JP2023085965A - マウスピース - Google Patents

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Abstract

【課題】発声訓練や身体機能の改善に役立つマウスピースの提供。【解決手段】湾曲部11と押圧部13を有するマウスピース1。上記湾曲部は使用者の歯列に沿った形状に湾曲し、使用者の口腔内で上顎歯と下顎歯に接して位置決めされ、上記押圧部の表面の少なくとも一部が使用者の上顎に向かって突出し、使用者の軟口蓋を押し上げることができ、上記湾曲部の外部と上記押圧部の外部を結ぶ貫通孔が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明はマウスピース、特に使用者の軟口蓋を押し上げることができ使用者の顎や口腔の運動機能や使用者の発声を改善することができるマウスピースに関する。
人間の口腔は、顎や気道の機能と連動して、発声、発語、咬合、嚥下、表情などの様々な機能に関わる。このため、口腔内の筋肉の機能を高めることで、発声、発語、咬合、嚥下、表情に関する機能や能力を維持・向上することができると考えられる。口腔内の状態を分析すると共に、口腔とその周辺の運動機能を改善するための器具として、マウスピースが使用されている。このようなマウスピースとその利用法については下に挙げる特許文献1~5に記載されたように様々な例が提案されている。
口腔の運動機能の中でも軟口蓋の機能は嚥下や発声に大きく関わることが知られている。嚥下や発声をうまく行うためには軟口蓋を上げて喉を開く必要性がある。嚥下や発声の際の軟口蓋の位置を自身であるいは外部から確認し調節することは難しいため、軟口蓋の位置に問題があると疑われる場合には、マウスピースのような使用者の口腔内に配置した器具によって強制的に軟口蓋を適切な位置に保持して観察や訓練を行う必要がある。
しかしながら、特許文献1~5に記載された例では、軟口蓋の位置決めに特化した分析や訓練に注目していない。しかもこれらの例ではマウスピースの使用者が自力で簡単に分析や訓練を行うことが難しい。
特許文献6には、発声練習専用の器具が記載されている。この器具は拡腔体(1)、唇を覆うカバー(2)、突出体(3)を備え、使用者は突出体(3)を上下切歯で噛み支えて拡腔体(1)を口腔内に保持した状態で、発声練習する。しかしながらこの発声練習具には、器具全体を安定して保持することが難しく突出体(3)の位置が適正位置からずれ易いという問題がある。
特開2012-045143号公報 特開2013-192865号公報 特表2015-511519号公報 特表2017-524510号公報 特開2018-005204号公報 実開昭62-081975号公報
そこで本発明者は、使用者が簡単に取り扱うことができ、効果的な軟口蓋の位置決めを行うことができる手段を求めた。
その結果、使用者が噛むことで簡単に位置決めでき、使用者の軟口蓋を効果的に押し上げる部材を備えるマウスピースを完成した。すなわち本発明は以下のものである。
(発明1)
湾曲部と押圧部を有するマウスピースであって、
上記湾曲部は、
使用者の歯列に沿った形状に湾曲し、
使用者の口腔内において、上下左右中切歯を含む上顎歯と下顎歯の少なくとも2組4本に接することによって、上記マウスピースを使用者の口腔内に位置決めし、
上記押圧部は、
上記湾曲部に接続し、
上記マウスピースが使用者の口腔内に位置決めされた状態では、
使用者の口腔内にあって、表面の少なくとも一部が使用者の上顎に向かって突出し、上位湾曲部と反対側にある端部が使用者の咬合面上あるいは上記咬合面と使用者の軟口蓋とで挟まれた空間にあり、使用者の軟口蓋を押し上げることができ、
上記湾曲部の外部と上記押圧部の外部を結ぶ貫通孔が形成されている、
マウスピース。
(発明2)
上記貫通孔には孔径を維持するための支持部材が配置されている、
(発明3)
さらに通気部を有し、
上記通気部は、
上記湾曲部の上記貫通孔に接続し、上記湾曲部が使用者の口腔内にある状態で使用者の口腔外に開口する、
請求項1に記載のマウスピース。
(発明4)
さらに通気部を有し、
上記通気部は、
上記湾曲部の上記貫通孔に接続し、上記湾曲部が使用者の口腔内にある状態で使用者の口腔外に開口し、
上記通気部が、上記開口を維持するための支持部材を有する、
請求項1に記載のマウスピース。
(発明5)
上記押圧部が、
上記マウスピースが使用者の口腔内に位置決めされた状態で、使用者の軟口蓋と硬口蓋とを押し上げることができる、
請求項1に記載のマウスピース。
(発明6)
上記押圧部が、上記湾曲部から使用者の口腔奥に向かって延長する棒状部材である、請求項1に記載のマウスピース。
(発明7)
上記押圧部が、上記湾曲部から使用者の口腔奥に向かって展開するドーム状部材である、請求項1に記載のマウスピース。
(発明8)
上記押圧部が、エラストマー及び/又はゴムを含むプラスチック材料で形成されている、請求項1に記載のマウスピース。
(発明9)
上記湾曲部が、その表面の少なくとも一部に上記位置決めを助ける凹凸構造を有する、請求項1に記載のマウスピース。
(発明10)
上記押圧部と上記湾曲部とを繰り返し分離・接続することができる、請求項1に記載のマウスピース。
(発明11)
使用者の口腔,顎または口腔の周辺から選ばれる1以上の部位の筋機能を改善するための、請求項1に記載のマウスピース。
(発明12)
使用者の発声を改善するための、請求項1に記載のマウスピース。
