JP2023075016A - ポジ型レジスト材料及びパターン形成方法 - Google Patents

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潤 畠山
Jun Hatakeyama
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Abstract

【課題】酸の拡散が制御され、従来のポジ型レジスト材料を上回る解像度を有し、エッジラフネスや寸法バラツキが小さく、露光後のパターン形状が良好であるポジ型レジスト材料、及びパターン形成方法を提供する。【解決手段】繰り返し単位の末端にスルフィド基に連結した酸不安定基に結合する窒素原子、又は繰り返し単位の末端に窒素原子を含有するスルフィド基に連結した特定構造の酸不安定基で末端が封止されたベースポリマーを含むポジ型レジスト材料。【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型レジスト材料及びパターン形成方法に関する。
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が急速に進んでいる。5Gの高速通信と人工知能(artificial intelligence、AI)の普及が進み、これを処理するための高性能デバイスが必要とされているためである。最先端の微細化技術としては、波長13.5nmの極端紫外線(EUV)リソグラフィーによる5nmノードのデバイスの量産が行われている。更には、次世代の3nmノード、次次世代の2nmノードデバイスにおいてもEUVリソグラフィーを用いた検討が進められている。
微細化の進行とともに酸の拡散による像のぼけが問題になっている。寸法サイズ45nm以降の微細パターンでの解像性を確保するためには、従来提案されている溶解コントラストの向上だけでなく、酸拡散の制御が重要であることが提案されている(非特許文献1)。しかしながら、化学増幅レジスト材料は、酸の拡散によって感度とコントラストを上げているため、ポストエクスポージャーベーク(PEB)温度を下げたり、時間を短くしたりして酸拡散を極限まで抑えようとすると、感度とコントラストが著しく低下する。
バルキーな酸が発生する酸発生剤を添加して酸拡散を抑えることは有効である。そこで、重合性不飽和結合を有するオニウム塩に由来する繰り返し単位をポリマーに含ませることが提案されている。このとき、ポリマーは、酸発生剤としても機能する(ポリマーバウンド型酸発生剤)。特許文献1には、特定のスルホン酸を発生する重合性不飽和結合を有するスルホニウム塩やヨードニウム塩が提案されている。特許文献2には、スルホン酸が主鎖に直結したスルホニウム塩が提案されている。
ポリマーの末端を修飾したレジスト材料が提案されている。アルキルリチウムを開始剤としたリビングアニオン重合の末端に酸不安定基を付けたレジスト材料(特許文献3)、リビングラジカル重合(RAFT)においてポリマー末端にフルオロスルホン酸の酸発生剤となるスルホニウム塩を付けたレジスト材料(特許文献4)、両側にフルオロスルホン酸の酸発生剤となるスルホニウム塩を付けたアゾ系の重合開始剤を用いて重合し、ポリマーの両末端に酸発生剤を付けたレジスト材料(特許文献5)が提案されている。しかしながら、特に末端に酸発生剤を付けたポリマーは、末端が動きやすいため酸拡散が増大する欠点がある。
ポリマーの末端にアミノ基を付けたポリマーを用いるレジスト材料が提案されている(特許文献6)。ポリマー末端のアミノ基はクエンチャーとして作用し、現像液中での膨潤も起こらないが、アミノ基の水素結合によってポリマーの凝集が起こることによって酸の拡散が不均一となり、これによってエッジラフネスが劣化する。
特開2006-045311号公報 特開2006-178317号公報 特許第4132783号公報 特開2014-65896号公報 特開2013-1850号公報 特開2003-301006号公報
SPIE Vol. 3331 p531 (1998)
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、酸の拡散が制御され、従来のポジ型レジスト材料を上回る解像度を有し、エッジラフネスや寸法バラツキが小さく、露光後のパターン形状が良好であるポジ型レジスト材料、及びパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者は、近年要望される高解像度であり、エッジラフネスや寸法バラツキが小さいポジ型レジスト材料を得るべく鋭意検討を重ねた結果、これには酸拡散距離を極限まで短くする必要があること、アルカリ現像液中での膨潤を抑える必要があり、クエンチャーとなる酸反応性の窒素原子含有基をポリマーの末端に付けることによって、極限まで酸拡散を低減し、膨潤低減の効果と溶解コントラストの向上効果があることを知見した。また、これによって酸発生剤の酸の発生ポイントが増えて均一化することで、エッジラフネスや寸法均一性が向上し、特に化学増幅ポジ型レジスト材料のベースポリマーとして用いれば極めて有効であることを知見した。
更に、溶解コントラストを向上させるため、前記ベースポリマーにカルボキシ基又はフェノール性ヒドロキシ基の水素原子が酸不安定基で置換された繰り返し単位を導入することにより、露光前後のアルカリ溶解速度のコントラストが大幅に高く、酸拡散を抑える効果が高く、高解像性を有し、露光後のパターン形状とエッジラフネスや寸法均一性(CDU)が良好であり、特に超LSI製造用あるいはフォトマスクの微細パターン形成材料として好適なポジ型レジスト材料が得られることを知見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記ポジ型レジスト材料及びパターン形成方法を提供する。
1.下記式(a)-1~(a)-3のいずれかで表される基で末端が封止されたベースポリマーを含むポジ型レジスト材料。
Figure 2023075016000001
(式中、X1は、炭素数1~20のヒドロカルビレン基であり、該ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ラクトン環、スルトン環、ニトロ基、シアノ基、窒素原子及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
1は、水素原子又は炭素数1~12のヒドロカルビル基である。
1及びR1は、互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2~10の脂環を形成してもよい。
2~R4は、それぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基である。また、R2及びR3が、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
5、R6及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1~8の脂肪族ヒドロカルビル基又は炭素数6~10のアリール基であり、該脂肪族ヒドロカルビル基及びアリール基は、エーテル結合、エステル結合、ニトロ基、ハロゲン原子及びトリフルオロメチル基から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
N1及びRN2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数1~10のアルコキシカルボニル基であり、該アルキル基及びアルコキシカルボニル基は、エーテル結合を含んでいてもよい。
円Raは、式中の窒素原子とともに構成される炭素数2~10の脂環式基である。
破線は、結合手である。)
2.前記ベースポリマーが、カルボキシ基の水素原子が酸不安定基で置換された繰り返し単位b1又はフェノール性ヒドロキシ基の水素原子が酸不安定基で置換された繰り返し単位b2を有するベースポリマーを含む1又は2のポジ型レジスト材料。
3.繰り返し単位b1が下記式(b1)で表されるものであり、繰り返し単位b2が下記式(b2)で表されるものである2のポジ型レジスト材料。
Figure 2023075016000002
(式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。
1は、単結合、フェニレン基若しくはナフチレン基、又はエステル結合、エーテル結合及びラクトン環から選ばれる少なくとも1種を含む炭素数1~12の連結基である。
2は、単結合、エステル結合又はアミド結合である。
3は、単結合、エーテル結合又はエステル結合である。
11及びR12は、それぞれ独立に、酸不安定基である。
13は、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基である。
14は、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基は、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい。
aは、1又は2である。bは、0~4の整数である。ただし、1≦a+b≦5である。)
4.前記ベースポリマーが、更に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ラクトン環、カーボネート基、チオカーボネート基、カルボニル基、環状アセタール基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、シアノ基、アミド結合、-O-C(=O)-S-及び-O-C(=O)-NH-から選ばれる密着性基を含む繰り返し単位cを含むものである1~3のいずれかのポジ型レジスト材料。
5.前記ベースポリマーが、更に、下記式(d1)~(d3)のいずれかで表される繰り返し単位を含むものである1~4のいずれかのポジ型レジスト材料。
Figure 2023075016000003
(式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。
1は、単結合、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基若しくはこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基、又は-O-Z11-、-C(=O)-O-Z11-若しくは-C(=O)-NH-Z11-である。Z11は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
2は、単結合又はエステル結合である。
3は、単結合、-Z31-C(=O)-O-、-Z31-O-又は-Z31-O-C(=O)-である。Z31は、炭素数1~12の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合、臭素原子又はヨウ素原子を含んでいてもよい。
4は、メチレン基、2,2,2-トリフルオロ-1,1-エタンジイル基又はカルボニル基である。
5は、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基、-O-Z51-、-C(=O)-O-Z51-又は-C(=O)-NH-Z51-である。Z51は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
21~R28は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。また、R23及びR24又はR26及びR27が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
-は、非求核性対向イオンである。)
6.更に、酸発生剤を含む1~5のいずれかのポジ型レジスト材料。
7.更に、有機溶剤を含む1~6のいずれかのポジ型レジスト材料。
8.更に、クエンチャーを含む1~7のいずれかのポジ型レジスト材料。
9.更に、界面活性剤を含む1~8のいずれかのポジ型レジスト材料。
10.1~9のいずれかのポジ型レジスト材料を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、前記露光したレジスト膜を、現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法。
11.前記高エネルギー線が、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線(EB)又は波長3~15nmのEUVである10のパターン形成方法。
本発明のポジ型レジスト材料は、酸の拡散を抑える効果が高く、レジスト膜としたときの露光前後のアルカリ溶解速度のコントラストが高く、高解像度を有し、露光後のパターン形状、エッジラフネス、CDUが良好である。したがって、これらの優れた特性を有することから実用性が極めて高く、特に超LSI製造用あるいはEB描画によるフォトマスクの微細パターン形成材料、EBあるいはEUV露光用のパターン形成材料として非常に有用である。本発明のポジ型レジスト材料は、例えば、半導体回路形成におけるリソグラフィーだけでなく、マスク回路パターンの形成、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド回路形成にも応用することができる。
[ベースポリマー]
本発明のポジ型レジスト材料は、繰り返し単位の末端にスルフィド基に連結した酸不安定基に結合する窒素原子、又は繰り返し単位の末端に窒素原子を含有するスルフィド基に連結した酸不安定基を有するベースポリマーを含むことを特徴とする。
繰り返し単位の末端にスルフィド基に連結した酸不安定基に結合する窒素原子、又は繰り返し単位の末端に窒素原子を含有するスルフィド基に連結した酸不安定基としては、下記式(a)-1~(a)-3のいずれかで表される構造(以下、末端構造aともいう。)が好ましい。
Figure 2023075016000004
(式中、破線は、結合手である。)
式(a)-1~(a)-3中、X1は、炭素数1~20のヒドロカルビレン基であり、該ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ラクトン環、スルトン環、ニトロ基、シアノ基、窒素原子及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビレン基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メタンジイル基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基等の炭素数1~20のアルカンジイル基;シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基等の炭素数3~20の環式飽和ヒドロカルビレン基;ビニレン基、プロペン-1,3-ジイル基等の炭素数2~20の不飽和脂肪族ヒドロカルビレン基;フェニレン基、ナフチレン基等の炭素数6~20のアリーレン基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。
式(a)-1中、R1は、水素原子又は炭素数1~12のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1~12のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、ノルボルニルメチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基等の炭素数3~12の環式飽和ヒドロカルビル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2~12のアルケニル基;フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基等の炭素数6~12のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7~12のアラルキル基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。
1及びR1は、互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2~10の脂環を形成してもよい。このとき、前記脂環としては、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、メチルピロリジン環、ジメチルピロリジン環、ピペリジン環、ジメチルピペリジン環、テトラメチルピペリジン環等が挙げられる。
式(a)-1中、R2~R4は、それぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基である。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基が挙げられる。また、R2及びR3が、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
式(a)-2及び(a)-3中、R5、R6及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1~8の脂肪族ヒドロカルビル基又は炭素数6~10のアリール基であり、該脂肪族ヒドロカルビル基及びアリール基は、エーテル結合、エステル結合、ニトロ基、ハロゲン原子及びトリフルオロメチル基から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。前記脂肪族ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基等の炭素数1~8のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3~8の環式飽和ヒドロカルビル基;ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2~8のアルケニル基;シクロヘキセニル基等の炭素数3~8の環式不飽和脂肪族ヒドロカルビル基;エチニル基、ブチニル基等の炭素数2~8のアルキニル基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。前記アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、n-プロピルナフチル基、イソプロピルナフチル基、n-ブチルナフチル基、イソブチルナフチル基、sec-ブチルナフチル基、tert-ブチルナフチル基等が挙げられる。
