JP2023092251A - 眼鏡レンズ、および眼鏡レンズの設計方法 - Google Patents

眼鏡レンズ、および眼鏡レンズの設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】DIMSを適用しつつ、コントラストを向上させることができる眼鏡レンズを提供する。【解決手段】物体側の面から入射した光束を眼球側の面から出射させ、眼球を介して網膜上の所定の位置Aに収束させるベース領域と、位置Aよりも物体側寄りの位置B、または、位置Aから見て位置Bとは反対側寄りの位置Cに光束を収束させる性質を持つ複数のデフォーカス領域と、ベース領域とデフォーカス領域との境界部に設けられ、ベース領域とデフォーカス領域との間の曲率の変化を緩やかにするトランスファー領域と、を備える、眼鏡レンズ。【選択図】図2

Description

本発明は、眼鏡レンズ、および眼鏡レンズの設計方法に関する。
近視等の屈折異常の進行を抑制する眼鏡レンズとして、レンズ上に、処方屈折力よりプラスの屈折力を持つ複数の島状領域が形成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の態様の眼鏡レンズをDIMS(Defocus Incorporated Multiple Segments)眼鏡レンズ、略してDIMSとも呼ぶ。以下、この島状領域をデフォーカス領域と呼ぶ。
特許文献1に開示されている構成の眼鏡レンズによれば、島状領域の部分を通過した光束は網膜上よりも手前の位置で焦点を結ぶようになっており、これにより近視の進行が抑制されることになる。
米国出願公開第2017/0131567号
DIMS眼鏡レンズは、上記利点がある一方、通常の単焦点レンズに対して、デフォーカス領域の作用の分だけ、コントラストが低下する傾向がある。本発明の一実施形態は、上記問題を低減し、公知のDIMS眼鏡レンズと比較してコントラストを向上させることができる眼鏡レンズを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
物体側の面から入射した光束を眼球側の面から出射させ、眼球を介して網膜上の所定の位置Aに収束させるベース領域と、
前記位置Aよりも物体側寄りの位置B、または、前記位置Aから見て前記位置Bとは反対側寄りの位置Cに光束を収束させる性質を持つ複数のデフォーカス領域と、
前記ベース領域と前記デフォーカス領域との境界部に設けられ、前記ベース領域と前記デフォーカス領域との間の曲率の変化を緩やかにするトランスファー領域と、
を備える、眼鏡レンズである。
本発明の第2の態様は、
前記トランスファー領域の幅は、前記デフォーカス領域の直径の5.0%以上8.5%以下である、上記第1の態様に記載の眼鏡レンズである。
本発明の第3の態様は、
前記トランスファー領域の少なくとも一部は、レンズ基材のサグ量の変化によって、前記ベース領域と前記デフォーカス領域との間の曲率の変化を緩やかにするように構成されている、上記第1または第2の態様に記載の眼鏡レンズである。
本発明の第4の態様は、
前記トランスファー領域の幅方向の中点のサグ量Zは、前記ベース領域と前記トランスファー領域との境界部のサグ量Z1、および、前記トランスファー領域と前記デフォーカス領域との境界部のサグ量Z2の平均値の30%以上70%以下である、上記第1から第3のいずれか1つの態様に記載の眼鏡レンズである。
本発明の第5の態様は、
眼鏡レンズは近視進行抑制レンズである、上記第1から第4のいずれか1つの態様に記載の眼鏡レンズである。
本発明の第6の態様は、
物体側の面から入射した光束を眼球側の面から出射させ、眼球を介して網膜上の所定の位置Aに収束させるベース領域を設計する工程と、
前記位置Aよりも物体側寄りの位置B、または、前記位置Aから見て前記位置Bとは反対側寄りの位置Cに光束を収束させる性質を持つ複数のデフォーカス領域を設計する工程と、
前記ベース領域と前記デフォーカス領域との境界部に設けられ、前記ベース領域と前記デフォーカス領域との間の曲率の変化を緩やかにするトランスファー領域を設計する工程と、
を有する、眼鏡レンズの設計方法である。
