JP2023088598A - 複合金属材料、硬化複合金属材料、硬化複合金属材料の製造方法及び硬化複合金属部品 - Google Patents

複合金属材料、硬化複合金属材料、硬化複合金属材料の製造方法及び硬化複合金属部品 Download PDF

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紀之 塩飽
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Abstract

【課題】優れた加工性及び靱性を有する複合金属材料、優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有する硬化複合金属材料、硬化複合金属材料の製造方法及び硬化複合金属材料を含む硬化複合金属部品を提供する。【解決手段】複合金属材料は、クロム含有量が21質量%以下である複合金属材料である。複合金属材料は、クロム炭化物を含み、複合金属材料全体にわたって存在する三次元ネットワーク前駆体と、クロム含有合金粒及び炭素含有合金粒を含み、三次元ネットワーク前駆体と混在するマトリックスを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、複合金属材料、硬化複合金属材料、硬化複合金属材料の製造方法及び硬化複合金属部品に関する。さらに詳細には、本発明は、優れた加工性及び靱性を有する複合金属材料、優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有する硬化複合金属材料、硬化複合金属材料の製造方法及び硬化複合金属材料を含む硬化複合金属部品に関する。
従来、工具や金型における高硬度化の要求に対して、緻密な造形物を製造できる粉末積層造形方法が提案されている(特許文献1参照)。この粉末積層造形方法においては、セラミック粒子と金属粒子の液相焼結体からなる焼結粒子を含有する粉末材料を用いて造形物を製造している。
特開2020-79430号公報
しかしながら、特許文献1の粉末積層造形方法で得られた造形物は、得られた段階で既に高い硬度を有しているので、その後の加工が容易でないという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであって、優れた加工性及び靱性を有する複合金属材料、優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有する硬化複合金属材料、硬化複合金属材料の製造方法及び硬化複合金属材料を含む硬化複合金属部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、クロムを所定量含有する複合金属材料において、クロム炭化物を含み、複合金属材料全体にわたる三次元ネットワーク前駆体を形成することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の複合金属材料は、クロム含有量が21質量%以下である複合金属材料である。この複合金属材料は、クロム炭化物を含み、複合金属材料全体にわたって存在する三次元ネットワーク前駆体と、クロム含有合金粒及び炭素含有合金粒を含み、三次元ネットワーク前駆体と混在するマトリックスを有する。
また、本発明の硬化複合金属材料は、クロム含有量が21質量%以下である硬化複合金属材料である。この硬化複合金属材料は、クロム炭化物を含み、硬化複合金属材料全体にわたって存在する三次元ネットワークと、クロム・炭素含有複合金属粒を含み、三次元ネットワーク中に存在するマトリックスを有する。
さらに、本発明の硬化複合金属材料の製造方法は、上記本発明の硬化複合金属材料の製造方法である。この製造方法は、複合金属材料形成工程と、硬化複合金属材料形成工程を有する。複合金属材料形成工程は、クロム含有合金粉末と炭素含有合金粉末を含む混合粉末であり、混合粉末におけるクロム含有量が21質量%以下である混合粉末を、基材に吹き付け、基材に吹き付けられた混合粉末をレーザーによって局所的に加熱することにより、複合金属材料を得る工程である。硬化複合金属材料形成工程は、複合金属材料形成工程の後に実行される、複合金属材料を大気中、700℃以上1200℃以下で1時間以上5時間以下加熱することにより、硬化複合金属材料を得る工程である。
本発明の硬化複合金属部品は、上記本発明の硬化複合金属材料からなる硬化複合金属部がこの材料と異なる材料からなる基材の表面又は内部に形成されている。
本発明の他の硬化複合金属部品は、上記本発明の硬化複合金属材料からなる硬化複合金属部で形成されている。
