JP2023084209A - 円筒内面検査装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023084209000001
【課題】レーザ光を360度方向に走査して円筒状の検査対象物の内面を検査する際に、検査プローブを回転させずに円筒状の検査対象物の内面を検査することを可能とする。
【解決手段】検査プローブ12の先端部には、360度方向に反射又は屈折角度を有する光学素子が設けられている。そして、検査プローブ12は、照射角度調整部18により照射角度が調整された後のレーザ光を、検査対象物80の内部に挿入する先端部まで伝送して光学素子30により反射又は屈折させることにより検査対象物80の内面の全周囲に照射光として順次照射し、検査対象物80の内面から反射された反射光を光学素子30により反射又は屈折させて先端部とは反対側の端面に伝送するよう構成されている。
【選択図】図9

Description

本発明は、円筒状の被検査物の内表面における傷の有無等の状態を検査するための円筒内面検査装置に関する。
自動車や電気製品等の様々な製品には、円筒状の部材や円筒状の穴が設けられた部品が使用されているものがある。これらの部材や部品の円筒内表面に傷や異物または汚れの付着等があると製品の性能や品質に問題が発生するため円筒内表面における傷の有無等の状態を検査するための様々な検査方法や検査装置が提案されている。
例えば、自動車エンジンのシリンダやブレーキマスターシリンダ等の内表面における傷の有無等を検査するために、円筒状の穴の外からカメラ等の装置で撮影を行うような検査方法や、光学素子等を先端に付けた筒状の検査プローブを円筒状の穴の中に挿入して、カメラやレーザ光によって内表面の検査を行うような検査方法等が提案されている。
このような様々な検査方法のうち、小径の穴の内部表面を高速に検査可能とするために、検査対象の穴の内表面にレーザ光を照射させて、その反射光の強度を測定することにより検査対象の穴の内表面における傷の有無等を検査するような方法が提案されている。(例えば特許文献1、2参照。)。
この特許文献1には、レーザ発振器を有する本体部に回転自由に装着された回転筒体内の光誘導空間を通してレーザ光を被検査体表面に照射し、被検査体表面からの反射レーザ光を回転筒体内に配置された複数本の光ファイバを介して本体部側の判定処理装置に伝送するように構成された表面検査装置が開示されている。この表面検査装置では、反射レーザ光の強度の変化を検出することにより検査対象の円筒内表面における傷等の有無が判定されることになる。
また、特許文献2には、円筒状のガラスパイプ等のパイプ状部材を検査プローブ内に設けて、レーザ光をパイプ状部材の中空領域を介して先端部まで伝送して、先端部に設けられた反射部材に反射させることにより検査対象物の内面に照射光を照射し、検査対象物の内面から反射された反射光を反射部材により反射させてパイプ状部材の中空領域以外の領域を介して伝送するようにした円筒内面検査装置が開示されている。
特許第5265290号公報 特許第6675749号公報
上述したような検査装置では、回転筒体や検査プローブ(以下検査プローブとして標記する。)からの照射光の照射方向が固定されているため、検査プローブを高速に回転させつつ移動させることにより、円筒状の検査対象物の内面の検査が行われる。そのため、検査プローブには高い精度が求められる。特に検査時間を短縮するために検査プローブを高速回転させた場合、例えば15000RPM(Rotations Per Minute)で回転させた場合、検査プローブの歪が例えば50μm以上になると検査プローブの先端が楕円運動してしまい振動が発生する場合がある。さらに、検査プローブの先端が楕円運動してしまうと、反射光の受光量がばらついてしまい検査性能が低下してしまうという問題が発生する。
また、検査プローブの長さを長くして、細くした場合、歪みのないパイプ部材の製造が困難になり、製造できたとしても高コストになってしまい装置の製造コストも高くなってしまう。また、そのような高精度のパイプ部材を製造可能な製造業者も限られてしまい、部品の入手が困難になってしまう。
本発明の目的は、レーザ光を360度方向に走査して円筒状の検査対象物の内面を検査する際に、検査プローブを回転させずに円筒状の検査対象物の内面を検査することが可能な円筒内面検査装置を提供することである。
本発明は、円筒状の検査対象物の内面に照射するためのレーザ光を発生させるレーザ発光装置と、
