JP2023080601A - 三次元造形システム、および、三次元造形物の製造方法 - Google Patents

三次元造形システム、および、三次元造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023080601000001
【課題】三次元造形物の造形中に、造形材料の層とステージとの密着状態を適切な状態に制御できる三次元造形システム、および、三次元造形物の製造方法を提供する。
【解決手段】三次元造形システムは、造形材料で形成される層を積層して三次元造形物を造形する。前記三次元造形システムは、前記層を支持するステージと、前記ステージに向けて前記造形材料を吐出して前記層を積層する吐出部と、前記ステージを加熱する加熱部と、前記層と前記ステージとの密着状態を示す値を検出する検出部と、前記密着状態を示す値に基づいて前記加熱部による加熱を制御する制御部とを備える。前記加熱部は、それぞれが前記ステージ上の異なる複数の領域を加熱する複数の個別加熱部を含み、前記制御部は、前記密着状態を示す値に基づいて前記複数の個別加熱部のそれぞれを個別に制御することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、三次元造形システム、および、三次元造形物の製造方法に関する。
三次元造形物を造形する技術としては、例えば、下記の特許文献1に開示されているような技術が知られている。下記特許文献1の技術では、加熱により溶融した熱可塑性の材料を造形材料として、ステージに相当する基台に吐出して硬化させることによって造形材料の層を形成し、その層を積層していくことによって三次元造形物を造形している。
特開2006-192710号公報
上記のような三次元造形物の造形技術においては、三次元造形物の造形中に、例えば、造形材料の層における部位ごとの温度変化の差に起因して造形材料の収縮量に差が生じ、層が変形してしまう場合があった。この場合には、層のステージに対する密着性が低下してしまい、造形中の三次元造形物がステージから乖離したり、層の一部に反りが生じるなど、三次元造形物の造形精度が低下したりする可能性があった。その一方で、造形中に造形材料の層がステージに対して密着しすぎていると、造形完了後に三次元造形物をステージから分離することが困難になってしまう場合もあった。このように、三次元造形物の造形技術においては、三次元造形物の造形中に、造形材料の層とステージとの密着状態を適切な状態に制御することについては、依然として改良の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することができる。
本発明の適用例に係る三次元造形システムは、造形材料で形成される層を積層して三次元造形物を造形する三次元造形システムであって、前記層を支持するステージと、前記ステージに向けて前記造形材料を吐出して前記層を積層する吐出部と、前記ステージを加熱する加熱部と、前記層と前記ステージとの密着状態を示す値を検出する検出部と、前記密着状態を示す値に基づいて前記加熱部による加熱を制御する制御部と、を備える。
また、本発明の他の適用例に係る三次元造形システムでは、前記加熱部は、それぞれが前記ステージ上の異なる複数の領域を加熱する複数の個別加熱部を含み、前記制御部は、前記密着状態を示す値に基づいて前記複数の個別加熱部のそれぞれを個別に制御する。
また、本発明の他の適用例に係る三次元造形システムでは、前記検出部は、それぞれが前記複数の領域のうちの対応する領域における前記密着状態を示す値を検出する複数の個別検出部を含み、前記制御部は、前記複数の個別加熱部のそれぞれを、対応する前記個別検出部によって検出された前記密着状態を示す値に基づいて制御する。
また、本発明の他の適用例に係る三次元造形システムは、前記ステージが載置される載置部をさらに備え、前記個別加熱部と前記個別検出部とは前記ステージと前記載置部との間に配置されている。
また、本発明の他の適用例に係る三次元造形システムでは、前記制御部は、前記三次元造形物を表す造形データに基づいて、前記複数の領域ごとに対応する前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御する。
また、本発明の他の適用例に係る三次元造形システムでは、前記制御部は、前記三次元造形物を造形する場合、前記造形材料が配置される造形領域に対応する前記個別加熱部と、前記造形材料が配置されない非造形領域に対応する前記個別加熱部とのいずれに対しても加熱を実行させ、前記造形領域の加熱温度が前記非造形領域の加熱温度よりも高くなるように前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御する。
また、本発明の他の適用例に係る三次元造形システムでは、前記制御部は、前記三次元造形物を造形する場合、前記三次元造形物の外郭を構成する部位が配置される外郭領域が、前記外郭に覆われる前記三次元造形物の内部部位が配置される内部領域よりも温度が高くなるように、前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御し、かつ、前記内部領域が、前記造形材料が配置されない非造形領域よりも温度が高くなるように、前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御する。
また、本発明の他の適用例に係る三次元造形システムでは、前記制御部は、前記非造形領域のうち前記造形材料に囲まれた領域よりも、前記非造形領域のうち前記造形材料に囲まれていない領域の方が、温度が高くなるように、前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御する。
また、本発明の他の適用例に係る三次元造形システムは、前記層ごとの温度分布を検出する温度検出部をさらに備え、前記制御部は、前記層ごとに、前記層の面内における温度分布が均一になるように、前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御する。
また、本発明の他の適用例に係る三次元造形システムは、前記三次元造形物の造形時に使用されるデータを記憶するサーバーをさらに備え、前記制御部は、前記三次元造形物の形状と、前記三次元造形物の造形時の前記加熱部による加熱の条件と、前記三次元造形物の造形に使用される前記造形材料の種類とを紐づけた制御情報を生成して前記サーバーに送信する。
また、本発明の適用例に係る三次元造形物の製造方法は、造形材料で形成される層を積層することによって造形される三次元造形物の製造方法であって、ステージに向けて前記造形材料を吐出して、前記ステージ上に前記層を形成する工程と、前記層と前記ステージとの密着状態を示す値を検出する工程と、前記密着状態を示す値に基づいて前記ステージを加熱する工程と、を備える。
図1は、第1実施形態の三次元造形システムの構成を示す概略図である。 図2は、溝形成面側から見たときのフラットスクリューの構成を示す概略斜視図である。 図3は、対面部における対向面の構成を示す概略平面図である。 図4は、三次元造形システムの造形処理において三次元造形物が造形されていく様子を模式的に示す概略図である。 図5は、載置部に配置されている加熱部および検出部を示す概略斜視図である。 図6は、ステージのステージ面を示す概略平面図である。 図7は、第1実施形態の造形処理のフローチャートである。 図8は、造形処理によって直方体状の造形物が造形されたステージを示す概略斜視図である。 図9は、直方体状の造形物が造形されたステージを示す概略平面図である。 図10は、造形処理によって円柱状の造形物が造形されたステージを示す概略斜視図である。 図11は、円柱状の造形物が造形されたステージを示す概略平面図である。 図12は、造形処理の実行中における密着状態を示す値の時間変化を示すグラフの一例を示す説明図である。 図13は、制御情報の内容を示す説明図である。 図14は、第2実施形態の三次元造形システムのステージ上に形成された層の一例を示す第1の概略平面図である。 図15は、第2実施形態の三次元造形システムのステージ上に形成された層の一例を示す第2の概略平面図である。 図16は、第2実施形態の三次元造形システムのステージ上に形成された層の一例を示す第3の概略平面図である。 図17は、第3実施形態の三次元造形システムの構成を示す概略図である。 図18は、第1実施形態の三次元造形システムにおいて円筒状の造形物が造形されたステージを示す概略平面図である。
