JP2023079616A - 抗体検査装置、抗体検査システム、抗体検査方法、コンピュータプログラム、及び台紙 - Google Patents

抗体検査装置、抗体検査システム、抗体検査方法、コンピュータプログラム、及び台紙 Download PDF

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Abstract

Figure 2023079616000001
【課題】 被検者の撮影技術や撮影環境に影響されず抗体価を適切に判定可能な抗体検査システムの提供を目的とする。
【解決手段】 抗体検査システムは、検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと、前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部とを含む画像データを取得する画像データ取得手段と、前記発色部の色情報、前記色チャート部の色情報、及び前記背景色表示部の色情報に基づき、検体の抗体価を判定する抗体価判定手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、抗体検査装置、抗体検査システム、抗体検査方法、コンピュータプログラム、及び台紙に関する。
新型コロナウィルス等のウィルス感染症に対するワクチン接種によって体内に生成された中和抗体の有無や抗体価を検査する中和抗体検査キットが提供されている。中和抗体検査キットの一例として、図6に示すものが挙げられる。図6に示される中和抗体検査キット100は、被検者から採血された血液(検体)を受ける検体受部110と、バッファー(緩衝液)を受けるバッファー受部120と、検体における中和抗体の有無や抗体価に関する検査結果を表示する検査結果表示部130を含む。
また、検体受部110、バッファー受部120、及び検査結果表示部130は、中和抗体検査キット100のカセット部140に収められる濾紙を介して接続する。更に、検査結果表示部130に対応する濾紙部分には、検査対象の中和抗体と特異的に結合する標識物質(例えば、抗原等)が、吸着されている。
検体受部110に滴下された検体に中和抗体が含まれる場合、前記検体の中和抗体が、検査結果表示部130に至り標識物質と結合する。これにより、標識物質が発色し、帯状の発色部150(第1発色部)が現れる。更に、バッファーが適切に滴下されている場合に発色する第2発色部160が、検査結果表示部130に現れる。第1発色部150と第2発色部160の双方が発色する場合、検体に中和抗体が含まれると判定される。更に、第1発色部150の色の濃淡によって、抗体価が判定される。
この中和抗体検査キット100によれば、検査結果を得るまでのプロセスが非常に簡便であると共に、第1発色部150の色調(例えば、色の濃淡)による視覚的に明瞭な手段で抗体価を判定できる。例えば、スマートフォン等、被検者の所有する端末(被検者端末)を用いて、検査を実施した中和抗体検査キット100を撮影し、その画像データをそのまま被検者端末から検査機関の情報端末へ送るようにする。また、検査機関の情報端末で取得された画像データに基づき検査、自動判定などを行い、その結果を被検者端末に通知するということが考えられる。
ここで、患者側の端末で撮影された患者の顔画像データを医療機関に送信し、送信された顔画像データに基づき各種医療診断を行う技術が下記特許文献1に開示されている。また、所定の色見本(カラーグリッド)と共に撮影された検体の画像データを解析する技術が、下記特許文献2,3に開示されている。
特許第3417235号公報 特開2016-161301号公報 特許第6546605号公報
ところで、中和抗体検査キット100において、第1発色部150の色調が、抗体価を判定するために重要な役割を果たす。これに対して、被検者端末で撮影された中和抗体検査キット100の画像データを介して検査を行う場合、中和抗体検査キット100に対する照明条件や撮影状況等によって、取得画像に表示される第1発色部150の色調と実際の色調とが異なることが生じ得る。
特に、被検者の撮影技術や撮影環境(撮影時の照明条件、撮影状況等)は、被検者毎にまちまちである。そのため、画像データにおける第1発色部150の色調が大きくばらつくことが予想される。更に、照明光の照度分布は、被撮影物(中和抗体検査キット100)に対して一様でない。そのため、画像データに表示される第1発色部150の色調は、撮影角度だけでなく、照明に対する被撮影物(中和抗体検査キット100)の相対位置によっても影響を受け得る。
更に、前述のように、血液とバッファーを各々、検体受部110、バッファー受部120に滴下して検査を行う検査キットでは、血液が検査結果表示部130の中の第1発色部150の帯全体に均一に到達せず、第1発色部150の帯が均一な濃度で呈色/発色しない場合がある。そのため、カラーグリッドと照合する第1発色部150の場所によって、判定された抗体価がばらつくおそれがある。
しかしながら、特許文献1には、前記課題やこれを解決するための手段が、開示も示唆もされていない。また、特許文献2に開示の発明は、画像データに現される検体の色調を実際のものに補正する手段を備えていない。更に、特許文献3に開示の発明は、液体キャニスタ内の血液成分の色に対応するカラーグリッドのカラーエレメントの色調から血液成分の濃度を判定するものであるが、被検者の撮影技術や、被撮影物への照明条件、撮影状況によって、画像データにおける色情報と実際の色情報とが異なる不都合を解決するものではない。
