JP2023090147A - ボルト - Google Patents

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美百合 梅原
Miyuri Umehara
由起子 小林
Yukiko Kobayashi
俊介 谷口
Shunsuke Taniguchi
直樹 松井
Naoki Matsui
真吾 山▲崎▼
Shingo Yamazaki
裕嗣 崎山
Hirotsugu Sakiyama
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Abstract

【課題】高い強度と、優れた耐水素脆化特性とを有するボルトを提供する。【解決手段】本開示によるボルトは、質量%で、C:0.30~0.50%、Si:0.01~0.30%、Mn:0.10~1.50%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.01~0.30%、Mo:1.50~2.50%、V:0.01~0.30%、Al:0.005~0.100%、及び、N:0.0010~0.0300%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、引張強度が1400MPa以上であり、ボルト中のMC型炭化物において、Feを除く金属元素のうちMo比率が60原子%以上である。【選択図】図1

Description

本開示は、ボルトに関する。
ボルトは、産業機械、自動車、橋梁に代表される建築物等に利用される。近年、産業機械及び自動車の高性能化、及び、建築物等の大型化に伴い、ボルトの高強度化が求められている。具体的には、例えば、1400MPa以上の引張強度を有するボルトが求められている。
1400MPa以上の引張強度を有するボルトでは、水素脆化感受性が高まる可能性がある。水素脆化は、ボルトの遅れ破壊の要因となる。したがって、1400MPa以上の引張強度を有するボルトでは、優れた耐水素脆化特性が求められる。
特開2019-218584号公報(特許文献1)、国際公開第2017/094487号(特許文献2)、及び、特開2013-163865号公報(特許文献3)は、高い強度と優れた耐水素脆化特性とを有するボルトを提案する。
特許文献1に開示されるボルトは、質量%で、C:0.22~0.40%、Si:0.10~1.50%、Mn:0.20~0.40%未満、Cr:0.70~1.60%未満、Al:0.005~0.060%、Ti:0.010~0.050%、B:0.0003~0.0040%、N:0.0015~0.0080%、Cu:0.50%以下、Ni:0.30%以下、Mo:0.05%以下、V:0.050%以下、Nb:0.050%以下を含有し、さらに、Sb:0.001~0.100%、Sn:0.001~0.100%、及び、Bi:0.001~0.100%からなる群から選択される1種以上を含有し、さらに、O:0.0020%以下、P:0.020%以下、S:0.020%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなる。このボルトはさらに、式(1)(0.50≦C+(1/10)×Si+(1/5)×Mn+(5/22)×Cr≦0.85)と、式(2)(0.003≦Sb+Sn+Bi≦0.100)とを満たす。その結果、このボルトでは、軸部の引張強度が1000~1300MPaであり、さらに、優れた耐水素脆化特性が得られる、と特許文献1には記載されている。
特許文献2に開示されるボルトは、質量%で、C:0.22~0.40%、Si:0.10~1.50%、Mn:0.20~0.40%未満、P:0.020%以下、S:0.020%以下、Cr:0.70~1.45%、Al:0.005~0.060%、Ti:0.010~0.045%、B:0.0003~0.0040%、N:0.0015~0.0080%、O:0.0020%以下、Cu:0~0.50%、Ni:0~0.30%、Mo:0~0.04%、V:0~0.05%、及び、Nb:0~0.050%を含有し、残部はFe及び不純物からなる。このボルトはさらに、式(1)(0.50≦C+Si/10+Mn/5+5Cr/22≦0.85)と、式(2)(Si/Mn>1.0)とを満たす。その結果、このボルトでは、引張強度が1000~1300MPaであり、さらに、優れた耐水素脆化特性が得られる、と特許文献2には記載されている。
特許文献3に開示されるボルトは、質量%で、C:0.30~0.50%、Si:1.0~2.5%、Mn:0.1~1.5%、P:0.015%以下(0%を含まない)、S:0.015%以下(0%を含まない)、Cr:0.15~2.4%、Al:0.10%以下(0%を含まない)、及び、N:0.015%以下(0%を含まない)を含有し、さらに、Cu:0.10~0.50%、及び、Ni:0.1~1.0%を、[Ni]/[Cu]≧0.5を満たすように含有し、さらに、Ti:0.05~0.20%、及び、V:0.20%以下(0%を含む)を、[Ti]+[V]:0.085~0.30%を満たすように含有し、残部がFeおよび不純物からなる。このボルトはさらに、ボルト軸部のオーステナイト結晶粒度番号が9.0以上であり、ボルト軸部のオーステナイト結晶粒界に析出した炭化物の割合を示すG値(%)が、式(1)(G値:(L/L0)×100≦60、なお、L:オーステナイト結晶粒界に析出した厚さ50nm以上の炭化物の合計長さ、L0:オーステナイト結晶粒界の長さを示す)を満たす。その結果、このボルトでは、引張強度が1400MPa以上であり、さらに、優れた耐水素脆化特性が得られる、と特許文献3には記載されている。
特開2019-218584号公報 国際公開第2017/094487号 特開2013-163865号公報
特許文献1~3に開示されるボルトは、高い強度と、優れた耐水素脆化特性とを有する。しかしながら、特許文献1~3と異なる手段により、高い強度と、優れた耐水素脆化特性とが得られてもよい。
本開示の目的は、高い強度と、優れた耐水素脆化特性とを有するボルトを提供することである。
本開示によるボルトは、次の構成を有する。
ボルトであって、
質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.01~0.30%、
Mo:1.50~2.50%、
V:0.01~0.30%、
Al:0.005~0.100%、及び、
N:0.0010~0.0300%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
引張強度が1400MPa以上であり、
前記ボルト中のMC型炭化物において、Feを除く金属元素のうちMo比率が60原子%以上である、
ボルト。
本開示によるボルトは、高い強度と、優れた耐水素脆化特性とを有する。
図1は、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内であり、引張強度が1400MPa以上のボルトにおける、MC型炭化物中のMo比率(原子%)と、限界水素量(質量ppm)との関係を示すグラフである。
本発明者らは、1400MPa以上の引張強度と、優れた耐水素脆化特性とを有するボルトの検討を行った。その結果、本発明者らは、次の知見を得た。
