JP2023088876A - 偏心揺動型歯車装置、ロボット、産業機械、偏心揺動型歯車装置の組立方法 - Google Patents

偏心揺動型歯車装置、ロボット、産業機械、偏心揺動型歯車装置の組立方法 Download PDF

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悠輔 中島
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Abstract

【課題】ホールドとシャフト部の締結面の摩擦力のばらつきをなくし、偏心揺動型歯車装置の回転安定性の向上を可能とする。【解決手段】偏心揺動型歯車装置1であって、ケース2と、ケースに第1軸受6Aを介して支持される第1部材41と、ケースに第2軸受6Bを介して支持される第2部材42と、ケースの軸線方向に第1部材および第2部材を締結する締結部100と、を備え、締結部は、第1部材に形成された雌ネジ部200および雄ネジ部103の形成された締結具101を有し、締結具の硬度をロックウェル硬さ(HRC)44以上とし、雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い。【選択図】図1

Description

本発明は、偏心揺動型歯車装置、ロボット、産業機械、偏心揺動型歯車装置の組立方法に関する。
従来から、偏心揺動型歯車装置の例として産業用等のロボットに設けられた変速機(減速機)が知られている。このような偏心揺動型歯車装置では、例えば、特許文献1に記載されるように、相対回転する2つの部分のうちの一方の部分であるキャリアを備える。キャリアは、ホールドとシャフト部とから構成される。ホールドとシャフト部とは、締結具(ボルト)によって締結されている。ボルトは、キャリアの軸心の周りに複数本配置されている。ここでは、ホールドとシャフト部とが、複数のボルトによって締結された状態でケーシングに対して相対回転する。
特開2016-109264号公報
しかし、従来の技術では、ホールドとシャフト部とを締結する複数の締結具(ボルト)の間で比べると、ホールドとシャフト部の締結面の摩擦力がばらつく可能性があった。このような摩擦力のばらつきが発生した場合、ホールドとシャフト部との軸力が安定しなくなる。この場合、主軸受に均一に予圧を与えることができない可能性があるという問題があった。
本発明は、ホールドとシャフト部の軸力を安定化させ、締結の安定性を向上し、回転の安定性を向上可能な偏心揺動型歯車装置、ロボット、産業機械、偏心揺動型歯車装置の組立方法を提供可能とすることを目的とする。
(1)本発明の一態様に係る偏心揺動型歯車装置は、
ケースと、
前記ケースに第1軸受を介して支持される第1部材と、
前記ケースに第2軸受を介して支持される第2部材と、
前記ケースの軸線方向に前記第1部材および前記第2部材を締結する締結部と、
を備え、
前記締結部は、前記第1部材に形成された雌ネジ部および雄ネジ部の形成された締結具を有し、
前記締結具の硬度をロックウェル硬さ(HRC)44以上とし、前記雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い、
ことにより上記課題を解決した。
このように構成することで、上記の硬度の雄ネジ部のネジ山によって締結時に雌ネジ部のネジ山の粗さの微小凸部を塑性変形させることを可能とする。これにより、締結部での雄ネジ部のネジ山と雌ネジ部のネジ山との接触面積を増大することができ、締結力のばらつきを低減することができる。したがって、第1部材と第2部材との軸力を安定化することができる。同時に、雄ネジ部の硬度が高いことで、締結後の面性状の個体差を小さく抑えることができる。また、締結部における座面やネジ面の摩擦力を安定させることができるため軸力を安定させることができる。したがって、複数の締結部で同一締結トルクで締め付け時の軸力ばらつきを低減できる。これにより、ボルト降伏点に対して、軸力のばらつきの上限を抑えることが可能になる。さらに、締結を安定化して、第1軸受と第2軸受とに与える予圧を均一化することができる。
これにより、偏心揺動型歯車装置での回転の安定化を向上することが可能となる。
(2)本発明の偏心揺動型歯車装置は、上記(1)において、
前記雌ネジ部の硬度をブリネル硬さ(HB)353(HRC38に対応)より小さくする、
ことができる。
(3)本発明の偏心揺動型歯車装置は、上記(1)において、
前記締結部は、前記締結具と前記雌ネジ部との硬度差をビッカース硬さ(HV)62(HRC6に対応)より大きくする、
ことができる。
(4)本発明の偏心揺動型歯車装置は、上記(1)において、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRa(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)が0.2~1.0の範囲内の値で、
比の値RRa=MRa/FRaが、0.25~3.333の範囲内の値である、
ことができる。
(5)本発明の偏心揺動型歯車装置は、上記(4)において、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRa(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)と、比の値RRa=MRa/FRaとが、添付図面図7に各点(FRa,RRa)で示すように、
点RRa1(0.3,3.333)、点RRa2(0.4,2.500)、点RRa3(0.5,2.000)、点RRa4(0.6,1.667)、点RRa5(0.7,1.429)、点RRa6(0.8,1.250)、点RRa7(0.9,1.111)、点RRa8(1.0,1.000)、点RRa9(1.0,0.500)、点RRa10(0.9,0.556)、点RRa12(0.8,0.250)、点RRa13(0.7,0.286)、点RRa14(0.6,0.333)、点RRa15(0.5,0.400)、点RRa16(0.4,0.500)、点RRa17(0.3,0.667)、点RRa18(0.2,1.000)、点RRa19(0.2,2.500)で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことができる。
(6)本発明の偏心揺動型歯車装置は、上記(1)において、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRpk(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)が0.2~0.6の範囲内の値で、
比の値RRpk=MRpk/FRpkが、0.4~5.5の範囲内の値である、
ことができる。
(7)本発明の偏心揺動型歯車装置は、上記(6)において、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRpk(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)と、比の値RRpk=MRpk/FRpkとが、添付図面図9に各点(FRpk,RRpk)で示すように、
点RRpk1(0.2,5.500)、点RRpk2(0.3,3.667)、点RRpk3(0.4,2.750)、点RRpk4(0.5,2.200)、点RRpk5(0.6,1.833)、点RRpk6(0.6,1.000)、点RRpk7(0.5,0.400)、点RRpk8(0.4,0.500)、点RRpk9(0.3,0.667)、点RRpk10(0.2,1.000)で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことができる。
(8)本発明の偏心揺動型歯車装置は、上記(1)において、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRv(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)が0.4~1.1の範囲内の値で、
比の値RRv=MRv/FRvが、0.364~1.833の範囲内の値である、
ことができる。
(9)本発明の偏心揺動型歯車装置は、上記(8)において、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRv(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)と、比の値RRv=MRv/FRvとが、添付図面図11に各点(FRv,RRv)で示すように、
点RRv1(0.4,1.500)、点RRv2(0.5,1.200)、点RRv3(0.6,1.833)、点RRv4(0.7,1.571)、点RRv5(0.8,1.375)、点RRv6(0.9,1.222)、点RRv7(1.0,1.100)、点RRv8(1.1,1.000)、点RRv9(1.1,0.364)、点RRv10(1.0,0.400)、点RRv11(0.9,0.444)、点RRv12(0.8,0.500)、点RRv13(0.7,0.571)、点RRv14(0.6,0.667)、点RRv15(0.5,0.800)、点RRv16(0.4,1.000)で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことができる。
(10)本発明の他の態様に係る偏心揺動型歯車装置は、
ケースと、
前記ケースの内周に設けられた内歯歯車と、
前記内歯歯車と噛み合う外歯歯車と、
前記外歯歯車を揺動させる偏心体と、
前記ケースに第1軸受を介して支持される第1部材と、
前記ケースに第2軸受を介して支持される第2部材と、
前記ケースの軸線方向に前記第1部材および前記第2部材を締結する締結部と、
を備え、
前記締結部は、前記第1部材に形成された雌ネジ部および雄ネジ部の形成された締結具を有し、
前記締結具の硬度をロックウェル硬さHRC44以上とし、前記雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い、
ことにより上記課題を解決した。
このように構成することで、上記の硬度の雄ネジ部のネジ山によって締結時に雌ネジ部のネジ山の粗さの微小凸部を塑性変形させることを可能とする。これにより、締結部での雄ネジ部のネジ山と雌ネジ部のネジ山との接触面積を増大することができ、締結力のばらつきを低減することができる。したがって、第1部材と第2部材との軸力を安定化することができる。同時に、雄ネジ部の硬度が高いことで、締結後の面性状の個体差を小さく抑えることができる。また、締結部における座面やネジ面の摩擦力を安定させることができる。このため軸力を安定させることができる。したがって、複数の締結部で同一締結トルクで締め付け時の軸力ばらつきを低減できる。これにより、ボルト降伏点に対して、軸力のばらつきの上限を抑えることが可能になる。さらに、締結を安定化して、第1軸受と第2軸受とに与える予圧を均一化することができる。
これにより、偏心揺動型歯車装置での回転の安定化を向上することが可能となる。
(11)本発明の他の態様に係るロボットは、
可動自在に接続されたアーム部を含む複数の部材と、
前記アーム部を含む複数の前記部材を回動自在に連結する連結部と、
前記連結部に取り付けられた偏心揺動型歯車装置と、
を備え、
前記偏心揺動型歯車装置は、
ケースと、
前記ケースに第1軸受を介して支持される第1部材と、
前記ケースに第2軸受を介して支持される第2部材と、
前記ケースの軸線方向に前記第1部材および前記第2部材を締結する締結部と、
を備え、
前記締結部は、前記第1部材に形成された雌ネジ部および雄ネジ部の形成された締結具を有し、
前記締結具の硬度をロックウェル硬さHRC44以上とし、前記雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い、
ことにより上記課題を解決した。
このように構成することで、上記の硬度の雄ネジ部のネジ山によって締結時に雌ネジ部のネジ山の粗さの微小凸部を塑性変形させることを可能とする。これにより、締結部での雄ネジ部のネジ山と雌ネジ部のネジ山との接触面積を増大することができ、締結力のばらつきを低減することができる。したがって、第1部材と第2部材との軸力を安定化することができる。同時に、雄ネジ部の硬度が高いことで、締結後の面性状の個体差を小さく抑えることができる。また、締結部における座面やネジ面の摩擦力を安定させることができる。このため軸力を安定させることができる。したがって、複数の締結部において同一の大きさの締結トルクにより締め付けることができる。これにより、締結部における締め付け時の軸力ばらつきを低減できる。これにより、ボルト降伏点に対して、軸力のばらつきの上限を抑えることが可能になる。さらに、締結を安定化して、第1軸受と第2軸受とに与える予圧を均一化することができる。
これにより、相対回転する第1部材と第2部材との締結を向上し、回転の安定性を向上できる。したがって、偏心揺動型歯車装置での回転安定化の向上を図ることが可能となる。これにより、軸力が安定化することにより、偏心揺動型歯車装置がモーメントを受けた際の剛性が安定し、ロボットの位置および軌跡精度を高い状態で安定させることができる。
(12)本発明の他の態様に係る産業機械は、
互いに接続される複数の部材と、
複数の前記部材を回動自在に連結する連結部と、
前記連結部に取り付けられた偏心揺動型歯車装置を備え、
