JP2023092168A - 経編地 - Google Patents

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浩之 森井
Hiroyuki Morii
秀樹 河端
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Toyobo Textile Co Ltd
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Abstract

【課題】防風性と抗スナッグ性に優れた経編地を提供する。【解決手段】経編機の少なくとも2枚の筬を用いて編成される経編地であって、経編地は、総繊度が20dtex以上、60dtex以下であるポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸を含み、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1~2針振りで編み込まれて形成されている第1の組織を有していることを特徴とする経編地。【選択図】なし

Description

本発明は経編地に関する。
従来、編地は織物と比べて通気性が高く、風が通り易く寒いという欠点を有していた。このような欠点を解消するために様々な試みがなされている。例えば特許文献1には、単層もしくは2層以上からなる編地であって、少なくとも外層が単糸繊度0.2~3.0デシテックスの繊維から構成されるとともに、該編地の少なくとも1層が45コース以上/2.54cmかつ45ウエール以上/2.54cmの編目密度を有し、該編地の通気度が5~50cc/cm2・secであって、吸水加工が施されている保温編地が開示されて
いる。
特開2002-363843号公報
特許文献1には、経編地を構成する仮撚捲縮糸の組成が複数例示されているが、用いる素材によっては防風性を向上し難い場合があった。また従来の経編地は、外部との接触により繊維や糸が生地表面から突出して生じる引きつれ等のいわゆるスナッグが生じ易かった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、防風性と抗スナッグ性に優れた経編地を提供することにある。
本発明の実施の形態に係る経編地は下記[1]の通りである。
[1]経編機の少なくとも2枚の筬を用いて編成される経編地であって、
前記経編地は、総繊度が20dtex以上、60dtex以下であるポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸を含み、
前記ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1~2針振りで編み込まれて形成されている第1の組織を有していることを特徴とする経編地。
上記の通り、総繊度が20dtex以上、60dtex以下のポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1~2針振りで編み込まれた第1の組織を形成することにより、経編地の防風性と抗スナッグ性を向上することができる。経編地の好ましい態様は以下の[2]~[9]のいずれかの通りである。
[2]前記ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸は、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートを含むサイドバイサイド構造、及び/又は芯鞘構造を有する複合繊維を含む仮撚糸である[1]に記載の経編地。
[3]前記第1の組織は、第1の筬から給糸される前記ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸により形成されており、
前記経編地は、第2の筬から給糸される前記ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸以外の糸(以下、「他の糸」と記載する)により形成されている第2の組織を有している[1]または[2]に記載の経編地。
[4]前記他の糸は、1~3針振りで編み込まれている[3]に記載の経編地。
[5]前記第1の組織と前記第2の組織が、下記(a)~(c)のいずれかを満たす[3]または[4]に記載の経編地。
(a)前記第1の組織が23/10であり、前記第2の組織が10/12である。
(b)前記第1の組織が10/12であり、前記第2の組織が23/10である。
(c)前記第1の組織が10/12であり、前記第2の組織が34/10である。
[6]前記第1の組織はフロント筬にて形成された組織であり、前記第2の組織はバック筬にて形成された組織である[3]~[5]のいずれかに記載の経編地。
[7]前記第1の組織はバック筬にて形成された組織であり、前記第2の組織はフロント筬にて形成された組織である[3]~[5]のいずれかに記載の経編地。
[8]前記他の糸は、前記ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸のシンカーループの振り方向と逆方向の振り方向で形成されたシンカーループを有している[3]~[7]のいずれかに記載の経編地。
[9]目付が100~220g/mである[1]~[8]のいずれかに記載の経編地。
本発明によれば、上記構成により、防風性と抗スナッグ性に優れた経編地を得ることができる。
図1は、実施例1~4、実施例8、比較例1の編地の編組織図である。 図2は、実施例6、比較例2の編地の編組織図である。 図3は、実施例7の編地の編組織図である。 図4は、実施例5の編地の編組織図である。
実施の形態に係る経編地は、経編機の少なくとも2枚の筬を用いて編成される経編地であって、経編地は、総繊度が20dtex以上、60dtex以下であるポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸を含み、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1~2針振りで編み込まれて形成されている第1の組織を有している。
上記の通り、総繊度が20dtex以上、60dtex以下のポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1~2針振りで編み込まれた第1の組織を形成することにより、経編地の防風性と抗スナッグ性を向上することができる。以下では実施の形態に係る経編地の各構成について詳述する。なお本明細書において例示する糸、繊維、樹脂、添加剤等は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合せて使用することができる。
経編地は、経編機の少なくとも2枚の筬を用いて編成されるものである。経編地は、経編機の第1の筬から給糸される糸により形成される第1の組織と、経編機の第2の筬から給糸される糸により形成される第2の組織とを有することが好ましい。また第1の組織は、第1の筬からフルセットで給糸される糸により形成されていることがより好ましい。第2の組織は、第2の筬からフルセットで給糸される糸により形成されていることがより好ましい。これにより防風性を向上することができる。更に経編地は、経編機の第3の筬から給糸される糸により形成される第3の組織を有していてもよい。また第3の筬をミドル筬として用いて、ルーピング組織を構成しない挿入糸を編み込んでもよい。即ち、経編地はニットループを形成しない挿入糸を有していてもよい。経編機としては、トリコット編機、ラッセル編機が好ましく、トリコット編機がより好ましい。
ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸は、ポリエステル系コンジュゲート繊維の集合体に対して仮撚加工を施して形成した糸である。ポリエステル系コンジュゲート繊維は、2種類以上のポリエステル系樹脂が張り合わされた状態で1本の繊維が形成された、いわゆる複合繊維である。
経編地がポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸を含むことにより、編地中の糸の嵩高性が向上して、編地のループ同士互いに絡みあうことにより、防風性と抗スナッグ性を向上できると考えられる。更にこれにより、経編地の伸長率を向上し易くすることができる。詳細には、例えばポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸を含まず、ポリエチレンテレフタレート仮撚糸のみを含む経編地の防風性を向上させるには、編地中の嵩高性と密度を高くせざるを得ない。具体的には編機ゲージを上げかつランナー長を小さくすることにより高密度編地を作る必要があり、そうすると生地の伸長率が低下してしまい、このような編地を用いて形成されたウエアは着用感に劣るウエアとなってしまう。なおポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸は、マルチフィラメント糸であることが好ましい。
ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸として、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートを含むサイドバイサイド構造、及び/又は芯鞘構造を有する複合繊維を含む仮撚糸が挙げられる。複合繊維は、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート、またはポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートの2成分を含むことが好ましく、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの2成分を含むことがより好ましい。また複合繊維は、厚さ方向の断面形状がサイドバイサイド構造又は芯鞘構造を有することが好ましく、サイドバイサイド構造又は鞘の中の芯の配置が偏心している芯鞘構造を有することがより好ましい。これにより捲縮性が向上する。これらの複合繊維は熱処理によってスパイラル捲縮を発現するため、潜在捲縮を有する。更にこれらの複合繊維に仮撚加工を施すことにより一層、高い捲縮伸長率を得ることができる。仮撚条件はポリエチレンレテフタレート繊維の一般的な条件に準じて行えばよい。仮撚糸を形成するための仮撚加工の方法としては、スピンドル仮撚、フリクションデイスク仮撚、ベルト仮撚が挙げられる。
経編地はポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1~2針振りで編み込まれて形成されている第1の組織を有している。ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1~2針振りで編み込まれていることにより、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の防風性と抗スナッグ性の機能が発揮され易くなる。更にこれにより経編地の伸長率を向上できる。第1の組織は、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1針振りで編み込まれた部分と2針振りで編み込まれた部分とを有していてもよいが、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1針振りのみ、または2針振りのみで編み込まれて形成されていることが好ましい。
ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸は、総繊度が20dtex以上、60dtex以下である。20dtex以上であることにより、経編地のハリ、コシを向上することができる。好ましくは30dtex以上、より好ましくは40dtex以上、更に好ましくは50dtex以上である。一方、60dtex以下であることにより、経編地を薄くして軽量化することができる。そのため、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の総繊度は好ましくは58dtex以下、より好ましくは57dtex以下、更に好ましくは56dtex以下である。
ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸は、単糸繊度が1.0dtex以上、3.0dtex以下であることが好ましく、より好ましくは1.0dtex以上、2.0dtex以下である。単糸繊度が1.0dtex以上であることにより、編地の抗スナッグ性が向上する。一方、単糸繊度が3.0dtex以下であることにより、編目のカバー性が向上して、防風性が向上する。
ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸は、ポリエステル系コンジュゲート繊維を60質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことが更に好ましく、98質量%以上含むことが更により好ましく、100質量%含むことが最も好ましい。
ポリエステル系コンジュゲート繊維は、捲縮特性を生かすことが出来る範囲で添加剤を含んでいてもよい。添加剤として、酸化チタン粒子等の無機粒子、紫外線吸収剤、導電剤、蓄熱剤、熱安定剤、抗菌剤、潤滑剤、顔料、染料等が挙げられる。
ポリエステル系コンジュゲート繊維は、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとを合計で90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましく、99質量%以上含むことが更に好ましい。また、ポリエステル系コンジュゲート繊維は、ポリエチレンテレフタレート100質量部に対して、ポリブチレンテレフタレートを40質量部以上、200質量部以下含有することが好ましく、70質量部以上、150質量部以下含有することがより好ましく、90質量部以上、110質量部以下含有することが更に好ましい。
ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸に含まれる繊維の断面形状としては、丸断面、楕円断面、三角断面、四角断面等の多角断面、中空断面等が挙げられる。このうち丸断面、楕円断面が好ましく、丸断面がより好ましい。
ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の伸縮伸長率が40%以上、70%以下であることが好ましい。伸縮伸長率が70%以下であることによりスナッグの発生を低減できる。より好ましくは60%以下であり、更に好ましくは55%以下である。一方、伸縮伸長率が40%以上であることにより柔軟性を向上できる。より好ましくは45%以上である。また、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸は、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸以外の糸、即ち、他の糸よりも伸縮伸長率が高いことが好ましい。伸縮伸長率は、JIS-L1013:2010 8.11伸縮性 A法に基づいて測定することができる。
経編地100質量%中、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の含有率は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、更により好ましくは45質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。これにより経編地の伸長率を向上できる。一方、他の糸を経編地に含有させることにより、種々の特性を付与することができる。その場合、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の含有率は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。
経編地は、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸以外の他の糸を含んでいることが好ましい。他の糸としては、フィラメント糸、紡績糸が挙げられ、フィラメント糸が好ましく、マルチフィラメント糸がより好ましい。フィラメント糸としては、フラットヤーン(生糸)、仮撚糸、エアー交絡糸等の糸加工された糸が挙げられる。他の糸は、仮撚糸、および/または仮撚糸と他の長繊維糸とを複合させた複合加工糸であることが好ましく、仮撚糸であることがより好ましい。これにより編目のカバー性を向上させることができる。
他の糸としては、ポリエステルフィラメント糸、または少なくともポリエステルフィラメントを含んだ複合糸が好ましい。ポリエステルフィラメントを用いることで編地の柔軟性と保形性を向上させることができる。他の糸は、ポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、アクリル系繊維、アクリレート系繊維、ポリプロピレン等のオレフィン系繊維等の合成繊維、ポリ乳酸繊維等の生分解性繊維、レーヨン、リヨセル等の再生繊維、綿、麻、羊毛といった公知の天然繊維を含んでいてもよい。ポリエステル系繊維を構成する樹脂成分としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。他の糸は、ポリエステル系繊維を70質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことが更に好ましく、95質量%以上含むことが更により好ましく、100質量%含むことが最も好ましい。また、ポリエステル系繊維は、上記添加剤を含んでいてもよい。ポリエステル系繊維は、ポリエステルを90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましく、99質量%以上含むことが更に好ましい。
経編地は、他の糸を10質量%以上含むことが好ましく、20質量%以上含むことがより好ましい。これにより他の糸の特性を発揮し易くすることができる。一方、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の含有率を考慮すると、他の糸の含有率は80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましく、55質量%以下が更により好ましく、50質量%以下が特に好ましい。他の糸の含有率が80質量%を超えると経編地の伸長率が低下し易くなる。
他の糸が仮撚糸である場合、当該仮撚糸の伸縮伸長率が10%以上、45%以下であることが好ましく、15%以上、40%以下であることがより好ましい。伸縮伸長率が10%以上であることにより仮撚糸による編目のカバー効果が発揮され易くなり、45%以下だと編地の風合いを向上することができる。伸縮伸長率が45%を超えると編地全体が染色加工中に大きく縮んで重くなり易い。伸縮伸長率は、JIS-L1013:2010 8.11伸縮性 A法に基づいて測定することができる。仮撚加工の方法としてスピンドル仮撚、フリクションデイスク仮撚、ベルト仮撚が挙げられる。
他の糸の総繊度は、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の総繊度以下であることが好ましく、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の総繊度より小さいことがより好ましい。これにより、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の捲縮が発現し易くなる。更に、経編地の伸縮率を向上することができる。他の糸の総繊度に対するポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の総繊度の比率は、0.9以上、2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.0以上、1.8以下である。更に好ましくは1.4~1.8である。
他の糸に含まれる繊維の断面形状としては、丸断面、楕円断面、三角断面、四角断面等の多角断面、中空断面等が挙げられる。このうち丸断面、楕円断面が好ましく、丸断面がより好ましい。
経編地に含まれる他の糸の単糸繊度は、1.0dtex以上、3.0dtex以下であることが好ましく、より好ましくは1.0dtex以上、2.0dtex以下である。単糸繊度が1.0dtex以上であることにより、編地の抗スナッグ性が向上する。一方、単糸繊度が3.0dtex以下であることにより、編目のカバー性が向上して、防風性が向上する。
経編地は、ポリエステル系繊維を70質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことが更に好ましく、95質量%以上含むことが更により好ましく、100質量%含むことが最も好ましい。ポリエステル系繊維は、繊維を構成する樹脂成分がエステル結合を有する樹脂からなるものであり、樹脂成分がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、およびカチオン可染ポリエステルよりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂からなるものが好ましく、樹脂成分がポリエチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレートよりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂からなるものがより好ましい。またポリエステル系繊維は、上記添加剤を含んでいてもよい。ポリエステル系繊維は、ポリエステルを90質量%以上含むことが好ましく、95質量%以上含むことがより好ましく、99質量%以上含むことが更に好ましい。