まず本発明者らは、高い強度と、優れた耐水素脆化特性とを有するボルトについて、化学組成の観点から検討した。その結果、本発明者らは、質量%で、C:0.30~0.50%、Si:0.01~0.30%、Mn:0.10~1.50%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.01~0.30%、Al:0.005~0.100%、N:0.0010~0.0300%、Cu:0~0.40%、Ni:0~0.40%、B:0~0.0100%、Ti:0~0.100%、Nb:0~0.100%、Zr:0~0.300%、Ca:0~0.0050%、Bi:0~0.100%、Te:0~0.100%、及び、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有するボルトであれば、1400MPa以上の引張強度と、優れた耐水素脆化特性とを両立できる可能性があると考えた。
そこで、上述の化学組成を有するボルトのミクロ組織の観点から、強度と耐水素脆化特性とを高める手段を検討した。その結果、ボルト中に微細な析出物を多数分散させることにより、1400MPa以上の引張強度を有するボルトであっても、耐水素脆化特性を高められることを知見した。
発明者らはさらに、析出物の種類が、ボルトの耐水素脆化特性に影響すると考えた。そこでさらなる検討を行い、本発明者らは、合金炭化物の中でも、MC型炭化物に着目した。MC型炭化物は、その他の合金炭化物(例えば、MC型炭化物、セメンタイト等)と比較して、粗大化しにくく、微細なまま維持されやすい。したがって、ボルト中にMC型炭化物が形成されれば、ボルトの耐水素脆化特性が高まる可能性がある。
そこで本発明者らは、上述の化学組成に加えて、さらに、Mo及びVを含有させれば、ボルト中にMC型炭化物が形成され、ボルトの耐水素脆化特性が高まると考えた。そこで、本発明者らは、MC型炭化物の生成を考慮したボルトの化学組成をさらに検討した。その結果、質量%で、C:0.30~0.50%、Si:0.01~0.30%、Mn:0.10~1.50%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.01~0.30%、Mo:1.50~2.50%、V:0.01~0.30%、Al:0.005~0.100%、N:0.0010~0.0300%、Cu:0~0.40%、Ni:0~0.40%、B:0~0.0100%、Ti:0~0.100%、Nb:0~0.100%、Zr:0~0.300%、Ca:0~0.0050%、Bi:0~0.100%、Te:0~0.100%、及び、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有するボルトであれば、ボルト中に微細なMC型炭化物が形成して、引張強度を1400MPa以上にまで高めても、優れた耐水素脆化特性を有する可能性があると、本発明者らは考えた。
しかしながら、上述の化学組成を有するボルトであっても、1400MPa以上の引張強度と、優れた耐水素脆化特性とを両立できない場合があった。そこで本発明者らはさらに検討を行った。その結果、MC型炭化物中のMo濃度を高めた方が、MC型炭化物の水素トラップ機能が高まることが判明した。
そこで本発明者らは、上述の化学組成のボルトにおいて、MC型炭化物中のMo濃度と、ボルトの耐水素脆化特性との関係を調査及び検討した。その結果、上述の化学組成を有するボルトのMC型炭化物において、金属元素のうちMo比率が60原子%以上であれば、1400MPa以上の引張強度と、優れた耐水素脆化特性とを両立できることを、本発明者らは知見した。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態によるボルトは、次の構成を有する。
[1]
ボルトであって、
質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.01~0.30%、
Mo:1.50~2.50%、
V:0.01~0.30%、
Al:0.005~0.100%、及び、
N:0.0010~0.0300%、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
引張強度が1400MPa以上であり、
前記ボルト中のMC型炭化物において、Feを除く金属元素のうちMo比率が60原子%以上である、
ボルト。
[2]
[1]に記載のボルトであってさらに、
Feの一部に代えて、
Cu:0.40%以下、
Ni:0.40%以下、
B:0.0100%以下、
Ti:0.100%以下、
Nb:0.100%以下、
Zr:0.300%以下、
Ca:0.0050%以下、
Bi:0.100%以下、及び、
Te:0.100%以下、
からなる群から選択される1元素以上を含有する、
ボルト。
以下、本実施形態によるボルトについて詳述する。なお、元素に関する「%」は、特に断りがない限り、質量%を意味する。
[ボルトの構成]
ボルトは、頭部と、軸部とを備える。軸部は、頭部の首部(首下部)からボルトの中心軸方向に延びている。軸部は、周表面にねじが形成されているねじ部を含む。
[化学組成]
本実施形態によるボルトの化学組成は、次の元素を含有する。
C:0.30~0.50%
炭素(C)は、鋼材の焼入れ性を高めて、ボルトの強度を高める。C含有量が0.30%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、C含有量が0.50%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、ボルトの耐水素脆化特性が低下する。
したがって、C含有量は0.30~0.50%である。
C含有量の好ましい下限は0.32%であり、さらに好ましくは0.35%である。
C含有量の好ましい上限は0.48%であり、さらに好ましくは0.45%である。
Si:0.01~0.30%
シリコン(Si)は、鋼材の焼入れ性を高めて、ボルトの強度を高める。Si含有量が0.01%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、Si含有量が0.30%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、ボルトの耐水素脆化特性が低下する。
したがって、Si含有量は0.01~0.30%である。
Si含有量の好ましい下限は0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。
Si含有量の好ましい上限は0.25%であり、さらに好ましくは0.20%であり、さらに好ましくは0.15%である。
Mn:0.10~1.50%
マンガン(Mn)は、鋼材の焼入れ性を高めて、ボルトの強度を高める。Mn含有量が0.10%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、Mn含有量が1.50%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、ボルトの耐水素脆化特性が低下する。
したがって、Mn含有量は0.10~1.50%である。
Mn含有量の好ましい下限は0.15%であり、さらに好ましくは0.20%である。
Mn含有量の好ましい上限は1.30%であり、さらに好ましくは1.10%である。
P:0.030%以下
燐(P)は不純物である。つまり、P含有量の下限は0%超である。P含有量が0.030%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、Pが粒界に偏析する。その結果、ボルトの耐水素脆化特性が低下する。
したがって、P含有量は0.030%以下である。
