JP2023074561A - リコータ装置及び積層造形装置 - Google Patents

リコータ装置及び積層造形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】造形物の品質の低下を抑制する。【解決手段】リコータ装置20は、テーブル5の主面5a上に配置される粉末床Aの表面2aを敷き均すリコータ装置20であって、表面2a上に配置されるリコータ21と、リコータ21を保持し、主面5aに沿ったX方向において表面2aに対しリコータ21を相対的に移動させるリコータ装置部51と、を備え、リコータ21は、主面5aに沿い且つX方向と交差するY方向に延在する先端面32を含み、主面5a上に形成される造形物3から反力を受けて弾性変形する材料により構成された芯材31と、少なくとも先端面32を覆い且つ表面2aと対面するように配置され、芯材31よりも硬い材料により構成された金属板41と、を有する。【選択図】図3

Description

本開示は、リコータ装置及び積層造形装置に関する。
従来、材料である粉末を固化させて造形物を製造する積層造形装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。このような積層造形装置は、例えば、粉末を含む粉末床を支持するテーブルと、テーブル上の粉末床にエネルギビームを照射する照射装置と、粉末床の表面を均すリコータ装置と、を備える。リコータ装置は、粉末床の表面に当接する当接面を含むリコータと、粉末床の表面上においてリコータを水平方向に移動させるリコータ移動機構と、を有する。リコータとしては、例えば、金属製のリコータ、或いは、ゴム又はシリコーンなどの軟質のリコータが用いられ得る。
特開2019-127651号公報 特開2018-122479号公報
しかしながら、金属製のリコータが用いられる場合、粉末床の表面をリコータが移動する際に、リコータからの押圧力によって造形物が変形しやすい。一方、ゴム又はシリコーンなどの軟質のリコータが用いられる場合、リコータの表面には、造形物に押し当てられる際に傷が発生し易く、更に、エネルギビームの照射の際に生じるスパッタが付着し易い。このような傷の形成又はスパッタの付着に起因してリコータの表面形状が変形すると、リコータの塗布動作を行う際に、造形物にもリコータの表面に対応した形状が反映され得る。従って、上述したようなリコータでは、造形物が意図しない形状に形成されることがあるので、造形物の品質が低下する懸念がある。
本開示は、造形物の品質の低下を抑制できるリコータ装置及び積層造形装置を説明する。
本開示の一形態に係るリコータ装置は、主面に沿った第1方向において表面に対しリコータを相対的に移動させるホルダと、を備え、リコータは、主面に沿い且つ第1方向と交差する第2方向に延在する先端面を含み、主面上に形成される造形物から反力を受けて弾性変形する材料により構成された芯材と、少なくとも先端面を覆い且つ表面と対面するように配置され、芯材よりも硬い材料により構成されたカバー層と、を有する。
上記のリコータ装置では、リコータの芯材が造形物から反力を受けて弾性変形する弾性材料に構成されている。そのため、リコータは、粉末床の表面上を移動中に造形物に当接したときに、造形物を変形させることなく乗り越えることができる。更に、芯材の先端面は芯材よりも硬いカバー層によって覆われている。このような硬いカバー層には、傷の形成及びスパッタの付着などに起因する表面形状の変形が起こり難い。そこで、粉末床の表面と対面する位置にカバー層を配置することで、粉末床の表面に当接するリコータの当接面(すなわち、カバー層の外面)の形状が、傷の形成又はスパッタの付着に起因して変形する事態を抑制できる。これにより、リコータの塗布動作を行う際に、リコータの表面形状に対応した形状が造形物に反映される事態を抑制できる。従って、上記のリコータ装置によれば、造形物が意図しない形状に形成される事態を抑制できるので、造形物の品質の低下を抑制できる。
いくつかの態様において、カバー層は、金属材料により構成された金属板であってもよい。金属板は、比較的高い硬さを有すると共に耐熱性を有する。そのため、高温状態のスパッタが金属板に押し当てられた際に、スパッタが金属板に埋め込まれて付着してしまう事態を抑制できる。従って、上記の構成では、傷の形成及びスパッタの付着などに起因する表面形状の変形がカバー層に生じる事態をより確実に抑制できる。
いくつかの態様において、カバー層は、造形物から反力を受けて変形可能な剛性を有してもよい。この場合、カバー層は、造形物から反力を受けたときに芯材と共に変形できるため、カバー層が変形しない場合と比べて、リコータから造形物に付与される押圧力を低減できる。これにより、リコータの移動に伴って造形物に変形が生じる事態をより確実に抑制できる。更に、カバー層は、芯材の弾性変形に伴って元の形状に復帰することも可能であるため、リコータによる塗布動作を安定して行うことができる。
いくつかの態様において、リコータは、第1方向に並ぶ一対の側面を更に有し、カバー層は、先端面を覆う先端面カバー部と、先端面から延びて一対の側面を覆う一対の側面カバー部と、を有してもよい。この場合、芯材の形状に沿ってカバー層を巻き付けて固定する簡単な作業によって、カバー層を芯材に容易に取り付けることが可能となる。
