JP2023093920A - コネクタ - Google Patents

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Yoshihiro Iwabori
大樹 雨宮
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Abstract

【課題】本係止位置において、ハウジングに対して検知部材が嵌合方向に移動することでハウジングと衝突して発生する異音を抑制することができるコネクタを提供する。【解決手段】コネクタ1は、嵌合状態が完全嵌合状態で仮係止位置と本係止位置との間でハウジング20に対する嵌合方向及び離脱方向に相対移動が可能な検知部材40と、ハウジング20に設けられ、嵌合状態が完全嵌合状態で、検知部材40が本係止位置にあるときに、検知部材40を本係止位置から仮係止位置に移動することを規制する規制機構とを備える。検知部材40は、検知部材基部41から対向方向のうちロック用壁部25a側に向けて突出し、かつ本係止位置にてロック用壁部25aに対して嵌合方向に対向する検知部材操作部45と、検知部材操作部45から嵌合方向に突出して形成され、本係止位置にロック用壁部25aに対して嵌合方向に当接する突起部49とを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、コネクタに関する。
従来、コネクタにおいては、相手方コネクタとの嵌合状態が完全なるものであるのか否かを作業者等に判断させるための技術が知られている。例えば、コネクタは、仮係止位置と本係止位置との間でのハウジングに対する相対移動が可能な検知部材を備えている(例えば、特許文献1参照)。その検知部材は、コネクタと相手方コネクタとの間(コネクタ間)の嵌合状態が完全なるものでなければ(所謂嵌合解除状態であれば)、仮係止位置から本係止位置まで移動させることができず、その嵌合状態が完全なるものであれば(所謂完全嵌合状態であれば)、仮係止位置から本係止位置まで移動させることができる。作業者等は、そのようなハウジングに対する検知部材の相対的な位置関係に基づいて、コネクタ間の嵌合状態が完全なるものであるのか否かを判断することができる。
特開2019-67744号公報
ところで、ハウジングに設けられた係止部と相手方コネクタに設けられた被係止部とが嵌合方向において接触している接触状態では、ハウジングに対して検知部材が相対移動することを許容する隙間が、ハウジングと検知部材との間の嵌合方向において生じている。このような隙間が存在することで、外部からの振動によりハウジングに対して検知部材が嵌合方向に移動し、検知部材がハウジングに衝突して衝撃音(異音)が発生するおそれがあることから、改善の余地がある。
本発明は、本係止位置において、ハウジングに対して検知部材が嵌合方向に移動することでハウジングと衝突して発生する異音を抑制することができるコネクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、端子と、前記端子が収容及び保持され、相手方コネクタとの嵌合状態が完全嵌合状態のときに係止部を相手方ハウジングに設けられた被係止部に係止させ解除可能にロックすることにより相手方ハウジングが係合されるハウジングと、前記ハウジングに組み付けられ、前記嵌合状態が前記完全嵌合状態において仮係止位置と本係止位置との間で前記ハウジングに対する嵌合方向及び離脱方向に相対移動が可能な検知部材と、前記ハウジング及び前記相手方ハウジングの少なくとも一方に設けられ、前記嵌合状態が前記完全嵌合状態で、かつ前記検知部材が前記本係止位置にあるときに、前記検知部材を前記本係止位置から前記仮係止位置に移動することを規制する規制機構と、を備え、前記ハウジングは、本体部と、前記本体部と前記嵌合方向と直交する方向である対向方向に対向し、かつ前記本係止位置において前記本体部との間に前記ハウジング側係止部が位置するロック用壁部と、前記本体部と前記ロック用壁部との間に形成され、かつ前記本係止位置において前記検知部材を収容する収容空間部と、を有し、前記検知部材は、検知部材基部と、前記検知部材基部から前記対向方向のうち前記ロック用壁部側に向けて突出し、かつ前記本係止位置において前記ロック用壁部に対して前記嵌合方向に対向する検知部材操作部と、前記検知部材操作部から前記嵌合方向に突出して形成され、前記本係止位置において前記ロック用壁部に対して前記嵌合方向において当接する突起部と、を有する、ことを特徴とする。