P含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、P含有量の極端な低減は、製造コストを大幅に高める。したがって、工業生産を考慮した場合、P含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.002%であり、さらに好ましくは0.003%である。
P含有量の好ましい上限は0.025%であり、さらに好ましくは0.020%である。
S:0.030%以下
硫黄(S)は不純物である。つまり、S含有量の下限は0%超である。S含有量が0.030%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、Sが粒界に偏析する。その結果ボルトの耐水素脆化特性が低下する。
したがって、S含有量は0.030%以下である。
S含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、S含有量の極端な低減は、製造コストを大幅に高める。したがって、工業生産を考慮した場合、S含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.002%であり、さらに好ましくは0.003%である。
S含有量の好ましい上限は0.025%であり、さらに好ましくは0.020%である。
Cr:0.01~0.30%
クロム(Cr)は、鋼材の焼入れ性を高めて、ボルトの強度を高める。Crはさらに、鋼材の焼戻し軟化抵抗を高めて、ボルトの強度を高める。Cr含有量が0.01%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、Cr含有量が0.30%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、ボルトの耐水素脆化特性が低下する。
したがって、Cr含有量は0.01~0.30%である。
Cr含有量の好ましい下限は0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。
Cr含有量の好ましい上限は0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。
Mo:1.50~2.50%
モリブデン(Mo)は、MC型炭化物に濃化して、MC型炭化物の水素トラップ機能を高める。その結果、Moは、高強度を有するボルトの耐水素脆化特性を高める。Mo含有量が1.50%未満であれば、ボルト中のMC型炭化物において、金属元素のうちMo比率が60原子%以下となり、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、Mo含有量が2.50%を超えれば、MC型炭化物中のMo比率が低下する。この場合、ボルトの耐水素脆化特性が低下する。
したがって、Mo含有量は1.50~2.50%である。
Mo含有量の好ましい下限は1.60%であり、さらに好ましくは1.70%である。
Mo含有量の好ましい上限は2.40%であり、さらに好ましくは2.30%である。
V:0.01~0.30%
バナジウム(V)は、MoとともにMC型炭化物を形成して、ボルトの耐水素脆化特性を高める。V含有量が0.01%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、V含有量が0.30%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、MC型炭化物における金属元素に対するMo比率が低下する。その結果、ボルトの耐水素脆化特性が低下する。
したがって、V含有量は0.01~0.30%である。
V含有量の好ましい下限は0.03%であり、さらに好ましくは0.05%である。
V含有量の好ましい上限は0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。
Al:0.005~0.100%
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Alはさらに、Nと結合してAl窒化物を形成する。Al窒化物は、ピンニング効果により結晶粒の粗大化を抑制する。その結果、ボルトの耐水素脆化特性が高まる。Al含有量が0.005%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、Al含有量が0.100%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、粗大なAl窒化物が生成する。粗大なAl窒化物は破壊の起点になる。そのため、鋼材の加工性が低下する。
したがって、Al含有量は0.005~0.100%である。
Al含有量の好ましい下限は0.006%であり、さらに好ましくは0.007%であり、さらに好ましくは0.008%である。
Al含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%であり、さらに好ましくは0.070%である。
本実施形態の鋼材の化学組成において、Al含有量は、全Al(Total-Al)含有量を意味する。
N:0.0010~0.0300%
窒素(N)は、Alと結合してAl窒化物を形成する。Al窒化物は、ピンニング効果により結晶粒の粗大化を抑制する。その結果、ボルトの耐水素脆化特性が高まる。N含有量が0.0010%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、N含有量が0.0300%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、粗大な窒化物が生成する。粗大な窒化物は破壊の起点となる。そのため、鋼材の加工性が低下する。
したがって、N含有量は0.0010~0.0300%である。
N含有量の好ましい下限は0.0020%であり、さらに好ましくは0.0025%であり、さらに好ましくは0.0030%である。
N含有量の好ましい上限は0.0290%であり、さらに好ましくは0.0280%であり、さらに好ましくは0.0270%であり、さらに好ましくは0.0250%であり、さらに好ましくは0.0200%であり、さらに好ましくは0.0150%であり、さらに好ましくは0.0100%である。
本実施形態によるボルトの化学組成の残部は、Fe及び不純物からなる。ここで、化学組成における不純物とは、ボルトを工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、又は製造環境などから混入されるものであって、本実施形態によるボルトに悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
[任意元素(Optional Elements)]
本実施形態のボルトの化学組成はさらに、Feの一部に代えて、
Cu:0.40%以下、
Ni:0.40%以下、
B:0.0100%以下、
Ti:0.100%以下、
Nb:0.100%以下、
Zr:0.300%以下、
Ca:0.0050%以下、
Bi:0.100%以下、及び、
Te:0.100%以下、
からなる群から選択される1元素以上を含有してもよい。
以下、これらの任意元素について説明する。
[第1群:Cu、Ni及びBについて]
