JP2018105740A - 散乱x線除去用グリッド製造方法及びその製造装置 - Google Patents

散乱x線除去用グリッド製造方法及びその製造装置 Download PDF

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長谷川博恒
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吉田政人
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佐藤秀信
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岡本愛
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Abstract

【課題】各種立体構造仕様に応じた散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することができる、散乱X線除去用グリッド製造方法及びその製造装置を提供することである。【解決手段】基板上におけるX線透過部の形成領域と、X線透過部の目標高さとを少なくとも含むX線透過部の立体構造仕様情報が実行パラメータとして制御部1に記憶可能になっている。基板と定点O間の距離と、該実行パラメータとに基づいて立体造形プログラムを実行制御して、基板上の形成基準位置座標(起点および終点等のスライス層のデータ)に応じて初期層分の樹脂層を基板上に造形する初期層造形工程と、初期層の造形以降においても、既成層上の形成基準位置座標に応じて上積み分の樹脂層を積層造形する積層造形工程と、を実行制御し、造形高さが目標高さに達するまで積層造形工程を実行可能になっている。【選択図】図4

Description

本発明は、アナログ/デジタルX線撮影装置やX線CT装置、マンモグラフィー、CRなどのX線画像処理装置(X-ray image handling apparatus)に使用される散乱X線除去用グリッド製造方法及びその製造装置に関する。
X線画像処理装置においては、被検体中を透過する入射X線(一次X線)とは無関係な方向に放射するX線、所謂、散乱X線(二次X線)が発生して撮像画のコントラストや鮮鋭度の低下を招き適切な診断の妨げになることが少なくない。この散乱X線を除去するために、一般的に、散乱X線除去用グリッド(anti-scattergrids)(以後、単に「グリッド」と記す場合がある)と呼ばれるものが使用されている。
散乱X線除去用グリッドは、X線吸収の大きい物質(鉛,タングステンなど)で構成したX線吸収部と、X線吸収の小さい物質(紙,木,アルミニウム,樹脂など)で構成したX線透過部とを交互に配した構造を有する。
被検体へのX線の曝射量を出来るだけ少なくするためには、X線吸収部はX線を可能な限り透過する材料で構成するのが良いとされている。殊に、X線透過部を空気層で構成する、所謂、エアー・グリッド(Air-Grid)と呼ばれるグリッドが注目されてきている(例えば、特許文献1)。
X線吸収部ないしX線透過部の形体には、例えば、溝状、柱体状、或いはテーパ柱状(又は錐体状)、ハニカム状、等種々の立体構造仕様がある。溝状のグリッドには、細長い板状のX線吸収部とX線透過部を交互に縞状に配した溝型の平行グリッドや集束グリッドがある。柱体状、ハニカム状、或いは錐体状のグリッドは、複数のX線吸収部がX−Y方向に配列され、各X線吸収部をX線透過部で区画化した一体構造になっている。
グリッドの製法には、例えば、レーザ加工法(特許文献1、2)、フォトリソグラフィー法(特許文献3,4,5)、ウエット又はドライのエッチング法(特許文献6)などがある。
特表2012−530588号公報 特開2000−65995号公報 特開2012−161412号公報 特開2012−122840号公報 特開2012−150144号公報 特開2012−47687号公報
しかしながら、レーザ加工法においては、特に、テーパ柱状の微細加工に適さない欠点があった。また、フォトリソグラフィー法やエッチング法は、形体毎のマスキング工程を要する欠点があった。したがって、上記の従来のグリッド製法は、種々の形体への適用範囲が限られて汎用性に乏しいため、上記の種々の立体構造仕様に応じたグリッドを製造する場合に、形体個々に応じた製造設備が必要になって設備コストを要しグリッド製品コス
トが高価格化する問題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、各種立体構造仕様に応じた散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することができる、散乱X線除去用グリッド製造方法及びその製造装置を提供することである。
本発明に係る第1の形態は、
基板上方の定点を基準にして基板上に所定の配列状態で形成されたX線吸収部とX線透過部とを有する散乱X線除去用グリッドの製造に際して、
立体造形プログラムの実行によって、前記基板上に少なくとも前記X線透過部を造形する散乱X線除去用グリッド製造方法であって、
前記基板上における前記X線透過部の形成領域と、前記X線透過部の目標高さとを少なくとも含む前記X線透過部の立体構造仕様情報を実行パラメータとして記憶し、基板と定点間の距離と、前記実行パラメータとに基づいて、前記立体造形プログラムを実行制御して、
前記基板上の形成基準位置座標に応じて初期層分の層を前記基板上に造形する初期層造形工程と、
初期層の造形後は、既成層上の形成基準位置座標に応じて上積み分の層を積層造形する積層造形工程と、を実行し、