式(a)-2及び(a)-3中、RN1及びRN2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数1~10のアルコキシカルボニル基であり、該アルキル基及びアルコキシカルボニル基は、エーテル結合を含んでいてもよい。前記アルキル基及びアルコキシカルボニル基のアルキル部としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
式(a)-2及び(a)-3中、円Raは、式中の窒素原子とともに構成される炭素数2~10の2価脂環式基である。前記脂環としては、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、メチルピロリジン環、ジメチルピロリジン環、ピペリジン環、ジメチルピペリジン環、テトラメチルピペリジン環等が挙げられる。
ポリマー末端に式(a)-1~(a)-3のいずれかで表される基を付けるためには、下記式(a1)-1~(a1)-3のいずれかで表される窒素原子含有化合物を連鎖移動剤として用い、これを重合前あるいは重合中に重合液に添加して重合反応を行えばよい。重合開始剤の分解によってラジカルが発生し、チオールへのラジカルの連鎖移動によって重合が始まり、末端が式(a)-1~(a)-3のいずれかで表される基で封止されたポリマーが生成する。
Figure 2023075016000005
(式中、X1、R1~R7、RN1、RN2及び円Raは、前記と同じ。)
式(a1)-1で表される化合物としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023075016000006
Figure 2023075016000007
Figure 2023075016000008
Figure 2023075016000009
Figure 2023075016000010
Figure 2023075016000011
Figure 2023075016000012
Figure 2023075016000013
Figure 2023075016000014
Figure 2023075016000015
Figure 2023075016000016
Figure 2023075016000017
Figure 2023075016000018
Figure 2023075016000019
Figure 2023075016000020
Figure 2023075016000021
Figure 2023075016000022
Figure 2023075016000023
Figure 2023075016000024
式(a1)-2で表される化合物としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023075016000025
Figure 2023075016000026
式(a1)-3で表される化合物としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023075016000027
Figure 2023075016000028
Figure 2023075016000029
Figure 2023075016000030
Figure 2023075016000031
Figure 2023075016000032
Figure 2023075016000033
前記ベースポリマーは、カルボキシ基の水素原子が酸不安定基で置換された繰り返し単位b1又はフェノール性ヒドロキシ基の水素原子が酸不安定基で置換された繰り返し単位b2を含むことが好ましい。
繰り返し単位b1及びb2としては、それぞれ下記式(b1)及び(b2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2023075016000034
式(b1)及び(b2)中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。Y1は、単結合、フェニレン基若しくはナフチレン基、又はエステル結合、エーテル結合及びラクトン環から選ばれる少なくとも1種を含む炭素数1~12の連結基である。
2は、単結合、エステル結合又はアミド結合である。Y3は、単結合、エーテル結合又はエステル結合である。R11及びR12は、それぞれ独立に、酸不安定基である。R13は、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基である。R14は、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基は、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい。aは、1又は2である。bは、0~4の整数である。ただし、1≦a+b≦5である。
繰り返し単位b1を与えるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RA及びR11は、前記と同じである。
Figure 2023075016000035
Figure 2023075016000036
繰り返し単位b2を与えるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RA及びR12は、前記と同じである。
Figure 2023075016000037
11又はR12で表される酸不安定基としては、種々選定されるが、例えば、下記式(AL-1)~(AL-3)で表されるものが挙げられる。
Figure 2023075016000038
(式中、破線は、結合手である。)
式(AL-1)中、cは、0~6の整数である。RL1は、炭素数4~20、好ましくは4~15の第3級ヒドロカルビル基、各ヒドロカルビル基がそれぞれ炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基であるトリヒドロカルビルシリル基、カルボニル基、エーテル結合若しくはエステル結合を含む炭素数4~20の飽和ヒドロカルビル基、又は式(AL-3)で表される基である。なお、第3級ヒドロカルビル基とは、炭化水素の第3級炭素原子から水素原子が脱離して得られる基を意味する。
L1で表される第3級ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、分岐状でも環状でもよい。その具体例としては、tert-ブチル基、tert-ペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1-エチルシクロペンチル基、1-ブチルシクロペンチル基、1-エチルシクロヘキシル基、1-ブチルシクロヘキシル基、1-エチル-2-シクロペンテニル基、1-エチル-2-シクロヘキセニル基、2-メチル-2-アダマンチル基等が挙げられる。前記トリヒドロカルビルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル-tert-ブチルシリル基等が挙げられる。前記カルボニル基、エーテル結合又はエステル結合を含む飽和ヒドロカルビル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、環状のものが好ましく、その具体例としては、3-オキソシクロヘキシル基、4-メチル-2-オキソオキサン-4-イル基、5-メチル-2-オキソオキソラン-5-イル基、2-テトラヒドロピラニル基、2-テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
式(AL-1)で表される酸不安定基としては、tert-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニルメチル基、tert-ペンチルオキシカルボニル基、tert-ペンチルオキシカルボニルメチル基、1,1-ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1-ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1-エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1-エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1-エチル-2-シクロペンテニルオキシカルボニル基、1-エチル-2-シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1-エトキシエトキシカルボニルメチル基、2-テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2-テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
更に、式(AL-1)で表される酸不安定基として、下記式(AL-1)-1~(AL-1)-10で表される基も挙げられる。
Figure 2023075016000039
(式中、破線は、結合手である。)
式(AL-1)-1~(AL-1)-10中、cは、前記と同じである。RL8は、それぞれ独立に、炭素数1~10の飽和ヒドロカルビル基又は炭素数6~20のアリール基である。RL9は、水素原子又は炭素数1~10の飽和ヒドロカルビル基である。RL10は、炭素数2~10の飽和ヒドロカルビル基又は炭素数6~20のアリール基である。前記飽和ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
式(AL-2)中、RL2及びRL3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~18、好ましくは1~10の飽和ヒドロカルビル基である。前記飽和ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基等が挙げられる。
式(AL-2)中、RL4は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~18、好ましくは1~10のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。前記ヒドロカルビル基としては、炭素数1~18の飽和ヒドロカルビル基等が挙げられ、これらの水素原子の一部が、ヒドロキシ基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等で置換されていてもよい。このような置換された飽和ヒドロカルビル基としては、以下に示すもの等が挙げられる。
Figure 2023075016000040
(式中、破線は、結合手である。)
L2とRL3と、RL2とRL4と、又はRL3とRL4とは、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に、又は炭素原子と酸素原子と共に環を形成してもよく、この場合、環の形成に関与するRL2及びRL3、RL2及びRL4、又はRL3及びRL4は、それぞれ独立に、炭素数1~18、好ましくは1~10のアルカンジイル基である。これらが結合して得られる環の炭素数は、好ましくは3~10、より好ましくは4~10である。
式(AL-2)で示される酸不安定基のうち、直鎖状又は分岐状のものとしては、下記式(AL-2)-1~(AL-2)-69で表されるものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、破線は、結合手である。
Figure 2023075016000041
Figure 2023075016000042
Figure 2023075016000043
Figure 2023075016000044
式(AL-2)で表される酸不安定基のうち、環状のものとしては、テトラヒドロフラン-2-イル基、2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロピラン-2-イル基、2-メチルテトラヒドロピラン-2-イル基等が挙げられる。
また、酸不安定基として、下記式(AL-2a)又は(AL-2b)で表される基が挙げられる。前記酸不安定基によって、ベースポリマーが分子間又は分子内架橋されていてもよい。
Figure 2023075016000045
(式中、破線は、結合手である。)
式(AL-2a)又は(AL-2b)中、RL11及びRL12は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~8の飽和ヒドロカルビル基である。前記飽和ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。また、RL11とRL12とは、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、RL11及びRL12は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルカンジイル基である。RL13は、それぞれ独立に、炭素数1~10の飽和ヒドロカルビレン基である。前記飽和ヒドロカルビレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。d及びeは、それぞれ独立に、0~10の整数、好ましくは0~5の整数であり、fは、1~7の整数、好ましくは1~3の整数である。
式(AL-2a)又は(AL-2b)中、LAは、(f+1)価の炭素数1~50の脂肪族飽和炭化水素基、(f+1)価の炭素数3~50の脂環式飽和炭化水素基、(f+1)価の炭素数6~50の芳香族炭化水素基又は(f+1)価の炭素数3~50のヘテロ環基である。また、これらの基の-CH2-の一部が、ヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、これらの基の水素原子の一部が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アシル基又はフッ素原子で置換されていてもよい。LAとしては、炭素数1~20の飽和ヒドロカルビレン基、3価飽和炭化水素基、4価飽和炭化水素基等の飽和炭化水素基、炭素数6~30のアリーレン基等が好ましい。前記飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。LBは、-C(=O)-O-、-NH-C(=O)-O-又は-NH-C(=O)-NH-である。
式(AL-2a)又は(AL-2b)で表される架橋型アセタール基としては、下記式(AL-2)-70~(AL-2)-77で表される基等が挙げられる。
Figure 2023075016000046
(式中、破線は、結合手である。)
式(AL-3)中、RL5、RL6及びRL7は、それぞれ独立に、炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~20の環式飽和ヒドロカルビル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数3~20の環式不飽和ヒドロカルビル基、炭素数6~10のアリール基等が挙げられる。また、RL5とRL6と、RL5とRL7と、又はRL6とRL7とは、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3~20の脂環を形成してもよい。
式(AL-3)で表される基としては、tert-ブチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1-エチルノルボニル基、1-メチルシクロペンチル基、1-エチルシクロペンチル基、1-イソプロピルシクロペンチル基、1-メチルシクロヘキシル基、2-(2-メチル)アダマンチル基、2-(2-エチル)アダマンチル基、tert-ペンチル基等が挙げられる。
また、式(AL-3)で表される基として、下記式(AL-3)-1~(AL-3)-19で表される基も挙げられる。
Figure 2023075016000047
(式中、破線は、結合手である。)
式(AL-3)-1~(AL-3)-19中、RL14は、それぞれ独立に、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビル基又は炭素数6~20のアリール基である。RL15及びRL17は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~20の飽和ヒドロカルビル基である。RL16は、炭素数6~20のアリール基である。前記飽和ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。また、前記アリール基としては、フェニル基等が好ましい。RFは、フッ素原子、トリフルオロメチル基又はニトロ基である。gは、1~5の整数である。
更に、酸不安定基として、下記式(AL-3)-20又は(AL-3)-21で表される基が挙げられる。前記酸不安定基によって、ポリマーが分子内あるいは分子間架橋されていてもよい。
Figure 2023075016000048
(式中、破線は、結合手である。)
