JP2023084240A - 広域需給調整装置、広域需給調整システム、広域需給調整装置用コンピュータプログラムおよび広域需給調整方法 - Google Patents

広域需給調整装置、広域需給調整システム、広域需給調整装置用コンピュータプログラムおよび広域需給調整方法 Download PDF

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正和 東野
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Abstract

【課題】一定のエリアに調整力が偏在化することを抑制し、広域のエリアにわたり効率よく電力需給調整を行う広域需給調整装置、システム、方法及びプログラムを提供する。【解決手段】広域需給調整システム1において、広域需給調整装置5は、制御対象となる複数のエリア夫々に要求された電力(AR値)に基づき、複数のエリア全体の調整量の総量を算出するネッティング部51と、ネッティング部により算出された複数のエリア全体の調整量の総量を、複数のエリアの夫々に分配して、複数のエリア夫々の制御分担量、複数のエリアの発電機91a~91nの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する制御分担量算出部52と、制御分担量算出部52により算出された複数のエリアの夫々の制御分担量、複数のエリア91a~91nの発電機毎の制御分担量のうち少なくとも一方に基づき、複数のエリアの夫々に対する指令値を作成する各電源指令作成部53と、を有する。【選択図】図1

Description

本実施形態は、電力系統の需給制御を行う広域需給調整装置、広域需給調整システム、広域需給調整装置用コンピュータプログラムおよび広域需給調整方法に関する。
電力を安定供給するためには電力系統の需給制御を行うことが必要とされる。この種の電力系統の需給制御システムとしては、負荷周波数制御(LFC)および経済負荷配分制御(EDC)を用いて需給制御を行う電力需給調整システムが知られている。
特開2001-238355号公報 特開2007-306770号公報 特開2017-060325号公報
昨今の電力自由化により、新規電力事業者が電力事業に参入し、従来に比べ複雑な電力供給および電力消費がなされるようになった。このため、電力需要量と供給量の調整(以降「電力需給調整」と総称する)は、効率よく行うことが必要とされる。効率よく電力需給調整を行うために、広域のエリアにわたり電力需給調整を行うことが必要とされる。また、電力需給調整にかかる調整力が、一定のエリアに偏在化することを避けることが好ましい。
一般送配電事業者の法的分離に伴い、2021年4月から、一般送配電事業者が調整力を調達するための需給調整市場の運用が開始された。需給調整市場は、市場運営の中立性と価格の透明性が確保されること、市場メカニズムを活用した効率的な需給調整が実現されること、必要な調整力が安定的に調達されること、が必要とされる。これらを実現するために、需給調整市場価格の公開、メリットオーダーでの発電、従来の一般電気事業者以外の電源やデマンドレスポンスの活用、調整の柔軟性が高い電源(周波数調整用の電源)の評価を行う方法等の検討が推進されている。需給調整市場が円滑に導入されるためにも、調整力の調達と運用における公平性と透明性が確保される必要がある。
昨今の電力システム改革に伴い、現状の電力会社における発電、送配電、小売事業は、法的に分離され、送配電と発電、小売事業に分けられる。既存の電力会社は、需給、周波数調整を行う場合、自社内にて必要となる需給調整力を確保していた。しかしながら、昨今の発電事業と送配電事業の分離により、電力事業者は、需給調整市場により需給調整力を確保する場合もある。
電力事業者は、市場参加者として、また系統運用者として中立の立場にて、メリットオーダーによる需給、周波数調整を行う。電力事業者は、需給調整市場における商品を購入または販売して、需給、周波数調整を行う。
需給調整市場における商品メニューとして、調整速度の異なる制御に対応した複数の商品が準備されている。一例として、需給調整市場における商品メニューは、制御区分ごと「一次調整力」「二次調整力」「三次調整力」(上げ、下げ別)に対応した10区分として計画されている。
従来、各エリアの電力系統において、エリアごとの電力需給制御装置により、自エリアの地域要求電力(AR)に基づき、需給調整力の制御および運用が行われていた。今後、需給調整市場により電力の広域調達、広域運用が開始される。今後、各エリアの電力系統における地域要求電力(AR)がネッティングされ、ネッティング後の地域要求電力(AR)が制御量として各エリアの電力系統に指示される。しかしながら複数のエリアに対し制御量にかかる指令が行われるため、一定のエリアに調整力が偏在化し、制御性能が確保されにくいとの問題点があった。
2020年8月に電力広域的運営推進機関(OCCTO)により、二次調整力に関する広域運用の検討方法が公開されたが、広域LFCとの連携方法による伝送時間や、演算時間を考慮した調整力の決定方法は考えられていない。このため、広域負荷周波数制御(LFC)機能による個別メリットオーダーリストに伴う制御量分担により、エリア間で調整力の余力が偏在化する可能性があり、制御性の悪化に繋がるとの問題点があった。また、メリットオーダーに伴う制御量の分担を行うことで調整コストに応じた配分となるため、経済性と制御性のトレードオフの関係となり、制御性の悪化に繋がるとの問題点があった。
本実施形態は、一定のエリアに調整力が偏在化することを抑制し、広域のエリアにわたり効率よく電力需給調整を行うことができる広域需給調整装置、広域需給調整システム、広域需給調整装置用コンピュータプログラムおよび広域需給調整方法を提供することを目的とする。
本実施形態の広域需給調整装置は、以下の構成を有することを特徴とする。
(1)制御対象となる複数のエリアのそれぞれに要求された電力(AR値)に基づき、複数の前記エリア全体の調整量の総量を算出するネッティング部。
(2)前記ネッティング部により算出された複数の前記エリア全体の調整量の総量を、複数の前記エリアのそれぞれに分配して、複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する制御分担量算出部。
(3)前記制御分担量算出部により算出された複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方に基づき、複数の前記エリアのそれぞれに対する指令値を作成する各電源指令作成部。
第1実施形態にかかる広域需給調整システムを示す図 第1実施形態にかかる広域需給調整システムにおける広域需給調整装置と各エリアの接続関係を説明する図 第1実施形態にかかる電力需給制御装置の動作フローを示す図 第1実施形態にかかる広域需給調整装置の動作フローを示す図 従来技術によるAR配分方式の一般的な制御ロジックを示す図 第1実施形態にかかる広域需給調整システムの制御ロジックを示す図 第1実施形態にかかる広域需給調整システムにおける発電機毎の個別メリットオーダーを示す図 第1実施形態にかかる広域需給調整装置と各エリアの関係を説明する図 第1実施形態にかかる広域需給調整システムにおける各エリアの調整力を説明する図 第1実施形態にかかる広域需給調整システムにおける各発電機の調整力を説明する図 第1実施形態にかかる広域需給調整システムにおける時系列的な調整力の余力を説明する図 第2実施形態にかかる広域需給調整システムにおけるメリットオーダーに従ったLFCモデルを示す図 第2実施形態にかかる広域需給調整システムにおける価格差をベースにした配分方法を説明する図 第2実施形態にかかる広域需給調整システムにおける各発電機の上げ調整価格および下げ調整価格示す図 商品区分を説明する図
[第1実施形態]
[1-1.構成]
図1、図2を参照して本実施形態の一例として、広域需給調整システムについて説明する。なお、本実施形態において、同一構成の装置や部材が複数ある場合にはそれらについて同一の番号を付して説明を行い、また、同一構成の個々の装置や部材についてそれぞれを説明する場合に、共通する番号にアルファベットの添え字を付けることで区別する。
(1)システムの全体構成
図1に、本実施形態にかかる広域需給調整システム1を示す。広域需給調整システム1は、電力需給制御装置2、広域需給調整装置5を有する。一般に、広域需給調整装置5に相当するものを広域需給調整システムと呼ぶが、本実施形態では、広域需給調整装置5および電力需給制御装置2を含むものを広域需給調整システム1と呼ぶ。1台の電力需給制御装置2により需給調整の制御が行われる制御対象となる領域を、1つのエリアと呼ぶ。また、2つ以上のエリアを広域と呼ぶ。図2に示すように広域需給調整装置5は、複数のエリアの電力需給制御装置2に接続される。電力系統9は、複数の発電機91、自然エネルギー発電設備92、検出装置93を備える。電力需給制御装置2は、複数の発電機91、自然エネルギー発電設備92、検出装置93に接続される。電力系統9aは、連系線を介し他の電力系統9bに接続される。また、各発電機91は、検出用の信号線97および制御用の信号線98により電力需給制御装置2に接続される。
