JP2023085934A - 偏光子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏光子の色相(直交色相b値)が良好であり、および向上した架橋度を有する偏光子の製造方法を提供すること。【解決手段】偏光子の製造方法であって、ポリビニアルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する染色処理工程と、前記染色処理工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを架橋剤で架橋させる架橋処理工程と、前記架橋処理工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに補色用処理液を用いて補色処理を施す補色処理工程と、補色処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに洗浄用処理液を用いて洗浄処理を施す洗浄処理工程とを含み、補色処理および洗浄処理の少なくともいずれか一方を行った後、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した補色用処理液または洗浄用処理液を除去する前に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを温度20℃以下の雰囲気下に暴露する冷却処理を行う、偏光子の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子の製造方法に関する。
特許文献1には、長尺のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに染色処理、架橋処理および延伸処理を施した後、洗浄処理および乾燥処理を行うことにより偏光子を製造する方法が開示されている。
特開2012-477999号公報
本発明の目的は、ニュートラルな色相(直交色相b値が0に近い)を有する偏光子の製造方法を提供することである。
本発明は、以下の偏光子の製造方法を提供する。
[1] 偏光子の製造方法であって、
ポリビニアルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する染色処理工程と、
前記染色処理工程後のポリビニルアルコール系樹脂を架橋剤で架橋させる架橋処理工程と、
前記架橋処理工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに補色用処理液を用いて補色処理を施す補色処理工程と、
前記補色処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに洗浄用処理液を用いて洗浄処理を施す洗浄処理工程と、
を含み、
前記補色処理および前記洗浄処理の少なくともいずれか一方を行った後、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した前記補色用処理液または前記洗浄用処理液を除去する前に、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを温度20℃以下の雰囲気下に暴露する冷却処理を行う、偏光子の製造方法。
[2] 前記冷却処理は、前記補色処理を行った後、前記補色用処理液を除去する前に行う、[1]に記載の偏光子の製造方法。
[3] 前記冷却処理は、前記洗浄処理を行った後、前記洗浄用処理液を除去する前に行う、[1]または[2]に記載の偏光子の製造方法。
[4] 前記補色用処理液または前記洗浄用処理液は、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムをニップロールを通過させることにより除去する、[1]~[3]のいずれかに記載の偏光子の製造方法。
本発明によれば、ニュートラルな色相を有する偏光子の製造方法を提供することができる。
偏光子の製造方法における装置の配置例を示す断面模式図である。 偏光子を含む偏光板の概略断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。
<偏光子の製造方法>
偏光子の製造方法は、ポリビニアルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する染色処理工程と、前記染色処理工程後のポリビニルアルコール系樹脂を架橋剤で架橋させる架橋処理工程と、前記架橋処理工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに補色用処理液を用いて補色処理を施す補色処理工程と、前記補色処理工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに洗浄用処理液を用いて洗浄処理を施す洗浄処理工程とを含み、補色処理および洗浄処理の少なくともいずれか一方を行った後、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した補色用処理液または洗浄用処理液を除去する前に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを20℃以下の温度の雰囲気下に暴露する冷却処理を行う。