いくつかの態様において、カバー層には、第2方向に間隔を空けて並んで配置され且つ先端面カバー部から一対の側面カバー部にわたって延在する複数のスリットが形成されていてもよい。この場合、カバー層における複数のスリットの間の部分はそれぞれ、独立して変形可能となる。そのため、リコータが造形物から第1方向に反力を受けたときに、カバー層の当該反力を受けた部分のみを第1方向に変形させることができる。この場合、カバー層の全体が第1方向に変形する場合と比べて、リコータから造形物に付与される押圧力をより効果的に低減できるので、リコータの移動に伴って造形物に変形が生じる事態をより確実に抑制できる。
いくつかの態様において、カバー層は、芯材に対して取り外し可能に取り付けられていてもよい。この場合、仮にカバー層に傷などが生じた場合であっても、リコータごと交換する必要はなくカバー層のみを交換すれば済むので、保守性を向上させることができる。
いくつかの態様において、カバー層は、先端面とは反対側を向く外面を有し、外面は、第2方向から見て、表面に向かって膨らむように湾曲していてもよい。この場合、リコータが粉末床の表面上を移動する際に、造形物に対してリコータが引っ掛かる事態を抑制できる。その結果、リコータの移動に伴って造形物に変形が生じる事態をより確実に抑制できる。
本開示の一形態に係る積層造形装置は、チャンバと、チャンバ内に配置され、粉末を含む粉末床を支持するテーブルと、テーブル上の粉末にエネルギビームを照射する照射装置と、チャンバ内に配置され、粉末床の表面を均す、上述したいずれかのリコータ装置と、を備える。
上記の積層造形装置は、上述したいずれかのリコータ装置を備える。従って、上記の積層造形装置によれば、造形物が意図しない形状に形成される事態を抑制できるので、造形物の品質の低下を抑制できる。
本開示のいくつかの態様によれば、造形物の品質の低下を抑制できるリコータ装置及び積層造形装置が提供される。
図1は、一実施形態に係る積層造形装置を示す断面図である。 図2は、図1の積層造形装置が備えるリコータ装置を示す斜視図である。 図3は、リコータ装置を示す側面図である。 図4は、リコータ装置を示す断面図である。 図5は、リコータ装置が備えるリコータを示す分解斜視図である。 図6(a)は、リコータの金属板を示す斜視図である。図6(b)は、図6(a)の金属板を展開した平面図である。 図7は、図6(b)のP部を拡大した平面図である。 図8(a)は、リコータが造形物の突出部分を乗り越える様子を示す断面図である。図8(b)は、リコータが造形物の突出部分を乗り越えた後の断面図である。 図9(a)は、比較例1に係るリコータ装置を示す側面図である。図9(b)は、比較例2に係るリコータ装置を示す側面図である。 図10(a)は、比較例3に係るリコータ装置を示す側面図である。図10(b)は、比較例4に係るリコータ装置を示す側面図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示す積層造形装置は、いわゆる3D(三次元)プリンタである。以下の説明では、積層造形装置を単に、「造形装置1」と称する。造形装置1は、層状に配置した粉末2に部分的にエネルギを付与して、粉末2を焼結又は溶融する。造形装置1は、粉末2の焼結又は溶融を繰り返して三次元の造形物3を製造する。
造形物3は、例えば機械部品などである。造形物3は、その他の構造物であってもよい。粉末2の材料は、例えば、金属である。粉末2は、例えば、チタン系金属粉末、インコネル(登録商標)粉末、アルミニウム粉末、又はステンレス粉末などの金属粉末であってよい。粉末2の材料は、金属に限られず、セラミック又は樹脂などの他の材料であってもよい。粉末2は、例えばCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)など、炭素繊維と樹脂を含んでもよいし、その他の材料を含んでもよい。例えば、粉末2は、導電性を有する導電体材料を含んでもよい。
造形装置1は、真空チャンバ4(チャンバ)と、テーブル5と、昇降装置6と、粉末供給装置7と、照射装置8と、造形タンク10と、コントローラ18と、を備える。真空チャンバ4は、内部を真空(低圧)状態とすることが可能な容器である。真空チャンバ4には、真空ポンプが接続される。真空チャンバ4は、テーブル5と、昇降装置6と、粉末供給装置7と、造形タンク10と、を収容する。テーブル5は、真空チャンバ4内において、造形タンク10内に配置される。テーブル5は、例えば板状を呈している。平面視において、テーブル5の形状は、例えば円形である。テーブル5の形状は、円形に限定されず、矩形などの他の形状であってもよい。
テーブル5上には基板15が配置される。基板15上には、造形物3の材料である粉末2が配置される。従って、テーブル5は、基板15を介して粉末2及び造形物3を支持する。基板15上の粉末2は、例えば層状に複数回に分けて配置される。テーブル5は、造形タンク10内において、Z方向に移動可能である。そして、テーブル5は、粉末2の層数に応じて順次降下する。造形タンク10の側壁10aは、テーブル5の移動を案内する。側壁10aの形状は、テーブル5の外形に対応する。例えば、テーブル5が円板であるとき、側壁10aが囲む領域の形状は、円筒形である。造形タンク10の側壁10a及びテーブル5は、粉末2及び造形物3を収容する収容部を形成する。テーブル5は、造形タンク10の底部を構成してもよい。
