JP2023073577A - 被膜剥離方法、被膜剥離装置および被膜剥離刃 - Google Patents

被膜剥離方法、被膜剥離装置および被膜剥離刃 Download PDF

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Abstract

Figure 2023073577000001
【課題】被膜を剥離する際のバリの発生を抑制し、樹脂被膜を確実かつ高効率に剥離することが可能な被膜剥離方法、被膜剥離装置および被膜剥離刃を提供することを目的とする。
【解決手段】樹脂被膜2を有する導体1である平角線100の樹脂被膜2を剥離する被膜剥離方法であって、平角線100の長辺側の樹脂被膜2を、長辺に平行な方向に第一の被膜剥離刃としての被膜剥離刃20a、20bを移動させて、導体1から剥離する第一の剥離工程としての剥離工程と、平角線100の短辺側の樹脂被膜2を、長辺に垂直な方向に第二の被膜剥離刃としての被膜剥離刃21a、21bを移動させて、導体1から複数回に分けて剥離する第二の剥離工程としての剥離工程と、を有し、第二の剥離工程は、最後の回の剥離工程においてシェービング加工により剥離する。
【選択図】図2

Description

本願は、被膜剥離方法、被膜剥離装置および被膜剥離刃に関するものである。
近年、回転電機においては占積率向上を目的として、丸線ではなく平角線が使用されつつある。導体が樹脂被膜に覆われたエナメル線を使用することが一般的であり、エナメル線の端末は電気的接続のために樹脂被膜を剥離する必要がある。従来の回転電機の被膜付き平角線の被膜剥離方法においては、熱および薬品で樹脂被膜を溶解させることが知られている。物理的に樹脂被膜を剥ぎ取る手法としては、例えば、特許文献1では、複数のカッタ刃を組合せて矩形断面の刃先空間を作り、一度の動作で樹脂被膜を剥離する方法が開示されている。また、特許文献2では、上下左右の4面の樹脂被膜を剥離した後に、樹脂被膜が残ったR部を斜め方向に剥離する方法が開示されている。
特開2007-189857号公報 特開2013-165579号公報
しかしながら、従来のように被膜付き平角線を熱および薬品で樹脂被膜を溶解させる場合は、化学反応を待つ必要があり時間がかかるという問題があった。物理的に樹脂被膜を剥ぎ取る場合は、特許文献1のようにカッタ刃で樹脂被膜を剥離する際、剥離の境界部に樹脂被膜のバリが発生するという問題があった。また、特許文献2のような斜め方向の剥離は、ダイスで剥離方向と垂直な方向に力を受けることができず、導体の変形を引き起こし、導体および樹脂被膜のバリができやすいという問題があった。
本願は、上記のような課題を解決するためになされたもので、被膜を剥離する際のバリの発生を抑制し、樹脂被膜を確実かつ高効率に剥離することが可能な被膜剥離方法、被膜剥離装置および被膜剥離刃を提供することを目的とする。
本願に開示される被膜剥離方法は、平角線の被膜を剥離する被膜剥離方法であって、前記平角線の対向する一対の辺の前記被膜を、前記一対の辺に平行な方向に第一の被膜剥離刃を移動させて、導体から剥離する第一の剥離工程と、前記平角線の対向する他の対の辺の前記被膜を、前記一対の辺に垂直な方向に第二の被膜剥離刃を移動させて、前記導体から剥離する第二の剥離工程と、を有し、前記第二の剥離工程の最後の工程においてシェービング加工により剥離することを特徴とする。
また、本願に開示される被膜剥離装置は、平角線の被膜を剥離する被膜剥離装置であって、前記平角線の対向する一対の辺に平行な方向に移動させ、前記一対の辺の前記被膜を、導体から剥離する一対の第一の被膜剥離刃と、前記一対の辺に垂直な方向に移動させ、前記平角線の対向する他の対の辺の前記被膜を、前記導体から剥離し、最後にシェービング加工により剥離する一対の第二の被膜剥離刃と、を備えたことを特徴とする。