本実施形態によるボルトの化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Cu、Ni及びBからなる群から選択される1元素以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Cu、Ni及びBは、鋼材の焼入れ性を高めて、ボルトの強度を高める。
Cu:0.40%以下
銅(Cu)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Cu含有量は0%であってもよい。
Cuが含有される場合、つまり、Cu含有量が0%超である場合、Cuは鋼材の焼入れ性を高めて、ボルトの強度を高める。Cuが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Cu含有量が0.40%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、焼入れ性が高くなりすぎる。その結果、鋼材の加工性が低下する。
したがって、Cu含有量は0~0.40%であり、含有される場合、Cu含有量は0.40%以下(0超~0.40%)である。
Cu含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.03%であり、さらに好ましくは0.05%である。
Cu含有量の好ましい上限は0.35%であり、さらに好ましくは0.30%であり、さらに好ましくは0.25%である。
Ni:0.40%以下
ニッケル(Ni)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ni含有量は0%であってもよい。
Niが含有される場合、つまり、Ni含有量が0%超である場合、Niは鋼材の焼入れ性を高め、ボルトの強度を高める。Niが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Ni含有量が0.40%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、焼入れ性が高くなりすぎる。その結果、鋼材の加工性が低下する。
したがって、Ni含有量は0~0.40%であり、含有される場合、Ni含有量は0.40%以下(0超~0.40%)である。
Ni含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。
Ni含有量の好ましい上限は0.35%であり、さらに好ましくは0.30%であり、さらに好ましくは0.25%である。
B:0.0100%以下
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、B含有量は0%であってもよい。
Bが含有される場合、つまり、B含有量が0%超である場合、Bは鋼材の焼入れ性を高めて、ボルトの強度を高める。Bはさらに、Pの粒界偏析を抑制して、ボルトの耐水素脆化特性を高める。Bが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、B含有量が0.0100%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、粗大なB窒化物が生成する。粗大なB窒化物は割れの起点になる。その結果、鋼材の加工性が低下する。
したがって、B含有量は0~0.0100%であり、含有される場合、B含有量は0.0100%以下(0超~0.0100%)である。
B含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%であり、さらに好ましくは0.0008%である。
B含有量の好ましい上限は0.0090%であり、さらに好ましくは0.0080%であり、さらに好ましくは0.0070%であり、さらに好ましくは0.0060%であり、さらに好ましくは0.0050%である。
[第2群:Ti、Nb及びZrについて]
本実施形態によるボルトの化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Ti、Nb及びZrからなる群から選択される1元素以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Ti、Nb及びZrは、析出物を形成し、結晶粒を微細化する。その結果、ボルトの耐水素脆化特性が高まる。
Ti:0.100%以下
チタン(Ti)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ti含有量は0%であってもよい。
Tiが含有される場合、つまり、Ti含有量が0%超である場合、TiはTi炭化物等の微細な析出物を形成し、結晶粒を微細化する。その結果、ボルトの耐水素脆化特性が高まる。Tiが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Ti含有量が高すぎれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、粗大なTi窒化物が生成する。粗大なTi窒化物は割れの起点になる。その結果、鋼材の加工性が低下する。
したがって、Ti含有量は0~0.100%であり、含有される場合、Ti含有量は0.100%以下(0超~0.100%)である。
Ti含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.003%であり、さらに好ましくは0.005%である。
Ti含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%であり、さらに好ましくは0.075%である。
Nb:0.100%以下
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Nb含有量は0%であってもよい。
Nbが含有される場合、つまり、Nb含有量が0%超である場合、NbはNb炭化物等の微細な析出物を形成し、結晶粒を微細化する。その結果、ボルトの耐水素脆化特性が高まる。Nbが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Nb含有量が高すぎれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、粗大なNb炭化物等が生成する。粗大なNb炭化物等は割れの起点になる。その結果、鋼材の加工性が低下する。
したがって、Nb含有量は0~0.100%であり、含有される場合、Nb含有量は0.100%以下(0超~0.100%)である。
Nb含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.005%であり、さらに好ましくは0.010%であり、さらに好ましくは0.020%である。
Nb含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%であり、さらに好ましくは0.070%である。
Zr:0.300%以下
ジルコニウム(Zr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Zr含有量は0%であってもよい。
Zrが含有される場合、つまり、Zr含有量が0%超である場合、ZrはZr窒化物等の微細な析出物を形成し、結晶粒を微細化する。その結果、ボルトの耐水素脆化特性が高まる。Zrが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Zr含有量が0.300%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、粗大なZr窒化物が生成する。粗大なZr窒化物は割れの起点になる。その結果、鋼材の加工性が低下する。
