JP2023073617A - タンクおよびタンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンクにおいて、繊維強化樹脂層における耐荷重性の低下を抑制しつつ、タンクの製造コストを抑える。【解決手段】タンクは、ライナと、繊維強化樹脂層と、を備える。繊維強化樹脂層は、ライナの外周を覆う繊維強化樹脂層であって、ライナの少なくとも一部の外側に形成され、第1繊維を含む第1補強層と、第1補強層の少なくとも一部の外側に形成され、第1繊維よりも引張強度が低い第2繊維を含む第2補強層と、を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、タンクに関する。
従来から、高圧水素ガスや液化ガス等を収容するタンクとして、トウプリプレグ等の繊維をヘリカル巻きやフープ巻き等で何層にも巻き付けて形成された繊維強化樹脂層を備えるタンクが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-152017号公報
上述のタンクの繊維強化樹脂層では、ライナから遠い外側の層にかかる負荷は、ライナに近い内側の層にかかる負荷よりも小さい。しかしながら、従来においてはこのような負荷の相違にかかわらず、内側の層の負荷に耐え得る高強度な繊維を用いて繊維強化樹脂層の全体を形成していたため、タンクの製造コストが高いという問題がある。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、タンクが提供される。このタンクは、ライナと、前記ライナの外周を覆う繊維強化樹脂層であって、前記ライナの少なくとも一部の外側に形成され、第1繊維を含む第1補強層と、前記第1補強層の少なくとも一部の外側に形成され、前記第1繊維よりも引張強度が低い第2繊維を含む第2補強層と、を有する繊維強化樹脂層と、を備える。
この形態のタンクによれば、第1補強層は、引張強度がより高い第1繊維を含むので、より内側に位置してより大きな荷重を受ける第1補強層において耐荷重性が低下することを抑制できる。また、第2補強層は、引張強度がより低い第2繊維を含むので、第2補強層における耐荷重性が過度に低下することを抑制しつつ、引張強度が低く一般に安価な第2繊維を用いることで、タンクの製造コストを抑えることができる。また、第2補強層を設けない構成に比べて繊維強化樹脂層の厚さを大きくでき、各繊維が負担すべき荷重を小さくできる。このため、第1繊維の引張強度を過度に大きくせずに済み、これにより、より高価な繊維を第1繊維として用いることを要せず、タンクの製造コストを抑えることができる。
(2)上記形態のタンクにおいて、前記ライナは、筒状の胴部と、前記胴部の両端に配置され、一端から他端の開口端に向けて外径が増大する形状を有する一対のドーム部と、を有し、前記第1補強層は、前記ライナのうち、前記一対のドーム部のうちの少なくとも一方と、前記胴部と、の接続部の外側に形成されていてもよい。
この形態のタンクによれば、第1補強層は、ライナのうち、一対のドーム部のうちの少なくとも一方と胴部との接続部の外側に形成されているので、比較的脆弱な接続部においてクラックが生じるなどしてタンクが損傷することを抑制できる。
本開示は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、タンクの製造方法や、タンクの繊維強化樹脂層の製造方法等の形態で実現することができる。
本開示の一実施形態としてのタンクの構成を示す説明図である。 図1に示す部分領域を拡大して示す断面図である。 繊維強化樹脂層における各層ごとの繊維方向ひずみを模式的に示す説明図である。 第1実施形態における繊維強化樹脂層の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態のタンクの一部を拡大して示す断面図である。 第2実施形態における繊維強化樹脂層の製造方法を示す工程図である。
A.第1実施形態:
A1.装置構成:
