JP2023087283A - 浮体構造物 - Google Patents

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修治 川崎
Shuji Kawasaki
巧 宮武
Ko Miyatake
晃生 大西
Akio Onishi
晴彦 冨永
Haruhiko Tominaga
みどり 岡田
Midori Okada
邦彦 持田
Kunihiko Mochida
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Abstract

【課題】液化した可燃性ガスを貯蔵する液化ガスタンクを備えた浮体構造物であって、設計の自由度が高い浮体構造物を提供することを目的としている。【解決手段】本開示の一態様に係る浮体構造物100は、二次防壁不要の強度を有する液化ガスタンク12と、前記液化ガスタンクを収容するホールドスペース13と、前記液化ガスタンクを囲む甲板14と、前記甲板上に位置する甲板上室21と、を備えている。【選択図】図2

Description

本開示は、液化ガスタンクを備えた浮体構造物に関する。
水上に浮かぶ浮体構造物は、地上の構造物に比べて機器等の設置エリアが制限され、設計の自由度が低い。さらに、この浮体構造物が、液化した可燃性ガスを貯蔵する液化ガスタンクを備える場合、安全性の観点から、設計の自由度が一層低下する(例えば、下記の特許文献1参照)。
特開2016-120814号公報
本開示は、液化した可燃性ガスを貯蔵する液化ガスタンクを備えた浮体構造物であって、設計の自由度が高い浮体構造物を提供することを目的としている。
本開示の一態様に係る浮体構造物は、二次防壁不要の強度を有する液化ガスタンクと、前記液化ガスタンクを収容するホールドスペースと、前記液化ガスタンクを囲む甲板と、前記甲板上に位置する甲板上室と、を備えている。
上記の構成によれば、液化した可燃性ガスを貯蔵する液化ガスタンクを備えた浮体構造物であって、設計の自由度が高い浮体構造物を提供することができる。
図1は、浮体構造物の概略側面図である。 図2は、浮体構造物の概略平面図である。 図3は、図2におけるIII-III矢視断面図である。 図4は、図2におけるIV-IV矢視断面図である。 図5は、図2におけるV-V矢視断面図である。
以下、実施形態に係る浮体構造物100について説明する。図1は浮体構造物100の概略側面図であり、図2は浮体構造物100の概略平面図である。本実施形態に係る浮体構造物100は、液化ガスを運搬する液化ガス運搬船である。ただし、浮体構造物100は、浮体生産貯蔵積出設備(FPSO)、浮体LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)、浮体生産積出設備(FPO)、浮体貯蔵積出設備(FSO)などであってもよい。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る浮体構造物100は、船体11と、液化ガスタンク12と、ホールドスペース13と、甲板14と、機関室15と、船尾居住区16と、甲板長倉庫17と、内部通路18と、下側拡張室19と、内側拡張室20と、甲板上室21と、独立室22と、独立上室23と、分岐集約機器24と、開閉扉25と、受電箱26と、接続ポート27と、非常停止ボタン28と、電動モータ29と、燃料電池30と、を備えている。以下、これらの構成要素について順に説明する。
<船体>
船体11は、航行可能に形成されている。以下の説明における方向の概念は、浮体構造物100の乗船者が航行する方向(図1及び図2において紙面右方)を見たときの方向の概念と一致する。また、以下では、船体11の前後方向を「長手方向」と、左右方向を「幅方向」と、前端部分を「船首部」と、後端部分を「船尾部」とそれぞれ称する。
図3は、図2におけるIII-III矢視断面図である。図3に示すように、船体11は、船底41と、側壁42と、を含んでいる。側壁42は船底41の幅方向両端から上方に向かって延びており、船底41と側壁42は一体に形成されている。本実施形態の船体11は二重構造を有しており、内周面と外周面は互いに離間した異なる鋼板で形成されている。つまり、船底41及び側壁42は二重構造を有しており、内周面と外周面は互いに離間した異なる鋼板で形成されている。ただし、船体11は二重構造を有していなくてもよい。なお、船体11は、全体が鋼材で形成されている。
