JP2023078930A - 原子炉格納容器冷却装置 - Google Patents

原子炉格納容器冷却装置 Download PDF

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Abstract

【課題】原子炉格納容器を効率的に冷却する。【解決手段】原子炉格納容器冷却装置は、壁部と、流路形成部材とを備える。壁部は、原子炉格納容器の上部との間に冷却材を貯留するためのプール部を形成するように、原子炉格納容器を少なくとも部分的に覆う。流路形成部材は、上部に設けられた凸状の上面に沿って延びることにより、上面との間にプール部に貯留された冷却材が通過可能な流路を形成する。流路は、プール部と連通する第1連通部と、第1連通部より上方側でプール部と連通する第2連通部とを有する。【選択図】図2

Description

本開示は、原子炉格納容器冷却装置に関する。
原子炉を格納する原子炉格納容器は、例えば事故や不具合によって高温になると、内部に存在する流体(例えば水等)が膨張して内圧が上昇し、場合によっては破裂などの損傷が発生するおそれがある。このような損傷を防止するために、従来の原子炉格納容器では、予め冷却設備を設置しておくことにより、必要に応じて原子炉格納容器を冷却し、損傷に至る事態を回避可能に対策がなされている。
しかしながら、従来の原子炉格納容器に設置される冷却設備は、外部から供給される動力を用いて動作するため、例えばSBO(Station Breakout)のように、外部からの動力供給が停止してしまうと、原子炉格納容器の冷却が不能になってしまう。このような事態を回避するために、例えば特許文献1~3には、原子炉格納容器の上部に冷却水を貯留するスペースを確保し、当該スペースに貯留された冷却水を用いて原子炉格納容器の上部側を冷却することで、外部からの動力が必要な冷却設備が動作不能な場合においても、原子炉格納容器の冷却性能を確保するための技術が開示されている。
特開2009-236572号公報 特開2012-198168号公報 特表2015-508486号公報
上記特許文献1~3では、原子炉格納容器の上部に貯留された冷却水を用いて、原子炉格納容器の冷却が行われる。SBOのような事態では、この冷却水の使用量も限られる場合も想定されるため、限られた冷却水で原子炉格納容器を効率的に冷却するための性能が求められる。
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、原子炉格納容器を効率的に冷却可能な原子炉格納容器冷却装置を提供することを目的とする。
本開示の少なくとも一実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置は、上記課題を解決するために、
原子炉格納容器の上部との間に冷却材を貯留するためのプール部を形成するように、前記原子炉格納容器を少なくとも部分的に覆う壁部と、
前記上部に設けられた凸状の上面に沿って延びることにより、前記上面との間に前記プール部に貯留された前記冷却材が通過可能な流路を形成する流路形成部材と
を備え、
前記流路は、前記プール部と連通する第1連通部と、前記第1連通部より上方側で前記プール部と連通する第2連通部とを有する。
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、原子炉格納容器を効率的に冷却可能な原子炉格納容器冷却装置を提供できる。
一実施形態に係る原子力プラントの概略構成図である。 図1の原子炉格納容器が備える冷却装置の構成を示す模式図である。 図2の流路形成部材を単体で上方から示す図である。 図3の流路形成部材を斜め上方側から示す斜視図である。 図2の第1変形例である。 図2の第2変形例である。 図2の壁部の水平断面図の一例である。 図2の壁部の水平断面図の他の例である。
以下、添付図面を参照して幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成は、発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
