JP2023087545A - 水処理システム - Google Patents

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Yusuke Tanaka
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Sukeji Yoshihara
悠 鵜飼
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卓矢 大澤
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佑亮 平居
Yusuke Hirai
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Abstract

Figure 2023087545000001
【課題】アンモニア態窒素を含む被処理水の処理において、アンモニア態窒素を除去する前処理の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果を使用者が正確に把握することができる水処理システムを提供する。
【解決手段】水処理システムは、アンモニア態窒素を除去する前処理を行う前処理部と、前処理部から流出する被処理水に対して、塩素系薬剤を添加して化学処理する薬剤添加部と、前処理前の水質を測定する処理前水質測定部と、前処理前の薬剤添加量を算出する処理前添加量算出部と、前処理後の薬剤添加量を決定する処理後添加量決定部と、削減量算出部および削減コスト算出部のうちの1つ以上と、薬剤削減量の情報および削減コストの情報のうちの1つ以上を表示する表示部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニア態窒素を含む被処理水を処理するために好適に用いられる、水処理システムに関する。
上水は、一般的に、河川、湖、沼等から取水した原水に対し、沈殿槽による処理、膜処理、砂ろ過、次亜塩素酸ナトリウム(以下、「NaClO」とも称する)等を用いた塩素系薬剤の添加による化学処理が施され、不純物の除去ならびに殺菌および消毒が行われることによって得られる。
近年、新興国等では、人口増加等の理由による河川等への生活排水の流入量が増加している。その結果、河川等の原水中のアンモニア態窒素(以下「NH‐N」とも称する)や有機物の含有量が増加している。NH‐Nを含有する原水にNaClO等の塩素系薬剤を添加した場合、NH‐Nと塩素が反応して、クロラミン等の結合塩素が生じる。結合塩素は、通常の遊離塩素と比べて殺菌力が著しく劣る。そのため、NH‐Nをより多く含有する原水を化学処理するためには、処理に必要とされる塩素系薬剤の添加量も増加してしまう。
一方、砂ろ過、膜処理、塩素系薬剤添加による化学処理等の一般的な上水処理の前段階に生物処理等の前処理を行うことによって、原水中の有機物やNH‐Nを除去する技術が存在する。例えば、特許文献1には、反応槽を含む水処理装置で処理を行って上水を得る水処理方法について記載されている。具体的には、特許文献1には、活性汚泥を使用せずに、担体に有機物およびNH‐Nを処理する菌を担持させ、かつ、担体の含水率および孔径、被処理水のBODおよびNH‐N濃度、ならびに、反応槽における被処理水の滞留時間を調整することによって、被処理水中の有機物とNH‐Nを反応槽内で処理する水処理方法が開示されている。
水処理場等の設備の塩素系薬剤添加の前段階において、このような生物処理等を行う反応槽を設置することにより、原水中のNH‐N量を事前に減少させることができる。その結果、後の段階のNH‐Nの化学処理に必要とされる塩素系薬剤の添加量を削減することができる。
特許第6811360号公報
前述したように、上水処理等において、予めNH‐Nを除去する生物処理等の前処理を行うことによって、NaClO等の塩素系薬剤の添加量を削減することができる。このような前処理を含む一連の処理を行う水処理システム(水処理設備または水処理装置)を長期間にわたり継続して使用することによって、塩素系薬剤の添加量も継続的に削減でき、コスト面での大きなメリットとなることが想定される。
しかしながら、水質変動が大きい場所や土地等における原水中のNH‐N量は、大きく変動することが多い。そのような場所や土地等の場合、前述したNH‐Nを除去する前処理の有無にかかわらず、必要となる薬剤添加量も大きく変動する。そのため、使用者(例えば水処理場の作業者等)から見ると、NH‐Nを除去する前処理を行う反応槽の導入による効果、具体的には塩素系薬剤の添加量の削減効果を明瞭に把握することが難しい。
そこで、本発明は、アンモニア態窒素を含む被処理水の処理において、アンモニア態窒素を除去する前処理の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果を使用者が正確に把握することができる水処理システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の好適な態様を包含する。
本発明の局面に係る水処理システムは、アンモニア態窒素を含む被処理水を処理する水処理システムであって、
前記被処理水を通水して前記アンモニア態窒素を除去する前処理を行う前処理部と、
前記前処理部から流出する前記被処理水に対して、塩素系薬剤を添加して化学処理する薬剤添加部と、
前記前処理前の前記被処理水の水質を測定する処理前水質測定部と、
予め記憶されたアンモニア態窒素量に対する薬剤添加量の情報に基づき、測定された前記前処理前の水質の情報から、前記前処理前の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を算出する処理前添加量算出部と、
前記前処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を決定する処理後添加量決定部と、
前記処理前添加量算出部により算出された薬剤添加量の情報および前記処理後添加量決定部により決定された薬剤添加量の情報から、薬剤添加量の削減量を算出する削減量算出部、および、予め記憶された前記塩素系薬剤の単価情報に基づき削減コストを算出する削減コスト算出部のうちの1つ以上と、
前記削減量算出部により算出された薬剤削減量の情報、および、前記削減コスト算出部により算出された削減コストの情報のうちの1つ以上を表示する表示部と、を備える。
前述の水処理システムにおいて、前記処理後添加量決定部は、実際の薬剤添加量を測定する添加量測定部であることが好ましい。
上記水処理システムにおいて、前記添加量測定部は、前記被処理水の流量当たりに添加される前記塩素系薬剤の量、単位時間当たりに添加される前記塩素系薬剤の量および前記塩素系薬剤の貯蔵タンクにおける前記塩素系薬剤の水位のうちの1つ以上を測定し、当該測定された値に基づき、前記実際の薬剤添加量を算出することがより好ましい。
前述の水処理システムにおいて、前記処理後添加量決定部は、前記前処理後の被処理水の水質を測定する処理後水質測定部と、予め記憶されたアンモニア態窒素量に対する薬剤添加量の情報に基づき、測定された前記前処理後の水質の情報から、前記前処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を算出する処理後添加量算出部と、を備えることがさらに好ましい。
前述の水処理システムにおいて、前記塩素系薬剤を添加した後の処理水中の塩素濃度を測定する塩素濃度測定部と、
前記塩素濃度測定部により測定される前記塩素濃度が予め設定された塩素濃度の範囲内に収まるように前記薬剤添加部による前記塩素系薬剤の添加量を制御する薬剤添加量制御部と、をさらに備え、
前記薬剤添加部は、前記薬剤添加量制御部により制御された量の前記塩素系薬剤を添加することが特に好ましい。
前述の水処理システムにおいて、予め記憶された前記前処理部に関する課金の情報および前記削減コスト算出部によって算出された前記削減コストに基づき、課金額を算出する課金額算出部をさらに備えることが好ましい。
前述の水処理システムにおいて、前記被処理水が、河川水、地下水、および湖沼水のうちのいずれか1つ以上であることがより好ましい。
前述の水処理システムにおいて、前記前処理は、生物処理であることがさらに好ましい。
前述の水処理システムにおいて、前記生物処理は、担体を用いて行われることが特に好ましい。
前述の水処理システムにおいて、前記担体の含水率は、50%~96%であることが好ましい。
前述の水処理システムにおいて、前記担体は、球状であり、連通孔構造の微細孔を有し、かつ、前記連通孔の孔径は30μm以下であることがより好ましい。
前述の水処理システムにおいて、前記担体は、ポリビニルアルコールから構成されるゲル状担体であることがさらに好ましい。
前述の水処理システムにおいて、前記前処理における前記被処理水の水理学的滞留時間が2時間以下であることが特に好ましい。
前述の水処理システムにおいて、前記被処理水中の有機物、無機物、濁質、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、臭気成分、色度成分および塩のうちの1つ以上の成分を処理する機能を有する処理部をさらに備えることが好ましい。
