JP2023090006A - 遊技機 - Google Patents

遊技機 Download PDF

Info

Publication number
JP2023090006A
JP2023090006A JP2021204717A JP2021204717A JP2023090006A JP 2023090006 A JP2023090006 A JP 2023090006A JP 2021204717 A JP2021204717 A JP 2021204717A JP 2021204717 A JP2021204717 A JP 2021204717A JP 2023090006 A JP2023090006 A JP 2023090006A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
game
state
combination
predetermined
gaming machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021204717A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7432944B2 (ja
Inventor
毅 只野
Takeshi Tadano
篤 西田
Atsushi Nishida
祐 小山
Yu Koyama
繁 塚越
Shigeru Tsukagoshi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Universal Entertainment Corp
Original Assignee
Universal Entertainment Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Universal Entertainment Corp filed Critical Universal Entertainment Corp
Priority to JP2021204717A priority Critical patent/JP7432944B2/ja
Publication of JP2023090006A publication Critical patent/JP2023090006A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7432944B2 publication Critical patent/JP7432944B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】 遊技価値の管理に関する制御を行う基板に接続されたスイッチに対する操作が正確に行われたか否かを示す情報を報知する。【解決手段】 本発明の遊技機は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技制御手段に接続され、遊技価値の管理に関する制御を行う遊技価値制御手段と、遊技価値制御手段に接続され、遊技価値に関する情報を表示する遊技価値表示手段と、遊技価値制御手段に接続され、所定の操作を検出可能な所定操作検出手段と、を備え、所定操作検出手段により所定の操作が検出された場合には、遊技価値表示手段に表示される遊技価値に関する情報が更新可能である。【選択図】 図39

Description

本発明は、パチスロ機やパチンコ機等の遊技機に関する。
従来、遊技媒体であるメダルを遊技機に投入することなく、メダル貸出装置(サンド)から直接、遊技価値が付与される、所謂、メダルレス遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2019-187818号公報
ところで、特許文献1に記載の遊技機では、筐体内部に、遊技価値の払出数の計数制御を行う払出制御基板が取り付けられ、この払出制御基板に接続されたスイッチ(ボタン)類には、係員が操作可能なスイッチも含まれる。そこで、このようなスイッチに対して操作が正確に行われたか否かを示す情報を報知する技術が求められている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技機において、遊技価値の管理に関する制御を行う基板に接続されたスイッチ(ボタン)に対する操作が正確に行われたか否かを示す情報を報知することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態に係る遊技機によれば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、後述の主制御用マイクロプロセッサ450)と、
前記遊技制御手段に接続され、遊技価値の管理に関する制御を行う遊技価値制御手段(例えば、後述のメダル数制御用マイクロプロセッサ460)と、
前記遊技価値制御手段に接続され、遊技価値に関する情報を表示する遊技価値表示手段(例えば、後述のメダル数表示ユニット426b)と、
前記遊技価値制御手段に接続され、所定の操作を検出可能な所定操作検出手段(例えば、後述のメダル数クリアスイッチ443a)と、を備え、
前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出された場合には、前記遊技価値表示手段に表示される前記遊技価値に関する情報が更新可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機では、所定の操作が検出された場合に遊技価値表示手段に表示される遊技価値に関する情報が更新可能であるので、所定操作検出手段(後述のメダル数クリアスイッチ443a)に対する所定の操作(後述の押下操作)が正確に行われたか否かを示す情報を操作者に報知することができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技価値に関する情報は、前記遊技機に貯留されている遊技価値の数であり、
電源投入時に、前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出されている場合には、前記遊技価値表示手段に表示される前記遊技価値に関する情報が初期化される、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、遊技価値の貯留数(クレジット数)の管理に関かる制御において想定外のエラー(異常)が発生しても、所定操作検出手段(後述のメダル数クリアスイッチ443a)に対して所定の操作を行うことにより、遊技価値の貯留数が初期化(クリア)され、当該エラーを容易に解除することができる。また、上記特徴を設けた場合、所定操作検出手段に対して所定の操作を行うことにより、遊技価値表示手段に表示される遊技価値の貯留数が初期化されるので、所定の操作を行った遊技店の係員等が、遊技価値の貯留数の初期化操作(所定の操作)が正確に行われていることを認識し易くなる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技制御手段に接続され、演出の制御を行う演出制御手段(例えば、後述のサブCPU)と、
前記演出制御手段に接続され、音声を出力する音声出力手段(例えば、後述のスピーカ群429に含まれるスピーカ)と、をさらに備え、
前記遊技価値制御手段は、前記所定操作検出手段による検知結果を前記遊技制御手段に通知し、
前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出されている状態では、前記遊技制御手段は、前記所定の操作が行われていることを示す所定の情報(例えば、後述のメダル数クリア開始コマンド)を、前記演出制御手段に通知し、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から前記所定の情報が通知されると、前記音声出力手段を制御し、前記音声出力手段から所定の音声(例えば、後述のメダル数クリアサウンド)を出力可能である、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、所定操作検出手段(後述のメダル数クリアスイッチ443a)に対する所定の操作により遊技価値の貯留数がクリアされたことを、遊技価値表示手段により報知するとともに、音声出力手段でも報知することができる。それゆえ、上記特徴を設けた場合、例えば、遊技店の係員等が所定操作検出手段に対して所定の操作を行った場合に、遊技価値表示手段での表示を目視し難い状況が発生しても、所定操作検出手段に対して所定の操作(有効操作)が行われたことを確実に遊技店の係員等に報知することができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出されている状態から前記所定の操作が検出されない状態に移行した場合、前記遊技制御手段は、前記所定の操作が行われていないことを示す特定の情報(例えば、後述のメダル数クリア終了コマンド)を、前記演出制御手段に通知し、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から前記特定の情報が通知され、その際に、前記所定の音声が出力されている場合には、前記音声出力手段を制御し、前記所定の音声の出力を停止可能である、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、所定操作検出手段(後述のメダル数クリアスイッチ443a)に対する所定の操作の終了に連動して、所定の音声(後述のメダル数クリアサウンド)の出力も停止するので、所定の操作終了後(貯留数のクリア処理終了後)も所定の音声が鳴り続けるような状況が発生せず、不快感を与えるような状況の発生を防止することができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記所定の音声の出力期間が予め設定されている、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、所定操作検出手段に対する所定の操作の継続時間(後述のメダル数クリアスイッチ443aの押下時間)が長くなっても、予め決められた出力期間で所定の音声(後述のメダル数クリアサウンド)の出力が停止するので、長時間、所定の音声が鳴り続けるような状況が発生せず、不快感を与えるような状況の発生を防止することができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技制御手段は、単位遊技毎に繰り返されるメイン制御処理と、所定の周期(例えば、後述の1.1172msec周期)で繰り返される割込み処理とを実行可能であり、
前記遊技制御手段が、前記遊技価値制御手段から前記所定操作検出手段での検知結果の通知を受ける処理、及び、前記所定操作検出手段での検知結果に対応する前記所定の情報又は前記特定の情報を前記演出制御手段に通知する処理は、前記割込み処理の中で行われる、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、設定変更処理中に、所定操作検出手段での検知結果のチェック処理(例えば、後述のメダル数クリアチェック処理)を行うことも可能になる。
また、前記本発明の遊技機では、前記演出制御手段に接続され、遊技に関する情報を表示可能な表示手段(例えば、後述の表示装置413)をさらに備え、
前記表示手段は、選択可能な複数の項目を含むメニュー画面を表示可能であり、
前記メニュー画面では、前記音声出力手段の音量調整が可能であり、
前記遊技制御手段から前記演出制御手段に前記所定の情報が通知された際に、前記表示手段により前記メニュー画面が表示されている場合には、前記音声出力手段による前記所定の音声の出力動作は行われず、前記メニュー画面の表示終了後に前記所定の音声の出力動作が行われる、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、設定変更操作、又は、設定確認操作が終了した後に所定の音声が出力されるので、遊技店の係員等が、7セグLEDに表示されている遊技価値の貯留数がクリアされていることの確認(目視)を忘れずに行うことができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技価値制御手段及び前記所定操作検出手段はそれぞれ、個々の基板に実装され、
前記所定操作検出手段に対する前記所定の操作は、専用の器具を使用して行われる、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、所定操作検出手段(例えば、後述のメダル数クリアスイッチ443a)に対して、誤って所定の操作(後述の押下操作)が行われることを防止することができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技価値表示手段は、前記遊技価値の管理に関する制御において発生したエラーを表示するエラー表示手段(例えば、後述のメダル数表示ユニット426b内のエラー表示用の1桁の7セグLED)を有する、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、遊技価値の管理に関する制御に対するエラー専用の表示手段が設けられるので、例えば、遊技価値の管理に関する制御のエラーと、それ以外の他のエラーとの混同が無くなり、遊技価値の管理に関する制御のエラーが発生していることを容易に認識することができ、エラー解除の対応についても容易に決定することが可能になる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技価値制御手段は、貯留されている遊技価値の数を計数する貯留数計数手段(例えば、後述のメダルカウンター)を有し、
前記遊技価値の払い出しが行われる際に、当該遊技価値の払出数を前記貯留数計数手段で計数されている遊技価値の貯留数に加算した結果が前記遊技価値の貯留数の上限値である第1の閾値を超える場合には、遊技の進行が停止するとともに、前記エラー表示手段により前記遊技価値の貯留数が前記第1の閾値を超えることが報知され、
前記遊技価値の払い出しが行われる際に、当該遊技価値の払出数を前記貯留数計数手段で計数されている遊技価値の貯留数に加算した結果が前記遊技価値の貯留数の前記第1の閾値未満の第2の閾値を超える場合には、遊技の進行は停止しないが、前記エラー表示手段により前記遊技価値の貯留数が前記第2の閾値を超えることが報知される、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、遊技価値の払出数を現在の遊技価値の貯留数に加算した結果が第1の閾値(上限値)を超える場合には、遊技の進行を停止させるとともに、エラー表示手段により遊技価値の貯留数が第1の閾値(上限値)を超えること(後述の上限超過エラー)を報知するので、遊技者に対して貯留されている遊技価値の精算操作を促すことができる。また、上記特徴を有する遊技機では、遊技価値の払出数を現在の遊技価値の貯留数に加算した結果が第1の閾値(上限値)未満の第2の閾値を超える場合にも、エラー表示手段により遊技価値の貯留数が第2の閾値を超えること(後述の上限超過予告エラー)が報知するが、この際、遊技の進行を停止させない。それゆえ、このような遊技価値の貯留数の上限超過予告エラー(警告)の報知機能を設けた場合には、遊技の進行を停止させるような上限超過エラーが発生する前に、遊技者に対して貯留されている遊技価値の精算操作を速やかに促すことができ、この場合には、遊技の進行を停止させることなく、スムーズに遊技を続けることが可能になる。
上記構成の本発明の遊技機によれば、例えば、遊技価値の管理に関する制御を行う基板に接続されたスイッチ(ボタン)に対する操作が正確に行われたか否かを示す情報を操作者に報知することができる。
本実施形態に係る遊技機の外部構造を示す図である。 本実施形態に係る遊技機の内部構造を示す図である。 本実施形態に係る遊技機の電気的構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る遊技機の機能フローを説明するための図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の遊技性を説明するための図である。 本実施形態に係る第1の遊技機のモードを説明するための図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の各種テーブルを示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の各種テーブルを示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の図柄配置テーブルを示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の内部抽籤テーブルを示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の図柄組合せテーブルを示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の図柄組合せテーブルを示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の図柄組合せテーブルを示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の図柄組合せテーブルを示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係を説明するための図である。 本実施形態に係る第1の遊技機のリミット処理を説明するための図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、図柄コード格納領域の構成を示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の持越役格納領域の構成を示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の構成を示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機のモードフラグ格納領域の構成を示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の構成を示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の押下順序格納領域の構成を示す図である。 本実施形態に係る第1の遊技機の主制御回路により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1の遊技機の主制御回路により実行される電源投入時処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1の遊技機の主制御回路により実行されるメダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1の遊技機の主制御回路により実行される内部抽籤処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1の遊技機の主制御回路により実行される遊技開始時状態制御処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1の遊技機の主制御回路により実行される有利区間中遊技開始時処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1の遊技機の主制御回路により実行されるリール停止制御処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1の遊技機の主制御回路により実行される遊技終了時状態制御処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1の遊技機の主制御回路により実行される有利区間中遊技終了時処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第1の遊技機の主制御回路により実行される定期割込処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る遊技機の副制御回路により実行されるサブ側制御処理の概要を示すフローチャートである。 本実施形態に係るメダルレス遊技機の構成例を示す図である。 本実施形態に係る遊技機の主制御基板の構成例を示す図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムの外観構造を示す斜視図である。 本実施形態に係る第2の遊技機に設けられた遊技情報表示ユニット、メダル数表示ユニット及びメダル貸表示ユニットの構成例を示す図である。 本実施形態に係る第2の遊技機の内部構造を示す図である。 本実施形態に係る第2の遊技機が備える制御系の全体構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る第2の遊技機に設けられたメダル数クリアスイッチの取り付け例を示す図である。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板の内部構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板の内部構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板及びメダル数制御基板に搭載されたマイクロプロセッサの内部構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る第2の遊技機における役比モニターの構成、取り付け例及び情報の表示内容を示す図である。 本実施形態に係る第2の遊技機における主制御基板、メダル数制御基板及び副制御基板間に設けられたデータの通信機構及び入出力機構の概略動作を示す図である。 本実施形態に係る第2の遊技機において、1ベットボタン押下時に行われるラインLEDの点灯制御のタイミングチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機において、精算中にスタートレバーが操作された場合に行われる遊技開始制御のタイミングチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機において、メダルカウンターの上限超過時に行われる制御のタイミングチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムにおいて、遊技機及び遊技媒体貸出装置間に設けられたデータの入出力機構の概略構成図である。 本実施形態に係る第2の遊技機及び遊技媒体貸出装置間のデータの入出力制御例を示す図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムにおいて、起動時に行われるメダル数制御基板及び遊技媒体貸出装置間の接続確認処理の概要を説明するための図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムにおいて、遊技機及び遊技媒体貸出装置間に設けられたデータの入出力機構の概略構成図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムにおいて、貸出操作時に行われるメダル数制御基板及び遊技媒体貸出装置間の貸出処理の概要を説明するための図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムにおいて、遊技機及び遊技媒体貸出装置間に設けられたデータの入出力機構の概略構成図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムにおいて、精算操作時に行われるメダル数制御基板及び遊技媒体貸出装置間の精算処理の概要を説明するための図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムにおいて、チップ個別ナンバーの送信時に行われる主制御基板、メダル数制御基板及び遊技媒体貸出装置間の送信処理の概要を説明するための図である。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により電源投入後に実行される主要動作処理(メイン処理)の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により実行される電源投入時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により実行される設定変更処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により実行される遊技開始準備処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により実行されるメダル返却処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により実行される遊技開始処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により実行される遊技終了処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により実行される遊技メダル払出処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により実行される定周期割込処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により実行されるメダル数クリアチェック処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の主制御基板により実行される受信時割込処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行される電源投入時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行されるメダル数クリアスイッチチェック処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行される周辺機器接続確認処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行される起動コマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行される周辺機器識別コード送信処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行される設定変更受信時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行されるメダル投入要求コマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行されるメダル返却要求コマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行されるメダル払出要求コマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行される精算スイッチ押下時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行されるメダル貸出指示コマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行される定周期割込処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行される遊技情報受信時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機のメダル数制御基板により実行される主制御受信時割込処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機に接続された遊技媒体貸出装置により実行される電源投入時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機に接続された遊技媒体貸出装置により実行されるメダル数制御接続確認処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機に接続された遊技媒体貸出装置により実行されるメダル貸出処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機に接続された遊技媒体貸出装置により実行されるメダル計数(精算)処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の副制御基板により実行される主制御コマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機の副制御基板により実行される非遊技進行系コマンド受信時処理の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムの変形例1の概略構成図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムの変形例2の概略構成図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムの変形例3の概略構成図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムの変形例5において、精算処理時に行われる2線同期方式のデータ通信のレベル制御例を示す図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムの変形例6において、メダル数制御基板及び遊技媒体貸出装置間に設けられた断線検知回路の概略構成図である。 本実施形態に係る第2の遊技機を含む遊技システムの変形例7の概略構成、及び、構成装置間で行われる認証情報の送受信フローを示す図である。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る遊技機について説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明する。
[1.パチスロ機の構造]
まず、図1及び図2を参照して、パチスロ機1の構造について説明する。なお、図1は、パチスロ機1の外部構造を示す図であり、図2は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。また、説明の便宜上、以下の外部構造の説明において、内部構造の一部を説明する場合があり、内部構造の説明において、外部構造の一部を説明する場合がある。
[1-1.外部構造]
[1-1-1.筐体]
パチスロ機1は、矩形箱状の筐体2により構成されている。また、筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
キャビネットGは、中間支持板G1と、左右一対の側面壁G2と、背面壁G3と、上面壁G4と、底面壁G5とを有している。なお、図1及び図2においては、背面壁G3及び底面壁G5の図示を省略している。また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に所定の間隔を空けて、上下方向に貫通する2つの開口G4aが形成されている。そして、この2つの開口G4aそれぞれを塞ぐように木製の板部材G4bが上面壁G4に取付けられている。
なお、板部材G4bは、パチスロ機1を遊技店に設置する際に遊技島(不図示)に固定するために用いられるが、このような固定の方法が確保される限り、金属材や樹脂材で構成することもできるし、上面壁G4と一体に形成することもできる。また、キャビネットGについて一定の強度が確保される限り、各構成部材の一部又は全部を木材や樹脂材で構成することもできる。
また、キャビネットGは、その内部において、中間支持板G1を挟んで上側に、前方に開口する上側開口部G101が形成されており、中間支持板G1を挟んで下側に、前方に開口する下側開口部G102が形成されている。すなわち、キャビネットG内は、中間支持板G1を挟んで上部空間と下部空間とに仕切られており、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、後述のメイン表示装置210等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、後述のリールユニットRUや主制御基板71等が収容される。
なお、キャビネットGは、必ずしも中間支持板G1を含んで構成されていなくともよい。すなわち、キャビネットG内において各装置等が適切に収容される限り、上部空間と下部空間を仕切らない構成としてもよい。また、キャビネットGは、単に「箱体」や「本体」と称することもできるし、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「本体枠」、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」等と称することもできる。
[1-1-2.前面扉]
上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGにおける開口の上部空間及び下部空間を閉塞可能に設けられている。すなわち、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、パチスロ機1の前面側に設けられた前面扉(フロントドア)として機能している。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのそれぞれは、例えば、左側の側面壁G2に設けられたヒンジ等の開閉機構(不図示)によって、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。なお、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのいずれか一方については上述の開閉機構によって開閉自在とし、他方については一方のドア機構が開放状態となったときにのみ着脱可能となるように構成することもできる。
上ドア機構UDは、その中央部に設けられた演出表示窓UD1と、演出表示窓UD1の上部に設けられた上部ランプ23とを有している。演出表示窓UD1は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に設けられた後述のメイン表示装置210を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。なお、本実施形態では、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を、メイン演出表示部21として説明する場合がある。
下ドア機構DDは、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRUとを有している。
リールユニットRUは、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の左側に設けられたサブ演出表示部22と、メイン表示窓4の右側に設けられた演出用ボタン10bとを有している。サブ演出表示部22は、後述のサブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。なお、サブ演出表示部22をタッチパネルとして構成し、演出表示を行う機能のみならず、演出用ボタンの1つとして機能させることもできる。演出用ボタン10bは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の下方に形成された略水平面の台座部において、左側に設けられたMAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9と、略中央部に設けられた演出用ボタン10aと、右側に設けられたメダル投入口5とを有している。
MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、パチスロ機1の内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者の遊技操作(ベット操作。「投入操作」や「掛け操作」等と称することもできる)を受付ける操作部である。MAXベットボタン6aが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数(例えば、3枚)未満であり、クレジットされているメダルがその差分以上ある場合には、最大ベット数のメダルがベットされる。一方、クレジットされているメダルがその差分以上ない場合には、メダルはベットされない。また、1ベットボタン6bが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数未満であり、クレジットされているメダルが1枚以上ある場合には、1枚のメダルがベットされる。
精算ボタン9は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の遊技操作(精算操作)を受付ける操作部である。なお、クレジットされているメダルがない状態で精算ボタン9が操作された場合、投入され、あるいは払出されるメダルに関し、クレジット可能数(例えば、50枚)の範囲内において、当該メダルをクレジットするクレジットモード(Cモード)と、当該メダルをクレジットしないペイモード(Pモード)とのいずれかのモードを選択可能とするための遊技者の遊技操作(C/Pモード選択操作)を受付可能としてもよい。すなわち、精算ボタン9をいわゆるC/Pボタンとして機能させることもできる。演出用ボタン10aは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
メダル投入口5は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受入れる。受入れたメダルは、後述のセレクタ31によって検出されるとともに、適正なメダルであるか否かが判定される。受入れた1枚のメダルが適正なものでない場合、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。また、受入れた1枚のメダルが適正なものである場合、現在のベット数が最大ベット数未満である場合には、1枚のメダルがベットされる。現在のベット数が最大ベット数であり、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達していない場合には、1枚のメダルがクレジットされる。一方、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達している場合には、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4と上述の台座部との間に設けられた情報表示装置14を有している。情報表示装置14は、複数のランプ(LED)や7セグメントLEDを含んで構成され、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、左側に設けられたスタートレバー7と、略中央部に設けられた3個のストップボタン8L,8C,8Rと、右側に設けられた施錠機構15とを有している。スタートレバー7は、所定の角度範囲で傾動自在に取付けられ、遊技を開始させるための遊技者の遊技操作(開始操作)を受付ける操作部である。各ストップボタン8L,8C,8Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
施錠機構15は、例えば、キーシリンダー錠から構成され、下ドア機構DDが閉鎖状態であるとき、遊技店側の管理者(例えば、遊技店の店員等。以下同じ)が鍵穴にドアキー(不図示)を挿入した状態で右に回すと解錠し、下ドア機構DDが開放状態となる。なお、施錠機構15には、ドア機構の開閉を管理する機能のみならず、リセットスイッチとしての機能をもたせてもよい。例えば、遊技店側の管理者が鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回した場合には、後述のリセットスイッチ53と同様のリセット操作を検出可能としてもよい。また、本実施形態では、下ドア機構DDが開放状態となったとき、これに連動して上ドア機構UDも開放状態となるように構成することもできるし、上ドア機構UDに対応する施錠機構を別途設けるようにし、それぞれ独立して開閉を管理可能とすることもできる。
また、下ドア機構DDは、その下部の中央部に設けられた腰部パネル13と、腰部パネル13の下方に設けられたメダル受皿12と、メダル受皿12の上方に設けられたメダル払出口11と、メダル払出口11の左右に設けられた透音孔24a,24bとを有している。
腰部パネル13は、例えば、機種の名称を表すロゴやモチーフを表すキャラクタ等の機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光源(後述のランプ・LED類に含まれる腰部ランプ)から構成される。メダル受皿12は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留する。メダル払出口11は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出する。なお、メダル払出口11から排出されるメダルは、後述のホッパー装置32から払出されたものと、後述のセレクタ31からキャンセルシュート(不図示)を通って返却されたものとがある。透音孔24a,24bは、それぞれの背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたスピーカ35a,35b(スピーカ35aは図2において符号省略)から出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって透過する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DDを設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[1-1-3.変動表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4を備える。各リール3L,3C,3Rは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3L,3C,3Rは、各ストップボタン8L,8C,8Rが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×3列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大27通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。
なお、例えば、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶラインは「センターライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの上段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「トップライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「ボトムライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「クロスアップライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「クロスダウンライン」等と称され、これらは各列の各領域を一直線で結ぶラインであることから、これらのうちの一又は複数通りのラインが有効ラインとして定義されることが多い。もっとも、上述のとおり、各列の各領域を折れ線で結ぶ、いわゆる変則ラインを有効ラインとして定義することもできる。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。例えば、上述の「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」の3通りのラインが有効ラインとして定義されているとした場合、前者の場合には、ベット数が1~3のいずれであっても「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。一方、後者の場合には、ベット数が1であれば「センターライン」のみが有効化され、ベット数が2であれば「センターライン」及び「トップライン」が有効化され、ベット数が3(最大ベット数)であれば「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。
なお、本実施形態では、変動表示部が、3個のリール3L,3C,3Rと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×3列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、あるいは4個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3L,3C,3Rを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、後述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[1-1-4.メダル投入口]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受け入れるメダル投入口5を備える。なお、メダル投入口5及び後述のセレクタ31は、MAXベットボタン6aや1ベットボタン6bと同様に、1回の遊技に必要なメダル数をベットする機能を有することから、このような投入動作は、例えば、ベット操作と換言することもできる。したがって、メダル投入口5は、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)であるともいえる。なお、メダル投入口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
なお、本実施形態では、遊技に使用し、あるいは遊技結果に応じて付与される遊技価値として、遊技媒体としてのメダルを用いることを一例として説明しているが、このように用いられる遊技価値はこれに限られない。例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を用いることもできる。また、遊技価値は、単に「価値」、あるいは「遊技用価値」等と称することもできる。
[1-1-5.操作部]
パチスロ機1は、遊技者が操作可能な操作部として、例えば、以下に示す各操作部を備える。なお、以下に示す各操作部はあくまで一例であって、これらとは異なる操作部を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない操作部については、これを備えない構成としてもよい。
[1-1-5-1.ベットボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、その内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者のベット操作を受付けるMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを備える。また、このようなベット操作は、後述のベットスイッチ6Sによって検出される。したがって、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b、並びにベットスイッチ6Sは、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)を構成する。なお、ベットボタンは、あくまで遊技者のベット操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを設けているが、1ベットボタン6bを設けることなくMAXベットボタン6aのみを設けるようにしてもよい。また、2枚のメダルがベットされる2ベットボタンを別途設けるようにしてもよい。
[1-1-5-2.スタートレバー]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を開始させるための遊技者の開始操作を受付けるスタートレバー7を備える。また、このような開始操作は、後述のスタートスイッチ7Sによって検出される。したがって、スタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、遊技者の開始操作を検出可能な開始操作検出部(手段)を構成する。なお、スタートレバーは、あくまで遊技者の開始操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-3.ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8L,8C,8Rを備える。また、このような開始操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-4.精算ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の精算操作(返却操作)を受付ける精算ボタン9を備える。また、このような精算操作は、後述の精算スイッチ9Sによって検出される。したがって、精算ボタン9及び精算スイッチ9Sは、遊技者の精算操作を検出可能な精算操作検出部(手段)を構成する。なお、精算ボタンは、あくまで遊技者の精算操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-5.演出用ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者の演出操作を受付ける演出用ボタン10a,10bを備える。なお、このような演出操作は、それぞれの演出用ボタンに対応して設けられた検出スイッチ(不図示)によって検出される。したがって、演出用ボタン10a,10b及び当該検出スイッチは、遊技者の演出操作を検出可能な演出操作検出部(手段)を構成する。なお、演出用ボタンは、あくまで遊技者の演出操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、2個の演出用ボタン10a,10bを設けているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出用ボタンを設けるように構成することもできる。
なお、演出用ボタンの主な用途としては、特定の演出(例えば、後述の操作連動演出)実行時に演出態様を変化させること、後述のユーザーメニューにおいて選択・決定操作を行うこと等である。したがって、用途に応じた演出用ボタンを設けるように構成することもできる。例えば、前者の用途では演出用ボタン10a,10bが使用されるものとし、後者の用途では上述のタッチパネルを使用するように構成することもできる。なお、後者の用途で用いるために、別の演出用ボタンとして、選択・決定操作を受付可能なジョグダイヤルや十字キー等を設けるように構成することもできる。
[1-1-6.メダル払出口]
上述のとおり、パチスロ機1は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出するメダル払出口11を備える。なお、入賞が発生してメダルを払出す場合、メダル払出口11は、後述のホッパー装置32から払出されたメダルを遊技者に付与するものであることから、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、メダル払出口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-7.メダル受皿]
上述のとおり、パチスロ機1は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留するメダル受皿12を備える。すなわち、メダル受皿12は、付与された遊技価値を貯留可能な貯留部(手段)を構成する。なお、メダル受皿の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-8.腰部パネル]
上述のとおり、パチスロ機1は、例えば、機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための腰部ランプから構成される腰部パネル13を備える。なお、腰部パネル13は、基本的にはそのパチスロ機1がどういった機種であるかを遊技者にわかりやすく示すものであるが、例えば、腰部ランプの点灯態様により、あるいは、腰部パネル13そのものを画像表示装置等で構成することにより演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成することもできる。
[1-1-9.情報表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する情報表示装置14を備える。すなわち、情報表示装置14は、遊技に関する情報を表示可能な情報表示部(手段)を構成する。
情報表示装置14は、例えば、インサートランプと、スタートランプと、リプレイランプと、ベット数ランプと、クレジットランプと、払出数ランプと、指示モニタと、リミットランプ等を含んで構成される。
インサートランプは、点灯することでメダルの投入が可能であることを表示する。スタートランプは、点灯することでスタートレバー7の操作にともなって遊技の開始が可能であることを表示する。リプレイランプは、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを表示する。ベット数ランプは、点灯することでベットされたメダル数を表示する。クレジットランプは、その点灯態様によりクレジットされているメダル数を表示する。払出数ランプは、その点灯態様により遊技結果に応じて払出されたメダル数(払出数)を表示する。
また、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)と、区間ランプ(状態表示部)と、を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。なお、「報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様」とは、例えば、押し順(本実施形態では、これを「打順」として説明する場合がある)「1st(第1停止操作をリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作をリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作をリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示する等の態様のことである。なお、報知ランプは、クレジットランプや払出数ランプとは必ずしも別に設けられていなくともよい。例えば、クレジットランプ又は払出数ランプのいずれかを用いて、停止操作の情報を表示してもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下においては、後述の副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、後述の主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。なお、メイン側報知手段における報知の態様と、サブ側報知手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、メイン側報知手段では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もある。一方、サブ側報知手段では、停止操作の情報を直接的に報知すればよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、メイン演出表示部21では、リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知すればよい。
また、区間ランプは、点灯することで現在の状態が後述の有利区間中であることを表示する。区間ランプは、例えば、後述の非有利区間から有利区間に移行するとき、当該有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯し、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するとき、当該非有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで消灯する。なお、区間ランプの点灯タイミングはこれに限られない。例えば、非有利区間又は有利区間における後述の演出区間(通常有利区間)から最初に有利区間における後述の増加区間(AT状態)に移行するとき、当該増加区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯するものとしてもよい。すなわち、区間ランプは、演出区間であるか増加区間であるかを問わず有利区間中であることを報せるものであってもよいし、少なくとも最初の増加区間の開始からこれを含めた有利区間が終了するまでの期間を報せるものであってもよい。
また、リミットランプは、その点灯態様により後述のリミット処理が実行されたこと、あるいはその可能性を表示する。例えば、リミット処理が実行された場合に点灯することで遊技者に有利な状態(例えば、AT状態)がリミット処理の実行によって強制的に終了されたことを報せる。また、例えば、リミット処理の実行が近い場合に点滅することで当該有利な状態がリミット処理の実行によって強制的に終了される可能性が高いことを報せる。なお、これら以外にも点灯、点滅又は消灯の契機を設けることで、リミット処理に関するその他の情報を適宜報せることもできる。
[1-1-10.演出表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、演出画像を表示するメイン演出表示部21及びサブ演出表示部22を備える。メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22は、演出表示を行うことが可能な演出表示部(手段)を構成する。また、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。
メイン演出表示部21は、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を含んで構成される。また、メイン表示装置210は、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置された表示ユニットAと、画像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有するいわゆるプロジェクションマッピング装置として構成される。なお、本実施形態では、メイン表示装置210をこのように構成することで、高度で、かつ迫力のある演出表示を可能としているが、メイン表示装置210の構成はこれに限られない。すなわち、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能であればよく、液晶表示装置や有機EL等の画像表示装置や7セグメントLED等の表示装置として構成することもできるし、サブリール等の変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、例えば、いわゆる出目によって楽しませることを主体とする遊技性である等の場合には、メイン演出表示部21を設けないように構成することもできる(サブ演出表示部22も同様)。
サブ演出表示部22は、サブ表示装置220を含んで構成される。また、サブ表示装置220は、液晶表示装置として構成される。なお、サブ表示装置220もメイン表示装置210と同様に、他の画像表示装置や表示装置として構成することができるし、変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、メイン演出表示部21は、大画面で構成されていることから、押し順の報知や当り報知、あるいは連続演出等といった今回の遊技と密接に関連する演出を主として表示し、サブ演出表示部22は、小画面で構成されていることから、遊技履歴等といった今回の遊技とはそこまで密接に関連しない演出を主として表示するといったように、目的に応じて表示内容を分けて表示することが可能である。また、本実施形態では、メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22の2個の演出表示部を設けるように構成しているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出表示部を設けるように構成することもできる。
[1-1-11.ランプ]
上述のとおり、パチスロ機1は、一例として挙げた上部ランプ23のように、その発光態様(点灯、点滅、あるいは消灯のみならず、フルカラーLEDとして構成される場合にはその輝度や発光色を含む)によって演出を行うことが可能な一又は複数のランプ(発光手段)を備える。また、このような発光手段は、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
なお、後述のランプ・LED類に含まれるその他のランプとしては、例えば、上ドア機構UDの両側端面や下ドア機構DDの両側端面に設けられたサイドランプや各操作部内に設けられた操作部ランプ等を挙げることができる。なお、後者は、それぞれの操作部が操作可能であるか否かを遊技者に報せる機能を含むことから、このような機能を発揮させる場合には演出内容に応じて発光態様を変動させず、一義的な発光態様によって発光するように制御することができる。
[1-1-12.スピーカ]
上述のとおり、パチスロ機1は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカ35a,35bを備える。スピーカ35a,35bは、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成する。また、遊技者に対し聴覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
[1-1-13.その他演出装置]
なお、パチスロ機1では、上述の各種演出装置(演出実行手段)以外の演出装置を設けることもできる。例えば、いわゆる役物といった可動演出装置、振動により演出を行う振動演出装置、あるいは空気を噴射することで演出を行うエアー演出装置等の演出装置を設け、演出を実行することも可能である。すなわち、遊技者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のいずれかに訴えかけることができる(遊技者に演出が実行されていることを認識可能とさせる)演出を実行可能な演出装置であれば、それらのうちいずれを用いることもできる。したがって、本実施形態において「演出を実行する」とは、特段の説明がない限り、上述の各種演出装置(演出実行手段)のうち、一又は複数の演出装置のいずれの演出装置を用いて演出を実行してもよいこと示している。
[1-2.内部構造]
[1-2-1.セレクタ]
セレクタ31(図2において符号省略)は、メダル投入口5から投入されたメダルの流下路であって、下ドア機構DDの背面側に設けられている。セレクタ31は、例えば、後述のメダルセンサ31Sと、振分装置とを有している。
メダルセンサ31Sは、メダル投入口5から投入されたメダルを検出するとともに、検出されたメダルが適切なメダルであるか否かを判定する。振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルであると判定された場合であって、メダルの受入れが可能な状態である場合、当該メダルが後述のホッパー装置32側に案内されるように駆動制御される。なお、この場合、ベット数あるいはクレジット数が1加算される。一方、振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルでないと判定された場合、及びメダルの受入れが可能な状態でない場合、当該メダルがキャンセルシュートを通ってメダル払出口11から返却されるように駆動制御される。メダルセンサ31Sによるメダルの検出に異常が発生した場合にはセレクタエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、セレクタ31は、投入された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出部(手段)を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正であるか否かを判定可能な判定手段を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正である場合には内部に貯留する一方、投入された遊技媒体が適正でない場合には外部に排出する振分手段を構成する。また、セレクタ31の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-2.ホッパー装置]
ホッパー装置32は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。ホッパー装置32は、例えば、メダル投入口5から投入され、セレクタ31によって案内されたメダルを貯留するバケット部と、バケット部の底部に設けられ、バケット部に貯留されたメダルを撹拌するとともに、1枚ずつ排出部に案内するディスク部と、ディスク部によって案内されたメダルを1枚ずつ排出する排出部と、排出部から排出されたメダルをカウントするカウントセンサとを有している。
バケット部は、一定数のメダルを貯留可能に構成される。一定数を超えたメダルは、上面側に設けられた案内通路を通って後述のメダル補助収納庫33に案内される。なお、バケット部に貯留されたメダルが空となった場合にはホッパーエンプティエラーが発生する。なお、この場合、メダルを補充した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
ディスク部は、中心から放射状にメダル形状のくり抜き部が複数形成され、駆動信号にしたがって中心軸が回転駆動されることで、くり抜き部に嵌ったメダルを1枚ずつ排出部に案内する。なお、ディスク部が回転することでバケット部に貯留されたメダルが撹拌される。また、ディスク部の回転に異常が発生した場合にはホッパージャムエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
カウントセンサは、排出部から排出されたメダルを検出するとともに、その枚数をカウントする。例えば、1枚のメダルを払出す場合、ディスク部が回転を開始し、続いてカウントセンサが1枚のメダルの払出をカウントしたことに応じてディスク部の回転が停止する。このようにして、適正枚数のメダルが払出されるようにしている。
すなわち、ホッパー装置32は、遊技媒体を払出可能な遊技媒体払出部(手段)を構成する。また、上述のとおり、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、ホッパー装置32の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-3.メダル補助収納庫]
メダル補助収納庫33は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。メダル補助収納庫33は、例えば、ホッパー装置32のバケット部から案内されたメダルを収納する収納部と、収納部の近傍に設けられ、収納部に収納されたメダルの容量を検出するメダル補助収納庫スイッチ33Sとを有している。
収納部は、一定数のメダルを収納可能に構成される。メダル補助収納庫スイッチ33Sにより、当該一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合にはメダル補助収納庫エラーが発生する。なお、この場合、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、メダル補助収納庫33は、余剰の遊技媒体を貯留可能な余剰遊技媒体貯留部(手段)を構成する。なお、メダル補助収納庫33の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-4.電源装置]
電源装置34は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。電源装置34は、例えば、電源基板34aと、電源スイッチ34bとを有しており、電源スイッチ34bがオンされることに応じてパチスロ機1に電力を供給する。なお、電源装置34は、家庭用電気製品等と同じく電源ケーブル(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。すなわち、電源装置34は、必要な電力を遊技機に供給可能な電源部(手段)を構成する。なお、電源装置34の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、後述の設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53が主制御基板71(より詳細には後述の主制御基板ケース上)に設けられるように構成しているが、これらのスイッチを電源装置34に設けるように構成することもできる。
[1-2-5.基板]
パチスロ機1は、各種制御に必要な基板として、例えば、以下に示す各基板を備える。なお、以下に示す各基板はあくまで一例であって、これらとは異なる基板を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない基板については、これを備えない構成としてもよい。
[1-2-5-1.主制御基板]
主制御基板71は、キャビネットG内において、リールユニットRUの背面側に取付けられている。なお、主制御基板71は、遊技に関する制御を行う遊技制御基板であり、その状態が視認可能となるように透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製の主制御基板ケース(不図示)内に収容されている。主制御基板71の電気的構成については後述する。
なお、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、基本的に各種電子部品がDIP実装されて構成されるものとなっているが、各種電子部品の一部又は全部についてSMT実装(表面実装)されて構成されるものとしてもよい。また、この場合、テスターやオシロスコープを用いて動作確認を行うためのテストポイントを設けるようにしてもよい。また、各種電子部品の一部又は全部について6平方mmを超えない小さい電子部品を使用してもよい。また、主制御基板71の基板面を多層化して構成してもよい。
[1-2-5-2.副制御基板]
副制御基板72は、キャビネットG内において、中間支持板G1の裏面側に取付けられている。なお、副制御基板72は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。なお、副制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成することもできるし、不透明(あるいは略不透明)に構成された他の材料を用いたケースとして構成することもできる。副制御基板72の電気的構成については後述する。
[1-2-5-3.その他基板]
(主中継基板)
主中継基板73(図2において符号省略)は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、主中継基板73に接続された各種デバイス等と主制御基板71との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、主中継基板73は、制御効率や配線効率の便宜から主制御基板71とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ主中継基板73の機能を全て主制御基板71にもたせ、主中継基板73を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、主中継基板73をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、主中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(副中継基板)
副中継基板74は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板74に接続された各種デバイス等と副制御基板72との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、副中継基板74は、制御効率や配線効率の便宜から副制御基板72とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ副中継基板74の機能を全て副制御基板72にもたせ、副中継基板74を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、副中継基板74をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、副中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(外部集中端子板)
外部集中端子板55は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下部空間の奥側)に取付けられており、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1~4及びセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力する。なお、外部信号1~4は、その出力開始条件及び出力終了条件を適宜設定可能であり、その遊技性に応じてパチスロ機1の内部状態(例えば、ボーナス状態やAT状態)の遷移を外部に報せることを可能としている。そして、外部集中端子板55は、通常、外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されることから、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入・払出状況やエラーの発生状況のみならず、そのような内部状態の遷移状況が認識可能となっている。
(試験機用インターフェースボード)
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302は、ともにパチスロ機1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ機1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、また、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号等は、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
[2.パチスロ機の電気的構成]
続いて、図3を参照して、パチスロ機1の電気的構成について説明する。なお、図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機1は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71と主中継基板73、主中継基板73と副中継基板74、及び副中継基板74と副制御基板72は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板71と副制御基板72は、主中継基板73及び副中継基板74を介して、主制御基板71から副制御基板72に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板71には、遊技に関する制御を行う遊技制御部としての主制御回路100が実装されている。主制御回路100は、例えば、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、クロックパルス発生回路(不図示)、乱数回路(不図示)等を含んで構成される。メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。クロックパルス発生回路は、メインCPU101作動用のクロックパルス信号を生成する。乱数回路は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535又は0~255等)を発生させる。メインCPU101は、生成されたクロックパルス信号に基づいて各種制御プログラムを実行する。また、発生された乱数の中から必要に応じて一又は複数の値を乱数値として抽出する。このようにして、遊技動作全般に係る制御を行う。
副制御基板72には、演出に関する制御を行う演出制御部としての副制御回路200が実装されている。副制御回路200は、例えば、サブCPU201、サブRAM203等を含んで構成される。また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202が接続されている。ロムカートリッジ基板202には、サブCPU201により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置210に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置220に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等が記憶される。サブRAM203には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。なお、演出に係る演出用乱数値については、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~32767等)の中から、サブCPU201内で発生及び抽出が行われるようにしてもよいし、主制御回路100と同様に乱数回路を設けることでその発生及び抽出が行われるようにしてもよい。また、ロムカートリッジ基板202ではなく、副制御回路200内にサブROMが含まれるようにし、各種制御プログラム等はサブROMに記憶されるように構成してもよい。また、ロムカートリッジ基板202に各種演出データを記憶させ、副制御回路200内のサブROMに各種制御プログラム及び各種データテーブルを記憶させるように構成してもよい。また、副制御回路200には、GPU等の画像専用のマイクロプロセッサ(例えば、「VDP」とも称される)が含まれるようにし、これによってメイン表示装置210やサブ表示装置220で表示される映像を生成(編集)するように構成してもよい。
主制御基板71には、ステッピングモータ51L,51C,51R、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
なお、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
各ステッピングモータ51L,51C,51Rは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに接続され、その駆動により各リール3L,3C,3Rを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3L,3C,3Rの図柄位置を管理する。また、各リール3L,3C,3Rには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定値(例えば、6段階の設定1~設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、パチスロ機1の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。ここで、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。なお、パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態となる。
リセットスイッチ53は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、リセットスイッチ53は、設定変更が可能な状態において、遊技店側の管理者による設定値決定操作を検出可能としている。なお、設定変更が可能な状態においてリセットスイッチ53が操作されると、操作される度に設定値が順次1ずつ増加する(設定6まで到達すると次は設定1に戻る)。このようにして、設定値決定操作が行えるようになっている。また、このように決定された設定値は、その後スタートレバー7が1回操作されると確定する。すなわち、スタートスイッチ7Sは、遊技店側の管理者による設定値確定操作を検出可能としている。このように、設定変更を行う場合には、設定用鍵型スイッチ52をオン状態とし、リセットスイッチ53を操作して設定値を選択し、スタートレバー7を操作して選択した設定値を確定させた後、設定用鍵型スイッチ52をオフ状態とするといった設定変更操作が必要となっている。なお、これは、設定変更操作の一例であり、他の操作によって設定変更を行い得るように構成することもできる。また、設定変更や設定確認に際しては、例えば、上述のクレジットランプあるいは払出数ランプにおいて現在の設定値が表示されるものすればよい。
役比モニタ装置54は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、主制御基板ケースの内部に設けられる。役比モニタ装置54は、メインCPU101によって集計・算出された遊技に関する各種割合情報を順次表示する。これらの割合情報は、遊技店の管理者がパチスロ機1に不正改造がないかを確認する際等に使用される。なお、役比モニタ装置54は、主制御基板71上に実装されるようにしてもよいし、主制御基板71に接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、主制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、役比モニタ装置54における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に上述の各種割合情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14を役比モニタ装置54と兼用して用いる構成としてもよい。また、電源投入直後又は電源投入から所定時間(例えば、10秒程度。主制御回路100及び副制御回路200の立ち上げに要する時間を考慮したバッファとなる時間)の経過後に、役比モニタ装置54の4桁の7セグメントLEDが正常に機能していることを確認可能とするため、例えば、「8.8.」といったようなテストパターン(全てのセグ及びデシマルのLEDが点灯するパターン)で所定期間点灯(ないし点滅)させる構成とすることが望ましい。
役比モニタ装置54では、例えば、上位2桁にはその割合情報の種類が表示され、下位2桁にはその割合情報を示す値(%)が表示される。ここで、役比モニタ装置54に表示される各種割合情報には、例えば、累計の特定区間割合情報、直近6000ゲーム間の連続役物割合情報及び役物割合情報、累計の連続役物割合情報及び役物割合情報等がある。
特定区間割合情報とは、対象の遊技数(例えば、「累計」であれば175000ゲーム。「直近6000ゲーム」であれば6000ゲーム。以下同じ)の遊技区間のうち、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)の遊技数(あるいは、単に有利区間中の遊技数であってもよい)の割合を示す情報である。また、連続役物割合情報とは、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)の作動中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む)に払出されたメダル数の割合を示す情報である。また、役物割合情報は、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)、第二種特別役物(CB)、及び普通役物(SB)の作動中に払出されたメダル数の割合を示す情報であり、ここでの第一種特別役物(RB)の作動中とは、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む概念であり、また、第二種特別役物(CB)の作動中とは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)が作動している状態における第二種特別役物(CB)の作動中を含む概念である。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)を役物の作動中、あるいは役物連続作動装置の作動中としてとらえ、それぞれの割合情報において集計・算出の対象とすることもできる。すなわち、役比モニタ装置54は、必要な割合情報を適切に表示するものであればよく、表示可能な各種割合情報はこれらに限定されない。また、例えば、第一種特別役物(RB)が搭載されていない機種において連続役物割合情報を表示する場合、あるいは有利区間機能(AT機能)が搭載されていない機種において特定区間割合情報を表示する場合等、該当する数値情報(対応情報)が存在しない機種においては、当該項目の表示時に、4桁の7セグメントLEDのうちの数値情報(割合を示す%情報)を表示する下2桁の7セグメントLEDにおいて、例えば、「- -」といったように、中央の縦棒2本を点灯表示させる等の非対応情報用識別表示を行うことで、対応情報が存在しない機種である点を確認者が一目で認識可能とすることが望ましい。
ドア開閉監視スイッチ56は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、上ドア機構UDにも同様のドア開閉監視スイッチが設けられるように構成してもよい。ドア開閉監視スイッチ56は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。なお、ドア開閉監視スイッチ56がオン状態となるとドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220が電気的に接続されている。また、副制御基板72には、副中継基板74を介して、24hドア監視ユニット61、演出用ボタン10a,10b等の演出用ボタン群、上部ランプ23等のランプ・LED類、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が電気的に接続されている。
なお、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220、演出用ボタン群、ランプ・LED類及びスピーカ群についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
24hドア監視ユニット61は、ドア開閉監視スイッチ56と同様に、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの開閉を監視するという機能を有する点においてはドア開閉監視スイッチ56と同じであるが、このような監視を副制御回路200側でも行い得るようにすることで、さらに下ドア機構DDの開閉履歴を一定期間保存することができるようにしている。なお、この開閉履歴は、後述のホールメニューから確認することができる。したがって、例えば、営業時間外であって、遊技店の管理者が退出した後に開放履歴があった場合や、営業時間内において長時間にわたって開放された開閉履歴があった場合には、これにより不正行為が行われた可能性が高いことを認識できるようになっている。
[3.パチスロ機の機能フロー]
続いて、図4を参照して、パチスロ機1の機能フローについて説明する。なお、図4は、パチスロ機1の機能フローを説明するための図である。
遊技者によりパチスロ機1にメダルが投入され(ベット操作が行われ)、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、予め定められた範囲(例えば、0~65535)の乱数から1つの乱数値(本実施形態では、これを「内部抽籤用乱数値」として説明する場合がある)が抽出される。
内部抽籤手段(後述の内部抽籤処理を行うメインCPU101)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン上に表示されることが許可される図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称し、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係る役を「ボーナス役」と称する。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがある。また、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」等と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」等と称されることがある。
また、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりリール(各リール3L,3C,3R)に対応するストップボタン(各ストップボタン8L,8C,8R)が操作される(停止操作が行われる)と、リール停止制御手段(後述のリール停止制御処理を行うメインCPU101)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミング(あるいはその押し順を含む)とに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバー7のようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、各ストップボタン8L,8C,8Rのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロ機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転にともなって移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ライン上に極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ライン上に表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」等と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに図柄が表示されることは、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」等と称されることがある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述の入賞作動判定処理を行うメインCPU101)は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロ機1では、一例として、以上のような一連の流れで1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220等)による映像の表示、各種ランプ(例えば、上部ランプ23等)による光の出力、スピーカ(例えば、スピーカ35a,35b等)による音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。すなわち、これらは演出を実行する演出実行手段である。なお、演出実行手段により実行される演出の内容は、主制御回路100側(メイン側)で決定される場合もあれば、副制御回路200側(サブ側)で決定される場合もある。すなわち、これらはそのいずれもが演出内容決定手段となり得る。
例えば、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、内部抽籤用乱数値とは別に、演出用乱数値が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤によって(あるいは予め定められた決定条件にしたがって)決定する。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、例えば、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(狙うべき図柄の組合せや操作すべき押し順等と換言することもできる)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[4.パチスロ機の遊技性に関する基本仕様]
続いて、パチスロ機1の遊技性に関する基本仕様について説明する。