本実施形態にかかる広域需給調整システム1において、以下のデータが、入力、出力、送受信または記憶される。また、以降、「地域要求電力」を「AR」、「負荷周波数制御」を「LFC(LFC:Load Frequency Control)」、「経済負荷配分制御」を「EDC(ELD;Economic load Dispatch Control)」と呼ぶ場合がある。「需要実績値」とは、実際に供給した電力ではなく、実際に発電された電力の値(発電端電力値)をいう。
データa1(発電機発電電力値)
データb1(自然エネルギー発電電力値)
データc1(周波数変化量ΔF)
データc2(潮流電力変化量ΔPT)
データc3(融通電力P0)
データd1(発電目標値)
データf1(AR値)
データf2(平滑後AR値)
データf3(AR配分値)
データg1(リアルタイムEDC値)
データg2(個別メリットオーダーリスト)
データg3(既LFC動作量)
データh1(ネッティング後AR値)
データh2(制御分担量)
データh3(LFC制御出力指令)
(2)発電機91
発電機91は、電力系統9aに供給する電力を発電する電力供給設備である。一例として、本実施形態の広域需給調整システム1は、発電機91a~91nを有する。例えば、発電機91aは、出力変化速度の速い、水力機等の高速機により構成される。例えば、発電機91bは、出力変化速度のやや遅い、石油火力機等の中速機により構成される。例えば、発電機91nは、出力変化速度の極めて遅い、石炭火力機等の低速機により構成される。発電機91は任意の発電速度を有する発電機により構成されるものであってよい。
発電機91は、電力需給制御装置2に接続される。発電機91は、検出用の信号線97を介し電力需給制御装置2に対して、データa1(発電機発電電力値)を送信する。また、発電機91は、制御用の信号線98を介し電力需給制御装置2からデータd1(発電目標値)を受信し、データd1(発電目標値)に基づき発電電力の制御を行う。なお、発電機91a~91nは、任意の台数であってよい。
(3)自然エネルギー発電設備92
自然エネルギー発電設備92は、太陽光、風力等の自然エネルギーにより電力を発電し、発電した電力を電力系統9aに供給する電力供給設備である。一例として、本実施形態の広域需給調整システム1は、自然エネルギー発電設備92a~92nを有する。自然エネルギー発電設備92は、電力需給制御装置2にデータb1(自然エネルギー発電電力値)を送信する。なお、自然エネルギー発電設備92a~92nは、任意の台数であってよい。
(4)検出装置93
検出装置93は、電力系統9aの電気量を検出する測定装置である。検出装置93は、電力系統9aに配置される。検出装置93は、連系線における電力系統9aに関するデータc1(周波数変化量ΔF)、データc2(潮流電力変化量ΔPT)、データc3(融通電力P0)の各項目を検出し電力需給制御装置2に送信する。
(5)電力需給制御装置2
電力需給制御装置2は、コンピュータ等により構成される。電力需給制御装置2は、電力の監視制御を行う制御室等に配置される。電力需給制御装置2は、発電機91から送信されるデータa1(発電機発電電力値)、自然エネルギー発電設備92から送信されるデータb1(自然エネルギー発電電力値)、検出装置93から送信される連系線における電力系統9aに関するデータc1(周波数変化量ΔF)、データc2(潮流電力変化量ΔPT)、データc3(融通電力P0)が、入力される。電力需給制御装置2は、発電機91に対し、データd1(発電目標値)を送信する。
電力需給制御装置2は、入力部21、出力部22、目標値作成部23、AR算出部24、AR平滑部25、AR配分部26、リアルタイムEDC算出部27、AR送信部31、情報送信部32、LFC制御出力指令受信部33、切替部34を有する。
電力需給制御装置2の入力部21、出力部22、AR送信部31、情報送信部32、LFC制御出力指令受信部33は、ハードウェアにより構成される。目標値作成部23、AR算出部24、AR平滑部25、AR配分部26、リアルタイムEDC算出部27、切替部34は、機能ブロックとしてソフトウェアモジュールにより構成される。
入力部21は、受信回路により構成される。入力部21は、入力側が信号線97を介し発電機91に、出力側が目標値作成部23に接続される。入力部21は、発電機91から送信されたデータa1(発電機発電電力値)を受信する。入力部21は、データa1(発電機発電電力値)を目標値作成部23に送信する。
出力部22は、送信回路により構成される。出力部22は、入力側が目標値作成部23に、出力側が信号線98を介し発電機91に接続される。出力部22は、目標値作成部23から入力されたデータd1(発電目標値)を、発電機91に送信する。
目標値作成部23は、入力側が入力部21、切替部34およびリアルタイムEDC算出部27に接続され、出力側が出力部22に接続される。目標値作成部23は、入力部21から発電機91のデータa1(発電機発電電力値)を、切替部34からデータf3(AR配分値)またはデータh3(LFC制御出力指令)の一方を受信する。目標値作成部23は、リアルタイムEDC算出部27からデータg1(リアルタイムEDC値)を受信する。
目標値作成部23は、データa1(発電機発電電力値)、データg1(リアルタイムEDC値)、切替部34により選択されたデータf3(AR配分値)またはデータh3(LFC制御出力指令)の一方に基づき、データd1(発電目標値)を作成し出力部22に送信する。
AR算出部24は、入力側が自然エネルギー発電設備92および検出装置93に接続され、出力側がAR平滑部25、AR送信部31に接続される。AR算出部24は、自然エネルギー発電設備92からデータb1(自然エネルギー発電電力値)を、検出装置93からデータc1(周波数変化量ΔF)、データc2(潮流電力変化量ΔPT)、データc3(融通電力P0)を受信する。
AR算出部24は、データb1(自然エネルギー発電電力値)、データc1(周波数変化量ΔF)、データc2(潮流電力変化量ΔPT)、データc3(融通電力P0)に基づき、AR値を算出し、AR平滑部25およびAR送信部31にデータf1(AR値)を送信する。
AR平滑部25は、入力側がAR算出部24に、出力側がAR配分部26に接続される。AR平滑部25は、AR算出部24からデータf1(AR値)をを受信する。AR平滑部25は、データf1(AR値)に基づき、周波数分解を行いAR配分部26にデータf2(平滑後AR値)を送信する。
AR配分部26は、入力側がAR平滑部25に接続され、出力側が切替部34に接続される。AR配分部26は、AR平滑部25からデータf2(平滑後AR値)を受信する。AR配分部26は、データf2(平滑後AR値)に基づき、発電機91ごとの発電配分を算出し、切替部34にデータf3(AR配分値)を送信する。データf3(AR配分値)は、各発電機91へ配分された調整量であって、発電機91のメリットオーダーに基づいて算出される。
また、AR配分部26は、データf3(AR配分値)を発電機91の運転能力に応じて配分する。運転能力は、例えば発電機91の発動までの応動時間である。AR配分部26は、各目標値作成部23に対するデータf3(AR配分値)を切替部34に送信する。
AR送信部31は、送信回路により構成される。AR送信部31は、AR算出部24により算出されたデータf1(AR値)を広域需給調整装置5に送信する。
情報送信部32は、送信回路および記憶装置により構成される。情報送信部32は、あらかじめ設定され記憶しているデータg2(個別メリットオーダーリスト)、データg3(既LFC動作量)にかかる情報を広域需給調整装置5に送信する。
LFC制御出力指令受信部33は、受信回路により構成される。LFC制御出力指令受信部33は、広域需給調整装置5から後述するデータh3(LFC制御出力指令)を受信し、切替部34に送信する。
切替部34は、AR配分部26から送信されたデータf3(AR配分値)、またはLFC制御出力指令受信部33から送信されたデータh3(LFC制御出力指令)のいずれか一方を選択し、目標値作成部23a~23nの各々に送信する。
リアルタイムEDC算出部27は、入力側がAR平滑部25に接続され、出力側が各目標値作成部23に接続される。リアルタイムEDC算出部27は、AR平滑部25からデータf2(平滑後AR値)を受信する。なお、AR平滑部25は広域需給調整装置5内に有ってもよいこととする。
リアルタイムEDC算出部27は、データf2(平滑後AR値)に基づいて経済負荷配分を行い、発電機91のメリットオーダーによって、経済負荷配分の計算結果としてデータg1(リアルタイムEDC値)を発電機91ごとに算出する。
データg1(リアルタイムEDC値)とは、広域需給調整システム1全体として経済的になるよう発電機91ごとにスケジュール配分された発電電力値である。
また、リアルタイムEDC算出部27は、発電機91のメリットオーダーによって自エリアにおけるEDC対象のエリアインバランス量を配分する。リアルタイムEDC算出部27は、EDC周期に合わせてエリアインバランス量を配分する。
エリアインバランス量とは、あるエリアの未来の時間帯において、手当されている電力量と、要求された電力量との差分である。要求された電力量が、手当されている電力量よりも大(つまりAR値が正)であれば、エリアインバランス量の不足=調達すべき電力量の不足を意味する。反対に、要求された電力量が手当されている電力量よりも小(つまりAR値が負)であれば、エリアインバランス量の過多=調達すべき電力量の過多を意味する。