本発明によれば、クロムを所定量含有する複合金属材料において、クロム炭化物を含み、複合金属材料全体にわたる三次元ネットワーク前駆体を形成することなどとした。そのため、優れた加工性及び靱性を有する複合金属材料、優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有する硬化複合金属材料、硬化複合金属材料の製造方法及び硬化複合金属材料を含む硬化複合金属部品を提供できる。
本発明の複合金属材料の一実施形態における断面走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 複合金属材料におけるクロム含有量と硬さとの関係を示すグラフである。 複合金属材料におけるクロム含有量と引張強度との関係及びクロム含有量と伸びとの関係を示すグラフである。 本発明の硬化複合金属材料の一実施形態における断面走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 各クロム含有量の複合金属材料及び硬化複合金属材料における熱処理条件と硬さとの関係を示すグラフである。 各クロム含有量の硬化複合金属材料における測定温度と高温硬さとの関係を示すグラフである。 本発明の硬化複合金属材料の製造方法の一実施形態を示す説明図である。
以下、本発明の複合金属材料、硬化複合金属材料、硬化複合金属材料の製造方法及び硬化複合金属部品について詳細に説明する。
(複合金属材料)
図1に後述する試験例7の複合金属材料の断面走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。図1に示すように、本実施形態の複合金属材料10は、三次元ネットワーク前駆体11と、三次元ネットワーク前駆体11と混在するマトリックス13を有している。より具体的には、複合金属材料10において、三次元ネットワーク前駆体11は、マトリックス13中に分散した状態で含まれている。また、マトリックス13は、クロム含有合金粒15及び炭素含有合金粒17を含んでいる。図示例では、クロム含有合金粒15がクロム含有コバルト基合金粒であり、炭素含有合金粒17が炭素含有鉄基合金粒である。ここで、図示しないが、複合金属材料はクロムを21質量%以下の割合で含有しており、三次元ネットワーク前駆体はクロム炭化物を含んでいる。なお、上記各合金粒やクロム炭化物が含まれていることや、複合金属材料のクロム含有割合は、断面走査型電子顕微鏡(SEM)像とエネルギー分散型X線分析(EDS)像を用いることなどによって確認することができる。また、後述する熱処理によって三次元ネットワーク前駆体から三次元ネットワークが形成される。
本発明の複合金属材料によれば、クロムを所定量含有する複合金属材料において、クロム炭化物を含み、複合金属材料全体にわたって存在する三次元ネットワーク前駆体を形成したため、熱処理前において優れた加工性及び靱性を実現できる。
ここで、優れた加工性とは、例えば、クロム含有合金の一例であるクロム含有コバルト基合金及び炭素含有合金の一例である炭素含有鉄基合金の双方よりも低い硬さを示すことを意味する。また、優れた靱性とは、例えば、クロム含有合金の一例であるクロム含有コバルト基合金以上の引張強度及び伸び性を示すことを意味する。
また、本実施形態の複合金属材料においては、クロム含有量が16質量%以上であることが好ましく、19質量%以上であることがより好ましい。このような複合金属材料は、より優れた加工性及び靱性を有する。
複合金属材料におけるクロム含有量が21質量%を超える場合、後述する熱処理前に、複合金属材料に三次元ネットワークが既に十分に形成されているので、図2に示すように、複合金属材料の硬さが高く、複合金属材料の加工が容易でない。これに対して、複合金属材料におけるクロム含有量が21質量%以下である場合、後述する熱処理前に、複合金属材料の硬さが高くなるような強固な三次元ネットワークを有しておらず(図1参照)、図2に示すように、複合金属材料の硬さが低く、複合金属材料の加工性が優れたものとなる。なお、図2は後述する各試験例の複合金属材料におけるクロム含有量と硬さとの関係を示すグラフである。
図3に後述する各試験例の複合金属材料におけるクロム含有量と引張強度との関係及びクロム含有量と伸びとの関係を示す。図3に示すように、複合金属材料におけるクロム含有量が16質量%以上、より好ましくは19質量%以上である場合、複合金属材料の引張強度及び伸び性が高く、複合金属材料の靱性がより優れたものとなる。
複合金属材料の靱性が優れる理由の1つとして、炭素含有鉄基合金粒のような炭素含有合金粒を含むことが挙げられる。さらに、複合金属材料の靱性が優れる他の理由として、例えば、後述するレーザーによる局所的な加熱を経て得られるクロム含有コバルト基合金粒及び炭素含有鉄基合金粒を含む複合金属材料においては1500℃から超急冷される。そのため、複合金属材料において1500℃における状態が維持され、結晶粒子が大きいまま維持されていることが挙げられる。ここで、複合金属材料の1500℃における状態としては面心立方格子と体心立方格子が混在した状態を挙げることができる。なお、このような面心立方格子と体心立方格子が混在した構造はX線回折(XRD)法により確認することができる。また、結晶粒子が大きいまま維持されていることは、電子線後方散乱回折(EBSD)法により確認することができる。