本発明に係るコネクタによれば、本係止位置において、ハウジングに対して検知部材が嵌合方向に移動することでハウジングと衝突して発生する異音を抑制することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態のコネクタを示す斜視図であって、相手方コネクタとの嵌合前の状態を示す図である。 図2は、実施形態のコネクタを示す分解斜視図である。 図3は、実施形態のコネクタを相手方コネクタ側から見た正面図である。 図4は、図3のX-X線断面斜視図である。 図5は、実施形態のコネクタを示す斜視図であって、相手方コネクタとの嵌合完了後の完全嵌合状態を示す。 図6は、実施形態の検知部材を示す平面図である。 図7は、実施形態のコネクタを示す縦断面図であって、仮係止位置から本係止位置に移動する前の検知部材の状態を示す図である。 図8は、実施形態のコネクタを示す縦断面図であって、仮係止位置から本係止位置に移動する途中の検知部材の状態を示す図である。 図9は、実施形態のコネクタを示す縦断面図であって、仮係止位置から本係止位置に移動した後の検知部材の状態を示す図である。 図10は、実施形態のコネクタを示す横断面図であって、仮係止位置から本係止位置に移動する途中の検知部材の状態を示す図である。 図11は、実施形態のコネクタを示す横断面図であって、仮係止位置から本係止位置に移動した後の検知部材の状態を示す図である。
以下に、本発明に係るコネクタの実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記実施形態により本発明が限定されるものではない。すなわち、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
[実施形態]
図1に示す本実施形態のコネクタ1は、例えば、自動車等に使用されるワイヤハーネス等に適用される。ここでは、コネクタ1は、ワイヤハーネスを構成する複数の電線Wを接続する電線対電線接続用の接続機構であり、例えば、エアバック回路において用いられる。このコネクタ1は、図示しない端子と、この端子を収容及び保持するハウジング20と、ハウジング20に一部が収容される検知部材40とを備える。
なお、図1~図11のX方向は、本実施形態におけるコネクタ1及び相手方コネクタCの挿抜方向であり、ハウジング20及び相手方ハウジングChの前後方向である。Y方向は、本実施形態における両コネクタの配列方向であり、挿抜方向と直交し、ハウジング20および相手方ハウジングChの幅方向である。Z方向は、本実施形態における両コネクタの対向方向であり、挿抜方向および配列方向と直交する方向である。X1方向はコネクタ1の嵌合方向で、X2方向はコネクタ1の離脱方向である。Z1方向は両コネクタの第一方向で、Z2方向は両コネクタの第二方向である。なお、Z方向が上下方向である場合、Z1方向が上方向、Z2方向が下方向となる。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられた状態での方向を表すものとする。
端子は、金属等の導電性材料によって所定形状に成形され、電線Wの端末の芯線が圧着や溶着等の所定の接続形態で物理的且つ電気的に接続される。端子は、相手方コネクタCの相手方端子が接続される端子接続部と、電線Wの芯線が接続される電線接続部とを有する。本実施形態では、このコネクタ1の端子を雌端子として成形し、相手方コネクタCの相手方端子を雄端子として成形している。但し、端子と相手方端子は、互いに嵌合された上で物理的且つ電気的に接続されるものであるならば、その何れが雌端子であってもよく雄端子であってもよい。
ハウジング20は、図1~図5に示すように、合成樹脂等の絶縁性材料によって所定形状に成形され、本体部21と、フード22と、環状空間部23と、操作溝24と、収容空間部25と、規制機構側係止部26と、係止突起27とを有する。
本体部21は、図1~図4に示すように、複数個の端子を収容及び保持するために複数の端子収容室21aが設けられている。それぞれの端子収容室21aは、端子を1つずつ収容及び保持し、挿抜方向に沿って端子を1つずつ収容及び保持するように形成されている。端子収容室21aは、嵌合方向側に開口部を有しており、この開口部を介して内方の端子の端子接続部を外方に露出させる。相手方端子は、コネクタ嵌合工程において、その開口部から端子収容室21aに挿入され、端子の端子接続部に嵌合される。この端子収容室21aにおいては、離脱方向側にも開口部を有しており、内方で端子の電線接続部に接続されている電線Wが離脱方向側の開口部から外方に引き出される。本実施形態のそれぞれの端子収容室21aは、角筒状のフード22の内方に配置された方体状の本体部21の内方に格子状に並べて配置され、かつ、フード22から離脱方向側に突出させている。
フード22は、図1~図3に示すように、筒状であり、本体部21が内方に配置されるように形成される。フード22は、その筒軸方向が、挿抜方向に沿うように配置する。フード22は、嵌合方向側に開口部22aを有している。相手方コネクタCは、その開口部22aから挿入される。本実施形態におけるフード22は、角筒状に形成されており、内方に配置された方体状の本体部21の内方に端子収容室21aを格子状に並べて配置され、かつ、端子収容室21aを離脱方向側に突出させている。
