JP2023091513A - 仮想現実表示装置、仮想現実表示システム、仮想現実表示プログラム、仮想現実表示プログラムが記録された記憶媒体、及び仮想現実表示方法 - Google Patents

仮想現実表示装置、仮想現実表示システム、仮想現実表示プログラム、仮想現実表示プログラムが記録された記憶媒体、及び仮想現実表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】仮想現実空間内に自分が実際に存在しているという、ユーザの感覚を高めることが容易な仮想現実表示装置、仮想現実表示システム、仮想現実表示プログラム、仮想現実表示プログラムが記録された記憶媒体、及び仮想現実表示方法を提供する。【解決手段】仮想現実表示装置3は、第一仮想現実空間をヘッドセット2に表示させ、ユーザUの頭のロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動きと、ユーザUの前後、左右、上下の三方向の動きとに応じて第一仮想現実空間を示す画像を変化させる仮想現実制御部301と、三軸回りの動き及び三方向の動きのうち、少なくとも四つの動きをユーザUに行わせるように誘導する誘導画像を第一仮想現実空間に表示する誘導表示処理部302とを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、仮想現実空間を示す画像を表示するための表示装置に対して画像を表示させる仮想現実表示装置、仮想現実表示システム、仮想現実表示プログラム、仮想現実表示プログラムが記録された記憶媒体、及び仮想現実表示方法に関する。
従来より、ユーザの頭部に装着され、仮想現実映像を表示可能な表示部を備える仮想現実ヘッドセットを用い、生成された仮想現実(Virtual Reality:VR)情報を表示部に表示させる仮想現実制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。近年、上述のような仮想現実を視聴可能な仮想現実装置、あるいは仮想現実用コンテンツが多数流通している。
特開2021-009647号公報
ところで、仮想現実映像を視聴あるいは体験するユーザは、仮想的に構成された仮想現実空間内に、自分が実際に存在しているような感覚を得ることができる。しかしながら、このような感覚は、仮想現実の表示装置やコンテンツによって、程度の差が大きい。
本発明の目的は、仮想現実空間内に自分が実際に存在しているという、ユーザの感覚を高めることが容易な仮想現実表示装置、仮想現実表示システム、仮想現実表示プログラム、仮想現実表示プログラムが記録された記憶媒体、及び仮想現実表示方法を提供することである。
本発明に係る仮想現実表示装置は、仮想現実空間を示す画像を表示するための表示装置に対して前記仮想現実空間を示す画像を表示させる仮想現実表示装置であって、予め設定された第一仮想現実空間を前記表示装置に表示させ、ユーザの頭のロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動きと、前記ユーザの前後、左右、上下の三方向の動きとに応じて前記第一仮想現実空間を示す画像を変化させる仮想現実制御部と、前記三軸回りの動き及び前記三方向の動きのうち、少なくとも四つの動きを前記ユーザに行わせるように誘導する誘導画像を前記第一仮想現実空間に表示する誘導表示処理部とを備える。
また、本発明に係る仮想現実表示システムは、上述の仮想現実表示装置と、前記表示装置とを備える。
また、本発明に係る仮想現実表示プログラムは、コンピュータを、上述の仮想現実表示装置として機能させる。
また、本発明に係る記憶媒体は、コンピュータを、上述の仮想現実表示装置として機能させる仮想現実表示プログラムを記録する。
また、本発明に係る仮想現実表示方法は、仮想現実空間を示す画像を表示するための表示装置に対して前記仮想現実空間を示す画像を表示させる仮想現実表示方法であって、予め設定された第一仮想現実空間を前記表示装置に表示させ、ユーザの頭のロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動きと、前記ユーザの前後、左右、上下の三方向の動きとに応じて前記第一仮想現実空間を示す画像を変化させる仮想現実制御処理と、前記三軸回りの動き及び前記三方向の動きのうち、少なくとも四つの動きを前記ユーザに行わせるように誘導する誘導画像を前記第一仮想現実空間に表示する誘導表示処理とを含む。
