JP2023086321A - ケーブル、ロボット装置、ロボット装置の制御方法、物品の製造方法、プログラム、記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】体積や重量を増加させることなく、周囲へのノイズの放射や周囲からのノイズの侵入を抑制できるケーブルが求められていた。【解決手段】電動機と制御部とを接続するケーブルにおいて、前記ケーブルは、前記電動機に電力を供給する動力線を含み、前記動力線は、ツイストされた複数の心線を備える、ことを特徴とするケーブルである。【選択図】図2
Description
本発明は、ケーブルに関する。
電気エネルギーを動力に変換する電動機(モータ)は、生産装置、家電、空調設備、自動車など、様々な分野で広く利用されている。一般に、電動機は、電源、制御用コントローラ、安全装置等を備えた制御盤とケーブルで接続して動作させるが、駆動電力を供給する際にケーブルから発生するノイズが大きく、周囲の電子機器などへの影響が大きい。
また、電動機を、より高速、高精度に制御するニーズも高まっており、ケーブルがアンテナとなって外部から侵入するノイズの低減が求められている。特に、多関節ロボットのように、電動機を複数備えた装置であったり、電動機を制御するためのセンサ(エンコーダなど)を備える装置の場合には、駆動用ケーブルや通信用ケーブルが密集し、相互に影響を及ぼし易くなる。
特許文献1には、ケーブルをシールド等で覆って電磁的に遮蔽することで、周囲へのノイズ影響を抑える手法が開示されている。
特許文献2には、信号系ケーブルをシールド材で覆い、その周囲に動力系ケーブルを配置することで、動力系ケーブルが発するノイズを信号系ケーブルに影響させない手法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開始された方法、および特許文献2に開示された方法では、ノイズ低減用の強固な金属製シールドなど、ケーブルを覆う追加の部材が必要となるため、ハーネスの体積や重量が増加し、ロボット等の運動性能が低下する懸念がある。また、追加の部材を要するため、部材コストや組立コストが増加するという課題もある。
本発明の第1の態様は、電動機と制御部とを接続するケーブルにおいて、前記ケーブルは、前記電動機に電力を供給する動力線を含み、前記動力線は、ツイストされた複数の心線を備える、ことを特徴とするケーブルである。
本発明によれば、体積や重量を増加させることなく、周囲へのノイズの放射や周囲からのノイズの侵入を抑制できるケーブルを提供することができる。
図面を参照して、本発明の実施形態であるについて説明する。
尚、以下に示す実施形態は例示であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更して実施をすることができる。
尚、以下の実施形態及び実施例の説明において参照する図面では、特に但し書きがない限り、同一の参照番号を付して示す要素は、同様の機能を有するものとする。
尚、以下に示す実施形態は例示であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更して実施をすることができる。
尚、以下の実施形態及び実施例の説明において参照する図面では、特に但し書きがない限り、同一の参照番号を付して示す要素は、同様の機能を有するものとする。
[実施形態1]
図1から図5を参照して、本発明の実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1に係る動力装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、動力装置5は、電動機1、電動機1を制御するための制御部2、制御部2と電動機1とを接続するケーブル3を備えている。
図1から図5を参照して、本発明の実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1に係る動力装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、動力装置5は、電動機1、電動機1を制御するための制御部2、制御部2と電動機1とを接続するケーブル3を備えている。
電動機1は、電力を機械的な動力に変換する装置であれば、特に方式が限定されるわけではないが、ここでは三相誘導電動機を例示して説明する。制御部2は、例えば制御盤であるが、少なくとも電動機1に電力を供給する電源を備えている。
図2(a)に、ケーブル3の外観を示す。また、図2(a)のA-A’線に沿ってケーブル3を切断した断面を、図2(b)に示す。ケーブル3は、少なくとも、制御部2から電動機1に駆動電力を供給するための動力線を含んでいる。