偏光子は、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素(ヨウ素や二色性染料)が吸着配向しているものである。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂は通常、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。そのケン化度は、通常85モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは99モル%以上である。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、例えば、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体等であることができる。共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類等を挙げることができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000~10000、好ましくは1500~5000である。
これらのポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等も使用し得る。
本発明では、偏光子製造の開始材料として、厚みが65μm以下(例えば60μm以下)、好ましくは50μm以下の未延伸のポリビニルアルコール系樹脂フィルム(原反フィルム)を用いる。これにより市場要求が益々高まっている薄膜の偏光子を得ることができる。原反フィルムは、事前に気相中で延伸処理が施されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムでもよい。
原反フィルムの幅は特に制限されず、例えば300~6000mmであることができるが、フィルム幅が大きいほど延伸処理時にフィルム破断を生じやすい傾向にある。
本発明において原反フィルムは、長尺の未延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのロール(原反ロール)として用意される。
偏光子の製造方法は、長尺の未延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを偏光子製造装置のフィルム搬送経路に沿って連続的に搬送させ、後述する染色処理工程、架橋処理工程、補色処理工程および洗浄処理工程を実施することにより長尺の偏光子として連続製造することができる。偏光子の製造方法は、上記の長尺の原反フィルムを原反ロールから巻出する巻出工程、原反フィルムを膨潤浴に浸漬させた後に引き出す膨潤処理工程、洗浄処理後の偏光子を乾燥させる乾燥処理工程をさらに含むことができる。また、各工程の間(すなわち、いずれか1以上の工程前、いずれか1以上の工程後、および/またはいずれか1以上の工程中)に、湿式または乾式にて一軸延伸処理を施すことができる。
図1を参照しながら、偏光子の製造方法についてより詳細に説明する。図1は、偏光子の製造方法およびそれに用いる偏光子製造装置の一例を模式的に示す断面図である。図1に示される偏光子製造装置は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反(未延伸)フィルム10を、原反ロール11より連続的に巻出しながらフィルム搬送経路に沿って搬送させることにより、フィルム搬送経路上に設けられる膨潤浴13、染色浴15、架橋浴17、補色浴19、洗浄浴21、乾燥炉23を通過させるように構成されている。図1における矢印は、フィルムの搬送方向を示している。
図1に示される偏光子製造装置は、補色浴19に収容される補色用処理液の液面18と補色浴19の出口側(下流側)に設置されたニップロール12との間に、冷却処理を施す装置16が配置されている。図示されていないが、冷却処理を施す装置は、図1に示す冷却処理を施す装置16とともに、またはそれに代えて洗浄浴21に収容される洗浄用処理液の液面と洗浄浴21の出口側(下流側)に設置されたニップロール12との間に、冷却処理を施す装置を配置されてもよい。冷却処理については後述する。
図1において、得られた偏光子30は、例えば、そのまま次の偏光板作製工程(偏光子30の片面または両面に保護フィルムを貼合する工程)に搬送することができる。
なお図1は、膨潤浴13、染色浴15、架橋浴17、補色浴19、洗浄浴21および乾燥炉23をそれぞれ1槽ずつ設けた例を示しているが、必要に応じて、いずれか1以上の処理浴(膨潤浴13、染色浴15、架橋浴17、補色浴19および洗浄浴21のような、フィルム搬送経路上に設けられるポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して処理を施す処理液を収容する浴を総称して「処理浴」ともいう。)および乾燥炉を2以上設けてもよい。本明細書において、処理浴に収容される液を処理液ともいう。
処理浴には、処理液を次工程に持ち出さないために、処理液で処理を行ったポリビニルアルコール系樹脂フィルムから処理液を除去する除液手段を備えることができる。除液手段としては、例えばニップロール等が挙げられる。除液手段がニップロールである場合、例えば処理浴の出口側(下流側)にニップロールを設けて、処理液から引き出されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをニップロールで押圧・挟持することによりポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した処理液を除去することができる。