前記レーザ発光装置において発生したレーザ光の照射角度を調整する照射角度調整部と、
360度方向に反射又は屈折角度を有する光学素子が先端部に設けられ、前記照射角度調整部により照射角度が調整された後のレーザ光を、検査対象物の内部に挿入する先端部まで伝送して前記光学素子により反射又は屈折させることにより検査対象物の内面の全周囲に照射光として順次照射し、検査対象物の内面から反射された反射光を前記光学素子により反射又は屈折させて前記先端部とは反対側の端面に伝送する検査プローブと、
前記検査プローブの先端部とは反対側の端面から出射された反射光を電気信号に変換する光電変換部と、
前記レーザ発光装置、前記検査プローブおよび前記光電変換部とからなる本体部を移動させる移動装置とを備えた円筒内面検査装置である。
本発明の円筒内面検査装置では、レーザ発光装置において発生されたレーザ光は、照射角度調整部により照射角度が調整された後に検査プローブにより伝送されて、先端部に設けられた光学素子まで到達する。そして、この光学素子は、360度方向に反射又は屈折角度を有するよう構成されているため、この光学素子に到達したレーザ光は、円筒状の検査対象物の内面の全周囲に順次照射されることになる。そのため、本発明の円筒内面検査装置によれば、検査プローブを回転させずに円筒状の検査対象物の内面を検査することが可能となる。
また、本発明の他の円筒内面検査装置によれば、前記照射角度調整部が、前記レーザ発光装置において発生したレーザ光が円運動するように照射角度を調整するように構成されている。
また、本発明の他の円筒内面検査装置によれば、前記光学素子が、円錐状の反射面を有する光学素子である。
また、本発明の他の円筒内面検査装置によれば、前記光学素子が、石英ガラスにより構成された円柱状の本体部に対して円錐状の穴が設けられ、当該穴の表面が鏡面加工されることにより円錐状の反射面が構成されている光学素子であっても良い。
また、本発明の他の円筒内面検査装置によれば、前記光学素子が、円錐状の物体の表面が鏡面加工されることにより構成された円錐ミラーであっても良い。
さらに、本発明の他の円筒内面検査装置によれば、前記光学素子が、360度方向に屈折角度を有する光学レンズであっても良い。
本発明によれば、レーザ光を360度方向に走査して円筒状の検査対象物の内面を検査する際に、検査プローブを回転させずに円筒状の検査対象物の内面を検査することが可能な円筒内面検査装置を提供することができるという効果が得られる。
本発明の一実施形態の円筒内面検査装置10の概略構成を説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態の円筒内面検査装置10を横から見た場合の外観を示す図である。 図2に示した本体部11の構成の詳細を説明するための図である。 図3に示した照射角度調整部18の構成を説明するための図である。 図3に示した光学素子30の斜視図である。 検査プローブ12が昇降装置14により検査対象物80の穴内において上下に移動する様子を説明するための図である。 検査対象物80の検査対象面に傷等の異常が無い場合の反射光・散乱光の様子を示す図(図7(A))、および、傷等の異常がある場合の反射光・散乱光の様子を示す図(図7(B))である。 図2、図3等において示した検査プローブ12の構造を説明するための図である。 検査プローブ12および光電変換部17の断面図である。 図9に示した検査プローブ12の先端部の拡大図である。 照射角度調整部18が、レーザ発光装置16において発生したレーザ光が円運動するように照射角度を調整する様子を説明するための図である。 光学素子30の反射面を上側から見た図である。 図9、図10に示した穴あき基板71の構造を説明するための斜視図である。 図7に示した検査プローブ12により反射光102が伝送される様子を説明するための図である。 光ファイバを用いて構成した検査プローブ112を示す図である。 光学素子30Aを用いた検査プローブ12Aの構造を説明するための図である。 円錐ミラー31を用いた検査プローブ12Bの構造を説明するための図である。 広角レンズ33を用いた検査プローブ12Cの構造を説明するための図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の円筒内面検査装置10の概略構成を説明するための斜視図である。