ケーブル3は、電動機1が三相誘導電動機である場合は、図示のように少なくとも3本以上の心線を備えている。電動機1を駆動するために、例えば、心線31は駆動電流のU相を、心線32は駆動電流のV相を、心線33は駆動電流のW相を伝達するものとする。各心線は、導体線の周囲を絶縁体で被覆された構造の線材である。本実施形態のケーブル3は、図2(a)に示すように、それらの3本の心線(動力線)を束ねてツイストした構造を備えることを特徴とする。
従来から、エンコーダ、力センサ、温度センサといったセンサの信号や、制御信号など、低電圧で高速な情報信号の伝送を行う分野では、ノイズ低減のためにツイストした信号線を使用することが行われている。しかし、電動機の動力線に関しては、本実施形態のように、例えばU相を伝達する線、V相を伝達する線、W相を伝達する線をツイストすることは、行われていなかった。
図4を参照して、その理由について説明する。電動機を駆動するためのU相駆動電圧の波形を駆動波形101として示す。U相駆動電圧は、例えば振幅が48Vの正弦波である。また、制御部の内部の通信信号の波形を信号波形102として示す。通信信号は、振幅が5Vの矩形波である。
ここで、駆動波形101および信号波形102に、10Vのノイズ103が同様に発生したものとする。図からわかるように、駆動波形101は電圧振幅が大きいため、ノイズ103の振幅は相対的に小さい。このため、電動機の動作にノイズが与える影響は微小であり、直ちに実用上の悪影響が生じることは少ない。しかし、信号波形102は電圧振幅が小さいため、ノイズ103の影響が相対的に大きく作用し、場合によっては通信エラーが生じて制御部が誤動作を起こす場合がある。このため、ノイズ対策は一般的に、動力系の線路ではなく、信号系の線路に対して実施されていた。
しかし、工場等の自動化が進むにつれて、電動機の制御については、今まで以上に高速で高精度な応答が求められてきており、電動機の動力線におけるノイズを低減する必要がある。また、電動機の動力線以外にも、照明、電熱ヒーター、ソレノイドといった大電力で駆動する電気機器の制御についても、同様に高速で高精度な応答が求められており、大電力の動力線におけるノイズを低減することが期待されている。
そこで、本実施形態では、大電力の動力線において、各相の波形を伝達する心線どうしをツイストさせた構造のケーブル3を用いた。各心線をツイストさせた構造による打ち消し効果により、電動機1の駆動によって外部に発せられる電磁界ノイズ(特にコモンモードノイズ)を非常に低減できる効果がある。また、本実施形態では、係るツイスト構造による打ち消し効果により、動力装置5に対する外部からの電磁界ノイズの影響も低減することができる。
本実施形態によれば、ケーブル3に対して編組シールドやフェライトコアなどの追加のノイズ対策部品を敷設しなくとも、動力装置5が発するノイズおよび動力装置5が受けるノイズを低減することができる。このため、ロボット等の運動性能の低下やコストの増大を招くことなく、ノイズの影響を低減させることができる。
もっとも、各心線をツイストさせた構造を有する本実施形態において、編組シールドやフェライトコアと組み合わせることが妨げられるわけではなく、コモンモードノイズ以外のノイズへの耐性を高めるために、編組シールドやフェライトコアを併用し得る。
もっとも、各心線をツイストさせた構造を有する本実施形態において、編組シールドやフェライトコアと組み合わせることが妨げられるわけではなく、コモンモードノイズ以外のノイズへの耐性を高めるために、編組シールドやフェライトコアを併用し得る。
図3(a)、図3(b)を参照して、例えば電動機1が単相電動機の場合など、心線が2心である場合について、本実施形態のケーブル3の構造を説明する。図3(a)に、ケーブル3の外観を示す。また、図3(a)のB-B’線に沿ってケーブル3を切断した断面を、図3(b)に示す。電動機1を駆動するために、心線34と心線35を介して駆動電圧が伝達される。本実施形態のケーブル3は、図3(a)に示すように、それらの2本の心線(動力線)を束ねてツイストした構造を備えることを特徴とする。
この形態においても、各心線をツイストさせた構造による打ち消し効果により、電動機1の駆動によって外部に発せられる電磁界ノイズ(特にコモンモードノイズ)を非常に低減させることができる。また、係るツイスト構造による打ち消し効果により、動力装置5に対する外部からの電磁界ノイズの影響も低減することができる。
次に、図5(a)、図5(b)を参照して、例えば電動機1が三相誘導電動機であるが、安全上の理由から電動機1のケースを接地するための心線(接地線)を設ける場合のケーブル3の構造を説明する。