したがって、Zr含有量は0~0.300%であり、含有される場合、Zr含有量は0.300%以下(0超~0.300%)である。
Zr含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.005%であり、さらに好ましくは0.010%であり、さらに好ましくは0.020%である。
Zr含有量の好ましい上限は0.280%であり、さらに好ましくは0.250%であり、さらに好ましくは0.200%であり、さらに好ましくは0.150%であり、さらに好ましくは0.100%である。
[第3群:Ca、Bi及びTe]
本実施形態によるボルトの化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Ca、Bi及びTeからなる群から選択される1元素以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Ca、Bi、及び、Teは、鋼材の被削性を高める。
Ca:0.0050%以下
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ca含有量は0%であってもよい。
Caが含有される場合、つまり、Caが0%超である場合、Caは鋼材の被削性を高める。Caが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Ca含有量が0.0050%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の加工性が低下する。
したがって、Ca含有量は0~0.0050%であり、含有される場合、Ca含有量は0.0050%以下(0超~0.0050%)である。
Ca含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0002%であり、さらに好ましくは0.0005%である。
Ca含有量の好ましい上限は0.0040%であり、さらに好ましくは0.0030%である。
Bi:0.100%以下
ビスマス(Bi)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Bi含有量は0%であってもよい。
Biが含有される場合、つまり、Biが0%超である場合、Biは鋼材の被削性を高める。Biが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Bi含有量が0.100%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の加工性が低下する。
したがって、Bi含有量は0~0.100%であり、含有される場合、Bi含有量は0.100%以下(0超~0.100%)である。
Bi含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。
Bi含有量の好ましい上限は0.080%であり、さらに好ましくは0.060%である。
Te:0.100%以下
テルル(Te)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Te含有量は0%であってもよい。
Teが含有される場合、つまり、Teが0%超である場合、Teは鋼材の被削性を高める。Teが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Te含有量が0.100%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の加工性が低下する。
したがって、Te含有量は0~0.100%であり、含有される場合、Te含有量は0.100%以下(0超~0.100%)である。
Te含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.002%であり、さらに好ましくは0.003%である。
Te含有量の好ましい上限は0.080%であり、さらに好ましくは0.060%である。
[ボルトの化学組成の測定方法]
本実施形態のボルトの化学組成は、周知の成分分析法で測定できる。具体的には、ドリルを用いて、ボルトの軸部の表面から1mm深さ以上の内部から、切粉を採取する。採取された切粉を酸に溶解させて溶液を得る。溶液に対して、ICP-AES(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry)を実施して、化学組成の元素分析を実施する。C含有量及びS含有量については、周知の高周波燃焼法(燃焼-赤外線吸収法)により求める。N含有量については、周知の不活性ガス溶融-熱伝導度法を用いて求める。
なお、各元素含有量は、本実施形態で規定された有効数字に基づいて、測定された数値の端数を四捨五入して、本実施形態で規定された各元素含有量の最小桁までの数値とする。例えば、本実施形態の鋼材のC含有量は小数第二位までの数値で規定される。したがって、C含有量は、測定された数値の小数第三位を四捨五入して得られた小数第二位までの数値とする。
本実施形態の鋼材のC含有量以外の他の元素含有量も同様に、測定された値に対して、本実施形態で規定された最小桁までの数値の端数を四捨五入して得られた値を、当該元素含有量とする。
なお、四捨五入とは、端数が5未満であれば切り捨て、端数が5以上であれば切り上げることを意味する。
[引張強度]
本実施形態によるボルトは、引張強度が1400MPa以上である。本実施形態によるボルトは、上述の化学組成を有し、ボルト中のMC型炭化物において、金属元素のうちMo比率が60原子%以上である。その結果、本実施形態によるボルトでは、引張強度が1400MPaであっても、優れた耐水素脆化特性が得られる。
引張強度の好ましい下限は1420MPaであり、さらに好ましくは1450MPaであり、さらに好ましくは1500MPaであり、さらに好ましくは1550MPaである。なお、引張強度の上限は特に限定されない。本実施形態によるボルトの引張強度の上限は、例えば1800MPaであり、例えば1750MPaである。
[引張強度の測定方法]
本実施形態において、引張強度は次の方法で求めることができる。JIS Z 2241:2011に準拠して、常温(20±15℃)の大気中にて、引張試験を実施して、引張強度(MPa)を得る。引張試験片は、ボルトの軸部を含むように採取し、引張試験片の中心軸は、ボルトの軸部と同軸とする。
[MC型炭化物中のMo比率]
本実施形態によるボルトでは、MC型炭化物中のFeを除く金属元素のうちMo比率が60原子%以上である。
ここで、「MC型炭化物中のFeを除く金属元素のうちMo比率が60原子%以上」とは、MC型炭化物に含有されるFeを除く金属元素の総含有量を100原子%とした場合の、Feを除く金属元素の総含有量に対する、MC型炭化物に含有されるMo含有量の比率(原子%)を意味する。
図1は、化学組成中の各元素含有量は本実施形態の範囲内であり、引張強度が1400MPa以上のボルトにおける、MC型炭化物中のMo比率(原子%)と、限界水素量(質量ppm)との関係を示すグラフである。図1は後述の実施例の結果に基づいて作成した。