本実施形態の円筒内面検査装置10は、例えば検査対象物80のような円筒状の物体の内面(または内表面)の状態を検査するための装置である。円筒内面検査装置10では、検査対象物80の内面の状態の検査を行う際に、検査対象物80の検査対象の穴に検査プローブ12を挿入する。そして、この検査プローブ12が上下に移動することにより、検査対象物80の内面の全面を360度方向に走査(スキャン)して検査を行う。
なお、本実施形態の円筒内面検査装置10には、パーソナルコンピュータ等の端末装置20が接続されており、円筒内面検査装置10の動作の制御や検査結果の表示等の処理を行っている。ここで、端末装置20は、円筒内面検査装置10を制御する装置の一例であり、スマートフォン、タブレット端末等の様々な装置を無線回線により円筒内面検査装置10と接続して、円筒内面検査装置10の動作の制御や検査結果の表示等の処理を行うようにしても良い。さらに、円筒内面検査装置10の動作の制御を行う制御部や検査結果を表示する表示部等を円筒内面検査装置10と一体化して構成するようなことも可能である。
次に、本実施形態の円筒内面検査装置10を横から見た場合の外観を図2に示す。本実施形態の円筒内面検査装置10は、図2に示されるように、本体部11と、検査プローブ12と、アーム13と、昇降装置14と、支柱15と、台座19とから構成されている。
支柱15は、台座19上において垂直に支持されている。そして、この支柱15には、昇降装置14が備え付けられており、この昇降装置14は、支柱15に沿って上下方向に移動するように構成されている。そして、昇降装置14から水平方向にアーム13が設けられており、このアーム13の先端には本体部11が取り付けられている。
そして、本体部11には、検査対象物80に挿入してレーザ光を360度の範囲で照射することにより検査対象物80の内面を走査するような構成の検査プローブ12が取り付けられている。
また、端末装置20には、制御部21、処理部22、表示部23が構成されている。制御部21は、円筒内面検査装置10の昇降装置14や本体部11の動作を制御する。処理部22は、本体部11から出力される反射光の強度信号を入力して、検査対象物80の内面に傷等があるか否かを判定する判定処理を行う。表示部23は、処理部22における判定結果を表示する。
なお、処理部22は、検査対象物80の内面からの反射光の強度の増減を監視して、例えば、反射光の強度が予め設定された値以上増加または減少した場合に、検査対象物80の内面に傷または異物等の付着があると判定する。ここで、処理部22は、反射光の受光強度の値そのものを監視するのではなく、検査中における受光強度の連続性等をも判定基準として傷等の有無の判定を行う。
次に、図2に示した本体部11の構成について図3を参照して詳細に説明する。
本体部11は、図3に示すように、検査プローブ12に加えて、レーザ発光装置16、光電変換部17および照射角度調整部18を備えている。
レーザ発光装置16は、円筒状の検査対象物の内面に照射するためのレーザ光を発生させる。
照射角度調整部18は、レーザ発光装置16において発生したレーザ光の照射角度を調整する。具体的には、照射角度調整部18は、レーザ発光装置16において発生したレーザ光が円運動するように照射角度を調整する。
光電変換部17は、検査プローブ12の先端部とは反対側の端面から出射された反射光を電気信号に変換する。この光電変換部17により変換された反射光の強度を示す電気信号は、端末装置20の処理部22に転送される。
そして、レーザ発光装置16、検査プローブ12、照射角度調整部18および光電変換部17とからなる本体部11は、アーム13により昇降装置14に接続されており、昇降装置14により上下に移動される構成となっている。
なお、本実施形態では、本体部11を昇降装置14により上下に移動させて検査を行う場合の構成について説明するが、アーム13、昇降装置14、支柱15等をロボットアームに置き換えて構成するようなことも可能である。また、検査対象の穴が水平方向の場合には装置を寝かせた状態で使用する場合もあり、このような場合には本体部11を水平方向に移動させることになる。つまり、昇降装置14は、本体部11を移動させる移動装置として機能するものであれば良い。
