JP2023085138A - 吸収性物品用のインジケータ、及びそれを含む吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品用のインジケータ、及びそれを含む吸収性物品 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、尿や湿気等の水分に対して溶解しにくく且つ尿比重の変化を精度よく検知することができる、吸収性物品用のインジケータ、及びそれを含む吸収性物品を提供するものである。【解決手段】本発明の吸収性物品用のインジケータは、尿と接触する前の初期状態においてアルカリ性側の外観色に調整され、尿に接触すると尿比重に応じた色に変色可能であり、pH指示薬と、20質量%以上の、常温で固体の脂肪族アルコールと、10質量%以上の親水性高分子及び10質量%以上のアミン系の陽イオン界面活性剤のうちの少なくとも一方の成分と、を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるインジケータ、及びそれを含む吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ等の吸収性物品においては、排尿の有無や着用者の健康状態の変化などを色の変化により検知可能なインジケータを備えた吸収性物品が知られている。
さらに近年においては、尿比重を比色法で測定するインジケータが実用化されており、かかるインジケータは、pH指示薬や界面活性剤等の、尿比重に応じて呈色し得る成分を含む水溶液によって構成され、フィルム等の基材に浸透させて乾燥したものが使用されている。例えば、特許文献1には、pH指示薬中に界面活性剤を混合することで、塩濃度に対する応答性を向上させ、尿比重の変化をpH指示薬の呈色変化に変換するインジケータが開示されている。
また、尿比重の変化に関するものではないものの、同様の原理を用いたインジケータとして、熱可塑性の固体物質からなる尿検知用のインジケータも実用化されている。例えば、特許文献2には、アルカリ性に調整された熱可塑性のインジケータ用組成物が開示されている。
特開平5-196616号公報 特表2015-529151号公報
特許文献1のような水溶性のインジケータでは、尿に接触すると短時間で溶出してしまうため、排尿初期の尿比重しか検知できず、尿比重の変化を精度よく検知できない恐れがあった。さらに、このような水溶性のインジケータは、湿気に弱いため、使用前の保管時に湿気に反応して変色してしまい、使用時に尿比重の変化を精度よく検知できない恐れもあった。
なお、これらの問題に対処するために、特許文献2のような熱可塑性のインジケータ用組成物の配合を適用しようとしても、このような組成物は、尿と接触したときの反応の安定性を主眼として各成分が配合されているため、尿比重の検知に関しては反応性が低く、依然として尿比重の変化を精度よく検知できない恐れがある。
そこで、本発明は、尿や湿気等の水分に対して溶解しにくく且つ尿比重の変化を精度よく検知することができる吸収性物品用のインジケータ、及びそれを含む吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の一態様(態様1)は、吸収性物品用のインジケータであって、
前記インジケータは、尿と接触する前の初期状態においてアルカリ性側の外観色に調整され、尿に接触すると尿比重に応じた色に変色可能であり、
pH指示薬と、
20質量%以上の、常温で固体の脂肪族アルコールと、
10質量%以上の親水性高分子及び10質量%以上のアミン系の陽イオン界面活性剤のうちの少なくとも一方の成分と、
を含むことを特徴とする、インジケータである。
本態様1のインジケータは、排尿の有無を検知するための変色(すなわち、インジケータ中のpH指示薬の酸性側の色からアルカリ性側の色への変色)とは異なり、尿比重に応じて(すなわち、尿中のナトリウムイオン(Na)やカリウムイオン(K)、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)等のイオン濃度に応じて)アルカリ性側の外観色から変色するため、使い捨ておむつ等の吸収性物品に適用したときに、吸収性物品の着用者又はその補助者が尿比重の変化を認識しやすくなっている。
そして、本態様1のインジケータは、常温(20℃)で固体の脂肪族アルコールを所定量含んでいることで、尿や湿気等の水分に対して溶解しにくく、また、親水性高分子及びアミン系の陽イオン界面活性剤のうちの少なくとも一方の成分を所定量含んでいることで、尿と接触した時の尿比重の変化に対する変色の応答性が高く、尿比重の変化量が小さい場合でも明確に変色することができる。
以上より、本態様1のインジケータは、尿や湿気等の水分に対して溶解しにくく且つ尿比重の変化を精度よく検知することができる。
また、本発明の別の態様(態様2)では、上記態様1のインジケータにおいて、前記脂肪族アルコールは、40℃より高く110℃以下の融点を有することを特徴とする。
本態様2のインジケータは、脂肪族アルコールが上記特定の融点を有するものであるため、溶融状態で不織布やフィルム等の基材に塗工した時に、冷却固化が進行し、インジケータを基材上の的確な位置に均一に形成することができる。これにより、本態様2のインジケータは、尿中のナトリウムイオン(Na)やカリウムイオン(K)、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)と接触した際に素早く変色することができる上、色の変化が小さい場合でも、変色が視認しやすくなっているため、尿比重の変化をより精度よく、より確実に検知することができる。