本発明のマウスピースの湾曲部の全体が、上顎歯と下顎歯の間で固定し保持される。このため、本発明のマウスピースは使用時に適正位置からずれ難い。
本発明のマウスピースは通気部を有するため、使用者の呼吸を妨げない。このため、鼻呼吸が苦手な使用者であっても本発明のマウスピースを長時間装着することができる。さらに、使用者がマウスピースを装着したまま発声することも可能であり、この場合、使用者の発声状況を外部から正確に観察・分析することができる。
本発明のマウスピースの押圧部の概ね全体が使用者の上顎に向かって延長又は突出しており、使用者の舌や下顎に対して不必要な作用をし難い。このため、本発明のマウスピースは効果的に使用者の軟口蓋を押し上げることができる。
本発明のマウスピースの1例を上から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を横から見た様子。 本発明のマウスピースの1例と使用者を横から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を上から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を下から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を横から見た様子。 本発明のマウスピースの1例と使用者を横から見た様子。 本発明のマウスピースの1例の一部。 本発明のマウスピースの1例の一部。 本発明のマウスピースの1例を上から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を下から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を横から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を後ろから見た様子。 本発明のマウスピースの1例を前から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を上から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を下から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を横から見た様子。 本発明のマウスピースの1例を後ろから見た様子。 本発明のマウスピースの1例を前から見た様子。
[マウスピース]
本発明のマウスピースは少なくとも2種の部位:湾曲部と押圧部を有する。ここで「マウスピース」は使用者の口腔内に置かれる道具を指し、医療、福祉、教育などの使用目的を問わない。具体的には、本発明のマウスピースは使用者の口腔や顎の機能を向上するための、あるいは使用者の発声や発話の機能を向上するための訓練器具である。
[湾曲部]
上記湾曲部は、使用者の歯列に沿った形状に湾曲する部位である。上記湾曲部は、使用者の口腔内において、上下左右中切歯を含む上顎歯と下顎歯の少なくとも2組4本に接することによって、上記マウスピースを使用者の口腔内に位置決めする。ここで「1組」とは正常な歯列状態であれば咬合する上顎歯と下顎歯の2本を指す。
使用者が本発明のマウスピースを装着した状態で使用者の口腔内で上記湾曲部が接する歯は、典型的には、上顎の左右の中切歯、上顎の左右側切歯、下顎の左右中切歯、下顎の左右側切歯からなる4組8本である。上記4組8本と共に上顎の左右犬歯と下顎の左右犬歯を含む6組12本が上記湾曲部に接していてもよく、6組12本と共に第一小臼歯から上下第三大臼歯までの歯列の一部以上に接してもよい。上下歯列との十分な接触面を確保するために上記湾曲部の幅を臼歯に近づくほど大きくすることができる。
上記湾曲部には、安全面では適度な柔軟性と弾性が、衛生面では有害物質の進出がないこと、高温高圧下あるいは放射線照射などの殺菌・滅菌処理に対する耐久性、使用感の面では適度な平滑性と不快な匂いや味覚を発しないことなどが求められる。したがって上記湾曲部の材質は、一般的には、従来スポーツや医療の分野で用いられているマウスピースの材料と同様である。上記材質は、好ましくは、各種エラストマー及び/又はゴムを主体とし、各種規制や規格に適合した添加剤が配合されたプラスチック材料からなる。シリコン系のエラストマー及び/又はゴムは、耐熱性や柔軟性の面で好ましい。また適度な剛性を確保するために、比較的柔軟なシリコン系のエラストマー及び/又はゴムに高結晶性ポリプロピレンやエチレン・プロピレングロックコポリマーなどの比較的硬い樹脂を配合することができる。さらにガラス繊維やシリコンビーズなどの強化充填材を配合することもできる。
上記湾曲部は、上述のようなプラスチック材料を射出成形することによって得られる。上記射出成形の条件は上記湾曲部の大きさや形状に応じて設定される通常は1つの金型で上記湾曲部全体を成形する。
上記湾曲部には凹凸構造を設けることができる。この凹凸構造は、本発明のマウスピースを使用者の口腔内に適切に位置決めする際の助けとなる。上記凹凸構造は使用者の上下歯が上記湾曲部の表面から滑らないように促す構造であれば制限されない。上記凹凸構造は、例えば、突起、棒、線、溝として設けられる。突起、棒、線、溝の寸法や位置、数は上記湾曲部が接する歯の位置に応じて多様である。通常は、最高点と最低点との差が0.5mm以上5mm以下、好ましくは0.5mm以上3mm以下、間隔(ピッチ)が0.5mm以上1cm以下、好ましくは1mm以上5mm以下である突起、棒、線、溝である。上記凹凸構造を突起で形成する場合には、個々の突起の形状は、球、楕円、不定形などのいずれでもよい。上記凹凸構造を棒、線、溝で形成する場合には、個々の棒、線、溝の長さや幅は、上記湾曲部の形状に応じて自在に設定される。一つの湾曲部に異なる形状の凹凸構造を配置してもよい。上記凹凸構造は、上記射出成形時に形成されてもよく、あるいは上記射出成形の後の表面処理により形成されてもよい。