造形高さが前記目標高さに達するまで前記積層造形工程を実行することを特徴とする散乱X線除去用グリッド製造方法である。
本発明に係る第2の形態は、
前記立体構造仕様情報は、前記実行パラメータの一部として、隣接するX線透過部の間隔又はX線透過部の幅を含む散乱X線除去用グリッド製造方法である。
本発明に係る第3の形態は、前記実行パラメータの記憶情報に基づいて前記基板上の形成基準位置座標を抽出し、抽出した前記基板上の形成基準位置座標に基づいて前記初期層造形工程を実行する散乱X線除去用グリッド製造方法である。
本発明に係る第4の形態は、前記実行パラメータの記憶情報に基づいて前記既成層上の形成基準位置座標を抽出し、抽出した前記既成層上の形成基準位置座標に基づいて前記積層造形工程を実行する散乱X線除去用グリッド製造方法である。
本発明に係る第5の形態は、
基板上方の定点を基準にして基板上に所定の配列状態で形成されたX線吸収部とX線透過部とを有する散乱X線除去用グリッドの製造に際して、
立体造形プログラムの実行によって、前記基板上に少なくとも前記X線透過部を造形する散乱X線除去用グリッド製造装置であって、
前記基板上における前記X線透過部の形成領域と、前記X線透過部の目標高さとを少なくとも含む前記X線透過部の立体構造仕様情報を実行パラメータとして記憶可能な記憶手段と、
基板と定点間の距離と、前記実行パラメータとに基づいて、前記立体造形プログラムを実行制御する実行制御手段と、
前記実行制御手段は、
前記基板上の形成基準位置座標に応じて初期層分の層を前記基板上に造形する初期層造形工程と、
初期層の造形後は、既成層上の形成基準位置座標に応じて上積み分の層を積層造形する積層造形工程と、を実行制御し、
造形高さが前記目標高さに達するまで前記積層造形工程を実行することを特徴とする散乱X線除去用グリッド製造装置である。
本発明に係る第6の形態は、前記記憶手段は、前記実行パラメータの記憶情報の一部として、隣接するX線透過部の間隔又はX線透過部の幅を記憶する散乱X線除去用グリッド製造装置である。
本発明に係る第7の形態は、
前記実行制御手段は、
前記実行パラメータの記憶情報に基づいて前記基板上の形成基準位置座標を抽出する第1の位置座標抽出手段を有し、
抽出した前記基板上の形成基準位置座標に基づいて前記初期層造形工程を実行制御する散乱X線除去用グリッド製造装置である。
本発明に係る第8の形態は、
前記実行制御手段は、
前記実行パラメータの記憶情報に基づいて前記既成層上の形成基準位置座標を抽出する第2の位置座標抽出手段を有し、
抽出した前記既成層上の形成基準位置座標に基づいて前記積層造形工程を実行制御する散乱X線除去用グリッド製造装置である。
本発明に係る第9の形態は、第1の形態に係る立体造形プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体である。
本発明に係る第1の形態によれば、基板上におけるX線透過部の形成領域と、X線透過部の目標高さとを少なくとも含むX線透過部の立体構造仕様情報を実行パラメータとして記憶させ、基板と定点間の距離と、該実行パラメータとに基づいて、立体造形プログラムを実行制御することにより、基板上の形成基準位置座標に応じて初期層分の層を基板上に造形する初期層造形工程と、初期層の造形後は、既成層上の形成基準位置座標に応じて上積み分の層を積層造形する積層造形工程とを実行制御して、造形高さが前記目標高さに達するまで積層造形工程を実行するので、種々の立体構造仕様に応じたX線透過部の製造設備を設けることなく、少なくともX線透過部の形成領域と目標高さを実行パラメータとして記憶させるだけで、所望の立体構造仕様の形体を備えたX線透過部を有する散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することができる。
本発明に係る第2の形態によれば、実行パラメータの記憶情報の一部として、隣接するX線透過部の間隔又はX線透過部の幅を含むことにより、所望の立体構造仕様の形体を備えたX線透過部を有する散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することができる。
本発明に係る第3の形態によれば、実行パラメータの記憶情報に基づいて基板上の形成基準位置座標を抽出し、抽出した形成基準位置座標に基づいて初期層造形工程を実行することにより、記憶した立体構造仕様に基づいて所望の立体構造仕様のX線透過部を造形した散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することができる。
本発明に係る第4の形態によれば、実行パラメータの記憶情報に基づいて既成層上の形成基準位置座標を抽出し、抽出した既成層上の形成基準位置座標に基づいて積層造形工程を実行することにより、記憶した立体構造仕様に基づいて所望の立体構造仕様のX線透過部を造形した散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することができる。
本発明に係る第5の形態によれば、
基板上方の定点を基準にして基板上に所定の配列状態で形成されたX線吸収部とX線透過部とを有する散乱X線除去用グリッドの製造に際して、立体造形プログラムの実行によって、基板上に少なくともX線透過部を造形する散乱X線除去用グリッド製造装置であって、
記憶手段により、基板上におけるX線透過部の形成領域と、X線透過部の目標高さとを少なくとも含むX線透過部の立体構造仕様情報を実行パラメータとして記憶し、
実行制御手段により、基板と定点間の距離と、実行パラメータとに基づいて、立体造形プログラムを実行制御し、