まず本開示の少なくとも一実施形態に係る原子炉格納容器冷却装置を備える原子力プラントの全体構成について説明する。図1は、一実施形態に係る原子力プラント1の概略構成図である。
原子力プラント1は、核分裂反応で発生する熱エネルギーにより蒸気を生成するための原子炉2と、原子炉2で生成された蒸気により駆動される蒸気タービン4と、蒸気タービン4の回転軸の回転により駆動される発電機6と、を備える。尚、図1に示す原子炉2は、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。他の実施形態では、原子炉2は沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)であってもよく、あるいは、加圧水型原子炉及び沸騰水型原子炉を含む軽水炉とは異なり、減速材又は冷却材として軽水以外の物質を用いるタイプの原子炉であってもよい。
原子炉2は、一次冷却水(一次冷却材)が流れる一次冷却ループ10と、一次冷却ループ10に設けられる原子炉容器(圧力容器)11、加圧器14、蒸気発生器16及び一次冷却材ポンプ18と、を含む。一次冷却材ポンプ18は、一次冷却ループ10において一次冷却水を循環させるように構成される。また、加圧器14は、一次冷却ループ10において、一次冷却水が沸騰しないように、一次冷却水を加圧するように構成される。なお、原子炉2を構成する原子炉圧力容器11、加圧器14、蒸気発生器16及び一次冷却材ポンプ18は、原子炉格納容器19に格納される。
原子炉圧力容器11にはペレット状の核燃料(例えばウラン燃料やMOX燃料等)を含む燃料棒12が収容されており、この燃料の核分裂反応で発生する熱エネルギーにより、原子炉圧力容器11の中の一次冷却水が加熱される。原子炉圧力容器11には、原子炉出力を制御するために、核燃料を含む炉心で生成される中性子数を吸収して調整するための制御棒13が設けられている。尚、原子炉圧力容器11内で加熱された一次冷却水は蒸気発生器16に送られ、熱交換により二次冷却ループ20を流れる二次冷却水(二次冷却材)を加熱して蒸気を発生させる。
蒸気発生器16において生成された蒸気は、高圧タービン21及び低圧タービン22を含む蒸気タービン4に送られて、蒸気タービン4を回転駆動させる。また、蒸気タービン4は回転軸を介して発電機6と連結されており、発電機6は該回転軸の回転により駆動されて、電気エネルギーを生成する。なお、高圧タービン21と低圧タービン22との間には湿分分離加熱器23が設けられており、高圧タービン21で仕事をした後の蒸気を再度加熱してから低圧タービン22に送るようになっている。
二次冷却ループ20には、復水器24、低圧給水加熱器26、脱気器27及び高圧給水加熱器29が設けられており、低圧タービン22で仕事をした後の蒸気がこれらの機器を通る過程で凝縮されるとともに加熱され、蒸気発生器16に戻るようになっている。二次冷却ループ20には、復水ポンプ25及び給水ポンプ28が設けられており、これらのポンプにより二次冷却ループ20において二次冷却水が循環するようになっている。また、復水器24には、低圧タービン22からの蒸気を熱交換により冷却するための冷却水(例えば海水)がポンプ15を介して供給されるようになっている。
続いて前述の原子炉格納容器19が備える原子炉格納容器冷却装置(以下、「冷却装置」と称する)について説明する。図2は図1の原子炉格納容器19が備える冷却装置30の構成を示す模式図である。尚、図2では、前述した原子炉格納容器19の内部構成については簡略化して示している。
原子炉格納容器19は、原子炉圧力容器11、加圧器14、蒸気発生器16及び一次冷却材ポンプ18を含む炉内構造物32を内部に収容する閉構造を有する。原子炉格納容器19は略円筒形状の本体部34に上面36及び下面38が組み合わされて構成される。上面36は上方に向けて凸状であり、本実施形態では、本体部34の中心軸に対応する中央部40を頂点とする傾斜42を両側に有するように構成される。図2では傾斜42が平坦面である場合を例示しているが、曲面であってもよい。
