部分を、黒塗りとして、光反射抑制部材が形成(例えばコーティング)された構成としている。図5では、レンズの領域501を白色で図示している。レンズの領域501は、撮像に必要であるため、黒塗りはされない。図5の例では、レンズの鏡筒も黒塗りとされている。また、レンズの鏡筒の下側の直方体の部分としてイメージセンサ等を内蔵している筐体部分も黒塗りとされている。
光反射抑制部材は、遮光膜など、対象波長の光の反射率が低い部材である。このような光反射抑制部材を設ける構成を併用することで、カバー2による反射光抑制効果をより高めることができる。
第1撮像部101に対し入射する光、例えば、光線A5は、レンズの領域501以外の上面や側面などに入射する光線の例を示す。このような光線A5が入射したとしても、図3の光線A3のような、カバー2へ向けた反射光は抑制される。よって、図3の光線A4のような、カバー第2焦点F2に一致する、第2撮像部102の第2視点P2に対応するレンズの領域に入射する光は抑制される。
変形例として、設置面4において、撮像部と周囲を含んだ領域、例えば破線で示す領域501に、光反射抑制部材を設ける構成としてもよい。
[カバーの配置領域について]
図3に戻る。空間内において、カバー2は、第1撮像部101および第2撮像部102の視野(V1,V2)の一部または全てに対応させた領域を含むように、所定の形状である回転楕円面の形状を有して配置されている。言い換えると、カバー2は、視野(V1,V2)の一部または全ての光線が通る途中の領域(言い換えると交差する領域)を含むように、所定の形状で配置されている。実施の形態1では、図3のように、カバー2は、設置面4から上側の概略的に半球面の表面領域のすべてに回転楕円面形状を有して配置されている。この概略的に半球面の表面領域内の一部において、視野(V1,V2)が交差しており、視野(V1,V2)の全ての光線が通過する。
カバー2を設ける領域や大きさは、図3の構成例に限定されず、後述の図6のような変形例も可能である。撮像装置のカバー全体のうち少なくとも一部が概略的に回転楕円面形状を有する構成であればよい。空間内でカバー2が設けられる領域は、カバー2での反射による迷光を抑制したい領域を含む少なくとも一部とすればよい。
[変形例:カバー]
図6は、実施の形態1の変形例の撮像装置1bにおけるカバー2b等の構成を示す。このカバー2bは、撮像部100の2つのカメラの視野(V1,V2)をカバーしつつ、概略的に半球面のうちの一部の領域に対応させて設けられている。なお、図6の例では、カメラの視野は図3での視野よりも挟い場合を示している。具体的に、このカバー2bは、図3の概略的に半球の領域の回転楕円面のうちの一部が切り欠かれた形状を有している。本例では、切り欠かれた一部は、第1撮像部101に対しX方向で左側にある、図示の半楕円状の平面601から左側の部分である。平面601は、カバー2bと、切り欠かれた一部との境界にあるY-Z面である。
図6の例では、撮像装置1bの設置・利用環境において、平面601に対する外光入射が無いとする。この場合、この平面601に対応する切り欠かれた一部の領域での外光の反射を考慮する必要が無い。よって、この変形例では、この切り欠かれた一部の領域にはカバー、特に回転楕円面形状のカバー、を設けていない。
平面601については、例えば何も設けない開口としてもよい。この場合、基本的に、カバー2b内の空間は、この平面601を通じて外部に開いている。撮像装置1の利用例に応じて、このような開口の平面601は、例えば、搭載の対象物、例えば図2の自動車200の一部の面に接して配置される。その場合、平面601は、対象物の面によって、カバー2b内の空間を閉じる。この場合、カバー2bによる防塵などの機能が実現される。
また、利用例に応じて、平面601の開口を対象物の面で塞がずにそのままとしてもよい。例えば、平面601の開口が通気孔として使用されてもよいし、信号線や他の実装物を配置するために使用されてもよい。例えば、防塵等の機能が必要でない場合などには、そのように平面601を開口のままとしてもよい。
また、他の構成例として、平面601にも平板の光透過性部材を設けることで、カバー2bの一部とし、カバー2b内の空間が閉じられた構成としてもよい。
[設置面および基板について]
図3に戻る。図3で、撮像部100が設置されている設置面4は、カバー2の底面部、開口部に相当している。設置面4は、例えば、撮像装置1が設置される対象物、例えば図2の自動車200の一部(例えば車体、バックミラー等)の面である。あるいは、設置面4は、撮像装置1が設置される対象物の面ではなく、撮像装置1の構成要素の1つとして対象物とは別の部材による基板などである。実施の形態1では、特に、設置面4は、そのような基板40であるとする。基板40は、言い換えると、撮像部設置基板、カバー底面板である。その基板40上に撮像部100が固定される。撮像装置1が対象物に設置される場合に、この基板40は、対象物の面との間に介在する。例えば、対象物の面上に基板40が配置される。実施の形態1では、撮像部100は、カバー2と設置面4である基板40とによって全周囲が囲まれ、撮像部100が収容された空間が閉じられている。
撮像部100およびカバー2を対象物(例えば自動車200)の面に直接的に設置や実装する形態とする場合、基板40は不要である。ただし、その場合、設置面4上で撮像部100とカバー2との位置関係が所定の適切な位置関係に固定される必要がある。この所定の位置関係を高精度に位置決めする場合には、実施の形態1のように設置面4を基板40とする方が良い。
設置面4である基板40と、カバー2の端(すなわち楕円状の開口部)とは、任意の固定手段、例えば、ねじ止め、接着剤、爪状や螺旋状の突起による嵌合構造、等によって固定されてもよく、保守などの際に基板40からカバー2を取り外し可能としてもよい。
変形例としては、カバー2と基板40とを一体化したカバーとした形態としてもよい。
また、設置面4である基板40は、光学的特性や構成部材については限定されず、光透過性部材で構成されてもよいし、光反射抑制部材で構成されてもよい。実施の形態1では、設置面4である基板40の上面の全体が光反射抑制部材で構成されてもよい。基板40の光反射抑制部材は、図5と同様な光反射抑制部材としてもよい。