基板上の形成基準位置座標に応じて初期層分の層を基板上に造形する初期層造形工程と、
初期層の造形後は、既成層上の形成基準位置座標に応じて上積み分の層を積層造形する積層造形工程と、を実行制御して、造形高さが前記目標高さに達するまで積層造形工程を実行するので、種々の立体構造仕様に応じたX線透過部の製造設備を設けることなく、少なくともX線透過部の形成領域と目標高さを実行パラメータとして記憶させるだけで、所望の立体構造仕様の形体を備えたX線透過部を有する散乱X線除去用グリッドを低価格に製造できる散乱X線除去用グリッド製造装置を提供することができる。
本発明に係る第6の形態によれば、記憶手段に、実行パラメータの記憶情報の一部として、隣接するX線透過部の間隔又はX線透過部の幅を記憶させることにより、所望の立体構造仕様の形体を備えたX線透過部を有する散乱X線除去用グリッドを低価格に製造できる散乱X線除去用グリッド製造装置を提供することができる。
本発明に係る第7の形態によれば、第1の位置座標抽出手段により、実行パラメータの記憶情報に基づいて基板上の形成基準位置座標を抽出し、抽出した形成基準位置座標に基づいて初期層造形工程を実行制御するので、記憶した立体構造仕様に基づいて所望の立体構造仕様のX線透過部を造形した散乱X線除去用グリッドを低価格に製造できる散乱X線除去用グリッド製造装置を提供することができる。
本発明に係る第8の形態によれば、第2の位置座標抽出手段により、実行パラメータの記憶情報に基づいて既成層上の形成基準位置座標を抽出し、抽出した形成基準位置座標に基づいて積層造形工程を実行制御するので、記憶した立体構造仕様に基づいて所望の立体構造仕様のX線透過部を造形した散乱X線除去用グリッドを低価格に製造できる散乱X線除去用グリッド製造装置を提供することができる。
本発明に係る第9の形態によれば、第1の形態に係る立体造形プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体を提供することができる。したがって、本形態に係る記憶媒体は、第1の形態で説明した立体造形プログラムの実行制御による効果を有するので、記憶媒体に記憶した立体造形プログラムを、散乱X線除去用グリッド製造装置用コンピュータ制御部にインストールして該コンピュータ制御部によるX線透過部の造形制御動作を行うことによって所望の立体構造仕様の形体を備えたX線透過部を有した散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することができる。
本発明における記憶媒体としては、フレキシブルディスク、磁気ディスク、光ディスク、CD、MO、DVD、ハードディスク、モバイル端末等、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体のいずれかを選択することができる
本発明の一実施形態であるグリッド製造装置の制御部1及び周辺機器を示すブロック図である。 制御部1により実行可能なグリッド製造処理を示すフローチャートである。 前記グリッド製造処理における設定入力処理を示すフローチャートである。 造形処理データとして入力設定可能なデータを説明するための図である。 前記グリッド製造処理における造形処理データの入力処理を示すフローチャートである。 ハニカム状グリッド構造を示す平面図である。 前記グリッド製造処理における立体造形装置9によるX線透過部の造形処理を示すフローチャートである。 スライス層の造形処理の詳細を示すフローチャートである。 前記スライス層の造形処理におけるスライス層の具体的実施例を示す図である。 前記スライス層の造形処理におけるプリントヘッド12の平面シフト動作を示す図である。
本発明の一実施形態である散乱X線除去用のグリッド製造装置を図面に従って詳細に説明する。
図1は、本実施形態のグリッド製造装置の概略構成を示す。
このグリッド製造装置は、グリッド製造条件を入力するための入力手段と、入力されたグリッド製造条件に基づいてグリッドの構成部を形成するための形成処理プログラムを実行制御する制御部1と、X線透過部を立体造形する立体造形装置9と、グリッドのめっき層を形成するめっき処理装置14とを有する。
制御部1は、CPU2、グリッド製法プログラムを記憶するROM3およびワーキングメモリのRAM4を備えたマイクロプロセッサにより構成され、立体造形装置9、めっき処理装置14及び搬送装置15を制御対象としている。制御部1を該マイクロプロセッサと同等の機能を備えたプログラマブルロジックデバイス(PLD)を用いて構成することができる。グリッド製法プログラムには、立体造形装置9により樹脂成型材の積層形成を行ってX線透過部の形体を造形する立体造形プログラムが含まれている。
入力手段は、液晶タッチパネル5と、タッチパネル5による入力情報を取得して制御部1に与えるタッチパネル制御部6と、タッチパネル操作表示やガイダンス表示等の各種表示を行う表示パネル8と、制御部1およびタッチパネル制御部6からの指示情報に基づいて表示パネル8の表示駆動制御を行う表示パネル制御部7とを有する。製造作業者は、入力手段としてタッチパネル操作を行ことにより、各種グリッド製造条件のデータ入力を行うことができる。グリッド製造条件の入力可能な項目には、X線透過部の立体構造仕様情報およびX線吸収部を形成するめっき層の情報等が含まれている。なお、本発明は、めっき処理工程とは分離して、X線透過部を造形するX線透過部造形装置単体でも実施することができる。