冷却装置30は、原子炉格納容器19を少なくとも部分的に覆う壁部44を有する。本実施形態では、壁部44は原子炉格納容器19を収容する建屋の一部であり、原子炉格納容器19の全体を囲む。
壁部44は、原子炉格納容器19の上面36との間に冷却材48を貯留するためのプール部50を形成する。上面36は、原子炉格納容器19の比較的上方側の部位として特定することができるが、例えば、原子炉格納容器19から外部に二次冷却ループ20(図1を参照)が取り出される位置より上方側の部位として特定してもよい。
本実施形態では、原子炉格納容器19のうち本体部34と上面36との境界から略水平に向けて壁部44まで延びる仕切り部49が設けられており、仕切り部49と、仕切り部49より上方側の壁部44とによって規定される空間として、プール部50が構成されている。プール部50には、不図示の冷却材供給部を介して外部から冷却材48が導入可能である。冷却材48は例えば冷却水であり、外部に設けられた冷却水貯留部(不図示)から所定の供給ラインを介してプール部50に導入される。
原子炉格納容器19は一般的に伝熱性材料から構成されているため、プール部50に露出する上面36は、プール部50に導入される冷却材48によって冷却される。プール部50に導入される冷却材48の量は任意でもよいが、例えば図2に示すように、上面36の中央部40(凸状の上面36の最高点)より上方に至るまで導入されてもよい。
また冷却装置30は、上面36との間にプール部50に貯留された冷却材48が通過可能な流路55を形成する流路形成部材56を有する。流路形成部材56は、上面36に沿って延び、第1連通部57及び第2連通部58を有する。第2連通部58は、第1連通部57より上方側でプール部50に連通する。本実施形態では、第1連通部57は流路55の最下部に連通し、第2連通部58は流路55の最上部(中央部40)に連通するように構成されている。
尚、第1連通部57及び第2連通部58は、それぞれ流路55の途中(すなわち最下部と最上部との間)に設けられていてもよい。
ここで図3は図2の流路形成部材56を単体で上方から示す図であり、図4は図3の流路形成部材56を斜め上方側から示す斜視図である。第1連通部57は、原子炉格納容器19を上方から見た場合に、第2連通部58より中央部40から離れた位置に設けられており、特に本実施形態では、複数の流路55が、中央部40から径方向に沿ってそれぞれ延在するように設けられている。
このように構成された流路55では、プール部50に貯留された冷却材48が原子炉格納容器19の上面36によって加熱されると、冷却材48の一部が第1連通部57から導入されるとともに、第2連通部58からプール部50に送り出される。つまり、上面36では、原子炉格納容器19からの崩壊熱によって流路55内の冷却材48が加熱されることで、昇温された冷却材48が流路55に沿って上方に向けて移動し、第2連通部58からプール部50に送り出される。プール部50では、第2連通部58から送り出された比較的温度が高い冷却材48が表層側に導かれることで、比較的温度が低い冷却材48が下方に移動し、第1連通部57から流路55に導入される。このように、流路形成部材56によって流路55を形成することで、プール部50における冷却材48に自然対流を発生させて循環を促進することで、原子炉格納容器19を効果的に冷却できる。
またプール部50に貯留される冷却材48は、原子炉格納容器19からの崩壊熱によって次第に昇温されるが、その温度が沸点以下の場合に、上記のように自然対流を発生させることにより顕熱を利用した冷却作用が得られる。一方で、冷却材48の温度が上昇して沸点を超えると、冷却材48の潜熱を利用した冷却作用が得られるとともに、冷却材48は気液混合状態となるため、冷却材48の温度が沸点に維持されることによる沸騰冷却による冷却作用が得られる。このようにして上記構成の冷却装置30によれば、冷却材48による冷却効果を向上させることで、良好な冷却作用が得られる。