経編地は、上述の通り、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1~2針振りで編み込まれて形成されている第1の組織を有している。これにより防風性と抗スナッグ性の機能が発揮され易くなり、更に経編地の伸長率を向上できる。
次に図1を参照しながら、針振りについて説明する。図1は、実施例1等の編地の編組織図である。実施例1の経編地は、後述するようにフロント筬から給糸される他の糸から構成される組織と、バック筬から給糸されるポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸から構成される組織とを有している。図1に示す通り、実施例1の経編地では、バック筬から給糸されるポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸は、コース毎に2針振りで経方向に編み込まれている。一方、フロント筬から給糸される他の糸は、コース毎に1針振りで経方向に編み込まれている。
第1の組織は、第1の筬から給糸されるポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸により形成されており、経編地は、第2の筬から給糸されるポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸以外の糸、即ち他の糸により形成されている第2の組織を有していることが好ましい。これにより第1の組織により発揮される特性以外の特性を第2の組織により発揮させることができ、経編地に付与することができる。
他の糸は、1~3針振りで編み込まれていることが好ましい。これにより経編地の伸長率を向上できる。第2の筬から給糸される糸が他の糸である場合、他の糸により形成されている第2の組織は、他の糸が1針振りで編み込まれた部分、2針振りで編み込まれた部分、及び3針振りで編み込まれた部分を有していてもよいが、他の糸が1針振りのみ、2針振りのみ、または3針振りのみで編み込まれて形成されていることが好ましい。1針振りに2針振りや3針振りが混在した複雑な組織にすると、目付が重くなり易くなる。
他の糸は、1~2針振りで編み込まれていることがより好ましい。第2の筬から給糸される糸が他の糸である場合、他の糸により形成されている第2の組織は、他の糸が1針振りで編み込まれた部分、及び2針振りで編み込まれた部分を有していてもよいが、他の糸が1針振りのみ、または2針振りのみで編み込まれて形成されていることが好ましい。1針振りと2針振りとが混在した組織にすると、伸縮性が低下したり、抗スナッグ性が低下し易くなる。
第1の組織と第2の組織が、下記(a)~(c)のいずれかを満たすことが好ましい。これにより防風性と抗スナッグ性を向上し易くできる。
(a)第1の組織が23/10であり、第2の組織が10/12である。
(b)第1の組織が10/12であり、第2の組織が23/10である。
(c)第1の組織が10/12であり、第2の組織が34/10である。
(a)、(b)において、第1の組織がポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸により形成され、第2の組織がその他の糸により形成されることが好ましく、(a)または(b)を満たす組織は、いわゆるハーフ組織またはバックハーフ組織である。具体的には、(a)の組織では、第1の組織がフロント筬にて形成された組織である場合はハーフ組織、第1組織がバック筬にて形成された組織である場合はバックハーフ組織である。(b)の組織では、第1の組織がフロント筬にて形成された組織である場合はバックハーフ組織、第1組織がバック筬にて形成された組織である場合はハーフ組織である。
(c)において、第1の組織がポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸により形成され、第2の組織が他の糸により形成されることが好ましく、(c)を満たす組織は、いわゆるサテン組織またはバックサテン組織の組織である。具体的には、第1の組織がフロント筬にて形成され、第2の組織がバック筬にて形成されるものは、いわゆるバックサテン組織である。
これらのうちバックサテン組織は防風性を向上し易い。一方、バックハーフ組織またはハーフ組織は防風性と伸長率を向上できるためより好ましい。これらのうちバックハーフ組織がより防風性と耐スナッグ性をより向上できるため更に好ましい。ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸をフロント筬から給糸されたバックハーフ組織にすることで、防風性と耐スナッグ性が向上する理由は必ずしも明確ではないが、裏面の撚り捲縮の高いポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が他の糸を包みこんで表面でループを形成するため、より編地のループ間の隙間を小さくすることで防風性が出るものと考えられる。
第1の組織はフロント筬にて形成された組織であり、第2の組織はバック筬にて形成された組織であることが好ましい。具体的には、第1の組織は、フロント筬から給糸されるポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸により形成されていることが好ましい。これにより経編地の伸長率が向上する。更に、第2の組織は、バック筬から給糸される他の糸により形成されていることが好ましく、これにより経編地のハリ、コシを向上することができる。
第1の組織はバック筬にて形成された組織であり、第2の組織はフロント筬にて形成された組織であってもよい。具体的には、第1の組織は、バック筬から給糸されるポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸により形成されていてもよい。これにより抗スナッグ性を向上することができる。更に、第2の組織は、フロント筬から給糸される他の糸により形成されていてもよい。
ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸は、閉じ目で製編されていることが好ましい。閉じ目であるとオーバーラップの長さが長くなる傾向があり、これによりポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の捲縮による編地のキックバック性を向上できる。閉じ目のルーピング組織としては、10/12で示される1×1デンビ組織、10/23で示される1×2コード組織等が好ましい。
他の糸は、閉じ目で製編されていることが好ましい。これにより、編地表面への糸の浮き出しを抑えて抗スナッグ性を向上することができる。閉じ目のルーピング組織としては、10/12で示される1×1デンビ組織、10/23で示される1×2コード組織、10/34で示される1×3コード組織等が好ましい。
