JP2023074492A

JP2023074492A - ビジブル油粒子を有する水中油型化粧料組成物

Info

Publication number: JP2023074492A
Application number: JP2022182851A
Authority: JP
Inventors: ジョンウンジ; Jeong Woon Chi; ボムジュンキム; Beom Jun Kim
Original assignee: MCTECH CO Ltd
Current assignee: MCTECH CO Ltd
Priority date: 2021-11-17
Filing date: 2022-11-15
Publication date: 2023-05-29
Also published as: CN116135199A; KR102366308B1; US20230149269A1

Abstract

【課題】油相及び水相成分を含めて油粒子を含有することで、審美感を向上させ、界面活性剤及び乳化剤を含まないにもかかわらず、乳化粒子の安定性が維持されて、他のオイルと合一されることを防止すると共に、硬度が低くて、肌に塗布に際して、塗布性と吸水性を含めて、全体的な使用感を極大化することができる水中油型化粧料組成物を提供する。また、界面活性剤及び乳化剤を含まないので、肌への刺激を最小化することができる水中油型化粧料組成物を提供する。【解決手段】本発明は、一般オイル、シリコーンオイル、及びゲル化剤からなる群より選ばれたいずれか１つ以上を有する油相と、カルボマー、ＰＶＡ、及び精製水からなる群より選ばれたいずれか１つ以上を有する水相とを含む水中油型化粧料組成物に関する。【選択図】図１

Description

本発明は、ビジブル油粒子を有する水中油型化粧料組成物に関し、より詳しくは、油相及び水相成分を含めて油粒子を含有することで、界面活性剤及び乳化剤を含まないにもかかわらず、乳化粒子の安定性が維持され、審美感を向上させると共に、肌への塗布に際して、油粒子が軟らかく浸み込むことができる水中油型化粧料組成物に関する。

化粧品は、紫外線及び環境汚染のような外的要因から肌を保護し、老化を遅延させる機能を有する。多くの化粧品は、油相に水相が分散されるか、水相に油相が分散された状態で存在する。この際、安定した分散状態を維持するためには、乳化剤（界面活性剤）の使用が必須的である。

乳化剤は、水に親和しやすい親水性基とオイルに親和しやすい疎水性基とからなる両親媒性構造を有する分子である。乳化剤は、油相と水相の間の界面に位置して、界面張力を下げる役割を果たし、相の境界で油／水の界面膜を形成して、粒子が互いに合一されることを防止する。

乳化剤は、用途、性能、化学構造など、様々な性質によって区分され、一般には、水中で解離する性質によって、イオン性と非イオン性に分けられる。水に溶けた時に解離するイオン性乳化剤は、更に、アニオン乳化剤、カチオン乳化剤、及び両性乳化剤に分けられ、アニオン乳化剤の代表例としては、脂肪酸塩である石鹸があり、カチオン乳化剤の代表例としては、第４級アンモニウム化合物がある。また、水に溶けた時にイオンに解離しない非イオン乳化剤は、親水部分が、グリセロール、ポリグリセロール、ソルビタン、ポリオキシエチレングリコールなどと多様であり、脂肪酸、脂肪アルコールなどの親油部分とエステル結合又はエーテル結合している。

多くの商用化乳化剤が安全性許可を受けて使用されるが、それにもかかわらず、乳化剤は、肌細胞でも界面作用を起こして、リン脂質層を破壊するので、肌刺激を誘発するか、アレルギーを起こすことがある。脂質層が損傷すると、防御膜は弱化し、肌透過性が高くなる。透過性が高くなった防御膜は、容易に水分を失い、鈍くて、乾燥した肌を作ることになる。また、異物の浸透が容易となって、アレルギーのような敏感な肌反応を起こすことになる。

しかし、界面活性剤及び乳化剤を含まない場合、水中油型の油粒子の硬度が低くなって、目的のオイルではなく、他の油粒子と合一する可能性が高くて、油粒子のサイズが大きくなることがある。

