JP2023087505A - アクチュエータドライバ回路および撮像装置 - Google Patents

アクチュエータドライバ回路および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】対象物の位置に対しての特性のばらつきが小さいアクチュエータドライバを提供する。【解決手段】アクチュエータドライバ回路200は、アクチュエータ110を駆動する。アクチュエータドライバ回路200は、ゲイン補正部230を備える。ゲイン補正部230は、アクチュエータ110の可動子の基準位置からの変位量に応じて、制御ゲインを補正する。【選択図】図3

Description

本発明は、アクチュエータドライバ回路に関する。
近年、スマートフォンなどに搭載されるカメラモジュールは、AF(オートフォーカス)機能を備える。AF機能付きのカメラモジュールは、撮像素子と被写体の間に設けられたAF用レンズを、被写体の像が撮像素子の表面(撮像面)に結像するように光軸方向(Z軸)に変位させる。
特開2018-142806号公報
AF用レンズはレンズホルダーに収容され、レンズホルダーは、板バネによって光軸方向に変位できるように支持されている。レンズホルダーは、ボイスコイルモータによって位置決め可能となっている。
この構成において、板バネの変位量が大きくなると、板バネが捻れる。この捻れは、ばね定数を変化させる。具体的には、変位量が大きくなって捻れが大きくなるほど、ばね定数が大きくなる。つまり、変位量が大きな領域では、駆動感度が低下する。ここでの駆動感度は、ボイスコイルモータに供給する電気信号の変化量に対する、レンズの変位量の割合と把握できる。レンズの位置によって駆動感度が異なると、レンズの位置によって、静定時間や安定性などの特性が異なることとなり好ましくない。この問題は、AF用のアクチュエータに限らず、バネを利用する位置決め機構において広く生じうる。
またバネを利用しないアクチュエータにおいても、可動子の変位量に応じて、ボイスコイルモータのコイルと永久磁石の相対的な位置関係がずれる。この位置関係のずれは、ローレンツ力の低下をもたらし、レンズの位置によって、静定時間や安定性などの特性が異なる状況が生じることとなる。
カメラモジュールには、光学式手ブレ補正(OIS:Optical Image Stabilizer)機能を有するものがある。OISでは、レンズを光軸と垂直な面内で位置決めしてイメージセンサ上の像の位置をシフトさせることにより、レンズモジュールの振動をキャンセルする。OIS用のアクチュエータに、電磁石タイプのリニアモータが使用される場合がある。電磁石タイプのリニアモータでは、コイルと永久磁石の距離に応じて磁束密度が変化するため、変位量に応じて駆動力に変化が生じることになる。具体的には、永久磁石とコイル(電磁石)が近いほど、駆動力が大きく、永久磁石とコイルが遠いほど、駆動力が小さくなる。そのため、レンズの位置によって、静定時間や安定性などの特性が異なる状況が生じることとなる。
本開示はかかる状況に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、対象物の位置に対しての特性のばらつきが小さいアクチュエータドライバの提供にある。
本開示のある態様は、アクチュエータの可動子の基準位置からの変位量に応じて、制御ゲインを補正するゲイン補正部を備える。
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明あるいは本開示の態様として有効である。さらに、この項目(課題を解決するための手段)の記載は、本発明の欠くべからざるすべての特徴を説明するものではなく、したがって、記載されるこれらの特徴のサブコンビネーションも、本発明たり得る。
本開示によれば、対象物の位置に対しての特性のばらつきを小さくできる。
図1は、カメラモジュールを模式的に示す斜視図である。 図2は、実施形態1に係るカメラモジュールのブロック図である。 図3は、実施形態1に係るアクチュエータドライバ回路のブロック図である。 図4は、板バネの変形を説明する図である。 図5は、ボイスコイルモータの永久磁石とコイルを示す図である。 図6は、位置検出信号と駆動コードの関係を示す図である。 図7は、位置検出信号と、サーボフィルタのゲインの補正係数αの関係の一例を示す図である。 図8は、制御ゲインを変位量に応じて補正したときの、制御コードと位置検出信号の関係を示す図である。 図9は、カメラモジュールの動作のシミュレーション結果を示す図である。 図10は、実施形態2に係るカメラモジュールのブロック図である。 図11は、位置推定を説明する図である。