前記偏心揺動型歯車装置は、
ケースと、
前記ケースに第1軸受を介して支持される第1部材と、
前記ケースに第2軸受を介して支持される第2部材と、
前記ケースの軸線方向に前記第1部材および前記第2部材を締結する締結部と、
を備え、
前記締結部には、前記第1部材に形成された雌ネジ部および雄ネジ部の形成された締結具を有し、
前記締結具の硬度をロックウェル硬さHRC44以上とし、前記雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い、
ことにより上記課題を解決した。
このように構成することで、上記の硬度の雄ネジ部のネジ山によって締結時に雌ネジ部のネジ山の粗さの微小凸部を塑性変形させることを可能とする。これにより、締結部での雄ネジ部のネジ山と雌ネジ部のネジ山との接触面積を増大することができ、締結力のばらつきを低減することができる。したがって、第1部材と第2部材との軸力を安定化することができる。同時に、雄ネジ部の硬度が高いことで、締結後の面性状の個体差を小さく抑えることができる。また、締結部における座面やネジ面の摩擦力を安定させることができる。このため、締結部における軸力を安定させることができる。したがって、複数の締結部において同一の大きさの締結トルクによって締め付けることができる。これにより、締結部における締め付け時の軸力ばらつきを低減できる。これにより、ボルト降伏点に対して、軸力のばらつきの上限を抑えることが可能になる。さらに、締結を安定化して、第1軸受と第2軸受とに与える予圧を均一化することができる。
これにより、相対回転する第1部材と第2部材との締結を向上し、回転の安定性を向上できる。したがって、偏心揺動型歯車装置での回転安定化の向上を図ることが可能となる。これにより、軸力が安定化することにより、偏心揺動型歯車装置がモーメントを受けた際の剛性が安定し、産業機械の位置および軌跡精度を高い状態で安定させることができる。
(13)本発明の他の態様に係る偏心揺動型歯車装置の組立方法は、
偏心揺動型歯車装置の組立方法であって、
ケースと、
前記ケースに第1軸受を介して支持される第1部材と、
前記ケースに第2軸受を介して支持される第2部材と、
前記ケースの軸線方向に前記第1部材および前記第2部材を締結する締結部と、
を備えた偏心揺動型歯車装置を組み立てる際に、
前記第1部材に形成された雌ネジ部および雄ネジ部の形成された締結具を有し、前記締結具の硬度をロックウェル硬さHRC44以上とし、前記雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い前記締結部を用いて、
前記第1部材と前記第2部材との締め付け時に、前記第1軸受と前記第2軸受とに予圧を付与する、
ことにより上記課題を解決した。
このように構成することで、締め付け時に、上記の硬度の雄ネジ部のネジ山によって締結時に雌ネジ部のネジ山の粗さの微小凸部を塑性変形させることを可能とする。これにより、締結部での雄ネジ部のネジ山と雌ネジ部のネジ山との接触面積を増大することができ、締結力のばらつきを低減することができる。したがって、第1部材と第2部材との軸力を安定化することができる。同時に、雄ネジ部の硬度が高いことで、締結後の面性状の個体差を小さく抑えることができる。また、締結部における座面やネジ面の摩擦力を安定させることができるため軸力を安定させることができる。したがって、複数の締結部において同一の大きさの締結トルクによって締め付けることができる。これにより、締結部における締め付け時の軸力ばらつきを低減できる。これにより、ボルト降伏点に対して、軸力のばらつきの上限を抑えることが可能になる。さらに、締結を安定化して、第1軸受と第2軸受とに与える予圧を均一化することができる。
これにより、相対回転する第1部材と第2部材との締結を向上し、回転の安定性を向上できる。したがって、偏心揺動型歯車装置における回転を安定化して、トルク密度の向上を図ることが可能となる。したがって、軸力が安定することにより、偏心揺動型歯車装置がモーメントを受けた際の剛性が安定し、寿命安定化させることができる。
本発明によれば、力のばらつきを軽減して、シャフト部とホールドの軸力を安定化し、主軸受に均一に予圧を与えることの可能な偏心揺動型歯車装置、ロボット、産業機械、偏心揺動型歯車装置の組立方法を提供することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係る偏心揺動型歯車装置の第1実施形態を示す断面図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 本発明に係る偏心揺動型歯車装置の第1実施形態における締結部の雌ネジ部を示す断面図である。 本発明に係る偏心揺動型歯車装置の第1実施形態における締結部の雄ネジ部を示す断面図である。 本発明に係る偏心揺動型歯車装置の第2実施形態を示す断面図である。 本発明に係るロボットの第3実施形態を示す断面図である。 本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRa(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRa(μm)/雌ネジ部表面粗さFRa(μm);RRaと、の関係を示す図である。 本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRa(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRa(μm)/雌ネジ部表面粗さFRa(μm);RRaと、の関係を示す図である。 本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRpk(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRpk(μm)/雌ネジ部表面粗さFRpk(μm);RRpkと、の関係を示す図である。 本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRpk(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRpk(μm)/雌ネジ部表面粗さFRpk(μm);RRpkと、の関係を示す図である。 本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRv(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRv(μm)/雌ネジ部表面粗さFRv(μm);RRvと、の関係を示す図である。 本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRv(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRv(μm)/雌ネジ部表面粗さFRv(μm);RRvと、の関係を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る偏心揺動型歯車装置の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における偏心揺動型歯車装置を示す断面図である。図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。図1及び図2において、符号1は、偏心揺動型歯車装置である。
[偏心揺動型歯車装置]
本実施形態に係る偏心揺動型歯車装置1は、図1,図2に示すように、入力軸8が中実のいわゆる中実減速機(変速機)である。
偏心揺動型歯車装置(減速機)1は、ケース30と、減速機構部40と、を備えている。
ケース30は、本体部32と、鍔部34と、を備えている。鍔部34は、本体部32から径方向の外側に張り出した形状を有する。第1実施形態の説明では、本体部32の軸線C1に沿う方向を単に軸方向といい、軸方向から見て軸線C1に交差する方向を径方向といい、軸線C1回りに周回する方向を周方向という。また、偏心揺動型歯車装置1に駆動源が接続される側を入力側といい、偏心揺動型歯車装置1の出力を受けるアーム等の機構部が接続される側を出力側という。駆動源は、第1の部材の一例であり、アーム等の機構部が第2の部材の一例である。偏心揺動型歯車装置1は、第1の部材と第2の部材との間で所定の回転数比で回転数を変換して駆動力を伝達する。
本体部32は、軸線C1に沿って筒状に形成される。第1筒部の一例である本体部32における軸線C1方向の入力側は、開口している。本体部32の開口部には、減速機構部40が回転可能に収容される。本体部32には鍔部34が一体に形成される。偏心揺動型歯車装置1には、外部に露出した複数(例えば3つ)の伝達歯車20を備えている。偏心揺動型歯車装置1には、伝達歯車20を介してモーターからの回転が入力される。
鍔部34は、ケース30の外周に設けられる。鍔部34は、軸方向に貫通する貫通孔35を有する。貫通孔35は、鍔部34の周方向に任意の間隔で設けられる。貫通孔35は、偏心揺動型歯車装置1と、後述するロボットRと、を締結するボルト等の締結部材が貫通する締結孔である。貫通孔35は、図示しない雌ネジ部が形成されている。雌ネジ部には、締結部材がねじ込まれる。貫通孔35および締結部材は、後述する取付締結部を構成する。
偏心揺動型歯車装置1は、入力歯車20bに対応する入力軸8を回転させることによってクランク軸(偏心体)10Aを回転させる。偏心揺動型歯車装置1は、クランク軸10Aの偏心部10aおよび偏心部10bに連動して揺動歯車14および揺動歯車16を揺動回転させることにより、入力回転から減速した出力回転を得るように構成されている。
偏心揺動型歯車装置1は、本体部32(第1筒部)に対応する外筒(ケース)2と、第2筒部の一例であるキャリア部4と、入力軸8と、複数(例えば3つ)のクランク軸10Aと、第1揺動歯車14と、第2揺動歯車16と、複数(例えば3つ)の伝達歯車20と、を備えている。
外筒2は、略円筒形状を有している。外筒2は、偏心揺動型歯車装置1の外面を構成する。外筒2の内周面には、多数のピン溝2bが形成されている。各ピン溝2bは、外筒2の軸方向に延びるように配置される。各ピン溝2bは、軸方向に直交する断面で半円形の断面形状を有している。これらのピン溝2bは、外筒2の内周面に周方向に等間隔で並んでいる。
外筒2は、多数の内歯ピン(内歯)3を有している。各内歯ピン3は、ピン溝2bにそれぞれ取り付けられている。
具体的に、各内歯ピン3は、対応するピン溝2bにそれぞれ嵌め込まれており、外筒2の軸方向に延びる姿勢で配置されている。これにより、多数の内歯ピン3は、外筒2の周方向に沿って等間隔で並んでいる。これらの内歯ピン3には、第1揺動歯車14の第1外歯14aおよび第2揺動歯車16の第2外歯16aが噛み合う。
キャリア部4は、外筒2と同軸上に配置される。キャリア部4は、外筒2内に収容されている。キャリア部4は、外筒2(ケース30)に対して同じ軸回りに相対回転する。
具体的に、キャリア部4は、外筒2の径方向内側に配置されている。この状態で、キャリア部4は、主軸受6によって外筒2に対して相対回転可能に支持されている。キャリア部4は、軸線C1方向に分割された第1キャリア(第1部材;シャフト)41と、第2キャリア(第2部材;ホールド)42と、からなる。第1キャリア(第1部材;シャフト)41は、軸線C1方向において、第1方向側に配置されている。第2キャリア(第2部材;ホールド)42は、軸線C1方向において、第2方向側に配置されている。
なお、第1方向側は、先に述べた出力側に相当する。第2方向側は、先に述べた入力側に相当する。
主軸受6は、球状の転動体を有する玉軸受とされている。主軸受6は、軸方向に互いに離間して一対設けられる。しかしながら、主軸受6の構成は、本実施形態に限られない。主軸受6としては、コロ軸受、特に転動体の形状が略円錐台である円錐コロ軸受、滑り軸受等、さまざまな軸受を用いることができる。
第1キャリア41は、円板状の基板部43と、基板部43の第2方向側の端部から第2方向に向かって突出する複数(例えば、本実施形態では3個)の支柱部(シャフト部)44と、を備えている。本実施形態では、基板部43及び支柱部44は、一体成形されている。
第1キャリア41の外周面41aには、第1軸受収納部41hが形成されている。第1軸受収納部41hには、第1軸受(主軸受)6Aのインナレース6Aaが嵌め合わされている。また、外筒2(ケース30)の第1方向に近接する内周面には、第1軸受収納部2hが形成されている。この第1軸受収納部2hには、第1軸受6Aのアウタレース6Abが嵌め合わされている。
第1キャリア41の支柱部44は、軸線C1方向に沿って延びる柱状に形成されている。支柱部44は、軸線C1方向からみて三角形状に形成される。各支柱部44は、周方向で基板部43の後述する取付孔4eの間に配置されている。つまり、各支柱部44は、基板部43の第2方向側に向かって周方向に等間隔で配置されている。各支柱部44のピッチ円直径と取付孔4eのピッチ円直径は、ほぼ同一である。
支柱部44の先端部44aは、平坦に形成されている。支柱部44の先端部44aには、締結部100としての雌ネジ部200が形成されている。締結部100は、本実施形態では一本の支柱部44につき、2箇所形成される。締結部100は、3箇所以上形成されてもよい。本実施形態では、締結部100の形成箇所数がこれらの例に限定されない。複数の締結部100は、軸線C1を中心とする同一円上に位置している。また、3本の支柱部44のそれぞれにおいても、締結部100は、軸線C1を中心とする同一円上に位置する。つまり、6箇所の締結部100は、全て軸線C1を中心とする同一円上に位置する。6箇所の締結部100のピッチ円は、軸線C1を中心とし、6箇所の締結部100のピッチ円直径は、同一である。