他の糸は、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸のシンカーループの振り方向と逆方向の振り方向で形成されたシンカーループを有していることが好ましい。これにより、他の糸とポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が編成の際のオーバーラップ時に互いに交差して編地の隙間を埋めて防風性を向上することができる。
経編地は、4針振り以上の針振りで形成された組織を有していないことが好ましい。これにより経編地の伸長率を向上することができる。
経編地は、目付が100~220g/mであることが好ましい。目付が100g/m以上であることにより、経編地の密度を向上することができ、ハリ、コシを向上してランの発生を低減することができる。より好ましくは105g/m以上、更に好ましくは110g/m以上である。一方、目付が220g/m以下であることにより伸長率を向上することができる。より好ましくは190g/m以下、更に好ましくは180g/m以下、更により好ましくは150g/m以下、特に好ましくは120g/m以下である。目付は後記する実施例に記載の方法により測定することができる。
経編地は、ニードルループ面におけるコース密度が50(個/2.54cm)以上、120(個/2.54cm)以下であることが好ましい。コース密度が50(個/2.54cm)以上であることにより、防風性が向上する。コース密度は、より好ましくは65(個/2.54cm)以上であり、更に好ましくは80(個/2.54cm)以上であり、更により好ましくは90(個/2.54cm)以上である。一方、コース密度が120(個/2.54cm)以下であることにより、風合いを向上することができ、軽量化することができる。コース密度は、より好ましくは110(個/2.54cm)以下である。
経編地は、ニードルループ面におけるウエール密度が40(個/2.54cm)以上、80(個/2.54cm)以下であることが好ましい。ウエール密度が40(個/2.54cm)以上であることにより、高伸長率と防風性を向上することができる。ウエール密度は、より好ましくは50(個/2.54cm)以上であり、更に好ましくは55(個/2.54cm)以上である。一方、ウエール密度が80(個/2.54cm)以下であることにより、肌触りを柔らかくすることができ、更に軽量化することができる。ウエール密度は、より好ましくは70(個/2.54cm)以下であり、更に好ましくは65(個/2.54cm)以下である。
経編地の製造において、ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の捲縮により高密度の編地が得られ易くなるため、経編機の針密度は高くなくてもよい。経編機としては、針床における編針の密度(ゲージ)が1インチ(2.54cm)当り24以上の経編機が好ましい。編機ゲージは26~40針/2.54cmであることが好ましい。編機ゲージが40針/2.54cm以下であることにより、衣料用途に必要な編地強度を保持しながら防風性を向上することができる。一方、編機ゲージが26針/2.54cm以上であることにより、糸を細くして軽量性を向上することができる。
ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸のアンダーラップが1針振りのときのランナーは、好ましくは60cm/ラック以上、150cm/ラック以下である。60cm/ラック以上であることにより安定的に生産し易くなり、編み欠点を低減することができる。一方、150cm/ラック以下であることにより編地の防風性を向上できる。なお、ここで言うランナーとは、経編地を編成する際に使用される糸の送り量で、480コースの編目(1ラック)を編むのに必要な糸量である。
ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸のアンダーラップが2針振りのときのランナーは、好ましくは100cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)以上、200cm/ラック以下である。100cm/ラック以上であることにより安定的に生産し易くなり、編み欠点を低減することができる。一方、200cm/ラック以下であることにより編地の防風性を向上できる。
経編地は、通気度が10cc/cm/秒以上、45cc/cm/秒以下であることが好ましい。通気度が45cc/cm/秒以下であることにより防風性が向上する。より好ましくは40cc/cm/秒以下、更に好ましくは35cc/cm/秒以下、更により好ましくは30cc/cm/秒以下である。一方、通気度が10cc/cm/秒以上であることにより蒸れを低減することができる。通気度は、より好ましくは15cc/cm/秒以上、更に好ましくは20cc/cm/秒以上である。通気度は後記する実施例に記載の方法により測定することができる。
経編地において、ニードルループ面における抗スナッグ性は、スナッグの等級が3.5級以上であることが好ましく、4.0級以上であることがより好ましく、4.5級以上であることが更に好ましい。更に経編地は高温洗濯後でも高い抗スナッグ性を保持することでき、JIS L 1096:2010 8.39.5に規定される洗濯方法のF-2法(中温ワッシャー法)を5回行った後のスナッグ等級が、3.5級以上であることが好ましく、4.0級以上であることがより好ましく、4.5級以上であることが更に好ましい。スナッグは、後記する実施例に記載の方法により測定することができる。
経編地は、ヨコ方向の伸長率が30%以上、100%以下であることが好ましい。ヨコ方向の伸長率が30%以上であることにより、経編地を衣服にして着用したときの動き易さ、着心地、風合いを向上することができる。ヨコ方向の伸長率は、より好ましくは35%以上、更に好ましくは40%以上である。一方、ヨコ方向の伸長率が100%以下であることにより抗スナッグ性を向上することができる。ヨコ方向の伸長率は、より好ましくは80%以下、更に好ましくは60%以下である。ヨコ方向の伸長率は後記する実施例に記載の方法により測定することができる。
経編地は、タテ方向の伸長率が10%以上、35%以下であることが好ましい。タテ方向の伸長率が35%以下であることにより防風性を向上することができる。タテ方向の伸長率はより好ましくは32%以下である。更に好ましくは30%以下である。一方、タテ方向の伸長率が10%以上であることにより、風合い、仕立て映え性、柔軟性を向上することができる。タテ方向の伸長率はより好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上、更により好ましくは25%以上である。タテ方向の伸長率は後記する実施例に記載の方法により測定することができる。
経編地のヨコ方向の伸長率を上記好ましい伸長率の範囲にするためには、染色加工中にポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸の捲縮を十分に発現させて、嵩高になった糸で作られた編ループ同士の絡み合いを作ってから、更に強い熱処理を編地に加えて熱セットすることが好ましい。この熱セットは、乾熱では180℃以上、湿熱では120℃以上の温度で行うことが好ましく、乾熱では190~210℃、湿熱では125~135℃で行うことがより好ましい。具体的には、生機をリラクサー等の連続リラックス工程を通して捲縮を高めたところで、強い熱セットを行えばよい。また、経編地のヨコ方向の伸度を制御して、タテとヨコ方向の伸度バランスを調整するために、タテ方向に比べてヨコ方向の張力を抑えて、編地ニットループをタテ長にするように仕上げるのも好ましい。