図1は、本開示の一実施形態としてのタンク100の構成を示す説明図である。図2は、図1に示す部分領域Ar1を拡大して示す断面図である。図1では、タンク100の中心軸AXを境界として、上方にタンク100の外観が、下方にタンク100の断面がそれぞれ模式的に表されている。図2では、図1のタンク100の断面のうち、軸方向DAの一端側(後述の口金16に近い側)の一部の部分領域Ar1を拡大して示している。タンク100は、流体を貯蔵可能に構成されている。タンク100に貯蔵される流体としては、例えば、70MPa~80MPaほどの高圧水素ガス等の気体や、LNG(Liquefied Natural Gas)等の液体が該当する。
タンク100は、中心軸AXを有する円筒状のタンク胴部110と、タンク胴部110の両端に配置された一対のタンクドーム部120とを備える外観構成を有する。なお、図1では、中心軸AXに沿った方向DA(以下、「軸方向DA」と呼ぶ)と、径方向DRとを矢印にて示している。タンク胴部110は、ライナ10の一部(後述の胴部11)と、繊維強化樹脂層20の一部とにより構成されている。
一対のタンクドーム部120は、半球状の外観形状を有する。一対のタンクドーム部120は、ライナ10の一部(後述の一対のドーム部12)と、繊維強化樹脂層20の一部と、一対の口金16、17とを備える。タンク胴部110およびタンクドーム部120の内部の空洞部分は、貯蔵部101として機能する。貯蔵部101は、流体を貯蔵する。一方のタンクドーム部120には口金16が設けられ、他方のタンクドーム部120には口金17が設けられている。口金16には、軸方向DAに沿った連通孔130が設けられている。連通孔130は、口金16を貫通する貫通孔として形成されており、タンク100の外部と貯蔵部101とを連通する。連通孔130は、貯蔵部101への流体の充填、および貯蔵部101から外部への流体の供給の際に、流体の流路として機能する。本実施形態では、口金17には、連通孔は設けられておらず、封止されている。口金17は、製造時の芯出し等に用いられる。なお、口金17に連通孔を設けてもよい。
タンク100の構成を言い換えると、タンク100は、ライナ10と、繊維強化樹脂層20と、上述の一対の口金16、17とを備えるともいえる。
ライナ10は、自身の内周面により貯蔵部101を形成する容器である。ライナ10は、例えば、ナイロン、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ、ポリスチレン等のガスバリア性を有する樹脂で形成されている。ライナ10は、円筒状の一つの胴部11と、中心軸AXに沿って胴部11の両端に配置される半球状の一対のドーム部12とを備えている。ドーム部12の形状を言い換えると、一端(軸方向DAの一端)から他端の開口端に向けて外径が増大する形状といえる。各ドーム部12の頂部には、口金16、17によって塞がれる開口が設けられている。ライナ10は、樹脂に代えて、金属によって形成されてもよい。
繊維強化樹脂層20は、ライナ10を補強するための層として、ライナ10の外周を覆う。第1実施形態において、繊維強化樹脂層20は、予め樹脂が含浸された炭素繊維(トウプリプレグ)を用いたフィラメントワインディング法(FW法)により形成されている。繊維強化樹脂層20は、厚さ方向に2つの層に区分される。具体的には、繊維強化樹脂層20は、ライナ10のうち、一対の口金16、17に覆われる軸方向DAの両端側を除くその他の部分の外側に形成される第1補強層21と、第1補強層の外側に形成される第2補強層22とを有する。なお、図2に示すように、第1補強層21は、軸方向DAの端部において、口金16の一部を覆っている。また、第1補強層21は、胴部11と一対のドーム部12との接続部13を覆っている。一般に、接続部13は、曲率半径(R)が大きく変化する部分であり、応力集中が発生してクラック等の損傷が起こりやすい。