また、カバー2と設置面4とで囲まれた空間、図3での概略的に半球の空間内には、迷光の防止のため、2つのカメラである撮像部100以外には何も配置されない方が好ましい。
また、設置面4である基板40の裏側に、図1の処理装置3などが配置されてもよい。
[変形例:距離計測装置]
図7は、実施の形態1の変形例として、撮像装置1を備えた距離計測装置10の構成例を示す。この距離計測装置10は、図3のような撮像装置1の基板40の下側に、円柱状ないし円盤状の筐体700が接続されている。そして、筐体700内に、図1の処理装置3等が設けられている。図7では筐体700内の底面に処理装置3の実装物が配置されている。これに限らず、筐体700内で設置面4である基板40の裏面に処理装置3の実装物が配置されていてもよい。基板40に処理装置3等が実装されていてもよい。距離計測装置10は、言い換えると、ステレオ処理部320を含む処理装置3を備えた撮像装置、測距機能付きの撮像装置である。
第1撮像部101および第2撮像部102は、設置面4である基板40を介して、信号線701を通じて、処理装置3と接続されている。また、筐体700内には、バッテリ、通信インタフェース装置等が設けられてもよい。また、筐体700に入出力インタフェース、操作入力ボタンなどが設けられてもよい。
他の変形例としては、設置面4である基板40は、カバー2と同じく、光透過性部材で構成されてもよい。その場合、設置面4である基板40もカバー2の一部であると捉えることができる。また、カバー2は、前述のように、撮像部100に対し図3や図4のような一致の条件を満たす所定の位置関係を維持して配置される必要がある。そのため、通常、カバー2は、設置面4に対し固定される。しかしながら、カバー2と撮像部100との所定の位置関係が維持できるのであれば、必ずしもカバー2が設置面4に対し固定されなくてもよい。
また、他の変形例としては、カバー2、設置面4である基板40、および筐体700等が、すべて光透過性部材で形成され、必要な箇所のみに光反射抑制部材などが設けられた構成としてもよい。
図3や図7の例では、設置面4である基板40は、楕円板状であるが、これに限定されず、カバー2の端の楕円平面を包含する四角形板状などとしてもよい。また、図7での筐体700は、円柱状に限らず、処理装置3等を内包しカバー2の端の楕円平面を包含する長方体状などとしてもよい。
[効果等]
実施の形態1の撮像装置1によれば、カバー2の形状を回転楕円面形状として工夫していることで、カバー2による反射光の影響を抑えることができ、撮像部100を通じた取得画像への迷光の写り込みを防止または低減できる。これにより、画像認識や距離測定の精度低下を防止または低減できる。実施の形態1では、カバー2を回転楕円面形状とすることで、カバー2で反射して一方のカメラの視点に入射する光(例えば図3の光線A4)が、もう一方のカメラの視点の近傍から出る光(例えば光線A3)に限定される。これにより、カバーでの反射光の影響を抑制することができる。
実施の形態1の変形例として以下も可能である。変形例では、撮像装置1は、図2の(A)と同様に、撮像部100の光軸が、自動車200のウィンドシールド201を経由する向きで設置される。この変形例では、ウィンドシールド201の一部に撮像装置1が設置または実装され、ウィンドシールド201の一部がカバー2として一体で構成されてもよい。具体的に、ウィンドシールド201の曲面において、2つのカメラの視野(V1,V2)が交差する部分を含む領域が、図3と同様に、回転楕円面形状のカバー2として構成される。このカバー2の部分は、図3と同様に、反射光抑制などの作用を果たす。例えば、自動車200において、カメラやセンサ等が搭載された高機能なウィンドシールド、あるいは、ヘッドアップディスプレイ等のディスプレイとして実装された高機能なウィンドシールドを有する場合がある。その場合に、その高機能なウィンドシールドの一部に、上記のような撮像装置1の特にカバー2を実装する構成を適用できる。
他の変形例としては、カバー2内に3つ以上の撮像部が設けられてもよい。例えば、設置面4上、ある直線上に所定の間隔で3つのカメラが配置され、それらの3つのカメラがカバー2によって覆われた構成が挙げられる。カバー2内の3つ以上の撮像部について、すべての視点とカバー焦点とを一致させる構成にも限定されず、撮像部の重要度などに応じて、一部の撮像部のみが視点とカバー焦点とを一致させて配置された構成としてもよい。3つのカメラは、画角などの特性が異なっていてもよい。例えば、3つのうち両側の2つのカメラは、所定の画角でステレオカメラを構成し、中央の1つのカメラは、別の画角でのカメラであってもよい。また、設置面4上、第1位置の付近に2つのカメラが配置され、第2位置の付近に1つのカメラが配置された構成なども可能である。
撮像部100における第1撮像部101および第2撮像部102としては、それぞれ、屈折光学系であるレンズとイメージセンサを組み合わせた構成としてもよいし、それらに双曲面ミラーを追加した反射光学系の構成としてよい。
また、カバー2については、透明に限定せず、例えば半透明としてもよい。カバー2は、カメラの視野(V1,V2)と交差する部分のみを回転楕円面形状としてそれ以外の部分を非回転楕円面形状としてもよい。
実施の形態の撮像装置は、自動車や自律走行ロボットなどに設置されることに限定されず、他の設置箇所の例としては、例えば二輪車などの車両や、ドローンに設置されてもよい。
<実施の形態2>
図8を用いて、実施の形態2の撮像装置について説明する。実施の形態2等の基本的な構成は、実施の形態1と同様であり、以下では、実施の形態2等における実施の形態1とは異なる構成部分について主に説明する。実施の形態2では、撮像装置を自動車のヘッドライトユニット(図2でのヘッドライト203)に設置する例を示す。
図8は、実施の形態2の撮像装置1cにおける、ヘッドライトユニット801に搭載した構成例を示す。図8では、撮像部100の2つのカメラである第1撮像部101および第2撮像部102とカバー2cとヘッドライトユニット801との位置関係の例を示している。図8では、配置としては、図示のY方向が自動車の前方であり、X方向が自動車の左右方向であり、Z方向が鉛直方向である。このヘッドライトユニット801内の撮像部100は、自動車のセンサとして機能する。