以下、本発明の三次元造形システムおよび三次元造形物の製造方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態の三次元造形システム100の構成を示す概略図である。図1には、互いに直交するX,Y,Z方向を示す矢印が図示されている。X方向およびY方向は、水平面に平行な方向であり、Z方向は、重力方向とは反対の方向である。X,Y,Z方向を示す矢印は、後に参照する他の図においても、図1と対応するように、必要に応じて図示されている。
三次元造形システム100は、制御部10と、吐出部15と、造形ステージ部16と、サーバー18と、を備える。三次元造形システム100は、制御部10の制御下において、吐出部15が、造形ステージ部16のステージ50に向けて造形材料を吐出して造形材料の層を形成し、その層を積層していくことにより、三次元造形物を造形する。以下では、「三次元造形物」を単に「造形物」とも呼ぶ。
制御部10は、三次元造形システム100の全体を制御して、造形物を造形する造形処理を実行する。制御部10は、1つ、または、複数のプロセッサーである中央処理装置(CPU)と、主記憶装置(RAM)と、を備えるコンピューターによって構成される。制御部10は、主記憶装置上に読み込んだプログラムや命令をプロセッサーが実行することによって種々の機能を発揮する。なお、制御部10の機能の少なくとも一部は、ハードウェア回路によって実現されてもよい。
吐出部15は、材料生成部20と、ノズル部40と、を備える。材料生成部20は、造形物を造形する造形材料を生成する。材料生成部20は、材料供給部21と、可塑化部25と、を備える。材料供給部21は、造形材料の原料を可塑化部25に供給する。本実施形態では、材料供給部21は、いわゆるホッパーとして構成されており、投入された原料を収容する収容部22と、収容部22の下方の排出口に接続され、収容部22の原料を可塑化部25へと導く連通路24と、を備える。
造形材料の原料は、熱可塑性樹脂を主成分として含み、ペレットや粉末等の固体材料の状態で収容部22に投入される。当該原料に含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリアミド樹脂(PA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)等を採用することができる。材料供給部21に投入される原料には、上記の熱可塑性樹脂に加え、顔料や、金属、セラミック等が混入されていてもよい。
可塑化部25は、材料供給部21から供給された原料に含まれる熱可塑性樹脂の少なくとも一部を可塑化し、造形材料としてノズル部40へと送り出す。可塑化部25は、スクリューケース26と、駆動モーター27と、フラットスクリュー30と、対面部35と、を有する。
フラットスクリュー30は、回転軸RXに沿った軸線方向の高さが直径よりも小さい略円柱状のスクリューである。回転軸RXはフラットスクリュー30の中心軸と一致する。図1には、フラットスクリュー30の回転軸RXを一点鎖線で図示してある。フラットスクリュー30は、回転軸RXがZ方向と平行になるように、対面部35の上に配置され、円周方向に回転する。対面部35に面するフラットスクリュー30の下面31には、側面から回転軸RXへと向かう螺旋状の溝部32が形成されている。以下では、フラットスクリュー30の下面31を「溝形成面31」とも呼ぶ。材料供給部21の連通路24は、フラットスクリュー30の側面において溝部32に接続される。フラットスクリュー30の具体的な構成については後述する。
フラットスクリュー30は、スクリューケース26内に収納されている。駆動モーター27は、フラットスクリュー30の上方に配置されており、フラットスクリュー30の上面33に連結されている。フラットスクリュー30は、駆動モーター27が発生する回転駆動力によって、スクリューケース26内において回転する。駆動モーター27は、制御部10の制御下において駆動する。なお、駆動モーター27は、減速機を介して、フラットスクリュー30の上面33に連結されていても良い。
対面部35は、バレルとも呼ばれ、その中心軸に沿った方向の高さが直径よりも小さい略円柱状の部材である。本実施形態では、対面部35は、その中心軸がフラットスクリュー30の回転軸RXと一致するように配置される。
対面部35は、フラットスクリュー30の溝形成面31に対向する対向面36を有する。溝形成面31の溝部32と対向面36との間には空間が形成される。材料供給部21から供給される原料は、フラットスクリュー30の側面からこの空間に流入する。溝部32内の空間に供給された原料は、フラットスクリュー30が回転するときの螺旋状の溝部32の回転によってフラットスクリュー30の中心へと誘導される。対面部35の対向面36の詳細な構成については後述する。
対面部35の対向面36には、原料を加熱するためのヒーター37が埋め込まれている。また、対向面36の中心には、対面部35を、その中心軸に沿って貫通する連通孔38が設けられている。後述するように、連通孔38は、ノズル部40の導入流路42とノズル流路43とを介して、ノズル開口45に連通している。連通孔38は、略円形断面の流路を構成している。フラットスクリュー30の溝部32に供給された原料は、ヒーター37の加熱によって、含有している熱可塑性樹脂が可塑化されて可塑化材料へと転化されつつ、フラットスクリュー30の回転によって溝部32に沿って対向面36の中心において開口する連通孔38へと導かれる。連通孔38の下流端は、ノズル部40に接続されている。フラットスクリュー30の回転によって生成された造形材料は、連通孔38を介して、ノズル部40に供給される。
ノズル部40は、導入流路42と、ノズル流路43と、ノズル開口45と、を備える。導入流路42は、対面部35の連通孔38の下流端に接続されており、連通孔38の下流端からZ方向に沿って直線状に設けられている。導入流路42は、略円形断面の流路を構成しており、その中心軸がフラットスクリュー30の回転軸RXと一致するように設けられている。
ノズル流路43は、導入流路42の下流端に接続されており、導入流路42の下流端からZ方向に沿って直線状に設けられている。ノズル流路43は、略円形断面の流路を構成しており、その中心軸がフラットスクリュー30の回転軸RXと一致するように設けられている。ノズル流路43は、その下流端部において縮径している。本実施形態では、ノズル流路43の直径は、その下流端部以外は、導入流路42の直径とほぼ等しい。ノズル開口45は、ノズル流路43の下流端部に設けられたZ方向に開口する、孔径Dnを有する開口部である。材料生成部20からノズル部40へと導入された造形材料は、導入流路42およびノズル流路43を介して、ノズル開口45から吐出される。
なお、ノズル部40は、ノズル開口45からの造形材料の吐出を制御する制御機構を備えていてもよい。当該制御機構は、例えば、導入流路42内で回転する弁体であるバタフライ弁によって構成されてもよい。あるいは、当該制御機構は、導入流路42やノズル流路43に交差するように往復移動して、造形材料の流れを制御するプランジャーによって構成されてもよい。
造形ステージ部16は、吐出部15のノズル開口45と対向する位置に設置されている。造形ステージ部16は、ステージ50と、ステージ50が載置される載置部52と、載置部52をX,Y,Z方向に移動可能に構成されている移動機構53と、を備える。造形ステージ部16は、さらに、造形中の造形物の加熱に用いられる加熱部60と、検出部65とを備える。
ステージ50は、板状部材によって構成され、水平方向に沿って配置されるステージ面50sを有している。ステージ50は、造形材料の層を支持する。ステージ50は、ステージ面50sに形成された造形材料の層のわずかな変形を後述する検出部65によって検出可能な程度に、わずかに弾性変形する薄さで構成されている。
載置部52は、板状部材によって構成されており、ステージ50が載置される面側に、ステージ50によって覆われる凹部52rを有している。凹部52r内には、加熱部60と検出部65とが配置されている。本実施形態では、加熱部60は、複数の個別加熱部61を有し、検出部65は、複数の個別検出部66を有している。三次元造形システム100では、造形物の造形中に、制御部10は、検出部65によって検出される、ステージ50上に形成された造形材料の層とステージ50との密着状態を示す値に基づいて加熱部60にステージ50を加熱させる。これにより、三次元造形システム100は、造形処理において、当該層とステージ50との密着状態を適切に制御しながら、造形物を造形することができる。加熱部60や、検出部65、検出部65が検出する密着状態を示す値の詳細については後述する。