これらの構成によれば、ユーザによる、回転運動と直線運動とを両方含む四つの動きが誘導され、これら四つの動きに応じて第一仮想現実空間の画像が変化する。そうすると、ユーザには、第一仮想現実空間内に自分が実際に存在しているかのような視界の変化が得られる。その結果、仮想現実空間内に自分が実際に存在しているというユーザの感覚が高められる。
また、前記誘導画像による誘導を補助する音声案内を出力する音声誘導処理部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、誘導画像によるユーザの動きの誘導が、音声案内によって補助される。
また、前記少なくとも四つの動きを前記ユーザに行わせるように誘導する誘導画像が前記第一仮想現実空間に表示された後、前記第一仮想現実空間とは異なる第二仮想現実空間に基づくコンテンツを前記表示装置に表示させるコンテンツ表示処理部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、誘導画像によって、仮想現実空間内に自分が実際に存在しているというユーザの感覚が高められた後に、第二仮想現実空間に基づくコンテンツが表示されるので、コンテンツの興趣性や心理的影響等が高められる。
また、前記ユーザによる前記少なくとも四つの動きが行われた場合、前記第一仮想現実空間とは異なる第二仮想現実空間に基づくコンテンツを前記表示装置に表示させるコンテンツ表示処理部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、ユーザによる前記少なくとも四つの動きが行われたことが確認された後に、第二仮想現実空間に基づくコンテンツが表示されるので、仮想現実空間内に自分が実際に存在しているというユーザの感覚が高められた状態でコンテンツが表示される確実性が向上する。
また、前記誘導表示処理部は、前記前後方向の動きを誘導する誘導画像として、前記仮想現実空間内において前記ユーザの足元から前方に延びる道の画像を表示することが好ましい。
仮想現実空間内においてユーザの足元から前方に延びる道の画像は、ユーザの前後方向の動きを誘導する誘導画像として好適である。
また、前記誘導表示処理部は、前記前後方向の動きを誘導する誘導画像として、前記道の先に所定の第一画像を表示することが好ましい。
道の先に表示された第一画像は、ユーザの前後方向の動きを誘導する誘導画像として好適である。
また、前記誘導表示処理部は、前記ヨー軸回りの動きを誘導する誘導画像として、前記道の右側及び/又は左側に、所定の第二画像を表示することが好ましい。
道の右側及び/又は左側に表示された第二画像は、ヨー軸回りの動きを誘導する誘導画像として好適である。
また、前記誘導表示処理部は、前記誘導画像を立体的に表示することによって、前記ユーザの左右方向の動き及び/又は前記ヨー軸回りの動きを誘導することが好ましい。
立体的に表示された誘導画像は、ユーザの左右方向の動き及び/又はヨー軸回りの動きを誘導する誘導画像として好適である。
また、前記誘導表示処理部は、前記誘導画像の上部が前記ユーザの視野の上限から消えるように前記誘導画像を表示することによって、前記ピッチ軸回りの動きを誘導することが好ましい。
誘導画像の上部がユーザの視野の上限から消えるように誘導画像を表示することは、ユーザのピッチ軸回りの動きを誘導する方法として好適である。
また、前記誘導表示処理部は、前記ピッチ、ヨーの軸回りの動きを誘導する誘導画像として、前記仮想現実空間内における、前記ユーザの視界の前後、左右、上下に立体的に分布するように浮遊する複数の第三画像を表示することが好ましい。
仮想現実空間内において、ユーザの視界の前後、左右、上下に立体的に分布するように浮遊する複数の第三画像は、ユーザのピッチ、ヨーの軸回りの動きを誘導する誘導画像として好適である。
また、前記誘導表示処理部は、前記ロール軸回りの動きを誘導する誘導画像として、前記仮想現実空間内において、前記ユーザの頭上で旋回する第四画像を表示することが好ましい。
