JP2023092724A - 風況予測システム及び風況予測方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023092724000001
【課題】対象の地理的範囲及び期間の風況を簡便に予測できる風況予測システムを提供する。
【解決手段】 複数の地理的範囲における過去の複数年分の複数時点の風向及び風速の情報からなる風況データを取得する風況データ取得部と、風向及び風速の推定値を取得する対象の地理的範囲と各時点との組み合わせに対応する典型年の風向及び風速の情報を入力として、地理的範囲における典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力する推定部と、風向及び風速の推定値を典型年風況データベースとして記憶する記憶部と、予測対象情報を取得する予測対象情報取得部と、典型年風況データベースから、予測対象情報に含まれる風況予測の対象の地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値の情報を抽出する抽出部と、推定値を出力する出力部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、対象の地理的範囲及び期間の風況を予測するシステム及び方法に関する。
従来、例えば風力発電の適地であるか否かを判定するための風況評価をする場合には、タワー観測等が必要であるが、そのためには多額の費用と時間を要する。タワー観測等の代わりに、気象モデルでの風況予測を使う技術として、例えば特許文献1の気象予測装置が知られている。
特開2019-203727号報
特許文献1では、気象予報のGPVデータから、気象モデルWRFなどを用いて、評価地点を含む空間内の風速・風向の分布の情報を得て、風車による年間発電量の見積もりに使う技術が記載されている。
ところで風速・風向の状況は、同じ地点であっても、年によって大きく異なる。そのため、特許文献1に記載の技術では、気象モデルに入力する気象予報のGPVデータが取得された年が変わるたびに、得られる風速・風向の分布の情報が変動してしまうので、風速・風向の分布の情報、風車による年間発電量の見積もりの信ぴょう性が低い。
そこで本発明は、対象の地理的範囲及び期間における信ぴょう性の高い風況を簡便に予測できる風況予測システムを提供することを目的とする。
本発明の風況予測システムは、
対象の地理的範囲及び期間の風況を予測するシステムであって、
複数の地理的範囲における過去の複数年分の複数時点の風向及び風速の情報からなる風況データを取得する風況データ取得部と、
前記風況データに含まれる前記地理的範囲における複数年分の複数時点の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力する推定部と、を備え、
前記推定部は、
風向及び風速の前記推定値を出力する対象の前記地理的範囲と前記期間に含まれる前記各時点との組み合わせに対応する、前記風況データに含まれるいずれの年の風向及び風速の情報を用いて該推定値を出力するかを示す情報である典型年の情報を取得して、
風向及び風速の該推定値を取得する対象の該地理的範囲と該各時点との組み合わせに対応する該典型年の風向及び風速の情報を該風況データから取得して、
該取得した該典型年の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における該典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力するように構成されており、
前記推定部が出力した前記地理的範囲における前記典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を典型年風況データベースとして記憶する記憶部と、
風況予測の対象の地理的範囲及び期間の情報からなる予測対象情報を取得する予測対象情報取得部と、
前記典型年風況データベースから、前記予測対象情報に含まれる、風況予測の対象の前記地理的範囲及び前記期間の前記所定時間間隔ごとの風向及び風速の前記推定値の情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した前記推定値を出力する出力部と、を備える
ことを特徴とする。
本発明によれば、風況データ取得部により複数の地理的範囲における過去の複数年分の複数時点の風向及び風速の情報からなる風況データが取得される。
そして推定部により、風向及び風速の推定値を出力する対象の地理的範囲と期間に含まれる各時点との組み合わせに対応する、風況データに含まれるいずれの年の風向及び風速の情報を用いて該推定値を出力するかを示す情報である典型年の情報が取得されて、風向及び風速の該推定値を取得する対象の該地理的範囲と該各時点との組み合わせに対応する該典型年の風向及び風速の情報が該風況データから取得されて、該取得された典型年の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における該典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値が出力され、当該推定値は、典型年風況データベースとして記憶部に記憶される。
そして抽出部により、典型年風況データベースから、風況予測の対象の地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値の情報が抽出されて、出力部により出力される。
これにより、常に典型年の風況データに基づいて取得された風向及び風速の推定値が、記憶部にあらかじめ記憶された典型年風況データベースから抽出されて出力されるので、出力される風向及び風速の情報が変動することはない。
また、地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値があらかじめ典型年風況データベースとして記録されているので、毎回気象モデルを用いた風況の推定を行う必要がなく、効率的である。
このように本発明によれば、対象の地理的範囲及び期間における信ぴょう性の高い風況を簡便に予測できる。
なお、たまたま風の強く(又は弱く)吹いた年の風向及び風速のデータから、風向及び風速の推定値を得た場合、風速・風向が過大に(又は過少に)見積もられてしまう課題がある。