環状空間部23は、図1及び図3に示すように、本体部21とフード22との間に形成されており、コネクタ1と相手方コネクタCとの間のコネクタ嵌合工程に際して、相手方コネクタCにおける相手方ハウジングChの筒状の相手方フードChfが本体部21を内方に包み込むように収容される。その相手方フードChfの内方には、複数個の相手方端子が収容及び保持されている。
操作溝24は、図4及び図5に示すように、検知部材40の一部を外方に露出させるように形成されており、検知部材40に対する作業者等の操作を行うために設けられている。操作溝24は、操作空間部24aと、側壁24a1と、可動空間部24bとを有している。操作空間部24aは、操作溝24において、検知部材40を外方に露出させている空間部分であり、作業者等が操作を行う際に利用される。操作空間部24aは、側壁24a1を有している。側壁24a1は、配列方向で対向させるように形成されており、ハウジング20の外壁の一部を成している。可動空間部24bは、操作溝24において、検知部材40と本体部21の外周面との間に設けられている空間であり、嵌合方向側において環状空間部23と連通している。
収容空間部25は、図2及び図4に示すように、操作空間部24aよりも嵌合方向側に配置するように形成されており、操作空間部24aの嵌合方向側に連通している。収容空間部25は、本体部21とロック用壁部25aとの間に形成され、後述する本係止位置において検知部材40を収容する。収容空間部25は、ロック用壁部25aと、側壁部25bとを有している。ロック用壁部25aは、対向方向において環状空間部23側とは反対側で、本体部21に対して上方向に対向するよう形成されており、検知部材40の一部を収容する。ロック用壁部25aは、本体部21と対向方向に対向し、後述する本係止位置において本体部21との間にハウジング側係止部31bが位置する。側壁部25bは、ロック用壁部25aの配列方向における両端部と本体部21とを連結し、配列方向において対向して一対形成されている。また、ロック用壁部25a及び側壁部25bは、ハウジング20の外壁の一部を成している。
規制機構側係止部26は、後述する規制機構を構成し、図3、図4、図10及び図11に示すように、収容空間部25の一対の側壁部25bからそれぞれ突出し、配列方向において対向して一対形成されている。一方の規制機構側係止部26は、他方の規制機構側係止部26に向けて突出させて形成されている。
係止突起27は、図2及び図5に示すように、操作空間部24aの一対の側壁24a1からそれぞれ突出し、配列方向において対向して一対形成されている。一方の係止突起27は、他方の係止突起27に向けて突出させたものである。本実施形態における係止突起27は、側壁24a1の挿抜方向における両端部のうち、離脱方向側の端部において上方向側に形成されている。
ここで、コネクタ1と相手方コネクタCとが互いに挿入し終えた状態であって、自端子と相手方端子との間の物理的且つ電気的な接続が成立している状態を完全嵌合状態という。一方、コネクタ嵌合工程において完全嵌合状態となる前まで、あるいはコネクタ解除工程において完全嵌合状態のあとにおけるコネクタ1と相手方コネクタCとの間(以下、「コネクタ間」ともいう。)の嵌合状態のことを嵌合解除状態という。
図5、図7~図11に示すように、コネクタ1と相手方コネクタCとの間には、これらが完全嵌合状態のときにハウジング20と相手方ハウジングChとを互いに係合させ、その完全嵌合状態を保持させる保持機構30が設けられている。保持機構30は、コネクタ間の所謂ロック機構であり、コネクタ1と相手方コネクタCとの嵌合状態が完全嵌合状態のときにハウジング20と相手方ハウジングChとを互いに係合させ、その完全嵌合状態を保持させる。保持機構30は、ロックアーム31と、被係止機構32とからなる。
ロックアーム31は、図3及び図4に示すように、本体部21における4つの外周面のうち、1つに対して一体化されるよう形成されており、相手方ハウジングChに係止されることで、完全嵌合状態を保持させる。ロックアーム31は、一対の側壁24a1が当該ロックアーム31を挟むよう形成されている。また、ロックアーム31は、本体部21に固定されるものであり、可撓性を持たせており、検知部材40が取り付け可能となっている。また、ロックアーム31は、ロックアーム基部31a、ハウジング側係止部31b、解除レバー部31c、支持部31d、ガイドレール31f、ロックアーム突出部31gを有している。
ロックアーム基部31aは、離脱方向側の一端が対向方向における第二方向側に曲がって本体部21の対向方向における第一方向側の外周面に固定され、かつ嵌合方向側の他端が嵌合方向に延在するよう形成されている。