リアルタイムEDC算出部27により算出され配分されたデータg1(リアルタイムEDC値)は、目標値作成部23に送信される。目標値作成部23は、データa1(発電機発電電力値)、データg1(リアルタイムEDC値)、切替部34により選択されたデータf3(AR配分値)またはデータh3(LFC制御出力指令)の一方に基づき、データd1(発電目標値)を作成し出力部22に送信する。
(6)広域需給調整装置5
広域需給調整装置5は、コンピュータ装置により構成される。広域需給調整装置5は、各電力系統9に設置された電力需給制御装置2に対し、指令制御量の指示を行う上位の制御装置である。広域需給調整装置5は、各電力系統9の監視制御を行う制御室等に配置される。
広域需給調整装置5は、ネッティング部51、制御分担量算出部52、各電源指令作成部53を有する。
ネッティング部51は、電力需給制御装置2からデータf1(AR値)を受信する。ネッティング部51は、各エリアのデータf1(AR値)に基づき、エリア全体に対する調整量を算出するために、AR値のネッティングを行う。制御量を決定する動作がネッティングと呼ばれる。ネッティング部51は、ネッティングしたAR値をデータh1(ネッティング後AR値)として制御分担量算出部52に送信する。
制御分担量算出部52は、ネッティング部51からデータh1(ネッティング後AR値)を受信する。また、制御分担量算出部52は、電力需給制御装置2からデータg2(個別メリットオーダーリスト)、データg3(既LFC動作量)を受信する。制御分担量算出部52は、データh1(ネッティング後AR値)、データg2(個別メリットオーダーリスト)、データg3(既LFC動作量)に基づいて、各エリアの発電機に対する制御分担量を算出する。制御分担量算出部52は、算出した制御分担量をデータh2(制御分担量)として各電源指令作成部53に送信する。
各電源指令作成部53は、制御分担量算出部52からデータh2(制御分担量)を受信する。各電源指令作成部53は、データh2(制御分担量)に基づき各エリアの発電機に対する指令値を算出する。各電源指令作成部53は、算出した各エリアの発電機に対する指令値をデータh3(LFC制御出力指令)として各エリアの電力需給制御装置2のLFC制御出力指令受信部33に送信する。
以上が、広域需給調整システム1の構成である。
[1-2.作用]
最初に現在行われている一般的な電力需給制御について説明する。
[一般的な電力需給制御]
電力系統の負荷は、季節や時刻に応じ変動している。電力系統の負荷変動は、以下の(イ)(ロ)(ハ)の3つに区分して考えることができる。
(イ)サイクリック分:数秒から数分周期までの微小周期の負荷変動をサイクリック分と呼ぶ。変動幅の小さい種々の振動周期を持った脈動成分や、不規則な変動成分が重畳したものと考えられる。
(ロ)フリンジ分:数分から10数分程度までの短周期の負荷変動をフリンジ分と呼ぶ。
(ハ)サステンド分:10数分以上の長周期の負荷変動をサステンド分と呼ぶ。
微小周期の負荷変動であるサイクリック分のうち、極めて短周期の負荷変動は、系統の負荷特性より調整される。サイクリック分のうち、前述の周期以上の数分程度の周期を有する負荷変動は、ガバナフリー運転されている発電所の調速機により調整される。サイクリック分のうち、さらに前述の周期以上の負荷変動は、電力会社の中央給電指令所に設置された電力需給制御装置により制御され調整される。
短周期の負荷変動であるフリンジ分の負荷変動は、サイクリック分に比べ変動量が大きいためガバナフリーだけでは調整することができない。フリンジ分の負荷変動は、負荷周波数制御(LFC:Load Frequency Control)により、検出された周波数偏差、電力変動量に基づき発電機の出力が制御され調整される。
長周期の負荷変動であるサステンド分の負荷変動は、負荷変動における変動量が大きく、1日の負荷曲線における負荷変動の一部と考えることができる。サステンド分の負荷変動は、負荷周波数制御では、発電機の発電能力が不足しており、所望の発電量に調整することができない。サステンド分の負荷変動は、発電所の経済運用である経済負荷配分制御(EDC:Economic Load Dispatch)により調整される。
負荷周波数制御および経済負荷配分制御は、電力会社の中央給電指令所に設置された電力需給制御装置の重要機能である。負荷周波数制御(LFC)は、連系線潮流、系統周波数を一定に維持することを目的とする。経済負荷配分制御(EDC)は、最経済となる電力運用を行うことを目的とする。以下、負荷周波数制御(LFC)と経済負荷配分制御(EDC)を合わせて需給制御と呼ぶ。
負荷周波数制御(LFC)は、系統の周波数および他系統との連系線における潮流電力に応じた各発電機の出力調整により行われる。負荷周波数制御(LFC)の出力調整は、全ての発電機に対して行われるのではなく、比較的速い出力変動に対応することができる水力機のような高速機や石油火力機のような中速機に対して行われる。
石炭火力機のような低速機や原子力ユニットまたは運用上出力変動を避けたい発電機に対して、負荷周波数制御(LFC)の出力調整は、一般的には行われない。負荷周波数制御(LFC)は、各電力会社の中央給電指令所の電力需給制御装置から各発電機に対し、行われるものであり、出力が所望の値に変動するまでに、数十秒程度の遅れが発生する。
負荷周波数制御(LFC)は、以下の3方式に区分される。
(a)定周波数制御(FFC):周波数変化量(ΔF)を検出して、ΔFを少なくするように発電機の出力を調整し、系統の周波数のみを規定値に保つように制御する制御方式。
(b)定連系電力制御(FTC):連系線における潮流電力の変化量(ΔPT)を検出して、ΔPTを少なくするように発電機の出力を調整し、連系線における潮流電力のみを規定値に保つように制御する制御方式。
(c)周波数バイアス連系線電力制御(TBC):周波数変化量(ΔF)と連系線における潮流電力の変化量(ΔPT)とを検出し、地域要求電力(AR)を算出し、地域要求電力(AR)に応じて発電機の出力を制御する制御方式。
現在、周波数バイアス連系線電力制御(TBC)が、我が国において広く採用されている。周波数バイアス連系線電力制御(TBC)は、各電力会社の中央給電指令所に設置された電力需給制御装置から各発電機に対し行われる。周波数バイアス連系線電力制御(TBC)にかかる制御は、以下の手順により行われる。
(手順a1:地域要求電力(AR)の算出)
周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)に基づき地域要求電力(AR)の算出を行う。
AR=-K・ΔF+ΔPT
・・・・・(式1)
AR:地域要求電力[MW]
K:系統定数[MW/Hz]
ΔF:周波数偏差[Hz]
ΔPT:連系線潮流変化量[MW]
連系線潮流変化量(ΔPT)とは、連系線における潮流電力の変化量である。上記(式1)では、自系統に流入する電力の潮流方向を正の値としている。地域要求電力(AR)の値が正であれば、系統全体として発電ユニットの出力を上げる。地域要求電力(AR)が負の値であれば、系統全体として発電ユニットの出力を下げる。
(手順a2:地域要求電力(AR)のフィルタリング)
過去の地域要求電力(AR)に基づき指数平滑等によるフィルタリングを行い、地域要求電力(AR)を低速機、高速機へ配分する調整量を算出する。出力変化速度の遅い、例えば火力発電機が低速機に相当する。出力変化速度の速い、例えば水力発電機が高速機に相当する。地域要求電力(AR)を周波数分解し、変動周期の短い電力を高速機に、変動周期の長い電力を低速機に配分するように調整量を算出してもよい。
(手順a3:発電機への配分)
地域要求電力(AR)をフィルタリング、または周波数分解し、算出した調整量を各発電機に配分する。配分は、需給調整が行われている全ての発電機に対して、低速機、高速機別に発電機の出力変化速度、または出力余裕度等に基づき行われる。
(手順a4:目標指令値の算出)
各発電機の目標指令値の算出を行う。各発電機の目標指令値は、配分された地域要求電力(AR)と、経済負荷配分制御(EDC)にて算出されたリアルタイムEDCまたは現在出力とが加算され算出される。目標指令値は、一定の基準値を逸脱しないように設けられた上下限値内に設定されるようにしてもよい。
(手順a5:発電機の出力が変動する)
目標指令値を受信し、各発電機は、出力を変動させる。その結果、系統周波数、並びに連系線潮流が変化する。その後、手順a1に戻り上記手順を繰り返す。
[一般的な経済負荷配分制御(EDC)]
経済負荷配分制御(EDC)は、1日の負荷曲線に見られる、低速の電力負荷変動に対して行われる。低速の電力負荷変動は、過去のデータの基づき高精度で予測することができる。予測された電力負荷変動に対して、燃料費であるコストが少なくなるように、経済負荷配分制御(EDC)にかかる各発電機の制御量が算出される。経済負荷配分制御(EDC)にかかる各発電機の制御量の算出に、等増分燃料費則(等λ法)が用いられる場合が多い。
以下に、日本の電力会社にて多用されている等増分燃料費則(等λ法)の一例について説明する。経済負荷配分制御(EDC)は、各電力会社の中央給電指令所に設置された電力需給制御装置から各発電機に対し行われる。経済負荷配分制御(EDC)にかかる制御は、以下の手順により行われる。
(手順b1:λの初期値の設定)
最初に、増分となる燃料にかかる燃料費に相当するλの初期値を設定する。