本発明の一実施形態によれば、DIMSを適用しつつ、コントラストを向上させることができる眼鏡レンズを提供することが可能となる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る眼鏡レンズ100の物体側の面の平面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る眼鏡レンズ100における、デフォーカス領域20周辺の拡大断面図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る眼鏡レンズ100のベース領域10およびデフォーカス領域20(トランスファー領域30を含む)のそれぞれの集光位置における、MTFと、トランスファー領域30の幅tの関係を示すグラフである。 図4は、本発明の第2実施形態に係る眼鏡レンズ100のデフォーカス領域20周辺の拡大断面図である。 図5(a)は、本発明の実施例に係るサンプル1のデフォーカス領域20周辺のサグ量の変化を示す図であり、図5(b)は、本発明の実施例に係るサンプル2のデフォーカス領域20周辺のサグ量の変化を示す図である。 図6は、参考例に係るDIMSにおける、デフォーカス領域20周辺の拡大断面図である。
<発明者の得た知見>
まず、発明者が得た知見について説明する。図6は、参考例に係るDIMSにおける、デフォーカス領域20周辺の拡大断面図である。なお、図6においては、簡便にするためベース領域10の曲率を差し引き、ベース領域10を平面として示している。
図6に示すようなDIMSにおいては、ベース領域10およびデフォーカス領域20は幾何光学的な現象のみを考慮して設計されているため、ベース領域10とデフォーカス領域20との境界部40において、曲率が不連続に変化する設計となっている。そのため、境界部40においては、波動光学的な現象(回折作用等)が起こり、スポット品質が低下するという問題がある。また、境界部40の近傍では、レンズ基材上に形成するハードコート膜等の機能性膜を塗布などの手法により形成する場合、膜材料による液だまりが発生し、加工上の形状誤差が生じやすいといった問題もある。なお、本明細書において、スポットとは、任意の位置(集光位置)での光束を意味し、スポット品質とは、例えば、集光位置におけるコントラストの高低を意味する。
本発明者は、上述のような問題に対して、波動光学的な現象を考慮して鋭意検討を行った。その結果、境界部40に、ベース領域10とデフォーカス領域20との間の曲率の変化を緩やかにするような領域(以下、トランスファー領域30という)を設けることで、加工のしやすさを向上させつつ、スポット品質を向上させることができることを見出した。
[本発明の実施形態の詳細]
次に、本発明の一実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
なお、本明細書に記載の無い内容は、特許文献1の記載が全て記載されているものとする。仮に特許文献1に記載の無い内容(特に製造方法に関する内容)は、WO2020/004551号公報の記載が全て記載されているものとする。特許文献1の記載内容と該公報の記載内容に齟齬がある場合は該公報の記載を優先する。
本明細書で挙げる眼鏡レンズは、物体側の面と眼球側の面とを有する。「物体側の面」とは、眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に物体側に位置する表面であり、「眼球側の面」とは、その反対、すなわち眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に眼球側に位置する表面である。この関係は、眼鏡レンズの基礎となるレンズ基材においても当てはまる。つまり、レンズ基材も物体側の面と眼球側の面とを有する。
<本発明の第1実施形態>
(1)眼鏡レンズ