<液化ガスタンク>
液化ガスタンク12は、液化ガスを貯蔵するタンクである。本実施形態の液化ガスタンク12は、可燃性ガスを液化した液化ガスを貯蔵する。例えば、液化ガスタンク12は、液化水素、液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)などを貯蔵する。本実施形態に係る浮体構造物100は、4つの液化ガスタンク12を備えている。これらの液化ガスタンク12は球状又は楕円体状であって、長手方向に並んでいる。だだし、液化ガスタンク12の数、形状、配置は、上記のものに限定されない。
液化した可燃性ガスを貯蔵するタンクは、強度に応じて3つのタイプに分類される。第1のタイプは、タンク全体を囲む二次防壁(完全二次防壁)が必要なタンクである。ここでいう「二次防壁」とは、タンクが破損したときにタンクから漏れ出た液化ガスを保持するための壁である。第2のタイプは、第1のタイプよりも強度が高いが、部分的な二次防壁(部分二次防壁)が必要なタンクである。第3のタイプは、第2のタイプよりも強度が高く、二次防壁な不要なタンクである。なお、これら第1、2、3のタイプは、国際海事機関(IMO)が定めるタイプA、B、Cにそれぞれ相当する。本実施形態の液化ガスタンク12は、上述した3つのタイプのうち第3のタイプに属する。つまり、本実施形態の液化ガスタンク12は、二次防壁不要の強度を有するタンクである。
<ホールドスペース>
ホールドスペース13は、液化ガスタンク12を収容するスペースである。図2に示すように、ホールドスペース13は、甲板長倉庫17の後方であって、機関室15の前方に位置している。また、図3に示すように、ホールドスペース13は、左右の側壁42の間であって、船底41の上方に位置している。本実施形態のホールドスペース13は、隙間を空けて液化ガスタンク12を収容する。つまり、液化ガスタンク12は、ホールドスペース13を区画する側壁42、船底41、機関室15、甲板長倉庫17と接触しておらず、これらとの間に隙間を有している。なお、ホールドスペース13は、液化ガスタンク12の間に位置する隔壁50で仕切られおり、隣り合う液化ガスタンク12は互いに接触していない。また、各液化ガスタンク12の上方部分は隙間をあけてタンクカバー40に覆われている。
ここで、浮体構造物100内の各エリアは危険区域と非危険区域に分けられる。危険区域では防爆仕様でない電気機器を設置できないが、非危険区域では防爆仕様でない電気機器であっても設置することができる。前述のとおり、本実施形態の液化ガスタンク12は、二次防壁不要の強度を有している。そのため、液化ガスタンク12を収容するホールドスペース13内は可燃性ガスが発生しにくい。したがって、ある領域が鋼板等を介してホールドスペース13に隣接していたとしても、その領域は非危険区域であると見なすことができる。
<甲板>
甲板14は、船体11上に位置し、外部に露出している。甲板14は、平板状であって、タンクカバー40とともに液化ガスタンク12を取り囲んでいる。なお、甲板14はタンクカバー40に溶接されている。甲板14は液化ガスタンク12に接続されておらず、甲板14と液化ガスタンク12の間には隙間がある。また、甲板14は、後述する内部通路18及び甲板長倉庫17上にも位置している。なお、本実施形態では、液化ガスタンク12が二次防壁不要の強度を有していることから、ホールドスペース13内は可燃性ガスが発生しにくく、甲板14上は非危険区域であると見なすことができる。
<機関室>