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。この概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、すべての実施形態の重要な要素を特定することも、一部またはすべての態様の範囲を線引きすることも意図していない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
一実施形態に係るアクチュエータドライバ回路は、アクチュエータを駆動する。アクチュエータドライバ回路は、駆動対象のアクチュエータの可動子の基準位置からの変位量に応じて、制御ゲインを補正するゲイン補正部を備える。
この構成によると、変位量にかかわらず、制御感度を均一化することができる。これにより、対象物(可動子)の位置に対しての特性のばらつきを小さくできる。
一実施形態において、アクチュエータドライバ回路は、可動子の目標位置を示すターゲットコードと可動子の実際の位置を示す位置検出信号の誤差を生成する誤差検出器と、誤差を増幅するサーボフィルタと、サーボフィルタの出力にもとづいて、アクチュエータを駆動する駆動段と、を備えてもよい。ゲイン補正部は、変位量にもとづいてサーボフィルタのゲインを補正してもよい。
一実施形態において、サーボフィルタは、PID(比例・積分・微分)補償器と、PID補償器の出力を増幅するアンプと、を含んでもよい。ゲイン補正部は、変位量に応じてアンプのゲインを補正してもよい。この構成によれば、ゲインが調節可能なアンプを設けることで、PID補償器のパラメータを変更する必要がない。
一実施形態において、ゲイン補正部は、PID補償器の比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインを、変位量に応じて補正してもよい。この場合、PID補償器の後段のアンプを省略してもよい。
一実施形態において、位置検出信号は、ホール素子からのホール信号にもとづいてもよい。
一実施形態において、アクチュエータドライバ回路は、変位量を推定する変位量推定部と、可動子の目標位置を示すターゲットコードに応じた駆動電流を生成する駆動部と、を備えてもよい。ゲイン補正部は、変位量にもとづいて駆動部のゲインを補正してもよい。オープンループの制御系においても、変位量を推定することで、ゲインを適切に補正できる。
一実施形態において、変位量推定部は、加速度センサの出力とターゲットコードにもとづいて、変位量を推定してもよい。
一実施形態において、アクチュエータは、可動子を支持するバネを含む。バネは板バネであってもよい。板バネの捻れに起因するばね定数の変化をキャンセルできる。
一実施形態において、変位量とゲインの関係は、変位量が大きいほど、ゲインが大きくなるバスタブ型の特性を有してもよい。
一実施形態において、ゲイン補正部は、変位量とゲインの関係を示すルックアップテーブルを含んでもよい。
一実施形態において、ゲイン補正部は、ルックアップテーブルに存在しない変位量とゲインの組み合わせを、補間演算により計算してもよい。これによりルックアップテーブルを格納するメモリの容量を小さくできる。
一実施形態において、ゲイン補正部は、変位量とゲインの関係を規定する演算式を保持していてもよい。
一実施形態において、可動子を第1位置から第2位置に移動する際に、ゲイン補正部は、ゲインを固定してもよい。1回の遷移中、ゲインを固定することで、制御を簡素化できる。
一実施形態において、アクチュエータドライバ回路は、ひとつの基板に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
一実施形態に係る撮像装置は、撮像素子と、撮像素子への入射光路上に設けられたレンズと、レンズを光軸と垂直な面内で変位させるアクチュエータと、レンズの変位を示す位置検出信号を生成する位置検出素子と、レンズの目標位置を示すターゲットコードと位置検出信号にもとづいてアクチュエータをフィードバック制御するアクチュエータドライバ回路と、を備えてもよい。
(実施形態)
以下、好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施形態は、開示および発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも開示および発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に接続された(設けられた)状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
(実施形態1)
図1は、カメラモジュール100を模式的に示す斜視図である。カメラモジュール100はAF(オートフォーカス)機能を備えている。カメラモジュール100は、撮像素子102、AFレンズ104、レンズホルダー112、板バネ116を備える。