また、図3に示されるように、検査プローブ12の先端部には、360度方向に反射又は屈折角度を有する光学素子が設けられている。そして、レーザ発光装置16により生成され照射角度調整部18により照射角度が調整された後のレーザ光は、照射光101として光電変換部17を通過し、検査プローブ12内の中空領域を通過して、検査プローブ12の先端部に設けられた光学素子30まで到達し、この光学素子30において反射又は屈折されることにより進行方向が変化して検査対象物80の内面に照射される構成となっている。そして、検査対象物80の内面において反射された反射光102は、この光学素子30において反射又は屈折されることにより検査プローブ12内を伝送されて光電変換部17に到達するような構成となっている。
つまり、検査プローブ12は、照射角度調整部18により照射角度が調整された後のレーザ光を、検査対象物80の内部に挿入する先端部まで伝送して光学素子30により反射又は屈折させることにより検査対象物80の内面の全周囲に照射光として順次照射し、検査対象物80の内面から反射された反射光を光学素子30により反射又は屈折させて先端部とは反対側の端面に伝送するよう構成されている。この光学素子30の詳細な構造については後述する。
次に、図3に示した照射角度調整部18の構成について図4を参照して説明する。照射角度調整部18は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー41と、レンズ42を有する。MEMSミラー41は、例えば、単結晶シリコン上に金属のコイルを形成し、このコイルの内側にMEMS加工によりミラーを形成し、ミラーの下に磁石を配置するような構造となっている。そして、MEMSミラー41では、磁石の磁界中において、ミラー周辺のコイルに電流を流すことにより発生するローレンツ力によりミラーの角度を2次元的に駆動することができるように構成されている。
そのため、照射角度調整部18では、MEMSミラー41を駆動して反射角度を調整して、MEMSミラー41により反射されたレーザ光をレンズ42により屈折させて照射光101として出射することにより、レーザ光の照射角度を調整することが可能となっている。
なお、照射角度調整部18の構造は上記のような構成に限定されるものではなく、ガルバノミラーを用いた構成等のようにレーザ光の進行方法を制御可能な構成であればどのような構成を用いるようにしてもよい。
次に、図3に示した光学素子30の斜視図を図5に示す。
図5に示される光学素子30は、円錐状の反射面を有する光学素子の一例であり、石英ガラスにより構成された円柱状の本体部に対して円錐状の穴が設けられ、その穴の表面が鏡面加工されることにより円錐状の反射面が構成されている。鏡面加工としては、例えばガラス面に金属膜を形成するような加工方法を用いることが可能である。また、光学素子30の上面に反射防止コーティングを行うようにする。これは、検査対象物80からの反射光102が光学素子30の界面で反射することを防いで受光効率を向上させるためである。また、照射光101が光学素子30の表面に到達する際に角度が着くため、照射光101が光学素子30の界面で反射することを防ぐためでもある。なお、光学素子30は石英ガラスにより構成されたものに限定されるものではなく、他の素材のガラス、透明樹脂等により構成されているものであってもよい。
次に、図6、図7を参照して、本実施形態の円筒内面検査装置10により検査対象物80の内面の検査を行う際の様子を説明する。
検査対象物80の内面の検査を行う場合には、図6に示すように、検査プローブ12を昇降装置14により検査対象物80の穴内において上下に移動する。そのため、検査プローブ12からの照射光101は、検査対象物80の全内面を走査することになる。
次に、検査対象物80の内面、つまり検査対象面に傷等の異常が無い場合の反射光・散乱光の様子と、傷等の異常がある場合の反射光・散乱光の様子を、それぞれ図7(A)、図7(B)に示す。
図7(A)を参照すると、検査対象物80の検査対象面に傷等の異常が無い場合には、照射光101が照射点において均一に反射または散乱しているのに対しているのが分かる。これに対して、図7(B)を参照すると、検査対象物80の検査対象面に傷等の異常がある場合には、照射光101が照射点において均一に反射または散乱されず、特定の方向に反射または散乱されているのが分かる。
つまり、照射光101を検査対象物80の検査対象面に走査した場合、傷等の異常がある箇所において反射光の強度が変化する。そのため、処理部22では、この変化を検出して検査対象物80の検査対象面に何らかの異常があると判定する。
次に、図2、図3等において示した検査プローブ12の構造について説明する。