ハウジング側係止部31bは、ロックアーム基部31aの嵌合方向側の他端に形成され、ロック用壁部25aと第二方向において対向するように形成されている。ハウジング側係止部31bは、相手方ハウジングChに設けられたハウジング側被係止部32aに係止するものであり、係止を解除可能に、相手方ハウジングChをハウジング20に対してロックするものである。
解除レバー部31cは、嵌合方向側の一端がロックアーム基部31aに接続され、離脱方向側の他端が離脱方向に延在するよう形成されている。解除レバー部31cは、ロックアーム31の両側壁が嵌合方向に延びる半矢じり形状に形成されており、この側壁を構成している。また、解除レバー部31cは、支持部31dを有している。
支持部31dは、ハウジング20単体での状態において、本体部21との間に隙間が形成されている。支持部31dは、本体部21の外周面と対向方向に対向するものであり、配列方向から見た場合に、ロックアーム基部31aの嵌合方向側の一端と重なるよう形成されている。
ガイドレール31fは、図3、図10、図11に示すように、各側壁24a1に向かってそれぞれ突出し、かつ離脱方向に延在するとともに、離脱方向側の一部が本体部21から離れる方向に向かって形成されている。本実施形態における一対のガイドレール31fは、解除レバー部31cにおける各側壁24a1にそれぞれ対向する位置に設けられている。
ロックアーム突出部31gは、図2に示すように、本体部21と係止突起27とに挟まれるよう位置しており、一対の側壁24a1からそれぞれ突出し、配列方向において対向して一対形成されている。ロックアーム突出部31gは、方体状に形成されている。本実施形態におけるロックアーム突出部31gは、解除レバー部31cの離脱方向側の端部に形成されている。
被係止機構32は、相手方ハウジングChに設けられ、ハウジング側係止部31bに係止させることにより解除可能に係止されるよう形成されている。被係止機構32は、ハウジング側被係止部32aと、解除操作部32bとを有している。
ハウジング側被係止部32aは、図1に示すように、相手方フードChfの外壁面から突出させた形状であり、コネクタ嵌合工程において、挿抜方向においてハウジング側係止部31bと向き合うことができるように形成されている。ハウジング側被係止部32aは、完全嵌合状態のときに、ハウジング側係止部31bよりも離脱方向側に位置するように、相手方フードChfの外壁面に対して形成されている。ハウジング側係止部31bとハウジング側被係止部32aは、完全嵌合状態のときに、挿抜方向で互いに接触させてもよく、挿抜方向で間隔が空いていてもよい。但し、間隔を空ける場合には、その間隔が詰まってハウジング側係止部31bとハウジング側被係止部32aとが接触した際に、完全嵌合状態が損なわれないような間隔を設定する。この例示のハウジング側被係止部32aは、方体状に形成している。
解除操作部32bは、後述する規制機構を構成し、図1、図10に示すように、相手方フードChfの外壁面から突出させた突出体であり、コネクタ嵌合工程において、挿抜方向においてハウジング側係止部31bと向き合うことができるように形成されている。解除操作部32bは、完全嵌合状態のときに、ハウジング側係止部31bよりも嵌合方向側に位置するように、相手方フードChfの外壁面に対して形成されている。ハウジング側係止部31bおよび解除操作部32bは、完全嵌合状態のときに、挿抜方向で互いに接触させてもよく、挿抜方向で間隔が空いていてもよい。この例示の解除操作部32bは、方体状に形成されており、嵌合方向側に斜面が形成されている。
本実施形態のコネクタ1は、図7~図9に示すように、挿抜方向においてハウジング20に対して相対移動が可能に形成され、作業者等が相手方コネクタCとの完全嵌合状態を判断するための検知部材40を有する。検知部材40は、ロックアーム31に取り付ける。検知部材40は、ロックアーム31よりもハウジング20の外方寄りに配置され、かつ、少なくとも離脱方向側が操作溝24の操作空間部24aに配置されるように、ハウジング20に対して組み付ける。従って、操作空間部24aにおいては、検知部材40の少なくとも離脱方向側が外方に露出している。本実施形態のコネクタ1においては、操作空間部24aを検知部材40の相対移動操作のための空間としても利用する。このため、検知部材40においては、離脱方向側が相対移動操作のための操作部として利用される。
検知部材40は、ハウジング20に対して仮係止位置、本係止位置との間で相対移動(検知部材移動工程)させることができる。仮係止位置とは、コネクタ1と相手方コネクタCとの間の嵌合状態が嵌合解除状態のときのハウジング20に対する検知部材40の位置のことであり、検知部材40がロック用壁部25aとハウジング側係止部31bとの間に位置しない位置である。本係止位置は、コネクタ1と相手方コネクタCとの間の嵌合状態が完全嵌合状態のときのハウジング20に対する検知部材40の位置のことであり、検知部材40の少なくとも一部がロック用壁部25aとハウジング側係止部31bとの間に位置する位置である。本実施形態における検知部材40は、ハウジング20に対して挿抜方向に相対移動し得るものであり、仮係止位置から嵌合方向へと相対移動させることで本係止位置まで到達し、本係止位置から離脱方向へ相対移動させることで、仮係止位置まで到達する。検知部材40は、検知部材基部41、検知アーム42、検知部材壁部43、突出部分44、検知部材操作部45、当接面46、リブ47、規制機構側被係止部48、及び突起部49を有している。