機関室15は、主機を収容する部屋である。機関室15は船尾部に位置しており、上下方向において甲板14よりも下方に位置している。ただし、機関室15の一部は、甲板14よりも上方に位置していてもよい。機関室15の前面は鋼板で形成されており、機関室15の内部はホールドスペース13と連通していない。機関室15はホールドスペース13に隣接しているが、ホールドスペース13に隣接していなくてもよい。前述のとおり本実施形態のホールドスペース13内は可燃性ガスが発生しにくいため、機関室15がホールドスペース13に隣接していても、機関室15内は非危険区域であると見なすことができる。なお、機関室15が収容する主機は、液化ガスタンク12で発生したボイルオフガスや重油などを燃料とし、スクリュープロペラ43を駆動する内燃機関である。ただし、主機は、ボイルオフガスを燃焼して生成した蒸気を用いて、スクリュープロペラ43に連結された蒸気タービンを駆動してもよい。また、モータでスクリュープロペラ43を駆動してもよい。
また、本実施形態では、機関室15からホールドスペース13の内部に向かって突出部44が突出している。本実施形態の突出部44は、電気機器室51とバラスト水処理装置室52とを含んでいる。このうち電気機器室51は、電気機器を収容する部屋であり、ホールドスペース13の上下方向中央よりも上方に位置している。また、バラスト水処理装置室52は、バラスト水を浄化処理するバラスト水処理装置を収容する部屋であり、ホールドスペース13の上下方向中央よりも下方に位置している。なお、突出部44は、機関室15と連通していてもよく独立していてもよい。
この構成によれば、突出部44の分だけ機関室15を拡張することができ、また、機関室15から連通又は独立した補機室等を追加することができる。突出部44には機関室15で火災が発生した際に消火に用いられる非常用消火ポンプを配置してもよい。また突出部44が機関室15から独立する場合、すなわち突出部44と機関室15は気密の壁で仕切られており、互いに異なる区域である場合においても、機関室15で火災が発生した際に消火に用いられる非常用消火ポンプを突出部44に配置してもよい。この場合、突出部44に甲板14又は屋内の非危険区域から延びるアクセス通路を設けてもよい。さらに、図1に示すように、突出部44は液化ガスタンク12の中心よりも下方であって、平面視において突出部44の少なくとも一部が液化ガスタンク12と重複するように位置している。本実施形態の液化ガスタンク12は球状又は楕円体状であるため、液化ガスタンク12の中心よりも下方は機関室15と液化ガスタンク12の隙間が大きい。突出部44はこのような位置に位置しているため、デッドスペースになり得るスペースを有効に利用することができる。ただし、突出部44の位置は、上記のものに限定されない。
本実施形態の突出部44は、機関室15から突出しているが、機関室15以外の非危険区域から突出していてもよい。例えば、突出部44は、後述する甲板長倉庫17及び下側拡張室19からホールドスペース13の内部に向かって突出していてもよい。また、突出部44の数は限定されない。このように非危険区域から突出部44を突出されることで、非危険区域が拡張される結果、設計の自由度が向上する。
<船尾居住区>
船尾居住区16は、作業者が生活又は業務を行う区域である。船尾居住区16は船尾部であって、機関室15の上方に位置している。また、本実施形態の船尾居住区16は、甲板14よりも上方に位置しており、ホールドスペース13に隣接していない。そのため、船尾居住区16は、非危険区域であると見なすことができる。なお、浮体構造物100は、船尾居住区16に加えて、又は、船尾居住区16に代えて、船首部分に作業者が生活又は業務を行う船首居住区を備えていてもよい。
<甲板長倉庫>
甲板長倉庫17は、船具等を格納する倉庫である。甲板長倉庫17は船首部に位置しており、甲板14よりも下方に位置している。ただし、甲板長倉庫17は、甲板14よりも上方に突出していてもよい。甲板長倉庫17の後面は鋼板で形成されており、甲板長倉庫17の内部はホールドスペース13と連通していない。甲板長倉庫17はホールドスペース13に隣接しているが、前述のとおり本実施形態のホールドスペース13内は可燃性ガスが発生しにくいため、甲板長倉庫17内は非危険区域であると見なすことができる。
<内部通路>