偏光子製造装置のフィルム搬送経路は、上記処理浴および乾燥炉の他、搬送されるフィルムを支持する、あるいはさらにフィルム搬送方向を変更することができるガイドロール14や、搬送されるフィルムを押圧・挟持し、その回転による駆動力をフィルムに与えることができる、あるいはさらにフィルム搬送方向を変更することができるニップロール12を適宜の位置に配置することによって構築することができる。ガイドロールやニップロールは、各処理浴および各乾燥炉の前後や処理浴中に配置することができ、これにより処理浴へのフィルムの導入・浸漬および処理浴からの引き出しを行うことができる。例えば、各処理浴中に1以上のガイドロールを設け、これらのガイドロールに沿ってフィルムを搬送させることにより、各処理浴にフィルムを浸漬させることができる。
図1に示される偏光子製造装置は、各処理浴の入口(上流側)および出口(下流側)にニップロールが配置されており(ニップロール12)、これにより、処理浴から引き出されたフィルムに付着する処理液を除去することができる。また、いずれか1以上の処理浴中で、その前後に配置されるニップロール間に周速差をつけて縦一軸延伸を行うロール間延伸を実施することが可能になっている。以下、各工程について説明する。
(膨潤処理工程)
膨潤処理工程は、原反フィルム10表面の異物除去、原反フィルム10中の可塑剤除去、易染色性の付与、原反フィルム10の可塑化等の目的で行われる。処理条件は、当該目的が達成できる範囲で、かつ原反フィルム10の極端な溶解や失透等の不具合を生じない範囲で決定される。
図1を参照して、膨潤処理工程は、原反フィルム10を原反ロール11より連続的に巻出しながら、フィルム搬送経路に沿って搬送させ、原反フィルム10を膨潤浴13に収容される膨潤用処理液に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。図1の例において、原反フィルム10を巻き出してから膨潤浴13に浸漬させるまでの間、原反フィルム10は、ガイドロール14およびニップロール12によって構築されたフィルム搬送経路に沿って搬送される。膨潤処理においては、ガイドロール14によって構築されたフィルム搬送経路に沿って搬送される。
膨潤用処理液としては、純水のほか、ホウ酸(特開平10-153709号公報)、塩化物(特開平06-281816号公報)、無機酸、無機塩、水溶性有機溶媒、アルコール類等を0.01~10質量%の範囲で添加した水溶液を使用することも可能である。
膨潤用処理液の温度は、例えば10~50℃、好ましくは10~40℃、より好ましくは15~30℃である。原反フィルム10の浸漬時間は、好ましくは10~300秒、より好ましくは20~200秒である。また、原反フィルム10が予め気体中で延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムである場合、膨潤用処理液の温度は、例えば20~70℃、好ましくは30~60℃である。原反フィルム10の浸漬時間は、好ましくは30~300秒、より好ましくは60~240秒である。
膨潤処理では、原反フィルム10が幅方向に膨潤してフィルムにシワが入るといった問題が生じやすい。このシワを取りつつフィルムを搬送するための1つの手段として、ガイドロールにエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることが挙げられる。シワの発生を抑制するためのもう1つの手段は延伸処理を施すことである。例えば、2つのニップロールの周速差を利用して膨潤浴13中で一軸延伸処理を施すことができる。
膨潤処理では、フィルムの搬送方向にもフィルムが膨潤拡大するので、フィルムに積極的な延伸を行わない場合は、搬送方向のフィルムのたるみを無くすために、例えば、膨潤浴13の前後に配置するニップロールの速度をコントロールする等の手段を講ずることが好ましい。また、膨潤浴13中のフィルム搬送を安定化させる目的で、膨潤浴13中での水流を水中シャワーで制御したり、EPC装置(Edge Position Control装置:フィルムの端部を検出し、フィルムの蛇行を防止する装置)等を併用したりすることも有用である。
図1に示される例において、膨潤浴13から引き出されたフィルムは、膨潤浴13のニップロールを通過して染色浴15へ導入される。
(染色処理工程)