検知部材基部41は、図4に示すように、ハウジング20に対して検知部材40を取り付けた後に、ロックアーム基部31aに対して間隔を空けて配置されるよう形成されている。検知部材基部41は、図6に示すように、例えば、一方の平面を第二方向でロックアーム基部31aに向かい合わせた矩形状の片体形状であってもよく、その片体形状の部分に様々な切欠きや溝等を形成したものであってもよい。
検知アーム42は、後述する規制機構を構成し、図6に示すように、U字状に形成された検知部材基部41の配列方向における中央部から嵌合方向に向けて突出し、検知部材基部41に対して可撓性を持たせて形成されている。検知アーム42は、先端部42aを有しており、検知部材40がロックアーム31に取りつけられた際に、先端部42aがハウジング側係止部31bと挿抜方向において対向するよう形成される。
検知部材壁部43は、図6に示すように、検知部材基部41の配列方向における両端部から、対向方向に突出して一対形成されている。検知部材壁部43は、それぞれの側壁24a1側に向かって形成され、互いが配列方向に対向して形成されている。各検知部材壁部43は、それぞれ突出部分44を有する。突出部分44は、一方の検知部材壁部43から他方の検知部材壁部43に向けてそれぞれ突出して形成されている。本実施形態における突出部分44は、各検知部材壁部43の対向方向における第二方向側の端部に形成され、検知部材移動工程において、ロックアーム31のガイドレール31fに対して配列方向に向き合うことができるように形成及び配置されている。突出部分44は、ガイドレール31fと対向方向において対向しつつ、挿抜方向に移動することで、ハウジング20に対する検知部材40の挿抜方向への相対移動を案内する。
検知部材操作部45は、図2~図4に示すように、操作空間部24aにおいて、対向方向における第一方向側に検知部材基部41から突出させるよう形成されている。検知部材操作部45は、検知部材基部41から対向方向のうちロック用壁部25a側に向けて突出し、かつ本係止位置においてロック用壁部25aに対して嵌合方向に対向する。検知部材40の相対移動を作業者等が行う際に利用される。検知部材操作部45は、ハウジング20のロック用壁部25aよりも外方に突出させ、解除操作面45aと、嵌合操作面45bとを有している。解除操作面45aは、嵌合方向側に位置し、離脱方向と向かい合うよう形成されており、嵌合操作面45bは、離脱方向側に位置し、嵌合方向と向かい合うよう形成されている。検知部材操作部45は、仮係止位置において、支持部31dを挟んで本体部21に対向するとともにハウジング側係止部31bより離脱方向側に位置するように、形成されている。
当接面46は、図6に示すように、検知部材40をロックアーム31に取り付けた際に、嵌合方向と交差する平面であり、嵌合方向側から各係止突起27に対向するよう形成される。本実施形態における当接面46は、配列方向において検知部材操作部45を挟んで一対形成されている。
リブ47は、図6に示すように、各当接面46における離脱方向側に位置し、各当接面46の対向方向における途中の位置から離脱方向に延在するよう設けられている。本実施形態におけるリブ47は、配列方向において検知部材操作部45を挟んで一対形成されている。リブ47は、各当接面46の第二方向側の端部からそれぞれ離脱方向に延在し、離脱方向から見た際に当接面46より第二方向側に位置するよう形成される。
規制機構側被係止部48は、規制機構を構成し、図6に示すように、検知部材40の各検知部材壁部43の嵌合方向側にそれぞれ形成されている。一対の規制機構側被係止部48は、ハウジング20のそれぞれの側壁部25bに対向するように突出しており、検知部材移動工程において、嵌合方向でハウジング20の規制機構側係止部26と向き合うことができるように形成及び配置される。各規制機構側被係止部48は、本係止位置において側壁部25bの規制機構側係止部26に対して配列方向において当接する。各規制機構側被係止部48は、ハウジング20のそれぞれの側壁部25bに対向する対向面48aと、対向面48aに隣接し、対向面48aから離脱方向に検知部材壁部43側に向けて傾斜する接触面48bとを有する。各対向面48aは、図11に示すように、本係止位置において、各側壁部25bに対して配列方向及び配列方向において対向する。各接触面48bは、図11に示すように、本係止位置において側壁部25bと規制機構側係止部26との間の段差の角部に対して挿抜方向において当接する。ここで規制機構は、ハウジング20に設けられ、嵌合状態が完全嵌合状態で、かつ検知部材40が本係止位置にあるときに、検知部材40を本係止位置から仮係止位置に移動することを規制するものである。