そこで、別の界面活性剤及び乳化剤を含まないにもかかわらず、油粒子の安定性が維持されると共に、視覚的な審美感を向上させ、塗布に際して、肌に刺激を最小化すると共に、塗布性と吸水性を含めて、全体的な使用感を極大化することができる水中油型化粧料組成物に対するニーズも存在する実情である。

化粧品分野において、カプセルは、主に、特定成分の腐敗防止のために活用されている。通常、化粧品分野では、カプセル自体を化粧料と組成物を別に加工した後、これを化粧料組成物と混合して製造した化粧品を開発してきたが、既存の方式は、製造が煩わしく、製造コストが高いという問題があり、化粧料を肌に塗布した後、カプセルの残留物が肌に残って、使用者に不快感を感じさせるという問題点があった。これに、別のカプセル製造の工程なく、化粧料内でカプセルが自動的に形成し、且つ、化粧品を長時間保管しても、一定に維持され得る安定したカプセルを含有する化粧料組成物の開発が必要である。

本発明では、水相に油相を分散した形態で、別のカプセル製造の工程なく、油粒子を含有した化粧料組成物を製造し、界面活性剤及び乳化剤を含まないにもかかわらず、乳化粒子の安定性が維持される効果を試験して、本発明を完成した。

韓国公開特許第１０－２０１３－００１２４３４号公報韓国公開特許第１０－２０１９－００６３０５９号公報韓国公開特許第１０－２０２０－００５３８９０号公報

本発明の目的は、油相及び水相成分を含めて油粒子を含有することで、界面活性剤及び乳化剤を含まないにもかかわらず、乳化粒子の安定性が維持され、審美感を向上させると共に、肌への塗布に際して、油粒子が軟らかく浸み込むことができる水中油型化粧料組成物に関する。

しかし、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していない他の課題は、以下の記載から、当業界で通常の知識を有する者にとって、明確に理解されるだろう。

本発明の一実施例によると、一般オイル、シリコーンオイル、及びゲル化剤からなる群より選ばれたいずれか１つ以上を有する油相と、カルボマー、ＰＶＡ(polyvinyl alcohol)、及び精製水からなる群より選ばれたいずれか１つ以上を有する水相とを含む水中油型化粧料組成物が提供される。

前記油相は、前記一般オイル及び前記シリコーンオイル８０乃至９９重量％と、前記ゲル化剤１乃至２０重量％とを含むことができる。

前記水相は、前記カルボマー０.１乃至０.５重量％と、前記ＰＶＡ０.１乃至２重量％と、残部の精製水とを含むことができる。

前記ゲル化剤は、ＤＰＥＨ（dextrin palmitate ethylhexanoate、パルミチン酸エチルヘキサン酸デキストリン）、ＤＭ（dextrin myristate、ミリスチン酸デキストリン）、ポリアクリレート、デキストリン脂肪酸エステル類、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアミド、及びグルタミドからなる群より選ばれたいずれか１つ以上を含むことができる。

前記水中油型化粧料組成物は、界面活性剤及び乳化剤を含まないことを特徴とすることができる。

本発明の水中油型化粧料組成物によると、油相及び水相成分を含めて油粒子を含有することで、審美感を向上させ、界面活性剤及び乳化剤を含まないにもかかわらず、乳化粒子の安定性が維持されて、他のオイルと合一されることを防止すると共に、硬度が低くて、肌への塗布に際して、塗布性と吸水性を含めて、全体的な使用感を極大化することができる。