そのため、本発明の風況予測システムにおいて、
前記典型年の情報は、前記地理的範囲及び前記期間に対応する典型的な風向及び風速が観測された年がいつであるかを示す情報である
ことが好ましい。
これにより、いずれの地理的範囲、期間においても典型的な風向及び風速が観測された年の風向及び風速のデータから、風向及び風速の推定値が得られるので、推定値の信ぴょう性が高い。また、例えば複数の候補地の風況を事前評価して、当該事前評価の結果に基づいて風力発電の適地を選び出すような場合において、当該複数の候補地間の風況の比較も容易である。
また、本発明のシステムを用いて、地域で風力発電した電力により当該地域の電力需要を賄う、電力の地産地消が可能であるか否か(例えば、他の発電設備、蓄電設備、商用電源からの電力供給の要否、余剰電力を蓄電する蓄電設備の要否など)の事前検証を行うことが考えられる。
そのため、本発明の風況予測システムにおいて、
発電量の予測対象の風力発電装置の発電能力を示す情報を取得する発電装置情報取得部と、
前記抽出部により抽出された前記地理的範囲及び前記期間の前記所定時間間隔ごとの風向及び風速の前記推定値の情報と、前記発電能力を示す情報と、に基づいて、該地理的範囲における該期間の該所定時間間隔ごとの、前記風力発電装置による発電量の予測値を取得する発電量予測部と、
前記予測対象情報取得部が取得した、前記風況予測の対象の地理的範囲及び期間の情報を電力需要の予測対象の地理的範囲及び期間として認識して、該地理的範囲における前記典型年と同一の年の気象状態を示す情報に基づいて、該地理的範囲における電力需要の予測対象の期間の前記所定時間間隔ごとの電力需要の予測値を取得する需要予測部と、を備え、
前記出力部は、前記発電量予測部が取得した前記風力発電装置による発電量の予測値と、前記需要予測部が取得した電力需要の予測値とを、出力するように構成されている
ことが好ましい。
本発明によれば、発電量予測部により、風況予測の対象の地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの、発電量の予測値が取得される。
そして需要予測部により、風況予測の対象の地理的範囲及び期間の情報が電力需要の予測対象の地理的範囲及び期間として認識されて、当該地理的範囲における電力需要の予測対象の期間の所定時間間隔ごとの電力需要の予測値が取得される。なお、電力需要の予測値は、需要予測部により当該地理的範囲における、典型年と同一の年の気象状態を示す情報に基づいて取得される。
これにより、対象の地理的範囲の発電量と電力需要とが、同一の年(すなわちいずれも典型年)の情報に基づいて予測されるので、出力される発電量及び電力需要の予測値の情報が、予測を行うたびに変動することはない。
また、これらの予測値はいずれも同一の所定時間間隔ごとの予測値であるので、所定時間間隔ごとの電力の需給バランスを把握することができる。そのため、上述したような、地域で風力発電した電力の地産地消が可能であるか否かの事前検証を効果的に行うことができる。
本発明の風況予測システムにおいて、
前記需要予測部が予測する電力需要の予測値は、前記所定時間間隔ごとの冷房又は暖房による電力需要の予測値からなり、
前記需要予測部は、
電力需要の予測対象の前記地理的範囲の、前記気象状態を示す情報と前記冷房又は暖房による電力需要との相関関係を示す情報を取得して、
電力需要の予測対象の該地理的範囲における前記期間の前記所定時間間隔ごとの該気象状態を示す情報に基づいて、該取得した相関関係を示す情報を用いて、該地理的範囲における該期間の該所定時間間隔ごとの、該冷房又は暖房による電力需要の予測値を取得する
ことが好ましい。
電力需要には、気象状態の影響が比較的少ないもの(例えば動力や照明など)と、気象状態の影響を受けやすいものとが混在している。冷暖房による電力需要である空調負荷については、とくに気象状態の影響を受けやすいため、冷暖房による電力需要については、気象状態を考慮して予測することが望ましい。
本発明によれば、需要予測部が予測する電力需要の予測値は、所定時間間隔ごとの冷房又は暖房による電力需要の予測値からなる。そして、需要予測部により、電力需要の予測対象の地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの気象状態を示す情報に基づいて、電力需要の予測対象の地理的範囲の気象状態を示す情報と前記冷房又は暖房による電力需要との相関関係を示す情報が用いられて、当該地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの、冷房又は暖房による電力需要の予測値が取得される。
これにより、とくに気象状態の影響を受けやすい冷暖房による電力需要については、気象状態を考慮して予測されるので、電力需要を精度よく予測することができる。
本発明の風況予測システムにおいて、
気象状態を示す情報と売電単価との相関関係を示す情報を取得して、前記典型年と同一の年の該気象状態を示す情報に基づいて、該取得した相関関係を示す情報を用いて、風況予測の対象の前記期間の前記所定時間間隔ごとの売電単価の予測値を取得する売電単価取得部と、
発電量の予測対象の風力発電装置の発電能力を示す情報を取得する発電装置情報取得部と、
前記抽出部により抽出された前記地理的範囲及び前記期間の前記所定時間間隔ごとの風向及び風速の前記推定値の情報と、前記発電能力を示す情報と、に基づいて、該地理的範囲における該期間の前記所定時間間隔ごとの、前記風力発電装置による発電量の予測値を取得する発電量予測部と、
前記売電単価取得部が取得した前記期間の前記所定時間間隔ごとの前記売電単価の予測値と、前記発電量予測部が取得した該所定時間間隔ごとの前記発電量の予測値とに基づいて、該期間の売電収入の予測値を取得する売電収入予測部と、を備える
ことが好ましい。
本発明によれば売電単価取得部により、気象状態を示す情報と売電単価との相関関係を示す情報が取得されて、推定部が風向及び風速を推定する際に風況データの取得元とした年(すなわち「典型年」)と同一の年の気象状態を示す情報に基づいて、当該取得した相関関係を示す情報を用いて、風況予測の対象の期間の所定時間間隔ごとの売電単価の予測値が取得される。
また、抽出部により抽出された風向及び風速の推定値の情報と、発電量の予測対象の風力発電装置の発電能力を示す情報と、に基づいて、発電量の予測値が発電量予測部により取得される。