[4-1.図柄配置]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数の図柄が変動表示及び停止表示されることで遊技が行われる仕様となっている。したがって、主制御回路100は、各リール3L,3C,3Rにおいて、どの図柄がどの位置に配置されているかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、少なくとも各リール3L,3C,3Rそれぞれの各図柄位置にある図柄の種類を識別するためのデータが記憶されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄配置テーブル(図9参照)を用いている。
図柄配置テーブルには、各リール3L,3C,3Rそれぞれの回転方向における各図柄位置を示す図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)が規定されている。また、各図柄位置データに対して図柄の種類を特定するためのデータ(例えば、図柄コード)が対応付けられている。また、図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときにメイン表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定している。なお、各列の図柄数、図柄の種類数、あるいは最大滑り駒数等は適宜変更して規定可能である。
[4-2.図柄組合せ]
上述のとおり、パチスロ機1では、表示された図柄の組合せが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、表示された図柄の組合せに応じて、各種特典を付与したり、現在の状態から相対的に有利な状態に移行させたり、現在の状態から相対的に不利な状態に移行させたりすることを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような図柄の組合せについて把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような図柄の組合せを特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄組合せテーブル(図11~図14参照)を用いている。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータ(例えば、「表示役」あるいは「入賞作動フラグ」)が規定されている。なお、それぞれの図柄の組合せを構成する図柄は、例えば、上述の図柄コード等を用いて特定することができる。また、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータ(例えば、「払出等」)が対応付けられている。また、図柄組合せテーブルは、基本的に後述の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域(図17参照)と対応するデータ構成となっている。なお、図柄の組合せの種類数、あるいは特典の付与内容等は適宜変更して規定可能である。
[4-3.内部当籤役]
上述のとおり、パチスロ機1では、いずれの図柄の組合せが表示されることが許可されるか(事前に決定されるか)が遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、遊技者の停止操作に先立って(事前に)、内部当籤役(すなわち、表示され得る図柄の組合せの種類(あるいは、付与され得る特典の種類))を決定することを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような内部当籤役について把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような内部当籤役を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の内部抽籤テーブル(図10参照)を用いている。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられている。なお、パチスロ機1では、1つの内部当籤役に対して複数の図柄の組合せを対応付けることを可能としており、このような内部当籤役が決定された場合、いずれの図柄の組合せが表示されるかは停止制御によって決定されるものとなっている。
ここで、例えば、本実施形態の後述の内部抽籤処理(図26参照。より詳細には、S64の内部当籤役決定処理)では、まず、乱数回路によって予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)から抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算更新する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、当該判定の結果が65535を超えた場合、当該内部当籤役に当籤させる(当該内部当籤役を決定する)。もっとも、全ての内部当籤役について当該判定を行っても65535を超えるものがなかった場合、今回の遊技における内部当籤役は「はずれ」となる。なお、これはあくまで内部抽籤処理の一例であり、抽籤値(当籤確率)に応じて適切な抽籤が行われる限り、その抽籤処理の手法は種々の手法を採用することができる。例えば、抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次減算更新し、次いで、減算結果(抽籤結果)が0を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部当籤役を決定してもよい。
このように、内部抽籤テーブルにおいては、規定されている抽籤値の数値が大きい内部当籤役ほど決定される確率(当籤確率)が高くなる。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
[4-4.停止制御]
上述のとおり、パチスロ機1では、内部当籤役の決定によって表示されることが許可された図柄の組合せのうち、遊技者の停止操作によって最終的にいずれの図柄の組合せを表示させるかが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、決定された内部当籤役の種類のみならず、遊技者の停止操作タイミングや押し順(「停止操作態様」や「停止操作手順」とも称される)によって最終的に表示される図柄の組合せの種類を変動させる(決定する)制御(停止制御)を行うことを可能としている。したがって、主制御回路100は、各内部当籤役に対して、遊技者の停止操作態様に応じてどのような態様で停止制御を行うかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような停止制御の態様を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として停止テーブルや引込優先順位テーブル(不図示)等を用いている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの各図柄位置データに対して、図柄の移動量を示すデータ(例えば、「滑り駒数」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の停止テーブルが選択されたとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置(停止操作が行われたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データ)が「0」であったとする。そして、所定の停止テーブルにおいて、図柄位置データ「0」に規定された滑り駒数が「4」であったとする。そうすると、主制御回路100は、4図柄分移動した図柄位置(図柄位置データ「4」の位置)でリール3Lを停止させる(停止予定位置が「4」となる)ように制御を行う。このように、停止テーブルには、停止させる位置を直接的に決定することを可能とするデータ(滑り駒数)が規定されている。なお、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような停止テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「テーブル制御」と称される。
引込優先順位テーブルには、表示されることが許可された図柄の組合せが複数ある場合に、いずれの図柄の組合せを優先的に表示させるか(引込むか)を示すデータ(例えば、「引込優先順位」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の引込優先順位テーブルが選択されたとする。ここで、所定の内部当籤役は、図柄組合せAと図柄組合せBの表示を許可するものとし、所定の引込優先順位テーブルは、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるように引込優先順位が規定されているものとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置が「0」であったとする。
そうすると、主制御回路100は、停止開始位置を含めた最大滑り駒数(例えば、「4」)の範囲内の各図柄位置について、図柄組合せAを構成する図柄と図柄組合せBを構成する図柄があるかどうかを検索する。双方の図柄がなければ、予め定められたルール(例えば、より近い位置で停止させる、より遠い位置で停止させる等)にしたがって停止させる位置を決定する。図柄組合せAを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。図柄組合せBを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。双方の図柄があれば、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるのであるから、図柄組合せBを構成する図柄に対応する位置で停止させることを決定する。なお、引込優先順位は、選択された引込優先順位テーブルにしたがって、対象となるリールの回転中に全図柄位置について格納されるようにしてもよいし、対象となるリールに対して停止操作が行われたときに、停止開始位置を含めた最大滑り駒数の範囲内の各図柄位置について格納されるようにしてもよい。また、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような引込優先順位テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「コントロール制御」と称される。
なお、本実施形態では、「テーブル制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできるし、「コントロール制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできる。あるいは、まず「テーブル制御」を行うことによって停止させる位置を仮決定し、次に「コントロール制御」を行うことによってより適切な停止位置があるかを検索し、検索結果によっては停止させる位置を変更することを可能とする停止制御を実行する構成とすることもできる。
このように、パチスロ機1では、最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せがどの図柄の組合せとなるかは、例えば、以下の3つの要素に基づいて決定される。
第1の要素は、決定された内部当籤役(内部抽籤処理の抽籤結果)である。例えば、内部抽籤処理の結果が「はずれ」であった場合、いずれかのリプレイ役に係る図柄の組合せ、小役に係る図柄の組合せ又はボーナス役に係る図柄の組合せが最終的に有効ライン上に表示されることはない。なお、「はずれ」は、内部当籤役の1つであると捉えることもできるし、内部当籤役が決定されなかった抽籤結果であると捉えることもできる。
第2の要素は、遊技者の停止操作タイミング(遊技者がいずれかのストップボタンを操作したときの図柄の位置(押下位置))である。例えば、本実施形態においては、最大滑り駒数として図柄4個分が定められているため、内部抽籤処理の結果、いずれかの内部当籤役に当籤していたとしても、表示が許可されている図柄の組合せを構成する図柄が有効ライン(複数ある場合には各有効ライン)に対して図柄4個分を超えて配置されていた場合には、遊技者の停止操作タイミングによっては当該図柄の組合せが表示されない場合がある。これをいわゆる「取りこぼし」という。
第3の要素は、遊技者の押し順(遊技者がストップボタンを操作した順番)である。例えば、本実施形態においては、複数の図柄の組合せが対応付けられた内部当籤役が決定される場合があり、この場合には、遊技者の押し順に応じて最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せが変動する場合がある。なお、このような内部当籤役を「押し順役」といい、それがリプレイ役の場合には「押し順リプレイ」と称されることがあり、小役の場合には「押し順小役」と称されることがある。
[4-5.遊技状態]
パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。以下、その遊技状態の一例について説明する。
[4-5-1.ボーナス状態]
パチスロ機1では、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなボーナス状態を設けないように構成することもできる。また、複数種類のボーナス役を設けることで、複数のボーナス状態を設けるように構成することもできる。ボーナス役に当籤すると、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで複数回の遊技にわたって当該ボーナス役が内部当籤役として持越された状態(持越状態)が発生する。このようなボーナス役は「持越役」と称されることがある。また、このような持越状態は「(ボーナス)フラグ間」や「(ボーナス)内部中」等と称されることがある。
ボーナス状態は、ボーナス状態が作動していない状態(非ボーナス状態)に対して小役の抽籤態様(当籤確率やその内容、あるいは停止制御の態様等も含む。以下同じ)を変動させることが可能な状態となっている(リプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態ともなっているため、ボーナス状態を後述のRT状態の一態様として捉えることもできる)。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも不利な遊技状態となる。
ボーナス役としては、例えば、第一種特別役物(RB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)、第二種特別役物(CB)(ただし持越役ではない)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)、及び普通役物(SB)(ただし持越役ではない)等を挙げることができる。また、例えば、各ボーナス役に対応するボーナス状態は以下のように構成される。RB状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は285枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。
CB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。MB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は153枚)を超えるメダルの払出があった場合、あるいはMB状態中にRBやSBに当籤した場合に終了する遊技状態として構成される。SB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。
なお、ボーナス状態の作動条件は、ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことのみに限られない。例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動中においては、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動開始時、第一種特別役物の作動中ではない場合の遊技開始時、あるいは第一種特別役物の作動終了時等において自動的に第一種特別役物(RB)を作動させるように構成することもできる。すなわち、RBに係る図柄の組合せを規定することなく、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御することもできる。ここで、BB作動中のRBは「JAC」等と称されることがあり、このように自動的にBB作動中のRBが作動する仕様は「オートJAC」等と称されることがある。また、BBの作動中においては、規定されたRBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってRBの作動中となるように制御することもできる。このように対応する図柄の組合せの表示に基づいてRBが作動する仕様は「マニュアルJAC」等と称されることがある。また、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)と、第二種特別役物(CB)との関係も同様である。すなわち、CBに係る図柄の組合せを規定することなく、MBの作動中は常にCBの作動中となるように制御することもできるし、MBの作動中においては、規定されたCBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってCBの作動中となるように制御することもできる。
[4-5-2.RT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、RT状態に移行させる(RT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなRT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のRT状態を設けるように構成することもできる。RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも不利な遊技状態となる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。なお、この場合、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に有利なRT状態は「高RT状態」や「高確率再遊技状態」等と称され、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に不利なRT状態は「低RT状態」や「低確率再遊技状態」等と称されることがある。
RT状態は、例えば、以下のいずれの移行条件の成立によって移行させることができる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。
(1)RB、BB又はMBに当籤したとき
(2)RB、BB又はMBに係る図柄の組合せが表示されたとき
(3)RB状態、BB状態又はMB状態が終了したとき
(4)RB、BB又はMBに当籤しておらず(持越されておらず)、RB状態、BB状態又はMB状態中でもない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき
(5)(3)又は(4)の移行条件成立後に予め定められた回数の遊技が行われたとき
[4-5-3.AT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、AT状態に移行させる(AT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなAT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のAT状態を設けるように構成することもできる。AT状態は、例えば、上述の押し順役に当籤したときに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることにより、AT状態が作動していない状態(非AT状態)よりも有利な状態として構成される遊技状態である。
なお、複数のAT状態を設ける場合、それぞれのAT状態の遊技期間(当該期間の延長(あるいは「上乗せ」ともいう。以下同じ)を可能とする場合には延長のされやすさ等を含む)、停止操作の情報が報知される報知対象役の種類、あるいは停止操作の情報の報知が発生する発生確率等をそれぞれ異なるものとすることで、遊技者の有利度合いを変動させることができる。また、AT状態の移行条件及び終了条件は、遊技性に応じて適宜設定可能である(ただし後述のリミット処理の実行による終了を除く)。また、AT状態は、あたかも上述のボーナス状態と同様に扱われる場合があり、この場合には「疑似ボーナス状態」等と称されることがある。
また、AT状態の遊技期間は、当該期間が適切に管理される限り、ゲーム数(遊技回数)によって管理されるようにしてもよく(ゲーム数管理)、所定ゲーム数を1セットとし、セット数によって管理されるようにしてもよい(セット数管理)。また、AT状態中の払出数や純増数(差枚数)によって管理されるようにしてもよい(払出数管理、差枚数管理)。また、AT状態においてメダルの払出に影響を与える報知(例えば、押し順小役当籤時の押し順ナビ)を行った回数(ナビ回数)によって管理されるようにしてもよい(ナビ回数管理)。また、AT状態が延長される場合も同様である。また、AT状態に移行したときに付与される遊技期間と、AT状態が延長されるときに付与される遊技期間とは異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。また、複数のAT状態を設ける場合、同じ管理手法によって管理されるようにしてもよく、異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。
[4-5-4.ART状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、上述の高RT状態とAT状態を組合せたART状態に移行させる(ART状態を作動させる)ことが可能となっている。すなわち、ART状態とは、高RT状態において行われるAT状態を意味するものであるから、RT状態として少なくとも低RT状態と高RT状態とを設け、高RT状態に移行させる(あるいは低RT状態に移行することが回避される)制御が行われる点でAT状態と相違するものの、基本的な制御はAT状態と同様である(遊技者に有利な停止操作の情報が報知される結果として高RT状態に移行する(あるいは低RT状態に移行することが回避される)ものであれば、AT状態と同義であるともいえる)。なお、ART状態の移行条件が成立した場合、まずAT状態に移行し、その後高RT状態に移行することでART状態に移行するものであってもよいし、高RT状態及びAT状態に同時(あるいは略同時)に移行することでART状態に移行するものであってもよい。
[4-5-5.その他遊技状態]
なお、パチスロ機1では、上述の各種遊技状態以外の遊技状態を設けることもできる。例えば、後述の有利区間中の各モード(図5及び図6参照)であるが、これらも遊技者が遊技を行う状態であって、疑似ボーナス状態としてのAT状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得るものであることから、これらを遊技状態として捉えることができる。また、同様の観点より、例えば、ボーナス状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得る遊技状態を設けることができる。例えば、ボーナス役に当籤している(持越されている)場合に、停止制御によってボーナス役に係る図柄の組合せが表示されやすい遊技状態と、これよりも当該ボーナス役に係る図柄の組合せが相対的に表示されにくい遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。また、例えば、ボーナス役が所定の確率で当籤する(当籤しやすい)遊技状態と、当該ボーナス役が当該所定の確率よりも低い確率で当籤する(相対的に当籤しにくい)遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。
また、AT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを変動させ得る手法としては、以下のような手法を採用することもできる。例えば、内部当籤役として「特定役」が決定され得るようにする。当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。あるいは、上述の特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行わない。
このように、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合に、その遊技結果として今回の遊技において有利決定が行われる場合と、当該有利決定が行わない(有利決定が行われることが制限される)場合とがあるように構成することもできる。なお、今回の遊技と次回の遊技で遊技者が替わる場合もあり、このような制限が次回の遊技以降も継続する場合には、(次の)遊技者が著しい不利益を被るおそれがあることから、このような制限は今回の遊技限りとし、次回の遊技以降には継続しないものとすることが望ましい。また、このような制限は「ペナルティ」と称されることがある。
[4-6.遊技区間]
パチスロ機1では、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、上述の遊技状態とは異なる概念で遊技を行う状態として種々の遊技区間を設けることが可能となっている。以下、その遊技区間の一例について説明する。なお、遊技区間は、大別すると非有利区間と有利区間から構成される。
(非有利区間)
非有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能でない遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことはできない。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することはできない。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、初期状態として非有利区間が設定される。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)、初期状態として非有利区間が設定される。なお、当該所定値を参照し、当該所定値が規定値となる前であっても特定の更新値となっている場合にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。また、有利区間中に所定終了条件が成立して終了決定された場合(例えば、有利区間終了抽籤が行われるように構成した場合であって、これに当籤した場合等)にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。
(4)非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間に移行させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)や非有利区間(あるいは移行前の有利区間)中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことはできない。なお、いずれの内部当籤役が決定されたかは、当籤番号等の直接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできるし、内部当籤役のデータから生成あるいは変換されたサブフラグ(複数の役を1つの判定対象データとしたもの)等の間接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできる。
(5)非有利区間は基本的に1の状態であり、非有利区間内で複数の状態を設定することはできない。例えば、有利区間終了後の非有利区間を非有利区間A、設定変更後の非有利区間を非有利区間Bというように異なる状態として設定することはできない。
(有利区間)
有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能である遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことができる。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することができる。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、その初期状態として有利区間を設定することはできない。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合、当該有利区間を終了させる必要がある。
(4)有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間中に遊技状態(モード)を移行させるか否か、あるいは特定の遊技状態(モード)を延長させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみならず、導出された結果表示(図柄の組合せ)や有利区間中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことができる。なお、参照可能な各種パラメータの他の例としては、例えば、上述の各種パラメータに応じて付与可能なポイント等の特典情報、ボーナス状態の種類、RT状態の種類、いずれかのリールの停止操作タイミング、あるいは押し順等を挙げることができる。
(5)有利区間内で複数の状態を設定することができる。例えば、遊技者にとって不利な通常状態、AT状態へ移行しやすいCZ状態、あるいは報知にしたがって停止操作を行った場合にメダル増加の期待値がプラスとなるAT状態等の状態を設定可能である。また、例えば、通常状態においてCZ状態移行が決定されたことに応じ、実際にCZ状態に移行するまでの待機状態として設定され、CZ状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るCZ前兆状態、あるいは通常状態若しくはCZ状態においてAT状態移行が決定されたことに応じ、実際にAT状態に移行するまでの待機状態として設定され、AT状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るAT前兆状態等の状態も遊技性に応じて設定可能である。
(6)非有利区間及び有利区間のいずれの区間であるかを報知可能な区間ランプ(状態表示部)の点灯により、有利区間中であることを報知することができる(区間ランプが消灯していれば非有利区間中であることを報知することができる)。なお、区間ランプの点灯開始タイミングについては、上述のとおり、ある程度任意のタイミングに設定することが可能である。基本的に非有利区間から有利区間に移行したときに点灯を開始し、非有利区間に移行するまで点灯を継続するものとしてもよいし、非有利区間から有利区間に移行した(有利区間が開始された)が、移行した有利区間が通常状態であれば点灯を開始せず、最初にAT状態となったときから点灯を開始するものとしてもよい。なお、移行した有利区間がAT状態であれば、そのときから点灯を開始すればよい。
[4-7.リミッタ]
パチスロ機1では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、有利区間が連続して継続する期間について上限(制限)を設けることが可能となっている。このような上限は「リミッタ」と称される。また、本実施形態では、このようなリミッタにより有利区間を終了することを、リミット処理の実行、あるいはリミッタの作動として説明している。以下、そのリミッタの一例について説明する。
(ゲーム数リミッタ)
ゲーム数リミッタは、有利区間中のゲーム数(遊技回数)が「1500」回となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、1回の遊技が消化される度に1ずつカウントを加算していく。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が規定値(例えば、「1500」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、ゲーム数リミッタが作動するゲーム数は、上限である「1500」回以下のゲーム数であれば任意のゲーム数を設定可能である。また、このようなゲーム数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のゲーム数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
(払出数リミッタ)
払出数リミッタは、有利区間中のメダルの払出数が「2400」枚となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、メダルの払出がある度に対応する枚数分(より詳細には、払出数からベット数を減じた純増数分)カウントを加算していく。そして、有利区間払出数カウンタの値が規定値(例えば、「2400」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、払出数リミッタが作動する払出数は、上限である「2400」枚以下の払出数であれば任意の払出数を設定可能である。また、このような払出数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のメダルの払出数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分をカウントする(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成してもよい。すなわち、払出数リミッタは、有利区間中においてメダルが増加することとなったとき(例えば、AT状態が開始されたとき)から最大「2400」枚のメダルの払出があったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成することもできる。また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、上述の純増数ではなく、単に実払出数(すなわち、払出数からベット数を減じないもの)をカウントするものであってもよい。
なお、パチスロ機1は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[4-8.外部信号]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっている。例えば、ボーナス状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、ボーナス状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したボーナス状態中演出を行うことができる。また、例えば、BB状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、BB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、MB状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、MB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のボーナス状態中演出を行うのみならず、ボーナス回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、AT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したAT状態中演出を行うことができる。また、例えば、所定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、所定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、特定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、特定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のAT状態中演出を行うのみならず、AT回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態をセット数管理のAT状態として構成し、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態とすれば、外部のデータ表示機においてもAT状態の初当り回数と、AT状態の延長回数とをカウントすることができる。なお、各外部信号についてオン状態とするタイミングとオフ状態とするタイミングは適宜設定可能である。すなわち、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等によって状況が適切に認識される限り、各外部信号の出力態様は適宜設定可能である。例えば、オフ状態からオン状態となって再度オフ状態なるまでの期間は、所定時間、1回の遊技の間、状態が変化するまで等の種々の条件を採用することができる。
[4-9.コマンド]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類のコマンドを主制御回路100から副制御回路200に送信可能な仕様となっている。なお、パチスロ機1では、主制御回路100と副制御回路200とが相互に通信を行うことはできず、主制御回路100から副制御回路200の一方向にのみ通信を行うことが要件となっている。したがって、主制御回路100は、パチスロ機1における状態の変化等を報せるための情報(コマンド)を適時副制御回路200に送信する必要がある。以下にこのようなコマンドの一例について説明する。
主制御回路100は、副制御回路200に対し、例えば、設定変更操作が行われたときには初期化コマンドを送信する。初期化コマンドは、設定値や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ベット操作が行われたときにはメダル投入コマンドを送信する。メダル投入コマンドは、ベット数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。また、例えば、開始操作が行われたときにはスタートコマンドを送信する。スタートコマンドは、内部当籤役や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ロック演出が行われるときにはロックコマンドを送信する。ロックコマンドは、ロック演出の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、各リール3L,3C,3Rの回転が開始するときにはリール回転開始コマンドを送信する。リール回転開始コマンドは、リールの回転が開始されたこと等を特定するパラメータを含んで構成される。
また、例えば、停止操作が行われたときにはリール停止コマンドを送信する。リール停止コマンドは、停止されるリールや当該リールが停止される位置等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、全てのリールが停止され、表示役(入賞作動フラグ)が確定したときには入賞作動コマンドを送信する。入賞作動コマンドは、表示役の種類や付与される特典の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を開始するときには有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間を開始することやモード(遊技状態)等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を終了するときには有利区間終了コマンドを送信する。有利区間終了コマンドは、有利区間を終了することやその終了要因等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、精算操作が行われたときには精算コマンドを送信する。精算コマンドは、返却数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。なお、これらはあくまで一例であり、これら以外のコマンドを必要に応じて送信することもできるし、これらのうち不要なコマンドについては送信しないようにすることもできる。
[4-10.演出]
上述のとおり、パチスロ機1では、遊技の興趣を高めるため、有益な情報を遊技者に報せるため、あるいは企図した遊技性とするために、種々の演出を種々の演出装置を用いて実行することが可能となっている。以下、そのような演出の一例について説明する。
[4-10-1.メイン側演出]
パチスロ機1では、主制御回路100側(メイン側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、指示モニタによって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(ロック演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出を行い得る。このような演出は、「ロック演出(あるいは単に「ロック」)」と称される他、「フリーズ演出(あるいは単に「フリーズ」)」等とも称される。なお、このようなロック演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のロック演出を行い得るように構成することもできる。
また、無効とする対象の遊技操作は、例えば、開始操作であってもよいし、停止操作であってもよいし、他の操作であってもよい。例えば、開始操作が所定期間無効にされる場合には、全ての停止操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、例えば、停止操作が所定期間無効にされる場合には、開始操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、複数種類のロック演出を設ける場合には、ロック演出ごとに、遊技の進行が停止される期間(遊技者の遊技操作を無効にする期間)や無効とする遊技操作の種類等が設定されるようにすればよい。
(リール演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において各リール3L,3C,3Rの演出表示態様(変動表示態様のみならず、停止表示態様との組合せを含む)による演出を行い得る。このような演出は、「リール演出」と称される他、「図柄演出」等とも称される。なお、このようなリール演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のリール演出を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えてリール演出が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれるものとする。
リール演出は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。したがって、回転速度や最大滑り駒数等を考慮することなく、このような演出動作を行わせる動作パターンを設定することができる。また、動作パターンを複数設定すれば、複数種類のリール演出を設けることができる。また、複数種類のリール演出と複数種類のロック演出との組合せによって、さらに多岐にわたる演出パターンを設定することができる。なお、リール演出に用いられるのは、各リール3L,3C,3Rのうちの任意の1個のみでもよいし、任意の2個であってもよいし、3個全てであってもよい。
(疑似遊技)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において疑似的な遊技を行わせる演出を行い得る。このような演出は、「疑似遊技」と称される。なお、このような疑似遊技が行われないように構成することもできるし、複数種類の疑似遊技を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えて疑似遊技が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれる。
疑似遊技は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。すなわち、上述のリール演出について、さらに遊技者の遊技操作を介在させて演出を行うものである。なお、例えば、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、スタートレバー7、各ストップボタン8L,8C,8R、及び精算ボタン9等は、基本的に遊技操作に使用されること目的として設けられるものであることから、これ以外の目的で使用されることは本来的には望ましくない。しかしながら、疑似遊技においては、実際の遊技中であると遊技者が誤認しないための措置がなされることを前提として、これらの操作を受付けることを可能としている。
ここで、疑似遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。疑似遊技は、例えば、以下のような流れで行われる。
(1)遊技者の実際の開始操作(ここで実行条件が成立して疑似遊技開始)
(2)疑似的に各リールが回転(疑似遊技中)
(3)疑似的に停止操作を受付け、これによって各リールが仮停止(疑似遊技中)
(4)ランダム遅延処理を経てから実際に各リールが回転開始(疑似遊技が終了して実際の遊技開始)
なお、ランダム遅延処理とは、例えば、上述の(3)の状況で特定の図柄が並んで表示された状態となり、そのまま上述の(4)の状況で各リールが通常回転を開始すると、遊技者が特定の図柄を目印として停止操作しやすくなってしまう(いわゆる「目押し」の補助となってしまう)場合があることから、これを是正するために各リールそれぞれに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である(このような遅延期間は「再配置期間」とも称される)。また、上述の(3)及び(4)の状況で各リールが仮停止している場合には、完全に停止していると誤認されないように、各ステッピングモータの励磁制御における位相信号は必ず所定時間(例えば、500ms)未満としてリールを順方向と逆方向とに交互に変化させるようにすることが望ましい。
上述の措置の1つとしては、例えば、上述の(3)の状況で任意の図柄の組合せが仮停止した場合(3個目のリールが仮停止して全てのリールが仮停止した場合)、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、各リールを上下に微振動させる(揺動させる)ことが挙げられる。なお、位相信号が上述の所定時間未満で変化するものである限り、1個目のリールが仮停止したとき、2個目のリールが仮停止したときには、このような揺動は行われないようにしてもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技ランプを設け、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、当該疑似遊技ランプを点灯させることが挙げられる。なお、疑似遊技ランプは、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に設置されることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、他の用途に使用しない独立したランプであり、当該疑似遊技ランプの表示部全体は単色の縁で覆われていることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、当該疑似遊技ランプの説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超え、かつ表面積が642平方mmを超えること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技ランプの説明部分は、当該疑似遊技ランプが疑似遊技中であることを報せるためのランプであることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、このような記載部分は、表面積の1/3以上を占めることが望ましい。なお、疑似遊技ランプを制御するのは、主制御回路100であってもよいし、副制御回路200であってもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技中表示を、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、メイン表示装置210又はサブ表示装置220(あるいはその双方)で行うことが挙げられる。なお、疑似遊技中表示は、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に表示されることが望ましい(本実施形態では、メイン表示装置210及びサブ表示装置220のいずれもが操作部よりも上方となっているため、いずれを使用してもよい)。また、疑似遊技中表示は、その説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超えること、表示画面が7インチ未満である場合には表面積が642平方mmを超えること、表示画面が7インチ以上である場合には表面積が画面全体の8.2%以上となること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技中表示の説明部分は、当該疑似遊技中表示が疑似遊技中であることを報せるための表示であることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、隠蔽等されることなく遊技者が読み取れる大きさであることが望ましい。
また、例えば、疑似遊技中(例えば、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間)は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成する(当該遊技で指示モニタに停止操作の情報を表示する必要がある場合には、ランダム遅延処理が開始されるタイミングで表示を開始する)ことが望ましい。このようにすれば、疑似遊技中において実際の遊技中であると遊技者が誤認してしまうことをさらに抑制することができる。なお、上述のいずれかの措置がなされていれば、疑似遊技中において、サブ側の演出装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220)では停止操作の情報が報知されるようにしてもよい。また、同様に、疑似遊技中において、サブ側の演出装置では疑似遊技の遊技結果にしたがった(疑似的な遊技操作に連動した)演出が行われるようにしてもよい。
また、実際の遊技では、試験機用第1インターフェースボード301を介して遊技者の遊技操作、あるいは当該遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号が出力されるが、疑似遊技中は、遊技者の疑似的な遊技操作あるいは当該疑似的な遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号は出力されない。したがって、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるようにしてもよい。なお、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御基板71から疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。また、試験機用第1インターフェースボード301にこのような疑似遊技進行機能をもたせる場合、当該機能のオン・オフを切替え可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。これにより、パチスロ機1の検定試験(試射試験)において、疑似遊技の演出内容を確認するか否かを任意に設定することが可能となる。
[4-10-2.サブ側演出]
パチスロ機1では、副制御回路200側(サブ側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、メイン表示装置210等によって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(通常演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、今回の遊技において完結する(すなわち、1ゲームで終了する)演出を行い得る。このような演出は、「通常演出」と称される他、「単発演出」等とも称される。なお、このような通常演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の通常演出を行い得るように構成することもできる。
(連続演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、複数回の遊技にわたって連続する(すなわち、複数ゲームの間継続する)演出を行い得る。このような演出は、「連読演出」と称される他、「継続演出」等とも称される。なお、このような連続演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の連続演出を行い得るように構成することもできる。
(操作連動演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技者の演出操作に応じて演出内容を変化させることが可能な演出を行い得る。このような演出は、「操作連動演出」と称される他、「ボタン演出」等とも称される。なお、このような操作連動演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の操作連動演出を行い得るように構成することもできる。また、操作連動演出は、通常演出として構成することもできるし、連続演出として構成することもできる。また、演出操作は、演出用ボタン群に対する操作のみならず、各種遊技操作を含むものとすることができる。
なお、上述の各種演出は、種々の用途に用いることができる。例えば、設定値、内部当籤役、遊技状態、遊技区間、特典の付与内容、特典が付与されるまでの期間等の示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの有利度合いの示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの用途もあくまで一例である。
(その他演出)
パチスロ機1では、上述の各種演出以外の演出を行うこともできる。例えば、上述の用途以外に用いられるものとして、遊技者又は遊技店に対する各種の報知(例えば、のめり込み防止報知や忘れ物防止報知、エラー状態報知、デモ状態報知等)も広義の意味において演出に含まれる。なお、のめり込み防止報知は、例えば、有利区間が終了したときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、忘れ物防止報知は、例えば、有利区間が終了したときや精算操作が行われたときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、エラー状態報知は、エラーが発生してから解消されるまで、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、デモ状態報知は、遊技されていない期間が所定期間となったときや精算操作が行われたときに、空き台であること等が報知されるものとすることができる。
[5.第1の遊技機]
続いて、図5~図22を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第1の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
まず、第1の遊技機では、有効ラインが、上述の「センターライン」の1ラインのみと定義される。また、第1の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「F_2BB」(2枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「2BB」として説明する場合がある)が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」(3枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「3BB」として説明する場合がある)が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。
また、第1の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[5-1.第1の遊技機の遊技性]
続いて、図5~図8を参照して、第1の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図5は、第1の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図6は、第1の遊技機における各モードの一例を説明するための図であり、図7及び図8は、第1の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、第1の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、モード移行が行われる点において非有利区間とは異なる。
すなわち、非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態であり、演出区間は、モード移行等によって増加区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。
一方、増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。なお、演出区間と増加区間とはともに有利区間であり、これらの区間を相互に移行することで一連の有利区間として構成されるものである。
なお、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、非有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての非有利区間サブフラグが決定される。なお、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、内部当籤役ごとに各種データテーブルを設ける必要がなくなることから、データ量を圧縮することができ、メインROM102の容量の圧迫を回避することができる。非有利区間では、この非有利区間サブフラグを用いた抽籤が行われる。
非有利区間サブフラグ「リプベル」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)、「F_リプレイB」(No.「4」)、及び「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。なお、非有利区間においても、有利区間と同様に、当籤時サブフラグと入賞時サブフラグが決定され得るように構成することもできる。また、これらの対応関係も上述のものに限られない。
また、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグが決定される。さらに、有利区間においては、表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグが決定される。有利区間では、これらの有利区間当籤時サブフラグ及び有利区間入賞時サブフラグを用いた抽籤が行われる。
有利区間当籤時サブフラグ「ベル」は、内部当籤役が「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。
有利区間入賞時サブフラグ「通リプ1」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「右上がりリプ」である場合)に決定される。有利区間入賞時サブフラグ「通リプ2」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「平行リプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「平行リプ」である場合)に決定される。
ここで、第1の遊技機では、後述するように、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示され、2BBフラグ間及び非フラグ間では、「平行リプ」の図柄の組合せが表示されるようになっている。
すなわち、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定され、2BBフラグ間及び非フラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定されるようになっている。そして、第1の遊技機では、このように有利区間入賞時サブフラグが異なる場合、後述する各種抽籤(例えば、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルを用いた疑似ボーナス移行抽籤や図8(f)に示すモード移行抽籤テーブルを用いたモード移行抽籤)における有利度合いを変動させるようにしている。
なお、第1の遊技機では、例えば、3BBフラグ間であるか、あるいは2BBフラグ間であるかに応じて、有利区間入賞時サブフラグが変動する役として「F_リプレイA」(No.「3」)を例に挙げて説明しているが、有利区間入賞時サブフラグが変動する態様はこれに限られない。例えば、後述するように、内部当籤役が「F_ベル123B1」(No.「12」)であるとき、3BBフラグ間である場合と、2BBフラグ間である場合とで停止制御を異ならせることにしているので、このような役に当籤した場合、メダルの払出数を変動させず(あるいは変動させるようにしてもよい)、表示される図柄の組合せが異なるようにし、これによって異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、後述するように、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるとき、いずれのフラグ間(非フラグ間)であるかにかかわらず、押下位置(停止操作タイミング)が適切であれば「スイカ」の図柄の組合せが表示され、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生して「スイカこぼし」の図柄の組合せが表示されるようにしているので、このような役に当籤した場合、取りこぼしが発生することなく入賞させることができた場合と、取りこぼしが発生した場合とで異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、停止操作が特定の態様(この特定の態様は、例えば、停止操作が予め定義された打順(正解押し順)で行われる態様、押下位置(停止操作のタイミング)が適切である態様、及びこれらの組合せの態様、いずれの態様であってもよい)で行われた場合には「平行リプ」の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合には「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示されるようにし、これにより異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
すなわち、第1の遊技機では、特定役に関し、ベット数、遊技状態、停止操作の態様、あるいはこれらのうちいずれかの組合せによって、最終的な停止表示態様が異なる場合があることを可能とし、異なった停止表示態様に応じて異なる二次情報を決定可能とし、それによって有利度合いを変動可能とする態様全てを適用することができる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行抽籤が行われる。具体的には、図7の(b)に示す有利区間移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて非有利区間サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、非遊技区間サブフラグに応じて、移行先モード等が決定される。なお、この決定に際しては、有利区間に移行した際のモードの種別のみが決定される場合(図5中、「有利区間開始」)と、当該モードの種別のみならず疑似ボーナスに移行することも決定される場合(図5中、「有利区間開始+疑似ボーナス開始」)とがある。もっとも、非有利区間においては、疑似ボーナスに移行することが決定されない仕様とすることもできる。
ここで、図6を参照して、第1の遊技機における各モードについて説明する。第1の遊技機において、モードは、演出区間(通常遊技)における増加区間(疑似ボーナス)移行(付与)の期待度を変動させるための制御情報(遊技状態や制御状態と言い換えてもよい)であり、演出区間(通常遊技)においては、このモードにしたがって、疑似ボーナス移行の有無が決定されたり、有利区間を維持させたり、有利区間を終了させて非有利区間に移行させることが決定されたりするようになっている。
スタートモードは、非有利区間から有利区間(演出区間)に移行するときに滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、図示は省略しているが、スタートモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。天井ゲーム数は、疑似ボーナスに移行しない期間が一定期間となったとき、強制的に疑似ボーナスに移行させるために用いられる。それゆえ、天井ゲーム数が少ないほど遊技者に有利であり、天井ゲーム数が多いほど遊技者に不利となる。
通常Aモードは、遊技者が遊技を行う上で最も滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Aモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。また、図6中、「疑似ボーナス後約999G」とあるのは、疑似ボーナス終了後に、後述の終了Aモード又は終了Bモードに移行し、当該モードにて疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われ、一度非有利区間に移行した後、非有利区間から有利区間に移行する際にこの通常Aモードが選択された場合、見かけ上の天井ゲーム数は、「965ゲーム」+終了Aモード又は終了Bモードでの遊技期間「32ゲーム」+非有利区間から有利区間に移行するのに要したゲーム数となるため、これを表現したものである。以下、通常Bモード、天国準備モード、チャンスモードにおいても同様である。
通常Bモードは、遊技者が遊技を行う上で比較的滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、通常Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Bモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。
天国準備モードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低い(後述の図7の(c)参照)ものの、天井ゲーム数は「466ゲーム」に設定され、また、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後は天国モードに移行することが確定するため(後述の図8の(f)参照)、その意味において相対的に有利なモードとなっている。
チャンスモードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「222ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。
終了Aモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は最も低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Aモードでは、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。
終了Bモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、終了Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Bモードでは、終了Aモードと同様、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。なお、終了Aモード及び終了Bモードは、「終了モード」と総称することもできる。
保障モードは、天国Cモードが終了した場合に滞在するモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。すなわち、天国Cモードが終了したとき、それによる興趣の低下を防止するため、一定期間は相対的に有利な状態を維持(保障)しようするモードとして位置付けられる。
天国Aモードは、疑似ボーナスが連荘する(AT状態が、AT状態中に延長(上乗せ)の決定が行われることによって継続する仕様の場合には、当該延長(上乗せ)することも含み得る。以下同じ)ことが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が中程度に設定された相対的に有利なモードとなっている。なお、図6においては図示を省略しているが、例えば、この天井モードループ率には設定差を設けるようにすることもできる。例えば、設定値が奇数(1,3,5)であるとき、天井モードループ率が75%程度となり、設定値が偶数(2,4,6)であるとき、天井モードループ率が67%程度となるように抽籤値を設定することもできるし、単に設定値が高いほど天井モードループ率も高くなるように抽籤値を設定することもできる。後述の天国Bモード及び天国Cモードにおいても同様であり、天井モードループ率に設定差を設けることもできる。
天国Bモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモードよりもさらに有利なモードとなっている。
天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)がかなり高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモード及び天国Bモードよりもさらに有利なモードとなっている。なお、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードは、「天国モード」と総称することができる。
なお、上述の各モードは、あくまでも一例を示すものであり、モードの構成はこれに限られない。上述の各モード以外のモードを設定することもできるし、上述の各モードのうち一部のモードを設定しないようにすることもできる。
また、ここまで、非有利区間は有利区間に比べて相対的に有利度が低い状態として説明したが、非有利区間と有利区間との関係はこのような態様に限定されない。例えば、非有利区間である場合のほうが、有利区間において少なくとも1つ以上のモードが設定されている場合よりも増加区間への移行割合が高かったり、増加区間への移行に要する平均ゲーム数が短くしたりする等の仕様、あるいは非有利区間が最も増加区間にしやすい仕様とすることもできる。このようにすることで、設定変更後等の非有利区間であることが確定する状態においても遊技を行うインセンティブが生まれるため、開店時からでも遊技を開始する動機づけとなる。また、疑似ボーナス終了後32ゲームを経過したときに区間ランプの点灯が終了した場合であっても、最も不利な状態となることが確定しないため、このようなときでも遊技が継続される動機づけとなる。また、ここまで、演出区間は遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であるとして説明したが、増加区間と比べて不利な態様(例えば、報知の頻度を下げたり、報知の対象となる役を変更したりする等)であれば、停止操作の情報が報知される遊技状態とすることもできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。演出区間(通常遊技)では、まず、遊技毎に、有利区間当籤時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて有利区間当籤時サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、有利区間当籤時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。なお、図7の(c)中、「非当籤」は、疑似ボーナスに移行させないことを意味し、「当籤(今回遊技)」は、今回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味し、「当籤(次回遊技)」は、次回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味する。
なお、第1の遊技機では、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には今回遊技の開始時に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には次回遊技の開始時に、遊技操作(停止操作)が一定期間無効とされるとともに、当該無効期間において、メイン表示窓4に「赤7」図柄が揃って表示されるリール演出(「赤7揃い」演出)が行われた後、疑似ボーナスが開始され、「赤7揃い」演出が行われた遊技で、停止操作の情報を報知する必要がある場合には、少なくとも当該無効期間が終了して遊技操作(停止操作)が有効となるとき(それ以前でもよいが、上述のランダム遅延処理が開始されるよりも前のタイミングではないとき)に、停止操作の情報の報知が行われるようになっている。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(当籤時)が行われた場合、後述の疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)、モード移行抽籤(入賞時)、及びモード移行抽籤(天井時)は行われない。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、有利区間入賞時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、入賞役が決定され、当該入賞役に応じて有利区間入賞時サブフラグが決定された以降の当該遊技中(次回遊技開始前)の所定のタイミングで、有利区間入賞時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。
なお、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、疑似ボーナスに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で疑似ボーナスに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(入賞時)が行われた場合、後述のモード移行抽籤(天井時)は行われない。
なお、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この場合、必ず「当籤(今回遊技)」が決定されるようにすることもできるし、必ず「当籤(次回遊技)」が決定されるようにすることもできる。また、抽籤によりこれらのいずれが決定されるようにすることもできる。
演出区間(通常遊技)において、天井ゲーム数の到達により、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(天井時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。
なお、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)及び疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。また、モード移行抽籤(当籤時)及びモード移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。
また、仮に、疑似ボーナスの当籤の種類として「当籤(今回遊技)」を設けないのであれば、有利区間入賞時サブフラグが決定されるタイミングでは、有利区間当籤時サブフラグも決定済みであり、また、天井ゲーム数も更新済みとすることができるため、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)及び天井到達時の疑似ボーナス移行処理を1回の処理でまとめて行うこともできる。また、同様に、モード移行抽籤(当籤時)、モード移行抽籤(入賞時)及びモード移行抽籤(天井時)を1回の処理でまとめて行うこともできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナスに移行させることが決定され、疑似ボーナスが開始された場合(図5中、「疑似ボーナス開始」)、増加区間(疑似ボーナス)に移行する。また、上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、終了Aモード又は終了Bモードに制御され、疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が消化された場合(図5中、「有利区間終了(終了A・B経由)」)、非有利区間に移行する。また、後述の図16に示すリミット処理の条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「有利区間終了(リミット処理)」)、その結果、非有利区間に移行する。
増加区間(疑似ボーナス)では、当該疑似ボーナスが開始されるときに、天井短縮抽籤が行われる。具体的には、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、当該疑似ボーナス終了後の天井ゲーム数を短縮するか否かが決定される。なお、図8の(e)中、「非当籤」は、天井ゲーム数を短縮させないことを意味し、「当籤(天井ゲーム数=0更新)」は、当該疑似ボーナス終了後、モードにかかわらず、セットされる天井ゲーム数を「0」とする(短縮させる)ことを意味する。なお、天井短縮抽籤は、疑似ボーナスが開始されるときのみならず、疑似ボーナス中は毎遊技行われるようにすることもできる。
天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させないことが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、後述の1G連ストックも保有していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。一方、天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させることが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、天井ゲーム数の到達により疑似ボーナスが開始されたことになるため、上述のモード移行抽籤(天井時)が行われる。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」又は「中チェ」が決定された遊技において)、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、上記以外の有利区間当籤時サブフラグが決定された場合にも、移行先モードが決定されるようにしてもよいが、この場合、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この場合、上記と同様、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに、1G連抽籤が行われる。具体的には、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグ又は有利区間入賞時サブフラグに応じて、1G連を発生させるか否かが決定される。なお、図7の(d)中、「非当籤」は、1G連を発生させないことを意味し、「当籤(1G連+1)」は、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)ことを意味する。なお、1G連ストックは、1G連ストックカウンタによって複数個(最大255個)ストック(貯留)されることが可能となっている。したがって、1回の疑似ボーナス中に複数個の1G連ストックが付与される場合もある。また、1回の1G連抽籤で、複数個の1G連ストックが付与され得るように、1G連抽籤テーブルを構成することもできる。
疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、1G連ストックという権利に応じた疑似ボーナスの開始となるため、上述のモード移行抽籤は行われない。一方、疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上でない場合(すなわち、1G連ストックを保有していない場合)、上述の天井短縮抽籤にも当籤していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。
なお、天井短縮抽籤に当籤し、1G連ストックも保有している場合、天井短縮抽籤の結果が優先され、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行された後、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよいし、1G連ストックが優先され、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行された後、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよい。後者の場合、天井短縮があることを持越せる情報を別途記憶しておけばよい。
第1の遊技機では、増加区間(疑似ボーナス)の構成として、「55ゲーム」間継続し、最大275枚獲得可能としたものを一例として挙げているが、疑似ボーナスの構成はこれに限られない。例えば、当該疑似ボーナスを「疑似BB(ビッグボーナス)」として構成し、他に「22ゲーム」間継続し、最大110枚獲得可能とした疑似ボーナスである「疑似RB(レギュラーボーナス)」を搭載するようにしてもよい。この場合、上述の疑似ボーナス移行抽籤、天井到達時、1G連抽籤において、疑似ボーナスに移行させること(権利を付与すること)が決定される際には、その種類(例えば、「疑似BB」とするのか、「疑似RB」とするのか)が所定確率(例えば、50%ずつ)で決定されるようにすればよい。なお、「疑似RB」は、「疑似BB」との間で価値が異なる(より詳細には、「疑似BB」よりも価値が低い)ものとすればよいため、例えば、継続ゲーム数は「疑似BB」と同じであるが、ベルナビ率(停止操作の情報が報知される報知確率)を低いものとすることで、最大獲得可能枚数に差をつけ、価値が異なるようにすることもできる。また、「疑似RB」を開始させる際には、メイン表示窓4に「BAR」図柄が揃って表示されるリール演出、あるいは「赤7-赤7-BAR」が表示されるリール演出が行われるようにすればよい。さらに、増加区間は疑似ボーナスとして構成されるものに限られない。例えば、継続する遊技数(遊技期間)を変化させることが可能なAT状態やART状態として構成することもできる。
また、疑似ボーナス中に、後述の図16に示すリミット処理の実行条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「リミット処理による有利区間終了」)、その結果、非有利区間に移行する。
なお、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に3枚ベット状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合、2枚ベット状態ではメダルが増加しないように構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない。すなわち、第1の遊技機では、2枚ベット状態で遊技を行うと基本的に遊技者は不利となるように構成されている。
ここで、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、有利区間(AT)に関する抽籤(例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤)や処理(例えば、天井ゲーム数の更新等)は行われないものの、上述のゲーム数リミッタ用の有利区間ゲーム数カウンタや、上述の払出数リミッタ用の有利区間払出数カウンタの更新は行われるものとすることが望ましい。これらのリミッタは、有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を制限することで射幸性を適切に抑制する機能を有するものであることから、仮に、2枚ベット状態ではこれらのカウンタが更新されないものとすると、2枚ベット状態での遊技が介在することで設定された有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を超えてしまう場合が生じ、その結果適切に射幸性を抑制できない場合が生じ得るためである。
それゆえ、リミッタ用のカウンタは、ベット数不問で毎ゲーム更新可能に構成されることが望ましい。
また、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に非ボーナス状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、ボーナス状態(2BB状態及び3BB状態)で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中にボーナス状態となった場合、ボーナス状態は非ボーナス状態(より詳細には非ボーナス状態の3枚ベット状態)よりもメダルの増加期待値が低い状態として構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない場合もある。すなわち、第1の遊技機では、ボーナス状態で遊技を行うと遊技者は不利となる場合があるように構成されている。
それゆえ、第1の遊技機では、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている(本実施形態では、2BBフラグ間の3枚ベット状態を「推奨遊技状態」として説明し、その他の状態を「非推奨遊技状態」として説明する場合がある)。すなわち、第1の遊技機では、2BBは2枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、2BBフラグ間において2BBに係る図柄の組合せは2枚ベット状態でのみ入賞し、3枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、3BBは3枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、3BBフラグ間において3BBに係る図柄の組合せは3枚ベット状態でのみ入賞し、2枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、2BBフラグ間では3BBが当籤する場合はなく、3BBフラグ間では2BBが当籤する場合はない構成となっている。
そして、第1の遊技機では、これらの構成を用いて、例えば、非フラグ間の2枚ベット状態で2BBを当籤させて(2BBを入賞させず)2BBフラグ間とした後、3枚ベット状態で遊技を行えば、ボーナス役を入賞させるか否かを気にすることなく、上述の推奨遊技状態で遊技を行うことが可能となっている。
上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、天井短縮抽籤が行われる。ここで、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルをみると、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるとき、1/8(32/256)の確率で天井短縮抽籤に当籤する一方、その他のモードであるときには天井短縮抽籤に当籤しないようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合には、その「32ゲーム」が「0ゲーム」に短縮される場合があり、天井ゲーム数がそれよりも多いモードの場合には、天井ゲーム数が短縮される場合がないようになっている。
なお、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードの場合であっても、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合よりも低い確率(例えば、1/64)で、天井ゲーム数が短縮されることが決定されるようにしてもよい。
また、天井ゲーム数を短縮する態様も上述のものに限られない。例えば、「32ゲーム」をそれより少ない所定ゲーム(0~31ゲーム)に短縮すれば、同様の作用効果を発揮できることから、天井短縮抽籤に当籤したときに短縮するゲーム数がさらに決定されるようにしてもよいし、天井短縮抽籤において、何ゲーム分短縮するのかを予め決定するようにしてもよい。
また、天井短縮抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス中には、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。また、有利区間(通常遊技)において、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるときには、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。これらの場合には、有利区間当籤時サブフラグや有利区間入賞時サブフラグが参照されて、天井短縮抽籤に当籤するか否かが決定されるようにすればよい。
また、上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、1G連抽籤が行われる。ここで、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルをみると、現在のモードがいずれのモードであっても、1G連ストックが付与される場合があるようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるか否かにかかわらず、疑似ボーナスを継続させるための権利が付与可能となっている。
なお、当該権利を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるときには、天井短縮抽籤が行われることを考慮して1G連抽籤が行われないようにし、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードであるときに1G連抽籤が行われるようにすることで、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制してもよい。
また、1G連抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス以外の有利区間(演出区間)においても、1G連抽籤が行われるようにし、その結果ストックされた1G連ストックは、次の疑似ボーナスにおいて消化されるようにしてもよい。