(手順b2:各発電機の制御量の算出)
次に、増分となる燃料にかかる燃料費に相当するλに等しくなる各発電機の制御量の算出を行う。制御量は、最小出力値を下回っている場合、最小出力値に、最大出力値を上回っている場合、最大出力値に設定される。
(手順b3:出力電力の総和の算出)
次に、各発電機から出力される出力電力の総和を算出する。
(手順b4:λの再設定)
手順b3で算出された出力電力の総和が負荷未満である場合、λを大きくし、出力の総和が負荷を超える場合、λを小さくし、λの再設定を行う。以降、出力電力の総和と負荷との差分が一定値以内になるまで手順b2~手順b4を繰り返す。
昨今の電力システム改革に伴い、現状の電力会社における発電、送配電、小売事業は、法的に分離され、送配電と発電、小売事業に分けられる。従来において、電力需給、周波数調整を行う場合、電力会社は自社内にて必要となる需給調整力を確保していた。電力システム改革により、電力会社は需給調整市場により需給調整力を確保することとなる。需給調整市場における商品メニューは、一例として図15に示すように制御区分ごと「一次調整力」「二次調整力」「三次調整力」(上げ、下げ別)に対応した10区分として計画されている。
アンシラリーサービスは、系統全体の周波数維持等の高品質な電力供給を確保する業務である。従来において、アンシラリーサービスは、自社の発電機を用い一般電気事業者により行われていた。需給調整市場に基づく新たなライセンス制により、今後のアンシラリーサービスは、一般送配電事業者により行われる。
今後のアンシラリーサービスにおいて、電力品質確保に必要な電源等は、調整力として一般送配電事業者により発電事業者等から調達され、調整力の確保に必要なコストは託送料金として、一般送配電事業者により回収される仕組みとなった。この仕組みにより、多様な発電事業者等の参画および競争が進み、調整力として調達可能な電力の増大、電力品質の向上、効率的な調整力の活用等が期待される。この仕組みは、調整力の調達の公平性、透明性が確保された上で、一般送配電事業者により行われることを前提としている。手続の具体的な内容は、各一般送配電事業者に委ねられている。
今後、系統全体における高品質な電力供給を確保することが、一般送配電事業者に要求される。需給調整市場により需給調整力の確保が行われるため、一般送配電事業者は、メリットオーダーによる需給、周波数調整を行う。
従来、各エリアの電力系統において、エリアごとの電力需給制御装置により、自エリアの地域要求電力(AR)に基づき、需給調整力の制御および運用が行われていた。今後、需給調整市場により電力の広域調達、広域運用が開始される。今後、各エリアの電力系統における地域要求電力(AR)がネッティングされ、ネッティング後の地域要求電力(AR)が図6、図7に示すように負荷周波数制御(LFC)にかかる制御量として各エリアの電力系統に指示される。
しかしながら複数のエリアに対し負荷周波数制御(LFC)にかかる制御量の指令が行われるため、一定のエリアに調整力が偏在化し、制御性能が確保されにくいとの問題点があった。
電力系統9の制御性能を確保するために、一定のエリアに調整力が偏在化しない負荷周波数制御(LFC)にかかる制御量の指令が行われることが望ましい。
また、需給調整市場においても、調整力の細分化(10の商品区分)のみではなく、調整力の広域調達を行うことが想定されている。現在、調整力はエリア内のみで調達されている。今後、調整力の広域調達を行うために、複数のエリアにリアルタイムで制御信号を送る仕組みが設けられることが望ましい。
[広域需給調整システム1の動作]
次に、本実施形態の広域需給調整システム1の動作を図1~図4に基づき説明する。本実施形態の広域需給調整システム1において、複数のエリアにおける電力需給制御装置2が、図2に示すように広域需給調整装置5により連携して制御される。本実施形態において2つ以上のエリアを広域と呼ぶ。本実施形態における需給調整方式は、図15におけるLFC機能にかかる二次調整力の商品区分を主に対象とする。需給調整のための調整電源である発電機91は、火力、水力機のみならず、蓄電池やDR等を含む。
(電力需給制御装置2の動作)
図3に、電力需給制御装置2の動作にかかるフローを示す。図3に示すプログラムは、電力需給制御装置2に内蔵される。本実施形態の複数のエリアに配置された電力需給制御装置2は、広域需給調整装置5からデータh3(LFC制御出力指令)を指示される。電力需給制御装置2は、下記の手順にて動作および演算を行う。
(ステップS20:データf1(AR値)の算出)
検出装置93は、連系線における電力系統9aに関するデータc1(周波数変化量ΔF)、データc2(潮流電力変化量ΔPT)、データc3(融通電力P0)の各項目を検出し、電力需給制御装置2に送信する。自然エネルギー発電設備92は、電力需給制御装置2にデータb1(自然エネルギー発電電力値)を送信する。
電力需給制御装置2のAR算出部24は、以下の信号を受信する。
検出装置3から送信された以下の信号
データc1(周波数変化量ΔF)
データc2(潮流電力変化量ΔPT)
データc3(融通電力P0)
自然エネルギー発電設備92から送信された以下の信号
データb1(自然エネルギー発電電力値)
AR算出部24は、データc1(周波数変化量ΔF)、データc2(潮流電力変化量ΔPT)、データc3(融通電力P0)、データb1(自然エネルギー発電電力値)に基づき、データf1(AR値)の算出を(式1)により行う。(式1)を再掲する。(式1)におけるARが、データf1(AR値)である。
AR=-K・ΔF+ΔPT
・・・・・(式1)
AR:地域要求電力[MW]
K:系統定数[MW/Hz]
ΔF:周波数偏差[Hz]
ΔPT:連系線潮流変化量[MW]
上記(式1)では、自系統に流入する電力の潮流方向を正の値としている。
(ステップS30:データf1(AR値)の送信)
AR送信部31は、ステップS20で算出されたデータf1(AR値)を広域需給調整装置5に送信する。
広域需給調整装置5は、各エリアの電力需給制御装置2からデータf1(AR値)を受信する。また、広域需給調整装置5は、各エリアの電力需給制御装置2からデータg2(個別メリットオーダーリスト)、データg3(既LFC動作量)を受信する。広域需給調整装置5は、データf1(AR値)、データg2(個別メリットオーダーリスト)、データg3(既LFC動作量)に基づき各エリアの調整量または各エリアの発電機ごとの調整量を算出し、データh3(LFC制御出力指令)として各エリアの電力需給制御装置2に対し送信する。
(ステップS31:データh3(LFC制御出力指令)の受信)
LFC制御出力指令受信部33は、広域需給調整装置5からデータh3(LFC制御出力指令)を受信し切替部34に送信する。
(ステップS21:データf2(平滑後AR値)の算出)
AR平滑部25は、ステップS20で算出されたデータf1(AR値)に基づき、データf2(平滑後AR値)を算出する。データf2(平滑後AR値)は、フーリエ展開によりデータf1(AR値)が周波数分解され算出される。
(ステップS22:データf3(AR配分値)の算出)
AR配分部26は、ステップS21で周波数分解されたデータf2(平滑後AR値)に基づき、データf3(AR配分値)を算出する。データf3(AR配分値)は、各発電機91a、91b、91nの調整量であり、発電機91の出力応答速度または出力余裕度に応じ算出される。
(ステップS32:データf3(AR配分値)またはデータh3(LFC制御出力指令)の選択)
切替部34は、ステップS22で算出されたデータf3(AR配分値)またはデータh3(LFC制御出力指令)を選択して出力する。例えば、他のエリアにおける電力需給制御装置2または電力系統9に事故が発生した場合、切替部34によりデータf3(AR配分値)が選択される。他のエリアにおける電力需給制御装置2または電力系統9に異常がない場合、切替部34によりデータh3(LFC制御出力指令)が選択される。切替部34は、切替えることによりデータf3(AR配分値)またはデータh3(LFC制御出力指令)の選択を行う。
(ステップS204:データg1(リアルタイムEDC値)の算出)
リアルタイムEDC算出部27は、上記のステップS20~S22に並行して、ステップS204を実行する。リアルタイムEDC算出部27は、ステップS21で算出されたデータf2(平滑後AR値)に基づき、データg1(リアルタイムEDC値)を算出する。データg1(リアルタイムEDC値)は、発電機91a、91b,91nのメリットオーダーに応じ、各発電機91a、91b,91nに対する経済負荷配分が行われ、算出される。
(ステップS23:データd1(発電目標値)の算出)
目標値作成部23は、ステップS22で算出されたデータf3(AR配分値)、ステップS204でリアルタイムEDC算出部27により算出されたデータg1(リアルタイムEDC値)に基づき、データd1(発電目標値)を算出する。目標値作成部23a、23b、23nごとに、各発電機91a、91b、91bnごとのデータd1(発電目標値)が算出される。
(ステップS24:データd1(発電目標値)の送信)
目標値作成部23は、ステップS23で算出したデータd1(発電目標値)を、出力部22に送信する。データd1(発電目標値)は、出力部22a、22b、22nのそれぞれに送信される。
(ステップS25:データd1(発電目標値)の指令送出)