そして、売電単価取得部が取得した売電単価の予測値と、発電量予測部が取得した発電量の予測値とに基づいて、予測対象の期間の売電収入の予測値が売電収入予測部により取得される。
これにより、売電単価及び発電量が、同一の年の情報に基づいて予測されたうえで、予測対象の期間の売電収入の予測値が取得されるので、売電収入の予測値の信ぴょう性は高い。
また、売電単価及び発電量のいずれもが、同一の所定時間間隔ごとに取得されて、売電収入の予測値の取得に用いられるので、時間ごとの風況、売電単価の変化を考慮した、実態に即した売電収入の予測が可能である。
また、本発明の風況予測方法は、
情報を記憶する記憶部と情報を出力する出力部とを備えるコンピューターシステムが実行する、対象の地理的範囲及び期間の風況を予測する方法であって、
複数の地理的範囲における過去の複数年分の複数時点の風向及び風速の情報からなる風況データを取得するステップと、
前記風況データに含まれる前記地理的範囲における複数年分の複数時点の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力するステップと、を含み、
前記風向及び風速の推定値を出力するステップは、
風向及び風速の前記推定値を出力する対象の前記地理的範囲と前記期間に含まれる前記各時点との組み合わせに対応する、前記風況データに含まれるいずれの年の風向及び風速の情報を用いて該推定値を出力するかを示す情報である典型年の情報を取得して、
風向及び風速の該推定値を取得する対象の該地理的範囲と該各時点との組み合わせに対応する該典型年の風向及び風速の情報を該風況データから取得して、
該取得した該典型年の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における該典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力するステップであり、
前記地理的範囲における前記典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を典型年風況データベースとして前記記憶部に記憶するステップと、
風況予測の対象の地理的範囲及び期間の情報からなる予測対象情報を取得するステップと、
前記典型年風況データベースから、前記予測対象情報に含まれる、風況予測の対象の前記地理的範囲及び前記期間の前記所定時間間隔ごとの風向及び風速の前記推定値の情報を抽出するステップと、
前記抽出した前記推定値を出力部に出力するステップと、を含む
ことを特徴とする。
本発明によれば、対象の地理的範囲及び期間における信ぴょう性の高い風況を簡便に予測できる。
本発明の風況予測システムの全体像の一例を示すブロック図。 本発明の風況予測システムの処理内容の一例を示すフローチャート。 本発明の風況予測システムの処理内容の一例を示すフローチャート。 本発明の風況予測システムが処理に用いるデータの内容の一例を示す表。 本発明の風況予測システムが処理に用いるデータの内容の一例を示す表。 本発明の風況予測システムの処理内容の一例を示すイメージ図。 本発明の風況予測システムが処理に用いるデータの内容の一例を示す表。 本発明の風況予測システムの処理内容の変更例を示すフローチャート。 本発明の風況予測システムの処理内容の変更例を示すフローチャート。 本発明の風況予測システムの出力内容の一例を示す図。
<風況予測システムの構成>
まず図1を用いて、本実施形態の風況予測システムの構成について説明する。なお同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略することがある。
本実施形態の風況予測システム10は、対象の地理的範囲及び期間の風況を予測するコンピューターシステムであり、制御部110と、記憶部150と、出力部170と、入力部190を含んで構成される。風況予測システム10は、単一のコンピューターで構成されてもよく、複数のコンピューターで構成されていてもよい。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置(プロセッサー)、メモリ、及びI/O(Input/Output)デバイスなどにより構成されている。
制御部110の演算処理装置(プロセッサー)が、所定のプログラムを読み込んで実行することにより例えば風況データ取得部111と、推定部113と、予測対象情報取得部115と、抽出部117と、出力制御部119と、として機能し、あるいはさらに発電装置情報取得部121と、発電量予測部123と、需要予測部125と、売電単価取得部127と、売電収入予測部129と、として機能する。
風況データ取得部111は、複数の地理的範囲における過去の複数年分の複数時点の風向及び風速の情報からなる風況データを取得する。
推定部113は、風況データに含まれる地理的範囲における複数年分の複数時点の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力する。
なお、推定部113は例えば、風向及び風速の推定値を出力する対象の地理的範囲と期間に含まれる各時点との組み合わせに対応する、風況データに含まれるいずれの年の風向及び風速の情報を用いて該推定値を出力するかを示す情報である典型年の情報を取得して、風向及び風速の該推定値を取得する対象の該地理的範囲と該各時点との組み合わせに対応する該典型年の風向及び風速の情報を風況データから取得して、取得した該典型年の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における該典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力するように構成されている。
また典型年とは、例えば、地理的範囲及び期間に対応する典型的な風向及び風速が観測された年がいつであるかを示す情報であり、具体的には、標準年拡張アメダス気象データにおける地理的範囲及び期間に対応する平均月のデータの取得元となった年を示す情報、TMY(Typical meteorological year)における地理的範囲及び期間に対応する月の典型的な年を示す情報が典型年の情報として用いられてよい。なお、これらはあくまで例示であり、その他の種々の所定のアルゴリズムにより選択、決定された、地理的範囲及び期間に対応する典型的な風向及び風速が観測された年の情報が典型年として用いられてよい。