内部通路18は、浮体構造物100内を長手方向に延びる通路である。本実施形態の内部通路18は、側壁42の内部に位置している。ただし、船体11が二重構造でないような場合は、内部通路18は側壁42のホールドスペース13側において側壁42と隣接するように配置されていてもよい。また、本実施形態の内部通路18は、側壁42内の上部に位置しており、甲板14の下方において甲板14と隣接している。内部通路18は鋼板で囲まれており、内部通路18の内部はホールドスペース13と連通していない。内部通路18は、ホールドスペース13と隣接しているが、前述のとおり本実施形態のホールドスペース13内は可燃性ガスが発生しにくいため、内部通路18内は非危険区域であると見なすことができる。そのため、内部通路18に防爆仕様でない電気機器を設置することができる結果、設計の自由度が向上する。
さらに、内部通路18は後端部が屋内の機関室15と通行可能に接続されているとともに、前端部が屋内の甲板長倉庫17と通行可能に接続されている。そのため、作業者は外部に出ることなく、内部通路18を通って、機関室15と甲板長倉庫17の間、つまり船首部と船尾部の間を行き来することができる。なお、内部通路18は非危険区域であると見なすことができるため、内部通路18を機関室15及び甲板長倉庫17に接続しても、機関室15及び甲板長倉庫17は非危険区域であることを維持できる。
また、内部通路18の前端部分は船体11の前端にまで延びていてもよく、内部通路18の後端部分は船体11の後端にまで延びていてもよい。さらに、浮体構造物100が、船首部に位置し少なくとも一部が甲板14よりも下方に位置する船首居住区などの船首構造物を備えている場合、内部通路18の前端部分は当該船首構造物の甲板14よりも下方の部分に接続していてもよい。同様に、浮体構造物100が、船尾部に位置し少なくとも一部が甲板14よりも下方に位置する船尾居住区16などの船尾構造物を備えている場合、内部通路18の後端部分は当該船尾構造物の甲板14よりも下方の部分に接続していてもよい。
さらに、内部通路18と機関室15及び甲板長倉庫17との間には、水の侵入を許容しない水密性の通行扉45が設置されている。そのため、仮に内部通路18に水が侵入しても、侵入した水が機関室15及び甲板長倉庫17に達することはない。さらに、内部通路18と機関室15及び甲板長倉庫17との間には、2枚の気密扉で構成されるエアロックを設置してもよい。なお、内部通路18の後端部は、機関室15ではなく船尾居住区16と通行可能に接続されていてもよい。同様に、内部通路18の前端部は、甲板長倉庫17ではなく前述した船首居住区と通行可能に接続されていてもよい。また、内部通路18は、機関室15及び甲板長倉庫17のうち一方とのみ通行可能に接続されていてもよい。なお、本実施形態の内部通路18は、浮体構造物100の左右両側に1つずつ配置されているが、内部通路18の数及び配置は限定されない。
<下側拡張室>
下側拡張室19は、内部通路18の下方側において内部通路18と連通する部屋である。なお、下側拡張室19と内部通路18は、扉によって仕切られていてもよく、仕切られていなくてもよい。下側拡張室19は、側壁42の内部に位置している。本実施形態の下側拡張室19は、内部通路18と直接接しているが、上下方向に延びる通路を介して内部通路18に接続されていてもよい。下側拡張室19は鋼板で囲まれており、下側拡張室19の内部はホールドスペース13と連通していない。内部通路18はホールドスペース13と隣接しているが、前述のとおり本実施形態のホールドスペース13内は可燃性ガスが発生しにくいため、下側拡張室19も非危険区域であると見なすことができる。なお、本実施形態に係る浮体構造物100は1つの下側拡張室19を備えているが、浮体構造物100は複数の下側拡張室19を備えていてもよい。
<内側拡張室>
内側拡張室20は、内部通路18よりもホールドスペース13側、すなわち船体11の中央側において内部通路18と連通する部屋である。なお、内側拡張室20と内部通路18は、扉によって仕切られていてもよく、仕切られていなくてもよい。図2に示すように、内側拡張室20は、長手方向において隣り合う液化ガスタンク12の間付近に位置している。さらに、内側拡張室20は、平面視において、側壁42側を長辺とする台形の形状を有している。ただし、内側拡張室20の位置、及び、形状は上記のものに限定されない。なお、本実施形態に係る浮体構造物100は、1つの内側拡張室20を備えているが、浮体構造物100は複数の内側拡張室20を備えていてもよい。