なお、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、疑似ボーナスの開始時、あるいは疑似ボーナス中において、現在のモードが天国モードであるとき、有利な状態であることを示唆するための特別ボーナス中演出が所定確率で実行されるようになっている。したがって、特別ボーナス中演出が実行された場合、天井短縮抽籤が実行されることを期待させることができる。また、この特別ボーナス中演出は、天井短縮抽籤に当籤したときには100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、疑似ボーナスの開始時に特別ボーナス中演出が実行された場合、少なくとも天国モードに滞在していることが示唆され、さらに天井短縮抽籤にも当籤したかもしれないとの期待感を抱かせることができる。また、この特別ボーナス中演出は、疑似ボーナス中に1G連抽籤に当籤したときにも、所定確率であるいは100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、(1)天国モードのみ、(2)天国モード+天井短縮当籤、(3)天国モード+1G連当籤、(4)天国モード+天井短縮当籤+1G連当籤、(5)1G連当籤のみ、等の様々な可能性を示唆することでき、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)が終了してから所定期間(例えば、32ゲーム)内に再度有利状態に制御されることが確定している場合(例えば、天国モードの場合)、その期間をさらに短縮できる場合があることから、一連の有利区間の遊技期間が制限される場合(例えば、リミット処理が実行される場合)であっても、遊技者がなるべく有利度合いの高い状態で遊技を行えるようにして遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態が終了してから所定期間内に再度有利状態に制御されることが確定していない場合(例えば、終了モードの場合)であっても、権利(例えば、1G連ストック)の付与によって再度有利状態が開始される場合があることから、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合(すなわち、「F_確定チェリー」又は「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合)であって、上述のモード移行抽籤の結果、天国Cモードに移行することが決定された場合には、1/2の確率(この確率は任意である)で特別ロック演出が実行可能となっている。なお、遊技者は、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合(すなわち、「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合)にも、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様の恩恵を受けることができることから、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様に、特別ロック演出を実行可能としてもよい。
ここで、「確定役」は、疑似ボーナス移行も確定する役であることから(図7の(c)参照)、遊技者は特別ロック演出が実行されると、疑似ボーナス移行及び天国Cモード移行があったことが認識できるようになっており、遊技者にとって非常に興趣が高まるようになっている。特別ロック演出は、例えば、遊技開始時に約20秒間にわたって遊技操作(停止操作)が無効とされる演出として構成される。なお、この間には、各リールが振動したり、逆回転したりする特別リール演出が行われるようにしてもよいし、メイン演出表示部21において、通常は表示されない特別映像等が表示されるようにしてもよい。また、通常は出力されない特別楽曲が出力されるようにしてもよい。むろん、これらの組合せによって演出を行うこともできる。また、遊技操作は無効とされないが、遊技者が次の遊技操作を行うまで、これらの演出が行われるようにすることもできる(すなわち、演出を最後まで実行させるか、あるいは中途でキャンセルして遊技を進行させるかの決定を遊技者に委ねることもできる)。
ただし、第1の遊技機では、後述の図16に示すように、例えば、天国Cモードに滞在していたとしても、リミット処理の実行によって有利区間が強制的に終了される場合があることから、上述の特別ロック演出を何度も実行することが望ましくない場合もある。
そこで、第1の遊技機では、同じ一連の有利区間内では、特別ロック演出は一度しか実行されないようになっている。具体的には、一連の有利区間内において、最初に特別ロック演出を実行することが決定された場合には特別ロック演出が実行されるが、それ以降同じ一連の有利区間内では、同じ条件が成立した場合であっても特別ロック演出が実行されないように制御する。なお、手法としては、一度特別ロック演出が実行された場合、その旨を示す情報を格納しておき、それ以降同じ一連の有利区間内において当該情報が格納されている場合には、そもそも特別ロック演出を実行するか否かの決定が行われないようにしてもよいし、当該決定は行われるが、当該情報が格納されている場合にはその決定結果が実行することを示すものであっても、実行しないことを示すものに書き換えるようにしてもよい。そして、格納された当該情報は、有利区間が終了するときにクリアされるようにすればよい。
なお、特別ロック演出の実行が制限される態様は上述のものに限られない。例えば、特別ロック演出の実行が制限される上限の回数を「1回」ではなく、「2回」や「3回」として定めてもよい。すなわち、特別ロック演出の実行は制限されるが、その上限は複数回として定めてもよい。これは、特別ロック演出1回あたりの出玉の期待値に応じて適宜設定することができる。
また、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件も上述のものに限られない。すなわち、上記では、「確定役」の当籤を契機として、モード移行が行われ、当該モードが天国Cモードであったことを条件として、特別ロック演出が実行されるか否かの決定を行うようにしているが、例えば、「確定役」の当籤以外の契機によっても天国Cモードに移行する場合があることから(図8の(f)参照)、これらの場合にも特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、所定確率(「確定役」の当籤を契機とする場合と同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい)で特別ロック演出が実行されることが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、「確定役」の当籤を契機として、まず、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、特別ロック演出が実行されることが決定された場合に、天国Cモードに移行させるようにしてもよい。すなわち、天国Cモードに移行することが決定されたことに応じて特別ロック演出が実行されるようにしてもよいし、特別ロック演出が実行されることが決定されたことに応じて天国Cモードに移行させるようにしてもよい。
また、例えば、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件として、有利区間中の遊技の進行度合いを採用してもよい。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」未満であるとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」未満であるときには、上記のように特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われ、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」以上となったとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」以上となったときには、以降同じ一連の有利区間においては、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われないようにすることもできる。
このように、第1の遊技機では、一連の有利区間の遊技期間が一定期間に制限される(後述の図16参照)。そして、同じ一連の有利区間内においては、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が複数回設定される場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、一連の有利区間内においては、特定役(例えば、「確定役」)の当籤を契機として、有利状態(例えば、疑似ボーナス)に制御されることが確定するとともに、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が設定される場合がある。そして、同じ一連の有利区間内においては、このような場合が複数回発生する場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に応じた二次情報(例えば、有利区間当籤時サブフラグ)を決定可能であるとともに、表示される図柄の組合せに応じた二次情報(例えば、有利区間入賞時サブフラグ)を決定可能とし、それぞれ決定された二次情報に応じて、遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、疑似ボーナス)を付与するか否かを決定可能としている。
このように、第1の遊技機では、内部当籤役が決定された際のみならず、図柄の組合せが表示された際にも有利状態の付与に関する期待感を与えることができるため、有利状態の付与に関する遊技性を多様化することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に対応する情報と、表示された図柄の組合せに対応する情報と、をともに共通の二次情報として管理しているため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制することができる。
また、第1の遊技機では、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)である場合、第1特別役(例えば3BB)を当籤可能とする一方、第2特別役(例えば、2BB)を当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)である場合、第2特別役を当籤可能とする一方、第1特別役を当籤可能としない。また、特定役(例えば、「F_リプレイA」)に当籤した場合、第1特別許可状態(例えば3BBフラグ間)であれば所定図柄の組合せ(例えば、「右上がりリプ」)を表示させ、第2特別許可状態(例えば2BBフラグ間)であれば特定図柄の組合せ(例えば、「平行リプ」)を表示させることを可能としている(後述の図15参照)。
そして、第1の遊技機では、所定図柄の組合せが表示された場合と、特定図柄の組合せが表示された場合と、で異なる二次情報を決定可能としている。すなわち、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性をさらに多様化することができる。
また、第1の遊技機では、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能とする。
ここで、第1の遊技機では、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとは、ともに再遊技に係る図柄の組合せであることから、いずれが表示された場合であっても再遊技の作動という同じ特典が付与されることとなる。
なお、同じ特典を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、特定役を遊技価値の付与に係る特定小役として構成する。そして、特定小役に当籤した場合、例えば、第1特別許可状態であれば、1枚(この値は任意であり、ベットされた遊技価値以下の他の値であってもよいし、ベットされた遊技価値を超える値であってもよい)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せ(「右上がりリプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させ、第2特別許可状態であれば、所定図柄の組合せが表示された場合と同数の遊技価値が付与される特定図柄の組合せ(「平行リプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させるようにしてもよい。
また、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとをともに「はずれ」の図柄の組合せ(もっとも、有利状態を付与するか否かを決定可能とするため、純粋な「はずれ」の場合とは異なる図柄の組合せであることは識別可能な図柄の組合せとする)として構成するようにしてもよい。この場合であっても、価値が同じである点にかわりはない。
このように、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性を多様化することができる。また、特定役が決定された遊技では、いずれの特別許可状態となっていても同じ特典が付与されることから、遊技性を変動させる場合であっても、遊技者が直接的な不利益を被ってしまうこと防止することができる。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、特定の態様で停止操作が行われないときには特定図柄の組合せを表示させることを可能しないように構成してもよい。
そして、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能としてもよい。特定役が内部当籤役として決定された場合、特定図柄の組合せが表示されたときと、特定図柄の組合せが表示されなかったときとで有利状態の付与に関する有利度を異ならせることを可能としてもよい。
また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態である場合には、停止操作態様にかかわらず所定図柄の組合せを表示させ、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させ、特定の態様で停止操作が行われないときには所定図柄の組合せを表示させるようにしてもよい。
この場合、特定役は、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(本実施形態では、これを「押下位置○」や「押下位置正解」等として説明する場合がある)に特定図柄の組合せが表示され、停止操作のタイミングが適切でない場合(本実施形態では、これを「押下位置×」や「押下位置不正解」等として説明する場合がある)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述のとおり、特定役は特定小役として構成することも可能であり、この場合、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(押下位置○の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、停止操作のタイミングが適切でない場合(押下位置×の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、停止操作のタイミングが適切となるタイミングも限定されてしまうため、停止操作のタイミングが適切となるタイミングが異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが第1のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第1のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第2のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第3のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役と、が設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
また、この場合、特定役は、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役は、上述のとおり特定小役として構成することも可能であり、この場合、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを、取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、適切となる打順も限定されてしまうため、適切となる打順が異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、左第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、中・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、中第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、右第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・中第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役とが設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
ここまで、特定役に当籤した単位遊技において、停止操作態様(停止操作のタイミングや打順のうち、少なくとも一方又は両方)に起因して、非有利区間における有利区間への移行判定処理や、有利区間における有利状態の付与に関する判定処理(疑似ボーナス移行抽籤やモード移行抽籤、その他有利区間における遊技状況の有利度を変化させるための処理を含む)を変化させることを述べたが、このような変化のうち、遊技者に相対的に不利となる(結果的に不利となる場合がある)変化は上述のペナルティと捉えることができる。したがって、そのような変化が発生した場合には、注意喚起をするための任意の演出(警告報知)を発生可能な構成としてもよい。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、所定図柄の組合せが表示された場合よりも、特定図柄の組合せが表示された場合のほうが、有利状態が付与される可能性が高くなっている。すなわち、3枚ベットすることを前提とすれば、第2特別許可状態(例えば、2BBフラグ間)は、第1特別許可状態(例えば、3BBフラグ間)よりも有利状態の付与が優遇される状態である。
また、第1の遊技機では、所定役(例えば、後述の「押し順ベルB」)に当籤した場合、第1特別許可状態であれば打順不問で付与図柄の組合せ(例えば、8枚の払出となる図柄の組合せ)が表示される一方、第2特別許可状態であれば、打順が予め定義された正解押し順であった場合には付与図柄の組合せが表示されるが、打順が予め定義された正解押し順でなかった場合には付与図柄の組合せは表示されず、遊技価値が付与されない取りこぼしとなるか、又は付与図柄の組合せが表示された場合よりも少ない量の遊技価値しか付与されない図柄の組合せ(例えば、1枚の払出となる図柄の組合せ)が表示されるように構成されている。すなわち、有利状態の作動を考慮しなければ、第1特別許可状態は、第2特別許可状態よりも遊技価値の付与が優遇される状態である。
すなわち、遊技者が、非推奨遊技状態であっても3BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されないものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されるため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に少ない状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくいといった状態は、例えば、「安定状態」と定義することができる。
一方、遊技者が、推奨遊技状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されるものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されないため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に多い状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすいといった状態は、例えば、「荒波状態」と定義することができる。
ここで、安定状態と荒波状態の2つの状態を創出する手法は上述のものに限られない。例えば、「安定状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「荒波状態」よりも高める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「荒波状態」よりも低める。また、「荒波状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「安定状態」よりも低める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「安定状態」よりも高める。このようにすれば、「安定状態」では、疑似ボーナスに初当りしやすいが、連荘しにくいという状態を創出でき、「荒波状態」では、疑似ボーナスに初当りしにくいが、連荘しやすいという状態を創出できる。なお、所定役の停止制御については、上述のとおり、2BBフラグ間と3BBフラグ間とで変動するものとしてもよいし、これとは異なる(すなわち、3BBフラグ間で優遇しない)ものとしてもよい。
[5-2.第1の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図9を参照して、第1の遊技機の図柄配置構成について説明する。図9は、第1の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、第1の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤ブランク」、「黄ブランク」、「白ブランク1」及び「白ブランク2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図9に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[5-3.第1の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図10~図15を参照して、第1の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図10は、第1の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図11~図14は、第1の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図15は、第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。
すなわち、以下では、第1の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第1の遊技機では、後述の内部抽籤処理(図26参照)において、図10に示す各内部当籤役が、図10に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図10中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図11~図14中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技、あるいは2BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、あるいは3BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
なお、2BB状態及び3BB状態では、図10中、「ボーナス状態」の列の抽籤値が参照され、内部当籤役が決定される(遊技開始可能枚数は3枚ベットのみ)。2BB状態及び3BB状態中は、常に第一種特別役物であるRBが作動している状態(RB状態)に制御される。なお、RB状態は、作動してから2回の入賞が発生又は2回の遊技が行われた場合に一旦終了して再び作動するといった制御が繰り返される。また、第1の遊技機において、2BB状態の終了条件は、2BB状態において1枚を超えるメダルが払出されたことと規定されており、3BB状態の終了条件は、3BB状態において176枚を超えるメダルが払出されたことと規定されている。
ここで、2BB状態又は3BB状態が終了したときには、特殊モード移行処理が行われる。例えば、ボーナス状態に移行したとき(ボーナス状態中は、モード移行が行われないため、ボーナス状態が終了したときと同義)のモード、すなわち、現在のモードが「スタートモード」であれば、移行先のモードは「スタートモード」となる。また、現在のモードが「通常Aモード」「通常Bモード」「天国準備モード」「チャンスモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「通常Aモード」となる。また、現在のモードが「終了Aモード」「終了Bモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「終了Aモード」となる。また、現在のモードが「保障モード」「天国Aモード」「天国Bモード」「天国Cモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「保障モード」となる。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、非フラグ間及び2BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP64」~「REP72」のいずれか(これらは、「リプレイ」図柄を下段一直線、あるいは中段一直線に表示させるものであることから、これらを「平行リプ」と総称することができる。また、「REP64」~「REP71」は、「下段リプ」と総称することができ、「REP72」は、「中段リプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、3BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP73」(これは、「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、いずれの状態であっても停止操作態様にかかわらず「平行リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP28」、「REP60」~「REP63」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであることから、これらを「チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP57」~「REP59」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_確定チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP42」~「REP56」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであって、例えば、「REP42」のように、他のリールにおいて遊技者が期待を高めることができる図柄も表示されることから、これらを「確定チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、上述の「チェリーリプ」や「REP29」~「REP41」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_中段チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP15」~「REP19」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を中段に表示させるものであることから、これらを「中段チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP20」~「REP27」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_リーチ目」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「REP01」~「REP14」のいずれか(これらは、慣習上、遊技者にとって有利な状態への移行を確定報知する(ないし示唆する)ことが可能な図柄の組合せとして構成されており、これらを「リーチ目リプ」を総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、「FRU10」~「FRU12」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示させるものであることから、これらを「スイカ」と総称することができる)が表示され、3枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「FRU08」及び「FRU09」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示されるものでないため、これらを「スイカこぼし」と総称することができる)が表示され、1枚のメダルが払出される。なお、押下位置×の場合、取りこぼしを発生させてメダルの払出が0枚となるように構成することもできる。
「F_ベル123A1」、「F_ベル123A2」、「F_ベル132A1」、「F_ベル132A2」、「F_ベル213A1」、「F_ベル213A2」、「F_ベル231A1」、「F_ベル231A2」、「F_ベル312A1」、「F_ベル312A2」、「F_ベル321A1」、及び「F_ベル321A2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルA」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」~「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「右下がりベル」(「FRU03」)、「上段ベル」(「FRU01」及び「FRU02」)、「中段ベル」(「FRU04」)、「右上がりベル」(「FRU05」)、「小山ベル」(「FRU06」)、及び「下段ベル」(「FRU07」)のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」(「FRU13」~「FRU116」)のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベル123B1」、「F_ベル123B2」、「F_ベル132B1」、「F_ベル132B2」、「F_ベル213B1」、「F_ベル213B2」、「F_ベル231B1」、「F_ベル231B2」、「F_ベル312B1」、「F_ベル312B2」、「F_ベル321B1」、及び「F_ベル321B2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルB」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルB」は、2枚ベット状態、及び3枚ベット状態の3BBフラグ間においては押し順小役となっていない。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。
また、図15に示すように、「押し順ベルB」は、3枚ベット状態の3BBフラグ間以外の状態(3枚ベット状態の非フラグ間、3枚ベット状態の2BBフラグ間)においては押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_RB役8枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。
「F_RB役1枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「1枚役」(より詳細には、「FRU117」~「FRU120」が追加されている)が表示され、1枚のメダルが払出される。
なお、図10に示す内部抽籤テーブル、図11~図14に示す図柄組合せテーブル、及び図15に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、これらに示した態様に限定されるものではない。
例えば、第1の遊技機では、純粋な「はずれ」のとき、「BB01」が表示可能な2ベット状態において、「BB01」を取りこぼして「はずれ」となったとき、「BB02」が表示可能な3ベット状態において、「BB02」を取りこぼして「はずれ」となったとき、2BBフラグ間において3ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、3BBフラグ間において2ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、「押し順小役」を取りこぼして「はずれ」となったとき等、様々な状態で「はずれ」が発生することがある。そこで、これらのうち一部又は全部の場合にそれぞれ「はずれ」として表示される図柄の組合せを異ならせるため、これら異なる図柄の組合せを図柄組合せテーブルにおいて予め規定しておき、決定された内部当籤役に応じてこれらも「対応する図柄の組合せ」として表示が許可されるようにすることで、状態等に応じて表示される「はずれ」に係る図柄の組合せを異ならせるようにすることもできる。
[5-4.第1の遊技機のリミット処理構成]
続いて、図16を参照して、第1の遊技機のリミット処理構成について説明する。図16は、第1の遊技機における各リミット処理の一例を説明するための図である。図16に示すように、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)、通常リミット処理(払出数)、特殊リミット処理(ゲーム数)、特殊リミット処理(払出数)、準リミット処理(ゲーム数)、及び準リミット処理(払出数)の各リミット処理が実行されるようになっている。なお、これは、実行可能なリミット処理の一例であり、これらの各リミット処理以外のリミット処理が実行されるようにすることもできるし、これらの各リミット処理のうち一部のリミット処理は実行されないようにすることもできる。
通常リミット処理(ゲーム数)は、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1500回行われたとき)に実行される。なお、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間ゲーム数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚のいずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間ゲーム数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。
通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、有利区間に関する情報(例えば、演出区間や増加区間に制御するための情報、現在のモードに係る情報、疑似ボーナスの遊技期間に係る情報、天井ゲーム数や天井短縮の有無に係る情報、1G連ストックカウンタの値等の当該有利区間中に得られた各種情報や当該有利区間を制御するために必要であった各種情報)も全てクリア(初期化)される。
通常リミット処理(払出数)は、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2400枚を超えたとき)に実行される。なお、有利区間払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間払出数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚いずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、例えば、有利区間中に「はずれ」や「取りこぼし」が発生した際、実払出数(例えば、「-2枚」又は「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。したがって、有利区間が開始してからメダルが増加せず減少していった等の場合には、負の値となることもある(あるいは、負の値となる場合には常に「0」が維持されるように構成することもできる)。すなわち、有利区間払出数カウンタは、有利区間中の払出されたメダル数の最下点から定義された最高点(差枚数:2400枚)までを計数することが可能となっている。
通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
特殊リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1445回行われたとき)に実行される。なお、制御用ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用ゲーム数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用ゲーム数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。もっとも、制御用ゲーム数カウンタを、有利区間ゲーム数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(ゲーム数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)有利区間ゲーム数カウンタの値は「1500」であるのに対し、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「1445」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大遊技数(継続可能期間)は「55ゲーム」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の遊技可能期間が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(ゲーム数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制期間分の遊技が行われた場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(ゲーム数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感等を抱き、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間2回あたりの継続可能期間(55ゲーム×2セット=110ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。
また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+猶予期間(2ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、疑似ボーナスに移行する前に前兆状態を経由する等の仕様の場合であって、この前兆状態の最大遊技数が「4ゲーム」である場合、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+最大前兆期間(4ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(ゲーム数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
特殊リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2125枚を超えたとき)に実行される。なお、制御用払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用払出数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用払出数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。
また、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「はずれ」が発生した際、実払出数(例えば、「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。もっとも、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「取りこぼし」発生した際(少なくとも、メダルの払出数の最大値から差分が発生した際)には、「取りこぼし」(あるいは、差分)が生じなかったものとして、メダルの払出数を計数する。具体的には、例えば、3枚ベットで「押し順ベルA」に当籤した遊技において、打順が適切である場合にはメダルの払出数(最大値)は「8枚」(差枚数としては「+5枚」)となる一方、打順が適切でない場合、押下位置が適切であればメダルの払出数は「1枚」(差枚数としては「-2枚」)となり、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生してメダルの払出数は「0枚」(差枚数としては「-3枚」)となるが、制御用払出数カウンタは、当該遊技においていずれの場合であっても、差枚数「+5枚」を計数する。
また、例えば、2BB状態や3BB状態が作動する等して、有利区間払出数カウンタの値が制御用払出数カウンタの値よりも大きくなった場合には、制御用払出数カウンタの値は、有利区間払出数カウンタの値に補正される。なお、制御用払出数カウンタを、有利区間払出数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(払出数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)有利区間払出数カウンタの値は「2401」であるのに対し、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「2126」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大獲得枚数(付与可能遊技価値量)は「275枚」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の付与可能遊技価値量が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(払出数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制遊技価値量分の遊技価値が付与された場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(払出数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感を抱き、遊技の興趣が低下してしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間2回あたりの付与可能遊技価値量(275枚×2セット=550枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)+猶予期間に相当する遊技価値量(8枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(払出数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
準リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「55」(すなわち、疑似ボーナスの継続可能期間)を乗じた値を加算し、加算結果が「1390」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「55×2=110」となるから、制御用ゲーム数カウンタの値が「1280」となったときに準リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)こととなる。
準リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「275」(すなわち、疑似ボーナスの付与可能遊技価値量)を乗じた値を加算し、加算結果が「1851」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「275×2=550」となるから、制御用払出数カウンタの値が「1301」となったときに準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)こととなる。なお、準リミット処理(ゲーム数)と準リミット処理(払出数)とは、ともに同じ内容の規制を行うものであるから、一方の作動条件が成立して作動した後は、もう一方の作動条件が成立したとしても重複して作動する必要ないものとなっている。
準リミット処理(ゲーム数)、又は準備リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、疑似ボーナス中は、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤が実行されなくなる。すなわち、増加区間における遊技期間の延長が抑制される。なお、増加区間における遊技期間の延長が抑制される手法はこれに限られない。例えば、上述の1G連抽籤において、1G連の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよいし、上述の天井短縮抽籤において、天井短縮の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤そのものは実行されるが、これらの抽籤に当籤しにくくなるようにしてもよい。また、例えば、準リミット処理(ゲーム数)の実行後の演出区間では、疑似ボーナス移行抽籤において当籤となる抽籤値を低くして、疑似ボーナスに移行しにくくしてもよい。あるいは、モード移行抽籤において遊技者に有利なモード移行が決定される抽籤値を低くして、疑似ボーナスが連荘しにくくしてもよい。
また、準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、演出区間中は、「確定役」(図7の(a)参照)の当籤時に特殊処理が行われるようになっている。以下、この特殊処理について、「確定役」が「F_確定チェリー」(以下、単に「確定チェリー」として説明する場合がある)である場合を例に挙げて説明する。
準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において「当籤(次回遊技)」が決定される(図7の(c)参照)。また、第1の遊技機では、左リール3Lの「チェリー」図柄が遊技者にとって期待度の高い図柄となっているので、停止操作の情報が報知されない遊技にあっては、遊技者は左第1停止で、かつ「チェリー」図柄を狙って(目安として「BAR」図柄を狙って)して停止操作を行うことが一般的な手順となっている。したがって、一般的な手順で遊技が行われる場合、「確定チェリー」当籤時には、まず、左第1停止で左リール3Lの下段に「チェリー」図柄が停止される。なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」が当籤した場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)をすべき旨の報知が行われるようにしてもよい。また、「当籤(次回遊技)」は、次回遊技から疑似ボーナスが開始されるものに限られず、次回遊技以降の遊技から疑似ボーナスが開始されるものであってもよい。
ここで、技量のある遊技者は、さらに「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別するために、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいても「BAR」図柄を狙って停止操作を行う。その結果、各リールの中段に「BAR」図柄が揃い、「確定チェリー」に当籤したことが認識できる(例えば、図11中、「REP42」参照)。一方、技量のない遊技者は、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいて「BAR」図柄を狙って停止操作を行わない、あるいは行えないことにより、停止表示態様からは「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別できない場合がある(例えば、図11中、「REP28」参照)。
なお、第1の遊技機では、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合、特別入賞音が出力されるようになっている。また、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せは表示されなかったが、「チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合にも、特別入賞音が出力されるようになっている。なお、特別入賞音の出力は、100%の確率で行われるようにしてもよいし、所定確率(例えば、50%の確率)で行われるようにしてもよい。
いずれにしても、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合には、次回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
一方、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において一旦、「当籤(次回遊技)」は決定されるものの(図7の(c)参照)、特殊処理の実行により、この決定結果が「当籤(今回遊技)」に書き換えられる。そして、今回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
このとき、今回遊技においては、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せ(「チェリーリプ」の図柄の組合せを含む)を表示させず、「中段リプ」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報の報知(特殊報知)が行われる。例えば、第1の遊技機では、右第1停止(「打順5」及び「打順6」)をすべき旨の特殊報知が行われる(図15参照)。これにより、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないときには、「確定チェリーリプ」表示→次回遊技から疑似ボーナス開始といった遊技の流れであったものが、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかの作動後にあっては、今回遊技から疑似ボーナス開始→特殊報知にしたがって停止操作が行われることにより「中段リプ」表示という遊技の流れに変更される。なお、特殊報知は、メイン(主制御基板71)側の制御によって行われるようにしてもよいし、結果として疑似ボーナスに移行することにかわりなく遊技者が不利益を被らないという観点から、サブ(副制御基板72)側のみの制御によって行われるようにしてもよい。
なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、「確定チェリー」に当籤した場合であって、特殊報知が行われたにもかかわらず、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、特別入賞音は出力さない。
また、第1の遊技機では、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合、基本的には停止操作の手順が報知されない。このため、停止操作の手順が報知されて「中段リプ」が表示されるのが上述の特殊報知が行われた場合のみであるとすると、このような状態が発生した場合には、いずれかの準リミット処理が作動したことを遊技者に明確に認識されてしまい、その結果遊技の興趣を低下させてしまう可能性もある。したがって、有利区間中においては、いずれかの準リミット処理が作動しているか否かにかかわらず(あるいは、いずれかの準リミット処理の作動後からであってもよい)、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に、所定確率で特殊報知と同様の報知が行われるようにしてもよい。このようにすれば、特殊報知が行われることに対して遊技者が不自然に感じてしまうこと防止することができる。また、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に特殊報知と同様の報知が行われるのは、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合としてもよい。また、この場合、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合の疑似ボーナス移行抽籤では、所定確率で「当籤(今回遊技)」が決定され得るようにしてもよい。
ここまで、通常リミット処理、特殊リミット処理、及び準リミット処理を作動させるため、「ゲーム数」及び「払出数」を用いて有利区間の遊技期間を監視することを例に挙げて説明したが、各リミット処理が実行される条件は上述のものに限られず、適宜変更可能であるものとする。例えば、各リミット処理が実行されるとした、有利区間ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値、並びに1G連カウンタの値及び天井短縮の有無(すなわち、準リミット処理を作動させるための変数)等は、遊技仕様や市場動向等に応じて適宜変更可能である。
また、有利区間の遊技期間を監視するための手法も上述のものに限られない。例えば、有利区間の遊技期間を監視するために「ナビ回数」を用いるとしたならば、上記と同様に、通常リミット処理(ナビ回数)や特殊リミット処理(ナビ回数)、あるいは準リミット処理(ナビ回数)が実行されるようにすることもできる。すなわち、有利区間の遊技期間を監視するために値を計数可能な要素(パラメータ)であればどのような要素も採用することができ、採用した要素に対して、通常リミット処理が実行される値と、特殊リミット処理が実行される値と、準リミット処理が実行される値と、を規定することで、上述のものと同様に、各リミット処理が実行されるものとすることができる。
上述のとおり、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態である場合には、特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態でない場合には有利状態に移行させ、移行させた有利状態が終了して特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。また、このようにして一連の有利区間を終了させる際には、有利状態でなければ有利状態に移行させた上で終了させるようにしている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、特定期間又は特定量は、有利状態の継続可能期間(例えば、「55ゲーム」)又は付与可能遊技価値量(例えば、「275枚」)を考慮して設定されているため、遊技者の感情に配慮しつつも、遊技者に付与される遊技価値量が極端に規制されることを防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態は付与された権利(例えば、「1G連ストック」及び「天井短縮」)によって延長される場合があるが、一連の有利区間における遊技期間が、特定期間よりも短く、付与された権利数に応じて設定された特別期間となったとき(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が準リミット処理(ゲーム数)が実行される値となったとき)、又は一連の有利区間において付与された遊技価値量が、特定量よりも少なく、付与された権利数に応じて設定された特別量となったとき(例えば、制御用払出数カウンタの値が準リミット処理(払出数)が実行される値となったとき)には、以後の一連の有利区間において権利の付与が抑制されるようになっている。これにより、例えば、遊技者が消費しきれないほどの権利が付与され、このような状態で一連の有利区間が強制的に終了される結果、遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止できるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、上述の「特定量」や「特別量」を計数する上では、例えば、遊技者の操作ミスや指示の無視等に起因して、本来付与されるはずであった遊技価値量と実際に付与された遊技価値量との間で差分が生じた場合であっても、この差分を考慮せず、本来付与されるはずであった遊技価値量を基準として計数が行われるようになっている。これにより、このような遊技者の行為によって一連の有利区間が必要以上に延長されてしまうことや、このような行為を行った遊技者と行っていない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを防止することができるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されている状態(例えば、準リミット処理作動後の状態)において有利状態への移行が確定する確定役(例えば、「確定チェリー」)に当籤したときには、この確定役の当籤が明確に認識できる特別図柄の組合せ(例えば、「確定チェリーリプ」)を表示させないための特殊報知が行われるようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特殊報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、特殊報知が行われる場合、本来次回遊技から開始されるはずであった有利状態を、今回遊技から開始するようにしている。これにより、遊技者に自然な流れで特殊報知にしたがった停止操作を行わせることができるので、このような特殊報知を行う場合であっても、遊技者が違和感等を抱いてしまうことを防止できる。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されていない状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知(例えば、特別入賞音の出力)を行うことを可能とする一方、権利の付与が抑制されている状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知を行うことを可能としないようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特別報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、確定役に当籤したか否か、特別図柄の組合せが表示されたか否か、及び特殊報知が行われたか否かに応じて、特別報知を行うか否かを決定するようにしている。これにより、特別報知が行われる状況をより適切に管理することができる。
また、第1の遊技機では、有利区間ゲーム数カウンタ及び有利区間払出数カウンタは、ベットされた遊技価値量にかかわらず計数を行う結果、3枚ベット状態のみならず2枚ベット状態においても、通常リミット処理(ゲーム数)及び通常リミット処理(払出数)が実行されることを可能としている。
また、第1の遊技機では、制御用ゲーム数カウンタ及び制御用払出数カウンタは、3枚ベット状態では計数を行うが、2枚ベット状態では計数を行わない。したがって、3枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としているが、2枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としていない。したがって、2枚ベット状態では、通常リミット処理(ゲーム数)又は通常リミット処理(払出数)の実行によって、疑似ボーナス中であっても一連の有利区間が強制的に終了してしまう場合がある。
なお、第1の遊技機では、3枚ベット状態と2枚ベット状態とでは、例えば、小役の当籤確率、及びメダルの払出数が異なる結果(図10~図15参照)、3枚ベット状態で遊技を行う場合よりも2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが、遊技者に不利となっている。もっとも、このように、2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが遊技者に不利となる手法はこれに限られない。例えば、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合には、停止操作の手順が報知されないようすることで、遊技者に不利となるように構成してもよい。
このように、第1の遊技機では、第1の量(例えば、「3枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。一方、第2の量(例えば、「2枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了される場合があることから、これによって遊技者に企図された遊技方法で遊技を行わなかったことを気付かせることができるので、遊技者に対して企図された遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
なお、一連の有利区間において、第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合よりも、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合のほうが、遊技者にとって不利となっているので、このような注意喚起を可能にすることで、遊技者により有利な状態で遊技を行うべきであることも促すことができ、遊技者が企図しない遊技方法で遊技を行うことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[5-5.第1の遊技機の格納領域構成]
続いて、図17~図22を参照して、第1の遊技機の格納領域構成について説明する。図17は、第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域の一例を示す図である。また、図18は、第1の遊技機の持越役格納領域の一例を示す図である。また、図19は、第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の一例を示す図である。また、図20は、第1の遊技機のモードフラグ格納領域の一例を示す図である。また、図21は、第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の一例を示す図である。また、図22は、第1の遊技機の押下順序格納領域の一例を示す図である。
(当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域)
まず、図17を参照して、当籤フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)、及び図柄コード格納領域の構成について説明する。なお、第1の遊技機では、当籤フラグ格納領域と、入賞作動フラグ格納領域と、図柄コード格納領域とが同じデータ構成となっている。
上述の各格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1~26で構成される。なお、各格納領域に格納されるデータは、図17中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図17では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた図柄組合せを示す「コンビネーション」(図17中では、リール3Lの図柄、リール3Cの図柄及びリール3Rの図柄の順で記載)及びその内容(図11~図14参照)も併せて記載する。
当籤フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、内部当籤役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において表示されることが許可された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに当籤した場合(持越されている場合)、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
入賞作動フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、表示役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において有効ライン上に表示された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
図柄コード格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、少なくともいずれかのリールの回転中において、今回の遊技において未だ有効ライン上に表示可能となっている図柄の組合せの種類を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において少なくともいずれかのリールが回転しているときに、2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示され得るものとなっている場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
(持越役格納領域)
続いて、図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。持越役格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。
内部抽籤処理の結果、「F_2BB」(2BB)又は「F_3BB」(3BB)のボーナス役が内部当籤役として決定されたときには、これらのボーナス役は、持越役として持越役格納領域に格納される(対応するビットに「1」が格納される)。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤処理によって決定された内部当籤役(小役・リプレイ役)に加えて、持越役(ボーナス役)が当籤フラグ格納領域に格納される。
(遊技状態フラグ格納領域)
続いて、図19を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。例えば、現在の遊技状態が2BB状態である場合、格納領域のビット0に「1」が格納される。
なお、第1の遊技機では、RT状態が設けられていないので、図19に示す遊技状態フラグ格納領域にはRT状態の種類を示す領域は設けられていないが、例えば、RT状態が設けられている場合には、現在のRT状態に対応する格納領域のビットに「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、有利区間中の遊技状態(モード)の種類を示すデータを別途後述のモードフラグ格納領域に格納するものとしているが、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、非有利区間及び有利区間の遊技区間についても同様である。図示しない有利区間フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、AT状態やART状態等の遊技状態についても同様である。図示しないAT状態(ART状態)フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。
(モードフラグ格納領域)
続いて、図20を参照して、モードフラグ格納領域の構成について説明する。モードフラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1及び格納領域2で構成される。例えば、現在のモードがスタートモードである場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。また、例えば、現在のモードが天国Aモードである場合、格納領域2のビット0に「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、疑似ボーナス状態もモードの1つとして管理している。
(作動ストップボタン格納領域)
次に、図21を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、作動ストップボタン格納領域のビット0~2は、すでに操作されたストップボタンの種類(停止したリールの種類)を示すデータを格納し、ビット4~6は、未だ操作されていないストップボタンの種類(回転中のリールの種類)を示すデータを格納する。
例えば、ストップボタン8Lが今回押されたストップボタン、すなわち、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、ストップボタン8Lが未だ押されていないストップボタン、すなわち、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だ押されていないストップボタンとを識別する。
(押下順序格納領域)
次に、図22を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、押下順序は、ストップボタンが押された順序、すなわち、押し順(打順)を示すものである。
例えば、全てのリールが回転中であるときには、押下順序格納領域のビット0~5に「1」が格納される。次いで、ストップボタン8Lが押されたときには(「左」第1停止であるから)、ビット0及び1には「1」が格納されたままとなるが、ビット2~5には「0」が格納されるようになる。次いで、ストップボタン8Cが押されたときには(「左」第1停止、「中」第2停止であることから)、ビット0には「1」が格納されたままとなるが、ビット1には「0」が格納されるようになる。メインCPU101は、押下順序格納領域に格納されているデータに基づいて、今回の遊技の押し順を識別する。
[6.主制御回路による処理]
続いて、図23~図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101が各プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。なお、以下に示す各種処理の説明では、第1の遊技機の仕様を用いてその処理内容の一具体例を説明する場合があるが、以下に示す各種処理の処理内容はこれに限定されるものではない。
[6-1.メイン処理]
まず、図23を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図23は、メイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図23においては、メイン処理の開始に先立って実行される電源投入時処理についても併せて示している。
まず、メインCPU101は、パチスロ機1に電力が供給されると(電源が投入されると)、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、電源投入時に必要な各種処理を行う。なお、電源投入時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、当籤フラグ格納領域や入賞作動フラグ格納領域等の1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、例えば、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、及びスタートスイッチ7S等の入力状態をチェックし、遊技開始時に必要な各種処理を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、内部抽籤用乱数値(例えば、0~65535の範囲)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(その他抽籤用乱数値)(例えば、0~65535の範囲、あるいは0~255の範囲)等を抽出し、抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、各種乱数値の取得態様は上述のものに限られない。それぞれ予め定められた数値範囲(例えば、0~65535の範囲、0~32767の範囲、0~255の範囲、あるいは0~127の範囲等)から必要な個数の乱数値を適宜取得することができる。
続いて、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、現在の遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルや内部抽籤用乱数値に基づいて内部当籤役を決定するために必要な各種処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時状態制御処理を行う(S6)。この処理では、各種遊技状態について、遊技を開始するときに、(例えば、決定された内部当籤役等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技開始時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に格納する。なお、通信データ格納領域に格納されたデータは、後述の通信データ送信処理(図32のS204参照)において主制御回路100から副制御回路200に送信される。また、その他のコマンドのデータの生成、格納、及び送信手法も基本的に同様である。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時メイン側演出制御処理を行う(S8)。この処理では、遊技を開始するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技開始時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、例えば、AT状態であって指示モニタによって停止操作の情報を報知する場合にはその報知態様を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、内部当籤役や遊技状態等に基づいて、今回の遊技で使用する停止テーブルの種類や引込優先順位テーブルの種類等の停止制御に必要な各種情報を設定する。
続いて、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S10)。この処理では、全てのリールの回転開始を要求する。そして、全てのリールの回転開始が要求されると、後述のリール制御処理(図32のS203参照)により、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。回転を開始した各リールは、その回転速度が一定速度に達するまで加速制御され、その後、当該一定速度が維持される。また、詳細は省略するが、この処理においてはリール回転開始コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S11)。この処理では、回転中のリール(この場合は全てのリール)の各図柄(図柄位置)に対して、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。なお、図示は省略するが、この処理に先立って後述の図柄コード格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、決定された内部当籤役(あるいはこれに応じて設定された各種停止制御に係る情報)と各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作態様と基づいて該当するリールの回転を停止させるために必要な各種処理を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、入賞作動判定処理を行う(S13)。この処理では、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されたいずれかの図柄の組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞作動フラグ格納領域において「1」が格納されているビットがあるか否かを判定する。また、詳細は省略するが、この処理においては入賞作動コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、メダル払出・再遊技作動処理を行う(S14)。この処理では、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せが、小役に係る図柄の組合せであればこれに対応するメダル数を払出し、リプレイ役に係る図柄の組合せであれば次回の遊技において再遊技を作動させるために必要な各種処理を行う。なお、例えば、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せである場合には、今回の遊技におけるベット数と同数の値を後述の自動投入メダルカウンタにセットする処理を行う。また、この処理では、払出すメダル数に応じたメダル払出信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時状態制御処理を行う(S15)。この処理では、各種遊技状態について、遊技が終了するときに、(例えば、表示された図柄の組合せ等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技終了時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時メイン側演出制御処理を行う(S16)。この処理では、遊技が終了するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技終了時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
このように、パチスロ機1では、上述のS2~S16の処理が行われることで1回の単位遊技が制御され、また、これらの処理が繰り返されることで遊技の進行が制御される。なお、必要に応じてこれらの処理以外の処理が適宜行われるように構成することもできるし、これらの処理のうち一部の処理については行われないように構成することもできる。すなわち、上述の各種処理はあくまで一例である。
(電源投入時処理)
続いて、図24を参照して、上述のメイン処理のS1において行われる電源投入時処理について説明する。なお、図24は、電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図示しない電源投入時の初期化処理を行った後、メインRAM103の書込みテストを行い、当該テストの結果、メインRAM103への書込みが正常に行われたか否かを判定する(S21)。すなわち、メインCPU101は、メインRAM103に異常が発生していないか否かを判定する。
メインCPU101は、メインRAM103への書込みが正常に行われたと判定した場合(S21がYES)、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であるか否かを判定する(S22)。すなわち、メインCPU101は、設定変更が可能な状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であると判定した場合(S22がYES)、設定変更時の初期化処理を行う(S23)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S24)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、設定変更処理を行う(S25)。この処理では、上述の設定値決定操作や設定値確定操作を受付けることにより、メインRAM103が初期化された後、新たな設定値がメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に設定(格納)される。続いて、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったか否かを判定する(S26)。すなわち、メインCPU101は、新たに設定値が設定された後、設定変更が可能な状態が終了したか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となっていないと判定した場合(S26がNO)、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となるまで処理を待機する。一方、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったと判定した場合(S26がYES)、初期化コマンド生成格納処理を行う(S27)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S22において、設定用鍵型スイッチ52がオン状態でないと判定した場合(S22がNO)、バックアップデータが正常であるか否かを判定する(S28)。すなわち、メインCPU101は、パチスロ機1への電力の供給が断たれたとき(電断時)にバックアップされた各種情報が正常であるか否かを判定する。
メインCPU101は、バックアップデータが正常であると判定した場合(S28がYES)、遊技復帰処理を行う(S29)。この処理では、パチスロ機1を電断前の状態に復帰させる処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S21において、メインRAM103への書込みが正常に行わなかったと判定した場合(S21がNO)、及びS28において、バックアップデータが正常でないと判定した場合(S28がNO)、電源投入時エラー処理を行う(S30)。なお、この電源投入時エラー処理によって発生したエラーは、上述のリセット操作によっては解消されず、新たに設定値が設定されたことに応じて解消するものとなっている。したがって、メインCPU101は、電源投入時エラー処理の後、一度パチスロ機1の電源がオフとなり、その後、新たに設定値が設定されるまで(上述のS22~S26の処理が行われるまで)通常の処理(図23のS2以降)に移行しない。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図25を参照して、上述のメイン処理のS3において行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図25は、メダル受付・スタートチェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S41)。すなわち、メインCPU101は、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか(再遊技が作動したか)否かを判定する。
メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S41がNO)、自動投入処理を行う(S42)。この処理では、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルが自動投入される。また、詳細は省略するが、自動投入が行われる場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
メインCPU101は、S41において、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判定した場合(S41がYES)、及びS42の処理の後、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S43)。この処理では、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっているか(すなわち、メダル補助収納庫33に一定数以上のメダルが収納されているか)否かを判定し、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていると判定した場合にはメダル補助収納庫エラーを発生させる。この場合、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。また、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていないと判定した場合には、この処理を終了する。
続いて、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S44)。この処理では、現在のベット数やクレジット数のチェックを行うとともに、メダルの受付が禁止されているか、あるいはセレクタエラーが発生しているか等も判定し、メダルの受付が可能であれば、メダルの受付が可能な状態(ベット操作を受付可能な状態)とする(メダルの受付を許可する)。なお、セレクタエラーが発生している場合には、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。
続いて、メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であるか否かを判定する(S45)。メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であると判定した場合(S45がYES)、メダル投入チェック処理を行う(S46)。この処理では、メダルセンサ31Sの検出結果やベットスイッチ6Sの検出結果に基づいてベット数やクレジット数を更新する。また、詳細は省略するが、ベット操作が行われた場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であるか否かを判定する(S47)。すなわち、メインCPU101は、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっていないか否かを判定する。メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態でない(すなわち、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっている)と判定した場合(S49がNO)、メダルの受付を禁止する(S48)。すなわち、メインCPU101は、メダルの受付が可能でない状態(ベット操作を受付可能としない状態)とする。
メインCPU101は、S45において、メダルの受付が可能な状態でないと判定した場合(S45がNO)、S47において、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であると判定した場合(S47がYES)、及びS48の処理の後、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判定する(S49)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、現在のベット数が「2」又は「3」枚であるか否かが判定される。
メインCPU101は、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合(S49がYES)、スタートスイッチ7Sがオン状態となったか否かを判定する(S50)。すなわち、メインCPU101は、遊技者によって開始操作が行われたか否かを判定する。
メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態となったと判定した場合(S50がYES)、メダルの受付を禁止する(S51)。そして、メインCPU101は、この処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
メインCPU101は、S49において、投入枚数が遊技開始可能枚数でないと判定した場合(S49がNO)、及びS50において、スタートスイッチ7Sがオン状態となっていないと判定した場合(S50がNO)、処理をS44に戻す。
(内部抽籤処理)
続いて、図26を参照して、上述のメイン処理のS5において行われる内部抽籤処理について説明する。なお、図26は、内部抽籤処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S61)。この処理では、今回の単位遊技における設定値及びベット数のチェックを行う。続いて、メインCPU101は、設定値、ベット数及び遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S62)。続いて、メインCPU101は、乱数値格納領域から内部抽籤用乱数値を取得する(S63)。すなわち、メインCPU101は、上述のメイン処理のS4で取得した内部抽籤用乱数値のデータを取得する。なお、この処理において、設定値が「1」~「6」以外又はベット数が「1」~「3」以外であると判定された場合には、メインCPU101は、重篤なエラーが発生したと判断し、上述の電源投入時エラー処理(図24のS30参照)を実行する。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役決定処理を行う(S64)。この処理では、取得した内部抽籤用乱数値を、セットされた内部抽籤テーブルに規定された各内部当籤役の抽籤値を用いて順次更新(例えば、加算更新)し、更新結果が所定結果となったか(例えば、オーバーフローしたか)否かを判定する。所定結果となった場合にはその内部当籤役を今回の単位遊技の内部当籤役として決定する。なお、全ての内部当籤役について判定しても所定結果とならなかった場合には、今回の単位遊技の結果は「はずれ」となる(内部当籤役として「はずれ」が決定される)。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役が決定されたか否かを判定する(S65)。メインCPU101は、内部当籤役が決定されなかったと判定した場合(S65がNO)、処理をS64に戻す。すなわち、メインCPU101は、判定対象となる内部当籤役を順次更新し(内部抽籤用乱数値も順次更新し)、全ての内部当籤役について判定が行われるまで(あるいは、その中途で内部当籤役が決定されるまで)S64の処理を繰り返す。
メインCPU101は、内部当籤役が決定されたと判定した場合(S65がYES)、決定された内部当籤役が持越非対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役でなく、小役又はリプレイ役であるか)否かを判定する(S66)。メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越非対象役であると判定した場合(S66がYES)、当籤フラグ格納領域を更新する(S67)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて当籤フラグ格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、当籤フラグ格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S66において、決定された内部当籤役が持越非対象役でないと判定した場合(S66がNO)、及びS67の処理の後、決定された内部当籤役が持越対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役であるか)否かを判定する(S68)。
メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越対象役であると判定した場合(S68がYES)、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S69)。すなわち、メインCPU101は、未だいずれのボーナス役も持越されていないか否かを判定する。メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S69がYES)、持越役格納領域を更新する(S70)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて持越役格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、持越役格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S68において、決定された内部当籤役が持越対象役でないと判定した場合(S68がNO)、S69において、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S69がNO)、及びS70の処理の後、再度、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S71)。
メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S71がNO)、当籤フラグ格納領域を更新する(S72)。この処理では、持越役格納領域に格納されているデータを当籤フラグ格納領域のデータに反映させる。すなわち、メインCPU101は、ボーナス役が持越されている(あるいは今回の単位遊技で当籤した)場合、当籤フラグ格納領域において、当該ボーナス役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S71において、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S71がYES)、及びS72の処理の後、サブフラグ等設定処理を行う(S73)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、内部当籤役に基づいて非有利区間サブフラグや有利区間当籤時サブフラグが設定される。なお、この処理では、例えば、AT状態であるとき、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報等が設定されるようにしてもよい。そして、メインCPU101は、この処理の後、内部抽籤処理を終了する。
(遊技開始時状態制御処理)
続いて、図27を参照して、上述のメイン処理のS6において行われる遊技開始時状態制御処理について説明する。なお、図27は、遊技開始時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S81)。この処理では、遊技を開始するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定のボーナス役に当籤したことに基づいて所定のRT状態としてのフラグ間に移行させる場合、この処理において所定のボーナス役に当籤したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、フラグ間はRT状態として(すなわち、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態として)構成されていないため、ここでのチェックは不要となる。また、例えば、特定の移行条件の成立から特定の遊技数の遊技を行ったことにより開始又は終了する特定のRT状態がある場合、この処理においてこの特定の遊技数を管理することもできる。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S82)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S82がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S83)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S84)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。
メインCPU101は、S82において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S82がNO)、及びS84の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S85)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S85がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S86)。この処理では、遊技を開始するときに、非有利区間から有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の開始条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤を行い、この抽籤結果が有利区間を開始させるものであるか否かがチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S87)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S87がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S87がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S88)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を開始させる(セットする)。この処理では、有利区間が開始したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)のカウントを開始する(すなわち、一連の有利区間の遊技期間の監視を開始する)等の設定処理を適宜行う。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S89)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S90)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、セットされた移行先モードにしたがい、疑似ボーナスに移行する場合にはその遊技期間として「55ゲーム」が設定され、終了モードに移行する場合にはその遊技期間として「32ゲーム」が設定され、それ以外のモードに移行する場合にはそれぞれに対応する天井ゲーム数が設定される。また、各種抽籤(図7及び図8等参照)における抽籤値(抽籤テーブル)が設定される。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。
メインCPU101は、S85において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S85がNO)、有利区間中遊技開始時処理を行う(S91)。なお、有利区間中遊技開始時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S92)。この処理では、遊技を開始するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S93)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S93がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S94)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S93がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技開始時処理)
続いて、図28を参照して、上述の遊技開始時状態制御処理のS91において行われる有利区間中遊技開始時処理について説明する。なお、図28は、有利区間中遊技開始時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技開始時)を行う(S101)。この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、1ゲームにつき1ずつ減算(加算)する等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S102)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S102がYES)、AT期間管理処理(遊技開始時)を行う(S103)。この処理では、例えば、遊技開始時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS101の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、ナビ設定処理を行う(S104)。この処理では、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する。なお、この処理では、ナビを発生させるか否かを決定可能としてもよい。すなわち、AT状態において報知対象役が当籤した場合に、必ずしもナビが発生しない場合があってもよく、この処理においてナビ発生の可否を所定条件(例えば、報知対象役の種類や予め定められたナビ発生確率)にしたがって決定するようにしてもよい。
メインCPU101は、S102において、特定モード中でないと判定した場合(S102がNO)、及びS104の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S105)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S105がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S106)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S107)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS90の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技開始時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S105がNO)、有利区間中遊技開始時処理を終了する。
なお、図27に示す遊技開始時状態制御処理と図30に示す遊技終了時状態制御処理、及び図28に示す有利区間中遊技開始時処理と図31に示す有利区間中遊技終了時処理は、基本的にほとんど同様の処理構成となっている。これは、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで処理を行ってもよいもの(例えば、遊技状態やモードの移行等、決定された内部当籤役を参照する処理であるが、処理結果が今回の遊技が終了するまで(あるいは、次回の遊技が開始されるまで)に反映されればよい処理等)については、いずれか一方で行われればよいことを意味し、双方で同様の処理が重複して行われることを意味するものではない。したがって、このような処理については、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで行われるようにしてもよい。
これに対し、遊技を開始するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、上述のナビ設定処理等)については、遊技を開始するときに行われるものとし、また、遊技が終了するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、表示された図柄の組合せを参照する処理等)については、遊技が終了するときに行われるものとすればよい。また、例えば、遊技開始後であって遊技終了前の所定時期に処理が行われる必要があるもの、あるいは処理を行ったほうがよいもの(例えば、第1停止操作の停止操作態様を参照する処理等)については、そのときに行われるものとすればよい。
(リール停止制御処理)
続いて、図29を参照して、上述のメイン処理のS12において行われるリール停止制御処理について説明する。なお、図29は、リール停止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全てのリールの回転速度が所定の一定速度(例えば、80回転/1分)に到達したか(すなわち、定速回転しているか)否かを判定する(S111)。メインCPU101は、全てのリールが定速回転していないと判定した場合(S111がNO)、全てのリールが定速回転するまで処理を待機する。一方、全てのリールが定速回転していると判定した場合(S111がYES)、各リールの停止を許可する(S112)。すなわち、メインCPU101は、各ストップボタンを有効化する。また、これにともなって作動ストップボタン格納領域が更新される(第1の遊技機の場合、例えば、作動ストップボタン格納領域のビット4~6に「1」が格納される)。
続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたか否かを判定する(S113)。メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されていないと判定した場合(S113がNO)、有効なストップボタンが操作されるまで処理を待機する。なお、自動停止制御を行う場合には、この待機時間を計測し、計測結果が所定時間となったときに自動停止制御を行うように構成することができる。
メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたと判定した場合(S113がYES)、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新する(S114)。なお、第1の遊技機の場合、例えば、リール3Lに対して第1停止操作が行われた場合(ストップボタン8Lが押された場合)には、この処理では、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納され、ビット4が「0」に更新される。また、押下順序格納領域のビット2~5が「0」に更新される。
続いて、メインCPU101は、作動ストップボタンから制御対象リールを決定する(S115)。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、リール3Lを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、図柄カウンタから停止開始位置を格納する(S116)。図柄カウンタは、図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)を把握するためのカウンタとして構成される。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、ストップボタン8Lが押されたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データを停止開始位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、滑り駒数決定処理を行う(S117)。この処理では、例えば、上述の停止テーブルに規定された滑り駒数や上述の引込優先順位データ格納領域のデータ等を参照し、最も適切な滑り駒数(図柄の移動量)を決定する。
続いて、メインCPU101は、停止開始位置及び滑り駒数から停止予定位置を格納する(S118)。この処理では、上述のS116の処理で格納された停止開始位置と、上述のS117の処理で決定された滑り駒数から最終的に図柄が停止する位置の図柄位置データを停止予定位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、リール停止コマンド生成格納処理を行う(S119)。この処理では、副制御回路200に送信するリール停止コマンドコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に格納する。なお、リール停止コマンドは、停止予定位置のみならず、停止開始位置や滑り駒数が特定できるパラメータを含んで構成することができる。
続いて、メインCPU101は、図柄コード格納処理を行う(S120)。この処理では、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類(図柄コード)も参照しながら、図柄コード格納領域を更新する。続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンがあるか否かを判定する(S121)。すなわち、メインCPU101は、未だ回転中のリールがあるか(全てのリールに対して停止操作が行われていないか)否かを判定する。
メインCPU101は、有効なストップボタンがあると判定した場合(S121がYES)、制御変更処理を行う(S122)。この処理では、ここまでの遊技者の停止操作態様に応じて、例えば、上述のリール停止初期設定処理で設定された停止テーブルや引込優先順位テーブル等の変更が必要である場合に、このような停止制御に必要な各種情報を再設定する。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S123)。この処理では、回転中のリールの各図柄(図柄位置)に対して、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類も参照しながら、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、処理をS113に戻す。また、メインCPU101は、有効なストップボタンがないと判定した場合(S121がNO)、リール停止制御処理を終了する。
(遊技終了時状態制御処理)
続いて、図30を参照して、上述のメイン処理のS15において行われる遊技終了時状態制御処理について説明する。なお、図30は、遊技終了時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S131)。この処理では、遊技が終了するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて所定のRT状態や所定のボーナス状態に移行させる場合、この処理において所定の図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、所定のRT状態や所定のボーナス状態である場合、この処理においてこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合、メダルの払出によってこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S132)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S132がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S133)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示された場合、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1に「1」を格納し、2BB状態又は3BB状態をセットする。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合に、これらの遊技状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1を「0」に更新する。
続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S134)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「1」を設定し、3BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「176」を設定する。
メインCPU101は、S132において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S132がNO)、及びS134の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S135)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S135がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S136)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS86の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S137)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S137がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S137がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S138)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS88の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S139)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS89の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S140)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS90の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
メインCPU101は、S135において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S135がNO)、有利区間中遊技終了時処理を行う(S141)。なお、有利区間中遊技終了時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S142)。この処理では、遊技が終了するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S143)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S143がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S144)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S143がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技終了時処理)
続いて、図31を参照して、上述の遊技終了時状態制御処理のS141において行われる有利区間中遊技終了時処理について説明する。なお、図31は、有利区間中遊技終了時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技終了時)を行う(S151)。この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、払出数、所定の図柄の組合せの表示回数や停止操作態様等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S152)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S152がYES)、AT期間管理処理(遊技終了時)を行う(S153)。この処理では、例えば、遊技終了時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS151の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
メインCPU101は、特定モード中でないと判定した場合(S152がNO)、及びS153の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S154)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S154がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S155)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S156)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS140の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技終了時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S154がNO)、有利区間中遊技終了時処理を終了する。
[6-2.定期割込処理]
まず、図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理について説明する。なお、図32は、定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、定期割込処理の周期(1割込時間)を「1.1172ms」としている。もっとも、定期割込処理の周期はこれに限られない。例えば、これとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよいし、あるいは、これと同じ周期が設定されていても、一部又は全部の処理について実際に処理が行われる割込回数を「2」以上とすることにより、結果的にこれとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよい。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S201)。続いて、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行う。例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)にその変化を格納し、変化にかかわらない入力状態についてはそのままメインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に格納する。
続いて、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御し、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止を制御する。続いて、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S204)。この処理では、通信データ格納領域に格納された各コマンドの各パラメータを副制御回路200に送信する。なお、この処理では、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、入力ポート格納領域0及び入力ポート格納領域1に格納されているデータを入力状態コマンドとして副制御回路200に送信する。
なお、本実施形態では、各種コマンドデータが一旦通信データ格納領域に格納された後、定期割込処理において副制御回路200に送信する構成としているが、例えば、各種コマンドデータを通信データ格納領域に格納することなく、主制御回路100内に設けられた通信回路(不図示)に直接格納して副制御回路200に送信する構成としてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明は省略しているが、各種コマンドデータがシリアル通信によって副制御回路200に送信される構成としているが、例えば、各種コマンドデータがパラレル通信によって副制御回路200に送信される構成としてもよい。
続いて、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S205)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)、例えば、情報表示装置14等の表示内容を制御する。続いて、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う(S206)。この処理では、主制御回路100で管理される各種タイマを更新する。
続いて、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S207)。この処理では、上述のS202でチェックされた入力状態等に基づいて、各種エラー状態が発生しているか否かを検知する。続いて、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S208)。この処理では、例えば、ドア開閉監視スイッチ56の入力状態に基づいて、下ドア機構DD開閉状態のチェックを行う。なお、各種エラー状態が発生している場合、及びドア開閉監視スイッチ56の入力状態が開状態(オフ状態)の場合、外部集中端子板55からセキュリティ信号が出力される。
続いて、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S209)。そして、メインCPU101は、この処理の後、定期割込処理を終了する。
[7.副制御回路による処理]
続いて、図33を参照して、副制御回路200のサブCPU201が各プログラムを用いて実行するサブ側制御処理の概要について説明する。図33は、サブ側制御処理の概要の一例を示すフローチャートである。
なお、パチスロ機1では、不正行為や不正改造防止の観点より、主制御回路100側(主制御基板71及び主制御基板ケースを含む)には種々の制約が設けられているが、副制御回路200側(副制御基板72及び副制御基板ケースを含む)にはそれほどの制約は設けられていない。したがって、副制御基板72(及び副制御回路200)は、接続される演出装置の種類、その数、あるいはその演出装置によって行われる演出の種類等と、製造コスト等との兼ね合いに応じて種々の構成を用いることが可能となっている。図33において「概要」としているのはそのためである。
まず、サブCPU201は、電源投入時にはメインCPU101と同様、電源投入時処理を行う(S301及びS302)。この処理では、電源投入時に異常が発生しているか否かを検知したり、サブRAM203に格納されているデータを初期化したり、また、後述の各種演出実行制御処理を行うために必要な各種タスクを起動させたりする等の処理が行われる。
また、サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信した場合、コマンド受信時演出実行制御処理を行う(S303及びS304)。この処理では、例えば、初期化コマンドを受信した場合、受信した初期化コマンドのパラメータの情報を参照し、設定変更がされていればサブ側でも適宜初期化処理が実行され、設定変更されていなければサブ側でも電断前の状態に復帰させる処理が実行される。
また、例えば、スタートコマンドを受信した場合、受信したスタートコマンドのパラメータの情報を参照し、非AT状態であれば、内部当籤役や遊技状態等を示唆ないし報知する演出の内容を(必要に応じて抽籤により)決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、AT状態であれば、これに加え、有利な停止操作態様を報知する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、例えば、ロックコマンドを受信した場合、受信したロックコマンドのパラメータの情報を参照し、ロック演出の内容と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、リール停止コマンドを受信した場合、受信したリール停止コマンドのパラメータの情報を参照し、停止開始位置や停止予定位置(あるいは、単に何番目の停止操作が行われたか等)と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、入賞作動コマンドを受信した場合、受信した入賞作動コマンドのパラメータの情報を参照し、特典が付与される場合に、付与される特典と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、サブCPU201は、副制御基板72に接続された(副中継基板74を介して接続されたものを含む)、例えば、演出用ボタン10a,10bが操作された場合、演出ボタン操作時演出実行制御処理を行う(S305及びS306)。この処理では、例えば、操作連動演出の実行中に、当該演出に沿った演出用ボタンが操作された場合、操作連動演出の内容が変化するように各種演出装置を制御する。また、例えば、非遊技中に、後述のユーザーメニュー呼出のために演出用ボタンが操作された場合、ユーザーメニューを表示するための制御を行う。また、ユーザーメニューの表示中に、選択・決定操作のために演出用ボタンが操作された場合、これらの操作にしたがった制御を行う。
また、サブCPU201は、上述の契機以外の契機が成立した場合、その他演出実行制御処理を行う(S307)。この処理では、例えば、遊技に関する操作及びユーザーメニューに関する操作が行われていない非操作期間が所定期間(例えば、30秒程度)となった場合、デモ状態報知に係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
[8.パチスロ機のその他の機能]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を制御する各種機能及び演出を制御する各種機能、並びにこれらの機能を実現するための各種構成を備えるものであるが、例えば、以下に示すようなその他の機能を備えることもできる。なお、以下では、遊技者側のその他の機能の一例と、遊技店側のその他の機能の一例について説明する。
[8-1.遊技者側]
例えば、遊技者の演出操作によってユーザーメニューが表示され、当該ユーザーメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「配列・配当表」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における図柄配列と、規定された図柄組合せ及びその入賞時の配当(特典の内容)等を示す遊技情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「音量・光量調整」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種表示装置の輝度、スピーカ群から出力される音の音量、あるいはランプ・LED群の光量等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「カスタム」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における演出態様(例えば、演出に用いられるキャラクタの種類(当該キャラクタ(表示態様)自体の種類、当該キャラクタに対応する音声の種類、あるいは当該キャラクタに係る衣装やアイテム(個別表示態様)の種類等も含む)、演出発生確率(演出発生時の期待度の種類等も含む)、あるいは示唆ないし報知の態様(演出実行タイミング等も含む)等)が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「ユニメモ」が選択・決定された場合には、遊技者の携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)を利用した情報提供サービスを受けること可能となっている。このような情報提供サービスでは、例えば、遊技者がログイン操作して遊技を開始し(ログイン操作なしに遊技を開始させた場合でもよい)、遊技終了時にログアウト操作することで、遊技履歴情報(例えば、累計何ゲーム遊技したか、有利な遊技状態を何回発生させたか、最高獲得枚数は何枚かなど種々の遊技の結果に応じた情報)を確認、あるいは取得できる。
また、例えば、遊技履歴情報には、遊技の結果(開放条件の成立)に応じて、遊技中に表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報、遊技者の携帯端末上で表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報など、付帯する特典に関する情報も含まれる。
なお、このような情報提供サービスにおけるログイン・ログアウトの手法は種々の手法を採用することができる。例えば、遊技者の端末を利用し、遊技者に演出表示部上に表示される二次元コードを読み取らせることでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよいし、また、遊技者にパスワードを入力させ、あるいはパスワードを記憶させる(具体的には、例えば、遊技終了時のログアウト時には、二次元コードにかえて、4ケタ~10ケタ程度の文字列を次回入力用パスワードとして表示可能とし、それを遊技者が紙媒体でメモしたり、携帯端末で写真として撮影したり等によって取得可能とし、次回の遊技開始前のログイン時には、このようにして取得されたパスワードを入力可能とする)ことでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせてログイン・ログアウトが行われるようにすることもできる。
[8-2.遊技店側]
例えば、遊技店側の管理者の設定確認操作(設定変更操作、あるいは遊技店側の管理者によるその他の操作であってもよい)によってホールメニューが表示され、当該ホールメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技店側の管理者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「時刻設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における日時等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、日時は、例えば、上述のサブ側電源投入時処理(図33のS302参照)において自動的に更新されるように構成することもできる。
また、例えば、「トータルメダル情報」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の投入枚数及び払出枚数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。
また、例えば、「設定変更・確認履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の設定変更操作及び設定確認操作回数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「エラー情報履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のエラー発生日時やその内容等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「監視履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のドア開放日時やその期間等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「警告設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種警告報知の態様や頻度等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「省電力モード設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における省電力機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。また、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「打ち止め設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における打ち止め機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、打ち止め機能は、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、リセット操作)がなされるまで遊技不能状態とする機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、打ち止め機能がオン状態に設定された場合、これに連動して後述の自動精算機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
また、例えば、「自動精算設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における自動精算機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、自動精算機能は、所定の作動条件が成立した場合に、自動的にクレジットが精算される(すなわち、クレジットされていた遊技価値全てが自動的に返却される)機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、自動精算機能がオン状態に設定された場合、これに連動して上述の打ち止め機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
なお、打ち止め機能や自動精算機能の設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。もっとも、この場合、いたずらに受付可能とする操作部を増加させることも望ましくないので、特定の操作部(例えば、ストップボタン)のみを当該設定に係る操作を受付ける操作部の一部として使用することができるものとしてもよい。
[9.拡張例]
ここまで、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機として、パチスロ機1を一例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、いわゆる「パチンコ機」や「スロットマシン」等と称される遊技機にも適用可能であり、同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る発明は、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、その全てに適用することができる。また、パチスロ機1を含む遊技機について、その構成やその機能等も上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、このような拡張例について説明する。
(パチンコ機)
パチンコ機は、例えば、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤、遊技領域を外部から視認可能としつつ保護する保護ガラスを含むガラスドア、遊技領域の所定領域に設けられる演出表示装置(遊技領域外に設けられるものであってもよい)、遊技球を払出す払出ユニット、及び、遊技や演出に関する各種制御を行う各種制御基板を含む基板ユニット等を有し、これらは枠体(単に「枠」等と称される場合もある)によって支持される。
また、パチンコ機の前面側には、例えば、遊技者の操作手段の一つとしての発射ハンドル、遊技に供する遊技球を貯留可能な上皿、及び、払出された遊技球を貯留可能な下皿等が設けられている。なお、上述した演出用ボタンや可動演出装置が設けられているものも多い。また、遊技領域には、例えば、遊技球が通過可能な始動領域(「始動口」等と称される場合もある)や特定領域(「V入賞口」等と称される場合もある)、遊技球が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態との間で変移可能な可変入賞装置(「大入賞口」等と称される場合もある)、及び、識別情報(「図柄」等と称される場合があり、「特別図柄」と「普通図柄」を含む)を可変表示可能な可変表示装置等が設けられる。
そして、パチンコ機では、遊技者は発射ハンドルを操作し、遊技球を遊技領域に発射することで遊技を行う。例えば、発射された遊技球が始動領域を通過すると、可変表示が開始される。また、このとき、現在の状態(例えば、当り確率が相対的に高い確変遊技状態であるか等)や始動領域の種類等に応じた確率で、遊技状態を移行させるか否か(例えば、遊技者に有利な大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行させるか否か)が決定される(すなわち、遊技状態を移行させるか否かが抽籤(あるいは、判定)される)。その後、可変表示の停止条件(例えば、設定された変動時間が終了したこと)が成立すると、上記決定結果に応じた停止態様で可変表示が停止する。このとき、上記決定結果が遊技状態を移行させるもの(当り)であれば、停止される停止態様も当該当りに対応する表示結果となり、当該表示結果が表示されたことに応じて当該当りに対応する遊技状態に移行する。一方、上記決定結果が遊技状態を移行させないもの(はずれ)であれば、停止される停止態様もはずれに対応する表示結果となり、遊技状態は移行しない。なお、例えば、発射された遊技球が特定領域を通過すると(特定領域は、通常は遊技球の通過が困難な状態におかれていることが多い)、可変表示装置によらず、遊技状態を移行させることが決定される。
すなわち、パチスロ機1は、必要なメダルをベットし、遊技者が開始操作することを開始契機として遊技が開始されるのに対し、パチンコ機は、遊技者が必要な遊技球を発射ハンドルの操作によって発射し、例えば、これによって始動領域を遊技球が通過したことを開始契機として遊技が開始される点においては異なるものの、ともに遊技者の遊技動作によって遊技が開始される点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、その開始契機が成立したときに、最終的に表示が許可される停止態様(換言すれば、付与される特典の内容)が決定される点において共通する。
また、パチスロ機1は、基本的には遊技者の停止操作によって可変表示が停止されるのに対し、パチンコ機は、停止条件が成立したことによって(遊技者の停止操作によらずして)可変表示が停止される点においては異なるものの、ともに事前の決定結果にしたがって可変表示を停止させ、停止した停止態様に応じた特典を付与する点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、遊技に関連する演出を実行可能な点において共通する。例えば、上記演出表示装置は、上述した演出表示部や情報表示部として機能する。また、パチンコ機においても、上述したランプ、スピーカ、あるいはその他演出装置等の演出実行手段を設け、これらによって演出を実行してもよいことはもちろんである。
なお、パチンコ機では、上記演出表示装置において、装飾図柄(これも「識別情報」等と称される場合がある)が変動表示されるものが多い。上述のとおり、本来の遊技結果は上記可変表示装置にて表示されるものであるが、上記可変表示装置は小型に構成され、また、その表示結果も複数個のLEDの点灯パターンで表示されるため、遊技者が遊技結果を認識し難くなっているものが多い。このため、パチンコ機では、上記可変表示装置の可変表示に連動するように、上記演出表示装置上で装飾図柄を変動表示(及び停止表示)させることで遊技を行うようにしたものが主流である。そして、このような装飾図柄の変動表示は、(演出上、開始契機が成立したときに一定期間遅延してから変動表示を開始したり、あるいは停止条件の成立前に仮停止したりする場合もあるが)基本的には上記可変表装置と同様、遊技の進行にしたがって識別情報を変動表示あるいは停止表示するものである(例えば、当りの場合には装飾図柄が特別停止態様(例えば、図柄揃い)で停止表示される一方、はずれの場合には装飾図柄が非特別停止態様(例えば、バラケ目)で停止表示される)ことから、これを上述した変動表示部の一態様であるとして、本実施形態に係る発明を適用することも可能である。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の外部構造あるいは内部構造の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、メダルを必須とし、遊技球には置き換えできないもの等)を除き、パチンコ機の外部構造あるいは内部構造の構成として適用することができる。
また、パチンコ機においても、遊技に関する各種制御は、主制御基板に実装された遊技制御部としての主制御回路によって行われ(一部、払出に関する制御は、主制御基板に電気的に接続された払出制御基板に実装された払出制御回路によって行われる場合があるが、これを含む)、演出に関する各種制御は、副制御基板に実装された演出制御部としての副制御回路によって行われることから、パチスロ機1の電気的構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、停止操作に関するもの等)を除き、パチンコ機の電気的構成として適用することができる。
また、パチスロ機1においては、上述のとおり、遊技者に相対的に有利な(あるいは、その構成内容によっては不利となる場合もあり得るが)遊技状態として、ボーナス状態、RT状態、AT状態、これらを組み合わせたART状態等を設けることが可能となっている。例えば、ボーナス状態では、小役の抽籤態様を非ボーナス状態よりも有利とすることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能とし、RT状態では、リプレイ役の抽籤態様を非RT状態よりも有利とすることで、はずれが発生しにくい(結果として、メダルが減少しにくい)状態を一定期間継続させることを可能とし、AT状態では、有利な停止操作態様が報知されることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。
これに対し、パチンコ機においても、これらと同様の性質を有する各種遊技状態を設けることが可能となっている。例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、上記可変入賞装置について通常とは異なる制御が行われることで、遊技球が入賞しやすい状態に変移することを可能とし、これによって遊技球が付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、時短遊技状態(「電サポ状態」等と称される場合がある)では、普通図柄について通常とは異なる制御が行われることで、始動領域を遊技球が通過しやすい状態とすることを可能とし、これによって上記可変表示装置による抽籤頻度を高めるとともに、遊技球が減少しにくい状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、確変遊技状態では、特別図柄について通常とは異なる制御が行われることで、上記可変表示装置による当籤確率が高まる(結果として、遊技球が増加しやすい)状態を一定期間継続させることを可能としている。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の遊技性として、遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、遊技区間の移行をともなうもの等)を除き、パチンコ機の遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として適用することができる。また、パチスロ機1の遊技性として他に説明する各種事項についても同様である。
なお、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中の遊技回数が規定回数となったことに応じて、時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、天井機能(有利状態(例えば、大当り遊技状態)に移行することなく不利状態(例えば、通常遊技状態)が所定期間(例えば、900ゲーム(回転))継続した場合に、ハマリ救済として有利状態(例えば、時短遊技状態)に移行させることができる機能)を搭載することができるため、パチスロ機1の天井機能に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の天井機能に関する構成として適用することができる。
また、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中において、上記可変表示装置の停止態様が特定のはずれに対応する表示結果となった場合には、これを契機として時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、特定の表示結果(特定の図柄の組合せ)の表示による(大当り遊技状態等への移行を契機としない)遊技状態の遷移(移行)が可能となっているため、例えば、パチスロ機1の特定の図柄の組合せの表示によるRT状態の遷移(移行)に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の特定の表示結果の表示による時短遊技状態の遷移(移行)に関する構成として適用することができる。
(メダルレス遊技機)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のベット操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口5に対して投入してベットする操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してベットする操作)があることを開始条件の1つとして遊技を開始し、遊技が終了したときにメダルの払出がある場合には、ホッパー装置32を駆動させてメダル払出口11からメダルを払出し、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、パチスロ機1の構成はこれに限られない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技価値がベットされ、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、遊技価値が付与される)形態全てについて、本実施形態に係る発明を適用可能である。すなわち、遊技者の動作によって物理的にメダルが投入され(掛けられ)、メダルが払出される形態のみならず、パチスロ機1の内部で、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理し(あるいは、電磁的でなくとも、少なくとも遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で管理し)、メダルレスで遊技を可能とするものにも適用可能である。ここでは、このようなパチスロ機1を「メダルレス遊技機」と称する。なお、メダルレス遊技機は、「管理遊技機」や「封入式遊技機」等と称されることがある。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、主制御回路100(主制御基板71)自体であってもよいし、主制御回路100(主制御基板71)に装着される(接続される)遊技価値管理装置(以下では、このような管理装置を「メダル数制御基板」として説明する場合がある)であってもよい。以下では、この遊技価値管理装置が設けられる一例を説明する。
遊技価値管理装置は、少なくともROM及びRWM(あるいは、RAM)を備え、パチスロ機1に設けられる装置であって、通信装置(以下では、このような通信装置を「接続端子板」として説明する場合がある)を介して外部の遊技価値提供装置(以下では、このような遊技価値提供装置を「通信専用ユニット」として説明する場合がある)と双方向通信可能に接続される。遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行い得るものとする。なお、遊技価値提供装置は、「遊技価値(遊技媒体)取扱装置」、「遊技価値(遊技媒体)貸出装置」あるいは「サンド」等と称されることがある
また、外部の遊技価値提供装置は、外部の出玉管理装置(出玉管理サーバ)に接続されており、遊技価値管理装置は、外部の出玉管理装置に対し、通信装置及び外部の遊技価値提供装置を介して出玉管理情報を送信可能に構成される。ここで、出玉管理情報は、外部の出玉管理装置が出玉の管理を可能とするために必要な各種の情報で構成される。なお、出玉管理情報の一例については後述する。また、外部の遊技価値提供装置と外部の出玉管理装置との間は、例えば、インターネット回線によって接続される。
ここで、「出玉」とは、直接的には払出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からベット数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか))、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等)や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念となっている。
また、例えば、パチスロ機1の前面側に、保有する遊技価値数を表示する保有遊技価値数表示装置(不図示)を設けることとし、遊技価値管理装置は、その遊技価値数の管理結果に基づいてこの保有遊技価値数表示装置に表示される遊技価値数を管理するようにしてもよい。すなわち、遊技価値管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法により記録するのみならず、当該記録結果の表示を制御可能なものとして構成してもよい。なお、この場合、遊技価値管理装置は、遊技者が、記録された遊技価値数を示す信号を外部の遊技価値提供装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合以外には記録された遊技価値数を減ずることができない性能を有し、また、記録された遊技価値数を示す信号は、通信装置を介してでなければ送信できない性能を有することが望ましい。
なお、遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置を用いて遊技者の遊技価値を電磁的に管理する機能のみならず、遊技者の物理的動作によってベットされる遊技価値数やパチスロ機1の物理的動作によって払出される遊技価値数を管理する機能を有していてもよい。すなわち、従来のパチスロ機1における実際のメダルの投入や払出の管理をも可能とするものであってもよい。このようにすれば、パチスロ機1を従来の手法によって制御することもできるし、上述のメダルレス遊技機のような手法によって制御することもできるため、パチスロ機1がいずれの仕様となった場合であっても共通の構成とすることができる。また、この場合、遊技価値管理装置が、上述のセレクタ31やホッパー装置32を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路100(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることにより間接的に制御する方式を採用することもできる。
また、パチスロ機1には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却(精算)操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい。また、遊技価値提供装置には、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等の各種装置に加え、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい(いずれも不図示)。なお、挿入可能な記録媒体には、遊技店で当日発行される非会員記録媒体のみならず、遊技店の会員が保有する会員記録媒体も含まれる。非会員記録媒体に記録された遊技価値は当日限り有効となる(翌日以降は無効となる)が、会員記録媒体に記録された遊技価値は翌日以降も有効となる。
この場合の遊技の流れの一例を説明する。例えば、まず、遊技者は遊技価値提供装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金する。遊技価値提供装置は、遊技者のいずれかの貸出操作手段への操作に応じて、所定数の有価価値を減算し、減算した有価価値に対応する遊技価値をパチスロ機1に提供する。そして、遊技者は遊技を行い、さらに遊技価値が必要となった場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果によって所定数の遊技価値を獲得してから遊技を終了する際には、遊技者はいずれかの返却操作手段を操作する。遊技価値管理装置は、遊技者のいずれかの返却操作手段への操作に応じて、遊技価値提供装置に対し遊技価値数を送信する。遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録した記録媒体を排出する。遊技価値管理装置は、遊技価値数を送信したときに自身が記憶する遊技価値数をクリアする。遊技者は、排出された記録媒体を景品に交換するために景品交換所等に持っていくこともできるし、また、排出された記録媒体を他のパチスロ機1に対応する遊技価値提供装置に挿入することで、台移動して遊技を続けることもできる。また、排出された記録媒体が会員記録媒体であれば、翌日以降も有効であるため、ここで遊技をやめることもできる。
なお、上記の一例では、遊技者の返却操作に応じて、遊技価値管理装置が遊技価値提供装置に対して全遊技価値数を送信するものとしていたが、遊技者の返却操作の態様により、遊技者が所望する遊技価値数のみを送信可能に構成してもよい。すなわち、遊技者が保有する遊技価値を分割できるようにしてもよい。また、遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録媒体に記録して排出するものとしていたが、上述の非接触通信アンテナ等を用いて遊技者の携帯端末にこれと同様の価値となる情報を送信してもよいし、また、同等の価値となるものを遊技者に提供するものである限り、例えば、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよい。
また、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、遊技者が操作可能なロック操作手段を設け、このロック操作手段への操作に応じて、遊技価値管理装置と遊技価値提供装置との間で通信できない状態(ロック状態)に制御可能としてもよい。なお、この場合、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、例えば、暗証番号の設定(及び設定した暗証番号の入力)、ワンタイムパスワードの発行(及び発行したワンタイムパスワードの入力)、あるいは生体認証等の認証処理が行い得るようにし、当該認証処理の結果が正常である場合に当該ロック状態が解除されるように構成すればよい。
ここまで説明したメダルレス遊技機によれば、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、例えば、メダル投入口5やメダル払出口11等の一部の外部構造、あるいはセレクタ31やホッパー装置32等の一部の内部構造についてはこれを設ける必要がなくなることから、遊技機の原価や製造コストを削減することができるのみならず、遊技機の消費電力を減らすことができる。また、遊技機の内部にアクセスすることがより困難となることから、遊技機に対する不正行為を防止することができる。さらに、遊技者が遊技媒体に直接的に接触しないことから、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
(メダルレス遊技機の構成例)
続いて、図34を参照して、パチスロ機1をメダルレス遊技機として構成した場合の構成例について説明する。図34は、メダルレス遊技機の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、メダル数制御基板(遊技価値管理装置)が設けられた場合の構成例について説明する。
上述のとおり、メダル数制御基板は、主制御基板71に接続され、遊技者が保有するメダル数(遊技価値数)を管理する。また、メダル数制御基板は、接続端子板(通信装置)を介して通信専用ユニット(遊技価値提供装置)に接続される。また、メダル数制御基板は、接続端子板及び通信専用ユニットを介し、出玉管理装置に対して出玉管理情報を送信する。また、メダル数制御基板には、メダル数制御回路(不図示)が搭載される。また、メダル数制御回路は、例えば、メダル数制御CPU(不図示)と、メダル数制御ROM(不図示)と、メダル数制御RWM(不図示)とを含んで構成される。
なお、出玉管理装置は、例えば、遊技機メーカが加入する組合(の情報センタ)が管理する出玉管理用のサーバであり、送信された出玉管理情報が出玉管理装置に蓄積されることで、各遊技機の射幸性が適切なものであるか否か(出玉性能)を監視可能にする目的で設けられるものである。
したがって、このような観点より、メダル数制御基板及び接続端子板は、主制御基板71と同様にパチスロ機1において重要な機能を担うものであることから、不正行為や不正改造を防止できる態様でパチスロ機1の内部に設けられている必要がある。図34に示す構成例1及び構成例2は、そのような態様の一例を示している。
<構成例1>
図34に示す構成例1は、メダル数制御基板及び接続端子板が、主制御基板71と同様に、主制御基板ケース内に収容されていることを示している。ここで、主制御基板ケースには、通常、その開放(あるいは取り外し)を困難とするため、あるいは開放された痕跡(あるいは開放された回数)を認識できるようにするための種々の封印処理が施されている(例えば、かしめによる封印や封印シールの貼付、あるいはかしめを切断した記録を記載するかしめシールの貼付等)。
したがって、メダル数制御基板及び接続端子板を主制御基板ケース内に収容すれば、主制御基板71と同様のセキュリティ効果を得ることができ、不正行為や不正改造を適切に防止できる。
<構成例2>
図34に示す構成例2は、メダル数制御基板及び接続端子板が、上述の構成例1とは異なり、主制御基板ケースとは別体に設けられたメダル数制御基板ケース内に収容されていることを示している。なお、メダル数制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成されるものとし、その内部に収容されたメダル数制御基板及び接続端子板が、容易に視認可能な状態で収容されるものとする。
ここで、構成例2のメダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様の封印処理が施される構成とすることもできるし、少なくともその一部の封印処理のみが施される構成とすることもできる。例えば、メダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様にかしめによる封印は行われるが、封印シールは貼付されないといった構成としてもよい。また、例えば、主制御基板ケースでは、予め定められたかしめシールを使用することが義務付けられるが、メダル数制御基板ケースでは、かしめシールとして任意のシールを使用することができるようにしてもよい。
<蓄積データ例>
図34に示す蓄積データ例は、出玉管理装置に蓄積される各種データの一例を示している。すなわち、メダル数制御基板が、接続端子板及び通信専用ユニットを介して出玉管理装置に送信する出玉管理情報の一例を示している。なお、これはあくまで一例であり、図34に示す各種の情報のうち、その一部を送信しない構成とすることもできるし、図34に示す各種の情報以外の情報を送信する構成とすることもできる。
また、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングも任意であるし、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングも任意である。出玉管理装置により、少なくとも一単位(例えば、遊技店の1営業日)ごとに各遊技機の出玉性能を監視可能とする態様であれば、いずれのタイミングで送信されるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングと、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングとは異なるタイミングであってもよい。また、例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングは、情報の種類に応じて異なるタイミングであってもよい。
蓄積データ「総投入枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積投入枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によってベットされたものを除き、遊技者のベット操作によってベットされた遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によって付与されたものを除き、遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「MY」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位中に発生した最大差枚数(要するに、一単位中において最も遊技価値が増加した期間で得られた差枚数。これを「MY」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、このような最大差枚数を算出し、算出した情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、各種役物の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、各種役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、各種役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「連続役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、連続役物(RB。BB作動中のRBを含む)の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、連続役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、連続役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
また、メダル数制御基板は、役比モニタ装置54に表示可能な各種の情報を所定のタイミング(例えば、役比モニタ装置54での算出時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、メダル数制御基板からの送信時点)で出玉管理装置に送信する。なお、蓄積データ「役物比率」は、例えば、上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「連続役物比率」は、例えば、上述の連続役物割合情報に相当し、蓄積データ「有利区間比率」は、例えば、上述の特定区間割合情報に相当し、蓄積データ「指示込役物比率」は、例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「役物等状態比率」は、例えば、各種役物の作動中も集計・算出の対象とした上述の特定区間割合情報に相当するものである。
蓄積データ「遊技回数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積遊技回数である。例えば、メダル数制御基板は、遊技が行われた遊技数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「主制御チップID番号」は、各遊技機の主制御回路100の個体識別番号(「CPUID」ともいう。これを「チップID番号」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップメーカコード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップ製品コード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。
蓄積データ「メダル数制御チップID番号」は、各遊技機のメダル数制御回路の個体識別番号である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップメーカコード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップ製品コード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
このように、出玉管理装置は、遊技機から送信された各種の情報(出玉管理情報)を蓄積可能としている。また、出玉管理情報には、遊技機の個体を識別可能な複数の個体識別情報(例えば、上述の「主制御チップID番号」~「メダル数制御チップ製品コード」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの個体識別情報によって送信元の遊技機を特定することができるとともに、例えば、あるときから、「主制御チップID番号」と「メダル数制御チップID番号」との対応関係が異なるものとなった場合には、いずれかの制御基板が交換された可能性(すなわち、不正行為や不正改造が行われた可能性)を認識することができる。
また、出玉管理情報には、一単位あたりの出玉性能を識別可能な複数の出玉情報(例えば、上述の「総投入枚数」~「遊技回数」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの出玉情報によって送信元の遊技機の射幸性が適切な範囲のものとなっているかを認識することができる。例えば、あるときから、「総払出枚数」や「指示込役物比率」が著しく高い値となった場合には、不正行為や不正改造が行われた可能性、あるいはそもそもの仕様設計に何らかの不備があった可能性等を認識することができる。
そして、出玉管理装置によって上述のような可能性が認識された場合には、遊技店あるいは遊技機メーカ等にその結果が知らされ、適切な対処が行われることが期待できる。すなわち、複数の管理遊技機と、管理遊技機から送信された出玉管理情報を出玉管理装置に送信する遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と、送信された出玉管理情報に基づいて各管理遊技機の出玉性能を管理する出玉管理装置とを含む管理システムが構築されることで、管理下にある全ての管理遊技機を適切に管理することを可能としている。
<変形例1>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板によって、遊技者の保有する遊技価値数が管理されるように構成することができる。したがって、このような管理状況、あるいはその他の情報を遊技店の管理者が把握できるように、メダル数制御基板には、メダル数モニタ装置(不図示)が設けられるようにしてもよい。
メダル数モニタ装置は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、メダル数制御基板ケースの内部に設けられる。メダル数モニタ装置は、メダル数制御CPU(あるいは、メインCPU101であってもよい)によって集計・算出された遊技価値数に関する各種の情報(例えば、上述の出玉管理情報の一部又は全部)を順次表示する。なお、メダル数モニタ装置によって役比モニタ装置54の表示内容が全て表示されるのであれば、役比モニタ装置54を設けないようにしてもよい。あるいは、役比モニタ装置54をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
また、メダル数モニタ装置は、メダル数制御基板上に実装されるようにしてもよいし、メダル数制御基板に接続された他の基板(例えば、接続端子板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、メダル数モニタ装置における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に各種の情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
なお、メダル数モニタ装置は、自身に関連する各種エラー状態が発生したとき、発生したエラー状態の種類を表示するものとしてもよい。例えば、主制御基板71との通信エラーが発生した場合、接続端子板との通信エラーが発生した場合、遊技価値提供装置との通信エラーが発生した場合、あるいはメダル数制御RWMに異常が発生した場合等の場合には、これに対応する数値を表示するものとしてもよい。なお、この場合、表示された数値がいずれのエラー状態に対応するものであるかを遊技店の管理者が容易に認識可能とするため、メダル数制御基板ケース又はその近傍に、その対応関係を示す説明部(シールの貼付や印字等)を設けるようにすればよい。
<変形例2>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板は接続端子板を介して外部に出玉管理情報を送信するように構成することができる。ここで、本実施形態では、外部に情報を送信するものとして他に外部集中端子板55が設けられている。したがって、接続端子板と外部集中端子板55とを、例えば、以下のように構成することができる。
例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを共通の端子板として構成する。これにより、部品点数を削減することができるのみならず、外部に向けた配線も削減することができるため、セキュリティ効果を高めることができる。
また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを1つのユニットとして構成する。また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを少なくともキャビネットG内において近傍に配置する。これにより、接続時の作業効率を高めることができる。また、配線の長さを一定のものとすることができ、また、配線箇所を限定することもできるため、セキュリティ効果を高めることができる。
<変形例3>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、出玉管理装置に対して出玉管理情報が送信されるように構成することができる。また、出玉管理装置では、送信された出玉管理情報によって各メダルレス遊技機の出玉性能を適切に管理することができる。したがって、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
また、出玉性能を適切に管理する機能をメダル数制御基板にもたせるようにし、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
例えば、メダル数制御基板が、出玉監視用RWM(上述のメダル数制御RWMであってもよいし、別のRWMであってもよい)を含んで構成されるようにする。出玉監視用RWMは、例えば、設定変更時には初期化されるが、有利区間終了時には初期化されないようにして出玉を監視する。そして、監視した出玉が一定の閾値を超えた場合には、例えば、有利区間自体は強制的に終了させないが、ナビ発生確率を低下させたり、AT状態が延長される確率を低下させたり、あるいはAT状態自体は終了させたりして出玉性能を低下させる制御を行い得るものとする。このようにしても、出玉性能を適切に管理することが可能となる。なお、この場合、このような制御結果を出玉管理情報として出玉管理装置に送信可能としてもよい。すなわち、メダル数制御基板と出玉管理装置との双方において、各メダルレス遊技機の出玉性能を管理し得る構成としてもよい。
(パチスロ機の主制御基板の構成例)
続いて、図35を参照して、パチスロ機1の主制御基板71の構成例について説明する。図35は、主制御基板71の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、主制御基板71のリユース(再利用)の構成例について説明する。
上述のとおり、パチスロ機1では、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、その1つとして、主制御基板71上には、製造業者名及び基板管理番号を印字することが必要となっている。製造業者名は、パチスロ機1を製造する遊技機メーカ名であり、管理番号は、主制御基板71の型式を特定するための番号である。
<構成例1>
図35に示す構成例1は、主制御基板71において、製造業者名及び基板管理番号を従来のように文字にて印字していることを示している。ここで、図35に示す構成例1では、まず、株式会社BBによって当該主制御基板71が搭載されたパチスロ機1(以下、「機種A」として説明する)が製造されたものとする。このとき、当初は、下段の製造業者名「株式会社BB」及び基板管理番号「BB-00-11-22」しか印字されていない。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種B」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社AAは、印字されていた下段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号(例えば、図35に示す構成例1の上段の製造業者名「株式会社AA」及び基板管理番号「AA-00-11-22」)を新たに印字しなければならない。
そして、その後、機種Bが遊技店から撤去され、仮に、例えば、株式会社BBが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種C」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社BBは、印字されていた上段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号を新たに印字しなければならないわけであるが、図35に示す構成例1ではもう空きスペースがないため、ハードウェア的にはまだ十分にリユースが可能であるにもかかわらず、上述のような制約のために当該主制御基板71をリユースできない場合があるという問題があった。
なお、これは、当初から複数の製造業者名及び基板管理番号を印字していた場合であっても同様である。例えば、株式会社AAと株式会社BBの双方に係る製造番号及び基板管理番号が予め印字されていたとしても、機種Aを製造する時点で株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号はレーザー刻印で削除されてしまうからである。よって、株式会社BBではリユースできる可能性はあるものの、株式会社AAではリユースできなくなってしまう。これに対し、以下の構成例2及び構成例3では上述のような問題を解消することが期待できる。すなわち、主制御基板71のような遊技の制御に用いる基板について、そのリユース性を高めることができる。
<構成例2>
図35に示す構成例2は、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号の一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)を用いているが、JANコード(バーコード)や他のコードを用いることができる。すなわち、符号(コード)は、確認者が何らかの手段(例えば、携帯端末等)によって一義的に製造業者名及び基板管理番号を特定可能な情報を含むものであれば、どのようなものであってもよい。
図35に示す構成例2では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号が印刷される。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号が印刷され、右から1番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号が印刷され、右から2番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から3番目の符号をレーザー刻印で削除し、右から4番目の符号を印刷し、右から4番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれるようにすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
すなわち、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することで、主制御基板71の表面において、製造業者名及び基板管理番号の1個あたりの印字(印刷)スペースを節約することができるので、図35に示す構成例1と比べて、そのリユース性を高めることが可能となっている。
<構成例3>
図35に示す構成例3は、上述の構成例2と同様に、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例3では、当初から複数(例えば、4個)の符号が印刷されている。例えば、株式会社AA分及び株式会社BB分がそれぞれ2個ずつ印刷されているものとする。また、主制御基板71の表面(あるいは、これに対応する主制御基板ケース上であってもよい)において、各符号に対応する箇所を、例えば、帯状部材等によってかしめることにより、符号を読み取り不可能な状態に固定することを可能としている。また、例えば、帯状部材等を切断することにより、固定を解除して符号を読み取り可能な状態とすることを可能としている。
図35に示す構成例3では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から2番目~4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、3番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、2番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から4番目の符号のみを読み取り可能な状態とし、右から1番目~3番目の符号を読み取り不可能な状態とすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
また、図35に示す構成例3では、少なくとも1つの符号を読み取り可能な状態とし、それ以外の符号読み取り不可能な状態とすればよいのであるから、さらなるリユースも可能であり、また、より多くの遊技機メーカでリユースすることも可能である。なお、図35に示す構成例3においても、かしめ穴だけを設けておき、リユースの度にかしめ穴に対応する箇所に符号を印刷していくように構成することもできる。
[10.第2の遊技機]
続いて、図36~図93を参照して、パチスロ機の構成の他の一具体例について、これを「第2の遊技機」として説明する。また、第2の遊技機(本実施例)では、従来のようにメダルを用いて遊技を行う遊技機ではなく、遊技に用いられる遊技媒体の貸出数、貯留数(クレジット数)、投入数(ベット数)、払出数、精算数等が電磁的に管理(電子データで管理)される遊技機、所謂、メダルレス遊技機(CR遊技機)について説明する。
[10-1.遊技システムの構成]
次に、図36を参照して、メダルレスで遊技可能な第2の遊技機であるパチスロ機を含む遊技システムの構成について説明する。なお、図36は、本実施例のパチスロ機を含む遊技システムの外観構造を示す斜視図である。
遊技システム400は、図36に示すように、パチスロ401と、パチスロ401と各種データを入出力可能に接続された遊技媒体貸出装置402(サンド装置、又は、CRサンド)を含む周辺機器(処理装置)とで構成される。なお、周辺機器には、遊技媒体貸出装置402だけでなく、例えば、遊技回数やボーナスの入賞回数等のデータを表示するデータ表示器等の周辺機器500(後述の図39参照)が含まれる。
また、図36には示さないが、遊技媒体貸出装置402や周辺機器500は、遊技店の管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に対してデータ送信可能に接続されている。具体的には、遊技媒体貸出装置402や周辺機器500などの周辺機器と管理コンピュータとの間は、LAN(Local Area Network)回線(イーサネット(登録商標))により接続されている。
また、パチスロ401では、後述のように、遊技媒体(遊技価値)の貯留数の計数処理、投入処理(ベット処理)、払出処理、精算処理等の遊技媒体数(メダル数)の管理に係る各種処理を、パチスロ401の内部に設けられた後述のメダル数制御基板443(後述の図39参照)で行い、遊技媒体貸出装置402では、主に、遊技媒体の貸出に係る処理(貸出数の管理)が行われる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、後述のメダル数制御基板443で行われる遊技媒体数の管理に係る各種処理の一部又は全部を遊技媒体貸出装置402で行ってもよい。すなわち、遊技媒体貸出装置402の代わりに遊技媒体管理装置を用いてもよい。
[10-2.外観構造]
パチスロ401は、図36に示すように、リールや各種回路基板等を収容した図示しないキャビネット411a(後述の図38参照)と、キャビネット411aに対して開閉可能に取り付けられたフロントドア411bとを備える。キャビネット411aの内部には、3つのリール412L,412C,412R(変動表示手段、表示列)が設けられ、該3つのリール412L,412C,412Rは横方向(リールの回転方向と直交する方向)に一列に配置される。以下、リール412L,412C,412Rを、それぞれ左リール412L、中リール412C、右リール412Rともいう。
各リールは、円筒状のリール本体と、リール本体の周面(周回面)に装着された透光性のシート材とを有する。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄がリール本体の周方向(リールの回転方向)に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア411bの略中央部には、表示装置413(表示手段)が設けられる。そして、表示装置413は、3つの図柄表示領域414L,414C,414Rを含む表示画面を備える。本実施例のパチスロ401では、図柄表示領域414L,414C,414Rを含む表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
3つの図柄表示領域414L,414C,414Rは、それぞれ、左リール412L、中リール412C及び右リール412Rに対応して設けられる。そして、各図柄表示領域は、図36に示すように、正面(遊技者側)から見て、対応するリールと重畳する位置に設けられ、かつ、対応するリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。なお、各図柄表示領域は、表示窓としての機能を有し、その背後に設けられた対応するリールに描かれた図柄が、該表示窓を介して目視することができる。以下、図柄表示領域414L,414C,414Rを、それぞれ左表示窓414L、中表示窓414C、右表示窓414Rともいう。
また、本実施例では、各表示窓は、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、該リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できるように構成される。すなわち、各表示窓の枠内には、上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄を表示することができる。それゆえ、本実施例では、表示装置413の表示画面に、3×3の配列形態で図柄を表示することができる。
そして、本実施例では、3×3の配列形態で表示された図柄において、左表示窓414L(左リール412L)から右表示窓414R(右リール412R)に跨って設定された擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行うライン(以下、「有効ライン」という)として定義する。例えば、左表示窓414Lの中段領域、中表示窓414Cの中段領域及び右表示窓414Rの中段領域に跨って設定された擬似的なライン(センターライン)を有効ラインとすることができる。なお、有効ラインの設定は、この例に限定されず、任意に設定することができる。