レンズホルダー112は、AFレンズ104を収容する。レンズホルダー112は、板バネ116によって、固定子118に対して光軸方向(図中、上下方向)に変位自在に支持されている。固定子118は、カメラモジュール100の本体であり得る。
カメラモジュール100は、図1に図示しないボイスコイルモータを備え、ボイスコイルモータによって、レンズホルダー112を光軸方向に位置決めする。
図2は、実施形態1に係るカメラモジュール100のブロック図である。カメラモジュール100は、AF(オートフォーカス)機能を備える。カメラモジュール100は、撮像素子102、AFレンズ104、アクチュエータ110、アクチュエータドライバ回路200、位置検出素子120、CPU(Central Processing Unit)130を備える。
アクチュエータ110は、レンズホルダー112、ボイスコイルモータ114、板バネ116、固定子118を含む。
ボイスコイルモータ114は、コイル114aと永久磁石114bを含む。たとえばコイル114aは、可動子であるレンズホルダー112側に巻装されており、永久磁石114bは、固定子118側に設けられる。このようなボイスコイルモータを、ムービングコイル方式という。ボイスコイルモータ114の構成はこれに限定されず、コイルが固定子側に設けられ、永久磁石が可動子側に設けられるムービングマグネット方式であってもよい。
撮像素子102は、AFレンズ104を透過した像を撮影する。CPU130は、位相差検出方式あるいはコントラスト検出方式にもとづいて、AFレンズ104の位置の目標値を示すターゲットコードS1を生成する。アクチュエータドライバ回路200は、ターゲットコードS1にもとづいて、アクチュエータ110のボイスコイルモータ114に対する駆動信号S2を生成する。
AF機能付きのカメラモジュールでは、AFレンズ104を正確に位置決めする必要があるため、フィードバック制御(クローズドループ制御)が採用される。位置検出素子120は、AFレンズ104の変位を示す位置検出信号S3を生成する。たとえば位置検出素子120は、ホール素子などの磁気センサであり、レンズホルダー112に取り付けられた永久磁石122の磁場の大きさに応じてホール信号を生成する。
アクチュエータドライバ回路200は、位置検出信号S3の示すAFレンズ104の実際の位置が、ターゲットコードS1が示す目標位置と一致するように、駆動信号S2をフィードバック制御する。
以上がカメラモジュールの基本構成である。
図3は、実施形態1に係るアクチュエータドライバ回路200のブロック図である。アクチュエータドライバ回路200は、誤差検出器202、A/Dコンバータ204、サーボフィルタ210、駆動段220、ゲイン補正部230を備え、ひとつの半導体基板に一体集積化された機能IC(Integrated Circuit)である。
A/Dコンバータ204は、位置検出素子120からの位置検出信号S3をデジタル信号に変換する。誤差検出器202は、減算器であり、ターゲットコードS1と位置検出信号S3の誤差(位置誤差信号という)p_errを生成する。サーボフィルタ210は、位置誤差信号p_errを増幅し、駆動コードS4を生成する。駆動段220は、駆動コードS4に応じた駆動信号S2をボイスコイルモータ114のコイル114aに供給する。たとえば駆動段220は、駆動コードS4をアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、アナログ信号に応じた駆動信号(電流信号であると電圧信号であるとを問わない)を生成する出力段と、を含みうる。
このフィードバックループによって、位置誤差信号p_errがゼロに近づくようにフィードバックがかかり、ボイスコイルモータ114の可動子の位置、すなわちAFレンズ104の位置が、ターゲットコードS1が指示する目標位置に安定化される。
アクチュエータドライバ回路200には、ゲイン補正部230が設けられる。ゲイン補正部230は、アクチュエータの可動子の基準位置からの変位量Δpに応じて、制御ゲインを補正する。基準位置は、板バネ116の変形が最も小さい状態とすることができる。また制御ゲインは、サーボフィルタ210のゲインと駆動段220のゲインの積であり、したがってオープンループゲインに相当するものである。
本実施形態において、ゲイン補正部230は、サーボフィルタ210のゲインを、変位量Δpに応じて変化させるものとする。ゲイン補正部230は、PID補償器212およびアンプ214を含む。
PID補償器212は、位置誤差信号p_errに比例ゲインg倍し、位置誤差信号p_errの積分値を積分ゲインg倍し、位置誤差信号p_errの微分値を微分ゲインg倍し、それらを合計して、制御コードS5を生成する。