移動機構53は、載置部52をX,Y,Z方向の3軸方向に移動させる3軸ポジショナーとして構成されており、制御部10の制御下において駆動力を発生する3つのモーターMを備える。制御部10は、造形処理において、移動機構53を制御することにより、吐出部15のノズル開口45とステージ50とを相対的に移動させる。
他の実施形態では、移動機構53によってステージ50を移動させる構成の代わりに、ステージ50の位置が固定された状態で、移動機構53がステージ50に対してノズル開口45を移動させる構成が採用されてもよい。こうした構成であっても、ステージ50とノズル開口45とを相対的に移動させることができる。また、他の実施形態では、移動機構53が、ステージ50をX及びY方向に移動させ、ノズル開口45をZ方向に移動させるなど、ステージ50とノズル開口45のそれぞれを移動させて両者の相対的な位置を変化させる構成が採用されてもよい。
サーバー18は、1つ、または、複数のプロセッサーである中央処理装置(CPU)と、主記憶装置(RAM)と、を備えるコンピューターによって構成され、図示しない外部記憶装置を備える。サーバー18は、制御部10とネットワークを介して接続されている。サーバー18は、前述した外部記憶装置に、造形物の造形時に用いられるデータを記憶しており、制御部10との間で当該データを通信する。造形物の造形時に用いられるデータには、造形物を表す造形データや、造形時の制御に用いられる制御情報が含まれる。造形データや制御情報については後述する。
図2は、溝形成面31側から見たときのフラットスクリュー30の構成を示す概略斜視図である。図2には、フラットスクリュー30の回転軸RXを一点鎖線で図示してある。本実施形態では、フラットスクリュー30は、3本の溝部32が並列に回転軸RXに向かって渦状に弧を描いて延び、フラットスクリュー30の中央部30cにおいて合流する構成が採用されている。各溝部32は、中央部30cに向かって渦状に延びている3本の凸条部32cによって区画されており、中央部30cは、3本の凸条部32cの端部によって囲まれている。
溝部32の一端は、フラットスクリュー30の側面において開口しており、連通路24から供給される原料を受け入れる材料入口32eを構成する。溝部32は、フラットスクリュー30の中央部30cまで連続している。フラットスクリュー30の中央部30cは、原料の熱可塑性樹脂が可塑化された可塑化材料が集まる凹部を構成する。
なお、フラットスクリュー30の溝部32は、3本でなくてもよい。フラットスクリュー30は、1本の溝部32のみを有していてもよいし、2本以上の溝部32を有していてもよい。また、凸条部32cは、溝部32の数に合わせて任意の数が設けられていてもよい。また、溝部32は渦状に弧を描いて延びていればよく、必ずしも螺旋状に延びていなくともよい。
図3は、対面部35における対向面36の構成を示す概略平面図である。対向面36は、上述したように、フラットスクリュー30の溝形成面31に対向する。対向面36の中心には、フラットスクリュー30の中央部30cに流入した造形材料をノズル部40に供給するための上述した連通孔38が開口している。対向面36には、一端が連通孔38に接続され、連通孔38から外周に向かって渦状に延びている複数の案内溝36grが形成されている。案内溝36grは、可塑化材料を連通孔38に導く機能を有する。他の実施形態では、案内溝36grは、一端が連通孔38に接続されていなくても良い。また、他の実施形態では、案内溝36grは形成されていなくてもよい。
対面部35の内部には、図1に示すヒーター37が埋め込まれている。可塑化部25における熱可塑性樹脂の可塑化は、対面部35のヒーター37による加熱と、フラットスクリュー30の回転と、によって実現される。第1実施形態の吐出部15によれば、フラットスクリュー30を用いることによって、熱可塑性樹脂の可塑化のための装置構成の小型化が実現されている。また、第1実施形態の吐出部15によれば、フラットスクリュー30の回転制御により、ノズル部40に供給される造形材料の圧力や流量の制御を容易化することができる。よって、ノズル部40からの造形材料の吐出精度を高めることができ、造形物の造形精度を高めることができる。
図4は、三次元造形システム100の造形処理においてステージ50上に造形物OBが造形されていく様子を模式的に示す概略図である。造形処理では、制御部10は、ノズル開口45から造形材料MMを吐出させながらノズル開口45とステージ50とを水平方向に相対的に移動させる。これにより、ノズル開口45の移動軌跡を描くように、造形材料MMがステージ50上に線状に堆積され、造形材料MMの層MLが形成される。制御部10は、1つの層MLの形成が完了した後に、その層MLの上に、さらに造形材料MMを吐出することにより、層MLを積層する。本実施形態では、造形材料MMは、ステージ50上に吐出された後、温度が低下することによって硬化する。上述したように、制御部10は、検出部65によって検出される、層MLとステージ50との密着状態を示す値に基づいて、加熱部60によって造形材料MMの層MLを加熱することにより、ステージ50に対する層MLの密着状態を調整する。
三次元造形システム100では、層MLを形成する際に、ノズル開口45と、造形中の造形物OBの上面OBtとの間に、ギャップGが保持される。ここで、「造形物OBの上面OBt」とは、ノズル開口45の直下の位置の近傍においてノズル開口45から吐出された造形材料MMが堆積される予定部位を意味する。ギャップGは、移動機構53がステージ50とノズル開口45とのZ方向における相対位置を変化させることによって調整される。
ギャップGの大きさは、図1に示すノズル開口45の孔径Dn以上とすることが望ましく、孔径Dnの0.7倍以上とすることがより好ましい。こうすれば、ノズル開口45から吐出される造形材料MMを、造形中の造形物OBの上面OBtに押しつけられない自由な状態で造形物OBの上面OBtに堆積させることができる。この結果、層MLの断面形状が潰れてしまうことを抑制でき、造形物OBの面粗さを低減することができる。また、ノズル開口45の周囲にヒーターが設けられた構成においては、ギャップGを形成することにより、当該ヒーターによる材料の過熱を防止でき、造形物OBに堆積された造形材料MMの過熱による変色や劣化を抑制できる。
一方、ギャップGの大きさは、孔径Dnの1.5倍以下とすることが好ましく、1.3倍以下とすることが特に好ましい。これによって、予定部位に造形材料MMを精度よく堆積させることができる。また、造形材料MMが造形物OBの上面OBtに吐出されたときの上面OBtに対する造形材料MMの密着性の低下を抑制でき、積層された層ML同士の間の密着性の低下を抑制できる。他の実施形態では、ギャップGの大きさは、ノズル開口45の孔径Dn以下としても良く、特に孔径Dnの0.5倍以上1未満とすることが好ましい。これにより、適度に造形材料MMを潰しながら積層することができるため、造形物OBの空隙を抑制することができ、積層された層ML同士の間の密着性を向上させることができる。
図5は、載置部52に配置されている加熱部60および検出部65を示す概略斜視図である。図5には、ステージ50が載置部52から取り外された状態が図示されている。図6は、ステージ50のステージ面50sを示す概略平面図である。図6には、ステージ50が載置部52に載置されたときの加熱部60の個別加熱部61と検出部65の個別検出部66の配置位置が破線で図示されている。また、図6には以下に説明する複数の領域Rを区画して示す一点鎖線が図示されている。
上述したように加熱部60および検出部65は載置部52の凹部52rに配置されている。加熱部60は、造形物OBの造形中に、制御部10の制御下においてステージ50を加熱することにより、ステージ50上の造形材料MMの層MLを加熱することができる。本実施形態では、加熱部60は、複数の個別加熱部61によって構成されている。個別加熱部61のそれぞれは、例えば板状の電熱ヒーター素子によって構成される。
個別加熱部61は、ステージ50上の異なる複数の領域Rを加熱するように配列されている。本実施形態では、個別加熱部61は、ステージ面50s全体にわたって、X方向およびY方向に格子状に配列されている。また、本実施形態では、複数の領域Rは、各個別加熱部61を中心とする矩形状の領域として区画されている。制御部10は、検出部65が検出する密着状態を示す値に基づいて、各領域Rに対応する個別加熱部61のそれぞれを個別に制御する。これにより、加熱部60による加熱温度をステージ50上の領域Rごとに制御することができる。よって、ステージに対する層MLの密着状態を、層MLの部位ごとにより適切に制御することができる。