図1は、本実施形態の眼鏡レンズ100の物体側の面の平面図である。本実施形態の眼鏡レンズ100は、ベース領域10と、複数のデフォーカス領域20と、複数のトランスファー領域30と、を備えている。本実施形態において、ベース領域10は、装用者の処方屈折力を反映して設計された屈折領域であり、物体側の面から入射した光束を眼球側の面から出射させ、装用者の眼球を介して網膜上の所定の位置(位置A)に収束させるように設計されている。本実施形態において、デフォーカス領域20は、物体側の面から入射した光束を眼球側の面から出射させ、装用者の眼球を介して位置Aよりも物体側寄りの位置(位置B)、または、位置Aから見て位置Bとは反対側寄りの位置(位置C)に光束を収束させる性質を持つように構成されている。本実施形態において、トランスファー領域30は、ベース領域10とデフォーカス領域20との境界部に設けられ、デフォーカス領域20のそれぞれの周囲を囲むように配置されている。
ベース領域10は、装用者の処方屈折力を実現可能な形状の部分であり、特許文献1の第1の屈折領域に対応する部分である。ベース領域10の表面形状は、特に限定されない。ベース領域10は、球面形状、非球面形状、トーリック面形状、またはそれらが混在した形状であってもよい。本実施形態においては、ベース領域10が球面形状である場合を例示する。
デフォーカス領域20は、その領域の中の少なくとも一部がベース領域10による集光位置には集光させない領域である。デフォーカス領域20は、特許文献1の微小凸部に該当する部分である。本実施形態の眼鏡レンズ100は、特許文献1に記載の眼鏡レンズと同様、近視進行抑制レンズである。特許文献1の微小凸部と同様、本実施形態の複数のデフォーカス領域20は、眼鏡レンズ100の物体側の面または眼球側の面の少なくとも一方に形成されていればよい。本実施形態においては、眼鏡レンズ100の物体側の面のみに複数のデフォーカス領域20を設けた場合を例示する。
デフォーカス領域20の表面形状は、特に限定されない。デフォーカス領域20は、球面形状、非球面形状、トーリック面形状、またはそれらが混在した形状であってもよい。本実施形態においては、デフォーカス領域20が球面形状である場合を例示する。
眼鏡レンズ100が備える複数のデフォーカス領域20の個数は、特に限定されないが、例えば、20個以上500個以下である。
複数のデフォーカス領域20は、例えば、島状に(つまり、互いに隣接することなく離間した状態で)配置されている。複数のデフォーカス領域20の配置態様は、特に限定されない。本実施形態においては、図1に示すように、各デフォーカス領域20の中心が正三角形の頂点となるように各々独立して離散配置されている場合(以下、正三角形配置ともいう)を例示する。なお、複数のデフォーカス領域20は、それぞれの一部が互いに接するように配置されていてもよい。
特許文献1の図10に記載のように、眼鏡レンズ100の中央部にデフォーカス領域20を形成してもよいし、特許文献1の図1に記載のように、眼鏡レンズ100の中央部にデフォーカス領域20を形成しなくてもよい。本実施形態では、図1に示すように、眼鏡レンズ100の中央部にデフォーカス領域20を形成しない場合を例示する。なお、本明細書において、眼鏡レンズ100の中央部とは、眼鏡レンズ100のレンズ中心(幾何中心、光学中心、または芯取り中心)およびその近傍を意味する。本実施形態では、眼鏡レンズ100の装用者が正面視をした際の視線がレンズ中心を通過する場合を例示する。
図2は、本実施形態の眼鏡レンズ100における、デフォーカス領域20周辺の拡大断面図である。なお、図2においては、簡便にするためベース領域10の曲率を差し引き、ベース領域10を平面として示している。図2に示すように、トランスファー領域30は、所定の傾斜を有しており、ベース領域10とデフォーカス領域20との間の曲率(または傾斜)の変化を緩やかにするように構成されている。これにより、トランスファー領域30が設けられていない場合と比べて、曲率の変化が緩やかになるため、スポット品質の向上が期待できる。本実施形態では、トランスファー領域30が設けられていないと仮定した場合のベース領域10とデフォーカス領域20との境界部40から、内外等幅にトランスファー領域30が設けられている場合を例示する。