図4は、図2におけるIV-IV矢視断面図である。図4に示すように、内側拡張室20は、甲板14の下方において甲板14と隣接している。また、内側拡張室20は、ホールドスペース13と隣接している。内側拡張室20は鋼板で囲まれており、内側拡張室20の内部はホールドスペース13と連通していない。内側拡張室20は、ホールドスペース13と隣接しているが、前述のとおり本実施形態のホールドスペース13内は可燃性ガスが発生しにくいため、内側拡張室20内は非危険区域であると見なすことができる。このように、内部通路18と内側拡張室20を連通させることで、内部通路18から続く非危険区域を幅方向に広げることができる。したがって、防爆仕様でない電気機器を設置できるエリアが拡張し、設計の自由度が向上する。
<甲板上室>
甲板上室21は、甲板14上に位置する部屋であって、鋼板で囲まれている。甲板上室21は、内部通路18及び内側拡張室20から見て上方に位置している。また、図2に示すように、甲板上室21は平面視において内側拡張室20の外縁の内側に位置している。さらに、本実施形態の甲板上室21は、内部通路18及び内側拡張室20に連通している。ただし、甲板上室21は、内部通路18及び内側拡張室20の一方に連通していてもよく、内部通路18及び内側拡張室20のいずれとも連通しておらず内部通路18及び内側拡張室20から独立していてもよい。
甲板上室21は、非危険区域と見なすことができる甲板14上に位置していることから、甲板上室21内も非危険区域であると見なすことができる。そのため、甲板上室21に防爆仕様でない電気機器を設置することができる結果、設計の自由度が向上する。なお、本実施形態の甲板上室21は、隣り合う液化ガスタンク12の間に位置している。ただし、甲板上室21は、最も後方に位置する液化ガスタンク12と船尾部の間に位置していてもよく、最も前方に位置する液化ガスタンク12と船首部の間に位置していてもよい。
<独立室>
独立室22は、ホールドスペース13内に位置する部屋である。本実施形態の独立室22は、機関室15などの非危険区域と連通しておらず、非危険区域から独立している。図5は、図2におけるV-V矢視断面図である。図5に示すように、独立室22は、甲板14の下方において甲板14と隣接している。独立室22は鋼板で囲まれており、独立室22の内部はホールドスペース13と連通していない。独立室22は、ホールドスペース13内に位置するが、前述のとおり本実施形態のホールドスペース13内は可燃性ガスが発生しにくいため、独立室22内は非危険区域であると見なすことができる。
また、独立室22の内部には機関室15で火災が発生した際に消火に用いられる非常用消火ポンプを配置してもよい。この場合、独立室22に甲板14から又は非危険区域から延びるアクセス通路を設けてもよい。また、本実施形態の独立室22は甲板14と隣接しているが、独立室22は甲板14と隣接していなくてもよい。例えば、液化ガスタンク12の中心よりも下方であって、平面視において独立室22の少なくとも一部が液化ガスタンク12と重複するように位置してもよい。本実施形態の液化ガスタンク12は球状又は楕円体状であるため、液化ガスタンク12の中心よりも下方は機関室15と液化ガスタンク12の隙間が大きい。そのため、独立室22をこのような位置に位置させた場合、デッドスペースになり得るスペースを有効に利用することができる。なお、本実施形態の独立室22は機関室15と離間しているが、独立室22は機関室15と隣接してもよい。
<独立上室>
独立上室23は、独立室22上に位置する部屋である。図2に示すように、独立上室23は平面視において独立室22の外縁の内側に位置している。さらに、本実施形態の独立上室23は、独立室22に連通している。ただし、独立上室23は、独立室22と連通していなくてもよい。また、独立上室23は鋼板で囲まれており、独立上室23の内部はホールドスペース13と連通していない。独立上室23は甲板14上に位置しているため、独立上室23は非危険区域であると見なすことができる。
<分岐集約機器>