上記湾曲部の最外面を耐摩耗性材料で構成することができる。このような耐摩耗性材料として、強化フィラーの濃度がより高い上記エラストマー及び/又はゴム材料、アクリル系、フッ素系あるいはポリカーボネートなどの高強度プラスチックを配合した上記エラストマー及び/又はゴム材料、シリコン樹脂やフッ素樹脂を主成分とするコーティング剤などが挙げられる。このような耐摩耗性材料で上記凹凸構造を形成してもよい。
上記湾曲部には貫通孔が形成されている。この貫通孔は、上記湾曲部が使用者の口腔内に位置決めされた状態で、使用者の口腔内部と後述の通気部とを連絡する部位である。上記貫通孔の一方の端部は後述の通気部に接続する。上記貫通孔の他方の端部は、上記湾曲部が使用者の口腔内に位置決めされた状態で、使用者の口腔内で開口している。
[押圧部]
上記押圧部は上記湾曲部に接続し、使用者の軟口蓋を押し上げる機能を有する部位である。上記押圧部は、後述のように全体が使用者の上顎に向かって傾斜する形状をとる場合には、使用者の硬口蓋から軟口蓋までの広範囲を押し上げる機能を有する。上記押圧部は、上記マウスピースが使用者の口腔内に位置決めされた状態では、使用者の口腔内にあって、表面の少なくとも一部が使用者の上顎に向かって突出し、上位湾曲部と反対側にある端部が使用者の咬合面上あるいは上記咬合面と使用者の軟口蓋とで挟まれた空間にある。
上記マウスピースが使用者の口腔内に位置決めされた状態では、上記押圧部の一方の端部が上記湾曲部に接続し、上記押圧部の他方の端部は本発明のマウスピースの他の部位に接触しない開放端である。上記一方の端部から上記他方の端部までの部位が押圧部である。上記押圧部は上記一方の端部から上記他方の端部まで徐々に使用者の上顎に近づくような形状をとる。すなわち上記押圧部は、上記一方の端部から上記他方の端部に向かって、使用者の口腔内で傾斜あるいは湾曲している。実際に使用者の軟口蓋に最初に接触し上記軟口蓋を直接押圧する部分は、上記他方の端部付近である。
上記押圧部は、使用者が本発明のマウスピースを装着した時点で使用者の軟口蓋に接近あるいは接触している。使用者が本発明のマウスピースを装着している間は、上記押圧部によって使用者の軟口蓋の位置は下顎から一定距離以上の距離に遠ざけられる。使用者の軟口蓋と上記押圧部との接触は軟口蓋の「下がり過ぎ」を意味する。使用者の軟口蓋と上記押圧部との非接触は軟口蓋の「上がった状態」を意味する。軟口蓋が「上がった状態」では使用者の喉が広く開く。この状態が嚥下や発声の際には好ましい。
本発明のマウスピースの使用者は、本発明のマウスピースを一定時間装着することにより、自身の口蓋の位置をそれまでよりも高い位置に矯正することができる。具体的には、上記押圧部が一定時間使用者の軟口蓋を押圧すると、軟口蓋の位置がより高い位置で固定され、上記押圧部からの外力が無くなっても軟口蓋はこのより高い位置に留まる傾向がある。このような軟口蓋のより高い位置での固定を繰り返すことにより、軟口蓋の位置が矯正される。軟口蓋の位置の上昇によって、使用者の喉の開きが大きくなるなどの、口腔空間の拡張が実現する。その結果、使用者はより高い声で発話や発声ができるようになり、あるいは使用者の嚥下や顎の機能が改善する。特に発声においては、音域が拡張する、音程がより正確になる、といった効果が確認されている。これらの効果は、本発明のマウスピースの装着によって輪状甲状筋が刺激されたことに起因すると考えられている。
上記押圧部の形状は、軟口蓋を押圧し、使用者の発声や呼吸を妨げず、口腔内部を傷つけず、使用者に不快感を与えない限り、制限されない。上記押圧部は、通常は、適度な柔軟性と弾性を有し滑らかな曲面で構成される。したがって、上記押圧部も、一般的には、上述の各種エラストマー及び/又はゴムを主体とし、各種規制や規格に適合した添加剤が配合されたプラスチック材料からなる。
上記押圧部は、例えば、上記湾曲部から使用者の口腔奥に向かって延長する棒状部材である。この場合、好ましくは、上記棒状の押圧部の上記湾曲部に接続しない(上記湾曲部とは反対側の)端部付近に膨らみを持たせる。典型的には、上記膨らみ部分をボール状とする。このような膨らみ部分で上記押圧部が上記軟口蓋に接触すると、使用者がこの接触を感知し易い。しかも、この場合は上記押圧部と軟口蓋との接触面積が比較的小さいため、使用者の不快感や使用者の呼吸や発声への妨げを最小限にとどめることができる。
上記棒状の押圧部は、一部以上を中空とすることができる。この場合、中空部の壁面の位置、割合、厚みなどで、上記棒状の押圧部全体の柔軟性や弾力性を調整することができる。
上記押圧部は、例えば、上記湾曲部から使用者の口腔奥に向かって展開するドーム状部材である。ここで「ドーム」は一部以上が曲面である薄壁で囲まれた形状を指し、上記ドーム状の押圧部の一方の端部は上記薄壁で囲まれた閉塞部であって上記湾曲部に接続し、上記ドーム状の押圧部の他方の端部は上記薄壁の開放端である。すなわちドーム状の押圧部は、いわゆる「傘型」、「ラッパ型」、「釣鐘型」、「漏斗型」、あるいはこれらに類似する形状をとる。
