JP2023073782A - 水電解用電気化学セル、水電解装置および水電解方法 - Google Patents

水電解用電気化学セル、水電解装置および水電解方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カソードをシールするための面シール材のシール性を従来よりも改善し得る、水電解用電気化学セルを提供する。【解決手段】水電解用電気化学セルは、電解質膜と、電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、アノード上に設けられ、アノード流体が流れる第1流路を有するアノードセパレータと、カソード上に設けられ、カソード流体が流れる第2流路を有するカソードセパレータと、を備え、アノードとカソードとの間に電圧を印加することで、アノードで酸素を発生させ、カソードで水素を発生させる。水電解用電気化学セルは、カソードセパレータのカソード側の主面のカソードに対向する領域の外周上に設けられた面シール材を備え、面シール材は金属シートの両方の主面のそれぞれに、弾性シートが設けられた3層構造である。【選択図】図1

Description

本開示は、水電解用電気化学セル、水電解装置および水電解方法に関する。
地球温暖化対策として、太陽光、風力などの再生可能エネルギーの利用が注目されている。しかし、再生可能エネルギーで得られた電力を適宜の電力負荷に供給する際、電力負荷への電力供給に活用されない余剰電力が発生する可能性がある。このため、再生可能エネルギーの利用効率は、必ずしも十分ではない。そこで、上記余剰電力を用いて水素を製造することで余剰電力を水素エネルギーとして貯蔵する方法が検討されている。
ここで、電気エネルギーを用いて水素を製造する方法として、一般的に、水の電気分解が知られている。水の電気分解は、水電解とも呼ばれ、水電解において、水素を安価かつ安定的に製造するために、高効率かつ長寿命な水電解装置の開発が検討されている。
例えば、特許文献1では、隔膜を挟んで配置される陽極(アノード)と陰極(カソード)の間に電圧を印加することによって、アノードから酸素が発生するとともに、カソードから水素が発生する水電解装置が提案されている。
国際公開第2021/015120号
本開示は、一例として、カソードをシールするための面シール材のシール性を従来よりも改善し得る水電解用電気化学セル、水電解装置および水電解方法を提供することを課題とする。
本開示の一態様(aspect)の水電解用電気化学セルは、電解質膜と、前記電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、前記電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、前記アノード上に設けられ、アノード流体が流れる第1流路を有するアノードセパレータと、前記カソード上に設けられ、カソード流体が流れる第2流路を有するカソードセパレータと、を備え、前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加することで、前記アノードで酸素を発生させ、前記カソードで水素を発生させる水電解用電気化学セルにおいて、前記カソードセパレータのカソード側の主面の前記カソードに対向する領域の外周上に設けられた面シール材を備え、前記面シール材は金属シートの両方の主面のそれぞれに、弾性シートが設けられた3層構造である。
本開示の一態様の水電解装置は、上記記載の水電解用電気化学セルと、前記アノードおよび前記カソード間に電圧を印加する電圧印加器と、を備える。
本開示の一態様の水電解方法は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、前記電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、前記アノード上に設けられ、アノード流体が流れる第1流路を有するアノードセパレータと、前記カソード上に設けられ、カソード流体が流れる第2流路を有するカソードセパレータと、前記カソードセパレータのカソード側の主面の前記カソードに対向する領域の外周上に設けられた面シール材と、を備え、前記面シール材は金属シートの両方の主面のそれぞれに、弾性シートが設けられた3層構造である水電解用電気化学セルの水電解方法において、前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加することで、前記アノードで酸素を発生させ、前記カソードで水素を発生させる。
本開示の一態様(aspect)の水電解用電気化学セル、水電解装置および水電解方法は、カソードをシールするための面シール材のシール性を従来よりも改善し得るという効果を奏する。
図1は、第1実施形態の水電解用電気化学セルの一例を示す図である。 図2は、第1実施形態の水電解装置の一例を示す図である。 図3は、第2実施形態の水電解用電気化学セルの一例を示す図である。
特許文献1は、電解槽から電解液および電解生成ガスの漏洩を抑制するためのガスケットが提案されているが、特許文献1では、陰極側での電解液および電解により生成した水素ガスの漏れ防止について十分に検討されていないことがわかった。
電解槽内の隔膜の周辺部において、適宜の締結力により陰極側金属枠体にガスケットが押圧されている。ここで、仮に、ガスケットと接触する陰極側金属枠体の表面に、未反応の電解液および電解により生成した水素ガスを排出するための流路溝を形成する場合、ガスケットのシール性が悪化する可能性がある。これは、以下の理由による。