分岐集約機器24は、電気配線を分岐又は集約する非防爆仕様の機器である。分岐集約機器24には、分電盤、始動器盤、インバータ盤、変圧器、及び、複数のセンサー信号を受信するフィールドユニット等が含まれる。本実施形態の分岐集約機器24は、内部通路18内に位置している。前述のとおり、内部通路18は非危険区域であると見なすことができるため、非防爆仕様の電気機器である分岐集約機器24を設置することができる。なお、分岐集約機器24は、内部通路18ではなく下側拡張室19内に位置していてもよく、内側拡張室20内に位置していてもよい。
ここで、分岐集約機器24は非防爆仕様の電気機器であるため、仮に、内部通路18が危険区域である場合は、分岐集約機器24を船尾部に位置する船尾居住区16などに設置する必要がある。この場合は、分岐集約機器24から浮体構造物100の各箇所に設置された電気機器までの距離が長くなり、電気配線の配置が複雑になる。これに対し、本実施形態のように内部通路18等に分岐集約機器24が配置されていれば、各電気機器と分岐集約機器24とをつなぐ電気配線を短くすることができ、電気配線の配置を単純化することができる。特に、本実施形態では、甲板上室21は分岐集約機器24から見て上方に位置している。そのため、甲板上室21に電気機器が設置されたとき、分岐集約機器から電気機器までの距離が短くなることから、電気配線の配置をより単純化することができる。
<開閉扉>
開閉扉25は、下側拡張室19のホールドスペース13とは反対側の面に位置する扉である。図1は開閉扉25が開いた状態を示しており、図3は開閉扉25が閉じた状態を示している。開閉扉25は、浮体構造物100が水に浮かんでいるときの水面の線である喫水線よりも上方に位置している。また、開閉扉25は水の侵入を許容しない水密性の扉であって、内側上方にスライドして開くように形成されている。ただし、開閉扉25の形式は限定されない。
開閉扉25は上記のように構成されているため、開閉扉25を開くことで作業者は下側拡張室19から浮体構造物100の外部へ出ることができるとともに、浮体構造物100の外部から下側拡張室19に入ることができる。そのため、例えば、作業者は機関室15又は船尾居住区16から内部通路18及び下側拡張室19を通って開閉扉25から外部へ出ることができる。これにより、作業者は雨天時や夜間においても甲板14上を通らずに内部通路18及び下側拡張室19から安全に外部へ出ることができる。なお、下側拡張室19と内部通路18の間にエレベータを設けてもよい。
<受電箱>
受電箱26は、外部設備の電力ケーブルを接続する機器である。受電箱26は、下側拡張室19に設置されている。前述のとおり、下側拡張室19内は非危険区域であると見なすことができるため、非防爆仕様の電気機器である受電箱26を設置することができる。さらに、下側拡張室19のホールドスペース13とは反対側の面に開閉扉25が位置しているため、開閉扉25を開けることで外部から受電箱26にアクセスすることができる。その結果、外部設備の電力ケーブルを、例えば甲板14にまで持ち上げることなく、電力ケーブルを受電箱26に接続することができる。
<接続ポート>
接続ポート27は、外部設備のホースや配管などの流体移送設備を接続する機器である。外部設備の流体移送設備には、燃料供給ホース、清水供給ホース、汚水排出ホース、及び、ビルジ排出ホースなどが含まれる。接続ポート27は、下側拡張室19に設置されている。そのため、開閉扉25を開けば外部から接続ポート27にアクセスすることができる。その結果、外部設備の流体移送設備を、例えば甲板14にまで持ち上げることなく、外部設備の流体移送設備を接続ポート27に接続することができる。
<非常停止ボタン>
非常停止ボタン28は、外部設備の流体移送設備を用いて行う作業を停止するための押しボダンスイッチである。つまり、作業者が非常停止ボタン28を押すと、外部設備の流体移送設備を用いて行う作業が停止する。非常停止ボタン28は、下側拡張室19に設置されている。前述のとおり、下側拡張室19内は非危険区域であるため、下側拡張室19に非防爆仕様の電気機器である非常停止ボタン28を設置することができる。非常停止ボタン28は外部設備の流体移送設備が接続される接続ポート27の近傍に位置しているため、外部設備の流体移送設備を用いて行う作業を行う際、何らか異常が発生したときに作業者がその作業を速やかに停止させることができる。