仮想現実空間内においてユーザの頭上で旋回する第四画像は、ユーザのロール軸回りの動きを誘導する誘導画像として好適である。
また、前記誘導表示処理部は、前記上下方向の動きを誘導する誘導画像として、前記ユーザの視界前方から前記ユーザに向かって物体が飛来する飛来画像、前記ユーザの視点位置付近の高さに表示され、下方を潜り抜け可能な障害物画像、及び略垂直方向に延びる壁面の前記ユーザの視点位置より低い位置に表示される低位置画像のうち少なくとも一つを表示することが好ましい。
ユーザの視界前方からユーザに向かって物体が飛来する飛来画像、ユーザの視点位置付近の高さに表示され、下方を潜り抜け可能な障害物画像、及び略垂直方向に延びる壁面のユーザの視点位置より低い位置に表示される低位置画像は、ユーザの上下方向の動きを誘導する誘導画像として好適である。
このような構成の仮想現実表示装置、仮想現実表示システム、仮想現実表示プログラム、仮想現実表示プログラムが記録された記憶媒体、及び仮想現実表示方法は、仮想現実空間内に、自分が実際に存在しているというユーザの感覚を高めることが容易となる。
本発明の一実施形態に係る仮想現実表示システムの構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す仮想現実表示システムの動作の一例を示すフローチャートである。 第一仮想現実空間をユーザから見た視野に表示される誘導画像の一例を示す説明図である。 第一仮想現実空間をユーザから見た視野に表示される誘導画像の一例を示す説明図である。 第一仮想現実空間をユーザから見た視野に表示される誘導画像の一例を示す説明図である。 第一仮想現実空間をユーザから見た視野に表示される誘導画像の一例を示す説明図である。 第一仮想現実空間をユーザから見た視野に表示される誘導画像の一例を示す説明図である。 第一仮想現実空間をユーザから見た視野に表示される誘導画像の他の一例を示す説明図である。 第一仮想現実空間をユーザから見た視野に表示される誘導画像の他の一例を示す説明図である。 第一仮想現実空間をユーザから見た視野に表示される誘導画像の他の一例を示す説明図である。 第一仮想現実空間をユーザから見た視野に表示される誘導画像の他の一例を示す説明図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る仮想現実表示システムの構成の一例を示すブロック図である。仮想現実表示システム1は、VRヘッドセット2(表示装置)と、仮想現実表示装置3とを備えている。
VRヘッドセット2は、仮想現実空間を示す画像を表示するための表示装置である。VRヘッドセット2は、ユーザUの頭部にベルト等によって取り付け可能とされている。VRヘッドセット2は、ユーザUの視野を覆うように取り付けられるゴーグル状の筐体に、液晶又はEL(Electro Luminescence)等の表示器が設けられている。また、VRヘッドセット2は、音声を出力するスピーカを備えている。
また、VRヘッドセット2は、いわゆる6DoF(six degrees of freedom)対応のヘッドセットであり、前後、左右、上下の三方向の動きを検出するセンサと、前後に延びる軸回りの回転運動であるロール、左右に延びる軸回りの回転運動であるピッチ、及び上下に延びる軸回りの回転運動であるヨーの三軸回りの動きを検出するセンサとを備える。前後に延びる軸がロール軸、左右に延びる軸がピッチ軸、上下に延びる軸がヨー軸となる。
VRヘッドセット2は、例えばWiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等、図略の無線通信回路を備えており、仮想現実表示装置3と無線通信可能とされている。VRヘッドセット2は、上記センサにより検出された、三方向及び三軸回りの動きを示す検出情報を無線通信により仮想現実表示装置3へ送信する。また、VRヘッドセット2は、仮想現実表示装置3から無線通信により送信された画像データを受信して表示器に表示する。
なお、VRヘッドセット2と仮想現実表示装置3とは、無線通信に限られず、有線通信を行ってもよい。また、表示装置は、ユーザUの頭部に装着して仮想現実空間を示す画像を表示するものであればよく、ゴーグル型のヘッドセットに限られず、眼鏡型の表示装置であってもよく、その形態は限定されない。