図5(a)に、ケーブル3の外観を示す。また、図5(a)のC-C’線に沿ってケーブル3を切断した断面を、図5(b)に示す。電動機1を駆動するために、例えば、心線31は駆動電流のU相を、心線32は駆動電流のV相を、心線33は駆動電流のW相を伝達するものとする。また、心線300は、電動機1の保護接地端子と接続され、電動機1のケースを接地する。各心線は、導体線の周囲を絶縁体で被覆された構造の線材である。本実施形態のケーブル3は、図5(a)に示すように、動力線を含む4本の心線を束ねてツイストした構造を備えることを特徴とする。
この形態においても、各心線をツイストさせた構造による打ち消し効果により、電動機1の駆動によって外部に発せられる電磁界ノイズ(特にコモンモードノイズ)を非常に低減することができた。また、係るツイスト構造による打ち消し効果により、動力装置5が外部のノイズ源から受ける電磁界ノイズの影響も低減することができる。また、接地用の心線300を動力線の3本の心線とともにツイストすることで、接地線を別途敷設する手間が不要になる。
[実施形態2]
図6および図7を参照して、本発明の実施形態2について説明する。実施形態1と同様の事項については、説明を省略または簡略化する。
図6は、実施形態2に係る動力装置の構成を示す模式図である。図6に示すように、動力装置5は、電動機1、電動機1に付帯するブレーキ10、電動機1およびブレーキ10を制御するための制御部2、制御部2と電動機1およびブレーキ10を接続するケーブル3を備えている。尚、ブレーキ10は、図6に模式的に示すように電動機1と一体構造になっていてもよいし、電動機1の回転軸を制動可能な位置に、電動機とは別体で配置されていてもよい。ブレーキ10は、制御部2からケーブル3を介して制御信号が伝達されることでオン、もしくはオフ状態へと作動し、電動機1の軸を拘束(停止)、もしくは開放させる働きをするものである。制御部2は、例えば制御盤であるが、少なくとも電動機1とブレーキ10に電力を供給する電源を備えている。
図6および図7を参照して、本発明の実施形態2について説明する。実施形態1と同様の事項については、説明を省略または簡略化する。
図6は、実施形態2に係る動力装置の構成を示す模式図である。図6に示すように、動力装置5は、電動機1、電動機1に付帯するブレーキ10、電動機1およびブレーキ10を制御するための制御部2、制御部2と電動機1およびブレーキ10を接続するケーブル3を備えている。尚、ブレーキ10は、図6に模式的に示すように電動機1と一体構造になっていてもよいし、電動機1の回転軸を制動可能な位置に、電動機とは別体で配置されていてもよい。ブレーキ10は、制御部2からケーブル3を介して制御信号が伝達されることでオン、もしくはオフ状態へと作動し、電動機1の軸を拘束(停止)、もしくは開放させる働きをするものである。制御部2は、例えば制御盤であるが、少なくとも電動機1とブレーキ10に電力を供給する電源を備えている。
図7(a)に、本実施形態のケーブル3の外観を示す。また、図7(a)のD-D’線に沿ってケーブル3を切断した断面を、図7(b)に示す。ケーブル3は、少なくとも、制御部2から電動機1およびブレーキ10に駆動電力を供給するための動力線を含んでいる。
ケーブル3は、電動機1が三相誘導電動機である場合は、図示のように少なくとも電動機1へ電力を供給する心線を3心(心線31、心線32、心線33)以上備えている。電動機1を駆動するために、例えば、心線31は駆動電流のU相を、心線32は駆動電流のV相を、心線33は駆動電流のW相を伝達するものとする。
また、ケーブル3は、ブレーキ10へ駆動電力を供給するブレーキ用配線(心線301、心線302)を備えている。本実施形態では、ブレーキ用心線である心線301を電源線、心線302をグランド線として2心の構成を示している。ブレーキ10は、電動機1と比較して低電力であることが多いため、心線301および心線302の直径を小さくできる。
図7(b)に示すように、ブレーキ10と接続する細い心線301と心線302を、電動機1と接続するツイストされた太い心線31、心線32、心線33に囲まれた隙間(ツイスト構造の中心)に配置することで、ケーブル3の外径を抑えた構成にできる。また、ブレーキ10用のケーブルを、電動機1用の駆動線とは別に敷設する手間を削減できる効果がある。また、心線301と心線302をツイストさせて、ツイストされた心線31、心線32、心線33の隙間に配置すれば、電動機1用駆動線とブレーキ10用駆動線の相互間におけるノイズの影響を小さくできる。すなわち、ツイストされたブレーキ10用の心線301と心線302からはコモンモードノイズの放射が抑制されるうえ、電動機1用の心線31、心線32、心線33はツイストされているので、ノイズを受信してもキャンセルされて影響を受けにくい。また、ツイストされた電動機1用の心線31、心線32、心線33からはコモンモードノイズの放射が抑制されるうえ、ブレーキ10用の心線301と心線302はツイストされているので、ノイズを受信してもキャンセルされて影響を受けにくい。また、電動機1やブレーキ10が動力装置5の外から受ける電磁界ノイズの影響も、係るツイスト構造による打ち消し効果により、低減することができる。なお、本実施形態および変形例と上述の第1実施形態および変形例とを組み合わせて実施しても構わない。