式(AL-3)-20及び(AL-3)-21中、RL14は、前記と同じ。RL18は、炭素数1~20の(h+1)価の飽和ヒドロカルビレン基又は炭素数6~20の(h+1)価のアリーレン基であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。前記飽和ヒドロカルビレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。hは、1~3の整数である。
式(AL-3)で表される酸不安定基を含む繰り返し単位を与えるモノマーとしては、下記式(AL-3)-22で表されるエキソ体構造を含む(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
Figure 2023075016000049
式(AL-3)-22中、RAは、前記と同じ。RLc1は、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビル基又は置換されていてもよい炭素数6~20のアリール基である。前記飽和ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。RLc2~RLc11は、それぞれ独立に、水素原子又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~15のヒドロカルビル基である。前記ヘテロ原子としては、酸素原子等が挙げられる。前記ヒドロカルビル基としては、炭素数1~15のアルキル基、炭素数6~15のアリール基等が挙げられる。RLc2とRLc3と、RLc4とRLc6と、RLc4とRLc7と、RLc5とRLc7と、RLc5とRLc11と、RLc6とRLc10と、RLc8とRLc9と、又はRLc9とRLc10とは、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、結合に関与する基は炭素数1~15のヘテロ原子を含んでいてもよいヒドロカルビレン基である。また、RLc2とRLc11と、RLc8とRLc11と、又はRLc4とRLc6とは、隣接する炭素原子に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい。なお、本式により、鏡像体も表す。
ここで、式(AL-3)-22で表されるモノマーとしては、特開2000-327633号公報に記載されたもの等が挙げられる。具体的には、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2023075016000050
式(AL-3)で表される酸不安定基を含む繰り返し単位を与えるモノマーとしては、下記式(AL-3)-23で表される、フランジイル基、テトラヒドロフランジイル基又はオキサノルボルナンジイル基を含む(メタ)アクリル酸エステルも挙げられる。
Figure 2023075016000051
式(AL-3)-23中、RAは、前記と同じ。RLc12及びRLc13は、それぞれ独立に、炭素数1~10のヒドロカルビル基である。RLc12とRLc13とは、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に脂環を形成してもよい。RLc14は、フランジイル基、テトラヒドロフランジイル基又はオキサノルボルナンジイル基である。RLc15は、水素原子又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~10のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、炭素数1~10の飽和ヒドロカルビル基等が挙げられる。
式(AL-3)-23で表されるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じであり、Acはアセチル基であり、Meはメチル基である。
Figure 2023075016000052
Figure 2023075016000053
前記酸不安定基に加えて、特許第5565293号公報、特許第5434983号公報、特許第5407941号公報、特許第5655756号公報及び特許第5655755号公報に記載の芳香族基を含む酸不安定基を用いることもできる。
前記ベースポリマーは、更に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ラクトン環、カーボネート結合、チオカーボネート結合、カルボニル基、環状アセタール基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、シアノ基、アミド結合、-O-C(=O)-S-及び-O-C(=O)-NH-から選ばれる密着性基を含む繰り返し単位cを含んでもよい。
繰り返し単位cを与えるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2023075016000054
Figure 2023075016000055
Figure 2023075016000056
Figure 2023075016000057
Figure 2023075016000058
Figure 2023075016000059
Figure 2023075016000060
Figure 2023075016000061
Figure 2023075016000062
Figure 2023075016000063
Figure 2023075016000064
Figure 2023075016000065
前記ベースポリマーは、更に、下記式(d1)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位d1ともいう。)、下記式(d2)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位d2ともいう。)及び下記式(d3)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位d3ともいう。)から選ばれる少なくとも1種を含んでもよい。
Figure 2023075016000066
式(d1)~(d3)中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。Z1は、単結合、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基若しくはこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基、又は-O-Z11-、-C(=O)-O-Z11-若しくは-C(=O)-NH-Z11-である。Z11は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。Z2は、単結合又はエステル結合である。Z3は、単結合、-Z31-C(=O)-O-、-Z31-O-又は-Z31-O-C(=O)-である。Z31は、炭素数1~12の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合、臭素原子又はヨウ素原子を含んでいてもよい。Z4は、メチレン基、2,2,2-トリフルオロ-1,1-エタンジイル基又はカルボニル基である。Z5は、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基、-O-Z51-、-C(=O)-O-Z51-又は-C(=O)-NH-Z51-である。Z51は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。なお、Z1、Z11、Z31及びZ51で表される脂肪族ヒドロカルビレン基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
式(d1)~(d3)中、R21~R28は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、後述する式(1-1)及び(1-2)中のR101~R105の説明において例示するものと同様のものが挙げられる。
また、R23及びR24又はR26及びR27が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。このとき、前記環としては、後述する式(1-1)の説明において、R101とR102とが結合してこれらが結合する硫黄原子と共に形成し得る環として例示するものと同様のものが挙げられる。
式(d1)中、M-は、非求核性対向イオンである。前記非求核性対向イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン、トリフレートイオン、1,1,1-トリフルオロエタンスルホネートイオン、ノナフルオロブタンスルホネートイオン等のフルオロアルキルスルホネートイオン、トシレートイオン、ベンゼンスルホネートイオン、4-フルオロベンゼンスルホネートイオン、1,2,3,4,5-ペンタフルオロベンゼンスルホネートイオン等のアリールスルホネートイオン、メシレートイオン、ブタンスルホネートイオン等のアルキルスルホネートイオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオン、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミドイオン、ビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミドイオン等のイミドイオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドイオン、トリス(パーフルオロエチルスルホニル)メチドイオン等のメチドイオンが挙げられる。
前記非求核性対向イオンとしては、更に、下記式(d1-1)で表されるα位がフッ素原子で置換されたスルホン酸イオン、下記式(d1-2)で表されるα位がフッ素原子で置換され、β位がトリフルオロメチル基で置換されたスルホン酸イオン等が挙げられる。
Figure 2023075016000067
式(d1-1)中、R31は、水素原子又は炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基は、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、ラクトン環又はフッ素原子を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、後述する式(1A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示するものと同様のものが挙げられる。
式(d1-2)中、R32は、水素原子、炭素数1~30のヒドロカルビル基又は炭素数2~30のヒドロカルビルカルボニル基であり、該ヒドロカルビル基及びヒドロカルビルカルボニル基は、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基又はラクトン環を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基及びヒドロカルビルカルボニル基のヒドロカルビル部は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、後述する式(1A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示するものと同様のものが挙げられる。
繰り返し単位d1を与えるモノマーのカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2023075016000068
繰り返し単位d2又d3を与えるモノマーのカチオンの具体例としては、後述する式(1-1)で表されるスルホニウム塩のカチオンとして例示するものと同様のものが挙げられる。
繰り返し単位d2を与えるモノマーのアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2023075016000069
Figure 2023075016000070
Figure 2023075016000071
Figure 2023075016000072
Figure 2023075016000073
Figure 2023075016000074
Figure 2023075016000075
Figure 2023075016000076
Figure 2023075016000077
Figure 2023075016000078
Figure 2023075016000079
繰り返し単位d3を与えるモノマーのアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2023075016000080
Figure 2023075016000081
繰り返し単位d1~d3は、酸発生剤として機能する。ポリマー主鎖に酸発生剤を結合させることによって酸拡散を小さくし、酸拡散のぼけによる解像度の低下を防止できる。また、酸発生剤が均一に分散することによってエッジラフネスやCDUが改善される。なお、繰り返し単位d1~d3を含むベースポリマー(すなわち、ポリマーバウンド型酸発生剤)を用いる場合、後述する添加型酸発生剤の配合を省略し得る。
前記ベースポリマーは、ヨウ素原子を含む繰り返し単位eを含んでもよい。繰り返し単位eを与えるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2023075016000082
Figure 2023075016000083
Figure 2023075016000084
前記ベースポリマーは、前述した繰り返し単位以外の繰り返し単位fを含んでもよい。繰り返し単位fとしては、スチレン、ビニルナフタレン、インデン、アセナフチレン、クマリン、クマロン等に由来するものが挙げられる。
前記ベースポリマーにおいて、繰り返し単位b1、b2、c、d1、d2、d3、e及びfの含有比率は、0≦b1≦0.9、0≦b2≦0.9、0.1≦b1+b2≦0.9、0≦c≦0.9、0≦d1≦0.5、0≦d2≦0.5、0≦d3≦0.5、0≦d1+d2+d3≦0.5、0≦e≦0.5及び0≦f≦0.5が好ましく、0≦b1≦0.8、0≦b2≦0.8、0.2≦b1+b2≦0.8、0≦c≦0.8、0≦d1≦0.4、0≦d2≦0.4、0≦d3≦0.4、0≦d1+d2+d3≦0.4、0≦e≦0.4及び0≦f≦0.4がより好ましく、0≦b1≦0.7、0≦b2≦0.7、0.25≦b1+b2≦0.7、0≦c≦0.7、0≦d1≦0.3、0≦d2≦0.3、0≦d3≦0.3、0≦d1+d2+d3≦0.3、0≦e≦0.3及び0≦f≦0.3が更に好ましい。ただし、b1+b2+c+d1+d2+d3+e+f=1.0である。
前記ベースポリマーを合成するには、例えば、前述した繰り返し単位を与えるモノマーを、有機溶剤中、ラジカル重合開始剤と、式(a1)-1~(a1)-3のいずれかで表される窒素原子含有化合物からなる連鎖移動剤を加えて加熱し、重合を行う。重合開始剤や連鎖移動剤は、重合開始時に添加してもよく、重合中に添加してもよく、重合中に徐々に添加してもよい。
連鎖移動剤は、一般的にポリマーの分子量を下げるために用いられる。重合開始剤から発生したラジカルによって重合が行われるが、重合開始剤から発生したラジカルによって重合が行われるが、前記連鎖移動剤に移動してここから重合がスタートする。このようにして、式(a)-1~(a)-3のいずれかで表される基は、ポリマーの末端に結合する。
分子量が小さくなると、現像液中の膨潤が起こりづらくなるメリットがある。しかしながら、ポリマーのガラス転移点温度(Tg)が低下することによって、PEB中の酸の拡散が大きくなるというデメリットがある。ポリマー型のクエンチャーは、酸の拡散を抑える効果が高く、ポリマーの分子量を小さくしてもその効果を維持できる。特に、本発明のようにポリマー末端にクエンチャーを配置することによって、酸の捕獲能を高めることができる。低分子量化による現像液の膨潤低減と低酸拡散を両立できる材料が、本発明の狙いである。
前記連鎖移動剤の使用量は、目的とする分子量、原料である単量体、重合温度や重合方法等の製造条件に応じて選択することができる。
重合開始剤は、ラジカル重合開始剤として市販のものを用いることができる。好ましくは、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤等のラジカル重合開始剤である。重合開始剤は単独若しくは混合して用いることができる。重合開始剤の使用量は、目的とする分子量、原料である単量体、重合温度や重合方法等の製造条件に応じて選択することができる。以下に重合開始剤の具体例を挙げる。
アゾ系開始剤の具体例としては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチル等を挙げることができる。過酸化物系開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシピバロエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等を挙げることができる。
重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。重合開始剤としては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が挙げられる。重合時の温度は、好ましくは50~80℃である。反応時間は、好ましくは2~100時間、より好ましくは5~20時間である。
ヒドロキシ基を含むモノマーを共重合する場合、重合時にヒドロキシ基をエトキシエトキシ基等の酸によって脱保護しやすいアセタール基で置換しておいて重合後に弱酸と水によって脱保護を行ってもよいし、アセチル基、ホルミル基、ピバロイル基等で置換しておいて重合後にアルカリ加水分解を行ってもよい。