アンプ214は、制御コードS5をゲインg倍し、駆動コードS4を生成する。アンプ214は、可変ゲインアンプである。ゲイン補正部230は、アンプ214のゲインgを制御することにより、サーボフィルタ210のゲインを補正する。
以上がアクチュエータドライバ回路200の構成である。続いてその動作を説明する。
図4は、板バネ116の変形を説明する図である。図4の左図は、板バネ116の無変形状態(変位量ゼロ)を示し、図4の右図は、梁構造をもつ板バネ116の変形状態(変位量非ゼロ)を示す。板バネ116の変位量Δpが大きくなると、板バネ116が捻れてたわみ、板バネと水平のなす角度θが大きくなる。角度θは、変位量Δpが大きいほど大きい。角度θが大きくなると、ばね定数が大きくなる。
計算を容易化するため、板バネ116が、幅B、長さL、高さHの直方体であると仮定する。図4の左に示す変形前の元の状態において、x軸方向のばね定数k、y軸方向のばね定数kはそれぞれ、以下の式で表される。
=EBH/L
=EBH/L
通常は、B>Hであるから、k≫kが成り立つ。
図4の右に示す変形後の板バネ116のばね定数k’は、
k’=kcosθ+ksinθ
=k×(cosθ+(B/H)sinθ)
の関係が成り立つ。なおこれは、平坦な板バネを一律にθ傾けたときの近似式であり、実際には、終端部からの距離に応じて、撓みの角度が徐々に変化してくため、変形後のばね定数k’は厳密には上式とは異なることに留意されたい。
このばね定数kの変化は、カメラモジュール100における駆動感度に影響を与える。
図5は、ボイスコイルモータ114の永久磁石114bとコイル114aを示す図である。図5の左は、コイル114aと永久磁石114bの理想的な位置関係を示しており、この状態で、ローレンツ力が大きくなる。図5の右に示すように、可動子が移動すると、コイル114aと永久磁石114bの位置関係が理想状態からずれるため、ローレンツ力が理想状態に比べて小さくなる。変位量に依存するローレンツ力の変化は、カメラモジュール100における駆動感度に影響を与える。
このように、板バネの変形やボイスコイルモータ114のローレンツ力の変化によって、可動子の位置によって、駆動対象(プラント)であるアクチュエータ110の特性が変化する。図6は、位置検出信号S3と駆動コードS4の関係を示す図である。この関係は、フィードバックループを遮断してオープンループで測定することができる。
理想的には、一点鎖線で示すように、駆動コードS4と位置検出信号S3(つまり可動子の変位量)との間には、線形の関係が成り立つべきであるが、現実的には、実線で示すように、変位量が大きな領域において、ボイスコイルモータ114の入出力特性は非線形となる。
図7は、位置検出信号S3と、サーボフィルタ210のゲイン(アンプ214のゲインg)の補正係数αの関係を示す図である。この補正特性は、図6の特性の微分を正規化したものと把握できる。アンプ214の標準となるゲインgに、変位量に応じた補正係数αを乗ずることにより、ゲインgを得ることができる。
=α×g
位置検出信号S3(変位量)とゲインgの関係は、変位量(絶対値)が大きいほど、ゲインが大きくなるバスタブ型の特性を有することとなる。
図8は、制御ゲインを変位量に応じて補正したときの、制御コードS5と位置検出信号S3の関係を示す図である。本実施形態によれば、変位量に応じて、アクチュエータドライバ回路200の制御ゲインを補正することにより、制御対象であるアクチュエータ110の非線形性をキャンセルすることができ、トータルのゲイン(ループゲイン)を変位量Δpによらずに、一定に近づけることができる。
これにより、ストローク位置(変位量)に依存した特性(具体的には静定時間や安定性)の不均一性を低減することができる。
続いて、ゲイン補正部230による補正処理の詳細を説明する。たとえばゲイン補正部230はルックアップテーブルに、変位量と補正係数αの関係を保持していてもよい。あるいは変位量とゲインgの関係を保持していてもよい。
ルックアップテーブルのポイント数を減らして、ルックアップテーブルに存在しない点については、補間演算によって補正係数α(もしくはゲインg)を演算するようにしてもよい。
ルックアップテーブルの形式ではなく、ゲイン補正部230は、多項式などの演算式の形で、変位量と補正係数α(もしくはゲインg)の関係を保持していてもよい。
また、ゲイン補正部230は、A/Dコンバータ204の出力(すなわち位置検出信号S3)が更新されるたびに、アンプ214のゲインを変化させてもよい。あるいは、可動子を第1位置から第2位置に移動する際に、ゲイン補正部230は、ゲインgを固定してもよい。どのゲインに固定するかは、第1位置と第2位置の少なくとも一方にもとづいて決めればよく、たとえば第1位置と第2位置の中央の位置検出信号S3に対応するゲインを用いてもよい。