[実施形態3]
図8を参照して、本発明の実施形態3について説明する。実施形態1と同様の事項については、説明を省略または簡略化する。
図8は、実施形態3に係る動力装置の構成を示す模式図である。図8に示すように、動力装置5は、電動機1、電動機1を制御するための制御部2、ケーブル3を制御部2に接続するためのコネクタ4、コネクタ4を覆うシールドケース11、制御部2と電動機1とを接続するケーブル3を備えている。本実施形態のケーブル3は、実施形態1にて説明したケーブルと同様に、電動機の動力線がツイストされた構造を備えている。
図8を参照して、本発明の実施形態3について説明する。実施形態1と同様の事項については、説明を省略または簡略化する。
図8は、実施形態3に係る動力装置の構成を示す模式図である。図8に示すように、動力装置5は、電動機1、電動機1を制御するための制御部2、ケーブル3を制御部2に接続するためのコネクタ4、コネクタ4を覆うシールドケース11、制御部2と電動機1とを接続するケーブル3を備えている。本実施形態のケーブル3は、実施形態1にて説明したケーブルと同様に、電動機の動力線がツイストされた構造を備えている。
動力装置5を設置する際などの便宜のために、制御部2に対してケーブル3を着脱可能に接続できるのが望ましい。本実施形態では着脱可能なコネクタ4を用いて、ケーブル3を制御部2に装着する。コネクタ4の構造は特に限定されるものではないが、コネクタ4の部分ではケーブル3の心線のツイストを解く必要がある。したがって、コネクタ4の部分において、動力装置5が放射するノイズ、あるいは動力装置5が外部から受けるノイズが増大する懸念がある。そこで、本実施形態では、コネクタ4を覆うシールドケース11を備えることで、外部からのノイズの影響を防ぎ、外部へのノイズの漏出を低減している。
シールドケース11は、例えば金属などの導体で構成されている。制御部2のケース(筐体)も導体で構成しておき、シールドケース11と電気的に導通させ、それらを接地することで、ノイズ抑制の効果が大きくなる。シールドケース11には、ケーブル3を通す開口が設けられているが、開口を十分に小さくしておくことで、ノイズの影響を抑制することができる。あるいは、ケーブル3の周囲に編組シールドを敷設し、シールドケース11の開口とを接触させて隙間が生じないように構成してもよい。なお、本実施形態および変形例と上述の種々の実施形態および変形例とを組み合わせて実施しても構わない。
[実施形態4]
図9から図13を参照して、本発明の実施形態4について説明する。実施形態1と同様の事項については、説明を省略または簡略化する。
図9は、実施形態4に係る動力装置の構成を示す模式図である。図9に示すように、動力装置5は、多軸駆動装置1010、多軸駆動装置1010を駆動制御するための制御部2、制御部2と多軸駆動装置1010とを接続するケーブル3Rを備えている。ここでは、多軸駆動装置1010が、6軸多関節ロボットである場合を例に挙げて説明する。
図9から図13を参照して、本発明の実施形態4について説明する。実施形態1と同様の事項については、説明を省略または簡略化する。
図9は、実施形態4に係る動力装置の構成を示す模式図である。図9に示すように、動力装置5は、多軸駆動装置1010、多軸駆動装置1010を駆動制御するための制御部2、制御部2と多軸駆動装置1010とを接続するケーブル3Rを備えている。ここでは、多軸駆動装置1010が、6軸多関節ロボットである場合を例に挙げて説明する。
多軸駆動装置1010としての6軸多関節ロボットは、各軸を独立に動かすことができるように、少なくとも6台の電動機を備えている。ケーブル3Rには、電動機と同数の動力線が含まれている。
制御用コンピュータである制御部2には、例えば、6軸多関節ロボットの関節の姿勢(位置や角度)、あるいはロボットアームの先端などに配置された基準部の位置などを変更させるための操作部が配置されている。ユーザが操作部を介して何らかの動作を指示すると、制御部2はケーブル3Rを介して動力や制御信号を送り、ロボットアームの動作を制御する。その際には、制御部2がロボット制御プログラムを実行することにより、ロボットアームの各部が制御される。