雌ネジ部200は、支柱部44の先端部44aから第1方向に向かって延出する。雌ネジ部200にボルト(締結具)101を締め付けることにより、第1キャリア41と第2キャリア42とが一体的に組み付けられる。
第2キャリア42は、円板状に形成されている。第2キャリア42は、第1方向側の第1端部42aが支柱部44の先端部44aに突き当たる。これにより、第2キャリア42は、第1キャリア41に対して位置決めされる。このため、第1キャリア41の基板部43と第2キャリア42との間には、支柱部44の高さと同じ隙間が形成される。この隙間の周囲をケース30が取り囲むことにより、揺動歯車14および揺動歯車16を収納するための揺動歯車収納部が形成される。
第2キャリア42の外周面42cには、第2軸受収納部42gが形成されている。第2軸受収納部42gには、第2軸受(主軸受)6Bのインナレース6Baが嵌め合わされている。また、外筒2(ケース30)の内周面には、第2軸受収納部2gが形成されている。第2軸受収納部2gは、第2方向に近接する。この第2軸受収納部2gには、第2軸受6Bのアウタレース6Bbが嵌め合わされている。
第2キャリア42の第1端部42aは、全体に亘って平坦に形成されている。第2キャリア42には、雌ネジ部200に対応する位置に、第2キャリア42の厚さ方向に貫通する嵌合孔45が形成されている。嵌合孔45には、第2キャリア42の第2方向側からボルト(締結具)101が挿入される。このボルト101は、支柱部44の雌ネジ部200に締め付けられる。これにより、第1キャリア41と第2キャリア42とは、一体的に組み合わされる。ボルト101と雌ネジ部200とは、締結部100を構成する。締結部100については後述する。
雌ネジ部200にボルト101を締め付けた状態では、ボルト101の軸部102が支柱部44の雌ネジ部200と第2キャリア42の嵌合孔45とに嵌め合わされる。すなわち、ボルト101の軸部102は、第1キャリア41と第2キャリア42とに跨って配置される。
第2キャリア42の第2方向に向いた第2端部42bには、嵌合孔45に繋がる座繰り部45aが形成されている。座繰り部45aには、ボルト101の頭部104が挿入される。これにより、第2キャリア42の第2端部42bからのボルト101の頭部104の突出高さが抑えられている。座繰り部45aの底面45bには、締結されたボルト101の頭部104の座面105が接触する。
入力軸8は、駆動モータ(不図示)の駆動力が入力される入力部として機能する。入力軸8は、第2キャリア(端板部)42の貫通孔に挿入されている。入力軸8は、基板部43の貫通孔4dに挿入されている。入力軸8は、その軸心が外筒2及びキャリア部4の軸心と一致するように配置されている。入力軸8は、軸回りに回転する。入力軸8の先端部の外周面には入力ギア8aが設けられている。
3つのクランク軸10Aは、外筒2内で入力軸8の周囲に等間隔で配置されている(図2参照)。各クランク軸10Aは、一対のクランク軸受12a、クランク軸受12bによりキャリア部4に対して軸回りに回転可能に支持されている(図1参照)。
各クランク軸10Aは、軸本体12cと、この軸本体12cに一体的に形成された偏心部10a、偏心部10bと、を有する。
クランク軸10Aの一端部には、被嵌合部10cが設けられている。被嵌合部10cには、伝達歯車20が取り付けられる。クランク軸10Aの一端部は、基板部43の取付孔4eよりも軸方向外側に配置される。なお、本実施形態の偏心揺動型歯車装置1は、図1に示す例に限定されない。偏心揺動型歯車装置においては、例えば、クランク軸10Aを軸方向に逆向きに配置してもよい。この場合には、被嵌合部10cが、第2キャリア(端板部)42の取付孔4gよりも、軸方向外側に配置される。
第1揺動歯車14は、外筒2内の閉空間に配設されている。第1揺動歯車14は、各クランク軸10Aの第1偏心部10aに第1ころ軸受18aを介して取り付けられている。第1揺動歯車14は、各クランク軸10Aの回転にともなって第1偏心部10aが偏心回転した際に、第1偏心部10aの偏心回転に連動して内歯ピン3に噛み合いながら揺動回転する。
第2揺動歯車16は、外筒2内の閉空間に配設されている。第2揺動歯車16は、各クランク軸10Aの第2偏心部10bに第2ころ軸受18bを介して取り付けられている。第1揺動歯車14と第2揺動歯車16とは、第1偏心部10aと第2偏心部10bとの配置に対応して軸方向に並んで設けられている。第2揺動歯車16は、各クランク軸10Aの回転にともなって第2偏心部10bが偏心回転したときに、第2偏心部10bの偏心回転に連動して内歯ピン3に噛み合いながら揺動回転する。
各伝達歯車20は、入力ギア8aの回転を、対応するクランク軸10Aに伝達する役割を果たしている。各伝達歯車20は、対応するクランク軸10Aの被嵌合部10cにそれぞれ外嵌されている。各伝達歯車20は、クランク軸10Aの回転軸と同じ軸回りに、クランク軸10Aと一体的に回転する。各伝達歯車20は、入力ギア8aと噛み合う外歯20aを有している。
[締結部]
締結部100は、雌ネジ部200と、ボルト101とを有する。
ボルト101は、軸部102と、軸部102に形成された雄ネジ部103と、軸部102のうち第2方向側に位置する部分に形成された頭部104と、からなる。頭部104は、軸部102と同軸上に配置される。頭部104は、軸部102より拡径している。雌ネジ部200の硬度は、ボルト101より低い。
雌ネジ部200について説明する。
図3は、本実施形態におけるネジ山の軸線を含む締結部の雌ネジ部を示す断面図である。なお、この図では、わかりやすく説明するために、各部の寸法等で正確には示していない箇所もある。
雌ネジ部200におけるネジ山210は、押フランク面201と、後フランク面202と、押フランク面201および後フランク面202に挟まれたネジ底210bと、を備える。
まず、雌ネジ部200とボルト101とを締結する際に、雌ネジ部200およびボルト101の軸線C5に沿った方向において、雌ネジ部200及びボルト101が互いに近接する方向を近接方向と定義する。近接方向は、図1における軸線C1に沿った方向である。雌ネジ部200においては、図3において左から右に向かう第2方向が近接方向となる。なお、図3において、右から左に向かう矢印S1は、締結時にボルト101が進む進行方向である。したがって、ボルト101から見ると、近接方向は、図3において、右から左に向かう第1方向となる。ボルト101から見ると、近接方向は、図3において、右から左に向かう進行方向S1となる。
ネジ山210の角度は、約60度である。ネジ山210の角度は、この角度に限定されない。押フランク面201と後フランク面202とは、ネジ山210の先端210aに近接する上部に形成されている。ここで、ネジ山210の上部とは、ネジ山210のうち、ネジ底210bから離間する部分である。ネジ山210の上部とは、ネジ山210の先端210aに近接する部分である。ネジ山210の上部とは、雌ネジ部200の軸線C5に近接する部分である。
押フランク面201と後フランク面202とは、ネジ山210を間にして軸線C5に沿って向かい合うように形成されている。押フランク面201は、後フランク面202に対して、軸線C5に沿ってネジ山210の逆側に形成されている。押フランク面201は、第1方向に向かうネジ山210の位置に形成されている。後フランク面202は、第2方向に向かうネジ山210の位置に形成されている。
ボルト101の雄ネジ部103について説明する。
図4は、本実施形態におけるネジ山の軸線を含む締結部の雄ネジ部を示す断面図である。なお、この図では、わかりやすく説明するために、各部の寸法等で正確には示していない箇所もある。
雄ネジ部103におけるネジ山110は、押フランク面111と、後フランク面112と、押フランク面111および後フランク面112に挟まれたネジ底110bと、を備える。
まず、雄ネジ部103においては、上述したように、右から左に向かう第1方向が近接方向となる。したがって、雄ネジ部103の近接方向は、ボルト101から見た近接方向に相当する。
ネジ山110の角度は、約60度である。ネジ山110のピッチは、隣接するネジ底110b間を軸線C5に平行に測った距離に相当する。ネジ山110の上部とは、ネジ山110のうち、ネジ底110bから離間する部分である。ネジ山110の上部とは、ネジ山110の先端110aに近接する部分であるネジ山110の上部とは、雄ネジ部103の軸線C5に近接する部分である。
押フランク面111と後フランク面112とは、ネジ山110を間にして軸線C5に沿って向かい合うように形成されている。押フランク面111は、後フランク面112に対して、軸線C5に沿ってネジ山110の逆側に形成されている。押フランク面111は、ネジ山110の座面105(図1参照)に向かう面に形成される。押フランク面111は、第2方向に向かうネジ山110の部分に形成されている。後フランク面112は、第1方向に向かうネジ山110の部分に形成されている。
ボルト101を雌ネジ部200に締め込んだ場合、雄ネジ部103のネジ山110の押フランク面111が、雌ネジ部200のネジ山210の押フランク面201を押圧する。
このとき、ボルト101からの力によって、ネジ山210がボルト101の座面105側(図示右側)へ変形しようとする。その結果、ネジ山210が弾性変形する。
同様に、雌ネジ部200からの力によりネジ山110がボルト101の進行方向S1に向けて(図示左側)へ変形しようとする。その結果、ネジ山110が弾性変形する。
ここで、締結部100では、雌ネジ部200の硬度と雄ネジ部103の硬度とを比べると、雌ネジ部200の硬度が雄ネジ部103の硬度よりも低い。
ボルト101は、その硬度がロックウェル硬さ(HRC)44以上である。ボルト101は、その硬度がロックウェル硬さ(HRC)44~(HRC)100であることができる。より好ましくは、ボルト101の硬度がロックウェル硬さ(HRC)44~(HRC)55であることができる。あるいは、ボルト101の硬度がロックウェル硬さ(HRC)44~(HRC)50であることができる。
言い換えると、ボルト101は、その硬度がブリネル硬さ(HB)409以上である。あるいは、ボルト101は、その硬度がブリネル硬さ(HB)409~(HB)475(HRC50)であることができる。
さらに言い換えると、ボルト101は、その硬度がビッカース硬さ(HV)434以上である。あるいは、ボルト101は、その硬度がビッカース硬さ(HV)434~(HV)513であることができる。
一方、第1キャリア(第1部材;シャフト)41、基板部43、シャフト部44は、同じ素材によって構成されている。具体的には、シャフト部44に形成された雌ネジ部200は、その硬度がブリネル硬さ(HB)353(HRC38に対応)より小さい。
言い換えると、雌ネジ部200は、その硬度がロックウェル硬さ(HRC)38より小さい。
言い換えると、雌ネジ部200は、その硬度がビッカース硬さ(HV)372(HRC38に対応)より小さい。
さらに、締結部100では、ボルト101と雌ネジ部200との硬度差が、ビッカース硬さ(HV)62(HRC6に対応)より大きい。言い換えると、ボルト101と雌ネジ部200との硬度差は、ブリネル硬さ(HB)56(HRC6に対応)より大きい。言い換えると、ボルト101と雌ネジ部200との硬度差は、ロックウェル硬さ(HRC)6より大きい。
締結部100では、締結時の締結力によって、硬い雄ネジ部103のネジ山110と柔らかい雌ネジ部200のネジ山210とが接触する。これにより、柔らかい雌ネジ部200のネジ山210の表面が変化する。具体的には、締結力により、硬い雄ネジ部103のネジ山110の押フランク面111の形状が、柔らかい雌ネジ部200のネジ山210の押フランク面201に転写される。つまり、押フランク面111は、締結力が印加されることによって、押フランク面201に粗く形成されている山部分を潰す。言い換えると、押フランク面111は、締結力が印加されることによって、押フランク面201の粗さの微小凸部を塑性変形させる。このため、押フランク面201の摩擦係数が下がり、軸力が安定する。
これにより、雌ネジ部200のネジ山210の押フランク面201の面粗度(表面粗さ)が上述した所定の範囲となる。この雌ネジ部200のネジ山210における押フランク面201の面粗度の変化を、締結部100での締結状態の指標とすることができる。
本実施形態の偏心揺動型歯車装置1によれば、上記の構成により、第1キャリア(シャフト)41と第2キャリア(ホールド)42とが締結する。これにより、ボルト(締結具)101の雄ネジ部103と支柱部44の雌ネジ部200とにおいて、それぞれのネジ山110およびネジ山210が互いに接触する。この際、互いの硬度差により、ネジ山110の表面形状がネジ山210表面形状に転写される。これにより、複数の締結部100のネジ山110およびネジ山210どうしの接触面において、摩擦力のばらつきを軽減することができる。したがって、第1キャリア41と第2キャリア42との軸力を安定化することができる。本実施形態の偏心揺動型歯車装置1では、主軸受6に対して均一に予圧を与えることができる。