突起部49は、検知部材操作部45から嵌合方向に突出して形成され、本係止位置においてロック用壁部25aに対して嵌合方向において当接する。本実施形態の突起部49は、図6に示すように、対向方向における第一方向から見た場合、検知アーム42を挟んで配列方向において一対形成されている。突起部49は、挿抜方向及び対向方向から見た場合、矩形状に形成される。突起部49は、解除操作面45aから嵌合方向に向けて突出し、かつ対向方向における第二方向の端部が検知部材基部41に連結されている。
次に、本係止位置における、ハウジング20に対する検知部材40の挿抜方向及び第一方向への移動規制を説明する。検知部材40とハウジング20との間には、図9に示すように、ハウジング20に対する検知部材40の挿抜方向及び第一方向への移動を本係止位置で規制する規制機構が設けられている。本規制機構は、ハウジング20の各規制機構側係止部26及び検知部材40の各規制機構側被係止部48により、検知部材40の離脱方向側への移動を規制し、検知部材40の突起部49及びハウジング20のロック用壁部25aにより、検知部材40の嵌合方向側への移動を規制し、ハウジング20のロック用壁部25a及び検知部材40の各検知部材壁部43により、検知部材40の第一方向側への移動を規制する。
次に、検知部材40の離脱方向側への移動を本係止位置で規制する構成について説明する。検知部材40は、図11に示すように、各規制機構側被係止部48がそれぞれ各規制機構側係止部26よりも嵌合方向側に位置しており、各規制機構側係止部26と各規制機構側被係止部48とが挿抜方向で互いに対向状態にある。ここでは、各規制機構側被係止部48の離脱方向側への移動をそれぞれ各規制機構側係止部26と各側壁部25bとの間の段差で規制する。各規制機構側係止部26と各規制機構側被係止部48とによって、本係止位置のときに、ロックアーム31(ハウジング20)に対する検知部材40の離脱方向側への移動を規制する。各規制機構側係止部26と各規制機構側被係止部48は、そのときに、挿抜方向で互いに接触させている。一対の規制機構側被係止部48は、例えば、外力により配列方向の一方に検知部材40が移動しても他方の検知部材壁部43の反力で規制機構側被係止部48が規制機構側係止部26から離れないように検知部材40に追随する。つまり、検知部材40とハウジング20が配列方向にて異なる挙動をしたとしても、各規制機構側被係止部48が各規制機構側係止部26との接触状態を維持する程度に押圧している。
次に、検知部材40の嵌合方向側への移動を本係止位置で規制する構成について説明する。検知部材40においては、図9に示すように、検知部材操作部45がロック用壁部25aよりも離脱方向側に位置しており、そのロック用壁部25aと突起部49とが挿抜方向で互いに対向状態にある。ここでは、それぞれのロック用壁部25aで検知部材操作部45の嵌合方向側への移動を規制する。そのロック用壁部25aと突起部49とによって、本係止位置のときに、ロックアーム31(ハウジング20)に対する検知部材40の嵌合方向側への移動を規制する。ロック用壁部25aと突起部49は、そのときに、挿抜方向で互いに接触させている。
また、検知部材40は、ハウジング20に対して、本係止位置と固定位置との間で相対移動させることができる。固定位置は、嵌合状態が完全嵌合状態となる前で、検知部材40がロックアーム31に取りつけられた状態で、検知部材40をハウジング20に保持する位置である。本実施形態における固定位置は、ハウジング20に対して検知部材40が組み付けられたときの位置でもある。このため、固定位置においては、コネクタ1と相手方コネクタCとが互いに挿入される前の状態も含まれている。
次に、コネクタ1及び相手方コネクタCの嵌合について説明する。図4に示すように、検知部材40が固定位置の状態で、相手方ハウジングChをハウジング20の環状空間部23に挿入するようにコネクタ1を嵌合方向に移動させる。コネクタ1が嵌合方向に移動することでハウジング側係止部31bとハウジング側被係止部32aとが当接する。ハウジング側係止部31b及びハウジング側被係止部32aは、当接した後、コネクタ1が嵌合方向に移動し続けることで、ハウジング側係止部31bがハウジング側被係止部32aによって第一方向へと押動され、ロックアーム31を撓ませながらハウジング側被係止部32aが完全嵌合状態となる位置までハウジング側係止部31bを乗り越える。また、作業者等が、ロックアーム31におけるハウジング側係止部31bを第一方向へと撓ませた後、コネクタ1が嵌合方向に移動し続けることで、ハウジング側被係止部32aを完全嵌合状態となる位置まで移動させてもよい。