本発明の更に別の態様(態様3)では、上記態様1又は2のインジケータにおいて、前記親水性高分子がポリアミドを含むことを特徴とする。
本態様3のインジケータは、親水性高分子がポリアミドを含むものであるため、pH指示薬の形態変化に作用し、尿比重の変色範囲が広くなっている上、溶解作用が強く、応答速度が速くなっている。これにより、本態様3のインジケータは、幅広い尿比重の変化に対しても精度よく検知することができる。
本発明の更に別の態様(態様4)では、上記態様1~3のいずれかのインジケータにおいて、前記アミン系の陽イオン界面活性剤が第4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする。
本態様4のインジケータは、アミン系の陽イオン界面活性剤が第4級アンモニウム塩を含むものであるため、界面活性能が高く、尿と接触した時の変色速度がより速くなっている。これにより、本態様4のインジケータは、尿比重の変化をより精度よく検知することができる。
本発明の更に別の態様(態様5)では、上記態様1~4のいずれかのインジケータにおいて、前記pH指示薬として、2種類以上のpH指示薬を含むことを特徴とする。
本態様5のインジケータは、2種類以上のpH指示薬を組み合わせて用いることによって、より小さい比重差の尿に対しても明確に変色することができるので、尿比重の変化をより精度よく、より確実に検知することができる。また、変色域の異なる2種類以上のpH指示薬を組み合わせることで、尿比重の検出範囲を広げることができ、尿比重の変化による色の変色度合いを増加させて、視認しやすくすることができる。
本発明の更に別の態様(態様6)では、上記態様1~5のいずれかのインジケータにおいて、糖アルコール成分として、糖アルコール及び糖アルコールの重合体のうちの少なくとも一つの成分を、2.5質量%以上の配合割合で更に含むことを特徴とする。
本態様6のインジケータは、上記糖アルコール成分を含むため、親水性が高まり、尿と接触したときの変色速度を高くすることができる。
本発明の更に別の態様(態様7)では、上記態様1~6のいずれかのインジケータにおいて、疎水性成分として、ワックス、オイル及び粘着付与樹脂のうちの少なくとも一つの成分を更に含むことを特徴とする。
本態様7のインジケータは、上記特定の疎水性成分を含むものであるため、不織布やフィルム等の基材への定着性が高く、インジケータを基材上の所定の位置に的確に形成することができる。これにより、本態様7のインジケータは、尿比重の変化をより精度よく、より確実に検知することができる。
本発明の更に別の態様(態様8)では、上記態様1~7のいずれかのインジケータにおいて、アルカリ化剤として、炭酸ナトリウムを更に含むことを特徴とする。
本態様8のインジケータは、アルカリ化剤として炭酸ナトリウム(NaCO)を含み、かかる炭酸ナトリウムは、水酸化ナトリウム(NaOH)や炭酸カリウム(KCO)などの他のアルカリ化剤と比べて、インジケータ中の他の成分と均一に混ざることができるため、変色のムラや変色の異常が生じにくく、また、色の変化が小さい場合でも、変色が視認しやすくなっている。これにより、本態様8のインジケータは、尿比重の変化をより精度よく、より確実に検知することができる。
本発明の更に別の態様(態様9)では、上記態様1~8のいずれかのインジケータにおいて、前記インジケータは、低比重の尿に接触すると青色又は緑色に変色し、高比重の尿に接触すると黄色又は橙色に変色することを特徴とする。
本態様9のインジケータは、排尿の有無を検知するための変色(すなわち、インジケータ中のpH指示薬の酸性側の色からアルカリ性側の色への変色)とは異なり、低比重の尿に接触すると青色又は緑色に変色し、高比重の尿に接触すると黄色又は橙色に変色するものであるため、使い捨ておむつ等の吸収性物品に適用したときに、吸収性物品の着用者又はその補助者が尿比重の変化を認識しやすく、特に、尿と接触する前の初期状態の色から高比重の尿に接触した時の黄色又は橙色への変色がより視認しやすくなっている。これにより、本態様9のインジケータは、尿比重の変化をより精度よく、より容易に検知することができる。
本発明の更に別の態様(態様10)は、上記態様1~9のいずれかのインジケータを含むことを特徴とする、吸収性物品である。
本態様10の吸収性物品は、上記態様1~7のいずれかのインジケータを含むものであり、着用者の尿比重の変化を精度よく検知することができるため、吸収性物品の着用者又はその補助者が着用者の尿比重の変化を的確に認識することができる。これにより、本態様10の吸収性物品は、幼児等の着用者のトイレトレーニング時期や脱水症状の予兆などをより正確に把握することができる。
本発明のインジケータは、尿や湿気等の水分に対して溶解しにくく且つ尿比重の変化を精度よく検知することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るインジケータ5を適用した使い捨ておむつ1の斜視図である。 図2は、図1における使い捨ておむつ1のII-II線に沿った断面の拡大端面図である。
以下、本発明のインジケータについて、吸収性物品の一例である使い捨ておむつに適用した実施形態を用いて、詳細に説明する。なお、本明細書では、特に断りのない限り、吸収性物品の厚さ方向において、「吸収性物品の着用時に、着用者の肌面に対して相対的に近位側」を「肌対向面側」といい、「吸収性物品の着用時に、着用者の肌面に対して相対的に遠位側」を「非肌対向面側」という。
[使い捨ておむつ]
図1は、本発明の一実施形態に係るインジケータ5を適用した使い捨ておむつ1の斜視図であり、図2は、図1における使い捨ておむつ1のII-II線に沿った断面の拡大端面図である。