図3は、本実施形態の眼鏡レンズ100のベース領域10およびデフォーカス領域20(トランスファー領域30を含む)のそれぞれの集光位置における、MTF(Modulation Transfer Function)と、トランスファー領域30の幅tの関係を示すグラフである。図3の左上のグラフは、ベース領域10の集光位置における低周波(CPD(Cycle Per Degree)=4、視力0.15相当)のMTF、図3の右上のグラフは、デフォーカス領域20の集光位置における低周波(CPD=4、視力0.15相当)のMTF、図3の左下のグラフは、ベース領域10の集光位置における高周波(CPD=15、視力0.5相当)のMTF、図3の右下のグラフは、デフォーカス領域20の集光位置における高周波(CPD=15、視力0.5相当)のMTFを示している。以下、MTFの値によって、スポット品質(集光位置における、コントラストの高低)を評価するものとする。
図3のグラフを算出する際のデフォーカス領域20の度数(ベース領域10との相対度数)は3.5D、直径dは1.0mmとした。なお、本明細書において、デフォーカス領域20の直径dとは、トランスファー領域30が設けられていないと仮定した場合のベース領域10とデフォーカス領域20との境界部40の間隔から算出するものとする。眼鏡レンズ100の製品自体からデフォーカス領域20の直径dを求める場合、デフォーカス領域20の中心付近の曲率(近似曲率)と、ベース領域10の曲率との交点を境界部40とすればよい。
図3の左上、左下のグラフに示すように、ベース領域10の集光位置におけるMTFは、トランスファー領域30の幅tが大きくなると、一度向上してから低下する傾向を示している。トランスファー領域30の幅tが大きすぎる場合、ベース領域10の面積が縮小したことになるため、MTFは低下する。これに対し、トランスファー領域30の幅tを所定の範囲に制御することで、曲率の変化を緩やかにしたことによるMTF向上の効果が、ベース領域10の面積縮小によるMTF低下を上回るため、MTFを向上させることができる。
図3の右上、右下のグラフに示すように、デフォーカス領域20(トランスファー領域30を含む)の集光位置におけるMTFは、トランスファー領域30の幅tが大きいほど向上している。これは、トランスファー領域30の幅tが大きくなると、デフォーカス領域20と見なせる領域の面積が拡大するからである。
低周波のMTFを向上させる観点からは、トランスファー領域30の幅tは、例えば、デフォーカス領域20の直径dの5.0%以上8.5%以下であることが好ましい。図3に左上のグラフに示すように、幅tが直径dの5.0%未満(t<0.05mm)では、幅tが増加するにつれて、MTFは単調に増加しているため、トランスファー領域30の加工のしやすさを向上させる観点からも、幅tを直径dの5.0%以上とすることが好ましい。また、図3の左上のグラフに示すように、幅tが直径dの8.5%を超える(t>0.085mm)と、トランスファー領域30を設けない(t=0mm)場合と比べて、ベース領域10の面積縮小の影響により、MTFが低下する可能性がある。これに対し、幅tを直径dの8.5%以下とすることで、トランスファー領域30を設けない場合と比べて、MTFは低下しない。すなわちリスクなく、デフォーカス領域20の集光位置でのMTFと加工性を向上させることが可能となる。
低周波のMTFおよび高周波のMTFの両方を向上させる観点からは、トランスファー領域30の幅tは、例えば、デフォーカス領域20の直径dの5.0%以上7.0%以下であることが好ましい。図3の左下のグラフに示すように、幅tが直径dの7.0%を超える(t>0.07mm)と、トランスファー領域30を設けない場合と比べて、高周波のMTFが低下する可能性があるからである。
図2では、トランスファー領域30が直線的な傾斜となっている(つまり、トランスファー領域30のサグ量が一次関数的に変化する)場合を例示しているが、トランスファー領域30の傾斜はRを有していてもよい。トランスファー領域30の傾斜にRをつける(曲面状とする)ことで、ベース領域10とデフォーカス領域20との間の曲率の変化をより緩やかにできる可能性がある。スポット品質を効率的に向上させる観点からは、例えば、トランスファー領域30の幅方向の中点のサグ量Zは、ベース領域10とトランスファー領域30との境界部41のサグ量Z1、および、トランスファー領域30とデフォーカス領域20との境界部42のサグ量Z2の平均値(つまり、(Z1+Z2)/2)の30%以上70%以下であることが好ましい。なお、本実施形態においては、ベース領域10の曲率から100%以上曲率が変化した箇所を境界部41、デフォーカス領域20の曲率から100%以上曲率が変化した箇所を境界部42としてもよい。