ヒドロキシスチレンやヒドロキシビニルナフタレンを共重合する場合は、ヒドロキシスチレンやヒドロキシビニルナフタレンのかわりにアセトキシスチレンやアセトキシビニルナフタレンを用い、重合後前記アルカリ加水分解によってアセトキシ基を脱保護してヒドロキシスチレンやヒドロキシビニルナフタレンにしてもよい。
アルカリ加水分解時の塩基としては、アンモニア水、トリエチルアミン等が使用できる。また、反応温度は、好ましくは-20~100℃、より好ましくは0~60℃である。反応時間は、好ましくは0.2~100時間、より好ましくは0.5~20時間である。
前記ベースポリマーは、溶剤としてTHFを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が、好ましくは1,000~500,000であり、より好ましくは2,000~30,000である。Mwが小さすぎるとレジスト材料が耐熱性に劣るものとなり、大きすぎるとアルカリ溶解性が低下し、パターン形成後に裾引き現象が生じやすくなる。
また、前記ベースポリマーにおいて分子量分布(Mw/Mn)が広い場合は、低分子量や高分子量のポリマーが存在するために、露光後、パターン上に異物が見られたり、パターンの形状が悪化したりするおそれがある。パターンルールが微細化するに従って、MwやMw/Mnの影響が大きくなりやすいことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト材料を得るには、前記ベースポリマーのMw/Mnは、1.0~2.0、特に1.0~1.5と狭分散であることが好ましい。
前記ベースポリマーは、組成比率、Mw、Mw/Mnが異なる2つ以上のポリマーを含んでもよい。また、異なる末端構造aを含むポリマー同士をブレンドしてもよく、末端構造aを含むポリマーと、末端構造aを含まないポリマーとをブレンドしてもよい。
[酸発生剤]
本発明のポジ型レジスト材料は、強酸を発生する酸発生剤(以下、添加型酸発生剤ともいう。)を含んでもよい。ここでいう強酸とは、ベースポリマーの酸不安定基の脱保護反応を起こすのに十分な酸性度を有している化合物を意味する。
前記酸発生剤としては、例えば、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物(光酸発生剤)が挙げられる。光酸発生剤としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいかなるものでも構わないが、スルホン酸、イミド酸又はメチド酸を発生するものが好ましい。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N-スルホニルオキシイミド、オキシム-O-スルホネート型酸発生剤等がある。光酸発生剤の具体例としては、特開2008-111103号公報の段落[0122]~[0142]に記載されているものが挙げられる。
また、光酸発生剤として、下記式(1-1)で表されるスルホニウム塩や、下記式(1-2)で表されるヨードニウム塩も好適に使用できる。
Figure 2023075016000085
式(1-1)及び(1-2)中、R101~R105は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
101~R105で表される炭素数1~20のヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の炭素数1~20のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の炭素数3~20の環式飽和ヒドロカルビル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2~20のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等の炭素数2~20のアルキニル基;シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等の炭素数3~20の環式不飽和脂肪族ヒドロカルビル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、n-プロピルナフチル基、イソプロピルナフチル基、n-ブチルナフチル基、イソブチルナフチル基、sec-ブチルナフチル基、tert-ブチルナフチル基等の炭素数6~20のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7~20のアラルキル基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。
また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、これらの基の-CH2-の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。
また、R101とR102とが、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。このとき、前記環としては、以下に示す構造のものが好ましい。
Figure 2023075016000086
(式中、破線は、R103との結合手である。)
式(1-1)で表されるスルホニウム塩のカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023075016000087
Figure 2023075016000088
Figure 2023075016000089
Figure 2023075016000090
Figure 2023075016000091
Figure 2023075016000092
Figure 2023075016000093
Figure 2023075016000094
Figure 2023075016000095
Figure 2023075016000096
Figure 2023075016000097
Figure 2023075016000098
Figure 2023075016000099
Figure 2023075016000100
Figure 2023075016000101
Figure 2023075016000102
Figure 2023075016000103
Figure 2023075016000104
Figure 2023075016000105
Figure 2023075016000106
Figure 2023075016000107
Figure 2023075016000108
Figure 2023075016000109
式(1-2)で表されるヨードニウム塩のカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023075016000110
Figure 2023075016000111
式(1-1)及び(1-2)中、Xa-は、下記式(1A)~(1D)から選ばれるアニオンである。
Figure 2023075016000112
式(1A)中、Rfaは、フッ素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、後述する式(1A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示するものと同様のものが挙げられる。
式(1A)で表されるアニオンとしては、下記式(1A')で表されるものが好ましい。
Figure 2023075016000113
式(1A')中、RHFは、水素原子又はトリフルオロメチル基であり、好ましくはトリフルオロメチル基である。R111は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~38のヒドロカルビル基である。前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が好ましく、酸素原子がより好ましい。前記ヒドロカルビル基としては、微細パターン形成において高い解像度を得る観点から、特に炭素数6~30であるものが好ましい。
111で表されるヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、イコシル基等の炭素数1~38のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、1-アダマンチルメチル基、ノルボルニル基、ノルボルニルメチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、テトラシクロドデカニルメチル基、ジシクロヘキシルメチル基等の炭素数3~38の環式飽和ヒドロカルビル基;アリル基、3-シクロヘキセニル基等の炭素数2~38の不飽和脂肪族ヒドロカルビル基;フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等の炭素数6~38のアリール基;ベンジル基、ジフェニルメチル基等の炭素数7~38のアラルキル基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。
また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、これらの基の-CH2-の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。ヘテロ原子を含むヒドロカルビル基としては、テトラヒドロフリル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メチルチオメチル基、アセトアミドメチル基、トリフルオロエチル基、(2-メトキシエトキシ)メチル基、アセトキシメチル基、2-カルボキシ-1-シクロヘキシル基、2-オキソプロピル基、4-オキソ-1-アダマンチル基、3-オキソシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(1A')で表されるアニオンを含むスルホニウム塩の合成に関しては、特開2007-145797号公報、特開2008-106045号公報、特開2009-7327号公報、特開2009-258695号公報等に詳しい。また、特開2010-215608号公報、特開2012-41320号公報、特開2012-106986号公報、特開2012-153644号公報等に記載のスルホニウム塩も好適に用いられる。
式(1A)で表されるアニオンとしては、特開2018-197853号公報の式(1A)で表されるアニオンとして例示されたものと同様のものが挙げられる。
式(1B)中、Rfb1及びRfb2は、それぞれ独立に、フッ素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(1A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。Rfb1及びRfb2として好ましくは、フッ素原子又は炭素数1~4の直鎖状フッ素化アルキル基である。また、Rfb1とRfb2とは、互いに結合してこれらが結合する基(-CF2-SO2-N--SO2-CF2-)と共に環を形成してもよく、このとき、Rfb1とRfb2とが互いに結合して得られる基は、フッ素化エチレン基又はフッ素化プロピレン基であることが好ましい。
式(1C)中、Rfc1、Rfc2及びRfc3は、それぞれ独立に、フッ素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(1A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。Rfc1、Rfc2及びRfc3として好ましくは、フッ素原子又は炭素数1~4の直鎖状フッ素化アルキル基である。また、Rfc1とRfc2とは、互いに結合してこれらが結合する基(-CF2-SO2-C--SO2-CF2-)と共に環を形成してもよく、このとき、Rfc1とRfc2とが互いに結合して得られる基は、フッ素化エチレン基又はフッ素化プロピレン基であることが好ましい。
式(1D)中、Rfdは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(1A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。
式(1D)で表されるアニオンを含むスルホニウム塩の合成に関しては、特開2010-215608号公報及び特開2014-133723号公報に詳しい。
式(1D)で表されるアニオンとしては、特開2018-197853号公報の式(1D)で表されるアニオンとして例示されたものと同様のものが挙げられる。
なお、式(1D)で表されるアニオンを含む光酸発生剤は、スルホ基のα位にフッ素原子を有していないが、β位に2つのトリフルオロメチル基を有していることに起因して、ベースポリマー中の酸不安定基を切断するのに十分な酸性度を有している。そのため、光酸発生剤として使用することができる。
光酸発生剤として、下記式(2)で表されるものも好適に使用できる。
Figure 2023075016000114
式(2)中、R201及びR202は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビル基である。R203は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビレン基である。また、R201、R202及びR203のうちのいずれか2つが、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。このとき、前記環としては、式(1-1)の説明において、R101とR102とが結合してこれらが結合する硫黄原子と共に形成し得る環として例示したものと同様のものが挙げられる。
201及びR202で表されるヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基等の炭素数1~30のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、ノルボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基等の炭素数3~30の環式飽和ヒドロカルビル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、n-プロピルナフチル基、イソプロピルナフチル基、n-ブチルナフチル基、イソブチルナフチル基、sec-ブチルナフチル基、tert-ブチルナフチル基、アントラセニル基等の炭素数6~30のアリール基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、これらの基の-CH2-の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。
203で表されるヒドロカルビレン基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メタンジイル基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基、ヘプタデカン-1,17-ジイル基等の炭素数1~30のアルカンジイル基;シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基等の炭素数3~30の環式飽和ヒドロカルビレン基;フェニレン基、メチルフェニレン基、エチルフェニレン基、n-プロピルフェニレン基、イソプロピルフェニレン基、n-ブチルフェニレン基、イソブチルフェニレン基、sec-ブチルフェニレン基、tert-ブチルフェニレン基、ナフチレン基、メチルナフチレン基、エチルナフチレン基、n-プロピルナフチレン基、イソプロピルナフチレン基、n-ブチルナフチレン基、イソブチルナフチレン基、sec-ブチルナフチレン基、tert-ブチルナフチレン基等の炭素数6~30のアリーレン基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、これらの基の-CH2-の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。前記ヘテロ原子としては、酸素原子が好ましい。
式(2)中、LCは、単結合、エーテル結合、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビレン基である。前記ヒドロカルビレン基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、R203で表されるヒドロカルビレン基として例示したものと同様のものが挙げられる。
式(2)中、XA、XB、XC及びXDは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。ただし、XA、XB、XC及びXDのうち少なくとも1つは、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
式(2)中、tは、0~3の整数である。
式(2)で表される光酸発生剤としては、下記式(2')で表されるものが好ましい。
Figure 2023075016000115
式(2')中、LCは、前記と同じ。RHFは、水素原子又はトリフルオロメチル基であり、好ましくはトリフルオロメチル基である。R301、R302及びR303は、それぞれ独立に、水素原子又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(1A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。x及びyは、それぞれ独立に、0~5の整数であり、zは、0~4の整数である。