また、複数の締結部100において、同一締結トルクを可能とすることができ、複数の締結部100での締付時の軸力ばらつきを低減することができる。これにより、ボルト降伏点に対して、軸力のバラつき上限を抑えることができる。このため、結果的に、軸力向上を実現するためのトルク密度を向上することが可能となる。
また、クランク軸(偏心体)10Aに用いるクランク軸受12aおよびクランク軸受12bのテーパーベアリングにも均一に予圧を与えることができる。これにより、偏心揺動型歯車装置1としての回転安定性を向上することができ、偏心揺動型歯車装置1の長寿命化が可能となる。
同時に、ネジ山110とネジ山210との硬度差によって、第1キャリア(シャフト)41に設けられた雌ネジ部200のネジ山210に、雄ネジ部103のネジ山110の表面形状を転写することができる。さらに、ネジ山110とネジ山210との硬度差を上記のように設定することで、ネジ山110の表面形状をネジ山210に転写することを促進することができる。これにより、締結部100では、雄ネジ部103のネジ山110と雌ネジ部200側のネジ山210の接触面積を増大することができる。したがって、締結部100の軸力を安定することができる。
締結部100では、ボルト101と第1キャリア(シャフト)41との接触面における摩擦力のばらつきを軽減することができる。これにより、第1キャリア(シャフト)41と第2キャリア(ホールド)42との軸力を安定化することができ、主軸受6に均一に予圧を与えることができる。
また、第2キャリア(ホールド)42の雌ネジ部200の硬度をボルト101の硬度よりも低くすることで、雌ネジ部200のネジ山210を積極的に弾性変形させることができる、したがって、ボルト101のネジ山110と第2キャリア42に設けられたネジ山210との接触面積を向上することができ、軸力を安定させることができる。
なお、上述した第1実施形態において、偏心揺動型歯車装置1は、入力部となる回転軸が中空構造とされた、いわゆる中空減速機(変速機)であってもよい。
上述した第1実施形態では、3本の支柱部44にそれぞれ締結部100が2箇所形成された構成を説明したが、この構成に限定されない。締結部100は、それぞれの支柱部44で軸線C1を中心とする同一円上に位置し、かつ、個々の支柱部44で対称な位置関係であれば、締結部100の個数を適宜変更することもできる。
例えば、3本の支柱部44のそれぞれに、締結部100を3箇所配置する構成としてもよい。この場合には、図2に示した2箇所に加えて、さらに、これら2箇所の締結部100から等距離で、かつ、軸線C1を中心として2箇所の締結部100よりも小さい円上に位置するように、3箇所目の締結部100を設けることができる。
また、3本の支柱部44のそれぞれに、締結部100が1箇所形成された構成とすることもできる。
さらに、締結部100において、雌ネジ部200に上述した特性を有する構成を採用することができる。ボルト101としては、従来の特性を有する構成を採用することもできる。あるいは、締結部100において、雄ネジ部103に上述した特性を有する構成を採用し、雌ネジ部200に関しては従来の特性を有する構成を採用することもできる。さらに、締結部100における個々の構成をそれぞれ別々に組み合わせて用いることもできる。
<第2実施形態>
以下、本発明に係る偏心揺動型歯車装置の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態における偏心揺動型歯車装置を示す断面図である。
本実施形態は、クランク軸に関する点で、上述した第1実施形態とは異なる。図5において、符号3000は、偏心揺動型歯車装置である。
本実施形態の偏心揺動型歯車装置(減速機)3000は、いわゆるセンタークランク式とされる。本実施形態の偏心揺動型歯車装置3000は、図5に示すように、外筒3300と、外壁3740と、を備える。
偏心揺動型歯車装置3000は、キャリア3400Cと、クランク軸組立体3500Cと、歯車部3600Cと、2つの主軸受3710Cおよび主軸受3720Cと、インプットギア3730Cと、を備える。
図5に示す出力軸3C1は、2つの主軸受3710Cおよび主軸受3720C及びインプットギア3730Cの中心軸(軸線)に相当する。外筒3300及びキャリア3400Cは、出力軸3C1周りに相対的に回転することができる。
モータ(図示せず)や他の駆動源(図示せず)が生成した駆動力は、出力軸3C1に沿って延びるインプットギア3730Cを通じて、クランク軸組立体3500Cに入力される。クランク軸組立体3500Cに入力された駆動力は、外筒3300及びキャリア3400Cによって囲まれた内部空間内に配置された歯車部3600Cに伝達される。
2つの主軸受3710Cおよび主軸受3720Cは、外筒3300と、外筒3300によって取り囲まれたキャリア3400Cと、の間に形成された環状空間に嵌め込まれる。外筒3300又はキャリア3400Cは、歯車部3600Cに伝達された駆動力によって、出力軸3C1周りに回転される。
キャリア3400Cは、基部(第1キャリア)3410Cと、端板(第2キャリア)3420Cと、を含む。
キャリア3400Cは、全体的に円筒状に形成されている。端板3420Cは、略円板形状に形成されている。端板3420Cの外周面は、第2円筒部3312によって部分的に取り囲まれる。主軸受3720Cは、第2円筒部3312と端板3420Cの周面との間の環状の空隙に嵌め込まれる。主軸受3720Cのコロが、端板3420C上で直接的に転動するように、端板3420Cの外周面は形成される。
基部3410Cは、基板部3411Cと、複数のシャフト部3412Cと、を含む。基板部3411Cの外周面は、第3円筒部3313によって部分的に取り囲まれる。主軸受3710Cは、第3円筒部3313と基板部3411Cの外周面との間の環状の空隙に嵌め込まれる。主軸受3710Cのコロが、基板部3411Cの外周面上で直接的に転動するように、基板部3411Cの外周面は形成される。
基板部3411Cは、出力軸3C1の延設方向において、端板3420Cから離間する。基板部3411Cは、端板3420Cと略同軸である。すなわち、出力軸3C1は、基板部3411C及び端板3420Cの中心軸に相当する。
基板部3411Cは、内面3415Cと、内面3415Cとは反対側の外面3416Cと、を含む。内面3415Cは、歯車部3600Cに対向する。内面3415C及び外面3416Cは、出力軸3C1に直交する仮想平面(図示せず)に沿う。
中央貫通孔3417Cは、基板部3411Cに形成される。中央貫通孔3417Cは、出力軸3C1に沿って、内面3415Cと外面3416Cとの間で延びる。出力軸3C1は、中央貫通孔3417Cの中心軸に相当する。
端板3420Cは、内面3421Cと、内面3421Cとは反対側の外面3422Cと、を含む。内面3421Cは、歯車部3600Cに対向する。内面3421C及び外面3422Cは、出力軸3C1に直交する仮想平面(図示せず)に沿う。
中央貫通孔3423Cは、端板3420Cに形成される。中央貫通孔3423Cは、出力軸3C1に沿って、内面3421Cと外面3422Cとの間で延びる。出力軸3C1は、中央貫通孔3423Cの中心軸に相当する。
複数のシャフト部3412Cのそれぞれは、基板部3411Cの内面3415Cから端板3420Cの内面3421Cに向けて延びる。端板3420Cは、複数のシャフト部3412Cのそれぞれの先端面に接続される。端板3420Cは、ボルト101と雌ネジ部200とからなる締結部100、および、位置決めピン他によって、複数のシャフト部3412Cのそれぞれの先端面に接続されてもよい。
[締結部]
締結部100は、図3,図4に示した第1実施形態と同等の構成とされるため、図3,図4に示した第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
歯車部3600Cは、基板部3411Cの内面3415Cと端板3420Cの内面3421Cとの間に配置される。複数のシャフト部3412Cは、歯車部3600Cを貫通し、端板3420Cに接続される。
歯車部3600Cは、2つの揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cを含む。
揺動歯車3610Cは、端板3420Cと揺動歯車3620Cとの間に配置される。揺動歯車3620Cは、基板部3411Cと揺動歯車3610Cとの間に配置される。揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cは、共通の設計図面に基づいて形成されてもよい。揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cは、それぞれトロコイド歯車であってもよいし、サイクロイド歯車であってもよい。
本実施形態の原理は、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cとして用いられる歯車の特定の種類に限定されない。
揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cは、それぞれ複数の内歯ピン3320に噛み合う。クランク軸組立体3500Cが、出力軸3C1周りに回転すると、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cは、内歯ピン3320に噛み合いながら、ケース3310内で周回移動(すなわち、揺動回転)する。この間、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cの中心は、出力軸3C1周りを周回する。外筒3300及びキャリア3400Cの相対回転は、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cの揺動回転によって引き起こされる。
揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cのそれぞれの中心には、貫通孔が形成される。クランク軸組立体3500Cは、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cの中心にそれぞれ形成された貫通孔に嵌め込まれる。
揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cのそれぞれには、出力軸3C1周りに規定された仮想円に沿って配置された複数のシャフト部3412Cに対応して、複数の貫通孔が形成される。複数のシャフト部3412Cは、これらの貫通孔に挿通される。これらの貫通孔の大きさは、複数のシャフト部3412Cと揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cとの間の干渉が生じないように設定される。
クランク軸組立体3500Cは、クランク軸3520Cと、2つのジャーナル軸受3531Cおよびジャーナル軸受3532Cと、2つのクランク軸受3541Cおよびクランク軸受3542Cと、を含む。
クランク軸3520Cは、第1ジャーナル3521Cと、第2ジャーナル3522Cと、第1偏心部3523Cと、第2偏心部3524Cと、を含む。
第1ジャーナル3521Cは、出力軸3C1に沿って延び、端板3420Cの中央貫通孔3423Cに挿入される。第2ジャーナル3522Cは、第1ジャーナル3521Cとは反対側に位置するとともに、出力軸3C1に沿って延び、基板部3411Cの中央貫通孔3417Cに挿入される。
ジャーナル軸受3531Cは、第1ジャーナル3521Cと、中央貫通孔3423Cを形成する端板3420Cの内壁と、の間の環状空間に嵌め込まれる。この結果、第1ジャーナル3521Cは、端板3420Cに連結される。ジャーナル軸受3532Cは、第2ジャーナル3522Cと中央貫通孔3417Cを形成する基板部3411Cの内壁との間の環状空間に嵌め込まれる。この結果、第2ジャーナル3522Cは、基板部3411Cに連結される。
したがって、キャリア3400Cは、クランク軸組立体3500Cを支持することができる。本実施形態において、第1端壁は、端板3420Cによって例示される。第2端板は、基板部3411Cによって例示される。
第1偏心部3523Cは、第1ジャーナル3521Cと第2偏心部3524Cとの間に位置する。第2偏心部3524Cは、第2ジャーナル3522Cと第1偏心部3523Cとの間に位置する。クランク軸受3541Cは、揺動歯車3610Cの中心に形成された貫通孔に嵌め込まれ、第1偏心部3523Cに連結される。この結果、揺動歯車3610Cは、第1偏心部3523Cに取り付けられる。クランク軸受3542Cは、揺動歯車3620Cの中心に形成された貫通孔に嵌め込まれ、第2偏心部3524Cに連結される。この結果、揺動歯車3620Cは、第2偏心部3524Cに取り付けられる。
第1ジャーナル3521Cは、第2ジャーナル3522Cと略同軸であり、出力軸3C1周りで回転する。第1偏心部3523C及び第2偏心部3524Cのそれぞれは、円柱状に形成され、出力軸3C1から偏心している。第1偏心部3523C及び第2偏心部3524Cそれぞれは、出力軸3C1に対して偏心回転し、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cに揺動回転を与える。本実施形態において、偏心部は、第1偏心部3523C及び第2偏心部3524Cのうち一方によって例示される。