本実施形態における検査プローブ12は、図8に示すように、石英ガラス(シリカガラス)により構成された円筒状の中空のガラスパイプ61を、ステンレス等により構成された円筒状の外装部材62に挿入することにより構成されている。
次に、このような構造の検査プローブ12および光電変換部17の断面図を図9に示す。なお、図9は、装置構成の概略構成を説明するための図であるため、縦方向の寸法を短く省略して示している。また、検査プローブ12の先端部の拡大図を図10に示す。
ガラスパイプ61は、レーザ発光装置16からのレーザ光を照射光101として中空領域を介して先端部まで伝送する。外装部材62は、図8においても説明したように、ガラスパイプ61を内部に収容する。
また、外装部材62の先端部には、360度方向に反射角度を有する光学素子30が設けられている。光学素子30は、図5に示したように、円錐状の中空部分の内面が鏡面加工されることにより円錐状の反射面を有している。そのため、ガラスパイプ61内を伝送されてきたレーザ光は、光学素子30の反射面において反射されて照射光101として検査対象物80に照射される。
ここで、レーザ発光装置16において生成されたレーザ光が照射角度調整部18による角度調整が行われないままガラスパイプ61内を伝送した場合、そのレーザ光は光学素子30の反射面の頂点を照射することになる。
しかし、上述したように照射角度調整部18は、図11に示すように、レーザ発光装置16において発生したレーザ光が円運動するように照射角度を調整している。
そのため、照射角度調整部18により照射角度が調整された後の照射光101は、図12に示すように、光学素子30の反射面の頂点を中心とした円状の軌跡を描いて反射面上に照射されることになる。図12は、光学素子30の反射面を上側、つまりガラスパイプ61側から見た図である。
そして、この光学素子30の反射面は円錐状に形成されているため、照射光101は反射面上の照射位置から頂点とは反対方向に反射されることになる。つまり、図12上において、反射面の頂点の上側に照射光101が照射された場合には、上側方向に反射され、反射面の頂点の下側に照射光101が照射された場合には、下側方向に反射される。同様に、反射面の頂点の左側に照射光101が照射された場合には、左側方向に反射され、反射面の頂点の右側に照射光101が照射された場合には、右側方向に反射される。
その結果、光学素子30の反射面により反射される照射光101は、レーザ光の円運動に伴い光学素子30から360度方向に連続して走査されることになる。
ここで、円錐状の反射面の頂点部分は反射角度精度が不定領域であるため使用することができない。ただし、円錐状の反射面の頂点部分にできるだけ近い位置にレーザ光を照射した方が90度に近い反射角度を得ることができる。
そのため、円錐状の反射面の頂点部分における反射角度精度の不定領域の直径をφ0.3(mm)として、レーザ光のスポット径をφ0.1(mm)とし、照射角度調整部18から光学素子30までの距離を約300mmとした場合、円運動の半径は、0.1/2+0.3/2=0.2(mm)となる。
つまり、図11に示した照射角度調整部18が照射角度を調整する際の調整角度θは下記のような式により計算される。
tanθ=0.2(mm)/300(mm)
上記の式に基づいて計算すると、調整角度θ≒0.038197度となる。
このようにして、ガラスパイプ61の中空領域を通過してきた照射光101は光学素子30の反射面において反射されて進行方向が約90度変化される。そのため、照射光101は、光学素子30の端面から出射されて検査対象物80の内面の360度全周に照射されることになる。
さらに、検査対象物80の内面において反射された反射光102は、光学素子30の反射面において反射されて、進行方向が90度変化する。そして、進行方向が90度変化した反射光102は、ガラスパイプ61の中空領域以外の領域、つまり石英ガラスにより構成された領域を介して光電変換部17まで伝送される。
そして、光電変換部17は、レーザ発光装置16からのレーザ光を通過させるための穴が設けられ、その穴の周囲に光電変換センサ72が装着され、光電変換センサが前記検査プローブの先端部とは反対側の前記ガラスパイプの端面と近接するような位置となるように配置された基板状部材である穴あき基板71により構成されている。
次に、図9、図10に示した穴あき基板71の構造について、図13の斜視図を参照して説明する。