図8では、左右の一方のヘッドライトユニット801において、設置面4(X-Z面)上に光源装置800を有する。ここでの設置面4は車体の一部である。設置面4は一例としてX方向に延在する平面とX方向に対する斜面とを有している。
ヘッドライトの場合には、照明光の配光特性を制御するために、各センサ(本例での撮像部100)の周囲も光反射部材で形成される場合がある。光反射部材は、照明光の反射率が高い材質による部材である。その場合、それらの光反射部材で反射された光が、カバー2で再度反射されて、センサに相当する撮像部100に入り、迷光となる可能性がある。
そこで、実施の形態2では、第1視点P1を持つセンサを第1撮像部101、第2視点P2を持つセンサを第2撮像部102とする。そして、実施の形態2では、実施の形態1と同様に、カバー2cの2つの焦点であるカバー第1焦点F1およびカバー第2焦点F2が、撮像部100の2つの視点である第1視点P1および第2視点P2と一致する条件を満たすように、カバー2cおよび撮像部100が配置されている構成である。これにより、カバー2cでの反射光による迷光を抑制可能である。この撮像装置1のカバー2cは、ヘッドライトユニット801のカバーまたはそのカバーの一部であってもよい。
撮像部100の2つのカメラの設置面4は、一平面に限らず、本例のような複数の平面としてもよいし、曲面などとしてもよい。いずれの設置面4の態様であっても、2つのカメラの視点(P1,P2)に対するカバー2cの焦点(F1,F2)の関係を、前述の一致の条件を満たす関係として、カバー2cを回転楕円面形状とすればよい。
光源装置800は、一例として光源80Aとリフレクター80Bとを備えている。リフレクター80Bは、光源80Aの配光特性を制御するデバイスである。光源80Aからの発光は、一部がリフレクター80Bで反射され集光されて、車両前方へ向けた光束となって出射される。
また、ヘッドライトユニット801の一部としての設置面4、言い換えるとヘッドライト底面部は、例えば光反射部材、すなわち光源光の反射率が高い材質による部材とされている。これにより、ヘッドライトユニット801としての光利用効率が高められる。
図8のヘッドライトユニット801に搭載された撮像装置1cは、撮像部100の第1撮像部101および第2撮像部102が、設置面4上で、例えば光源装置800の左右の所定の位置に設置されている。2つのカメラの光軸(J1,J2)は、いずれもZ方向を向いている。この撮像装置1は、ヘッドライト203の位置を基準として車両前方を撮像し、距離測定などを可能とする。言い換えると、このヘッドライト203は、ステレオカメラ機能を備えたヘッドライトである。図示しないが、撮像部100は、実施の形態1と同様に、図1の処理装置3と接続される。
そして、カバー2cは、光源装置800および2つの撮像部を覆うようにして、設置面4上に固定されている。このカバー2cは、実施の形態1と同様に、少なくとも一部の領域に、回転楕円面形状を有する。2つのカメラの視点(P1,P2)とカバー2cの焦点(F1,F2)との関係は、実施の形態1と同様に、一致の条件を満たしている。撮像部100は、実施の形態1(図5)と同様に、黒塗りの構成としてもよい。
図8で、例えば、光線A1は、カバー2cの外から第1撮像部101に向かって入射する光の例を示す。光線A2は、カバー2cの外から第2撮像部102に向かって入射する光の例を示す。光線A3は、第1撮像部101で反射されてカバー2cの内面に向かう光の例を示す。光線A4は、光線A3がカバー2cの内面で反射されて第2撮像部102に向かう光の例を示す。光線A3と光線A4は、実施の形態1と同様に、カバー2cの回転楕円面形状によって、カバー焦点と対応したカメラ視点に向かう性質を有する。
実施の形態2の撮像装置1cによれば、実施の形態1と同様に、カバー2cの形状により、撮像部100に入射する反射光としての迷光を抑制する効果が得られる。図8の構成では、設置面4が光反射部材で構成されているが、この場合でも、カバー2の回転楕円面の特性によって、撮像部100に入射する反射光を抑制する効果が、実施の形態1と同様に得られる。この構成では、外光が設置面4に入射して反射された場合に、その反射された光が、さらにカバー2で反射されたとしても、その反射された光は、撮像部100のレンズ(すなわち入射瞳)には向かわない。
実施の形態2の変形例として、ヘッドライトユニット801内の撮像部100は、2台のカメラに限らず、1台のカメラとLiDAR(Light Detection and Ranging, Laser Imaging Detection and Ranging)との組み合わせ等としてもよい。例えば、第2撮像部102がLiDARで構成されてもよい。
<実施の形態3>
図9を用いて、実施の形態3の撮像装置について説明する。実施の形態3は、撮像装置を建物の天井等に防犯カメラとして設置する場合の構成例を示す。
図9は、実施の形態3の撮像装置1dにおける、対象物として建物の天井に設置される構成例を示す。図9では、撮像装置1dの撮像部100の2つのカメラ(第1撮像部101および第2撮像部102)とカバー2dと、対象物である天井の設置面4との位置関係の例を示している。図9では、天井の設置面4は、図示のX-Y面である水平面であり、この設置面4に対し、撮像装置1dが、撮像部100の光軸を下向き(Z方向)として設置されている。撮像部100とカバー2dは、天井の設置面4に固定されている。
図9の例では、撮像部100の各カメラの視野は、光軸(J1,J2)に対し180度に近い広角としている。これにより、2つの視野による共通視野も、Z方向の軸に対し180度に近い広角となっている。これにより、この撮像装置1dは、Z方向の軸周りに360度の全周囲の広い視野で画像取得が可能である。
カバー2d内において、設置面4上に、第1撮像部101および第2撮像部102が所定の位置に設置されている。カバー2dは、実施の形態1と同様に、回転楕円面形状を有する。2つのカメラの視点(P1,P2)とカバー2dの2つの焦点(F1,F2)は、実施の形態1と同様に、一致の条件を満たしている。撮像部100は、実施の形態1(図5)と同様に、黒塗りの構成としてもよい。
本例では、設置面4は、天井の一部としているが、これに限らず、前述(図3等)と同様に、設置面4を、撮像装置1dの一部である基板40としてもよい。また、その基板40に、光反射抑制部材が形成されていてもよい。また、本例では、天井面である設置面4に対し、カバー2は、概略的に半球の領域に設けられており、2つのカメラの視野と重なる部分を包含する領域に設けられている。