使用者が本発明のマウスピースを装着した状態では、使用者の上顎に向かって押圧部を形成するドーム(傘の布にあたる部分)が張り出す。本発明における「ドーム」は、上記ドームの壁(傘、ラッパ、釣鐘、漏斗やこれらに類似する形状をなす曲面)一部を切り欠いた形状であってもよい。上記ドームの底(漏斗の入り口、ラッパの先端部分にあたる部分)は平面であっても曲面であってもよい。使用者が本発明のマウスピースを装着した状態では、上記ドームの底に当たる部位は使用者の下顎と喉に沿って開放する。
このようなドーム状の押圧部が使用者の口腔内にあっても、使用者の嚥下が深刻な状態までには妨げられない。例えば、後述の[例2]のマウスピース(2)を装着した状態で使用者は舌を上顎に付けることができるので、嚥下することができる。また、このようなドーム状の押圧部は、軟口蓋に接触すると同時に、あるいは軟口蓋との接触に先立ち、硬口蓋にも接触することができる。上記ドーム状の押圧部が硬口蓋と軟口蓋の両方に接触することによって、使用者の口蓋全体が上記ドーム状の押圧部上で安定する。このため、使用者は意識的に軟口蓋を持ち上げることなく軟口蓋を「上がった状態」で維持することができる。
上記ドーム状の押圧部が、適度な柔軟性、弾性、耐久性と安全性、快適な使用感を兼ね備えるために、上記ドームの全体形状や寸法、壁面厚みを調節することができる。エラストマー及び/又はゴムを主体とするプラスチック材料は、形状や寸法、厚みの微細調節に有利である。
本発明のマウスピースの押圧部の材質は、上記湾曲部及び後述の通気部と同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、上記押圧部の材質は上記湾曲部及び通気部の材質と同じか同様である。射出成形などによって上記湾曲部と上記押圧部を一体成形してもよく、あるいは上記湾曲部と上記押圧部とを別々に成形した後に両者を連結してもよい。上記湾曲部と上記押圧部とを取り外し・再接続が可能となるように接続してもよい。上記湾曲部の1つに対して、接続・取り外し・再接続可能な異なる複数の押圧部(例えば棒状の押圧部と、ドーム状の押圧部)を組み合わせてもよい。このような繰り返しの分離・接続が可能な湾曲部と押圧部の組み合わせは、使用者の訓練段階の変化に合わせたマウスピースの設計や、マウスピースの洗浄や殺菌・滅菌操作に有利である。
上記湾曲部に設けた上記凹凸構造を、上記押圧部にも設けることができる。この場合、押圧部の外表面のうちで湾曲部に近い部分に上記凹凸構造が配置される。押圧部に設けられた凹凸構造は、好ましくは、使用者の上下中切歯が係ることができる突起、棒、線、溝であり、これら凹凸構造の形状と寸法は本発明のマウスピースの全体構造や上記押圧部の形状と寸法に適応させて自在に設定することができる。上記押圧部に設ける上記凹凸構造は、使用者が本発明のマウスピースを使用している時に常に上下歯に接する部位であってもよく、使用者が本発明のマウスピースの着脱の過程で一時的に上下歯をかける部位であってもよい。
[貫通孔]
本発明のマウスピースには、上記湾曲部の外部と上記押圧部の外部を結ぶ貫通孔が形成されている。この貫通孔によって、本発明のマウスピースが使用者の口腔に保持された状態でも使用者の呼吸路を確保することができる。
上記貫通孔の一方の端部は、上記湾曲部と上記押圧部の接続部に位置する。本発明のマウスピースが使用者の口腔に保持された状態で、上記一方の端部は使用者の口腔内にある。上記貫通孔の他方の端部は、上記湾曲部の外表面に到達している。本発明のマウスピースが使用者の口腔に保持された状態で、上記他方の端部は使用者の唇の外側に開口する。上記一方の端部と上記他方の端部との間が、使用者の呼気の流路となる。
好ましくは、使用者の呼吸を確実に確保するために、上記貫通孔には孔径を維持するための、言い換えれば貫通孔の径方向の変形を防ぐための、支持部材が設けられる。このような支持部材は一般的には上記貫通孔の内壁に径方向に差し渡された1以上の棒状部材である。上記支持部材は、典型的には、上記湾曲部の外表面に近い上記貫通孔の内部に差し渡される。
上記支持部材の材質は、上記湾曲及び/又は上記押圧部の部材と同じか同様であってもよく、上記湾曲及び/又は上記押圧部の部材よりも高硬度あるいは高剛性の部材であってもよい。
[通気部]
本発明のマウスピースには、さらに通気部を有することができる。上記通気部は、上記湾曲部の貫通孔に接続する部位である。上記通気部は、上記湾曲部が使用者の口腔内にある状態で、上記湾曲部に対して後述の押圧部と逆側すなわち使用者の唇側に延長する部位である。上記湾曲部が使用者の口腔内にある状態で、上記通気部は、一般的には、上記湾曲部の貫通孔から使用者の唇側に延長する中空管である。
上記湾曲部が使用者の口腔内にある状態で、上記通気部は使用者の口腔外に開口する。この通気部は、本発明のマウスピースを保持したまま使用者が呼吸するための部位である。上記湾曲部が使用者の口腔内に位置決めされた状態で、上記通気部を介して使用者の口腔内外に呼気が移動することができる。また、上記通気部が使用者の口腔外に開口しているため、本発明のマウスピースを装着したまま使用者が発声し、外部から使用者の声を聞くことができる。
上記通気部は、上記通気部の口腔外への開口を維持するための支持部材を有することができる。上記支持部材は、上述の、貫通孔に配置される支持部材と同様の形状と材質からなる。上記支持部材は、具体的には、上記湾曲部と反対側にある上記通気部の開口部に設けられた差し渡し部材である。このような差し渡し部材は、例えば、開口部の向かい合う1対の壁面を連結する棒状あるいは板状の部材である。このような支持部材を設けることによって、使用者の咬合圧が変化した場合や使用者の咬合圧が高い状態でも上記通気部の変形を防ぎ、上記通気部の開口性を維持することができる。