仮想現実表示装置3は、例えばパーソナルコンピューターやゲーム機等のコンピュータ装置によって構成することができる。仮想現実表示装置3は、例えば、演算部30と、記憶装置31と、無線通信部32とを備えている。無線通信部32は、VRヘッドセット2と無線通信を行う無線通信回路である。
記憶装置31は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。記憶装置31には、仮想現実空間を示すデータや、本発明の一実施形態に係る仮想現実表示プログラム等が記憶されている。
演算部30は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶素子、及びこれらの周辺回路等から構成されている。演算部30は、記憶装置31に記憶された仮想現実表示プログラムを実行することによって、仮想現実制御部301、誘導表示処理部302、音声誘導処理部303、及びコンテンツ表示処理部304として機能する。
仮想現実制御部301は、記憶装置31に記憶されている第一仮想現実空間を示すデータに基づく画像を、無線通信部32を介してVRヘッドセット2へ送信し、VRヘッドセット2で表示させる。以下、無線通信部32を介してVRヘッドセット2へ画像データを送信し、VRヘッドセット2で画像を表示させることを、単に、VRヘッドセット2で画像を表示させる、というように記載する。
また、仮想現実制御部301は、VRヘッドセット2から無線通信部32を介して受信した、ユーザUの頭のロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動きと、ユーザUの前後、左右、上下の三方向の動きとを示す検出情報に応じて第一仮想現実空間を示す画像を変化させる。以下、VRヘッドセット2から無線通信部32を介して検出情報を受信することを、単に、VRヘッドセット2から受信する、と記載する。
誘導表示処理部302は、ロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動き、及び前後、左右、上下の三方向の動きの合計六つの動きのうち、少なくとも四つの動きをユーザUに行わせるように誘導する誘導画像を第一仮想現実空間に表示する。
音声誘導処理部303は、誘導画像による誘導を補助する音声案内を示すデータを、無線通信部32を介してVRヘッドセット2へ送信し、VRヘッドセット2で音声案内を出力させる。以下、無線通信部32を介してVRヘッドセット2へ音声案内を示すデータを送信し、VRヘッドセット2で音声案内を出力させることを、単に、VRヘッドセット2で音声案内を出力させる、というように記載する。
コンテンツ表示処理部304は、ユーザUによる上述の合計六つの動きのうち少なくとも四つの動きが行われた場合、第一仮想現実空間とは異なる第二仮想現実空間に基づくコンテンツをVRヘッドセット2に表示させる。
次に、上述のように構成された仮想現実表示システム1の動作について説明する。図2は、図1に示す仮想現実表示システム1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、仮想現実制御部301は、予め設定された第一仮想現実空間を示す画像をヘッドセット2に表示させる(ステップS1)。以下、ステップS2~S4は、並行して実行され、あるいは一体の処理として実行される。
ステップS2において、仮想現実制御部301は、ヘッドセット2から送信された検出情報に基づき、ユーザUの頭のロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動きと、ユーザUの前後、左右、上下の三方向の動きとに応じて仮想現実空間を示す画像を変化させる(ステップS2)。
これにより、ユーザUが移動したり、頭を動かして視線の向きを変化させたりすると、ユーザUの動きと連動してVRヘッドセット2で表示される仮想現実空間の画像が変化する。その結果、ユーザUが仮想現実空間内で動いたのと同様に、ユーザUから見える画像が変化する。しかしながら、ユーザUが仮想現実空間内で動いたのと同様の画像変化が生じても、直ちにユーザU自身が仮想現実空間内に実際に存在している感覚が得られるとは限らない。