ガスケットは、一般的に、特許文献1に記載のとおり、ゴムなどの弾性材料で構成される。この場合、例えば、陰極側金属枠体にガスケットを押圧するように上記各部材を締結するとき、ガスケットに不均一な締結力が作用すると、ガスケットが流路溝に落ち込むように変形しやすい。これにより、ガスケットの変形または破損などの要因によってガスケットのシール性が悪化する可能性がある。すると、電解液および水素が外部に漏洩する可能性がある。つまり、本開示者らは、陰極側金属枠体に押圧するためのゴム製のガスケットだけでは、ガスケットの剛性が不十分であることを見出して、以下の本開示の一態様に想到した。
すなわち、本開示の第1態様の水電解用電気化学セルは、電解質膜と、電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、アノード上に設けられ、アノード流体が流れる第1流路を有するアノードセパレータと、カソード上に設けられ、カソード流体が流れる第2流路を有するカソードセパレータと、を備え、アノードとカソードとの間に電圧を印加することで、アノードで酸素を発生させ、カソードで水素を発生させる水電解用電気化学セルにおいて、カソードセパレータのカソード側の主面のカソードに対向する領域の外周上に設けられた面シール材を備え、面シール材は金属シートの両方の主面のそれぞれに、弾性シートが設けられた3層構造である。
かかる構成によると、本態様の水電解用電気化学セルは、カソードをシールするための面シール材のシール性を従来よりも改善し得る。
具体的には、本態様の水電解用電気化学セルにおいて、カソードをシールするための面シール材が、金属シートおよび金属シートの両主面のそれぞれに設けられた弾性シートを備える3層構造であるので、面シール材を単一の弾性シートで構成する場合に比べて、面シール材の剛性が向上する。これにより、本態様の水電解用電気化学セルは、例えば、カソードセパレータに面シールを押圧するように上記各部材を締結するとき、面シール材に不均一な締結力が作用しても、面シール材が第2流路内に落ち込みことが抑制される。よって、本態様の水電解用電気化学セルは、面シール材を単一の弾性シートで構成する場合に比べて、面シール材の変形または破損などの要因によって面シール材のシール性が悪化する可能性を低減できるので、カソードで生成した水素を含むカソード流体が外部に漏れにくくなる。
本開示の第2態様の水電解用電気化学セルは、第1態様の水電解用電気化学セルにおいて、アノードセパレータのアノード側の主面のアノードに対向する領域の外周上に設けられた面シール材を備え、面シール材は金属シートの両方の主面のそれぞれに、弾性シートが設けられた3層構造であってもよい。
かかる構成によると、本態様の水電解用電気化学セルは、アノードをシールするための面シール材のシール性を従来よりも改善し得る。
具体的には、本態様の水電解用電気化学セルにおいて、アノードをシールするための面シール材が、金属シートおよび金属シートの両主面に設けられた弾性シートを備える3層構造であるので、面シール材を単一の弾性シートで構成する場合に比べて、面シール材の剛性が向上する。これにより、本態様の水電解用電気化学セルは、例えば、アノードセパレータに面シールを押圧するように上記各部材を締結するとき、面シール材に不均一な締結力が作用しても、面シール材が第1流路内に落ち込むことが抑制される。よって、本態様の水電解用電気化学セルは、面シール材を単一の弾性シートで構成する場合に比べて、面シール材の変形または破損などの要因によって面シール材のシール性が悪化する可能性を低減できるので、電解により生成した酸素を含むアノード流体が外部に漏れにくくなる。
本開示の第3態様の水電解用電気化学セルは、第1態様または第2態様の水電解用電気化学セルにおいて、電解質膜は、アニオン交換膜であってもよい。
本開示の第4態様の水電解用電気化学セルは、第1態様から第3態様のいずれか一つの水電解用電気化学セルにおいて、弾性シートは、耐アルカリ性であってもよい。
アノード流体またはカソード流体がアルカリを含む水溶液である場合は、本態様の水電解用電気化学セルは、弾性シートの基材として、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切である。
本開示の第5態様の水電解用電気化学セルは、第1態様から第4態様のいずれか一つの水電解用電気化学セルにおいて、金属シートは、耐アルカリ性であってもよい。
アノード流体またはカソード流体がアルカリを含む水溶液である場合は、本態様の水電解用電気化学セルは、金属シートの基材として、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切である。
本開示の第6態様の水電解装置は、第1態様から第5態様のいずれか一つの水電解用電気化学セルと、アノードおよびカソード間に電圧を印加する電圧印加器とを備えてもよい。
本態様の水電解装置が奏する作用効果は、上記の各態様の水電解用電気化学セルが奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
本開示の第7態様の水電解方法は、電解質膜と、電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、アノード上に設けられ、アノード流体が流れる第1流路を有するアノードセパレータと、カソード上に設けられ、カソード流体が流れる第2流路を有するカソードセパレータと、カソードセパレータのカソード側の主面の前記カソードに対向する領域の外周上に設けられた面シール材と、を備え、面シール材は金属シートの両方の主面のそれぞれに、弾性シートが設けられた3層構造である水電解用電気化学セルの水電解方法において、アノードとカソードとの間に電圧を印加することで、アノードで酸素を発生させ、カソードで水素を発生させる。