図１は、本発明の製造に用いられる装置の模式図である。図２は、本発明の実施例１乃至４により形成された剤形の画像を示す図である。図３は、本発明の実施例１乃至４により形成された剤形を、顕微鏡(X40)で特定した画像を示す図である。図４は、本発明の実施例１乃至４により形成された剤形を、顕微鏡(X40)で特定した画像を示す図である。図５は、本発明の実施例１乃至４により形成された剤形を、顕微鏡(X40)で特定した画像を示す図である。図６は、本発明の実施例１乃至４により形成された剤形を、顕微鏡(X40)で特定した画像を示す図である。図７は、本発明の比較例１乃至４により形成された剤形の画像を示す図である。図８は、本発明の比較例１乃至４により形成された剤形を、顕微鏡(X40)で特定した画像を示す図である。図９は、本発明の比較例１乃至４により形成された剤形を、顕微鏡(X40)で特定した画像を示す図である。図１０は、本発明の比較例１乃至４により形成された剤形を、顕微鏡(X40)で特定した画像を示す図である。図１１は、本発明の比較例１乃至４により形成された剤形を、顕微鏡(X40)で特定した画像を示す図である。

以下、より具体的に説明するために、実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、下記の実施例は例示に過ぎず、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。

本発明の一実施例によると、一般オイル、シリコーンオイル、及びゲル化剤からなる群より選ばれたいずれか１つ以上を含む油相と、カルボマー、ＰＶＡ、及び精製水からなる群より選ばれたいずれか１つ以上を含む水相とを含む水中油型化粧料組成物に関する。

本明細書における用語「水中油型」は、水中に油滴が分散しているエマルジョンをいい、ｏ／ｗ型エマルジョンともいい、牛乳、マヨネーズ、バニシングクリームなどが代表例である。また、油分中に水分が微粒子で分散して、乳化の状態にある乳濁液、又は、乳化物を意味する「油中水型」エマルジョンの対応語である。

前記一般オイルは、他の物質の物理的特性を変化させる、他の物質を溶解させる、又は他の物質を懸濁させるために提供されることができる。適切な一般オイルは、ココナッツオイルのような天然オイルと、ミネラルオイル及び水素化ポリイソブテンのような炭化水素と、オクチルドデカノールのような脂肪アルコールと、安息香酸Ｃ１２－Ｃ１５アルキルのようなエステルと、ジノナン酸プロピレングリコールのようなジエステルと、トリオクタン酸グリセリルのようなトリエステルとを含むが、これらに限定されるものではない。

前記一般オイルの構成成分は、異なる粘度のオイルの混合物であってもよい。

低粘度オイルの例としては、イソノナン酸イソトリデシル（isotridecyl isononanoate）、ジヘプタン酸ＰＥＧ－４、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸トリデシル、オクタン酸セチル、パルミチン酸セチル、リシノレイン酸セチル、ステアリン酸セチル、ミリスチン酸セチル、（カプリル酸／カプリン酸）ヤシアルキル、イソステアリン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソヘキシル、パルミチン酸オクチル、マレイン酸ジオクチル、オクタン酸トリデシル、ミリスチン酸ミリスチル、オクチルドデカノール、又はオクチルドデカノールの混合物、アセチル化ラノリンアルコール、酢酸セチル、イソドデカノール、ジイソステアリン酸ポリグリセリル－３、又は、これらの混合物を含む。

高粘度オイルは、ヒマシ油、ラノリン及びラノリン誘導体、クエン酸トリイソセチル、セスキオレイン酸ソルビタン、Ｃ６－１８トリグリセリド、トリ（カプリル／カプリン酸）グリセリル、ココナッツオイル、トウモロコシオイル、綿実油、トリアセチルヒドロキシステアリン酸グリセリル、トリアセチルリシノレイン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、水素化されたヒマシ油、アマニ油（linseed oil）、ミンクオイル、オリーブ油、パーム油、菜種油（rapeseed oil）、大豆油、ひまわり油、獣脂（tallow）、トリカプリン、トリヒドロキシステアリン、トリイソステアリン、トリラウリン、トリリノレイン、トリミリスチン、トリオレイン、トリパルミチン、トリステアリン、くるみ油、小麦胚芽油（wheat germ oil）、コレステロール、又はこれらの混合物を含む。選択的な他の非シリコーン脂肪物質のうち、流動パラフィン又は液化石油ガスのような鉱油（mineral oils）、パーヒドロスクアレン又はアララオイル（arara oil）のような動物油、又は選択的にスウィートアーモンド（sweet almond）オイル、カロフィラム（calophyllum）オイル、パーム油、カスター（castor）オイル、アボカドオイル、ホホバオイル、オリーブオイル、又は穀類胚芽油（cereal germ oil）のような植物性オイルから構成されることができる。また、ラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、又はミリスチン酸のエステル、例えば、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、イソステアリルアルコール、又はオクチルドデカノールのようなアルコール、又は、アルコール又はポリアルコールのアセチルグリセリド、オクタノエート、デカノエート、又はリシノレートが使用可能である。