前記課題に鑑み、本発明は、被検者の撮影技術や撮影環境(撮影時の照明条件、撮影状況等)に影響されず、抗体価を適切に判定可能な抗体検査装置、抗体検査システム、抗体検査方法、コンピュータプログラム、及び台紙の提供を目的とする。
前述した課題を解決するため、本発明に係る抗体検査装置は、
検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと、前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部とを含む画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記発色部の色情報、前記色チャート部の色情報、及び前記背景色表示部の色情報に基づき、検体の抗体価を判定する抗体価判定手段と、
を備える。
また、本発明に係る抗体検査システムは、
被検者端末と抗体検査装置とが、通信回線を介して接続され、
前記被検者端末は、
検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと、前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部とを含む画像データを前記抗体検査装置に送信する画像データ送信手段を備え、
前記抗体検査装置は、
前記被検者端末から前記画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記発色部の色情報、前記色チャート部の色情報、及び前記背景色表示部の色情報に基づき、検体の抗体価を判定する抗体価判定手段と、
を備える。
また、本発明に係る抗体検査方法は、
抗体検査装置を用い、
前記抗体検査装置は、
検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと、前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部とを含む画像データを取得し、
前記発色部の色情報、前記色チャート部の色情報、及び前記背景色表示部の色情報に基づき、検体の抗体価を判定する。
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、
抗体検査装置を、
検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと、前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部とを含む画像データを取得する画像データ取得手段、
前記発色部の色情報、前記色チャート部の色情報、及び前記背景色表示部の色情報に基づき、検体の抗体価を判定する抗体価判定手段、
として機能させる。
また、本発明に係る台紙は、
検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと共に撮影され、
前記検査キットが載置されるキット載置領域と、
前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、
前記台紙を撮影して得られる画像データにおける前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部と、
を備える。
本発明によれば、検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと、検査キットの発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、発色部及び色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部とを含む画像データを取得することができると共に、画像データの発色部の色情報、色チャート部の色情報、及び背景色表示部の色情報に基づき、検体の抗体価を判定することができる。その結果、被検者の撮影技術や撮影環境(撮影時の照明条件、撮影状況等)に影響されず、抗体価を適切に判定することができる。
本実施形態に係る抗体検査システムの概略を示すブロック図。 本実施形態の抗体検査装置の構成を示すブロック図。 本実施形態の被検者端末から送信される画像データの例を説明する図。 本実施形態の台紙の正面図。 本実施形態の抗体検査システムの動作を示すフローチャート。 中和抗体検査キットの正面図。
[構成]
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る抗体検査システムを詳細に説明する。まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る抗体検査システム1の構成を説明する。図1は、抗体検査システム1の概略を示すブロック図である。また、図2は、抗体検査装置の構成を示すブロック図である。なお、以下、本実施形態に関して中和抗体の検査を例に説明するが、本実施形態に係る抗体検査システム1の検査対象は、これに限定されない。