本態様の水電解方法が奏する作用効果は、第1態様の水電解用電気化学セルが奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも上記の各態様の一例を示すものである。よって、以下で示される形状、材料、構成要素、および、構成要素の配置位置および接続形態などは、あくまで一例であり、請求項に記載されていない限り、上記の各態様を限定するものではない。また、以下の構成要素のうち、上記の各態様の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な表示ではない場合がある。
(第1実施形態)
[装置の全体構成]
図1は、第1実施形態の水電解用電気化学セルの一例を示す図である。
図1に示す例では、水電解用電気化学セル10は、電解質膜21と、アノードANと、カソードCAと、カソードセパレータ27と、アノードセパレータ26と、絶縁シート28と、面シール材41と、面シール材42と、を備える。そして、水電解用電気化学セル10の電気化学反応領域において、電解質膜21、アノード触媒層22、カソード触媒層23、アノード給電体24、カソード給電体25、アノードセパレータ26およびカソードセパレータ27が積層されている。
以上の水電解用電気化学セル10は、アノードANとカソードCAとの間に電圧を印加することで、アノードANで酸素を発生させ、カソードCAで水素を発生させることができるが、詳細は後で説明する。
アノードANは、電解質膜21の一方の主面に設けられている。アノードANは、アノード触媒層22と、アノード給電体24とを含む電極である。平面視において、アノードANの周囲を囲むように環状の面シール材41が設けられている。これにより、アノードANが、面シール材41で適切にシールされている。
カソードCAは、電解質膜21の他方の主面に設けられている。カソードCAは、カソード触媒層23と、カソード給電体25とを含む電極である。平面視において、カソードCAの周囲を囲むように環状の面シール材42が設けられている。これにより、カソードCAが、面シール材42で適切にシールされている。
電解質膜21は、イオン伝導性を有する電解質膜であれば、どのような構成であってもよい。例えば、電解質膜21は、プロトン交換膜であってもよいし、アニオン交換膜であってもよい。
アノード触媒層22は、触媒金属および担体を備える。アノード触媒層22で使用され得る触媒金属は、特定の種類に限定されないが、例えば、電極触媒として、白金、酸化イリジウムなどが挙げることができる。なお、触媒金属は、例えば、カーボン、ニッケルまたはチタンなどの担体に担持される。
カソード触媒層23は、触媒金属および担体を備える。カソード触媒層23で使用され得る触媒金属は、特定の種類に限定されないが、例えば、電極触媒として、白金などを挙げることができる。なお、触媒金属は、例えば、カーボン、ニッケルまたはチタンなどの担体に担持される。
アノード給電体24は、電気伝導性およびアノード流体の拡散性を備える部材である。具体的には、アノード流体がアノード流路31を通過する際、アノード流体が、アノード給電体24を介してアノード触媒層22に拡散し得る。なお、アノード流体として、例えば、アルカリを含む水溶液を挙げることができるが、これに限定されない。
ここで、アノード給電体24は、例えば、金属またはカーボンなどを含む多孔体シートで構成される。アノード給電体24を金属で構成する場合、金属材料として、例えば、チタン、ステンレス、ニッケルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。また、多孔体シートは、例えば、粒子または繊維の焼結体で構成される不織布、金属繊維の織物で構成されるメッシュなどを使用することができるが、これらに限定されない。
カソード給電体25は、電気伝導性およびカソード流体の拡散性を備える部材である。具体的には、カソード流体がカソード流路32を通過する際、カソード流体が、カソード給電体25を介してカソード触媒層23に拡散し得る。なお、カソード流体として、例えば、アルカリを含む水溶液を挙げることができるが、これに限定されない。
ここで、カソード給電体25は、例えば、金属またはカーボンなどを含む多孔体シートで構成される。カソード給電体25を金属で構成する場合、金属材料として、例えば、チタン、ステンレス、ニッケルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。また、多孔体シートは、例えば、粒子または繊維の焼結体で構成される不織布、金属繊維の織物で構成されるメッシュなどを使用することができるが、これらに限定されない。
以上により、電解質膜21は、アノード触媒層22およびカソード触媒層23のそれぞれと接触するようにして、アノードANおよびカソードCAによって挟持されている。一般的に、電解質膜21、アノードANおよびカソードCAの積層体は、膜-電極接合体(以下、MEA)で呼ばれる。
なお、MEAの平面視において、電解質膜21がMEAからはみ出しように延在しており、この電解質膜21の延在部の端部と接触するように環状の絶縁シート28が設けられている。これにより、アノードANおよびカソードCA間の電気的な短絡が適切に防止される。絶縁シート28の材料として、ゴムまたは樹脂を用いることができる。例えば、シリコーンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、FKM(フッ素系ゴム)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)などを挙げることができる。アノード流体またはカソード流体がアルカリを含む水溶液である場合、絶縁シート28の基材として、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切であり、例えば、EPDMを使用することが望ましい。