これに限らず、設置の対象物である壁などの形状に合わせて、カバー2dの一部が切り欠かれた形状としてもよい。カバー2dは、壁などと干渉する一部が切り欠かれていてもよい。あるいは、壁の角に設置される場合などに、半球よりも広い領域にわたってカバー2dが配置されてもよい。
実施の形態3の撮像装置1dによれば、実施の形態1と同様に、カバー2dの形状により、撮像部100に入射する反射光としての迷光を抑制する効果が得られる。
防犯カメラ等における従来一般的なカバーの形状としては、半球形状である場合が多い。この場合において、さらに、天井などの構造体について、例えば、発光体の設置、光沢のある材質の採用、明度の高い塗装などがある場合には、撮像部の2つのカメラへの外光の写り込みの原因となる。したがって、従来では天井などの構造体の意匠性にも制限が加えられる。
一方、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様に、カバー2dの回転楕円面形状によって、一方の撮像部への外光の写り込みの原因となる反射光が、もう一方の撮像部の近傍から発生する光のみに限定される。これにより、実施の形態3では、2つのカメラの視点(P1,P2)の近傍のみに、発光抑制や光反射抑制のための前述の黒塗り等の加工を施す構成とすれば、天井などの構造体の大部分においては自由な意匠を施すことが可能である。
<実施の形態4>
図10を用いて、実施の形態4の撮像装置について説明する。前述の各実施の形態では、主に、カバー2の形状と撮像部100との位置関係について説明した。実施の形態4は、実施の形態1の変形例に相当し、特に、カバー2の厚みについての構成例を示す。
図10は、実施の形態4の撮像装置1eにおける、撮像部100およびカバー2eの構成例を示す。図10では、X-Z断面で、撮像部100の2つのカメラとカバー2eとの位置関係の例を示している。図10では、カバー2eの外面をカバー外面2e1とし、カバー2の内面をカバー内面2e2として図示している。撮像部100(例えば第2撮像部102)に直入射する光、例えば光線A41を示す。光線A41がカバー2eで屈折した光を、カバー屈折光としての光線A42で示す。
[比較例B]
一般的な撮像装置のカバーは、例えば半球形状のカバーである場合、そのカバーの厚みが一定とされる。図15は、実施の形態4に対する比較例(比較例Bとする)として、一般的な半球形状で一定の厚みBTを有するカバー2Bを備える撮像装置1Bの構成例のX-Z断面を示す。このカバー2BのX-Z断面は、半円形状であり、半径BRを有する。この場合、この撮像装置1Bにおいて、例えば第2撮像部B102の第2視点BP2に向かう光線B41は、図示のようにカバー2Bで屈折し、カバー屈折光としての光線B42となる。しかし、光線B41は、屈折後の光線B42が、必ずしも第2視点BP2に向かうとは限らない。逆に、例えば光線B43で示すように、カバー2Bでの屈折後に例えば第1視点BP1に向かう光は、屈折前では、光線B44のように、必ずしも第1視点P1に向かっていた光ではない。
この場合において、屈折前の光に対して計算した実効的な撮像部視点である2つの視点は、被写体の画角によって変動する。実効的な撮像部視点が画角によって変動する場合において、例えば撮像部の2つのカメラである第1撮像部B101と第2撮像部B102がステレオカメラである場合には、基線長BLが変動する。基線長BLは、2つのカメラの実効的な撮像部視点間の距離である。基線長BLが変動する場合、撮像画像に基づいた距離測定の計算が煩雑化する。
そこで、実施の形態4では、図10のように、カバー2eの厚みを位置に応じて変動させた形状を有する。これにより、外部から撮像部視点、例えば第2視点P2に直接的に向かう光、例えば光線A41は、カバー2eによる屈折後の光線A42も、第2視点P2に向かう。言い換えると、このカバー2eは、例えば図3のような回転楕円面を基本形状とした上で、上記のような屈折による影響を低減するように、カバー2eの各箇所が設けられる位置・箇所に応じた厚みが設計されている。このカバー2eは、各位置において、屈折前に撮像部視点に向かう光が屈折後も同じ撮像視点に向かうように、厚みが設計されている。
具体的に、図10のカバー2eは、回転楕円面形状の回転軸である、撮像部視点(第1視点P1および第2視点P2)を結んだ直線300に対し、その直線300からの距離が離れるほど厚みが小さくなることが要件として求められる。図10中の例では、カバー2eの中心点に近い、直線300からの距離が大きい距離h1の位置では、厚みがT1であり、カバー2eの中心から離れた、直線300からの距離が小さい距離h2の位置では、厚みがT2である。厚みT1の方が厚みT2よりも小さい。2つの撮像部(第1撮像部101および第2撮像部102)を結ぶ直線300の方向(X方向)において、カバー2の中心に近い位置での厚み(例えば厚みT1)ほど、カバー2の中心から遠い位置での厚み(例えば厚みT2)よりも小さい。
図10の構成の場合、カバー2eの外面2e1と内面2e2とのどちらか、あるいは両方が、厳密な回転楕円面形状からは逸脱する。しかし、この場合においても、例えば外面2e1と内面2e2との中間面1001(破線の曲線で図示)を、実施の形態1と同様の回転楕円面形状とする。これにより、外面2e1と内面2e2とのそれぞれの焦点を、撮像部視点(P1,P2)または近傍に一致させる、一致の条件を満たすことができる。
実施の形態4の撮像装置1eによれば、実施の形態1と同様に、カバー2eの形状により、撮像部100に入射する反射光としての迷光を抑制する効果が得られる。実施の形態4によれば、カバー2eでの屈折による影響を低減することができるので、撮像画像に基づいた距離測定の計算の煩雑化を避けることができる。
<実施の形態5>
図11等を用いて、実施の形態5の撮像装置について説明する。ここまでの実施の形態1~4では、撮像部100として一般的なカメラ、およびそれに伴う光学系を想定した構成例を説明した。それに対し、実施の形態5では、特定の撮像部を採用した形態を示す。
図11は、実施の形態5の撮像装置1fにおける、撮像部とカバー2fとの位置関係の例を示す。図11の撮像装置1fは、特許文献1の図5C、図7の例と同様に、双曲面ミラーを含む撮像部を備える撮像装置である。