図1に示すように、使い捨ておむつ1は、着用時に着用者の下腹部に位置する前面部と、着用時に着用者の臀部に位置する後面部と、前面部及び後面部の間に位置し且つ着用時に着用者の股下部に位置する中間部と、を備えている。使い捨ておむつ1は、前面部の左右方向の両端部と後面部の左右方向の両端部とが互いに接合されていることで、前面部の上側端部と後面部の上側端部とによって形成されるウエスト開口部と、中間部の左右方向の両側部に形成される一対のレッグ開口部とを備えた、パンツ型の外形形状を有している。すなわち、使い捨ておむつ1は、いわゆるパンツ型の使い捨ておむつである。
図2に示すように、使い捨ておむつ1は、従来の使い捨ておむつと同様に、厚さ方向において肌対向面側に位置する液透過性の表面シート2と、非肌対向面側に位置する液不透過性の裏面シート3と、これら両シートの間に設けられた吸液性の吸収体4と、該吸収体4及び裏面シート3の間に設けられた液応答性のインジケータ5と、を基本構成として備えている。なお、吸収体4は、パルプや高吸収性ポリマー(SAP)などの吸水性材料からなる吸収コア4Aと、該吸収コア4Aの全体を覆い且つティッシュなどの親水性シートからなるコアラップシート4Bと、によって構成されている。
本実施形態において、インジケータ5は、後述する各成分を含むインジケータ用組成物を溶融して、裏面シート3を形成するシート状基材の肌対向面側の表面に塗布し、さらにそれを冷却して固化させることによって形成されている。なお、本発明において、インジケータの形成手段はこのようなものに限定されず、例えば、インジケータ用組成物を溶融してシート状に成形した後、さらにそのシート状の成形物を吸収体と裏面シートとの間に配置してもよいし、インジケータ用組成物を溶融してシート状基材(例えば、裏面シートを形成するシート状基材とは別のシート状基材等)の表面に塗布し、さらにそれを冷却して固化させることによって形成された積層体を、吸収体と裏面シートとの間に配置してもよい。
本発明において、インジケータが配置される位置は、着用者の尿が接触することができ且つ吸収性物品の外表面から視認できる位置であれば特に制限されず、従来の吸収性物品と同様に、所望の視認性等に応じた任意の位置に配置することができる。
なお、上述の実施形態においては、インジケータ5は、使い捨ておむつ1の左右方向の略中央部に位置し且つ前面部、中間部及び後面部に沿う方向に延びるように配置されている。本発明において、インジケータの配置位置は特に限定されないが、インジケータは、少なくとも着用者の股下部に対応する中間部から着用者の臀部に対応する後面部に至るまでの広範囲の領域に配置されていることが好ましい。
なお、使い捨ておむつ1の左右方向は、展開状態の使い捨ておむつ1の幅方向に相当し、前面部、中間部及び後面部に沿う方向は、展開状態の使い捨ておむつ1の長手方向に相当する。
そして、上述の実施形態の使い捨ておむつ1に用いられるインジケータ5は、尿と接触する前の初期状態においてアルカリ性側の外観色に調整され、尿に接触すると尿比重に応じた色に変色可能であり、pH指示薬と、20質量%以上の、常温で固体の脂肪族アルコールと、10質量%以上の親水性高分子及び10質量%以上のアミン系の陽イオン界面活性剤のうちの少なくとも一方の成分と、を含む、特有のインジケータである。
本実施形態のインジケータ5は、排尿の有無を検知するための変色(すなわち、インジケータ中のpH指示薬の酸性側の色からアルカリ性側の色への変色)とは異なり、尿比重に応じて(すなわち、尿中のNaやK、Ca2+、Mg2+等のイオン濃度に応じて)アルカリ性側の外観色から変色するため、使い捨ておむつ1の着用者又はその補助者が尿比重の変化を認識しやすくなっている。
さらに、インジケータ5は、常温(すなわち、20℃の温度)で固体の脂肪族アルコールを所定量含んでいることで、尿や湿気等の水分に対して溶解しにくく、また、親水性高分子及びアミン系の陽イオン界面活性剤のうちの少なくとも一方の成分を所定量含んでいることで、尿と接触した時の尿比重の変化に対する変色の応答性が高く、尿比重の変化量が小さい場合でも明確に変色することができる。
以上より、インジケータ5は、尿や湿気等の水分に対して溶解しにくく且つ尿比重の変化を精度よく検知することができる。
そして、このような特有のインジケータ5を含む使い捨ておむつ1は、着用者の尿比重の変化を精度よく検知することができるため、使い捨ておむつ1の着用者又はその補助者(例えば、乳児の母親や着用者を介護する介護者等)が着用者の尿比重の変化を的確に認識することができる。これにより、インジケータ5を含む使い捨ておむつ1は、幼児等の着用者のトイレトレーニング時期や脱水症状の予兆などをより正確に把握することができる。
なお、本発明のインジケータを含む吸収性物品において、インジケータ以外の構成部材については、特に制限されず、吸収性物品の種類や用途等に応じた任意の構成部材を用いることができる。
例えば、上述の使い捨ておむつ1において表面シート2は、使い捨ておむつ1の厚さ方向において肌対向面側の位置に配置されて、着用者の肌に当接し得る接触面、すなわち使い捨ておむつ1の肌対向面側の表面を形成するものであり、不織布等の液透過性のシート状部材によって形成されている。表面シートの外形形状や各種寸法、坪量等は、吸収性物品の表面シートとして用い得るものであれば特に制限されず、所望の液透過性や肌触り、柔軟性、強度等に応じた任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用することができる。