上記通気部の材質は、上記湾曲部と同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、上記通気部の材質は上記湾曲部の材質と同じか同様である。射出成形などによって上記湾曲部と上記開口部を一体成形してもよく、あるいは上記湾曲部と上記開口部とを別々に成形した後に両者を連結してもよい。上記湾曲部と上記開口部とを取り外し・再接続が可能となるように接続してもよい。
上記湾曲部に設けた上記凹凸構造を、上記通気部にも設けることができる。通気部に設けられた凹凸構造は、好ましくは、使用者の上下中切歯が係ることができる突起、棒、線、溝であり、これら凹凸構造の形状と寸法は本発明のマウスピースの全体構造や上記押圧部の形状と寸法に適応させて自在に設定することができる。上記通気部に設ける上記凹凸構造は、使用者が本発明のマウスピースの使用している時に常に上下歯に接する部位であってもよく、使用者が本発明のマウスピースの着脱の過程で一時的に上下歯をかける部位であってもよい。
上記通気部に、位置決め板部材を付属することもできる。上記位置決め板は、上記湾曲部を使用者が上下歯で挟む動作を補助する機能を有する。このような位置決め板は、一般的には、上記通気部の幅方向に広がって上記湾曲部と同じ向きに湾曲する。上記通気部の上記湾曲部と接続する端部と、上記通気部の開口する他方の端部との間に、上記板状部材が配置される。本発明のマウスピースの使用時には、上記通気部のうちで上記位置決め板よりも上記湾曲部に近い部分が使用者の口腔内にあり、上記位置決め板と上記通気部のうちで上記板状部材よりも上記湾曲部から遠い部分とが、使用者の口腔外(使用者の唇の前)にある。
上記通気部を、上記湾曲部の一部として形成してもよい。この場合、典型的には、中切歯で嵌合される部分に近い湾曲部の端部を周囲よりも突出させて、貫通孔の開口部を囲む凸部とする。凸部の開口部から押圧部に至る経路が使用者の呼気の流路となる。上記凸部に、上記貫通孔の孔径を維持するための支持部材を配置することができる。この場合の支持部材の形状、材質、機能は、[貫通孔]及び[通気部]で述べた通りである。
上記凸部の材質は上記湾曲部の他の部分と同じであっても異なっていてもよい。上記凸部を上記湾曲部と一体成形することができる。上記凸部の開口部に補強部材を配置することもできる。
[使用目的]
本発明のマウスピースは、例えば、使用者の顎,口腔, 顎または口腔の周辺から選ばれる1以上の部位の筋機能を改善するための医療用具あるいは訓練用具として使用される。本発明のマウスピースは、例えば、医療、福祉、教育、芸能の分野で、使用者の発声を改善するための訓練用具としても使用される。
使用者が本発明のマウスピースを口腔内に一定時間装着して軟口蓋を押圧することにより、使用者の軟口蓋の位置がそれまでよりも高い位置に矯正される。例えば、本発明のマウスピースを装着した状態を3分間継続した使用者が、マウスピースを外して発声練習を行ったところ、それまでよりも高い声が出るようになったという実験結果が報告されている。またこの場合には声色や音程の改善も期待できる。
本発明のマウスピースは、使用者の口蓋位置を調整あるいは矯正することによって、副次的に、誤飲防止、嚥下機能の改善、顎関節症の治療と予防、老化予防の機能も有する。したがって本発明のマウスピースの使用目的は広範である。
以下、図面を参照させて本発明品の例を説明する。図面は模式図である。図面上で本発明品の実物像の細部は省略または誇張されている。また図面は本発明品の一例に対応しているに過ぎず、本発明品は図示された態様に限定されない。
[例1]
本発明のマウスピースの1例であるマウスピース(1)を図1、図2、図3に示す。
図1はマウスピース(1)を上から見た様子を示す。図2はマウスピース(1)を横から見た様子を示す。ここで「上」は、使用者がマウスピース(1)を装着した状態での上顎側を意味する。図3は、マウスピース(1)を装着した使用者(50)の口腔内を透視した様子を示す。
マウスピース(1)は湾曲部(11)、通気部(12)、押圧部(13)を有する。湾曲部(11)、通気部(12)、押圧部(13)はシリコンゴムを主体とする柔軟な材料からなる。
湾曲部(11)は略U字状に湾曲する扁平な部材である。湾曲部(11)の中央部に貫通孔(111)が設けられる。図1には貫通孔(111)の内壁を点線で示す。この内壁は実際には見えない。貫通孔(111)に通気部(12)と押圧部(13)が連結する。湾曲部材(11)の両端に広がる1対の幅広部(112)は、押圧部(13)の長手方向に沿って押圧部(13)の一部を非接触で挟む。
通気部(12)の一方の端部(121)は湾曲部(11)の貫通孔(111)に接続する。通気部(12)の他方の端部(122)は開口している。
湾曲部(11)の表面には、凹凸構造として、溝(113)と棒状突起(114)が設けられている。溝(113)は主に使用者の切歯と犬歯の滑り止めに用いられる。この例では湾曲部(11)の上面に1本の溝(113)が設けられている。棒状突起(114)は主に使用者の臼歯の滑り止めに用いられる。この例では、幅広部(112)のそれぞれに、押圧部(13)に対して対象の位置に、それぞれ長さが異なる5本の棒状突起(114)が付属している。図1,図2に示されるように、湾曲部(11)の上表面に左右5本ずつ計10本の棒状突起(114)が配置されている。