<電動モータ>
電動モータ29は、液化ガスタンク12内の液化ガスが蒸発したいわゆるボイルオフガスや液化ガスを強制気化させたガスなどを圧縮する貨物圧縮機などの貨物機器を駆動させるためのモータである。電動モータ29は貨物機器と機械的に連結されている。電動モータ29及び貨物機器は、甲板上室21に設置されている。前述のとおり、甲板上室21内は非危険区域であると見なすことができるため、甲板上室21内に電気機器である電動モータ29を設置することができる。なお、甲板14上が危険区域である場合、甲板上室21内を非危険区域にするには甲板上室21をかさ上げする必要があるが、本実施形態では甲板14上が非危険区域であると見なすことができるため、甲板上室21のかさ上げが不要となる。
なお、本実施形態のように甲板上室21に貨物圧縮機、貨物ポンプ、及び、貨物プロセスユニット(機関室15へガス燃料を共有するもの)などの貨物機器を配置する場合、貨物機器を配置する部屋(貨物機器室)は危険区域となる。その場合、甲板上室21を分割し貨物機器室を配置する部屋は危険区域、電動モータ29を設置する部屋は非危険区域とできる。この場合、電動モータ29が配置された部屋と貨物機器室を気密の壁で仕切り、気密の壁で仕切られた一方のエリアに電動モータ29を設置するとともに、他方のエリアに貨物機器を設置する。その際、電動モータ29の軸を気密の壁を貫通させてもよい。
本実施形態では、甲板上室21に貨物機器が設置されているため、甲板上室21が貨物機器室として機能している。ただし、貨物機器室は、船尾部(例えば、機関室15から見て上方)に位置していてもよい。つまり、船尾部に甲板上室21とは異なる貨物機器室を設け、その貨物機器室に電動モータ29及び貨物機器を設置してもよい。
<燃料電池>
燃料電池30は、液化ガスタンク12が貯蔵する液化ガス又は自然蒸発する可燃性ガス(ボイルオフガス)を利用して発電する装置である。本実施形態の燃料電池30は、浮体構造物100の各機器に電力を供給する。なお、燃料電池30で発電した電力でモータを駆動し、そのモータが主機を補助し、又は、主機に代えてスクリュープロペラ43を回転駆動してもよい。本実施形態の燃料電池30は独立室22に設置されている。上述したように、燃料電池30を設置しようとしている独立室22は非危険区域であると見なすことができるため、電気機器である燃料電池30を設置することができる。さらに、独立室22は非危険区域から独立している。そのため、燃料電池30から可燃性ガスが発生しても、発生した可燃性ガスが非危険区域に流入することはない。なお、独立室22及び独立上室23には燃料電池30以外の非防爆仕様の電気機器は設置されていない。
なお、本実施形態では、燃料電池30は独立室22に設置されているが、独立上室23に設置されていてもよい。また、浮体構造物100は、燃料電池30に代えてリチウムイオン電池などの二次電池を備えていてもよい。この場合も、独立室22又は独立上室23に二次電池が設置され、独立室22及び独立室22には、二次電池以外の非防爆仕様の電気機器は設置されない。さらに、浮体構造物100が燃料電池30及び二次電池の両方を備えていてもよい。この場合は、互いに独立する独立室22を2つ設け、一方に燃料電池30を設置し他方に二次電池を設置してもよい。また、独立室22及び独立上室23を互いに独立させ、一方に燃料電池30を設置し他方に二次電池を設置してもよい。なお、例えば、二次電池は、大量の電力が必要な時のために、余剰のボイルオフガスによって発電した電力を蓄えてもよい。
また、燃料電池30は、貨物機器室から送られたガスを利用して発電し、機関室15の配電盤へ電力を供給することができる。この場合、燃料電池30は、貨物機器室と機関室15の間に位置していることが望ましい。例えば、本実施形態のように甲板上室21が貨物機器室として機能する場合、つまり貨物機器室が甲板14上に位置する場合、燃料電池30が設置されている独立室22又は独立上室23は、貨物機器室よりも後方であって隣り合う液化ガスタンク12間、又は、最も後方の液化ガスタンク12よりも後方に位置していることが望ましい。一方、貨物機器室が船尾部に位置している場合は、最も後方の液化ガスタンク12よりも後方に位置していることが望ましい。