穴あき基板71は、図8に示されるように、レーザ光通過穴73が中心に設けられており、このレーザ光通過穴73の左右にそれぞれ光電変換センサ72が装着されている。この光電変換センサ72は、フォトダイオードまたはCMOSセンサにより構成された小型の受光素子でありチップ部品として構成されている。そして、光電変換センサ72はチップ部品として構成されていることにより、レーザ光通過穴73の近傍に表面実装されている。
次に、図9、図10に示した検査プローブ12により反射光102が伝送される様子について図14を参照して説明する。
図14を参照すると、検査プローブ12の一端から入射した反射光102は、検査プローブ12内のガラスパイプ61の中空領域以外の領域、つまり石英ガラスにより構成された領域内において伝搬されているのが分かる。なお、図14では、ガラスパイプ61内に入射した反射光102が直線状に伝搬するように示されているが、実際にはガラスパイプ61内面で反射を繰り返しガラスパイプ61内を拡散しつつ伝搬されるため、ガラスパイプ61の反対側の端面から出射される際には、ドーナッツ状の端面において平均化されて出射されることになる。つまり、光電変換センサ72とガラスパイプ61との位置関係によって受光感度が影響を受けることはない。
なお、本実施形態における検査プローブ12では、中空領域を有する円柱状のガラスパイプ61を用いた場合の構成について説明しているが、ガラスパイプ61は円柱状のものに限定されるものではない。
また、図15に示すような光ファイバを用いて構成した検査プローブ112を用いて反射光102を伝送するような構成とすることも可能である。
図15に示された検査プローブ112では、外装部材62の中に、例えばアルミニウム製のパイプ等により構成された内側補強部材91が設置され、この内側補強部材91と外装部材62との間に複数本の光ファイバ92が設置された構成となっている。
そして、光ファイバ92は、それぞれ、コア93とクラッド94とから構成されており、コア93とクラッド94の屈折率が異なるように構成されていることによりコア93内に入射した光がコア93とクラッド94との境界部分でほぼ全反射してコア93内を伝搬していく。つまり、光ファイバ92では、コア93部分が光を伝送するために使用されることになる。
ただし、図15に示したような光ファイバ92を束ねて構成した検査プローブ112では、照射光101が通過する領域を確保するために内側補強部材91が必要となるとともに、受光した反射光102を他端まで伝送することが可能な受光領域が光ファイバ92のコア93部分だけであるため、反射光102を有効に受光することができる受光面積は検査プローブ12と比較して狭くなる。
そのため、たとえ光ファイバ92の方がガラスパイプ61よりも伝送率が高かったとしても、検査プローブ12の方が受光面積が圧倒的に広いため、光電変換部17まで伝送される光量は、ガラスパイプ61を用いた検査プローブ12の方が、光ファイバ92を用いた検査プローブ112よりも多くなる。
上述したように、本実施形態の円筒内面検査装置10では、レーザ発光装置16において発生されたレーザ光は、照射角度調整部18により照射角度が調整された後に検査プローブ12により伝送されて、先端部に設けられた光学素子30まで到達する。そして、この光学素子30は、360度方向に反射角度を有するよう構成されているため、この光学素子30に到達したレーザ光は、円筒状の検査対象物80の内面の全周囲に順次照射されることになる。そのため、本実施形態の円筒内面検査装置10によれば、レーザ光を360度方向に走査して円筒状の検査対象物80の内面を検査する際に、検査プローブ12を回転させずに円筒状の検査対象物80の内面を検査することが可能となる。
なお、光学素子30の形状を図9、図10に示したような形状とせずに、図16に示すような形状の光学素子30Aを用いた検査プローブ12Aを構成するようにしてもよい。図16に示した光学素子30Aは段付き構造となっていることにより、外装部材62との接触面積が増加して、外装部材62と接合する際の接合強度を高めることが可能である。
また、上記では、円錐状の反射面を有する光学素子として、光学素子30、30Aのような構造のものを用いて説明したが、円錐状の反射面を有する光学素子であればどのような構造のものでも適用可能である。
例えば、図17に示すような円錐ミラー(コーンミラー)31を用いた検査プローブ12Bを用いることも可能である。図7に示した円錐ミラー31は、円錐状の物体の表面が鏡面加工されることにより構成された光学素子である。