図9は、カメラモジュール100の動作のシミュレーション結果を示す図である。図9には、変位量Δpの目標値が0の場合と、-200μm(焦点位置が無限遠Inf)それぞれについて、補正なしの場合と、補正ありの場合の、可動子の位置を示している。
補正なしでは、変位量の-200μmの領域において、変動幅±2μmの仕様を満たすことができない。これに対して実施形態に係るゲイン補正を行うことで、変動幅±2μmの仕様を満たすことができる。なお変動幅の仕様は例示である。
実施形態1に関連する変形例を説明する。
(変形例1)
この例では、アンプ214のゲインgを補正することとしたが、PID補償器212のゲイン(比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲイン)を、変位量Δpに応じて補正してもよい。
あるいはゲインの補正をアナログ領域で行ってもよい。たとえば駆動段220が、駆動コードS4をアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、アナログ信号に応じた駆動信号(電流信号であると電圧信号であるとを問わない)を生成する出力段と、を含む場合、出力段のゲインを、変位量Δpに応じて変化させてもよい。
(変形例2)
ゲイン補正部230は、位置検出信号S3にもとづいて変位量Δpを算出し、ゲインを補正したがその限りでない。アクチュエータドライバ回路200の応答速度が十分に速く、位置検出信号S3とターゲットコードS1の誤差が十分に小さい場合には、ターゲットコードS1の値を、可動子の位置を表すものと仮定して、ターゲットコードS1の値から、変位量Δpを算出し、ゲインを補正してもよい。
(実施形態2)
実施形態1ではフィードバック制御(クローズドループ制御)のカメラモジュール100について説明したが、本開示の適用はそれに限定されず、オープンループのカメラモジュールにも適用可能である。
図10は、実施形態2に係るカメラモジュール100Aのブロック図である。このカメラモジュール100Aは、オープンループであり、したがって位置検出素子120からの位置検出信号S3を利用できない。
アクチュエータドライバ回路200Aは、ターゲットコードS1に応じた駆動信号S2(駆動電流)を生成し、ボイスコイルモータ114のコイル114aに供給する。
アクチュエータドライバ回路200Aは、駆動部250、ゲイン補正部230、変位量推定部240を備える。変位量推定部240は、可動子の変位量Δpを推定する。駆動部250は、可動子の目標位置を示すターゲットコードS1に応じた駆動電流IDRVを生成し、駆動信号S2としてコイル114aに供給する。
ゲイン補正部230は、変位量推定部240が推定した変位量Δpにもとづいて駆動部250のゲインを補正する。
たとえば駆動部250は、駆動コード生成部252と、駆動段254と、を含む。駆動コード生成部252は、実施形態1におけるアンプ214に相当し、そのゲインが可変である。ゲイン補正部230は、変位量Δpに応じて、駆動コード生成部252のゲインを変化させる。
駆動段254は、駆動コードS4をアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、D/Aコンバータの出力電圧に比例する駆動電流を生成する電圧/電流変換回路と、を含むことができる。一実施例において、ゲイン補正部230は、電圧/電流変換回路のゲインを補正してもよい。
続いて変位量推定部240における可動子の位置推定を説明する。上述のように、アクチュエータドライバ回路200Aは、ホール素子のような位置センサからの位置情報を外部から得ることができない。最も簡易には、変位量推定部240は、ターゲットコードS1が可動子の実際の位置を示すものと仮定して、変位量Δpを算出してもよい。
カメラモジュール100が、さまざまな姿勢で使用される電子機器に搭載される場合、電子機器の姿勢によっては、重力の影響で、可動子の位置が変化しうる。そこで変位量推定部240は、加速度センサ(重力センサ)からの検出信号S6を考慮して、可動子の位置を推定してもよい。図11は、位置推定を説明する図である。横軸は駆動コードS4(ターゲットコードS1)を、縦軸は変位量Δpを表す。g’は、ボイスコイルモータ114の可動子の可動方向の加速度であり、gは重力加速度を示す。つまり、g’=0は、AFレンズの光軸が重力方向と直交していることを示す。またg’=gあるいはg’=-gは、AFレンズの光軸が重力方向と一致していることを示す。図11の関係は、カメラモジュール100Aの設計段階において、予め測定しておくことができる。g’は、-g、0,gの3点だけでなく、中間的な値についても測定することができる。