立体造形装置9には、3次元オブジェクトを造形する3次元プリンタを使用することができる。立体造形装置9は、コントローラ10、アクチュエータ11、プリントヘッド12及び造形材料供給部13を有する。コントローラ10は、CPU、ROM及びRAMを有するマイクロプロセッサーで構成され、制御部1から受信した実行制御データに基づいてアクチュエータ11を駆動制御する。アクチュエータ11は、コントローラ10からの実行指令に応じてプリントヘッド12の3次元移動制御および造形材料の吐出制御を行う。
コントローラ10は、RAMに記憶させる3次元画像データを外部入力可能になっている。コントローラ10は、RAM内に記憶した3次元画像データを参照してアクチュエータ11を駆動制御し、プリントヘッド12による造形材料の吐出制御を行う。グリッドの立体構造仕様に応じた基本画像がCAD等の描画装置により予め作成され、3次元画像データとしてコントローラ10のRAMに記憶されている。
制御部1は、グリッド製造条件の入力設定段階で指定されたX線透過部の立体構造仕様情報に基づいてコントローラ10のRAMから指定の立体構造仕様に対応する基本画像データを取込み、入力されたグリッド製造条件により該基本画像データを編集して実行画像データに変換してコントローラ10に送信する。コントローラ10は、受信した実行画像データをRAMのワークエリアに格納し、該実行画像データに基づいてアクチュエータ11の駆動制御及びプリントヘッド12による造形材料の吐出制御を行って、入力設定されたグリッドの立体構造仕様に応じたX線透過部の立体造形処理を実行する。
本実施形態においては、コントローラ10から取り込んだ基本画像データに対し、入力されたグリッド製造条件により制御部1で実行画像データに変換して編集しコントローラ10に送信する実行画像データの編集を行うシステム構成であるが、グリッドの立体構造仕様に応じた基本画像を3次元画像データとして制御部1のRAM4に記憶しておき、制御部1でRAM4の基本画像データに対し、入力されたグリッド製造条件により実行画像データに変換して編集しコントローラ10に送信するシステム構成を使用することができる。
グリッド製造条件のX線透過部の立体構造仕様情報には、X線透過部の形体情報およびX線透過部のサイズ情報が含まれている。該形体情報には、溝状、柱体状、或いはテーパ柱状(又は錐体状)、ハニカム状の立体構造仕様が含まれている。形体種別の指定により溝型の平行グリッドや集束グリッド、あるいは柱体状又は錐体状のX線透過部を備えたグリッドの製造を行うことができる。
X線透過部のサイズ情報には、X線透過部の形成領域、目標高さ、隣接するX線透過部の間隔又はX線透過部の幅が含まれている。X線吸収部に形成するめっき層の情報には、めっき処理時間が含まれている。
立体造形装置9は、熱溶解積層法を用いた熱溶解積層型3次元プリンタを構成している。予め造形材料用樹脂を組成とする長尺状のフィラメント材(造形材料)を作製して造形材料供給部13に収容しておき、該フィラメント材をプリントヘッド12に供給可能になっている。プリントヘッド12は、フィラメント材を所定量ずつ押し出して吐出する押出ヘッドで構成されている。熱溶解積層型3次元プリンタによって、プリントヘッド12内のヒータ(図示せず)でフィラメント材を加熱して熱可塑性樹脂を溶融あるいは半溶融状態にし、ヘッドのノズル先端から溶融物あるいは半溶融物を線状に押し出して冷却固化させて層状に積層することによりX線透過部を造形できるようになっている。本実施形態では一台のプリントヘッド12を使用しているが、これに限らず複数台のプリントヘッドを併用、駆動制御可能にしてもよい。
熱可塑性を有する造形材料用樹脂としては、X線透過性を有した熱可塑性樹脂や熱可塑性樹脂エラストマー等を使用することができる。熱可塑性樹脂として、例えば、アクリロニトリル−ブチレン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール
樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、液晶ポリマー、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の芳香族ポリエーテルケトン樹脂等を使用することができる。熱可塑性樹脂エラストマーとしては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等を使用することができる。本実施形態においては、X線透過部の樹脂成型材の一実施例としてアクリル樹脂を使用する。
立体造形装置9には、熱溶解積層型3次元プリンタに限らず、例えば、インクジェットプリンタヘッドを用いて光硬化性樹脂を噴射した後、短波長の光、例えば紫外線を照射して硬化するインクジェット方式の3次元プリンタを使用することができる。光硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート、エポキシアクリレート等を使用することができる。
図2は、制御部1により実行可能な主なグリッド製造処理を示す。
制御部1の管理下で実行される主なグリッド製造処理には、設定入力処理(ステップS1)、X線透過部造形処理(ステップS2)、めっき層形成処理(ステップS3)および移送処理(ステップS4)が含まれている。
設定入力処理(ステップS1)において、タッチパネル5による入力情報をRAM4に記憶、設定することができる。X線透過部造形処理(ステップS2)において、立体造形プログラムが実行されて、立体造形装置9により樹脂成型材の積層形成を行ってX線透過部の形体を造形することができる。