昇降装置6は、テーブル5を昇降させる。昇降装置6がテーブル5を昇降させることにより、テーブル5上の基板15、基板15上の粉末2及び造形物3は、昇降する。昇降装置6は、例えばラックアンドピニオン方式の駆動機構を含む。これらの機構により、昇降装置6は、テーブル5をZ方向に移動させる。Z方向は、テーブルに対して垂直な方向としてよく、例えば鉛直方向に沿った方向としてよい。以下の説明において、Z方向が鉛直方向に沿った状態を基準として、「上」及び「下」との語が用いられる。「下」との語は、鉛直方向の下側を示し、「上」との語は、鉛直方向の上側を示す。
昇降装置6は、上下方向部材6a(ラック)と、駆動源6bと、を含む。上下方向部材6aは、テーブル5の裏面に連結されて下方に延びる棒状の部材である。駆動源6bは、上下方向部材6aを駆動する。駆動源6bとしては、例えば電動モータを用いられる。電動モータの出力軸にはピニオンが設けられる。そして、上下方向部材6aの側面にはピニオンと噛み合う歯形が設けられる。電動モータが駆動されると、ピニオンが回転する。このピニオンの回転によって動力が伝達される。その結果、上下方向部材6aが上下方向に移動する。電動モータの回転を停止すると、上下方向部材6aが位置決めされる。その結果、テーブル5のZ方向の位置が決まるので、テーブル5の位置が保持される。昇降装置6は、ラックアンドピニオン方式の駆動機構に限定されない。例えば、昇降装置6は、ボールねじ、シリンダなど、その他の駆動機構を備えてもよい。
粉末供給装置7は、一対の原料タンク11を含む。一対の原料タンク11は、原料である粉末2を貯留する貯留部である。一対の原料タンク11は、真空チャンバ4内においてテーブル5よりも上方の位置に配置されている。一対の原料タンク11は、例えば、Z方向と交差するX方向(第1方向)において、照射装置8による電子線の照射領域Dを挟んで両側に配置されている。各原料タンク11の底部には、吐出口が設けられている。各原料タンク11の吐出口は、例えばY方向(第2方向)に連続している。Y方向は、X方向及びZ方向に交差する方向である。X方向及びY方向は、テーブル5の主面5aに沿った方向としてよく、例えば、水平方向に沿った方向としてよい。各原料タンク11の下方には、造形タンク10の側壁10aの上端部から側方に延びる張出板12が設けられている。張出板12は、テーブル5の周囲において、X方向及びY方向に沿った平面を形成している。
粉末供給装置7は、粉末2を均す粉末塗布機構であるリコータ装置20を含む。リコータ装置20は、テーブル5及び張出板12の上方に配置され、X方向に移動可能である。リコータ装置20は、X方向への移動によって、張出板12上に堆積する粉末2をテーブル5上に掻き寄せる。更に、リコータ装置20は、X方向への移動によって、テーブル5上の粉末2の積層物の最上層の表面2a(上面)を均す。以下、「粉末2の積層物」を粉末床Aという。リコータ装置20は、粉末床Aの表面2aに当接しながらX方向に移動することにより、表面2aの高さを均一にする。リコータ装置20は、例えばラックアンドピニオン方式の駆動機構を含んでもよい。リコータ装置20は、駆動機構として、ガイドレール、無端ベルト、ボールねじ、電動モータ、又はシリンダ等を含んでもよい。
照射装置8は、例えば、エネルギビームとしての電子ビーム(電子線)を照射する電子銃を含む電子線照射装置である。図1では、出射された電子ビームが通過する照射領域Dが2点鎖線で示されている。電子銃から出射された電子ビームは、真空チャンバ4内に照射される。電子ビームは、粉末2を加熱する。つまり、照射装置8は、粉末2にエネルギを付与する。その結果、粉末2が加熱されるので、溶融又は焼結する。照射装置8は、粉末床Aの粉末2を固める粉末固化部である。また、照射装置8は、粉末床Aにエネルギを付与するエネルギ付与部であるともいえる。
照射装置8は、電子ビームの照射を制御するコイル装置を含んでもよい。コイル装置は、例えば収差コイル、フォーカスコイル、及び偏向コイルを備える。収差コイルは、電子銃から出射される電子ビームの周囲に設置され、電子ビームを収束させる。フォーカスコイルは、電子銃から出射される電子ビームの周囲に設置され、電子ビームのフォーカス位置のずれを補正する。偏向コイルは、電子銃から出射される電子ビームの周囲に設置され、電子ビームの照射位置を調整する。偏向コイルは、電磁的なビーム偏向を行う。電磁的なビーム偏向によれば、電子ビームの照射時における走査速度が機械的なビーム偏向よりも高速になる。電子銃及びコイル部は、真空チャンバ4の上部に配置されている。電子銃から出射された電子ビームは、コイル部によって、収束され、焦点位置が補正され、走査速度が制御され、粉末2の照射位置に到達する。
コントローラ18は、造形装置1の装置全体の動作を制御する制御部である。コントローラ18は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等のハードウェアと、ROMに記憶されたプログラム等のソフトウェアと、を含むコンピュータである。コントローラ18は、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを含む。コントローラ18は、演算部及びメモリを含む。コントローラ18は、照射装置8、粉末供給装置7及び昇降装置6と電気的に接続されている。コントローラ18は、各種指令信号を生成できる。メモリは、各種制御に必要なデータを保存できる。
コントローラ18は、照射装置8に指令信号を送信して、電子ビームの照射時期、照射位置等の制御(照射制御)を行う。コントローラ18は、粉末2を溶融させる際の電子ビームの照射制御を行う。コントローラ18は、粉末供給装置7に指令信号を送信して、粉末2の供給時期及び供給量を制御することができる。コントローラ18は、リコータ装置20に指令信号を送信して、リコータ21の動作時期等の制御を行ってもよい。