図1に示されるように、抗体検査システム1は、被検者端末2(2a,2b,・・・,2n)、被検者端末2と通信回線3を介して接続される抗体検査装置4等を備える。ここで、被検者端末2は、例えば、後述する検査キット5(例えば、中和抗体検査キット)を用いて中和抗体検査を受ける被検者が操作する情報端末である。
被検者端末2の例として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の各種コンピュータが挙げられる。また、被検者端末2は、検査キット5を撮影する撮影機能(例えば、カメラ)、撮影した検査キット5の画像データを外部の情報端末(例えば、抗体検査装置4)に送信する通信機能、各種ウェブサイトを閲覧するためのウェブブラウザ機能等を備える。
抗体検査装置4は、例えば、被検者端末2から取得した検査キット5の画像データに基づき中和抗体検査を行う検査機関の情報端末である。より詳しくは、抗体検査装置4は、汎用のコンピュータであってよく、複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであってもよい。また、図2に示されるように、抗体検査装置4は、制御部41、主記憶部42、通信インターフェイス43、入出力インターフェイス44、補助記憶部45を含む。
制御部41は、CPU等の演算処理装置を備え、補助記憶部45に記憶されたコンピュータプログラムP1やデータを読み出し、所定の情報処理(例えば、抗体検査装置4で実行される後述の各種処理)を実行する。また、主記憶部42は、DRAM等のメモリ装置を備え、制御部41が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
更に、通信インターフェイス43は、例えば、被検者端末2との間で通信を行うためのインターフェイスである。本実施形態の場合、被検者端末2から送信された検査キット5の画像データを受信する。更に、入出力インターフェイス44は、キーボードやマウス等からの入力信号を受け取ると共に、各種出力信号をディスプレー等に出力するためのインターフェイスである。
更に、補助記憶部45は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体であり、制御部41が後述する各種情報処理を実行するためのコンピュータプログラムP1やデータを記憶する。なお、コンピュータプログラムP1は、補助記憶部45以外の記録媒体に記憶させて提供されてもよい。記録媒体の例として、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO(磁気ディスク)、DVD-ROM、メモリーカード等が挙げられる。また、通信回線3を介して、コンピュータプログラムP1を抗体検査装置4に伝送してインストールすることも可能である。
次に、図3及び図4を参照して、被検者端末2で撮影された検査キット5を含む画像データ20と、検査キット5を載置する台紙6を説明する。ここで、図3は、被検者端末2から送信された画像データ20の例を説明する図である。また、図4は、検査キット5を載置していない状態の台紙6の正面図である。なお、検査キット5及び台紙6は、検査機関から被検者に予め提供された検査用の器具である。
図3に示されるように、画像データ20は、検査キット5が載置された状態の台紙6を撮影して得られる画像データである。検査キット5は、被検者から採血された血液(検体)を受ける検体受部51、バッファー(緩衝液)を受けるバッファー受部52、検体における中和抗体の有無や抗体価に関する検査結果を表示する検査結果表示部53を含む。前述のように、検体受部51、バッファー受部52、及び検査結果表示部53は、検査キット5のカセット部54に収められる濾紙を介して接続する。
ここで、検査結果表示部53に対応する濾紙部分には、検査対象の中和抗体と特異的に結合する標識物質(例えば、抗原等)が、吸着されている。検体受部51に滴下された検体に中和抗体が含まれる場合、検体中の中和抗体が、検査結果表示部53に至り標識物質と結合する。これにより、標識物質が発色し、帯状の発色部55(第1発色部)が現れる。更に、検査結果表示部53は、バッファーが適切に滴下されていることを示す第2発色部56を有する。
検査結果表示部53の第1発色部55と第2発色部56の双方が発色する場合、検体に中和抗体が含まれていることが示される。更に、第1発色部55の色の濃淡(彩度や明度の高低)によって、抗体価が判定される。これに対して、第2発色部56のみが発色する場合、検体に中和抗体が含まれていないことが示される。また、第1発色部55のみが発色する場合、検査エラーであることが示される。
なお、第1発色部55は、検体に含まれる抗体価に応じて色の濃淡が変化する(例えば、第1発色部55における色情報の彩度や明度が変化する)。第1発色部55に、淡い色が現れる場合、抗体価が低い。これに対して、第1発色部55に、濃い色が現れる場合、抗体価が高い。
次に、図4に示されるように、台紙6は、検査キット5を載置するためのキット載置領域61、キット載置領域61を取り囲むよう配置される背景色表示部62、キット載置領域61の左右方向(図3及び図4のX方向)両側に配置される2つの色チャート部63等を備える。