アノードセパレータ26は、アノードAN上に設けられ、アノード流体が流れるアノード流路31を有する部材である。アノードセパレータ26は、導電性およびガスバリア性を有する部材で構成される。このような部材の材料として、金属またはカーボンなどを挙げることができる。例えば、アノードセパレータ26を金属で構成する場合、チタン、ステンレス、ニッケルなどを使用することができる。なお、アノードセパレータ26の導電性を向上させるために、適宜、貴金属メッキが施されてもよい。アノードセパレータ26をカーボンで構成する場合、アノードセパレータ26は、カーボンの焼結緻密体、カーボンおよび樹脂の形成体であってもよい。
カソードセパレータ27は、カソードCA上に設けられ、カソード流体が流れるカソード流路32を有する部材である。カソードセパレータ27は、導電性およびガスバリア性を有する部材で構成される。このような部材の材料として、金属またはカーボンなどを挙げることができる。例えば、カソードセパレータ27を金属で構成する場合、チタン、ステンレス、ニッケルなどを使用することができる。なお、カソードセパレータ27の導電性を向上させるために、適宜、貴金属メッキが施されてもよい。カソードセパレータ27をカーボンで構成する場合、カソードセパレータ27は、カーボンの焼結緻密体、カーボンおよび樹脂の形成体であってもよい。
以上により、MEAは、アノードセパレータ26のアノード側の主面、および、カソードセパレータ27のカソード側の主面のそれぞれと接触するようにして、アノードセパレータ26およびカソードセパレータ27によって挟持されている。
[アノード流路およびカソード流路の構成]
以下、アノード流路31およびカソード流路32の構成の一例について説明する。
アノード流路31は、アノードセパレータ26のアノード側の主面に設けられ、外部からアノードANにアノード流体を供給するとともに、アノードANから外部にアノード流体および酸素(電解生成ガス)を排出するための流路である。
アノード流路31は、第1連絡路31Aと、電極通過流路31Bと、第2連絡路31Cと、を備える。
ここで、図示を省略するが、水電解装置100が複数個の水電解用電気化学セル10を積層したスタックを備える場合、このスタックの適所には、アノード供給マニホールドおよびアノード排出マニホールドが設けられていてもよい。アノード供給マニホールドおよびアノード排出マニホールドはそれぞれ、スタックの各部材の積層方向と平行な方向に、これらの部材を貫通する貫通孔の連なりによって構成される。
水電解用電気化学セル10のそれぞれにおいて、アノード供給マニホールドと第1連絡路31Aとが連通している。図1に示す例では、第1連絡路31Aは、アノードセパレータ26の主面に設けられた第1流路溝で構成されており、第1流路溝の端部がアノード供給マニホールドと接続するように、紙面に垂直な方向に直線状に延伸している。第1流路溝の延伸方向は、これに限定されず、図1に示す以外の方向であってもよい。
また、水電解用電気化学セル10のそれぞれにおいて、アノード排出マニホールドと第2連絡路31Cとが連通している。図1に示す例では、第2連絡路31Cは、アノードセパレータ26の主面に設けられた第2流路溝で構成されており、第2流路溝の端部がアノード排出マニホールドと接続するように紙面に垂直な方向に直線状に延伸している。ただし、第2流路溝の延伸方向は、これに限定されず、図1に示す以外の方向であってもよい。
また、水電解用電気化学セル10のそれぞれにおいて、電極通過流路31Bと、第1連絡路31Aおよび第2連絡路31Cとが連通している。図1に示す例では、電極通過流路31Bは、アノードセパレータ26の主面に設けられた複数の第3流路溝で構成されており、第3流路溝の両端部のそれぞれが、第1連絡路31Aおよび第2連絡路31Cのそれぞれと接続するように、紙面に平行な方向に直線状に延伸しているが、これに限定されない。第3流路溝は、紙面に平行な方向に直線状に延伸する複数の直線部と複数のU字状の折り返し部とを含むサーペンタイン状に形成されていてもよい。
以上により、水電解用電気化学セル10のそれぞれにおいて、アノード流体が外部からアノード供給マニホールドを通過する際に、アノード流体の一部が、第1連絡路31Aに供給される。第1連絡路31Aを流れるアノード流体は、複数の電極通過流路31Bのそれぞれに分流されるとともに、電極通過流路31Bを通過する際に、アノード流体がアノード給電体24を介してアノード触媒層22に供給される。これにより、アノード触媒層22で酸素が発生する電気化学反応が行われる。電極通過流路31Bのそれぞれを通過したアノード流体および酸素の混合流体は、第2連絡路31Cで合流するとともに、第2連絡路31Cを通過した混合流体は、アノード排出マニホールドでさらに合流する。最終的に、この混合流体は、アノード排出マニホールドから外部に排出される。
水電解用電気化学セル10のそれぞれにおいて、アノード供給マニホールドおよびアノード排出マニホールドから流体漏洩を防止するために、適宜のOリングおよびOリング溝が設けられていてもよい。Oリングの材料は、例えば、シリコーンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、FKM(フッ素系ゴム)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)などを挙げることができる。アノード流体がアルカリを含む水溶液である場合、Oリングの基材として、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切であり、例えば、EPDMを使用することが望ましい。