予測対象情報取得部115は、風況予測の対象の地理的範囲及び期間の情報からなる予測対象情報を取得する。
抽出部117は、典型年風況データベース151から、予測対象情報に含まれる、風況予測の対象の地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値の情報を抽出する。
出力制御部119は、抽出部117が抽出した推定値のほか、本システムの処理結果などの情報を、出力部170を介して出力する。
発電装置情報取得部121は、発電量の予測対象の風力発電装置の発電能力を示す情報を取得する。風力発電装置の発電能力を示す情報とは、風力発電装置に向かって吹く風の速度と当該風力発電装置による発電量との相関関係を示す情報である。
発電量予測部123は、抽出部117により抽出された地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値の情報と、発電能力を示す情報と、に基づいて、該地理的範囲における該期間の所定時間間隔ごとの、風力発電装置による発電量の予測値を取得する。
需要予測部125は、予測対象情報取得部115が取得した、風況予測の対象の地理的範囲及び期間の情報を電力需要の予測対象の地理的範囲及び期間として認識して、当該地理的範囲における、電力需要の予測対象の期間の所定時間間隔ごとの電力需要の予測値を取得する。なお、当該電力需要の予測値は、需要予測部125により当該地理的範囲における、典型年と同一の年の気象状態を示す情報に基づいて取得される。
需要予測部125は例えば、所定時間間隔ごとの冷房又は暖房による電力需要の予測値を含む電力需要の予測値を取得するように構成される。この場合に需要予測部125は、電力需要の予測対象の地理的範囲の、気象状態を示す情報と冷房又は暖房による電力需要との相関関係を示す情報を取得して、電力需要の予測対象の地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの気象状態を示す情報に基づいて、該取得した相関関係を示す情報を用いて、該地理的範囲における該期間の該所定時間間隔ごとの、冷房又は暖房による電力需要の予測値を取得する。
売電単価取得部127は、気象状態を示す情報と売電単価との相関関係を示す情報を取得して、典型年と同一の年の気象状態を示す情報に基づいて、当該取得した相関関係を示す情報を用いて、風況予測の対象の期間の所定時間間隔ごとの売電単価の予測値を取得する。
売電収入予測部129は、売電単価取得部127が取得した、風況予測の対象の期間の所定時間間隔ごとの売電単価の予測値と、発電量予測部が取得した該所定時間間隔ごとの発電量の予測値とに基づいて、該期間の売電収入の予測値を取得する。
記憶部150は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成されている。
記憶部150には、推定部113が出力した地理的範囲における典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を典型年風況データベース151として記憶されているほか、本発明の風況予測システム10の処理に必要な情報、風況予測システム10の処理結果等が適宜に格納される。
出力部170は、ユーザーに向けて情報を出力するディスプレイ、あるいはプリンターなどの出力装置である。
入力部190は、ユーザーによる入力を受け付ける例えばキーボード又はタッチパネル、マウスその他のポインティングデバイスである。
<処理の概要>
次に、図2~図7を用いて、本実施形態の風況予測システムが実行する風況予測の方法の内容について説明する。まず図2を参照して、風況予測システムによる風況予測方法の一連の処理(ステップ)の概要について説明する。
本実施形態の風況予測システムは、処理を開始すると、まず典型年風況データベース151を作成するデータベース作成処理を実行する(図2/S10)。データベース作成処理の具体的な内容については後述する。
そして、予測対象情報取得部115は、風況予測の対象の地理的範囲及び期間の情報からなる予測対象情報を取得する(図2/S31)。
予測対象情報取得部115は例えば、ユーザーによる、風況予測の対象の地理的範囲(例えば緯度、経度の情報など)及び期間(例えば1月1日~12月31日など)を指定する情報の入力を、入力部190を介して受け付けることにより、予測対象情報を取得する。
次に抽出部117は、典型年風況データベース151から、予測対象情報に含まれる、風況予測の対象の地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値の情報を抽出する(図2/S33)。
典型年風況データベース151には、例えば図7に示すように、地理的範囲、月日と時刻を主キーとして、対応する風向、風速(例えば複数の高さそれぞれの)の推定値が格納されているので、抽出部117は、予測対象情報として受け付けられた、地理的範囲及び期間に対応する風向、風速の推定値を典型年風況データベース151から抽出する。
そして出力制御部119が、抽出部117が抽出した推定値を出力部170に出力して(図2/S71)、本実施形態における風況予測システムの一連の処理は終了する。出力部170への出力の内容については後述する。
<データベース作成処理>
データベース作成処理を開始すると、風況データ取得部111は、複数の地理的範囲における過去の複数年分の複数時点の風向及び風速の情報からなる風況データを取得する(図3/S11)。
風況データ取得部111は、例えば典型年が2001~2010年の範囲で設定されていれば、複数の地理的範囲における2001年~2010年の風況データを任意のデータベースから読み込むことなどにより取得する。
風況データとしては、任意の周知の風況データが適宜に用いられてよく、例えば、メソ客観解析データ、局地客観解析データなどの客観解析データ、あるいは拡張アメダス気象データなどが用いられてよい。
風況データには、例えば、図4に示すように、地理的範囲を特定する情報である、緯度の範囲及び経度の範囲を示す情報、当該風況が観測された年月日及び時刻を示す情報、観測された風の風向き及び風速を示す情報、当該風の観測された高さの情報が、複数の地理的範囲について、時系列的に格納されている。