第1補強層21は、トウプリプレグであって第2補強層22と比べて引張強度が高い繊維(以下、「第1繊維」と呼ぶ)を基材として用いて形成されている。第2補強層22は、トウプリプレグであって第1補強層21と比べて引張強度が低い繊維(以下、「第2繊維」と呼ぶ)を基材として用いて形成されている。第1繊維および第2繊維に含浸される樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、及びエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、第1繊維および第2繊維としては、アラミド繊維、ボロン繊維、及び炭素繊維等を用いることができ、特に、軽量性や機械的強度等の観点から炭素繊維を用いることが好ましい。
上述のように、内側の第1補強層21を相対的に引張強度の高い第1繊維を用いて形成し、外側の第2補強層22を相対的に引張強度の低い第2繊維を用いて形成している理由について以下説明する。ライナ10の内側(貯蔵部101)に流体を加圧充填した場合には、ライナ10を覆う繊維強化樹脂層20に対して内圧によって径方向および周方向(繊維方向)の荷重(負荷)がかかる。このときの荷重は、いわゆる「厚肉円筒の式」によりおおよその大きさが求められる。そして、かかる荷重は、より内側の層ほどより大きくなる。したがって、より内側の第1補強層21は、耐荷重が高く、特に引張強度が高い繊維を用いて形成することが求められる。他方、より外側の第2補強層22は、第1補強層21に比べて耐荷重性は求められず、したがって、引張強度が低い繊維を用いることが可能となる。また、各繊維にかかる荷重は、繊維強化樹脂層20の厚さが大きいほど小さくなる。これは、繊維強化樹脂層20の厚さが大きくなるほど多くの繊維で荷重を分担できるからである。換言すると、繊維強化樹脂層20の厚さが小さいと各繊維にかかる荷重は大きくなる。したがって、第2補強層22を省略して第1補強層21のみで繊維強化樹脂層20を構成した場合には、第1補強層21に過剰の荷重が掛かることとなる。この場合、第1補強層21に用いる第1繊維として、引張強度がより高い繊維を用いなければ、タンクの破損を招くおそれがある。そして、一般的に、引張強度がより高い繊維は、より低い繊維に比べて価格が高い。そこで、本実施形態のように、内側の第1補強層21を相対的に引張強度の高い第1繊維を用いて形成し、外側の第2補強層22を相対的に引張強度が低く安価な第2繊維を用いて形成することにより、繊維強化樹脂層20の強度の低下を抑制しつつ、タンク100の製造コストを抑えるようにしている。
図3は、繊維強化樹脂層20における各層ごとの繊維方向ひずみを模式的に示す説明図である。図3において、横軸は層数を示し、縦軸は繊維方向ひずみの大きさを示す。図3の横軸の「層数」とは、ライナに接する層を第0層とし、径方向DRに沿って内側から外側に順番に数えた層番号を意味する。「繊維方向ひずみ」とは、繊維の長さ方向に沿ったひずみを意味する。層数L1は、第1補強層21において第2補強層22接する層の層数を意味する。層数L2は、第2補強層22における最も外側の層の層数を意味する。
上述のように、より内側の第1補強層21には、より大きな荷重が掛かるため、層数0~L1の範囲において、繊維方向ひずみStは比較的大きな値になっている。しかし、この層数0~L1における繊維方向ひずみStは、第1繊維のひずみ上限値S1、すなわち、第1繊維の破断が生じない限界の繊維方向ひずみよりも低い。
他方、より外側の第2補強層22には、より小さな荷重が掛かるため、層数L1+1~L2の範囲において、繊維方向ひずみStは比較的小さな値になっている。そして、この層数L1+1~L2の範囲においても、繊維方向ひずみStは、第2繊維のひずみ上限値S2、すなわち、第2繊維の破断が生じない限界の繊維方向ひずみよりも低い。このように、本実施形態のタンク100の繊維強化樹脂層20においては、いずれの層においても繊維方向ひずみStが繊維の破断が生じない限界の繊維方向ひずみよりも低く抑えられている。したがって、タンク100の損傷は抑止される。
A2.繊維強化樹脂層20の製造方法:
図4は、第1実施形態における繊維強化樹脂層20の製造方法を示す工程図である。繊維強化樹脂層20の製造は、タンク100の製造における一工程として実行される。繊維強化樹脂層20の製造が実行される前に、予め一対の口金16、17がライナ10に取り付けられている。