表示装置413の表示画面内の側端部付近には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器415aやベット用ランプ415bなどが設けられる。7セグ表示器415aは、今回の遊技に投入された遊技媒体の数(以下、「投入数」又は「ベット数」という)、特典として遊技者に払い出される遊技媒体の数(以下、「払出数」という)、パチスロ401の内部に預けられている遊技媒体の数(以下、「貯留数」又は「クレジット数」という)等の情報をデジタル表示する。また、ベット用ランプ415bは遊技媒体の投入数に対応する番号(図36中の「1」~「3」)のランプを点灯させる。なお、表示装置413、7セグ表示器415a及びベット用ランプ415bの表示制御は、後述の副制御基板442(後述の図39参照)により制御される。
また、フロントドア411bの表示装置413の下部(台座部及びその周辺部)には、図36に示すように、遊技者の操作対象となる各種装置(各種操作手段)が設けられる。具体的には、本実施例のパチスロ401では、MAXベットボタン416、1ベットボタン417、精算ボタン418、貸出ボタン419、返却ボタン420、カード返却ボタン421、スタートレバー422、ストップボタン423L,423C,423R、操作ボタン424、演出ボタン425が設けられる。
MAXベットボタン416及び1ベットボタン417は、パチスロ401内において電子データで管理された遊技媒体の貯留数(クレジット数)から1回の遊技に使用する遊技媒体の数(ベット数)を決定する際に用いられる操作ボタンである。MAXベットボタン416は、1回の遊技に必要な遊技媒体の投入数(以下、「最大規定数」という:本実施例では「3」)の投入操作(ベット操作)を1回の押下操作で実行する際に用いられるベットボタンである。また、1ベットボタン417は、1回の押下操作で遊技媒体を「1」投入(ベット)する際に用いられるベットボタンである。それゆえ、1ベットボタン417を使用して、1回の遊技に必要な遊技媒体を投入する場合には、1ベットボタン417に対する押下操作が3回行われる。
なお、遊技媒体のベット操作(処理)の実行時に、MAXベットボタン416が遊技者に押下された場合には、1回の遊技に必要な遊技媒体の投入数(最大規定数「3」)が電子データで管理された遊技媒体の貯留数から減算される(遊技媒体が消費される)。一方、遊技媒体のベット操作(処理)の実行時に、1ベットボタン417が遊技者に押下された場合には、電子データで管理された遊技媒体の貯留数が1減算される。
また、MAXベットボタン416及び1ベットボタン417の各内部には、各ベットボタンを用いた遊技媒体の投入操作(ベット操作)が可能なときに点灯するベットボタンLED(不図示)が設けられている。
精算ボタン418は、パチスロ401の内部に預けられている遊技媒体を外部に引き出す(精算する)際に用いられる操作ボタンである。遊技媒体の精算時に、精算ボタン418が遊技者に押下されると、パチスロ401内において電子データで管理された遊技媒体の貯留数が、遊技媒体貸出装置402内に挿入されている遊技用カード(不図示)に書き込まれるとともに、パチスロ401内において管理された遊技媒体の貯留数が0になる。
貸出ボタン419は、遊技者が遊技媒体を追加投入する際に用いられる操作ボタンである。貸出ボタン419が遊技者に押下されると、遊技媒体貸出装置402内に挿入されている遊技用カード(不図示)に残っている遊技媒体の数(以下、「度数」という)から所定数の遊技媒体が、パチスロ401内において電子データで管理された遊技媒体の貯留数に加算される。また、例えば、遊技者により遊技媒体貸出装置402に現金が投入され、貸出ボタン419が遊技者に押下されると、投入金額に対応する遊技媒体数が、遊技用カードの度数、又は、パチスロ401内において管理された遊技媒体の貯留数に加算される。
返却ボタン420は、現ゲームで既に投入されている遊技媒体を引き出す(ベット操作をキャンセルする)際に用いられる操作ボタンである。返却ボタン420が遊技者に押下されると、ベット済みの遊技媒体数(投入数)が遊技媒体の貯留数に戻され(加算され)、遊技媒体の投入数は0となる。
カード返却ボタン421は、遊技媒体貸出装置402内に挿入されている遊技用カード(不図示)を取り出す際に用いられる操作ボタンである。カード返却ボタン421が遊技者に押下されると、パチスロ401内で管理されている遊技媒体の貯留数及びベット済みの遊技媒体の投入数が、遊技用カードの度数に加算され、その後、遊技用カードが遊技媒体貸出装置402から排出される。
スタートレバー422は、遊技媒体のベット操作終了後、遊技を開始する際に用いられる操作レバーである。スタートレバー422が遊技者に操作(押下)されると、全てのリール(412L,412C,412R)の回転が開始される。
ストップボタン423L,423C,423Rは、それぞれ、左リール412L、中リール412C、右リール412Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止させる際に用いられる操作ボタンである。以下、ストップボタン423L,423C,423Rを、それぞれ左ストップボタン423L、中ストップボタン423C、右ストップボタン423Rともいう。
操作ボタン424は、演出に関する各種設定などを行う際に用いられる操作ボタンである。また、演出ボタン425は、所謂、PUSHボタンと呼ばれる操作ボタンであり、遊技に係る演出内容に伴い、遊技中に、遊技者により必要に応じて適宜操作される操作ボタンである。
また、フロントドア411bの表示装置413の下部(台座部及びその周辺部)には、図36に示すように、現在の遊技動作及び遊技媒体数に関する各種情報を表示する、遊技情報表示ユニット426a、メダル数表示ユニット426b(遊技価値表示手段)及びメダル貸表示ユニット427aが設けられる。なお、メダル貸表示ユニット427aは、後述のメダル貸操作基板427(後述の図39参照)に実装された表示パネルである。また、台座部に設けられた遊技情報表示ユニット426a、メダル数表示ユニット426b及びメダル貸表示ユニット427aはそれぞれ、透明の窓カバー(不図示)によって覆われている。
なお、遊技情報表示ユニット426aは、後述のドア中継基板444を介して主制御基板441に電気的に接続されており、遊技情報表示ユニット426aでの各種遊技情報の表示動作は、主制御基板441内の後述の主制御用マイクロプロセッサ450(主制御回路)により制御される。また、メダル数表示ユニット426bは、後述のメダル数制御基板443に電気的に直接接続されており、メダル数表示ユニット426bでのメダル数(クレジット数)等の表示動作は、メダル数制御基板443内の後述のメダル数制御用マイクロプロセッサ460(メダル数制御回路)により制御される。また、後述のメダル貸操作基板427は、後述の遊技球等接続端子板445を介して遊技媒体貸出装置402に電気的に接続されているので、メダル貸表示ユニット427aの表示動作は、遊技媒体貸出装置402内の後述の周辺機器制御部402a(後述の図49参照)により制御される。
ここで、図37A、図37B及び図37Cにそれぞれ、遊技情報表示ユニット426a、メダル数表示ユニット426b及びメダル貸表示ユニット427aの構成例を示す。
遊技情報表示ユニット426aには、図37Aに示すように、遊技媒体の払出数の情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグLEDが設けられる。
また、遊技情報表示ユニット426aには、遊技の動作情報を示すランプとして、図37A中において「START」、「REPLAY」、「1BET」、「2BET」、「3BET」と表記されたベット数表示用のLED(以下、「ラインLED」という)が設けられる。
例えば、遊技媒体のベット数(投入数)が0の状態(全てのラインLEDが消灯状態)において、1ベットボタン417が押下されると「1BET」のラインLEDが点灯し、続けて、1ベットボタン417が押下されると「1BET」及び「2BET」のラインLEDが点灯し、さらに続けて、1ベットボタン417が押下されると「1BET」~「3BET」の全てのラインLEDが点灯するとともに、「START」のラインLEDが点灯する。この際、1ベットボタン417が押下される度に、メダル数表示ユニット426b内の後述の5桁の7セグLEDで表示された遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値が1減算される。
また、例えば、遊技媒体のベット数(投入数)が0の状態(全てのラインLEDが消灯状態)において、MAXベットボタン416が押下されると、「1BET」~「3BET」の全てのラインLEDが点灯するとともに、「START」のラインLEDが点灯する。この際、1回のベット操作で、メダル数表示ユニット426b内の後述の5桁の7セグLEDで表示されている遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値は3減算される。
さらに、例えば、前回のゲームでリプレイ役が入賞した場合には、「START」及び「REPLAY」のラインLEDが点灯する。この際、メダル数表示ユニット426b内の後述の5桁の7セグLEDで表示されている遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値は減算されない。
また、遊技情報表示ユニット426aには、内部当籤役として決定された役に応じた図柄組合せを有効ラインに沿って表示するために必要なリールの停止操作の情報を報知する指示表示部(指示モニター)が設けられている。指示表示部は、3桁の7セグメントLEDにより構成される。そして、指示表示部では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で3桁の7セグLEDの表示内容を制御することにより、遊技者に対して必要な停止操作の情報が報知される。
なお、ここでいう、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様とは、例えば、第1停止操作を左リール412L(左ストップボタン423L)に対して行う押し順(左1st)を報知する場合には指示表示部に数値「1」を表示し、第1停止操作を中リール412C(中ストップボタン423C)に対して行う押し順(中1st)を報知する場合には指示表示部に数値「2」を表示し、第1停止操作を右リール412R(右ストップボタン423R)に対して行う押し順(右1st)を報知する場合には指示表示部に数値「3」を表示するなどの態様のことである。
また、本実施例のパチスロ401では、主制御基板441により制御される指示表示部に加えて、後述の副制御基板442により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知する構成を設けてもよい。例えば、表示装置413により停止操作の情報を報知してもよい。
このような構成を適用した場合、指示表示部における報知の態様と、副制御基板442により制御されるその他の手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、指示表示部では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示表示部において数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。一方、表示装置413等のその他の手段によるサブ側(副制御基板442側)の報知では、停止操作の情報を直接的に報知してもよい。例えば、押し順「左1st」を報知する場合、指示表示部では報知する押し順と一義的に対応する数値「1」を表示するが、その他の手段(例えば、表示装置413等)では、左リール412Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知してもよい。
このような構成のパチスロ401では、副制御基板442の制御だけでなく、主制御基板441の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。また、このような停止操作の情報の報知の有無は、遊技状態に応じて制御されるようにしてもよい。例えば、一般遊技状態(非ART遊技状態)では停止操作の情報を報知せずに、ART遊技状態において停止操作の情報を報知するようにしてもよい。
メダル数表示ユニット426bには、図37Bに示すように、パチスロ401の内部に預けられている遊技媒体の貯留数(クレジット数)などの情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための5桁の7セグLEDが設けられる。なお、本実施例では、従来の遊技機に設けられていた遊技媒体の貯留数(クレジット数)を表示するための2桁の7セグLEDを、図37Bに示すクレジット表示用の5桁の7セグLEDとは別個に設けてもよい。また、当該クレジット表示用の5桁の7セグLEDは、遊技媒体貸出装置402に設けてもよい。
さらに、メダル数表示ユニット426bには、メダル数制御基板443で管理されるメダル数(クレジット数)の制御に係るエラー(例えば、後述の上限超過エラー、上限超過予告エラー等)を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための1桁の7セグLED(エラー表示手段)が設けられる。メダル数制御基板443で管理されるメダル数(クレジット数)の制御に係るエラーが発生した場合には、このエラー表示用の1桁の7セグLEDにより、エラー種別に対応するエラーコード(文字や数字など)が表示される。このようなエラー表示用の1桁の7セグLEDを設けた場合、メダル数(遊技価値)の管理制御専用のエラー表示手段が設けられることになるので、例えば、メダル数の管理制御に関するエラーと、その他のエラーとの混同が無くなり、メダル数の管理制御に関するエラーが発生していることを容易に認識することができる。
メダル貸表示ユニット427aには、図37Cに示すように、遊技用カードの度数(遊技媒体の残数)、遊技媒体の貸出操作の可/不可、及び、遊技媒体の返却操作の可/不可を示す各情報が別個に表示される。
本実施例では、遊技用カードの度数は、3桁の7セグLEDで数値表示される。貸出操作用のランプ(図37C中の「貸」ランプ)は、遊技媒体の貸出操作が可能であるか否かを報知するLED(遊技媒体貸出可LED)であり、遊技媒体の貸出操作が可能な状態(貸出操作前)では、貸出操作用のランプは点灯し、遊技媒体の貸出操作が不可である状態(貸出中、精算中、返却中、異常発生中)では、貸出操作用のランプは消灯する。また、返却操作用のランプ(図37C中の「返」ランプ)は、遊技媒体の返却操作が可能であるか否かを報知するLED(遊技媒体返却可LED)であり、遊技媒体の返却操作が可能な状態(返却操作前)では、返却操作用のランプは点灯し、遊技媒体の返却操作が不可である状態(貸出中、精算中、返却中、異常発生中)では、返却操作用のランプは消灯する。
なお、本実施例では、遊技情報表示ユニット426a、メダル数表示ユニット426b及びメダル貸表示ユニット427aに設けられた各種7セグLEDの制御方式として、ダイナミック点灯制御が採用される。
さらに、フロントドア411bには、図36に示すように、ランプ428、スピーカ429L,429R等が設けられる。ランプ428は、LED等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯/消灯する。また、スピーカ429L,429Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
また、遊技媒体貸出装置402は、図36に示すように、正面(遊技者側)から見てパチスロ401の右側壁部に設置される。遊技媒体貸出装置402の筐体405の正面部には、紙幣投入口406、硬貨投入口407、遊技用カードの挿入口408等が設けられる。
[10-3.内部構造]
次に、パチスロ401の内部構造を、図38を参照しながら説明する。なお、図38は、フロントドア411bが開放された状態を示す図であり、フロントドア411bの裏面側の構造及びキャビネット411aの内部の構造を示す。
キャビネット411a内の上方部分には、後述の主制御用マイクロプロセッサ450(後述の図41参照)を搭載した主制御基板441が設けられる。後述の主制御用マイクロプロセッサ450は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ401における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御用マイクロプロセッサ450の具体的な構成は後述する。
キャビネット411a内の中央部分には、3つのリール(左リール412L、中リール412C及び右リール412R)が設けられる。なお、図示しないが、各リールは、所定の減速比を有するギアを介して対応するステッピングモータに接続される。
また、キャビネット411a内において、左リール412Lの中リール412Cとは反対側の側部(図38に示す例で左側)には、副制御基板442が設けられる。なお、図示しないが、副制御基板442には、映像の表示等による演出の実行を制御するための制御回路等が実装されている。また、キャビネット411a内の下方部分には、パチスロ401が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置430が設けられる。
なお、図38には示さないが、パチスロ401には、主制御基板441及び副制御基板442以外に、各種基板(メダル数制御基板443を含む)が設けられている(後述の図39参照)が、各基板は、その機能(用途)や筐体の構造などに応じて、キャビネット411a内又はフロントドア411bの裏面において、適宜所定の位置に設置される。
[10-4.遊技システムが備える制御系]
[10-4-1.遊技システムの構成]
次に、図39を参照しながら、遊技システム400が備える制御系について説明する。図39は、遊技システム400の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ401は、主制御基板441と、副制御基板442とを有する。また、パチスロ401は、主制御基板441に接続された、メダル数制御基板443、ドア中継基板444、設定用鍵型スイッチ432(設定スイッチ)、リセットスイッチ433、リールユニット412及び電源装置430を有する。なお、図39では、主制御基板441及びメダル数制御基板443を破線で囲っているが、これは、主制御基板441及びメダル数制御基板443を一枚の基板(主制御基板)で構成してもよいことを意味する。
また、パチスロ401は、ドア中継基板444を介して、主制御基板441に接続された、ドア開閉監視スイッチ431、ストップスイッチ基板423(ストップスイッチ)、MAXBETスイッチ416S、1BETスイッチ417S、返却スイッチ420S、スタートスイッチ422S及び遊技情報表示ユニット426aを有する。
また、パチスロ401は、メダル数制御基板443に接続された、遊技球等接続端子板445、メダル貸操作基板427、精算スイッチ418S、メダル数クリアスイッチ443a(所定操作検出手段)及びメダル数表示ユニット426bを有する。なお、メダル数制御基板443は、電源装置430にも接続されている。さらに、パチスロ401は、メダル貸操作基板427に接続された貸出スイッチ419S及びカード返却スイッチ421Sを有する。
パチスロ401は、副制御基板442に接続された表示装置413及び副中継基板446を有する。なお、副制御基板442は、電源装置430にも接続されている。また、パチスロ401は、副中継基板446を介して、副制御基板442に接続された、操作スイッチ424S、演出スイッチ425S、LEDドライブ基板434及びスピーカ群429を有する。なお、副制御基板442は、副中継基板446を介してリールユニット412にも接続されている。さらに、パチスロ401は、LEDドライブ基板434に接続された、演出時に点灯/消灯制御されるLED群435を有する。
本実施例の遊技システム400では、遊技媒体貸出装置402の後述の周辺機器制御部402a(後述の図49参照)は、パチスロ401内の遊技球等接続端子板445を介してメダル数制御基板443に接続される。また、メダル貸操作基板427は、遊技球等接続端子板445を介して遊技媒体貸出装置402の後述の周辺機器制御部402a(後述の図49参照)に接続されており、貸出スイッチ419Sの押下時におけるメダル貸表示ユニット427aの表示動作は、遊技媒体貸出装置402の後述の周辺機器制御部402aにより制御される。また、メダル数制御基板443及びメダル貸操作基板427間では、遊技媒体貸出イネーブル信号の入出力が行われる。
[10-4-2.遊技機(パチスロ401)の各構成部]
次に、パチスロ401の各部の構成及び機能について説明する。なお、主制御基板441及びメダル数制御基板443の構成については、後で詳述する。
ドア中継基板444は、主制御基板441と、各種スイッチ及び遊技情報表示ユニット426aのそれぞれとを接続する配線が実装された中継基板である。
設定用鍵型スイッチ432は、例えば主制御基板441を収納するケース等に設けられる。設定用鍵型スイッチ432は、パチスロ401の設定(例えば、設定1~設定6)を変更するとき、若しくは、パチスロ401の設定を確認するときに使用される。リセットスイッチ433は、例えば、パチスロ401の設定を変更する際に用いられる。
リールユニット412は、左リール412L、中リール412C、右リール412R、各リールを回転駆動するためのステッピングモータ(不図示)、リールバックライト(不図示)等を含んで構成される。なお、リールバックライトの点灯/消灯動作は、主に、演出時に副制御基板442により制御される。
電源装置430は、電源基板430bと、電源基板430bに接続された電源スイッチ430aとを有する。電源スイッチ430aは、パチスロ401に必要な電源を供給するときに押下される。
ドア開閉監視スイッチ431は、フロントドア411bの裏面に配設され、フロントドア411bの開閉の有無を検出し、当該開閉を報知するためのセキュリティ信号をパチスロ401の外部に出力する。
ストップスイッチ基板423は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板423には、ストップスイッチ(不図示)が設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン423L,423C,423Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
MAXBETスイッチ416Sは、MAXベットボタン416が遊技者により押下されたことを検出し、当該検出信号を、ドア中継基板444を介して主制御基板441に出力する。1BETスイッチ417Sは、1ベットボタン417が遊技者により押下されたことを検出し、当該検出信号を、ドア中継基板444を介して主制御基板441に出力する。
返却スイッチ420Sは、返却ボタン420が遊技者により押下されたことを検出し、当該検出信号を、ドア中継基板444を介して主制御基板441に出力する。スタートスイッチ422Sは、スタートレバー422が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出し、当該検出信号を、ドア中継基板444を介して主制御基板441に出力する。
遊技情報表示ユニット426aは、ドア中継基板444を介して主制御基板441に接続され、主制御基板441から出力された各種遊技情報を表示する。メダル数表示ユニット426bは、メダル数制御基板443に接続され、メダル数制御基板443から出力されたクレジット数の情報を表示する。
遊技球等接続端子板445は、図39には示さないが、遊技媒体貸出装置402とメダル数制御基板443とを接続するため、及び、データ表示器等の周辺機器500とメダル貸操作基板427と接続するための接続機構部445a(後述の図90A参照)が実装された基板である。
なお、接続機構部445a内の各接続配線上には、図示しないが、外部からのノイズの影響を抑制するため、フォトカプラで構成された接続回路(接点入出力回路)が設けられている。また、接続機構部445aには、ハーネスを介して遊技媒体貸出装置402と接続される複数の接続ピンで構成されたコネクタ(25ピンの接続コネクタ)が設けられる。
メダル貸操作基板427は、メダル貸表示ユニット427aが実装された基板である。
精算スイッチ418Sは、精算ボタン418が遊技者により押下されたことを検出し、当該検出信号をメダル数制御基板443に出力する。貸出スイッチ419Sは、貸出ボタン419が遊技者により押下されたことを検出し、当該検出信号をメダル貸操作基板427及び遊技球等接続端子板445を介して、遊技媒体貸出装置402に出力する。カード返却スイッチ421Sは、カード返却ボタン421が遊技者により押下されたことを検出し、当該検出信号をメダル貸操作基板427及び遊技球等接続端子板445を介して、遊技媒体貸出装置402に出力する。
メダル数クリアスイッチ443aは、パチスロ401内に貯留されたメダル数(クレジット数)を遊技店の係員等がクリアする際に押下(所定の操作)されるスイッチである。メダル数クリアスイッチ443aは、電気的には後述のメダル数制御用マイクロプロセッサ460に接続され、メダル数クリアスイッチ443aに対して押下操作が行われると、当該押下操作を検出し、当該検出信号(メダル数クリア信号)を後述のメダル数制御用マイクロプロセッサ460に出力する。なお、メダル数クリア信号が入力された後述のメダル数制御用マイクロプロセッサ460は、当該メダル数クリア信号に基づいて、メダル数表示ユニット426bに設けられたクレジット表示用の5桁の7セグLED(図37B参照)の表示が「00000」(クレジット数=0)となるようにメダル数表示ユニット426bを制御する。
また、メダル数クリアスイッチ443aは、メダル数制御基板443に直接、実装される。なお、本実施例のパチスロ401では、主制御基板441及びメダル数制御基板443はそれぞれ、別個の制御基板ケースに収納される。ここで、図40を参照して、メダル数クリアスイッチ443aのメダル数制御基板443での実装例、及び、主制御基板441及びメダル数制御基板443の制御基板ケースへの収納例を説明する。図40Aは、主制御基板441及びメダル数制御基板443の各基板における制御マイクロプロセッサの実装態様を示す図であり、図40Bは、主制御基板441及びメダル数制御基板443の基板ケースへの収納態様を示す図であり、図40Cは、主制御基板441及びメダル数制御基板443の制御基板ケースへの別の収納態様を示す図である。
本実施例のパチスロ401では、図40Aに示すように、主制御基板441には後述の主制御用マイクロプロセッサ450が実装され、メダル数制御基板443には後述のメダル数制御用マイクロプロセッサ460及びメダル数クリアスイッチ443aが実装される。そして、図40Bに示すように、主制御基板441は、専用の主制御基板ケース481に収納され、メダル数制御基板443は、専用のメダル数制御基板ケース482に収納される。また、メダル数制御基板ケース482には、メダル数クリアスイッチ443aの配置場所に対応する位置に、メダル数制御基板ケース482の外部からメダル数クリアスイッチ443aを押下できるようにするための小穴482aが形成されている。より詳細には、メダル数制御基板ケース482内のメダル数クリアスイッチ443aの配置場所に対応する位置に凹部482bが形成され、凹部482bの略中央に、小穴482aが形成されている。
メダル数クリアスイッチ443aは、通常の状況では使用しないスイッチであり、遊技媒体の貯留数(クレジット数)の管理に係るメダル数制御(払出に関する制御等)に想定外の状態が発生した場合に使用することを目的として設けられたものである。それゆえ、人の手で簡単に操作できないようにするため、メダル数制御基板ケース482に設けられた小穴482aのサイズは、人の指が入らないサイズに設定されている。具体的には、小穴482aのサイズは、例えば、直径が約2mm以下に設定され、何らかの器具を使用しなければ押下できないサイズに設定される。そして、遊技店の係員等がメダル数制御基板ケース482の外部からメダル数クリアスイッチ443aに対して押下操作を行う場合には、押下用の専用器具等を小穴482aに挿入し、当該専用器具によりメダル数クリアスイッチ443aを押下する。このような押下態様の構成にすることにより、メダル数クリアスイッチ443aに対して誤って押下操作が行われることを防止することができる。
なお、本実施例では、主制御基板441及びメダル数制御基板443をそれぞれ、別個の制御基板ケースに収納する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、主制御基板441及びメダル数制御基板443を一枚の制御基板で構成してもよい。この場合には、後述の主制御用マイクロプロセッサ450、後述のメダル数制御用マイクロプロセッサ460及びメダル数クリアスイッチ443aは、同じ制御基板上に実装される。また、この場合には、後述の主制御用マイクロプロセッサ450、後述のメダル数制御用マイクロプロセッサ460及びメダル数クリアスイッチ443aが実装された制御基板を収納する制御基板ケース483も一つになる(図40C参照)。そして、当該制御基板ケース483には、図40Cに示すように、メダル数クリアスイッチ443aの配置場所に対応する位置に凹部483bが形成され、凹部483bの略中央に、制御基板ケース483の外部からメダル数クリアスイッチ443aを押下できるようにするための小穴483aが形成される。
また、例えば、図40Cに示す制御基板ケース483内において、主制御基板441及びメダル数制御基板443がそれぞれ、別基板として収納されていてもよい。この場合、制御基板ケース483内において、主制御基板441及びメダル数制御基板443は、BtoB(Board to Board)で接続される。
副制御基板442には、図示しない副制御回路(副制御手段)が実装されている。副制御回路は、副中継基板446及びドア中継基板444を介して主制御基板441内の後述の主制御用マイクロプロセッサ450(主制御回路)と電気的に接続されており、主制御用マイクロプロセッサ450から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。また、副制御回路は、基本的に、サブCPU(演出制御手段)、サブRAM、レンダリングプロセッサ、描画用RAM、LEDドライバ、サウンドIC、バックアップメモリ(FRAM(登録商標))等を含んで構成される。
副中継基板446は、キャビネット411a内に配設され、副制御基板442と副制御基板442の周辺に配設された基板や各種装置部(ユニット)などとを接続する配線が実装された中継基板である。
操作スイッチ424Sは、操作ボタン424が遊技者により押下されたことを検出し、当該検出信号を、副中継基板446を介して副制御基板442に出力する。演出スイッチ425Sは、演出ボタン425が遊技者により押下されたことを検出し、当該検出信号を、副中継基板446を介して副制御基板442に出力する。
LEDドライブ基板434は、LED群435を構成する各種ランプの駆動回路が実装された基板である。LED群435は、例えば、フロントドア411bに設けられたランプ428、7セグ表示器415aやベット用ランプ415b、装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源(不図示)等を含んで構成される。
スピーカ群429は、スピーカ429L,429Rや図示しない各種スピーカを含んで構成される。また、表示装置413は、主に、映像の表示による演出を実行するための表示装置であり、例えば、液晶表示装置や、複数のLEDの点灯/消灯により表されるドットパターンにより演出(報知)を行う表示装置などで構成される。
[10-4-3.主制御基板の構成]
次に、図41を参照して、主制御基板441の内部構成について説明する。図41は、パチスロ401の主制御基板441の内部構成例を示すブロック図である。
主制御基板441は、主制御用マイクロプロセッサ450(遊技制御手段)と、クロックパルス発生回路451と、電源管理回路452と、多機能LSI(Large Scale Integrated Circuit)453と、役比モニター454(割合表示器)とを備える。なお、主制御用マイクロプロセッサ450及び役比モニター454の構成については後で詳述する。
クロックパルス発生回路451は、メインCPU作動用のクロックパルス信号を生成し、該生成したクロックパルス信号を主制御用マイクロプロセッサ450に出力する。主制御用マイクロプロセッサ450は、入力されたクロックパルス信号に基づいて、制御プログラムを実行する。
電源管理回路452は、電源基板430b(図39参照)から供給される直流12Vの電源電圧の変動を管理し、主制御用マイクロプロセッサ450に直流5V(VCC)の電源を供給する。そして、電源管理回路452は、例えば、電源が投入された際(電源電圧が0Vから起動電圧値(10V)を上回った際)には、リセット信号を主制御用マイクロプロセッサ450内の後述のリセットコントローラ506(XSRST)に出力し、電断が発生した際(電源電圧が12Vから停電電圧値(10.5V)を下回った際)には、電断検知信号を主制御用マイクロプロセッサ450内の後述のパラレル入力ポート511(XINT)に出力する。すなわち、電源管理回路452は、電源投入時に、主制御用マイクロプロセッサ450にリセット信号(起動信号)を出力する手段(起動手段)、及び、電断発生時に、主制御用マイクロプロセッサ450に電断検知信号(停電信号)を出力する手段(停電手段)も兼ねる。
多機能LSI453は、主制御用マイクロプロセッサ450内の後述の外部バスインターフェース504に接続される。また、多機能LSI453は、ドア中継基板444内の多機能LSI444a(後述の図88、図89参照)とシリアルバスを介してシリアル通信可能に接続され、ドア中継基板444に接続された各スイッチの検出信号は、シリアル通信により多機能LSI453に送信される。また、多機能LSI453は、メダル数制御基板443のバッファIC463と接続され、バッファIC463に対して各種信号の入出力を行う。なお、主制御基板441内の多機能LSI453とドア中継基板444内の多機能LSI444aとの間の通信制御では、主制御基板441内の多機能LSI453がマスターICとして動作し、ドア中継基板444内の多機能LSI444aがスレーブICとして動作する(後述の図88、図89参照)。
[10-4-4.メダル数制御基板の構成]
次に、図42を参照して、メダル数制御基板443の内部構成について説明する。図42は、パチスロ401のメダル数制御基板443の内部構成例を示すブロック図である。
メダル数制御基板443は、メダル数制御用マイクロプロセッサ460(メダル数制御回路、遊技価値制御手段)と、クロックパルス発生回路461と、電源管理回路462とを備える。本実施例のパチスロ401では、メダル数制御用マイクロプロセッサ460は、主制御基板441内に設けられた主制御用マイクロプロセッサ450と同じマイクロプロセッサで構成される。なお、メダル数制御用マイクロプロセッサ460の構成については後で詳述する。
図42と図41との比較から明らかなように、メダル数制御基板443の構成は、主制御基板441において多機能LSI453及び役比モニター454を省略した構成となる。また、メダル数制御基板443に設けられたクロックパルス発生回路461及び電源管理回路462の構成及び機能は、それぞれ、主制御基板441に設けられたクロックパルス発生回路451及び電源管理回路452の構成及び機能と同様である。それゆえ、ここでは、クロックパルス発生回路461及び電源管理回路462の構成及び機能の説明は省略する。
[10-4-5.主制御用及びメダル数制御用マイクロプロセッサの構成]
次に、図43を参照して、主制御用マイクロプロセッサ450及びメダル数制御用マイクロプロセッサ460の内部構成について説明する。図43は、主制御用マイクロプロセッサ450及びメダル数制御用マイクロプロセッサ460の内部構成を示すブロック図である。
主制御用マイクロプロセッサ450及びメダル数制御用マイクロプロセッサ460はともに、遊技機用のセキュリティ機能付きマイクロプロセッサである。また、上述のように、本実施例では、主制御用マイクロプロセッサ450の構成は、メダル数制御用マイクロプロセッサ460の構成と同じであるので、ここでは、主制御用マイクロプロセッサ450及びメダル数制御用マイクロプロセッサ460を、単に、「マイクロプロセッサMP」と称して説明する。なお、主制御用マイクロプロセッサ450とメダル数制御用マイクロプロセッサ460との間で機能が異なる構成部については、その都度、その差異を適宜説明する。
マイクロプロセッサMPは、CPU501と、ROM502と、RAM503と、外部バスインターフェース504と、クロック回路505と、リセットコントローラ506と、演算回路507と、照合用ブロック508と、固有情報509と、乱数回路510(乱数発生回路)と、パラレル入力ポート511と、割込みコントローラ512と、タイマー回路513と、シリアル通信回路514と、パラレル出力ポート515と、信号バス516(ローカルバス)と、を有する。そして、マイクロプロセッサMPを構成する信号バス516以外の各部は信号バス516を介して互いに接続されている。
CPU501は、クロック回路505で生成されたクロックパルスに基づいて、各種制御プログラムを実行して各種制御を行う。なお、主制御用マイクロプロセッサ450では、CPU501(以下、「メインCPU」ともいう)は、各種制御プログラムを実行して、遊技動作全般に係る制御を行う。一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ460では、CPU501(以下、「メダル数制御CPU」ともいう)は、各種制御プログラムを実行して、主に、払出時及び精算時における遊技媒体(遊技価値)の計数動作に係る制御を行う。
ここで、主制御用マイクロプロセッサ450のメインCPU501による制御動作の一例としてリール停止制御について説明する。
メインCPU501は、リールインデックスを検出してから各リール412L,412C,412Lのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU501は、各リールの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リールの所定の位置に設けられ、各リールの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片とを備えたリール位置検出部(不図示)により検出される。
ここで、各リール412L,412C,412Lの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、RAM503(以下、「メインRAM」ともいう)に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数される度に、メインRAM503に設けられた図柄カウンターが1ずつ加算される。図柄カウンターは、各リールに応じて設けられている。図柄カウンターの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。すなわち、本実施例のパチスロ401では、図柄カウンターを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理する。したがって、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
ROM502には、CPU501により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル等が記憶される。なお、ROM502の記憶容量は12キロバイトである。主制御用マイクロプロセッサ450では、ROM502(以下、「メインROM」ともいう)に、メインCPU501により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御基板442に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ460では、ROM502(以下、「メダル数制御ROM」ともいう)に、メダル数制御CPU501により実行される各種制御プログラム、主制御基板441及び遊技球等接続端子板445(遊技媒体貸出装置402、周辺機器500)との間で行われる信号及びデータの入出力動作で必要とされる各種データ等が記憶される。
RAM503には、CPU501による各種制御プログラムの実行時に用いられる各種データ(パラメータ、フラグ等)が格納される各種格納領域が設けられる。なお、RAM503の記憶容量は1キロバイトである。主制御用マイクロプロセッサ450では、RAM503(メインRAM)に、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ460では、RAM503(以下、「メダル数制御RAM」ともいう)に、払出制御等の実行時に用いられる各種カウンター(例えば、後述のメダルカウンター、投入カウンター等)、各種フラグ等を格納する格納領域が設けられる。
外部バスインターフェース504は、マイクロプロセッサMPの外部に設けられた各種構成部が接続された外部信号バス(不図示)と、マイクロプロセッサMPとを電気的に接続するためのインターフェース回路である。なお、主制御用マイクロプロセッサ450では、外部バスインターフェース504は、例えば、リールユニット412、多機能LSI453等の構成部が接続された外部信号バス(不図示)と、主制御用マイクロプロセッサ450とを電気的に接続するためのインターフェース回路となる。一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ460では、外部バスインターフェース504は、例えば、後述のバッファIC463等の構成部が接続された外部信号バス(不図示)と、メダル数制御用マイクロプロセッサ460とを電気的に接続するためのインターフェース回路となる。
クロック回路505は、例えば分周器(不図示)等を含んで構成され、クロックパルス発生回路451,461から入力されたCPU作動用のクロックパルス信号を、その他の構成部(例えば、タイマー回路513)で使用される周波数のクロックパルス信号に変換する。なお、クロック回路505で生成されたクロックパルス信号は、リセットコントローラ506にも出力される。
リセットコントローラ506は、電源管理回路452,462から入力されたリセット信号に基づいて、IAT(Illegal Address Trap)やWDT(watchdog timer)のリセットを行う。演算回路507は、乗算回路及び除算回路を含んで構成される。
固有情報509には、マイクロプロセッサMPの固有情報(識別情報)が記憶される。マイクロプロセッサMPのチップ個別ナンバーは、4バイトのデータで構成され、チップ作製時に設定される。また、マイクロプロセッサMPのチップ個別ナンバーは、チップ毎に異なった番号が設定される。
なお、主制御用マイクロプロセッサ450では、主制御用マイクロプロセッサ450の固有情報(識別情報)が、固有情報509に記憶される。また、メインROM502のROMコードや、主制御用マイクロプロセッサ450のチップ個別ナンバーなどが、固有情報509に記憶される。メインROM502のROMコードは、4バイト×4個のデータ、すなわち、16バイトのデータで構成される。なお、メインROM502のROMコードを構成する4バイト毎の各データは、内蔵ROM(メインROM502)のアドレス「0000h」~「2FBFh」の領域に格納されているデータから生成され、4バイトのデータ生成方法も4バイトのデータ毎に異なる。
一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ460では、メダル数制御用マイクロプロセッサ460の固有情報(識別情報)が、固有情報509に記憶される。また、メダル数制御ROM502のROMコードや、メダル数制御用マイクロプロセッサ460のチップ個別ナンバーなどが、固有情報509に記憶される。メダル数制御ROM502のROMコードは、4バイト×4個のデータ、すなわち、16バイトのデータで構成される。なお、メダル数制御ROM502のROMコードを構成する4バイト毎の各データは、内蔵ROM(メダル数制御ROM502)のアドレス「0000h」~「0FBFh」の領域に格納されているデータから生成され、4バイトのデータ生成方法も4バイトのデータ毎に異なる。
乱数回路510は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535又は0~255)を発生させる。乱数回路510は、複数の乱数レジスタで構成され、例えば、2バイトのハードラッチ乱数を得るための乱数レジスタ0と、2バイトのソフトラッチ乱数を得るための乱数レジスタ1~3と、1バイトのソフトラッチ乱数を得るための乱数レジスタ4~7とで構成することができる。なお、主制御用マイクロプロセッサ450では、メインCPU501は、乱数回路510で発生させた所定範囲の乱数の中から1つの値を、例えば内部抽籤用の乱数値として抽出する。
パラレル入力ポート511は、マイクロプロセッサMPの外部に設けられた各種回路(例えば、電源管理回路452,462等)からマイクロプロセッサMPに入力される信号の入力ポート(メモリーマップI/O)である。また、パラレル入力ポート511は、乱数回路510及び割込みコントローラ512にも接続される。なお、主制御用マイクロプロセッサ450では、パラレル入力ポート511にスタートスイッチ422Sが接続され、スタートスイッチ422Sがオン状態になったタイミング(オンエッジ)で、パラレル入力ポート511から乱数回路510の所定の乱数レジスタ(例えば、乱数レジスタ0)にラッチ信号が出力される。そして、乱数回路510では、ラッチ信号が入力されることにより所定の乱数レジスタがラッチされ、2バイトのハードラッチ乱数が取得される。
割込みコントローラ512は、パラレル入力ポート511を介して電源管理回路452,462から入力される電断検知信号、又は、タイマー回路513から所定周期で入力されるタイムアウト信号に基づいて、CPU501による割込処理の実行タイミングを制御する。また、割込みコントローラ512は、電源管理回路452,462から電断検知信号が入力された場合、又は、タイマー回路513からタイムアウト信号が入力された場合には、割込処理開始指令を示す割込要求信号をCPU501に出力する。そして、CPU501は、タイマー回路513からのタイムアウト信号に応じて割込みコントローラ512から入力される割込要求信号に基づいて、各種割込処理を行う。
具体的には、主制御用マイクロプロセッサ450では、割込みコントローラ512は、パラレル入力ポート511を介して電源管理回路452から入力される電断検知信号、又は、タイマー回路513から1.1172msec周期で入力されるタイムアウト信号に基づいて、メインCPU501による割込処理の実行タイミングを制御する。そして、メインCPU501は、タイマー回路513からのタイムアウト信号に応じて割込みコントローラ512から入力される割込要求信号に基づいて、ポート入力処理、リール制御処理、副制御基板442へのデータ送信処理、メダル数制御基板443へのデータ送信処理、7セグLED駆動処理、タイマー更新処理等の各種割込処理を行う(後述の図65参照)。
一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ460では、割込みコントローラ512は、パラレル入力ポート511を介して電源管理回路462から入力される電断検知信号、又は、タイマー回路513から1msec周期で入力されるタイムアウト信号に基づいて、メダル数制御CPU501による割込処理の実行タイミングを制御する。そして、メダル数制御CPU501は、タイマー回路513からのタイムアウト信号に応じて割込みコントローラ512から入力される割込要求信号に基づいて、ポート入力処理、遊技情報受信時処理、主制御基板441へのデータ送信処理、周辺機器へのデータ送信処理、周辺機器からのデータ受信処理、ポート出力処理等の各種割込処理を行う(後述の図79参照)。
タイマー回路513(PTC)は、クロック回路505で生成されたクロックパルス信号(CPU作動用のクロックパルス信号を分周器(不図示)で分周された周波数のクロックパルス信号)で動作する(経過時間をカウントする)。そして、タイマー回路513は、所定周期(主制御用マイクロプロセッサ450では1.1172msecの周期、メダル数制御用マイクロプロセッサ460では1msecの周期)で割込みコントローラ512にタイムアウト信号(トリガー信号)を出力する。
シリアル通信回路514は、当該通信回路が実装されている制御基板と、当該制御基板の外部に設けられた各種基板との間で各種データをシリアル通信する際の制御を行う通信回路である。具体的には、主制御用マイクロプロセッサ450では、シリアル通信回路514は、主制御基板441と、主制御基板441の外部に設けられた各種基板(例えば、副制御基板442、メダル数制御基板443)との間でデータ(各種制御指令(コマンド)、各種データ等)をシリアル通信する際の制御を行う通信回路である。一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ460では、シリアル通信回路514は、メダル数制御基板443と、主制御基板441との間でデータ(各種制御信号、各種データ等)をシリアル通信する際の制御を行う通信回路である。
また、シリアル通信回路514は、4つの通信回路SCU0~SCU3で構成され、通信回路SCU0のみが双方向シリアル通信回路で構成され、通信回路SCU1~SCU3は送信専用のシリアル通信回路で構成される。本実施例では、主制御基板441(主制御用マイクロプロセッサ450)とメダル数制御基板443(メダル数制御用マイクロプロセッサ460)との間では、後述するように、双方向のシリアル通信を行うので、各制御基板では、通信回路SCU0が使用される。
パラレル出力ポート515は、マイクロプロセッサMPからその外部に設けられた各種回路に出力される信号の出力ポート(メモリーマップI/O)である。なお、本実施例のパチスロ401では、主制御基板441及びメダル数制御基板443間において、FIFO(First In First Out)方式でデータの送受信が行われる。
[10-4-6.役比モニターの構成]
次に、役比モニター454(割合表示器)の構成について、図44A及び44Bを参照して説明する。なお、図44Aは、役比モニター454の取り付け例を示し、図44Bは、役比モニター454に表示される情報の内容を示す。
役比モニター454は、図44Aに示すように、4桁の7セグメントLEDにより構成され、上位2桁は、表示内容(割合)の種類を示し、下位2桁は、当該表示内容の割合の値(%)を示す。役比モニター454は、管理者(遊技店の店員等)がパチスロ401に不正改造がなされていないか否か確認する際などに使用されるため、パチスロ401の内部に設けられる。このとき、役比モニター454自体に対する不正を防止するため、役比モニター454は、主制御基板441を覆う主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
具体的な取り付け例としては、例えば、図44(A-1)に示すように、役比モニター454を、主制御基板441上に実装してもよく、パチスロ401では、この取り付け形態が採用されている。また、具体的な取り付け例としては、例えば、図44(A-2)に示すように、主制御基板441に接続された他の基板(割合表示基板)上に実装してもよいし、図44(A-3)に示すように、役比モニター454としての7セグメントLEDユニットを主制御基板441に接続することにより、役比モニター454を取り付けてもよい。この2例の取り付け態様のいずれにおいても、図44(A-1)に示す例と同様に、役比モニター454を主制御基板441とともに主制御基板ケースの内部に設けることが好ましい。
ところで、通常、主制御基板ケースには、記録紙や封印シールが貼りつけられるが、主制御基板ケース内に役比モニター454を設ける場合には、封印シールなどにより役比モニター454の視認性が損なわれることがないように、封印シールなどを貼りつけることが好ましい。なお、封印シールは、主制御基板ケースを開封した痕跡が残るようにするためのものであり、剥がしたときに跡が残るように特殊な加工が施されたシールである。また、記録紙は、主制御基板ケースの着脱や開封を正規の手続きで行ったときに、その旨を記録するための用紙である。この記録紙には、主制御基板441の識別番号が印字され、さらに、着脱又は開封を行った日時及びその際の担当者などを記入する記入欄が設けられている。ここでいう、「正規の手続き」とは、遊技機の製造(取付固定時)や遊技店に設置した後の立入検査などが挙げられる。
次に、役比モニター454の表示例について説明する。図44Bに示すように、役比モニター454には、累計の特定区間割合と、直近6000ゲーム間の連続役物割合及び役物割合と、累計の連続役物割合及び役物割合と、が表示される。役比モニター454に累計の特定区間割合を表示する場合、4桁の7セグメントLEDのうちの上位2桁には、「AU」と表示され、直近6000ゲーム間の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=r」と表示され、直近6000ゲーム間の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=b」と表示され、累計の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ar」と表示され、累計の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ab」と表示される。また、4桁の7セグメントLEDのうちの下位2桁には、対応する割合がパーセント表示で表示される。
ここで、「特定区間割合」とは、全ての遊技状態における遊技回数(すなわち、総遊技回数)に対して、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数が占める割合をいう。この場合において、遊技者にとって有利な遊技状態とは、遊技者にとって有利な情報を報知する報知状態(所謂、AT中、ART中)だけでなく、この報知状態への移行期待度が高いチャンスゾーン(CZ)も含めてもよい。また、報知状態中に開始するボーナス状態も、この場合における有利な遊技状態に含めてもよい。
主制御基板441は、メインRAM503に設けられた所定のカウンタ(不図示)において、全ての遊技状態における遊技回数を示す総遊技回数と、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数を示す特定遊技回数とを計数しておき、以下に示す式により特定区間割合を算出する。
特定区間割合=特定遊技回数/総遊技回数×100
また、「連続役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出された遊技媒体の総数(すなわち、総払出数)に対して、第一種特別役物、又は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中である遊技状態において払い出された遊技媒体の総数が占める割合をいう。
主制御基板441は、メインRAM503に設けられた特定のカウンタ(不図示)において、全ての遊技状態において払い出された遊技媒体の総数を示す総払出数と、第一種特別役物、又は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動中に払い出された遊技媒体の総数を示す第1特定遊技中払出数とを計数しておき、以下に示す式により連続役物割合を算出する。
連続役物割合=第1特定遊技中払出数/総払出数×100
また、「役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出された遊技媒体の総数(すなわち、総払出数)に対して、いずれかの役物の作動中に払い出された遊技媒体の総数が占める割合をいう。なお、「いずれかの役物」とは、第一種特別役物、第一種特別役物に係る役物連続作動装置、第二種特別役物、第二種特別役物に係る役物連続作動装置、又は、普通役物をいう。また、所謂、ART状態やチャンスゾーン中状態なども、遊技者にとって有利な状態であるため、これらの状態を「いずれかの役物」が作動している状態に含めてもよい。
主制御基板441は、メインRAM503に設けられた規定のカウンター(不図示)において、全ての遊技状態において払い出された遊技媒体の総数を示す総払出数と、いずれかの役物の作動中に払い出された遊技媒体の総数を示す第2特定遊技中払出数とを計数しておき、以下に示す式により役物割合を算出する。
連続役物割合=第2特定遊技中払出数/総払出数×100
また、「累計」とは、パチスロ401を設置してから現在までの全期間をいい、「直近6000ゲーム間」とは、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間をいう。「累計」の割合を算出する場合、主制御基板441は、全期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよく、また、「直近6000ゲーム間」の割合を算出する場合、主制御基板441は、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよい。
なお、メインRAM503に設けられた上記各種カウンターは、電源のON/OFFや設定変更がなされた場合でもクリア(初期化)されない領域に設けられる。すなわち、メインRAM503に記憶される役比モニター454に関するデータは、電源のON/OFFや設定変更がなされた場合でも消えない(クリアされない)ように構成されている。また、メインRAM503に設けられた上記各種カウンターは、400回の遊技を1セットとして、役比モニター454に関するデータを計数する。例えば、6000ゲーム間の割合を算出する場合には、15セットの累計の計数結果を用いて当該割合を算出する。
また、役比モニター454では、主制御基板441が算出した各種の割合を切り替えて表示する。役比モニター454に表示する内容の切り替え方法は任意であり、例えば、所定の間隔で自動的に、各種の割合の表示を切り替えてもよいし、専用のスイッチの操作に応じて手動で、各種の割合の表示を切り替えてもよいし、自動的な切り替えと手動による切り替えとを組み合わせて、各種の割合の表示を切り替えてもよい。
ところで、既存の役比モニター454を有していないパチスロにおいて、図44Aに示す役比モニター454の取り付け例を採用した場合には、既存のパチスロに対して大きな改変を行う必要がある。そこで、既存のパチスロに対して役比モニター454の構成を組み込む際には、既存のパチスロに設けられている表示器を、各種の割合を表示するための役比モニター454として用いてもよい(兼用してもよい)。例えば、既存のパチスロには、貯留されている遊技媒体の数(クレジット数)、及び、今回の遊技において払い出された遊技媒体の数(払出数)を表示する表示器が設けられているので、この表示器を役比モニター454として用いてもよい。
この場合、例えば、パチスロに対して特別な操作が行われた場合に、クレジット数の表示部(クレジットランプ:不図示)に、表示内容(割合)の種類を表示し、払出数の表示部(払出数ランプ:不図示)に、当該表示内容の割合の値を表示するように、当該表示器の表示を切り替え可能にしてもよい。なお、この際に行われる特別な操作は任意であるが、パチスロの内部に設けられたスイッチを用いた操作であることが好ましい。これにより、遊技者が偶然に特別な操作を行ってしまうことを防止することができる。
[10-5.主制御基板及びメダル数制御基板間におけるデータの通信機構及び入出力機構]
次に、図45を参照しながら、本実施例のパチスロ401における主制御基板441及びメダル数制御基板443間でのデータの通信機構及び入出力機構について説明する。また、図45を参照しながら、パチスロ401におけるMAXベットボタン416の点灯/消灯制御の手法についても説明する。図45は、主制御基板441及びメダル数制御基板443間におけるデータの通信機構及び入出力機構の概略構成、並びに、MAXベットボタン416の点灯/消灯の制御手法の概要を示す図である。なお、図45では、説明を簡略化するため、主制御基板441及びメダル数制御基板443間におけるデータの通信動作及び入出力動作に必要な構成部のみを示す。
主制御基板441及びメダル数制御基板443間のデータ通信機構は、図45に示すように、主制御基板441のシリアル通信回路514(SCU0)の受信ポートRX0とメダル数制御基板443のシリアル通信回路514(SCU0)の送信ポートTX0とをシリアル通信用の信号線で接続し、主制御基板441のシリアル通信回路514(SCU0)の送信ポートTX0とメダル数制御基板443のシリアル通信回路514(SCU0)の受信ポートRX0とをシリアル通信用の信号線で接続することにより構成される(所謂、クロス接続により構成される)。そして、主制御基板441及びメダル数制御基板443間では、半二重のシリアル通信方式でデータ通信が行われる。なお、主制御基板441及びメダル数制御基板443間で行われる半二重のシリアル通信では、主制御基板441がマスター、メダル数制御基板443がスレーブの関係となる。
また、本実施例では、上述したデータ通信機構(シリアル回線)とは別に、遊技媒体の投入可能数(貯留数)に対応する情報(以下、「遊技媒体状態」という)をメダル数制御基板443から主制御基板441に出力するデータ入出力機構(以下、「遊技媒体状態機能」という)を主制御基板441及びメダル数制御基板443間に設ける。なお、パチスロ401では、遊技媒体数の全ての管理をメダル数制御基板443で行うので、メダル数制御基板443のメダル数制御RAM503内には、遊技媒体の貯留数(投入可能数、クレジット数)を計数するためのメダルカウンター(格納領域、貯留数計数手段)が設けられている。そして、遊技媒体状態機能では、このメダルカウンターの値に関する情報が遊技媒体状態としてメダル数制御基板443から主制御基板441に出力される。
遊技媒体状態機能は、GPIO(General Purpose Input/Output:汎用IO)でデータの入力又は出力が設定可能な2つのポートを使用して構成される。具体的には、遊技媒体状態機能は、図45に示すように、主制御基板441の第1入力ポートPI0とメダル数制御基板443の第1出力ポートPO0とを第1の信号線で接続し、主制御基板441の第2入力ポートPI1とメダル数制御基板443の第2出力ポートPO1とを第2の信号線で接続することにより構成される。なお、本実施例では、GPIOは、主制御基板441の多機能LSI453、及び、メダル数制御基板443のバッファIC463にそれぞれに設けられた入力ポート及び出力ポートにより構成されており、図45では簡略化されて図示されている。GPIOは、入力ポート又は出力ポートに設定できる汎用ポートを意味する。
そして、遊技媒体状態機能では、メダル数制御基板443の第1出力ポートPO0から主制御基板441の第1入力ポートPI0に入力される第1制御信号の値(「0」又は「1」)と、メダル数制御基板443の第2出力ポートPO1から主制御基板441の第2入力ポートPI1に入力される第2制御信号の値(「0」又は「1」)とにより2ビットのデータを構成し、当該2ビットのデータにより遊技媒体状態を表す。なお、本実施例では、遊技媒体状態を表す2ビットのデータのうち、ビット0の値を第1制御信号の値とし、ビット1の値を第2制御信号の値とする。
例えば、メダルカウンターの値が「0」である場合、遊技媒体状態機能により、主制御基板441の第1入力ポートPI0には第1制御信号「0」が入力され、第2入力ポートPI1には第2制御信号「0」が入力される。この結果、主制御基板441側では、遊技媒体状態として「00B」が検出され、当該検出結果に基づいて遊技媒体の投入可能数が「0」であることを判別することができる。また、例えば、メダルカウンターの値が「1」である場合、遊技媒体状態機能により、主制御基板441の第1入力ポートPI0には第1制御信号「1」が入力され、第2入力ポートPI1には第2制御信号「0」が入力される。この結果、主制御基板441側では、遊技媒体状態として「01B」が検出され、当該検出結果に基づいて遊技媒体の投入可能数が「1」であることを判別することができる。
また、例えば、メダルカウンターの値が「2」である場合、遊技媒体状態機能により、主制御基板441の第1入力ポートPI0には第1制御信号「0」が入力され、第2入力ポートPI1には第2制御信号「1」が入力される。この結果、主制御基板441側では、遊技媒体状態として「10B」が検出され、当該検出結果に基づいて遊技媒体の投入可能数が「2」であることを判別することができる。さらに、例えば、メダルカウンターの値が「3」以上である場合、遊技媒体状態機能により、主制御基板441の第1入力ポートPI0には第1制御信号「1」が入力され、第2入力ポートPI1には第2制御信号「1」が入力される。この結果、主制御基板441側では、遊技媒体状態として「11B」が検出され、当該検出結果に基づいて遊技媒体の投入可能数が「3」以上であることを判別することができる。
このように、本実施例では、主制御基板441側において、メダル数制御基板443で管理される遊技媒体の投入可能数(メダルカウンターの値)を遊技媒体状態機能により得られる遊技媒体状態(2ビット情報)に基づいて把握することができる。その結果、主制御基板441側では、この遊技媒体状態機能から得られる最小限の情報により、遊技媒体の投入可能数が投入数の最大規定数(本実施例では「3」)以上である否かを把握することができる。
また、本実施例のパチスロ401では、上述した遊技媒体状態機能により主制御基板441で取得された遊技媒体状態(2ビット情報)を用いて、MAXベットボタン416の内部に設けられたベットボタンLED(不図示)の点灯/消灯(以下、略して「MAXベットボタン416の点灯/消灯」という)の制御(発光態様の制御)が行われる。その制御動作を、図45を参照しながら、具体的に説明する。
まず、上述した遊技媒体状態機能により主制御基板441で遊技媒体状態が取得されると、当該遊技媒体状態は、メインRAM503に設けられた入力ポート格納領域(不図示)に格納される。次いで、主制御基板441から副制御基板442に無操作コマンド(一定の周期で送信されるため、定期コマンド、又は、周期コマンドともいう)が送信される際に、当該無操作コマンドに遊技媒体状態を含ませて(付加して)送信する。そして、副制御基板442側では、無操作コマンドに含まれる遊技媒体状態に基づいて、MAXベットボタン416の点灯又は消灯制御が行われる。この際、無操作コマンドに含まれる遊技媒体状態が「11B」(遊技媒体の投入可能数が「3」以上)である場合には、MAXベットボタン416は点灯制御され、それ以外の場合には、MAXベットボタン416は消灯制御される。
なお、本実施例では、MAXベットボタン416の点灯/消灯制御を副制御基板442で行うが、MAXベットボタン416の点灯/消灯制御を主制御基板441で行ってもよい。この場合にも、上述した遊技媒体状態機能によりメダル数制御基板443から主制御基板441に入力される遊技媒体状態に基づいて、MAXベットボタン416の点灯/消灯制御を行うことができる。
上述した遊技媒体状態機能を設けた場合、メダル数制御基板443から主制御基板441に入力される最小限の情報(遊技媒体状態)により、主制御基板441側では、遊技媒体の投入可能数が投入数の最大規定数以上であるか否か、すなわち、遊技を開始できるか否かを判別することができる。また、上述した遊技媒体状態機能を設けた場合、メダル数制御基板443から主制御基板441に入力される最小限の情報(遊技媒体状態)により、主制御基板441側ではMAXベットボタン416の押下条件を判別することができるとともに、副制御基板442側ではMAXベットボタン416(ベットボタンLED)の点灯条件を判別することができる。さらに、上述した遊技媒体状態機能を設けた場合、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
[10-6.1ベットボタン押下時のベット数の設定動作及びラインLEDの点灯/消灯動作]
次に、本実施例のパチスロ401において、1ベットボタン417が押下された際の遊技媒体の投入数(ベット数)の設定動作、及び、ベット数表示用のラインLEDの点灯/消灯動作について説明する。なお、本実施例では、遊技媒体数の全ての管理をメダル数制御基板443で行うので、メダル数制御基板443のメダル数制御RAM503内には、遊技媒体のベット数(投入数)を計数するためのメダルカウンター(格納領域)が設けられている。
本実施例では、1ベットボタン417が押下される度に、主制御基板441からメダル数制御基板443にメダル投入要求コマンド(1BET投入コマンド)が送信される。なお、MAXベットボタン416が押下された場合には、1回の押下操作でメダル投入要求コマンド(1BET投入コマンド)が最大3回、主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される(後述の図60参照)。
メダル数制御基板443では、メダル投入要求コマンド(1BET投入コマンド)の受信回数が投入カウンターで計数され、これにより、遊技媒体の投入数(ベット数)が管理される。そして、メダル数制御基板443では、投入カウンターの計数結果がメダル投入要求コマンドに対する応答コマンド(Ackコマンド)に付加され、当該応答コマンドが主制御基板441に送信される。
主制御基板441では、受信した応答コマンドに付加された投入カウンターの計数結果(投入数)に基づいて、遊技情報表示ユニット426aに設けられた「1BET」、「2BET」、「3BET」のラインLED(図37A参照)の点灯/消灯制御(発光態様の制御)が行われる。
上述した1ベットボタン押下時のベット数の設定動作及びラインLEDの点灯/消灯動作において、1ベットボタン417が4回連続して押下された場合、メダル数制御基板443内の投入カウンターの値の更新処理では、投入カウンターの値が「3」から「1」に更新される。すなわち、ベット数が「3」から「1」に更新される。それゆえ、1ベットボタン417が4回連続して押下された場合には、メダル数制御基板443から主制御基板441に送信(返信)される応答コマンド(Ackコマンド)に付加される投入カウンターの計数結果(ベット数)は「1」となる。なお、この際、投入カウンターの値(ベット数)が2減算された分、メダルカウンターの値(貯留数)は2加算される。
そして、応答コマンド(Ackコマンド)を受信した主制御基板441側では、取得された投入カウンターの計数結果「1」に基づいて、「1BET」のラインLEDのみが点灯制御される。すなわち、1ベットボタン417が4回連続して押下された場合には、遊技情報表示ユニット426aにおけるラインLEDの点灯状態は、「1BET」、「2BET」、「3BET」の全てのラインLEDが点灯していた状態から「1BET」のラインLEDのみが点灯した状態に変化する。
ここで、図46を参照しながら、上述した1ベットボタン押下時におけるベット数表示用のラインLEDの点灯制御について、より具体的に説明する。図46は、1ベットボタン押下時におけるベット数表示用のラインLEDの点灯/消灯制御のタイミングチャートである。なお、図46に示す例では、最初の1ベット操作前(初期状況)における、投入カウンターの値(投入数、ベット数)は「0」とし、メダルカウンターの値(貯留数)は「50」とする。
まず、主制御基板441において、1回目の1ベットボタン417の押下操作が検知される(T1)と、遊技媒体の最大規定数(「3」)が付加されたメダル投入要求コマンド(1BET投入コマンド)が、主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される(T2)。
次いで、メダル数制御基板443において1回目のメダル投入要求コマンドが受信されると、メダル数制御基板443側では、投入カウンターの値(投入数)が1加算され、メダルカウンターの値が1減算される。この結果、投入カウンターの値は「1」となり、メダルカウンターの値は「49」となる。また、この際、投入カウンターの値(計数結果)「1」が付加されたAckコマンド(了解応答コマンド)が、メダル数制御基板443から主制御基板441に送信される(T3)。
次いで、主制御基板441において投入カウンターの値(計数結果)「1」が付加されたAckコマンドが受信されると、主制御基板441側では、投入カウンターの値(計数結果)「1」に基づいて、「1BET」のラインLEDの点灯制御が行われる(T4)。
次いで、主制御基板441において、2回目の1ベットボタン417の押下操作が検知される(T5)と、遊技媒体の最大規定数(「3」)が付加されたメダル投入要求コマンド(1BET投入コマンド)が、主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される(T6)。
次いで、メダル数制御基板443において2回目のメダル投入要求コマンドが受信されると、メダル数制御基板443側では、投入カウンターの値が1加算され、メダルカウンターの値が1減算される。この結果、投入カウンターの値(投入数)は「2」となり、メダルカウンターの値は「48」となる。また、この際、投入カウンターの値(計数結果)「2」が付加されたAckコマンドが、メダル数制御基板443から主制御基板441に送信される(T7)。
次いで、主制御基板441において投入カウンターの値(計数結果)「2」が付加されたAckコマンドが受信されると、主制御基板441側では、投入カウンターの値(計数結果)「2」に基づいて、「1BET」及び「2BET」のラインLEDの点灯制御が行われる(T8)。
次いで、主制御基板441において、3回目の1ベットボタン417の押下操作が検知される(T9)と、遊技媒体の最大規定数(「3」)が付加されたメダル投入要求コマンド(1BET投入コマンド)が、主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される(T10)。
次いで、メダル数制御基板443において3回目のメダル投入要求コマンドが受信されると、投入カウンターの値が1加算され、メダルカウンターの値が1減算される。この結果、メダル数制御基板443側では、投入カウンターの値(投入数)は「3」となり、メダルカウンターの値は「47」となる。また、この際、投入カウンターの値(計数結果)「3」が付加されたAckコマンドが、メダル数制御基板443から主制御基板441に送信される(T11)。
次いで、主制御基板441において投入カウンターの値(計数結果)「3」が付加されたAckコマンドが受信されると、主制御基板441側では、投入カウンターの値(計数結果)「3」に基づいて、「1BET」、「2BET」及び「3BET」のラインLED、並びに、「START」のラインLEDの点灯制御が行われる(T12)。
次いで、主制御基板441において4回目の1ベットボタン417の押下操作が検知される(T13)と、遊技媒体の最大規定数(「3」)が付加されたメダル投入要求コマンド(1BET投入コマンド)が、主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される(T14)。
次いで、メダル数制御基板443において4回目のメダル投入要求コマンドが受信されると、メダル数制御基板443側では、投入カウンターの値が「1」にセットされ(2減算され)、メダルカウンターの値が2加算される。この結果、投入カウンターの値(投入数)は「1」となり、メダルカウンターの値は「49」となる。また、この際、投入カウンターの値(計数結果)「1」が付加されたAckコマンドが、メダル数制御基板443から主制御基板441に送信される(T15)。
次いで、主制御基板441において投入カウンターの値(計数結果)「1」が付加されたAckコマンドが受信されると、主制御基板441側では、投入カウンターの値(計数結果)「1」に基づいて、「1BET」のラインLEDの点灯制御が行われるとともに、「2BET」、「3BET」及び「START」のラインLEDの消灯制御が行われる(T16)。
その後、主制御基板441において5回目以降の1ベットボタン417の押下操作が検知された場合には、上記動作T5以降の動作が繰り返される。
なお、上述した1ベットボタン押下時におけるベット数の設定処理の具体的な内容は、後述の図74(メダル数制御基板443で行われるメダル投入要求コマンド受信時処理のフローチャート)を用いて後で詳述する。
上述した1ベットボタン押下時におけるベット数の設定動作及びラインLEDの点灯/消灯動作の機能(所謂、「1BETループ」と呼ばれる機能)を設けた場合、メダル数制御基板443から主制御基板441に入力される最小限の情報(Ackコマンドに付加された投入カウンターの値(計数結果))により、主制御基板441側では1ベットボタン417の押下条件を判別することができるとともに、ベット数表示用のラインLEDの点灯条件を判別することができる。また、上述したベット数の設定動作及びラインLEDの点灯/消灯動作の機能を設けた場合、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
なお、本実施例では、4回目の1ベットボタン417の押下操作が検知された場合に、ベット数を「1」にセットする、すなわち、投入カウンターの値(計数結果)を「3」から「1」に戻す例を説明したが本発明はこれに限定されない。例えば、4回目の1ベットボタン417の押下操作が検知された場合に、ベット数を「3」から「2」に戻すような構成にしてもよい。この場合には、動作T16において、「1BET」及び「2BET」のラインLEDの点灯制御を行うとともに、「3BET」及び「START」のラインLEDの消灯制御を行い、その後、動作T9以降の動作が繰り返される。
[10-7.遊技媒体の精算中にスタートレバーが操作された場合の制御]
本実施例のパチスロ401では、遊技媒体(遊技価値)の精算動作中であっても、スタートレバー422が押下された場合(遊技開始操作が行われた場合)には遊技を開始できるように制御する。図47を参照して、この遊技開始制御の内容を説明する。なお、図47は、遊技媒体の精算中にスタートレバー422が操作された場合に行われる遊技開始処理のタイミングチャートである。なお、図47に示す例では、精算開始直前(初期状況)における、投入カウンターの値(投入数)は「3」とし、メダルカウンターの値(貯留数)は「47」とする。
まず、メダル数制御基板443において精算ボタン418の押下操作が検知される(T21)と、メダルカウンターの値のクリア処理(精算処理)が開始される。
次いで、遊技媒体の精算中に、主制御基板441においてスタートレバー422の押下操作が検知される(T22)と、遊技媒体の投入数(「3」)が付加された遊技開始要求コマンド(スタートレバーコマンド)が、主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される(T23)。
次いで、メダル数制御基板443において遊技開始要求コマンドが受信されると、Ackコマンド(了解応答コマンド)が、メダル数制御基板443から主制御基板441に送信される(T24)。なお、図47に示す例では、メダル数制御基板443で遊技開始要求コマンドが受信された時点でメダルカウンターの値(「47」)分の精算が終了している例を説明する。それゆえ、遊技開始要求コマンド受信時における投入カウンターの値は「3」となり、メダルカウンターの値は「0」となる。そして、メダル数制御基板443では、Ackコマンドの送信とともに、投入カウンターの値もクリアされる(「0」にセットされる)
そして、主制御基板441においてメダル数制御基板443からAckコマンドが受信されると、遊技が開始される(T25)。
なお、上述した精算中における遊技開始処理の具体的な内容は、後述の図62(主制御基板441で行われる遊技開始処理のフローチャート)を用いて後で詳述する。
上述した精算中の遊技開始機能を設けた場合、遊技媒体の精算中であっても、投入された遊技媒体数(ベット数)分の遊技を行うことができるので、返却操作を行うことなく、遊技を終了させることが可能になる。また、上述した精算中の遊技開始機能を設けた場合、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
なお、遊技媒体の精算中にスタートレバー422が押下された場合における制御は、上述した例に限定されず、次のような制御を行ってもよい。
例えば、精算中にスタートレバー422が押下された場合、まず、主制御基板441からメダル数制御基板443に送信された、遊技媒体の投入数(「3」)が付加された遊技開始要求コマンド(スタートレバーコマンド)に対して、メダル数制御基板443から、応答コマンドとしてNackコマンド(非了解応答コマンド)を主制御基板441に返送する。次いで、Nackコマンドを受信した主制御基板441は待機状態に移行する。一方、メダル数制御基板443では、Nackコマンド送信後、投入数分の遊技媒体、及び、メダルカウンターの値(貯留数)分の遊技媒体の精算を行う。なお、この精算終了時には、主制御基板441において検出される遊技媒体状態が「00B」に変化するので、主制御基板441では、この遊技媒体状態の変化により、精算終了を認識することができる。そして、主制御基板441において遊技媒体状態により精算終了が認識された場合には、主制御基板441ではスタートレバー422の押下操作がキャンセルされ、主制御基板441の制御状態は、遊技媒体のベット(投入)待ち状態に移行する。
[10-8.メダルカウンターの上限超過時の対処機能]
[10-8-1.成立役決定時にメダルカウンターの上限超過エラーが発生した場合の対処法]
本実施例のパチスロ401では、成立役(入賞役)が決定され、それにより遊技媒体の払出数が発生した場合には、当該払出数は、メダル数制御基板443内に設けられたメダルカウンターの値に加算される。しかしながら、本実施例では、メダル数制御基板443内に設けられた、遊技媒体の貯留数を計数するためのメダルカウンターには、その計数値の上限値として「16369」が設定されているので、払出数をメダルカウンターの値に加算した際に加算後の値が上限値を超えてしまう場合もある。このようなメダルカウンターの上限超過が発生し得る状況では、次のような対処を行う。なお、この遊技媒体の払出数は、成立役決定時に主制御基板441からメダル数制御基板443に送信されるメダル払出要求コマンドに付加される。
まず、メダル数制御基板443では、メダル払出要求コマンドを受信した際に、当該コマンドに付加された払出数(後続データ)を現在のメダルカウンターの値に加算した場合に加算後のメダルカウンターの値がその上限値(16369)を超えるか否かを判定する。そして、この判定処理において、加算後のメダルカウンターの値がその上限値(16369)を超えると判断された場合には、払出数の加算を行わずに、メダル数制御基板443から主制御基板441に、上限超過エラーコードが付加されたNackコマンド(非了解応答コマンド)が送信され、メダル数制御基板443の制御状態は待機状態に移行する。
一方、主制御基板441においてメダル数制御基板443からNackコマンドが受信されると、主制御基板441では、上限超過エラーコードに基づいて、メダルカウンターの値が上限値を超えたことを示すエラーコードを、遊技情報表示ユニット426aの払出表示のための2桁の7セグLED(エラー発生時には、所謂、「エラーセグ」となる)で表示し、これにより、遊技者に精算操作を示唆する。また、この際、主制御基板441から副制御基板442にエラーコマンドを送信する。そして、当該エラーコマンドを受信した副制御基板442では、表示装置413等の演出装置を用いて、遊技者に精算操作を促すようなエラー報知が行われる。
また、待機状態にあるメダル数制御基板443において遊技者の精算操作が検知されると、メダルカウンターの値分の遊技媒体が精算され、メダルカウンターの値がクリアされる。一方、主制御基板441では、このメダルカウンターの値分の精算が終了したか否かを、遊技媒体状態機能により入力される遊技媒体状態に基づいて判断する。そして、主制御基板441においてメダルカウンターの値分の遊技媒体の精算が終了したと判断された場合(遊技媒体状態が「00B」に変化したことを検知した場合)、エラー解除が行われ、払出表示用の2桁の7セグLED(図37C)のエラー表示が消されて元の表示に戻る。また、この際、成立役の決定により発生した遊技媒体の払出数が付加されたメダル払出要求コマンドが、主制御基板441からメダル数制御基板443に再送信される。
メダル数制御基板443において再送信されたメダル払出要求コマンドが受信されると、当該コマンドに付加された払出数がメダルカウンターの値に加算され、Ackコマンド(了解応答コマンド)が、メダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。
ここで、図48を参照して、上述したメダルカウンターの上限超過時の制御内容を具体的に説明する。図48は、メダルカウンターの上限超過時に行われる各種制御動作のタイミングチャートを示す図である。なお、図48に示す例では、成立役決定時(初期状況)における、投入カウンターの値(投入数)は「0」とし、メダルカウンターの値(貯留数)は「16369」(上限値)とする。
図48に示す例では初期状況において、メダルカウンターの値(貯留数)は「16369」(上限値)であるので、主制御基板441では、遊技媒体状態として「11B」が検出される(T31)。次いで、成立役に対応する払出数(図48に示す例では、15枚)が後続データとして付加されたメダル払出要求コマンドが、主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される(T32)。
次いで、メダル数制御基板443では、受信した遊技媒体の払出数を現在のメダルカウンターの値に加算した場合、加算後のメダルカウンターの値がその上限値を超えるか否かを判定する。図48に示す例では、受信した遊技媒体の払出数「15」を現在のメダルカウンターの値「16369」に加算すると、加算後のメダルカウンターの値がその上限値(「16369」)を超えるので、メダルカウンターの値に払出数を加算せずに、Nackコマンド(非了解応答コマンド)が、メダル数制御基板443から主制御基板441に送信される(T33)。そして、その後、メダル数制御基板443の制御状態は、待機状態(精算待ち状態)に移行する(T34)。
一方、Nackコマンド(非了解コマンド)を受信した主制御基板441では、副制御基板442に上限超過エラーを示すエラーコマンドを送信するとともに、上限超過エラーをエラーセグで表示し(T35)、遊技者に精算操作を示唆する。また、この際、上限超過エラーを示すエラーコマンドを受信した副制御基板442は、遊技者に精算操作を促すようなエラー報知を行う。その後、遊技者により精算操作が行われ、エラーが解除されるまで、主制御基板441の制御状態は、待機状態(エラー解除待ち状態)に移行する(T36)。なお、この待機状態では、主制御基板441において、メダル数制御基板443から入力される遊技媒体状態が監視され、遊技媒体の精算が行われた否かが判断される。
そして、遊技媒体の精算が行われると、遊技媒体状態が「11B」から「00B」に変化し、その変化が主制御基板441で検知される(T37)と、主制御基板441ではエラー解除が行われる。次いで、成立役に対応する払出数(図48に示す例では、15枚)が後続データとして付加されたメダル払出要求コマンドが、主制御基板441からメダル数制御基板443に再送信される(T38)。
次いで、メダル数制御基板443では、再度受信した遊技媒体の払出数を現在のメダルカウンターの値に加算した場合、加算後のメダルカウンターの値がその上限値を超えるか否かを判定する。図48に示す例では、受信した遊技媒体の払出数「15」を現在(精算終了後)のメダルカウンターの値「0」に加算してもメダルカウンターの上限値を超えないので、メダルカウンターの値「0」に払出数「15」が加算されるとともに、Ackコマンド(了解応答コマンド)がメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される(T39)。この際、主制御基板441では、遊技媒体状態が「00B」から「11B」に変化したことが検知される(T40)。
なお、成立役決定時にメダルカウンターの上限超過エラーが発生した場合に行われる上記処理の具体的な内容は、後述の図64(主制御基板441で行われる遊技メダル払出処理のフローチャート)、及び、後述の図76(メダル数制御基板443で行われるメダル払出要求コマンド受信時処理のフローチャート)を用いて後で詳述する。
また、成立役決定時にメダルカウンターの上限超過エラーが発生した場合の対処法は、上述した例に限定されず、例えば、次のような手法を用いてもよい。
まず、メダルカウンターの構成を、その上限値(16369)を超えても計数可能な構成とする。そして、成立役決定時において対応する遊技媒体の払出数をメダルカウンターの値に加算するとその上限値(16369)を超えてしまう場合(例えば、図48に示す例では、メダルカウンター=16384)、メダル数制御基板443では、メダルカウンターの値に払出数が加算されるとともに、上限超過エラーコードが付加されたNackコマンドが主制御基板441に送信される。このNackコマンドを受信した主制御基板441及び副制御基板442では、上記手法と同様にして、メダルカウンターの上限超過エラーが発生したことが報知(エラー報知)され、遊技者に精算操作を促すようなエラー報知が行われる。
次いで、精算操作が行われると、メダル数制御基板443では、払出数が加算されたメダルカウンターの値分(例えば、16384)の遊技媒体の精算が実行される。この精算中、主制御基板441では、遊技媒体状態機能により入力される遊技媒体状態を監視し、遊技媒体状態が「11B」から「00B」に変化した際に、精算が終了したと判断され、エラー解除が行われる。このようなメダルカウンターの上限超過エラー発生時の対処法では、メダルカウンターの上限値「16369」は、エラー報知して精算操作を促す処理を実行するか否かの閾値となる。
[10-8-2.成立役決定時におけるメダルカウンターの上限超過エラー及び上限超過予告エラーの報知機能]
本実施例のパチスロ401では、小役が成立(入賞)して遊技媒体の払い出しが行われる際、遊技媒体の払出数をメダルカウンターの値(貯留数)に加算すると、メダルカウンターの上限値(16369:以下、「第1上限値」ともいう)を超えてしまう場合、すなわち、メダルカウンターの上限超過エラーが発生した場合には、遊技不可となり、遊技者に対して遊技媒体の精算操作を促すためのエラー報知機能(上限超過エラーの報知機能)が設けられている。
具体的には、メダルカウンターの上限超過エラーの発生時に、メダル数制御基板443で表示制御されるメダル数表示ユニット426b(図37B参照)内のエラー表示用の1桁の7セグLEDにメダルカウンターの上限超過エラーに対応するエラーコード(数字や文字など)が表示される。また、本実施例では、メダルカウンターの上限超過エラーの発生時には、主制御基板441で表示制御される遊技情報表示ユニット426a(図37A参照)内の払出表示用の2桁の7セグLEDにおいても、メダルカウンターの上限超過エラーに対応するエラーコード(数字や文字など)が表示される。なお、上限超過エラーの報知態様は、この例に限定されず、例えば、メダル数表示ユニット426b(図37B参照)内のエラー表示用の1桁の7セグLEDのみで上限超過エラーを報知する構成にしてもよい。
また、本実施例のパチスロ401では、小役が成立(入賞)して遊技媒体の払い出しが行われる際、遊技媒体の払出数をメダルカウンターの値(貯留数)に加算すると、メダルカウンターの上限値(16369)未満の値であって且つ上限値に比較的近い所定値(以下、「第2上限値」ともいう)を超えてしまう場合、メダルカウンターの値が上限値に近づいていることを遊技者に報知して、遊技者に対して遊技媒体の精算操作を促すエラー報知機能(上限超過予告エラーの報知機能)も設けられている。なお、ここでは、遊技媒体の払出数をメダルカウンターの値に加算すると、加算結果が第2上限値を超えてしまう状況を「上限超過予告エラー」と称する。また、本実施例では、メダルカウンターの値の第2上限値は、例えば、「15000」や、「16369-最大払出数(機種に応じて異なり、6枚、9枚、11枚、15枚等がある)」などに設定される。
上限超過予告エラーの報知機能では、メダルカウンターの上限超過予告エラーの発生時に、メダル数制御基板443で表示制御されるメダル数表示ユニット426b(図37B参照)内のエラー表示用の1桁の7セグLEDのみで、メダルカウンターの上限超過予告エラーに対応するエラーコード(数字や文字など)が表示される。なお、上限超過予告エラー発生時には、メダルカウンターの値が第1上限値を超えていないので、遊技を停止させることはなく、上限超過予告エラーの報知機能は、遊技者に対して、メダルカウンターの値が上限値に近づいていることを警告する機能となる。また、上限超過予告エラーの報知態様は、この例に限定されず、例えば、メダル数表示ユニット426b(図37B参照)内のエラー表示用の1桁の7セグLEDで上限超過予告エラーを報知すると同時に、主制御基板441で表示制御される遊技情報表示ユニット426a(図37A参照)内の払出表示用の2桁の7セグLEDにおいても、メダルカウンターの上限超過予告エラーに対応するエラーコード(数字や文字など)を表示する構成にしてもよい。
メダルカウンターの上限超過エラー及び上限超過予告エラーの報知機能は、主制御基板441からメダル数制御基板443に後述のメダル払出要求コマンドが送信された場合に作動する可能性がある。この場合、メダル数制御基板443では、まず、後述のメダル払出要求コマンドに付加されている払出数が現在のメダルカウンターの値に加算され、加算結果が第1上限値又は第2上限値を超えるか否かが判定される。そして、加算結果が第1上限値又は第2上限値を超える場合には、メダル数表示ユニット426b(図37B参照)内のエラー表示用の1桁の7セグLEDに、上限超過エラー又は上限超過予告エラーに対応するエラーコードが表示される。また、加算結果が第1上限値又は第2上限値を超える場合には、メダル数制御基板443から主制御基板441に、メダル払出要求コマンドに対する応答(返信)として、上限超過エラー又は上限超過予告エラーを示す情報が付加されたNackコマンドが送信される。そして、当該Nackコマンドを受信した主制御基板441では、当該Nackコマンドに上限超過エラーの情報が付加されている場合には、遊技情報表示ユニット426a(図37A参照)内の払出表示用の2桁の7セグLEDに、上限超過エラーに対応するエラーコードが表示されるが、当該Nackコマンドに上限超過予告エラーの情報が付加されている場合には、遊技の進行の妨げになるため、上限超過予告エラー対応するエラーコードが表示されることはない。