式(2)で表される光酸発生剤としては、特開2017-026980号公報の式(2)で表される光酸発生剤として例示されたものと同様のものが挙げられる。
前記光酸発生剤のうち、式(1A')又は(1D)で表されるアニオンを含むものは、酸拡散が小さく、かつ溶剤への溶解性にも優れており、特に好ましい。また、式(2')で表されるものは、酸拡散が極めて小さく、特に好ましい。
前記光酸発生剤として、ヨウ素原子又は臭素原子で置換された芳香環を有するアニオンを含むスルホニウム塩又はヨードニウム塩を用いることもできる。このような塩としては、下記式(3-1)又は(3-2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2023075016000116
式(3-1)及び(3-2)中、pは、1≦p≦3を満たす整数である。q及びrは、1≦q≦5、0≦r≦3及び1≦q+r≦5を満たす整数である。qは、1≦q≦3を満たす整数が好ましく、2又は3がより好ましい。rは、0≦r≦2を満たす整数が好ましい。
式(3-1)及び(3-2)中、XBIは、ヨウ素原子又は臭素原子であり、p及び/又はqが2以上のとき、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(3-1)及び(3-2)中、L1は、単結合、エーテル結合若しくはエステル結合、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素数1~6の飽和ヒドロカルビレン基である。前記飽和ヒドロカルビレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
式(3-1)及び(3-2)中、L2は、pが1のときは単結合又は炭素数1~20の2価の連結基であり、pが2又は3のときは炭素数1~20の(p+1)価の連結基であり、該連結基は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよい。
式(3-1)及び(3-2)中、R401は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはアミノ基、若しくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、アミノ基若しくはエーテル結合を含んでいてもよい、炭素数1~20のヒドロカルビル基、炭素数1~20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数2~20のヒドロカルビルカルボニル基、炭素数2~20のヒドロカルビルオキシカルボニル基、炭素数2~20のヒドロカルビルカルボニルオキシ基若しくは炭素数1~20のヒドロカルビルスルホニルオキシ基、又は-N(R401A)(R401B)、-N(R401C)-C(=O)-R401D若しくは-N(R401C)-C(=O)-O-R401Dである。R401A及びR401Bは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基である。R401Cは、水素原子又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基であり、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6の飽和ヒドロカルビルオキシ基、炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニル基又は炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニルオキシ基を含んでいてもよい。R401Dは、炭素数1~16の脂肪族ヒドロカルビル基、炭素数6~12のアリール基又は炭素数7~15のアラルキル基であり、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6の飽和ヒドロカルビルオキシ基、炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニル基又は炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニルオキシ基を含んでいてもよい。前記脂肪族ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。前記ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビルカルボニル基、ヒドロカルビルオキシカルボニル基、ヒドロカルビルカルボニルオキシ基及びヒドロカルビルスルホニルオキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。p及び/又はrが2以上のとき、各R401は互いに同一であっても異なっていてもよい。
これらのうち、R401としては、ヒドロキシ基、-N(R401C)-C(=O)-R401D、-N(R401C)-C(=O)-O-R401D、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基等が好ましい。
式(3-1)及び(3-2)中、Rf1~Rf4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であるが、これらのうち少なくとも1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。また、Rf1とRf2とが合わさってカルボニル基を形成してもよい。特に、Rf3及びRf4がともにフッ素原子であることが好ましい。
式(3-1)及び(3-2)中、R402~R406は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(1-1)及び(1-2)の説明においてR101~R105で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、スルトン環、スルホ基又はスルホニウム塩含有基で置換されていてもよく、これらの基の-CH2-の一部が、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、アミド結合、カーボネート結合又はスルホン酸エステル結合で置換されていてもよい。また、R402及びR403が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。このとき、前記環としては、式(1-1)の説明においてR101とR102とが結合してこれらが結合する硫黄原子と共に形成し得る環として例示したものと同様のものが挙げられる。
式(3-1)で表されるスルホニウム塩のカチオンとしては、式(1-1)で表されるスルホニウム塩のカチオンとして例示したものと同様のものが挙げられる。また、式(3-2)で表されるヨードニウム塩のカチオンとしては、式(1-2)で表されるヨードニウム塩のカチオンとして例示したものと同様のものが挙げられる。
式(3-1)又は(3-2)で表されるオニウム塩のアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、XBIは、前記と同じである。
Figure 2023075016000117
Figure 2023075016000118
Figure 2023075016000119
Figure 2023075016000120
Figure 2023075016000121
Figure 2023075016000122
Figure 2023075016000123
Figure 2023075016000124
Figure 2023075016000125
Figure 2023075016000126
Figure 2023075016000127
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Figure 2023075016000129
Figure 2023075016000130
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Figure 2023075016000133
Figure 2023075016000134
Figure 2023075016000135
Figure 2023075016000136
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Figure 2023075016000138
Figure 2023075016000139
本発明のポジ型レジスト材料が添加型酸発生剤を含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0.1~50質量部が好ましく、1~40質量部がより好ましい。前記添加型酸発生剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。前記ベースポリマーが繰り返し単位d1~d3を含むことで、及び/又は添加型酸発生剤を含むことで、本発明のポジ型レジスト材料は、化学増幅ポジ型レジスト材料として機能することができる。
[有機溶剤]
本発明のポジ型レジスト材料は、有機溶剤を含んでもよい。前記有機溶剤は、前述した各成分及び後述する各成分が溶解可能なものであれば、特に限定されない。前記有機溶剤としては、特開2008-111103号公報の段落[0144]~[0145]に記載の、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル-2-n-ペンチルケトン、2-ヘプタノン等のケトン類;3-メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル(L体)、乳酸エチル(D体)、乳酸エチル(DL体)ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert-ブチル、プロピオン酸tert-ブチル、プロピレングリコールモノtert-ブチルエーテルアセテート等のエステル類;γ-ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。
本発明のポジ型レジスト材料中、前記有機溶剤の含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、100~10,000質量部が好ましく、200~8,000質量部がより好ましい。前記有機溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
[クエンチャー]
本発明のポジ型レジスト材料は、ポリマーの末端にスルホニウム塩型のクエンチャーを有するが、別途クエンチャーを含んでもよい。なお、クエンチャーとは、レジスト材料中の酸発生剤より発生した酸をトラップすることで未露光部への拡散を防ぐことができる化合物を意味する。
前記クエンチャーとしては、従来型の塩基性化合物が挙げられる。従来型の塩基性化合物としては、第1級、第2級、第3級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類等が挙げられる。特に、特開2008-111103号公報の段落[0146]~[0164]に記載の第1級、第2級、第3級のアミン化合物、特にはヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合、ラクトン環、シアノ基、スルホン酸エステル結合を有するアミン化合物あるいは特許第3790649号公報に記載のカーバメート基を有する化合物等が好ましい。このような塩基性化合物を添加することによって、例えば、レジスト膜中での酸の拡散速度を更に抑制したり、形状を補正したりすることができる。
また、前記クエンチャーとして、特開2008-158339号公報に記載されているα位がフッ素化されていないスルホン酸、カルボン酸又はフッ素化されたアルコキシドの、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。α位がフッ素化されたスルホン酸、イミド酸又はメチド酸は、カルボン酸エステルの酸不安定基を脱保護させるために必要であるが、α位がフッ素化されていないオニウム塩との塩交換によってα位がフッ素化されていないスルホン酸、カルボン酸又はフッ素化アルコールが放出される。α位がフッ素化されていないスルホン酸、カルボン酸及びフッ素化アルコールは脱保護反応を起こさないため、クエンチャーとして機能する。
このようなクエンチャーとしては、例えば、下記式(4)で表される化合物(α位がフッ素化されていないスルホン酸のオニウム塩)、下記式(5)で表される化合物(カルボン酸のオニウム塩)及び下記式(6)で表される化合物(アルコキシドのオニウム塩)が挙げられる。
Figure 2023075016000140
式(4)中、R501は、水素原子又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基であるが、スルホ基のα位の炭素原子に結合する水素原子が、フッ素原子又はフルオロアルキル基で置換されたものを除く。
前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、tert-ペンチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基等の炭素数1~40のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、ノルボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基等の炭素数3~40の環式飽和ヒドロカルビル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2~40のアルケニル基;シクロヘキセニル基等の炭素数3~40の環式不飽和脂肪族ヒドロカルビル基;フェニル基、ナフチル基、アルキルフェニル基(2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、4-n-ブチルフェニル基等)、ジアルキルフェニル基(2,4-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基等)、アルキルナフチル基(メチルナフチル基、エチルナフチル基等)、ジアルキルナフチル基(ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等)等の炭素数6~40のアリール基;ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基等の炭素数7~40のアラルキル基等が挙げられる。
また、前記ヒドロカルビル基の水素原子の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、前記ヒドロカルビル基の-CH2-の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。ヘテロ原子を含むヒドロカルビル基としては、チエニル基、インドリル基等のヘテロアリール基;4-ヒドロキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、2-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-tert-ブトキシフェニル基、3-tert-ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基;メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、n-プロポキシナフチル基、n-ブトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基;ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基;2-フェニル-2-オキソエチル基、2-(1-ナフチル)-2-オキソエチル基、2-(2-ナフチル)-2-オキソエチル基等の2-アリール-2-オキソエチル基等のアリールオキソアルキル基等が挙げられる。
式(5)中、R502は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。R502で表されるヒドロカルビル基としては、R501で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。また、その他の具体例として、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロ-1-メチル-1-ヒドロキシエチル基、2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)-1-ヒドロキシエチル基等の含フッ素アルキル基;ペンタフルオロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基等の含フッ素アリール基等が挙げられる。
式(6)中、R503は、少なくとも3つのフッ素原子を有する炭素数1~8の飽和ヒドロカルビル基又は少なくとも3つのフッ素原子を有する炭素数6~10のアリール基であり、ニトロ基を有していてもよい。
式(4)~(6)中、Mq+は、オニウムカチオンである。前記オニウムカチオンとしては、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン又はアンモニウムカチオンが好ましく、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンがより好ましい。前記スルホニウムカチオンとしては、式(1-1)で表されるスルホニウム塩のカチオンとして例示したものと同様のものが挙げられる。また、前記ヨードニウムカチオンとしては、式(1-2)で表されるヨードニウム塩のカチオンとして例示したものと同様のものが挙げられる。