眼鏡レンズ100において、必ずしもすべてのデフォーカス領域20の周囲にトランスファー領域30を設けなくてもよい。スポット品質を効率的に向上させる観点からは、例えば、眼鏡レンズ100の物体側の面を平面視した際、レンズ中心から直径20mmの円周内に存在するデフォーカス領域20のうち、70%以上(より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上)のデフォーカス領域20の周囲にトランスファー領域30が設けられていることが好ましい。
眼鏡レンズ100を構成するレンズ基材としては、一般的に使用される各種レンズ基材を使用可能である。レンズ基材は、例えば、プラスチックレンズ基材またはガラスレンズ基材としてもよい。ガラスレンズ基材は、例えば無機ガラス製のレンズ基材としてもよい。レンズ基材としては、軽量で割れ難いという観点から、プラスチックレンズ基材が好ましい。プラスチックレンズ基材としては、(メタ)アクリル樹脂をはじめとするスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR-39)等のアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する硬化性組成物を硬化した硬化物(一般に透明樹脂と呼ばれる。)が挙げられる。硬化性組成物は、重合性組成物と称しても構わない。レンズ基材としては、染色されていないもの(無色レンズ)を用いてもよく、染色されているもの(染色レンズ)を用いてもよい。レンズ基材の厚さおよび直径は特に限定されるものではないが、例えば、厚さ(中心肉厚)は1~30mm程度としてよく、直径は50~100mm程度としてもよい。レンズ基材の屈折率は、例えば、1.60~1.75程度としてもよい。ただしレンズ基材の屈折率は、この範囲に限定されるものではなく、この範囲内でも、この範囲から上下に離れていてもよい。本明細書において、屈折率とは、波長500nmの光に対する屈折率をいうものとする。
眼鏡レンズ100を構成するレンズ基材の少なくとも一方の主面上に、樹脂を含むハードコート膜が形成されていてもよい。この際、トランスファー領域30の傾斜の少なくとも一部が、該ハードコート膜によって形成されていてもよい。しかしながら、トランスファー領域30の加工精度を向上させる観点からは、トランスファー領域30の少なくとも一部は、レンズ基材のサグ量の変化によって、ベース領域10とデフォーカス領域20との間の曲率の変化を緩やかにするように構成されていることが好ましい。ハードコート膜のみによって、トランスファー領域30の傾斜を形成しようとした場合、境界部40において液だまり等が発生しやすく、トランスファー領域30の幅tを所定範囲内に制御することが困難となる可能性がある。これに対し、レンズ基材によって、トランスファー領域30の傾斜の少なくとも一部を予め形成しておけば、その上にハードコート膜を形成したとしても、液だまり等の発生を抑制し、トランスファー領域30の幅tを所定範囲内に制御しやすくなる。つまり、レンズ基材およびハードコート膜によって、トランスファー領域30の傾斜を精度よく形成することができる。
(2)眼鏡レンズの設計方法
本発明は、眼鏡レンズ100の設計方法にも適用可能である。本実施形態の眼鏡レンズ100の設計方法は、物体側の面から入射した光束を眼球側の面から出射させ、眼球を介して網膜上の所定の位置(位置A)に収束させるベース領域10を設計する工程と、位置Aよりも物体側寄りの位置(位置B)、または、前記位置Aから見て前記位置Bとは反対側寄りの位置(位置C)に光束を収束させる性質を持つ複数のデフォーカス領域20を設計する工程と、ベース領域10とデフォーカス領域20との境界部40に設けられ、ベース領域10とデフォーカス領域20との間の曲率の変化を緩やかにするトランスファー領域30を設計する工程と、を有する眼鏡レンズ100の設計方法である。各工程で設計するベース領域10、デフォーカス領域20、およびトランスファー領域30の詳細は、上述の(1)眼鏡レンズと記載内容が重複するため省略する。