上述のように、成立役決定時におけるメダルカウンターの上限超過エラーの報知機能では、遊技媒体(遊技価値)の払出数を現在のメダルカウンターの値(貯留数)に加算した結果が第1上限値を超える場合、遊技の進行を停止させ、上限超過エラーが報知されるので、遊技者に対して貯留された遊技媒体の精算操作を促すことができる。また、成立役決定時におけるメダルカウンターの上限超過予告エラーの報知機能では、遊技媒体の払出数を現在のメダルカウンターの値(貯留数)に加算した結果が第2上限値を超える場合にも、エラー報知(上限超過予告エラーの報知)が行われるが、この際、遊技の進行は停止されない。それゆえ、このような遊技媒体(遊技価値)の貯留数の上限超過予告エラー(警告)の報知機能を設けた場合には、遊技の進行を停止させるような上限超過エラーが発生する前に、遊技者に対して貯留されたメダルの精算操作を速やかに促すことができるので、遊技の進行を停止させることなく、スムーズに遊技を続けることが可能になる。
[10-8-3.貸出操作時にメダルカウンターの上限超過エラーが発生した場合の対処法]
上述した成立役決定時にメダルカウンターの上限超過エラーが発生した場合の対処法は、遊技媒体の貸出操作時に貸出数をメダルカウンターの値に加算するとその上限値(16369)を超えてしまうような場合にも同様に適用可能である。
具体的には、遊技媒体の貸出操作時に、貸出数をメダルカウンターの値に加算するとその上限値(16369)を超えてしまう場合、メダル数制御基板443では、貸出数をメダルカウンターの値に加算せずに(貸出操作をキャンセルし)、上限超過エラーの発生を遊技媒体貸出装置402に通達するとともに、メダル数制御基板443に接続されたその他の周辺機器(データ表示器等)、又は、主制御基板441において、上限超過エラーの発生をエラーセグで表示して、遊技者に精算操作を促す。その後、メダル数制御基板443の制御状態は、待機状態に移行し、精算が終了した後(メダルカウンターの値がクリアされた後)、再度、遊技媒体の貸出操作が検知されれば、貸出数がメダルカウンターの値に加算される。
また、例えば、遊技媒体の貸出操作時に、貸出数をメダルカウンターの値に加算するとその上限値(16369)を超えてしまう場合、メダル数制御基板443は、貸出操作をキャンセルせずに(貸出数をクリアせずに保持し)、上限超過エラーの発生を遊技媒体貸出装置402に通達するとともに、メダル数制御基板443に接続されたその他の周辺機器(データ表示器等)、又は、主制御基板441側において上限超過エラーの発生をエラーセグで表示して、遊技者に精算操作を促す。そして、精算終了後(メダルカウンターの値がクリアされた後)、メダル数制御基板443では、保持されていた貸出数(例えば、50)がメダルカウンターの値(0)に加算される。
さらに、例えば、遊技媒体の貸出操作時に、貸出数をメダルカウンターの値に加算するとその上限値(16369)を超えてしまう場合、メダル数制御基板443は、貸出数をメダルカウンターの値に加算するとともに、上限超過エラーの発生を遊技媒体貸出装置402に通達し、メダル数制御基板443に接続されたその他の周辺機器(データ表示器等)、又は、主制御基板441側においても上限超過エラーの発生をエラーセグで表示して、遊技者に精算操作を促すような報知を行う。そして、精算終了(加算後のメダルカウンターの値がクリアされた後)、メダル数制御基板443は、待機状態に移行する。
上述した遊技媒体の貯留数の上限超過エラー発生時の対処機能を設けた場合、貯留数の上限を超えたことを遊技者に適切に報知し、精算動作を示唆することが可能になる。また、上述した遊技媒体の貯留数の上限超過エラー発生時の対処機能を設けた場合、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
[10-9.メダル数クリアサウンドの出力機能]
本実施例のパチスロ401では、図36に示すように、遊技媒体のクレジット表示用の5桁の7セグLEDを含むメダル数表示ユニット426bは、フロントドア411bの前面(遊技者側)に取り付けられている。一方、メダル数クリアスイッチ443aは、図40に示すように、メダル数制御基板443に実装されているので、パチスロ401の内部(キャビネット411a内又はフロントドア411bの裏面)に設けられている。それゆえ、メダル数クリアスイッチ443aへの押下操作はフロントドア411bを開放した状態で行われるが、この場合、メダル数クリアスイッチ443aへの押下操作を行う係員は、メダル数表示ユニット426bのクレジット表示を目視することが難しい状況となる。そして、この場合には、当該押下操作が正確に行われたかどうか(有効操作が行われたかどうか)、すなわち、メダル数表示ユニット426bの5桁の7セグLEDによるクレジット表示が「00000」となったかどうかを目視で確認することが難しくなる。
本実施例のパチスロ401では、この問題を解消するため、係員によりメダル数クリアスイッチ443aへの押下操作が行われた際に、当該押下操作が行われたこと、すなわち、クレジット数のクリア処理が開始されたことを示す特定のサウンド(以下、「メダル数クリアサウンド」と称す)を出力する機能が設けられている。
本実施例では、メダル数(遊技媒体の貯留数)のクリア処理は、電源投入時に一回行われるので、メダル数クリアサウンドの出力機能も電源投入時に一回作動し得る。具体的には、遊技媒体の貯留数(クレジット数)の管理に係るメダル数制御(払出に関する制御等)に想定外の異常が発生した場合、パチスロ401の電源を一旦オフし、その後、メダル数クリアスイッチ443aを押下し、そして、当該押下状態を維持したまま、パチスロ401の電源をオンして再起動した際に、メダル数クリアサウンドの出力機能が作動する。メダル数クリアサウンド(所定の音声)の出力機能の処理フローの概要は、次の通りである。
まず、電源投入時に係員によりメダル数クリアスイッチ443aが押下されていると、その検出信号(メダル数クリア信号)がメダル数制御用マイクロプロセッサ460に出力される。次いで、メダル数制御用マイクロプロセッサ460は、入力されたメダル数クリア信号に基づいて、メダル数表示ユニット426bに設けられたクレジット表示用の5桁の7セグLEDの表示が「00000」(クレジット数=0)となるようにメダル数表示ユニット426bを制御(メダルカウンターを0にクリア)する。また、メダル数制御用マイクロプロセッサ460は、主制御用マイクロプロセッサ450からのクリアチェック要求コマンドを受信すると、当該コマンドに対するAckコマンドにクリア処理開始を示すデータ(パラメータ)を付加して主制御用マイクロプロセッサ450に送信(返信)する。
次いで、クリア処理開始を示すデータを受信した主制御用マイクロプロセッサ450は、メダル数クリアスイッチ443aの押下情報(クリア処理の開始情報)を、後述のメダル数クリア開始コマンドに付加して、副制御基板442に送信する。そして、後述のメダル数クリア開始コマンドを受信した副制御基板442(図示しないサブCPU)は、スピーカ群429に含まれるスピーカ(音声出力手段)を制御して、メダル数クリアサウンドのショット再生を開始する。メダル数クリアサウンドの再生(出力)期間は予め設定されている。なお、音声のショット再生とは、スピーカからサウンドを予め設定されている再生(出力)期間出力する動作を、1度だけ実行することを意味する。
次いで、メダル数クリアスイッチ443aへの押下操作が終了すると、その検出信号(メダル数クリア信号)がメダル数制御用マイクロプロセッサ460に出力される。次いで、メダル数制御用マイクロプロセッサ460は、主制御用マイクロプロセッサ450からのクリアチェック要求コマンドを受信すると、当該コマンドに対するAckコマンドにクリア処理終了を示すデータ(パラメータ)を付加して主制御用マイクロプロセッサ450に送信(返信)する。
次いで、クリア処理終了を示すデータを受信した主制御用マイクロプロセッサ450は、メダル数クリアスイッチ443aの押下終了情報(クリア処理の終了情報)を、後述のメダル数クリア終了コマンドに付加して、副制御基板442に送信する。そして、後述のメダル数クリア終了コマンドを受信した副制御基板442(図示しないサブCPU)は、スピーカ群429に含まれるスピーカを制御して、メダル数クリアサウンドのショット再生を停止する。
本実施例のメダル数クリアサウンドの出力機能では、メダル数クリアサウンドの再生期間内において、メダル数クリアスイッチ443aが押下され続けている状態では、メダル数クリアサウンドが鳴り続ける。なお、メダル数クリアスイッチ443aを押下し続ける期間がメダル数クリアサウンドの再生期間より長い場合には、メダル数クリアサウンドは、当該再生期間、出力されて停止する。すなわち、クリア処理の終了タイミングがメダル数クリアサウンドの再生期間より後になる場合には、メダル数クリアサウンドは、クリア処理終了前に停止する。一方、メダル数クリアスイッチ443aを押下し続ける期間がメダル数クリアサウンドの設定された再生期間より短い場合には、メダル数クリアスイッチ443aへの押下操作を止めた時点で、メダル数クリアサウンドも停止する。すなわち、クリア処理の終了タイミングがメダル数クリアサウンドの再生期間内となる場合には、メダル数クリアサウンドは、再生期間内の途中で停止する。
なお、本実施例では、メダル数クリアスイッチ443aのオン(押下開始)/オフ(押下終了又は押下無し)の情報(パラメータ)を専用のコマンド(メダル数クリア開始コマンド、メダル数クリア終了コマンド)に付加して、主制御基板441から副制御基板442に送信する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、メダル数クリアスイッチ443aのオン/オフ情報(状態情報)を無操作コマンドに付加して、主制御基板441から副制御基板442に送信してもよい。また、メダル数クリアサウンドは、エラーサウンドと同じ音量で出力されてもよいし、メンテナンスメニュー(所謂、ホールメニュー)に設けられた音量調整機能で調整された音量で出力されてもよい。この場合、例えば、好みの音量でメダル数クリアサウンドを再生することができる。
また、メダル数クリアサウンドとしては、エラーサウンドと同じサウンドを使用してもよいし、専用のサウンドを使用してもよい。後者の場合、例えば、「遊技機に保留されているメダルカウンターが消去されました。」といったメッセージの音声を使用することが望ましい。
上述したメダル数クリアサウンドの出力機能を設けることにより、例えば、メダル数クリアスイッチ443aに対する押下操作により遊技媒体の貯留数がクリアされたことが、メダル数表示ユニット426b内のクレジット表示用の5桁の7セグLEDにより報知されるとともに、メダル数クリアサウンドでも報知することができる。それゆえ、この場合、例えば、本実施例のように、遊技店の係員等がメダル数クリアスイッチ443aに対して押下操作を行ったときに、メダル数表示ユニット426b内のクレジット表示用の5桁の7セグLEDの表示を目視し難い状況が発生しても、メダル数クリアスイッチ443aに対して正確に押下操作(有効操作)が行われたことを遊技店の係員等に確実に報知することができる。
また、上述したメダル数クリアサウンドの出力機能では、例えば、メダル数クリアスイッチ443aに対する押下操作の終了に連動して、メダル数クリアサウンドの出力も停止されるので、貯留数のクリア処理終了後もメダル数クリアサウンドが鳴り続けるような状況が発生しない。また、上述したメダル数クリアサウンドの出力機能では、メダル数クリアスイッチ443aに対する押下操作の継続時間が長くなっても、予め設定された再生(出力)期間でメダル数クリアサウンドが停止するので、長時間、メダル数クリアサウンドが鳴り続けるような状況が発生しない。それゆえ、不快感を与えるような状況の発生を防止することができる。
なお、本実施例では、メダル数クリアスイッチ443aに対する押下操作を、メダル数クリアサウンドを使用して報知する形態を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、メダル数クリアサウンドよりも若干効果が薄れるが、メダル数クリアサウンドの代わりに、LED群435を所定のパターン(メダル数クリアパターン:不図示)で発光制御することにより、メダル数クリアスイッチ443aに対する押下操作を係員に報知することもできる。この場合、具体的には、後述の非遊技進行系コマンド処理(後述の図87参照)で行われる報知要求の登録処理(後述のS1516、S1519)において、報知要求の登録先をLED群435とすることで、LED群435によるメダル数クリアの報知を実行することができる。なお、このような報知形態を用いた場合、フロントドア411bを開放した状態でLED群435を発光させることになり、係員は、その発光を直視することはできないが、LED群435には輝度の高い演出用のLEDを使用しているので、LED群435が発光していることを認識することはできる。また、例えば、メダル数クリアサウンドの出力によるメダル数クリアの報知に加えて、LED群435の発光によるメダル数クリアの報知を行ってもよい。この場合には、遊技店の係員等にメダル数クリアを確実に報知できるという効果をさらに高めることができる。
[10-10.パチスロ及び遊技媒体貸出装置間におけるデータの入出力機構]
[10-10-1.データの入出力機構の概略構成]
本実施例の遊技システム400では、パチスロ401(メダルレス遊技機)及び遊技媒体貸出装置402(サンド装置)間をGPIOで接続し、両者間におけるデータの入出力仕様(擬似的な通信機構)として、2線同期方式の双方向オリジナルプロトコルを採用する。
図49に、本実施例におけるパチスロ401及び遊技媒体貸出装置402間のデータの入出力機構の概略構成を示す。なお、図49では、説明を簡略化するため、パチスロ401及び遊技媒体貸出装置402間におけるデータの入出力動作に必要な構成部のみを示す。
本実施例では、パチスロ401内のメダル数制御基板443は、遊技球等接続端子板445内に設けられた接続機構部445a(後述の図90A参照)を介して、遊技媒体貸出装置402に接続される。そして、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間における2線同期方式のデータ入出力動作は、図49に示すように、4本の信号線を用いて行われる。具体的には、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402にPRDY信号(STB(ストローブ)信号)及びEXS信号(データ信号)をそれぞれ単方向で入力するための2本の信号線(PRDY信号線及びEXS信号線)と、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443にBRDY信号(STB信号)及びBRQ信号(データ信号)をそれぞれ単方向で入力するための2本の信号線(BRDY信号線及びBRQ信号線)とにより、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間のデータ入出力機構が構成される。
なお、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に出力されたPRDY信号及びEXS信号は、遊技媒体貸出装置402内の入出力インターフェース402bを介して制御部402a(以下、「周辺機器制御部402a」という)に入力される。また、遊技システム400では、周辺機器制御部402aで生成されたBRDY信号及びBRQ信号が、入出力インターフェース402bを介してメダル数制御基板443(パチスロ401側)に出力される。
また、図49には示さないが、接続機構部445a(遊技球等接続端子板445)には、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の接続状態を確認するための信号(以下、「VL信号」という)を伝送するための信号線も設けられている(後述の図88参照)。なお、メダル数制御基板443に入力されたVL信号はシリアル通信によりAckコマンド又はNackコマンドに付加されて、主制御基板441に送信される。
メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に出力するデータ(送信データ)がある場合、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402へのデータ送信では、EXS信号(送信データ)を、PRDY信号(STB信号)のレベル制御(レベルの立ち上がり又は立ち下がり)に同期させて1ビット単位で出力する。また、この際、PRDY信号(STB信号)及びEXS信号(送信データ)が入力された周辺機器制御部402a(遊技媒体貸出装置402側)では、PRDY信号(STB信号)のレベル変化に応じて、EXS信号(送信データ)のレベル(「High」又は「Low」)を確認して1ビット単位でデータ(「1」又は「0」)を取得する。
一方、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443に出力するデータ(送信データ)がある場合、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443へのデータ送信では、BRQ信号(送信データ)を、BRDY信号(STB信号)のレベル制御(レベルの立ち上がり又は立ち下がり)に同期させて1ビット単位で出力する。また、この際、BRDY信号(STB信号)及びBRQ信号(送信データ)が入力されたメダル数制御基板443(パチスロ401側)では、BRDY信号(STB信号)のレベル変化(レベルの立ち上がり又は立ち下がり)に応じて、BRQ信号(データ信号)のレベル(「High」又は「Low」)を確認して1ビット単位でデータ(「1」又は「0」)を取得する。
また、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間におけるデータの入出力態様は、ポーリング形式で行われ、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402へのデータ出力(リクエスト)に対して、その応答(アンサー)として遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443へのデータ出力が行われる。
本実施例では、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402へのデータ出力(送信)動作は、1msec周期の割込処理で行われ、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443へのデータ出力(送信)動作もまた、1msec周期の割込処理で行われる。また、遊技媒体貸出装置402から出力されたデータのメダル数制御基板443におけるデータ入力(受信)動作は、1msec周期の割込処理で行われ、メダル数制御基板443から出力されたデータの遊技媒体貸出装置402におけるデータ入力(受信)動作もまた、1msec周期の割込処理で行われる。なお、本実施例の遊技システム400では、メダル数制御基板443側で行われる1msec周期の割込処理と、遊技媒体貸出装置402側で行われる1msec周期の割込処理とは、同期して行われない。
また、本実施例では、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間のデータの入出力動作を、1msecの周期の割込処理で行う例を説明したが、1ビット単位のデータ入出力を1msecで規定すればよいので、例えば、500μsec、200μsec、100μsecの周期で割込処理を行ってもよい。
[10-10-2.データの入出力動作例]
ここで、図50を参照しながら、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間における2線同期方式のデータ入出力動作(擬似的な通信動作)を説明する。なお、PRDY信号(STB信号)及びEXS信号(データ信号)の入出力動作と、BRDY信号(STB信号)及びBRQ信号(データ信号)のそれとは互いに同じであるので、図50では、両者の入出力動作をまとめて説明する。また、図50に示す例では、1バイトのデータ「01010101B」(55H)を入出力(送受信)する例を説明する。
この例では、STB信号のレベルがLowからHighに変化したとき(立ち上がり)に同期して1ビット単位のデータ信号が入出力(所謂、正論理)されるが、本発明はこれに限定されない。STB信号のレベルがHighからLowに変化したとき(立ち下がり)に同期して1ビット単位のデータ信号が入出力(所謂、負論理)される構成にしてもよい。
また、この例では、1ビットのデータを5回の割込処理(5msec)の期間で入出力し、その期間において、STB信号のレベルは、3回の割込期間(3msec)に渡って連続してHighレベル(オン状態)にセットされ、他の2回の割込期間(2msec)はLowレベル(オフ状態)にセットされる。
上述のように、本実施例では、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間における各装置のデータ出力及びデータ入力は、ともに1msec周期の割込処理で行われる。しかしながら、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間におけるデータ出力側の割込処理とデータ入力側の割込処理とは同期して行われないので、データ出力の実行タイミングとデータ入力の実行タイミングとの間には、0msecより大きく且つ1msec未満のズレ(周期ズレ)が発生する可能性がある。それゆえ、本実施例では、1ビットのデータの入出力期間(5回の割込処理期間)において、STB信号のオフ期間として2回の割込期間(2msec)を設け、そのうち、1回の割込期間(1msec)を、周期ズレに対応するためのマージンとして設けている。このようにSTB信号に、オフ状態のマージン期間を設けた場合、データの出力動作と入力動作との間で周期ズレが発生しても、データの入力(取得)側においてSTB信号の立ち上がりを確実に検出することができ、データを正確に取得することができる。
最初に、図50を参照しながら、2線同期方式におけるデータ出力側の制御を説明する。
BIT0のデータ「1」を出力する際には、まず、BIT0の出力動作開始後、1回目の割込期間が終了するまで(BIT0の割込タイミング0発生まで)、STB信号のオフ状態のレベル(Low)を維持する。次いで、1回目の割込処理終了後、2回目の割込タイミング(BIT0の割込タイミング0)でSTB信号を立ち上げる(Highレベルに変化させる)とともに、データ信号のレベルをBIT0のデータ「1」に対応するレベル(Highレベル)に変化させる。
次いで、STB信号のオン状態のレベル(High)を3回の割込期間(3msec)に渡って維持し、5回目の割込タイミング(BIT0の割込タイミング3)でSTB信号を立ち下げる(オフ状態にする)。なお、この際、データ信号のレベル(High)は、変化させずに維持される。その後、5回目の割込処理の終了まで(BIT0の割込タイミング4発生まで)、STB信号のオフ状態のレベル(Low)が維持され、BIT0の出力(送信)動作を終了する。
BIT0の出力動作終了後、データ出力側では、BIT1のデータ「1」の出力動作を開始する。まず、BIT0の出力動作終了後、1回目の割込期間が終了するまで(BIT1の割込タイミング0発生まで)、STB信号のオフ状態のレベル(Low)を維持する。
次いで、1回目の割込処理終了後、2回目の割込タイミング(BIT1の割込タイミング0)でSTB信号を立ち上げる(Highレベルに変化させる)とともに、データ信号のレベルをBIT1のデータ「0」に対応するレベル(Lowレベル)に変化させる。
次いで、STB信号のオン状態のレベル(High)を3回の割込期間(3msec)に渡って維持し、5回目の割込タイミング(BIT1の割込タイミング3)でSTB信号を立ち下げる(オフ状態にする)。なお、この際、データ信号のレベル(Low)は、変化させずに維持される。その後、5回目の割込処理の終了まで(BIT1の割込タイミング4発生まで)、STB信号のオフ状態のレベル(Low)が維持され、BIT1の出力(送信)動作を終了する。
その後、上記BIT0又はBIT1のデータ出力で説明したSTB信号及びデータ信号のレベル制御と同様の制御が、BIT3~BIT7のデータ出力においても行われると、1バイト分のデータ(「01010101B」)の出力動作が終了する。
次に、図50を参照しながら、2線同期方式におけるデータ入力(取得)側の制御を説明する。
BIT0のデータ「1」を取得する際には、まず、データ入力側では、BIT0の入力動作開始後、所定の割込タイミング(BIT0の割込タイミング0)でSTB信号の立ち上がりを検出すると、その後、3回の割込期間(3msec)内において、データ信号を取得してデータ信号のレベルを検出する。この際、BIT0のデータは「1」であるので、Highレベルのデータ信号が検出され、これにより、データ入力側においてBIT0のデータが「1」であることが判別され、BIT0の入力(取得)動作が終了する。
BIT0の入力(取得)動作終了後、データ入力側では、BIT1の入力動作が開始される。そして、データ入力側では、BIT1の入力動作開始後、特定の割込タイミング(BIT1の割込タイミング0)で再度、STB信号の立ち上がりを検出すると、その後、3回の割込期間(3msec)内において、データ信号を取得してデータ信号のレベルを検出する。この際、BIT1のデータは「0」であるので、Lowレベルのデータ信号が検出され、これにより、データ入力側においてBIT1のデータが「0」であることが判別され、BIT1の入力(取得)動作が終了する。
その後、上記BIT0又はBIT1のデータ入力(取得)で説明したSTB信号及びデータ信号のレベル検出に基づくデータ取得手法と同様の手法が、BIT3~BIT7のデータ入力においても行われると、1バイト分のデータ(「01010101B」)の入力(取得)動作が終了する。
なお、図50に示す例では、PRDY信号及びBRDY信号をSTB信号とし、EXS信号及びBRQ信号をデータ信号として説明したが、PRDY信号及びBRDY信号をデータ信号とし、EXS信号及びBRQ信号をSTB信号としてもよい。
上述したパチスロ401(メダル数制御基板443)及び遊技媒体貸出装置402間における2線同期方式のデータ入出力機構(双方向プロトコル)を設け、両装置間において上述したデータの入出力制御を行った場合、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
[10-11.起動時におけるメダル数制御基板及び遊技媒体貸出装置間の接続確認処理]
本実施例の遊技システム400では、上述のように、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402(サンド装置)間をGPIOで接続し、両者間では2線同期方式の双方向プロトコルによりデータの入出力が行われる。ここで、図51を参照しながら、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402(サンド装置)間で行われる、起動時の接続確認処理の内容について説明する。なお、図51は、起動時の接続確認処理において、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402のそれそれで行われる処理の概要、並びに、両者間で行われるデータ(コマンド)の入出力動作の概要を示す図である。
起動時には、まず、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402のそれぞれにおいて初期化処理が行われる。次いで、初期化処理終了後、メダル数制御基板443において、2線同期方式のデータ出力動作で使用される2つの出力ポート、すなわち、PRDY信号の出力ポート及びEXS信号の出力ポートがともにオン状態(Highレベルの信号)にセットされる。これにより、遊技媒体貸出装置402において2線同期方式のデータ入力動作で使用される2つの入力ポート、すなわち、PRDY信号の入力ポート及びEXS信号の入力ポートにオン状態の信号が入力される(T51)。
次いで、遊技媒体貸出装置402では、PRDY信号の入力ポート及びEXS信号の入力ポートの一方(監視対象の入力ポート)のオン状態が所定期間(図51に示す例では200msec)以上維持されているか否かが判断される。
そして、遊技媒体貸出装置402においてPRDY信号の入力ポート及びEXS信号の入力ポートの一方(監視対象の入力ポート)のオン状態が所定期間以上維持されていると判断された場合には、遊技媒体貸出装置402において2線同期方式のデータ出力動作で使用される2つの出力ポート、すなわち、BRDY信号の出力ポート及びBRQ信号の出力ポートがともにオン状態(Highレベルの信号)にセットされる。これにより、メダル数制御基板443において2線同期方式のデータの入力動作で使用される2つの入力ポート、すなわち、BRDY信号の入力ポート及びBRQ信号の入力ポートにオン状態の信号が入力される(T52)。
次いで、メダル数制御基板443では、BRDY信号の入力ポート及びBRQ信号の入力ポートの一方(監視対象の入力ポート)のオン状態が所定期間(図51に示す例では200msec)以上維持されているか否かが判断される。
そして、メダル数制御基板443においてBRDY信号の入力ポート及びBRQ信号の入力ポートの一方(監視対象の入力ポート)のオン状態が所定期間以上維持されていると判断された場合には、メダル数制御基板443において、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402(サンド装置)間が正常に接続されていると判断される。
したがって、パチスロ401内のメダル数制御基板443と遊技媒体貸出装置402(サンド装置)との間が正常に接続されていない状態では、メダル数制御基板443は、それ以降の処理を実行できなくなり、それに伴い、主制御基板441も遊技を行うことができなくなる。
なお、上述したメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402(サンド装置)間の接続確認制御の具体的な処理内容は、後述の図70(メダル数制御基板443で行われる周辺機器接続確認処理のフローチャート)、及び、後述の図83(遊技媒体貸出装置402で行われるメダル数制御接続確認処理のフローチャート)を用いて後で詳述する。
上述した起動時におけるメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の接続確認機能を設けた場合、両者間のデータの入出力(通信)ポートにはGPIOが使用されているので、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の回線の接続状態を簡単に確認することができる。また、上述した起動時におけるメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の接続確認機能を設けた場合、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
なお、上述したメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間で行われる接続確認処理では、遊技媒体貸出装置402において、2つの入力ポート(PRDY信号の入力ポート及びEXS信号の入力ポート)の一方のオン状態の維持期間を監視し、メダル数制御基板443においても、2つの入力ポート(BRDY信号の入力ポート及びBRQ信号の入力ポート)の一方のオン状態の維持期間を監視する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、遊技媒体貸出装置402において、2つの入力ポート(PRDY信号の入力ポート及びEXS信号の入力ポート)の両方のオン状態の維持期間を監視し、メダル数制御基板443においても、2つの入力ポート(BRDY信号の入力ポート及びBRQ信号の入力ポート)の両方のオン状態の維持期間を監視するようにしてもよい。
また、メダル数制御基板443による2つの入力ポートの監視処理と、遊技媒体貸出装置402による2つの入力ポートの監視処理との処理順序を逆にしてもよい。すなわち、メダル数制御基板443が先に2つの入力ポート(BRDY信号の入力ポート及びBRQ信号の入力ポート)の一方のオン状態の維持期間を監視し、その後、遊技媒体貸出装置402が2つの入力ポート(PRDY信号の入力ポート及びEXS信号の入力ポート)の一方のオン状態の維持期間を監視するようにしてもよい。
[10-12.貸出操作時におけるメダル数制御基板及び遊技媒体貸出装置間の制御処理]
次に、図52及び図53を参照しながら、遊技媒体の貸出操作が実行された際に行われるメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の処理内容について説明する。
なお、図52は、遊技システム400におけるパチスロ401及び遊技媒体貸出装置402間のデータ入出力機構の概略構成図である。なお、図52では、説明を簡略化するため、主に、貸出操作時にパチスロ401及び遊技媒体貸出装置402間において行われるデータの入出力動作に必要な構成部のみを示す。また、図53は、貸出操作時に、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402のそれぞれで行われる処理の概要、並びに、両者間で行われるデータ(コマンド)の入出力動作の概要を示す図である。
まず、貸出ボタン419が押下されると、貸出スイッチ419Sがオン状態となり、この検出信号が貸出スイッチ419Sから遊技球等接続端子板445を介して、遊技媒体貸出装置402に入力される(図52参照)。この際、遊技媒体貸出装置402内では、周辺機器制御部402aが、入出力インターフェース402bを介して貸出スイッチ419Sからの検出信号(オン状態信号)を取得する。これにより、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)では、貸出ボタン419が押下されたことが検知される。
次いで、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)において貸出ボタン419の押下が検知されると、周辺機器制御部402aは、入出力インターフェース402b及び遊技球等接続端子板445(BRDY信号線及びBRQ信号線)を介して、遊技媒体の貸出数が後続データとして付加されたメダル貸出指示コマンドをメダル数制御基板443に出力(送信)する(T61)。
次いで、メダル数制御基板443では、メダル貸出指示コマンドが入力されると、当該コマンドを受入可能であるか否かを判定する。なお、現在の状況が、例えば、遊技中、精算中、返却中、設定変更中、エラー発生中、貯留数の上限超過(貸出後も含む)発生中等である場合には、メダル貸出指示コマンドの受入は不可となり、それ以外の場合には、メダル貸出指示コマンドの受入は可となる。
そして、メダル数制御基板443においてメダル貸出指示コマンドの受入が不可であると判断された場合には、Nackコマンド(非了解応答コマンド)が、メダル数制御基板443から遊技球等接続端子板445(PRDY信号線及びEXS信号線)及び入出力インターフェース402bを介して周辺機器制御部402aに出力(送信)される(T62)。その後、メダル数制御基板443の制御状態は、待機状態に移行する。
一方、メダル数制御基板443においてメダル貸出指示コマンドの受入が可であると判断された場合には、メダル数制御基板443ではメダルカウンターの値に貸出数が加算され、Ackコマンド(了解応答コマンド)が、メダル数制御基板443から遊技球等接続端子板445(PRDY信号線及びEXS信号線)及び入出力インターフェース402bを介して周辺機器制御部402aに出力(送信)される(T63)。その後、メダル数制御基板443の制御状態は、待機状態に移行する。
また、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)においてメダル数制御基板443からの応答コマンドとしてNackコマンドが取得(受信)された場合には、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)の制御状態は、待機状態に移行する。一方、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)においてメダル数制御基板443からの応答コマンドとしてAckコマンドが取得(受信)された場合には、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)では、遊技媒体の度数(残数)が貸出数分だけ減算され、その減算された度数をメダル貸表示ユニット427aの3桁の7セグLEDに表示し、その後、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)の制御状態は、待機状態に移行する。
なお、上述した貸出操作時におけるメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402の具体的な処理内容については、後述の図78(メダル数制御基板443で行われるメダル貸出指示コマンド受信時処理のフローチャート)、及び、後述の図84(遊技媒体貸出装置402で行われるメダル貸出処理のフローチャート)を用いて後で詳述する。
上述した貸出操作時におけるメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の処理機能を設けた場合、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
[10-13.精算操作時におけるメダル数制御基板及び遊技媒体貸出装置間の制御処理]
遊技システム400では、遊技媒体の精算操作が行われた場合、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に精算数を表す2バイトデータが出力(送信)されるが、この際、精算数の下位1バイト分のデータ及び上位1バイト分のデータがそれぞれ別個に出力(送信)される。ここで、図54及び図55を参照しながら、遊技媒体の精算操作が実行された際に行われるメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の処理内容を説明する。
図54は、遊技システム400におけるパチスロ401及び遊技媒体貸出装置402間のデータの入出力機構の概略構成図である。なお、図54では、説明を簡略化するため、主に、精算操作時にパチスロ401及び遊技媒体貸出装置402間において行われるデータの入出力動作に必要な構成部のみを示す。また、図55は、精算操作時に、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402のそれぞれで行われる処理の概要、並びに、両者間で行われるデータ(コマンド)の入出力動作の概要を示す図である。
まず、精算ボタン418が押下されると、精算スイッチ418Sがオン状態となり、この検出信号が精算スイッチ418Sからメダル数制御基板443に入力される(図54参照)。これにより、メダル数制御基板443では、精算ボタン418が押下されたことが検知される。
次いで、メダル数制御基板443において精算ボタン418の押下が検知されると、遊技媒体の精算数を表す2バイトのデータのうち、下位1バイト分のデータが後続データとして付加されたメダル計数(下位)指示コマンドが、メダル数制御基板443から遊技球等接続端子板445(PRDY信号線及びEXS信号線)及び入出力インターフェース402bを介して、遊技媒体貸出装置402内の周辺機器制御部402aに出力(送信)される(T71)。
次いで、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)においてメダル計数(下位)指示コマンドが入力されると、精算受付可能であるか否かが判定される。なお、現在の状況が、例えば、貸出中、起動中、遊技媒体貸出装置402内で何らかの異常が発生している等である場合には、精算の受付は不可となり、それ以外の場合には、精算の受付は可となる。
そして、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)において精算の受付が不可であると判断された場合には、Nackコマンド(非了解応答コマンド)が、周辺機器制御部402aから入出力インターフェース402b及び遊技球等接続端子板445(BRDY信号線及びBRQ信号線)を介してメダル数制御基板443に出力(送信)される(T72)。そして、その後、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)の制御状態は、待機状態に移行する。
一方、周辺機器制御部402aにおいて精算の受付が可であると判断された場合には、Ackコマンド(了解応答コマンド)が、周辺機器制御部402aから入出力インターフェース402b及び遊技球等接続端子板445(BRDY信号線及びBRQ信号線)を介してメダル数制御基板443に出力(送信)される(T73)。そして、その後、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)の制御状態は、待機状態に移行する。
次いで、メダル数制御基板443において遊技媒体貸出装置402からの応答コマンドとしてNackコマンドが取得(受信)された場合には、メダル数制御基板443の制御状態は、待機状態に移行する。一方、メダル数制御基板443において遊技媒体貸出装置402からの応答コマンドとしてAckコマンドが取得(受信)された場合には、精算数の上位1バイト分のデータが後続データとして付加されたメダル計数(上位)指示コマンドが、メダル数制御基板443から遊技球等接続端子板445(PRDY信号線及びEXS信号線)及び入出力インターフェース402bを介して、遊技媒体貸出装置402内の周辺機器制御部402aに出力(送信)される(T74)。
次いで、メダル数制御基板443ではメダルカウンターの値がクリアされ、メダル計数完了コマンドが、メダル数制御基板443から遊技球等接続端子板445(PRDY信号線及びEXS信号線)及び入出力インターフェース402bを介して、遊技媒体貸出装置402内の周辺機器制御部402aに出力(送信)される(T75)。その後、メダル数制御基板443の制御状態は、待機状態に移行する。
一方、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)において、メダル計数(上位)指示コマンド及びメダル計数完了コマンドがこの順で取得(受信)された場合には、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)の制御状態は、待機状態に移行する。
なお、図55に示す例では、メダル数制御基板443が、メダル計数(上位)指示コマンド及びメダル計数完了コマンドを送信した後、遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)は、Ackコマンド又はNackコマンドを送信していないが、これは、次の理由によるものである。メダル計数(下位)指示コマンドを遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)が受信し、Ackコマンドを送信した時点で、精算処理を中断する要因が発生することが無くなる。この場合、例えば、メダル計数(上位)指示コマンド及びメダル計数完了コマンドを受信した遊技媒体貸出装置402が応答コマンドを送信する処理を設けても、遊技媒体貸出装置402から応答コマンドとしてNackコマンドが送信されることは無く、必然的にAckコマンドの送信処理のみが行われる。したがって、この応答コマンドの送信処理は必ずしも必要な処理ではないので、図55に示す例では、この処理の無駄を省くため、メダル計数(上位)指示コマンド及びメダル計数完了コマンドの受信後における遊技媒体貸出装置402(周辺機器制御部402a)の応答コマンドの送信処理を省略している。
なお、上述した精算操作時におけるメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402の具体的な処理内容については、後述の図77(メダル数制御基板443で行われる精算スイッチ押下時処理のフローチャート)、及び、後述の図85(遊技媒体貸出装置402で行われるメダル計数(精算)処理のフローチャート)を用いて後で詳述する。
上述した精算操作時におけるメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の処理機能を設けた場合、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
[10-14.精算ボタン及び返却ボタンを用いた遊技媒体の精算動作]
遊技システム400は、図39に示すように、精算スイッチ418Sがメダル数制御基板443に接続され、返却スイッチ420Sが主制御基板441に接続された構成を有する。
このような構成の遊技システム400において、精算ボタン418が押下されたときには、メダル数制御基板443内の投入カウンターの値(投入数)を維持したまま、メダルカウンターの値(貯留数)が遊技媒体貸出装置402(周辺機器)に出力(送信)された後、メダルカウンターの値がクリア(「0」にセット)される。また、遊技システム400において、返却ボタン420が押下されたときには、メダル数制御基板443内の投入カウンターの値(投入数)がメダルカウンターの値(貯留数)に加算された後、投入カウンターの値がクリア(「0」にセット)される。
それゆえ、例えば、現在、貯留されている遊技媒体及びベット(投入)済みの遊技媒体を全て精算する場合には、精算ボタン418を押下してメダルカウンターの値(貯留数)を遊技媒体貸出装置402(周辺機器)に送信した後、返却ボタン420及び精算ボタン418をこの順で押下する(第1の精算手順)、又は、返却ボタン420を押下して投入カウンターの値(投入数)をメダルカウンターの値(貯留数)に加算した後、精算ボタン418を押下する(第2の精算手順)。
ここで、一例として、例えば、現在の投入カウンターの値(投入数)が「3」であり、メダルカウンターの値(貯留数)が「59」であり、遊技媒体貸出装置402(周辺機器)に送信済み(精算済み)の遊技媒体数が「0」である場合を考える。
上記場合に対して上述した第1の精算手順を採用すると、まず、精算ボタン418が押下される。これにより、投入カウンターの値(投入数)は「3」に維持され、メダルカウンターの値(貯留数)は「0」となり、遊技媒体貸出装置402に送信済み(精算済み)の遊技媒体数は「59」となる。次いで、返却ボタン420が押下されると、投入カウンターの値(投入数)は「0」となり、メダルカウンターの値(貯留数)は「3」となり、遊技媒体貸出装置402に送信済み(精算済み)の遊技媒体数は「59」に維持される。次いで、精算ボタン418が押下されると、投入カウンターの値(投入数)は「0」に維持され、メダルカウンターの値(貯留数)は「0」となり、遊技媒体貸出装置402に送信済み(精算済み)の遊技媒体数は「62」となる。
一方、上記場合に対して上述した第2の精算手順を採用すると、まず、返却ボタン420が押下される。これにより、投入カウンターの値(投入数)は「0」となり、メダルカウンターの値(貯留数)は「62」となり、遊技媒体貸出装置402に送信済み(精算済み)の遊技媒体数は「0」に維持される。そして、精算ボタン418が押下されると、投入カウンターの値(投入数)は「0」に維持され、メダルカウンターの値(貯留数)は「0」となり、遊技媒体貸出装置402に送信済み(精算済み)の遊技媒体数は「62」となる。
上述した精算ボタン418及び返却ボタン420を用いた遊技媒体の精算動作を用いた場合、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
[10-15.遊技媒体の精算態様の各種変形例]
本実施例の遊技システム400は、上述のように、精算スイッチ418Sがメダル数制御基板443に接続され、返却スイッチ420Sが主制御基板441に接続された構成を有し、遊技媒体の精算時における精算ボタン418及び返却ボタン420の押下手順(遊技媒体の精算動作)は、上述した第1又は第2の精算手順が採用される。しかしながら、精算ボタン418及び返却ボタン420の接続構成、並びに、遊技媒体の精算時における精算ボタン418及び返却ボタン420の押下手順、すなわち、遊技媒体の精算態様は、上述した態様例に限定されず、例えば、次のような各種変形態様(他の精算態様例1~3)を採用してもよい。
<他の精算態様例1>
例えば、遊技システムの構成を、返却ボタン420を設けずに、メダル数制御基板443に接続された精算ボタン418のみを設けた構成とし、精算動作を次のようにしてもよい。なお、ここでは、精算ボタン418押下前の遊技媒体の投入数(ベット数)が「3」であり、メダルカウンターの値(貯留数)が「59」であり、遊技媒体貸出装置402(周辺機器)に送信済み(精算済み)の遊技媒体数が「0」である場合を考える。
このような状況の遊技システムにおいて、精算ボタン418が押下されると、まず、メダル数制御基板443から主制御基板441に対して遊技媒体の投入数(ベット数)の問い合わせが行われる。なお、この問い合わせは、主制御基板441及びメダル数制御基板443間に設けられたGPIOでデータの入出力が可能なポート及び信号線(遊技媒体状態機能で使用されるポート及び信号線以外のポート及び信号線)を用いて行われる。次いで、主制御基板441ではメダル数制御基板443からのこの問い合わせに対して、遊技媒体の投入数が「3」である旨の情報を返信した後、主制御基板441で管理されている遊技媒体の投入数をクリアする(「0」にセットする)。
次いで、遊技媒体の投入数が「3」である旨の情報を受け取ったメダル数制御基板443では、メダルカウンターの値に「3」が加算される。この結果、メダルカウンターの値は「62」に更新される。なお、この時点では、精算済みの遊技媒体数は「0」に維持される。
次いで、メダル数制御基板443において精算処理が行われ、これにより、メダルカウンターの値は「0」となり、精算済みの遊技媒体数は「62」となる。
<他の精算態様例2>
例えば、遊技システムの構成を、返却ボタン420を設けずに、主制御基板441に接続された精算ボタン418のみを設けた構成とし、精算動作を次のようにしてもよい。なお、ここでは、精算ボタン418押下前の遊技媒体の投入数(ベット数)が「3」であり、メダルカウンターの値(貯留数)が「59」であり、遊技媒体貸出装置402(周辺機器)に送信済み(精算済み)の遊技媒体数が「0」である場合を考える。
このような状況の遊技システムにおいて、精算ボタン418が押下されると、まず、遊技媒体の投入数が「3」である旨の情報が主制御基板441からメダル数制御基板443に送信され、その後、主制御基板441で管理されている遊技媒体の投入数がクリアされる(「0」にセットされる)。
次いで、遊技媒体の投入数が「3」である旨の情報を受信したメダル数制御基板443では、メダルカウンターの値に「3」が加算される。この結果、メダルカウンターの値は「62」に更新される。なお、この時点では、精算済みの遊技媒体数は「0」に維持される。
次いで、精算処理を行う旨の情報が主制御基板441からメダル数制御基板443に送信され、当該精算処理を行う旨の情報を受信したメダル数制御基板443では、精算処理を行われ、これにより、メダルカウンターの値は「0」に更新され、精算済みの遊技媒体数は「62」となる。
<他の精算態様例3>
例えば、遊技システムの構成を、主制御基板441に接続された返却ボタン420及び精算ボタン418を設けた構成とし、精算動作を次のようにしてもよい。なお、ここでは、精算ボタン押下前の遊技媒体の投入数(ベット数)が「3」であり、メダルカウンターの値(貯留数)が「59」であり、遊技媒体貸出装置402(周辺機器)に送信済み(精算済み)の遊技媒体数が「0」である場合を考える。
このような状況の遊技システムにおいて、最初に返却ボタン420が押下されると、遊技媒体の投入数が「3」である旨の情報が、主制御基板441からメダル数制御基板443に送信され、その後、主制御基板441で管理されている遊技媒体の投入数がクリアされる(「0」にセットする)。
次いで、遊技媒体の投入数が「3」である旨の情報を受信したメダル数制御基板443では、メダルカウンターの値に「3」が加算される。この結果、メダルカウンターの値は「62」に更新される。なお、この時点では、精算済みの遊技媒体数は「0」に維持される。
次いで、精算ボタン418が押下されると、メダル数制御基板443では精算処理が行われ、これにより、メダルカウンターの値は「0」に更新され、精算済みの遊技媒体数が「62」に更新さる。
また、この場合、次のような精算手順(各種カウンターの更新手順)を採用してもよい。
最初に精算ボタン418が押下されると、メダル数制御基板443において精算処理が行われ、これにより、主制御基板441で管理されている遊技媒体の投入数(ベット数)は「3」に維持され、メダルカウンターの値は「0」に更新され、精算済みの遊技媒体数は「59」に更新される。
次いで、返却ボタン420が押下されると、遊技媒体の投入数が「3」である旨の情報が主制御基板441からメダル数制御基板443に送信され、その後、主制御基板441で管理されている遊技媒体の投入数がクリアされる(「0」にセットされる)。次いで、遊技媒体の投入数が「3」である旨の情報を受信したメダル数制御基板443では、メダルカウンターの値に「3」が加算される。この結果、メダルカウンターの値は「3」に更新され、精算済みの遊技媒体数は「59」に維持される。
次いで、精算ボタン418が押下されると、メダル数制御基板443では精算処理が行われ、これにより、メダルカウンターの値は「0」に更新され、精算済みの遊技媒体数は「62」に更新される。
[10-16.チップ個別ナンバーの送信処理]
遊技システム400では、起動時に、主制御基板441内の主制御用マイクロプロセッサ450のチップ個別ナンバー(以下、「主制御チップ個別ナンバー」という)、又は、メダル数制御基板443内のメダル数制御用マイクロプロセッサ460のチップ個別ナンバー(以下、「メダル数制御チップ個別ナンバー」という)が、遊技媒体貸出装置402(周辺機器)を介して、遊技システム400の外部に設けられた管理コンピュータ(ホールコンピュータ:不図示)に送信される。
ここで、図56を参照しながら、チップ個別ナンバーの送信時に、主制御基板441、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402で行われる処理の内容について説明する。なお、図56は、チップ個別ナンバーの送信時に、主制御基板441、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402のそれぞれにおいて行われる処理の概要、並びに、3者間のデータ(コマンド)の入出力動作の概要を示す図である。
起動時には、まず、主制御基板441において、主制御用マイクロプロセッサ450の主制御チップ個別ナンバー(4バイトのデータ)が読み込まれる。また、メダル数制御基板443において、メダル数制御用マイクロプロセッサ460のメダル数制御チップ個別ナンバー(4バイトのデータ)が読み込まれる。
次いで、主制御基板441において読み取られた主制御用マイクロプロセッサ450の主制御チップ個別ナンバー(4バイトのデータ)がメダル数制御基板443に送信される(T81)。この際、主制御チップ個別ナンバーは、1バイトずつ送信される(送信回数は4回)。
次いで、メダル数制御基板443において主制御チップ個別ナンバーの全データが受信された後、メダル数制御基板443において取得された主制御チップ個別ナンバー及びメダル数制御チップ個別ナンバーの一方が遊技媒体貸出装置402に送信される(T82)。この際、チップ個別ナンバーは、1バイトずつ送信される(送信回数は4回)。
そして、遊技媒体貸出装置402でチップ個別ナンバーが受信された後、受信したチップ個別ナンバー(主制御チップ個別ナンバー又はメダル数制御チップ個別ナンバー)が遊技媒体貸出装置402から外部の管理コンピュータに送信される(T83)。なお、この際、チップ個別ナンバーは、外部の管理コンピュータに送信される。
なお、起動時に主制御基板441、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402で行われる上述したチップ個別ナンバーの送信処理の具体的な内容については、後述の図58(主制御基板441で行われる電源投入時処理のフローチャート)、後述の図71(メダル数制御基板443で行われる起動コマンド受信時処理のフローチャート)、後述の図72(メダル数制御基板443で行われる周辺機器識別コード送信処理のフローチャート)、及び、後述の図83(遊技媒体貸出装置402で行われるメダル数制御接続確認処理のフローチャート)を用いて後で詳述する。
本実施例の遊技システム400では、起動時に主制御チップ個別ナンバー又はメダル数制御チップ個別ナンバーを、主制御基板441からメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402を介して管理コンピュータに送信する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。起動時に主制御チップ個別ナンバー及びメダル数制御チップ個別ナンバーの両方を、主制御基板441からメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402を介して管理コンピュータに送信してもよい。この場合、トータルで8バイトのチップ個別ナンバーがメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402を介して管理コンピュータに送信される。
[10-17.主制御基板(主制御用マイクロプロセッサ)の動作説明]
次に、図57~図67を参照して、主制御基板441(主制御用マイクロプロセッサ450)のメインCPU501(図43で説明したマイクロプロセッサMPが備えるCPU501)が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
[10-17-1.メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理]
まず、メインCPU501の制御で行うパチスロ401の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図57に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、メインCPU501は、電源投入時処理を行う(S1001)。この処理では、メインCPU501は、主に、初期化処理、チップ個別ナンバー等のデータを含む起動確認コマンドの送信登録処理等を行う。なお、電源投入時処理の詳細については、後述の図58を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU501は、設定用鍵型スイッチ432がオン状態であるか否かを判定する(S1002)。なお、設定用鍵型スイッチ432に差し込まれる設定キー(不図示)は、パチスロ401の設定(例えば設定1~6)を操作するための操作キーであり、設定キーがオンされていると、設定用鍵型スイッチ432がオン状態となる。
S1002において、メインCPU501が、設定用鍵型スイッチ432がオン状態であると判定したとき(S1002がYES判定である場合)、メインCPU501は、設定変更処理を行う(S1003)。この処理では、メインCPU501は、設定変更及び/又は確認処理を行うとともに、設定変更開始時及び終了時のコマンドの送信登録処理を行う。なお、設定変更処理の詳細については、後述の図59を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU501は、遊技開始準備処理を行う(S1004)。この処理では、メインCPU501は、遊技開始条件が成立しているか否かの判定処理を行う。なお、遊技開始準備処理の詳細については、後述の図60を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU501は、メダル返却処理を行う(S1005)。この処理では、メインCPU501は、遊技者により返却ボタン420が押下されたか否か(返却スイッチ420Sがオン状態であるか否か)の判定処理を行う。なお、メダル返却処理の詳細については、後述の図61を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU501は、遊技開始処理を行う(S1006)。この処理では、メインCPU501は、遊技開始可能であるか否かの判定処理、及び、メダル数制御基板443に送信する遊技開始要求コマンドの登録(セット)処理を行う。なお、遊技開始処理の詳細については、後述の図62を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU501は、遊技開始であるか否かを判定する(S1007)。パチスロ401では、メインCPU501からメダル数制御基板443(メダル数制御CPU501)に送信された遊技開始要求コマンドに対する応答としてメダル数制御基板443からAckコマンド(了解応答コマンド)が受信された場合に、メインCPU501は、遊技開始であると判定し、S1007はYES判定となる。
S1007において、メインCPU501が、遊技開始でないと判定したとき(S1007がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1004(遊技開始準備処理)に戻し、S1004以降の処理を繰り返す。
一方、S1007において、メインCPU501が、遊技開始であると判定したとき(S1007がYES判定である場合)、メインCPU501は、遊技中処理を行う(S1008)。この処理では、メインCPU501は、遊技の開始から全リールの停止までの遊技の進行に関する各種主要処理を行う。具体的には、メインCPU501は、主に、乱数値取得処理、内部抽籤処理、リール回転開始処理及びリール停止制御処理を、この順で行う。また、この処理では、メインCPU501は、遊技の進行に合わせて、適宜所定のタイミングで、副制御基板442に送信する各種コマンドの送信登録処理(生成格納処理)を行う。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(副制御送信用)に登録(保存)された各種コマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内の副制御送信処理でメインCPU501(主制御基板441)から副制御基板442に送信される。
S1008の処理後、メインCPU501は、遊技終了処理を行う(S1009)。この処理では、メインCPU501は、主に、入賞役の判定処理、遊技状態の更新処理等を行う。なお、遊技終了処理の詳細については、後述の図63を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU501は、遊技メダル払出処理を行う(S1010)。この処理では、メインCPU501は、主に、メダル数制御基板443(メダル数制御CPU501)に送信するメダル払出要求コマンドの登録処理を行う。メダル払出要求コマンドには、S1009における入賞役の判定結果に対応する遊技媒体の払出数に関するデータ(後続データ)が含まれる。なお、遊技メダル払出処理の詳細については、後述の図64を参照しながら後で説明する。そして、S1010の処理後、メインCPU501は、処理をS1004(遊技開始準備処理)に戻し、S1004以降の処理を繰り返す。
ここで、再度、S1002の処理に戻って、S1002において、メインCPU501が、設定用鍵型スイッチ432がオン状態でないと判定したとき(S1002がNO判定である場合)、メインCPU501は、遊技復帰準備処理を行う(S1011)。この処理では、メインCPU501は、遊技の状態を電断発生時点の状態となるように各種遊技パラメータ、各種フラグ、各種カウンター等のセット処理を行う。そして、この処理により、電断発生時点の遊技状況から遊技が再開(S1004~S1010のいずれかに相当する処理から再開)される。
[10-17-2.電源投入時処理(主制御)]
次に、図58を参照して、メインフロー(図57参照)中のS1001で行う電源投入時処理(主制御)について説明する。なお、図58は、電源投入時処理(主制御)の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU501は、初期化処理を行う(S1021)。この処理では、メインCPU501は、メインCPU501のデバイス設定等の初期化を行う。また、この処理では、タイマー回路513や、シリアル通信回路514(SCU0~3)の初期化も行われる。
次いで、メインCPU501は、固有情報509を参照して、チップ個別ナンバー(4バイトのデータ)を取得する(S1022)。
次いで、メインCPU501は、再送カウンターに「5」をセットする(S1023)。再送カウンターは、主制御基板441からメダル数制御基板443(メダル数制御CPU501)への後述の起動確認コマンドの送信回数(再送回数)を計数するためのカウンターである。本実施例では、後述の起動確認コマンドの送信回数が5回になった場合、メインCPU501は、主制御基板441(メインCPU501)及びメダル数制御基板443(メダル数制御CPU501)間の通信に異常が発生したと判断する。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443(メダル数制御CPU501)に送信する起動確認コマンドの送信登録処理を行う(S1024)。パチスロ401では、起動確認コマンドには、コマンド種別情報、及び、1バイト分のチップ個別ナンバーのデータ(後続データ)がセットされる。また、主制御基板441(メインCPU501)及びメダル数制御基板443(メダル数制御CPU501)間のデータ通信は1バイト単位で行われるので、起動確認コマンドの送信処理では、チップ個別ナンバーのデータが、1バイト分ずつ4回に分けて送信(又は、再送)される。
なお、S1024の処理が後述のS1028のNO判定後に行われる場合には、前回のS1024の処理でセットされた1バイト分のチップ個別ナンバーのデータと同じデータが後続データとしてセットされる。また、S1024の処理が初回の起動確認コマンドの送信登録処理である場合には、起動確認コマンドにチップ個別ナンバーの1バイト目のデータが後続データとしてセットされる。さらに、S1024の処理が後述のS1030のNO判定後に行われる場合には、S1024の処理毎に、チップ個別ナンバーの2バイト目から4バイト目のデータがこの順でセットされる。また、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に登録(保存)された起動確認コマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内のメダル数制御送信処理で主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される。
次いで、メインCPU501は、応答待機処理を行う(S1025)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443に起動確認コマンドが送信され、当該コマンドに対するメダル数制御基板443からの何らかの応答があるまで待機する。なお、メダル数制御基板443からの応答の受信処理(監視)は、後述の図67で説明する受信時割込処理(不定期)で行われる。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443からAckコマンド(了解応答コマンド)を受信したか否かを判定する(S1026)。この判定処理では、メインCPU501がメダル数制御基板443からAckコマンドを受信した場合にYES判定となる。一方、メインCPU501がメダル数制御基板443からNackコマンド(非了解応答コマンド)を受信した場合、受信エラー(例えば、パリティエラー、フレーミングエラー等)が発生した場合、又は、タイムアウトが発生した場合(例えば200msec以内にメダル数制御基板443からの返信が無い場合)には、S1026の判定処理はNO判定となる。なお、以下に説明する各種処理中で実行されるAckコマンド(了解応答コマンド)の受信の有無の判定処理においても、このS1026の判定処理におけるYES/NOの判定条件が採用される。
S1026において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1026がYES判定である場合)、メインCPU501は、後述のS1030の処理を行う。
一方、S1026において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信しなかったと判定したとき(S1026がNO判定である場合)、メインCPU501は、再送カウンターの値を1減算する(S1027)。次いで、メインCPU501は、再送カウンターの値が「0」であるか否かを判定する(S1028)。
S1028において、メインCPU501が、再送カウンターの値が「0」でないと判定したとき(S1028がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1024(起動確認コマンドの送信登録処理)に戻し、S1024以降の処理を繰り返す。
一方、S1028において、メインCPU501が、再送カウンターの値が「0」であると判定したとき(S1028がYES判定である場合)、メインCPU501は、主制御基板441(メインCPU501)及びメダル数制御基板443(メダル数制御CPU501)間の通信に異常が発生したと判断し、当該異常に対応する所定のエラー処理を行う(S1029)。その後、メインCPU501は、エラーが解除されるまで待機する。
ここで、再度、S1026の処理に戻って、S1026がYES判定である場合、メインCPU501は、4バイト分のデータ(チップ個別ナンバーの全データ)の送信処理が完了したか否かを判定する(S1030)。
S1030において、メインCPU501が、4バイト分のデータ(チップ個別ナンバーの全データ)の送信処理が完了していないと判定したとき(S1030がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1023(再送カウンターのセット処理)に戻し、S1023以降の処理を繰り返す。
一方、S1030において、メインCPU501が、4バイト分のデータ(チップ個別ナンバーの全データ)の送信処理が完了したと判定したとき(S1030がYES判定である場合)、メインCPU501は、電源投入時処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1002の処理に移す。
[10-17-3.設定変更処理]
次に、図59を参照して、メインフロー(図57参照)中のS1003で行う設定変更処理について説明する。なお、図59は、設定変更処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU501は、メダル数制御基板443に送信する設定変更開始コマンドの送信登録処理を行う(S1041)。本実施例では、設定変更開始コマンドには、コマンド種別情報、及び、設定を示す設定情報(1バイト:後続データ)がセットされる。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に登録(保存)された設定変更開始コマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内のメダル数制御送信処理で主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される。
次いで、メインCPU501は、応答待機処理を行う(S1042)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443に設定変更開始コマンドが送信され、当該コマンドに対するメダル数制御基板443からの何らかの応答があるまで待機する。なお、メダル数制御基板443からの応答の受信処理(監視)は、後述の図67で説明する受信時割込処理(不定期)で行われる。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443からAckコマンドを受信したか否かを判定する(S1043)。
S1043において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信しなかったと判定したとき(S1043がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1041(設定変更開始コマンドの送信登録処理)に戻し、S1041以降の処理を繰り返す。
一方、S1043において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1043がYES判定である場合)、メインCPU501は、副制御基板442に送信する設定変更コマンド(開始)の送信登録処理(生成格納処理)を行う(S1044)。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(副制御送信用)に登録(保存)された設定変更コマンド(開始)は、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内の副制御送信処理でメインCPU501(主制御基板441)から副制御基板442に送信される。
次いで、メインCPU501は、設定変更確認処理(開始時)を行う(S1045)。この処理では、メインCPU501は、設定の変更及び/又は確認を行う。具体的には、メインRAM503に格納されている設定(例えば、設定1~設定6)が、遊技情報表示ユニット426aの払出表示用の2桁の7セグLEDに表示され、リセットスイッチ433が押下されると、設定が昇順で更新され、設定する値を表示した状態でスタートレバー422が押下されると設定が確定する。そして、設定キー(不図示)がオフされると、設定変更の操作が終了となり、メインCPU501は、メインRAM503の設定が格納されている領域以外の任意の範囲をクリアする。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443に送信する設定変更終了コマンドの送信登録処理を行う(S1046)。本実施例では、設定変更終了コマンドには、コマンド種別情報、及び、設定を示す設定情報(1バイト:後続データ)がセットされる。
なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に登録(保存)された設定変更終了コマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内のメダル数制御送信処理で主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される。
次いで、メインCPU501は、応答待機処理を行う(S1047)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443に設定変更終了コマンドが送信され、当該コマンドに対するメダル数制御基板443からの何らかの応答があるまで待機する。なお、メダル数制御基板443からの応答の受信処理(監視)は、後述の図67で説明する受信時割込処理(不定期)で行われる。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443からAckコマンドを受信したか否かを判定する(S1048)。
S1048において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信しなかったと判定したとき(S1048がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1046(設定変更終了コマンドの送信登録処理)に戻し、S1046以降の処理を繰り返す。
一方、S1048において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1048がYES判定である場合)、メインCPU501は、副制御基板442に送信する設定変更コマンド(終了)の送信登録処理(生成格納処理)を行う(S1049)。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(副制御送信用)に登録(保存)された設定変更コマンド(終了)は、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内の副制御送信処理でメインCPU501(主制御基板441)から副制御基板442に送信される。そして、S1049の処理後、メインCPU501は、設定変更処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1004の処理に移す。
[10-17-4.遊技開始準備処理]
次に、図60を参照して、メインフロー(図57参照)中のS1004で行う遊技開始準備処理について説明する。なお、図60は、遊技開始準備処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU501は、遊技媒体貸出装置402との接続確認を行うための接続信号であるVL信号がオン状態であるか否かを判定する(S1051)。
S1051において、メインCPU501が、VL信号がオン状態でないと判別したとき(S1051がNO判定である場合)、メインCPU501は、遊技開始準備処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1005の処理に移す。すなわち、遊技開始時にVL信号がオン状態でない場合(遊技媒体貸出装置402との接続が確認できない状況が発生している場合)には、遊技が開始されない。
一方、S1051において、メインCPU501が、VL信号がオン状態であると判定したとき(S1051がYES判定である場合)、メインCPU501は、最大規定数(「3」)の遊技媒体が投入済みであるか否かを判定する(S1052)。
S1052において、メインCPU501が、遊技媒体が最大規定数投入済みであると判定したとき(S1052がYES判定である場合)、メインCPU501は、後述のS1060の処理を行う。
一方、S1052において、メインCPU501が、遊技媒体が最大規定数投入済みでないと判定したとき(S1052がNO判定である場合)、メインCPU501は、MAXベットボタン416が有効であり且つMAXベットボタン416が押下されたか否か(以下、単に「S1053の判定条件」という)を判定する(S1053)。
なお、MAXベットボタン416の押下の有/無は、MAXBETスイッチ416Sのオン/オフ状態に基づいて判別され、MAXBETスイッチ416Sがオン状態である場合に、MAXベットボタン416の押下有りと判定される。また、MAXベットボタン416の有効/無効は、上述した遊技媒体状態機能で検出される第1及び第2制御状態信号で構成された2ビットのデータ(メダル数制御基板443から主制御基板441に出力される遊技媒体状態)に基づいて判別される。例えば、遊技媒体の最大規定数が「3」であり、主制御基板441側で管理されている遊技媒体の現在の投入数が「0」である場合には、第1及び第2制御状態信号で構成される遊技媒体状態が「11B」であれば(メダル数制御基板443に設けられたメダルカウンターの値が「3」以上であるとき)に有効と判定され、その他の遊技媒体状態であれば無効と判定される。また、例えば、遊技媒体の最大規定数が「3」であり、投入数が「1」である場合には、遊技媒体状態が「11B」又は「10B」であれば(メダルカウンターの値が「3」以上又は「2」であるとき)に有効と判定され、その他の遊技媒体状態であれば無効と判定される。
S1053において、メインCPU501が、S1053の判定条件が成立しないと判定したとき(S1053がNO判定である場合)、メインCPU501は、後述のS1060の処理を行う。一方、S1053において、メインCPU501が、S1053の判定条件が成立すると判定したとき(S1053がYES判定である場合)、メインCPU501は、遊技媒体の最大規定数(本実施例では「3」)から現在の遊技媒体の投入数(0~2のいずれか)を差し引いた値を送信回数(3回~1回のいずれか)としてセットする(S1054)。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443に送信する、投入数「1」分のメダル投入要求コマンドの送信登録処理を行う(S1055)。パチスロ401では、メダル投入要求コマンドには、コマンド種別情報、及び、投入数(パチスロ401では「1」に固定:後続データ)がセットされる。すなわち、パチスロ401では、MAXベットボタン416が押下された場合、メダル投入要求コマンドの送信は、S1054でセットされた送信回数行われる。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に登録(保存)されたメダル投入要求コマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内のメダル数制御送信処理で主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される。
次いで、メインCPU501は、応答待機処理を行う(S1056)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443にメダル投入要求コマンドが送信され、当該コマンドに対するメダル数制御基板443からの何らかの応答があるまで待機する。なお、メダル数制御基板443からの応答の受信処理(監視)は、後述の図67で説明する受信時割込処理(不定期)で行われる。また、メダル投入要求コマンドに対するメダル数制御基板443の応答により、Ackコマンドを受信した場合には、メインCPU501は、当該Ackコマンドに付加された投入数(投入カウンターの値)を、主制御基板441で管理する遊技媒体の投入数にセットする。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443からAckコマンドを受信したか否かを判定する(S1057)。
S1057において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信しなかったと判定したとき(S1057がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1055(メダル投入要求コマンドの送信登録処理)に戻し、S1055以降の処理を繰り返す。
一方、S1057において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1057がYES判定である場合)、メインCPU501は、送信回数を1減算する(S1058)。次いで、メインCPU501は、送信回数が「0」であるか否かを判定する(S1059)。
S1059において、メインCPU501が、送信回数が「0」でないと判定したとき(S1059がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1055(メダル投入要求コマンドの送信登録処理)に戻し、S1055以降の処理を繰り返す。一方、S1059において、メインCPU501が、送信回数が「0」であると判定したとき(S1059がYES判定である場合)、メインCPU501は、遊技開始準備処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1005の処理に移す。
ここで、再度、S1052又はS1053の処理に戻って、S1052がYES判定である場合又はS1053がNO判定である場合、メインCPU501は、1ベットボタン417が有効であり且つ1ベットボタン417が押下されたか否か(以下、単に「S1060の判定条件」という)を判定する(S1060)。
なお、1ベットボタン417の押下の有/無は、1BETスイッチ417Sのオン/オフ状態に基づいて判別され、1BETスイッチ417Sがオン状態である場合に、1ベットボタン417の押下有りと判定される。また、1ベットボタン417の有効/無効は、上述した遊技媒体状態機能で検出される第1及び第2制御状態信号で構成される遊技媒体状態に基づいて判別される。例えば、遊技媒体の最大規定数が「3」である場合には、遊技媒体状態が「00B」(メダルカウンターの値が「0」であるとき)であれば無効と判定され、その他の遊技媒体状態であれば有効と判定される。
S1060において、メインCPU501が、S1060の判定条件が成立しないと判定したとき(S1060がNO判定である場合)、メインCPU501は、遊技開始準備処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1005の処理に移す。
一方、S1060において、メインCPU501が、S1060の判定条件が成立すると判定したとき(S1060がYES判定である場合)、メインCPU501は、メダル数制御基板443に送信する、投入数「1」分のメダル投入要求コマンドの送信登録処理を行う(S1061)。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に登録(保存)されたメダル投入要求コマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内のメダル数制御送信処理で主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される。
次いで、メインCPU501は、応答待機処理を行う(S1062)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443にメダル投入要求コマンドが送信され、当該コマンドに対するメダル数制御基板443からの何らかの応答があるまで待機する。なお、メダル数制御基板443からの応答の受信処理(監視)は、後述の図67で説明する受信時割込処理(不定期)で行われる。また、メダル投入要求コマンドに対するメダル数制御基板443の応答により、Ackコマンドを受信した場合には、メインCPU501は、当該Ackコマンドに付加された投入数(投入カウンターの値)を、主制御基板441で管理する遊技媒体の投入数にセットする。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443からAckコマンドを受信したか否かを判定する(S1063)。
S1063において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信しなかったと判定したとき(S1063がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1061(メダル投入要求コマンドの送信登録処理)に戻し、S1061以降の処理を繰り返す。一方、S1063において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1063がYES判定である場合)、メインCPU501は、遊技開始準備処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1005の処理に移す。
[10-17-5.メダル返却処理]
次に、図61を参照して、メインフロー(図57参照)中のS1005で行うメダル返却処理について説明する。なお、図61は、メダル返却処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU501は、返却ボタン420が押下され且つ現在の遊技媒体の投入数が「0」より大きいか否か(以下、単に「S1071の判定条件」という)を判定する(S1071)。なお、返却ボタン420の押下の有/無は、返却スイッチ420Sのオン/オフ状態に基づいて判別され、返却スイッチ420Sがオン状態である場合に、返却ボタン420の押下有りと判定される。
S1071において、メインCPU501が、S1071の判定条件が成立しないと判定したとき(S1071がNO判定である場合)、メインCPU501は、メダル返却処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1006の処理に移す。
一方、S1071において、メインCPU501が、S1071の判定条件が成立すると判定したとき(S1071がYES判定である場合)、メインCPU501は、メダル数制御基板443に送信する、メダル返却要求コマンドの送信登録処理を行う(S1072)。本実施例では、メダル返却要求コマンドには、コマンド種別情報、及び、ベット済みの遊技媒体の投入数(返却数:後続データ)がセットされる。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に登録(保存)されたメダル返却要求コマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内のメダル数制御送信処理で主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される。
次いで、メインCPU501は、応答待機処理を行う(S1073)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443にメダル返却要求コマンドが送信され、当該コマンドに対するメダル数制御基板443からの何らかの応答があるまで待機する。なお、メダル数制御基板443からの応答の受信処理(監視)は、後述の図67で説明する受信時割込処理(不定期)で行われる。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443からAckコマンドを受信したか否かを判定する(S1074)。
S1074において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信しなかったと判定したとき(S1074がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1072(メダル返却要求コマンドの送信登録処理)に戻し、S1072以降の処理を繰り返す。一方、S1074において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1074がYES判定である場合)、メインCPU501は、メダル返却処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1006の処理に移す。
[10-17-6.遊技開始処理]
次に、図62を参照して、メインフロー(図57参照)中のS1006で行う遊技開始処理について説明する。なお、図62は、遊技開始処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU501は、VL信号(接続信号)がオン状態であるか否かを判定する(S1081)。
S1081において、メインCPU501が、VL信号がオン状態でないと判定したとき(S1081がNO判定である場合)、メインCPU501は、遊技開始処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1007の処理に移す。すなわち、遊技開始時にVL信号がオン状態でない場合(遊技媒体貸出装置402との接続が確認できない状況が発生している場合)には、遊技が開始されない。
一方、S1081において、メインCPU501が、VL信号がオン状態であると判定したとき(S1081がYES判定である場合)、メインCPU501は、遊技媒体の投入数が最大規定数(「3」)であるか否かを判定する(S1082)。
S1082において、メインCPU501が、遊技媒体の投入数が最大規定数でないと判定したとき(S1082がNO判定である場合)、メインCPU501は、遊技開始処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1007の処理に移す。
一方、S1082において、メインCPU501が、遊技媒体の投入数が最大規定数であると判定したとき(S1082がYES判定である場合)、メインCPU501は、スタートレバー422が押下されたか否かを判定する(S1083)。なお、スタートレバー422の押下の有/無は、スタートスイッチ422Sのオン/オフ状態に基づいて判別され、スタートスイッチ422Sがオン状態である場合に、スタートレバー422の押下有りと判定される。
S1083において、メインCPU501が、スタートレバー422が押下されていないと判定したとき(S1083がNO判定である場合)、メインCPU501は、遊技開始処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1007の処理に移す。