続いて、リコータ装置20の構成についてより詳細に説明する。図2及び図3に示すように、リコータ装置20は、リコータ21と、リコータ移動機構22と、を備える。リコータ21は、Y方向に延びる板状を呈している。リコータ移動機構22は、リコータ21に対してX方向に隣接する位置に配置され、リコータ21を保持する。リコータ移動機構22は、リコータ21と同様、Y方向に延びている。リコータ移動機構22のY方向の長さは、例えば、リコータ21のY方向の長さよりも長い。リコータ21のY方向の長さは、例えば、テーブル5(図1参照)のY方向の全長に相当する。リコータ移動機構22は、リコータ21を保持しながら、粉末床Aの表面2aに対してX方向に相対移動する。
リコータ21は、芯材31と、芯材31を覆う金属板41(カバー層)と、を有する。芯材31は、Y方向を長手方向とし、Z方向を短手方向とする板状の部材である。リコータ21のX方向の板厚は、例えば10mm程度である。図3に示すように、リコータ21は、粉末床Aの表面2aに対して立設するように配置される。芯材31は、ゴム又はシリコーンなどの耐熱性及び弾性を有する材料により構成されている。このような柔軟性のある材料によって構成される芯材31は、金属粉末が固化した造形物3よりも低いヤング率を有する。そのため、芯材31は、X方向への移動中に造形物3に押し当てられたときに、造形物3からの反力を受けて容易に変形する。このように芯材31が変形することにより、リコータ21から造形物3に付与される押圧力が低減される。
図3及び図4に示すように、芯材31は、先端面32と、先端面32に対して交差する方向に延びる一対の側面33,34と、を有する。先端面32は、Z方向における芯材31の下端に位置する下面であり、Y方向に沿って連続的に延びている。先端面32は、リコータ21が粉末床Aの表面2a上に配置された状態において、表面2aに対して金属板41を介してZ方向に対面する。先端面32が表面2aに対してZ方向に対面するとは、先端面32の法線と表面2aの法線とが、Z方向成分を含み且つ互いに交差するように配置される状態をいう。
先端面32は、例えば、Y方向から見て、表面2aに向かって下方に膨らむように湾曲した円弧形状を有している。Y方向から見た先端面32の形状は、円弧形状に限られず、例えば楕円形状などの他の形状であってもよい。先端面32は、例えば、XY平面に沿った平面であってもよい。一対の側面33,34は、X方向における芯材31の両端に配置され、先端面32から上方に延びている。一対の側面33,34のそれぞれは、例えば、YZ平面に沿って延在する平面である。側面33は、リコータ移動機構22とX方向に対面する位置に配置されている。側面34は、X方向においてリコータ移動機構22とは反対側の位置に配置されている。
金属板41は、例えば、ステンレス、鉄、又はアルミニウムなどの金属材料により構成された薄板である。従って、金属板41は、芯材31の硬さよりも高い硬さを有する。例えば、金属板41は、固化した造形物3の硬さよりも高い硬さを有してもよい。金属板41の硬さが高いほど、金属板41の表面形状の変形が起こり難くなり、傷などに対する耐性が高まる。「硬さ」は、材料の表面が押し付けられたときに生じる抵抗力の大きさによって表され、公知の種々の硬さ試験(例えば、ビッカース硬さ試験など)により測定可能である。このような硬さ試験により得られる測定値又はその換算値を用いて、金属板41の硬さを把握することができる。
一方で、金属板41は、或る程度の柔軟性を有する。具体的には、金属板41は、リコータ21の移動中に造形物3から受ける反力によって変形可能な剛性を有する。従って、金属板41は、造形物3からX方向に反力を受けると、当該反力によってX方向に変形する。このような剛性を金属板41が有していることによって、金属板41は、造形物3からの反力を受けて、芯材31と共にX方向に曲げられる。その結果、リコータ21から造形物3への押圧力が低減され、リコータ21は、造形物3を変形させることなく乗り越えることが可能となる。更に、金属板41が柔軟性を有することで、芯材31への金属板41の組み立て性が向上する。本実施形態では、硬さ及び柔軟性を兼ね備える金属板41の材料として、ステンレスが採用されている。また、本実施形態では、柔軟性を考慮し、金属板41の板厚は十分に薄く設定されている。金属板41の板厚は、芯材31の板厚よりも十分に小さく、例えば0.05mm以上0.1mm以下の範囲に設定されている。
金属板41は、少なくとも芯材31の先端面32を覆うように配置される。本実施形態では、金属板41は、先端面32から一対の側面33,34にわたって覆うように配置される。その結果、金属板41は、X方向から見てU字状に曲げられた形状を有する。金属板41は、先端面32を覆う先端面カバー部42と、一対の側面33,34を覆う一対の側面カバー部43,44と、を有する。先端面カバー部42は、粉末床Aの表面2a側を向く外面42aと、芯材31の先端面32側を向く内面42bと、を含む。外面42a及び内面42bは、X方向から見ると、先端面32の形状に倣って、下方に膨らむように湾曲する円弧状を有している。