検出部65は、造形物OBの造形中に、造形材料MMの層MLとステージ50との密着状態を示す値を検出し、制御部10に送信する。本実施形態では、検出部65は、それぞれが複数の領域のうちの対応する領域Rにおける密着状態を示す値を検出する複数の個別検出部66を有する。そして、制御部10は、複数の個別加熱部61のそれぞれを、対応する個別検出部66によって検出された密着状態を示す値に基づいて制御する。本実施形態では、個別検出部66は圧力センサーによって構成され、図4に示すように、ステージ50の裏面に接するように配置されている。本実施形態では、検出部65が出力する密着状態を示す値は、各個別検出部66のそれぞれがステージ50から受ける圧力に基づいて検出される。
ステージ50に形成された造形材料MMの層MLにおいて局所的な温度低下が生じてその部位が局所的に収縮変形すると、層MLの一部がステージ50から乖離する方向に変形し始め、層MLとステージ50との密着性が低下する場合がある。層MLの一部がステージ50から乖離する方向に変形し始めると、その部位が配置されている領域Rにおいて個別検出部66が検出する圧力が低下し始める。個別検出部66は、その圧力の低下量を示す値を、対応する領域Rにおける層MLとステージ50との密着状態を示す値として制御部10に出力する。つまり、密着状態を示す値は、層MLをステージ50から乖離させる方向に働く内部応力の大きさを表す値に相当し、その値が大きいほど、個別検出部66が検出している圧力が低下して、ステージ50に対する層MLの密着性が低下していることを示す。
本実施形態では、各個別検出部66は、個別加熱部61のいずれか一つに対応するように、ステージ50の領域Rごとに配置されている。本実施形態では、一つの個別加熱部61に対して複数の個別検出部66が対応するように設けられており、当該複数の個別検出部66は、対応する個別加熱部61の周りを囲むように配列されている。本実施形態では、4つの個別検出部66が1つの個別加熱部61の四方を囲むように配列されている。このように、一つの領域Rに対応する複数の個別検出部66を設けることにより、一つの領域R内の複数個所で圧力を検出できるため、検出部65による層MLとステージ50との密着状態の検出精度を高めることができる。
制御部10は、複数の個別加熱部61のそれぞれを、対応する個別検出部66によって検出された密着状態を示す値に基づいて制御する。これにより、ステージ50上の領域Rごとに検出した層MLとステージ50との密着状態に応じて、個別加熱部61による領域Rごとの加熱温度をより適切に制御することができる。よって、ステージ50に対する層MLの密着状態をより適切に制御することができる。
本実施形態では、個別加熱部61と個別検出部66とは、ステージ50と載置部52との間に配置されており、ステージ50に覆われている。これにより、造形材料MMやゴミが、個別加熱部61や個別検出部66に付着することを抑制できるため、個別加熱部61や個別検出部66の劣化や損傷の発生を抑制できる。また、ステージ50を取り外すことにより、個別加熱部61や個別検出部66の修理や交換が容易にできる。よって、三次元造形システム100のメンテナンス性が高められる。
図7は、三次元造形システム100において実行される造形処理のフローチャートである。三次元造形システム100において実行される造形処理、すなわち、三次元造形物の製造方法は、造形材料で形成される層を積層することによって造形される三次元造形物の製造方法であって、ステージに向けて前記造形材料を吐出して、前記ステージ上に前記層を形成する工程と、前記層と前記ステージとの密着状態を示す値を検出する工程と、前記密着状態を示す値に基づいて前記ステージを加熱する工程と、を備える。
工程S10では、制御部10は、造形する造形物OBを表す造形データをサーバー18から受信する。制御部10は、この造形データに基づいて造形処理を実行する。造形データは、三次元CADデータなどの、造形物OBの形状を表す三次元形状データに基づいて生成される。造形データには、例えば、造形物OBの寸法など、その形状に関する形状情報や、造形物OBを構成する層MLを形成するためのノズル開口45の移動経路、および、造形材料MMの吐出に関する情報等が含まれている。なお、制御部10は、造形データを、サーバー18から取得しなくてもよい。制御部10は、造形データを、例えば、外部のコンピューターからネットワークを通じて受信してもよいし、USB等を介して接続された外部記憶装置から読み込んでもよい。工程S10では、制御部10は、後述する制御情報CIをサーバー18から取得してもよい。
工程S20では、造形データに基づいて、造形中にステージ50のどの領域Rに造形材料MMが吐出されるかを解析し、その解析結果に基づいて、ステージ50の各領域Rを、加熱条件が異なる予め定められた区分に区分けする。各領域Rの区分およびその区分ごとの加熱条件については後述する。
工程S30では、制御部10は、図4に示すように、ステージ50に向けて造形材料MMを吐出させて、ステージ50上に造形材料MMの層MLを形成する。工程S40では、検出部65が層MLとステージ50との密着状態を示す値を検出し、制御部10はその値を取得する。上述したように、本実施形態では、制御部10は、各個別検出部66から領域Rごとに密着状態を示す値を取得する。
工程S50では、制御部10は、工程S40で取得した密着状態を示す値に基づいて加熱部60によるステージ50の加熱を制御する。上述したように、本実施形態では、制御部10は、ステージ50の領域Rごとに加熱温度を制御する。また、本実施形態では、制御部10は、造形データに基づいて、複数の領域Rごとに対応する複数の個別加熱部61をそれぞれ制御する。より具体的には、制御部10は、工程S20で造形データに基づいて区分けされた領域Rごとに異なる加熱条件で加熱を実行する。これにより、加熱部60によるステージ50上の領域Rごとの加熱を、造形物OBの形状に応じて、より適切に制御することができる。制御部10による個別加熱部61による加熱の制御の詳細については後述する。
工程S60では、制御部10は、工程S50での加熱条件を記録する。制御部10は、全ての層MLを形成するまで工程S30~S60を繰り返す。
工程S70では、制御部10は、工程S60で記録した加熱条件に基づいて、造形物OBを造形するための制御情報を生成し、サーバー18に送信し、サーバー18に記憶させる。サーバー18は、図示しない外部記憶装置に予め構築されているデータベースに当該制御データを格納する。制御部10は、この制御情報を、同じ形状や類似する形状の造形物OBの造形の際に利用できるように、造形物OBの形状に紐づけて生成する。制御情報についての詳細は後述する。
図8~図11を参照して、図7の工程S20において区分けされるステージ50の領域Rの区分について説明する。
図8は、造形処理によって直方体状の造形物OBaが造形されたステージ50を示す概略斜視図である。図8には、ステージ50を複数の領域Rに区画する一点鎖線を図6と対応するように図示してある。図9は、直方体状の造形物OBaが造形されたステージ50を示す概略平面図である。図9には、複数の領域Rを区画する一点鎖線を図示してあり、各領域Rに対応する個別加熱部61の配置領域を破線で図示してある。また、図9では、各個別加熱部61の配置領域に、対応する領域Rに割り当てられた区分の種類ごとに濃度が異なるクロスハッチングを付してある。
図10は、造形処理によって円柱状の造形物OBbが造形されたステージ50を示す概略斜視図であり、造形物OBbが異なっている点以外は、図8とほぼ同じである。図11は、円柱状の造形物OBbが造形されたステージ50を示す概略平面図である。図11は、造形物OBbが異なっている点と、造形物OBbの形状に応じて領域Rに割り当てられた区分が異なっている点以外は、図9とほぼ同じである。以下の説明では、造形物OBa,OBbを区別しない場合には、「造形物OB」と総称する。
制御部10は、まず、ステージ50の複数の領域Rを、造形材料MMが配置される造形領域Rmと、造形材料MMが配置されない非造形領域Rnとに区分けする。制御部10は、造形材料MMが配置される領域の占める面積割合に基づいて、各領域Rを造形領域Rmと非造形領域Rnとに区分ける。例えば、制御部10は、造形材料MMが配置される領域の面積が4割以上である領域Rを造形領域Rmに区分け、造形材料MMが配置される領域の面積が4割未満である領域Rを非造形領域Rnに区分けしてもよい。