前記シリコーンオイルは、フェニルトリメチコン(Phenyl trimethione)、ジメチコン（Dimethicone)、シクロメチコン(cyclomethicone)、ポリジメチルシロキサン（polydimethylsiloxane）、及びシリコーンガム（Silicone Gum）からなる群より選ばれたいずれか１つ以上を含むことを特徴とするシリコーンオイル、又はシリコーンオイルの混合物であることができるが、前記水中油型化粧料組成物の経皮吸収及び使用感を向上させる側面から、望ましくはフェニルトリメチコンを使用することができる。

本発明において、前記油相は、前記一般オイル及び前記シリコーンオイルを、７５乃至９９重量％、８０乃至９５重量％含むことができ、前記水中油型化粧料組成物の経皮吸収及びソフトな使用感を向上させる側面から、望ましくは８０乃至９０重量％含む水中油型化粧料組成物であるが、これに限定されるものではない。

前記油相は、前記一般オイルを４０乃至６０重量％、４０乃至５５重量％含むことができ、前記水中油型化粧料組成物の軟らかい油粒子を形成する側面から、望ましくは４０乃至５０重量％含む水中油型化粧料組成物であるが、これに限定されるものではない。

前記油相は、前記シリコーンオイルを３０乃至６０重量％、３０乃至５５重量％を含むことができ、前記水中油型化粧料組成物の経皮吸収及び軟らかな使用感を向上させる側面から、望ましくは３０乃至５０重量％含む水中油型化粧料組成物であるが、これに限定されるものではない。

本発明において、前記油相は、前記ゲル化剤を０.１乃至２５重量％、５乃至２０重量％含むことができ、前記オイルが有する粒子表面の硬度を下げると共に、他のオイル粒子との合一を防止し、シリコーンオイル以外のオイルのみをゲル化する側面から、望ましくは１０乃至２０重量％含む水中油型化粧料組成物であるが、これに限定されるものではない。

前記ゲル化剤は、前記油相粒子の安定性を維持させ、シリコーンオイル以外のオイルのみをゲル化させてオイルの粒子を形成し、使用感及び審美感を向上することができる。但し、前記範囲を外れる場合、油粒子の強度が顕著に低く又は高くなって、肌に塗布する時の使用感及び審美感が低下することがある。

本発明において、前記水相は、前記カルボマーを０.０１乃至０.５重量％、０.１乃至０.５重量％含むことができ、前記水中油型化粧料組成物の安定性を維持させる側面から、望ましくは０.１乃至０.３重量％含む水中油型化粧料組成物であるが、これに限定されるものではない。

前記カルボマーは、アニオン性ポリマーであって、酸性高分子化合物が、主に、アクリル酸に重合されたものであり、開示された水中油型化粧料組成物の粘度を増加させて、安定性を維持する効果があり、前記範囲を外れる場合、化粧料を肌に塗布する時の使用感及び審美感が低下することがある。

本発明において、前記水相は、前記ＰＶＡを０.０１乃至２重量％、０.１乃至２重量％含むことができ、前記水中油型化粧料組成物の乳化力を増加させ、前記水中油型化粧料組成物の製造過程のうち、粒子間の合一を防止する側面から、望ましくは０.１乃至１重量％含む水中油型化粧料組成物であるが、これに限定されるものではない。