先端面カバー部42の内面42bは、先端面32に対して隙間なく接触していてもよいし、先端面32に対して隙間を空けて配置されてもよい。先端面カバー部42の外面42aは、粉末床Aの表面2aとZ方向に対面する。外面42aが表面2aに対してZ方向に対面するとは、外面42aの法線と表面2aの法線とが、Z方向成分を含み且つ互いに交差するように配置される状態をいう。具体的には、外面42aは、リコータ21が粉末床Aの表面2a上に配置された状態において、表面2aに対してZ方向に当接する。外面42aが表面2aに当接しながら表面2a上をリコータ21が移動することによって、表面2aが平坦に均される。外面42aは、表面2aに対するリコータ21の当接面S1として構成される。
側面カバー部43は、先端面カバー部42から延在して芯材31の側面33を覆うように配置されている。側面カバー部43は、例えば、側面33の全面を覆っている。側面カバー部43は、例えば、芯材31の側面33及びリコータ移動機構22に対して隙間なく接触している。側面カバー部43は、芯材31の側面33とリコータ移動機構22との間に挟まれている。側面カバー部44は、先端面カバー部42から延在して芯材31の側面34を覆うように配置されている。本実施形態では、側面カバー部44は、例えば、側面34の上端部を除く部分を覆っているが、側面34の全面を覆っていてもよい。側面カバー部44は、例えば、芯材31の側面34に対して隙間なく接触している。
図2~図4に示すように、リコータ移動機構22は、リコータ21を保持するリコータ装置部51(ホルダ)を有する。リコータ装置部51は、Y方向に延びる矩形板状の基部52と、基部52の下端から下方に延びる一対の壁部53,54と、を含む。基部52は、Z方向における基部52の下端に位置する下面52aと、下面52aから上方に延びる一対の側面52b,52cと、を含む。図4に示すように、下面52aは、粉末床Aの表面2aとZ方向に対面する平面であり、先端面カバー部42よりも上方に位置している。下面52aは、例えば、リコータ21のZ方向の中央、或いは当該中央よりも上方に位置している。一対の側面52b,52cは、下面52aに対して垂直な平面であり、X方向における基部52の両端に位置している。従って、一対の側面52b,52cは、X方向に並んでいる。側面52bは、側面カバー部43とX方向に対面する位置に配置されている。側面52cは、X方向においてリコータ21とは反対側の位置に配置されている。
一対の壁部53,54は、下面52aのY方向の両端から下方に突出している。一対の壁部53,54は、例えば、XZ平面に沿った矩形板状を呈している。一対の壁部53,54は、Y方向においてリコータ21よりも外側に位置している。従って、一対の壁部53,54のY方向の間隔は、リコータ21のY方向の幅よりも広い。また、上述したように、基部52の下面52aは、リコータ21のZ方向の中央、或いは当該中央よりも上方に位置している。そのため、リコータ21は、造形物3からX方向に反力を受けたときに、リコータ装置部51に干渉することなく、X方向に変形することが可能である。つまり、一対の壁部53,54と基部52の下面52aとによって囲まれる空間V(図4参照)において、リコータ21のX方向への変形が許容されている。
リコータ21は、例えば、リコータ装置部51に対して締結部材70(図2参照)により取り外し可能に取り付けられる。締結部材70は、例えば、2本の固定ボルト71と、1枚の固定プレート72と、を含む。2本の固定ボルト71は、Y方向に間隔を空けて離れた位置において、リコータ装置部51の基部52とリコータ21とにX方向に挿通される。基部52には、2本の固定ボルト71がそれぞれ挿通される2本の挿通孔55(図4参照)が形成されている。図4及び図5に示すように、リコータ21の芯材31にも、2本の固定ボルト71がそれぞれ挿通される2本の挿通孔35が形成されている。
図5に示すように、リコータ21の金属板41には、4つの挿通孔45が形成されている。このうちの2つの挿通孔45には一方の固定ボルト71が挿通され、他の2つの挿通孔45には他方の固定ボルト71が挿通される。図3及び図4に示すように、各固定ボルト71の頭71aは、基部52の側面52c上に配置され、各固定ボルト71の先端部(ネジ先)は、リコータ21の側面カバー部44からX方向に突出する。側面カバー部44から突出した各固定ボルト71の先端部には、固定プレート72が螺合されている。これにより、リコータ装置部51と金属板41と芯材31とが互いに固定されている。
リコータ21をリコータ装置部51に取り付ける際には、まず、図5に示すように、金属板41をU字状に折り曲げ、金属板41を芯材31に巻き付けるように装着する。その後、図3及び図4に示すように、リコータ装置部51の基部52から芯材31及び金属板41に2本の固定ボルト71を挿通させる。そして、金属板41から突出する各固定ボルト71の先端部を固定プレート72に螺合させることによって、各固定ボルト71の頭71aと固定プレート72とで基部52、芯材31、及び金属板41をX方向に挟み込む。これにより、リコータ装置部51、芯材31、及び金属板41が互いに固定された状態となる。また、各固定ボルト71の締結を緩めることにより、リコータ装置部51、芯材31、及び金属板41を互いに取り外すことができる。このように、リコータ装置部51、芯材31、及び金属板41を互いに取り外し可能に取り付けられている。