外筒3300が固定されている場合、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cは、外筒3300の複数の内歯ピン3320と噛み合う。したがって、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cの揺動回転は、出力軸3C1周りのクランク軸3520Cの周回運動と基板部3411Cの回転に変換される。端板3420C及び基板部3411Cは、第1ジャーナル3521C及び第2ジャーナル3522Cにそれぞれ連結されている。このため、クランク軸3520Cの周回運動は、出力軸3C1周りの端板3420C及び基板部3411Cの回転運動に変換される。揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620C間の周回位相差は、第1偏心部3523Cと第2偏心部3524Cとの間の偏心方向の差異によって決定される。
これに対してキャリア3400Cが固定されている場合、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cは、外筒3300の複数の内歯ピン3320と噛み合う。したがって、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cの揺動回転は、出力軸3C1周りの外筒3300の回転運動に変換される。インプットギア3730Cは、出力軸3C1に沿って延び、支持壁3742を貫通する。インプットギア3730Cは、外壁3740によって囲まれた空間3750を貫通する。クランク軸3520Cには、出力軸3C1に沿って延びる貫通孔3525が形成される。インプットギア3730Cの先端部は、貫通孔3525に差し込まれる。
キー溝3732は、インプットギア3730Cの先端部に形成される。他のもう1つのキー溝3526は、貫通孔3525を形成するクランク軸3520Cの内壁面に形成される。キー溝3732およびキー溝3526は、出力軸3C1に略平行に延びる。キー3733は、キー溝3732およびキー溝3526に差し込まれる。この結果、インプットギア3730Cは、クランク軸3520Cに連結される。インプットギア3730Cが出力軸3C1周りに回転すると、クランク軸3520Cは、出力軸3C1周りに回転する。この結果、揺動歯車3610Cおよび揺動歯車3620Cの揺動回転が引き起こされる。
基板部3411Cに形成された中央貫通孔3417Cは、第1空房部3491と第2空房部3492とを含む。第1空房部3491及び第2空房部3492は、共に、円形断面を有する。第1空房部3491は、断面積において、第2空房部3492よりも小さい。
第1空房部3491には、第2ジャーナル3522C及びジャーナル軸受3532Cが配置される。基板部3411Cの外面3416Cは、相手部材(図示せず)に圧接される。
ケース3310の外周には、フランジ部3314が全周に形成され、外壁3740と接続される。外壁3740は、外筒壁3741を有する。外筒壁3741の先端部3741aは、平坦に形成されている。外筒壁3741の先端部3741aには、取付締結部150としての雌ネジ部250が形成されている。
フランジ部3314は、ケース3310の外周に設けられ、軸線3C1に沿った方向で貫通する貫通孔3315を有する。貫通孔3315は、周方向に任意の間隔で設けられる。貫通孔3315は、偏心揺動型歯車装置3000と、ロボットRの一部である外壁3740と、を締結するボルト151が貫通する締結孔である。貫通孔3315は、締結部材であるボルト151が貫通する。外壁3740の雌ネジ部250およびボルト151は、取付締結部150を構成する。
[取付締結部]
取付締結部150は、図3,図4に示した第1実施形態における締結部100に準じる構成を有する。ここで、取付締結部150におけるボルト151および雌ネジ部250は、図3,図4に示した第1実施形態における締結部100におけるボルト101および雌ネジ部200に対応する。図5においては、符号150,151,250として、これらを示し、それ以外は、図3,図4に示した第1実施形態における締結部100と同じ符号を付してその説明を省略する。
取付締結部150においても、図3,図4に示した第1実施形態における締結部100と同様に、雄ネジ部103と雌ネジ部250との硬度差によって、ネジ山110およびネジ山210を変形する。これにより、偏心揺動型歯車装置3000とロボットRの一部である外壁3740との締結時に、取付締結部150における雄ネジ部103と雌ネジ部250との接触面積を増大することができ、摩擦力のばらつきを低減することができる。
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、シャフト部3412Cと端板3420Cとが締結する。これにより、ボルト(締結具)101の雄ネジ部103とシャフト部3412Cの雌ネジ部200とにおいては、それぞれのネジ山110とネジ山210とが互いに接触する。このとき、雄ネジ部103と雌ネジ部200と硬度差により、雄ネジ部103の表面形状が雌ネジ部200に転写される。これにより、複数の締結部100において、ネジ山110とネジ山210とにおける接触面での摩擦力のばらつきを軽減することができる。したがって、シャフト部3412Cと端板3420Cとの軸力を安定化することができる。これにより、主軸受3710Cおよび主軸受3720Cには、均一な予圧を与えることができる。
また、クランク軸組立体3500Cに用いる第1ジャーナル3521Cおよび第2ジャーナル3522Cにも均一に予圧を与えることができる。これにより、偏心揺動型歯車装置3000としての回転安定性を向上できる。偏心揺動型歯車装置3000のトルク密度を向上することが可能となる。
同時に、ネジ山110とネジ山210との硬度差により、シャフト部3412Cに設けられた雌ネジ部200のネジ山210に、雄ネジ部103の表面形状を転写するとともに、この転写を促進することができる。これにより、締結部100において雄ネジ部103のネジ山110と雌ネジ部200側のネジ山210の接触面積を増大することができ、軸力が安定する。
締結部100において、ボルト101とシャフト部3412Cとの接触面の摩擦力のばらつきを軽減して、シャフト部3412Cと端板3420Cとの軸力を安定化することができる。これにより、主軸受3710Cおよび主軸受3720Cに均一に予圧を与えることができる。
また、シャフト部3412Cの雌ネジ部200の硬度をボルト101の硬度よりも低くすることで、雌ネジ部200に設けられたネジ山210を雄ネジ部103側のネジ山110によって積極的に弾性変形させることができる。したがって、ボルト101のネジ山110とシャフト部3412Cのネジ山210との接触面積を増大することができ、軸力が安定する。
本実施形態によれば、締結部100および取付締結部150により、シャフト部3412Cの軸力が安定する。このため、取付締結部150により、偏心揺動型歯車装置3000がモーメントを受けた際の剛性が安定し、ロボットRの位置精度及び軌跡精度が高いところで安定する。
本実施形態においては、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
以下、本発明に係る産業用ロボットの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態におけるロボットを示す概略図である。
本実施形態は、偏心揺動型歯車装置の取り付けられるロボットに関する点で、上述した第1および第2実施形態とは異なる。これ以外の対応する構成要素に関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
[ロボット(相手部材)]
本実施形態のロボットRは、産業用ロボットであることが好ましく、協調(協働)ロボットであることがさらに好ましい。協調(協働)ロボットとは、ファクトリーオートメーション(FA)などの分野で「作業員と協働するロボット」のことをいう。
また、ロボットRとして、偏心揺動型歯車装置1または偏心揺動型歯車装置3000に対応する減速機(変速機)を複数有する多関節ロボットを用いることができる。
[偏心揺動型歯車装置]
偏心揺動型歯車装置1または偏心揺動型歯車装置3000は、回動可能に連結される一対のアームの連結部(ロボットRの関節部分)330L、連結部330Uおよび連結部330Sに設けられる。偏心揺動型歯車装置1または偏心揺動型歯車装置3000は、駆動源としてのモータ(不図示)から入力されるモータトルクを減速して出力する。
なお、偏心揺動型歯車装置1または偏心揺動型歯車装置3000は、上述した構成だけでなく、回転力を発生させる駆動源の回転を変速できる構成を有していればよい。例えば、偏心揺動型歯車装置1または偏心揺動型歯車装置3000に代わって回転力を発生させる駆動源の回転を増速して出力する増速機でもよい。したがって、本実施形態においては、偏心揺動型歯車装置も含めて変速機と称する。
ロボットRは、連結部330S、連結部330L、連結部330Uにそれぞれ設けられた複数の変速機(第1変速機308、第2変速機314、および第3変速機320)を有している。これら変速機308、変速機314、320は、いずれも締結部100を備えている。また、変速機308、314、320は、いずれも取付締結部150により取り付けられている。
ここで、偏心揺動型歯車装置1および偏心揺動型歯車装置3000に対応する変速機308、変速機314、変速機320は、ロボットRの一部となる。
ロボットRは、設置面に接する固定ベース302と、固定ベース302から上方に延びる回転ヘッド304と、回転ヘッド304に回転自在に組み付けられている複数のアーム(第1アーム310、および第2アーム316)と、アームの先端に設けられたエンドエフェクタEと、複数の変速機(第1変速機308、第2変速機314、および第3変速機320)と、を備える。
第1アーム310は、複数の変速機308、変速機314、変速機320を介して、回転ヘッド304に第1アーム310が回転自在に連結されている。第2アーム316は、変速機320を介して、第1アーム310に第2アーム316が回転自在に連結されている。変速機308、変速機314、変速機320は、上述した偏心揺動型歯車装置1および偏心揺動型歯車装置3000のうちのいずれか一方を用いることができ、偏心揺動型歯車装置1と偏心揺動型歯車装置3000とを自由に組み合わせて用いてもよい。以下、詳細に説明する。
固定ベース302上には、回転ヘッド304がS軸の回りに回転自在に組み付けられている。回転ヘッド304は、駆動源としての第1サーボモータ306及び第1変速機308を介してS軸を中心として回転する。回転ヘッド304の上部には、第1アーム310がL軸の回りに前後揺動自在に組み付けられている。第1アーム310は、駆動源としての第2サーボモータ312及び第2変速機314を介してL軸を中心として前後に揺動する。第1アーム310の上部には、第2アーム316がU軸の回りに上下揺動自在に組み付けられている。第2アーム316は、駆動源としての第3サーボモータ318及び第3変速機320を介してU軸を中心として上下に揺動する。以上の構成で、エンドエフェクタEを3次元的に駆動することができる。
本実施形態によれば、締結部100により、シャフト部44、シャフト部3412Cの軸力が安定する。これに加えて、偏心揺動型歯車装置1、偏心揺動型歯車装置3000は、取付締結部150により、モーメントを受けた際の剛性が安定する。したがって、ロボットRの位置精度及び軌跡精度が高いところでさらに安定する。
本実施形態では、偏心揺動型歯車装置1、偏心揺動型歯車装置3000を取り付ける連結部330L、連結部330Uを有する構成を有するロボットRを説明した。本実施形態は、ロボットRに限定されない。たとえば、所定の産業機械に偏心揺動型歯車装置1、偏心揺動型歯車装置3000を取り付けることが可能である。
この場合でも、主軸受6、主軸受3710C、主軸受3720Cに均一に予圧を与えることができるため、産業機械が定格寿命を全うする確率が高まる。
産業機械と偏心揺動型歯車装置1、偏心揺動型歯車装置3000との取付締結部150の軸力が安定化するため、産業機械が定格寿命を全うできる確率がさらに高まる。
本実施形態における産業機械としては、ポジショナ、AGV(Automatic Guided Vehicle;無人搬送車)等を例示することができる。
上記の各実施形態では、締結部100および取付締結部150を偏心揺動型歯車装置1、偏心揺動型歯車装置3000に適用した場合を例に挙げて説明したが、異なる構成を有する偏心揺動型歯車装置に適用することも可能である。例えば、締結部100および取付締結部150を、遊星歯車を用いた偏心揺動型歯車装置に適用することができる。
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
本発明における締結部では、雌ネジ部より硬度の高い雄ネジ部を有するボルトを用いて締結することにより、雄ネジ部が雌ネジ部のネジ山の表面を塑性変形させる。これにより、雌ネジ部と雄ネジ部との接触面積を増加する。したがって、複数の締結部の間で、締結力となる摩擦力を均一化させることができる。このため、偏心揺動型歯車装置の締結における締結部の軸力を向上する。
ここで、雌ネジ部と雄ネジ部との硬度差が小さい場合には、雌ネジ部に生じる面摩擦が雌ネジ部の加工精度の影響を受けるため、軸力を均一化することが難しい。これに対して、本発明の偏心揺動型歯車装置においては、雌ネジ部と雄ネジ部との硬度差が大きいことにより、雌ネジ部と雄ネジ部との接触面積を増加することができる。したがって、軸力向上を図ることが可能となる。