押圧部(13)の、湾曲部(11)の幅広部(112)に挟まれている部分(131)は概ね幅広部(112)に並行に延長する。押圧部(13)のその他の部分(132)は上に向かって延長する。部分(132)の上端面(1321)は半球状をなし、使用者の軟口蓋(501)を押圧することができる。マウスピース(1)が使用者の口腔内に保持された状態で、押圧部(13)が上に向かって突出した状態が保持されるため、使用者(50)の舌(502)に向かう押圧部(13)の動きは抑制される。
押圧部(13)の上面にも凹凸構造として溝(133)が形成されている。この例では溝(133)は2本であり、使用者(50)は湾曲部(11)の溝(113)と棒状突起(114)と押圧部(13)の溝(133)を選択的に使用することができる。例えば口腔が広い使用者は溝(113)を噛んでマウスピース(1)を安定させ、例えば子供など口腔が狭い使用者は溝(133)を噛んでマウスピース(1)を安定させる。
部分(131)は中空である。部分(131)の一方の端部(1311)が湾曲部(11)の貫通孔(111)に接続する。部分(131)の他方の端部(1312)は開口し、かつ他の部分(132)に接続する。部分(132)は端部(1312)から延長する中空部材であり、その延長端は上述の半球状上端面(1321)として閉塞している。
使用者(50)の呼気は、押圧部(13)の開口する端部(1312)、湾曲部(11)の貫通孔(111)、通気部(12)の端部(122)を通る経路で、口腔内に流入し、口腔外に排出される。上記経路を形成する押圧部(13)、湾曲部(11)の壁面を点線で示す。点線は実際には見えない。
マウスピース(1)の使用者(50)は、一定時間あるいは反復して押圧部(13)の半球状上端面(1321)で軟口蓋(501)を押し上げることにより、軟口蓋(501)の位置を高い位置に矯正し、より良い発声ができるように訓練することができる。発声前にマウスピース(1)を装着することが発声練習と同じ効果をもたらすことは、本発明の驚くべき効果である。マウスピース(1)の使用者は、発声を繰り返すことなく、発声中に軟口蓋の位置を気にかけることなく、発声機能を改善することができる。
[例2]
本発明のマウスピースの他の例であるマウスピース(2)を図4、図5、図6、図7、図8、図9に示す。
図4はマウスピース(2)を上から見た様子を示す。図5はマウスピース(2)を下から見た様子を示す。ここで「上」は、使用者がマウスピース(2)を装着した状態での上顎側を意味する。ここで「下」は、使用者がマウスピース(2)を装着した状態での下顎側を意味する。図6はマウスピース(2)を横から見た様子を示す。図7は、マウスピース(2)を装着した使用者(60)の口腔内を透視した様子を示す。
マウスピース(2)は湾曲部(21)、通気部(22)、押圧部(23)、を有する。湾曲部(21)、通気部(22)、押圧部(23)はシリコン(一般にシリコンラバー、シリコンエラストマー、ポリシリコンと呼ばれる樹脂材料)を主体とする柔軟な材料からなる。
湾曲部(21)は略U字状に湾曲する板状の部材である。湾曲部(21)の中央部に貫通孔(211)が設けられる。図2には貫通孔(211)の内壁を点線で示す。この内壁は実際には見えない。貫通孔(211)に通気部(22)と押圧部(23)が連結する。湾曲部材(21)と押圧部(23)とは繰り返し着脱可能であって、湾曲部材(21)に押圧部(23)とは間隙無く密着することができる。
押圧部(23)の着脱方向を矢印で示す。湾曲部材(21)と押圧部(23)との接続手段として、柔軟部材を隙間なく噛み合わせるための手段を制限なく使用することができる。典型的には、玩具や各種容器に使用される凹凸部材や雌雄部材等からなる係合手段が用いられる。
湾曲部(21)の表面には、凹凸構造として、粒状突起(212)と棒状突起(213)が設けられている。この例では湾曲部(11)の上面に1本の溝(113)が設けられている。この例では、粒状突起(212)と棒状突起(213)とを併用することによって、湾曲部(21)の上下左右へのずれを防止することができる。湾曲部(21)の下面にも、湾曲部の上表面と上下対象な位置に粒状突起(212)と棒状突起(213)が設けられる。
押圧部(23)は一部を切り欠いたドーム状である。押圧部(23)の上部曲面(231)は、ドームの屋根に当たり滑らかに傾く曲面である。マウスピース(2)が使用者の口腔内に位置決めされた状態では、上部曲面(231)は、湾曲部材(21)側にある押圧部(23)の端部(232)から他方の端部(233)に向かって次第に上顎に接近する。上部曲面(231)は使用者(60)の軟口蓋(601)と硬口蓋(603)の両方に接することができる。上部(231)の下にある底部(234))は大きく開口している。マウスピース(2)が使用者の口腔内に位置決めされた状態では、押圧部(23)は底部(234)で下顎に向かって開口し、端部(233)で喉に向かって開口する。
図4に示すように、マウスピース(2)を上側から見ると、上部曲面(231)のみが視認でき、底部(234)は見えない。図5に示すように、マウスピース(2)を下側から見ると、底部(234)を通して上部曲面(231)の裏面(2301)が見える。裏面(2301)を含む押圧部の上部曲面(231)は、上に向かって(紙面の奥に向かって)湾曲する曲面である。上部曲面(231)は最も上にある端部(233)まで延長する。端部(233)と底部(234)は開口している。