ハウジング側被係止部32aがハウジング側係止部31bを第一方向へと押動した後、コネクタ1が嵌合方向に移動し続けることで、検知アーム42の先端部42aがハウジング側被係止部32aに接触する。そして、嵌合方向への移動が進むに連れて、ハウジング側被係止部32aが先端部42aに対して第一方向に向けた力を作用させる。その際、検知部材40においては、検知アーム42が離脱方向側の根元を支点にして撓み始める。
完全嵌合状態となる位置では、図9に示すように、撓ませられていたロックアーム31が元の位置に戻り、挿抜方向においてハウジング側係止部31bとハウジング側被係止部32aとが向かい合うことになる。保持機構30においては、コネクタ1と相手方コネクタCとの間の抜去動作が抑制されるので、完全嵌合状態で保持される。また、検知部材40においては、先端部42aがハウジング側係止部31bを乗り越えることができる位置まで、検知アーム42が撓む。
ロックアーム31においては、図9に示すように、完全嵌合状態となる位置まで嵌合方向に移動することによって、ハウジング側係止部31bが解除操作部32bに近づいていく。ハウジング側係止部31bと解除操作部32bとの間においては、完全嵌合状態となる位置での間隔を詰めることによって、ハウジング側係止部31bの嵌合方向側への動きを解除操作部32bの端部で係止する。そのハウジング側係止部31bと解除操作部32bの端部とを利用して、完全嵌合状態でのロックアーム31の嵌合方向側への動きが規制される。
検知部材40における、固定位置から本係止位置への相対移動について説明する。図9に示すように、完全嵌合状態において、検知部材40が固定位置の状態で、先端部42aを、ハウジング側係止部31bを越えて嵌合方向側に動かすことにより、検知部材40は、固定位置から本係止位置へとハウジング20に対して相対移動する。これにより、検知アーム42がロック用壁部25aとハウジング側係止部31bとの間に位置する。検知部材40は、先端部42aの係止状態が解除されてから本係止位置へと移動するまでの間に、先端部42aが解除操作部32bから離れていくので、この検知アーム42の撓みが徐々に解消されていく。
次に、検知部材40における、本係止位置から仮係止位置への相対移動について説明する。図9に示すように、検知部材40が本係止位置の状態で、作業者が解除操作面45aを指で離脱方向に引くことにより検知部材を離脱方向に移動させることで、その進行と共に先端部42aが解除操作部32bに接触する。そして、その解除が進むに連れて、解除操作部32bが先端部42aに対して第一方向に向けた力を作用させる。その際、検知部材40においては、検知アーム42が離脱方向側の根元を支点にして撓み始める。この検知部材40においては、更に解除が進み、図8に示すように、先端部42aが解除操作部32bを乗り越えることができる位置まで、検知アーム42が撓む。先端部42aを、解除操作部32bを越えて離脱方向側に動かすことにより、検知部材40は、本係止位置から仮係止位置へとハウジング20に対して相対移動する。
コネクタ1及び相手方コネクタCにおける完全嵌合状態の解除について説明する。図9に示すように、検知部材40が本係止位置の状態で、作業者が解除操作面45aを離脱方向に引き続けることにより、ロックアーム31の支持部31dが対向方向における第二方向側に押されハウジング20の本体部21に当接する。そして当接後、解除操作面45aをさらに引くことで、てこ作用により支持部31dと本体部21の接点である支点を中心にロックアーム31の解除レバー部31cが回動するため、検知部材操作部45が離脱方向かつ第二方向に移動する。これにより、解除レバー部31cの嵌合方向側の一端に接続されたハウジング側係止部31bが第一方向へと撓むため、挿抜方向でハウジング側係止部31bとハウジング側被係止部32aとが向かい合わないようになる。このため、解除操作面45aを引き続けることで、コネクタ1と相手方コネクタCの完全嵌合状態を解除でき本係止解除状態とすることができる。なお、検知部材操作部45は、半嵌合状態において、支持部31dを挟んで本体部21に対向するとともにハウジング側係止部31bより離脱方向側に位置する。
以上で説明した本実施形態のコネクタ1は、ハウジング20に対する挿抜方向に相対移動が可能な検知部材40と、嵌合状態が完全嵌合状態で、かつ検知部材40が本係止位置にあるときに、検知部材40を本係止位置から仮係止位置に移動することを規制する規制機構とを備える。検知部材40は、本係止位置にてロック用壁部25aに対して嵌合方向に対向する検知部材操作部45と、本係止位置においてロック用壁部25aに対して嵌合方向において当接する突起部49とを有する。
上記構成により、ハウジング側係止部31bとハウジング側被係止部32aとが嵌合方向において接触し、かつロック用壁部25aに対して突起部49が嵌合方向に当接する状態において、検知部材40の嵌合方向及び離脱方向の移動が規制されるので、本係止位置において、ハウジング20に対して検知部材40が嵌合方向に移動することでハウジング20と衝突して発生する異音を抑制することができる。