次に、複合金属材料における構成要素の材質等について詳細に説明する。
上記クロム含有合金粒15としては、クロム含有コバルト基合金粒を好適例として挙げることができる。クロム含有コバルト基合金としては、クロム、タングステン、鉄、ニッケル及びケイ素を含有するコバルト基合金を好適例として挙げることができる。このようなコバルト基合金の典型例としては、ステライト(登録商標)6(ケナメタルステライト社製)を挙げることができる。なお、コバルト基とは、合金におけるコバルト含有量が50質量%以上であることを意味する。
クロム含有コバルト基合金における合金元素についてさらに詳細に説明する。耐摩耗性、高温下での硬度維持の観点からは、クロムは28~30質量%含まれることが好ましい。また、耐酸化性、強度向上の観点からは、タングステンは4~15質量%含まれることが好ましい。高温下でのコバルトの腐食防止の観点からは、鉄は0.5~3質量%含まれることが好ましい。靱性、耐熱性向上の観点からは、ニッケルが含まれることが好ましい。高温耐食性、高温耐酸化性向上の観点からは、ケイ素が含まれることが好ましい。クロム含有コバルト基合金においては、耐摩耗性、高温下での硬度維持の観点から、炭素が含まれることが好ましい。
上記炭素含有合金粒17としては、炭素含有鉄基合金粒を好適例として挙げることができる。炭素含有鉄基合金としては、炭素、クロム及びケイ素を含有する鉄基合金を好適例として挙げることができる。このような鉄基合金の典型例としては、日本工業規格JIS G 4404に規定されたSKD61を挙げることができる。なお、鉄基とは、合金における鉄含有量が50質量%以上であることを意味する。
炭素含有鉄基合金における合金元素についてさらに詳細に説明する。耐摩耗性、高温下での硬度維持の観点からは、炭素は0.35~0.42質量%含まれることが好ましい。耐摩耗性、高温下での硬度維持の観点からは、クロムは4.80~5.50質量%含まれることが好ましい。高温耐食性、高温耐酸化性向上の観点からは、ケイ素が含まれることが好ましい。
(硬化複合金属材料)
図4に後述する試験例7の硬化複合金属材料の断面走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。図4に示すように、本実施形態の硬化複合金属材料20は、三次元ネットワーク21と、三次元ネットワーク21中に存在するマトリックス23を有している。また、マトリックス23は、クロム・炭素含有複合金属粒25を含んでいる。換言すれば、硬化複合金属材料20では、マトリックス23が三次元ネットワーク21によって複数のマトリックス部に分画されているとも言い得る。図示例では、クロム・炭素含有複合金属粒25が、クロム・炭素含有コバルト・鉄基複合金属粒である。ここで、図示しないが、硬化複合金属材料20はクロムを21質量%以下の割合で含有しており、三次元ネットワーク21はクロム炭化物を含んでいる。なお、上記複合金属粒やクロム炭化物が含まれていることや、硬化複合金属材料のクロム含有割合は、断面走査型電子顕微鏡(SEM)像とエネルギー分散型X線分析(EDS)像を用いることなどによって確認することができる。
本発明の硬化複合金属材料によれば、クロムを所定量含有する硬化複合金属材料において、硬化複合金属材料全体にわたって存在し、クロム炭化物を含む三次元ネットワークを形成したため、優れた靱性、硬さ及び高温硬さを実現できる。
ここで、硬化とは、上述の三次元ネットワークが形成されていることを意味する。例えば、後述する熱処理によって上述の三次元ネットワーク前駆体から上述の三次元ネットワークが形成されると硬さが向上した硬化複合金属材料となる。また、優れた硬さ及び高温硬さとは、例えば、常温においても高温下においても、クロム含有合金の一例であるクロム含有コバルト基合金と同程度の硬さを示すことを意味する。
図5に示すように、硬化複合金属材料は、クロム含有量が21質量%以下の複合金属材料を熱処理し、複合金属材料における三次元ネットワーク前駆体から三次元ネットワークを形成して、硬さを向上させることによって得られる。なお、図5は後述する各試験例の複合金属材料及び硬化複合金属材料における熱処理条件と硬さとの関係を示すグラフである。ここで、図5中の複合金属材料(クロム含有量:12.13質量%)においては、硬化複合金属材料全体にわたって三次元ネットワークを形成し得る量の三次元ネットワーク前駆体が含まれていないため、硬化複合金属材料の硬さを向上させることができていない。