染色処理工程は、膨潤処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着、配向させる等の目的で行われる。染色処理条件は、当該目的が達成できる範囲で、かつフィルムの極端な溶解や失透等の不具合が生じない範囲で決定される。図1を参照して、染色処理工程は、ガイドロールおよびニップロールによって構築されたフィルム搬送経路に沿って搬送させ、膨潤処理後のフィルムを染色浴15に収容された二色性色素を含む染色用処理液に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。二色性色素の染色性を高めるために、染色処理工程に供されるフィルムは、少なくともある程度の一軸延伸処理を施したフィルムであることが好ましく、または染色処理前の一軸延伸処理の代わりに、あるいは染色処理前の一軸延伸処理に加えて、染色処理時に一軸延伸処理を行うことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色用処理液には、例えば、濃度が質量比でヨウ素/ヨウ化カリウム/水=0.003~0.3/0.1~10/100である水溶液を用いることができる。ヨウ化カリウムに代えて、ヨウ化亜鉛等の他のヨウ化物を用いてもよく、ヨウ化カリウムと他のヨウ化物を併用してもよい。また、ヨウ化物以外の化合物、例えば、ホウ酸、塩化亜鉛、塩化コバルト等を共存させてもよい。ホウ酸を添加する場合は、ヨウ素を含む点で後述する架橋処理と区別され、水溶液が水100質量部に対し、ヨウ素を0.003質量部以上含んでいるものであれば、染色浴15とみなすことができる。フィルムを浸漬するときの染色浴15の温度は、通常10~45℃、好ましくは10~40℃であり、より好ましくは20~35℃であり、フィルムの浸漬時間は、通常30~600秒、好ましくは60~300秒である。
二色性色素として水溶性二色性染料を用いる場合、染色用処理液には、例えば、濃度が質量比で二色性染料/水=0.001~0.1/100である水溶液を用いることができる。この染色浴15には、染色助剤等を共存させてもよく、例えば、硫酸ナトリウム等の無機塩や液面活性剤などを含有していてもよい。二色性染料は1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上の二色性染料を併用してもよい。フィルムを浸漬するときの染色用処理液の温度は、例えば20~80℃、好ましくは30~70℃であり、フィルムの浸漬時間は、通常30~600秒、好ましくは60~300秒である。
上述のように染色処理工程では、染色浴15でフィルムの一軸延伸を行うことができる。フィルムの一軸延伸は、染色浴15の前後に配置したニップロール間に周速差をつけるなどの方法によって行うことができる。
染色処理工程においても、膨潤処理工程と同様にフィルムのシワを除きつつポリビニルアルコール系樹脂フィルムを搬送するために、ガイドロールにエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることができる。シワの発生を抑制するためのもう1つの手段は、膨潤処理と同様、延伸処理を施すことである。
図1に示される例において、染色浴15から引き出されたフィルムは、ニップロール12を通過して架橋浴17へ導入される。
(架橋処理工程)
架橋処理工程は、架橋による耐水化などの目的で行う処理である。図1を参照して、架橋処理は、ガイドロールおよびニップロールによって構築されたフィルム搬送経路に沿って搬送させ、架橋浴17に収容される架橋剤を含有する架橋用処理液に染色処理後のフィルムを所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。架橋剤としては、例えばホウ酸等が挙げられる。
架橋用処理液としては、水100質量部に対してホウ酸を例えば1~10質量部含有する水溶液であることができる。架橋用処理液は、染色処理で使用した二色性色素がヨウ素の場合、ホウ酸に加えてヨウ化物を含有することが好ましく、その量は、水100質量部に対して、例えば1~30質量部とすることができる。ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛等が挙げられる。また、ヨウ化物以外の化合物、例えば、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ジルコニウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸ナトリウム等を共存させてもよい。
架橋処理においては、その目的によって、ホウ酸およびヨウ化物の濃度、並びに架橋用処理液の温度を適宜変更することができる。例えば、架橋処理の目的が架橋による耐水化であり、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対し、膨潤処理、染色処理および架橋処理をこの順に施す場合、架橋浴の架橋剤含有液は、濃度が質量比でホウ酸/ヨウ化物/水=3~10/1~20/100の水溶液であることができる。必要に応じ、ホウ酸に代えてグリオキザールまたはグルタルアルデヒド等の他の架橋剤を用いてもよく、ホウ酸と他の架橋剤を併用してもよい。フィルムを浸漬するときの架橋浴の温度は、通常50~70℃、好ましくは53~65℃であり、フィルムの浸漬時間は、通常10~600秒、好ましくは20~300秒、より好ましくは20~200秒である。また、膨潤処理前に予め延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して染色処理および架橋処理をこの順に施す場合、架橋浴17の温度は、通常50~85℃、好ましくは55~80℃である。
架橋処理は複数回行ってもよく、通常2~5回行われる。この場合、使用する各架橋浴の組成および温度は、上記の範囲内であれば同じであってもよく、異なっていてもよい。架橋処理は、それぞれ複数の工程で行ってもよい。
2つのニップロールの周速差を利用して架橋浴17中で一軸延伸処理を施すこともできる。