本発明によれば、アンモニア態窒素を含む被処理水の処理において、アンモニア態窒素を除去する前処理の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果を使用者が正確に把握することができる水処理システムを提供することができる。
本発明の実施形態1における水処理システムの構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態2における水処理システムの構成を模式的に示す図である。 図2における水処理システムの表示部にて示されるシミュレーショングラフの一例である。 本発明の実施形態3における水処理システムの構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態4における水処理システムの構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態5における水処理システムの構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態6における水処理システムの構成を模式的に示す図である。
本発明の実施形態によると、NH‐Nを除去する生物処理等による前処理と化学処理とを含む一連の処理を行う水処理システムにおいて、前処理前後の被処理水を化学処理するために必要とされる塩素系薬剤添加量の差分に関する情報が表示部に表示される。そのため、使用者はNH‐Nを除去する前処理の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果を正確に把握することができる。
本明細書において、「使用者」とは、本実施形態における水処理システムの表示部に表示される情報の把握を必要とする者であれば、特に限定されない。例えば、使用者としては、上水処理場等の水処理場の作業者等(具体的には、前処理槽(例えば生物処理槽)の購入者または賃借人等である顧客等)、前処理槽を遠隔で管理する管理者(具体的には、前処理槽のリース会社の管理者、前処理槽の販売会社の管理者等)等が挙げられる。より詳細には、「使用者」は、例えば、水処理場の作業者等の「直接的な使用者」および前処理槽を遠隔で管理する管理者等の「間接的な使用者」のうちの一方の者であってもよいし、または、両者を含んでもよい。
本明細書において、「被処理水」とは、少なくともNH‐Nを含んでいる液体であれば、特に限定されない。被処理水は、NH‐Nの濃度が比較的低い、河川水、地下水、および湖沼水のうちのいずれか1つ以上であることが好ましい。これらのうちのいずれかの原水を被処理水とし、適切にNH‐Nを除去する生物処理等の前処理および化学処理することによって、その処理水を上水として使用することができる。
被処理水のNH‐N濃度は、特に限定されないが、本実施形態における水処理システムを用いて上水処理する場合、NH‐N濃度を好適な濃度まで低減することができるとの観点から、50mg/L以下であることが好ましい。また、NH‐N濃度は、30mg/L以下であることがより好ましく、10mg/L以下であることがさらに好ましい。さらに、被処理水のpHは、一般的に使用される公知の任意の前処理槽を用いて好適にNH‐Nを除去することができるとの観点から、5~9であることが好ましい。
本明細書において、「前処理」とは、沈殿、膜処理(例えばRO膜処理)、砂ろ過等の公知の一般的な水処理を行う前に、被処理水を当該前処理が施される反応槽に通水させることによって、被処理水中のNH‐N量を減少させることができる種類の水処理方法であれば、特に限定されない。このような前処理としては、例えば、後に詳細に述べる硝化菌等の微生物を用いて行う生物処理、イオン交換膜処理、アンモニアストリッピング法による処理等の処理を挙げることができる。
さらに、前処理における被処理水の水理学的滞留時間(HRT:Hydraulic Retention Time)は、0.5分間以上4時間以下であることが好ましい。前処理におけるHRTは、十分にNH‐N量を減少させるとの観点から、1分間以上であることがより好ましく、5分間以上であることがさらに好ましい。また、前処理におけるHRTは、1時間以下であってもよい。HRTが1時間以下であっても、前処理におけるNH‐N量の除去処理は十分に進行させることができる。
前処理は、生物処理であることが好ましい。本明細書において、「生物処理」とは、アンモニア酸化細菌または亜硝酸酸化細菌等の硝化菌が棲息している反応槽に被処理水を通水させることによって、被処理水中に含まれるNH‐Nを酸化させて亜硝酸を経て硝酸とする処理を意味する。
本明細書において、「化学処理」とは、一般的に使用される公知の任意の塩素系薬剤をNH‐Nを含む被処理水に添加することによって、NH‐Nと塩素とを反応させてNH‐Nを化学的に分解および除去し、かつ、被処理水を殺菌する処理を意味する。
本明細書において、「薬剤添加量の情報」、「薬剤削減量の情報」および「削減コストの情報」とは、各々、薬剤添加量、薬剤削減量または削減コストに関連する情報である。具体的には、これらの情報は、本実施形態における水処理システムに関連して、NH‐Nを除去する前処理の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果を使用者が明瞭に把握するために必要な情報であれば、特に限定されない。例えば、「薬剤添加量の情報」としては、「所定の時間毎の薬剤添加量」(例えば、単位として「mg/秒」)、「被処理水の流量毎の薬剤添加量」(例えば、単位として「mg/L」)等が挙げられる。例えば、「薬剤削減量の情報」としては、「所定の時間毎の薬剤削減量」(例えば、単位として「mg/秒」)、「被処理水の流量毎の薬剤削減量」(例えば、単位として「mg/L」)等が挙げられる。例えば、「削減コストの情報」としては、「所定の時間毎の削減コスト」(例えば、単位として「円/秒」)、「被処理水の流量毎の削減コスト」(例えば、単位として「円/L」)等が挙げられる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
(実施形態1)
本発明の実施形態1における水処理システムの構成を、図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、水処理システム100Aは、生物処理槽1と、薬剤添加装置2と、処理前センサ3と、処理後センサ4と、処理前添加量算出部5と、処理後添加量算出部6と、削減量算出部7と、削減コスト算出部8と、薬剤単価情報記憶部9と、表示部10とを備える。
水処理システム100Aは、NH‐Nを含む被処理水(例えば河川水、湖沼水等の原水)を、図1に示すR1側からR2側に向かう配管等の流路に沿って流すことによって、生物処理による前処理後、化学処理することにより、被処理水を浄化する設備である。
図1には示していないが、生物処理槽1と薬剤添加装置2との間に、沈殿槽、膜処理(例えばRO膜処理)装置等の公知の任意の他の水処理のための装置や設備等を適切な箇所においてさらに備えていてもよい。具体的には、水処理システム100Aは、前処理後、具体的には前処理後かつ化学処理前に、被処理水中の有機物、無機物、濁質、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、臭気成分、色度成分および塩のうちの1つ以上の成分を処理(例えば、除去、吸着等)する構成要素をさらに備えることが好ましい。このような構成要素としては、このような処理機能を有する公知の任意の装置、設備等であれば、特に限定されない。例えば、沈殿、膜処理、活性炭処理および砂ろ過処理のうちの1つ以上の処理を行う装置、設備等が挙げられる。
以下、水処理システム100Aにおける各構成要素について、詳細に説明する。先ず、被処理水の流れに沿った配管等の流路に設置される構成要素から説明する。
図1に示すように、R1側から流入してきた被処理水は、生物処理槽1に流入する前に、処理前センサ3によって、その水質が測定される。
本明細書において、「水質が測定される」とは、主として、NH‐N濃度(例えば、単位として「mg/L」)、所定の時間毎において流れるNH‐N量(例えば、単位として「mg/秒」、「mg/10秒間」等)等のNH‐Nに関連する水質データを取得するために必要な被処理水の水質の情報(被処理水中の水質に関する各種データ)が測定されることを意味する。従って、測定される被処理水の水質の情報には、被処理水の流量(例えば、単位として「L/秒」)も含まれる。
処理前センサ3の具体的構成は、特に限定されないが、例えば、被処理水が流れる配管等の流路において、NH‐N濃度(mg/L)、被処理水の流量(L/秒)等を測定するセンサが直接設置されていてもよい。
処理前センサ3による水質の測定は、経時的に行われることが好ましく、予め設定した時間毎において経時的に行われることがより好ましい。