押圧部(23)の上部曲面(231)は、湾曲部(21)に接する端部(231)から端部(233)に向かって傾く。上部曲面(231)は、次第に高くなるトンネルの外壁のような形状である。端部(231)と端部(233)は、上記トンネルの出入り口に相当する。端部(231)で形成される出入り口より、端部(233)で形成される出入り口が大きい。端部(233)、端部(231)、湾曲部(21)の貫通孔(211)、通気部(22)の端部(222)を通る経路が使用者(60)の口腔内外を結び、使用者(60)の呼吸路を形成する。
通気部(22)の一方の端部(221)は湾曲部(21)の貫通孔(211)に接続する。通気部(22)の他方の端部(222)は開口している。通気部(22)は位置決め板(223)を備える。端部(222)には支持部材(224)が連結されている。支持部材(224)は棒状部材であり、開口する端部(222)付近の内壁に接して上下方向に差し渡されている。
図8に、マウスピース(2)が使用者の口腔内に位置決めされた状態で使用者(60)の前面から通気部(22)を見た様子を示す。通気部(222)と位置決め板(223)は使用者(60)の口腔外にある。使用者(60)の呼気は貫通孔(211)を通過する。通気部(22)の端部(222)の開口が棒状の支持部材(224)によって保持される。
図9に、マウスピース(2)が使用者の口腔内に位置決めされた状態での押圧部(23)を喉(604)側から見た様子を示す。点線は屈曲の目安となる参考線であり実際には見えない。押圧部(23)は端部(232)で湾曲部(21)に接続している。湾曲部(21)の貫通孔(211)が視認できる。通気部(22)の開口部(222)に設けられた支持部材(224)も視認できる。湾曲部(21)の上下には凹凸構造としての棒状突起(213)が配置されている。押圧部(23)はシート状材料、好ましくはシリコン系樹脂で構成されており、口腔内で変形し難い硬度と剛性を有すると同時に、使用者の口腔内部を傷つけない程度の柔軟性と滑り性を有する。上部曲面(231)の裏面(2301)が視認できる。上部曲面(231)は傾斜する曲面であり、端部(233)まで延長する。端部(233)は上に向かって突出する弧を描き、使用者(60)の喉(604)に向かう開口部を形成する。 押圧部の底部(234)は下側に開口する。
マウスピース(2)が使用者の口腔内に位置決めされた状態では、使用者の唇は位置決め板(223)よりも口腔の奥側にある。
使用者(60)の呼気は、押圧部(23)の底部(234)、湾曲部(21)の貫通孔(211)、通気部(22)の端部(222)を通る経路で、口腔内に流入し、口腔外に排出される。上記経路を形成する押圧部(23)、湾曲部(21)の壁面を点線で示す。点線は実際には見えない。
マウスピース(2)の使用者(60)は、押圧部(23)の上部曲面(231)によって口蓋(301,303)を押し上げることができる。硬口蓋(603)が上部曲面(231)に押し上げられると自ずと軟口蓋(601)も上に移動するので、使用者(60)は上部曲面(231)が硬口蓋(603)に接触した状態を維持することによって軟口蓋(601)をより上の位置に保持し、使用者(60)の喉(604)をより開いた状態に維持することができる。
使用者(60)は、ドーム状の押圧部(23)を有するマウスピース(2)を装着したまま嚥下することができる。口腔内に溜まった唾液を飲み込む度にマウスピース(2)を外す必要がないので、使用者はマウスピース(2)を長時間装着することができる。
[例3]
本発明のマウスピースの他の例であるマウスピース(3)を図10~図14に示す。使用者がマウスピース(3)を装着した状態の方向に従い、図10は上から、図11は下から、図12は横から、図13は後ろから、図14は前から見た様子を示す。点線の用法はマウスピース(1),(2)の場合と同じである。湾曲部(31)と押圧部(33)はマウスピース(2)と同様の材料からなる。
貫通孔(311)は湾曲部(31)の外部と押圧部(33)の外部を繋ぎ、使用者の呼気の経路となる。湾曲部(31)の上面には凹凸構造として前方に2本、左右に4本の溝(312)が設けられている。前方の2本の溝(312)は、前歯の列に沿ってやや湾曲している。貫通孔(311)の押圧部(33)に接続していない端部は湾曲部(31)の外部に向かって開口しており、開口部には棒状の支持部材(324)が配置されている。
押圧部(33)の上部曲面(331)は上に向かって突出している。押圧部(33)の底部(334)は、開口した部分(3341)と閉塞した部分(3342)からなる。下から見ると開口部分(3341)の向こう(紙面の奥側)に上部曲面(331)の裏面(3301)が視認できる。押圧部(33)は端部(333)と開口部分(3341)で使用者の口腔内で開口する。上部曲面(331)が使用者の硬口蓋に接すると、使用者が意識しなくても使用者の軟口蓋が押し上げられる。閉塞部分(3342)は底部(334)に対して小さいため、使用者はマウスピース(3)を装着した状態で嚥下することができる。
[例4]
本発明のマウスピースの他の例であるマウスピース(4)を図15~図19に示す。使用者がマウスピース(4)を装着した状態の方向に従い、図15は上から、図16は下から、図17は横から、図18は後ろから、図19は前から見た様子を示す。点線の用法はマウスピース(1),(2),(3)の場合と同じである。湾曲部(41)と押圧部(43)はマウスピース(2)と同様の材料からなる。