限界水素量が多いほど、水素のトラップ機能に優れ、耐水素脆化特性に優れることを意味する。図1を参照して、化学組成中の各元素含有量は本実施形態の範囲内であり、引張強度が1400MPa以上のボルトにおいて、MC型炭化物中のMo比率が60原子%以上であれば、MC型炭化物中のMo比率が60原子%未満である場合よりも、限界水素量が顕著に多くなる。
したがって、本実施形態のボルトでは、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内であり、かつ、引張強度が1400MPa以上であることを前提として、ボルト中のMC型炭化物中のFeを除く金属元素のうちMo比率が60原子%以上である。
MC型炭化物中のMo比率が高い場合に限界水素量が多くなるメカニズムについては、定かではない。Vは、MC型炭化物を形成する。そして、Moは通常、MC型炭化物を形成する。しかしながら、Moが多く含有されたMC型炭化物は、MサイトがV主体で構成されたMC型炭化物や、MサイトがMo主体で構成されたMC型炭化物と比較して、水素トラップ機能が高い。そのため、MC型炭化物中のMo比率を60原子%以上とすれば、限界水素量が顕著に多くなり、ボルトの耐水素脆化特性が高まると考えられる。
上述のメカニズムは推定であるため、異なるメカニズムにより、限界水素量が高まっている可能性もある。しかしながら、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内であり、かつ、引張強度が1400MPa以上であるボルトにおいて、MC型炭化物中のFeを除く金属元素のうちMo比率が60原子%以上であれば、限界水素量が高まることは、後述の実施例で証明されている。
MC型炭化物中のMo比率の好ましい下限は原子%で62%であり、さらに好ましくは64%であり、さらに好ましくは66%である。
[MC型炭化物中のMo比率の測定方法]
MC型炭化物中のMo比率は、次の方法で求めることができる。ボルトの軸部の表面から1mm深さ以上の内部から、サンプルを切り出す。切り出されたサンプルに対して、周知の集束イオンビーム加工を実施して、先端の曲率半径が50nm程度の針状試験片を作製する。
針状試験片に対して、三次元アトムプローブ分析を実施する。三次元アトムプローブ分析により、以下の方法により、針状試験片中のMC型炭化物を特定する。三次元アトムプローブ分析では、針状試験片中に存在する析出物を三次元的に検出できる。
三次元アトムプローブ分析では、レーザー波長(λ)を355nmとし、レーザーパワーを30pJとし、針状試験片の温度を50Kとする。三次元アトムプローブ分析に用いる装置は特に限定されない。三次元アトムプローブ分析装置は例えば、アメテック株式会社製の商品名LEAP4000XHRである。
取得した測定データの再構築により三次元原子マップを得る。具体的には、装置の検出効率を用い、鉄(Fe)の測定において{110}原子面の間隔が0.2nmとなるように調節することにより、測定データを再構築して三次元原子マップを得る。
三次元原子マップにおいて、針状試験片のうち、三次元アトムプローブ分析された領域は、ボクセルと呼ばれる微小立方体に区画されている。ボクセルの一辺は1.0nmとする。ボクセル内の元素濃度(原子%)は、ボクセル内に含まれる当該元素の原子個数を、ボクセル内の全元素の原子個数で除した値で定義される。
各ボクセルでのC濃度、Mo濃度及びV濃度の合計を、特定元素濃度(原子%)と定義する。特定元素濃度が20%となるボクセルをつなぐ等濃度面を作成する。等濃度面で囲まれる領域内は、特定元素濃度が高い。等濃度面で囲まれた領域を、析出物と認定する。
認定された析出物のうち、最大長さが10nm以下の析出物を特定する。ここで、三次元的に検出された析出物の表面(つまり、析出物と鋼材母相との界面)の任意の2点を結ぶ線分のうち、線分全体が当該析出物に含まれる線分を、「特定線分」と定義する。そして、当該析出物の特定線分の最大長さを、当該析出物の最大長さと定義する。最大長さが10nm以下の析出物を、MC型炭化物と特定する。
化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内である場合、ボルト中の析出物のうち、最大長さが10nm以下の析出物はほぼMC型炭化物であり、MC型炭化物以外の他の析出物はほとんど存在しない。MC型炭化物やセメンタイト等のMC型炭化物以外の他の析出物の最大長さは、いずれも10nmを大きく超える。以下、この点について説明する。
本実施形態のボルトの軸部の表面から1mm深さ以上の内部からサンプルを採取して、厚さ50nmの薄膜試料を作成した。作成した薄膜試料を透過型電子顕微鏡(Transmission Election Microscope:TEM)で観察して、コントラストにより析出物を特定した。特定された析出物の最大長さを求めた。さらに、特定された析出物に対して結晶構造解析を実施して、析出物の結晶構造を判定し、析出物の種類を特定した。その結果、本実施形態の化学組成を有するボルトでは、最大長さが10nm以下の析出物はほぼMC型炭化物であり、他の析出物はほとんど存在しなかった。MC型炭化物以外の他の析出物(MC型炭化物やセメンタイト等)の最大長さは10nmを大きく超えた。
以上の結果から、三次元アトムプローブ分析で得られた三次元原子マップにおける析出物のうち、最大長さが10nm以下の析出物は、MC型炭化物であると特定する。
特定された複数のMC型炭化物のうち、任意の20個のMC型炭化物を選択する。そして、選択された各MC型炭化物中のFeを除く金属元素の総原子数と、Moの原子数とを求める。そして、Feを除く金属元素の総原子数に対するMoの原子数の比率を、Mo比率(原子%)とする。金属元素とは、単体が金属を形成する元素である。したがって、Si、B、P、S、C、N、Oは金属元素には含まれない。
選択された20個の各MC型炭化物で求めたMo比率の算術平均値を、ボルトのMC型炭化物中のFeを除く金属元素のうちのMo比率(原子%)と定義する。
[本実施形態のボルトの効果]
以上の説明のとおり、本実施形態のボルトは、次の構成を有する。
(1)化学組成中の各元素含有量が、本実施形態の範囲内である。
(2)引張強度が1400MPa以上である。
(3)MC型炭化物中のFeを除く金属元素のうちMo比率が60原子%以上である。
上述の構成のボルトでは、引張強度が1400MPa以上と高くても、優れた耐水素脆化特性が得られる。
耐水素脆化特性の指標として、限界水素量を用いることができる。限界水素量が高いほど、耐水素脆化特性に優れることを意味する。限界水素量とは、鋼材が遅れ破壊を起こさない上限の水素量を意味する。
[限界水素量の測定方法]
限界水素量は、次の方法で求めることができる。ボルトの表面から1mm深さ以上の内部から環状切欠き付き丸棒試験片(以下、単に丸棒試験片という)を採取する。丸棒試験片のサイズは特に限定されないが、例えば、平行部の直径が7mm、長さが70mmである。丸棒試験片の長手方向の中央位置には、周方向に延びる環状の切欠きが形成されている。切欠きの底部のRは0.175mmである。
丸棒試験片を複数準備する。陰極水素チャージ法により、丸棒試験片に対して、種々の条件で水素をチャージする。陰極水素チャージ法は次のとおりである。3質量%の塩化ナトリウム水溶液1Lに対し、0~20gのチオシアン酸アンモニウムを添加した室温の水溶液(陰極水素チャージ溶液)を準備する。陰極水素チャージ溶液中に丸棒試験片を浸漬した状態で、72時間、カソード電流密度を0.03~1.00mA/cmの範囲で制御した定電流を発生させて、丸棒試験片に水素を添加する。陰極水素チャージ溶液中のチオシアン酸アンモニウムの濃度と、カソード電流密度とを調整することにより、丸棒試験片の水素量を調整する。