クエンチャーとして、下記式(7)で表されるヨウ素化ベンゼン環含有カルボン酸のスルホニウム塩も好適に使用できる。
Figure 2023075016000141
式(7)中、R601は、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、若しくは水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基、炭素数1~6の飽和ヒドロカルビルオキシ基、炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニルオキシ基若しくは炭素数1~4の飽和ヒドロカルビルスルホニルオキシ基、又は-N(R601A)-C(=O)-R601B若しくは-N(R601A)-C(=O)-O-R601Bである。R601Aは、水素原子又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基である。R601Bは、炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基又は炭素数2~8の不飽和脂肪族ヒドロカルビル基である。
式(7)中、x'は、1~5の整数である。y'は、0~3の整数である。z'は、1~3の整数である。L11は、単結合又は炭素数1~20の(z'+1)価の連結基であり、エーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、スルトン環、ラクタム環、カーボネート結合、ハロゲン原子、ヒドロキシ基及びカルボキシ基から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。前記飽和ヒドロカルビル基、飽和ヒドロカルビルオキシ基、飽和ヒドロカルビルカルボニルオキシ基及び飽和ヒドロカルビルスルホニルオキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。y'及び/又はz'が2以上のとき、各R601は互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(7)中、R602、R603及びR604は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(1-1)及び(1-2)中のR101~R105で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、オキソ基、シアノ基、ニトロ基、スルトン環、スルホ基又はスルホニウム塩含有基で置換されていてもよく、これらの基の-CH2-の一部が、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、アミド結合、カーボネート結合又はスルホン酸エステル結合で置換されていてもよい。また、R602とR603とが、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
式(7)で表される化合物の具体例としては、特開2017-219836号公報に記載されたものが挙げられる。
前記クエンチャーの他の例として、特開2008-239918号公報に記載のポリマー型のクエンチャーが挙げられる。これは、レジスト膜表面に配向することによってレジストパターンの矩形性を高める。ポリマー型クエンチャーは、液浸露光用の保護膜を適用したときのパターンの膜減りやパターントップのラウンディングを防止する効果もある。
本発明のポジ型レジスト材料が前記クエンチャーを含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0~5質量部が好ましく、0~4質量部がより好ましい。前記クエンチャーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[その他の成分]
本発明のポジ型レジスト材料は、前述した成分に加えて、界面活性剤、溶解阻止剤、撥水性向上剤、アセチレンアルコール類等を含んでもよい。
前記界面活性剤としては、特開2008-111103号公報の段落[0165]~[0166]に記載されたものが挙げられる。界面活性剤を添加することによって、レジスト材料の塗布性を一層向上させ、あるいは制御することができる。本発明のポジ型レジスト材料が前記界面活性剤を含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0.0001~10質量部が好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のポジ型レジスト材料に溶解阻止剤を配合することによって、露光部と未露光部との溶解速度の差を一層大きくすることができ、解像度を一層向上させることができる。前記溶解阻止剤としては、分子量が好ましくは100~1,000、より好ましくは150~800で、かつ分子内にフェノール性ヒドロキシ基を2つ以上含む化合物の該フェノール性ヒドロキシ基の水素原子を酸不安定基によって全体として0~100モル%の割合で置換した化合物、又は分子内にカルボキシ基を含む化合物の該カルボキシ基の水素原子を酸不安定基によって全体として平均50~100モル%の割合で置換した化合物が挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、トリスフェノール、フェノールフタレイン、クレゾールノボラック、ナフタレンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、コール酸のヒドロキシ基、カルボキシ基の水素原子を酸不安定基で置換した化合物等が挙げられ、例えば、特開2008-122932号公報の段落[0155]~[0178]に記載されている。
本発明のポジ型レジスト材料が前記溶解阻止剤を含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0~50質量部が好ましく、5~40質量部がより好ましい。前記溶解阻止剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記撥水性向上剤は、レジスト膜表面の撥水性を向上させるものであり、トップコートを用いない液浸リソグラフィーに用いることができる。前記撥水性向上剤としては、フッ化アルキル基を含むポリマー、特定構造の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール残基を含むポリマー等が好ましく、特開2007-297590号公報、特開2008-111103号公報等に例示されているものがより好ましい。前記撥水性向上剤は、アルカリ現像液や有機溶剤現像液に溶解する必要がある。前述した特定の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール残基を有する撥水性向上剤は、現像液への溶解性が良好である。撥水性向上剤として、アミノ基やアミン塩を含む繰り返し単位を含むポリマーは、PEB中の酸の蒸発を防いで現像後のホールパターンの開口不良を防止する効果が高い。本発明のポジ型レジスト材料が撥水性向上剤を含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0~20質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましい。前記撥水性向上剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記アセチレンアルコール類としては、特開2008-122932号公報の段落[0179]~[0182]に記載されたものが挙げられる。本発明のポジ型レジスト材料がアセチレンアルコール類を含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0~5質量部が好ましい。前記アセチレンアルコール類は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[パターン形成方法]
本発明のポジ型レジスト材料を種々の集積回路製造に用いる場合は、公知のリソグラフィー技術を適用することができる。例えば、パターン形成方法としては、前述したポジ型レジスト材料を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、前記露光したレジスト膜を、現像液を用いて現像する工程とを含む方法が挙げられる。
まず、本発明のポジ型レジスト材料を、集積回路製造用の基板(Si、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜等)あるいはマスク回路製造用の基板(Cr、CrO、CrON、MoSi2、SiO2等)上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により塗布膜厚が0.01~2μmとなるように塗布する。これをホットプレート上で、好ましくは60~150℃、10秒~30分間、より好ましくは80~120℃、30秒~20分間プリベークし、レジスト膜を形成する。
次いで、高エネルギー線を用いて、前記レジスト膜を露光する。前記高エネルギー線としては、紫外線、遠紫外線、EB、波長3~15nmのEUV、X線、軟X線、エキシマレーザー光、γ線、シンクロトロン放射線等が挙げられる。前記高エネルギー線として紫外線、遠紫外線、EUV、X線、軟X線、エキシマレーザー光、γ線、シンクロトロン放射線等を用いる場合は、直接又は目的のパターンを形成するためのマスクを用いて、露光量が好ましくは1~200mJ/cm2程度、より好ましくは10~100mJ/cm2程度となるように照射する。前記高エネルギー線としてEBを用いる場合は、露光量が好ましくは0.1~100μC/cm2程度、より好ましくは0.5~50μC/cm2程度で直接又は目的のパターンを形成するためのマスクを用いて描画する。なお、本発明のポジ型レジスト材料は、特に高エネルギー線の中でもKrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、EB、EUV、i線、X線、軟X線、γ線、シンクロトロン放射線による微細パターニングに好適であり、特にEB又はEUVによる微細パターニングに好適である。
露光後、ホットプレート上又はオーブン中で、好ましくは50~150℃、10秒~30分間、より好ましくは60~120℃、30秒~20分間PEBを行ってもよい。
露光後又はPEB後、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは2~5質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、3秒~3分間、好ましくは5秒~2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により露光したレジスト膜を現像することで、光を照射した部分は現像液に溶解し、露光されなかった部分は溶解せず、基板上に目的のポジ型パターンが形成される。
前記ポジ型レジスト材料を用いて、有機溶剤現像によってネガ型パターンを得るネガティブ現像を行うこともできる。このときに用いる現像液としては、2-オクタノン、2-ノナノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ブテニル、酢酸イソペンチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸イソペンチル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸ペンチル、乳酸イソペンチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル、3-フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、酢酸2-フェニルエチル等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
現像の終了時には、リンスを行う。リンス液としては、現像液と混溶し、レジスト膜を溶解させない溶剤が好ましい。このような溶剤としては、炭素数3~10のアルコール、炭素数8~12のエーテル化合物、炭素数6~12のアルカン、アルケン、アルキン、芳香族系の溶剤が好ましく用いられる。
具体的に、炭素数3~10のアルコールとしては、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1-ブチルアルコール、2-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、tert-ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、3-メチル-3-ペンタノール、シクロペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、2,3-ジメチル-2-ブタノール、3,3-ジメチル-1-ブタノール、3,3-ジメチル-2-ブタノール、2-エチル-1-ブタノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、2-メチル-3-ペンタノール、3-メチル-1-ペンタノール、3-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-3-ペンタノール、4-メチル-1-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-3-ペンタノール、シクロヘキサノール、1-オクタノール等が挙げられる。
炭素数8~12のエーテル化合物としては、ジ-n-ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ-sec-ブチルエーテル、ジ-n-ペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ-sec-ペンチルエーテル、ジ-tert-ペンチルエーテル、ジ-n-ヘキシルエーテル等が挙げられる。
炭素数6~12のアルカンとしては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン等が挙げられる。炭素数6~12のアルケンとしては、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ジメチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等が挙げられる。炭素数6~12のアルキンとしては、ヘキシン、ヘプチン、オクチン等が挙げられる。
芳香族系の溶剤としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、メシチレン等が挙げられる。
リンスを行うことによってレジストパターンの倒れや欠陥の発生を低減させることができる。また、リンスは必ずしも必須ではなく、リンスを行わないことによって溶剤の使用量を削減することができる。
現像後のホールパターンやトレンチパターンを、サーマルフロー、RELACS技術又はDSA技術でシュリンクすることもできる。ホールパターン上にシュリンク剤を塗布し、ベーク中のレジスト膜からの酸触媒の拡散によってレジスト膜の表面でシュリンク剤の架橋が起こり、シュリンク剤がホールパターンの側壁に付着する。ベーク温度は、好ましくは70~180℃、より好ましくは80~170℃であり、ベーク時間は、好ましくは10~300秒であり、余分なシュリンク剤を除去し、ホールパターンを縮小させる。
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。
ベースポリマーの合成に用いた連鎖移動剤CTA-1~CTA-24は、以下のとおりである。
Figure 2023075016000142
Figure 2023075016000143
Figure 2023075016000144
Figure 2023075016000145
[1]ベースポリマーの合成
ベースポリマーの合成に用いたモノマーPM-1~PM-3及びAM-1~AM-10、FM-1、FM-2は、以下のとおりである。また、ポリマーのMwは、溶剤としてTHFを用いたGPCによるポリスチレン換算測定値である。
Figure 2023075016000146
Figure 2023075016000147
Figure 2023075016000148
[合成例1]ポリマーP-1の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを8.4g、4-ヒドロキシスチレンを6.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g及びCTA-1を1.1g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-1を得た。ポリマーP-1の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000149
[合成例2]ポリマーP-2の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを8.4g、4-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-1を11.9g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g及びCTA-2を1.2g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-2を得た。ポリマーP-2の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000150