そして推定部113は、例えば記憶部150にあらかじめ記憶されている、典型年の情報を取得する(図3/S13)。典型年の情報とは、風況データに含まれるいずれの年の風向及び風速の情報を用いて、風向及び風速の推定値を出力するかを示す情報である。典型年の情報は、例えば図5に示すように、地理的範囲を特定する情報である緯度の範囲及び経度の範囲を示す情報それぞれについて、1月~12月の各月に対応する典型年の情報が対応付けて格納されている。
すなわち例えば、図5に示す典型年の情報においては、「緯度:〇.〇〇〇~〇.〇〇△、経度:△.□□□~△.□□〇」の「1月」の風向及び風速の推定値を出力する際には、「2004年」の風況データを用いるべきことを示している。
その後、推定部113は風向及び風速の推定値を取得する対象の地理的範囲と各時点との組み合わせに対応する典型年の風向及び風速の情報を、風況データから取得する。
そして推定部113は、取得した風向及び風速の情報に基づいて、風向及び風速の予測対象である各地理的範囲における典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力する。
より具体的には、推定部113は、風向及び風速の推定値を取得する対象の地理的範囲と各時点との組み合わせに対応する典型年の風向及び風速の情報を入力パラメーターとして、当該地理的範囲における典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力する予測モデルを用いて、風向及び風速の推定値を出力する。
予測モデルとしては、例えばWRF(Weather Research and Forecasting)モデルをはじめとして、任意の周知のモデルが用いられてよい。
図6は、本実施形態の風況予測システムにおける典型年風況データベースの作成処理の流れを示すイメージ図である。
図6においては、1セットの風況データ(例えばWD01)に複数の地理的範囲の3時間ごとの風向及び風速の情報が含まれている状態が示されている。すなわち風況データWD01の図中に含まれる各矢印が各地理的範囲の風向及び風速を示している。また、各風況データの縦方向が緯度方向を、横方向が経度方向をそれぞれ示している。
なお図6に示す実施形態においては、風況データWD01に含まれる各地理的範囲の「3月」に対応する典型年は共通して「2005年」であり、風況データWD11、WD12に含まれる各地理的範囲の「4月」に対応する典型年は共通して「2001年」であるが、もちろん地理的範囲それぞれの各月に対応する典型年はそれぞれ異なっていてもよい。
そして、推定部113は、取得した風況データ(WD01、WD11、WD12、WD22…)を上記の予測モデルに入力して、地理的範囲における典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値(TWD11、TWD12、TWD13、TWD14…)を取得する。本実施形態においては、3時間ごとの風況データから、WRFによるシミュレーションにより、1時間ごとの、複数の高さHにおける風向及び風速の推定値が出力された状態を示している。また、各推定値の矢印NT方向が緯度方向を、矢印EW方向が経度方向をそれぞれ示している。
なお、入力される風況データの地理的範囲のメッシュの大きさと、出力される風向及び風速の推定値の地理的範囲のメッシュの大きさとは、異なっていてもよい。本発明の開発においては、入力される風況データとしてメソ客観解析データ、局地客観解析データを用いたため、入力される風況データの地理的範囲のメッシュの大きさは5~10km格子であった。そして出力する推定値の地理的範囲のメッシュの大きさとしては0.5~1km格子を採用した。出力する推定値の地理的範囲のメッシュの大きさは、目的とする予測精度などに応じて、適宜に設定されてよい。
本実施形態の推定部113は、例えば上記のようにして、風況データに含まれる地理的範囲における複数年分の複数時点の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力する。
そして、推定部113は、このようにして出力された風向及び風速の推定値を、典型年風況データベース151として記憶部150に記憶して(図3/S19)、データベース作成処理の一連の処理を終了する。
本実施形態における典型年風況データベース151には、例えば図7に示すように、地理的範囲、月日と時刻を主キーとして、対応する風向、複数の高さそれぞれの風速の推定値が格納される。
以上説明してきたように、本発明の風況予測システムによれば、風向、風速の予測対象の地理的範囲及び期間における信ぴょう性の高い風況を簡便に予測できる。
なお、本発明の実施形態は上記に限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。以下に、本発明の変更実施形態を説明する。
<変更実施形態>
図8~図10を用いて、本発明の変更実施形態について説明する。本実施形態の風況予測システムにおいては、典型年風況データベース151から推定値の情報を抽出(図8/S33)した後に、事業性評価処理(図8/S50)が実行され、出力制御部119は、風向及び風速の推定値を出力する(図8/S71)とともに、事業性評価の評価結果を出力する(図8/S73)。
<事業性評価処理>
事業性評価処理を開始すると、発電装置情報取得部121は、発電量の予測対象の風力発電装置の発電能力を示す情報を取得する(図9/S51)。風力発電装置の発電能力を示す情報とは、例えばカットイン風速からカットアウト風速までの間の各風速に対応する発電機の出力の情報である、いわゆるパワーカーブの情報のほか、ハブの設置高さ、ブレードの長さの情報などである。なお、同一の地理的範囲について、複数の同一の又は異なる風力発電装置を設置するのであれば、それぞれの発電装置情報取得部121は、風力発電装置の発電能力を示す情報を取得する。
そして、発電量予測部123は、抽出部117により抽出された、風況の予測対象の地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値の情報と、発電能力を示す情報と、に基づいて、該地理的範囲における該期間の所定時間間隔ごとの、風力発電装置による発電量の予測値を取得する(図9/S53)。