カソード流路32は、カソードセパレータ27のカソード側の主面に設けられ、外部からカソードCAにカソード流体を供給するとともに、カソードCAから外部にカソード流体および水素(電解生成ガス)を排出するための流路である。
カソード流路32は、第1連絡路32Aと、電極通過流路32Bと、第2連絡路32Cと、を備える。
ここで、図示を省略するが、水電解装置100が複数個の水電解用電気化学セル10を積層したスタックを備える場合、このスタックの適所には、カソード供給マニホールドおよびカソード排出マニホールドが設けられていてもよい。カソード供給マニホールドおよびカソード排出マニホールドはそれぞれ、スタックの各部材の積層方向と平行な方向に、これらの部材を貫通する貫通孔の連なりによって構成される。
水電解用電気化学セル10のそれぞれにおいて、カソード供給マニホールドと第1連絡路32Aとが連通している。図1に示す例では、第1連絡路32Aは、カソードセパレータ27の主面に設けられた第1流路溝で構成されており、第1流路溝の端部がカソード供給マニホールドと接続するように、紙面に垂直な方向に直線状に延伸している。第1流路溝の延伸方向は、これに限定されず、図1に示す以外の方向であってもよい。
また、水電解用電気化学セル10のそれぞれにおいて、カソード排出マニホールドと第2連絡路32Cとが連通している。図1に示す例では、第2連絡路32Cは、カソードセパレータ27の主面に設けられた第2流路溝で構成されており、第2流路溝の端部がカソード排出マニホールドと接続するように、紙面に垂直な方向に直線状に延伸している。ただし、第2流路溝の延伸方向は、これに限定されず、図1に示す以外の方向であってもよい。
また、水電解用電気化学セル10のそれぞれにおいて、電極通過流路32Bと、第1連絡路32Aおよび第2連絡路32Cとが連通している。図1に示す例では、電極通過流路32Bは、カソードセパレータ27の主面に設けられた複数の第3流路溝で構成されており、第3流路溝の両端部のそれぞれが、第1連絡路32Aおよび第2連絡路32Cのそれぞれと接続するように、紙面に平行な方向に直線状に延伸しているが、これに限定されない。第3流路溝は、紙面に平行な方向に直線状に延伸する複数の直線部と複数のU字状の折り返し部とを含むサーペンタイン状に形成されていてもよい。
以上により、水電解用電気化学セル10のそれぞれにおいて、カソード流体が外部からカソード供給マニホールドを通過する際に、カソード流体の一部が、第1連絡路32Aに供給される。第1連絡路32Aを流れるカソード流体は、複数の電極通過流路32Bのそれぞれに分流されるとともに、電極通過流路32Bを通過する際に、カソード流体がカソード給電体25を介してカソード触媒層23に供給される。これにより、カソード触媒層23で水素を発生する電気化学反応が行われる。電極通過流路32Bのそれぞれを通過したカソード流体および水素の混合流体は、第2連絡路32Cで合流するとともに、第2連絡路32Cを通過した混合流体は、カソード排出マニホールドでさらに合流する。最終的に、この混合流体は、カソード排出マニホールドから外部に排出される。
水電解用電気化学セル10のそれぞれにおいて、カソード供給マニホールドおよびカソード排出マニホールドから流体漏洩を防止するために、適宜のOリングおよびOリング溝が設けられていてもよい。Oリングの材料は、例えば、シリコーンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、FKM(フッ素系ゴム)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)などを挙げることができる。カソード流体がアルカリを含む水溶液である場合、Oリングの基材として、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切であり、例えば、EPDMを使用することが望ましい。
なお、以上のアノード流路31の構成およびカソード流路32の構成は例示であって、本例に限定されない。
例えば、上記では、第1連絡路31Aおよび第2連絡路31Cの延伸方向と、第1連絡路32Aおよび第2連絡路32Cの延伸方向とが、紙面に垂直な同一の方向であるが、両者の方向が、90°ずれていてもよい。
また、第1連絡路31Aおよび第2連絡路31Cにおけるアノード流体の流れ方向と、第1連絡路32Aおよび第2連絡路32Cにおけるカソード流体の流れ方向とが、同一方向であってもよいし、逆方向であってもよい。
さらに、電極通過流路31Bおよび電極通過流路32Bは、パンチングメタルなどの多数の細孔で構成されていてもよい。
[面シール材の構成]
以下、面シール材41および面シール材42の構成の一例について説明する。
面シール材41は、アノードセパレータ26のアノードAN側の主面のアノードANに対向する領域の外周上に設けられている。具体的には、面シール材41は、MEAの平面視において、MEAの外端部を囲みながら第1連絡路31Aおよび第2連絡路31Cを覆うように環状に設けられている。また、面シール材41は、図1に示すMEAの断面視において、アノードセパレータ26のアノードAN側の主面と、絶縁シート28および電解質膜21の延在部の一方の主面とによって挟持されている。
面シール材41は、絶縁性およびシール性を備える部材である。面シール材41の材料として、例えば、シリコーンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、FKM(フッ素系ゴム)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)などを挙げることができる。アノード流体がアルカリを含む水溶液である場合、面シール材41の基材として、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切であり、例えば、EPDMを使用することが望ましい。