締結部における軸力向上のメカニズムを、本願発明者は、次のように考察した。
雌ネジ部と雄ネジ部との接触面積が増加する状態は、ボルトを締結した際に、柔らかい雌ネジ部のネジ山が硬い雄ネジ部のネジ山に倣うように塑性変形していることに起因する。このような雄ネジ部に倣う雌ネジ部の塑性変形は、それぞれが互いに接触しているネジ山の表面で起こる。つまり、ボルトを雌ネジ部に締結した際、柔らかい雌ネジ部のネジ山の表面が、硬い雄ネジ部のネジ山の表面に倣うように塑性変形すると考えられる。
すなわち、ボルトの締結によって締結力が印加されることにより、雌ネジ部のネジ山の表面における微小な形状が、雄ネジ部のネジ山の表面における微小な形状に近づくことになる。言い換えると、雌ネジ部と雄ネジ部との間に硬度差が存在することにより、締結時に互いに接触しているネジ山の表面では、雌ネジ部の表面粗さが雄ネジ部の表面粗さに近づくことになる。
締結前の雌ネジ部のネジ山の表面における表面粗さが、雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さよりも小さい場合を考える。すると、雌ネジ部と雄ネジ部との間で硬度差があることによって、締結後の雌ネジ部のネジ山の表面粗さは、締結前における雌ネジ部のネジ山の表面粗さに比べて、硬い雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さに近づくことになる。つまり、締結前に雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さよりも小さかった雌ネジ部のネジ山の表面の表面粗さは、締結後に雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さに近い値になる。この場合、締結前後で、雌ネジ部のネジ山の表面における表面粗さは大きくなる。
たとえば、締結前の雌ネジ部がHCR38、表面粗さRa0.3~0.5(μm)で、締結前の雄ネジ部がHCR44、表面粗さRa0.5~1.0(μm)であった場合、締結後の雌ネジ部は表面粗さRa0.3~1.0(μm)になる。
締結前の雌ネジ部のネジ山の表面における表面粗さが、雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さと同程度である場合を考える。すると、雌ネジ部と雄ネジ部との間で硬度差があることによって、締結後の雌ネジ部のネジ山の表面粗さは、締結前における雌ネジ部のネジ山の表面粗さに比べて、硬い雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さに近づくことになる。つまり、締結前に雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さと同程度だった雌ネジ部のネジ山の表面の表面粗さは、締結後に雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さに近い値になる。この場合、締結前後で、雌ネジ部のネジ山の表面における表面粗さは、ほぼ同じである。
たとえば、締結前の雌ネジ部がHCR38、表面粗さRa0.3~0.5(μm)で、締結前の雄ネジ部がHCR44、表面粗さRa0.3~0.5(μm)であった場合、締結後の雌ネジ部は表面粗さRa0.3~0.5(μm)になる。
締結前の雌ネジ部のネジ山の表面における表面粗さが、雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さよりも大きい場合を考える。すると、雌ネジ部と雄ネジ部との間で硬度差があることによって、締結後の雌ネジ部のネジ山の表面粗さは、締結前における雌ネジ部のネジ山の表面粗さに比べて、硬い雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さに近づくことになる。つまり、締結前に雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さよりも大きかった雌ネジ部のネジ山の表面の表面粗さは、締結後に雄ネジ部のネジ山の表面の表面粗さに近い値になる。この場合、締結前後で、雌ネジ部のネジ山の表面における表面粗さは、小さくなる。
たとえば、締結前の雌ネジ部がHCR38、表面粗さRa0.5~1.0(μm)で、締結前の雄ネジ部がHCR44、表面粗さRa0.2~0.5(μm)であった場合、締結後の雌ネジ部は表面粗さRa0.2~0.8(μm)になる。
このように、雌ネジ部の表面粗さの数値変化にかかわらず、雌ネジ部の表面が雄ネジ部の表面になじむことで、締結部における接触面積が増大して、軸力を向上することが可能となる。なお、上述したように、締結後の雌ネジ部の表面粗さは、雄ネジ部の表面粗さに依存することになる。
通常、ネジの締結において、軸力を高めるためには、締結部の接触面における面粗さが小さいことが好ましい。これに対して、上述したように、本発明では、締結部の接触面における表面粗さ、特に、雌ネジ部の表面粗さの数値に因らず、軸力を向上することができる。
ここで、軸力は、次のように算出される。
軸力=締結トルク/(ネジ面摩擦+座面摩擦+弾性変形)
したがって、軸力には、締結トルクに加えて、摩擦係数が影響する。ここで、摩擦係数が高いと、軸力が減少してしまうという関係がある。したがって、複数の締結部において、摩擦係数がバラつくと、軸力も安定しないことになる。
本発明では、硬度差を有するボルトと雌ネジ部とを用いることで、いかなる値の表面粗さを有する雌ネジ部であっても、雌ネジ部を雄ネジ部になじませることが可能となる。つまり、雌ネジ部の表面粗さを雄ネジ部の表面粗さに近づけることが可能となる。これにより、同じ締結トルクの値となるように締結した場合でも、従来の硬度差のないボルトと雌ネジ部とを用いた場合に比べて、本発明の締結部における軸力を安定させることができる。
本発明では、締結部の締結面において摩擦を増大することができるとともに、締結部の締結面において接触面積を増大することができる。これによって、締結トルクを向上することができる。
さらに、複数の締結部の間で同程度の軸力を得ることを考える。
ここで、硬度の高いボルトと硬度の低いボルトとを用いて、同じ雌ネジ部に対して、同程度の締結トルクで締め付けた場合、硬度の低いボルトでは破断する可能性がある。これに対して、硬度の高いボルトでは破断することがない。
つまり、本発明においては、摩擦係数を安定させるために、硬度の高いボルトによって、雌ネジ部の表面粗さをボルトの表面粗さに倣わせている。また、摩擦係数を安定させることによって、同程度の締結トルクで締め付けた場合であっても、ボルトにおける破断発生を防止することができる。
<検証例1>
メカニズムの検証例として、図1~図4に示した実施形態の偏心揺動型歯車装置(変速機)1を用いて、締結部100における締結試験をおこなった。
この試験では、偏心揺動型歯車装置(変速機)1の締結部100に対応するテストピースと、ボルト101と、を用いた。
具体的には、締結部100に対応する雌ネジ部200を有し、かつ、雌ネジ部200の軸線C5に沿って半分に分割したテストピースを用意した。次いで、このテストピースを、分割する前の状態に戻すように組み合わせて、雌ネジ部200を元の形状に戻すように組み付けた。このとき、少なくとも雌ネジ部200がロックウェル硬さ(HRC)38であるテストピースを用意した。
また、少なくとも雄ネジ部103がロックウェル硬さ(HRC)44であるボルト101を用意した。
テストピースの雌ネジ部200に、ボルト101を所定の締結トルクとなるように締結した。その後、テストピースを分解して雌ネジ部200の内周面を露出させるとともに、ボルト101を雌ネジ部200から分離した。
この状態で、雌ネジ部200と雄ネジ部103との噛み合い面において、それぞれ表面粗さを測定した。表面粗さ測定は、雌ネジ部200に噛み合っているボルト101において、雌ネジ部200に接触したネジ山のうち、頭部104に近い位置から3山目と4山目となったネジ山の表面を測定した。同様に、このボルト101を測定した位置に対応する位置において、雌ネジ部200の表面粗さを測定した。
以下に、テストピース、ボルト101および締結試験における諸元を示す。
・ボルト101のサイズ;M12
・雄ネジ部103の外径の基準寸法(呼び径);12[mm]
・雄ネジ部103の有効径の基準寸法;10.863[mm]
・雄ネジ部103の谷の径の基準寸法;10.106[mm]
・ピッチ;1.75[mm]
・雌ネジ部200の谷径の基準寸法(呼び径);12[mm]
・雌ネジ部200の有効径の基準寸法;10.863[mm]
・雌ネジ部200の内径の基準寸法;10.106[mm]
・雌ネジ部200のとがり山の高さ;1.516[mm]
・ピッチ;1.75[mm]
試験条件
・締結トルク;156[N・m]
・測定した表面粗さ;Ra(μm),Rpk(μm),Rv(μm)
これらの測定データから、以下のように、雄ネジ部と雌ネジ部との表面粗さの好適な関係を導出した。表1~表7および、図7~図12に雄ネジ部と雌ネジ部との表面粗さの関係を示す。
Figure 2023088876000002
Figure 2023088876000003
Figure 2023088876000004
Figure 2023088876000005
Figure 2023088876000006
Figure 2023088876000007
Figure 2023088876000008
図7は、本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRa(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRa(μm)/雌ネジ部表面粗さFRa(μm);RRaと、の関係を示す図である。図8は、本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRa(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRa(μm)/雌ネジ部表面粗さFRa(μm);RRaと、の関係を示す図である。図9は、本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRpk(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRpk(μm)雌ネジ部表面粗さFRpk(μm);RRpkと、の関係を示す図である。図10は、本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRpk(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRpk(μm)/雌ネジ部表面粗さFRpk(μm);RRpkと、の関係を示す図である。図11は、本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRv(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRv(μm)/雌ネジ部表面粗さFRv(μm);RRvと、の関係を示す図である。図12は、本発明に係る偏心揺動型歯車装置における雌ネジ部表面粗さFRv(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRv(μm)/雌ネジ部表面粗さFRv(μm);RRvと、の関係を示す図である。
図7には、データから導出した締結後の雌ネジ部表面粗さFRa(μm)と、雄ネジ部表面粗さMRa(μm)/雌ネジ部表面粗さFRa(μm);RRaと、の好適な関係の範囲を示す。
(4)互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRa(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)が0.2~1.0の範囲内の値で、
比の値RRa=MRa/FRaが、0.25~3.333の範囲内の値であることが好ましい。
(5)互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRa(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)と、比の値RRa=MRa/FRaとが、添付図面図7に各点(FRa,RRa)で示すように、
点RRa1(0.3,3.333)、点RRa2(0.4,2.500)、点RRa3(0.5,2.000)、点RRa4(0.6,1.667)、点RRa5(0.7,1.429)、点RRa6(0.8,1.250)、点RRa7(0.9,1.111)、点RRa8(1.0,1.000)、点RRa9(1.0,0.500)、点RRa10(0.9,0.556)、点RRa12(0.8,0.250)、点RRa13(0.7,0.286)、点RRa14(0.6,0.333)、点RRa15(0.5,0.400)、点RRa16(0.4,0.500)、点RRa17(0.3,0.667)、点RRa18(0.2,1.000)、点RRa19(0.2,2.500)で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