次に、制御部10は、造形領域Rmを、造形物OBの外郭Poを構成する部位が配置される外郭領域Roと、外郭Poに覆われる内部部位Piが配置される内部領域Riとに区分けする。外郭Poと内部部位Piの境界に位置する領域Rについては、当該領域Rにおいてそれぞれの部位が占める面積割合に基づいて外郭領域Roと内部領域Riとに区分けしてもよい。例えば、ある領域Rにおいて、外郭Poを構成する部位が占める面積割合が大きい場合には当該領域Rを外郭領域Roに区分け、内部部位Piが占める面積割合が大きい場合には当該領域Rを内部領域Riに区分けるとしてもよい。
図7の工程S40では、制御部10は、造形領域Rmに対応する個別加熱部61と非造形領域Rnに対応する個別加熱部61とを個別に制御する。これにより、造形材料が配置される造形領域Rmと配置されない非造形領域Rnのそれぞれの加熱温度を適切に制御することができる。よって、ステージ50に対する層MLの密着状態をより適切に制御することができる。例えば、造形材料MMが配置されている造形領域Rmの加熱温度が不足することを抑制でき、造形材料MMが配置されていない非造形領域Rnを著しく高い温度で加熱して、電力が浪費されることを抑制できる。
また、制御部10は、造形領域Rmに対応する個別加熱部61と、非造形領域Rnに対応する個別加熱部61とのいずれに対しても加熱を実行させ、造形領域Rmの加熱温度が非造形領域Rnの加熱温度よりも高くなるように複数の個別加熱部61のそれぞれを制御する。これにより、非造形領域Rnの温度を非造形領域Rnに対応する個別加熱部61を駆動していないときよりも高めることができるため、造形領域Rmから非造形領域Rnへと熱が逃げることを抑制できる。よって、造形領域Rmから非造形領域Rnへの放熱によって造形領域Rmに配置されている層MLの部位の温度が低下し、層MLの局所的な収縮変形により、層MLのステージ50に対する密着性が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、制御部10は、外郭領域Roが内部領域Riよりも温度が高くなるように複数の個別加熱部61のそれぞれを制御し、かつ、内部領域Riが非造形領域Rnよりも温度が高くなるように複数の個別加熱部61のそれぞれを制御する。これにより、外郭Poを構成する層MLの端部から非造形領域Rnに熱が逃げることを抑制できる。また、当該端部をより高い温度で加熱することができるため、層MLの端部の温度が低下して層MLの端部がステージ50から乖離してしまうことを抑制できる。また、内部部位Piの温度が高くなりすぎて、内部部位Piがステージ50に密着しすぎてしまうことを抑制できる。よって、造形が完了した造形物OBをステージ50から分離させる際に、内部部位Piの一部がステージ50から乖離せずに、造形物OBが損傷してしまうことを抑制できる。
図18は、円筒状の造形物OBcが造形されたステージ50を示す概略平面図である。円筒状の造形物OBcは、内部部位Piに相当する部位を有していない。図18は、そのような内部部位Piを有していない造形物OBcの形状に応じて領域Rに割り当てられた区分が異なっている点以外は、図11とほぼ同じである。
このように空洞を有するような造形物OBcを造形する場合、制御部10は、非造形領域Rnを、造形材料MMに囲まれていない外側の領域Rnoと、造形材料MMに囲まれた内側の領域Rniと、に区分けする。そして、制御部10は、造形材料MMに囲まれた領域Rniよりも、造形材料MMに囲まれていない領域Rnoの方が、温度が高くなるように、複数の個別加熱部61のそれぞれを制御する。これにより、造形材料MMに囲まれている領域Rniの温度が高くなりすぎ、当該領域Rniを囲んでいる造形材料MMの温度が高くなりすぎてステージ50に密着しすぎてしまうことを抑制できる。よって、造形が完了した造形物OBをステージ50から分離させる際に、造形物OBcの空洞を囲んでいる部位がステージ50から円滑に乖離せずに、造形物OBcが損傷してしまうことを抑制できる。
次に、図12を参照して、制御部10による加熱の制御をより詳細に説明する。図12には、造形処理の実行中における密着状態を示す値の時間変化を示すグラフの一例が図示されている。
破線グラフGcが示すように、層MLの一部がステージ50から乖離すると、その乖離した部位が配置されていた領域Rの個別検出部66が検出する圧力は0となり、その領域Rでは密着状態を示す値が検出不能となる。このときの密着状態を示す値の最大値を「限界値Clim」とする。制御部10は、実験等により予め求められた限界値Climを基準値として記憶している。制御部10は、造形処理の実行開始時に、サーバー18から限界値Climを取得するものとしてもよい。
造形処理では、制御部10は、その限界値Climより小さい値を、密着状態を示す値の目標値に設定する。制御部10は、例えば、限界値Climに対して予め定めた割合の値を、密着状態を示す値の目標値Ctに設定する。造形処理の工程S50では、実線グラフGsに示すように、制御部10は、密着状態を示す値が目標値Ctに維持されるように、個別加熱部61の加熱温度を制御する。
制御部10は、ある領域Rにおいて密着状態を示す値が目標値Ctよりも上昇する傾向が検出された場合、その対応する領域Rの個別加熱部61の出力を増大させて加熱温度を上昇させる。これにより、当該領域Rに配置されている造形材料MMを軟化させることができ、当該領域Rにおける層MLのステージ50に対する密着性を高め、密着状態を示す値の上昇を抑制できる。
また、制御部10は、ある領域Rにおいて密着状態を示す値が目標値Ctよりも下降する傾向が検出された場合、その対応する領域Rの個別加熱部61の出力を低下させて加熱温度を低下させる。これにより、当該領域Rに配置されている造形材料MMの硬化を促進させることができ、当該領域Rにおける層MLのステージ50に対する密着性が高くなることを抑制でき、密着状態を示す値の下降を抑制できる。
本実施形態では、制御部10は、内部領域Riの目標値Ctを外郭領域Roの目標値Ctより小さく設定する。これにより、上述したように、外郭領域Roの加熱温度が内部領域Riの加熱温度より高くなるように制御することができる。なお、制御部10は、非造形領域Rnの個別加熱部61の加熱温度については、外郭領域Roおよび内部領域Riの加熱温度より常に低くなるように、非造形領域Rnに対応する個別加熱部61の出力を制御する。
このように、密着状態を示す値が予め定められた目標値に維持されるように制御することにより、造形材料MMの層MLの一部がステージ50から乖離してしまうことや、層MLの一部がステージ50に対して密着しすぎてしまうことを抑制することができる。また、層MLの部位ごとの熱収縮量の差が生じることを抑制できるため、熱収縮量の差に起因して造形物OBに内部応力が生じることを抑制でき、造形完了後の造形物OBに残留応力が生じることを抑制できる。よって、造形物OBの耐久性を高めることができる。
図13は、造形処理の工程S70において制御部10が生成する制御情報CIの内容を示す説明図である。
制御情報CIには、造形物OBの形状に関する情報である形状情報FIと、造形物OBの造形に使用される造形材料MMに関する情報である材料情報MIと、造形物OBの造形時に設定される加熱部60の加熱温度の条件を表す温度条件情報TIと、が含まれる。制御情報CIでは、それらの情報が互いに紐づけられている。
形状情報FIは、制御部10が造形物OBの形状を特定するための情報である。形状情報FIには、例えば、造形物OB全体の寸法として、図8に示す幅xや、奥行きy、高さzが含まれている。形状情報FIは、その他に、部位ごとの寸法を含んでいてもよいし、造形物OBの形状を分類する分類情報が含まれていてもよい。
材料情報MIには、例えば、ABS樹脂など、造形材料MMの種類を特定する情報が含まれる。その他に、材料情報MIには、ステージ50に吐出される時の造形材料MMの密度や、粘度、温度などの情報が含まれていてもよい。
温度条件情報TIには、造形処理において使用された個別加熱部61の識別番号や、制御部10により実際に設定された個別加熱部61の出力の情報等が含まれる。温度条件情報TIには、上述した密着状態を示す値の目標値Ctや、密着状態を示す値の限界値Climなどが含まれてもよい。