例えば、処理前センサ3が、水質の情報として、生物処理前の被処理水のNH‐N濃度CNH4‐N(mg/L)と、生物処理前の被処理水の流量F(L/秒)とを、予め設定した時間をt秒間として経時的に測定する場合について説明する。この場合、以下の式(1)から、t秒間毎において通過する生物処理前の被処理水中に含まれるNH‐N量(mg/t秒間)を経時的に算出することができる。当該算出方法は、後述する処理後センサ4についても同様に適用することができる。
NH4‐N×F×t=NH‐N量(mg/t秒間)・・・式(1)
処理前センサ3の水質の測定が予め設定した時間毎において行われる場合、水質の測定は、例えば、1秒~24時間度に経時的に行われることが好ましい。生物処理槽1による詳細な薬剤添加量削減効果が取得できることを考慮すると、水質の測定は、1秒~1時間度に行われることがより好ましく、1秒~10分度に行われることがさらに好ましい。
処理前センサ3により測定された生物処理前の被処理水の水質の情報は、図1に示すように、処理前添加量算出部5へ送信される。
次いで、図1に示すように、被処理水は生物処理槽1に流入する。
生物処理槽1は、被処理水を通水して生物処理し、被処理水中に含まれるNH‐Nを除去する(換言すると、NH‐Nが亜硝酸を経て硝酸となるよう反応させる)反応槽である。生物処理槽1の具体的構成は、生物処理が可能な反応槽であれば、特に限定されず、公知の任意の反応槽を用いることができる。図1では、通水方向が横方向の反応槽が示されているが、下向流、上向流またはそれらの組み合わせの通水方向の反応槽であっても構わない。
生物処理槽1内には、例えば、NH‐Nを硝化することができる硝化菌が付着または担持された担体、ろ過材等が充填されている。良好に硝化処理を行うことができるとの観点から、生物処理槽1内の生物処理は、担体を用いることが好ましい。
担体が用いられる場合、特に限定されないが、例えば、有機高分子、無機化合物等の公知の構成素材からなる担体を用いることができる。有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、これらの樹脂に発泡剤等を混合させた発泡体、セルロース等が挙げられる。無機化合物としては、例えば、市販のろ過材、吸着材、粒状珪藻土、粒状ゼオライト、粒状活性炭、粉末活性炭等が挙げられる。
担体が用いられる場合、担体の形状は、生物処理槽1内に充填することができれば、特に限定されない。担体の形状としては、例えば、球状、楕円形状、立方体状、直方体状、円柱状等が挙げられる。これらのうち、細菌との接触効率の向上の観点から、担体の形状は、球状であることが好ましい。
さらに、担体が用いられる場合、細菌との親和性が高く、かつ、細菌棲息性に優れているとの観点から、担体は、高分子ゲル担体であることが好ましい。また、担体は、ポリビニルアルコールからなるゲル状担体(以下、「PVAゲル担体」とも言う)であることがより好ましい。PVAゲル担体は、アセタール化されたPVAゲル担体であってもよい。担体としてPVAゲル担体を用いると、担体の比表面積も大きくなるように制御し易いため、NH‐Nをより良好に除去することができる。
担体は、連通孔構造の微細孔を有することが好ましい。本明細書において、「連通孔構造」とは、多孔質体の一部を構成する構造であって、担体の表面から内部に向かって微細な孔が複数形成されると共に、当該複数の孔が各々独立に存在しているのではなく、孔同士が相互に連通している(繋がっている)構造を意味する。この連通孔構造によれば、担体内部まで菌を担持でき、処理を効率良く行うことができる。
担体の連通孔の孔径は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましい。担体の連通孔の孔径を100μm以下にすることによって、担体の比表面積を大きくしつつ、細菌以外の大きな生物が進入することを防ぐことができ、硝化菌をより多く孔内に棲息させることができる。さらに、担体の連通孔の孔径は、0.1μm以上であることが好ましい。孔径が0.1μm未満である場合、硝化菌を担体内部に担持することが難しくなる。
本明細書において、担体の連通孔の孔径とは、電子顕微鏡で担体の断面を観察した際に見られる孔の直径である。本明細書において、孔径は、具体的には次の方法で測定することができる。担体の断面を電子顕微鏡で観察して、電子顕微鏡画像を得る。得られた画像に等間隔で縦に10本の直線を引くとともに、等間隔で横に10本の直線を引く。そして、直線の交点に存在する孔を100個選択し、それぞれの孔の直径を測定する。このとき、交点に孔が存在しなかった場合には、その交点に最も近い孔を選択する。この測定は2つの交点に孔が跨らない縮尺の画像で行う。その結果、100個の孔の直径の範囲を求めることができる。孔が真円でない場合は、円相当径、すなわち孔の断面積と同面積の真円の直径が、孔径に相当する。
担体の含水率は、質量換算で、40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。担体の含水率を40%以上にすることによって、細菌の生育環境を良好なものとすることができ、細菌を増殖および担持され易くすることができる。また、担体の含水率は、98%以下であることが好ましく、96%以下であることがより好ましい。担体の含水率を98%以下にすることによって、担体の破損を防ぐことができ、担体を反応槽内に追加投入する必要もほとんどなく、装置の長期運転を可能とすることができる。
本明細書において、担体の含水率とは、含水状態の担体の重量に対する水の重量の比率である。水の重量は、含水状態の担体の重量と、当該含水状態の担体を完全に乾燥させた際の担体の重量との差から計算することができる。
生物処理槽1内のpHは、特に限定されないが、細菌の生育のし易さの観点から、例えば5~9であることが好ましい。また、生物処理槽1内の温度は、特に限定されないが、硝化菌の生育のし易さの観点から、例えば10℃~40℃であることが好ましい。生物処理槽1は、特に限定されないが、硝化菌の生育のし易さの観点から、好気条件下であることが好ましい。さらに、生物処理槽1は、特に限定されないが、硝化速度の促進の観点から、曝気されていることが好ましい。
次に、図1に示すように、生物処理槽1から流出した被処理水は、薬剤による化学処理が行われる前に、処理後センサ4によって、その水質が測定される。
処理後センサ4の具体的構成は、特に限定されないが、例えば、処理前センサ3と同様に、生物処理槽1から流出した被処理水が流れる配管等の流路において、NH‐N濃度(mg/L)、被処理水の流量(L/秒)等を測定するセンサが直接設置されていてもよい。
処理後センサ4による水質の測定も、経時的に行われることが好ましく、予め設定した時間毎において経時的に行われることがより好ましい。このような場合、処理前センサ3による水質の測定と処理後センサ4による水質の測定は、予め設定した同一の時間毎において経時的に行われることが好ましい。
処理後センサ4の水質の測定が予め設定した時間毎において行われる場合、処理前センサ3と同様に、水質の測定は、例えば、1秒~24時間度に経時的に行われることが好ましい。生物処理槽1による詳細な薬剤添加量削減効果が取得できることを考慮すると、水質の測定は、1秒~1時間度に行われることがより好ましく、1秒~10分度に行われることがさらに好ましい。
処理後センサ4により測定された生物処理後の被処理水の水質の情報は、図1に示すように、処理後添加量算出部6へ送信される。
続いて、図1に示すように、水質が測定された生物処理後の被処理水に対して、薬剤添加装置2によって塩素系薬剤が添加され、化学処理される。
薬剤添加装置2の具体的構成は、特に限定されず、例えば、処理後センサ4により水質が測定された被処理水が流れる配管等の流路に直接薬剤が投入されるように、薬剤の貯蔵タンクが当該流路と配管等を介して接続されていてもよい。
塩素系薬剤は、塩素原子を含む薬剤である。具体的には、塩素系薬剤は、NH‐Nと塩素系薬剤の塩素原子とが反応してNH‐Nを化学的に分解および除去することができ、水の殺菌および消毒等のために一般的に使用される公知の任意の薬剤であれば、特に限定されない。塩素系薬剤としては、例えば、NaClO、Clガス、次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌル酸等が挙げられる、これらのうち、一般的な上水処理場等の水処理設備でより多く使用されるとの観点から、塩素系薬剤は、NaClOであることが好ましい。
本実施形態1では、薬剤添加装置2から添加される実際の塩素系薬剤の量は、被処理水の種類、処理水の使用目的、塩素系薬剤の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、薬剤添加装置2から添加される実際の塩素系薬剤の量は、水処理システム100Aが利用される各水処理施設における通常時の薬剤添加量と同じ量であってもよいし、生物処理後の被処理水中のNH‐N量を化学処理するために必要とされる量を公知の任意の手法にて反映させた量であっても構わない。