また、本願に開示される被膜剥離刃は、平角線の被膜を剥離する被膜剥離刃であって、前記平角線の対向する一対の辺に平行な方向に移動して、前記一対の辺の前記被膜を、せん断加工により剥離する第一の刃先と、前記第一の刃先を追って前記一対の辺に平行な方向に移動して、前記被膜の残部をシェービング加工により剥離する第二の刃先と、を備えたことを特徴とする。
本願に開示される平角線の被膜剥離方法、被膜剥離装置および被膜剥離刃によれば、被膜を剥離する際のバリの発生を抑制し、樹脂被膜を確実かつ高効率に剥離することができる。
実施の形態1に係る被膜剥離方法により剥離する平角線の構成を示す側面図および断面図である。 実施の形態1に係る被膜剥離方法での剥離工程の手順を示すフローチャート図である。 実施の形態1に係る被膜剥離方法での長辺側の剥離工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る被膜剥離方法での短辺側の剥離工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る被膜剥離方法での短辺側の最終剥離工程を示す断面図である。 実施の形態1に係る被膜剥離方法により剥離された平角線の状態を示す側面図である。 比較例としての被膜剥離方法での短辺側の剥離工程を示す断面図である。 比較例としての被膜剥離方法により剥離された平角線の状態を示す側面図である。 実施の形態1に係る他の被膜剥離方法での短辺側の最終剥離工程を示す断面図である。 実施の形態2に係る被膜剥離方法により剥離する平角線の構成を示す側面図および断面図である。 実施の形態2に係る被膜剥離方法での剥離工程の手順を示すフローチャート図である。 実施の形態2に係る被膜剥離方法での長辺側の剥離工程を示す断面図である。 実施の形態2に係る被膜剥離方法での短辺側の剥離工程を示す断面図である。 実施の形態2に係る被膜剥離方法での短辺側の2回目の剥離工程を示す断面図である。 実施の形態2に係る被膜剥離方法での短辺側の最終剥離工程を示す断面図である。 実施の形態3に係る被膜剥離刃での短辺側の剥離工程を示す断面図である。 実施の形態3に係る他の被膜剥離刃での短辺側の剥離工程を示す断面図である。
実施の形態1.
以下、図面に基づいて実施の形態1について説明する。なお、各図面において、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。
図1は、本願の実施の形態1に係る被膜剥離方法により剥離する平角線100の構成を示す図である。図1(a)は平角線の側面図、図1(b)は図1(a)のAA矢視断面図である。
図1(a)および図1(b)に示すように、平角線100は、導体1と樹脂被膜2で構成される。導体1は、R部1raと直線部1saがある。樹脂被膜2は、R部2raと直線部2saがあり、導体1をほぼ均一な厚みで覆う。
分布巻で巻線される回転電機の固定子および固定子のコイルは占積率向上のために、丸線ではなく平角線が用いられるようになってきている。回転電機用の導体線は絶縁のために樹脂被膜で覆われており、他コイルおよび電源線との接続のためにコイルの端部の樹脂被膜を剥離する必要がある。
本願の実施の形態1に係る被膜剥離方法について図2から図5に基づき説明する。図2は、実施の形態1に係る被膜剥離方法での剥離工程の手順を示すフローチャート図である。図3から図5は、実施の形態1に係る被膜剥離方法での各剥離工程を示す断面図である。
最初に、図3に示すように、平角線の対向する長辺側の樹脂被膜2a、2bをそれぞれ、一方の短辺側から他方の短辺側に向けて、平角線の長辺に平行なB方向に、第一の被覆剥離刃としての被膜剥離刃20a、20bを移動させることで、せん断加工により剥離する(図2のステップS21)。長辺側の樹脂被膜2a、2bを剥離する際には、導体1と樹脂被膜2の界面ではなく、導体1の一部1a、1bを含めて切削するように剥離する。