例えば、上述の使い捨ておむつ1において裏面シート3は、使い捨ておむつ1の厚さ方向において非肌対向面側の位置に配置されて、使い捨ておむつ1の非肌対向面側の表面を形成するものであり、使い捨ておむつ1の着用者から排出された尿等の排泄物が使い捨ておむつ1の外部へ漏出するのを防ぎ得る、樹脂フィルムや疎水性不織布等の液不透過性のシート状部材によって形成されている。裏面シートの外形形状や各種寸法、坪量等は、吸収性物品の裏面シートとして用い得るものであれば特に制限されず、所望の防漏性能や通気性、強度等に応じた任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用することができる。
例えば、上述の使い捨ておむつ1において吸収体4は、表面シート2と裏面シート3の間に配置されて、表面シート2を透過してきた尿等の排泄物を吸収して保持し得る、所定の吸液性を備えた吸収性部材によって形成されている。
吸収体に用い得る吸収性部材は、尿等の排泄物を吸収して保持し得るものであれば特に制限されず、例えば、上述の使い捨ておむつ1においては、吸水性繊維及び高吸収性ポリマーの少なくとも一方を含む吸収性材料からなる吸収コア4Aと、該吸収コアの外面全体を被覆する少なくとも1枚の液透過性のコアラップシート4B(例えば、親水性のセルロース系繊維からなるティッシュ等)とによって構成されている。ここで、吸水性繊維としては、例えば、パルプ繊維(例えば、粉砕パルプ等)、コットン、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維などを用いることができる。また、高吸収性ポリマーとしては、例えば、デンプン系の高吸収性ポリマー;アクリル酸ナトリウムコポリマー等の合成ポリマー系の高吸収性ポリマー(いわゆる「SAP」)などの粒状物を用いることができる。
なお、吸収体の外形形状や各種寸法、坪量等は、吸収性物品の吸収体として用い得るものであれば特に制限されず、所望の吸水性や柔軟性、強度等に応じた任意の外形形状や各種寸法、坪量等を採用することができる。
本発明のインジケータが適用される吸収性物品は、少なくとも尿を吸収対象とする吸収性物品であれば特に限定されず、上述の実施形態のパンツ型の使い捨ておむつのほか、例えば、テープ型の使い捨ておむつや失禁パッド等の様々な吸収性物品に適用することができる。
例えば、本発明のインジケータが、乳幼児のトイレトレーニング用の使い捨ておむつに適用された場合、乳幼児から排出される尿の比重の変化を適切に可視化することで、乳幼児の体がトイレトレーニングの準備が整っているかどうかを推定することができるという利点がある。また、本発明のインジケータが、大人用の使い捨ておむつに適用された場合、被介護者等の大人の着用者から排出される尿の比重の変化を適切に可視化することで、脱水症状の予兆などを検知することができるという利点がある。
以下、本発明のインジケータについて、上述の実施形態のインジケータ5を用いて更に詳細に説明する。
[インジケータ]
本発明の一実施形態であるインジケータ5は、上述のとおり、尿と接触する前の初期状態においてアルカリ性側の外観色に調整され、尿に接触すると尿比重に応じた色に変色可能であり、pH指示薬と、20質量%以上の、常温で固体の脂肪族アルコールと、10質量%以上の親水性高分子及び10質量%以上のアミン系の陽イオン界面活性剤のうちの少なくとも一方の成分と、を含むものである。
インジケータ5は、尿と接触する前の初期状態においてアルカリ性側の外観色に調整されているが、使い捨ておむつ1の着用者から排出される尿に接触すると、酸性側の外観色に変色する。このとき、インジケータ5は、その尿の比重の値に応じて異なる色調に呈色する。
なお、インジケータの呈色の度合いは、肉眼で判定してもよく、又は光学的に測定した反射率等で判定してもよい。肉眼で呈色の度合いを判定する場合は、例えば、インジケータの色調と、予め作成した標準色調表(すなわち、色見本)などの色調とを、肉眼で比較することによって判定することができる。また、光学的測定で呈色の度合いを判定する場合は、例えば、デジタルカメラやスマートフォン等の撮影手段によって撮影したインジケータの画像を、任意のコンピューターやスマートフォン等にインストールされた画像処理プログラムで処理することによって判定することができる。
インジケータの色調に関し、アルカリ性側及び酸性側の外観色は、尿の接触による呈色前後の相対的なpHの関係によって定まるものであり、それぞれの外観色の色調は、インジケータに含まれるpH指示薬の種類によって異なる。例えば、pH指示薬としてブロモチモールブルーを用いた場合、アルカリ性側の外観色は紫色、青色又は青緑色となり、酸性側の外観色は黄緑色、黄色又は橙色となる。本発明のインジケータは、従来の排尿の有無を検知するための変色(すなわち、インジケータ中のpH指示薬の酸性側の色からアルカリ性側の色への変色)とは異なり、尿比重に応じてアルカリ性側の外観色から酸性側の外観色へ変色するため、使い捨ておむつ等の吸収性物品に適用したときに、吸収性物品の着用者又はその補助者が尿比重の変化を認識しやすくなる。
なお、本発明のインジケータは、低比重の尿に接触すると青色又は緑色に変色し、高比重の尿に接触すると黄色又は橙色に変色するものが好ましい。このようなインジケータは、排尿の有無を検知するための変色、すなわちインジケータ中のpH指示薬の酸性側の色からアルカリ性側の色への変色とは異なり、低比重の尿に接触すると青色又は緑色に変色し、高比重の尿に接触すると黄色又は橙色に変色するので、吸収性物品に適用したときに、吸収性物品の着用者又はその補助者が尿比重の変化を認識しやすく、特に、尿と接触する前の初期状態の色から高比重の尿に接触した時の黄色又は橙色への変色がより視認しやすくなる。これにより、このようなインジケータは、尿比重の変化をより精度よく、より容易に検知することができる。