架橋処理工程においても、膨潤処理工程と同様にフィルムのシワを除きつつポリビニルアルコール系樹脂フィルムを搬送するために、ガイドロールにエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることができる。シワの発生を抑制するためのもう1つの手段は、膨潤処理工程と同様、延伸処理を施すことである。
図1に示される例において、架橋浴17から引き出されたフィルムはニップロール12を通過して補色浴19へ導入される。
(補色処理工程)
補色処理工程は、色相調整(補色)のための処理を行う工程である。補色処理は、補色浴19に収容される補色用処理液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬することにより行うことができる。補色剤としてヨウ化物、ホウ酸を用いることができる。
例えば、二色性色素としてヨウ素を用いた場合、濃度が質量比でホウ酸/ヨウ化物/水=1~5/3~30/100の補色用処理液を使用することができる。フィルムを浸漬するときの補色処理液の温度は、通常10~45℃であり、フィルムの浸漬時間は、通常1~300秒、好ましくは2~100秒である。補色処理液の温度は、架橋処理液の温度よりも低いことが好ましい。
図1に示すように、補色用処理液の液面18と補色浴19の出口側(下流側)のニップロール12との間に冷却処理を施す装置を配置し、液面18とニップロール12との間においてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対し冷却処理を施すことができる。補色浴が2以上から構成される場合、各補色浴ごとに冷却処理を行ってもよいし、最初の補色浴のみにおいて冷却処理を行ってもよいし、最後の補色浴のみにおいて冷却処理を行ってもよい。補色処理を行った後、補色用処理液を除去する前に冷却処理を行うことにより、直交色相b値が良好となる傾向にある。また、架橋度が向上した偏光子が得られ易くなる傾向にある。補色処理を行った後、補色用処理液を除去する前に冷却処理を行うことが好ましい。
補色処理は複数回行ってもよく、例えば2~5回行ってもよい。この場合、使用する各補色用処理液の組成および温度は、上記の範囲内であれば同じであってもよく、異なっていてもよい。
2つのニップロールの周速差を利用して補色浴19中で一軸延伸処理を施すこともできる。
補色処理工程においても、膨潤処理工程と同様にフィルムのシワを除きつつポリビニルアルコール系樹脂フィルムを搬送するために、ガイドロールにエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることができる。シワの発生を抑制するためのもう1つの手段は、膨潤処理工程と同様、延伸処理を施すことである。
図1に示される例において、補色浴19から引き出されたフィルムはニップロール12を通過して洗浄浴21へ導入される。
(洗浄処理工程)
偏光子の製造方法は、補色処理工程後に洗浄処理工程を含むことができる。洗浄処理は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した余分なホウ酸やヨウ素等の薬剤を除去する目的で行われる。洗浄処理は、例えば補色処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを洗浄浴21に収容される洗浄用処理液に浸漬、または該フィルムに対して洗浄浴21において洗浄用処理液をシャワーとして噴霧、若しくはこれらを併用することによって行うことができる。
図1には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを洗浄浴21に浸漬して洗浄処理を行う場合の例を示している。洗浄処理における洗浄用処理液の温度は、通常2~40℃であり、洗浄処理を行う時間は、通常2~120秒である。
図示されていないが、洗浄用処理液の液面と洗浄浴21の出口側(下流側)のニップロール12との間に冷却処理を施す装置を配置し、液面とニップロール12との間においてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対し冷却処理を施すことができる。洗浄浴が2以上から構成される場合、各洗浄浴ごとに冷却処理を行ってもよいし、最初の洗浄浴のみにおいて冷却処理を行ってもよいし、最後の洗浄浴のみに冷却処理を行ってもよい。
なお、洗浄処理工程においても、シワを除きつつポリビニルアルコール系樹脂フィルムを搬送する目的で、ガイドロールにエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることができる。また、洗浄処理工程において、シワの発生を抑制するために延伸処理を施してもよい。
(冷却処理工程)
偏光子の製造方法では、補色処理および洗浄処理の少なくともいずれか一方を行った後、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した補色用処理液または洗浄用処理液を除去する前に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを20℃以下の温度の雰囲気下に暴露する冷却処理を行う。このような冷却処理を施すことにより、得られる偏光子の色相(直交色相b値)がニュートラルとなりやすい傾向にある。さらに、得られる偏光子の架橋度が向上しやすく傾向にある。