前記ＰＶＡは、水に溶解する物質であって、水に分散すると、コロイド性液を形成して、分散安定性に優れる効果がある。本発明で用いられるカルボマー及び水溶性シリコーンと混合すると、前記ゲル化剤の含量低下により、油粒子の表面の硬度があまりにも低くなって、粒子間の合一の問題があるが、前記ＰＶＡを含むことで、油粒子の分散性及び乳化度の改善に寄与することになる。但し、前記範囲を外れる場合、耐水性が少なくなって、肌に塗布する時の使用感及び審美感が低下することがある。

本発明において、前記水相は、更に、水溶性シリコーンを、０.００１乃至０.７重量％、０.０１乃至０.６重量％含むことができ、肌に塗布する時の密着感を向上させる側面から、望ましくは０.１乃至０.５重量％を含む水中油型化粧料組成物であるが、これに限定されるものではない。

前記水溶性シリコーンは、室温では、ワックスのような性状を有しており、水との相溶性が非常に優れて、水を増粘させて肌に密着感を高める役割を果たし、アモジメチコン（amodimethicone）、ジメチコン／ビニルジメチコンクロスポリマー（Dimethicone／Vinyl Dimethicone Crosspolymer）、及びビスＰＥＧ－１８メチルエーテルジメチルシラン（Methyl Ether Dimethyl Silane）からなる群より選ばれたいずれか１つ以上を含む水中油型化粧料組成物であることができ、具体的に、水中油型化剤形において、油相部と水相部との２相の混合乳化に際して、水相を増粘させて、前記水中油型化粧料組成物の乳化力を増加する側面から、望ましくはアモジメチコンを含む水中油型化粧料組成物であるが、これに限定されるものではない。

本発明において、前記水相は、残部の精製水を含む水中油型化粧料組成物であることができる。

前記水中油型化粧料組成物内にさらに追加されることができる溶媒の種類は、特に限定するものではなく、例えば、水、食塩水、ＤＭＳＯ、又はこれらの組合わせを使用可能であるが、望ましくは、精製水を使用する。また、必要に応じて、美白剤、保湿剤、ビタミン、紫外線遮断剤、香水、染料、抗生剤、抗バクテリア剤、抗真菌剤を含むことができる。

本発明において、前記ゲル化剤は、ＤＰＥＨ、ＤＭ、ポリアクリレート、デキストリン脂肪酸エステル類、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアミド、及びグルタミドからなる群より選ばれたいずれか１つ以上を含むことができ、前記油相粒子の安定性を維持させ、シリコーンオイル以外のオイルのみをゲル化させて、オイルの粒子を形成する側面から、望ましくは、ＤＰＥＨ、ＤＭを含むことを特徴とする水中油型化粧料組成物であるが、これに限定されるものではない。

前記ポリアミドは、市販の原料oleocraft（オレオクラフト）を使用することができ、前記グルタミドは、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド（dibutyl ethlhexanoyl glutamide）、及びジブチルラウロイルグルタミド（dibutyl lauroyl glutamide）を含む市販の原料インディオゲル（indiogel）を使用することができる。

本発明において、前記水中油型化粧料組成物は、界面活性剤及び乳化剤を含まないことを特徴とすることができる。

前記水中油型化粧料組成物は、界面活性剤及び乳化剤を含むものではないので、増粘剤として、前記カルボマーを使用するのが望ましく、本発明の範囲を外れる場合、剤形の安定性及び塗布力を増加することができない。また、前記水中油型化粧料組成物は、界面活性剤及び乳化剤の使用による肌トラブルなどの問題が生じない。