[比較例C]
図16は、図11の実施の形態5に対する比較例(比較例Cとする)の撮像装置1Cにおける、撮像部とカバー2Cとの位置関係の例を示している。この撮像装置1Cは、撮像部として、上側双曲面ミラーCM1、下側双曲面ミラーCM2、レンズCL、イメージセンサCIを備える。下側双曲面ミラーCM2は、さらに、下側外周双曲面ミラーCM21と、下側内周双曲面ミラーCM22とから構成される。この撮像装置1Cは、例えばレンズCLの光軸を対称軸(一点鎖線で示す)とした、軸対称な形状を有する。
また、図16の比較例Cの構成では、レンズCLの入射瞳と、下側外周双曲面ミラーCM21の外側焦点と、下側内周双曲面ミラーCM22の外側焦点との3点が一致するように配置されている。さらに、上側双曲面ミラーCM1の外側焦点と、下側内周双曲面ミラーCM22の焦点とが一致するように配置されている。
被写体C3からの光C30のうち、下側外周双曲面ミラーCM21の焦点CF21に向かう光C32は、図示のように、下側外周双曲面ミラーCM21で反射され、レンズCLに入射し、イメージセンサCI上に結像される。ここで、この結像された光C32は、下側外周双曲面ミラーCM21の焦点CF21に向かう光であるため、結像された像の視点は、焦点CF21である。同様に、被写体C3からの光C30のうち、上側双曲面ミラーCM1の焦点CF1に向かう光C32は、図示のように、上側双曲面ミラーCM1で反射された後、上側双曲面ミラーCM1の外側焦点、ならびに下側内周双曲面ミラーCM22の焦点に向かう。そして、下側内周双曲面ミラーCM22の焦点に向かった光は、下側内周双曲面ミラーCM22で再度反射された後に、下側内周双曲面ミラーCM22の外側焦点、すなわちレンズCLの入射瞳に向かう。これらの光が、イメージセンサCI上に結像される。ここで、この結像された光C31は、上側双曲面ミラーCM1の焦点CF1に向かう光であるため、結像された像の視点は、焦点CF1となる。
このように、比較例Cの構成の撮像部では、レンズCLとイメージセンサCIとの1組による1つの撮像部によって、対称軸(本例ではZ軸)に対し全周囲360度での2つの視点からの画像を取得できる。このような撮像装置は、構成の簡素化、ひいてはコスト低減に寄与する。
図11の実施の形態5の撮像装置1fは、カバー2fを除いて、上記のような比較例Cの撮像部の構成と同様の撮像部の構成を有する。図11で、撮像装置1fは、図1の撮像部100として、上側双曲面ミラーM1、下側双曲面ミラーM2、レンズ1101、イメージセンサ1102を備える。下側双曲面ミラーM2は、さらに、下側外周双曲面ミラーM21と、下側内周双曲面ミラーM22とから構成される。この撮像装置1fは、例えばレンズ1101の光軸を対称軸(一点鎖線で示す)とした、軸対称な形状を有する。対称軸上、上側双曲面ミラーM1の頂部の開口にレンズ1101が配置されており、上側双曲面ミラーM1の内部でレンズ1101の上方にイメージセンサ1102が配置されている。
また、レンズ1101の入射瞳と、下側外周双曲面ミラーM21の外側焦点と、下側内周双曲面ミラーM22の外側焦点との3点が一致するように、言い換えると一致の条件を満たすように、配置されている。さらに、上側双曲面ミラーM1の外側焦点と、下側内周双曲面ミラーM22の焦点とが一致するように、言い換えると一致の条件を満たすように、配置されている。
被写体f3からの光f30のうち、下側外周双曲面ミラーM21の焦点F21に向かう光f32は、図示のように、下側外周双曲面ミラーM21で反射され、レンズ1101に入射し、イメージセンサ1102上に結像される。ここで、この結像された光f32は、下側外周双曲面ミラーM21の焦点F21に向かう光であるため、結像された像の視点は、焦点F21である。同様に、被写体f3からの光f30のうち、上側双曲面ミラーM1の焦点F1に向かう光f32は、図示のように、上側双曲面ミラーM1で反射された後、上側双曲面ミラーM1の外側焦点、ならびに下側内周双曲面ミラーM22の焦点に向かう。そして、下側内周双曲面ミラーM22の焦点に向かった光は、下側内周双曲面ミラーM22で再度反射された後に、下側内周双曲面ミラーM22の外側焦点、すなわちレンズ1101の入射瞳に向かう。これらの光が、イメージセンサ1102上に結像される。ここで、この結像された光f31は、上側双曲面ミラーM1の焦点F1に向かう光であるため、結像された像の視点は、焦点F1となる。
なお、図11の実施の形態5の構成を図3の実施の形態1の構成と比較して構成要素の対応関係を確認すると、以下である。例えば、図3の第1撮像部101は、図11の上側双曲面ミラーM1と下側内周双曲面ミラーM22とレンズ1101とイメージセンサ1102とに対応する。言い換えると、図11のそれらの双曲面ミラーM1等の構成要素は、第1撮像部101を構成する。また、図3の第2撮像部102は、図11の下側外周双曲面ミラーM21とレンズ1101とイメージセンサ1102とに対応する。言い換えると、図11のそれらの下側外周双曲面ミラーM21等の構成要素は、第2撮像部102を構成する。
図16の比較例Cでは、撮像装置1Cは、上記撮像部の周囲に、当該撮像部を固定するように、レンズCLの光軸を中心軸(対象軸)とした、カバー2Cを有する。カバー2Cの形状は、対象軸を中心とした円筒形状、言い換えると円柱の側面の形状である。図16および特許文献1の図7にも示されるように、このような撮像装置1Cでの一般的なカバー2Cの形状としては円筒形状が考えられる。
図16で、撮像対象である被写体C3からの光C30以外に、迷光の原因となる他の被写体C4からの光の例を示している。この比較例Cの場合、例えば、他の被写体C4からの光のうち、光C41を有する。光C41は、下側外周双曲面ミラーCM21で反射された後、カバー2Cで再度反射され、上側双曲面ミラーCM1の焦点CF1に向かう光である。この光C41は、被写体C3から直接的に上側双曲面ミラーCM1の焦点CF1に向かう光とともに、イメージセンサCI上に結像され、迷光となる。