実際に添加される塩素系薬剤の量が、生物処理後の被処理水中のNH‐N量を化学処理するために必要とされる量を反映していない場合であっても、生物処理槽1の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果、詳細に言うと生物処理槽1の導入によって想定される塩素系薬剤の添加量削減効果を使用者が確認することができる。
図1に示すように、化学処理された処理水は、最終的に、例えば上水としてR2側から流出する。
次に、生物処理前後の被処理水の水質の情報等に関する各種計算および算出された各種情報の表示について、詳細に説明する。
処理前添加量算出部5は、送信された生物処理前の被処理水の水質の情報から、生物処理前の被処理水を化学処理するために必要とされる塩素系薬剤の添加量を算出する。
具体的には、処理前添加量算出部5は、予めデータベース、サーバー、クラウド等に記憶されているNH‐N量に対する薬剤添加量の情報に基づき、生物処理前の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を算出する。
NH‐N量に対する塩素系薬剤添加量の情報とは、NH‐Nの濃度や量から添加する塩素系薬剤の量を決定できる情報であれば、特に限定されない。例えば、NH‐Nに対する塩素系薬剤(例えばNaClO)の化学理論反応量に関する情報、実際の各水処理施設にて適用されているNH‐N量に対して添加される塩素系薬剤量の実績値に関する情報、NH‐N量に対する塩素系薬剤添加量の予め設定された関係式に関する情報等が挙げられる。
このような情報に基づき、生物処理前の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を算出することができる。一例を挙げると、前述した式(1)で算出されたNH‐N量(mg/t秒間)から、NH‐N量に対するNaClO添加量の化学理論反応量に関する情報に基づき、生物処理前の被処理水を化学処理するために必要とされるNaClO添加量(mg/t秒間)が算出される。
なお、本明細書における「被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量」との記載において、被処理水の化学処理の程度は、被処理水の種類、処理水の使用目的、塩素系薬剤の種類等に応じて、予め使用者によって適宜設定することができる。
処理前添加量算出部5も、処理前センサ3と同様に、生物処理前の被処理水を化学処理するために必要とされる塩素系薬剤の添加量を経時的に算出することが好ましい。さらに、処理前添加量算出部5は、予め設定した時間毎における、当該塩素系薬剤の添加量を経時的に算出することがより好ましい。
図1に示すように、算出された生物処理前の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量の情報(以下、単に「生物処理前の薬剤添加量の情報」とも言う)は、削減量算出部7へ送信される。
処理後添加量算出部6は、送信された生物処理後の被処理水の水質の情報から、生物処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる塩素系薬剤の添加量を算出する。
具体的には、処理後添加量算出部6は、前述した処理前添加量算出部5と同様に、予めデータベース、サーバー、クラウド等に記憶されているNH‐N量に対する塩素系薬剤添加量の情報に基づき、生物処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を算出する。NH‐N量に対する塩素系薬剤添加量の情報とは、前述の処理前添加量算出部5において説明した通りである。
処理後添加量算出部6も、処理後センサ4と同様に、生物処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる塩素系薬剤の添加量を経時的に算出することが好ましい。さらに、処理後添加量算出部6は、予め設定した時間毎における、当該塩素系薬剤の添加量を経時的に算出することがより好ましい。特に、処理前添加量算出部5と処理後添加量算出部6は、予め設定した同一の時間毎における生物処理前後の被処理水を化学処理するために必要とされる塩素系薬剤の添加量を経時的に算出することがさらに好ましい。
図1に示すように、算出された生物処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量の情報(以下、単に「生物処理後の薬剤添加量の情報」とも言う)は、削減量算出部7へ送信される。
削減量算出部7は、処理前添加量算出部5および処理後添加量算出部6により算出された各々の薬剤添加量の情報から、薬剤添加量の削減量を算出する。具体的には、処理前添加量算出部5により算出された薬剤添加量から、処理後添加量算出部6により算出された薬剤添加量を差し引いて、薬剤添加量の削減量を求める。
削減量算出部7は、薬剤添加量の削減量を経時的に算出することが好ましい。特に、削減量算出部7は、処理前添加量算出部5および処理後添加量算出部6による予め設定した同一の時間毎における各々の当該薬剤添加量の情報に基づき、当該同一の時間毎における薬剤添加量の削減量を経時的に算出することがより好ましい。
削減量算出部7は、例えば、1秒~24時間度に、薬剤添加量の削減量を経時的に算出することがさらに好ましい。生物処理槽1による詳細な薬剤添加量削減効果が取得できることを考慮すると、削減量算出部7は、1秒~1時間度に当該削減量を経時的に算出することがより好ましく、1秒~10分度に当該削減量を経時的に算出することがさらに好ましい。
次いで、図1に示すように、算出された薬剤添加量の削減量の情報は、削減コスト算出部8へ送信される。
削減コスト算出部8は、送信された薬剤添加量の削減量の情報から削減コストを算出する。具体的には、図1に示すように、削減コスト算出部8は、塩素系薬剤の単価情報が記憶されている薬剤単価情報記憶部9に基づき、薬剤削減量から削減コストを算出する。
薬剤単価情報記憶部9は、特に限定されないが、例えば、データベース、サーバー、クラウド等である。薬剤単価情報記憶部9には、使用される薬剤についての価格に関する情報が記憶されており、その具体的な情報元は特に限定されない。薬剤単価情報記憶部9には、例えば、薬剤添加装置2で添加される塩素系薬剤の質量当たりのコスト(例えば、単位として「円/g」)に関する情報、所定の質量上限毎における塩素系薬剤のコストに関する情報、所定の期間毎における定額の塩素系薬剤のコスト(例えば、単位として「円/1ヵ月」)に関する情報等が記憶されている。
従って、薬剤単価情報記憶部9の情報に基づき、かつ、送信された薬剤添加量の削減量の情報から、削減コストを算出することができる。
削減コスト算出部8は、削減量算出部7と同様に、薬剤削減量の情報から削減コストを経時的に算出することが好ましい。特に、削減コスト算出部8は、予め設定した時間毎において、薬剤削減量の情報から、削減コストを経時的に算出することがより好ましい。
削減コスト算出部8は、例えば、1秒~24時間度に、削減コストを経時的に算出することがさらに好ましい。生物処理槽1による詳細な薬剤添加量削減効果が取得できることを考慮すると、削減コスト算出部8は、1秒~1時間度に削減コストを経時的に算出することがより好ましく、1秒~10分度に削減コストを経時的に算出することがさらに好ましい。
なお、薬剤単価情報記憶部9は、例えば、図1には示していないが、使用する薬剤の単価が時価に合わせて変動するようにネットワークと接続された構成を有していてもよい。
最終的に、処理前添加量算出部5、処理後添加量算出部6、削減量算出部7、および、削減コスト算出部8の各情報は、表示部10に送信される。
表示部10は、特に限定されず、例えば、モニター、ディスプレイ等であり、表示される情報を使用者が目視にて確認できればよい。さらに、図1には示されていないが、本実施形態1における使用者が複数である場合、例えば使用者が水処理場の作業者等の「直接的な使用者」と生物処理槽1を遠隔で管理する管理者等の「間接的な使用者」の両者を含む場合、水処理システム100Aは各々の使用者が情報を確認できるように、複数の表示部10を備えてもよい。
表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、削減量算出部7により算出された生物処理槽1の導入による薬剤削減量の情報(以下、単に「薬剤削減量の情報」とも言う)、および、削減コスト算出部8により算出された生物処理槽1の導入による塩素系薬剤の削減コストの情報(以下、単に「削減コストの情報」とも言う)を表示する。
表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、薬剤削減量の情報および削減コストの情報を、経時的に表示することが好ましい。さらに、表示部10は、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的に表示することがより好ましい。特に、表示部10は、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的かつリアルタイムで表示することがさらに好ましい。