陰極水素チャージ法を実施した後、丸棒試験片を室温で96時間放置する。その後、水素がチャージされた丸棒試験片の表面に、亜鉛めっき被膜を形成し、丸棒試験片内の水素が外部に漏れないようにする。丸棒試験片に対して引張強度の90%の負荷が掛かるように、常温、大気圧で一定荷重を負荷する定荷重試験を実施する。試験時間は最大で100時間とし、100時間以上丸棒試験片が破断せずに耐久した場合は試験を停止する。種々の条件で水素チャージした複数の丸棒試験片を用いて定荷重試験を実施する。
100時間経過後、破断しなかった丸棒試験片の水素量を求める。具体的には、初めに、丸棒試験片の表面の亜鉛めっき被膜を除去する。亜鉛めっき被膜を除去した後、丸棒試験片に対して、ガスクロマトグラフによる昇温脱離水素分析を実施する。昇温脱離水素分析では、常温から600℃まで昇温速度100℃/時間で昇温する。昇温中に丸棒試験片から放出される水素量を測定する。測定された水素量(質量ppm)を、その丸棒試験片にチャージされていた水素量(質量ppm)とする。
100時間の定荷重試験で破断しなかった丸棒試験片の水素量のうち、最大の水素量を、「限界水素量」(質量ppm)と定義する。
本実施形態のボルトでは例えば、限界水素量が1.0質量ppm以上となる。限界水素量の好ましい下限は、1.2質量ppmであり、さらに好ましくは1.4質量ppmである。
[ボルトのミクロ組織]
本実施形態のボルトのミクロ組織は、面積率で90%以上の硬質相を含む。ここでいうボルトのミクロ組織とは、後述する製造工程において、焼入れ及び焼戻しが施されて製造されたボルトのミクロ組織を意味する。また、硬質相は、マルテンサイト及び/又はベイナイトからなる。ボルトのミクロ組織に硬質相以外の他の相が含まれる場合、ボルトのミクロ組織において、硬質相以外の残部は、残留オーステナイト、フェライト、パーライトからなる群から選択される1種以上からなる。好ましくは、ミクロ組織は、面積率で90%以上の硬質相を含有し、残部は残留オーステナイトからなる。なお、ボルトの引張強度は、ミクロ組織と相関する。
[製造方法]
本実施形態によるボルトの製造方法の一例を説明する。以降に説明するボルトの製造方法は、本実施形態によるボルトを製造するための一例である。したがって、上述の構成を有するボルトは、以降に説明する製造方法以外の他の製造方法により製造されてもよい。しかしながら、以降に説明する製造方法は、本実施形態によるボルトの製造方法の好ましい一例である。
本実施形態によるボルトの製造方法の一例は、次の工程を含む。
(1)鋼材準備工程
(2)ボルト製造工程
以下、各工程について説明する。
[(1)鋼材準備工程]
鋼材準備工程では、ボルトの素材となる鋼材(ボルト用鋼材)を準備する。ボルト用鋼材を製造してもよい。また、第三者から供給されたボルト用鋼材を準備してもよい。鋼材準備工程では、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内である鋼材を準備する。
ボルト用鋼材を製造する場合、例えば、次の方法で鋼材を製造する。初めに、化学組成中の各元素含有量が本実施形態の範囲内である溶鋼を製造する。溶鋼を用いて、素材を製造する。例えば、溶鋼を用いて連続鋳造法により、素材であるブルーム(鋳片)を製造してもよいし、溶鋼を用いて造塊法により、素材であるインゴットを製造してもよい。製造された素材(ブルーム又はインゴット)に対して粗圧延(分塊圧延、又は、分塊圧延及び連続圧延機での熱間圧延)を実施して、ビレットを製造する。ビレットに対して連続圧延機を用いた仕上げ圧延を実施して、鋼材(ボルト用鋼材)を製造する。鋼材は例えば棒鋼又は線材である。
[(2)ボルト製造工程]
ボルト製造工程では、上述のボルト用鋼材を用いてボルトを製造する。ボルト製造工程は、次の工程を含む。
(21)伸線加工工程
(22)冷間鍛造工程
(23)焼入れ及び焼戻し工程
以下、各工程について説明する。
[(21)伸線加工工程]
伸線加工工程では、上述のボルト用鋼材に対して周知の伸線加工を実施して鋼線を製造する。伸線加工は、一次伸線のみであってもよいし、二次伸線等、複数回の伸線加工を実施してもよい。
[(22)冷間鍛造工程]
冷間鍛造工程では、伸線加工工程後の鋼線に対して、周知の冷間鍛造を実施して、ボルト形状の中間品を製造する。
[(23)焼入れ及び焼戻し工程]
焼入れ及び焼戻し工程では、中間品に対して、焼入れ及び焼戻しを実施する。
[焼入れ]
焼入れは周知の方法で実施される。焼入れ温度及び焼入れ温度での保持時間は特に限定されない。焼入れ温度は例えば、840~970℃である。焼入れ温度での保持時間は例えば、15分~360分(6時間)である。保持時間経過後の中間品を急冷する。具体的には、中間品に対して水冷又は油冷を実施する。
[焼戻し]
焼入れ後の中間品に対して、焼戻しを実施する。焼戻しの条件は次のとおりである。
焼戻し温度T :570~660℃
焼戻し温度での保持時間t:0.5~6.0時間
焼戻し条件式 :式(A)で定義されるFn1が3500~155000
Fn1=T×t×[Mo]/[V] (A)
ここで、式(A)中のTには、焼戻し温度T(℃)が代入される。式(A)中のtには、焼戻し時間t(時間)が代入される。式(A)中の[Mo]には、鋼材中のMo含有量(質量%)が代入される。式(A)中の[V]には、鋼材中のV含有量(質量%)が代入される。
以下、これらの焼戻し条件について説明する。
[焼戻し温度T]
焼戻し温度Tが高すぎれば、ボルトの引張強度が1400MPa未満となる。したがって、焼戻し温度Tは570~660℃である。なお、焼戻し温度Tの下限は周知の温度である。
[焼戻し温度Tでの保持時間t]
焼戻し温度Tでの保持時間tは周知の範囲である。本実施形態では、焼戻し温度Tでの保持時間tは0.5~6.0時間である。
[Fn1]
焼戻しではさらに、式(A)で定義されるFn1を3500~155000とする。
Fn1=T×t×[Mo]/[V] (A)
Fn1は、MC型炭化物の生成に関するパラメータである。Fn1が3500未満であれば、MC型炭化物にMoが十分に含まれない。そのため、ボルト中のMC型炭化物のMo比率が60原子%未満となる。したがって、Fn1は3500以上である。
なお、Fn1が高すぎれば、ボルトの強度が低下する。したがって、Fn1は155000以下である。
Fn1の好ましい下限は4000であり、さらに好ましくは5000であり、さらに好ましくは6000であり、さらに好ましくは7000であり、さらに好ましくは8000であり、さらに好ましくは10000である。Fn1の好ましい上限は100000であり、さらに好ましくは80000であり、さらに好ましくは60000であり、さらに好ましくは50000である。
以上の製造方法により、本実施形態によるボルトを製造することができる。なお、上述の製造方法は、本実施形態によるボルトの製造方法のうち、好ましい一例である。したがって、上述の製造方法以外の他の製造方法によって、上述の構成を有するボルトを製造してもよい。要するに、上述の構成を有する本実施形態のボルトを製造できれば、製造方法は特に限定されない。
[その他の工程について]
本実施形態によるボルト製造工程は、上述の工程以外の他の工程を含んでいてもよい。例えば、伸線加工工程後であって冷間鍛造工程前に、球状化熱処理工程を実施してもよい。また、冷間鍛造工程後であって焼入れ及び焼戻し工程前、又は、焼入れ及び焼戻し工程後に、転造加工工程を実施して、ねじ山を形成してもよい。さらに、焼入れ焼戻し工程後、圧縮残留応力付与工程を実施してもよい。これらの工程はいずれも、任意の工程であり、実施されなくてもよい。