制御情報CIは、造形物OBの形状と、造形物OBの造形時の加熱部60による加熱の条件と、造形物OBの造形に使用される造形材料MMの種類とを紐づけた情報に相当する。制御部10は、造形処理の終了時に、この制御情報CIを生成してサーバー18に送信し、サーバー18に記憶させる。制御部10は、造形物OBの造形を開始するときに、形状情報FIをキーとして、同一の、または、類似した形状の造形物OBの制御情報CIをサーバー18から読み込み、造形処理において利用する。あるいは、制御部10は、材料情報MIをキーとして制御情報CIを読み込み、同じ種類の造形材料MMでの造形処理に制御情報CIを利用してもよい。これにより、過去の造形処理における加熱部60による加熱条件を管理でき、再利用できるため、造形物OBの造形をより効率的に実行することができる。
以上のように、本実施形態の三次元造形システム100および造形物OBの製造方法によれば、加熱部60による造形物OBを構成する層MLに対する加熱を、層MLとステージ50との密着状態に応じて実行することができる。そのため、層MLとステージ50との密着状態を適切に制御しながら、造形物OBを造形することができる。よって、例えば、層MLがステージ50に対して十分に密着できずに、造形中に層MLの一部がステージ50から乖離してしまうことを抑制できる。また、層MLがステージ50に対して密着しすぎて、造形完了後に造形物OBをステージ50から分離することが困難になってしまうことを抑制できる。また、本実施形態では、検出部65が有する個別検出部66によって、ステージ50の複数の領域Rごとに密着状態を示す値が検出され、その値に基づいて、加熱部60が有する個別加熱部61によって複数の領域Rのそれぞれを個別に加熱することができる。よって、造形物OBの部位ごとに適切な加熱温度で加熱することができ、ステージ50に対する造形物OBを構成する造形材料MMの密着性を領域Rごとに適切に制御することができる。
[2]第2実施形態
図14~図16を参照して、第2実施形態の三次元造形システム100Aにおける造形処理を説明する。図14~図16は、それぞれ、三次元造形システム100Aのステージ50上に形成された層MLの例を示す概略平面図である。図14~図16には、ステージ50における複数の領域Rを区画して示す一点鎖線と、各領域Rの対応する個別加熱部61の配置領域を示す破線とを図示してある。また、図14~図16には、各個別加熱部61の配置領域に、対応する領域Rに割り当てられた区分の種類ごとに濃度が異なるクロスハッチングを付してある。
図14には、層MLの一例として、Z方向に沿って見たときの外周輪郭形状が円形状である層MLaが示されている。図15には、層MLの一例として、Z方向に沿って見たときに、円形の一部を直線で切り欠いた形状を有する本体部MLmの円弧部分から矩形状の突出部MLtが径方向に突出している層MLbが示されている。図16には、層MLの一例として、Z方向に沿って見たときに、長方形がX方向およびY方向に斜めに十字状に交差している外周輪郭形状を有する層MLcが図示されている。
第2実施形態の三次元造形システム100Aの構成は、第1実施形態の三次元造形システム100の構成とほぼ同じである。第2実施形態の造形処理は、工程S20で実行されるステージ50の複数の領域Rの区分け方が異なる点以外は、図7に示す第1実施形態の造形処理とほぼ同じである。
第2実施形態では、制御部10は、ステージ50の複数の領域Rのうちの造形材料MMが配置される領域Rを、造形材料MMに囲まれる部位を構成する囲まれ領域Rsと、造形材料MMに囲まれていない部位を構成する非囲まれ領域Ruと、に区分ける。制御部10は、造形材料MMが配置される領域Rを、第1実施形態で説明した造形領域Rmと同様な基準で特定する。
制御部10は、造形材料MMが配置される領域Rに囲まれている領域Rを囲まれ領域Rsに区分ける。制御部10は、例えば、図14に示すように、円環状に配列された造形材料MMが配置される領域Rの内側に位置する領域Rを囲まれ領域Rsとする。囲まれ領域Rsは、隣接する領域Rの全てが、造形材料MMが配置される領域Rでなくてもよい。制御部10は、例えば、隣接する領域Rの半数以上が、造形材料MMが配置される領域Rである場合に、その領域Rを囲まれ領域Rsに区分けるものとしてもよい。囲まれ領域Rsは、図15や図16に示すように、隣接する領域Rの一部が、造形材料MMが配置されない領域Rになっていてもよい。囲まれ領域Rsは、図16に示すように、離散的に円環状に配列された造形材料MMが配置される領域Rに囲まれた領域であってもよい。
その一方で、制御部10は、造形材料MMが配置される領域Rのうち、囲まれ領域Rsに該当しないものを非囲まれ領域Ruに区分ける。制御部10は、例えば、隣接する領域Rの半数未満が、造形材料MMが配置される領域Rである場合に、その領域Rを非囲まれ領域Ruに区分けるものとしてもよい。非囲まれ領域Ruは、図14に示すように、造形物OBの外郭を構成する部位が配置される領域Rであってもよい。また、非囲まれ領域Ruは、図15に示すように、造形物OBにおいて局所的に突出した部位が配置される領域Rであってもよい。また、非囲まれ領域Ruは、図16に示すように、造形物OBの細長い部位が配置される領域Rであってもよい。非囲まれ領域Ruは、層MLのうちで他の部位から離れた位置に形成された部位が配置される領域Rであってもよい。
制御部10は、工程S50において、非囲まれ領域Ruの方が、囲まれ領域Rsよりも温度が高くなるように個別加熱部61を制御する。周囲に熱が逃げて温度が低下しやすい非囲まれ領域Ruの加熱温度を高く制御することにより、非囲まれ領域Ruに配置された造形材料MMのステージ50に対する密着性が低下してしまうことを抑制できる。また、周囲に熱が逃げにくく温度が高くなりやすい囲まれ領域Rsの加熱温度を低く制御することにより、囲まれ領域Rsに配置された造形材料MMが加熱されすぎてステージ50に密着しすぎてしまうことを抑制することができる。
以上のように、第2実施形態の三次元造形システムおよび三次元造形物の製造方法によれば、囲まれ領域Rsと非囲まれ領域Ruとで加熱温度を変えることにより、ステージ50と造形材料MMの層MLとの密着状態を、より適切に制御することができる。その他に、第2実施形態の三次元造形システムおよび三次元造形物の製造方法によれば、第1実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
[3]第3実施形態
図17は、第3実施形態の三次元造形システム100Bの構成を示す概略図である。第3実施形態の三次元造形システム100Bは、温度検出部70が追加されている点以外は、第1実施形態の三次元造形システム100の構成とほぼ同じである。第3実施形態の三次元造形システム100Bが実行する造形処理は、加熱部60の制御に、検出部65の検出結果とともに温度検出部70の検出結果を利用する点以外は、第1実施形態で説明した、図7に示す造形処理とほぼ同じである。
温度検出部70は、造形処理において造形される造形材料MMの層MLごとの温度分布を検出する。温度検出部70は、例えば放射温度計によって構成される。温度検出部70は、造形中の層ML全体の温度分布を検出し、制御部10に出力する。制御部10は、層MLごとに、層MLの面内における温度分布が均一になるように、複数の個別加熱部61のそれぞれを制御する。制御部10は、造形中の層MLにおいて温度が局所的に低くなっている部位がある場合には、その部位が配置されている領域Rに対応する個別加熱部61による加熱温度を上昇させる。制御部10は、その加熱温度の上昇により、その領域Rの個別検出部66によって検出される密着状態が示す値が予め定められた許容範囲を超えて変化する場合には、その密着状態が示す値が許容範囲内に収まるように、個別加熱部61の出力を補正する。
第3実施形態の三次元造形システム100Bによれば、層ML内における温度分布が不均一になってステージ50に対する層MLの密着状態が悪化してしまうことを抑制することができる。また、層ML内における温度分布が不均一になっていることに起因して層ML内の熱収縮量にばらつきが生じ、層ML内に内部応力が生じることを抑制できる。その他に、第3実施形態の三次元造形システムおよび三次元造形物の製造方法によれば、上記実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
[4]他の実施形態
上記の各実施形態で説明した種々の構成は、例えば、以下のように改変することが可能である。以下に説明する他の実施形態はいずれも、上記の各実施形態と同様に、本発明を実施するための形態の一例として位置づけられる。