例えば、表示部10は、1秒~24時間度に、各種情報を経時的かつリアルタイムで表示することが特に好ましい。これらのうち、生物処理槽による詳細な薬剤添加量削減効果が取得できることを考慮すると、各種情報の表示は、1秒~1時間度に経時的に行われることがより好ましく、1秒~10分度に経時的に行われることがさらに好ましい。
あるいは、表示部10は、薬剤削減量の情報および削減コストの情報のいずれか1つ以上が(好ましくは経時的に)表示されるように構成されていてもよい。または、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、および、薬剤削減量の情報が(好ましくは経時的に)表示されるように構成されていてもよい。
さらに、前述したように、水処理システム100Aが複数の表示部10を備え、複数の使用者が各々の表示部10に表示される各種情報を確認する場合、各々の表示部10は、共通した各種情報を表示してもよく、または、各々の表示部10毎に(所定の使用者が確認する表示部10毎に)、各種情報のうち予め設定された情報のみを表示してもよい。例えば、水処理場の作業者等の「直接的な使用者」が表示部10により確認できる情報と、生物処理槽1を遠隔で管理する管理者等の「間接的な使用者」が表示部10により確認できる情報を、各々の使用者が必要とする情報に応じて予め設定しておいてもよい。
このように、本実施形態1における水処理システム100Aによると、NH‐Nを含む被処理水の処理において、生物処理槽1の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果および/またはコスト削減効果を使用者が正確に把握することができる。
特に、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、ならびに、薬剤削減量の情報(および/または削減コストの情報)が経時的かつリアルタイムで所定の時間毎に表示されることによって、被処理水中のNH‐N濃度が経時的に大きく変動する場合であっても、生物処理槽1の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果および/またはコスト削減効果を使用者が経時的かつリアルタイムで容易かつ正確に把握することができる。
同時に、本実施形態1における水処理システム100Aを長期間にわたり使用することによって、使用者が、生物処理槽1の故障、被処理水(原水)の水質異常等を把握して対処することもできる。
なお、本実施形態1において、処理前添加量算出部5、処理後添加量算出部6、削減量算出部7、削減コスト算出部8および薬剤単価情報記憶部9の各種計算部、各種データベース等は、実際に生物処理槽1、薬剤添加装置2、処理前センサ3ならびに処理後センサ4(および表示部10)が設置されている上水処理場等の場所に同様に設置されている必要はない。例えば、処理前センサ3または処理後センサ4により測定された生物処理前後の被処理水の水質の情報は、全て特定のサーバーに(好ましくは継続的に)格納されるように水処理システム100Aが構築されていればよい。このような場合、当該特定のサーバー内に、処理前添加量算出部5、処理後添加量算出部6、削減量算出部7および削減コスト算出部8が行う計算と同じ計算を行うことができ、かつ、薬剤単価情報記憶部9に記憶された情報と同じ情報が記憶されていればよい。後述する実施形態における課金額算出部14、課金情報記憶部15および処理後添加量決定部16についても同様である。
(実施形態1の変形例)
本発明の実施形態1の変形例における水処理システムの構成について説明する。
本実施形態1の変形例における水処理システムは、前述した図1に示す実施形態1における水処理システム100Aの削減コスト算出部8および薬剤単価情報記憶部9を備えない。その他の構成は、前述の実施形態1における水処理システム100Aと同じである。
本実施形態1の変形例における水処理システムは削減コスト算出部8および薬剤単価情報記憶部9を備えないため、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報および薬剤削減量の情報を表示することができる。
前述の実施形態1と同様に、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報および薬剤削減量の情報を経時的に表示することが好ましい。さらに、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的に表示することがより好ましい。特に、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的かつリアルタイムで表示することがさらに好ましい。
あるいは、本実施形態1の変形例における水処理システムにおいて、表示部10は、薬剤削減量の情報のみを(好ましくは経時的に)表示してもよい。
このように、本実施形態1の変形例における水処理システムによると、NH‐Nを含む被処理水の処理において、生物処理槽1の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果を使用者が正確に把握することができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2における水処理システムの構成を、図2を参照しながら説明する。
本実施形態2における水処理システム100Bは、図2に示すように、図1に示す削減コスト算出部8の代わりに、処理前コスト、処理後コストおよび削減コストを算出するコスト算出部8’を備える。その他の構成は、前述の実施形態1における水処理システム100Aと同じである。
処理前コストとは、生物処理前(即ち、前処理前)の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量のコストである。処理後コストとは、生物処理後(即ち、前処理後)の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量のコストである。
詳細には、コスト算出部8’は、薬剤単価情報記憶部9に基づき、処理前添加量算出部5、処理後添加量算出部6および削減量算出部7の各々により算出された生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報および薬剤削減量の情報から、処理前コスト、処理後コストおよび削減コストを算出することができる。
そのため、本実施形態2における水処理システム100Bでは、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、薬剤削減量の情報および削減コストの情報だけでなく、処理前コストの情報および処理後コストの情報も表示することができる。
さらに、前述の実施形態1と同様に、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、薬剤削減量の情報、削減コストの情報、処理前コストの情報、および、処理後コストの情報を経時的に表示することが好ましい。さらに、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的に表示することがより好ましい。特に、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的かつリアルタイムで表示することがさらに好ましい。
また、表示部10は、薬剤削減量の情報および削減コストの情報のいずれか1つ以上が(好ましくは経時的に)表示されるように構成されていてもよい。
あるいは、表示部10は、処理前コストの情報、処理後コストの情報、および、削減コストの情報が(好ましくは経時的に)表示されるように構成されていてもよい。
このような例として、図3において、図2の水処理システム100Bの表示部10に示されるシミュレーショングラフを示す。図3に示すシミュレーショングラフでは、10秒毎において、生物処理前後の被処理水の水質の測定と、生物処理前後の薬剤添加量およびそれら薬剤添加量のコスト(処理前コストおよび処理後コスト)の算出とが経時的に行われている。さらに、これらの算出された値から、各時間における削減コストも求められている。
このように、本実施形態2における水処理システム100Bによると、NH‐Nを含む被処理水の処理において、生物処理槽1の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果および/またはコスト削減効果を使用者が明瞭かつ正確に把握することができる。
(実施形態2の変形例)
本発明の実施形態2の変形例における水処理システムの構成について説明する。
本実施形態2の変形例における水処理システムは、前述した図2に示す実施形態2における水処理システム100Bの削減量算出部7を備えない。その他の構成は、前述の実施形態2における水処理システム100Bと同じである。