そこで、ユーザU自身が仮想現実空間内に実際に存在している感覚を高めるべく、誘導表示処理部302は、ロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動き、及び前後、左右、上下の三方向の動きのうちいずれかの動きをユーザUに行わせるように誘導する誘導画像を、ヘッドセット2によって第一仮想現実空間に表示させる(ステップS3)。
ステップS4において、音声誘導処理部303は、誘導画像による誘導を補助する音声案内を、VRヘッドセット2によって出力させる(ステップS4)。
図3~図7は、第一仮想現実空間をユーザUから見た視野に、誘導表示処理部302によって表示される誘導画像の一例を示す説明図である。図3に示す視野には、ユーザUの足元から前方に延びる道の画像Grと、道の画像Grの先に表示された、ユーザUの興味を引く第一画像G1と、道の画像Grの右側及び左側に表示された、ユーザUの興味を引く第二画像G2とが表示されている。なお、第二画像G2は、必ずしも道の画像Grの両側に表示される例に限られず、右側及び左側のいずれか一方のみに表示されてもよい。
図3では、第一画像G1の一例として巨大な立像の画像、第二画像G2の一例として風景の壁画の画像が表示されている。図3では、道の画像Grの両側に壁が立設され、壁に壁画が第二画像G2として表示されている。壁の上部に天井が設けられ、トンネル状の通路をユーザUが通り抜けるような画像とされている。
道の画像GrがユーザUの足元から前方に延びていると、ユーザUは、道の画像Grに沿って前方に歩こうとするため、前後方向の動きが誘導される。また、ユーザUの前方には、第一画像G1として巨大な立像の画像が見えるので、ユーザUが第一画像G1に近づこうとして前方に移動する誘導効果が増大する。すなわち、画像Gr及び第一画像G1は、前後方向の動きを誘導する誘導画像の一例に相当する。
さらに、音声誘導処理部303が、例えば「前方に移動してください」といった音声案内を出力することによって、道の画像Gr及び第一画像G1による前方への誘導が補助される。
ユーザUが前方に移動して第二画像G2の横に到達すると、ユーザUは第二画像G2を見ようとして横を向くため、ヨー軸回りの動きが誘導される。すなわち、第二画像G2は、ヨー軸回りの動きを誘導する誘導画像の一例に相当する。さらに、音声誘導処理部303が、例えば「横を向いてください」「壁画を見てください」といった音声案内を出力することによって、第二画像G2によるヨー軸回りの動きの誘導が補助される。
図4は、ユーザUが第一画像G1を正面から見た第一画像G1の一例を示す画面図である。図5は、ユーザUが第一画像G1の横に回り込んで見た第一画像G1の一例を示す画面図である。
第一画像G1は、立体的な画像として表示されている。立体的な立像のような第一画像G1を目の前にしたユーザUは、第一画像G1を、横や後ろ等の別の角度から見たくなる。第一画像G1を別の角度から見たくなったユーザUは、第一画像G1の横や後ろに回り込もうとして横に移動したり、首を回して第一画像G1を見回したりする。
すなわち、立体的な第一画像G1は、ユーザUの左右方向の動き及び/又はヨー軸回りの動きを誘導する誘導画像の一例に相当する。さらに、音声誘導処理部303が、例えば「立像を回り込んで見てください」といった音声案内を出力することによって、第一画像G1による左右方向の動き及び/又はヨー軸回りの動きの誘導が補助される。
図6は、ユーザUが正面から第一画像G1に近づいたときにユーザUから見える第一画像G1の一例を示す画面図である。誘導表示処理部302は、第一仮想現実空間内においてユーザUが第一画像G1に近づくに従って、実際にユーザUが第一画像G1に近づいているかのように第一画像G1を拡大し、ユーザUが第一画像G1の手前に到達すると第一画像G1の上部がユーザUの視野上限ULから消えるように第一画像G1を表示する。
これにより、ユーザUには、第一画像G1がユーザU自身よりも大きいものに感じられ、ユーザUは視野上限ULから消えた第一画像G1の上部を見ようとして第一画像G1を見上げる。その結果、図7に示す第一画像G1の上部が視野上限ULの下に表示される。
このように、第一画像G1の上部がユーザUの視野上限ULから消えるように第一画像G1を表示することによって、ユーザUのピッチ軸回りの動きが誘導される。さらに、音声誘導処理部303が、例えば「立像を見上げてください」といった音声案内を出力することによって、第一画像G1によるピッチ軸回りの動きの誘導が補助される。