本実施形態の背景色表示部62には、所定の色情報(例えば、RGB色空間の場合の赤、緑、青、あるいは、HSV(HSB)色空間の場合の色相、彩度、明度等の色成分)に対応する色が着色されている。また、本実施形態の色チャート部63には、各々、所定の色情報を有する複数の見本色表示部64が並べられる。
より詳しくは、色チャート部63には、階調が異なる第1見本色表示部641、第2見本色表示部642、第3見本色表示部643が配される。また、各見本色表示部64は、左右の色チャート部63に1つずつ(合計2つ)配置される。ここで、第1見本色表示部641の彩度は、第2見本色表示部642の彩度より高く、第3見本色表示部643の彩度より低い。すなわち、第2見本色表示部642(淡色)、第1見本色表示部641(中間色)、第3見本色表示部643(濃色)の順で色が濃くなる。なお、本実施形態の第1見本色表示部641は、背景色表示部62と同一の色情報を有するが、これに限定されない。また、各見本色表示部64の位置や数は、これに限定されない。
更に、台紙6は、検査キット5の個別情報(ロッド情報やシリアル情報等)を含み、任意のリーダ端末(スマートフォンやコンピュータを含む)で読み取り可能なキット識別部67を備えることが好ましい。本実施形態のキット識別部67は、2次元バーコードである。ただし、キット識別部67の態様は、これに限定されない。
検査キット5の個別情報を含むキット識別部67を台紙6に設けることで、画像データ20に表示される検査キット5が本検査で初めて使用されたことを確認できる。これにより、例えば、過去に陽性(抗体を有する旨の結果)であった検査キット5の画像データが再び使用されるような事態を防ぐことができる。
[動作]
次に、図5を参照して、本実施形態に係る抗体検査システム1の動作を説明する。ここで、図5は、抗体検査システム1の動作を示すフローチャートである。なお、以下で説明する抗体検査装置4の処理は、抗体検査装置4の制御部41で実行される。
まず、被検者端末2は、被検者から採取された検体(血液)とバッファーが滴下され、検査結果表示部53の第1発色部55及び第2発色部56が現れた検査キット5と、キット載置領域61に検査キット5を載置した台紙6を撮影する(S1)。これにより、検査キット5、背景色表示部62、色チャート部63を含む画像データ20が得られる。次に、被検者端末2は、抗体検査装置4に画像データ20を送信する(S2)。なお、被検者端末2に備わる通信インターフェイス(不図示)が、画像データ20を送信する画像データ送信手段として機能する。
次に、抗体検査装置4は、通信インターフェイス43を介して画像データ20を取得する(S3)。すなわち、通信インターフェイス43は、抗体検査装置4における画像データ取得手段として機能する。また、抗体検査装置4は、画像データ20に表示される第1発色部55の色情報及び位置、背景色表示部62の色情報及び位置、並びに色チャート部63(各見本色表示部64)の色情報及び位置をそれぞれ特定する。
なお、画像データ20に表示される画素の色情報(色成分)は、通常、RGB色空間に基づく。本実施形態の場合、抗体検査装置4は、取得した画像データ20の各画素のRGB色成分を、より解析が容易なHSV(HSB)色空間の色情報(色相、彩度、明度)に変換することが好ましい。ただし、抗体検査装置4は、色情報の変換を行わなくてもよいし、色情報の変換を行う場合であっても、他の色空間の色情報に変換してもよい。また、画像データ20における全画素の色情報を変換してもよいし、特定の箇所に位置する画素のみの色情報を変換してもよい。
次に、抗体検査装置4は、第1発色部55、背景色表示部62、色チャート部63に関して得られた各種情報(例えば、各々の色情報や位置情報)に基づき検体の抗体価を判定する。すなわち、抗体検査装置4(制御部41)は、抗体価判定手段として機能する。
ところで、被検者の撮影状況によって、検査キット5を照らす照明の照度分布や、検査キット5から反射される反射光分布が、検査キット5の位置に応じて異なる。そのため、画像データ20に表示される第1発色部55の色情報(表示色情報)が、第1発色部55における実際の色情報(実色情報)と異なることが生じ得る。
また、台紙6を照らす照明の照度分布や、台紙6から反射される反射光分布も、台紙6の位置に応じて異なる。そのため、画像データ20に表示される背景色表示部62や各見本色表示部64の表示色情報も、実色情報と異なることが生じ得る。
このような観点から、まず抗体検査装置4は、背景色表示部62の任意の位置から別の位置に至るまでの、背景色表示部62に対応する表示色情報(例えば、彩度)の勾配情報(単位長さ(単位画素)あたりの表示色情報の変化量)を算出する(S4)。特に限定されるものではないが、抗体検査装置4は、図3に示される背景色表示部62のA点からC点の勾配情報62G1(X方向に沿う勾配情報)と、背景色表示部62のA点からB点の勾配情報62G2(Y方向に沿う勾配情報)を算出する。
次に、抗体検査装置4は、勾配情報62G1、勾配情報62G2、第1見本色表示部641の位置、及び第1発色部55の位置に基づき、第1見本色表示部641と第1発色部55との間の第1見本色表示部641に対応する表示色情報(彩度)の勾配641G(第1見本色表示部641と第1発色部55との間の第1見本色表示部641に対応する表示色情報(彩度)の変化量)を求める(S5)。