工程P105では、第1繊維のボビンと、第2繊維のボビンとが準備される。工程P110では、第1繊維をライナ10の外周に巻いて第1補強層21を形成する。なお、正確には、工程P110においては、熱硬化前の第1補強層21が形成される。工程P110では、第1繊維のボビンとライナ10とがフィラメントワインディング装置(以下、「FW装置」と呼ぶ)に取り付けられる。ライナ10は、中心軸AXを回転軸として回転可能に保持される。FW装置は、ライナ10を回転させながらあいくちから第1繊維を送り出してライナ10に第1繊維を巻き付ける。本実施形態では、工程P110では、フープ巻きとヘリカル巻きとが行われる。具体的には、まず、フープ巻きにて所定数だけ第1繊維の層を形成し、その後、ヘリカル巻きにて所定数だけ第1繊維の層を形成する。工程P115では、第1繊維を切断して、端部を第1補強層21の表面に貼り付ける。かかる貼り付けは、例えば、熱を加えることにより実行してもよい。また、接着部材を利用して実行してもよい。工程P110および工程P115は、本開示における第1補強層形成工程に相当し、第1繊維をライナ10に巻き付ける工程(工程P110)は、本開示における第1巻き工程に相当する。
続いて、工程P120では、第2繊維を第1補強層21の外周に巻いて第2補強層22を形成する。なお、正確には、工程P120では、熱硬化前の第2補強層22が形成される。工程P120では、第1繊維のボビンに代えて、第2繊維のボビンが取り付けられる。FW装置は、第1補強層21が形成されたライナ10を回転させながらあいくちから第2繊維を送り出して第1補強層21の外周に第1繊維を巻き付ける。本実施形態では、工程P120では、フープ巻きとヘリカル巻きとが行われる。具体的には、まず、ヘリカル巻きにて所定数だけ第2繊維の層を形成し、その後、フープ巻きにて所定数だけ第2繊維の層を形成する。工程P125では、第2繊維を切断して、端部を第2補強層22の表面に貼り付ける。貼り付け方法は、上述の工程P115と同じであっても異なってもよい。工程P120および工程P125は、本開示における第2補強層形成工程に相当し、第2繊維を第1補強層21の外周に巻き付ける工程(工程P120)は、本開示における第2巻き工程に相当する。
その後、工程P130において、熱硬化処理が実行される。具体的には、第2補強層22が形成されたライナ10を加熱して第1補強層21および第2補強層22の各繊維を硬化させて繊維強化樹脂層20を形成する。
以上説明した第1実施形態のタンク100によれば、第1補強層21は、引張強度がより高い第1繊維を含むので、より内側に位置してより大きな荷重を受ける第1補強層21において耐荷重性が低下することを抑制できる。また、第2補強層22は、引張強度がより低い第2繊維を含むので、より外側に位置してより小さな荷重を受ける第2補強層における耐荷重性が過度に低下することを抑制しつつ、引張強度が低く一般に安価な第2繊維を用いることで、タンク100の製造コストを抑えることができる。また、第2補強層22を設けない構成に比べて繊維強化樹脂層20の厚さを大きくでき、各繊維が負担すべき荷重を小さくできる。このため、第1繊維の引張強度を過度に大きくせずに済み、これにより、より高価な繊維を第1繊維として用いることを要せず、タンク100の製造コストを抑えることができる。
また、第1補強層21は、ライナ10のうち、一対のドーム部12と胴部11との接続部13の外側において接続部13を覆うように形成されているので、比較的脆弱な接続部13においてクラックが生じるなどしてタンク100が損傷することを抑制できる。
B.第2実施形態:
図5は、第2実施形態のタンク100aの一部を拡大して示す断面図である。図5では、タンク100aの断面のうち、図1および図2に示す部分領域Ar1と同じ位置の領域Ar1、すなわち、軸方向DAの一端側(口金16に近い側)の一部の領域Ar1の断面を表している。第2実施形態のタンク100aは、第1補強層21に代えて第1補強層21aを備える点において、第1実施形態のタンク100と異なる。第2実施形態のタンク100aにおけるその他の構成は、第1実施形態のタンク100と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1補強層21aは、補強パイプ部31と、一対の補強ドーム部32の合計3つの部材を組み合わせて構成されている。補強パイプ部31は、円筒状の外観形状を有し、ライナ10における胴部11を覆う。各補強ドーム部32は、各ドーム部12と同様な外観形状を有し、ライナ10における各ドーム部12を覆う。図5に示すように、補強ドーム部32は、胴部11における端部も覆っている。かかる端部において補強パイプ部31と補強ドーム部32とは、厚さ方向に重なっており、互いに連結している。第1補強層21a、すなわち補強パイプ部31および一対の補強ドーム部32は、後述するように、上述の第1繊維を用いて形成されている。補強パイプ部31および補強ドーム部32の2つの部材を併せて「補強層部材」とも呼ぶ。なお、第2実施形態のタンク100aにおける第2補強層22は、第1実施形態の第2補強層22と同じ構成を有する。
図6は、第2実施形態における繊維強化樹脂層20の製造方法を示す工程図である。第2実施形態における繊維強化樹脂層20の製造方法は、工程P110および工程P115に代えて、工程P106、P107、P108を実行する点において、図4に示す第1実施形態における繊維強化樹脂層20の製造方法と異なる。第2実施形態における繊維強化樹脂層20の製造方法におけるその他の手順は、第1実施形態における繊維強化樹脂層20の製造方法と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述の工程P105が完了し、第1繊維のボビンおよび第2繊維のボビンが準備されると、工程P106において、第1繊維より補強層部材(補強パイプ部31および補強ドーム部32)を形成する。補強パイプ部31の形成は、例えば、ライナ10とは異なる円筒状のマンドレルに対してFW法にて第1繊維を巻き付け、その後マンドレルを引き抜くことにより実現できる。具体的には、図示しないマンドレルを回転させつつ、第1繊維を繰り出すあいくちを移動させることによってフープ巻きして成形し、その後マンドレルを引き抜いてもよい。補強ドーム部32の成形も同様に、ドーム形のマンドレルに対してFW法にて第1繊維を巻き付け、その後にマンドレルを引き抜くことにより実現できる。
工程P107では、形成された補強層部材を熱硬化する。工程P108では、ライナ10を補強パイプ部31に挿入し、補強ドーム部32でライナ10の両端(ドーム部12)を覆い、補強パイプ部31と補強ドーム部32とを連結させて第1補強層21aを成形する。
工程P108の後、上述の工程P120~P130が実行される。すなわち、第1補強層21aの外周に第2繊維が巻かれて第2補強層22が形成され、第2繊維の端部が切断して第2補強層22の表面に貼り付けられ、全体の熱硬化処理が実行される。
以上説明した第2実施形態のタンク100aは、第1実施形態のタンク100と同様な効果を有する。加えて、第1補強層21aを、予め第1繊維を用いて形成した補強パイプ部31および補強ドーム部32を組み合わせて形成するので、補強層部材を予め製造しておくことにより、タンク100aの製造時間を短縮化できる。
C.他の実施形態:
(C1)各実施形態では、第1補強層21、21aは、ライナ10において、口金16、17が取り付けられる一部分を除く他のすべての部分を覆っていたが、本開示はこれに限定されない。例えば、胴部11の少なくとも一部のみを覆ってもよい。かかる構成においては、接続部13を覆わなくてもよい。また、例えば、一対のドーム部12のうち、一方のドーム部12を覆わなくてもよい。これらの構成においても、第1補強層21、21aの外側に第2繊維からなる第2補強層22を形成することにより、各実施形態と同様な効果を奏する。
(C2)第1実施形態では、工程P110において、フープ巻きとヘリカル巻きとをいずれも実行していたが、いずれか一方のみを実行してもよい。同様に、工程P120においてもフープ巻きとヘリカル巻きとのうちのいずれか一方のみを実行してもよい。例えば、第1補強層21をフープ巻きのみで形成し、第2補強層22をヘリカル巻きのみで形成してもよい。