<本発明の第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。第1実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
本発明は、近視進行抑制レンズだけでなく、遠視進行抑制レンズにも適用可能である。図4は、本発明の第2実施形態に係る眼鏡レンズ100のデフォーカス領域20周辺の拡大断面図である。なお、図4においては、簡便にするためベース領域10の曲率を差し引き、ベース領域10を平面として示している。図4に示すように、本実施形態のデフォーカス領域20は、微小凹部となっている。本実施形態においても、上述の第1実施形態と同様に、デフォーカス領域20の周囲にはトランスファー領域30が設けられており、トランスファー領域30は、ベース領域10とデフォーカス領域20との間の曲率の変化を緩やかにするように構成されている。これにより、第1実施形態と同様に、スポット品質を向上させることができる。
本実施形態のトランスファー領域30の幅tは、第1実施形態と同様に理由により、デフォーカス領域20の直径dの5.0%以上8.5%以下であることが好ましい。また、第1実施形態と同様に理由により、本実施形態のトランスファー領域30の幅方向の中点のサグ量Zは、ベース領域10とトランスファー領域30との境界部41のサグ量Z1、および、トランスファー領域30とデフォーカス領域20との境界部42のサグ量Z2の平均値(つまり、(Z1+Z2)/2)の30%以上70%以下であることが好ましい。また、第1実施形態と同様に理由により、本実施形態のトランスファー領域30の少なくとも一部は、レンズ基材のサグ量の変化によって、ベース領域10とデフォーカス領域20との間の曲率の変化を緩やかにするように構成されていることが好ましい。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態では、トランスファー領域30の少なくとも一部は、レンズ基材のサグ量の変化によって、ベース領域10とデフォーカス領域20との間の曲率の変化を緩やかにするように構成されている場合について説明したが、レンズ基材のサグ量を変化させず、ハードコート膜のみによって、トランスファー領域30の傾斜を形成してもよい。この場合、レンズ基材を形成する金型を、参考例に係る物から変更する必要がない。しかしながら、トランスファー領域30の加工精度を向上させる観点からは、上述の実施形態のように、レンズ基材によって、トランスファー領域30の傾斜の少なくとも一部を形成することが好ましい。
次に、本発明に係る実施例を説明する。これらの実施例は本発明の一例であって、本発明はこれらの実施例により限定されない。
以下の条件により、眼鏡レンズ100のサンプル1を設計した。ベース領域10およびデフォーカス領域20は球面形状、トランスファー領域30の傾斜は直線とした。図5(a)に、サンプル1のデフォーカス領域20周辺のサグ量の変化を示す。
レンズ基材の屈折率:1.6D
ベース領域10の度数:1D
デフォーカス領域20の度数(ベース領域10との相対度数):3.5D
デフォーカス領域20の直径d:1.0mm
トランスファー領域30の幅t:0.08mm
また、眼鏡レンズ100のサンプル2は、トランスファー領域30の幅tを0.065mmとした以外は、サンプル1と同様に設計した。
また、眼鏡レンズ100のサンプル3は、トランスファー領域30の幅tを0.04mmとした以外は、サンプル1と同様に設計した。図5(b)に、サンプル3のデフォーカス領域20周辺のサグ量の変化を示す。
また、眼鏡レンズ100のサンプル4は、トランスファー領域30を設けない以外は、サンプル1と同様に設計した。