より具体的には、発電量予測部123は、典型年風況データベース151を参照して、発電量の予測対象である地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を取得する。そして、発電量予測部123は、風力発電装置の発電能力を示す情報に含まれるハブの設置高さ、ブレードの長さの情報などから、典型年風況データベース151に含まれるいずれの高さの風速の情報を用いればよいかを特定する。
そして発電量予測部123は、そのようにして特定した所定時間間隔ごとの風速の情報を風力発電装置の発電能力を示す情報に含まれるパワーカーブの情報に当てはめて計算することで、所定時間間隔ごとの発電量の予測値を取得する。
その後、需要予測部125は、風況予測の際に使った典型年と同一の年の気象状態を示す情報に基づいて、電力需要の予測対象の地理的範囲における、風況予測の対象の期間と同一の期間の所定時間間隔ごとの電力需要の予測値を取得する(図9/S55)。
より具体的には例えば需要予測部125は、予測対象情報取得部115が取得(図2/S31)した、風況予測の対象の地理的範囲及び期間を、電力需要の予測対象の地理的範囲及び期間として認識して、記憶部150にあらかじめ記憶されている、典型年の情報を参照して、電力需要の予測対象の期間に対応する典型年の情報を取得する。当該典型年の情報は、推定部113がデータベース作成処理にて風向及び風速の予測の際に用いた情報と同じ情報である。
続いて需要予測部125は、電力需要の予測に用いる、気象状態を示す情報を読み込んで、当該気象状態を示す情報から、電力需要の予測対象の地理的範囲及び期間に対応する典型年の気象状態を示す情報を抽出する。
すなわち例えば、電力需要の予測対象の期間が「1月」であり、電力需要の予測対象の地理的範囲の「1月」の典型年が「2004年」であれば需要予測部125は、電力需要の予測に用いる気象状態を示す情報から、当該地理的範囲の、2004年1月の気象状態を示す情報を抽出する。
なお、気象状態を示す情報としては例えば、推定部113が風向及び風速の推定値を出力する際に用いる典型年として、標準年拡張アメダス気象データにおける地理的範囲及び期間に対応する平均月のデータの取得元となった年が採用されている場合には、標準年拡張アメダス気象データに含まれる気温、湿度、日照量、風向、風速、降水量などの情報が、気象状態を示す情報として用いられてよい。
この場合、標準年拡張アメダス気象データに含まれている気象データは、すべて典型年に関する気象データであるため、上記の処理において需要予測部125が典型年の情報を取得し、典型年と同一の年の気象状態を示す情報を、気象データから抽出する処理を省略できるので効率的である。
あるいは典型年におけるデータを取得可能であれば例えばメソ客観解析データ、局地客観解析データなどの客観解析データなどの他のデータが、気象状態を示す情報として用いられてもよい。
このようにして需要予測部125は、電力需要の予測対象の全期間に対応する典型年の気象状態を示す情報を抽出する。これにより結果的に、典型年と同一の年の気象状態を示す情報が抽出されることとなる。
その後、需要予測部125は、典型年と同一の年の気象状態を示す情報を用いて、電力需要のうち、冷暖房による電力需要である、空調負荷の計算を行う。空調負荷は、電力需要のうち、とくに気象状態の影響を受けやすいので、気象状態を示す情報を用いてその変動を予測することが可能である。
需要予測部125は、例えばBEST(Building Energy Simulation Tool)、EnergyPlusをはじめとした任意の周知の電力需要等のシミュレーションソフトウェアに、地理的範囲ごと、所定時間ごとの気象状態を示す情報その他の、冷房(及び暖房)の消費電力の予測に必要な情報を入力して、冷房(及び暖房)の消費電力の予測結果の値を取得する。なお需要予測部125は例えば、土曜日、日曜日、祝祭日であれば、平日に比して何割程度の冷暖房の使用となるかを示す情報を記憶部150などから取得して、予測対象の期間に含まれる土曜日、日曜日、祝祭日について電力需要を予測する際には、当該情報を用いて消費電力の値を割り引くなどした値を消費電力の値として取得してもよい。
需要予測部125は、このような処理を電力需要の予測対象の全地理的範囲の全期間について実行して、地理的範囲ごと、所定時間ごとの冷暖房による消費電力(すなわち空調負荷)の値の情報を取得する。
その後、需要予測部125は、気象状態の影響が比較的少ない、動力や照明などの、その他の電力の消費量を取得する。需要予測部125は例えば、ユーザーによる電力需要の予測対象の地理的範囲における所定時間ごとの動力や照明などのその他の消費量の、過去の実績値や所定の手法により算出された予測値の情報の入力を、入力部190を介して受け付けることにより、動力や照明などによるその他の電力の消費量を取得する。
そして需要予測部125は、このようにして取得した、冷暖房による消費電力(すなわち空調負荷)の値及びその他の電力の消費量の値を、地理的範囲ごと、所定時間間隔ごとに足し合わせた値を、電力需要の予測値とする。
続いて、売電単価取得部127は、気象状態を示す情報と売電単価との相関関係を示す情報を取得して、典型年と同一の年の気象状態を示す情報に基づいて、当該取得した相関関係を示す情報を用いて、風況予測の対象の期間における所定時間間隔ごとの売電単価の予測値を取得する(図9/S57)。
具体的には、例えば売電単価取得部127は、気象状態を示す情報(気温、湿度、日照量、風向、風速、降水量など)及び、売電単価の予測対象の期間に含まれる日それぞれの曜日、休日か否かの情報を入力として、売電価格の値を出力とする予測式又は予測モデルを記憶部150から取得して、当該予測式又は予測モデルに、売電単価の予測対象の期間の所定時間間隔ごとの気象状態を示す情報及び、当該期間に含まれる日それぞれの曜日、休日か否かの情報を入力して、売電価格の値の出力を得ることにより、所定時間間隔ごとの売電単価の予測値を取得する。
当該予測式は、例えば過去の気象状態を示す情報(気温、湿度、日照量、風向、風速、降水量など)及び曜日、休日か否かの情報を独立変数として、当該過去における売電単価の実績値を従属変数として、回帰分析を行ってその相関関係を分析することにより導出された、気象状態を示す情報及び曜日、休日か否かの情報と、売電単価との相関関係を示す関係式である。