(C3)各実施形態では、第1繊維および第2繊維として、トウプリプレグを用いていたが、樹脂が含浸されていない繊維を用いてもよい。かかる構成においては、第1補強層21、21aおよび第2補強層22をRTM(Resin Transfer Molding)法や、CW(Centrifugal Winding)法を用いて形成してもよい。CW法では、樹脂が含浸していない繊維を含む繊維シートを筒状に巻き付けた後に、形内に樹脂を流し込んで繊維シートに樹脂を含浸させてもよい。
本開示は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
AX…中心軸、Ar1…部分領域、DA…軸方向、DR…径方向、10…ライナ、11…胴部、12…ドーム部、13…接続部、16…口金、17…口金、20…繊維強化樹脂層、21…第1補強層、21a…第1補強層、22…第2補強層、31…補強パイプ部、32…補強ドーム部、100…タンク、100a…タンク、101…貯蔵部、110…タンク胴部、120…タンクドーム部、130…連通孔、L1…層数、L2…層数、S1…上限値、S2…上限値、St…繊維方向ひずみ

Claims (6)

  1. タンクであって、
    ライナと、
    前記ライナの外周を覆う繊維強化樹脂層であって、
    前記ライナの少なくとも一部の外側に形成され、第1繊維を含む第1補強層と、
    前記第1補強層の少なくとも一部の外側に形成され、前記第1繊維よりも引張強度が低い第2繊維を含む第2補強層と、を有する繊維強化樹脂層と、
    を備える、タンク。
  2. 請求項1に記載のタンクであって、
    前記ライナは、筒状の胴部と、前記胴部の両端に配置され、一端から他端の開口端に向けて外径が増大する形状を有する一対のドーム部と、を有し、
    前記第1補強層は、前記ライナのうち、前記一対のドーム部のうちの少なくとも一方と、前記胴部と、の接続部の外側に形成されている、タンク。
  3. ライナと前記ライナの外周を覆う繊維強化樹脂層とを有するタンクの製造方法であって、
    前記ライナと、前記繊維強化樹脂層の基材となる第1繊維と、前記第1繊維よりも引張強度が低く前記繊維強化樹脂層の基材となる第2繊維と、を準備する工程と、
    前記第1繊維を用いて、前記ライナの少なくとも一部の外側に前記第1繊維を含む第1補強層を形成する第1補強層形成工程と、
    前記第2繊維を用いて、前記第1補強層の少なくとも一部の外側に前記第2繊維を含む第2補強層を形成する第2補強層形成工程と、
    を備える、タンクの製造方法。
  4. 請求項3に記載のタンクの製造方法であって、
    前記第1補強層形成工程は、前記ライナの少なくとも一部の外周に前記第1繊維を巻く第1巻き工程を含み、
    前記第2補強層形成工程は、前記第1補強層の少なくとも一部の外周に前記第2繊維を巻く第2巻き工程を含む、タンクの製造方法。
  5. 請求項4に記載のタンクの製造方法であって、
    前記第1巻き工程は、前記第1繊維をフープ巻きする工程を含み、
    前記第2巻き工程は、前記第2繊維をヘリカル巻きする工程を含む、タンクの製造方法。
  6. 請求項3に記載のタンクの製造方法であって、
    前記第1補強層形成工程は、
    前記第1繊維を用いて、補強パイプ部と一対の補強ドーム部とを形成する工程であって、前記補強パイプ部は、筒状の外観形状を有し、前記補強ドーム部は、一端から他端の開口端に向けて外径が増大する形状を有する、工程と、
    前記補強パイプ部に前記ライナを挿入し、前記ライナの両端部を前記一対の補強ドーム部で覆う工程と、を有し、
    前記第2補強層形成工程は、前記第1補強層の少なくとも一部の外周に前記第2繊維を巻く工程を含む、タンクの製造方法。
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