本実施形態2の変形例における水処理システムは削減量算出部7を備えないため、水処理システムのコスト算出部8’は、生物処理前の薬剤添加量の情報および生物処理後の薬剤添加量の情報から処理前コストおよび処理後コストを算出し、さらに処理前コストから処理後コストを差し引いて、削減コストを算出する。
また、本実施形態2の変形例における水処理システムは削減量算出部7を備えないため、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、処理前コストの情報、処理後コストの情報、および、削減コストの情報を表示することができる。
前述の実施形態2と同様に、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、処理前コストの情報、処理後コストの情報、および、削減コストの情報を経時的に表示することが好ましい。さらに、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的に表示することがより好ましい。特に、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的かつリアルタイムで表示することがさらに好ましい。
あるいは、本実施形態2の変形例における水処理システムにおいて、表示部10は、削減コストの情報のみを(好ましくは経時的に)表示してもよい。
このように、本実施形態2の変形例における水処理システムによると、NH‐Nを含む被処理水の処理において、生物処理槽1の導入による塩素系薬剤のコスト削減効果を使用者が正確に把握することができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3における水処理システムの構成を、図4を参照しながら説明する。
本実施形態3における水処理システム100Cは、図4に示すように、図1に示す処理後センサ4および処理後添加量算出部6を備えず、その代替として、薬剤添加量測定センサ11を備える。その他の構成は、前述の実施形態1における水処理システム100Aと同じである。
薬剤添加量測定センサ11は、実際の薬剤添加量を測定する。薬剤添加量測定センサ11は、例えば、被処理水の流量当たりに添加される塩素系薬剤の量(例えば、単位として「mg/L」)、単位時間当たりに添加される塩素系薬剤の量(例えば単位として「g/分」)、塩素系薬剤の貯蔵タンクにおける塩素系薬剤の水位(例えば、単位として「cm」)(または残留量(単位として「g」))等を測定する。さらに、薬剤添加量測定センサ11は、当該測定された値に基づき、実際の薬剤添加量を算出する。
薬剤添加量測定センサ11の具体的構成は、前述した塩素系薬剤の量や水位等を測定できる構成であれば、特に限定されない。例えば、薬剤添加量測定センサ11として、被処理水が流れる配管等の流路に接続されている塩素系薬剤の貯蔵タンクの注入口付近、貯蔵タンクと流路との接続箇所付近、貯蔵タンク内等において、前述した量や水位等を測定するセンサを直接設置することができる。
本実施形態3では、薬剤添加装置2から添加される実際の塩素系薬剤の量は、前述の実施形態1における、生物処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量に近い量に調整されている。
薬剤添加量の調整方法は、特に限定されない。例えば、図4に示していないが、薬剤添加装置2が、生物処理後の薬剤添加量の情報を公知の任意の手法にて取得できるように構成されていてもよい。さらに、薬剤添加装置2が、当該薬剤添加量の情報に基づいて薬剤を添加するように、公知の任意の手法にて制御されていてもよい。
例えば、水処理システム100Cにおいて、図1に示すような処理後センサ4および処理後添加量算出部6が、実施形態1とは異なる任意の適切な箇所に設置されており、生物処理後の薬剤添加量の情報が薬剤添加装置2に送信されていてもよい。
あるいは、例えば、水処理システム100Cが、予めデータベース、サーバー、クラウド等に記憶されている生物処理槽1によるNH‐N除去効率(%)、生物処理槽1の目標設定値(予め設定されたNH‐Nの目標設定処理濃度等)等に基づき、処理前センサ3によって測定された生物処理前の被処理水のNH‐N濃度(例えば、単位として「mg/L」)、NH‐N量(例えば、単位として「mg/秒」)、被処理水の流量(例えば、単位として「L/秒」)等の情報から、生物処理後の被処理水の化学処理するために必要とされる薬剤添加量を算出するように構成されていてもよい。そして、算出された薬剤添加量の情報に基づいて、薬剤添加装置2からの薬剤添加量が調整または制御されるように構成されていてもよい。
薬剤添加量測定センサ11によって測定された実際の薬剤添加量の情報は、削減量算出部7に直接送信される。
削減量算出部7は、処理前添加量算出部5により算出された薬剤添加量の情報および薬剤添加量測定センサ11によって測定された実際の薬剤添加量の情報から、薬剤添加量の削減量を算出する。具体的には、処理前添加量算出部5により算出された薬剤添加量から、薬剤添加量測定センサ11により測定された実際の薬剤添加量を差し引いて、薬剤添加量の削減量を求める。
本実施形態3における水処理システム100Cでは、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、実際に添加される塩素系薬剤量の情報、薬剤削減量の情報および削減コストの情報を表示することができる。
前述の実施形態1と同様に、表示部10は、生物処理前の被処理水の化学処理に必要とされる薬剤添加量の情報、実際に添加される塩素系薬剤量の情報、薬剤削減量の情報、および、削減コストの情報を経時的に表示することが好ましい。さらに、表示部10は、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的に表示することがより好ましい。特に、表示部10は、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的かつリアルタイムで表示することがさらに好ましい。
あるいは、本実施形態3における水処理システム100Cにおいて、表示部10は、薬剤削減量の情報および削減コストの情報のうちの1つ以上が(好ましくは経時的に)表示されるように構成されていてもよい。
本実施形態3における水処理システム100Cによると、NH‐Nを含む被処理水の処理において、生物処理槽1の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果および/またはコスト削減効果を使用者が正確に把握することができる。
なお、前述した実施形態1の変形例と同様に、本実施形態3における水処理システム100Cを、削減コスト算出部8および薬剤単価情報記憶部9を備えない形態へと変形させてもよい。このような形態であっても、上記本実施形態3における効果を得ることができる。
また、前述した実施形態2の変形例と同様に、本実施形態3における水処理システム100Cを、削減コスト算出部8の代替としてコスト算出部8’を備え、かつ削減量算出部7を備えない形態へと変形させてもよい。このような形態であっても、上記本実施形態3における効果を得ることができる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4における水処理システムの構成を、図5を参照しながら説明する。
本実施形態4における水処理システム100Dは、図5に示すように、塩素濃度測定センサ12と薬剤添加量制御部13とをさらに備えること除き、前述の実施形態1における水処理システム100Aと同様の構成を有する。さらに、本実施形態4における水処理システム100Dでは、薬剤添加部2は、薬剤添加量制御部13により制御された量の塩素系薬剤を添加する。
塩素濃度測定センサ12は、塩素系薬剤を添加した後の処理水中の塩素濃度を測定する。測定する塩素濃度は、好ましくは遊離塩素濃度である。
塩素濃度測定センサ12の具体的構成は、薬剤添加後の処理水中の塩素濃度を測定できる構成であれば、特に限定されない。例えば、塩素濃度測定センサ12として、図5に示すように、薬剤添加部2を通過した処理水が流れる配管等の流路において、処理水の流量毎における遊離塩素量(例えば、Cl、HOCl、OCl等の量)(例えば、単位として「mg/L」)を測定するセンサを直接設置することができる。
薬剤添加量制御部13は、塩素濃度測定センサ12により測定される塩素濃度が予め設定された塩素濃度の範囲内に収まるように薬剤添加部2による塩素系薬剤の添加量を制御する。具体的には、例えば、測定された遊離塩素量が予め設定された遊離塩素量の範囲よりも小さい場合、処理水中のNH‐Nが十分に化学処理されていないことが考えられる。そのような場合、薬剤添加量制御部13は、薬剤添加部2による塩素系薬剤の添加量が増加するよう制御する。一方、例えば、測定された遊離塩素量量が予め設定された遊離塩素量の範囲よりも大きい場合、処理水中のNH‐N量に対して塩素系薬剤が過剰に添加されていることが考えられる。そのような場合、薬剤添加量制御部13は、薬剤添加部2による塩素系薬剤の添加量が減少するよう制御する。