あるいは当該予測モデルは、過去の気象状態を示す情報及び曜日、休日か否かの情報と、当該過去における売電単価の実績値とを学習用データとして用いて、機械学習を行って過去の気象状態を示す情報及び曜日と、当該過去における売電単価の実績値との相関関係を、ディープラーニング等による機械学習をさせて作成された、気象状態を示す情報及び曜日、休日か否かの情報から、売電単価を予測する予測モデルである。
気象状態と電力需要との間に一定の相関関係があることは上述の通りである。また、土日、お盆期間(8月13~15日)及び年始(1月1日~1月3日)などの休日における電力需要は、同じ週の平日に比べて数割程度低くなるが見られる。さらに、祝日についても、同様に同じ月の平日に比べて数割程度電力需要が低くなる傾向が見られる。そのため、曜日、休日か否かの情報と電力需要の過多との間には、一定の相関関係がある。
そして、電力需要の過多と売電単価との間にも一定の相関関係がある。すなわち、電力需要が高ければ売電単価は上がり、電力需要が低ければ売電単価は下がる傾向がある。
従って、気象状態及び曜日、休日か否かの情報と売電単価との間にも、間接的ではあるが、一定の相関関係が存在しているので、上記のような予測式、予測モデルを作成して、気象状態を示す情報及び曜日、休日か否かの情報から、売電単価を予測することが可能である。上記のような予測式、予測モデルが、必要に応じて地理的範囲ごとに作成されて、あらかじめ記憶部150に記憶される。
そして、売電収入予測部129は、売電単価取得部127が取得した売電単価の予測値と、発電量予測部123が取得した発電量の予測値とに基づいて、風況予測の対象の期間の売電収入の予測値を取得する(図9/S59)。
売電収入予測部129は例えば、売電単価取得部127が取得した、所定時間間隔ごとの売電単価の予測値に、発電量予測部123が取得した発電量の予測値に含まれる、当該時間に対応する時間の発電量の値を掛け合わせたものを、当該時間中の売電収入の予測値とする。すなわち本実施形態においては1時間ごとの売電収入の予測値がまず取得される。そして、風況予測の対象の期間に含まれるすべての時間について当該計算を行って、その累計値を、風況予測の対象の期間の売電収入の予測値とする。
<出力の内容>
図10は、上述した変更実施形態の処理結果を含めた、本発明の風況予測システムの出力内容の一例を示す図である。
出力制御部119は、例えば図10に示すように、風況予測の対象である地理的範囲を示す情報PAとしての、地理的範囲の名称「エリアA」、地理的範囲の緯度及び経度の範囲を示す情報と、風況予測の対象期間を示す情報PPと、抽出部117が抽出した、風況予測の対象の地理的範囲及び期間の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値の情報PWとを出力部170であるディスプレイに表示することにより出力する。
また、図10に示すように、推定部113によって所定の高さごとの風速の推定値が出力されている場合には、風向及び風速の推定値の情報PWには、当該所定の高さごとの風速の推定値が出力されてよい。
そして、変更実施形態に記載したように、事業性評価処理が実行される場合には、出力制御部119は、例えば図10に示すようにさらに、発電量、電力需要の予測値を示す情報PE、売電収入の予測値を示す情報PRを、出力部170に出力する。
あるいはさらに種々の変更が行われてよい。すなわち例えば、予測対象の地理的範囲の地形、地物が起伏に富んでいるなど、平坦でない複雑な地形、地物である場合には、例えば推定部113は、MASCOTなどのシミュレーションソフトウェアを用いて、典型年風況データベース151に格納された風向及び風速の推定値を、当該地理的範囲の地形、地物の影響を考慮した値に補正するように構成されていてもよい。
あるいは例えば売電単価取得部127が売電単価の予測に用いる予測式及び予測モデルは、気象状態を示す情報(気温、湿度、日照量、風向、風速、降水量など)を入力として、売電価格の値を出力とする予測式及び予測モデルであってよい。すなわち曜日、休日か否かの情報は、必ずしも売電単価の予測の際に考慮されなくともよい。
この場合の当該予測式は、過去の気象状態を示す情報(気温、湿度、日照量、風向、風速、降水量など)を独立変数として、当該過去における売電単価の実績値を従属変数として、回帰分析を行ってその相関関係を分析することにより導出された、気象状態を示す情報と、売電単価との相関関係を示す関係式である。
またこの場合の当該予測モデルは、過去の気象状態を示す情報と、当該過去における売電単価の実績値とを学習用データとして用いて、機械学習を行って過去の気象状態を示す情報と、当該過去における売電単価の実績値との相関関係を、ディープラーニング等による機械学習をさせて作成された、気象状態を示す情報から、売電単価を予測する予測モデルである。
あるいは例えば売電単価取得部127は、売電単価の予測を行わずに、あらかじめ定められた所定の売電単価(例えば15円/kWhなど)を売電単価として取得するように構成されていてよい。
10…風況予測システム、110…制御部、111…風況データ取得部、113…推定部、115…予測対象情報取得部、117…抽出部、119…出力制御部、121…発電装置情報取得部、123…発電量予測部、125…需要予測部、127…売電単価取得部、129…売電収入予測部、150…記憶部、151…典型年風況データベース、170…出力部。

Claims (6)

  1. 対象の地理的範囲及び期間の風況を予測するシステムであって、
    複数の地理的範囲における過去の複数年分の複数時点の風向及び風速の情報からなる風況データを取得する風況データ取得部と、
    前記風況データに含まれる前記地理的範囲における複数年分の複数時点の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力する推定部と、を備え、
    前記推定部は、
    風向及び風速の前記推定値を出力する対象の前記地理的範囲と前記期間に含まれる前記各時点との組み合わせに対応する、前記風況データに含まれるいずれの年の風向及び風速の情報を用いて該推定値を出力するかを示す情報である典型年の情報を取得して、