出力部22は、ステップS24で受信したデータd1(発電目標値)を、発電機91に送信する。データd1(発電目標値)は、各発電機91a、91b、91nに対し、それぞれ出力部22a、22b、22nから送信される。これにより、各発電機91a、91b、91nは、データd1(発電目標値)にかかる電力を出力する。
図5に、出力変化速度比にて処理を行う場合のAR配分部26における一般的な制御ロジックを示す。出力変化速度比にて処理を行う場合の一般的なAR配分は以下の手順にて行われる。最初にAR計算により周波数偏差と系統容量の積が算出される。次に係数Kが乗算された周波数偏差と系統容量の積と、連系点の潮流偏差との差分が周波数分解され、平滑化される。平滑化された差分は、さらに不感帯を除きPI制御され、各発電機91に対する指令値に配分される。
(広域需給調整装置5の動作)
ネッティング部51は、データf1(AR値)に基づき、制御の対象となるエリア全体の調整量データh1(ネッティング後AR値)の総量を算出する。データf1(AR値)は、制御の対象となるエリアのそれぞれに要求された電力であり、各エリアの電力需給制御装置2により算出される。
制御分担量算出部52は、ネッティング部51により算出されたエリア全体の調整量であるデータh1(ネッティング後AR値)の総量を、制御の対象となるエリアのそれぞれに分配して、データh2(制御分担量)を算出する。データh2(制御分担量)は、それぞれのエリアの制御分担量として算出されてもよいし、それぞれのエリアの発電機ごとの制御分担量として算出されてもよい。
制御分担量算出部52は、エリアにおける発電機が発電することができる余力である調整力に基づき、現在供給されている電力と要求された電力との差分であるインバランスを分配してエリアのそれぞれの制御分担量、エリアのそれぞれの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出する。
各電源指令作成部53は、制御分担量算出部52により算出されたデータh2(制御分担量)に基づき、エリアのそれぞれに対する指令値データh3(LFC制御出力指令)を作成する。データh2(制御分担量)は、制御分担量算出部52によりそれぞれのエリアの制御分担量、それぞれのエリアの発電機ごとの制御分担量として算出される。
従来技術におけるAR配分部26は、インバランスを発電機91に配分する場合、各エリア単位で、データf2(平滑後AR値)を各発電機91に配分していた。今後、需給調整市場が開設されるため、調整量はメリットオーダー方式による調整コストを含め算出される。広域需給調整装置5は、メリットオーダー方式による調整コストを含め算出した調整量を、各発電機91に配分する。
AR配分部26は、各エリアにおける各発電機91に対する調整量を算出する。一方、広域需給調整装置5は、各エリアを統合した広域におけるインバランスに基づき、各エリアに対する調整量を算出する。広域需給調整装置5による各エリアに対するメリットオーダー方式による調整コストを用いた配分は、図7に示す手順に基づき行われる。
つまり、従来技術における広域需給調整装置5は、発電機91の出力を上げる場合(上げ調整力)、単価の安い順にエリアごとの発電機91を抽出し配分する。広域需給調整装置5は、発電機91の出力を下げる場合(下げ調整力)、単価の高い順にエリアごとの発電機91を抽出し配分する。
例えば、図8に示すように、4つのエリアがあり、エリアAには調整コストの安い発電機91が多く、エリアDには調整コストの高い発電機91が多いと仮定する。従来技術における広域需給調整装置5は、エリアAに出力増加の配分を多く行うこととなる。このためエリアAにおける上げ調整力が不足する場合があり、制御性が悪化する可能性があった。また、従来技術における広域需給調整装置5は、エリアDに出力減少の配分を多く行うこととなる。このためエリアDにおける下げ調整力が不足する場合があり、制御性が悪化する可能性があった。
本実施形態にかかる広域需給調整装置5は、一定のエリアに調整力が偏在化することを抑制するために、各エリアの調整力の大きさに応じて調整量を算出する。
ネッティング部51は、電力需給制御装置2からデータf1(AR値)を受信する。ネッティング部51は、各エリアのデータf1(AR値)に基づき、エリア全体に対する調整量を算出するために、AR値のネッティングを行う。制御量を決定する動作がネッティングと呼ばれる。ネッティング部51は、ネッティングしたAR値をデータh1(ネッティング後AR値)として制御分担量算出部52に送信する。
制御分担量算出部52は、ネッティング部51からデータh1(ネッティング後AR値)を受信する。また、制御分担量算出部52は、電力需給制御装置2からデータg2(個別メリットオーダーリスト)、データg3(既LFC動作量)を受信する。制御分担量算出部52は、データh1(ネッティング後AR値)、データg2(個別メリットオーダーリスト)、データg3(既LFC動作量)に基づいて、各エリアの発電機に対する制御分担量を算出する。各エリアの発電機に対するデータh2(制御分担量)は以下の手順により算出される。
例えば、図9に示すように、エリアA、エリアB、エリアC、エリアDごとに、それぞれ、100MW、50MW、30MW、80MWの調整力がある場合、各エリアに分担される調整量は(式2)のようになる。調整力は、発電することができる余力にかかる電力である。エリアA、エリアB、エリアC、エリアDごとの100MW、50MW、30MW、80MWの調整力は、予め定められたた調整力、または予め入札により確保されている発電機91の調整力にかかる電力(ΔkW)の総和である。
Figure 2023084240000002
・・・・・(式2)
(式2)がデータh2(制御分担量)とされる。制御分担量算出部52は、算出したデータh2(制御分担量)を各電源指令作成部53に送信する。
上記によれば、制御分担量算出部52によるデータh2(制御分担量)にかかる各エリアの調整量は、予め定められた各エリアの調整力または予め入札により確保されている個々の発電機91の調整力にかかる電力(ΔkW)に基づき、(式2)により算出されるものとした。しかしながら調整量の算出は、上記に限られない。
広域需給調整装置5は、図11に示すように、時々刻々変化する発電機91の現在出力値に基づき、当該時刻の上げ調整力の余力、下げ調整力の余力の比に基づきインバランスを配分して調整量の算出するようにしてもよい。上げ調整力の余力は(式5)により、下げ調整力の余力は(式6)により算出される。
上げ調整力=
min[(上げ調整力確保量),(BG計画値+上げ調整力確保量-現在出力)]
・・・・・(式5)
下げ調整力=
max[(下げ調整力確保量),(現在出力-BG計画値+下げ調整力確保量)]
・・・・・(式6)
(式5)による上げ調整力、(式6)による下げ調整力は、(式2)の各式における調整力に代替される。
各電源指令作成部53は、制御分担量算出部52からデータh2(制御分担量)を受信する。各電源指令作成部53は、データh2(制御分担量)に基づき各エリアの発電機に対する指令値を算出する。
各電源指令作成部53は、制御分担量算出部52によるデータh2(制御分担量)にかかる各エリアの調整量の算出後、メリットオーダー方式や既存の出力変化速度比に基づき配分を行い、各発電機91の調整量を算出する。また、例えば図10に示すように、各エリア内の個々の発電機91の調整力の情報に基づき、直接、個々の発電機91の調整量を求めてもよい。例えば、エリアAの一つの発電機91の調整量GA-1は(式3)、エリアDの一つの発電機91の調整量GA-4は(式4)に示すとおりとなる。
Figure 2023084240000003
・・・・・(式3)
Figure 2023084240000004
・・・・・(式4)
各電源指令作成部53は、(式3)、(式4)により算出した各エリアの発電機に対する指令値をデータh3(LFC制御出力指令)として各エリアの電力需給制御装置2のLFC制御出力指令受信部33に送信する。
本実施形態によれば、広域需給調整システム1は、インバランスが調整力に応じて配分された調整量を算出するので、一定のエリアに調整力が偏在化することを抑制し、広域のエリアにわたり効率よく電力需給調整を行うことができる広域需給調整システムを提供することができる。
[1-3.効果]
(1)本実施形態によれば、広域需給調整装置5は、制御対象となる複数のエリアのそれぞれに要求された電力(AR値)に基づき、複数のエリア全体の調整量であるデータh1(ネッティング後AR値)の総量を算出するネッティング部51と、ネッティング部51により算出された複数のエリア全体の調整量であるデータh1(ネッティング後AR値)の総量を、複数のエリアのそれぞれに分配して、複数のエリアのそれぞれの制御分担量、複数のエリアの発電機91ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出する制御分担量算出部52と、制御分担量算出部52により算出された複数のエリアのそれぞれの制御分担量、複数のエリアの発電機91ごとの制御分担量にかかるデータh2(制御分担量)のうち少なくとも一方に基づき、複数のエリアのそれぞれに対する指令値であるデータh3(LFC制御出力指令)を作成する各電源指令作成部53と、を有するので、一定のエリアに調整力が偏在化することを抑制し、広域のエリアにわたり効率よく電力需給調整を行うことができる広域需給調整装置5を提供することができる。