一方、S1083において、メインCPU501が、スタートレバー422が押下されたと判定したとき(S1083がYES判定である場合)、メインCPU501は、メダル数制御基板443に送信する遊技開始要求コマンドの送信登録処理を行う(S1084)。本実施例では、遊技開始要求コマンドには、コマンド種別情報、及び、RT状態に関する情報(後続データ)がセットされる。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に登録(保存)された遊技開始要求コマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内のメダル数制御送信処理で主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される。
次いで、メインCPU501は、応答待機処理を行う(S1085)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443に遊技開始要求コマンドが送信され、当該コマンドに対するメダル数制御基板443からの何らかの応答があるまで待機する。なお、メダル数制御基板443からの応答の受信処理(監視)は、後述の図67で説明する受信時割込処理(不定期)で行われる。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443(メダル数制御CPU501)からAckコマンドを受信したか否かを判定する(S1086)。
S1086において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信しなかったと判定したとき(S1086がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1084(遊技開始要求コマンドの送信登録処理)に戻し、S1084以降の処理を繰り返す。一方、S1086において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1086がYES判定である場合)、メインCPU501は、遊技開始処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1007の処理に移す。
[10-17-7.遊技終了処理]
次に、図63を参照して、メインフロー(図57参照)中のS1009で行う遊技終了処理について説明する。なお、図63は、遊技終了処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU501は、第3停止されたリールに対応するストップボタン(ストップスイッチ)のオフエッジを検出したか否か(第3停止されたリールに対応するストップボタン423L,423C,423Rのいずれかから遊技者の指が離れたか否か)を判定する(S1091)。S1091において、メインCPU501が、第3停止されたリールに対応するストップボタンのオフエッジを検出していないと判定したとき(S1091がNO判定である場合)、メインCPU501は、S1091の判定処理を繰り返す。
一方、S1091において、メインCPU501が、第3停止されたリールに対応するストップボタンのオフエッジを検出したと判定したとき(S1091がYES判定である場合)、メインCPU501は、入賞判定処理を行う(S1092)。この処理では、メインCPU501は、成立役(入賞役)を特定し、成立役(入賞役)から遊技媒体の払出数等を決定する。
次いで、メインCPU501は、遊技状態更新処理を行う(S1093)。この処理では、メインCPU501は、当該ゲームで決定された内部当籤役及び成立役や、現在の遊技状態及びRT状態などから、次ゲーム以降の遊技状態及びRT状態の維持、又は、移行処理を行う。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443に送信する遊技終了要求コマンドの送信登録処理を行う(S1094)。本実施例では、遊技終了要求コマンドには、コマンド種別情報、及び、遊技状態に関する情報(後続データ)がセットされる。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に登録(保存)された遊技終了要求コマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内のメダル数制御送信処理で主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される。
次いで、メインCPU501は、応答待機処理を行う(S1095)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443に遊技終了要求コマンドが送信され、当該コマンドに対するメダル数制御基板443からの何らかの応答があるまで待機する。なお、メダル数制御基板443からの応答の受信処理(監視)は、後述の図67で説明する受信時割込処理(不定期)で行われる。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443からAckコマンドを受信したか否かを判定する(S1096)。
S1096において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信しなかったと判定したとき(S1096がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1094(遊技終了要求コマンドの送信登録処理)に戻し、S1094以降の処理を繰り返す。一方、S1096において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1096がYES判定である場合)、メインCPU501は、遊技終了処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1010の処理に移す。
[10-17-8.遊技メダル払出処理]
次に、図64を参照して、メインフロー(図57参照)中のS1010で行う遊技メダル払出処理について説明する。なお、図64は、遊技メダル払出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU501は、メダル数制御基板443に送信するメダル払出要求コマンドの送信登録処理を行う(S1101)。本実施例では、メダル払出要求コマンドには、コマンド種別情報、及び、払出数に関する情報(払出無しのときには「0」:後続データ)がセットされる。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に登録(保存)されたメダル払出要求コマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内のメダル数制御送信処理で主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される。
次いで、メインCPU501は、応答待機処理を行う(S1102)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443にメダル払出要求コマンドが送信され、当該コマンドに対するメダル数制御基板443からの何らかの応答があるまで待機する。なお、メダル数制御基板443からの応答の受信処理(監視)は、後述の図67で説明する受信時割込処理(不定期)で行われる。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443からAckコマンドを受信したか否かを判定する(S1103)。S1103において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1103がYES判定である場合)、メインCPU501は、遊技メダル払出処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1004の処理に移す。
一方、S1103において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信しなかったと判定したとき(S1103がNO判定である場合)、メインCPU501は、上限超過エラーが発生したか否かを判定する(S1104)。パチスロ401では、メダル数制御基板443側で管理されるメダルカウンターの値に払出数を加算したときに、その加算値が上述の第1上限値(パチスロ401では「16369」、第1の閾値)を超える場合、メダルカウンターの値に払出数を加算せずに、メダル数制御基板443から主制御基板441に、上限超過エラーコードが付加されたNackコマンドが、メダル払出要求コマンドに対する応答として送信される。そして、S1104の処理では、メインCPU501は、Nackコマンドを受信し、且つ、受信したコマンドに上限超過エラーコード(後続データ)が付加されていれば、上限超過エラーが発生したと判定し、S1104の判定処理はYES判定となり、それ以外の場合でAckコマンドを受信できなかったときには、S1104の判定処理はNO判定となる。
S1104において、メインCPU501が、上限超過エラーが発生していると判定したとき(S1104がYES判定である場合)、メインCPU501は、上限超過エラーに対応した特定のエラー処理を行う(S1105)。
なお、S1105の特定のエラー処理(超過エラー登録)の具体的な内容は次の通りである。まず、メインCPU501は、遊技情報表示ユニット426aの払出表示用の2桁の7セグLEDによるエラー表示処理、及び、副制御基板442に送信するエラーコマンド(上限超過エラー発生を示す情報を含む)の送信登録処理(生成格納処理)を行う。次いで、メインCPU501は、上述した遊技媒体状態機能によりメダル数制御基板443から主制御基板441にGPIOで入力されている遊技媒体状態(第1及び第2制御状態信号で構成された2ビットデータ)が「00B」になるまで(貯留数分の遊技媒体の払出が終了するまで)待機し、遊技媒体状態が「00B」となれば、エラー解除と判断する。そして、メインCPU501は、遊技情報表示ユニット426aの払出表示用の2桁の7セグLEDによるエラー表示を解除して、エラー発生前の表示内容に戻し、副制御基板442に送信するエラーコマンド(発生中のエラー解除を示す情報を含む)の送信登録処理(生成格納処理)を行い、エラー処理を終了する。なお、このエラー処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(副制御送信用)に登録(保存)されたエラーコマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内の副制御送信処理で主制御基板441から副制御基板442に送信される。また、本実施例では、遊技媒体状態が「00B」となるまで、すなわち、上限超過エラーが解除されるまで、遊技の進行は停止され、遊技媒体状態が「00B」となれば、上限超過エラーが解除され、遊技が再開される。
そして、S1105の処理後、メインCPU501は、処理をS1101(メダル払出要求コマンドの送信登録処理)に戻し、S1101以降の処理を繰り返す。
一方、S1104において、メインCPU501が、上限超過エラーが発生していないと判定したとき(S1104がNO判定である場合)、メインCPU501は、上限超過予告エラーが発生したか否かを判定する(S1106)。本実施例では、メダル数制御基板443側で管理されるメダルカウンターの値に払出数を加算したときに、その加算値が第2上限値(第1上限値未満の値:例えば「15000」、第2の閾値)を超える場合、メダルカウンターの値に払出数を加算するが、メダル数制御基板443から主制御基板441に、上限超過予告エラーコードが付加されたNackコマンドが、メダル払出要求コマンドに対する応答として送信される。そして、S1106の処理では、メインCPU501は、Nackコマンドを受信し、且つ、受信したコマンドに上限超過予告エラーコード(後続データ)が付加されていれば、上限超過予告エラーが発生したと判定し、S1106の判定処理はYES判定となり、それ以外の場合でAckコマンドを受信できなかったときには、S1106の判定処理はNO判定となる。
S1106において、メインCPU501が、上限超過予告エラーが発生していないと判定したとき(S1106がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1101(メダル払出要求コマンドの送信登録処理)に戻し、S1101以降の処理を繰り返す。
一方、S1106において、メインCPU501が、上限超過予告エラーが発生したと判定したとき(S1106がYES判定である場合)、メインCPU501は、上限超過予告エラーに対応した所定のエラー処理を行う(S1107)。
S1107の所定のエラー処理(超過予告エラー登録)では、メインCPU501は、副制御基板442に送信するエラーコマンド(上限超過予告エラー発生を示す情報を含む)の送信登録処理(生成格納処理)を行う。この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(副制御送信用)に登録(保存)されたエラーコマンドは、後述の図65で説明する定周期割込処理(1.1172msec周期)内の副制御送信処理で主制御基板441から副制御基板442に送信される。また、本実施例では、上限超過予告エラーが発生した場合、遊技の進行は停止されない。なお、上限超過予告エラーが発生した場合には、メインCPU501は、遊技情報表示ユニット426aの払出表示用の2桁の7セグLEDによるエラー表示処理を行い、当該エラーが発生したことが報知されるようにしてもよい。この場合、エラーコマンド(上限超過予告エラー発生を示す情報を含む)を受信した副制御基板442は、実行中の演出を中断して、通常のエラー報知を行うか、又は、実行中の演出を維持したまま、上限超過予告エラーが発生した旨を報知する。後者の場合、実行中の演出を阻害しないように、例えば、表示装置413の表示画面内の右上に精算を促すメッセージ等の表示を行う。
そして、S1107の処理後、メインCPU501は、遊技メダル払出処理を終了し、処理をメインフロー(図57参照)のS1004の処理に移す。
[10-17-9.メインCPUの制御による定周期割込処理(1.1172msec)]
次に、図65を参照して、1.1172msec周期で、メインCPU501が行う定周期割込処理について説明する。なお、図65は、メインCPU501により行われる定周期割込処理の手順を示すフローチャートである。
1.1172msec周期で繰り返し実行されるこの割込処理は、タイマー回路513(PTC)の初期化処理(図58中のS1021参照)で設定されたタイマー回路513のタイムアウト信号の出力タイミングに基づいて発生する、割込みコントローラ512からの割込要求信号がメインCPU501に入力された際に実行される。
まず、メインCPU501は、ポート入出力処理を行う(S1111)。この処理では、主制御基板441の外部(メダル数制御基板443、各種スイッチ等)と接続される、入力ポートに対するポート入力処理、及び、出力ポートに対するポート出力処理が行われる。
次いで、メインCPU501は、リール制御処理を行う(S1112)。この処理では、メインCPU501は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール412L、中リール412C及び右リール412Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、メインCPU501は、該当するリールの図柄カウンターを滑り駒数分だけ更新する。そして、メインCPU501は、更新された図柄カウンターが停止予定位置に対応する値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の有効ライン上の領域に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速及び停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。
次いで、メインCPU501は、メダル数クリアチェック処理を行う(S1113)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443へ送信するクリアチェック要求コマンドの送信登録処理、メダル数クリアスイッチ443aが電源投入時に押下されているか否かのチェック処理、メダル数クリア処理の開始時及び終了時に副制御基板442に送信するコマンドの送信登録処理等を行う。本実施例では、メダル数クリアチェック処理を、メインフロー(図57参照)で行わず、メインCPU501による定周期割込処理で行うが、これは、メダル数クリアチェック処理をメインフローにおいて電源投入時に行った場合(例えば、電源投入時処理(S1001)内で行った場合)には、設定変更処理(図57中のS1003)が行えなくなる可能性があるため、すなわち、設定変更処理とメダル数クリアチェック処理とを同時に行うことができなくなるためである。なお、メダル数クリアチェック処理の詳細については、後述の図66を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU501は、副制御送信処理(副制御基板442への通信データ送信処理)を行う(S1114)。この処理では、メインCPU501は、メインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(副制御送信用)に格納された各種コマンドをシリアル通信回路514中の通信回路SCU1~3のいずれか(図43参照)を介して副制御基板442に送信する。また、メインCPU501は、副制御基板442にコマンドを送信した後、通信データポインタを1パケット分減算更新し(不図示)、通信データ格納領域(副制御送信用)の送信済みのコマンドデータをクリアする。なお、通信データ格納領域(副制御送信用)に複数のコマンドデータが格納されている場合には、メインCPU501は、格納された古い順で、コマンドデータを副制御基板442に送信する。また、通信データ格納領域(副制御送信用)にコマンドデータが格納されていない場合には、メインCPU501は、無操作コマンドを生成して副制御基板442に送信する。
無操作コマンドの生成時には、ポート入出力処理により入力ポートから入力した入力ポートの状態、及び、出力ポートから出力した出力ポートの状態が付加されて、無操作コマンドのデータが生成される。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御送信処理(メダル数制御基板443への通信データ送信処理)を行う(S1115)。この処理では、メインCPU501は、メインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に格納された各種コマンドをシリアル通信回路514中の通信回路SCU0(図43参照)を介してメダル数制御基板443に送信する。また、メインCPU501は、メダル数制御基板443にコマンドを送信した後、通信データポインタを1パケット分減算更新し(不図示)、通信データ格納領域(メダル数制御送信用)の送信済みのコマンドデータをクリアする。
次いで、メインCPU501は、7セグLED駆動処理を行う(S1116)。この処理では、メインCPU501は、パチスロ401に設けられた各種7セグLEDの駆動制御を行う。例えば、メインCPU501は、遊技情報表示ユニット426aの7セグLED及び「START」等のラインLED、遊技媒体の払出数、貯留数、投入数、ストップボタンの押し順データなどを表示する7セグLED、並びに、役比モニター454を構成する4桁の7セグLEDの動作を制御する。
次いで、メインCPU501は、タイマー更新処理を行う(S1117)。この処理では、メインCPU501は、セットされた各種タイマーのカウント(減算)処理を行う。そして、S1117の処理後、メインCPU501は、定周期割込処理を終了する。
[10-17-10.メダル数クリアチェック処理]
次に、図66を参照して、メインCPU501により行われる定周期割込処理(図65参照)中のS1113で行うメダル数クリアチェック処理について説明する。なお、図66は、メダル数クリアチェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU501は、メダル数クリアチェック済みであるか否かを判定する(S1121)。この処理では、メインCPU501は、メダル数制御基板443に実装されたメダル数クリアスイッチ443aが電源投入時に押下されたことを示すメダル数クリアチェック済みの情報(例えば、フラグやパラメータなど)を参照する。なお、パチスロ401では、電源投入時にメダル数クリアスイッチ443aが押下されてメダル数のクリア処理が終了した場合、及び、電源投入時にメダル数クリアスイッチ443aが押下されなかった場合(メダル数クリアスイッチ443aを押下せずに起動した場合)に、メダル数クリアチェック済みがセットされる(後述のS1131参照)。
S1121において、メインCPU501が、メダル数クリアチェック済みであると判定したとき(S1121がYES判定である場合)、メインCPU501は、メダル数クリアチェック処理を終了し、処理を定周期割込処理(図65参照)のS1114の処理に移す。
一方、S1121において、メインCPU501が、メダル数クリアチェック済みでないと判定したとき(S1121がNO判定である場合)、メインCPU501は、返信待ちフラグがオン状態であるか否かを判定する(S1122)。なお、返信待ちフラグは、主制御基板441が、メダル数制御基板443に送信したクリアチェック要求コマンドに対するメダル数制御基板443からの応答信号(返信)の受信待ち状態であるか否か示すフラグである。そして、主制御基板441がクリアチェック要求コマンドに対するメダル数制御基板443からの応答信号の受信待ち状態である場合には、返信待ちフラグがオン状態にセットされ、当該応答信号が主制御基板441で受信された場合には、返信待ちフラグがオフ状態にセットされる。
S1122において、メインCPU501が、返信待ちフラグがオン状態であると判定したとき(S1122がYES判定である場合)、メインCPU501は、後述のS1125の処理を行う。
一方、S1122において、メインCPU501が、返信待ちフラグがオン状態でないと判定したとき(S1122がNO判定である場合)、メインCPU501は、メダル数制御基板443に送信するクリアチェック要求コマンドの送信登録処理(生成格納処理)を行う(S1123)。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(メダル数制御送信用)に登録(保存)されたクリアチェック要求コマンドは、図65で説明した定周期割込処理(1.1172msec周期)内のメダル数制御送信処理(S1115)で主制御基板441からメダル数制御基板443に送信される。
次いで、メインCPU501は、返信待ちフラグをオン状態にセットする(S1124)。なお、返信待ちフラグはメインRAM503内の所定の格納領域に格納される。そして、S1124の処理後、メインCPU501は、メダル数クリアチェック処理を終了し、処理を定周期割込処理(図65参照)のS1114の処理に移す。
また、S1122がYES判定である場合、メインCPU501は、メダル数制御基板443からのAckコマンドを受信したか否かを判定する(S1125)。S1125において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信していないと判定したとき(S1125がNO判定である場合)、メインCPU501は、処理をS1123に戻し、S1123以降の処理を行う。
一方、S1125において、メインCPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1125がYES判定である場合)、メインCPU501は、メダル数(貯留数)のクリア開始であるか否かを判定する(S1126)。この判定は、受信したAckコマンド(クリアチェック要求コマンドに対する返信)に付加された後続データ(パラメータ)に基づいて行われる。
クリアチェック要求コマンドに対してメダル数制御基板443から返信されるAckコマンドには、メダル数クリアスイッチ443aの状態を示すパラメータが付加される。電源投入時に、メダル数クリアスイッチ443aが押下されてオン状態であれば、Ackコマンドにはクリア開始を示すパラメータ(本実施例では「1」)が付加される。また、メダル数クリアスイッチ443aが押下され、メダルカウンターの値(貯留数)がクリアされた後に、メダル数クリアスイッチ443aがオフ状態であれば、Ackコマンドにはクリア終了を示すパラメータ(本実施例では「2」)が付加される。なお、電源投入時にメダル数クリアスイッチ443aがオフ状態であれば(メダル数クリアスイッチ443aが押下されずに起動した場合)、Ackコマンドにはメダル数クリアスイッチ443aの押下無しを示すパラメータ(本実施例では「0」)が付加される。それゆえ、メインCPU501は、クリアチェック要求コマンドに対してメダル数制御基板443から返信されるAckコマンドに付加されたパラメータを参照することにより、電源投入時にメダル数クリアスイッチ443aが押下されているか否かを判別することができる。
S1126において、メインCPU501が、メダル数のクリア開始でないと判定したとき(S1126がNO判定である場合)、メインCPU501は、後述のS1129の処理を行う。
一方、S1126において、メインCPU501が、メダル数のクリア開始であると判定したとき(S1126がYES判定である場合:Ackコマンドに付加されたパラメータ=「1」)、メインCPU501は、副制御基板442に送信するメダル数クリア開始コマンド(所定の情報)の送信登録処理(生成格納処理)を行う(S1127)。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(副制御送信用)に登録(保存)されたメダル数クリア開始コマンドは、図65で説明した定周期割込処理(1.1172msec周期)内の副制御送信処理(S1114)で主制御基板441から副制御基板442に送信される。
次いで、メインCPU501は、返信待ちフラグをオフ状態にセットする(S1128)。そして、S1128の処理後、メインCPU501は、メダル数クリアチェック処理を終了し、処理を定周期割込処理(図65参照)のS1114の処理に移す。
また、S1126がNO判定である場合、メインCPU501は、メダル数(貯留数)のクリア終了であるか否かを判定する(S1129)。この判定は、受信したAckコマンド(クリアチェック要求コマンドに対する返信)に付加されたパラメータ(後続データ)に基づいて行われる。
S1129において、メインCPU501が、メダル数のクリア終了でないと判定したとき(S1129がNO判定である場合:Ackコマンドに付加されたパラメータ=「0」)、メインCPU501は、後述のS1131の処理を行う。
一方、S1129において、メインCPU501が、メダル数のクリア終了であると判定したとき(S1129がYES判定である場合:Ackコマンドに付加されたパラメータ=「2」)、メインCPU501は、副制御基板442に送信するメダル数クリア終了コマンド(特定の情報)の送信登録処理(生成格納処理)を行う(S1130)。なお、この処理でメインRAM503内の図示しない通信データ格納領域(副制御送信用)に登録(保存)されたメダル数クリア終了コマンドは、図65で説明した定周期割込処理(1.1172msec周期)内の副制御送信処理(S1114)で主制御基板441から副制御基板442に送信される。
S1130の処理後、又は、S1129がNO判定である場合、メインCPU501は、メダル数クリアチェック済みをセットする(S1131)。具体的には、メインCPU501は、メダル数クリアチェック済みを示す情報(例えば、フラグやパラメータなど)をメインRAM503内の所定の格納領域に保存(記憶)する。なお、メダル数クリアチェック済みを示す情報のクリア処理は、図58に示す電源投入時処理中のS1021の初期化処理で行われる。そして、S1131の処理後、メインCPU501は、メダル数クリアチェック処理を終了し、処理を定周期割込処理(図65参照)のS1114の処理に移す。
[10-17-11.メインCPUの制御による受信割込処理]
次に、図67を参照して、シリアル通信回路514中の通信回路SCU0(図43参照)を介して、メインCPU501がメダル数制御基板443からコマンドデータを受信した際(不定期)に行う受信時割込処理について説明する。なお、図67は、メインCPU501により行われる受信時割込処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU501は、メダル数制御基板443から受信したコマンドデータに付加された受信データ(例えば、投入数、上限超過エラーコード等の後続データ)をメインRAM503内に設けられた受信データ格納領域(不図示)に格納する(S1141)。
次いで、メインCPU501は、メダル数制御基板443から受信したコマンドデータの受信ステータス(受信したコマンドデータにパリティエラー、フレーミングエラー等の異常があるか否かを示す状態(ステータス)情報)をメインRAM503内に設けられた受信ステータス格納領域(不図示)に格納する(S1142)。そして、S1142の処理後、メインCPU501は、受信時割込処理を終了する。
[10-18.メダル数制御基板(メダル数制御用マイクロプロセッサ)の動作説明]
次に、図68~図81を参照して、メダル数制御基板443(メダル数制御用マイクロプロセッサ460)のメダル数制御CPU501(図43で説明したマイクロプロセッサMPが備えるCPU501)が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
[10-18-1.電源投入時処理(メダル数制御)]
最初に、メダル数制御CPU501により行われる電源投入時処理(メダル数制御)の手順を、図68に示すフローチャート(以下、「メダル数制御フロー」という)を参照しながら説明する。
まず、メダル数制御CPU501は、初期化処理を行う(S1201)。この処理では、メダル数制御CPU501は、メダル数制御CPU501のデバイス設定等の初期化を行う。また、この処理では、タイマー回路513や、シリアル通信回路514(SCU0~3)の初期化も行われる。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダル数クリアスイッチチェック処理を行う(S1202)。この処理では、メダル数制御CPU501は、電源投入時におけるメダル数クリアスイッチ443aの状態(オン/オフ状態)のチェック処理、当該状態の情報が付加されたAckコマン(主制御基板441から受信したクリアチェック要求コマンドに対する応答)の送信登録処理、等を行う。なお、メダル数クリアスイッチチェック処理の詳細については、後述の図69を参照しながら後で説明する。
次いで、メダル数制御CPU501は、周辺機器接続確認処理を行う(S1203)。この処理では、メダル数制御CPU501は、起動時における遊技媒体貸出装置402との接続状態の確認処理を行う。なお、周辺機器接続確認処理の詳細については、後述の図70を参照しながら後で説明する。
次いで、メダル数制御CPU501は、起動コマンド受信時処理を行う(S1204)。この処理では、メダル数制御CPU501は、主に、主制御基板441から送信される起動確認コマンドを受信し、該コマンドに対する応答コマンド(Ackコマンド又はNackコマンド)の送信登録処理を行う。なお、起動コマンド受信時処理の詳細については、後述の図71を参照しながら後で説明する。
次いで、メダル数制御CPU501は、周辺機器識別コード送信処理を行う(S1205)。この処理では、メダル数制御CPU501は、周辺機器(遊技媒体貸出装置402等)に送信する、主制御用マイクロプロセッサ450又はメダル数制御用マイクロプロセッサ460のチップ個別ナンバーの送信登録処理を行う。周辺機器識別コード送信処理の詳細については、後述の図72を参照しながら後で説明する。なお、上述したS1201~S1205の処理は、電源投入時に1回だけ行われる。
次いで、メダル数制御CPU501は、設定変更受信時処理を行う(S1206)。この処理では、メダル数制御CPU501は、主に、主制御基板441から送信される設定変更コマンド(設定変更開始コマンド又は設定変更終了コマンド)を受信した際に、該コマンドに対する応答コマンド(Ackコマンド又はNackコマンド)の送信登録処理を行う。なお、設定変更受信時処理の詳細については、後述の図73を参照しながら後で説明する。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダル投入要求コマンド受信時処理を行う(S1207)。この処理では、メダル数制御CPU501は、主に、主制御基板441から送信されるメダル投入要求コマンドを受信した際に、該コマンドに対する応答コマンド(Ackコマンド又はNackコマンド)の送信登録処理を行う。なお、メダル投入要求コマンド受信時処理については、後述の図74を参照しながら後で説明する。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダル返却要求コマンド受信時処理を行う(S1208)。この処理では、メダル数制御CPU501は、主に、主制御基板441から送信されるメダル返却要求コマンドを受信した際に、該コマンドに対する応答コマンド(Ackコマンド又はNackコマンド)の送信登録処理を行う。なお、メダル返却要求コマンド受信時処理については、後述の図75を参照しながら後で説明する。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダル払出要求コマンド受信時処理を行う(S1209)。この処理では、メダル数制御CPU501は、主に、主制御基板441から送信されるメダル払出要求コマンドを受信した際に、該コマンドに対する応答コマンド(Ackコマンド又はNackコマンド)の送信登録処理を行う。なお、メダル払出要求コマンド受信時処理については、後述の図76を参照しながら後で説明する。
次いで、メダル数制御CPU501は、精算スイッチ押下時処理を行う(S1210)。この処理では、メダル数制御CPU501は、主に、周辺機器(遊技媒体貸出装置402等)に送信する、遊技媒体の払出数の送信登録処理を行う。なお、精算スイッチ押下時処理については、後述の図77を参照しながら後で説明する。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダル貸出指示受信時処理を行う(S1211)。この処理では、メダル数制御CPU501は、主に、遊技媒体貸出装置402から入力されるメダル貸出指示コマンド(貸出ボタン419の押下情報)を受信した際に、該コマンドに対する応答コマンド(Ackコマンド又はNackコマンド)の送信登録処理を行う。なお、メダル貸出指示受信時処理については、後述の図78を参照しながら後で説明する。
そして、S1211の処理後、メダル数制御CPU501は、処理をS1206(設定変更受信時処理)に戻し、S1206以降の処理を繰り返す。
[10-18-2.メダル数クリアスイッチチェック処理(メダル数制御)]
次に、図69を参照して、メダル数制御フロー(図68参照)中のS1202で行うメダル数クリアスイッチチェック処理について説明する。なお、図69は、メダル数クリアスイッチチェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、メダル数クリアスイッチ443aがオン状態であるか否かを判定する(S1221)。この処理では、メダル数制御CPU501は、メダル数クリアスイッチ443aから出力される検出信号に基づいて、メダル数クリアスイッチ443aのオン/オフ状態を判別する。
S1221において、メダル数制御CPU501が、メダル数クリアスイッチ443aがオン状態でないと判定したとき(S1221がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、後述のS1228の処理を行う。
一方、S1221において、メダル数制御CPU501が、メダル数クリアスイッチ443aがオン状態であると判定したとき(S1221がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、主制御基板441からのクリアチェック要求コマンドを受信したか否かを判定する(S1222)。S1222において、メダル数制御CPU501が、クリアチェック要求コマンドを受信していないと判定したとき(S1222がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、S1222の処理を繰り返す。
一方、S1222において、メダル数制御CPU501が、クリアチェック要求コマンドを受信したと判定したとき(S1222がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダルカウンターの値をクリア(0)する(S1223)。
次いで、メダル数制御CPU501は、クリアチェック要求コマンドに対するAckコマンドの送信登録処理(生成格納処理)を行う(S1224)。この処理では、メダル数制御CPU501は、Ackコマンドに、メダルカウンターのクリア開始を示すパラメータ(「1」)を付加(セット)する。また、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたAckコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダル数クリアスイッチ443aがオフ状態であるか否かを判定する(S1225)。S1225において、メダル数制御CPU501が、メダル数クリアスイッチ443aがオフ状態でないと判定したとき(S1225がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、S1225の処理を繰り返す。
一方、S1225において、メダル数制御CPU501が、メダル数クリアスイッチ443aがオフ状態であると判定したとき(S1225がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、主制御基板441からのクリアチェック要求コマンドを受信したか否かを判定する(S1226)。S1226において、メダル数制御CPU501が、クリアチェック要求コマンドを受信していないと判定したとき(S1226がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、S1226の処理を繰り返す。
一方、S1226において、メダル数制御CPU501が、クリアチェック要求コマンドを受信したと判定したとき(S1226がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、クリアチェック要求コマンドに対するAckコマンドの送信登録処理(生成格納処理)を行う(S1227)。この処理では、メダル数制御CPU501は、Ackコマンドに、メダルカウンターのクリア終了を示すパラメータ(「2」)を付加(セット)する。また、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたAckコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。そして、S1227の処理後、メダル数制御CPU501は、メダル数クリアスイッチチェック処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)中のS1203の処理に移す。
ここで、再度、S1221の処理に戻って、S1221がNO判定である場合、メダル数制御CPU501は、主制御基板441からのクリアチェック要求コマンドを受信したか否かを判定する(S1228)。S1228において、メダル数制御CPU501が、クリアチェック要求コマンドを受信していないと判定したとき(S1228がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、S1228の処理を繰り返す。
一方、S1228において、メダル数制御CPU501が、クリアチェック要求コマンドを受信したと判定したとき(S1228がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、クリアチェック要求コマンドに対するAckコマンドの送信登録処理(生成格納処理)を行う(S1229)。この処理では、メダル数制御CPU501は、Ackコマンドに、電源投入時にメダル数クリアスイッチ443aが押下されていないことを示すパラメータ(「0」)を付加(セット)する。また、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたAckコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。そして、S1229の処理後、メダル数制御CPU501は、メダル数クリアスイッチチェック処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)中のS1203の処理に移す。
[10-18-3.周辺機器接続確認処理(メダル数制御)]
次に、図70を参照して、メダル数制御フロー(図68参照)中のS1203で行う周辺機器接続確認処理について説明する。なお、図70は、周辺機器接続確認処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に出力する、PRDY信号(STB信号)の出力ポート、及び、EXS信号(データ信号)の出力ポートをオン状態にセットする(S1231)。
次いで、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443に入力される、BRDY信号(STB信号)の入力ポート、又は、BRQ信号(データ信号)の入力ポートがオン状態であるか否かを判定する(S1232)。
S1232において、メダル数制御CPU501が、監視対象の入力ポート(BRDY信号の入力ポート、又は、BRQ信号の入力ポート)の状態がオン状態でないと判定したとき(S1232がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、S1232の判定処理がYES判定となるまで(監視対象の入力ポートの状態がオン状態になるまで)、S1232の判定処理を繰り返す。
一方、S1232において、メダル数制御CPU501が、監視対象の入力ポート(BRDY信号の入力ポート、又は、BRQ信号の入力ポート)の状態がオン状態であると判定したとき(S1232がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、監視対象の入力ポート(BRDY信号の入力ポート、又は、BRQ信号の入力ポート)のオン状態が所定期間(200msec以上)維持されているか否かを判定する(S1233)。
S1233において、メダル数制御CPU501が、監視対象の入力ポート(BRDY信号の入力ポート、又は、BRQ信号の入力ポート)のオン状態が所定期間維持されていないと判定したとき(S1233がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、S1233の判定処理がYES判定となるまで(監視対象の入力ポートのオン状態が所定期間維持されるまで)、S1233の判定処理を繰り返す。
一方、S1233において、メダル数制御CPU501が、監視対象の入力ポート(BRDY信号の入力ポート、又は、BRQ信号の入力ポート)のオン状態が所定期間維持されていると判定したとき(S1233がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、周辺機器接続確認処理を終了し、メダル数処理を制御フロー(図68参照)のS1204の処理に移す。
上述のように、本実施例の遊技システム400では、起動時に、何らかの原因で、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の接続状態に異常が発生し、両者間の接続が確認できない場合又は両者間の接続状態が安定しない場合には、S1232又はS1233の判定処理の結果がNO判定となり、S1232又はS1233の処理が繰り返される。それゆえ、このような状況が発生した場合には、周辺機器接続確認処理以降の処理(図68中のS1203以降の処理)が行われず、遊技も開始されない。
[10-18-4.起動コマンド受信時処理(メダル数制御)]
次に、図71を参照して、メダル数制御フロー(図68参照)中のS1204で行う起動コマンド受信時処理について説明する。なお、図71は、起動コマンド受信時処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、応答待機処理を行う(S1241)。この処理では、メダル数制御CPU501は、主制御基板441からコマンド等のデータを受信するまで待機する。なお、主制御基板441からのコマンド等のデータの受信処理は、メダル数制御CPU501により実行される後述の主制御受信時割込処理(不定期:後述の図81参照)で行われる。
次いで、メダル数制御CPU501は、起動確認コマンドを受信したか否かを判定する(S1242)。
S1242において、メダル数制御CPU501が、起動確認コマンドを受信しなかったと判定したとき(S1242がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、Nackコマンド(非了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1243)。なお、この判定処理において、「起動確認コマンドを受信しなかった」場合とは、メダル数制御CPU501が起動確認コマンド以外のコマンドを受信した場合、又は、受信エラー(例えば、パリティエラー、フレーミングエラー等)が発生した場合である。また、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたNackコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。
そして、S1243の処理後、メダル数制御CPU501は、処理をS1241(応答待機処理)に戻し、S1241以降の処理を繰り返す。
一方、S1242において、メダル数制御CPU501が、起動確認コマンドを受信したと判定したとき(S1242がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、Ackコマンド(了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1244)。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたAckコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。
S1244の処理後、メダル数制御CPU501は、起動確認コマンドに付加された主制御用マイクロプロセッサ450のチップ個別ナンバーの1バイト分のデータ(後続データ)をメダル数制御RAM503内の主個別ナンバー格納領域(不図示)に格納する(S1245)。
次いで、メダル数制御CPU501は、チップ個別ナンバーの4バイト分のデータ(チップ個別ナンバーの全データ)の受信が完了したか否かを判定する(S1246)。
S1246において、メダル数制御CPU501が、チップ個別ナンバーの4バイト分のデータの受信が完了していないと判定したとき(S1246がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、処理をS1241(応答待機処理)に戻し、S1241以降の処理を繰り返す。一方、S1246において、メダル数制御CPU501が、チップ個別ナンバーの4バイト分のデータの受信が完了したと判定したとき(S1246がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、起動コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1205の処理に移す。
[10-18-5.周辺機器識別コード送信処理(メダル数制御)]
次に、図72を参照して、メダル数制御フロー(図68参照)中のS1205で行う周辺機器識別コード送信処理について説明する。なお、図72は、周辺機器識別コード送信処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、固有情報509に格納されたメダル数制御用マイクロプロセッサ460のチップ個別ナンバーのデータ(4バイト)をメダル数制御RAM503内の払出個別ナンバー格納領域(不図示)に格納する(S1251)。
次いで、メダル数制御CPU501は、周辺機器に送信するチップ個別ナンバーが主制御用マイクロプロセッサ450のチップ個別ナンバーであるか否かを判定する(S1252)。
S1252において、メダル数制御CPU501が、周辺機器に送信するチップ個別ナンバーが主制御用マイクロプロセッサ450のチップ個別ナンバーであると判定したとき(S1252がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、主制御用マイクロプロセッサ450のチップ個別ナンバーを構成する1バイト分のデータの送信登録処理を行う(S1253)。そして、S1253の処理後、メダル数制御CPU501は、後述のS1255の処理を行う。
一方、S1252において、メダル数制御CPU501が、周辺機器に送信するチップ個別ナンバーが主制御用マイクロプロセッサ450のチップ個別ナンバーでないと判定したとき(S1252がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダル数制御用マイクロプロセッサ460のチップ個別ナンバーを構成する1バイト分のデータの送信登録処理を行う(S1254)。なお、本実施例では、チップ個別ナンバーの1バイト分のデータ送信処理を4回繰り返すが、S1253又はS1254の送信登録処理毎に登録される1バイト分のデータは互いに重複しないように設定される。
そして、S1253又はS1254の処理後、メダル数制御CPU501は、登録されたチップ個別ナンバーの1バイト分のデータの送信処理が終了するまで待機する(S1255)。なお、S1253又はS1254の処理において、メダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(周辺機器送信用)に登録(保存)されたデータ(チップ個別ナンバーの1バイト分のデータ)は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器送信処理でメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に送信される。
次いで、メダル数制御CPU501は、チップ個別ナンバーの4バイト分のデータ(チップ個別ナンバーの全データ)の送信が完了したか否かを判定する(S1256)。
S1256において、メダル数制御CPU501が、チップ個別ナンバーの4バイト分のデータの送信が完了していないと判定したとき(S1256がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、処理をS1252に戻し、S1252以降の処理を繰り返す。一方、S1256において、メダル数制御CPU501が、チップ個別ナンバーの4バイト分のデータの送信が完了したと判定したとき(S1256がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、周辺機器識別コード送信処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1206の処理に移す。
なお、図示しないが、主制御用マイクロプロセッサ450のチップ個別ナンバー、及び、メダル数制御用マイクロプロセッサ460のチップ個別ナンバーのどちらを周辺機器に送信するかを示す情報は、メダル数制御ROM502内に格納されている。それゆえ、遊技システム400の仕様に応じて送信するチップ個別ナンバーを任意に変更することができる。
[10-18-6.設定変更受信時処理(メダル数制御)]
次に、図73を参照して、メダル数制御フロー(図68参照)中のS1206で行う設定変更受信時処理について説明する。なお、図73は、設定変更受信時処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、主制御基板441から設定変更開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1261)。なお、主制御基板441からの設定変更開始コマンドの受信処理は、メダル数制御CPU501により実行される後述の主制御受信時割込処理(後述の図81参照)で行われる。
S1261において、メダル数制御CPU501が、設定変更開始コマンドを受信しなかったと判定したとき(S1261がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、設定変更受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1207の処理に移す。
一方、S1261において、メダル数制御CPU501が、設定変更開始コマンドを受信したと判定したとき(S1261がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するAckコマンド(了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1262)。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたAckコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。
次いで、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402に送信する遊技情報(設定変更開始)コマンドの送信登録処理を行う(S1263)。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(周辺機器送信用)に登録(保存)された遊技情報(設定変更開始)コマンド(設定変更開始を示す遊技情報がセットされたコマンド)は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器送信処理でメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に送信される。
次いで、メダル数制御CPU501は、応答待機処理を行う(S1264)。この処理では、メダル数制御CPU501は、主制御基板441からコマンド等のデータを受信するまで待機する。なお、主制御基板441からのコマンド等のデータの受信処理は、メダル数制御CPU501により実行される後述の主制御受信時割込処理(後述の図81参照)で行われる。
次いで、メダル数制御CPU501は、主制御基板441から設定変更終了コマンドを受信したか否かを判定する(S1265)。
S1265において、メダル数制御CPU501が、設定変更終了コマンドを受信しなかったと判定したとき(S1265がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するNackコマンド(非了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1266)。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたNackコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。そして、S1266の処理後、メダル数制御CPU501は、処理をS1264(応答待機処理)に戻し、S1264以降の処理を繰り返す。
一方、S1265において、メダル数制御CPU501が、設定変更終了コマンドを受信したと判定したとき(S1265がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、設定変更終了コマンドに付加された設定情報(後続データ)をメダル数制御RAM503内に保存し、主制御基板441に送信するAckコマンド(了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1267)。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたAckコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。
次いで、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402に送信する遊技情報(設定変更終了)コマンドの送信登録処理を行う(S1268)。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(周辺機器送信用)に登録(保存)された遊技情報(設定変更終了)コマンド(設定変更終了を示す遊技情報がセットされたコマンド)は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器送信処理でメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に送信される。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダル数制御RAM503の初期化処理を行う(S1269)。なお、初期化処理では、メダル数制御RAM503の通信データ格納領域(周辺機器送信用)、通信データ格納領域(主制御送信用)、及び、設定情報(例えば、設定1~設定6)は、初期化されることなく、維持される。そして、S1269の処理後、メダル数制御CPU501は、設定変更受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1207の処理に移す。
[10-18-7.メダル投入要求コマンド受信時処理(メダル数制御)]
次に、図74を参照して、メダル数制御フロー(図68参照)中のS1207で行うメダル投入要求コマンド受信時処理について説明する。図74は、メダル投入要求コマンド受信時処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、主制御基板441からメダル投入要求コマンドを受信したか否かを判定する(S1271)。なお、メダル投入要求コマンドの受信処理は、メダル数制御CPU501により実行される後述の主制御受信時割込処理(後述の図81参照)で行われる。
S1271において、メダル数制御CPU501が、メダル投入要求コマンドを受信しなかったと判定したとき(S1271がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダル投入要求コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1208の処理に移す。
一方、S1271において、メダル数制御CPU501が、メダル投入要求コマンドを受信したと判定したとき(S1271がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダルカウンターの値が「0」より大きいか否かを判定する(S1272)。
S1272において、メダル数制御CPU501が、メダルカウンターの値が「0」以下であると判定したとき(S1272がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、後述のS1279の処理を行う。
一方、S1272において、メダル数制御CPU501が、メダルカウンターの値が「0」より大きいと判定したとき(S1272がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダルカウンターの値を1減算する(S1273)。次いで、メダル数制御CPU501は、投入カウンターの値を1加算する(S1274)。
次いで、メダル数制御CPU501は、投入カウンターの値が遊技媒体の最大規定数(「3」)より大きいか否かを判定する(S1275)。
S1275において、メダル数制御CPU501が、投入カウンターの値が最大規定数以下であると判定したとき(S1275がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、後述のS1278の処理を行う。
一方、S1275において、メダル数制御CPU501が、投入カウンターの値が最大規定数より大きいと判定したとき(S1275がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、投入カウンターの値を「1」にセットする(S1276)。次いで、メダル数制御CPU501は、遊技媒体の最大規定数(「3」)から1減算した値を、メダルカウンターの値に加算する(S1277)。すなわち、本実施例では、投入カウンターの値が「4」となった場合には、投入カウンターの値に「1」をセットし、メダルカウンターの値には「2」を加算する。
S1277の処理後、又は、S1275がNO判定である場合、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するAckコマンド(了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1278)。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたAckコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。そして、S1278の処理後、メダル数制御CPU501は、メダル投入要求コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1208の処理に移す。
ここで、再度、S1272の処理に戻って、S1272がNO判定である場合、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するNackコマンド(非了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1279)。この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたNackコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。そして、S1279の処理後、メダル数制御CPU501は、メダル投入要求コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1208の処理に移す。
なお、通常、主制御基板441側では、メダルカウンターの値が「1」以上である場合にメダル投入要求コマンドがメダル数制御基板443側に送信される構成(メダルカウンターの値が「1」未満である場合にはメダル投入要求コマンドがメダル数制御基板443側に送信されない構成)となっている。それゆえ、S1272のNO判定からS1279の処理を行う処理ルートは、通常発生しない処理ルートであり、この処理ルート(Nackコマンドの送信処理)は、遊技システム400において何らかの誤動作による障害が発生した場合におけるフェールセーフ処理となる。
[10-18-8.メダル返却要求コマンド受信時処理(メダル数制御)]
次に、図75を参照して、メダル数制御フロー(図68参照)中のS1208で行うメダル返却要求コマンド受信時処理について説明する。なお、図75は、メダル返却要求コマンド受信時処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、主制御基板441からメダル返却要求コマンドを受信したか否かを判定する(S1281)。なお、メダル返却要求コマンドの受信処理は、メダル数制御CPU501により実行される後述の主制御受信時割込処理(後述の図81参照)で行われる。
S1281において、メダル数制御CPU501が、メダル返却要求コマンドを受信しなかったと判定したとき(S1281がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダル返却要求コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1209の処理に移す。
一方、S1281において、メダル数制御CPU501が、メダル返却要求コマンドを受信したと判定したとき(S1281がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダルカウンターの値にメダル返却要求コマンドに付加された後続データ(遊技媒体の返却数=投入数)を加算すると、その値がメダルカウンターの上限値(「16369」)を超えるか否かを判定する(S1282)。
S1282において、メダル数制御CPU501が、メダルカウンターの値に投入数(返却数)を加算すると、その値がメダルカウンターの上限値を超えると判定したとき(S1282がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、後述のS1287の処理を行う。
一方、S1282において、メダル数制御CPU501が、メダルカウンターの値に投入数(返却数)を加算しても、その値がメダルカウンターの上限値を超えない(上限値以下となる)と判定したとき(S1282がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、投入カウンターに後続データ(投入数)をセットする(S1283)。
次いで、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するAckコマンド(了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1284)。この際、メダル数制御CPU501は、投入カウンターの値(=遊技媒体の返却数)をAckコマンドの後続データとしてAckコマンドに付加する。この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたAckコマンド(+投入カウンターの値)は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダルカウンターの値に投入カウンターの値を加算する(S1285)。次いで、メダル数制御CPU501は、投入カウンターの値を「0」にセットする(S1286)。そして、S1286の処理後、メダル数制御CPU501は、メダル返却要求コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1209の処理に移す。
ここで、再度、S1282の処理に戻って、S1282がYES判定である場合、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するNackコマンド(非了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1287)。この際、メダル数制御CPU501は、上限超過エラーを示すデータ(上限超過エラーコード)をNackコマンドの後続データとしてNackコマンドに付加する。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたNackコマンド(+上限超過エラーコード)は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。そして、S1287の処理後、メダル数制御CPU501は、メダル返却要求コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1209の処理に移す。
[10-18-9.メダル払出要求コマンド受信時処理(メダル数制御)]
次に、図76を参照して、メダル数制御フロー(図68参照)中のS1209で行うメダル払出要求コマンド受信時処理について説明する。なお、図76は、メダル払出要求コマンド受信時処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、主制御基板441からメダル払出要求コマンドを受信したか否かを判定する(S1291)。なお、メダル払出要求コマンドの受信処理は、メダル数制御CPU501により実行される後述の主制御受信時割込処理(不定期:後述の図81参照)で行われる。
S1291において、メダル数制御CPU501が、メダル払出要求コマンドを受信しなかったと判定したとき(S1291がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダル払出要求コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1210の処理に移す。
一方、S1291において、メダル数制御CPU501が、メダル払出要求コマンドを受信したと判定したとき(S1291がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダルカウンターの値にメダル払出要求コマンドに付加された後続データ(払出数)を加算すると、その値がメダルカウンターの第1上限値(「16369」)を超えるか否かを判定する(S1292)。
S1292において、メダル数制御CPU501が、メダルカウンターの値に払出数を加算すると、その値がメダルカウンターの第1上限値を超えると判定したとき(S1292がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、後述のS1297の処理を行う。
一方、S1292において、メダル数制御CPU501が、メダルカウンターの値に払出数を加算しても、その値がメダルカウンターの第1上限値を超えないと判定したとき(S1292がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダルカウンターの値に払出数(後続データ)を加算する(S1293)。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダルカウンターの値に払出数を加算した値がメダルカウンターの第2上限値(「15000」)を超えるか否かを判定する(S1294)。
S1294において、メダル数制御CPU501が、メダルカウンターの値に払出数を加算した値がメダルカウンターの第2上限値を超えないと判定したとき(S1294がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するAckコマンド(了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1295)。この際、メダル数制御CPU501は、払出数をAckコマンドの後続データとしてAckコマンドに付加する。この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたAckコマンド(+払出数)は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。そして、S1295の処理後、メダル数制御CPU501は、メダル払出要求コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1210の処理に移す。
一方、S1294において、メダル数制御CPU501が、メダルカウンターの値に払出数を加算した値がメダルカウンターの第2上限値を超えると判定したとき(S1294がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダルカウンター上限超過予告表示設定を行う(S1296)。この処理では、メダル数制御CPU501は、メダル数表示ユニット426b内のエラー表示用の1桁の7セグLEDでメダルカウンターの上限超過予告エラーを報知(表示)するための表示データの設定等を行う。
また、ここで、再度、S1292の処理に戻って、S1292がYES判定である場合、メダル数制御CPU501は、メダルカウンター上限超過表示設定を行う(S1297)。この処理では、メダル数制御CPU501は、メダル数表示ユニット426b内のエラー表示用の1桁の7セグLEDでメダルカウンターの上限超過エラーを報知(表示)するための表示データの設定等を行う。
そして、S1296又はS1297の処理後、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するNackコマンド(非了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1298)。この際、S1298の処理がS1296の処理後に行われる場合には、メダル数制御CPU501は、上限超過予告エラーを示すデータ(上限超過予告エラーコード)をNackコマンドの後続データとしてNackコマンドに付加する。一方、S1298の処理がS1297の処理後に行われる場合には、メダル数制御CPU501は、上限超過エラーを示すデータ(上限超過エラーコード)をNackコマンドの後続データとしてNackコマンドに付加する。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(主制御送信用)に登録(保存)されたNackコマンド(+上限超過予告エラーコード又は上限超過エラーコード)は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の主制御送信処理でメダル数制御基板443から主制御基板441に送信される。そして、S1298の処理後、メダル数制御CPU501は、メダル払出要求コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1210の処理に移す。
[10-18-10.精算スイッチ押下時処理(メダル数制御)]
次に、図77を参照して、メダル数制御フロー(図68参照)中のS1210で行う精算スイッチ押下時処理について説明する。なお、図77は、精算スイッチ押下時処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、精算ボタン418が押下されたか否かを判定する(S1301)。なお、精算ボタン418の押下の有/無は、精算スイッチ418Sのオン/オフ状態に基づいて判別され、精算スイッチ418Sがオン状態である場合に、精算ボタン418の押下有りと判定される。
S1301において、メダル数制御CPU501が、精算ボタン418が押下されていないと判定したとき(S1301がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、精算スイッチ押下時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1211の処理に移す。
一方、S1301において、メダル数制御CPU501が、精算ボタン418が押下されたと判定したとき(S1301がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402に送信するメダル計数(下位)指示コマンド(貯留数を表すメダルカウンターの2バイトデータのうち、下位1バイト分のデータ)の送信登録処理を行う(S1302)。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(周辺機器送信用)に登録(保存)されたメダル計数(下位)指示コマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器送信処理でメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に送信される。
次いで、メダル数制御CPU501は、応答待機処理を行う(S1303)。この処理では、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402にメダル計数(下位)指示コマンドが送信され、当該コマンドに対する遊技媒体貸出装置402からの何らかの応答があるまで待機する。なお、この遊技媒体貸出装置402からの応答の受信処理は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器受信処理で行われる。
次いで、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402からAckコマンド(了解応答コマンド)を受信したか否かを判定する(S1304)。
S1304において、メダル数制御CPU501が、Ackコマンドを受信していないと判定したとき(S1304がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、精算スイッチ押下時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1211の処理に移す。
一方、S1304において、メダル数制御CPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1304がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402に送信するメダル計数(上位)指示コマンド(貯留数を表すメダルカウンターの2バイトデータのうち、上位1バイト分のデータ)の送信登録処理を行う(S1305)。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(周辺機器送信用)に登録(保存)されたメダル計数(上位)指示コマンドはメダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器送信処理でメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に送信される。
次いで、メダル数制御CPU501は、応答待機処理を行う(S1306)。この処理では、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402にメダル計数(上位)指示コマンドが送信され、当該コマンドに対する遊技媒体貸出装置402からの何らかの応答があるまで待機する。なお、この遊技媒体貸出装置402からの応答の受信処理は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器受信処理で行われる。
次いで、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402からAckコマンド(了解応答コマンド)を受信したか否かを判定する(S1307)。
S1307において、メダル数制御CPU501が、Ackコマンドを受信していないと判定したとき(S1307がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、精算スイッチ押下時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1211の処理に移す。
一方、S1307において、メダル数制御CPU501が、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1307がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402に送信するメダル計数完了コマンドの送信登録処理を行う(S1308)。なお、この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(周辺機器送信用)に登録(保存)されたメダル計数完了コマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器送信処理でメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に送信される。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダルカウンターの値に「0」をセットする(S1309)。そして、S1309の処理後、メダル数制御CPU501は、精算スイッチ押下時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1211の処理に移す。
なお、パチスロ401では、2バイトで構成されたメダルカウンターの上限値に「16369」が設定されており、この値は、16進数に変換すると「3FF1H」であり、2バイトの数値範囲内の値となる。それゆえ、本実施例では、たとえメダルカウンターの値が上限値を超えた場合(上限超過エラーが発生する全ての条件)であっても、2バイトの範囲を超えることはない。
[10-18-11.メダル貸出指示コマンド受信時処理(メダル数制御)]
次に、図78を参照して、メダル数制御フロー(図68参照)中のS1211で行うメダル貸出指示コマンド受信時処理について説明する。なお、図78は、メダル貸出指示コマンド受信時処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402からメダル貸出指示コマンドを受信したか否かを判定する(S1311)。なお、メダル貸出指示コマンドの受信処理は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器受信処理で行われる。
S1311において、メダル数制御CPU501が、メダル貸出指示コマンドを受信しなかったと判定したとき(S1311がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダル貸出指示コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1206の処理に移す。
一方、S1311において、メダル数制御CPU501が、メダル貸出指示コマンドを受信したと判定したとき(S1311がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、遊技媒体の貸出指示を受入可能であるか否かを判定する(S1312)。なお、この判定処理では、メダルカウンターの値に貸出数(メダル貸出指示コマンドに付加された後続データ:例えば、50)を加算すると、その値がメダルカウンターの上限値(「16369」)を超えてしまう場合(上限超過エラーが発生した場合)、設定変更中、設定確認中、精算中、返却中、遊技中又は払出中である場合には、受入不可(NO判定)となり、これらの場合以外の場合には、受入可(YES判定)となる。
S1312において、メダル数制御CPU501が、遊技媒体の貸出指示を受入可であると判定したとき(S1312がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、メダルカウンターの値に、貸出数(後続データ)を加算する(S1313)。
次いで、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402に送信するAckコマンドの送信登録処理を行う(S1314)。この際、メダル数制御CPU501は、遊技メダル貸出完了を示すデータをAckコマンドの後続データとしてAckコマンドに付加する。この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(周辺機器送信用)に登録(保存)されたAckコマンド(遊技メダル貸出完了)は、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器送信処理でメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に送信される。そして、S1314の処理後、メダル数制御CPU501は、メダル貸出指示コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1206の処理に移す。
一方、S1312において、メダル数制御CPU501が、遊技媒体の貸出指示を受入不可であると判定したとき(S1312がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402に送信するNackコマンドの送信登録処理を行う(S1315)。この処理でメダル数制御RAM503内の図示しない通信データ格納領域(周辺機器送信用)に登録(保存)されたNackコマンドは、メダル数制御CPU501により実行される後述の定周期割込処理(1msec周期:後述の図79参照)内の周辺機器送信処理でメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に送信される。そして、S1315の処理後、メダル数制御CPU501は、メダル貸出指示コマンド受信時処理を終了し、処理をメダル数制御フロー(図68参照)のS1206の処理に移す。
[10-18-12.メダル数制御CPUの制御による定周期割込処理(1msec)]
次に、図79を参照して、1msec周期で、メダル数制御CPU501が行う定周期割込処理について説明する。なお、図79は、メダル数制御CPU501により実行される定周期割込処理の手順を示すフローチャートである。1msec周期で繰り返し実行される定周期割込処理は、タイマー回路513(PTC)の初期化処理(図68中のS1201参照)で設定されたタイマー回路513のタイムアウト信号の出力タイミングに基づいて発生する、割込みコントローラ512からの割込要求信号がメダル数制御CPU501に入力された際に実行される処理である。
まず、メダル数制御CPU501は、ポート入力処理を行う(S1321)。この処理では、BRDY信号(STB信号)及びBRQ信号(データ信号)に対して割り当てられた入力ポート以外の入力ポート(例えば、精算スイッチ418S、VL信号等に対して割り当てられた入力ポート)に対してポート入力処理が行われる。
次いで、メダル数制御CPU501は、遊技情報受信時処理を行う(S1322)。この処理では、メダル数制御CPU501は、主制御基板441から受信した遊技状態に関するコマンドに対する応答コマンド(Ack又はNackコマンド)の送信登録処理、遊技媒体貸出装置402に送信する遊技情報コマンドの送信登録処理を行う。なお、遊技情報受信時処理については、後述の図80を参照しながら後で説明する。
次いで、メダル数制御CPU501は、主制御送信処理(主制御基板441への通信データ送信処理)を行う(S1323)。この処理では、メダル数制御CPU501は、メダル数制御RAM503内の通信データ格納領域(主制御送信用)に格納された各種コマンドをシリアル通信回路514中の通信回路SCU0(図43参照)を介して主制御基板441に送信する。
次いで、メダル数制御CPU501は、周辺機器送信処理(遊技媒体貸出装置402への通信データ送信処理)を行う(S1324)。この処理では、メダル数制御CPU501は、メダル数制御RAM503内の通信データ格納領域(周辺機器送信用)に格納された各種コマンド(データ)を、GPIOを使用して遊技媒体貸出装置402に出力(送信)する。
次いで、メダル数制御CPU501は、周辺機器受信処理を行う(S1325)。この処理では、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402からGPIOを使用して出力(送信)された各種コマンド(データ)の入力(受信)処理を行う。
次いで、メダル数制御CPU501は、ポート出力処理を行う(S1326)。この処理では、PRDY信号(STB信号)及びEXS信号(データ信号)に対して割り当てられた出力ポート以外の出力ポートに対してポート出力処理が行われる。なお、遊技媒体状態機能で制御される第1及び第2制御状態信号(メダル数制御基板443から主制御基板441にGPIO方式で出力される制御状態信号)の状態のオン/オフ制御は、このポート出力処理において、メダルカウンターの値に基づいて行われる。
次いで、メダル数制御CPU501は、メダル数表示ユニット表示処理を行う(S1327)。この処理では、メダル数制御CPU501は、メダル数表示ユニット426bに設けられたクレジット表示用の5桁の7セグLEDにメダルカウンターの値を表示し、エラー表示用の1桁の7セグLEDには、上限超過エラー、上限超過予告エラー、メダル数制御基板443で検出されるその他のエラー等を表示する。そして、S1327の処理後、メダル数制御CPU501は、定周期割込処理を終了する。
[10-18-13.遊技情報受信時処理(メダル数制御)]
次に、図80を参照して、メダル数制御CPU501により実施される定周期割込処理(図79参照)中のS1322で行う遊技情報受信時処理について説明する。なお、図80は、遊技情報受信時処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メダル数制御CPU501は、主制御基板441から遊技開始要求コマンドを受信したか否かを判定する(S1331)。
S1331において、メダル数制御CPU501が、遊技開始要求コマンドを受信したと判定したとき(S1331がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402に送信する遊技情報(遊技開始)コマンドの送信登録処理を行う(S1332)。次いで、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するAckコマンド(了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1333)。そして、S1333の処理後、メダル数制御CPU501は、後述のS1339の処理を行う。
一方、S1331において、メダル数制御CPU501が、遊技開始要求コマンドを受信していないと判定したとき(S1331がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、主制御基板441から遊技終了要求コマンドを受信したか否かを判定する(S1334)。
S1334において、メダル数制御CPU501が、遊技終了要求コマンドを受信したと判定したとき(S1334がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402に送信する遊技情報(遊技終了)コマンドの送信登録処理を行う(S1335)。次いで、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するAckコマンド(了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1336)。そして、S1336の処理後、メダル数制御CPU501は、後述のS1339の処理を行う。
一方、S1334において、メダル数制御CPU501が、遊技終了要求コマンドを受信していないと判定したとき(S1334がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、主制御基板441からの範囲外コマンド又はエラーを受信したか否かを判定する(S1337)。
S1337において、メダル数制御CPU501が、範囲外コマンド又はエラーを受信していないと判定したとき(S1337がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、後述のS1339の処理を行う。
一方、S1337において、メダル数制御CPU501が、範囲外コマンド又はエラーを受信したと判定したとき(S1337がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、主制御基板441に送信するNackコマンド(非了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1338)。
そして、S1333、S1336或いはS1338の処理後、又は、S1337がNO判定である場合、メダル数制御CPU501は、主制御基板441からの範囲外コマンドを受信したか否かを判定する(S1339)。
S1339において、メダル数制御CPU501が、範囲外コマンドを受信していないと判定したとき(S1339がNO判定である場合)、メダル数制御CPU501は、遊技情報受信時処理を終了し、処理を定周期割込処理(図79参照)のS1323の処理に移す。
一方、S1339において、メダル数制御CPU501が、範囲外コマンドを受信したと判定したとき(S1339がYES判定である場合)、メダル数制御CPU501は、遊技媒体貸出装置402に送信するNackコマンド(非了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1340)。そして、S1340の処理後、メダル数制御CPU501は、遊技情報受信時処理を終了し、処理を定周期割込処理(図79参照)のS1323の処理に移す。
なお、ここでいう、範囲外コマンドとは、次の意味を有するものである。例えば、遊技開始要求コマンドの場合、コマンド種別情報として予め「03H」が割り当てられており、他のコマンドにもコマンドに応じたコマンド種別情報が割り当てられている。そのため、この予め割り当てられたコマンド種別情報以外の数値がコマンド種別情報としてセットされたコマンドを受信した場合、そのコマンドが範囲外コマンドとなる。それゆえ、「コマンド種別情報の割り当て範囲外コマンド」という記載表現(語句)が「範囲外コマンド」の正確な記載表現となる。