さらに、締結前の雄ネジ部の表面粗さMbRa(μm)および締結前の前記雌ネジ部の表面粗さFbRa(μm)の関係が、
FbRa(雌ネジ)>MbRa(雄ネジ)である場合、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRa(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)と、比の値RRa=MRa/FRaとが、添付図面図8に各点(FRa,RRa)で示すように、
点RRa19(0.2,2.500)、点RRa20(0.3,1.667)、点RRa21(0.4,1.250)、点RRa22(0.5,1.000)、点RRa23(0.6,0.833)、点RRa24(0.7,0.714)、点RRa11(0.8,0.625)、点RRa12(0.8,0.250)、点RRa13(0.7,0.286)、点RRa14(0.6,0.333)、点RRa15(0.5,0.400)、点RRa16(0.4,0.500)、点RRa17(0.3,0.667)、点RRa18(0.2,1.000)、で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
さらに、締結前の雄ネジ部の表面粗さMbRa(μm)および締結前の前記雌ネジ部の表面粗さFbRa(μm)の関係が、
FbRa(雌ネジ)<MbRa(雄ネジ)である場合、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRa(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)と、比の値RRa=MRa/FRaとが、添付図面図8に各点(FRa,RRa)で示すように、
点RRa1(0.3,3.333)、点RRa2(0.4,2.500)、点RRa3(0.5,2.000)、点RRa4(0.6,1.667)、点RRa5(0.7,1.429)、点RRa6(0.8,1.250)、点RRa7(0.9,1.111)、点RRa8(1.0,1.000)、点RRa9(1.0,0.500)、点RRa10(0.9,0.556)、点RRa11(0.8,0.625)、点RRa24(0.7,0.714)、点RRa23(0.6,0.833)、点RRa22(0.5,1.000)、点RRa21(0.4,1.250)、点RRa20(0.3,1.667)、で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
さらに、締結前の雄ネジ部の表面粗さMbRa(μm)および締結前の前記雌ネジ部の表面粗さFbRa(μm)の関係が、
FbRa(雌ネジ)≒MbRa(雄ネジ)である場合、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRa(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)と、比の値RRa=MRa/FRaとが、添付図面図8に各点(FRa,RRa)で示すように、
点RRa20(0.3,1.667)、点RRa21(0.4,1.250)、点RRa22(0.5,1.000)、点RRa25(0.5,0.600)、点RRa26(0.4,0.750)、点RRa27(0.3,1.000)、で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
図9には、データから導出した締結後の雌ネジ部表面粗さFRpk(μm)と、雌ネジ部表面粗さFRpk(μm)/雄ネジ部表面粗さMRpk(μm);RRpkと、の好適な関係の範囲を示す。
(6)互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRpk(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)が0.2~0.6の範囲内の値で、
比の値RRpk=MRpk/FRpkが、0.4~5.5の範囲内の値である、
ことが好ましい。
(7)互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRpk(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)と、比の値RRpk=MRpk/FRpkとが、添付図面図9に各点(FRpk,RRpk)で示すように、
点RRpk1(0.2,5.500)、点RRpk2(0.3,3.667)、点RRpk3(0.4,2.750)、点RRpk4(0.5,2.200)、点RRpk5(0.6,1.833)、点RRpk6(0.6,1.000)、点RRpk7(0.5,0.400)、点RRpk8(0.4,0.500)、点RRpk9(0.3,0.667)、点RRpk10(0.2,1.000)で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
さらに、締結前の雄ネジ部の表面粗さMbRpk(μm)および締結前の前記雌ネジ部の表面粗さFbRpk(μm)の関係が、
FbRpk(雌ネジ)>MbRpk(雄ネジ)である場合、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRpk(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)と、比の値RRpk=MRpk/FRpkとが、添付図面図10に各点(FRpk,RRpk)で示すように、
点RRpk20(0.2,2.500)、点RRpk11(0.3,1.667)、点RRpk16(0.4,1.250)、点RRpk15(0.5,1.000)、点RRpk7(0.5,0.400)、点RRpk8(0.4,0.500)、点RRpk9(0.3,0.667)、点RRpk10(0.2,1.000)、で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
さらに、締結前の雄ネジ部の表面粗さMbRpk(μm)および締結前の前記雌ネジ部の表面粗さFbRpk(μm)の関係が、
FbRpk(雌ネジ)<MbRpk(雄ネジ)である場合、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRpk(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)と、比の値RRpk=MRpk/FRpkとが、添付図面図10に各点(FRpk,RRpk)で示すように、
点RRpk1(0.2,5.500)、点RRpk2(0.3,3.667)、点RRpk3(0.4,2.750)、点RRpk4(0.5,2.200)、点RRpk5(0.6,1.833)、点RRpk6(0.6,1.000)、点RRpk14(0.5,1.200)、点RRpk13(0.4,1.500)、点RRpk12(0.3,2.000)、点RRpk21(0.2,3.000)、で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
さらに、締結前の雄ネジ部の表面粗さMbRpk(μm)および締結前の前記雌ネジ部の表面粗さFbRpk(μm)の関係が、
FbRpk(雌ネジ)≒MbRpk(雄ネジ)である場合、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRpk(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)と、比の値RRpk=MRpk/FRpkとが、添付図面図10に各点(FRpk,RRpk)で示すように、
点RRpk21(0.2,3.000)、点RRpk12(0.3,2.000)、点RRpk13(0.4,1.500)、点RRpk17(0.4,0.750)、点RRpk18(0.3,1.000)、点RRpk19(0.2,1.500)、で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
図11には、データから導出した締結後の雌ネジ部表面粗さFRv(μm)と、雌ネジ部表面粗さFRv(μm)/雄ネジ部表面粗さMRv(μm);RRvと、の好適な関係の範囲を示す。
(8) 互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRv(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)が0.4~1.1の範囲内の値で、
比の値RRv=MRv/FRvが、0.364~1.833の範囲内の値である、
ことが好ましい。
(9)互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRv(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)と、比の値RRv=MRv/FRvとが、添付図面図11に各点(FRv,RRv)で示すように、
点RRv1(0.4,1.500)、点RRv2(0.5,1.200)、点RRv3(0.6,1.833)、点RRv4(0.7,1.571)、点RRv5(0.8,1.375)、点RRv6(0.9,1.222)、点RRv7(1.0,1.100)、点RRv8(1.1,1.000)、点RRv9(1.1,0.364)、点RRv10(1.0,0.400)、点RRv11(0.9,0.444)、点RRv12(0.8,0.500)、点RRv13(0.7,0.571)、点RRv14(0.6,0.667)、点RRv15(0.5,0.800)、点RRv16(0.4,1.000)で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
さらに、締結前の雄ネジ部の表面粗さMbRv(μm)および締結前の前記雌ネジ部の表面粗さFbRv(μm)の関係が、
FbRv(雌ネジ)>MbRv(雄ネジ)である場合、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRv(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)と、比の値RRv=MRv/FRvとが、添付図面図12に各点(FRv,RRv)で示すように、
点RRv17(0.6,1.000)、点RRv22(0.7,0.857)、点RRv21(0.8,0.750)、点RRv20(0.9,0.667)、点RRv19(1.0,0.600)、点RRv18(1.1,0.545)、点RRv9(1.1,0.364)、点RRv10(1.0,0.400)、点RRv11(0.9,0.444)、点RRv12(0.8,0.500)、点RRv13(0.7,0.571)、点RRv14(0.6,0.667)、で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
さらに、締結前の雄ネジ部の表面粗さMbRv(μm)および締結前の前記雌ネジ部の表面粗さFbRv(μm)の関係が、
FbRv(雌ネジ)<MbRv(雄ネジ)である場合、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRv(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)と、比の値RRv=MRv/FRvとが、添付図面図12に各点(FRv,RRv)で示すように、
点RRv3(0.6,1.833)、点RRv4(0.7,1.571)、点RRv5(0.8,1.375)、点RRv6(0.9,1.222)、点RRv7(1.0,1.100)、点RRv8(1.1,1.000)、点RRv18(1.1,0.545)、点RRv19(1.0,0.600)、点RRv20(0.9,0.667)、点RRv21(0.8,0.750)、点RRv22(0.7,0.857)、点RRv17(0.6,1.000)、で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
さらに、締結前の雄ネジ部の表面粗さMbRv(μm)および締結前の前記雌ネジ部の表面粗さFbRv(μm)の関係が、
FbRv(雌ネジ)≒MbRv(雄ネジ)である場合、
互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRv(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)の関係は、
前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)と、比の値RRv=MRv/FRvとが、添付図面図12に各点(FRv,RRv)で示すように、
点RRv1(0.4,1.500)、点RRv2(0.5,1.200)、点RRv15(0.5,0.800)、点RRv16(0.4,1.000)、で囲まれる範囲内の値に設定される、
ことが好ましい。
これらの雌ネジ部と雄ネジ部との表面粗さの関係を上記のいずれかの範囲とする理由は、ボルトを締結した際に、硬度の高い雄ネジ部のネジ山に倣うように、硬度の低い雌ネジ部のネジ山を塑性変形させるためである。このような雄ネジ部に倣う雌ネジ部の塑性変形は、雄ネジ部に接触している雌ネジ部の表面で発生する。つまり、表面粗さの関係を上記のいずれかの範囲とすることによって、ボルトの締結により締結力が印加された際に、雌ネジ部のネジ山の表面における微小な形状を塑性変形させて、雄ネジ部のネジ山の表面における微小な形状に近づけることができる。これは、雄ネジ部と雌ネジ部との間で硬度差を持たせることによって、締結時に互いに接触している表面において、雌ネジ部のネジ山の表面粗さを、雄ネジ部のネジ山の表面粗さに近づけることが実現できるからである。