従来、偏光子の製造方法では、洗浄処理後の乾燥工程において行われる加熱乾燥により、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の架橋度が増加し、ポリビニルアルコールとポリヨウ素イオン(I 、I )との錯体が形成され、偏光子の色相(直交色相b値)がニュートラルになる傾向があった。本発明者により、補色処理および洗浄処理の少なくともいずれか一方を行った後、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した補色用処理液または洗浄用処理液を除去する前に上記冷却処理を行うことによっても、偏光子の架橋度が増加し、偏光子の色相(直交色相b値)がニュートラルになる傾向があることが見出された。
冷却処理は、補色処理および洗浄処理の少なくともいずれか一方を行った直後、例えば処理液から引き出した直後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの温度を低下させる処理であることができる。冷却処理を施す方法としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対し、温度調節したエアを吹き付ける方法や、温度調節した炉内を通過させる方法等が挙げられる。冷却処理を施す装置としては、例えば送風機、冷却炉等が挙げられる。中でも設置し易さおよび取扱性の観点から送風機が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを20℃以下の温度の雰囲気下に暴露する冷却処理を行う場合、例えば冷水をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに噴霧して冷却する場合に比べ、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素の流出を防止し易くすることができる。
冷却処理を施す装置は、例えば処理浴に収容された処理液の液面と処理液を除去する手段との間に配置されることができる。処理液を除去する手段としては、上述のニップロールであることができる。
冷却処理において、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを暴露する雰囲気の温度(以下、暴露温度ともいう)は、補色処理および洗浄処理の少なくともいずれか一方を行った直後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの温度より低い温度であればよく、好ましくは19℃以下であり、より好ましくは10℃以下であり、例えば3℃以上であってよい。暴露温度は、補色処理および洗浄処理の少なくともいずれか一方を行った直後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの温度より、例えば0.5℃以上低い温度であってよく、好ましくは1℃以上低い温度、より好ましくは2℃以上低い温度、さらに好ましくは5℃以上低い温度である。
冷却処理を施す装置が送風機の場合、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに吹き付けるエアの風速は、好ましくは0.1m/s以上であり、より好ましくは0.5m/s以上であり、さらに好ましくは1.5m/s以上であり、例えば、5m/s以下である。送風機から吹き出すエアと、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの搬送方向とのなす角度は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに風圧により与えるダメージを小さくする観点から、0°以上90°以下であることが好ましく、0°以上60°以下であることがより好ましい。
冷却処理を施す装置が送風機の場合、送風機から吹き出されるエアの温度を暴露温度とみなすことができる。
冷却処理を施す時間は、好ましくは10秒以上であり、より好ましくは30秒以上であり、例えば、100秒以下であり、好ましくは50秒以下である。
(延伸処理工程)
上述のように原反フィルム10は、上記一連の処理工程の間(すなわち、いずれか1以上の処理工程の前、いずれか1以上の処理工程の後、および/またはいずれか1以上の処理工程中)に、湿式または乾式にて一軸延伸処理される。一軸延伸処理の具体的方法は、例えば、フィルム搬送経路を構成する2つのニップロール(例えば、処理浴の前後に配置される2つのニップロール)間に周速差をつけて縦一軸延伸を行うロール間延伸、特許第2731813号公報に記載されるような熱ロール延伸、テンター延伸等であることができ、好ましくはロール間延伸である。一軸延伸処理工程は、原反フィルム10から偏光子30を得るまでの間に複数回にわたって実施することができる。上述のように延伸処理は、フィルムのシワの発生の抑制にも有利である。
原反フィルム10を基準とする、偏光子30の最終的な累積延伸倍率は通常、4.5~7.0倍であり、好ましくは5.0~6.5倍である。
延伸処理工程は、乾燥工程の前であれば上述のいずれの処理工程で行ってもよく、2以上の処理工程で延伸処理を行う場合においても延伸処理はいずれの処理工程で行ってもよい。
(乾燥処理工程)