[合成例3]ポリマーP-3の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを8.4g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-3を1.6g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-3を得た。ポリマーP-3の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000151
[合成例4]ポリマーP-4の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを8.4g、3-ヒドロキシスチレンを4.8g、モノマーPM-3を8.2g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-4を2.1g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-4を得た。ポリマーP-4の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000152
[合成例5]ポリマーP-5の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-1を11.1g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-5を1.7g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-5を得た。ポリマーP-5の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000153
[合成例6]ポリマーP-6の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-2を8.2g、モノマーAM-3を4.0g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-6を1.7g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-6を得た。ポリマーP-6の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000154
[合成例7]ポリマーP-7の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-1を6.7g、モノマーAM-4を3.8g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-1を11.9g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-7を1.6g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-7を得た。ポリマーP-7の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000155
[合成例8]ポリマーP-8の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-5を9.0g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-1を11.9g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-8を1.4g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-8を得た。ポリマーP-8の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000156
[合成例9]ポリマーP-9の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-6を10.8g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-9を1.6g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-9を得た。ポリマーP-9の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000157
[合成例10]ポリマーP-10の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチル8.4g、3-ヒドロキシスチレンを3.0g、モノマーFM-1を3.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-10を2.0g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-10を得た。ポリマーP-10の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000158
[合成例11]ポリマーP-11の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチル8.4g、3-ヒドロキシスチレンを3.0g、モノマーFM-2を2.7g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-11を2.2g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-11を得た。ポリマーP-11の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000159
[合成例12]ポリマーP-12の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-6を10.8g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-12を2.0g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-12を得た。ポリマーP-12の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000160
[合成例13]ポリマーP-13の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-6を10.8g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-13を2.1g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-13を得た。ポリマーP-13の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000161
[合成例14]ポリマーP-14の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-6を10.8g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-14を1.8g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-14を得た。ポリマーP-14の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000162
[合成例15]ポリマーP-15の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-6を10.8g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-15を2.5g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-15を得た。ポリマーP-15の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000163
[合成例16]ポリマーP-16の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを8.4g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-16を2.0g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-16を得た。ポリマーP-16の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000164
[合成例17]ポリマーP-17の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-7を13.2g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-17を2.1g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-17を得た。ポリマーP-17の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000165
[合成例18]ポリマーP-18の合成
2Lのフラスコに、モノマーAM-8を12.4g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-18を2.1g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-18を得た。ポリマーP-18の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000166
[合成例19]ポリマーP-19の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを6.7g、モノマーAM-9を1.8g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-19を2.1g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-19を得た。ポリマーP-19の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000167
[合成例20]ポリマーP-20の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを4.2g、モノマーAM-4を4.8g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、4-メトキシスチレンを2.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-20を1.7g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-20を得た。ポリマーP-20の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000168
[合成例21]ポリマーP-21の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを5.0g、モノマーAM-10を1.8g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-20を1.7g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-21を得た。ポリマーP-21の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000169
[合成例22]ポリマーP-22の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを8.4g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-21を2.0g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-22を得た。ポリマーP-22の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000170
[合成例23]ポリマーP-23の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを8.4g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-22を2.0g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-23を得た。ポリマーP-23の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000171
[合成例24]ポリマーP-24の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを8.4g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-23を2.1g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-24を得た。ポリマーP-24の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000172
[合成例25]ポリマーP-25の合成
2Lのフラスコに、メタクリル酸1-メチル-1-シクロペンチルを8.4g、3-ヒドロキシスチレンを4.2g、モノマーPM-2を11.0g、及び溶剤としてTHFを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下-70℃まで冷却し、減圧脱気及び窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温した後、重合開始剤として2,2'-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを1.2g、及びCTA-24を2.1g加え、60℃まで昇温し、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1L中に加え、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体を60℃で減圧乾燥し、ポリマーP-25を得た。ポリマーP-25の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000173
[比較合成例1]比較ポリマーcP-1の合成
連鎖移動剤を用いずに、合成例1と同様の方法で比較ポリマーcP-1を得た。比較ポリマーcP-1の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000174
[比較合成例2]比較ポリマーcP-2の合成
CTA-1のかわりに2-メルカプトアミノエタンを連鎖移動剤として用いた以外は、合成例1と同様の方法で比較ポリマーcP-2を得た。比較ポリマーcP-2の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000175
[比較合成例3]比較ポリマーcP-3の合成
連鎖移動剤を用いずに、合成例2と同様の方法で比較ポリマーcP-3を得た。比較ポリマーcP-3の組成は13C-NMR及び1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPCにより確認した。
Figure 2023075016000176
[2]ポジ型レジスト材料の調製及びその評価
[実施例1~27、比較例1~3]
(1)ポジ型レジスト材料の調製
界面活性剤としてオムノバ社製界面活性剤PolyFox PF-636を50ppm溶解させた溶剤に、表1及び2に示す組成で各成分を溶解させた溶液を、0.02μmサイズの高密度ポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト材料を調製した。
表1及び2中、各成分は以下のとおりである。
・有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
DAA(ジアセトンアルコール)
EL(DL体1:1混合乳酸エチル)
・酸発生剤:PAG-1、PAG-2
Figure 2023075016000177
・クエンチャー:Q-1~Q-3
Figure 2023075016000178
(2)EUVリソグラフィー評価
表1及び2に示す各ポジ型レジスト材料を、信越化学工業(株)製ケイ素含有スピンオンハードマスクSHB-A940(ケイ素の含有量が43質量%)を膜厚20nmで形成したSi基板上にスピンコートし、ホットプレートを用いて105℃で60秒間プリベークして膜厚60nmのレジスト膜を作製した。ASML社製EUVスキャナーNXE3400(NA0.33、σ0.9/0.6、クアドルポール照明、ウエハー上寸法がピッチ46nm、+20%バイアスのホールパターンのマスク)を用いて前記レジスト膜を露光し、ホットプレート上で表1及び2記載の温度で60秒間PEBを行い、2.38質量%のTMAH水溶液で30秒間現像を行って寸法23nmのホールパターンを得た。