図6(a)及び図6(b)に示されるように、金属板41には、複数のスリット47が形成されている。図6(a)は、金属板41がU字状に折り曲げられた状態を示しており、図6(b)は、金属板41が平面状に展開された状態を示している。図6(b)に示すように、展開した状態の金属板41は、方向D1を長手方向とし、方向D2を短手方向とする矩形状を有する。方向D1は、Y方向に一致する。方向D2は、X方向又はZ方向を含む方向としてよい。各スリット47は、金属板41の方向D2の中央部に形成されている。各スリット47は、方向D2に沿って直線状に延びており、方向D1に沿って等間隔に並んでいる。各スリット47は、例えば、互いに同一の寸法及び形状を有する。
図7は、図6(b)のP部を拡大して示している。図7に示すように、各スリット47は、先端面カバー部42から一対の側面カバー部43,44にわたって連続的に形成されている。各スリット47は、側面カバー部43から先端面カバー部42を通って側面カバー部44に至る位置まで、方向D2に沿って直線状に延在している。各スリット47の方向D1の幅は、金属板41の面積を確保する観点から、極力小さく設定される。各スリット47の方向D1の幅は、各スリット47の方向D1の配列ピッチよりも小さい。各スリット47の方向D1の配列ピッチは、例えば、1mm程度である。
金属板41は、複数のスリット47の形成によって方向D1に分割された複数の分割部分P1を有する。各スリット47の形成位置において、各分割部分P1は、方向D1に互いに分離されているため、外力を受けて互いに独立して変形可能である。従って、或る分割部分P1が外力を受けて変形するとき、当該外力を受けていない他の分割部分P1は、変形しないか、或いは、当該或る分割部分P1よりも小さく変形する。図2に示すように、リコータ21がリコータ装置部51に保持された状態において、各スリット47及び各分割部分P1は、リコータ装置部51の下面52aよりも下方に位置している。そのため、複数の分割部分P1のいずれかの分割部分P1が造形物3からX方向に反力を受けると、反力を受けた分割部分P1が下面52aの下の空間V(図4参照)においてX方向に曲げられて変形する。なお、本実施形態では、各スリット47が、方向D1に幅を有する隙間として構成されているが、方向D1に幅を有しない切れ込みとして構成されてもよい。この場合、各分割部分P1は、方向D1に互いに接触する。
上述したリコータ装置20では、リコータ移動機構22に保持されたリコータ21が粉末床A上をX方向に沿って水平に移動する。リコータ21の移動に伴い、リコータ21の当接面S1は、粉末床Aの表面2aに当接しながら表面2a上を移動する。これによって、粉末床Aの表面2aは、平坦に均らされる。照射装置8は、造形物3の一層分の形状に対応して粉末2に電子ビームを照射する。電子ビームが照射された粉末2が溶融又は焼結することによって、造形物3の一層分の形状が形成される。その後、再びリコータ21が粉末床Aの表面2a上を水平に移動することによって、形成された造形物3の上に新たに一層分の粉末2が配置される。この動作が繰り返されることによって、最終的な造形物3が得られる。
図8(a)に示すように、リコータ21は、粉末床Aの表面2a上をX方向に移動する際、造形物3の突出部分P3からX方向に反力を受けることがある。突出部分P3は、例えば、造形物3の一層分の形状のうち、他の部分よりも厚みの厚い部分としてよい。本実施形態では、リコータ21の芯材31は、ゴム又はシリコーンなどの柔軟性のある材料によって構成されている。そのため、リコータ21は、突出部分P3からの反力を受けて容易に変形する。更に、芯材31を覆う金属板41は、突出部分P3からの反力を受けて変形可能な剛性を有し、複数のスリット47によって分割された複数の分割部分P1を含む。
従って、突出部分P3からの反力が金属板41の複数の分割部分P1に付与されると、反力が付与された1つ以上の分割部分P1が芯材31と共にX方向に曲げられる。一方、反力が付与されない他の分割部分P1は、変形しないか、或いは反力が付与された分割部分P1よりも小さく変形する。その結果、リコータ21は、造形物3の突出部分P3から反力を受けると、反力を受けた箇所においてX方向に曲げられながら突出部分P3を乗り越える。その後、図8(b)に示すように、リコータ21は、突出部分P3を乗り越えた後、元の形状に復帰する。つまり、芯材31が弾性復帰し、この芯材31の復帰動作に応じて金属板41も元の形状に復帰する。
続いて、本実施形態に係るリコータ装置20及び造形装置1によって奏される作用効果について、比較例が有する課題と共に説明する。
図9(a)は、比較例1に係るリコータ装置120を示している。リコータ装置120は、金属製のリコータ121を備える点で、本実施形態に係るリコータ装置20とは相違する。リコータ121は、その全体が金属によって構成され、高い剛性を有する。そのため、リコータ移動機構122に保持されたリコータ121が粉末床A上をX方向に移動する際に、造形物3がリコータ121に押し当てられると、造形物3にリコータ121から大きな押圧力が付与される。その結果、造形物3は、リコータ121の移動に伴って大きく変形することがある。従って、リコータ装置120では、造形物3が意図しない形状に変形してしまうことがあるので、造形物3の品質が低下するおそれがある。
図9(b)は、比較例2に係るリコータ装置220を示している。リコータ装置220は、シリコーン製のブレード221aを有するリコータ221を備える点で、本実施形態に係るリコータ装置20とは相違する。ブレード221aは、柔軟性を有するため、リコータ221が粉末床Aの表面2a上をX方向に移動する際に造形物3から反力を受けると、ブレード221aはX方向に容易に変形する。このようにブレード221aが変形する場合、ブレード221aから造形物3に付与される押圧力が低減されるので、リコータ221の移動に伴って造形物3が大きく変形する事態が抑制される。