(2)本実施形態によれば、制御分担量算出部52は、エリアにおける発電機が発電することができる余力である調整力に基づき、現在供給されている電力と要求された電力との差分であるインバランスを分配してエリアのそれぞれの制御分担量、およびエリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)算出するので、データh2(制御分担量)は、インバランスが調整力に応じて配分され、一定のエリアに調整力が偏在化することを抑制し、広域のエリアにわたり効率よく電力需給調整を行うことができる。
(3)本実施形態によれば、広域需給調整システム1の電力需給制御装置2は、制御の対象となる発電機91により構成されたエリアに要求された要求電力(AR値)を算出するAR算出部24と、AR算出部24により算出された要求電力(AR値)に基づき、発電機91ごとの配分値であるデータf3(AR配分値)を算出するAR配分部26と、AR配分部26により算出されたデータf3(AR配分値)と、各電源指令作成部53により作成された指令値であるデータh3(LFC制御出力指令)と、を切替えて目標値作成部23に送信する切替部34と、を有し、目標値作成部23は、切替部34からデータf3(AR配分値)が出力された場合、各電源指令作成部53により作成された指令値データh3(LFC制御出力指令)に代替してデータf3(AR配分値)に基づき、制御の対象となる発電機91に対する発電目標値データd1(発電目標値)を作成するので、他のエリアにおける電力需給制御装置2、または電力系統9に事故が発生した場合であっても、エリアの電力需給制御装置2により発電機91に対し電力需給調整を行うことができる。
[2.第2実施形態]
[2-1.構成および作用]
第2実施形態にかかる広域需給調整システム1について説明する。第2実施形態にかかる広域需給調整システム1は、広域需給調整装置5の制御分担量算出部52による演算が、第1実施形態にかかる広域需給調整システム1と相違する。第2実施形態にかかる広域需給調整システム1の構成は、第1実施形態にかかる広域需給調整システム1の構成と同じである。
以下の説明において、第1実施形態にかかる広域需給調整システム1と異なる動作について説明する。第1実施形態にかかる広域需給調整システム1と同様の動作について、説明を省略する。
第1実施形態にかかる広域需給調整システム1は、各エリアの調整力に応じてインバランスをエリアごとの発電機91に配分してエリア間の偏在化を抑制することにより、制御性を優先した配分を行うものとした。
第2実施形態にかかる広域需給調整システム1は、発電機91の出力変化速度とメリットオーダーの重み付けを行い、両者を組合わせインバランスをエリアごとの発電機91に配分することにより、種々の系統状態に柔軟に対応することができる経済性と制御性を含めた配分を行う。
第2実施形態にかかる広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、エリアにおける制御性にかかる演算、経済性にかかる演算の、それぞれの寄与度が重み付けにより設定された演算により、エリアのそれぞれの制御分担量、エリアのそれぞれの発電機91ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出する。
第2実施形態にかかる広域需給調整装置5は、以下の演算を行う。
第2実施形態にかかる広域需給調整装置5は、各エリアの電力需給制御装置2からデータf1(AR値)を受信し、データf1(AR値)に基づき、各エリアを統合した広域におけるネッティング後のインバランスをエリアごとの発電機91に配分し、データh3(LFC制御出力指令)として各エリアの電力需給制御装置2に送信する。第2実施形態にかかる広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、ネッティング後のインバランスをメリットオーダーに従って各発電機91に配分する。
ネッティング後のインバランス(AR)は、計画値または現在出力、もしくは計画値と現在出力の両者に基づき配分される。図12に、広域需給調整装置5の制御分担量算出部52における演算を模式化したブロック図を示す。LFCの対象となる発電機91をLFC発電機と呼ぶ場合がある。LFC配分量(ΔP)から制御周期間の変化量制約を考慮した後の値(ΔP’)が各LFC発電機の計画値(PPLAN)または現在出力(PNOW)に配分されて、各電源指令作成部53によりデータh3(LFC制御出力指令)にかかる指令値が算出される。各電源指令作成部53は、各エリアの発電機に対する指令値をデータh3(LFC制御出力指令)として各エリアの電力需給制御装置2のLFC制御出力指令受信部33に送信する。
インバランス(AR)が大きい場合、各LFC発電機に配分されたLFC配分量(ΔP)は各LFC発電機の出力変化可能量より大きい場合もある。この場合、各発電機は現在出力から出力を変動させることが可能な範囲で応答する。
単に価格順にLFC配分量(ΔP)から制御周期間の変化量制約を考慮した後の値(ΔP’)を各LFC発電機の計画値(PPLAN)または現在出力(PNOW)に配分した場合、上げ指令では価格の安い(下げ指令では高い)順に配分されるが、稼働する発電機の台数が減って制御性が低下する可能性がある。
以下に、出力変化速度とメリットオーダーを組合わせた重み付けにより、ネッティング後のインバランスをメリットオーダーに従って各発電機に配分する、種々の電力系統9の系統状態に対応した演算手順を説明する。制御分担量算出部52は、複数のエリアの調整力に応じてインバランスを複数のエリアに配分する制御性にかかる演算、およびインバランスをメリットオーダーに従って複数のエリアに配分する経済性にかかる演算の、重み付係数Wiによりそれぞれの寄与度が設定された演算により、複数のエリアのそれぞれの制御分担量、複数のエリアの発電機ごとの制御分担量のうち一方または両者を算出する。
広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、以下の演算手順によりネッティング後のインバランスをメリットオーダーに従って各発電機に配分する。制御分担量算出部52は、(式7)による重み付係数Wiによりネッティング後のインバランスを各発電機に配分する。
Figure 2023084240000005
・・・・・(式7)
(式7)は、重み付係数Wiの一例である。
(式7)において、VCiは各LFC発電機の価格の関数である。RiはLFC発電機の出力変化速度である。重み付係数Wiは、δ=1の場合、価格のみにより決定され、δ=0の場合、出力変化速度に比例して決定される。また、指数mによって価格差の重みを変えることができる。各LFC発電機への調整量は、(式8)により算出される。
各LFC発電機への調整量=インバランス(AR)×Wi
・・・・・(式8)
現在出力(現在値)または計画出力(BG計画値)に加えてデータh3(LFC制御出力指令)が作成される。
価格の関数VCiは、上げ指令時には価格が安いほど大きく、下げ指令時には価格が高いほど大きくなるように決定される。一例として、価格の関数VCiは、価格差をベースとした(式9)、(式10)にかかる関数により表される。
Figure 2023084240000006
・・・・・(式9)

Figure 2023084240000007
・・・・・(式10)
(式9)(式10)においてNは使用するLFC発電機の台数、VMAXは各LFC発電機の現在値(現在出力)に対応する価格の最大値、VMINは価格の最小値である。(式9)(式10)により、上げ指令時に価格が最小の発電機の重み付係数Wiが最大になり、下げ指令時に価格が最大の発電機の重み付係数Wiが最大になる。図13に、上げ指令時、下げ指令時の価格差の例を示す。
図14に、メリットオーダー方式にて用いられる調整コストの例を示す。図14に示すように、調整コストは、発電機の出力に対して離散的に、階段状に設定される。また、調整コストは、出力に対して上げ調整(V1)価格、下げ調整(V2)価格の2つの価格が存在する。
上記では、各エリアを統合した広域におけるインバランスに基づき、個々の発電機に対して、一括でLFC発電機への調整量を算出するものとしたが、第1実施形態と同様、各エリアに対する調整力を配分した後、個々の発電機に対する配分を行う2段階の演算によりLFC発電機への調整量を算出するものであってもよい。
本実施形態によれば、出力変化速度とメリットオーダーを組合わせた重み付係数Wiにより、種々の系統状態に対応した柔軟な演算により、インバランスを各発電機に配分することができる。
[2-2.効果]
(1)本実施形態によれば、広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、エリアにおける制御性にかかる演算、および経済性にかかる演算の、それぞれの寄与度が設定された演算により、エリアのそれぞれの制御分担量、エリアの発電機91ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出するので、種々の系統状態に対応した制御性、経済性を含む柔軟な演算により、インバランスを各発電機91に配分することができる。