図8、図9は、第一仮想現実空間をユーザUから見た視野に、誘導表示処理部302によって表示される誘導画像の他の一例を示す説明図である。図8、図9に示す例では、第一仮想現実空間は、雪が舞う雪景色となっている。
誘導表示処理部302は、前後、左右方向の動き、及びピッチ、ヨーの軸回りの動きを誘導する誘導画像として、第一仮想現実空間内における、ユーザUの視界の前後、左右、上下に立体的に分布するように浮遊する複数の雪を第三画像G3として表示する。
雪の画像である第三画像G3は、第一仮想現実空間内で、遠近法によりユーザUの近くでは大きく、遠くでは小さく表示されている。これにより、ヘッドセット2に表示された第一仮想現実空間の画像を見たユーザUは、自分の周りの空間の拡がりを感じることができるので、前後左右に動こうとしたり、自分の周りを見回したりする。その結果、ユーザUの、前後方向の動き、左右方向の動き、ピッチ軸回りの動き、及びヨー軸回りの動きが誘導される。
さらに、音声誘導処理部303が、例えば「雪景色の中を動き回ってください」、「周りを見回してください」といった音声案内を出力することによって、第三画像G3による前後、左右方向の動き、及びピッチ、ヨーの軸回りの動きへの誘導が補助される。
図8に示す第一仮想現実空間の上空には、ユーザUの頭上で旋回する惑星の画像が第四画像G4として表示されている。旋回のように、動きのある第四画像G4はユーザUの興味を引くため、ユーザUは第四画像G4を見ようとして上を見上げる。その結果、ユーザUのピッチ軸回りの動きが誘導される。
図9は、ユーザUが上を見上げたときに見える画像を示している。ユーザUが上を見上げると、第一仮想現実空間内に浮遊する雪の第三画像G3の向こう側に、軌道画像Gtに沿って旋回する第四画像G4が見える。ユーザUが、軌道画像Gtに沿って旋回する第四画像G4を見ようとして第四画像G4に視線を向けると、第四画像G4の旋回に応じてユーザUが首を回すことになる。その結果、ユーザUの、ロール軸回りの動き、及びヨー軸回りの動きが誘導される。
さらに、音声誘導処理部303が、例えば「空を見上げてください」、「惑星を目で追ってください」といった音声案内を出力することによって、第四画像G4によるピッチ軸回りの動き、ロール軸回りの動き、及びヨー軸回りの動きへの誘導が補助される。
図10は、誘導表示処理部302によって表示される飛来画像の一例を示す説明図である。図10に示す飛来画像Gfは、ユーザUの視界前方からユーザUに向かって飛来するボールの画像である。このように、ボールのような飛来画像Gfが、視界前方からユーザUに向かって飛来すると、ユーザUは飛来画像Gfを避けようとしてしゃがみ込む。その結果、ユーザUの、上下方向の動きが誘導される。上下方向の動きの誘導効果を高める観点から、飛来画像Gfは、ユーザUの視点の高さで飛来するように表示されることが好ましい。
図11は、誘導表示処理部302によって表示される障害物画像及び低位置画像の一例を示す説明図である。図11に示す障害物画像Gsは、ユーザUの視点高さを遮るように表示された垂直な壁の画像である。図11には、説明のために、視点高さの位置を一点鎖線で示している。障害物画像Gsの壁の、視点高さよりも低い位置に通り抜け可能な孔Ghの画像が設けられている。これにより、ユーザUからは、障害物画像Gsの壁の下方を潜り抜け可能に見えるようになっている。その結果、ユーザUが孔Gを通り抜けようとして上下方向の動きが誘導される。
また、障害物画像Gsにおける孔Ghの側方には、ユーザUの視点位置より低い位置に、ユーザUの興味を引く低位置画像Guが表示されている。その結果、ユーザUが低い位置にある低位置画像Guをよく見ようとしてしゃがみ込み、上下方向の動きが誘導される。
次に、ステップS5において、コンテンツ表示処理部304は、ヘッドセット2から送信された検出情報に基づいて、ユーザUが上述の合計六つの動きのうちいくつの動作を行ったかをチェックする(ステップS5)。そして、ユーザUが行った動作の数が四つに満たない場合(ステップS5でNO)、ステップS2~S4を繰り返す。