一方、図11の実施の形態5の撮像装置1fでは、実施の形態1と同様に、カバー2fの形状は、回転楕円面形状をベースとする。カバー2fは、その回転楕円面の焦点として第1焦点F31と第2焦点F32を有する。実施の形態5では、カバー2fの2つの焦点(F31,F32)の位置を、撮像部視点、すなわち上側双曲面ミラーM1の焦点CF1と下側外周双曲面ミラーCM21の焦点CF21の位置に一致させる。言い換えると、カバー2fの2つの焦点(F31,F32)と、撮像部視点である2つの焦点(CF1,CF21)とが、前述の一致の条件を満たすように配置されている。図11でも示しているように、焦点F31は焦点CF1の近傍にあり、焦点F32は焦点CF21の近傍にある。
上記構成により、撮像装置1fでは、例えば、カバー2fで反射して上側双曲面ミラーM1の焦点CF1に向かう迷光の原因となる光は、下側外周双曲面ミラーM21の焦点CF21、ひいてはレンズ1101の入射瞳から出る光のみに限られることとなる。
実施の形態5の撮像装置1fは、実施の形態1の撮像装置1との対応関係を考慮して、言い換えると、以下の構成を有する。撮像装置1fは、撮像部と、撮像部を収容するように、撮像部の視野の少なくとも一部に交差する領域に配置された光透過性のカバー2fとを備える。カバー2fは、撮像部の第1視点の近傍領域からの光線を第2視点の近傍領域へ向かわせるように反射させる形状のカバー部分として回転楕円面形状の部分を有する。撮像部は、回転対称軸となる第1軸1100上において、構成要素として、上側双曲面ミラーM1(第1反射デバイスともいう)、下側外周双曲面ミラーM21(第2反射デバイスともいう)、下側内周双曲面ミラーM22(第3反射デバイスともいう)を有する。
上側双曲面ミラーM1は、第1視点に対応する焦点CF1からの第1像を反射させる第1反射デバイスである。下側外周双曲面ミラーM21は、第1反射デバイス(上側双曲面ミラーM1)と離れて配置され、第2視点に対応する焦点CF21からの第2像を反射させる第2反射デバイスである。下側内周双曲面ミラーM22は、第2反射デバイス(下側外周双曲面ミラーM21)と同心に配置され、第1反射デバイス(上側双曲面ミラーM1)から反射された第1像を反射させる第3反射デバイスである。レンズ1101は、第1反射デバイス(上側双曲面ミラーM1)と同心に配置され、第1反射デバイスおよび第3反射デバイスから反射された第1像と、第2反射デバイスから反射された第2像とを含む像を結像する。第1反射デバイス(上側双曲面ミラーM1)、レンズ1101、およびイメージセンサ1102は、第1撮像部を構成している。第2反射デバイス(下側外周双曲面ミラーM21)、第3反射デバイス(下側内周双曲面ミラーM22)、レンズ1101、およびイメージセンサ1102は、第2撮像部を構成している。
実施の形態5でも、前述の黒塗りの構成(図5)と同様に、レンズ1101において、例えば反射防止コーティングを施す等の、反射光抑制の構成を設ける。この構成により、レンズ1101の入射瞳の位置から生じる光を抑制できる。
すなわち、上記カバー2fによる迷光の光路の限定の構成と、レンズ1101の反射光抑制の構成とを合わせることで、上側双曲面ミラーM1の焦点CF1に向かう迷光の原因となる光を抑制することができる。
図12は、レンズ1101の黒塗り等の反射光抑制の構成例を示す。このレンズ1101は円柱形状を有している。レンズ1101の光軸に対応する、図示のZ方向に延在する対称軸の周りの部分(言い換えると中心軸部分)1201は、反射抑制部材を設けずに透過部とする。その部分1201に対し外側の部分の表面には、反射防止コーティング等の反射抑制部材が設けられる。本例では、レンズ1101の円柱形状の表面のうち、側面の円筒部分と、底面のリング状外周部分とに、反射抑制部材が設けられている。光線f5は、レンズ1101の表面の反射抑制部材によって反射が抑制される例である。
また、図12中には、前述の一致の条件に関しても概要を示している。距離1211は、上側双曲面ミラーM1の焦点CF1と、カバー2fの焦点F31との距離であり、距離1212は、レンズ1101のスケールである。一致の条件は、距離1211がスケールの距離1212内となることである。
図示しないが、他の比較例としては、レンズの光軸上において、下側内周双曲面ミラーの中心からレンズに向けて線状体を伸ばすように設ける構成も挙げられる。このような構成の場合では、レンズの光軸上を横切らない反射光については、遮ることができない。一方、実施の形態5の構成では、レンズ1101の光軸上を横切らない反射光についても抑制することができる。
カバー2fの大きさについては、実施の形態1で説明したように、図4の撮像部視点である第1視点P1と第2視点P2との間の距離cと、図4の撮像部100である第1撮像部101および第2撮像部102の大きさ(s1,s2)とによって規定される。すなわち、図11では、カバー2fの大きさは、上側双曲面ミラーM1の焦点CF1と下側外周双曲面ミラーM21の焦点CF21との距離fcと、レンズ1101の大きさ(図12での距離1212)とによって規定される。実施の形態5の場合では、撮像部の大きさとしては、上側双曲面ミラーM1と下側双曲面ミラーM2の大きさも考慮する必要がある。
カバー2fの作製において、コストを低減する場合には、例えば樹脂の射出成形が採用できる。ここで、例えば図11に示すカバー2fの形状、すなわち概略的にはバレル形状とする場合に、このカバー2fのそのままの形状を射出成形で作製することが難しい場合がある。そこで、その射出成形による作製を容易化するための方法としては、以下が採用できる。
図13の(A)に示すように、図11のカバー2fを、水平方向である図示のX,Y方向に最も膨らみのある部分の位置に対応する線1301で、上下の部分であるカバー部2faとカバー部2fbに分割して、それぞれを射出成形する方法がある。なお、このカバー2fの形状は、回転軸である対称軸の周りの回転楕円面のうち、上下の部分、すなわち双曲面ミラーが配置される領域を欠いた形状とも表現できる。
ただし、この方法では、成形されたカバー2fのうち、線1301で示す箇所に、水平方向であるX,Y方向に繋ぎ目が生じる。このカバー2fの水平方向の繋ぎ目を横切らないという観点で、被写体が水平方向に移動する場合、すなわちそれに対応する用途に使用する場合には、このカバー2fは、反射光抑制効果があるので、有用である。