尚、ロボット制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。例えば、プログラムを供給するための記録媒体としては、ROMや、ディスク、外部記憶装置等を用いてもよい。具体例を挙げて説明すると、記録媒体として、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、USBメモリ等の不揮発性メモリ、SSD等を用いることができる。
図10は、ケーブル3Rの断面を示す断面図である。図示のように、ケーブル3Rには、6台の電動機を個別に駆動制御するための動力線PW1~動力線PW6が含まれている。6台の電動機は三相誘導電動機であるため、動力線PW1~動力線PW6の各々は、図2(a)を参照して説明したように、駆動電流のU相用の心線31、駆動電流のV相用の心線32、駆動電流のW相用の心線33がツイストされた構成になっている。
本実施形態のケーブル3Rでは、動力線PW1~動力線PW6を隣接させて束ねているが、それぞれの動力線は、心線がツイストされた構造を有している。心線をツイストさせた構造による打ち消し効果のため、電動機の駆動によって各動力線から発せられる電磁界ノイズ(特にコモンモードノイズ)は、非常に低減されている。また、ノイズ源から各動力線が受ける電磁界ノイズの影響も、係るツイスト構造による打ち消し効果により、低減されている。
本実施形態では、図10に示すように、信号配線305をケーブル3Rの内部空間(6本の動力線の束に存する空隙)に配置することが可能である。すなわち、ケーブルの長手方向と直交する方向でケーブルを断面視した時、信号配線が、複数の動力線に囲まれるように配置されている。信号配線305は、例えば、6軸多関節ロボットが備えるエンコーダ、トルクセンサ、画像センサ等のセンサと制御部2の間で交わされる情報信号や、電動機の回転をサーボコントロールするための制御信号等を伝送する経路として配置できる。本実施形態では、動力線PW1~動力線PW6から放射されるノイズが低減されているため、動力線と近接させて信号配線を配置しても、問題となるレベルのノイズが信号線に発生することはない。
本実施形態は、前述のように、動力線PW1~動力線PW6の各々が心線31~心線33をツイストさせた構造を備えているが、量産性を考慮すれば、どの動力線についても心線をツイストさせるピッチは同一とするのが好ましい。一方、複数の動力線を近接して配置する場合に、隣り合う動力線の心線同士で電磁界のベクトルが一致して、ノイズの強度を強め合うことが懸念される場合には、心線のツイストピッチを隣り合う動力線どうしで異なるように構成することができる。ツイストピッチとは、ツイストの1巻きあたりの長さの事である。
例えば、図11に例示するように、動力線PW1のツイストピッチP1と、動力線PW2のツイストピッチP2を異なる長さとすることで、隣り合う心線同士では電磁界のベクトルにずれが生じるため、ノイズ同士の強め合いを抑制することができる。
また、本実施形態では、多軸駆動装置1010としての6軸多関節ロボットの駆動に用いられる空圧や油圧の伝達経路(チューブ)を、ケーブル内の動力線間の隙間に配置できる。例えば、ロボットアームの先端にエンドエフェクタとして空圧駆動のチャックが装着される場合のように、多軸駆動装置1010に気体や液体の圧力で駆動される機構が設けられる場合に、本実施形態のケーブルは好適に用いられる。
例えば、図12に断面を例示するケーブル3Sでは、心線をツイストさせた動力線PW1~動力線PW6が外皮SKにより束ねられている。ケーブルの長手方向と直交する方向でケーブルを断面視した時、動力線PW1~動力線PW6に囲まれた中央の空間にはエアチューブ12が配置されている。係る構成を採用することにより、動力線だけでなく空圧や液圧の圧力管も含めたケーブルハーネスの径を拡大することなく、コンパクトなケーブルを実現することができる。
さらに、比較的大径の空圧や液圧のチューブだけでなく、信号配線をもケーブルに実装する場合には、隣接する動力線間の隙間に信号配線を配置することができる。
例えば、図13に断面を例示するケーブル3Tでは、心線をツイストさせた動力線PW1~動力線PW6が外皮SKにより束ねられている。ケーブルの長手方向と直交する方向でケーブルを断面視した時、動力線PW1~動力線PW6に囲まれた中央の空間にはエアチューブ12が配置されている。さらに、隣接する動力線と外皮SKに囲まれた領域には、信号配線305が配置された構成となっている。信号配線305は、例えば、6軸多関節ロボットが備えるエンコーダ、トルクセンサ、画像センサ等のセンサと制御部2の間で交わされる情報信号や、電動機の回転をサーボコントロールするための制御信号等を伝送する経路として配置できる。係る構成を採用することにより、動力線だけでなく空圧や液圧の管および信号配線も含めたケーブルハーネスの径を拡大することなく、コンパクトなケーブルを実現することができる。なお、本実施形態および変形例と上述の種々の実施形態および変形例とを組み合わせて実施しても構わない。