しかしながら、このような軟質の材料によってブレード221aが構成される場合、造形物3にブレード221aが押し当てられたときに、ブレード221aの表面に傷がつきやすい。更に、このような材料では、ブレード221aの表面に、粉末2への電子ビームの照射の際に生じるスパッタが付着しやすい。スパッタは、造形物3として溶け切らずに飛散した径の大きい粉末2の塊である。このような金属の塊であるスパッタがブレード221aに押し当てられると、スパッタはブレード221aの表面に埋め込まれやすい。このような傷の形成又はスパッタの付着が、粉末床Aの表面2aに対するブレード221aの当接面S221(すなわち、粉末床Aの表面2aに接触するブレード221aの表面)に生じると、当接面S221に凹凸が形成され、造形物3にも当接面S221に対応した形状が反映され得る。
例えば、造形物3への接触に伴ってブレード221aの当接面S221に傷がつくと、当接面S221に溝が形成され、造形物3にはその溝に対応した突起が形成され得る。また、ブレード221aの当接面S221にスパッタが付着すると、当接面S221に突起が形成され、造形物3には突起に対応した溝が形成され得る。その結果、造形物3が意図しない形状に形成されてしまうことがある。従って、リコータ装置220では、造形物3の品質が低下するおそれがある。なお、スパッタは、造形物3の一層分の形状を形成する際に、当該一層分の形状の上に残存することがある。この状態で、造形物3の次の一層分の粉末2が供給されてリコータ221がその粉末2上を移動する際に、残存していたスパッタがブレード221aの当接面S221に付着することがある。或いは、粉末2への電子ビームの照射の際に飛散したスパッタがブレード221aの当接面S221に直接付着することもある。
図10(a)は、比較例3に係るリコータ装置320を示している。リコータ装置320は、ゴム製のチューブ321aを有するリコータ321を備える点で、本実施形態に係るリコータ装置20とは相違する。チューブ321aも、ブレード221aと同様、柔軟性を有するため、チューブ321aの当接面S321に傷の形成又はスパッタの付着が生じやすい。従って、リコータ装置320においても、造形物3が意図しない形状に形成されてしまうことがあるので、造形物3の品質が低下するおそれがある。図10(b)は、比較例4に係るリコータ装置420を示している。リコータ装置420は、ブラシリコータ421を備える点で、本実施形態に係るリコータ装置20とは相違する。しかしながら、ブラシリコータ421では、粉末床A上を移動する際に、意図しない粉末2の飛散が生じやすい。従って、リコータ装置420では、粉末床Aの表面2aの平面度にばらつきが生じやすく、造形物3の品質が低下し易い。
本実施形態に係るリコータ装置20では、リコータ21の芯材31が、例えばX方向に作用する力を受けて弾性変形する弾性材料に構成されている。そのため、リコータ21は、粉末床Aの表面2a上を移動中に造形物3の突出部分P3に当接するとき、突出部分P3からX方向に反力を受けて弾性変形することで、造形物3を変形させることなく乗り越えることができる。更に、芯材31の先端面32は、硬い金属板41によって覆われている。このような硬い金属板41には、傷の形成及びスパッタの付着などに起因する表面形状の変形が起こり難い。そこで、粉末床Aの表面2aと対面する位置に金属板41が配置されることで、表面2aに当接するリコータ21の当接面S1(すなわち、金属板41の外面42a)の形状が、傷の形成又はスパッタの付着に起因して凹凸形状に変形する事態を抑制できる。これにより、リコータ21の塗布動作を行う際に、リコータ21の表面形状に対応した形状が造形物3に反映される事態を抑制できる。従って、本実施形態に係るリコータ装置20によれば、造形物3が意図しない形状に形成される事態を抑制できるので、造形物3の品質の低下を抑制できる。
本実施形態では、金属板41が、リコータ21の芯材31を覆っている。金属板41は、比較的高い硬さを有すると共に耐熱性を有する。そのため、高温状態のスパッタが金属板41に押し当てられた際に、スパッタが金属板41に埋め込まれて付着してしまう事態を抑制できる。
本実施形態では、金属板41は、造形物3の突出部分P3から例えばX方向に反力を受けて変形可能な剛性を有している。この場合、金属板41は、造形物3の突出部分P3から反力を受けたときに芯材31と共にX方向に変形できるため、金属板41が変形しない場合と比べて、リコータ21から造形物3に付与される押圧力を低減できる。これにより、リコータ21の移動に伴って造形物3に変形が生じる事態をより確実に抑制できる。更に、金属板41は、芯材31の弾性変形に伴って元の形状に復帰することも可能であるため、リコータ21による塗布動作を安定して行うことができる。
本実施形態では、金属板41は、先端面32を覆う先端面カバー部42と、先端面32から延びて一対の側面を覆う一対の側面カバー部43,44と、を有している。この場合、芯材31の形状に沿って金属板41を巻き付けて固定する簡単な作業によって、金属板41を芯材31に容易に取り付けることが可能となる。