塩素濃度の範囲は、被処理水の種類、処理水の使用目的、塩素系薬剤の種類等に応じて、適宜使用者が設定することができる。
本実施形態4における水処理システム100Dでは、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、薬剤削減量の情報および削減コストの情報を表示することができる。
前述の実施形態1と同様に、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、薬剤削減量の情報および削減コストの情報を経時的に表示することが好ましい。さらに、表示部10は、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的に表示することがより好ましい。特に、表示部10は、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的かつリアルタイムで表示することがさらに好ましい。
あるいは、本実施形態4における水処理システム100Dにおいて、表示部10は、薬剤削減量の情報および削減コストの情報のうちの1つ以上が(好ましくは経時的に)表示されるように構成されていてもよい。
このように、本実施形態4における水処理システム100Dによると、NH‐Nを含む被処理水の処理において、生物処理槽1の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果および/またはコスト削減効果を使用者が正確に把握することができる。
加えて、本実施形態4における水処理システム100Dによると、塩素濃度測定センサ12および薬剤添加量制御部13をさらに備えるため、薬剤を過剰に添加することなく、かつ、被処理水中のNH‐Nを所望する量まで十分に化学処理することができる。
なお、前述した実施形態1の変形例と同様に、本実施形態4における水処理システム100Dを、削減コスト算出部8および薬剤単価情報記憶部9を備えない形態へと変形させてもよい。このような形態であっても、上記本実施形態4における効果を得ることができる。
また、前述した実施形態2の変形例と同様に、本実施形態4における水処理システム100Dを、削減コスト算出部8の代替としてコスト算出部8’を備え、かつ削減量算出部7を備えない形態へと変形させてもよい。このような形態であっても、上記本実施形態4における効果を得ることができる。
(実施形態5)
本発明の実施形態5における水処理システムの構成を、図6を参照しながら説明する。
本実施形態5における水処理システム100Eは、図6に示すように、課金額算出部14と課金情報記憶部15とをさらに備えること除き、前述の実施形態1における水処理システム100Aと同様の構成を有する。
課金額算出部14は、課金情報記憶部15に記憶された生物処理槽1に関する課金の情報および削減コスト算出部8によって算出された削減コストに基づき、課金額を算出する。
生物処理槽1に関する課金の情報とは、予め設定されている生物処理槽1の使用等に対する課金額の算出条件、算出方法等の情報であれば、特に限定されない。例えば、生物処理槽1のリース会社または販売会社等と生物処理槽1の購入者または賃借人等である顧客等との間で予め設定されている(予め契約されている)生物処理槽1の課金額算出に関する情報、生物処理槽1の使用における削減コストのメリットシェアによる課金額算出に関する情報等が挙げられる。課金額算出部14は、このような情報および削減コスト算出部8によって算出された削減コストに基づき、課金額、例えば生物処理槽1の購入者または貸借人等である顧客等から生物処理槽1のリース会社または販売会社等への課金額を算出する。
一例を挙げて説明すると次の通りである。課金額算出部14は、例えば、課金情報記憶部15に記憶された生物処理槽1の賃借人である顧客と生物処理槽1のリース会社との間で予め契約された、1ヵ月間の累計の削減コストの3割が顧客からリース会社へ課金されるとの情報、および、削減コスト算出部8によって算出された1ヵ月間の累計の削減コストに基づき、顧客からリース会社への課金額である1か月間の累計削減コストの3割を算出する。
課金情報記憶部15は、例えば、データベース、サーバー、クラウド等が挙げられる。課金情報記憶部15は、生物処理槽1に関する課金の情報を適宜変更できるよう構成されていてもよい。さらに、課金情報記憶部15は、薬剤単価情報記憶部9と同一の記憶部として情報が共有されていてもよい。このような形態の場合、例えば、ネットワークと接続された記憶部において、変動する薬剤単価の時価も影響して課金額が算出されるように、課金額算出部14が構成されていてもよい。
本実施形態5における水処理システム100Eでは、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、薬剤削減量の情報および削減コストの情報を表示することができる。
前述の実施形態1と同様に、表示部10は、生物処理前の薬剤添加量の情報、生物処理後の薬剤添加量の情報、薬剤削減量の情報および削減コストの情報を経時的に表示することが好ましい。さらに、表示部10は、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的に表示することがより好ましい。特に、表示部10は、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的かつリアルタイムで表示することがさらに好ましい。
あるいは、本実施形態5における水処理システム100Eにおいて、表示部10は、薬剤削減量の情報および削減コストの情報のうちの1つ以上が(好ましくは経時的に)表示されるように構成されていてもよい。さらに、表示部10は、削減コスト算出部8により算出された課金額(および/または累計課金額)の情報も(好ましくは経時的に)表示されるよう構成されていてもよい。
本実施形態5における水処理システム100Eによると、NH‐Nを含む被処理水の処理において、生物処理槽1の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果および/またはコスト削減効果を使用者が正確に把握することができる。
さらに、図6には示されていないが、課金額算出部14で算出された課金額の情報がサーバー、ネットワークシステム等を介して使用者の端末等に送信されてもよい。このような構成を有することによって、例えば、生物処理槽1の導入によるメリットシェア等の課金額を反映させた累計課金額が使用者間で請求されるシステムを構築することができる。このようなシステムによると、例えば、生物処理槽1の購入者または賃借人等である顧客が、生物処理槽1の導入のコスト面でのメリットをより明瞭に実感できる。
なお、前述した実施形態2の変形例と同様に、本実施形態5における水処理システム100Eを、削減コスト算出部8の代替としてコスト算出部8’を備え、かつ削減量算出部7を備えない形態へと変形させてもよい。このような形態であっても、上記本実施形態5における効果を得ることができる
(実施形態6)
本発明の実施形態6における水処理システムの構成を、図7を参照しながら説明する。
本実施形態6における水処理システム100Fは、図7に示すように、生物処理槽1の代替として前処理槽1’を備え、処理後センサ4を備えず、かつ、処理後添加量算出部6の代替として処理後添加量決定部16を備える。その他の構成は、前述の実施形態1における水処理システム100Aと同様の構成を有する。
なお、水処理システム100Fは、生物処理槽1の代わりに前処理槽1’を備えるため、処理前センサ3は、前処理前の被処理水の水質を測定し、前処理前の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量の情報(以下、単に「前処理前の薬剤添加量の情報」とも言う)が、処理前添加量算出部5へ送信される。
前処理槽1’は、前述した実施形態1~実施形態5における生物処理に限定されず、例えば、イオン交換膜処理、アンモニアストリッピング法による処理等の処理が行われる反応槽である。前処理槽1’内において、被処理水が通水することによって、被処理水中のNH‐Nが処理され除去される。
処理後添加量決定部16は、前処理後(詳細には、前処理後かつ化学処理前)の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を決定する。具体的には、処理後添加量決定部16は、前処理後かつ化学処理前の被処理水を化学処理するために必要とされる塩素系薬剤の添加量を決定可能な構成であれば、特に限定されない。
例えば、水処理システム100Fは、処理前センサ3によって測定された前処理前の被処理水のNH‐N濃度(例えば、単位として「mg/L」)、NH‐N量(例えば、単位として「mg/秒」)、被処理水の流量(例えば、単位として「L/秒」)等の情報が、処理後添加量決定部16へ送信されるよう構成されていてもよい。そのような構成によると、処理後添加量決定部16は、送信されたそれらの情報から、予め記憶しておいた前処理槽1によるNH‐N除去効率(%)、生物処理槽1の目標設定値(予め設定されたNH‐Nの目標設定処理濃度等)等に基づき、前処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を決定することができる。