[4-1]他の実施形態1
上記の各実施形態において、三次元造形システム100,100A,100Bは、制御部10や、吐出部15、造形ステージ部16、サーバー18等の機能有する種々の構成部を一体的に構成した三次元造形装置として構成されてもよい。
[4-2]他の実施形態2
上記の各実施形態において、吐出部15は、フラットスクリュー30を用いて原料中の熱可塑性樹脂を可塑化することにより造形材料MMを生成する代わりに、他の方法によって、造形材料MMを生成してもよい。吐出部15では、例えば、インラインスクリューを用いて造形材料MMが生成されてもよい。
[4-3]他の実施形態3
上記の各実施形態において、加熱部60は複数の個別加熱部61を有していなくてもよいし、検出部65は、複数の個別検出部66を有していなくてもよい。この場合には、ステージ50において層MLの端部が配置されることが予め定められた領域にのみ単一の加熱部60と単一の検出部65とが配置され、制御部10は、検出部65によって検出された密着状態を示す値に基づいて加熱部60による加熱を実行してもよい。
[4-4]他の実施形態4
上記の各実施形態において、検出部65を構成する個別検出部66は圧力センサーの代わりに、例えば、層MLの形成状態をカメラによって撮影し、層MLの変形状態を解析して、層MLとステージ50との密着状態を示す値を出力する構成によって実現されてもよい。
[4-5]他の実施形態5
上記の各実施形態において、ステージ50の複数の領域Rは、矩形状に区画されていなくてもよい。ステージ50の複数の領域Rは、例えば、同心円環状に配列されていてもよい。ステージ50の複数の領域Rは、全てが同じ寸法や面積を有していなくてもよい。ステージ50の複数の領域Rは、例えば、ステージ50のステージ面50sの中心から離れるほど細分化されるように区画されていてもよい。
[4-6]他の実施形態6
上記の各実施形態において、個別加熱部61は、複数の領域Rのそれぞれに複数個が設けられていてもよい。また、個別検出部66は、複数の領域Rのそれぞれに一つずつ設けられていてもよい。個別加熱部61や個別検出部66は、領域Rごとに設置される数が異なっていてもよい。
[4-7]他の実施形態7
上記の第1実施形態において、制御部10は、ステージ50の複数の造形領域Rmを、外郭領域Roと内部領域Riとに区分けしなくてもよく、造形領域Rmと非造形領域Rnとに区分けるのみであってもよい。また、上記の第1実施形態において、制御部10は、非造形領域Rnに対応する加熱部60については駆動させないままにしてもよい。
[4-8]他の実施形態8
上記の各実施形態の三次元造形システム100,100A,100Bにおいて、サーバー18は省略されてもよい。この場合には、制御部10が生成した制御情報CIを外部記憶装置に不揮発的に記憶しているものとしてもよい。また、上記の各実施形態の三次元造形システム100,100A,100Bにおいて、制御部10は、造形処理の完了後に制御情報CIを生成しなくてもよい。
[5]まとめ
(1)本発明の一形態としての三次元造形システムは、造形材料で形成される層を積層して三次元造形物を造形する三次元造形システムであって、前記層を支持するステージと、前記ステージに向けて前記造形材料を吐出して前記層を積層する吐出部と、前記ステージを加熱する加熱部と、前記層と前記ステージとの密着状態を示す値を検出する検出部と、前記密着状態を示す値に基づいて前記加熱部による加熱を制御する制御部と、を備える。この形態の三次元造形システムによれば、加熱部による三次元造形物を構成する層に対する加熱を、層とステージとの密着状態に応じて実行することができるため、層とステージとの密着状態を適切に制御しながら、三次元造形物を造形することができる。よって、例えば、層がステージに対して十分に密着できずに、造形中に層の一部がステージから乖離してしまうことを抑制できる。また、層がステージに対して密着しすぎて、造形完了後に三次元造形物をステージから分離することが困難になってしまうことを抑制できる。
(2)上記形態の三次元造形システムにおいて、前記加熱部は、それぞれが前記ステージ上の異なる複数の領域を加熱する複数の個別加熱部を含み、前記制御部は、前記密着状態を示す値に基づいて前記複数の個別加熱部のそれぞれを個別に制御してよい。この形態の三次元造形システムによれば、加熱部による加熱温度をステージ上の領域ごとに制御することができる。よって、ステージに対する層の密着状態をより適切に制御することができる。
(3)上記形態の三次元造形システムにおいて、前記検出部は、それぞれが前記複数の領域のうちの対応する領域における前記密着状態を示す値を検出する複数の個別検出部を含み、前記制御部は、前記複数の個別加熱部のそれぞれを、対応する前記個別検出部によって検出された前記密着状態を示す値に基づいて制御してよい。この形態の三次元造形システムによれば、層とステージとの密着状態をステージ上の領域ごとに検出した検出結果に基づいて、加熱部による加熱温度をステージ上の領域ごとに制御することができる。よって、ステージに対する層の密着状態をより適切に制御することができる。
(4)上記形態の三次元造形システムは、前記ステージが載置される載置部をさらに備え、前記個別加熱部と前記個別検出部とは前記ステージと前記載置部との間に配置されてよい。この形態の三次元造形システムによれば、個別検出部と個別加熱部とはステージの下に配置されるため、造形材料や塵芥が個別検出部や個別加熱部に付着することが抑制されるため、個別検出部や個別加熱部の劣化や損傷の発生を抑制できる。
(5)上記形態の三次元造形システムにおいて、前記制御部は、前記三次元造形物を表す造形データに基づいて、前記複数の領域ごとに対応する前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御してよい。この形態の三次元造形システムによれば、加熱部によるステージ上の領域ごとの加熱を、三次元造形物の形状に応じて、より適切に制御することができる。
(6)上記形態の三次元造形システムにおいて、前記制御部は、前記三次元造形物を造形する場合、前記造形材料が配置される造形領域に対応する前記個別加熱部と、前記造形材料が配置されない非造形領域に対応する前記個別加熱部とのいずれに対しても加熱を実行させ、前記造形領域の加熱温度が前記非造形領域の加熱温度よりも高くなるように前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御してよい。この形態の三次元造形システムによれば、造形材料が配置される領域と配置されない領域のそれぞれの加熱温度を適切に制御することができる。よって、ステージに対する層の密着状態をより適切に制御することができる。また、非造形領域の温度が著しく低くなり、造形領域から非造形領域へと熱が逃げることを抑制できる。よって、造形領域から非造形領域への放熱によって造形領域に配置されている層の端部の温度が低下し、層のステージに対する密着性が低下してしまうことを抑制することができる。
(7)上記形態の三次元造形システムにおいて、前記制御部は、前記三次元造形物を造形する場合、前記三次元造形物の外郭を構成する部位が配置される外郭領域が、前記外郭に覆われる前記三次元造形物の内部部位が配置される内部領域よりも温度が高くなるように前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御し、かつ、前記内部領域が、前記造形材料が配置されていない非造形領域よりも温度が高くなるように前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御してよい。この形態の三次元造形システムによれば、外郭を構成する層の端部から非造形領域に熱が逃げることを抑制できるとともに、当該端部をより高い温度で加熱することができるため、層の端部の温度が低下して層の端部がステージから乖離してしまうことを抑制できる。また、内部部位の温度が高くなりすぎて、内部部位がステージに密着しすぎてしまうことを抑制できる。よって、造形が完了した三次元造形物をステージから分離させる際に、内部部位の一部がステージから乖離せずに、三次元造形物が損傷してしまうことを抑制できる。