また、図6に示すように、硬化複合金属材料は、常温や高温下において、クロム含有合金の一例であるクロム含有コバルト基合金と同程度の硬さを有する。図6は後述する各試験例の硬化複合金属材料における測定温度と高温硬さとの関係を示すグラフである。
さらに、本実施形態の硬化複合金属材料20においては、クロム含有量が16質量%以上であることが好ましく、19質量%以上であることがより好ましい。このような硬化複合金属材料は、より優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有する。
また、本実施形態の硬化複合金属材料20においては、硬化複合金属材料20の断面におけるマトリックス23と三次元ネットワーク21との割合が、面積比で、75:25~55:45であることが好ましい。マトリックスと三次元ネットワークとの割合が上述の面積比の範囲内であると、硬化複合金属材料はより優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有する。なお、マトリックスと三次元ネットワークとの存在割合は、断面走査型電子顕微鏡(SEM)像を画像処理により2値化して算出することができる。
さらに、本実施形態の硬化複合金属材料20においては、硬化複合金属材料の断面におけるマトリックスにおける複数のクロム・炭素含有複合金属粒のうちの最小のクロム・炭素含有複合金属粒の粒面積が、50μm以上100μm以下であることが好ましい。最小のクロム・炭素含有複合金属粒の粒面積が上述の粒面積の範囲内であると、硬化複合金属材料はより優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有する。
次に、硬化複合金属材料における構成要素の材質等について詳細に説明する。
上記クロム・炭素含有複合金属粒25としては、クロム・炭素含有コバルト・鉄基複合金属粒を好適例として挙げることができる。クロム・炭素含有コバルト・鉄基複合金属としては、クロム含有コバルト基合金と炭素含有鉄基合金を熱処理して得られるクロム含有コバルト基合金の固溶体と炭素含有鉄基合金の固溶体の混合物、クロム含有コバルト基合金と炭素含有鉄基合金との固溶体などを挙げることができる。なお、コバルト・鉄基とは、複合金属におけるコバルト及び鉄の合計含有量が50質量%以上であることを意味する。
(硬化複合金属材料の製造方法及び硬化複合金属部品)
図7に示すように、本実施形態の硬化複合金属材料の製造方法は、図7(A)に示す複合金属材料形成工程と、複合金属材料形成工程の後に実行される図7(B)に示す硬化複合金属材料形成工程を有する。ここで、図7(A)に示すように、複合金属材料形成工程においては、クロム含有合金粉末33と炭素含有合金粉末35を含む混合粉末31を、基材43に吹き付け、基材43に吹き付けられた混合粉末31をレーザー37によって局所的に加熱することにより、複合金属材料10を得る。なお、図示しないが、混合粉末におけるクロム含有量は21質量%以下である。また、図7(B)に示すように、硬化複合金属材料形成工程においては、複合金属材料10を大気中、700℃以上1200℃以下で1時間以上5時間以下加熱することにより、硬化複合金属材料20を得る。
本発明の硬化複合金属材料の製造方法によれば、上述した複合金属材料形成工程と硬化複合金属材料形成工程を有するので、複合金属材料の状態において部品形状に容易に造形でき、これを熱処理することにより硬化複合金属材料の優れた靱性、硬さ及び高温硬さを実現できる。
複合金属材料形成工程において、混合粉末をレーザーによって局所的に加熱することにより、上述した複合金属材料を歩留まり良く得ることができる。また、硬化複合金属材料形成工程において、複合金属材料を大気中、700℃以上1200℃以下で1時間以上5時間以下加熱することにより、上述した硬化複合金属材料を歩留まり良く得ることができる。
本実施形態の硬化複合金属材料の製造方法においては、複合金属材料形成工程において、混合粉末をレーザーによって局所的に加熱する際にレーザーメタルデポジション法を利用することが好ましい。レーザーメタルデポジション法を利用することにより、複数種の粉末を定量かつ均一に混合させて局所的に供給することができる。これにより、複数種の粉末を細かい配合でばらつきなく噴射できる。
また、本実施形態の硬化複合金属部品40は、図7(B)に示すように、硬化複合金属材料20からなる硬化複合金属部41が硬化複合金属材料20と異なる材料からなる基材42の表面に形成されている。このような硬化複合金属部品40は、例えば、工具や、エンジン部品、エンジン部品の金型に適用することができる。なお、図示しないが、本実施形態の硬化複合金属部品は、硬化複合金属材料からなる硬化複合金属部が硬化複合金属材料と異なる材料からなる基材の内部に形成されていてもよい。