経編地は、親水加工又は撥水加工等の処理がなされていてもよい。経編地をアンダーシャツ等に用いる場合、発汗時の吸汗性能を向上させるため、親水化剤等により生地の吸水性を向上させることができる。親水化剤として、PEGジアクリレート、その誘導体、ポリエチレンテレフタレート-ポリエチレングリコール共重合体が挙げられる。また、経編地をアウターウエア等に用いる場合、撥水加工は降雨時の対応として好適である。撥水加工剤はフッ素系撥水剤、非フッ素系撥水剤としてはシリコン系、アクリル系、等が挙げられる。
経編地は、防寒用衣服に用いることができる。当該経編地を含む防寒用衣服は、人が着用するものであってもよいし、動物に着用させるものであってもよい。防寒用衣服は、人用衣服である場合、足部、手部、腹部、胸部、頸部、顔部、及び頭部のうち少なくとも一部を覆うものが好ましく、胸部、及び腹部のうち少なくとも一部を覆うものであることがより好ましい。防寒用衣服として、具体的にはアウターウェア、インナーウェア、スポーツウエアー、寝間着、作業着、靴下、手袋、帽子、マフラー等が挙げられる。防寒用衣服は、動物用衣服である場合、例えば犬、猫等のペット用衣服;馬、牛、羊などの家畜用衣服;爬虫類、両生類などの愛玩動物用衣服;野生動物用衣服として用いることができる。また、その形態は特に限定されず、例えば動物の胸部、腹部、前脚部、後脚部、頸部、及び顔部のうち少なくとも一部を覆うものであることが好ましく、胸部、及び腹部のうち少なくとも一部を覆うものであることがより好ましい。
防寒用衣服は、例えば上記経編地と、上記経編地に重ね合わされている他の編地とを備えるものであってもよいが、編地は上記経編地からなることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<編地の伸長率(%)>
JIS-L1096:2010 8.16 B法(定荷重)に基づいて測定し、荷重は490cNで行った。
<編地の目付>
JIS-L1096:2010 8.3.2 A法の標準状態における単位面積当たりの質量に基づいて編地の目付を測定した。
<編地の密度>
JIS-L1096:2010 8.6.2 編物の密度に基づいて、編地の一方の面のコース数(個/2.54cm)、ウェール数(個/2.54cm)を測定した。なお、ウエール数及びコース数とは、編地におけるヨコ方向1インチ間のウェール数及びタテ方向1インチ間のコース数である。
<編地の通気度>
JIS-L-1096:2010 8.26.1に規定されている通気度(フラジール形法 A法)に基づいて編地の通気度を測定した。
<糸の総繊度、フィラメント数、単糸繊度>
JIS L1013 2010 8.3の繊度(総繊度)A法に基づいて総繊度を測定してデシテックス(dtex)に換算した。また、JIS L1013 2010 8.4に基づいてフィラメント数を測定して、総繊度/フィラメント数にて単糸繊度を求めた。
<糸の伸縮伸長率(%)>
JIS-L1013:2010 8.11伸縮性 A法に基づいて測定した。
<スナッグ>
JIS L 1058(2011) 7.3のD-1法に基づいて、経編物の外側面のスナッグの等級を求めた。
<洗濯方法>
JIS L 1096:2010 8.39.5に規定される洗濯方法のF-2法(中温ワッシャ法)に準じ、温度60℃、時間300分の条件で経編物を1回洗濯した。その後、湯洗を温度40℃、時間50分の条件と、温度40℃、時間100分の条件とで2回行った後に、タンブル乾燥機にて温度60℃、30分の条件で乾燥した。これらの操作を1サイクルとして、合計5サイクル(洗濯5回)行った。
(実施例1)
28ゲージのトリコット経編機HKS3機を用い、フロント筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる33dtex(T)、12フィラメントのセミダル糸、バック筬にポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)のサイドバイサイド型のコンジュゲート繊維からなる仮撚糸であって、繊維横断面が丸断面の55dtex(T)、36フィラメントの仮撚糸を配置して、下記にて図1の編組織を有する生機を編成した。
・フロント筬:10/12 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー(糸送り量):113cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)
・バック筬 :23/10 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー:171cm/ラック
編成に当たっては、フロント筬とバック筬のルーピングは閉じ目とし、またフロントとバックのシンカーループの振り方向は互いに逆行させた。また各糸の混率はポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が71質量%、ポリエチレンテレフタレート仮撚糸が29質量%であった。得られた生機を、プリセット、染色、ファイナルセットを実施して経編物を得た。
(実施例2)
28ゲージのトリコット経編機HKS3機を用い、フロント筬にポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)のサイドバイサイド型のコンジュゲート繊維からなる仮撚糸であって、繊維横断面が丸断面の55dtex(T)、36フィラメントの仮撚糸、バック筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる33dtex(T)、12フィラメントのセミダル糸を配置して、下記にて図1の組織を有する生機を編成した。
・フロント筬:10/12 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー(糸送り量):118cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)
・バック筬 :23/10 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー:166cm/ラック
編成に当たっては、フロント筬とバック筬のルーピングは閉じ目とし、シンカーループの振り方向は互いに逆方向とした。また各糸の混率はポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が54質量%、ポリエチレンテレフタレート仮撚糸が46質量%であった。得られた生機を精練、プリセット、染色、ファイナルセットを実施して経編物を得た。
(実施例3)