変位量推定部240を設けることで、オープンループの制御系においても、本開示を適用することができる。
(変形例)
実施形態では、アクチュエータの変位にともなうばね定数の変化による特性の変化の補正について説明したがその限りでない。たとえばアクチュエータは、電磁石を利用したリニアモータであってもよい。この場合、変位量、すなわちコイルと永久磁石の距離に応じて、駆動力が変化することなるが、本開示に係る技術によれば、この駆動力の変化を補正することができる。
100 カメラモジュール
102 撮像素子
104 AFレンズ
110 アクチュエータ
112 レンズホルダー
114 ボイスコイルモータ
114a コイル
114b 永久磁石
116 板バネ
118 固定子
120 位置検出素子
130 CPU
200,200 アクチュエータドライバ回路
202 誤差検出器
204 A/Dコンバータ
210 サーボフィルタ
212 PID補償器
214 アンプ
220 駆動段
230 ゲイン補正部
240 変位量推定部
250 駆動部
252 駆動コード生成部
254 駆動段

Claims (14)

  1. アクチュエータの可動子の基準位置からの変位量に応じて、制御ゲインを補正するゲイン補正部を備える、アクチュエータドライバ回路。
  2. 前記アクチュエータドライバ回路は、
    前記可動子の目標位置を示すターゲットコードと前記可動子の実際の位置を示す位置検出信号の誤差を生成する誤差検出器と、
    前記誤差を増幅するサーボフィルタと、
    前記サーボフィルタの出力にもとづいて、前記アクチュエータを駆動する駆動段と、
    を備え、
    前記ゲイン補正部は、前記変位量にもとづいて前記サーボフィルタのゲインを補正する、請求項1に記載のアクチュエータドライバ回路。
  3. 前記サーボフィルタは、
    PID(比例・積分・微分)補償器と、
    前記PID補償器の出力を増幅するアンプと、
    を含み、
    前記ゲイン補正部は、前記変位量に応じて前記アンプのゲインを補正する、請求項2に記載のアクチュエータドライバ回路。
  4. 前記位置検出信号は、ホール素子からのホール信号にもとづく、請求項2または3に記載のアクチュエータドライバ回路。
  5. 前記アクチュエータドライバ回路は、
    前記変位量を推定する変位量推定部と、
    前記可動子の目標位置を示すターゲットコードに応じた駆動電流を生成する駆動部と、
    を備え、
    前記ゲイン補正部は、前記変位量にもとづいて前記駆動部のゲインを補正する、請求項1に記載のアクチュエータドライバ回路。
  6. 前記変位量推定部は、加速度センサの出力と前記ターゲットコードにもとづいて、前記変位量を推定する、請求項5に記載のアクチュエータドライバ回路。
  7. 前記アクチュエータは、可動子を支持するバネを含む、請求項1から6のいずれかに記載のアクチュエータドライバ回路。
  8. 前記変位量と前記ゲインの関係は、前記変位量が大きいほど、前記ゲインが大きくなるバスタブ型の特性を有する、請求項1から7のいずれかに記載のアクチュエータドライバ回路。
  9. 前記ゲイン補正部は、前記変位量と前記ゲインの関係を示すルックアップテーブルを含む、請求項1から8のいずれかに記載のアクチュエータドライバ回路。
  10. 前記ゲイン補正部は、ルックアップテーブルに存在しない前記変位量と前記ゲインの組み合わせを、補間演算により計算する、請求項9に記載のアクチュエータドライバ回路。
  11. 前記ゲイン補正部は、前記変位量と前記ゲインの関係を規定する演算式を保持している、請求項1から8のいずれかに記載のアクチュエータドライバ回路。
  12. 前記可動子を第1位置から第2位置に移動する際に、前記ゲイン補正部は、前記ゲインを固定する、請求項1から11のいずれかに記載のアクチュエータドライバ回路。
  13. ひとつの基板に一体集積化される、請求項1から12のいずれかに記載のアクチュエータドライバ回路。
  14. 撮像装置であって、
    撮像素子と、
    前記撮像素子への入射光路上に設けられたレンズと、
    前記レンズを光軸と垂直な面内で変位させるアクチュエータと、
    前記レンズの変位を示す位置検出信号を生成する位置検出素子と、
    前記レンズの目標位置を示すターゲットコードと前記位置検出信号にもとづいて前記アクチュエータをフィードバック制御する請求項1から13のいずれかに記載のアクチュエータドライバ回路と、
    を備える、撮像装置。
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