めっき層形成処理(ステップS3)において、X線透過部造形処理(ステップS2)により成形した成形体を無電解めっき溶液槽(図示せず)に浸漬して、金属めっき層を形成する2次加工を行うことができる。無電解メッキ溶液槽におけるメッキ処理の管理は、めっき処理装置14により実行可能になっている。本発明において、金属めっき層のX線吸収性材料として、金(Au)、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、鉛(Pb)及びこれらの合金などの重金属材料を使用することができる。本発明は、X線吸収部をめっき層で形成する場合に限らず、スパッター装置又は蒸着装置などのX線吸収部形成技術により形成することができる。
移送処理(ステップS4)は、X線透過部造形処理およびめっき層形成処理の加工位置にグリッド加工体を移送する移送管理を行う。X線透過部造形処理を行う場合、グリッド本体になるアクリル樹脂製基板を立体造形装置9の加工位置に自動ハンドリング装置(図示せず)によって自動移送してセットされる。該基板のセット状態は、位置検知センサ(図示せず)により検知可能になっている。該基板上にX線透過部造形処理により立体造形を行った後、その成形体は、搬送装置15により無電解メッキ溶液槽に搬送されてめっき層の形成が行われる。めっき層の形成は、X線透過部の表層をマスキングして、隣接するX線透過部間の空隙部にメッキ金属を埋設することにより行われる。めっき層を形成した2次加工体は、無電解メッキ溶液槽から組立工程の組立位置に移送される。無電解メッキ溶液槽および組立位置への搬送は、夫々の移送位置を検知する位置検知センサ(図示せず)により確認可能になっている。図1においては、各工程の移送制御に用いる位置検知センサをまとめて位置検出装置16で示している。位置検出装置16の位置検出情報は、制御部1に出力可能になっている。なお、めっき層を形成する際、無電解めっきに限らず、電気めっき等をのめっき処理技術を使用することができる。
図3は、設定入力処理(ステップS1)を示す。
設定入力処理において、タッチパネル5による入力情報のうち、X線透過部造形処理に必要な造形処理データの入力があると、RAM4の造形処理データ用メモリエリアに記憶、設定される(ステップS11、S12)。タッチパネル5による入力情報のうち、めっき層形成処理データの入力があると、RAM4のめっき層形成処理データ用メモリエリアに記憶、設定される(ステップS13、S14)。
図4は、造形処理データとして入力設定可能なデータを説明するための図である。
造形処理データとして、X線透過部の形体種別およびサイズ情報が入力可能になっている。図4は、X線透過部の形体種別が傾斜状である集束グリッドの形体断面を示す。集束グリッドは、X線透過部ないしX線吸収部の延長が集束距離FLにおいて一つの定点O(焦点位置)に集束する形体を有する。
サイズ情報を集束グリッドを例にして示すと、サイズ情報には以下の項目が含まれる。(1)X線透過部およびX線吸収部を表面に形成するグリッドの基板BにおけるX線透過部の形成領域(グリッドの縦横の大きさ):グリッド全体のサイズ(単位cm)として、縦方向及び横方向の寸法には、例えば、夫々、15〜50cmの範囲で入力可能にすることができる。
(2)X線透過部の目標高さh(基板Bの表面H1から最終形成面H2までの距離):グリッド全体としてhの大きさ(単位cm)には、例えば、0.2〜1.0cmの範囲で入力可能にすることができる。
(3)X線透過部の間隔D又はX線透過部の幅d(間隔D又は幅dのいずれか一方を入力することにより、形成領域データから他方の値を算出して設定することができる。)
上記のサイズ情報は、集束グリッド以外の形体の場合にも設定可能になっている。
図5は、造形処理データの入力処理を示す。
グリッド種別が入力されると、該グリッド種別データはRAM4の所定メモリエリアに記憶、設定される(ステップS21、S22)。グリッド種別は、溝状、柱体状、或いはテーパ柱状(又は錐体状)、ハニカム状の立体構造仕様に限らず、サブ構造として、平面形状も入力可能になっている。
図6は、ハニカム状グリッド構造を示す。
平面形状としては、平行グリッドのように、平行ないし並列状の平面配置の他に、図6に示すハニカム状配置構造60を選択して、各種別のサブ構造としてRAM4に記憶、設定することができる。ハニカム状配置構造の場合、ハニカム状に連結された溝部61と、溝部61で囲まれて6角形状に基板上に凸状に形成された樹脂造形部62とが基板上に形成される。樹脂造形部62はX線透過部に相当し、溝部61にめっき層が充填されてX線吸収部に形成される。
なお、テーパ付きグリッドは、X線透過部ないしX線吸収部が、グリッドの中心線に対し直角方向の縁部に向かい、かつ中心線に対して対照的に漸次減少する形体を有するグリッドであるが、テーパ付きグリッドの入力で中心線から対照的に漸次減少する減少角度が自動設定可能になっている。
形成領域データが入力されると、該形成領域データはRAM4の所定メモリエリアに記憶、設定される(ステップS23、S24)。形成領域データ入力によりX−Y平面の大きさが確定され、その大きさに基づいて焦点距離および定点Oの位置の決定が可能になっている。予め形成領域のサイズ値に応じて定まる定点O位置データをサイズ値の許容幅毎
に求めておき、各種サイズ値に応じた定点O位置データからなる定点O位置データテーブルがRAM4に格納されている。入力された形成領域データから該定点O位置データテーブルを参照して許容幅内にある所定の定点Oを選択して決定される。例えば、溝型の平行グリッドを造形する場合には、定点Oを基板上の形成領域の中心位置情報に設定され、その中心位置に基づいて各X線透過部を凸状に列設するように造形処理が行われる。