更に、抗体検査装置4は、前記勾配641Gから、第1発色部55の位置における第1見本色表示部641の表示色情報を推定する(S6)。例えば、勾配情報62G1=1、勾配情報62G2=2、第1見本色表示部641の位置(X,Y)=(20,20)、第1発色部55の位置(X,Y)=(30,25)の場合を考える。このとき、第1見本色表示部641の表示色情報(彩度)が40の場合、第1発色部55の位置における第1見本色表示部641の表示色情報は、60と計算される(X=20からX=30に至る、X方向に沿う表示色情報の勾配は、1×(30-20)=10、Y=20からY=25に至る、Y方向に沿う表示色情報の勾配は、2×(25-20)=10となる。これより、第1発色部55の位置における第1見本色表示部641の表示色情報は、40+10+10=60と推定される)。
また、抗体検査装置4は、第2見本色表示部642、第3見本色表示部643に関しても同様に、第2見本色表示部642(第3見本色表示部643)と第1発色部55との間の第2見本色表示部642(第3見本色表示部643)に対応する表示色情報(彩度)の勾配642G,643Gを求め、第1発色部55の位置における第2見本色表示部642(第3見本色表示部643)の表示色情報を推定する。
ところで、第1見本色表示部641は、例えば、抗体価50BAU/mLに対応する。これに対して、第2見本色表示部642は、例えば、抗体価15BAU/mLに対応する。更に、第3見本色表示部643は、例えば、抗体価100BAU/mLに対応する。従って、抗体検査装置4は、前記処理により、第1発色部55の位置における表示色情報と抗体価との対応関係を把握することができる。
次に、抗体検査装置4は、第1発色部55の位置における各見本色表示部64の表示色情報(彩度の推定値)と、第1発色部55の表示色情報に基づき、第1発色部55に対応する抗体価を判定する(S7)。例えば、第1発色部55の位置における第1見本色表示部641の表示色情報(彩度)が60と推定され、第3見本色表示部643の表示色情報(彩度)が80と推定される一方、第1発色部55の表示色情報(彩度)が70である場合、彩度が1増える毎に、抗体価が2.5増える。一方、第1発色部55の位置における第1見本色表示部641の彩度と第1発色部55の彩度の差は10である。よって、第1発色部55の色情報から判定される抗体価は、75BAU/mLと判定する(第1発色部55の表示色情報に対応する抗体価が、50(第1見本色表示部641に対応する抗体価)+2.5×10=75BAU/mLと計算できる)。
本実施形態では、背景色表示部62の勾配情報62G1,62G2から第1発色部55の位置における各見本色表示部64の表示色情報を推定し、推定した表示色情報に基づき第1発色部55の色情報に対応する抗体価を判定する。その結果、本実施形態によれば、被検者の撮影技術や撮影環境(撮影時の照明条件、撮影状況等)に影響されず検体の抗体価を適切に判定することができる。
最後に、抗体検査装置4は、通信インターフェイス43を介して、得られた抗体価の情報を被検者端末2に送信する(S8)。これにより、被検者は、検体(採取した被検者の血液)に含まれる抗体価を確認することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されず、例えば、以下のような変形例を含む。例えば、前記実施形態では、抗体検査装置4は、第1発色部55の表示色情報を参照すると共に、背景色表示部62の表示色情報により得た勾配情報62G1,62G2に基づき、第1発色部55の位置における各見本色表示部64の表示色情報を推定した。しかしながら、抗体検査装置4は、勾配情報62G1,62G2に基づき、各見本色表示部64の位置における第1発色部55の表示色情報を推定してもよい。この場合、抗体検査装置4は、推定した第1発色部55の表示色情報と、各見本色表示部64の表示色情報に基づき、検体の抗体価を判定する。あるいは、抗体検査装置4は、第1発色部55および各見本色表示部64の両方について、特定の位置における表示色情報を推定し、検体の抗体価を判定してもよい。
また、前記実施形態では、背景色表示部62の表示色情報から、2つの勾配情報62G1,62G2を求めていたが、抗体検査装置4は、図3に示される勾配情報62G3,62G4のような他の位置での勾配情報を別途求めてもよい。この場合、勾配情報62G1から62G4に基づき、背景色表示部62の表示色情報に関するより詳細な変化情報が得られる。その結果、例えば、第1発色部55の位置における各見本色表示部64の表示色情報をより正確に推定できる。
また、前記実施形態では、背景色表示部62の表示色情報から勾配情報62G1,62G2が求められた。しかしながら、色チャート部63が背景色表示部62の役割を兼ね、色チャート部63の表示色情報から勾配情報が求められてもよい。この場合、例えば、背景色表示部62の表示色情報からY方向の勾配情報が求められる一方で、色チャート部63の2つの第1見本色表示部641の表示色情報からX方向の勾配情報が求められる。
なお、図3及び図4に示される背景色表示部62は、検査キット5及び色チャート部63を囲む枠状形態を呈するが、これに限定されない。特に、色チャート部63が背景色表示部62の役割を兼ねる場合、背景色表示部62は、例えば、画像データ20の縦方向(Y方向)に延在する帯状の形態を呈するものであってもよい。