(2)本実施形態によれば、広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、エリアにおける発電機91の出力変化速度、およびコストメリットに基づく要求であるメリットオーダーの、それぞれの寄与度が設定された演算により、エリアのそれぞれの制御分担量、エリアのそれぞれの発電機91ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出するので、出力変化速度とメリットオーダーを組合わせた重み付け係数を用いた、種々の系統状態に対応した柔軟な演算により、インバランスを各発電機に配分することができる。
[3.第3実施形態]
[3-1.構成および作用]
第3実施形態にかかる広域需給調整システム1について説明する。第3実施形態にかかる広域需給調整システム1は、広域需給調整装置5の制御分担量算出部52による演算が、第1実施形態、第2実施形態にかかる広域需給調整システム1と相違する。第3実施形態にかかる広域需給調整システム1の構成は、第1実施形態、第2実施形態にかかる広域需給調整システム1の構成と同じである。
以下の説明において、第1実施形態、第2実施形態にかかる広域需給調整システム1と異なる動作について説明する。第1実施形態、第2実施形態にかかる広域需給調整システム1と同様の動作について、説明を省略する。
第1実施形態にかかる広域需給調整システム1は、各エリアの調整力に応じてインバランスをエリアごとの発電機91に配分してエリア間の偏在化を抑制することにより、制御性を優先した配分を行うものとした。
第2実施形態にかかる広域需給調整システム1は、発電機91の出力変化速度とメリットオーダーの重み付けを行い、両者を組合わせインバランスをエリアごとの発電機91に配分することにより、種々の系統状態に柔軟に対応することができる経済性と制御性を含めた配分を行うものとした。
第3実施形態にかかる広域需給調整システム1は、第1実施形態にかかる各エリアの調整力に応じてインバランスをエリアごとの発電機91に配分する制御性を優先した配分と、第2実施形態にかかる発電機91の出力変化速度とメリットオーダーの重み付けを行い、両者を組合わせインバランスをエリアごとの発電機91に配分する、経済性と制御性の両者を含めた演算を行う。
第3実施形態にかかる広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、下記の第一の演算、第二の演算の寄与度が重み付けにより設定された演算により、エリアのそれぞれの制御分担量、エリアのそれぞれの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出する。
第一の演算は、エリアにおける発電機91が発電することができる余力である調整力に基づき、現在供給されている電力と要求された電力との差分であるインバランスを分配して、エリアのそれぞれの制御分担量、エリアのそれぞれの発電機91ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出する演算である。
第二の演算は、電力系統9における現在の電力品質を示すパラメータに基づき、エリアにおける制御性にかかる演算、経済性にかかる演算の、それぞれの寄与度が重み付けにより設定された演算により、エリアのそれぞれの制御分担量、エリアのそれぞれの発電機91ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出する演算である。
第3実施形態にかかる広域需給調整システム1の広域需給調整装置5は、以下の演算を行う。
第3実施形態にかかる広域需給調整システム1の広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、経済性と制御性を両立させた以下の(a)(b)2通りの演算を組合わせた配分を行う。
(a)第1実施形態と第2実施形態の重み付けによる調整力の配分
(b)制御の仕上がり状況に応じた調整方法の切り替えによる調整力の配分
上記の(a)の演算において第1実施形態にかかる調整力の配分、第2実施形態にかかる調整力の配分は、制御分担量算出部52により行われる。上記の(b)の演算において制御性を優先した調整力の配分、経済性を優先した調整力の配分は、制御分担量算出部52により行われる。
(a)による演算では、第1実施形態にかかる調整力の大きさに応じた配分と、第2実施形態にかかる出力変化速度とメリットオーダーを重み付けにより組合わせた配分を、(式11)に示すように、さらに重み係数Yiにより比率を決定し、調整力の配分を行う。
Figure 2023084240000008
・・・・・(式11)
ここで、Xiは第1実施形態にかかる広域需給調整装置5の制御分担量算出部52により算出された関数であり、Wiは第2実施形態にかかる広域需給調整装置5の制御分担量算出部52により算出された関数である。γ=1の場合、制御性を優先した配分となり、γ=0の場合、経済性を優先した配分となる。各LFC発電機への調整量は、(式12)により算出される。
各LFC発電機への調整量=インバランス(AR)×Yi
・・・・・(式12)
(b)による演算では、時々刻々変化する系統周波数偏差(Δf)やインバランス(AR)の大きさ等の制御の仕上がり状況に応じて調整方法を切り替え調整力の配分を行う。
一例として、仕上がり規定値が時々刻々変化する周波数の基準値との差分であるΔfの瞬時値である場合について説明する。制御の仕上がり状況としての仕上がり規定値であるΔfが±0.1Hzを超えている場合、緊急時とみなし、制御分担量算出部52は制御性を優先させた調整力の配分を行う。Δfが±0.1Hz以下である場合、平常時とみなし、制御分担量算出部52は、第1実施形態にかかる関数Xiと第2実施形態にかかる関数Wiを切替え経済性を優先させた調整力の配分を行う。
仕上がり規定値は、時々刻々変化する周波数の基準値との差分であるΔfの瞬時値であってもよいし、インバランス(AR)の瞬時値であってもよい。もしくは、仕上がり規定値は、過去から現在に至る一定期間の周波数の基準値との差分であるΔfまたはインバランス(AR)の平均値や標準偏差であってもよい。
広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、各エリアの調整力に応じてインバランスをエリアごとの発電機91に配分してエリア間の偏在化を抑制することにより、制御性を優先した配分を行う。
広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、発電機91の出力変化速度とメリットオーダーの重み付けを行い、両者を組合わせインバランスをエリアごとの発電機91に、経済性と制御性を含めた配分を行う。
Xiは各エリアの調整力に応じた配分にかかる関数であり、Wiは発電機91の出力変化速度とメリットオーダーの重み付けによる配分にかかる関数である。
広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、関数Xi、関数Wiをγにより重み付けし発電機91に配分し調整量を算出する。または、広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、仕上がり規定値に基づき関数Xi、関数Wiを切替え発電機91に配分し調整量を算出する。広域需給調整装置5の各電源指令作成部53は、算出した調整量をデータh3(LFC制御出力指令)として各エリアの電力需給制御装置2のLFC制御出力指令受信部33に送信する。
本実施形態によれば、インバランスに対して、制御性と経済性を組合わせた調整力の配分、時々刻々の制御の仕上がり状況に応じた調整力の配分を行うので、種々の系統状態に柔軟に対応した調整力の配分を行うことができる。
[3-2.効果]
(1)本実施形態によれば、広域需給調整装置5の制御分担量算出部52は、エリアにおける発電機91が発電することができる余力である調整力に基づき、現在供給されている電力と要求された電力との差分であるインバランスを分配して、エリアのそれぞれの制御分担量、エリアのそれぞれの発電機91ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出する第一の演算と、電力系統9における現在の電力品質を示すパラメータに基づき、複数のエリアの調整力に応じてインバランスを複数のエリアに配分する制御性にかかる演算、およびインバランスをメリットオーダーに従って複数のエリアに配分する経済性にかかる演算の、それぞれの寄与度が設定された演算により、エリアのそれぞれの制御分担量、エリアのそれぞれの発電機91ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出する第二の演算の、それぞれの演算の寄与度が設定された演算により、エリアのそれぞれの制御分担量、エリアの発電機91ごとの制御分担量のうち少なくとも一方をデータh2(制御分担量)として算出するので、インバランスに対して、制御性と経済性を組合わせた調整力の配分、時々刻々の制御の仕上がり状況に応じた調整力の配分により、種々の系統状態に柔軟に対応した調整力の配分を行うことができる。
[4.他の実施形態]
変形例を含めた実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。以下は、その一例である。