乾燥処理工程において、洗浄処理後、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを乾燥炉23で乾燥させる。乾燥処理温度は、例えば80℃以上であり、85℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましい。乾燥処理温度は、例えば120℃以下である。
乾燥処理の方法は、例えば、熱風乾燥機、赤外線ヒータ、またはこれらを併用して乾燥する方法が例示される。乾燥処理の時間は、好ましくは10秒以上であり、より好ましくは30秒以上であり、例えば、200秒以下であり、好ましくは150秒以下である。
乾燥処理工程を経た偏光子30は、必要に応じて図1に示す巻取ロール27に巻き取られて保管されるか、またはここで巻き取らずに、次の保護フィルムを貼る工程にそのまま供給され、偏光子30の表面に保護層が形成された偏光板まで製造される。
(偏光子)
偏光子の厚みは、通常65μm以下であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは35μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。偏光子の厚みは、通常2μm以上であり、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。偏光子の厚みは、例えばポリビニルアルコール系樹脂フィルムの選定、延伸倍率の調節等により制御することができる。
偏光フィルムの直交色相b値は、例えば-3.0~3.0の範囲であってよく、好ましくは-2.5~2.6以下、より好ましくは-2.0~2.0の範囲、さらに好ましくは-1.5~1.5の範囲、特に好ましくは-1.2~1.2の範囲である。積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて、得られた透過率に対してC光源の等色関数を用いて、L*a*b*(CIE)表色系における色度を算出することで、偏光フィルムを直交配置した直交色相b値が得られる。偏光子の直交色相b値は後述の実施例の欄において説明する測定方法により求められる。偏光子の直交色相b値が上記範囲であれば、偏光子の直交色相がニュートラルグレーに近づき易くなる傾向にある。
偏光子中のホウ酸含有量は、偏光子の質量を基準に例えば3~4質量%であってよく、好ましくは3.4~3.8質量%、より好ましくは3.5~3.75質量%、さらに好ましくは3.55~3.7質量%である。偏光子中のホウ酸含有量は、後述の実施例の欄において説明する方法により測定される。
偏光子の架橋度は、例えば5~6の範囲であってよく、好ましくは5.05~5.5の範囲、より好ましくは5.1~5.3の範囲である。偏光子の架橋度は、後述の実施例の欄において説明する測定方法により測定される。
偏光子の少なくとも片面に、粘着剤層を介して保護フィルムを貼合することにより偏光板を得ることができる。保護フィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなアセチルセルロース系樹脂からなるフィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂からなるフィルム;ポリカーボネート系樹脂フィルム、シクロオレフィン系樹脂フィルム;アクリル系樹脂フィルム;ポリプロピレン系樹脂の鎖状オレフィン系樹脂からなるフィルムが挙げられる。
偏光子と保護フィルムとの接着性を向上させるために、偏光子および/または保護フィルムの貼合面に、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射、プライマー塗布処理、ケン化処理などの表面処理を施してもよい。粘着剤層は、接着剤や粘着剤から構成することができる。
図2に示す偏光板60は、偏光子30、粘着剤層40、保護フィルム50をこの順に有する。偏光板は、表示装置に用いられる直線偏光板や円偏光板であってよい。表示装置は、液晶表示装置、有機EL表示装置等いかなるものであってよい。表示装置は、テレビ、パーソナルコンピューター、携帯電話やタブレット端末等のモバイル機器用途に用いられる表示装置であってよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」および「部」は、特記のない限り、質量%および質量部である。
<評価試験>
(1)色相(直交色相b値)の測定
実施例および比較例において作製した偏光子を4cm×4cmのサイズに切断した後、紫外可視光線分光計(V-7100、日本分光株式会社製)により直交色相b値を測定した。
(2)偏光子中のホウ素含有量の測定
偏光子0.2gを1.9質量%マンニトール水溶液200gに溶解した。得られた水溶液を1mol/L NaOH水溶液で滴定し、中和に要したNaOH液の量と検量線の比較により、偏光子のホウ素含有量(質量%)を算出した。結果を表1に示す。
(3)架橋度の測定