X線透過部の幅データが入力されると、該幅データはRAM4の所定メモリエリアに記憶、設定される(ステップS25、S26)。入力された幅データと、X−Y平面の大きさとを参照して、隣接するX線透過部間の間隔の決定が可能になっている。X線透過部の幅の値に対して、隣接するX線透過部間の間隔の値を許容幅内で定めた間隔テーブルがRAM4に格納されている。入力された幅データから該間隔テーブルを参照して許容幅内にある所定の間隔を選択して決定される。隣接するX線透過部間の間隔を入力可能にし、X線透過部の幅を決定するようにしてもよい。
本実施形態に係るグリッド製造装置は、図示しないマニュアル設定機能を有している。マニュアル設定機能を作動させることにより、焦点距離および定点Oの位置の決定および微調整、隣接するX線透過部間の間隔の決定および微調整等が可能になっている。
X線透過部の高さデータが入力されると、該高さデータはRAM4の所定メモリエリアに記憶、設定される(ステップS27、S28)。入力された高さデータにより、立体造形装置9の3次元プリンタによる積層造形におけるスライス層Li(i=1〜N)の層数N(図4参照)が決定が可能になっている。
図7は、立体造形装置9によるX線透過部の造形処理を示す。図7は、集束グリッドの造形処理の場合であり、以下、集束グリッドの場合を例にして造形処理を説明する。
立体構造仕様情報の入力設定を終え、グリッド基板を立体造形装置9の造形位置にセットした状態において造形処理の起動操作をタッチパネル5で行うと、造形処理の起動条件が成立し、造形処理が開始可能になっている(ステップS31)。立体構造仕様情報が未入力のときは、図5で示した造形処理データの入力処理が行われる(ステップS33)。
造形処理の開始により、プリントヘッド12による1層ずつの樹脂成形に必要なスライスした層のデータの生成が行われる(ステップS32)。立体構造仕様情報の入力により、焦点距離FL、定点Oが確定され、さらに、定点OからX線透過部W1〜Wmの部位に対する傾斜角度Θiが決定され、これらのデータに基づいてスライス層Li(i=1〜N)のデータが生成される。ついで、プリントヘッド12による1層ずつの造形処理は、スライス層のデータを参照して行う積層造形によって実行される(ステップS34)。積層造形は、最終層LNの造形が行われるまで継続し、最終層LNの造形により終了する(ステップS35)。立体造形された部位は、X線透過部用の隔壁W1〜Wmになり、隔壁間の空隙部分はめっき層が充填形成されるX線吸収部用の部位A1〜Am−1になっている。積層造形の終了により終了処理が行われた後、次のめっき層形成処理に移行可能になる(ステップS36)。終了処理において、表面に隔壁W1〜Wmが立設された基板Bがめっき層形成処理位置に搬出可能になっている。
図8は、スライス層の造形処理(ステップS34)の詳細を示す。
図9は、スライス層の造形処理(ステップS34)におけるスライス層の具体的実施例を示す。
図10は、スライス層の造形処理(ステップS34)におけるプリントヘッド12の平
面シフト動作を示す。
ステップS32において、目標高さhと、プリントヘッド12から吐出される堆積微粒子の大きさとで、基板上の1層分の層厚kが決まり、その層厚からスライス層の層数が決定される。図9では、堆積微粒子を直径2rの球形モデルで模式的に示している。実際の粒子の付着は、粒子間を埋めるようにして粒子どうしが結合し合うので、1層分の層厚は、直径2rよりも小さくなる(<2r)。このため、予め1粒子分による層厚を計測しておき、その計測値を層厚kとして使用してスライス層の層数が決定可能になっている。なお、粒子径の異なる堆積微粒子を吐出可能なプリントヘッド12を使用する場合等においては、各粒子径riに対しあらかじめ計測しておいた補正係数jを用いて、1層分の層厚を、(2ri−j)の演算を行って決定し、その演算値によりスライス層の層数を求めるようにしてもよい。
図9の(9B)に示すように、1層目の起点のX座標X1に対し、2層目の起点のX座標X2は、定点Oから1層目の起点に至る傾斜角度Θを求め、演算(X1−k・tanΘ)により決定され、3層目以降の起点座標も同様にして決定可能になっている。なお、定点0、焦点距離、X線透過部の幅やスライス層のデータの決定に際しては、X線吸収部の透過長を長くし、X線吸収部の厚さに対するグリッド比(grid ratio:γ)が小さくならないように選定し、あるいは、入力設定の幅を制約して散乱X線の除去率の向上を図るようにしてもよい。同様に、該決定に際しては、X線吸収部のX線受容面(入射面)の大きさ(面積)(S1)とX線吸収部のX線受容面(入射面)の大きさ(面積)(S2)を小さくし、且つX線吸収部のX線受容面(入射面)の大きさ(S1)に対してX線吸収部のX線受容面(入射面)の大きさ(S2)を出来るだけ小さくなるようにして、解像度の向上を図るようにしてもよい。
プリントヘッド12は、最初に1層目の各単位部位の起点位置に移動し、樹脂を吐出して1層分の造形をスライスデータに基づいて行う(ステップS100、S101)。図10は、1層分の各単位部位におけるプリントヘッド12の平面シフト動作例を示す。図10においては、5個の部位G1〜G5のシフト動作例を示す。プリントヘッド12は、1つの単位部位Giに対し、起点SPを出発してY軸方向の幅WyずつY方向に移動しながら、吐出樹脂を造形した後、X軸方向にシフトして吐出樹脂を造形し、単位部位の幅の造形し、さらに、隣接の部位にシフト動作SF1〜SF5を順次繰り返して最後の部位G5の終点EPに至って終了する(ステップS102)。なお、例えば、溝型の平行グリッドを造形する場合など、各X線透過部を1個ずつ積層形成し、順次所定列数分のX線透過部を基板上に造形するようにしてもよい。