(1)上記実施形態では、リアルタイムEDC算出部27によりデータg1(リアルタイムEDC値)が算出され、目標値作成部23に送信されるものとした。広域需給調整装置5により経済配分が行われる場合は、リアルタイムEDC算出部27によりデータg1(リアルタイムEDC値)が算出されないものとしてもよい。また、広域需給調整装置5により経済配分が行われる場合であっても、リアルタイムEDC算出部27によエリア固有のデータg1(リアルタイムEDC値)が算出されるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、出力変化速度とメリットオーダーを組合わせた演算によりインバランスがエリアごとの発電機91に配分された調整量は、広域需給調整装置5の制御分担量算出部52により算出されるものとした。しかしながら、出力変化速度とメリットオーダーを組合わせた演算によりインバランスがエリアごとの発電機91に配分された調整量は、広域需給調整装置5の制御分担量算出部52に代替して、または重複して電力需給制御装置2の目標値作成部23により算出されるようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、発電機91は、火力、水力等の発電機であるものとした。しかしながら発電機91は、これに限られない。発電機91は、蓄電池やDR等であってもよい。
(4)上記実施形態における、自然エネルギー発電設備92は、太陽光発電装置、風力発電装置、海流発電装置、地熱発電装置であってもよい。
(5)上記実施形態では、入力部21は、受信回路としたがこれに限られない。入力部21は、メモリポートやキーボードによる入力装置でもよい。
1・・・広域需給調整システム
2・・・電力需給制御装置
21,21a,21b,21n・・・入力部
22,22a,22b,22n・・・出力部
23,23a,23b,23n・・・目標値作成部
24・・・AR算出部
25・・・AR平滑部
26・・・AR配分部
27・・・リアルタイムEDC算出部
31・・・AR送信部
32・・・情報送信部
33・・・LFC制御出力指令受信部
34・・・切替部
5・・・広域需給調整装置
51・・・ネッティング部
52・・・制御分担量算出部
53・・・各電源指令作成部
91,91a,91b,91n・・・発電機
92,92a,92b,92n・・・自然エネルギー発電設備
93・・・検出装置
97,97a,97b,97n・・・信号線
98,98a,98b,98n・・・信号線

Claims (9)

  1. 制御対象となる複数のエリアのそれぞれに要求された電力(AR値)に基づき、複数の前記エリア全体の調整量の総量を算出するネッティング部と、
    前記ネッティング部により算出された複数の前記エリア全体の調整量の総量を、複数の前記エリアのそれぞれに分配して、複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する制御分担量算出部と、
    前記制御分担量算出部により算出された複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方に基づき、複数の前記エリアのそれぞれに対する指令値を作成する各電源指令作成部と、
    を有する広域需給調整装置。
  2. 前記制御分担量算出部は、前記エリアにおける発電機が発電することができる余力である調整力に基づき、現在供給されている電力と要求された電力との差分であるインバランスを分配して前記エリアのそれぞれの制御分担量、および前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する、
    請求項1に記載の広域需給調整装置。
  3. 前記制御分担量算出部は、複数の前記エリアの調整力に応じてインバランスを複数の前記エリアに配分する制御性にかかる演算、およびインバランスをメリットオーダーに従って複数の前記エリアに配分する経済性にかかる演算の、それぞれの寄与度が設定された演算により、複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する、
    請求項1に記載の広域需給調整装置。
  4. 前記制御分担量算出部は、前記エリアにおける前記発電機の出力変化速度、およびコストメリットに基づく要求であるメリットオーダーの、それぞれの寄与度が設定された演算により、前記エリアのそれぞれの制御分担量、前記エリアのそれぞれの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する、
    請求項1に記載の広域需給調整装置。
  5. 前記制御分担量算出部は、
    前記エリアにおける前記発電機が発電することができる余力である調整力に基づき、現在供給されている電力と要求された電力との差分であるインバランスを分配して、前記エリアのそれぞれの制御分担量、前記エリアのそれぞれの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する第一の演算と、
    電力系統における現在の電力品質を示すパラメータに基づき、複数の前記エリアの調整力に応じてインバランスを複数の前記エリアに配分する制御性にかかる演算、およびインバランスをメリットオーダーに従って複数の前記エリアに配分する経済性にかかる演算の、それぞれの寄与度が設定された演算により、前記エリアのそれぞれの制御分担量、前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する第二の演算の、
    それぞれの演算の寄与度が設定された演算により、前記エリアのそれぞれの制御分担量、前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する、
    請求項1に記載の広域需給調整装置。
  6. 制御対象となる複数のエリアのそれぞれに要求された電力(AR値)に基づき、複数の前記エリア全体の調整量を算出するネッティング部と、
    前記ネッティング部により算出された複数の前記エリア全体の調整量を、複数の前記エリアのそれぞれに分配して、複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する制御分担量算出部と、
    前記制御分担量算出部により算出された複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方に基づき、前記エリアのそれぞれに対する指令値を作成する各電源指令作成部と、
    を有する広域需給調整装置と、
    前記各電源指令作成部により作成された前記指令値に基づき、制御の対象となる前記発電機に対する発電目標値を作成する目標値作成部を有し、前記発電機に対し発電目標値を発電設備に送信する、
    複数の電力需給制御装置と、
    を有する広域需給調整システム。
  7. 前記電力需給制御装置は、
    制御の対象となる前記発電機により構成されたエリアに要求された要求電力(AR値)を算出するAR算出部と、
    前記AR算出部により算出された要求電力(AR値)に基づき、発電設備ごとの配分値を算出するAR配分部と、
    前記AR配分部により算出された前記配分値と、各電源指令作成部により作成された前記指令値と、を切替えて前記目標値作成部に送信する切替部と、を有し
    前記目標値作成部は、前記切替部34から前記配分値が出力された場合、前記各電源指令作成部により作成された前記指令値に代替して前記配分値に基づき、制御の対象となる前記発電機に対する発電目標値を作成する、
    請求項6に記載の広域需給調整システム。
  8. コンピュータに、
    制御対象となる複数のエリアのそれぞれに要求された電力(AR値)に基づき、複数の前記エリア全体の調整量を算出させるネッティングステップと、
    前記ネッティングステップにより算出された複数の前記エリア全体の調整量を、複数の前記エリアのそれぞれに分配して、複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出させる制御分担量算出ステップと、
    前記制御分担量算出ステップにより算出された複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方に基づき、複数の前記エリアのそれぞれに対する指令値を作成させる各電源指令作成ステップと、
    を実行させる広域需給調整装置用コンピュータプログラム。
  9. 制御対象となる複数のエリアのそれぞれに要求された電力(AR値)に基づき、複数の前記エリア全体の調整量を算出するネッティング手順と、
    前記ネッティング手順により算出された複数の前記エリア全体の調整量を、複数の前記エリアのそれぞれに分配して、複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方を算出する制御分担量算出手順と、
    前記制御分担量算出手順により算出された複数の前記エリアのそれぞれの制御分担量、複数の前記エリアの発電機ごとの制御分担量のうち少なくとも一方に基づき、複数の前記エリアのそれぞれに対する指令値を作成する各電源指令作成手順と、
    を有する広域需給調整方法。

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