一方、ユーザUによる上述の合計六つの動きのうち少なくとも四つの動きが行われた場合(ステップS5でYES)、コンテンツ表示処理部304は、第一仮想現実空間とは異なる第二仮想現実空間に基づくコンテンツをヘッドセット2に表示させる(ステップS6)。
ユーザUのロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動きと、ユーザUの前後、左右、上下の三方向の動きのうち少なくとも四つの動きを行うと、必ずロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの回転運動のうち少なくとも一つと、ユーザUの前後、左右、上下の三方向の直線運動のうち少なくとも一つが行われることになる。
このように、ユーザUが、回転運動と直線運動とを両方含む四つの動きを行うことによって、仮想現実制御部301によって、これら四つの動きに応じて第一仮想現実空間の画像が変化する。そうすると、ユーザUには、第一仮想現実空間内に自分が実際に存在しているかのような視界の変化が得られる。その結果、仮想現実空間内に自分が実際に存在しているというユーザの感覚が高められる。
なお、コンテンツ表示処理部304は、ステップS5において、必ずしもユーザUによる上述の合計六つの動きのうち少なくとも四つの動きが実際に行われたことをチェックしなくてもよい。例えば、コンテンツ表示処理部304は、ステップS3において、上述の合計六つの動きのうち少なくとも四つの動きを誘導する誘導画像が表示された後に、ユーザUが上記少なくとも四つの動きを行ったものとして、ステップS6へ移行してもよい。
第二仮想現実空間に基づくコンテンツは、例えばゲームであってもよく、VRデジタル治療薬等の、医療コンテンツであってもよい。コンテンツがゲームであった場合、第二仮想現実空間はVRゲームが行われる仮想現実空間であり、コンテンツが医療コンテンツであった場合、第二仮想現実空間はデジタル医療を行うための仮想現実空間である。
コンテンツがゲームであった場合、ゲームを実行する前にステップS1~S5を実行し、仮想現実空間内に自分が実際に存在しているというユーザUの感覚が高められた後にゲームを実行することによって、ゲームの臨場感が増大し、ゲームの興趣性が高められる。
また、近年、禁煙治療用のスマートフォンアプリが、病気をアプリで治療するデジタル治療薬として日本で薬事承認されるなど、デジタル治療薬の開発が進められている。また、仮想現実の「ひとの心と身体に働きかける力」に着目し、仮想現実を用いて心療治療を行うことも研究されている。
コンテンツがこのような医療コンテンツであった場合、医療コンテンツを実行する前にステップS1~S5を実行し、仮想現実空間内に自分が実際に存在しているというユーザUの感覚が高められた後に医療コンテンツを実行することによって、医療コンテンツによる治療効果の増大が期待できる。
なお、誘導画像は、第一画像G1、第二画像G2、第三画像G3、第四画像G4、道の画像Gr、及び軌道画像Gtに限らない。誘導画像は、ユーザUのロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動きと、ユーザUの前後、左右、上下の三方向の動きのうち少なくとも四つの動きをユーザUに行わせるように誘導する画像であればよく、種々の画像を誘導画像として用いることができる。
1 仮想現実表示システム
2 ヘッドセット
3 仮想現実表示装置
30 演算部
31 記憶装置
32 無線通信部
301 仮想現実制御部
302 誘導表示処理部
303 音声誘導処理部
304 コンテンツ表示処理部
G1 第一画像
G2 第二画像
G3 第三画像
G4 第四画像
Gr 道の画像
Gt 軌道画像
U ユーザ
UL 視野上限

Claims (16)

  1. 仮想現実空間を示す画像を表示するための表示装置に対して前記仮想現実空間を示す画像を表示させる仮想現実表示装置であって、
    予め設定された第一仮想現実空間を前記表示装置に表示させ、ユーザの頭のロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動きと、前記ユーザの前後、左右、上下の三方向の動きとに応じて前記第一仮想現実空間を示す画像を変化させる仮想現実制御部と、