例えば、図13に断面を例示するケーブル3Tでは、心線をツイストさせた動力線PW1~動力線PW6が外皮SKにより束ねられている。ケーブルの長手方向と直交する方向でケーブルを断面視した時、動力線PW1~動力線PW6に囲まれた中央の空間にはエアチューブ12が配置されている。さらに、隣接する動力線と外皮SKに囲まれた領域には、信号配線305が配置された構成となっている。信号配線305は、例えば、6軸多関節ロボットが備えるエンコーダ、トルクセンサ、画像センサ等のセンサと制御部2の間で交わされる情報信号や、電動機の回転をサーボコントロールするための制御信号等を伝送する経路として配置できる。係る構成を採用することにより、動力線だけでなく空圧や液圧の管および信号配線も含めたケーブルハーネスの径を拡大することなく、コンパクトなケーブルを実現することができる。なお、本実施形態および変形例と上述の種々の実施形態および変形例とを組み合わせて実施しても構わない。
[他の実施形態]
なお、本発明は、以上説明した実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
例えば、実施形態4では、多軸駆動装置1010が6軸多関節ロボットである場合を例に説明したが、多軸駆動装置1010の形態はこれに限られるわけではない。例えば、制御部2に設けられた記憶装置の情報に基づいて動力線を介して電動機を駆動制御し、伸縮、屈伸、上下移動、左右移動もしくは旋回の動作またはこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械や設備において実施することができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
例えば、実施形態4では、多軸駆動装置1010が6軸多関節ロボットである場合を例に説明したが、多軸駆動装置1010の形態はこれに限られるわけではない。例えば、制御部2に設けられた記憶装置の情報に基づいて動力線を介して電動機を駆動制御し、伸縮、屈伸、上下移動、左右移動もしくは旋回の動作またはこれらの複合動作を自動的に行うことができる機械や設備において実施することができる。
本発明を実施したケーブルは、トルクセンサを有しトルク制御が可能なロボット装置に好適に用いることができる。例えば、自動車のエンジン部品の組み立てなど、数百グラムから数キログラムの大荷重を対象物に与えるような組み立て作業を行うロボット装置に適用することができる。あるいは、例えば、重量が数グラムの微小な部品、薄いフィルムやシートの操作など、組立時に対象物に与える荷重が数グラム程度の微小荷重の組み立て作業を行うロボット装置にも好適に用いることができる。すなわち、本発明を実施したケーブルを備えたロボット装置を用いれば、例えば関節を駆動する電動機がノイズの影響を受けずに動作するため、高い作業精度で物品を製造する方法(物品の製造方法)を実施することができる。
また、本発明を実施したケーブルを備えたロボット装置では、制御部が当該ケーブルを介してアクチュエータやエンドエフェクタを駆動・制御することにより、高い精度でロボット装置の動作を制御するロボットの制御方法を実行することができる。係る制御方法によりロボット装置の姿勢を変化させれば、動力線に起因するノイズの影響(放射および侵入)が抑制されているため、動力装置や周辺装置がノイズ(特にコモンモードノイズ)の影響を受けにくい。
本発明は、電動機を用いる用途全般で利用できる。例えば工場の自動組立ラインのように、電磁ノイズの影響に敏感な機器が近接して配置された環境で使用されるロボット装置の電動機用の動力線に適用することで、好ましい効果が得られる。あるいは、強い電磁ノイズを発生させる機器の付近で稼働するロボット装置の動力線や、電波塔のアンテナ付近等で稼働させるロボット装置の動力線などに適用することで、好ましい効果が得られる。
1・・・電動機/2・・・制御部/3、3R、3S、3T・・・ケーブル/4・・・コネクタ/5・・・動力装置/11・・・シールドケース/31、32、33、34、35・・・心線/101・・・駆動波形/102・・・信号波形/103・・・ノイズ/300、301、302・・・心線/305・・・信号配線/1010・・・多軸駆動装置/P1、P2・・・ツイストピッチ/PW1、PW2、PW3、PW4、PW5、PW6・・・動力線
Claims (17)
- 電動機と制御部とを接続するケーブルにおいて、
前記ケーブルは、前記電動機に電力を供給する動力線を含み、
前記動力線は、ツイストされた複数の心線を備える、
ことを特徴とするケーブル。 - 前記電動機は三相誘導電動機であり、