本実施形態では、金属板41には、Y方向に間隔を空けて並び且つ先端面カバー部42から一対の側面カバー部43,44にわたって延在する複数のスリット47が形成されている。この場合、各スリット47の間の各分割部分P1はそれぞれ、独立して変形可能となる。そのため、リコータ21が造形物3の突出部分P3からX方向に反力を受けたときに、当該反力を受けた分割部分P1のみをX方向に変形させることができる。この場合、金属板41の全体がX方向に変形する場合と比べて、リコータ21から造形物3に付与される押圧力をより効果的に低減できるので、リコータ21の移動に伴って造形物3に変形が生じる事態をより確実に抑制できる。
本実施形態では、金属板41は、芯材31に対して取り外し可能に取り付けられていている。この場合、仮に金属板41に傷などが生じた場合であっても、リコータ21ごと交換する必要はなく金属板41のみを交換すれば済むので、保守性を向上させることができる。
本実施形態では、金属板41は、先端面32とは反対側を向く外面42aを有し、外面42aは、Y方向から見て、粉末床Aの表面2aに向かって膨らむように湾曲している。この場合、リコータ21が粉末床Aの表面2a上を移動する際に、造形物3に対してリコータ21が引っ掛かる事態を抑制できる。その結果、リコータ21の移動に伴って造形物3に変形が生じる事態をより確実に抑制できる。
本開示は、上述した実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、粉末床の表面上を移動するリコータの移動方向は、X方向に限られず、XY平面内の他の方向であってもよい。上述した実施形態では、静止したテーブル上をリコータが移動して粉末床の表面を敷き均す場合について説明したが、回転移動するテーブル上にリコータが静止して粉末床の表面を敷き均してもよい。この場合、円板状のテーブルの中心を回転中心とする周方向においてリコータが粉末床の表面に対して相対的に移動する。照射装置が粉末に照射するビームは、電子ビームに限定されず、その他のエネルギービーム(例えばレーザ)であってもよい。
上述した実態形態では、粉末が金属粉末である場合について説明したが、粉末の材料がセラミック又は樹脂などの他の材料である場合であっても、ビームの照射の際に、スパッタに相当する粉末の塊がリコータに付着し得るため、上述した実施形態と同様の効果が得られる。上述した実施形態では、リコータの金属板が芯材の先端面から一対の側面にわたって覆う場合について説明したが、金属板は、必ずしも芯材の側面まで覆っていなくてもよい。また、芯材を覆う部材は、金属板である必要は無い。芯材を覆う部材は、芯材よりも硬い材料であれば、金属以外の材料(例えば樹脂等)によって構成される薄板であってもよい。芯材に対する金属板の固定方法は、ネジ締結に限られず、接着などの他の固定方法であってもよい。
1 造形装置(積層造形装置)
2 粉末
2a 表面
4 真空チャンバ(チャンバ)
5 テーブル
8 照射装置
20 リコータ装置
21 リコータ
31 芯材
32 先端面
33,34 側面
41 金属板(カバー層)
42 先端面カバー部
42a 外面
43,44 側面カバー部
47 スリット
51 リコータ装置部(ホルダ)
A 粉末床

Claims (8)

  1. テーブルの主面上に配置される粉末床の表面を敷き均すリコータ装置であって、
    前記表面上に配置されるリコータと、
    前記リコータを保持し、前記主面に沿った第1方向において前記表面に対し前記リコータを相対的に移動させるホルダと、を備え、
    前記リコータは、
    前記主面に沿い且つ前記第1方向と交差する第2方向に延在する先端面を含み、前記主面上に形成される造形物から反力を受けて弾性変形する材料により構成された芯材と、
    少なくとも前記先端面を覆い且つ前記表面と対面するように配置され、前記芯材よりも硬い材料により構成されたカバー層と、を有する、リコータ装置。
  2. 前記カバー層は、金属材料により構成された金属板である、請求項1に記載のリコータ装置。
  3. 前記カバー層は、前記造形物から反力を受けて変形可能な剛性を有する、請求項1又は2に記載のリコータ装置。
  4. 前記リコータは、前記第1方向に並ぶ一対の側面を更に有し、
    前記カバー層は、前記先端面を覆う先端面カバー部と、前記先端面から延びて前記一対の側面を覆う一対の側面カバー部と、を有する、請求項3に記載のリコータ装置。
  5. 前記カバー層には、前記第2方向に間隔を空けて並んで配置され且つ前記先端面カバー部から前記一対の側面カバー部にわたって延在する複数のスリットが形成されている、請求項4に記載のリコータ装置。
  6. 前記カバー層は、前記芯材に対して取り外し可能に取り付けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載のリコータ装置。
  7. 前記カバー層は、前記先端面とは反対側を向く外面を有し、
    前記外面は、前記第2方向から見て、前記表面に向かって膨らむように湾曲している、請求項1~6のいずれか一項に記載のリコータ装置。
  8. チャンバと、
    前記チャンバ内に配置され、粉末を含む粉末床を支持するテーブルと、
    前記テーブル上の前記粉末にエネルギビームを照射する照射装置と、
    前記チャンバ内に配置され、前記粉末床の表面を均す、請求項1~7のいずれか一項に記載のリコータ装置と、を備える、積層造形装置。
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