    前記三軸回りの動き及び前記三方向の動きのうち、少なくとも四つの動きを前記ユーザに行わせるように誘導する誘導画像を前記第一仮想現実空間に表示する誘導表示処理部とを備える仮想現実表示装置。
  2. 前記誘導画像による誘導を補助する音声案内を出力する音声誘導処理部をさらに備える請求項1記載の仮想現実表示装置。
  3. 前記少なくとも四つの動きを前記ユーザに行わせるように誘導する誘導画像が前記第一仮想現実空間に表示された後、前記第一仮想現実空間とは異なる第二仮想現実空間に基づくコンテンツを前記表示装置に表示させるコンテンツ表示処理部をさらに備える請求項1又は2に記載の仮想現実表示装置。
  4. 前記ユーザによる前記少なくとも四つの動きが行われた場合、前記第一仮想現実空間とは異なる第二仮想現実空間に基づくコンテンツを前記表示装置に表示させるコンテンツ表示処理部をさらに備える請求項1又は2に記載の仮想現実表示装置。
  5. 前記誘導表示処理部は、前記前後方向の動きを誘導する誘導画像として、前記仮想現実空間内において前記ユーザの足元から前方に延びる道の画像を表示する請求項1~4のいずれか1項に記載の仮想現実表示装置。
  6. 前記誘導表示処理部は、前記前後方向の動きを誘導する誘導画像として、前記道の先に所定の第一画像を表示する請求項5に記載の仮想現実表示装置。
  7. 前記誘導表示処理部は、前記ヨー軸回りの動きを誘導する誘導画像として、前記道の右側及び/又は左側に、所定の第二画像を表示する請求項5又は6に記載の仮想現実表示装置。
  8. 前記誘導表示処理部は、前記誘導画像を立体的に表示することによって、前記ユーザの左右方向の動き及び/又は前記ヨー軸回りの動きを誘導する請求項1~7のいずれか1項に記載の仮想現実表示装置。
  9. 前記誘導表示処理部は、前記誘導画像の上部が前記ユーザの視野の上限から消えるように前記誘導画像を表示することによって、前記ピッチ軸回りの動きを誘導する請求項1~8のいずれか1項に記載の仮想現実表示装置。
  10. 前記誘導表示処理部は、前記ピッチ、ヨーの軸回りの動きを誘導する誘導画像として、前記仮想現実空間内における、前記ユーザの視界の前後、左右、上下に立体的に分布するように浮遊する複数の第三画像を表示する請求項1~9のいずれか1項に記載の仮想現実表示装置。
  11. 前記誘導表示処理部は、前記ロール軸回りの動きを誘導する誘導画像として、前記仮想現実空間内において、前記ユーザの頭上で旋回する第四画像を表示する請求項1~10のいずれか1項に記載の仮想現実表示装置。
  12. 前記誘導表示処理部は、前記上下方向の動きを誘導する誘導画像として、
    前記ユーザの視界前方から前記ユーザに向かって物体が飛来する飛来画像、前記ユーザの視点位置付近の高さに表示され、下方を潜り抜け可能な障害物画像、及び略垂直方向に延びる壁面の前記ユーザの視点位置より低い位置に表示される低位置画像のうち少なくとも一つを表示する請求項1~11のいずれか1項に記載の仮想現実表示装置。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の仮想現実表示装置と、
    前記表示装置とを備える仮想現実表示システム。
  14. コンピュータを、請求項1~12のいずれか1項に記載の仮想現実表示装置として機能させる仮想現実表示プログラム。
  15. コンピュータを、請求項1~12のいずれか1項に記載の仮想現実表示装置として機能させる仮想現実表示プログラムが記録された記憶媒体。
  16. 仮想現実空間を示す画像を表示するための表示装置に対して前記仮想現実空間を示す画像を表示させる仮想現実表示方法であって、
    予め設定された第一仮想現実空間を前記表示装置に表示させ、ユーザの頭のロール、ピッチ、ヨーの三軸回りの動きと、前記ユーザの前後、左右、上下の三方向の動きとに応じて前記第一仮想現実空間を示す画像を変化させる仮想現実制御処理と、
    前記三軸回りの動き及び前記三方向の動きのうち、少なくとも四つの動きを前記ユーザに行わせるように誘導する誘導画像を前記第一仮想現実空間に表示する誘導表示処理とを含む仮想現実表示方法。
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