28ゲージのトリコット経編機HKS3機を用い、フロント筬にポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)のサイドバイサイド型のコンジュゲート繊維からなる仮撚糸であって、繊維横断面が丸断面の55dtex(T)、36フィラメントの仮撚糸、バック筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる84dtex(T)、36フィラメントのセミダル糸を配置して、下記にて図1の編組織を有する生機を編成した。
・フロント筬:10/12 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー(糸送り量):142cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)
・バック筬 :23/10 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー:173cm/ラック
編成に当たっては、フロント筬とバック筬のルーピングは閉じ目とし、シンカーループの振り方向は互いに逆方向である対称振りとした。また各糸の混率はポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が35質量%、ポリエチレンテレフタレート仮撚糸が65質量%であった。得られた生機を精練、プリセット、染色、ファイナルセットを実施して経編物を得た。
(実施例4)
36ゲージのトリコット経編機HKS3機を用い、フロント筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる33dtex(T)、36フィラメントのセミダル糸、バック筬にポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)のサイドバイサイド型のコンジュゲート繊維からなる仮撚糸であって、繊維横断面が丸断面の33dtex(T)、24フィラメントの仮撚糸を配置して、下記にて図1の編組織を有する生機を編成した。
・フロント筬:10/12 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー(糸送り量):100cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)
・バック筬 :23/10 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー:130cm/ラック
編成に当たっては、フロント筬とバック筬のルーピングは閉じ目とし、シンカーループの振り方向は互いに逆方向とした。また各糸の混率はポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が57質量%、ポリエチレンテレフタレート仮撚糸が43質量%であった。得られた生機を精練、プリセット、染色、ファイナルセットを実施して経編物を得た。
(実施例5)
28ゲージのトリコット経編機HKS3機を用い、フロント筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる33dtex(T)、12フィラメントのセミダル糸、バック筬にポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)のサイドバイサイド型のコンジュゲート繊維からなる仮撚糸であって、繊維横断面が丸断面の55dtex(T)、36フィラメントの仮撚糸を配置して、下記にて図4の編組織を有する生機を編成した。
・フロント筬:10/12 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー(糸送り量):110cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)
・バック筬 :10/23 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー:165cm/ラック
編成に当たっては、フロント筬とバック筬のルーピングは閉じ目とし、フロントとバックのシンカーループの振り方向は互いに同行させた。また各糸の混率はポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が71質量%、ポリエチレンテレフタレート仮撚糸が29質量%であった。得られた生機を精練、プリセット、染色、ファイナルセットを実施して経編物を得た。
(実施例6)
28ゲージのトリコット経編機HKS3機を用い、フロント筬にポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)のサイドバイサイド型のコンジュゲート繊維からなる仮撚糸であって、繊維横断面が丸断面の55dtex(T)、36フィラメントの仮撚糸、バック筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる33dtex(T)、36フィラメントのセミダル糸を配置して、下記にて図2の編組織を有する生機を編成した。
・フロント筬:10/12 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー(糸送り量):120cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)
・バック筬 :34/10 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー:184cm/ラック
編成に当たっては、フロント筬とバック筬のルーピングは閉じ目とし、シンカーループの振り方向は互いに逆方向とした。また各糸の混率はポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が45質量%、ポリエチレンテレフタレート仮撚糸が55質量%であった。得られた生機を精練、プリセット、染色、ファイナルセットを実施して経編物を得た。
(実施例7)
実施例1と同様の28ゲージのトリコット経編機HKS3機を用い、フロント筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる33dtex(T)、36フィラメントのセミダル糸、バック筬にポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)のサイドバイサイド型のコンジュゲート繊維からなる仮撚糸であって、繊維横断面が丸断面の55dtex(T)、36フィラメントの仮撚糸を配置して、下記にて図3の編組織を有する生機を編成した。
・フロント筬:23/10 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー(糸送り量):160cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)
・バック筬 :10/12 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー:110cm/ラック
編成に当たっては、フロント筬とバック筬のルーピングは閉じ目とし、シンカーループの振り方向は互いに逆方向とした。また各糸の混率はポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が53質量%、ポリエチレンテレフタレート仮撚糸が47質量%であった。得られた生機を精練、プリセット、染色、ファイナルセットを実施して経編物を得た。