図7に示すように、このように決定された前処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量の情報(以下、単に「前処理後の薬剤添加量の情報」とも言う)は、削減量算出部7へ送信される。
削減量算出部7は、処理前添加量算出部5により算出された薬剤添加量の情報および処理後添加量決定部16により決定された薬剤添加量の情報から、薬剤添加量の削減量を算出する。具体的には、処理前添加量算出部5により算出された薬剤添加量から、処理後添加量決定部16により決定された薬剤添加量を差し引いて、薬剤添加量の削減量を(好ましくは経時的に)求める。
本実施形態6における水処理システム100Fでは、表示部10は、前処理前の薬剤添加量の情報、前処理後の薬剤添加量の情報および塩素系薬剤の削減量の情報を表示することができる。
前述の実施形態1と同様に、表示部10は、前処理前の薬剤添加量の情報、前処理後の薬剤添加量の情報および塩素系薬剤の削減量の情報を経時的に表示することが好ましい。さらに、表示部10は、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的に表示することがより好ましい。特に、表示部10は、これらの情報を、予め設定した時間毎において、経時的かつリアルタイムで表示することがさらに好ましい。
あるいは、本実施形態6における水処理システム100Fにおいて、表示部10は、削減量の情報のみが(好ましくは経時的に)表示されるように構成されていてもよい。
本実施形態6における水処理システム100Fによると、NH‐Nを含む被処理水の処理において、前処理槽1’の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果を使用者が正確に把握することができる。
(他の実施形態)
前述した実施形態1~実施形態5では、水処理システムが生物処理槽を備え、前処理として生物処理が行われる形態について述べた。しかし、他の実施形態として、前述した実施形態1~実施形態5の生物処理槽1に代えて、前述した実施形態6の前処理槽1’を備えても構わない。
さらなる他の実施形態として、水処理システムは、算出した削減コストを加算して、累計削減コストを算出する累計削減コスト算出部を備えてもよい。さらに、このような実施形態における水処理システムの場合、表示部が、算出された当該累計削減コストの情報をさらに表示してもよい。
本実施形態における水処理システムをより長期的にわたり継続して使用することによって、NH‐Nを除去する前処理槽(例えば生物処理槽)の導入による塩素系薬剤の添加量削減効果およびコスト削減効果はより大きくなる。従って、水処理システムが前述したような累計削減コスト算出部等の構成を有することによって、NH‐Nを除去する前処理槽の導入によるより長期的に見たコスト面での大きなメリットを使用者がより明瞭に把握することができる。
今回開示された実施形態および実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、前述した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
100A、100B、100C、100D、100E、100F 水処理システム
1 生物処理槽
1’ 前処理槽(前処理部)
2 薬剤添加装置(薬剤添加部)
3 処理前センサ(処理前水質測定部)
4 処理後センサ(処理後水質測定部)
5 処理前添加量算出部
6 処理後添加量算出部
7 削減量算出部
8 削減コスト算出部
8’ コスト算出部
9 薬剤単価情報記憶部
10 表示部
11 薬剤添加量測定センサ(添加量測定部)
12 塩素濃度測定センサ(塩素濃度測定部)
13 薬剤添加量制御部
14 課金額算出部
15 課金情報記憶部
16 処理後添加量決定部

Claims (14)

  1. アンモニア態窒素を含む被処理水を処理する水処理システムであって、
    前記被処理水を通水して前記アンモニア態窒素を除去する前処理を行う前処理部と、
    前記前処理部から流出する前記被処理水に対して、塩素系薬剤を添加して化学処理する薬剤添加部と、
    前記前処理前の前記被処理水の水質を測定する処理前水質測定部と、
    予め記憶されたアンモニア態窒素量に対する薬剤添加量の情報に基づき、測定された前記前処理前の水質の情報から、前記前処理前の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を算出する処理前添加量算出部と、
    前記前処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を決定する処理後添加量決定部と、
    前記処理前添加量算出部により算出された薬剤添加量の情報および前記処理後添加量決定部により決定された薬剤添加量の情報から、薬剤添加量の削減量を算出する削減量算出部、および、予め記憶された前記塩素系薬剤の単価情報に基づき削減コストを算出する削減コスト算出部のうちの1つ以上と、
    前記削減量算出部により算出された薬剤削減量の情報、および、前記削減コスト算出部により算出された削減コストの情報のうちの1つ以上を表示する表示部と、を備える、水処理システム。
  2. 前記処理後添加量決定部は、実際の薬剤添加量を測定する添加量測定部である、請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記添加量測定部は、前記被処理水の流量当たりに添加される前記塩素系薬剤の量、単位時間当たりに添加される前記塩素系薬剤の量および前記塩素系薬剤の貯蔵タンクにおける前記塩素系薬剤の水位のうちの1つ以上を測定し、当該測定された値に基づき、前記実際の薬剤添加量を算出する、請求項2に記載の水処理システム。
  4. 前記処理後添加量決定部は、前記前処理後の被処理水の水質を測定する処理後水質測定部と、予め記憶されたアンモニア態窒素量に対する薬剤添加量の情報に基づき、測定された前記前処理後の水質の情報から、前記前処理後の被処理水を化学処理するために必要とされる薬剤添加量を算出する処理後添加量算出部と、を備える、請求項1に記載の水処理システム。
  5. 前記塩素系薬剤を添加した後の処理水中の塩素濃度を測定する塩素濃度測定部と、
    前記塩素濃度測定部により測定される前記塩素濃度が予め設定された塩素濃度の範囲内に収まるように前記薬剤添加部による前記塩素系薬剤の添加量を制御する薬剤添加量制御部と、をさらに備え、
    前記薬剤添加部は、前記薬剤添加量制御部により制御された量の前記塩素系薬剤を添加する、請求項1~4のいずれか1項に記載の水処理システム。
  6. 予め記憶された前記前処理部に関する課金の情報および前記削減コスト算出部によって算出された前記削減コストに基づき、課金額を算出する課金額算出部をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の水処理システム。
  7. 前記被処理水が、河川水、地下水、および湖沼水のうちのいずれか1つ以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の水処理システム。
  8. 前記前処理は、生物処理である、請求項1~7のいずれか1項に記載の水処理システム。
  9. 前記生物処理は、担体を用いて行われる、請求項8に記載の水処理システム。
  10. 前記担体の含水率は、50%~96%である、請求項9に記載の水処理システム。
  11. 前記担体は、球状であり、連通孔構造の微細孔を有し、かつ、前記連通孔の孔径は30μm以下である、請求項9または10に記載の水処理システム。
  12. 前記担体は、ポリビニルアルコールから構成されるゲル状担体である、請求項9~11のいずれか1項に記載の水処理システム。
  13. 前記前処理における前記被処理水の水理学的滞留時間が2時間以下である、請求項1~12のいずれか1項に記載の水処理システム。
  14. 前記前処理後かつ前記化学処理前に、前記被処理水中の有機物、無機物、濁質、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、臭気成分、色度成分および塩のうちの1つ以上の成分を処理する機能を有する処理部をさらに備える、請求項1~13のいずれか1項に記載の水処理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116621250A (zh) * 2023-07-18 2023-08-22 成都威克瑞节能技术有限公司 一种基于全流程优化的高效节能智慧循环水系统

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