さらに、本実施形態の硬化複合金属部品40は、図7(B)に示すように、硬化複合金属材料20からなる硬化複合金属部41で形成されていてもよい。このような硬化複合金属部品40は、例えば、エンジン部品や歯車などの高硬度部品に適用することができる。なお、図示しないが、硬化複合金属部41で形成された硬化複合金属部品40を得る場合、例えば、熱処理前に複合金属材料10から基材43を除去すればよい。
次に、硬化複合金属材料の製造方法や硬化複合金属部品における構成要素について詳細に説明する。
上記噴射加熱装置30としては、クロム含有合金粉末33及び炭素含有合金粉末35を含む混合粉末31を供給し、混合粉末31を局所的に加熱し得るレーザー37を照射することができれば、従来公知のレーザーメタルデポジションシステムにおける噴射加熱装置を適用することができる。
上記クロム含有合金粉末33及び炭素含有合金粉末35としては、上述したクロム含有合金粒15及び炭素含有合金粒17において説明したクロム含有合金及び炭素含有合金の粉末を適用することができる。なお、粉末の粒子径は、例えば25~150μmとすることができる。
上記基材43としては、複合金属材料形成工程及び硬化複合金属材料形成工程における雰囲気や温度などの条件に耐えることができれば従来公知の鋼材などを適宜選択して用いることができる。
以下、本発明を若干の試験例により更に詳細に説明する。
(試験例1~14)
表1に示すクロム含有合金粉末及び炭素含有合金粉末を表2に示す割合で混合した粉末をレーザーメタルデポジションシステム(トルンプ社)(キャリアガス及びシールドガス:アルゴンガス)を用いて鋼製基材に吹き付けて、吹き付けられた混合粉末をレーザーで局所的に加熱して、各例の複合金属材料を得た(図7(A)参照。)。次いで、得られた複合金属材料から鋼製基材を除去した。しかる後、表2に示す条件で熱処理して、各例の硬化複合金属材料を得た(図7(B)参照。)。表1に示す粉末の粒子径は50μmである。
Figure 2023088598000002
Figure 2023088598000003
図1~3より、本発明の範囲に属する試験例6~8の複合金属材料は、クロムを21質量%以下の割合で含有する複合金属材料において、クロム炭化物を含み、複合金属材料全体にわたって存在する三次元ネットワーク前駆体を有しているため、優れた加工性及び靱性を有すると考えられる。なお、図2に示す硬さは、25℃で、日本工業規格JIS Z 2244に規定されたビッカース硬さ試験-試験方法に準拠した方法で測定した。また、図3に示す引張強度及び伸びは、25℃で、日本工業規格JIS Z 2241に規定された金属材料引張試験方法に準拠した方法で測定した。ここで、図3中の伸びは降伏伸びを意味する。
また、図1~3より、本発明の範囲に属する試験例6~8の複合金属材料は、クロムを16質量%以上含んでいるため、より優れた加工性及び靱性を有すると考えられる。さらに、図1~3より、本発明の範囲に属する試験例7、8の複合金属材料は、クロムを19質量%以上含んでいるため、更に優れた加工性及び靱性を有すると考えられる。
本発明の範囲に属する試験例6~8の複合金属材料においては、クロム含有合金粒がクロム含有コバルト基合金粒であり、炭素含有合金粒が炭素含有鉄基合金粒であるので、優れた加工性及び靱性を有すると考えられる。
図3~6より、本発明の範囲に属する試験例6~8の硬化複合金属材料は、クロムを21質量%以下の割合で含有する硬化複合金属材料において、クロム炭化物を含み、硬化複合金属材料全体にわたって存在する三次元ネットワークを有しているため、優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有すると考えられる。なお、図5に示す硬さは、25℃で、日本工業規格JIS Z 2244に規定されたビッカース硬さ試験-試験方法に準拠した方法で測定した。また、図6に示す高温硬さは、25℃、300℃、500℃、600℃、700℃及び800℃で、日本工業規格JIS Z 2244に規定されたビッカース硬さ試験-試験方法に準拠した方法で測定した。
また、図3~6より、本発明の範囲に属する試験例6~8の硬化複合金属材料は、クロムを16質量%以上含んでいるため、より優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有すると考えられる。さらに、図3~6より、本発明の範囲に属する試験例7、8の硬化複合金属材料は、クロムを19質量%以上含んでいるため、更に優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有すると考えられる。
本発明の範囲に属する試験例6~8の硬化複合金属材料においては、クロム・炭素含有複合金属粒がクロム・炭素含有コバルト・鉄基合金粒であるので、優れた靱性、硬さび高温硬さを有すると考えられる。