本発明において、前記水中油型化粧料組成物は、溶液、乳化物、粘性型混合物などの形状を取ることができ、化粧水、栄養ローション、栄養エッセンス、マッサージクリーム、美容浴用添加剤、ボディローション、ボディミルク、バスオイル、ベビーオイル、ベビーパウダー、シャワーゲル、シャワークリーム、サンスクリーンローション、サンスクリーンクリーム、日焼けクリーム、スキンローション、スキンクリーム、紫外線カット用化粧品、ファンデーション、メイクアップベース、ＢＢクリーム、スキンカバー、コンシーラー、口紅、リップグロス、リップバーム、フェイスパウダー、ツーウェイケーキ、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、チークカラー、アイブロウペンシル類、クレンジングミルク、脱毛剤（化粧用）、フェイスローション及びボディローション、フェイスクリーム及びボディクリーム、肌美白クリーム、ハンドローション、ヘアローション、化粧用クリーム、ジャスミンオイル、浴用石鹸、水石鹸、美容石鹸、シャンプー、手洗浄剤（ハンドクリーナー）、薬用石鹸（非医療用）、クリーム石鹸、フェイシャルウォッシュ、全身洗浄剤、頭皮洗浄剤、ヘアリンス、化粧石鹸、歯牙美白用ゲル、歯磨剤などの形態で製造されることができる。このために、前記水中油型化粧料組成物は、本発明の水中油型化粧料組成物の目的及び効果を損なわない範囲内で、化粧料組成物の製造に通常使用する溶媒や、適切な担体、賦形剤、又は希釈剤を更に含むことができる。

前記水中油型化粧料組成物は、必要に応じて、前述した組成の他に、基本的な物性及び品質を維持し、各剤形の製剤化のための通常の任意成分として、当該分野の専門家に公知されて使用される成分を含むことができる。

また、本発明の水中油型化粧料組成物の目的及び効果を損なわない範囲内で、肌との親和性を向上させると共に、肌に効果的に作用する機能性成分として、紫外線カット成分、美白成分、しわ機能性成分、抗酸化成分、保湿成分、抗菌成分など、当該分野の専門家に公知されて使用されるいずれのものでも使用可能である。

更に、本発明の水中油型化粧料組成物は、本出願人の韓国登録特許公報第１０－１８６８８５４号公報のマイクロエマルション製造用膜乳化装置、又は韓国登録特許公報第１０－１９３２００５号公報の循環タンクを備える粗大粒子製造用膜乳化装置を用いて、液滴（drop）を形成することができる。

以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明する。これらの実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の要旨によって、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されないということは、当業界において、通常の知識を有する者にとって自明である。

製造例
図１に示す装置の全体温度を、７０乃至９０℃に維持すると共に、分散相タンク(DP TANK)には油相を、連続相タンク(CP TANK)には水相１を満たした後、分散相タンクを窒素や圧縮空気で加圧する。連続相タンク内に連結されたメンブレンの気孔を通じて、分散相タンク内の油相(オイル)が連続相タンク内の水相に排出されると共に、一定のサイズのオイル液滴が形成され、分散相タンク内の油相の排出が完了すると、装置を冷却した後、水相２（アルギニン、トロメタミン、ＮａＯＨなどのアルカリ溶液）を連続相タンクに添加し、カルボマーを増粘させて、オイル液滴の分散状態を維持及び安定化させる。

油相及び水相の含量範囲による効能評価

前記表１に示すように、実施例１乃至４、及び比較例１乃至４の各成分を含む水中油型化粧料組成物を、前記製造例により製造した後、粒子状態及び使用感の評価を施して、下記表２に示した。

具体的に、前記表１の組成で製造された水中油型化粧料組成物の粒子状態は、粒子の形成程度を目視で観察し、◎は、非常に安定した粒子の形成、○は、安定した粒子の形成、△は、不均一な粒子の形成、Ｘは、粒子破壊を表している。また、使用感は、油粒子の強度の数値を１乃至５と評価し、手の甲に塗るとき、粒子感をほとんど感じられない程度の軟らかさを１、粒子感が安定して感じられる軟らかさを２、普通を３、硬い状態を４、非常に硬い粒子感であって、複数回塗り広げなければ肌に広がらない程度を５と表している。

前記表２及び、図２乃至図１１から、実施例１乃至４は、粒子状態がいずれも安定して形成され、使用感が２以上であることが分かり、比較例１乃至４は、全般的に粒子状態が安定しておらず、使用感がいずれも１であることが分かる。