面シール材42は、カソードセパレータ27のカソードCA側の主面のカソードCAに対向する領域の外周上に設けられている。具体的には、面シール材42は、MEAの平面視において、MEAの外端部を囲みながら第1連絡路32Aおよび第2連絡路32Cを覆うように環状に設けられている。また、面シール材42は、図1に示すMEAの断面視において、カソードセパレータ27のカソードCA側の主面と、絶縁シート28および電解質膜21の延在部の他方の主面とによって挟持されている。
面シール材42は、絶縁性およびシール性を備える部材である。具体的には、面シール材42は、金属シート42Aの両主面のそれぞれに、弾性シート42Bが設けられた3層構造である。
絶縁性の弾性シート42Bの材料として、例えば、シリコーンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、FKM(フッ素系ゴム)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)などを挙げることができる。アノード流体がアルカリを含む水溶液である場合、面シール材41の基材として、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切であり、例えば、EPDMを使用することが望ましい。
金属シート42Aは、弾性シート42Bよりも高い剛性を備える部材であって、耐食性材料で構成される。このような材料として、例えば、チタン、ステンレス、ニッケルなどが挙げることができる。ここで、アノード流体がアルカリを含む水溶液を含む場合、金属シート42Aの基材として、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切であり、例えば、ニッケルを使用することが望ましい。
また、金属シート42Aに、異種金属がメッキされていてもよい。例えば、金属シート42Aの材料が、ステンレスである場合、ステンレスシートに、ニッケル、貴金属がメッキされていてもよい。ここで、アノード流体がアルカリを含む水溶液を含む場合、メッキ材料は、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切であり、例えば、ニッケルを使用することが望ましい。
面シール材42を構成するシート材は、適宜の接着方法で固定されてもよい。これにより、水電解用電気化学セル10の組み立て性が向上する。また、水電解用電気化学セル10の組み立て時に、シート材間への電解質膜21、カソード給電体25の巻き込みが抑制され、その結果、シート材の破断を抑制することができる。上記の接着方法には、エポキシ樹脂系接着剤を使用する方法、未加硫ゴムと金属シートとをゴム加硫を行うと同時に金型内で接着させる加硫接着方法などを挙げることができる。
[動作]
以下、水電解用電気化学セル10の動作の一例について、図面を参照しながら説明する。以下の動作は、例えば、図示しない制御器の演算回路が、制御器の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器により動作を制御する場合について説明する。また、以下では、水電解用電気化学セル10がアニオン交換膜型(AEM)セルであって、アノード流体およびカソード流体が水酸化カリウム水溶液である場合における、水電解用電気化学セル10の動作について説明する。
まず、水電解用電気化学セル10のアノードANおよびカソードCAのそれぞれに、水酸化カリウム水溶液が供給される。
次に、図示しない電圧印加器で、アノードANとカソードCAとの間に電圧が印加されると、アノード触媒層22において酸化反応で水酸化物イオンが酸素と電子に分離する(式(1))。酸素は水酸化カリウム水溶液ともに外部に排出され、電子は電圧印加器を通じてカソード触媒層23へと移動する。カソード触媒層23において還元反応で水素分子と水酸化物イオンが生成するとともに、水酸化物イオンが電解質膜21を伝導する(式(2))。
アノード:4OH-→O2+2H2O+4E- ・・・(1)
カソード:4H2O+4E-→2H2+4OH- ・・・(2)
このようにして、アノードANとカソードCAとの間に電圧を印加することで、アノードANで酸素を発生させ、カソードCAで水素を発生させる電気化学反応が行われる。
なお、カソード流路32に連通する適宜の配管に設けられた、背圧弁または調整弁などの圧力制御手段を用いて、カソードCAで生成された水素を圧縮させてもよい。これにより、カソードCAで高圧の水素を生成することができる。
以上のとおり、本実施形態の水電解用電気化学セル10および水電解方法は、カソードCAをシールするための面シール材42のシール性を従来よりも改善し得る。
具体的には、水電解用電気化学セル10において、面シール材42が、金属シート42Aおよび金属シート42Aの両主面のそれぞれに設けられた弾性シート42Bを備える3層構造であるので、面シール材42を単一の弾性シートで構成する場合に比べて、面シール材42の剛性が向上する。これにより、本実施形態の水電解用電気化学セル10および水電解方法は、例えば、カソードセパレータ27に面シール材42を押圧するように上記各部材を締結するとき、面シール材42に不均一な締結力が作用しても、面シール材42が、第1連絡路32Aおよび第2連絡路32C内に落ち込むことが抑制される。よって、本実施形態の水電解用電気化学セル10および水電解方法は、面シール材42を単一の弾性シートで構成する場合に比べて、面シール材42の変形または破損などの要因によって面シール材42のシール性が悪化する可能性を低減できるので、カソードで生成した水素を含むカソード流体が外部に漏れにくくなる。
(実施例)