ホール寸法がそれぞれ23nmで形成されるときの露光量を測定して、これを感度とした。また、(株)日立ハイテク製測長SEM(CG6300)を用いてホール50個の寸法を測定し、その結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)をCDUとして求めた。結果を表1及び2に併記する。
Figure 2023075016000179
Figure 2023075016000180
表1及び2に示した結果より、式(a)-1~(a)-3のいずれかで表される基で末端が封止されたベースポリマーを用いる本発明のポジ型レジスト材料は、CDUが良好であった。
すなわち、本発明は、下記ポジ型レジスト材料及びパターン形成方法を提供する。
1.下記式(a)-1~(a)-3のいずれかで表される基で末端が封止されたベースポリマーを含むポジ型レジスト材料。
Figure 2023075016000185
(式中、X1は、炭素数1~20のヒドロカルビレン基であり、該ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ラクトン環、スルトン環、ニトロ基、シアノ基、窒素原子及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
1は、水素原子又は炭素数1~12のヒドロカルビル基である。
1及びR1は、互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2~10の脂環を形成してもよい。
2~R4は、それぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基である。また、R2及びR3が、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
5、R6及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1~8の脂肪族ヒドロカルビル基又は炭素数6~10のアリール基であり、該脂肪族ヒドロカルビル基及びアリール基は、エーテル結合、エステル結合、ニトロ基、ハロゲン原子及びトリフルオロメチル基から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
N1及びRN2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数~10のアルコキシカルボニル基であり、該アルキル基及びアルコキシカルボニル基は、エーテル結合を含んでいてもよい。
円Raは、式中の窒素原子とともに構成される炭素数2~10の脂環式基である。
破線は、結合手である。)
2.前記ベースポリマーが、カルボキシ基の水素原子が酸不安定基で置換された繰り返し単位b1又はフェノール性ヒドロキシ基の水素原子が酸不安定基で置換された繰り返し単位b2を有するベースポリマーを含む1又は2のポジ型レジスト材料。
3.繰り返し単位b1が下記式(b1)で表されるものであり、繰り返し単位b2が下記式(b2)で表されるものである2のポジ型レジスト材料。
Figure 2023075016000186
(式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。
1は、単結合、フェニレン基若しくはナフチレン基、又はエステル結合、エーテル結合及びラクトン環から選ばれる少なくとも1種を含む炭素数1~12の連結基である。
2は、単結合、エステル結合又はアミド結合である。
3は、単結合、エーテル結合又はエステル結合である。
11及びR12は、それぞれ独立に、酸不安定基である。
13は、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基である。
14は、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基は、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい。
aは、1又は2である。bは、0~4の整数である。ただし、1≦a+b≦5である。)
4.前記ベースポリマーが、更に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ラクトン環、カーボネート基、チオカーボネート基、カルボニル基、環状アセタール基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、シアノ基、アミド結合、-O-C(=O)-S-及び-O-C(=O)-NH-から選ばれる密着性基を含む繰り返し単位cを含むものである1~3のいずれかのポジ型レジスト材料。
5.前記ベースポリマーが、更に、下記式(d1)~(d3)のいずれかで表される繰り返し単位を含むものである1~4のいずれかのポジ型レジスト材料。
Figure 2023075016000187
(式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。
1は、単結合、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基若しくはこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基、又は-O-Z11-、-C(=O)-O-Z11-若しくは-C(=O)-NH-Z11-である。Z11は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
2は、単結合又はエステル結合である。
3は、単結合、-Z31-C(=O)-O-、-Z31-O-又は-Z31-O-C(=O)-である。Z31は、炭素数1~12の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合、臭素原子又はヨウ素原子を含んでいてもよい。
4は、メチレン基、2,2,2-トリフルオロ-1,1-エタンジイル基又はカルボニル基である。
5は、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基、-O-Z51-、-C(=O)-O-Z51-又は-C(=O)-NH-Z51-である。Z51は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
21~R28は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。また、R23及びR24又はR26及びR27が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
-は、非求核性対向イオンである。)
6.更に、酸発生剤を含む1~5のいずれかのポジ型レジスト材料。
7.更に、有機溶剤を含む1~6のいずれかのポジ型レジスト材料。
8.更に、クエンチャーを含む1~7のいずれかのポジ型レジスト材料。
9.更に、界面活性剤を含む1~8のいずれかのポジ型レジスト材料。
10.1~9のいずれかのポジ型レジスト材料を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、前記露光したレジスト膜を、現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法。
11.前記高エネルギー線が、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線(EB)又は波長3~15nmのEUVである10のパターン形成方法。
式(a)-2及び(a)-3中、RN1及びRN2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数~10のアルコキシカルボニル基であり、該アルキル基及びアルコキシカルボニル基は、エーテル結合を含んでいてもよい。前記アルキル基及びアルコキシカルボニル基のアルキル部としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
連鎖移動剤は、一般的にポリマーの分子量を下げるために用いられる。重合開始剤から発生したラジカルによって重合が行われるが、前記連鎖移動剤に移動してここから重合がスタートする。このようにして、式(a)-1~(a)-3のいずれかで表される基は、ポリマーの末端に結合する。
重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。重合時の温度は、好ましくは50~80℃である。反応時間は、好ましくは2~100時間、より好ましくは5~20時間である。
前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、tert-ペンチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基等の炭素数1~40のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、ノルボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基等の炭素数3~40の環式飽和ヒドロカルビル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2~40のアルケニル基;シクロヘキセニル基等の炭素数3~40の環式不飽和脂肪族ヒドロカルビル基;フェニル基、ナフチル基、アルキルフェニル基(2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、4-n-ブチルフェニル基等)、ジアルキルフェニル基(2,4-ジメチルフェニル基等)、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基、アルキルナフチル基(メチルナフチル基、エチルナフチル基等)、ジアルキルナフチル基(ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等)等の炭素数6~40のアリール基;ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基等の炭素数7~40のアラルキル基等が挙げられる。

Claims (11)

  1. 下記式(a)-1~(a)-3のいずれかで表される基で末端が封止されたベースポリマーを含むポジ型レジスト材料。
    Figure 2023075016000181
    (式中、X1は、炭素数1~20のヒドロカルビレン基であり、該ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ラクトン環、スルトン環、ニトロ基、シアノ基、窒素原子及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
    1は、水素原子又は炭素数1~12のヒドロカルビル基である。
    1及びR1は、互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2~10の脂環を形成してもよい。
    2~R4は、それぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基である。また、R2及びR3が、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
    5、R6及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1~8の脂肪族ヒドロカルビル基又は炭素数6~10のアリール基であり、該脂肪族ヒドロカルビル基及びアリール基は、エーテル結合、エステル結合、ニトロ基、ハロゲン原子及びトリフルオロメチル基から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
    N1及びRN2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数1~10のアルコキシカルボニル基であり、該アルキル基及びアルコキシカルボニル基は、エーテル結合を含んでいてもよい。
    円Raは、式中の窒素原子とともに構成される炭素数2~10の脂環式基である。
    破線は、結合手である。)
  2. 前記ベースポリマーが、カルボキシ基の水素原子が酸不安定基で置換された繰り返し単位b1又はフェノール性ヒドロキシ基の水素原子が酸不安定基で置換された繰り返し単位b2を有するベースポリマーを含む請求項1又は2記載のポジ型レジスト材料。
  3. 繰り返し単位b1が下記式(b1)で表されるものであり、繰り返し単位b2が下記式(b2)で表されるものである請求項2記載のポジ型レジスト材料。
    Figure 2023075016000182
    (式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。
    1は、単結合、フェニレン基若しくはナフチレン基、又はエステル結合、エーテル結合及びラクトン環から選ばれる少なくとも1種を含む炭素数1~12の連結基である。
    2は、単結合、エステル結合又はアミド結合である。
    3は、単結合、エーテル結合又はエステル結合である。
    11及びR12は、それぞれ独立に、酸不安定基である。
    13は、フッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基である。
    14は、単結合又は炭素数1~6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基は、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい。
    aは、1又は2である。bは、0~4の整数である。ただし、1≦a+b≦5である。)
  4. 前記ベースポリマーが、更に、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ラクトン環、カーボネート基、チオカーボネート基、カルボニル基、環状アセタール基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、シアノ基、アミド結合、-O-C(=O)-S-及び-O-C(=O)-NH-から選ばれる密着性基を含む繰り返し単位cを含むものである請求項1~3のいずれか1項記載のポジ型レジスト材料。
  5. 前記ベースポリマーが、更に、下記式(d1)~(d3)のいずれかで表される繰り返し単位を含むものである請求項1~4のいずれか1項記載のポジ型レジスト材料。
    Figure 2023075016000183
    (式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。
    1は、単結合、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基若しくはこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基、又は-O-Z11-、-C(=O)-O-Z11-若しくは-C(=O)-NH-Z11-である。Z11は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
    2は、単結合又はエステル結合である。
    3は、単結合、-Z31-C(=O)-O-、-Z31-O-又は-Z31-O-C(=O)-である。Z31は、炭素数1~12の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合、臭素原子又はヨウ素原子を含んでいてもよい。
    4は、メチレン基、2,2,2-トリフルオロ-1,1-エタンジイル基又はカルボニル基である。
    5は、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基、-O-Z51-、-C(=O)-O-Z51-又は-C(=O)-NH-Z51-である。Z51は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合、ハロゲン原子又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
    21~R28は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。また、R23及びR24又はR26及びR27が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
    -は、非求核性対向イオンである。)
  6. 更に、酸発生剤を含む請求項1~5のいずれか1項記載のポジ型レジスト材料。
  7. 更に、有機溶剤を含む請求項1~6のいずれか1項記載のポジ型レジスト材料。
  8. 更に、クエンチャーを含む請求項1~7のいずれか1項記載のポジ型レジスト材料。
  9. 更に、界面活性剤を含む請求項1~8のいずれか1項記載のポジ型レジスト材料。
  10. 請求項1~9のいずれか1項記載のポジ型レジスト材料を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、前記露光したレジスト膜を、現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法。
  11. 前記高エネルギー線が、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線又は波長3~15nmの極端紫外線である請求項10記載のパターン形成方法。
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