実施例により本実施形態のボルトの効果をさらに具体的に説明する。以下の実施例での条件は、本実施形態のボルトの実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例である。したがって、本実施形態のボルトはこの一条件例に限定されない。
表1に示す化学組成を有する、ボルトの素材となる鋼材(棒鋼)を準備した。
Figure 2023090147000002
表1中の「-」は、対応する元素含有量が、本実施形態に規定の有効数字(最小桁までの数値)において、0%であることを意味する。換言すれば、対応する元素含有量において、本実施形態で規定の有効数字(最小桁までの数値)での端数を四捨五入した場合に0%であることを意味する。
例えば、本実施形態で規定されたCu含有量は小数第二位までの数値で規定されている。したがって、表1中の試験番号1では、測定されたCu含有量が、小数第三位で四捨五入した場合に、0%であったことを意味する。
また、本実施形態で規定されたNi含有量は小数第二位までの数値で規定されている。したがって、表1中の試験番号1では、測定されたNi含有量が、小数第三位で四捨五入した場合に、0%であったことを意味する。
なお、四捨五入とは、規定された最小桁の下の桁(端数)が5未満であれば切り捨て、5以上であれば切り上げることを意味する。
[鋼材準備工程]
各鋼種番号の鋼材を次の方法で製造した。表1に記載の化学組成を有するブルームに対して、粗圧延(分塊圧延及び連続圧延機での熱間圧延)を実施して、ビレットを製造した。ブルームの加熱温度は1200℃であった。製造されたビレットに対して、仕上げ圧延を実施して、直径20mmの棒鋼を製造した。仕上げ圧延時のビレットの加熱温度は1200℃であった。
[ボルト製造工程]
製造された鋼材を用いて、ボルトを製造した。初めに、表2に示す各試験番号の直径20mmの鋼材に対して、各試験番号で同じ条件で伸線加工を実施して、直径16mmの鋼線を製造した。各試験番号の鋼線に対して、各試験番号で同じ条件で冷間鍛造(ボルト成形)を実施して、対角距離30mm、頭部高さ10mm、呼び長さ100mmの六角ボルト形状の中間品を製造した。
Figure 2023090147000003
製造された中間品に対して、焼入れ及び焼戻しを実施した。焼入れでは、各試験番号ともに、焼入れ温度を920℃、焼入れ温度での保持時間を60分(1時間)とした。保持時間経過後の中間品を水冷した。
焼入れ後の中間品に対して、焼戻しを実施した。各試験番号の焼戻し温度T(℃)、焼戻し温度での保持時間t(時間)、及びFn1を表2中の「焼戻し温度T(℃)」欄、「保持時間t(時間)」欄、及び、「Fn1」欄に示す。
以上の製造工程により、各試験番号のボルトを製造した。
[評価試験]
各試験番号のボルトに対して、次の評価試験を実施した。
[化学組成分析試験]
上述に記載の[ボルトの化学組成の測定方法]を実施して、各試験番号のボルトの化学組成を分析した。その結果、各試験番号のボルトの化学組成は、表1に記載のとおりであった。
[引張試験]
上述に記載の[引張強度の測定方法]に基づいて、各試験番号のボルトの引張強度TS(MPa)を求めた。求めた引張強度TSを表2中の「TS(MPa)」欄に示す。
なお、得られた引張強度が1400MPa未満であった試験番号では、以降のMo比率測定試験、及び、限界水素量測定試験を実施しなかった。
[MC型炭化物中のMo比率測定試験]
上述に記載の[MC型炭化物中のMo比率の測定方法]に基づいて、各試験番号のボルトのMC型炭化物中の金属元素のうちのMo比率(原子%)を求めた。求めたMo比率を、表2中の「Mo比率(原子%)」欄に示す。
[限界水素量測定試験]
上述に記載の[限界水素量の測定方法]に基づいて、各試験番号のボルトの限界水素量(質量ppm)を測定した。得られた限界水素量(質量ppm)を表2中の「限界水素量(質量ppm)」欄に示す。
[評価試験結果]
表1及び表2を参照して、試験番号1~23のボルトの化学組成は適切であった。さらに、MC型炭化物中のMo比率が60原子%以上であった。そのため、引張強度が1400MPa以上と高かった。さらに、限界水素量が1.0質量ppm以上と高く、耐水素脆化特性に優れた。
一方、試験番号24では、Mo含有量が低すぎた。そのため、MC型炭化物中のMo比率が60原子%未満となった。その結果、限界水素量が1.0質量ppm未満となり、耐水素脆化特性が低かった。
試験番号25では、Mo含有量が高すぎた。そのため、限界水素量が1.0質量ppm未満となり、耐水素脆化特性が低かった。
試験番号26では、V含有量が低すぎた。そのため、限界水素量が1.0質量ppm未満となり、耐水素脆化特性が低かった。
試験番号27では、V含有量が高すぎた。そのため、MC型炭化物中のMo比率が60原子%未満となった。その結果、限界水素量が1.0質量ppm未満となり、耐水素脆化特性が低かった。
試験番号28では、Cr含有量が高すぎた。そのため、限界水素量が1.0質量ppm未満となり、耐水素脆化特性が低かった。
試験番号29では、焼戻し温度Tが高すぎた。そのため、引張強度が1400MPa未満となった。
試験番号30及び試験番号31では、焼戻し温度T及び保持時間tは適切な範囲であったものの、Fn1が低すぎた。そのため、MC型炭化物中のMo比率が60原子%未満となった。その結果、限界水素量が1.0質量ppm未満となり、耐水素脆化特性が低かった。
試験番号32及び試験番号33では、焼戻し温度T及び保持時間tは適切な範囲であったものの、Fn1が高すぎた。そのため、引張強度TSが1400MPa未満となった。
以上、本開示の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。したがって、本開示は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (2)

  1. ボルトであって、
    質量%で、
    C:0.30~0.50%、
    Si:0.01~0.30%、
    Mn:0.10~1.50%、
    P:0.030%以下、
    S:0.030%以下、
    Cr:0.01~0.30%、
    Mo:1.50~2.50%、
    V:0.01~0.30%、
    Al:0.005~0.100%、及び、
    N:0.0010~0.0300%、を含有し、
    残部はFe及び不純物からなり、
    引張強度が1400MPa以上であり、
    前記ボルト中のMC型炭化物において、Feを除く金属元素のうちMo比率が60原子%以上である、
    ボルト。
  2. 請求項1に記載のボルトであってさらに、
    Feの一部に代えて、
    Cu:0.40%以下、
    Ni:0.40%以下、
    B:0.0100%以下、
    Ti:0.100%以下、
    Nb:0.100%以下、
    Zr:0.300%以下、
    Ca:0.0050%以下、
    Bi:0.100%以下、及び、
    Te:0.100%以下、
    からなる群から選択される1元素以上を含有する、
    ボルト。
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