前記複数の心線は、U相を伝達する心線、V相を伝達する心線、W相を伝達する心線を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル。 - 前記ツイストされた複数の心線には、前記電動機のケースを接地する心線が含まれている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル。 - 前記ケーブルは、前記制御部とブレーキとを接続するブレーキ用配線を更に含み、
前記ケーブルを長手方向と直交する断面で見た時、前記ブレーキ用配線は前記ツイストされた複数の心線に囲まれている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のケーブル。 - 前記ブレーキ用配線は、ツイストされた複数のブレーキ用心線を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載のケーブル。 - 前記ケーブルは、シールドケースで覆われたコネクタを介して前記制御部と着脱可能に接続される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のケーブル。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のケーブルを備え、
電動機を備えたロボットアームと、前記ロボットアームを制御する制御部とが、前記ケーブルで接続されている、
ことを特徴とするロボット装置。 - 前記ロボットアームは、複数の電動機を備え、
前記ケーブルは、前記複数の電動機と接続する複数の前記動力線を備える、
ことを特徴とする請求項7に記載のロボット装置。 - 前記ケーブルは、前記制御部と前記ロボットアームとを接続する信号配線を更に含み、
前記ケーブルの長手方向と直交する方向で前記ケーブルを断面視した時、前記信号配線は、前記複数の前記動力線に囲まれている、
ことを特徴とする請求項8に記載のロボット装置。 - 前記ロボットアームは、気体または液体の圧力で駆動される機構を備え、
前記ケーブルは、前記ロボットアームに気体または液体の圧力を伝達するチューブを更に含み、
前記ケーブルの長手方向と直交する方向で前記ケーブルを断面視した時、前記チューブは前記複数の前記動力線に囲まれている、
ことを特徴とする請求項8に記載のロボット装置。 - 前記ケーブルは、前記制御部と前記ロボットアームとを接続する信号配線を更に含み、
前記ケーブルの長手方向と直交する方向で前記ケーブルを断面視した時、前記信号配線は、隣接する前記動力線の間に配置されている、
ことを特徴とする請求項10に記載のロボット装置。 - 前記ケーブルは、ツイストピッチが互いに異なる前記動力線を備える、
ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のロボット装置。 - 請求項7乃至12のいずれか1項に記載のロボット装置を制御する方法であって、
前記制御部から前記電動機に、前記ケーブルを介して駆動電力が伝達される、
ことを特徴とするロボット装置の制御方法。 - 前記ロボットアームはトルクセンサを備え、
前記ケーブルは、前記トルクセンサと前記制御部が通信するための信号線を含んでいる、
ことを特徴とする請求項13に記載のロボット装置の制御方法。 - 請求項7乃至12のいずれか1項に記載のロボット装置を用いて、前記ロボットアームにより部品を組み立てる、
ことを特徴とする物品の製造方法。 - 請求項13または14に記載のロボット装置の制御方法を、前記制御部に実行させるためのプログラム。
- 請求項16に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
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JP2021200749A JP2023086321A (ja) | 2021-12-10 | 2021-12-10 | ケーブル、ロボット装置、ロボット装置の制御方法、物品の製造方法、プログラム、記録媒体 |
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JP2021200749A Pending JP2023086321A (ja) | 2021-12-10 | 2021-12-10 | ケーブル、ロボット装置、ロボット装置の制御方法、物品の製造方法、プログラム、記録媒体 |
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- 2021-12-10 JP JP2021200749A patent/JP2023086321A/ja active Pending
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