この円錐ミラー31は、円筒状のガラスパイプ32の内側に固定され、このガラスパイプ32がガラスパイプ61と接合されることにより検査プローブ12Bの先端部において固定されている。
また、上記では360度方向に反射角度を有する光学素子を用いた場合について説明したが、360度方向に屈折角度を有する光学素子を用いて検査プローブを構成するようにしてもよい。
例えば、広角レンズ33を用いた検査プローブ12Cを図18に示す。広角レンズ33は、360度方向に屈折角度を有する光学素子の一例であり、360度方向に屈折角度を有する光学レンズである。ここで、広角レンズ33を用いる場合には広角レンズ33の端部に近い位置に照射光101を照射させる必要があるため、検査プローブ12C内にはガラスパイプ61を設けずに中空状態とする。そのため、検査プローブ12Cの長さを長くすることはできない。ただし、検査プローブ12Cが長くなり光路長が長くなった場合には、光電変換部17まで反射光102を届かせる必要があるため、ロッドレンズ、リレーレンズ、ライトパイプを検査プローブ12C内に設けて反射光102を伝送する必要がある。なお、広角レンズ33の代わりにアキシコレンズ(円錐レンズ)を用いても実現可能である。
このような構造の検査プローブ12Cによっても、円運動する照射光101を360度方向に走査させることが可能である。
つまり、検査プローブ12、12A~12Cは、360度方向に反射又は屈折角度を有する光学素子が先端部に設けられていることにより、照射光101をガラスパイプ61の中空領域を介して先端部まで伝送して光学素子により反射又は屈折させることにより検査対象物80の内面に照射光101を照射し、検査対象物80の内面から反射された反射光102を光学素子により反射又は屈折させてガラスパイプ61の中空領域以外の領域を介して伝送するよう構成されている
10 円筒内面検査装置
11 本体部
12、12A~12C 検査プローブ
13 アーム
14 昇降装置
15 支柱
16 レーザ発光装置
17 光電変換部
18 照射角度調整部
19 台座
20 端末装置
21 制御部
22 処理部
23 表示部
30、30A 光学素子
31 円錐ミラー
32 ガラスパイプ
33 広角レンズ
61 ガラスパイプ
62 外装部材
65 光ファイバ
66 集光レンズ
71 穴あき基板
72 光電変換センサ
73 レーザ光通過穴
80 検査対象物
91 内側補強部材
92 光ファイバ
93 コア
94 クラッド
101 照射光
102 反射光
112 検査プローブ

Claims (6)

  1. 円筒状の検査対象物の内面に照射するためのレーザ光を発生させるレーザ発光装置と、
    前記レーザ発光装置において発生したレーザ光の照射角度を調整する照射角度調整部と、
    360度方向に反射又は屈折角度を有する光学素子が先端部に設けられ、前記照射角度調整部により照射角度が調整された後のレーザ光を、検査対象物の内部に挿入する先端部まで伝送して前記光学素子により反射又は屈折させることにより検査対象物の内面の全周囲に照射光として順次照射し、検査対象物の内面から反射された反射光を前記光学素子により反射又は屈折させて前記先端部とは反対側の端面に伝送する検査プローブと、
    前記検査プローブの先端部とは反対側の端面から出射された反射光を電気信号に変換する光電変換部と、
    前記レーザ発光装置、前記検査プローブおよび前記光電変換部とからなる本体部を移動させる移動装置と、
    を備えた円筒内面検査装置。
  2. 前記照射角度調整部が、前記レーザ発光装置において発生したレーザ光が円運動するように照射角度を調整する請求項1記載の円筒内面検査装置。
  3. 前記光学素子が、円錐状の反射面を有する光学素子である請求項1又は2記載の円筒内面検査装置。
  4. 前記光学素子が、石英ガラスにより構成された円柱状の本体部に対して円錐状の穴が設けられ、当該穴の表面が鏡面加工されることにより円錐状の反射面が構成されている光学素子である請求項3記載の円筒内面検査装置。
  5. 前記光学素子が、円錐状の物体の表面が鏡面加工されることにより構成された円錐ミラーである請求項3記載の円筒内面検査装置。
  6. 前記光学素子が、360度方向に屈折角度を有する光学レンズである請求項1又は2記載の円筒内面検査装置。
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