ここで、尿と接触する前の初期状態のインジケータをアルカリ性側の外観色に調整する手段は、特に限定されないが、例えば、インジケータに含まれるpH指示薬をアルカリ性側の色調に呈色し得るアルカリ化剤(例えば、塩基、塩類、緩衝剤等の一部のpH調整剤など)を含有させることなどが挙げられる。
(pH指示薬)
本発明の一実施形態であるインジケータ5は、pH指示薬を必須成分として含んでいる。pH指示薬としては、吸収性物品のインジケータに用い得るものであれば特に限定されないが、イオン強度の増大により解離が促進されるpH指示薬が好ましい。そのようなpH指示薬の具体的な例としては、ブロモチモールブルー(BTB)、ゲンチアナバイオレット、ブロモクレゾールパープル、マラカイトグリーン、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、コンゴーレッド、メチルオレンジ、リトマス、フェノールレッド、クロロフェノールレッド、ニュートラルレッド、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、クレゾールフタレイン、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、及びアリザリンイエローRなどを挙げることができる。これらのpH指示薬は、1種類のpH指示薬を単独で用いてもよく、2種類以上のpH指示薬を併用してもよい。
好ましいpH指示薬としては、ブロモチモールブルー(BTB)、ブロモクレゾールパープル、チモールブルー、フェノールレッド、クロロフェノールレッド、ブロモクレゾールグリーン及びメチルレッドなどが挙げられる。これらのpH指示薬は、イオン強度の増強で解離が促進されるため好ましい。
本発明のインジケータにおいては、pH指示薬として2種類以上のpH指示薬を含むことが好ましい。2種類以上のpH指示薬を組み合わせて用いることで、より小さい比重差の尿に対しても明確に変色することができるので、尿比重の変化をより精度よく、より確実に検知することができる。また、変色域の異なる2種類以上のpH指示薬を組み合わせることで、尿比重の検出範囲を広げることができ、尿比重の変化による色の変色度合いを増加させて、視認しやすくすることができる。
pH指示薬として2種類以上のpH指示薬を併用する場合は、ブロモチモールブルーと他のpH指示薬との組み合わせが好ましい。pH指示薬としてこのような組み合わせを用いると、呈色する際の色調変化を大きくすることができる上、変色域も拡張することができるという利点がある。なお、ブロモチモールブルーと併用し得る他のpH指示薬としては、例えば、チモールブルー、フェノールレッド及びメチルレッドなどが挙げられる。これらのpH指示薬の中でも、メチルレッドを用いることが好ましい。ブロモチモールブルーとメチルレッドの組み合わせは、安定的かつ広範囲の変色(呈色反応)を実現することができる。
インジケータに含まれるpH指示薬の含有量は、特に限定されず、呈色反応の応答性や視認性などを考慮して適宜設定することができる。そのような含有量としては、インジケータ用組成物の全質量(100質量%)に対して、例えば、0.01質量%~10.0質量%であり、好ましくは0.01質量%~5.0質量%であり、より好ましくは0.05質量%~4.0質量%である。pH指示薬の含有量がこのような範囲内であると、インジケータの応答(呈色)の良好な視認性を確保することができる。
(脂肪族アルコール)
本発明の一実施形態であるインジケータ5は、インジケータ5の全質量(100質量%)に対して20質量%以上の含有量の、常温(20℃)で固体の脂肪族アルコールを必須成分として含んでいる。このような特定の脂肪族アルコールを含んでいることで、インジケータ5は、尿や湿気等の水分に対して溶解しにくくなっている。
本発明のインジケータに用い得る脂肪族アルコールとしては、常温で固体であり、吸収性物品のインジケータに用い得るものであれば特に限定されず、例えば、炭素数が8~34個(C8~C34)の脂肪族アルコールなどが挙げられる。脂肪族アルコールは、1種類の脂肪族アルコールを単独で用いてもよく、2種類以上の脂肪族アルコールを併用してもよい。
好ましい脂肪族アルコールとしては、40℃より高く110℃以下の融点を有する脂肪族アルコールが挙げられ、具体的な例としては、1-ヘキサデカノール、1-オクタデカノール、1-エイコサノール、1-ドコサノール、1-テトラコサノール、1-ヘキサコサノール、1-オクタコサノール、1,12-ドデカンジオールなどが挙げられる。インジケータに含まれる脂肪族アルコールがこのような特定の融点を有するものであると、インジケータ用組成物を溶融状態で不織布やフィルム等の基材に塗工した時に、冷却固化が進行し、インジケータを基材上の的確な位置に均一に形成することができる。これにより、上記特定の脂肪族アルコールを含むインジケータは、尿中のナトリウムイオン(Na)やカリウムイオン(K)、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)と接触した際に素早く変色することができる上、色の変化が小さい場合でも、変色が視認しやすくなるため、尿比重の変化をより精度よく、より確実に検知することができる。
インジケータに含まれる脂肪族アルコールの含有量としては、インジケータの全質量(100質量%)に対して20質量%以上であれば特に限定されず、尿や湿気等の水分に対する溶解のしにくさや視認性などを考慮して適宜設定することができる。そのような含有量としては、インジケータ用組成物の全質量(100質量%)に対して、例えば、20質量%~80質量%であり、好ましくは30質量%~60質量%である。
(親水性高分子)