(まとめ)
以上のとおり、本実施形態に係る浮体構造物は二次防壁不要の強度を有する液化ガスタンクと、前記液化ガスタンクを収容するホールドスペースと、前記液化ガスタンクを甲板と、前記甲板上に位置する甲板上室と、を備えている。
本実施形態に係る浮体構造物では、甲板上室は甲板上に位置しているにもかかわらず、甲板上室内は非危険区域であると見なすことができる。そのため、甲板上室の内部に電気機器を設置することができる結果、浮体構造物の設計の自由度が向上する。
また、本実施形態に係る浮体構造物は、前記ホールドスペースに隣接する内部通路と、前記内部通路よりも前記ホールドスペース側において前記内部通路と連通する内部拡張室と、をさらに備え、前記甲板上室は前記内部通路及び前記内側拡張室の一方又は両方と連通している。
そのため、本実施形態に係る浮体構造物によれば、甲板上室に電気機器が設置されたとき、その電気機器に対して内部通路又は内側拡張室から当該電気機器を操作することができる。
また、本実施形態に係る浮体構造物は、前記内部通路内又は前記内部拡張室内に電気配線を分岐又は集約する分岐集約機器をさらに備え、前記甲板上室は前記分岐集約機器から見て上方に位置している。
そのため、本実施形態に係る浮体構造物によれば、甲板上室に電気機器が設置されたとき、分岐集約機器から電気機器までの距離が短くなる。そのため、分岐集約機器と電気機器をつなぐ電気配線の配置を単純化することができる。
また、本実施形態に係る浮体構造物は、前記甲板上室内に貨物機器用の電動モータをさらに備えている。
そのため、本実施形態に係る浮体構造物によれば、貨物機器を含む設備の構成を単純化することができる。
また、上記の浮体構造物において、前記液化ガスタンクは複数の液化ガスタンクを含み、前記甲板上室は、前記複数の液化ガスタンクのうち隣り合う液化ガスタンクの間、前記複数の液化ガスタンクのうち最も後方に位置する液化ガスタンクと船尾部の間、又は、前記複数の液化ガスタンクのうち最も前方に位置する液化ガスタンクと船首部の間に位置していてもよい。
この構成によれば、甲板上室を容易に設置することができる。
11 船体
12 液化ガスタンク
13 ホールドスペース
14 甲板
15 機関室
16 船尾居住区
17 甲板長倉庫
18 内部通路
19 下側拡張室
20 内側拡張室
21 甲板上室
22 独立室
23 独立上室
24 分岐集約機器
25 開閉扉
26 受電箱
27 接続ポート
28 非常停止ボタン
29 電動モータ
30 燃料電池
40 タンクカバー
41 船底
42 側壁
43 スクリュープロペラ
44 突出部
45 通行扉
46 貨物昇降機
100 浮体構造物

Claims (5)

  1. 二次防壁不要の強度を有する液化ガスタンクと、
    前記液化ガスタンクを収容するホールドスペースと、
    前記液化ガスタンクを囲む甲板と、
    前記甲板上に位置する甲板上室と、を備えている、浮体構造物。
  2. 前記ホールドスペースに隣接する内部通路と、
    前記内部通路よりも前記ホールドスペース側において前記内部通路と連通する内部拡張室と、をさらに備え、
    前記甲板上室は前記内部通路及び前記内側拡張室の一方又は両方と連通している、請求項1に記載の浮体構造物。
  3. 前記内部通路内又は前記内部拡張室内に電気配線を分岐又は集約する分岐集約機器をさらに備え、
    前記甲板上室は前記分岐集約機器から見て上方に位置している、請求項2に記載の浮体構造物。
  4. 前記甲板上室内に貨物機器用の電動モータをさらに備えている、
    請求項1乃至3のうちいずれか一の項に記載の浮体構造物。
  5. 前記液化ガスタンクは複数の液化ガスタンクを含み、
    前記甲板上室は、前記複数の液化ガスタンクのうち隣り合う液化ガスタンクの間、前記複数の液化ガスタンクのうち最も後方に位置する液化ガスタンクと船尾部の間、又は、前記複数の液化ガスタンクのうち最も前方に位置する液化ガスタンクと船首部の間に位置している、請求項1乃至4のうちいずれか一の項に記載の浮体構造物。
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