[10-18-14.メダル数制御CPUの制御による主制御受信割込処理]
次に、図81を参照して、メダル数制御CPU501が、通信回路SCU0(図43参照)を介して、主制御基板441からコマンドデータを受信した際に行う主制御受信時割込処理について説明する。図81は、主制御受信時割込処理の手順を示すフローチャートである。
なお、本実施例の遊技システム400では、主制御基板441及びメダル数制御基板443間においてFIFOモードでデータの送受信が行われるので、メダル数制御基板443側では、2バイトのデータ受信(2バイト単位)で、受信割込が発生する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、メダル数制御基板443側において、1バイト単位で受信割込を発生させて、主制御基板441から送信されたコマンドを受信してもよい。
まず、メダル数制御CPU501は、主制御基板441から受信したコマンドに付加された後続データ(例えば、投入数、払出数、各種遊技情報等)をメダル数制御RAM503内に設けられた受信データ格納領域(不図示)に格納する(S1351)。
次いで、メダル数制御CPU501は、主制御基板441から受信したコマンドデータの受信ステータス(受信したコマンドデータにパリティエラー、フレーミングエラー等の異常があるか否かを示す状態(ステータス)情報)をメダル数制御RAM503内に設けられた受信ステータス格納領域(不図示)に格納する(S1352)。そして、S1352の処理後、メダル数制御CPU501は、主制御受信時割込処理を終了する。
[10-19.遊技媒体貸出装置(周辺機器)の動作説明]
次に、図82~図85を参照して、遊技媒体貸出装置402(周辺機器)の周辺機器制御部402aが、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
[10-19-1.周辺機器制御部により制御される電源投入時処理]
まず、図82を参照して、周辺機器制御部402aにより実行される電源投入時処理(貸出装置)について説明する。図82は、電源投入時処理(貸出装置)の手順を示すフローチャートである。
まず、周辺機器制御部402aは、初期化処理を行う(S1401)。この処理では、周辺機器制御部402aは、デバイス設定等の初期化を行う。
次いで、周辺機器制御部402aは、メダル数制御接続確認処理を行う(S1402)。この処理では、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443との接続状態の確認処理を行う。なお、メダル数制御接続確認処理の詳細については、後述の図83を参照しながら後で説明する。
次いで、周辺機器制御部402aは、各処理の起動要求を行う(S1403)。そして、S1403の処理後、周辺機器制御部402aは、処理を待機処理に移行させる。その後、何らかのイベントトリガー(例えば、貸出操作等)が発生すれば、周辺機器制御部402aの待機状態が解除され、周辺機器制御部402aは、発生したイベントトリガーに対応する処理を実行する(例えば、後述の図84、図85参照)。
[10-19-2.メダル数制御接続確認処理]
次に、図83を参照して、電源投入時処理(図82参照)中のS1402で行うメダル数制御接続確認処理について説明する。なお、図83は、メダル数制御接続確認処理の手順を示すフローチャートである。
まず、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に入力される、PRDY信号(STB信号)の入力ポート、又は、EXS信号(データ信号)の入力ポートがオン状態であるか否かを判定する(S1411)。
S1411において、周辺機器制御部402aが、監視対象の入力ポート(PRDY信号の入力ポート、又は、EXS信号の入力ポート)の状態がオン状態でないと判定したとき(S1411がNO判定である場合)、周辺機器制御部402aは、S1411の判定処理がYES判定となるまで(監視対象の入力ポートの状態がオン状態になるまで)、S1411の判定処理を繰り返す。
一方、S1411において、周辺機器制御部402aが、監視対象の入力ポート(PRDY信号の入力ポート、又は、EXS信号の入力ポート)の状態がオン状態であると判定したとき(S1411がYES判定である場合)、周辺機器制御部402aは、監視対象の入力ポート(PRDY信号の入力ポート、又は、EXS信号の入力ポート)のオン状態が所定期間(200msec以上)維持されているか否かを判定する(S1412)。
S1412において、周辺機器制御部402aが、監視対象の入力ポート(PRDY信号の入力ポート、又は、EXS信号の入力ポート)のオン状態が所定期間維持されていないと判定したとき(S1412がNO判定である場合)、周辺機器制御部402aは、S1412の判定処理がYES判定となるまで(監視対象の入力ポートのオン状態が所定期間維持されるまで)、S1412の判定処理を繰り返す。
一方、S1412において、周辺機器制御部402aが、監視対象の入力ポート(PRDY信号の入力ポート、又は、EXS信号の入力ポート)のオン状態が所定期間維持されていると判定したとき(S1412がYES判定である場合)、周辺機器制御部402aは、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443に出力する、BRDY信号(STB信号)の出力ポート、及び、BRQ信号(データ信号)の出力ポートをオン状態にセットする(S1413)。
次いで、周辺機器制御部402aは、応答待機処理を行う(S1414)。この処理では、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443からコマンド等のデータが受信(入力)されるまで待機する。なお、図示しないが、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443から送信されるデータの受信処理(以下、「メダル数制御受信処理」という)を1msecの一定周期で行っている。S1414の処理においても、このメダル数制御受信処理により、1msec周期でデータ受信の有無が監視されている。
次いで、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443からチップ個別ナンバーの1バイト分のデータが付加されたチップ個別ナンバーコマンドを受信したか否かを判定する(S1415)。
S1415において、周辺機器制御部402aが、チップ個別ナンバーコマンドを受信しなかったと判定したとき(S1415がNO判定である場合)、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443に送信するNackコマンド(非了解応答コマンド)の送信登録処理を行う(S1416)。なお、図示しないが、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443へのデータ送信処理(以下、「メダル数制御送信処理」という)を1msecの一定周期で行っており、S1416で送信登録されたNackコマンドの送信処理は、このメダル数制御送信処理で実行される。次いで、S1416の処理後、周辺機器制御部402aは、処理をS1414の処理(応答待機処理)に戻し、S1414以降の処理を繰り返す。
一方、S1415において、周辺機器制御部402aが、チップ個別ナンバーコマンドを受信したと判定したとき(S1415がYES判定である場合)、周辺機器制御部402aは、4バイト分のチップ個別ナンバーデータ(チップ個別ナンバーの全データ)の受信が完了したか否かを判定する(S1417)。
S1417において、周辺機器制御部402aが、4バイト分のチップ個別ナンバーデータの受信が完了していないと判定したとき(S1417がNO判定である場合)、周辺機器制御部402aは、処理をS1414の処理(応答待機処理)に戻し、S1414以降の処理を繰り返す。
一方、S1417において、周辺機器制御部402aが、4バイト分のチップ個別ナンバーデータの受信が完了したと判定したとき(S1417がYES判定である場合)、周辺機器制御部402aは、受信したチップ個別ナンバーのデータを含む各種データを管理コンピュータ(不図示)に送信する(S1418)。そして、S1418の処理後、周辺機器制御部402aは、メダル数制御接続確認処理を終了し、処理を電源投入時処理(図82参照)のS1403の処理に移す。
上述のように、本実施例の遊技システム400では、起動時に、何らかの原因で、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の接続状態に異常が発生し、両者間の接続が確認できない場合又は両者間の接続状態が安定しない場合には、S1411又はS1412の判定処理の結果がNO判定となり、S1411又はS1412の処理が繰り返される。それゆえ、このような状況が発生した場合には、メダル数制御接続確認処理以降の処理(S1414以降の処理及び図82中のS1403以降の処理)が行われず、遊技媒体の貸出も行われない。
[10-19-3.メダル貸出処理(貸出装置)]
次に、図84を参照して、遊技媒体貸出装置402において実行されるメダル貸出処理について説明する。なお、図84は、メダル貸出処理の手順を示すフローチャートである。
待機状態において貸出ボタン419が押下されると(貸出スイッチ419Sがオン状態になると)、その検知信号によりイベントトリガーが発生して周辺機器制御部402aの待機状態が解除され、周辺機器制御部402aによるメダル貸出処理が開始される(S1421)。
メダル貸出処理が開始されると、まず、周辺機器制御部402aは、メダル貸表示ユニット427aに設けられたメダル貸出可LED(図37C中の「貸」ランプ)を消灯する(S1422)。
次いで、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443に送信するメダル貸出指示コマンドの送信登録処理を行う(S1423)。なお、S1423で送信登録されたメダル貸出指示コマンドの送信は、周辺機器制御部402aにより1msec周期で実行されるメダル数制御送信処理(不図示)において行われる。
次いで、周辺機器制御部402aは、応答待機処理を行う(S1424)。この処理では、周辺機器制御部402aは、メダル貸出指示コマンドの送信登録後、メダル貸出指示コマンドがメダル数制御基板443に送信され、当該メダル貸出指示コマンドに対するメダル数制御基板443からの応答コマンドが受信(入力)されるまで待機する。なお、この応答待機処理中の応答コマンドの受信処理は、周辺機器制御部402aにより1msec周期で実行されるメダル数制御受信処理(不図示)において行われる。
次いで、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443からAckコマンドを受信したか否かを判定する(S1425)。S1425において、周辺機器制御部402aが、Ackコマンドを受信していないと判定したとき(S1425がNO判定である場合)、周辺機器制御部402aは、メダル貸出処理を終了し、処理を待機処理に移行させる。
一方、S1425において、周辺機器制御部402aが、Ackコマンドを受信したと判定したとき(S1425がYES判定である場合)、周辺機器制御部402aは、遊技用カード(不図示)の度数(残数)から所定の度数を減算する(S1426)。なお、本実施例では、1回の貸出操作で10度数(遊技媒体「50」相当分)減算される。
次いで、周辺機器制御部402aは、減算後の度数を、メダル貸表示ユニット427aに設けられた度数表示用の3桁の7セグLED(図37C参照)で表示する(S1427)。そして、S1427の処理後、周辺機器制御部402aは、メダル貸出処理を終了し、処理を待機処理に移行させる。
[10-19-4.メダル計数(精算)処理(貸出装置)]
次に、図85を参照して、遊技媒体貸出装置402において実行されるメダル計数(精算)処理について説明する。なお、図85は、メダル計数(精算)処理の手順を示すフローチャートである。
まず、周辺機器制御部402aは、応答待機処理を行う(S1431)。この処理では、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443から何らかのコマンドが受信(入力)されるまで待機する。なお、この応答待機処理中のコマンド受信処理は、周辺機器制御部402aにより1msec周期で実行されるメダル数制御受信処理(不図示)において行われる。
次いで、周辺機器制御部402aは、メダル計数(下位)指示コマンドを受信したか否かを判別する(S1432)。
S1432において、周辺機器制御部402aが、メダル計数(下位)指示コマンドを受信していないと判定したとき(S1432がNO判定である場合)、周辺機器制御部402aは、メダル計数(精算)処理を終了し、処理を待機処理に移行させる。
一方、S1432において、周辺機器制御部402aが、メダル計数(下位)指示コマンドを受信したと判定したとき(S1432がYES判定である場合)、周辺機器制御部402aは、計数(精算)受付可能であるか否かを判定する(S1433)。なお、このS1433の判定処理では、現在の状況が、遊技用カードが未挿入、遊技媒体の貸出中、及び、遊技媒体貸出装置402内(周辺機器内)で異常発生中のいずれかである場合には、計数(精算)受付不可(NO判定)となり、これらの状況以外の状況であれば、計数(精算)受付可(YES判定)となる。
S1433において、周辺機器制御部402aが、計数(精算)受付不可であると判定したとき(S1433がNO判定である場合)、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443に送信するNackコマンドの送信登録処理を行う(S1434)。なお、S1434で送信登録されたNackコマンドの送信は、周辺機器制御部402aにより1msec周期で実行されるメダル数制御送信処理(不図示)において行われる。そして、S1434の処理後、周辺機器制御部402aは、メダル計数(精算)処理を終了し、処理を待機処理に移行させる。
一方、S1433において、周辺機器制御部402aが、計数(精算)受付可であると判定したとき(S1433がYES判定である場合)、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443に送信するAckコマンドの送信登録処理を行う(S1435)。なお、S1435で送信登録されたAckコマンドの送信は、周辺機器制御部402aにより1msec周期で実行されるメダル数制御送信処理(不図示)において行われる。
次いで、周辺機器制御部402aは、メダル貸表示ユニット427aに設けられた遊技媒体貸出可LED(図37C中の「貸」ランプ)を消灯する(S1436)。次いで、周辺機器制御部402aは、応答待機処理を行う(S1437)。この処理では、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443から何らかのコマンドが受信(入力)されるまで待機する。なお、この応答待機処理中のコマンド受信処理は、周辺機器制御部402aにより1msec周期で実行されるメダル数制御受信処理(不図示)において行われる。
次いで、周辺機器制御部402aは、メダル計数(上位)指示コマンドを受信したか否かを判別する(S1438)。
S1438において、周辺機器制御部402aが、メダル計数(上位)指示コマンドを受信したと判定したとき(S1438がYES判定である場合)、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443に送信するAckコマンドの送信登録処理を行う(S1439)。なお、S1439で送信登録されたAckコマンドの送信は、周辺機器制御部402aにより1msec周期で実行されるメダル数制御送信処理(不図示)において行われる。
次いで、周辺機器制御部402aは、メダル計数情報反映処理を行う(S1440)。この処理では、周辺機器制御部402aは、受信したメダル計数(下位)指示コマンド及びメダル計数(上位)指示コマンドに基づいて、遊技媒体の精算数を取得し、該精算数に対応する度数を現在の度数に加算し、加算後の度数を、メダル貸表示ユニット427aに設けられた度数表示用の3桁の7セグLED(図37C参照)で表示するとともに、遊技用カードに書き込む。
次いで、周辺機器制御部402aは、遊技媒体貸出可LED(図37C中の「貸」ランプ)を点灯する(S1441)。そして、S1441の処理後、周辺機器制御部402aは、メダル計数(精算)処理を終了し、処理を待機処理に移行させる。
ここで、再度、S1438の処理に戻って、S1438において、周辺機器制御部402aが、メダル計数(上位)指示コマンドを受信しなかったと判定したとき(S1438がNO判定である場合)、周辺機器制御部402aは、メダル数制御基板443に送信するNackコマンドの送信登録処理を行う(S1442)。なお、S1442で送信登録されたNackコマンドの送信は、周辺機器制御部402aにより1msec周期で実行されるメダル数制御送信処理(不図示)において行われる。そして、S1442の処理後、周辺機器制御部402aは、メダル計数(精算)処理を終了し、処理を待機処理に移行させる。
[10-20.副制御基板の動作説明]
次に、図86及び図87を参照して、副制御基板442のサブCPU(不図示)が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
[10-20-1.主制御コマンド受信時処理]
まず、図86を参照して、副制御基板442において実行される主制御コマンド受信時処理について説明する。なお、図86は、主制御コマンド受信時処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPUは、受信データの取得処理を行う(S1501)。この処理では、サブCPUは、受信割込み処理(不図示)で受信した主制御基板441からの送信データ(コマンド)の取得処理を行う。なお、パチスロ401では、主制御基板441から副制御基板442には、1パケット8バイト単位でデータが送信される。
次いで、サブCPUは、1パケット(8バイト)分の受信データが有るか否かを判定する(S1502)。S1502において、サブCPUが、受信データが無いと判定したとき(S1502がNO判定である場合)、サブCPUは、主制御コマンド受信時処理を終了する。
一方、S1502において、サブCPUが、受信データが有ると判定したとき(S1502がYES判定である場合)、サブCPUは、受信データの解析処理を行う(S1503)。この解析処理では、サブCPUは、受信データに対するサムチェック処理、受信データに含まれるコマンドID(コマンド種別)の判別処理、コマンドIDに付加されるパラメータのデータ単位の数の判別処理等を行う。
次いで、サブCPUは、受信データが正常であるか否かを判定する(S1504)。この判定処理では、サブCPUは、S1503の受信データの解析処理の結果、例えば、受信データのサム値、コマンドID(コマンド種別)、当該コマンドIDに付加されたパラメータのデータ単位の数等が正常である場合に、受信データが正常であると判定する。なお、パラメータのデータ単位の数は、正常であれば、コマンドID(コマンド種別)に応じた数となる。
S1504において、サブCPUが、受信データが正常でないと判定したとき(S1504がNO判定である場合)、サブCPUは、主制御コマンド受信時処理を終了する。
一方、S1504において、サブCPUが、受信データが正常であると判定したとき(S1504がYES判定である場合)、サブCPUは、受信データ(コマンド)が遊技進行系コマンドであるか否かを判別する(S1505)。この判定処理は、受信データに含まれるコマンドID(コマンド種別を示す情報)を参照して行われる。
なお、コマンドIDは、主制御基板441から副制御基板442へのコマンドの送信契機となる各事象に応じて特定の値が割り当てられており、ここでいう、「遊技進行系コマンド」とは、例えば、ベット操作、開始操作、停止操作等の遊技の進行に係る必須の各種契機(事象)の発生時に主制御基板441から副制御基板442に送信されるコマンドである。一方、遊技の進行に係わらない各種契機、例えば、返却操作、設定変更・確認操作、メダル数クリアスイッチ443aの押下操作(貯留数のクリア操作)、無操作等の発生時に主制御基板441から副制御基板442に送信されるコマンドを、以下では、「非遊技進行系コマンド」と称す。なお、メダル数表示ユニット426b内のクレジット表示用の5桁の7セグLEDに表示されているメダル数(貯留数)は、メダル数制御基板443で管理されている情報のため、そのメダル数(貯留数)の返却操作(遊技媒体貸出装置402(サンド)内のカードへの書き込み操作)に係るコマンドは、副制御基板442には送信されない。
S1505において、サブCPUが、受信データ(コマンド)が遊技進行系コマンドであると判定したとき(S1505がYES判定である場合)、サブCPUは、遊技進行系コマンド処理を行う(S1506)。この処理では、サブCPUは、例えば、受信したコマンドの種別に応じた演出内容の決定処理等を行う。そして、S1506の処理後、サブCPUは、主制御コマンド受信時処理を終了する。
一方、S1505において、サブCPUが、受信データ(コマンド)が遊技進行系コマンドでないと判定したとき(S1505がNO判定である場合)、サブCPUは、非遊技進行系コマンド処理を行う(S1507)。この処理では、サブCPUは、例えば、受信したコマンドの種別に応じた情報の報知に係る処理の設定等を行う。なお、非遊技進行系コマンド処理の詳細については、後述の図87を参照しながら後で説明する。そして、S1507の処理後、サブCPUは、主制御コマンド受信時処理を終了する。
[10-20-2.非遊技進行系コマンド処理]
次に、図87を参照して、主制御コマンド受信時処理(図86参照)中のS1507で行う非遊技進行系コマンド処理について説明する。なお、図87は、非遊技進行系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU(不図示)は、受信データ(コマンド)が設定変更コマンド(開始)であるか否かを判別する(S1511)。
S1511において、サブCPUが、受信データが設定変更コマンド(開始)であると判定したとき(S1511がYES判定である場合)、サブCPUは、メンテナンスメニュー開始要求処理を行う(S1512)。パチスロ401では、遊技店の係員等により設定変更処理が開始され、設定変更コマンド(開始)が主制御基板441から副制御基板442に送信されると、副制御基板442側では、例えば、表示装置413の表示画面等に複数種のメンテナンス項目が列挙されたメニュー画面(メンテナンスメニュー)が表示される。なお、メンテナンスメニューは、ホールメニューとも呼ばれるものである。それゆえ、S1512の処理では、サブCPUは、メンテナンスメニューの表示開始に必要な各種処理を行い、これにより、表示装置413の表示画面においてメンテナンスメニューの表示が開始される。そして、S1512の処理後、サブCPUは、非遊技進行系コマンド処理を終了するともに、当該処理の呼び出し先の処理である主制御コマンド受信時処理(図86)も終了する。
一方、S1511において、サブCPUが、受信データが設定変更コマンド(開始)でないと判定したとき(S1511がNO判定である場合)、サブCPUは、受信データ(コマンド)が設定変更コマンド(終了)であるか否かを判別する(S1513)。S1513において、サブCPUが、受信データが設定変更コマンド(終了)でないと判定したとき(S1513がNO判定である場合)、サブCPUは、後述のS1517の処理を行う。
一方、S1513において、サブCPUが、受信データが設定変更コマンド(終了)であると判定したとき(S1513がYES判定である場合)、サブCPUは、メンテナンスメニュー終了要求処理を行う(S1514)。S1514の処理では、サブCPUは、メンテナンスメニューの表示終了に必要な各種処理を行う。
次いで、サブCPUは、メダル数クリアサウンドの出力待機状態中であるか否かを判定する(S1515)。S1515において、サブCPUが、メダル数クリアサウンドの出力待機状態中でないと判定したとき(S1515がNO判定である場合)、サブCPUは、非遊技進行系コマンド処理を終了するともに、当該処理の呼び出し先の処理である主制御コマンド受信時処理(図86)も終了する。この場合、メンテナンスメニューの表示も終了する。
一方、S1515において、サブCPUが、メダル数クリアサウンドの出力待機状態中であると判定したとき(S1515がYES判定である場合)、サブCPUは、メダル数クリアサウンドの出力(ショット)要求登録処理を行う(S1516)。この処理により、メダル数クリアサウンドのショット再生(例えば、30秒間の鳴動)が開始され、メダル数クリアスイッチ443aが押下されたことが報知される。すなわち、設定変更処理が終了した時点でメダル数クリアサウンドの出力待機状態であれば、メダル数クリアサウンドのショット再生を開始させる。この場合、設定変更操作、又は、設定確認操作が終了した後にメダル数クリアサウンドが出力されるので、遊技店の係員等が、7セグLEDに表示されている遊技価値の貯留数がクリアされていることの確認(目視)を忘れずに行うことができる。そして、S1516の処理後、サブCPUは、非遊技進行系コマンド処理を終了するともに、当該処理の呼び出し先の処理である主制御コマンド受信時処理(図86)も終了する。
ここで、再度、S1513の処理に戻って、S1513がNO判定である場合、サブCPUは、受信データ(コマンド)がメダル数クリア開始コマンドであるか否かを判別する(S1517)。S1517において、サブCPUが、受信データがメダル数クリア開始コマンドでないと判定したとき(S1517がNO判定である場合)、サブCPUは、後述のS1521の処理を行う。
一方、S1517において、サブCPUが、受信データがメダル数クリア開始コマンドであると判定したとき(S1517がYES判定である場合)、サブCPUは、メンテナンスメニューが表示中であるか否かを判定する(S1518)。
S1518において、サブCPUが、メンテナンスメニューが表示中でないと判定したとき(S1518がNO判定である場合)、サブCPUは、メダル数クリアサウンドの出力(ショット)要求登録処理を行う(S1519)。この処理により、メダル数クリアサウンドのショット再生(例えば、30秒間の鳴動)が開始され、メダル数クリアスイッチ443aが押下されたことが報知される。この結果、メダル数クリアスイッチ443aの押下した係員等は、メダル数表示ユニット426bのクレジット表示(5桁の7セグLED)を確認することなく、当該押下操作が正確に行われたこと知ることができる。そして、S1519の処理後、サブCPUは、非遊技進行系コマンド処理を終了するともに、当該処理の呼び出し先の処理である主制御コマンド受信時処理(図86)も終了する。
なお、メダル数クリアスイッチ443aに対する押下操作(メダル数クリア)の報知形態として、スピーカによるメダル数クリアサウンドの出力(ショット再生)の代わりに、LED群435によるメダル数クリアパターンの発光(ショット再生)を用いてもよい。なお、LEDのショット再生とは、LEDを予め設定されている再生(出力)期間、所定のパターンで発光させる動作を、1度だけ実行することを意味する。この場合には、上述したS1516及びS1519のそれぞれにおいて、メダル数クリアサウンドの出力(ショット)要求登録処理の代わりに、メダル数クリアパターンの発光(ショット)要求登録処理を行い、メダル数クリアパターンのショット再生が行われるようにしてもよい。また、例えば、メダル数クリアスイッチ443aに対する押下操作(メダル数クリア)の報知形態として、スピーカによるメダル数クリアサウンドの出力(ショット再生)、及び、LED群435によるメダル数クリアパターンの発光(ショット再生)の両方を用いてもよい。この場合には、S1516及びS1519のそれぞれにおいて、メダル数クリアサウンドの出力(ショット)要求登録処理、及び、メダル数クリアパターンの発光(ショット)要求登録処理の両方を行い、メダル数クリアサウンドのショット再生及びメダル数クリアパターンのショット再生の両方が行われるようにしてもよい。
一方、S1518において、サブCPUが、メンテナンスメニューが表示中であると判定したとき(S1518がYES判定である場合)、サブCPUは、メダル数クリアサウンドの出力待機状態をセットする(S1520)。すなわち、メダル数クリアスイッチ443aが押下された際にメンテナンスメニューが表示されている場合には、メダル数クリアサウンドのショット再生は開始されずに待機状態となる。そして、S1520の処理後、サブCPUは、非遊技進行系コマンド処理を終了するともに、当該処理の呼び出し先の処理である主制御コマンド受信時処理(図86)も終了する。
ここで、再度、S1517の処理に戻って、S1517がNO判定である場合、サブCPUは、受信データ(コマンド)がメダル数クリア終了コマンドであるか否かを判別する(S1521)。
S1521において、サブCPUが、受信データがメダル数クリア終了コマンドでないと判定したとき(S1521がNO判定である場合)、サブCPUは、後述のS1525の処理を行う。一方、S1521において、サブCPUが、受信データがメダル数クリア終了コマンドであると判定したとき(S1521がYES判定である場合)、サブCPUは、メンテナンスメニューが表示中であるか否かを判定する(S1522)。
S1522において、サブCPUが、メンテナンスメニューが表示中であると判定したとき(S1522がYES判定である場合)、サブCPUは、非遊技進行系コマンド処理を終了するともに、当該処理の呼び出し先の処理である主制御コマンド受信時処理(図86)も終了する。一方、S1522において、サブCPUが、メンテナンスメニューが表示中でないと判定したとき(S1522がNO判定である場合)、サブCPUは、メダル数クリアサウンドの出力中であるか否かを判定する(S1523)。
S1523において、サブCPUが、メダル数クリアサウンドの出力中でないと判定したとき(S1523がNO判定である場合)、サブCPUは、非遊技進行系コマンド処理を終了するともに、当該処理の呼び出し先の処理である主制御コマンド受信時処理(図86)も終了する。
一方、S1523において、サブCPUが、メダル数クリアサウンドの出力中であると判定したとき(S1523がYES判定である場合)、サブCPUは、メダル数クリアサウンドの停止登録処理を行う(S1524)。この処理により、メダル数クリアサウンドのショット再生が停止される。すなわち、メダル数クリア処理の終了時にメダル数クリアサウンドの出力中である場合には、メダル数クリア処理の終了時にメダル数クリアサウンドのショット再生が途中で停止される。そして、S1524の処理後、サブCPUは、非遊技進行系コマンド処理を終了するともに、当該処理の呼び出し先の処理である主制御コマンド受信時処理(図86)も終了する。
ここで、再度、S1521の処理に戻って、S1521がNO判定である場合、サブCPUは、他の非遊技進行系コマンド受信時処理を行う(S1525)。この処理では、サブCPUは、設定変更コマンド(開始)、設定変更コマンド(終了)、メダル数クリア開始コマンド及びメダル数クリア終了コマンド以外の他の非遊技進行系コマンドのうち、受信した非遊技進行系コマンドの種別に対応する受信時処理を行う。そして、S1525の処理後、サブCPUは、非遊技進行系コマンド処理を終了するともに、当該処理の呼び出し先の処理である主制御コマンド受信時処理(図86)も終了する。
[10-21.各種変形例]
以上、本発明の一実施例に係る遊技システム、遊技機及び遊技媒体貸出装置の構成及び動作について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、その他の種々の実施例及び変形例が含まれる。
[10-21-1.遊技開始条件の各種変形例]
遊技システム400では、上記図62の遊技開始処理で説明したように、遊技媒体貸出装置402からパチスロ401に入力されるVL信号(接続信号)がオン状態でなければ、遊技が開始されない構成を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、パチスロ401(第2の遊技機)の遊技開始条件として、次のような各種変形例を採用してもよい。また、下記各種変形例の遊技開始条件を採用しても、上記パチスロ401と同様に、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
<変形例1>
パチスロ401の遊技開始条件として、例えば、スタートスイッチ422Sのオン/オフ状態と、主制御基板441に入力されるVL信号(接続信号)のオン/オフ状態とを考慮した条件を用いてもよい。変形例1では、その一例を説明する。また、この例では、当該遊技開始に関する条件の判定処理及びその判定結果に対応する信号をハードウェアで実現する構成例を説明する。
図88に、変形例1における遊技システム601の概略構成図を示す。なお、図88に示すこの例の遊技システム601において、図39、図41及び図42に示す上記遊技システム400と同様の構成には同じ符号を付して示す。また、図88に示すこの例の遊技システム601の構成図には、変形例1の特徴の説明に必要な構成のみを示し、図示しない構成部は上記遊技システム400のそれと同様である。
図88に示すこの例の遊技システム601と図39、図41及び図42に示す上記遊技システム400との比較から明らかなように、この例における遊技システム601の構成は、上記遊技システム400において、ドア中継基板444内にAND回路602を追加した構成となる。
この例では、AND回路602の一方の入力端子がスタートスイッチ422Sに接続され、他方の入力端子がメダル数制御基板443のVL信号の入力ポート(遊技球等接続端子板445及びメダル数制御基板443間に設けられたVL信号伝送用の信号線)に接続される。また、AND回路602の出力端子は、ドア中継基板444内の多機能LSI444a(スレーブ)及び主制御基板441内の多機能LSI453(マスター)を介して主制御用マイクロプロセッサ450に接続される。
この例では、スタートスイッチ422Sの検出信号、及び、遊技媒体貸出装置402からのVL信号が、AND回路602に入力され、AND回路602の出力端子からは、両入力信号の論理積の結果が出力される。具体的には、スタートスイッチ422Sの検出信号がオン状態であり、且つ、VL信号がオン状態である場合(遊技開始に関する条件が成立している場合)に、AND回路602からHighレベルの信号が出力され、それ以外の場合(遊技開始に関する条件が成立していない場合)には、AND回路602からLowレベルの信号が出力される。
そして、AND回路602からの出力信号は、ドア中継基板444内の多機能LSI444a(スレーブ)及び主制御基板441内の多機能LSI453(マスター)を介して主制御用マイクロプロセッサ450に入力される。それゆえ、この例では、主制御用マイクロプロセッサ450に入力されるAND回路602からの出力信号のレベル(High又はLow)に応じて、遊技開始の有無が自動的に決定される。
なお、この例では、AND回路602に入力するVL信号を、メダル数制御基板443のVL信号の入力ポート(遊技球等接続端子板445及びメダル数制御基板443間に設けられたVL信号伝送用の信号線)から直接取得する構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、メダル数制御基板443に入力された後のVL信号をAND回路602に入力してもよい。この場合、図88中の破線で示すように、メダル数制御基板443内のバッファIC463、メダル数制御用マイクロプロセッサ460及び他のバッファIC603を介してメダル数制御基板443から出力されるVL信号が、AND回路602に入力される。なお、このような構成では、メダル数制御基板443のVL信号の入力ポート(遊技球等接続端子板445及びメダル数制御基板443間に設けられたVL信号伝送用の信号線)とAND回路602の他方の入力端子との間をつなぐ信号線は省略される。
この例のように、パチスロ401の遊技開始に関する条件の判定処理及びその判定結果に対応する信号をハードウェアで実現した場合、例えば、主制御用マイクロプロセッサ450(メインCPU501)の処理負荷の低減やプログラム容量の低減などの効果が得られる。
<変形例2>
パチスロ401の遊技開始条件として、例えば、MAXBETスイッチ416S又は1BETスイッチ417Sの検出信号(掛け数信号)のオン/オフ状態と、パチスロ1に入力されるVL信号(接続信号)のオン/オフ状態とを考慮した条件を用いてもよい。変形例2では、その一例を説明する。また、この例では、当該遊技開始に関する条件の判定処理及びその判定結果に対応する信号をハードウェアで実現する構成例を説明する。
図89に、変形例2における遊技システム611の概略構成図を示す。なお、図89に示すこの例の遊技システム611において、図39、図41及び図42に示す上記遊技システム400と同様の構成には同じ符号を付して示す。また、図89に示すこの例の遊技システム611の構成図には、変形例2の特徴の説明に必要な構成のみを示し、図示しない構成部は上記遊技システム400のそれと同様である。
図89に示すこの例の遊技システム611と図39、図41及び図42に示す上記遊技システム400との比較から明らかなように、この例における遊技システム611の構成は、上記遊技システム400において、ドア中継基板444内に第1AND回路612及び第2AND回路613を追加した構成となる。
この例では、第1AND回路612の一方の入力端子がMAXBETスイッチ416Sに接続され、他方の入力端子がメダル数制御基板443のVL信号の入力ポート(遊技球等接続端子板445及びメダル数制御基板443間に設けられたVL信号伝送用の信号線)に接続される。また、第1AND回路612の出力端子は、ドア中継基板444内の多機能LSI444a(スレーブ)及び主制御基板441内の多機能LSI453(マスター)を介して主制御用マイクロプロセッサ450に接続される。
すなわち、第1AND回路612では、MAXBETスイッチ416Sの検出信号、及び、遊技媒体貸出装置402からのVL信号が、第1AND回路612に入力され、第1AND回路612の出力端子からは、両入力信号の論理積の結果が出力される。具体的には、MAXBETスイッチ416Sの検出信号がオン状態であり、且つ、VL信号がオン状態である場合に、第1AND回路612からHighレベルの信号が出力され、それ以外の場合には、第1AND回路612からLowレベルの信号が出力される。
一方、この例では、第2AND回路613の一方の入力端子が1BETスイッチ417Sに接続され、他方の入力端子がメダル数制御基板443のVL信号の入力ポート(遊技球等接続端子板445及びメダル数制御基板443間に設けられたVL信号伝送用の信号線)に接続される。また、第2AND回路613の出力端子は、ドア中継基板444内の多機能LSI444a(スレーブ)及び主制御基板441内の多機能LSI453(マスター)を介して主制御用マイクロプロセッサ450に接続される。
すなわち、第2AND回路613では、1BETスイッチ417Sの検出信号、及び、遊技媒体貸出装置402からのVL信号が、第2AND回路613に入力され、第2AND回路613の出力端子からは、両入力信号の論理積の結果が出力される。具体的には、1BETスイッチ417Sの検出信号がオン状態であり、且つ、VL信号がオン状態である場合に、第2AND回路613からHighレベルの信号が出力され、それ以外の場合には、第2AND回路613からLowレベルの信号が出力される。
なお、この例では、第1AND回路612又は第2AND回路613からHighレベルの出力信号が出力されている状態が、遊技開始に関する条件が成立していることを表し、それ以外の状態が、遊技開始に関する条件が成立していないことを表す。
そして、第1AND回路612及び第2AND回路613からの出力信号は、ドア中継基板444内の多機能LSI444a(スレーブ)及び主制御基板441内の多機能LSI453(マスター)を介して主制御用マイクロプロセッサ450に入力される。それゆえ、この例では、主制御用マイクロプロセッサ450に入力される第1AND回路612及び第2AND回路613からの出力信号の態様(第1AND回路612からの出力信号のレベルと、第2AND回路613からの出力信号のレベルとの組合せ態様)に応じて、遊技開始の有無が自動的に決定される。
なお、この例では、第1AND回路612及び第2AND回路613に入力するVL信号を、メダル数制御基板443のVL信号の入力ポート(遊技球等接続端子板445及びメダル数制御基板443間に設けられたVL信号伝送用の信号線)から直接取得する構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、メダル数制御基板443に入力された後のVL信号を第1AND回路612及び第2AND回路613に入力してもよい。この場合、図89中の破線で示すように、メダル数制御基板443内のバッファIC463、メダル数制御用マイクロプロセッサ460及び他のバッファIC614を介してメダル数制御基板443から出力されるVL信号が、第1AND回路612及び第2AND回路613に入力される。なお、このような構成では、メダル数制御基板443のVL信号の入力ポート(遊技球等接続端子板445及びメダル数制御基板443間に設けられたVL信号伝送用の信号線)と第1AND回路612及び第2AND回路613の各他方の入力端子との間をつなぐ信号線は省略される。
この例のように、パチスロ401の遊技開始に関する条件の判定処理及びその判定結果に対応する信号をハードウェアで実現した場合、例えば、主制御用マイクロプロセッサ450(メインCPU501)の処理負荷の低減やプログラム容量の低減などの効果が得られる。
<変形例3:外部端子信号の出力機能の変形例>
上記遊技システム400では、遊技球等接続端子板445内に、パチスロ401及び遊技媒体貸出装置402間を接続するための接続機構部445aが設けられる。
ここでは、主制御基板441から周辺機器500に外部端子信号を出力する際の手法の変形例(変形例3)について説明する。なお、下記変形例3の外部端子信号の出力手法を採用しても、上記実施例と同様に、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
図90は、上記遊技システム400及び変形例3の遊技システムの概略構成図である。なお、図90Aは、上記遊技システム400の概略構成図であり、図90Bは、変形例3の遊技システム621の概略構成図である。図90A及び90Bに示す各遊技システムにおいて、図39、図41及び図42に示す上記遊技システム400と同様の構成には同じ符号を付して示す。また、図90A及び90Bに示す各遊技システムの概略構成図には、外部端子信号の出力手法の説明に必要な構成のみを示し、図示しない構成部は上記実施例のそれと同様である。
(1)上記遊技システム400の外部端子信号の出力手法
上記遊技システム400と変形例3との間における外部端子信号を出力手法の違いを理解し易くするために、まず、上記遊技システム400における外部端子信号の出力手法を、図90Aを参照しながら説明する。
主制御基板441から周辺機器500に外部端子信号を出力する場合、まず、主制御基板441内の主制御用マイクロプロセッサ450は、外部端子信号の情報を付加したコマンドを生成した後、当該コマンドをメダル数制御基板443内のメダル数制御用マイクロプロセッサ460にシリアル通信で送信する。次いで、当該コマンドを受信したメダル数制御用マイクロプロセッサ460は、メダル数制御基板443内のバッファIC463に外部端子信号を出力する。そして、バッファIC463に出力された外部端子信号は、遊技球等接続端子板445内の接続機構部445aを介して周辺機器500に出力される。
例えば、外部端子信号として遊技媒体投入信号を周辺機器500に出力する場合、まず、主制御用マイクロプロセッサ450は、スタートレバー422の操作タイミングで、遊技媒体の投入数(例えば「3」等)が付加された外部端子遊技媒体投入コマンドを生成し、当該外部端子遊技媒体投入コマンドをメダル数制御基板443(メダル数制御用マイクロプロセッサ460)にシリアル通信で送信する。次いで、メダル数制御用マイクロプロセッサ460は、外部端子遊技媒体投入コマンドを受信したタイミングで、遊技媒体投入信号のパルスを生成し、当該遊技媒体投入信号のパルスを、バッファIC463を介して遊技球等接続端子板445内の接続機構部445aにポート出力する。
また、例えば、外部端子信号としてセキュリティ信号を周辺機器500に出力する場合、まず、主制御用マイクロプロセッサ450は、ドア開状態を検知したタイミング、又は、ドア開状態の解除を検知したタイミングで、セキュリティ発生状態が付加された外部端子セキュリティコマンドを生成し、当該外部端子セキュリティコマンドをメダル数制御基板443(メダル数制御用マイクロプロセッサ460)にシリアル通信で送信する。次いで、メダル数制御用マイクロプロセッサ460は、外部端子セキュリティコマンドを受信したタイミングで、セキュリティ状態に応じた信号(セキュリティ信号)を接続機構部445aにポート出力する。
なお、上記パチスロ401は、メダルレス遊技機であるので、例えば、メダルセレクタやホッパー装置などを備えていない。それゆえ、上記パチスロ401の主制御基板441で検出されるエラーは、RAMエラー及びメダル数制御基板443で検知したエラーとなる。
(2)変形例3の外部端子信号の出力手法
次に、変形例3の遊技システム621における外部端子信号の出力手法を、図90Bを参照しながら説明する。
主制御基板441から周辺機器500に外部端子信号を出力する場合、まず、主制御基板441内の主制御用マイクロプロセッサ450は、主制御基板441内の多機能LSI453(マスター)に外部端子信号を出力する。次いで、多機能LSI453(マスター)に出力された外部端子信号は、多機能LSI453(マスター)とメダル数制御基板443内に設けられた別のバッファIC603とを接続する信号線を介して当該別のバッファIC603に出力される。
次いで、メダル数制御基板443内のメダル数制御用マイクロプロセッサ460は、別のバッファIC603から外部端子信号を取得し、当該外部端子信号をメダル数制御基板443内のバッファIC463に出力する。そして、バッファIC463に出力された外部端子信号は、遊技球等接続端子板445内の接続機構部445aを介して周辺機器500に出力される。
<変形例4>
上記実施例及び上記各種変形例の遊技システムでは、遊技球等接続端子板445内に外部集中端子板の機能部(接続機構部445a)を設ける構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施例及び上記各種変形例の遊技システムにおいて、遊技球等接続端子板445の代わりに外部集中端子板を設け、当該外部集中端子板内に遊技球等接続端子板445の機能部を設けてもよい。なお、この場合、外部集中端子板内の遊技球等接続端子板445の機能部が遊技媒体貸出装置402に接続される。
このような構成では、外部集中端子板内の遊技球等接続端子板445の機能部から遊技媒体貸出装置402に出力される信号(以下、「接続端子信号」という)の出力手法としては、上記実施例及び上記変形例3で説明した外部端子信号の出力手法と同様の手法を採用することができる。具体的には、上記実施例及び上記変形例3における外部端子信号の出力手法(図90A及び90B)の説明内容において、外部端子信号を接続端子信号に置き換えればよい。
変形例4の構成及び接続端子信号の出力手法を採用しても、上記実施例と同様に、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
<変形例5>
上記遊技システム400では、パチスロ401(メダル数制御基板443)と遊技媒体貸出装置402との間のデータの入出力仕様(擬似的な通信仕様)として、2線同期方式の双方向プロトコルを用いる。そして、上記遊技システム400では、遊技媒体の精算処理で行われるパチスロ401(メダル数制御基板443)及び遊技媒体貸出装置402間のデータの入出力(データ通信)もまた、2線同期方式の双方向プロトコルを利用して行われる。
変形例5では、精算ボタン418の押下時に行われるデータの入出力(データ通信)において、装置間で互いに入出力されるSTB信号及びデータ信号のオン/オフ状態の制御を工夫して、動作モードを精算モードに移行させる機能を設けた構成を説明する。
図91に、この例の遊技システム400において、精算ボタン418が押下されたとき(精算開始時)から精算モード終了(精算終了)までの期間で行われる、パチスロ401のメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に出力(送信)されるPRDY信号(STB信号)及びXES信号(データ信号)のレベル制御例、並びに、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443に出力(送信)されるBRDY信号(STB信号)及びBRQ信号(データ信号)のレベル制御例を示す。なお、以下に説明する、PRDY信号及びXES信号のレベル制御は、メダル数制御基板443のメダル数制御用マイクロプロセッサ460(メダル数制御CPU501)により行われ、BRDY信号及びBRQ信号のレベル制御は、遊技媒体貸出装置402の周辺機器制御部402aにより行われる。
まず、時刻t0において、精算ボタン418が押下されると、精算スイッチ418Sがオフ状態からオン状態に変化する。
そして、この精算スイッチ418Sの状態変化を契機として、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に精算モードへの移行がリクエストされる。具体的には、このリクエストは、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に出力される、PRDY信号のレベルをLow(待機状態、オフ状態)からHigh(オン状態)に変化させ、EXS信号のレベルをHighからLowに変化させることにより行われる。なお、この際、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443に出力されるBRDY信号及びBRQ信号のレベルはともにHighレベルに維持される。
すなわち、この例では、時刻t0において、精算ボタン418が押下されると、PRDY信号及びBRDY信号のレベルがともにHighレベルとなる状態が発生する。しかしながら、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間では、ポーリング形式でデータの入出力が行われるので、このようなPRDY信号(STB信号)のレベル状態とBRDY信号(STB信号)のレベル状態との組み合わせ態様は、通常のデータの入出力動作では発生しない態様である。そこで、遊技媒体貸出装置402では、このような通常のデータの入出力動作では発生しない、PRDY信号及びBRDY信号間のレベル状態の態様(PRDY信号及びBRDY信号のレベルがともにHighレベルとなる態様)を検知し、メダル数制御基板443から精算モードへの移行がリクエストされたと判断される。
次いで、遊技媒体貸出装置402において精算モードへの移行をリクエストされたことが検知された場合、その後、時刻t1において、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443にAck応答(了解応答)が行われる。具体的には、このAck応答は、時刻t1において、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443に出力されるBRDY信号をHighレベルからLowレベルに変化させ、BRQ信号のレベルをHighレベルに維持することにより行われる。
次いで、メダル数制御基板443では、遊技媒体貸出装置402からのAck応答を確認すると(精算モードへの移行を確認すると)、時刻t2において、PRDY信号のレベルをLowレベル(待機状態)に戻すとともに、EXS信号のレベルをHighレベルに戻し、その後、メダル数制御基板443の制御状態は待機状態に移行する。次いで、遊技媒体貸出装置402では、精算モードへの移行が確認された後、時刻t3において、BRDY信号のレベルをLowレベルに戻すとともに、BRQ信号のレベルをHighレベルに戻し、その後、遊技媒体貸出装置402の制御状態は待機状態に移行する。上述した一連のPRDY信号、EXS信号、BRDY信号及びBRQ信号のレベル制御により精算モードへの移行処理が完了する。
その後、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に、遊技媒体の精算数の桁数情報及びその桁数に対応する精算数情報をこの順で出力する動作を繰り返すことにより、遊技媒体の精算動作が行われる。例えば、遊技媒体の精算数が「1308」である場合には、桁数情報「4(4桁目)」、4桁目の精算数情報「1」、桁数情報「3(3桁目)」、3桁目の精算数情報「3」、桁数情報「1(1桁目)」及び1桁目の精算数情報「8」がこの順でメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に出力される。なお、この例では、2桁目の精算数情報が「0」であるので、2桁目の桁数情報及び精算数情報は出力しない構成になっている。また、この例では、後述するように、桁数情報「0」は精算モード終了判定用のデータとして用いられる。
また、図91に示すように、遊技媒体の精算数の桁数情報の送信(設定)開始時(時刻t4)には、PRDY信号のレベルをLowからHighに変化させ、桁数情報の送信期間(時刻t4~t5)では、PRDY信号のレベルをHighレベル(オン状態)に維持する。また、この桁数情報の送信期間(時刻t4~t5)では、桁数情報に応じてEXS信号のレベル制御が行われる。そして、桁数情報の送信終了時(時刻t5)には、PRDY信号のレベルをHighからLowに変化させる。その後、精算数情報の送信(設定)開始時(時刻t6)には、PRDY信号のレベルをLowレベルに維持し、精算数情報の送信期間(時刻t6~t7)ではPRDY信号のレベル(Low)を維持する。また、この精算数情報の送信期間(時刻t6~t7)では、精算数情報に応じてEXS信号のレベル制御が行われる。
そして、遊技媒体の精算数の全ての桁数情報及精算数情報の送信が終了した後、時刻t8において、PRDY信号のレベルをLowからHighに変化させ、精算モードの終了処理を開始する。すなわち、この例では、桁数情報の送信(設定)開始時(時刻t4)のレベル制御と同様のレベル制御により、精算モードの終了処理を開始する。
その後、所定期間(時刻t9まで)、PRDY信号のレベル(High)を変化させずに維持するとともに、EXS信号のレベル(High)も変化させずに維持する。すなわち、精算モードの終了処理開始後、PRDY信号がHighレベルに維持されている時刻t8~t9の期間、EXS信号がHighレベルに維持された状態(変化させない状態)が生成される。
それゆえ、精算モードの終了処理開始後、PRDY信号がHighレベルに維持されている時刻t8~t9の期間では、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に遊技媒体の精算数の桁数情報として「0」が送信されている場合と同様の状況が発生する。すなわち、精算モードの終了処理開始後、PRDY信号がHighレベルに維持されている時刻t8~t9の期間では、実質、桁数情報として0桁という誤った情報(ありえない情報)をメダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402に送信していることになる。そして、遊技媒体貸出装置402では、この誤った情報の送信状態を検知し、この検知に基づいて精算モードの終了を把握し、BRDY信号のレベルをLowからHigh(待機状態)に戻し(時刻t10)、一連の精算動作が終了する。
なお、時刻t4~t7の期間で行われる、遊技媒体の精算数の桁数情報及び精算数情報の出力動作(遊技媒体の精算動作中におけるPRDY信号、EXS信号、BRDY信号及びBRQ信号のレベル制御)は、2線同期方式における通常のデータの入出力動作で行われる。
また、この例では、精算ボタン418の押下時に、データの入出力仕様(2線同期方式の双方向プロトコル)を利用して動作モードを精算モードに移行させる機能を設けた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、カード返却ボタン421の押下時に上述したPRDY信号、EXS信号、BRDY信号及びBRQ信号のレベル制御と同様の制御を行い、動作モードをカード返却モードに移行させる機能を設けてもよい。また、例えば、貸出ボタン419の押下時に上述したPRDY信号、EXS信号、BRDY信号及びBRQ信号のレベル制御と同様の制御を行い、動作モードを貸出モードに移行させる機能を設けてもよい。
なお、変形例5の上記各種機能が採用された遊技システムにおいても、上記遊技システム400と同様に、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。
<変形例6>
変形例6では、上記遊技システム400及び上記各種変形例の遊技システムにおいて、メダル数制御基板443と遊技媒体貸出装置402とを接続する信号線(2線同期方式の双方向プロトコルで使用される信号線)上に断線検知回路を設けた構成例を説明する。
図92に、この例の遊技システムにおけるメダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の接続配線部645の概略構成を示す。なお、図92に示すこの例の遊技システムにおいて、図39、図41及び図42に示す上記遊技システム400と同様の構成には同じ符号を付して示す。
接続配線部645は、図92に示すように、メダル数制御基板443から遊技媒体貸出装置402にPRDY信号及びEXR信号をそれぞれ出力するためのPRDY信号線及びEXS信号線と、遊技媒体貸出装置402からメダル数制御基板443にBRDY信号及びBRQ信号をそれぞれ出力するためのBRDY信号線及びBRQ信号線と、BRQ信号線に対して設けられた断線検知回路650とを有する。なお、図92には示さないが、接続配線部645には、遊技媒体貸出装置402及びメダル数制御基板443間においてVL信号(接続信号)を伝送するための信号線も設けられる(図88等参照)。
断線検知回路650は、トランジスタ651と、抵抗652(通称、プルアップ抵抗)とで構成される。トランジスタ651のベース端子はBRQ信号線に接続され、コレクタ端子は抵抗652の一方の端子及びメダル数制御基板443に接続され、エミッタ端子は接地(GND)される。また、抵抗652の他方の端子は、+5Vの電源電圧端子に接続される。
このような構成の断線検知回路650をBRQ信号線に対して設けた場合、BRQ信号線が断線していないときには、トランジスタ651のベース端子にBRQ信号線から小さな電流が流れ込み、トランジスタ651はオン状態となり、トランジスタ651のコレクタ端子及びエミッタ端子間に電流が流れる。この場合、トランジスタ651のコレクタ端子の電圧はLowレベルとなり、当該Lowレベルの電圧信号が、断線検知回路650の出力信号としてメダル数制御基板443に出力される。
一方、BRQ信号線に断線が発生したときには、BRQ信号線からトランジスタ651のベース端子に電流が流れ込まないので、トランジスタ651はオフ状態となり、トランジスタ651のコレクタ端子及びエミッタ端子間に電流は流れない。この場合、トランジスタ651のコレクタ端子の電圧はHighレベルとなり、当該Highレベルの電圧信号が、断線検知回路650の出力信号としてメダル数制御基板443に出力される。
それゆえ、上述した断線検知回路650を設けた場合、メダル数制御基板443は、断線検知回路650から入力された出力信号(トランジスタ651のオン/オフ状態(コレクタ端子及びエミッタ端子間を流れる電流の有無)に関する情報)に基づいて、BRQ信号線の断線の有無を検出することができる。具体的には、断線検知回路650から入力された出力信号のレベルがLowレベルである場合、メダル数制御基板443では、BRQ信号線が断線していないと判断され、断線検知回路650から入力された出力信号のレベルがHighレベルである場合には、メダル数制御基板443では、BRQ信号線が断線していると判断される。そして、BRQ信号線が断線していると判断された場合には、メダル数制御基板443では、遊技媒体の払出、貸出、精算等の動作を停止するような制御が行われる。
なお、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間における接続状態(接続の有無)の検出機構の構成は、上述した例に限定されない。例えば、メダル数制御基板443において、断線検知回路650の出力信号と、VL信号との論理積を求め、その演算結果に基づいて、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間の接続状態(接続の有無)を検出してもよい。このような構成では、VL信号及びトランジスタ651の出力信号の少なくとも一方が、オフ状態であれば、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間に断線が発生している可能性があると判断される。
なお、上述した断線検知回路650の出力信号と及びVL信号とを用いた接続状態(接続の有無)の検出機構では、断線検知回路650の出力信号と、メダル数制御基板443に入力されるVL信号との論理積演算を行う必要があるが、この論理積演算は、ソフトウェア上で実行してもよいし、ハードウェアで構成するようにしてもよい。後者の場合には、さらにAND回路を設け、AND回路の一方の入力端子にVL信号が入力され、他方の入力端子に断線検知回路650の出力信号が入力され、AND回路の演算結果(出力信号)がメダル数制御基板443のVL信号の入力端子又は断線検知回路650の出力信号の入力端子に入力されるような構成にすればよい。このような断線検知回路650の出力信号と及びVL信号とを用いた接続状態(接続の有無)の検出機構において、エラー(BRQ信号線の断線等)が発生した場合には、遊技が開始されないように制御される。ただし、断線検知回路650の出力信号にのみ異常(Highレベルの信号)が発生し、VL信号が正常である場合には、遊技媒体の払出、精算等の動作を停止するが、遊技は行われるように制御してもよい。
また、図92に示す例では、断線検知回路650をBRQ信号線に対して設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、PRDY信号線、EXS信号線及びBRDY信号のいずれかに対して断線検知回路650を設けてもよいし、PRDY信号線、EXS信号線、BRDY信号及びBRQ信号線のうちの複数の信号線(全ての信号線も含む)に対してそれぞれ断線検知回路650を設けてもよい。
なお、変形例6で説明した、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間における接続状態(接続の有無)の各種検出機構が採用された遊技システムにおいても、上記遊技システム400と同様に、プログラムの簡易な改修のみで、メダルレス遊技機の導入及び運用が可能になる。また、メダル数制御基板443及び遊技媒体貸出装置402間においては、GPIOを使用しているので、両者間の回線(接続配線部645)の接続状態を容易に確認することができる。
<変形例7>
変形例7では、上記遊技システム400及び上記各種変形例の遊技システムにおいて、さらに、遊技店(遊技場)以外の第三者機関(例えばカード会社等)に設置された第三者管理サーバを設けた例を説明する。
(1)遊技システムの構成
図93に、この例の遊技システムの概略構成、並びに、構成装置間で行われる認証情報及びその認証結果の送受信動作の概要を示す。なお、図93において、図39に示す上記遊技システム400の構成と同じ構成には、同じ符号を付して示す。
この例の遊技システム700は、図93に示すように、メダルレス遊技機であるパチスロ401と、遊技媒体貸出装置402(遊技媒体管理装置)と、管理コンピュータ701と、第三者管理サーバ702とを含んで構成される。なお、パチスロ401及び遊技媒体貸出装置402はともに、上記遊技システム400及び上記各種変形例で説明したものと同様であるので、ここでは、これらの説明は省略する。
管理コンピュータ701は、パチスロ401が複数設置された遊技店(遊技場)内に設置され、かつ暗号化処理を施したLANで遊技店内の複数の遊技媒体貸出装置402と通信可能に接続されている。また、管理コンピュータ701は、広域ネットワークを介して第三者管理サーバ702と通信可能に接続されている。
第三者管理サーバ702は、遊技店以外の第三者機関(例えば、遊技用カードを発行するカード会社等)に設置され、当該第三者機関によって管理されている。
(2)認証情報の照合動作
次に、遊技システム700において、パチスロ401の起動時に行われる装置間の認証情報及びその認証結果の送受信動作について説明する。なお、ここでいう「認証情報」とは、パチスロ401の起動時に送信される情報であり、例えばパチスロ401の主制御用マイクロプロセッサ450(メインCPU501)のチップ個別ナンバー(固有ID)、メインROM502のROMコード、メダル数制御用マイクロプロセッサ460(メダル数制御CPU501)のチップ個別ナンバー(固有ID)、メダル数制御ROM502のROMコード、サブCPU(不図示)の固有ID、遊技機メーカーコード、セキュリティチップメーカーコード、パチスロ401の型式コード等を含む情報である。
まず、パチスロ401の起動時には、パチスロ401から遊技媒体貸出装置402及び管理コンピュータ701を介して第三者管理サーバ702に、認証情報要求信号が送信され、第三者管理サーバ702においてパチスロ401の認証が行われる。なお、図示していないが、この際、認証情報要求信号とともにパチスロ401の認証情報も送信される。
次いで、第三者管理サーバ702では、認証情報要求信号が受信されると、少なくとも、受信した認証情報に含まれる各情報(ID情報等)と第三者管理サーバ702に予め登録されている、対応する情報(ID情報等)との認証が行われ、その認証の結果(認証結果)が管理コンピュータ701及び遊技媒体貸出装置402を介してパチスロ401に送信される。この際、第三者管理サーバ702は、当該認証結果とともに暗号鍵を管理コンピュータ701に送信する。この場合、暗号鍵を認証結果の一部として送信することになるので、管理コンピュータ701側では受信情報に暗号鍵の情報が含まれることを認識することができなくなり、セキュリティを維持することができる。
次いで、管理コンピュータ701は、受信した認証結果及び暗号鍵を遊技媒体貸出装置402に送信する。次いで、管理コンピュータ701は、受信した認証結果をパチスロ401に送信する。そして、パチスロ401において遊技媒体貸出装置402から受信した認証結果が正常である場合には、パチスロ401が起動される。
<その他の変形例>
上記実施例及び各種変形例の遊技システムでは、遊技機としてパチスロを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。上記実施例及び各種変形例で説明した本発明の各種技術のうち、パチスロに特有の技術以外の技術は、「パチンコ」と呼ばれる遊技機を備える遊技システムにも適用可能であり、同様の効果が得られる。
また、上記構成の本発明の一実施形態に係る遊技機では、下記のような構成を有することもできる。
図57~図67に示す主制御基板441で実行される各種処理の中で行われる「応答待機」処理(例えば、図58中のS1025等)は、メダル数制御基板443からの応答を待つ処理であるが、応答するまでにタイムアウトを計時(応答が無い状態が一定時間を超過したか否かを判断)するタイムアウト判定処理を含めたり、応答があった場合において、メダル数制御基板443からのコマンド(「Ackコマンド」又は「Nack」コマンド)に、あり得ない値(情報)が含まれていないかどうかを判断する数値判定処理を含めたりすることもできる。このような構成において、メインCPU501は、タイムアウト判定処理、及び/又は、数値判定処理により異常を検知した場合には、エラー状態にセットし、遊技情報表示ユニット426a(図37A参照)内の払出表示用の2桁の7セグLEDにエラーコードを表示し、表示されたエラーコードに応じたエラーコマンドを副制御基板442に送信する。
また、上記実施例等では、メダル数クリアスイッチ443aの押下時に、メダル数クリアサウンドを出力する(発音させる)構成例を説明したが、エラーサウンドとメダル数クリアサウンドとを同時に発音させてもよい。このような構成において、エラーサウンドの発音中にメダル数クリアサンドを発音させる場合、エラーサウンドが効果音(人声ではない警告音等)であれば、メダル数クリアサウンドを音声メッセージとし、逆に、エラーサウンドが音声メッセージであれば、メダル数クリアサウンドを効果音にする。また、このような構成において、エラーサウンドを最大音量で発音させる場合には、メダル数クリアサウンドを一段低い音量に設定して発音させるようにしたり、メダル数クリアサウンドの音量を、最大音量(エラーサウンドの音量)と音量調整機能で設定されている音量との中間の音量に設定したりしてもよい。
また、上記実施例等では、メダル数クリアスイッチ443aに対する押下操作(メダル数クリア)の報知形態として、LED群435を用いる例についても説明したが、それに加えてさらに、表示装置413を用いる場合もある。この場合、表示装置413の表示画面内において、現在表示されている表示内容を阻害しない表示位置に、メダル数がクリアされたこと、具体的には、メダル数クリアスイッチ443aに対して有効に押下操作されたことによりメダル数表示ユニット426b(図37B参照)に表示されているメダル数(クレジット数)がクリアされたことを表すメッセージ等を表示する。
さらに、上記実施例等では、サブCPUは、受信データとして設定変更コマンド(終了)を受信した際にメダル数クリアサウンドを発音させるが、メンテナンスメニューの表示中にメダル数クリアサウンドを発音させてもよい。また、この場合、メダル数クリアサウンドの発音と同時に、LED群435によるメダル数クリアの報知を実行してもよいし、上述のように、表示装置413によるメダル数クリアの報知を実行してもよい。
[10-22.付記]
従来、遊技媒体であるメダルを遊技機に投入することなく、メダル貸出装置(サンド)から直接、遊技価値が付与される、所謂、メダルレス遊技機が提案されている(例えば、特開2019-187818号公報参照)。
ところで、特開2019-187818号公報に記載の遊技機では、筐体内部に、遊技価値の払出数の計数制御を行う払出制御基板が取り付けられ、この払出制御基板に接続されたスイッチ(ボタン)類には、係員が操作可能なスイッチも含まれる。そこで、このようなスイッチに対して操作が正確に行われたか否かを示す情報を報知する技術が求められている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技機において、遊技価値の管理に関する制御を行う基板に接続されたスイッチ(ボタン)に対する操作が正確に行われたか否かを示す情報を報知することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態に係る遊技機によれば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御用マイクロプロセッサ450)と、
前記遊技制御手段に接続され、遊技価値の管理に関する制御を行う遊技価値制御手段(例えば、メダル数制御用マイクロプロセッサ460)と、
前記遊技価値制御手段に接続され、遊技価値に関する情報を表示する遊技価値表示手段(例えば、メダル数表示ユニット426b)と、
前記遊技価値制御手段に接続され、所定の操作を検出可能な所定操作検出手段(例えば、メダル数クリアスイッチ443a)と、を備え、
前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出された場合には、前記遊技価値表示手段に表示される前記遊技価値に関する情報が更新可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機では、所定の操作が検出された場合に遊技価値表示手段に表示される遊技価値に関する情報が更新可能であるので、所定操作検出手段(メダル数クリアスイッチ443a)に対する所定の操作(押下操作)が正確に行われたか否かを示す情報を操作者に報知することができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技価値に関する情報は、前記遊技機に貯留されている遊技価値の数であり、
電源投入時に、前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出されている場合には、前記遊技価値表示手段に表示される前記遊技価値に関する情報が初期化される、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、遊技価値の貯留数(クレジット数)の管理に関かる制御において想定外のエラー(異常)が発生しても、所定操作検出手段(メダル数クリアスイッチ443a)に対して所定の操作を行うことにより、遊技価値の貯留数が初期化(クリア)され、当該エラーを容易に解除することができる。また、上記特徴を設けた場合、所定操作検出手段に対して所定の操作を行うことにより、遊技価値表示手段に表示される遊技価値の貯留数が初期化されるので、所定の操作を行った遊技店の係員等が、遊技価値の貯留数の初期化操作(所定の操作)が正確に行われていることを認識し易くなる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技制御手段に接続され、演出の制御を行う演出制御手段(例えば、サブCPU)と、
前記演出制御手段に接続され、音声を出力する音声出力手段(例えば、スピーカ群429に含まれるスピーカ)と、をさらに備え、
前記遊技価値制御手段は、前記所定操作検出手段による検知結果を前記遊技制御手段に通知し、
前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出されている状態では、前記遊技制御手段は、前記所定の操作が行われていることを示す所定の情報(例えば、メダル数クリア開始コマンド)を、前記演出制御手段に通知し、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から前記所定の情報が通知されると、前記音声出力手段を制御し、前記音声出力手段から所定の音声(例えば、メダル数クリアサウンド)を出力可能である、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、所定操作検出手段(メダル数クリアスイッチ443a)に対する所定の操作により遊技価値の貯留数がクリアされたことを、遊技価値表示手段により報知するとともに、音声出力手段でも報知することができる。それゆえ、上記特徴を設けた場合、例えば、遊技店の係員等が所定操作検出手段に対して所定の操作を行った場合に、遊技価値表示手段での表示を目視し難い状況が発生しても、所定操作検出手段に対して所定の操作(有効操作)が行われたことを確実に遊技店の係員等に報知することができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出されている状態から前記所定の操作が検出されない状態に移行した場合、前記遊技制御手段は、前記所定の操作が行われていないことを示す特定の情報(例えば、メダル数クリア終了コマンド)を、前記演出制御手段に通知し、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から前記特定の情報が通知され、その際に、前記所定の音声が出力されている場合には、前記音声出力手段を制御し、前記所定の音声の出力を停止可能である、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、所定操作検出手段(メダル数クリアスイッチ443a)に対する所定の操作の終了に連動して、所定の音声(メダル数クリアサウンド)の出力も停止するので、所定の操作終了後(貯留数のクリア処理終了後)も所定の音声が鳴り続けるような状況が発生せず、不快感を与えるような状況の発生を防止することができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記所定の音声の出力期間が予め設定されている、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、所定操作検出手段に対する所定の操作の継続時間(メダル数クリアスイッチ443aの押下時間)が長くなっても、予め決められた出力期間で所定の音声(メダル数クリアサウンド)の出力が停止するので、長時間、所定の音声が鳴り続けるような状況が発生せず、不快感を与えるような状況の発生を防止することができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技制御手段は、単位遊技毎に繰り返されるメイン制御処理と、所定の周期(例えば、1.1172msec周期)で繰り返される割込み処理とを実行可能であり、
前記遊技制御手段が、前記遊技価値制御手段から前記所定操作検出手段での検知結果の通知を受ける処理、及び、前記所定操作検出手段での検知結果に対応する前記所定の情報又は前記特定の情報を前記演出制御手段に通知する処理は、前記割込み処理の中で行われる、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、設定変更処理中に、所定操作検出手段での検知結果のチェック処理(例えば、メダル数クリアチェック処理)を行うことも可能になる。
また、前記本発明の遊技機では、前記演出制御手段に接続され、遊技に関する情報を表示可能な表示手段(例えば、表示装置413)をさらに備え、
前記表示手段は、選択可能な複数の項目を含むメニュー画面を表示可能であり、
前記メニュー画面では、前記音声出力手段の音量調整が可能であり、
前記遊技制御手段から前記演出制御手段に前記所定の情報が通知された際に、前記表示手段により前記メニュー画面が表示されている場合には、前記音声出力手段による前記所定の音声の出力動作は行われず、前記メニュー画面の表示終了後に前記所定の音声の出力動作が行われる、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、設定変更操作、又は、設定確認操作が終了した後に所定の音声が出力されるので、遊技店の係員等が、7セグLEDに表示されている遊技価値の貯留数がクリアされていることの確認(目視)を忘れずに行うことができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技価値制御手段及び前記所定操作検出手段はそれぞれ、個々の基板に実装され、
前記所定操作検出手段に対する前記所定の操作は、専用の器具を使用して行われる、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、例えば、所定操作検出手段(例えば、メダル数クリアスイッチ443a)に対して、誤って所定の操作(押下操作)が行われることを防止することができる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技価値表示手段は、前記遊技価値の管理に関する制御において発生したエラーを表示するエラー表示手段(例えば、メダル数表示ユニット426b内のエラー表示用の1桁の7セグLED)を有する、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、遊技価値の管理に関する制御に対するエラー専用の表示手段が設けられるので、例えば、遊技価値の管理に関する制御のエラーと、それ以外の他のエラーとの混同が無くなり、遊技価値の管理に関する制御のエラーが発生していることを容易に認識することができ、エラー解除の対応についても容易に決定することが可能になる。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技価値制御手段は、貯留されている遊技価値の数を計数する貯留数計数手段(例えば、メダルカウンター)を有し、
前記遊技価値の払い出しが行われる際に、当該遊技価値の払出数を前記貯留数計数手段で計数されている遊技価値の貯留数に加算した結果が前記遊技価値の貯留数の上限値である第1の閾値を超える場合には、遊技の進行が停止するとともに、前記エラー表示手段により前記遊技価値の貯留数が前記第1の閾値を超えることが報知され、
前記遊技価値の払い出しが行われる際に、当該遊技価値の払出数を前記貯留数計数手段で計数されている遊技価値の貯留数に加算した結果が前記遊技価値の貯留数の前記第1の閾値未満の第2の閾値を超える場合には、遊技の進行は停止しないが、前記エラー表示手段により前記遊技価値の貯留数が前記第2の閾値を超えることが報知される、ようにしてもよい。
上記特徴を有する遊技機では、遊技価値の払出数を現在の遊技価値の貯留数に加算した結果が第1の閾値(上限値)を超える場合には、遊技の進行を停止させるとともに、エラー表示手段により遊技価値の貯留数が第1の閾値(上限値)を超えること(上限超過エラー)を報知するので、遊技者に対して貯留されている遊技価値の精算操作を促すことができる。また、上記特徴を有する遊技機では、遊技価値の払出数を現在の遊技価値の貯留数に加算した結果が第1の閾値(上限値)未満の第2の閾値を超える場合にも、エラー表示手段により遊技価値の貯留数が第2の閾値を超えること(上限超過予告エラー)が報知するが、この際、遊技の進行を停止させない。それゆえ、このような遊技価値の貯留数の上限超過予告エラー(警告)の報知機能を設けた場合には、遊技の進行を停止させるような上限超過エラーが発生する前に、遊技者に対して貯留されている遊技価値の精算操作を速やかに促すことができ、この場合には、遊技の進行を停止させることなく、スムーズに遊技を続けることが可能になる。
上記構成の本発明の遊技機によれば、例えば、遊技価値の管理に関する制御を行う基板に接続されたスイッチ(ボタン)に対する操作が正確に行われたか否かを示す情報を操作者に報知することができる。
401…パチスロ、402…遊技媒体貸出装置、413…表示装置、426a…遊技情報表示ユニット、426b…メダル数表示ユニット、427a…メダル貸表示ユニット、429…スピーカ群、441…主制御基板、442…副制御基板、443…メダル数制御基板、443a…メダル数クリアスイッチ、450…主制御用マイクロプロセッサ、460…メダル数制御用マイクロプロセッサ、481…主制御基板ケース、482…メダル数制御基板ケース、482a…小穴

Claims (10)

  1. 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
    前記遊技制御手段に接続され、遊技価値の管理に関する制御を行う遊技価値制御手段と、
    前記遊技価値制御手段に接続され、遊技価値に関する情報を表示する遊技価値表示手段と、
    前記遊技価値制御手段に接続され、所定の操作を検出可能な所定操作検出手段と、を備え、
    前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出された場合には、前記遊技価値表示手段に表示される前記遊技価値に関する情報が更新可能である
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技価値に関する情報は、前記遊技機に貯留されている遊技価値の数であり、
    電源投入時に、前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出されている場合には、前記遊技価値表示手段に表示される前記遊技価値に関する情報が初期化される
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記遊技制御手段に接続され、演出の制御を行う演出制御手段と、
    前記演出制御手段に接続され、音声を出力する音声出力手段と、をさらに備え、
    前記遊技価値制御手段は、前記所定操作検出手段による検知結果を前記遊技制御手段に通知し、
    前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出されている状態では、前記遊技制御手段は、前記所定の操作が行われていることを示す所定の情報を、前記演出制御手段に通知し、
    前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から前記所定の情報が通知されると、前記音声出力手段を制御し、前記音声出力手段から所定の音声を出力可能である
    ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記所定操作検出手段により前記所定の操作が検出されている状態から前記所定の操作が検出されない状態に移行した場合、前記遊技制御手段は、前記所定の操作が行われていないことを示す特定の情報を、前記演出制御手段に通知し、
    前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から前記特定の情報が通知され、その際に、前記所定の音声が出力されている場合には、前記音声出力手段を制御し、前記所定の音声の出力を停止可能である
    ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記所定の音声の出力期間が予め設定されている
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。
  6. 前記遊技制御手段は、単位遊技毎に繰り返されるメイン制御処理と、所定の周期で繰り返される割込み処理とを実行可能であり、
    前記遊技制御手段が、前記遊技価値制御手段から前記所定操作検出手段での検知結果の通知を受ける処理、及び、前記所定操作検出手段での検知結果に対応する前記所定の情報又は前記特定の情報を前記演出制御手段に通知する処理は、前記割込み処理の中で行われる
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の遊技機。
  7. 前記演出制御手段に接続され、遊技に関する情報を表示可能な表示手段をさらに備え、
    前記表示手段は、選択可能な複数の項目を含むメニュー画面を表示可能であり、
    前記メニュー画面では、前記音声出力手段の音量調整が可能であり、
    前記遊技制御手段から前記演出制御手段に前記所定の情報が通知された際に、前記表示手段により前記メニュー画面が表示されている場合には、前記音声出力手段による前記所定の音声の出力動作は行われず、前記メニュー画面の表示終了後に前記所定の音声の出力動作が行われる
    ことを特徴とする請求項3~6のいずれか一項に記載の遊技機。
  8. 前記遊技価値制御手段及び前記所定操作検出手段はそれぞれ、個々の基板に実装され、
    前記所定操作検出手段に対する前記所定の操作は、専用の器具を使用して行われる
    ことを特徴とする請求項2~7のいずれか一項に記載の遊技機。
  9. 前記遊技価値表示手段は、前記遊技価値の管理に関する制御において発生したエラーを表示するエラー表示手段を有する
    ことを特徴とする請求項2~8のいずれか一項に記載の遊技機。
  10. 前記遊技価値制御手段は、貯留されている遊技価値の数を計数する貯留数計数手段を有し、
    前記遊技価値の払い出しが行われる際に、当該遊技価値の払出数を前記貯留数計数手段で計数されている遊技価値の貯留数に加算した結果が前記遊技価値の貯留数の上限値である第1の閾値を超える場合には、遊技の進行が停止するとともに、前記エラー表示手段により前記遊技価値の貯留数が前記第1の閾値を超えることが報知され、
    前記遊技価値の払い出しが行われる際に、当該遊技価値の払出数を前記貯留数計数手段で計数されている遊技価値の貯留数に加算した結果が前記遊技価値の貯留数の前記第1の閾値未満の第2の閾値を超える場合には、遊技の進行は停止しないが、前記エラー表示手段により前記遊技価値の貯留数が前記第2の閾値を超えることが報知される
    ことを特徴とする請求項9に記載の遊技機。
JP2021204717A 2021-12-17 2021-12-17 遊技機 Active JP7432944B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021204717A JP7432944B2 (ja) 2021-12-17 2021-12-17 遊技機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021204717A JP7432944B2 (ja) 2021-12-17 2021-12-17 遊技機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023090006A true JP2023090006A (ja) 2023-06-29
JP7432944B2 JP7432944B2 (ja) 2024-02-19

Family

ID=86937331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021204717A Active JP7432944B2 (ja) 2021-12-17 2021-12-17 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7432944B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002306689A (ja) * 2001-04-11 2002-10-22 Sophia Co Ltd 遊技機
JP2008023029A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Heiwa Corp 遊技機
JP2015002846A (ja) * 2013-06-20 2015-01-08 山佐株式会社 遊技機
JP2021118833A (ja) * 2020-01-30 2021-08-12 株式会社平和 遊技機
JP2021154098A (ja) * 2020-03-27 2021-10-07 山佐株式会社 遊技機
JP2021159375A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 株式会社大都技研 遊技台、遊技管理装置および遊技システム
JP2021183122A (ja) * 2021-05-06 2021-12-02 株式会社ニューギン 遊技機

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002306689A (ja) * 2001-04-11 2002-10-22 Sophia Co Ltd 遊技機
JP2008023029A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Heiwa Corp 遊技機
JP2015002846A (ja) * 2013-06-20 2015-01-08 山佐株式会社 遊技機
JP2021118833A (ja) * 2020-01-30 2021-08-12 株式会社平和 遊技機
JP2021154098A (ja) * 2020-03-27 2021-10-07 山佐株式会社 遊技機
JP2021159375A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 株式会社大都技研 遊技台、遊技管理装置および遊技システム
JP2021183122A (ja) * 2021-05-06 2021-12-02 株式会社ニューギン 遊技機

Also Published As

Publication number Publication date
JP7432944B2 (ja) 2024-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2023054324A (ja) 遊技機
JP7432944B2 (ja) 遊技機
JP2023090008A (ja) 遊技機
JP2023090014A (ja) 遊技機
JP2023090007A (ja) 遊技機
JP2023090013A (ja) 遊技機
JP2023090010A (ja) 遊技機
JP2023090011A (ja) 遊技機
JP2023090009A (ja) 遊技機
JP2023090012A (ja) 遊技機
JP2023090016A (ja) 遊技機
JP2023090015A (ja) 遊技機
JP2021126146A (ja) 遊技機
JP2021126145A (ja) 遊技機
JP7166574B2 (ja) 遊技機
JP6964933B2 (ja) 遊技機
JP6952177B1 (ja) 遊技機
JP2023013432A (ja) 遊技機
JP2023013433A (ja) 遊技機
JP2022110576A (ja) 遊技機
JP2022110208A (ja) 遊技機
JP2023013429A (ja) 遊技機
JP2023013427A (ja) 遊技機
JP2022110202A (ja) 遊技機
JP2022110206A (ja) 遊技機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7432944

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150