本発明の一実施形態であるインジケータ5は、10質量%以上の親水性高分子及び10質量%以上のアミン系の陽イオン界面活性剤のうちの少なくとも一方の成分を、必須成分として含んでいる。このような成分を所定量含んでいることで、インジケータ5は、尿と接触した時の尿比重の変化に対する変色の応答性が高くなり、尿比重の変化量が小さい場合でも明確に変色することができる。
本発明のインジケータに用い得る親水性高分子としては、親水性を有する高分子であれば特に限定されず、例えば、ポリアミド、セルロース系ポリマー(例えば、セルロース、セルロース誘導体等)、アクリル系ポリマー(例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、無水マレイン酸ポリマー等)、ポリオール(例えば、ポリエチレングリコール等)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、オキサゾリン系ポリマー(例えば、ポリ(2-オキサゾリン)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)等)などが挙げられる。親水性高分子は、1種類の親水性高分子を単独で用いてもよく、2種類以上の親水性高分子を併用してもよい。
なお、本明細書においては、親水性高分子と後述する糖アルコール成分の糖アルコールの重合体とを区別するため、親水性高分子は糖アルコールの重合体を除くものとする。
本発明のインジケータにおいては、親水性高分子としてポリアミドを含むことが好ましい。インジケータが親水性高分子としてポリアミドを含んでいると、pH指示薬の形態変化に作用し、尿比重の変色範囲が広くなる上、溶解作用が強く、応答速度が速くなる。これにより、親水性高分子としてポリアミドを含むインジケータは、幅広い尿比重の変化に対しても精度よく検知することができる。なお、ポリアミドは、軟化点が140℃以下のものが好適である。
インジケータに含まれる親水性高分子の含有量としては、インジケータの全質量(100質量%)に対して10質量%以上であれば特に限定されず、呈色反応の応答性や視認性などを考慮して適宜設定することができる。そのような含有量としては、インジケータ用組成物の全質量(100質量%)に対して、例えば、10質量%~40質量%であり、好ましくは15質量%~30質量%である。
(アミン系の陽イオン界面活性剤)
本発明のインジケータに用い得るアミン系の陽イオン界面活性剤としては、陽イオン性の親水基を有するアミン系の界面活性剤であれば特に限定されず、例えば、第4級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤やアルキルアミン塩型の界面活性剤、ピリジン環を有する陽イオン界面活性剤などが挙げられる。
第4級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤の具体的な例としては、塩化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム及び塩化ジステアリルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
アルキルアミン塩型の陽イオン界面活性剤の具体的な例としては、モノメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩及びトリメチルアミン塩酸塩などが挙げられる。
ピリジン環を有する陽イオン界面活性剤の具体的な例としては、例えば、塩化ブチルピリジニウム、塩化ドデシルピリジニウム及び塩化セチルピリジニウムなどが挙げられる。
なお、上記の陽イオン界面活性剤は、1種類の陽イオン界面活性剤を単独で用いてもよく、2種類以上の陽イオン界面活性剤を併用してもよい。
本発明のインジケータにおいては、アミン系の陽イオン界面活性剤として第4級アンモニウム塩を含むものが好ましい。アミン系の陽イオン界面活性剤が第4級アンモニウム塩を含むものであると、界面活性能が高く、インジケータが尿と接触した時の変色速度がより速くなる。これにより、陽イオン界面活性剤として第4級アンモニウム塩を含むインジケータは、尿比重の変化をより精度よく検知することができる。
インジケータに含まれる陽イオン界面活性剤の含有量としては、インジケータの全質量(100質量%)に対して10質量%以上であれば特に限定されず、呈色反応の応答性や視認性などを考慮して適宜設定することができる。そのような含有量としては、インジケータ用組成物の全質量(100質量%)に対して、例えば、10質量%~40質量%であり、好ましくは15質量%~30質量%である。
(糖アルコール成分)
本発明の一実施形態であるインジケータ5は、糖アルコール成分を任意成分として更に含んでいる。この実施形態のように、本発明のインジケータは、糖アルコール成分として、糖アルコール及び糖アルコールの重合体のうちの少なくとも一つの成分を、2.5質量%以上の配合割合で更に含んでいることが好ましい。糖アルコール成分は、本発明のインジケータにおいては必須成分ではないものの、インジケータがこのような糖アルコール成分を含んでいると、親水性が高まり、尿と接触したときの変色速度を高くすることができる。
本発明のインジケータに用い得る糖アルコール成分としては、糖アルコール及びその重合体が挙げられ、具体的には、グリセリン、エリトリトール、D-トレイトール、L-トレイトール、D-アラビニトール、L-アラビニトール、キシリトール、リビトール、D-イジトール、ガラクチトール、マンニトール、ボレミトール、ペルセイトールなどの糖アルコール、及びこれら糖アルコールの重合体などが挙げられる。好ましい糖アルコール成分としては、グリセリン、及びその重合体であるポリグリセリンが挙げられる。なお、これらの糖アルコール成分は、1種類の糖アルコール成分を単独で用いてもよく、2種類以上の糖アルコール成分を併用してもよい。