これらの結果から、雌ネジ部に比べて硬度の高い雄ネジ部を用いることにより、締結前の面粗さの状態にかかわらず、雌ネジ部の表面が雄ネジ部の表面に倣うように塑性変形することが示される。つまり、締結前において、雌ネジ部の表面粗さと雄ネジ部の表面粗さとの大小に因らず、締結後の雌ネジ部の表面は、硬度の高い雄ネジ部の表面の表面粗さに近づくことが好ましい。この好ましい状態を実現するためには、締結後における雌ネジ部の表面粗さ、および、雄ネジ部の表面粗さの関係として、上述したいずれかの範囲にあることが必要である。
締結後の雌ネジ部の表面粗さおよび雄ネジ部の表面粗さが、上述したいずれかの範囲にある場合には、締結前後での雌ネジ部の表面粗さの数値変化にかかわらず、雌ネジ部の表面が雄ネジ部の表面になじむことができる。これにより、締結部における接触面積が増大し、軸力を向上することが可能となる。
これに対して、締結後の雌ネジ部の表面粗さおよび雄ネジ部の表面粗さが、上述したいずれかの範囲にない場合には、結果的に締結部における軸力を向上することができない。このため、複数の締結部において軸力がバラつき、破断等の不具合が発生する可能性があるため好ましくない。
結後の雌ネジ部の表面粗さおよび雄ネジ部の表面粗さを上述したいずれかの範囲にすることにより、本発明の偏心揺動型歯車装置は、複数の締結部を有する場合において、ボルト降伏点に対して軸力のバラつき上限を抑えることができる。結果的に、本発明によれば、軸力向上を実現するためのトルク密度を向上することができる。
次に、ボルトサイズに起因した締結部での接触面積増加および締結トルク上昇について説明する。
ここでは、ボルトサイズの変化と、ボルトサイズに応じたピッチ幅の変化とに対する、接触面積の変化と締結トルクの変化とについて調べた。
接触面積Aは、以下のように算出する。
A=(D-D )/4
ここで、A、D、D、は、
A;雌ネジ部におけるネジ山1山分の接触面積[mm
D;雌ネジ部における呼び径[mm]
;雌ネジ部における内径基準寸法(D-1.0825P)[mm]
である。また、
P;雌ネジ部におけるピッチ幅[mm]
である。
ボルトサイズ、ピッチ幅[mm]、接触面積[mm]、締結トルク[N-m]の変化を以下に示す。
M5、0.8、6.21、7.16
M6、1.0、9.28、12.1
M8、1.25、15.57、29.4
M10、1.5、23.44、58.8
M12、1.75、32.89、1.2
M14、2、43.93、163
M16、2、50.73、252
M18、2.5、70.77、348
M20、2.5、79.27、493
このとき、締結トルクは、ボルトの降伏点50%の軸力で締結した際の値である。
この結果から、ボルトサイズによって締結トルクを変化させる。これに応じて、雌ネジ部の表面粗さと雄ネジ部の表面粗さとの好適な範囲を、対応して変更することができる。
1…偏心揺動型歯車装置(減速機)
2…外筒(ケース)
4…キャリア部
6A…第1軸受(主軸受)
6B…第2軸受(主軸受)
10A…クランク軸(偏心体)
41…第1キャリア(第1部材;シャフト)
42…第2キャリア(第2部材;ホールド)
44…支柱部(シャフト部)
100…締結部
101,151…ボルト(締結具)
103…雄ネジ部
105…座面
110.210…ネジ山
110b.210b…ネジ底
111,201…押フランク面
112,202…後フランク面
150…取付締結部
200,250…雌ネジ部
R…ロボット
330L,330U,330S…連結部

Claims (13)

  1. ケースと、
    前記ケースに第1軸受を介して支持される第1部材と、
    前記ケースに第2軸受を介して支持される第2部材と、
    前記ケースの軸線方向に前記第1部材および前記第2部材を締結する締結部と、
    を備え、
    前記締結部は、
    前記第1部材に形成された雌ネジ部と、
    雄ネジ部が形成された締結具と、
    を有し、
    前記締結具の硬度をロックウェル硬さ(HRC)44以上とし、前記雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い、
    偏心揺動型歯車装置。
  2. 前記雌ネジ部の硬度をブリネル硬さ(HB)353より小さくする、
    請求項1に記載の偏心揺動型歯車装置。
  3. 前記締結部は、前記締結具と前記雌ネジ部との硬度差をビッカース硬さ(HV)62より大きくする、
    請求項1に記載の偏心揺動型歯車装置。
  4. 互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRa(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)の関係は、
    前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)が0.2~1.0の範囲内の値で、
    比の値RRa=MRa/FRaが、0.25~3.333の範囲内の値である、
    請求項1に記載の偏心揺動型歯車装置。
  5. 互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRa(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)の関係は、
    前記雌ネジ部の表面粗さFRa(μm)と、比の値RRa=MRa/FRaとが、添付図面図7に各点(FRa,RRa)で示すように、
    点RRa1(0.3,3.333)、点RRa2(0.4,2.500)、点RRa3(0.5,2.000)、点RRa4(0.6,1.667)、点RRa5(0.7,1.429)、点RRa6(0.8,1.250)、点RRa7(0.9,1.111)、点RRa8(1.0,1.000)、点RRa9(1.0,0.500)、点RRa10(0.9,0.556)、点RRa12(0.8,0.250)、点RRa13(0.7,0.286)、点RRa14(0.6,0.333)、点RRa15(0.5,0.400)、点RRa16(0.4,0.500)、点RRa17(0.3,0.667)、点RRa18(0.2,1.000)、点RRa19(0.2,2.500)で囲まれる範囲内の値に設定される、
    請求項4に記載の偏心揺動型歯車装置。
  6. 互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRpk(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)の関係は、
    前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)が0.2~0.6の範囲内の値で、
    比の値RRpk=MRpk/FRpkが、0.4~5.5の範囲内の値である、
    請求項1に記載の偏心揺動型歯車装置。
  7. 互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRpk(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)の関係は、
    前記雌ネジ部の表面粗さFRpk(μm)と、比の値RRpk=MRpk/FRpkとが、添付図面図9に各点(FRpk,RRpk)で示すように、
    点RRpk1(0.2,5.500)、点RRpk2(0.3,3.667)、点RRpk3(0.4,2.750)、点RRpk4(0.5,2.200)、点RRpk5(0.6,1.833)、点RRpk6(0.6,1.000)、点RRpk7(0.5,0.400)、点RRpk8(0.4,0.500)、点RRpk9(0.3,0.667)、点RRpk10(0.2,1.000)で囲まれる範囲内の値に設定される、
    請求項6に記載の偏心揺動型歯車装置。
  8. 互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRv(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)の関係は、
    前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)が0.4~1.1の範囲内の値で、
    比の値RRv=MRv/FRvが、0.364~1.833の範囲内の値である、
    請求項1に記載の偏心揺動型歯車装置。
  9. 互いに噛み合う締結後の前記雄ネジ部の表面粗さMRv(μm)および締結後の前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)の関係は、
    前記雌ネジ部の表面粗さFRv(μm)と、比の値RRv=MRv/FRvとが、添付図面図11に各点(FRv,RRv)で示すように、
    点RRv1(0.4,1.500)、点RRv2(0.5,1.200)、点RRv3(0.6,1.833)、点RRv4(0.7,1.571)、点RRv5(0.8,1.375)、点RRv6(0.9,1.222)、点RRv7(1.0,1.100)、点RRv8(1.1,1.000)、点RRv9(1.1,0.364)、点RRv10(1.0,0.400)、点RRv11(0.9,0.444)、点RRv12(0.8,0.500)、点RRv13(0.7,0.571)、点RRv14(0.6,0.667)、点RRv15(0.5,0.800)、点RRv16(0.4,1.000)で囲まれる範囲内の値に設定される、
    請求項8に記載の偏心揺動型歯車装置。
  10. ケースと、
    前記ケースの内周に設けられた内歯歯車と、
    前記内歯歯車と噛み合う外歯歯車と、
    前記外歯歯車を揺動させる偏心体と、
    前記ケースに第1軸受を介して支持される第1部材と、
    前記ケースに第2軸受を介して支持される第2部材と、
    前記ケースの軸線方向に前記第1部材および前記第2部材を締結する締結部と、
    を備え、
    前記締結部は、前記第1部材に形成された雌ネジ部および雄ネジ部の形成された締結具を有し、
    前記締結具の硬度をロックウェル硬さHRC44以上とし、前記雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い、
    偏心揺動型歯車装置。
  11. 可動自在に接続されたアーム部を含む複数の部材と、
    前記アーム部を含む複数の前記部材を回動自在に連結する連結部と、
    前記連結部に取り付けられた偏心揺動型歯車装置と、
    を備え、
    前記偏心揺動型歯車装置は、
    ケースと、
    前記ケースに第1軸受を介して支持される第1部材と、
    前記ケースに第2軸受を介して支持される第2部材と、
    前記ケースの軸線方向に前記第1部材および前記第2部材を締結する締結部と、
    を備え、
    前記締結部は、
    前記第1部材に形成された雌ネジ部と、
    雄ネジ部が形成された締結具と、
    を有し、
    前記締結具の硬度をロックウェル硬さHRC44以上とし、前記雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い、
    ロボット。
  12. 互いに接続される複数の部材と、
    複数の前記部材を回動自在に連結する連結部と、
    前記連結部に取り付けられた偏心揺動型歯車装置を備え、
    前記偏心揺動型歯車装置は、
    ケースと、
    前記ケースに第1軸受を介して支持される第1部材と、
    前記ケースに第2軸受を介して支持される第2部材と、
    前記ケースの軸線方向に前記第1部材および前記第2部材を締結する締結部と、
    を備え、
    前記締結部は、
    前記第1部材に形成された雌ネジ部と、
    雄ネジ部が形成された締結具と、
    を有し、
    前記締結具の硬度をロックウェル硬さHRC44以上とし、前記雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い、
    産業機械。
  13. 外部の回転が減速して出力される偏心揺動型歯車装置の組立方法であって、
    ケースと、
    前記ケースに第1軸受を介して支持される第1部材と、
    前記ケースに第2軸受を介して支持される第2部材と、
    前記ケースの軸線方向に前記第1部材および前記第2部材を締結する締結部と、
    を備えた偏心揺動型歯車装置を組み立てる際に、
    前記第1部材に形成された雌ネジ部と、
    雄ネジ部の形成された締結具と、を有し、
    前記締結具の硬度をロックウェル硬さHRC44以上とし、前記雌ネジ部の硬度が前記締結具よりも低い前記締結部を用いて、
    前記第1部材と前記第2部材との締め付け時に、前記第1軸受と前記第2軸受とに予圧を付与する、
    偏心揺動型歯車装置の組立方法。
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