1単位部位における幅方向の成形制御は、(9A)に示すように、例えば、1単位部位の起点側の傾斜角度Θ5の傾斜ラインR5と、終点側の傾斜角度Θ4(>Θ5)の傾斜ラインR4との間で実行可能になっている。単位部位は、定点Oに近づくにつれて幅狭になるので、傾斜角度の大きい方(例えば、傾斜ラインR4)で樹脂成形有無を調整可能になっている。即ち、終点側で最後の樹脂成形が1回分の吐出で終点側の傾斜ラインを逸脱する場合には、終点側の直前で樹脂吐出は終了する。(9A)の場合、終点側の傾斜ラインR4に重なるので、1回分の吐出が実行されている。なお、単位部位の漸次幅狭形状の形成には、傾斜角度の小さい方(例えば、傾斜ラインR5)で樹脂成形有無を調整可能にしてもよい。以上の起点および終点等のスライス層のデータは、本発明に係る形成基準位置座標情報として使用可能になっている。スライス層Li(i=1〜N)のデータ生成処理(ステップS32)において、基板上に最初に造形される第1層のスライス層L1(初期層)に関するデータ生成(抽出)処理は、基板上の形成基準位置座標を抽出する、本発明に係る第1の位置座標抽出手段に対応し、既成層上に造形される第2層以降のスライス層に関するデータ生成(抽出)処理は、既成層の形成基準位置座標を抽出する、本発明に係る
第2の位置座標抽出手段に対応する。
1層分の樹脂成形を行うと、次の層の樹脂成形の実行に移る(ステップS103)。既成層に上積みするために、下層と同様に、プリントヘッド12は、単位部位の起点位置に移動して、既成層と同様に、スライスデータに基づいて各単位部位への樹脂成形とシフト動作を繰り返して上積み層を成形する。既成層に上積みする場合、既成層から傾斜ライン上に沿った位置にシフトした位置に起点が設定される。例えば、(9A)に示すように、2層目の最初の堆積微粒子αは、その中心が傾斜ラインR5上に位置するように、既成層の成形粒子の中心より距離Sxだけスライドした位置に堆積される。最後尾の堆積微粒子βは、上記と同様に、内側の傾斜ラインR4を超えないように堆積される。
上記のプリントヘッド12による造形処理が、スライス層の全層に対して繰返し実行され、最終層の造形により終了する(ステップSk−1、Sk)。
本実施形態において、既成層上に次の層を積層形成する場合、幅狭形成のために傾斜ラインでの規制により行うが、(9C)に示すように、粒子径を制御可能なプリントヘッドを使用して、吐出樹脂の粒子径を調整して積層形成して幅狭の上積みを行うことができる。(9C)の場合、第1層から第3層に積層するとき、積層順に堆積微粒子の半径を小さくしている。即ち、第1層〜第3層の粒子径をr1〜r3とすると、r1>r2>r3の関係になっている。なお、粒子径の変更態様として、粒子径の異なる吐出用樹脂材を収容する複数の樹脂材収容用のカートリッジを用意して、該カートリッジの切替によりプリントヘッドから吐出させる粒子径を変更可能にすることができる。
めっき層形成処理によるX線吸収部の形成は、めっき処理装置14によるめっき層を形成する場合に限らず、X線透過部の立体造形処理と同様に、金属材料の吐出成形が可能な3次元プリンタを使用して行うことができる。この場合、プリントヘッド12によるX線透過部の造形処理と併行してスライス層ごとに、X線吸収材料の金属材料を吐出する金属吐出プリントヘッド(図示せず)に切替て、ないしX線透過部の造形処理を終えた後、該金属吐出プリントヘッドの作業位置に移送してX線吸収部の造形を行う。この造形に際しては、X線透過部の造形処理に用いた、定点Oの位置や積層データ等の造形処理データを使用して、X線透過部どうしの間のX線吸収部領域を識別して、該金属吐出プリントヘッドの吐出制御によってX線吸収部領域に金属層を積層してX線吸収部を3次元造形することができる。上述の樹脂層の積層形成の場合と同様に、金属層の粒子径を制御可能なプリントヘッドを使用したり、粒子径の異なる吐出用金属材を収容する複数の金属材収容用のカートリッジを用意して、該カートリッジの切替によりプリントヘッドから吐出させる金属粒子径を変更可能にしたりして金属層の積層造形を行ってもよい。
本実施形態によれば、記憶手段(RAM4)に、基板上におけるX線透過部の形成領域と、X線透過部の目標高さとを少なくとも含むX線透過部の立体構造仕様情報を実行パラメータとして記憶させ、実行制御手段(制御部1)により、基板と定点O間の距離と、該実行パラメータとに基づいて、立体造形プログラムを実行制御することによって、実行パラメータの記憶情報に基づいて、基板上の形成基準位置座標(起点および終点等のスライス層のデータ)に応じて初期層分の樹脂層を基板上に造形する初期層造形工程と、初期層の造形以降においても、該記憶情報に基づいて、既成層上の形成基準位置座標に応じて上積み分の樹脂層を積層造形する積層造形工程と、を実行制御し、造形高さが前記目標高さに達するまで積層造形工程を実行することができる。従って、本実施形態に係るグリッド製造装置は、種々の立体構造仕様に応じたX線透過部の製造設備を設けることなく、少なくともX線透過部の形成領域と目標高さを実行パラメータとして記憶させるだけで、所望の立体構造仕様の形体を備えたX線透過部を有する散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することができる。