インジケータに含まれる糖アルコール成分の含有量としては、インジケータの全質量(100質量%)に対して2.5質量%以上であれば特に限定されず、呈色反応の応答性や視認性などを考慮して適宜設定することができる。そのような含有量としては、インジケータ用組成物の全質量(100質量%)に対して、例えば、2.5質量%~20質量%であり、好ましくは3.0質量%~15.0質量%である。
(疎水性成分)
本発明の一実施形態であるインジケータ5は、ワックスやオイル、粘着付与樹脂などの疎水性成分を、可塑剤や粘着付与剤として更に含んでいる。この実施形態のように、本発明のインジケータは、疎水性成分として、ワックス、オイル及び粘着付与樹脂のうちの少なくとも一つの成分を更に含んでいることが好ましい。疎水性成分は、本発明のインジケータにおいては必須成分ではないものの、インジケータがこのような疎水性成分を含んでいると、インジケータ用組成物を不織布やフィルム等の基材に塗布する際に、基材への定着性が高くなり、インジケータを基材上の所定の位置に的確に形成することができる。これにより、このような疎水性成分を含むインジケータは、尿比重の変化をより精度よく、より確実に検知することができる。
本発明のインジケータに用い得るワックスとしては、可塑剤として作用し得るものであれば特に限定されず、例えば、公知の天然ワックスや合成ワックスなどが挙げられる。天然ワックスの具体的な例としては、パラフィンや微結晶ワックス(マイクロクリスタリンワックス)等の石油由来ワックス;蜜蝋や鯨蝋等の動物由来ワックス;カルナバ蝋等の植物由来ワックス;モンタンワックスやオゾケライト等の鉱物由来ワックスなどが挙げられる。合成ワックスの具体的な例としては、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、脂肪酸アミドなどが挙げられる。好ましいワックスとしては、パラフィンや微結晶ワックス等の石油由来ワックスが挙げられる。
本発明のインジケータに用い得るオイルとしては、可塑剤として作用し得るものであれば特に限定されず、例えば、公知のパラフィン系オイルやナフテン系オイル、芳香族系オイルなどが挙げられる。好ましいオイルとしては、ナフテン系オイルが挙げられる。
本発明のインジケータに用い得る粘着付与樹脂としては、粘着付与剤として作用し得るものであれば特に限定されず、例えば、公知の天然樹脂や石油系樹脂などが挙げられる。天然樹脂の具体的な例としては、ロジン及びロジン誘導体、テルペン及び変性テルペン等の植物由来樹脂などが挙げられる。石油系樹脂の具体的な例としては、C5~C9の脂肪族又は芳香族樹脂、C5~C9の脂肪族及び芳香族共重合樹脂などが挙げられる。
なお、以上の疎水性成分は、1種類の疎水性成分を単独で用いてもよく、2種類以上の疎水性成分を併用してもよい。
インジケータに含まれる疎水性成分の含有量としては、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されないが、例えば、インジケータの全質量(100質量%)に対して、0.1質量%~30.0質量%であり、好ましくは1.0質量%~20.0質量%である。
(アルカリ化剤)
本発明の一実施形態であるインジケータ5は、アルカリ化剤を任意成分として更に含んでいる。このようなアルカリ化剤を含んでいることで、インジケータ5は、尿の接触による呈色前後の色調のムラが生じにくく、変色をより視認しやすくなっている。
なお、インジケータ5においては、アルカリ化剤は、尿と接触する前の初期状態のインジケータ5をアルカリ性側の外観色に調整する手段としても用いられている。
本発明のインジケータに用い得るアルカリ化剤としては、特に限定されないが、例えば、公知の炭酸ナトリウム(NaCO)、水酸化ナトリウム(NaOH)、炭酸カリウム(KCO)などが挙げられる。
本発明のインジケータにおいては、アルカリ化剤として炭酸ナトリウムを更に含んでいることが好ましい。炭酸ナトリウムは、水酸化ナトリウムや炭酸カリウム等の他のアルカリ化剤と比べて、インジケータ中の他の成分と均一に混ざりやすいため、変色のムラや変色の異常が生じにくく、また、色の変化が小さい場合でも、変色が視認しやすくなる。これにより、アルカリ化剤として炭酸ナトリウムを含むインジケータは、尿比重の変化をより精度よく、より確実に検知することができる。
(その他の添加成分)
本発明のインジケータは、吸収性物品用のインジケータに用い得る任意の添加成分を更に含んでいてもよい。そのような添加成分としては、特に限定されないが、例えば、酸化防止剤や光安定化剤、抗菌剤、香料などが挙げられる。
上記の各成分からなるインジケータ用組成物は、特に限定されないが、任意の加熱溶融手段を用いて混合することにより製造することができる。
本発明のインジケータは、上述した実施形態や後述する実施例等に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや代替、変更等が可能である。
以下、実施例を例示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
脂肪族アルコールとしての1-ドコサノールと、アミン系の陽イオン界面活性剤としての第4級アンモニウム塩と、親水性高分子としての軟化点が約120℃のポリアミドと、pH指示薬としてのメチルレッド及びBTBと、アルカリ化剤としての炭酸ナトリウムと、糖アルコール成分としてのグリセリンと、疎水性成分としてのナフテンオイルとを、下記の表1に示す配合組成で混合し、インジケータ用組成物を得た。次いで、このインジケータ用組成物を溶融して、使い捨ておむつの裏面シート形成用のシート状基材の表面に塗布し、さらにそれを冷却して固化させることによって、実施例1のインジケータを作製した。