具体的に、実施例１乃至３は、シリコーンオイルであるフェニルトリメチコンの含量を油相の５０重量％に固定し、ゲル化剤であるＤＰＥＧを油相の１０重量％に固定し、水相１及び２を同じ含量で固定しており、油相に含まれたオイルの種類だけを変えた場合である。実施例４は、実施例１乃至３と比べて、シリコーンオイルの含量を油相の３０重量％に下げ、ゲル化剤の含量を油相の２０重量％に増やした場合である。

前記表２、及び図２乃至６を参照すると、ゲル化オイルの種類である中鎖脂肪酸油(MCT OIL)及びホホバオイルによらず、増粘が可能なオイルの場合は、粒子が安定して生成が可能であることが分かり、ゲル化剤の割合が増えるほど、油粒子の均一度及び強度が高くなり、シリコーンオイルの割合が増えるほど、使用感に優れることが分かる。このため、望ましくは、本発明による油相の割合で含む場合、オイルの粒子が目的のサイズ以上に均一に形成されて、審美感を向上させ、且つ、使用感に優れることが分かる。

また、比較例１及び２は、シリコーンオイル及びＰＶＡを添加しない場合であり、油相に含まれたオイルの種類によらず、油粒子の強度が弱くて、連続相タンク排出段階で極小サイズの粒子に破壊され、粒子サイズが不均一であることが確認できる。

また、比較例３は、シリコーンオイルを油相の１０重量％及びＰＶＡを添加した場合であり、オイルの粒子は、形成されるが、時間が経過するほど、合一される粒子が多くなり、水面の方へ浮遊し、粒子サイズが不均一であることが確認できる。

また、比較例４は、シリコーンオイルを油相の２０重量％及びＰＶＡを添加した場合であり、オイルの粒子は、形成が可能であるが、粒子サイズが不均一な状態であって、製品化が不可な水準であることが確認できる。

前記表２、及び図７乃至１１を参照すると、シリコーンオイル及びＰＶＡの割合が本発明の範囲を外れる場合、油粒子が合一されるか、不均一に形成されて、水中油型化粧料組成物として製造し難いという問題点が生じることが分かる。このため、望ましくは、本発明による割合でシリコーンオイル及びＰＶＡを添加する場合、化粧料組成物の製造過程中に油粒子が合一されず、均一に形成されることが確認できる。

そこで、本発明の配合比で製造する場合、オイルの粒子が互いに合一されず、且つ、均一な粒子を形成して、ビジブル粒子を有する審美感が向上した水中油型化粧料組成物の製造が可能であり、全体の油粒子が軟らかくて、優れた使用感の化粧料組成物を製造することができる臨界的意義があることが確認できる。

Claims

一般オイル、シリコーンオイル、及びゲル化剤からなる群より選ばれたいずれか１つ以上を有する油相と、
カルボマー、ＰＶＡ、及び精製水からなる群より選ばれたいずれか１つ以上を有する水相とを含むことを特徴とする水中油型化粧料組成物。
前記油相は、前記一般オイル及び前記シリコーンオイル８０乃至９９重量％と、前記ゲル化剤１乃至２０重量％とを含むことを特徴とする請求項１に記載の水中油型化粧料組成物。
前記水相は、前記カルボマー０.１乃至０.５重量％と、前記ＰＶＡ０.１乃至２重量％と、残部の精製水とを含むことを特徴とする請求項１に記載の水中油型化粧料組成物。
前記ゲル化剤は、ＤＰＥＨ（dextrin palmitate ethylhexanoate）、ＤＭ（dextrin myristate）、ポリアクリレート、デキストリン脂肪酸エステル類、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアミド、及びグルタミドからなる群より選ばれたいずれか１つ以上を含むことを特徴とする請求項１に記載の水中油型化粧料組成物。
界面活性剤及び乳化剤を含まないことを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか一項に記載の水中油型化粧料組成物。