貫通孔(411)は湾曲部(41)の外部と押圧部(43)の外部を繋ぎ、使用者の呼気の経路となる。湾曲部(41)の上面には凹凸構造として前方に2本、左右に6本の溝(412)が設けられている。前方の2本の溝(412)は、前歯の列に沿ってやや湾曲している。貫通孔(411)の押圧部(43)に接続していない端部を囲むように、湾曲部(31)の一部が凸部(414)を形成している。凸部(414)は通気部(42)を兼ねる。貫通孔(411)は凸部(414)の外部に向かって開口しており、開口部には棒状の支持部材(424)が配置されている。
押圧部(43)の上部曲面(431)は上に向かって突出している。押圧部(43)の底部(434)は、開口した部分(4341)と閉塞した部分(4342)からなる。下から見ると開口部分(4341)の向こう(紙面の奥側)に上部曲面(431)の裏面(4301)が視認できる。押圧部(43)は端部(433)と開口部分(4341)で使用者の口腔内で開口する。上部曲面(431)が使用者の硬口蓋に接すると、使用者が意識しなくても使用者の軟口蓋が押し上げられる。閉塞部分(4342)は底部(434)に対して小さいため、使用者はマウスピース(4)を装着した状態で嚥下することができる。
本発明のマウスピースを、医療、福祉、教育、芸能、スポーツなどの様々な分野で訓練器具として用いることができる。本発明は医療、福祉、教育、芸能、スポーツなどの様々な市場に性能に優れた新製品を提供することができる。
1 マウスピース
11 湾曲部
111 貫通孔
112 幅広部
113 溝
114 棒状突起
12 通気部
121 通気部の端部
122 通気部の端部
13 押圧部
131 押圧部の一部分
1311 部分131の端部
1312 部分131の端部
132 押圧部の一部分
1321 半球状の上端面
133 溝
2 マウスピース
21 湾曲部
211 貫通孔
212 粒状突起
213 棒状突起
22 通気部
221 通気部の端部
222 通気部の端部
223 位置決め板
224 支持部材
23 押圧部
231 押圧部の上部曲面
2301 上部曲面231の裏面
232 押圧部23の端部
233 押圧部23の端部
234 押圧部の底部
20 使用者
201 軟口蓋
202 舌
3 マウスピース
31 湾曲部
311 貫通孔
312 溝
324 支持部材
33 押圧部
331 押圧部の上部曲面
3301 上部曲面331の裏面
332 押圧部33の端部
333 押圧部33の端部
334 押圧部の底部
3341 底部334の開口部分
3342 底部334の閉塞部分
4 マウスピース
41 湾曲部
411 貫通孔
412 溝
414 凸部
42 通気部
424 支持部材
43 押圧部
431 押圧部の上部曲面
4301 上部曲面431の裏面
432 押圧部43の端部
433 押圧部43の端部
434 押圧部の底部
4341 底部434の開口部分
4342 底部434の閉塞部分
50 使用者
501 軟口蓋
502 舌
60 使用者
601 軟口蓋
602 舌
603 硬口蓋
604 喉

Claims (12)

  1. 湾曲部と押圧部を有するマウスピースであって、
    上記湾曲部は、
    使用者の歯列に沿った形状に湾曲し、
    使用者の口腔内において、上下左右中切歯を含む上顎歯と下顎歯の少なくとも2組4本に接することによって、上記マウスピースを使用者の口腔内に位置決めし、
    上記押圧部は、
    上記湾曲部に接続し、
    上記マウスピースが使用者の口腔内に位置決めされた状態では、
    使用者の口腔内にあって、表面の少なくとも一部が使用者の上顎に向かって突出し、上位湾曲部と反対側にある端部が使用者の咬合面上あるいは上記咬合面と使用者の軟口蓋とで挟まれた空間にあり、使用者の軟口蓋を押し上げることができ、
    上記湾曲部の外部と上記押圧部の外部を結ぶ貫通孔が形成されている、
    マウスピース。
  2. 上記貫通孔には孔径を維持するための支持部材が配置されている、
  3. さらに通気部を有し、
    上記通気部は、
    上記湾曲部の上記貫通孔に接続し、上記湾曲部が使用者の口腔内にある状態で使用者の口腔外に開口する、
    請求項1に記載のマウスピース。
  4. さらに通気部を有し、
    上記通気部は、
    上記湾曲部の上記貫通孔に接続し、上記湾曲部が使用者の口腔内にある状態で使用者の口腔外に開口し、
    上記通気部が、上記開口を維持するための支持部材を有する、
    請求項1に記載のマウスピース。
  5. 上記押圧部が、
    上記マウスピースが使用者の口腔内に位置決めされた状態で、使用者の軟口蓋と硬口蓋とを押し上げることができる、
    請求項1に記載のマウスピース。
  6. 上記押圧部が、上記湾曲部から使用者の口腔奥に向かって延長する棒状部材である、請求項1に記載のマウスピース。
  7. 上記押圧部が、上記湾曲部から使用者の口腔奥に向かって展開するドーム状部材である、請求項1に記載のマウスピース。
  8. 上記押圧部が、エラストマー及び/又はゴムを含むプラスチック材料で形成されている、請求項1に記載のマウスピース。
  9. 上記湾曲部が、その表面の少なくとも一部に上記位置決めを助ける凹凸構造を有する、請求項1に記載のマウスピース。
  10. 上記押圧部と上記湾曲部とを繰り返し分離・接続することができる、請求項1に記載のマウスピース。
  11. 使用者の口腔,顎または口腔の周辺から選ばれる1以上の部位の筋機能を改善するための、請求項1に記載のマウスピース。
  12. 使用者の発声を改善するための、請求項1に記載のマウスピース。
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