実施例および比較例において作製した偏光子の中央部を10cm×10cmのサイズに切断した後、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)(Nicolet 5700、Thermo Fisher Scientific社製)を用いて架橋度を測定した。測定は、FT-IRチップとしてPike technologies社製VeeMAX III(ATR)を用いてスキャン回数16回、波数分解能4cm-1で行った。測定されたIRデータにおける波数1200~1360cm-1における領域を3.2基準で合わせたときの面積の和(a)を波数2850~3000cm-1における領域を同基準で合わせたときの面積の和(b)で除した値の3回の平均値を架橋度とした。波数1200~1360cm-1における領域はポリビニルアルコール樹脂とホウ酸とが結合されて形成されたB-O-C結合の伸縮振動に由来する吸収を表し、波数2850~3000cm-1における領域はポリビニルアルコール樹脂に含まれるC-H結合の伸縮振動に由来する吸収を表す。架橋度の値が高いほど、偏光子に含まれるホウ素が架橋に使用されており、効率的に架橋が進んでいるとみなすことができる。
<実施例1>
厚み45μmおよびケン化度99.9%以上の透明な未延伸ポリビニルアルコール系フィルム(VF-TS#4500、株式会社クラレ製)を25℃の純水(脱イオン水)に1分20秒間浸漬して膨潤させた(膨潤処理工程)。その後、ヨウ素1.25mM/Lとヨウ化カリウム1.25質量%、ホウ酸0.3質量%を含む30℃の染色用水溶液に2分30秒間浸漬することにより染色した(染色処理工程)。このとき、膨潤処理工程および染色処理工程においてそれぞれ1.56倍、1.96倍の延伸比で延伸し、染色浴までの累積延伸比が3.05倍となるように延伸を行った。
次いでヨウ化カリウム9質量%およびホウ酸3質量%を含む63℃の架橋用水溶液に26秒間浸漬して架橋させながら(第1架橋処理工程)、1.46倍の延伸比で延伸し、その後、ヨウ化カリウム9質量%およびホウ酸3質量%を含む63℃の架橋用水溶液に20秒間浸漬して架橋させながら(第2架橋処理工程)、1.34倍の延伸比で延伸を行った。
次いで補色処理工程において、ヨウ化カリウム9質量%およびホウ酸4質量%を含有する43℃の補色用水溶液に10秒間浸漬しながら1.00倍延伸した。このとき、膨潤処理、染色処理、架橋処理および補色処理における総塁積延伸比が6.0倍になるようにした。フィルムを補色用水溶液に浸漬し、補色用水溶液の温度付近の温度となったフィルムを補色用水溶液から引き出した後、ニップロールを用いてフィルムから補色用水溶液を除去する前に、送風機を用いてフィルムに温度5℃のエアを吹き付けた。その後、13℃の純水で2秒間水洗を行い、フィルム表面に付着した異物を除去した(洗浄処理工程)。その後、92℃で110秒間乾燥させ、フィルムを乾燥させ、偏光子を得た。得られた偏光子について評価試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例2~7および比較例1~4>
実施例1において行った冷却処理の位置および温度を表1に示す位置および温度に変更したこと以外は実施例1と同様にして偏光子を作製した。得られた偏光子について評価試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2023085934000002
10 ポリビニルアルコール系樹脂の原反フィルム、11 繰出しロール、12 ニップロール、13 膨潤槽、14 ガイドロール、15 染色槽、16 冷却処理を施す装置、17 架橋槽、18 液面、19 補色槽、21 洗浄槽、23 乾燥炉、27 巻取ロール、30 偏光子、40 粘着剤層、50 保護フィルム、60 偏光板。

Claims (4)

  1. 偏光子の製造方法であって、
    ポリビニアルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する染色処理工程と、
    前記染色処理工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを架橋剤で架橋させる架橋処理工程と、
    前記架橋処理工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに補色用処理液を用いて補色処理を施す補色処理工程と、
    前記補色処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに洗浄用処理液を用いて洗浄処理を施す洗浄処理工程と、
    を含み、
    前記補色処理および前記洗浄処理の少なくともいずれか一方を行った後、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した前記補色用処理液または前記洗浄用処理液を除去する前に、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを温度20℃以下の雰囲気下に暴露する冷却処理を行う、偏光子の製造方法。
  2. 前記冷却処理は、前記補色処理を行った後、前記補色用処理液を除去する前に行う、請求項1に記載の偏光子の製造方法。
  3. 前記冷却処理は、前記洗浄処理を行った後、前記洗浄用処理液を除去する前に行う、請求項1または2に記載の偏光子の製造方法。
  4. 前記補色用処理液または前記洗浄用処理液は、前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムをニップロールを通過させることにより除去する、請求項1~3のいずれか一項に記載の偏光子の製造方法。
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