図2は、第1実施形態の実施例の水電解装置の一例を示す図である。
図2に示す例では、水電解装置100は、水電解用電気化学セル10と、電圧印加器50と、を備える。ここで、水電解用電気化学セル10は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
電圧印加器50は、アノードANおよびカソードCA間に電圧を印加する装置である。電圧印加器50は、アノードANおよびカソードCA間に電圧を印加することが可能であれば、どのような構成であってもよい。図1に示す例では、電圧印加器50の高電位側端子が、アノードANに接続され、電圧印加器50の低電位側端子が、カソードCAに接続されている。電圧印加器50として、例えば、DC/DCコンバータ、AC/DCコンバータなどを挙げることができる。DC/DCコンバータは、電圧印加器50が、太陽電池、燃料電池、バッテリなどの直流電源と接続された場合に用いられる。AC/DCコンバータは、電圧印加器50が、商用電源などの交流電源と接続された場合に用いられる。また、電圧印加器50は、例えば、水電解用電気化学セル10に供給する電力が所定の設定値となるように、アノードANおよびカソードCA間に印加される電圧、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流が調整される電力型電源であってもよい。これにより、水電解用電気化学セル10において、アノードANとカソードCAとの間に電圧を印加することで、アノードANで酸素を発生させ、カソードCAで水素を発生させることができる。
図1に示されていないが、複数個の水電解用電気化学セル10を備えるスタックの両端には、一対の集電極が設けられ、電圧印加器50の端子のそれぞれが、集電極のそれぞれと接続してもよい。集電極のそれぞれの外側には、一対の絶縁シートが設けられ、これらの絶縁シートの外側から一対の端板、ボルトおよびナットなどを用いて、スタックが一体化するように締結される。なお、絶縁シートは、樹脂シートなどで構成され、樹脂シートの材料として、例えば、ガラスエポキシ樹脂、シリコーンゴム、PDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、FKM(フッ素系ゴム)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)などを挙げることができる。
なお、図示しない制御器によって、電圧印加器50の電流量、アノード流体およびカソード流体の流量、水電解用電気化学セル10の温度などがそれぞれ、所望の値に制御される。また、スタックを複数台接続することで、制御器によって、これらを連携運転することが可能である。
さらに、図示しない水電解システムが構築されてもよい。水電解システムでは、例えば、水電解装置100にアノード流体およびカソード流体を送るためのポンプ、水電解装置100で生成した電解生成ガスと液体とを分離するための気液分離器、電解生成ガスから水分および不純物を回収するドライヤー、電解生成ガスを圧縮するための圧縮機、および、電解生成ガスを貯蓄するタンクなどが設けられていてもよい。
なお、本実施例の水電解装置100が奏する作用効果は、第1実施形態の水電解用電気化学セル10が奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
本実施例の水電解装置100および水電解方法は、上記特徴以外は、第1実施形態と同様であってもよい。
(第2実施形態)
本実施形態の水電解用電気化学セル10は、以下に説明する面シール材41の構成以外は、第1実施形態の水電解用電気化学セルと同様である。
図3は、第2実施形態の水電解用電気化学セルの一例を示す図である。
面シール材41は、金属シート41Aの両主面のそれぞれに、弾性シート41Bが設けられた3層構造である。
絶縁性の弾性シート41Bの材料として、例えば、シリコーンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、FKM(フッ素系ゴム)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)などを挙げることができる。アノード流体がアルカリを含む水溶液である場合、面シール材41の基材として、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切であり、例えば、EPDMを使用することが望ましい。
金属シート41Aは、弾性シート41Bよりも高い剛性を備える部材であって、耐食性材料で構成される。このような材料として、例えば、チタン、ステンレス、ニッケルなどが挙げることができる。なお、アノード流体がアルカリを含む水溶液である場合、金属シート41Aの基材として、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切であり、例えば、ニッケルを使用することが望ましい。
また、金属シート41Aに、異種金属がメッキされていてもよい。例えば、金属シート41Aの材料が、ステンレスである場合、ステンレスシートに、ニッケル、貴金属がメッキされていてもよい。なお。アノード流体がアルカリを含む水溶液である場合、メッキ材料は、耐アルカリ性の材料を選ぶことが適切であり、例えば、ニッケルを使用することが望ましい。
面シール材41を構成するシート材は、適宜の接着方法で固定されてもよい。これにより、水電解用電気化学セル10の組み立て性が向上する。また、水電解用電気化学セル10の組み立て時に、シート材間への電解質膜21、カソード給電体25の巻き込みが抑制され、その結果、シート材の破断を抑制することができる。上記の接着方法には、エポキシ樹脂系接着剤を使用する方法、未加硫ゴムと金属シートとをゴム加硫を行うと同時に金型内で接着させる加硫接着方法などを挙げることができる。