(実施例8)
36ゲージのトリコット経編機HKS3機を用い、フロント筬にポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)のサイドバイサイド型のコンジュゲート繊維からなる仮撚糸であって、繊維横断面が丸断面の33dtex(T)、24フィラメントの仮撚糸、バック筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる33dtex(T)、36フィラメントのセミダル糸を配置して、下記にて図1の編組織を有する生機を編成した。
・フロント筬:10/12 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー(糸送り量):100cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)
・バック筬 :23/10 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー:130cm/ラック
編成に当たっては、フロント筬とバック筬のルーピングは閉じ目とし、シンカーループの振り方向は互いに逆方向とした。また各糸の混率はポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が43質量%、ポリエチレンテレフタレート仮撚糸が57質量%であった。得られた生機を精練、プリセット、染色、ファイナルセットを実施して経編物を得た。
(比較例1)
28ゲージのトリコット経編機HKS3機を用い、フロント筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる56dtex(T)、24フィラメントのセミダル糸、バック筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる33dtex(T)、12フィラメントのセミダル糸を配置して、下記にて図1の編組織を有する生機を編成した。即ち、当該生機はポリエチレンテレフタレート仮撚糸100%の生機である。
・フロント筬:10/12 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー(糸送り量):118cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)
・バック筬 :23/10 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー:166cm/ラック
編成に当たっては、フロント筬とバック筬のルーピングは閉じ目とし、シンカーループの振り方向は互いに逆方向とした。得られた生機を精練、プリセット、染色、ファイナルセットを実施して経編物を得た。
(比較例2)
28ゲージのトリコット経編機HKS3機を用い、フロント筬にポリエチレンテレフタレート仮撚糸からなる33dtex(T)、12フィラメントのセミダル糸、バック筬にポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)のサイドバイサイド型のコンジュゲート繊維からなる仮撚糸であって、繊維横断面が丸断面の33dtex(T)、24フィラメントの仮撚糸を配置して、下記にて図2の編組織を有する生機を編成した。
・フロント筬:10/12 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー(糸送り量):118cm/ラック(480コース編むのに必要な糸量)
・バック筬 :34/10 フルセット(全てのガイドに糸を配置)
ランナー:190cm/ラック
編成に当たっては、フロント筬とバック筬のルーピングは閉じ目とし、シンカーループの振り方向は互いに逆方向とした。また各糸の混率はポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が62質量%、ポリエチレンテレフタレート仮撚糸が38質量%であった。得られた生機を精練、プリセット、染色、ファイナルセットを実施して経編物を得た。
これらの編地の詳細な構成と、各評価結果を表1、2に示す。
Figure 2023092168000001
Figure 2023092168000002

Claims (9)

  1. 経編機の少なくとも2枚の筬を用いて編成される経編地であって、
    前記経編地は、総繊度が20dtex以上、60dtex以下であるポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸を含み、
    前記ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸が1~2針振りで編み込まれて形成されている第1の組織を有していることを特徴とする経編地。
  2. 前記ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸は、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートを含むサイドバイサイド構造、及び/又は芯鞘構造を有する複合繊維を含む仮撚糸である請求項1に記載の経編地。
  3. 前記第1の組織は、第1の筬から給糸される前記ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸により形成されており、
    前記経編地は、第2の筬から給糸される前記ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸以外の糸(以下、「他の糸」と記載する)により形成されている第2の組織を有している請求項1または2に記載の経編地。
  4. 前記他の糸は、1~3針振りで編み込まれている請求項3に記載の経編地。
  5. 前記第1の組織と前記第2の組織が、下記(a)~(c)のいずれかを満たす請求項3または4に記載の経編地。
    (a)前記第1の組織が23/10であり、前記第2の組織が10/12である。
    (b)前記第1の組織が10/12であり、前記第2の組織が23/10である。
    (c)前記第1の組織が10/12であり、前記第2の組織が34/10である。
  6. 前記第1の組織はフロント筬にて形成された組織であり、前記第2の組織はバック筬にて形成された組織である請求項3~5のいずれかに記載の経編地。
  7. 前記第1の組織はバック筬にて形成された組織であり、前記第2の組織はフロント筬にて形成された組織である請求項3~5のいずれかに記載の経編地。
  8. 前記他の糸は、前記ポリエステル系コンジュゲート繊維仮撚糸のシンカーループの振り方向と逆方向の振り方向で形成されたシンカーループを有している請求項3~7のいずれかに記載の経編地。
  9. 目付が100~220g/mである請求項1~8のいずれかに記載の経編地。
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