また、例えば、前記実施形態と異なり、台紙6は、背景色表示部62を備えず、背景色表示部62の役割を兼ねる色チャート部をキット載置領域61の上下左右に備えてもよい。この場合、例えば、上下の色チャート部の2つの見本色表示部によりY方向の勾配情報が求められ、左右の色チャート部の2つの見本色表示部によりX方向の勾配情報が求められる。
また、前記実施形態では、被検者端末2と通信回線3を介して接続される抗体検査装置4により検体の抗体価が判定された。しかしながら、被検者端末2に、前記プログラムP1がインストールされていれば、被検者端末2が抗体検査装置4として機能し得る。この場合、被検者端末2に備わるカメラ等の撮影部(画像データ取得手段)が、検査キット5及び台紙6を含む画像データ20を取得すると共に、被検者端末2に備わるCPU等の制御部(抗体価判定手段等)が、取得した画像データ20から抗体価を判定する。
1 抗体検査システム
2 被検者端末
4 抗体検査装置
5 検査キット
55 第1発色部
6 台紙
61 キット載置領域
62 背景色表示部
63 色チャート部
64 見本色表示部
641 第1見本色表示部
642 第2見本色表示部
643 第3見本色表示部
67 キット識別部

Claims (8)

  1. 検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと、前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部とを含む画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記発色部の色情報、前記色チャート部の色情報、及び前記背景色表示部の色情報に基づき、検体の抗体価を判定する抗体価判定手段と、
    を備える抗体検査装置。
  2. 前記抗体価判定手段は、
    前記背景色表示部の色情報から算出される勾配情報により、前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定して、前記検体の抗体価を判定する、
    請求項1に記載の抗体検査装置。
  3. 前記色チャート部は、階調が異なる複数の見本色表示部を含み、
    前記背景色表示部の色情報は、前記色チャート部の中間色の色情報と同じである、
    請求項1又は2に記載の抗体検査装置。
  4. 前記色チャート部は、前記背景色表示部の役割を兼ねる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の抗体検査装置。
  5. 被検者端末と抗体検査装置とが、通信回線を介して接続される抗体検査システムであって、
    前記被検者端末は、
    検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと、前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部とを含む画像データを前記抗体検査装置に送信する画像データ送信手段を備え、
    前記抗体検査装置は、
    前記被検者端末から前記画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記発色部の色情報、前記色チャート部の色情報、及び前記背景色表示部の色情報に基づき、検体の抗体価を判定する抗体価判定手段と、
    を備える抗体検査システム。
  6. 抗体検査装置を用いる抗体検査方法であって、
    前記抗体検査装置は、
    検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと、前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部とを含む画像データを取得し、
    前記発色部の色情報、前記色チャート部の色情報、及び前記背景色表示部の色情報に基づき、検体の抗体価を判定する
    抗体検査方法。
  7. 抗体検査装置を、
    検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと、前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部とを含む画像データを取得する画像データ取得手段、
    前記発色部の色情報、前記色チャート部の色情報、及び前記背景色表示部の色情報に基づき、検体の抗体価を判定する抗体価判定手段、
    として機能させるコンピュータプログラム。
  8. 検体中の抗体と反応して発色する発色部を有する検査キットと共に撮影される台紙であって、
    前記検査キットが載置されるキット載置領域と、
    前記検査キットの前記発色部の色と比較される見本色を表示する色チャート部と、
    前記台紙を撮影して得られる画像データにおける前記発色部及び前記色チャート部の少なくとも一方の色情報を推定するための背景色を表示する背景色表示部と、
    を備える台紙。
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