以上のとおり、本実施形態の水電解用電気化学セル10および水電解方法は、アノードANをシールするための面シール材41のシール性を従来よりも改善し得る。
具体的には、本態様の水電解用電気化学セル10において、面シール材41が、金属シート41Aおよび金属シート41Aの両主面に設けられた弾性シート41Bを備える3層構造であるので、面シール材41を単一の弾性シートで構成する場合に比べて、面シール材41の剛性が向上する。これにより、本実施形態の水電解用電気化学セル10および水電解方法は、例えば、アノードセパレータ26に面シール材41を押圧するように上記各部材を締結するとき、面シール材41に不均一な締結力が作用しても、面シール材41が第1連絡路31Aおよび第2連絡路31C内に落ち込むことが抑制される。よって、本実施形態の水電解用電気化学セル10および水電解方法は、面シール材41を単一の弾性シートで構成する場合に比べて、面シール材41の変形または破損などの要因によって面シール材41のシール性が悪化する可能性を低減できるので、電解により生成した酸素を含むアノード流体が外部に漏れにくくなる。
本実施形態の水電解用電気化学セル10および水電解方法は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の実施例と同様であってもよい。
なお、第1実施形態、第1実施形態の実施例および第2実施形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせても構わない。
また、上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良および他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更することができる。
本開示の一態様は、カソードをシールするための面シール材のシール性を従来よりも改善し得る水電解用電気化学セルに利用することができる。
10 :水電解用電気化学セル
21 :電解質膜
22 :アノード触媒層
23 :カソード触媒層
24 :アノード給電体
25 :カソード給電体
26 :アノードセパレータ
27 :カソードセパレータ
28 :絶縁シート
31 :アノード流路
31A :第1連絡路
31B :電極通過流路
31C :第2連絡路
32 :カソード流路
32A :第1連絡路
32B :電極通過流路
32C :第2連絡路
41 :面シール材
41A :金属シート
41B :弾性シート
42 :面シール材
42A :金属シート
42B :弾性シート
50 :電圧印加器
100 :水電解装置
AN :アノード
CA :カソード

Claims (7)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、
    前記電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、
    前記アノード上に設けられ、アノード流体が流れる第1流路を有するアノードセパレータと、
    前記カソード上に設けられ、カソード流体が流れる第2流路を有するカソードセパレータと、を備え、
    前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加することで、前記アノードで酸素を発生させ、前記カソードで水素を発生させる水電解用電気化学セルにおいて、
    前記カソードセパレータのカソード側の主面の前記カソードに対向する領域の外周上に設けられた面シール材を備え、
    前記面シール材は金属シートの両方の主面のそれぞれに、弾性シートが設けられた3層構造である水電解用電気化学セル。
  2. 前記アノードセパレータのアノード側の主面の前記アノードに対向する領域の外周上に設けられた面シール材を備え、
    前記面シール材は金属シートの両方の主面のそれぞれに、弾性シートが設けられた3層構造である、請求項1に記載の水電解用電気化学セル。
  3. 前記電解質膜は、アニオン交換膜である請求項1又は2に記載の水電解用電気化学セル。
  4. 前記弾性シートは、耐アルカリ性である請求項1-3のいずれか1項に記載の水電解用電気化学セル。
  5. 前記金属シートは、耐アルカリ性である請求項1-4のいずれか1項に記載の水電解用電気化学セル。
  6. 請求項1―5のいずれか1項に記載の水電解用電気化学セルと、
    前記アノードおよび前記カソード間に電圧を印加する電圧印加器と、
    を備える水電解装置。
  7. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、
    前記電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、
    前記アノード上に設けられ、アノード流体が流れる第1流路を有するアノードセパレータと、
    前記カソード上に設けられ、カソード流体が流れる第2流路を有するカソードセパレータと、
    前記カソードセパレータのカソード側の主面の前記カソードに対向する領域の外周上に設けられた面シール材と、を備え、
    前記面シール材は金属シートの両方の主面のそれぞれに、弾性シートが設けられた3層構造である水電解用電気化学セルの水電解方法において、
    前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加することで、前記アノードで酸素を発生させ、前記カソードで水素を発生させる水電解方法。
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