図5は図2の第1変形例である。第1変形例では、プール部50にフィン60が設けられる。フィン60は例えば金属などの熱伝導性に優れた材料から構成されており、冷却材48と壁部44との熱交換を促進することで、冷却装置30の冷却性能を向上させる。
フィン60は、原子炉格納容器19を上方から見た場合に、原子炉格納容器19の中央部40を基準として壁部に沿って延在するように設けられる。これにより、前述のようにプール部50を自然対流する冷却材48の流れに対して、フィン60の抵抗が小さくなる。その結果、フィン60は冷却材48の流れを妨げることがなく、冷却装置30の冷却性能を効果的に向上させる。
このようなフィン60は、図5に示すように、上下方向に沿った長さL1が水平方向に沿った長さL2より大きく構成してもよい。このようにフィン60を縦長形状に形成した場合、長手方向が上下方向になるように壁部44に設置してもよい。壁部44の近傍のプール部50では上下方向に沿った冷却材48の流れが生じやすいため、このような流れに沿って縦長形状のフィン60を設けることで、フィン60と冷却材48との熱交換を促進し、冷却性能を効果的に向上できる。
またフィン60は、少なくとも一部がプール部50に貯留された冷却材48に接触するように配置されてもよい。図5では、フィン60の全体がプール部50に貯留された冷却材48に接触(浸漬)するように配置される。これにより、フィン60と冷却材48との熱交換が促進され、良好な冷却性能が得られる。
図6は図2の第2変形例である。第2変形例では、前述の第1変形例のフィン60と同形状を有するフィン70が壁部44に設置される。フィン70は、少なくとも一部がプール部50に貯留された冷却材48より上方に露出するように配置される。図6では、フィン70の全体が冷却材48より上方に露出するように配置されている。プール部50では、貯留された冷却材48の上方空間には冷却材48が蒸発した高温の気体が存在しているため、このような位置にフィン70を設置することで、当該気体を冷却して凝縮することを促進することができる。これにより、高温の気体を凝縮して冷却材48に戻すことで、冷却性能をより向上させることができる。
図7は図2の壁部44の水平断面図の一例である。この例では、内側においてプール部50に貯留された冷却材48に接触する壁部44は、中空構造を有することにより空洞部72を備える。空洞部72は、壁部44の内部に閉空間として構成され、作動流体74が封入される。作動流体74は、冷却材48より熱伝導率が高い材料を含んでもよく、壁部44の構成材料より熱伝導率が高い材料を含んでもよい。これにより、壁部44における熱伝導率を向上させることで、壁部44の内側にある原子炉格納容器19で発生した崩壊熱を効率的に外部に伝達することで、冷却性能を向上できる。
また空洞部72に封入される作動流体74は相変化を有する材料、例えば二酸化バナジウムを含んでもよい。これにより、作動流体74が相変化する際の潜熱を利用することで、より優れた冷却効果が期待できる。
図8は図2の壁部44の水平断面図の他の例である。この例では、図7に示す例と同様に壁部44には空洞部72が設けられるが、この空洞部72の内壁にリブ76が設けられる。リブ76は、空洞部72の内壁から内側に立設されており、空洞部72に封入された作動流体74との接触面積を増加させ、熱伝達を促進する機能を有する。これにより、壁部44の内側にある原子炉格納容器19で発生した崩壊熱を効率的に外部に伝達することで、冷却性能を向上できる。
また壁部44に空洞部72を設けることによって、壁部44の強度が少なからず低下するおそれがあるが、このようにリブ76を設けることで、強度低下を効果的に抑えることができる。図8では、空洞部72の内壁上の異なる2点間を連結する複数のリブ76を設けることで、このような上面36の強度を効果的に向上させている。
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)一態様に係る原子炉格納容器冷却装置は、
原子炉格納容器(19)の上部との間に冷却材(48)を貯留するためのプール部(50)を形成するように、前記原子炉格納容器を少なくとも部分的に覆う壁部(44)と、