特に、実行パラメータの記憶情報に基づいて基板上の形成基準位置座標を抽出し、抽出した形成基準位置座標に基づいて初期層造形工程を実行することにより、記憶した立体構造仕様に基づいて所望の立体構造仕様のX線透過部を造形したX線透過部を有する散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することができる。しかも、実行パラメータとして、隣接するX線透過部の間隔又はX線透過部の幅を記憶させることにより、所望の立体構造仕様の形体を備えたX線透過部を有する散乱X線除去用グリッドの製造コストを安価にすることができる。さらに、実行パラメータの記憶情報に基づいて既成層上の形成基準位置座標を抽出し、抽出した既成層上の形成基準位置座標に基づいて積層造形工程を実行することにより、記憶した立体構造仕様に基づいて所望の立体構造仕様のX線透過部を造形したX線吸収部を有する散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することができる。
本発明は、上記の具体例に限定されるものはなく、本発明の本質を基にするのであれば外延若しくは拡張されるものも含む。即ち、本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。。
本発明によれば、各種立体構造仕様に応じた製造設備を設けることなく、種々の散乱X線除去用グリッドを低価格に製造することが可能な散乱X線除去用グリッド製造方法及びその製造装置を提供することができる。
1 制御部
2 CPU
3 ROM
4 RAM
5 タッチパネル
6 タッチパネル制御部
7 表示パネル制御部
8 表示パネル
9 立体造形装置
10 コントローラ
11 アクチュエータ
12 プリントヘッド
13 造形材料供給部
14 めっき処理装置
15 搬送装置
16 位置検出装置

Claims (9)

  1. 基板上方の定点を基準にして基板上に所定の配列状態で形成されたX線吸収部とX線透過部とを有する散乱X線除去用グリッドの製造に際して、
    立体造形プログラムの実行によって、前記基板上に少なくとも前記X線透過部を造形する散乱X線除去用グリッド製造方法であって、
    前記基板上における前記X線透過部の形成領域と、前記X線透過部の目標高さとを少なくとも含む前記X線透過部の立体構造仕様情報を実行パラメータとして記憶し、基板と定点間の距離と、前記実行パラメータとに基づいて、前記立体造形プログラムを実行制御して、
    前記基板上の形成基準位置座標に応じて初期層分の層を前記基板上に造形する初期層造形工程と、
    初期層の造形後は、既成層上の形成基準位置座標に応じて上積み分の層を積層造形する積層造形工程と、を実行し、
    造形高さが前記目標高さに達するまで前記積層造形工程を実行することを特徴とする散乱X線除去用グリッド製造方法。
  2. 前記立体構造仕様情報は、前記実行パラメータの一部として、隣接するX線透過部の間隔又はX線透過部の幅を含む請求項1に記載の散乱X線除去用グリッド製造方法。
  3. 前記実行パラメータの記憶情報に基づいて前記基板上の形成基準位置座標を抽出し、抽出した前記基板上の形成基準位置座標に基づいて前記初期層造形工程を実行する請求項1又は2に記載の散乱X線除去用グリッド製造方法。
  4. 前記実行パラメータの記憶情報に基づいて前記既成層上の形成基準位置座標を抽出し、抽出した前記既成層上の形成基準位置座標に基づいて前記積層造形工程を実行する請求項1、2又は3に記載の散乱X線除去用グリッド製造方法。
  5. 基板上方の定点を基準にして基板上に所定の配列状態で形成されたX線吸収部とX線透過部とを有する散乱X線除去用グリッドの製造に際して、
    立体造形プログラムの実行によって、前記基板上に少なくとも前記X線透過部を造形する散乱X線除去用グリッド製造装置であって、
    前記基板上における前記X線透過部の形成領域と、前記X線透過部の目標高さとを少なくとも含む前記X線透過部の立体構造仕様情報を実行パラメータとして記憶可能な記憶手段と、
    基板と定点間の距離と、前記実行パラメータとに基づいて、前記立体造形プログラムを実行制御する実行制御手段と、
    前記実行制御手段は、
    前記基板上の形成基準位置座標に応じて初期層分の層を前記基板上に造形する初期層造形工程と、
    初期層の造形後は、既成層上の形成基準位置座標に応じて上積み分の層を積層造形する積層造形工程と、を実行制御し、
    造形高さが前記目標高さに達するまで前記積層造形工程を実行することを特徴とする散乱X線除去用グリッド製造装置。
  6. 前記記憶手段は、前記実行パラメータの記憶情報の一部として、隣接するX線透過部の間隔又はX線透過部の幅を記憶する請求項5に記載の散乱X線除去用グリッド製造装置。
  7. 前記実行制御手段は、
    前記実行パラメータの記憶情報に基づいて前記基板上の形成基準位置座標を抽出する第
    1の位置座標抽出手段を有し、
    抽出した前記基板上の形成基準位置座標に基づいて前記初期層造形工程を実行制御する請求項5又は6に記載の散乱X線除去用グリッド製造装置。
  8. 前記実行制御手段は、
    前記実行パラメータの記憶情報に基づいて前記既成層上の形成基準位置座標を抽出する第2の位置座標抽出手段を有し、
    抽出した前記既成層上の形成基準位置座標に基づいて前記積層造形工程を実行制御する請求項5、6又は7に記載の散乱X線除去用グリッド製造装置。
  9. 請求項1に記載の立体造形プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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JP7467178B2 (ja) 2020-03-16 2024-04-15 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 コリメータ及びコリメータモジュール

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