また、本発明の範囲に属する試験例7の硬化複合金属材料は、断面におけるマトリックスと三次元ネットワークとの存在割合が、面積比で、63:37であり、75:25~55:45の範囲内にあるため、より優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有すると考えられる。
さらに、本発明の範囲に属する試験例7の硬化複合金属材料は、断面におけるマトリックスにおける複数のクロム・炭素含有複合金属粒のうちの最小のクロム・炭素含有複合金属粒の粒面積が、80μmであり、50μm以上100μm以下の範囲内にあるため、より優れた靱性、硬さ及び高温硬さを有すると考えられる。
以上、本発明を若干の試験例により説明したが、本発明はこれらに限定されない。
10 複合金属材料
11 三次元ネットワーク前駆体
13 マトリックス
15 クロム含有合金粒
17 炭素含有合金粒
20 硬化複合金属材料
21 三次元ネットワーク
23 マトリックス
25 クロム・炭素含有複合金属粒
30 噴射加熱装置
31 混合粉末
33 クロム含有合金粉末
35 炭素含有合金粉末
37 レーザー
40 硬化複合金属部品
41 硬化複合金属部
43 基材

Claims (14)

  1. クロム含有量が21質量%以下である複合金属材料であって、
    クロム炭化物を含み、前記複合金属材料全体にわたって存在する三次元ネットワーク前駆体と、
    クロム含有合金粒及び炭素含有合金粒を含み、前記三次元ネットワーク前駆体と混在するマトリックスを有する
    ことを特徴とする複合金属材料。
  2. 前記クロム含有量が、16質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の複合金属材料。
  3. 前記クロム含有量が、19質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の複合金属材料。
  4. 前記クロム含有合金粒が、クロム含有コバルト基合金であり、
    前記炭素含有合金粒が、炭素含有鉄基合金である
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つの項に記載の複合金属材料。
  5. クロム含有量が21質量%以下である硬化複合金属材料であって、
    クロム炭化物を含み、前記硬化複合金属材料全体にわたって存在する三次元ネットワークと、
    クロム・炭素含有複合金属粒を含み、前記三次元ネットワーク中に存在するマトリックスを有する
    ことを特徴とする硬化複合金属材料。
  6. 前記クロム含有量が、16質量%以上であることを特徴とする請求項5に記載の硬化複合金属材料。
  7. 前記クロム含有量が、19質量%以上であることを特徴とする請求項5に記載の硬化複合金属材料。
  8. 前記クロム・炭素含有複合金属粒が、クロム・炭素含有コバルト・鉄基複合金属粒であることを特徴とする請求項5~7のいずれか1つの項に記載の硬化複合金属材料。
  9. 当該硬化複合金属材料の断面における前記マトリックスと前記三次元ネットワークとの存在割合が、面積比で、75:25~55:45であることを特徴とする請求項5~8のいずれか1つの項に記載の硬化複合金属材料。
  10. 当該硬化複合金属材料の断面における前記マトリックスにおける複数のクロム・炭素含有複合金属粒のうちの最小のクロム・炭素含有複合金属粒の粒面積が、50μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項5~9のいずれか1つの項に記載の硬化複合金属材料。
  11. 請求項5~10のいずれか1つの項に記載の硬化複合金属材料の製造方法であって、
    クロム含有合金粉末と炭素含有合金粉末を含み、クロム含有量が21質量%以下である混合粉末を、基材に吹き付け、前記基材に吹き付けられた混合粉末をレーザーによって局所的に加熱することにより、前記複合金属材料を得る複合金属材料形成工程と、
    前記複合金属材料形成工程の後に実行され、前記複合金属材料を大気中、700℃以上1200℃以下で1時間以上5時間以下加熱することにより、前記硬化複合金属材料を得る硬化複合金属材料形成工程を有する
    ことを特徴とする硬化複合金属材料の製造方法。
  12. 前記複合金属材料形成工程において、前記混合粉末をレーザーによって局所的に加熱する際にレーザーメタルデポジション法を利用することを特徴とする請求項11に記載の硬化複合金属材料の製造方法。
  13. 請求項5~10のいずれか1つの項に記載の硬化複合金属材料からなる硬化複合金属部がこれとは異なる材料からなる基材の表面又は内部に形成されていることを特徴とする硬化複合金属部品。
  14. 請求項5~10のいずれか1つの項に記載の硬化複合金属材料からなる硬化複合金属部で形成されていることを特徴とする硬化複合金属部品。
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