サンプル1~4について、ベース領域10およびデフォーカス領域20のそれぞれの集光位置におけるMTFを算出した。ベース領域10の集光位置における低周波(CPD=4、視力0.15相当)のMTFは、サンプル1が73.1%、サンプル2が73.2%、サンプル3が73.2%、サンプル4が73.1%であった。また、ベース領域10の集光位置における高周波(CPD=15、視力0.5相当)のMTFは、サンプル1が20.2%、サンプル2が20.3%、サンプル3が20.4%、サンプル4が20.3%であった。デフォーカス領域20の集光位置における低周波(CPD=4、視力0.15相当)のMTFは、サンプル1が50.5%、サンプル2が49.6%、サンプル3が49.0%、サンプル4が48.3%であった。また、デフォーカス領域20の集光位置における高周波(CPD=15、視力0.5相当)のMTFは、サンプル1が18.7%、サンプル2が18.5%、サンプル3が18.3%、サンプル4が18.1%であった。すなわち、トランスファー領域30の付与により、ベース領域10の集光位置におけるMTFの低下は(サンプル1で高周波が0.1%落ちる以外)ほとんどなく、デフォーカス領域20の集光位置におけるMTFの向上が得られていることを確認した。
以上より、トランスファー領域30を設けることで、スポット品質を向上させることができることを確認した。なお、レンズ基材上にハードコート膜を形成する場合、ハードコート膜によって、トランスファー領域30の幅tが、レンズ基材の設計値よりも大きくなる可能性があるため、サンプル3のように、トランスファー領域30の幅tを小さめ(例えば、デフォーカス領域20の直径dの5.0%未満)に設計した方が好ましい場合もある。
10 ベース領域
20 デフォーカス領域
30 トランスファー領域
40 (ベース領域10とデフォーカス領域20との)境界部
41 (ベース領域10とトランスファー領域30との)境界部
42 (トランスファー領域30とデフォーカス領域20との)境界部
100 眼鏡レンズ

Claims (6)

  1. 物体側の面から入射した光束を眼球側の面から出射させ、眼球を介して網膜上の所定の位置Aに収束させるベース領域と、
    前記位置Aよりも物体側寄りの位置B、または、前記位置Aから見て前記位置Bとは反対側寄りの位置Cに光束を収束させる性質を持つ複数のデフォーカス領域と、
    前記ベース領域と前記デフォーカス領域との境界部に設けられ、前記ベース領域と前記デフォーカス領域との間の曲率の変化を緩やかにするトランスファー領域と、
    を備える、眼鏡レンズ。
  2. 前記トランスファー領域の幅は、前記デフォーカス領域の直径の5.0%以上8.5%以下である、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 前記トランスファー領域の少なくとも一部は、レンズ基材のサグ量の変化によって、前記ベース領域と前記デフォーカス領域との間の曲率の変化を緩やかにするように構成されている、請求項1または請求項2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 前記トランスファー領域の幅方向の中点のサグ量Zは、前記ベース領域と前記トランスファー領域との境界部のサグ量Z1、および、前記トランスファー領域と前記デフォーカス領域との境界部のサグ量Z2の平均値の30%以上70%以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  5. 眼鏡レンズは近視進行抑制レンズである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  6. 物体側の面から入射した光束を眼球側の面から出射させ、眼球を介して網膜上の所定の位置Aに収束させるベース領域を設計する工程と、
    前記位置Aよりも物体側寄りの位置B、または、前記位置Aから見て前記位置Bとは反対側寄りの位置Cに光束を収束させる性質を持つ複数のデフォーカス領域を設計する工程と、
    前記ベース領域と前記デフォーカス領域との境界部に設けられ、前記ベース領域と前記デフォーカス領域との間の曲率の変化を緩やかにするトランスファー領域を設計する工程と、
    を有する、眼鏡レンズの設計方法。
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