    風向及び風速の該推定値を取得する対象の該地理的範囲と該各時点との組み合わせに対応する該典型年の風向及び風速の情報を該風況データから取得して、
    該取得した該典型年の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における該典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力するように構成されており、
    前記推定部が出力した前記地理的範囲における前記典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を典型年風況データベースとして記憶する記憶部と、
    風況予測の対象の地理的範囲及び期間の情報からなる予測対象情報を取得する予測対象情報取得部と、
    前記典型年風況データベースから、前記予測対象情報に含まれる、風況予測の対象の前記地理的範囲及び前記期間の前記所定時間間隔ごとの風向及び風速の前記推定値の情報を抽出する抽出部と、
    前記抽出部が抽出した前記推定値を出力する出力部と、を備える
    ことを特徴とする風況予測システム。
  2. 請求項1に記載の風況予測システムにおいて、
    前記典型年の情報は、前記地理的範囲及び前記期間に対応する典型的な風向及び風速が観測された年がいつであるかを示す情報である
    ことを特徴とする風況予測システム。
  3. 請求項1又は2に記載の風況予測システムにおいて、
    発電量の予測の対象の風力発電装置の発電能力を示す情報を取得する発電装置情報取得部と、
    前記抽出部により抽出された前記地理的範囲及び前記期間の前記所定時間間隔ごとの風向及び風速の前記推定値の情報と、前記発電能力を示す情報と、に基づいて、該地理的範囲における該期間の該所定時間間隔ごとの、前記風力発電装置による発電量の予測値を取得する発電量予測部と、
    前記予測対象情報取得部が取得した、前記風況予測の対象の地理的範囲及び期間の情報を電力需要の予測対象の地理的範囲及び期間として認識して、該地理的範囲における前記典型年と同一の年の気象状態を示す情報に基づいて、該地理的範囲における電力需要の予測対象の期間の前記所定時間間隔ごとの電力需要の予測値を取得する需要予測部と、を備え、
    前記出力部は、前記発電量予測部が取得した前記風力発電装置による発電量の予測値と、前記需要予測部が取得した電力需要の予測値とを、出力するように構成されている
    ことを特徴とする風況予測システム。
  4. 請求項3に記載の風況予測システムにおいて、
    前記需要予測部が予測する電力需要の予測値は、前記所定時間間隔ごとの冷房又は暖房による電力需要の予測値からなり、
    前記需要予測部は、
    電力需要の予測対象の前記地理的範囲の、前記気象状態を示す情報と前記冷房又は暖房による電力需要との相関関係を示す情報を取得して、
    電力需要の予測対象の該地理的範囲における前記期間の前記所定時間間隔ごとの該気象状態を示す情報に基づいて、該取得した相関関係を示す情報を用いて、該地理的範囲における該期間の該所定時間間隔ごとの、該冷房又は暖房による電力需要の予測値を取得する
    ことを特徴とする風況予測システム。
  5. 請求項1又は2に記載の風況予測システムにおいて、
    気象状態を示す情報と売電単価との相関関係を示す情報を取得して、前記典型年と同一の年の該気象状態を示す情報に基づいて、該取得した相関関係を示す情報を用いて、風況予測の対象の前記期間の前記所定時間間隔ごとの売電単価の予測値を取得する売電単価取得部と、
    発電量の予測の対象の風力発電装置の発電能力を示す情報を取得する発電装置情報取得部と、
    前記抽出部により抽出された前記地理的範囲及び前記期間の前記所定時間間隔ごとの風向及び風速の前記推定値の情報と、前記発電能力を示す情報と、に基づいて、該地理的範囲における該期間の前記所定時間間隔ごとの、前記風力発電装置による発電量の予測値を取得する発電量予測部と、
    前記売電単価取得部が取得した前記期間の前記所定時間間隔ごとの前記売電単価の予測値と、前記発電量予測部が取得した該所定時間間隔ごとの前記発電量の予測値とに基づいて、該期間の売電収入の予測値を取得する売電収入予測部と、を備える
    ことを特徴とする風況予測システム。
  6. 情報を記憶する記憶部と情報を出力する出力部とを備えるコンピューターシステムが実行する、対象の地理的範囲及び期間の風況を予測する方法であって、
    複数の地理的範囲における過去の複数年分の複数時点の風向及び風速の情報からなる風況データを取得するステップと、
    前記風況データに含まれる前記地理的範囲における複数年分の複数時点の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力するステップと、を含み、
    前記風向及び風速の推定値を出力するステップは、
    風向及び風速の前記推定値を出力する対象の前記地理的範囲と前記期間に含まれる前記各時点との組み合わせに対応する、前記風況データに含まれるいずれの年の風向及び風速の情報を用いて該推定値を出力するかを示す情報である典型年の情報を取得して、
    風向及び風速の該推定値を取得する対象の該地理的範囲と該各時点との組み合わせに対応する該典型年の風向及び風速の情報を該風況データから取得して、
    該取得した該典型年の風向及び風速の情報を入力として、該地理的範囲における該典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を出力するステップであり、
    前記地理的範囲における前記典型年の所定時間間隔ごとの風向及び風速の推定値を典型年風況データベースとして前記記憶部に記憶するステップと、
    風況予測の対象の地理的範囲及び期間の情報からなる予測対象情報を取得するステップと、
    前記典型年風況データベースから、前記予測対象情報に含まれる、風況予測の対象の前記地理的範囲及び前記期間の前記所定時間間隔ごとの風向及び風速の前記推定値の情報を抽出するステップと、
    前記抽出した前記推定値を出力部に出力するステップと、を含む
    ことを特徴とする風況予測方法。
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