前記上部に設けられた凸状の上面(36)に沿って延びることにより、前記上面との間に前記プール部に貯留された前記冷却材が通過可能な流路(55)を形成する流路形成部材(56)と
を備え、
前記流路は、前記プール部と連通する第1連通部(57)と、前記第1連通部より上方側で前記プール部と連通する第2連通部(58)とを有する。
上記(1)の態様によれば、原子炉格納容器の少なくとも一部は壁部によって覆われることで、原子炉格納容器の上部と壁部との間に、冷却材を貯留するためのプール部が形成される。また原子炉格納容器の凸状の上面には流路形成部材が設けられることで、プール部に貯留された冷却材が通過可能な流路が形成される。これにより、プール部に貯留された冷却材のうち流路にある冷却材が高温な原子炉格納容器と重点的に加熱され、温度が上昇した流路の冷却材は、上方にある第2連通部からプール部に導かれる。これに伴って、プール部にある比較的温度が低い冷却材は、下方にある第1連通部から流路に導かれる。その結果、プール部に貯留された冷却材は流路を通過しながら自然対流によって循環し、原子炉格納容器を効率的に冷却する。
(2)他の態様では、上記(1)の態様において、
前記上面は、前記原子炉格納容器の中央部(49)を頂点とする斜面であり、
前記第1連通部は、前記原子炉格納容器を上方から見た場合に、前記第2連通部より前記中央部から離れた位置に設けられる。
上記(2)の態様によれば、原子炉格納容器の上面は中央部に向けて傾斜した斜面を有し、当該斜面に沿って流路が形成される。これにより、第1連通部を介してプール部から流路に導かれた冷却材は、原子炉格納容器の上面と熱交換することで温度が上昇しながら斜面に沿って上昇し、第2連通部からプール部に戻される。これにより、冷却材の自然対流を促進し、良好な冷却効果が得られる。
(3)他の態様では、上記(1)又は(2)の態様において、
前記壁部には前記原子炉格納容器を上方から見た場合に、前記原子炉格納容器の中央部を基準として前記壁部に沿って延在するフィン(60,70)が設けられる。
上記(3)の態様によれば、原子炉格納容器の上部を覆う壁部にフィンが設けられることで原子炉格納容器から受け取った熱量を含む冷却材の放熱が促進される。またフィンは、原子炉格納容器の中央部を基準として壁部に沿って延在するため、プール部を自然対流する冷却材の流れに対する抵抗が小さい。これにより、より優れた冷却性能が得られる。
(4)他の態様では、上記(3)の態様において、
前記フィンは上下方向に沿った長さ(L1)が水平方向に沿った長さ(L2)より大きい。
上記(4)の態様によれば、原子炉格納容器を囲む壁部に設けられたフィンは、上下方向に沿った長さが水平方向に沿った長さより大きな、いわゆる縦長形状を有する。壁部の近傍のプール部では上下方向に沿った冷却材の流れが生じやすいため、このような流れに沿って縦長形状のフィンを設けることで、フィンと冷却材との熱交換を促進し、冷却性能を効果的に向上できる。
尚、本明細書において「水平方向」とはプール部に貯留された冷却材の上表面に沿った方向であり、典型的には鉛直方向に対して略垂直な方向を意味する。また「上下方向」とは水平方向に対して略垂直な方向であり、典型的には鉛直方向を意味する。
(5)他の態様では、上記(3)又は(4)の態様において、
前記フィンは、少なくとも一部が前記プール部に貯留された前記冷却材に接触するように配置される。
上記(5)の態様によれば、フィンが冷却材に接触するように配置されることで、原子炉格納容器によって昇温した冷却材との熱交換を促進し、良好な冷却性能が得られる。
(6)他の態様では、上記(3)から(5)のいずれか一態様において、
前記フィンは、少なくとも一部が前記プール部に貯留された前記冷却材より上方に露出するように配置される。
上記(6)の態様によれば、フィンが冷却材より上方に露出するように配置されることで原子炉格納容器によって昇温されることで蒸発した冷却材を凝縮でき、良好な冷却性能が得られる。
(7)他の態様では、上記(1)から(6)のいずれか一態様において、