また、本実施形態のコネクタ1は、検知部材40における各規制機構側被係止部48が、本係止位置において、対向するハウジング20における各側壁部25bの規制機構側係止部26に当接する。具体的には、図11に示すように、各規制機構側被係止部48の当接面48bが、本係止位置において、側壁部25bと規制機構側係止部26との間の段差の角部に対して挿抜方向及び配列方向において当接する。これにより、ハウジング20内の検知部材40が一対の規制機構側係止部26により配列方向において押圧された状態となり、規制機構(解除操作部32b、検知アーム42)による検知部材40の離脱方向への移動の規制に加えて、規制機構側被係止部48と規制機構側係止部26との当接による検知部材40の配列方向における移動が規制される。この結果、本係止位置において、ハウジング20に対して検知部材40が配列方向に移動することでハウジング20と衝突して発生する異音を抑制することができる。
また、本実施形態のコネクタ1は、検知部材操作部45における解除操作面45aの一部が、本係止位置においてハウジング20のロック用壁部25aよりも外方に位置し、突起部49が解除操作面45aからロック用壁部25aに向けて突出して形成される。これにより、本係止位置において突起部49がロック用壁部25aに当接していることを、作業者が目視確認することができる。この結果、作業者が、検知部材40が仮係止位置ではなく本係止位置にあることを容易に把握することができる。
1 コネクタ
20 ハウジング
21 本体部
25 収容空間部
25a ロック用壁部
25b 側壁部
26 規制機構側係止部
31b ハウジング側係止部
32a ハウジング側被係止部
40 検知部材
41 検知部材基部
42 検知アーム
45 検知部材操作部
48 規制機構側被係止部
49 突起部
C 相手方コネクタ
Ch 相手方ハウジング

Claims (2)

  1. 端子と、
    前記端子が収容及び保持され、相手方コネクタとの嵌合状態が完全嵌合状態のときにハウジング側係止部を相手方ハウジングに設けられたハウジング側被係止部に係止させ解除可能にロックすることにより相手方ハウジングが係合されるハウジングと、
    前記ハウジングに組み付けられ、前記嵌合状態が前記完全嵌合状態において仮係止位置と本係止位置との間で前記ハウジングに対する嵌合方向及び離脱方向に相対移動が可能な検知部材と、
    前記ハウジング及び前記相手方ハウジングの少なくとも一方に設けられ、前記嵌合状態が前記完全嵌合状態で、かつ前記検知部材が前記本係止位置にあるときに、前記検知部材を前記本係止位置から前記仮係止位置に移動することを規制する規制機構と、を備え、
    前記ハウジングは、
    本体部と、
    前記本体部と前記嵌合方向と直交する方向である対向方向に対向し、かつ前記本係止位置において前記本体部との間に前記ハウジング側係止部が位置するロック用壁部と、
    前記本体部と前記ロック用壁部との間に形成され、かつ前記本係止位置において前記検知部材を収容する収容空間部と、を有し、
    前記検知部材は、
    検知部材基部と、
    前記検知部材基部から前記対向方向のうち前記ロック用壁部側に向けて突出し、かつ前記本係止位置において前記ロック用壁部に対して前記嵌合方向に対向する検知部材操作部と、
    前記検知部材操作部から前記嵌合方向に突出して形成され、前記本係止位置において前記ロック用壁部に対して前記嵌合方向において当接する突起部と、を有する、
    ことを特徴とするコネクタ。
  2. 前記ハウジングは、さらに、
    前記ロック用壁部の前記嵌合方向及び前記対向方向と直交する配列方向における両端部と前記本体部とを連結する一対の側壁部を有し、
    前記規制機構は、
    各前記側壁部に設けられ、互いが前記配列方向に対向する一対の規制機構側係止部が含まれ、
    一対の前記規制機構側係止部は、一方の前記規制機構側係止部が他方の前記規制機構側係止部に向けて突出させて形成されており、
    前記検知部材は、さらに、
    前記検知部材基部の前記配列方向における両端部に設けられ、互いが前記配列方向に対向する一対の検知部材壁部と、
    各前記検知部材壁部の嵌合方向側にそれぞれ形成される一対の規制機構側被係止部と、を有し、
    一対の前記規制機構側被係止部は、
    前記本係止位置において各前記側壁部とそれぞれ対向し、対向する前記側壁部に向けてそれぞれ突出しており、
    各前記規制機構側被係止部は、
    前記本係止位置において前記規制機構側係止部に対して前記配列方向において当接する、
    請求項1に記載のコネクタ。
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