実施例2~5
各種成分の配合比率や種類等を下記の表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~5のインジケータを作製した。
実施例1~5のインジケータについて、下記の各種評価方法(すなわち、<変色性評価>、<変色速さ評価>及び<排尿後(吸収後)の保持性評価>)に従って、尿比重の変化に対する反応性を評価した。実施例1~5のインジケータの配合組成及び尿比重の変化に対する反応性の評価結果は、下記の表1に示す。
<変色性評価>
使い捨ておむつのバックシートに用いられる一般的な白色の防漏フィルム(ポリエチレンフィルム)に、評価対象のインジケータを6mm幅、20g/mの塗工量で線状に塗工し、変色性評価用の試験片を作製する。
作製した試験片のインジケータの上にろ紙(東洋濾紙製、アドバンテック定性ろ紙No.2(JIS P 3801[ろ紙(化学分析用)]に規定される2種に相当))を載せる。
尿比重が1.000~1.045の範囲内にある複数種類の尿を用意し、各比重の尿を評価対象のインジケータの上に載せたろ紙上に2mL滴下する。
滴下してから15分経過後にろ紙を取り除き、インジケータの変色の識別の可否を色見本と比較することによって評価する。0.005の尿比重の差異の変色を識別可能な場合を「〇」(尿比重の差異を精度よく検知可能)とし、0.010の尿比重の差異の変色を識別可能な場合を「×」(尿比重の差異を精度よく検知できない)とする。
<変色速さ評価>
尿を評価対象となるインジケータに接触させ、1分経過後のインジケータの色(尿による変色後の色)と、10分経過後のインジケータの色とを、色見本を用いて比較し、両者の色の同一性を評価する。両者の色が同一である場合を「◎」(1分以内に完全に変色可能、すなわち変色速さが非常に速い)とし、両者の色がほぼ同じである場合を「〇」(1分以内にほぼ変色可能、すなわち変色速さが速い)とし、両者の色が同系色である場合を「△」(1分以内に一定以上変色可能、すなわち変色速さが比較的速い)とし、両者の色が異なる場合を「×」(1分以内に変色できない、すなわち変色速さが遅い)とする。
<排尿後(吸収後)の保持性評価>
尿を評価対象となるインジケータに接触させ、3時間経過後のインジケータの色(尿による変色後の色)を目視で確認可能かどうかを評価する。3時間経過後のインジケータの色を明確に確認できる場合を「〇」(尿や湿気等の水分に対して非常に溶解しにくい)とし、3時間経過後のインジケータの色を確認できる場合を「△」(尿や湿気等の水分に対して溶解しにくい)とし、3時間経過後のインジケータの色を確認できない場合を「×」(尿や湿気等の水分に対して溶解しやすい)とする。
Figure 2023085138000002
表1に示すように、実施例1~5のインジケータは、尿比重の変化を精度よく検知することができる上、尿や湿気等の水分に対して溶解しにくいことがわかった。
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
4A 吸収コア
4B コアラップシート
5 インジケータ

Claims (10)

  1. 吸収性物品用のインジケータであって、
    前記インジケータは、尿と接触する前の初期状態においてアルカリ性側の外観色に調整され、尿に接触すると尿比重に応じた色に変色可能であり、
    pH指示薬と、
    20質量%以上の、常温で固体の脂肪族アルコールと、
    10質量%以上の親水性高分子及び10質量%以上のアミン系の陽イオン界面活性剤のうちの少なくとも一方の成分と、
    を含むことを特徴とする、インジケータ。
  2. 前記脂肪族アルコールは、40℃より高く110℃以下の融点を有することを特徴とする、請求項1に記載のインジケータ。
  3. 前記親水性高分子がポリアミドを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のインジケータ。
  4. 前記アミン系の陽イオン界面活性剤が第4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のインジケータ。
  5. 前記pH指示薬として、2種類以上のpH指示薬を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のインジケータ。
  6. 糖アルコール成分として、糖アルコール及び糖アルコールの重合体のうちの少なくとも一つの成分を、2.5質量%以上の配合割合で更に含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のインジケータ。
  7. 疎水性成分として、ワックス、オイル及び粘着付与樹脂のうちの少なくとも一つの成分を更に含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のインジケータ。
  8. アルカリ化剤として、炭酸ナトリウムを更に含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のインジケータ。
  9. 前記インジケータは、低比重の尿に接触すると青色又は緑色に変色し、高比重の尿に接触すると黄色又は橙色に変色することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のインジケータ。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載のインジケータを含むことを特徴とする、吸収性物品。
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