一方、図13の(B)に示すように、カバー2fを、レンズ1101の光軸(対称軸)を含む垂直な面の線1302で左右に分割してそれぞれを射出成形するという方法もある。この方法では、成形されたカバー2fのうち、線1302で示す箇所に、鉛直方向であるZ方向に繋ぎ目が生じる。このカバー2fの鉛直方向の繋ぎ目を横切らないという観点で、被写体が奥行き方向に移動する場合、すなわちそれに対応する用途に使用する場合には、このカバー2fは同様に有用である。このような移動をする被写体の例としては、この撮像装置1fを自動車に搭載した場合(例えば図2の(A))での、車両前方の路上に落下している障害物が挙げられる。
実施の形態5の撮像装置1fによれば、実施の形態1と同様に、カバー2fの形状により、撮像部100に入射する反射光としての迷光を抑制する効果が得られる。実施の形態5によれば、双曲面ミラーを含む特定の効率的な撮像部を有する構成の場合に、カバー2fによる反射光の影響を低減でき、距離測定などの精度を高めることができる。
以上、本開示の実施の形態を具体的に説明したが、前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。実施の形態は、必須構成要素を除き、構成要素の追加・削除・置換などが可能である。特に限定しない場合、各構成要素は、単数でも複数でもよい。各実施の形態を組み合わせた形態も可能である。
実施の形態で示した構成要素の形状や寸法や位置関係等に限定されず、その形状等に実質的に近似や類似するものも本発明の範囲に含まれる。例えば、「水平」、「垂直」、「平面」、「回転楕円面」などの、構成要素の関係、位置、方向、形状などを表す言葉は、言葉どおりの厳密な意味に限られず、本発明の目的および効果を達成できるのであれば、その意味と実質的に同一な場合も含むことができる。
本開示の実施の形態は、撮像装置としての単体の実装に限られず、距離測定装置などとしての実装の他にも、撮像装置を実装した車両や、撮像装置を実装した建築設備など、様々な態様が可能である。
1…撮像装置、2…カバー、4…設置面、40…基板、100…撮像部、101…第1撮像部、102…第2撮像部、P1…第1視点、P2…第2視点、F1…カバー第1焦点、F2…カバー第2焦点、J1,J2…光軸、V1,V2…視野、A1~A4…光線。

Claims (14)

  1. 撮像部として、第1視点を有する第1撮像部、および第2視点を有する第2撮像部と、
    前記第1撮像部および前記第2撮像部を収容するように、前記第1撮像部の第1視野と前記第2撮像部の第2視野との少なくとも一部に交差する領域に配置された光透過性のカバーと、
    を備え、
    前記カバーは、前記第1視点の近傍領域からの光線を前記第2視点の近傍領域へ向かわせるように反射させる形状のカバー部分を有する、
    撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置において、
    前記カバー部分の形状は、前記第1視点と前記第2視点とを結ぶ直線に対して垂直方向に凸形状である、
    撮像装置。
  3. 請求項1記載の撮像装置において、
    前記カバー部分の形状は、回転楕円面形状である、
    撮像装置。
  4. 請求項3記載の撮像装置において、
    前記カバー部分の前記回転楕円面形状の2つの焦点である第1焦点および第2焦点について、前記第1焦点と前記第1視点が一致し、かつ、前記第2焦点と前記第2視点が一致する条件を満たすように、前記第1撮像部、前記第2撮像部および前記カバーが配置され、
    前記一致の条件は、前記第1焦点と前記第1視点との距離をd1、前記第2焦点と前記第2視点との距離をd2、前記第1撮像部の大きさをs1、前記第2撮像部の大きさをs2とした場合に、d1≦s1、かつ、d2≦s2、である、
    撮像装置。
  5. 請求項1記載の撮像装置において、
    前記カバーは、前記第1撮像部および前記第2撮像部が設置される設置面上における半球の領域に設けられ、
    前記設置面として、前記第1撮像部および前記第2撮像部が設置され、前記カバーと接続された、基板を備える、
    撮像装置。
  6. 請求項1記載の撮像装置において、
    前記第1撮像部および前記第2撮像部は、それぞれ、レンズを有し、前記レンズ以外の、前記カバー内の空間に露出する部分に、光反射抑制部材が設けられている、
    撮像装置。
  7. 請求項1記載の撮像装置において、
    車両のヘッドライトに設置または内蔵され、
    前記ヘッドライトは、設置面上に光源を備え、前記光源の周囲に光反射性部材が設けられており、
    前記ヘッドライトの前記設置面上に、前記第1撮像部および前記第2撮像部が設置され、かつ前記カバーが接続されている、
    撮像装置。
  8. 請求項1記載の撮像装置において、
    建物の天井または壁に設置または内蔵され、
    前記天井または壁の設置面上に、前記第1撮像部および前記第2撮像部が設置され、かつ前記カバーが接続されている、
    撮像装置。
  9. 請求項8記載の撮像装置において、
    前記カバーは、前記第1撮像部および前記第2撮像部が設置される設置面上における半球の領域に設けられ、
    前記設置面として、前記第1撮像部および前記第2撮像部が設置され、前記カバーと接続された、基板を備え、
    前記基板は、前記第1撮像部および前記第2撮像部が設置された面において、前記カバー内の空間に露出する部分に、光反射抑制部材が設けられている、
    撮像装置。
  10. 請求項1記載の撮像装置において、
    前記カバー部分の形状は、前記カバーの外からの光として前記カバー部分での屈折前に前記撮像部の視点に向かっていた光が、前記カバー部分での屈折後にも前記撮像部の視点に向かうように、位置毎に異なる厚さを有する、
    撮像装置。
  11. 請求項1記載の撮像装置において、
    前記第1撮像部と前記第2撮像部は、ステレオカメラである、
    撮像装置。
  12. 請求項11記載の撮像装置において、
    前記第1撮像部から取得した第1画像と前記第2撮像部から取得した第2画像とに基づいて被写体との距離を測定する処理装置を備える、
    撮像装置。
  13. 撮像部と、
    前記撮像部を収容するように、前記撮像部の視野の少なくとも一部に交差する領域に配置された光透過性のカバーと、
    を備え、
    前記撮像部は、