(8)上記形態の三次元造形システムにおいて、前記制御部は、前記非造形領域のうち前記造形材料に囲まれた領域よりも、前記非造形領域のうち前記造形材料に囲まれていない領域の方が、温度が高くなるように、前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御してよい。この形態の三次元造形システムによれば、非造形領域のうちで、造形材料に囲まれ、熱が逃げにくい領域の温度が高くなりすぎてしまい、その領域の周囲の造形材料の温度が高くなりすぎて、ステージに密着しすぎてしまうことを抑制できる。よって、造形材料がステージに密着しすぎていたことにより、造形が完了した後の三次元造形物がステージから乖離させにくくなってしまうことを抑制できる。
(9)上記形態の三次元造形システムは、前記層ごとの温度分布を検出する温度検出部をさらに備え、前記制御部は、前記層ごとに、前記層の面内における温度分布が均一になるように、前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御してよい。この形態の三次元造形システムによれば、層内における温度分布が不均一になってステージに対する層の密着状態が悪化してしまうことを抑制することができる。
(10)上記形態の三次元造形システムは、前記三次元造形物の造形時に使用されるデータを記憶するサーバーをさらに備え、前記制御部は、前記三次元造形物の形状と、前記三次元造形物の造形時の前記加熱部による加熱の条件と、前記三次元造形物の造形に使用される前記造形材料の種類とを紐づけた制御情報を生成して前記サーバーに送信してよい。この形態の三次元造形システムによれば、三次元造形物ごとに造形の際の加熱条件を管理できるため、三次元造形物の造形をより効率的に実行することができる。
(11)本発明の一形態としての三次元造形物の製造方法は、造形材料で形成される層を積層することによって造形される三次元造形物の製造方法であり、ステージに向けて前記造形材料を吐出して、前記ステージ上に前記層を形成する工程と、前記層と前記ステージとの密着状態を示す値を検出する工程と、前記密着状態を示す値に基づいて前記ステージを加熱する工程と、を備える。この形態の三次元造形物の製造方法によれば、三次元造形物を構成する層に対する加熱を、層とステージとの密着状態に応じて実行することができるため、層とステージとの密着状態を良好に制御しながら、三次元造形物を造形することができる。よって、例えば、層がステージに対して十分に密着できずに、造形中に層の一部がステージから乖離してしまうことを抑制できる。また、層がステージに対して密着しすぎて、造形完了後に三次元造形物をステージから分離することが困難になってしまうことを抑制できる。
10…制御部、15…吐出部、16…造形ステージ部、18…サーバー、20…材料生成部、21…材料供給部、22…収容部、24…連通路、25…可塑化部、26…スクリューケース、27…駆動モーター、30…フラットスクリュー、30c…中央部、31…溝形成面、32…溝部、32c…凸条部、32e…材料入口、33…上面、35…対面部、36…対向面、36gr…案内溝、37…ヒーター、38…連通孔、40…ノズル部、42…導入流路、43…ノズル流路、45…ノズル開口、50…ステージ、50s…ステージ面、52…載置部、52r…凹部、53…移動機構、60…加熱部、61…個別加熱部、65…検出部、66…個別検出部、70…温度検出部、100,100A,100B…三次元造形システム、CI…制御情報、Clim…限界値、Ct…目標値、Dn…孔径、FI…形状情報、G…ギャップ、Gc…破線グラフ、Gs…実線グラフ、M…モーター、MI…材料情報、ML,MLa,MLb,MLc…層、MLm…本体部、MLt…突出部、MM…造形材料、OB,OBa、OBb…造形物、OBt…上面、Pi…内部部位、Po…外郭、R…領域、RX…回転軸、Ri…内部領域、Rm…造形領域、Rn…非造形領域、Rni…非造形領域のうち造形材料に囲まれた領域、Rno…非造形領域のうち造形材料に囲まれていない領域、Ro…外郭領域、Rs…囲まれ領域、Ru…非囲まれ領域、S10~S70…工程、TI…温度条件情報

Claims (11)

  1. 造形材料で形成される層を積層して三次元造形物を造形する三次元造形システムであって、
    前記層を支持するステージと、
    前記ステージに向けて前記造形材料を吐出して前記層を積層する吐出部と、
    前記ステージを加熱する加熱部と、
    前記層と前記ステージとの密着状態を示す値を検出する検出部と、
    前記密着状態を示す値に基づいて前記加熱部による加熱を制御する制御部と、
    を備える、三次元造形システム。
  2. 前記加熱部は、それぞれが前記ステージ上の異なる複数の領域を加熱する複数の個別加熱部を含み、
    前記制御部は、前記密着状態を示す値に基づいて前記複数の個別加熱部のそれぞれを個別に制御する、請求項1に記載の三次元造形システム。
  3. 前記検出部は、それぞれが前記複数の領域のうちの対応する領域における前記密着状態を示す値を検出する複数の個別検出部を含み、
    前記制御部は、前記複数の個別加熱部のそれぞれを、対応する前記個別検出部によって検出された前記密着状態を示す値に基づいて制御する、請求項2に記載の三次元造形システム。
  4. 前記ステージが載置される載置部をさらに備え、
    前記個別加熱部と前記個別検出部とは前記ステージと前記載置部との間に配置されている、請求項3に記載の三次元造形システム。
  5. 前記制御部は、前記三次元造形物を表す造形データに基づいて、前記複数の領域ごとに対応する前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御する、請求項2ないし4のいずれか1項に記載の三次元造形システム。
  6. 前記制御部は、前記三次元造形物を造形する場合、
    前記造形材料が配置される造形領域に対応する前記個別加熱部と、前記造形材料が配置されない非造形領域に対応する前記個別加熱部とのいずれに対しても加熱を実行させ、前記造形領域の加熱温度が前記非造形領域の加熱温度よりも高くなるように前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御する、請求項5に記載の三次元造形システム。
  7. 前記制御部は、前記三次元造形物を造形する場合、
    前記三次元造形物の外郭を構成する部位が配置される外郭領域が、前記外郭に覆われる前記三次元造形物の内部部位が配置される内部領域よりも温度が高くなるように前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御し、かつ、
    前記内部領域が、前記造形材料が配置されない非造形領域よりも温度が高くなるように、前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御する、請求項5に記載の三次元造形システム。
  8. 前記制御部は、前記非造形領域のうち前記造形材料に囲まれた領域よりも、前記非造形領域のうち前記造形材料に囲まれていない領域の方が、温度が高くなるように、前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御する、請求項6に記載の三次元造形システム。
  9. 前記層ごとの温度分布を検出する温度検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記層ごとに、前記層の面内における温度分布が均一になるように、前記複数の個別加熱部のそれぞれを制御する、請求項2ないし8のいずれか1項に記載の三次元造形システム。
  10. 前記三次元造形物の造形時に使用されるデータを記憶するサーバーをさらに備え、
    前記制御部は、前記三次元造形物の形状と、前記三次元造形物の造形時の前記加熱部による加熱の条件と、前記三次元造形物の造形に使用される前記造形材料の種類とを紐づけた制御情報を生成して前記サーバーに送信する、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の三次元造形システム。
  11. 造形材料で形成される層を積層することによって造形される三次元造形物の製造方法であって、
    ステージに向けて前記造形材料を吐出して、前記ステージ上に前記層を形成する工程と、
    前記層と前記ステージとの密着状態を示す値を検出する工程と、
    前記密着状態を示す値に基づいて前記ステージを加熱する工程と、
    を備える、三次元造形物の製造方法。
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