前記壁部の少なくとも一部は、前記冷却材より熱伝導率が高い作動流体(74)が封入された空洞部を備える。
上記(7)の態様によれば、プール部の冷却材と接触する壁部の少なくとも一部が空洞部を備える。空洞部には、冷却材より熱伝導率が高い作動流体が封入されることで、冷却材への熱伝達を促進し、冷却性能を効果的に向上できる。
(8)他の態様では、上記(7)の態様において、
前記空洞部の内壁には、径方向に沿って延在するリブ(76)が設けられる。
上記(8)の態様によれば、壁部の少なくとも一部に設けられた空洞部の内壁にリブが設けられる。これにより、空洞部に封入された作動流体と空洞部との熱交換を促進することで冷却性能を更に向上できるとともに、壁部の機械的強度を向上できる。
(9)他の態様では、上記(7)又は(8)の態様において、
前記作動流体は相変化を有する材料を含む。
上記(9)の態様によれば、空洞部に封入される作動流体として相変化を有する材料が用いられる。これにより、作動流体が相変化する際の潜熱を利用した良好な冷却効果が期待できる。
1 原子力プラント
2 原子炉
4 蒸気タービン
6 発電機
10 一次冷却ループ
11 原子炉圧力容器
12 燃料棒
13 制御棒
14 加圧器
15 ポンプ
16 蒸気発生器
18 一次冷却材ポンプ
19 原子炉格納容器
20 二次冷却ループ
21 高圧タービン
22 低圧タービン
23 分分離加熱器
24 復水器
25 復水ポンプ
26 低圧給水加熱器
27 脱気器
28 給水ポンプ
29 高圧給水加熱器
30 冷却装置
32 炉内構造物
34 本体部
36 上面
38 下面
40 中央部
42 傾斜
44 壁部
48 冷却材
49 仕切り部
50 プール部
55 流路
56 流路形成部材
57 第1連通部
58 第2連通部
60,70 フィン
72 空洞部
74 作動流体
76 リブ

Claims (9)

  1. 原子炉格納容器の上部との間に冷却材を貯留するためのプール部を形成するように、前記原子炉格納容器を少なくとも部分的に覆う壁部と、
    前記上部に設けられた凸状の上面に沿って延びることにより、前記上面との間に前記プール部に貯留された前記冷却材が通過可能な流路を形成する流路形成部材と
    を備え、
    前記流路は、前記プール部と連通する第1連通部と、前記第1連通部より上方側で前記プール部と連通する第2連通部とを有する、原子炉格納容器冷却装置。
  2. 前記上面は、前記原子炉格納容器の中央部を頂点とする斜面であり、
    前記第1連通部は、前記原子炉格納容器を上方から見た場合に、前記第2連通部より前記中央部から離れた位置に設けられる、請求項1に記載の原子炉格納容器冷却装置。
  3. 前記壁部には前記原子炉格納容器を上方から見た場合に、前記原子炉格納容器の中央部を基準として前記壁部に沿って延在するフィンが設けられる、請求項1又は2に記載の原子炉格納容器冷却装置。
  4. 前記フィンは上下方向に沿った長さが水平方向に沿った長さより大きい、請求項3に記載の原子炉格納容器冷却装置。
  5. 前記フィンは、少なくとも一部が前記プール部に貯留された前記冷却材に接触するように配置される、請求項3又は4に記載の原子炉格納容器冷却装置。
  6. 前記フィンは、少なくとも一部が前記プール部に貯留された前記冷却材より上方に露出するように配置される、請求項3から5のいずれか一項に記載の原子炉格納容器冷却装置。
  7. 前記壁部の少なくとも一部は、前記冷却材より熱伝導率が高い作動流体が封入された空洞部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の原子炉格納容器冷却装置。
  8. 前記空洞部の内壁には、径方向に沿って延在するリブが設けられる、請求項7に記載の原子炉格納容器冷却装置。
  9. 前記作動流体は相変化を有する材料を含む、請求項7又は8に記載の原子炉格納容器冷却装置。
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