    回転対称軸となる第1軸上において、
    第1視点からの第1像を反射させる第1反射デバイスと、
    前記第1反射デバイスと離れて配置され、第2視点からの第2像を反射させる第2反射デバイスと、
    前記第2反射デバイスと同心に配置され、前記第1反射デバイスから反射された前記第1像を反射させる第3反射デバイスと、
    前記第1反射デバイスと同心に配置され、前記第1反射デバイスおよび前記第3反射デバイスから反射された前記第1像と、前記第2反射デバイスから反射された前記第2像とを含む像を結像するレンズと、
    前記レンズで結像された像を取得するイメージセンサと、
    を有し、
    前記カバーは、前記撮像部の前記第1視点の近傍領域からの光線を前記第2視点の近傍領域へ向かわせるように反射させる形状のカバー部分を有する、
    撮像装置。
  14. 請求項13記載の撮像装置において、
    前記第1反射デバイス、前記第2反射デバイス、および前記第3反射デバイスは、それぞれ、双曲面ミラーである、
    撮像装置。
JP2021209419A 2021-12-23 2021-12-23 撮像装置 Pending JP2023094128A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021209419A JP2023094128A (ja) 2021-12-23 2021-12-23 撮像装置
PCT/JP2022/029927 WO2023119709A1 (ja) 2021-12-23 2022-08-04 撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021209419A JP2023094128A (ja) 2021-12-23 2021-12-23 撮像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023094128A true JP2023094128A (ja) 2023-07-05

Family

ID=86901825

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021209419A Pending JP2023094128A (ja) 2021-12-23 2021-12-23 撮像装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023094128A (ja)
WO (1) WO2023119709A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9876992B2 (en) * 2014-04-30 2018-01-23 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging apparatus and distance measuring apparatus using the same
JP6854472B2 (ja) * 2016-12-15 2021-04-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 撮像装置、及び撮像方法
JP7041345B2 (ja) * 2017-12-28 2022-03-24 ミツミ電機株式会社 液滴センサ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023119709A1 (ja) 2023-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI644116B (zh) 光學裝置
JP4680202B2 (ja) 単一視点の中実反射屈折レンズ
US20230090281A1 (en) Panoramic camera system for enhanced sensing
US20190020866A1 (en) Intelligent device and method for outputting a depth image
US20240196074A1 (en) Lens assembly, optical unit and electronic device
WO2023119709A1 (ja) 撮像装置
JP3335235B2 (ja) スコープ
US10391933B2 (en) Illumination apparatus, vehicle component and vehicle
WO2020129398A1 (ja) 観測装置
US20220373784A1 (en) Mirror systems
JP7043375B2 (ja) ステレオカメラ、車載灯具ユニット、及びステレオカメラシステム
WO2023015562A1 (zh) 一种激光雷达及终端设备
WO2023019441A1 (zh) 一种收发光学系统、激光雷达、终端设备、方法及装置
Nagahara et al. An omnidirectional vision sensor with single view and constant resolution
JP7264749B2 (ja) ステレオカメラ、及びステレオカメラ一体型ライトユニット
FI20186073A1 (en) Stereo imaging device
CN109788196B (zh) 电子设备和移动平台
JP7244129B1 (ja) ナイトビジョンカメラ
CN109756660B (zh) 电子设备和移动平台
US11588992B2 (en) Surround-view imaging system
JP2010019924A (ja) 撮影装置
US20240183948A1 (en) Detection system, terminal device, and detection control method
JP2024501506A (ja) 3つのミラーを含む結像光学系
JPH1020369A (ja) 多方向撮像カメラ装置
JP2005109785A (ja) 視覚センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240603