次いで、図4に示すように、平角線の対向する短辺側の樹脂被膜2c、2dをそれぞれ、一方の長辺側から他方の長辺側に向けて、平角線の短辺に平行で長辺に垂直なC方向に、被膜剥離刃21a、21bを移動させることで、せん断加工により剥離する(図2のステップS22)。短辺側の樹脂被膜2c、2dを剥離する際には、導体1と樹脂被膜2の界面ではなく、導体1の一部1c、1dを含めて切削するように剥離する。
このとき、導体のダレ、破断面、バリを抑制するための精密せん断加工(以下、シェービング加工という)が成立する程度の取り代として、導体1の四方のR部1raにそれぞれ、樹脂被膜2の残部2eが生じるように被膜剥離刃21a、21bを配置する。なお、この樹脂被膜2の残部2eは、このまま残しておくとエナメル線の電気的接続の際に燃焼して溶接不良の原因となる。
最後に、図5に示すように、平角線の長辺側および短辺側の四辺の樹脂被膜を剥離した、四方のR部に残部2eを含む導体1の短辺側の導体1e、1fをそれぞれ、一方の長辺側から他方の長辺側に向けて、導体1の短辺に平行で長辺に垂直なC方向に、被膜剥離刃22a、22bを移動させることで、シェービング加工により剥離する(図2のステップS23)。このとき、剥離された導体1e、1fには樹脂被膜2の残部2eがすべて含まれるように被膜剥離刃22a、22bを配置する。
図6は、実施の形態1に係る被膜剥離方法により剥離された平角線の状態を示す側面図である。図6に示すように、剥離された平角線の導体1の側面は、全域がせん断面1gとなる。
一方、特許文献1のような従来の平角線の被膜剥離方法で、長辺側の樹脂被膜を剥離した後、導体の四方に樹脂被膜の残部を発生させないように短辺側の樹脂被膜を一度の動作で剥離した場合は、シェービング加工ではなく、普通のせん断加工となるため、導体にはダレとバリが生じる。
図7は、比較例としての被膜剥離方法での短辺側の剥離工程を示す断面図である。図7に示すように、平角線の対向する短辺側の樹脂被膜2をそれぞれ、一方の長辺側から他方の長辺側に向けて、平角線の短辺に平行で長辺に垂直なC方向に、被膜剥離刃21a、21bを移動させることで剥離するが、樹脂被膜2の残部が生じないように一度の動作で剥離するため、取り代3が大きくシェービング加工とならず普通せん断加工となり、導体1にはダレ1hとバリ1iが生じる。バリ1iは、電気接続の際にバリ同士が干渉し合い、導体1を密着させた状態で溶接ができないため溶接不良の原因となる。
図8は、比較例としての被膜剥離方法により剥離された平角線の状態を示す側面図である。図8に示すように、剥離された平角線の導体1では、ダレ1hとバリ1iが生じるだけでなく、側面には、せん断面1gと破断面1jが生じる。また、剥離境界近傍の樹脂被膜2は、せん断面1gと破断面1jの境界部を起点に樹脂被膜2の捲れ2fが生じる。これは、導体1が破断する際に樹脂被膜2が引き千切られるためである。捲れ2fの捲れた部分が樹脂被膜2の被膜バリ2gとして残る。捲れ2fは平角線の絶縁性能を低下させるものであり、被膜バリ2gは回転電機内で落下すると内部損傷の原因となる。
よって、本願の実施の形態1に係る被膜剥離方法では、シェービング加工を用いることで、破断面を生じさせることなく、導体のバリおよび樹脂被膜の捲れの発生を抑制し、樹脂被膜を確実かつ高効率に剥離することができる。
以上のように、本実施の形態1に係る被膜剥離方法によれば、樹脂被膜2を有する導体1である平角線100の樹脂被膜2を剥離する被膜剥離方法であって、平角線100の長辺側の樹脂被膜2を、長辺に平行な方向に第一の被膜剥離刃としての被膜剥離刃20a、20bを移動させて、導体1から剥離する第一の剥離工程としての剥離工程と、平角線100の短辺側の樹脂被膜2を、長辺に垂直な方向に第二の被膜剥離刃としての被膜剥離刃21a、21bを移動させて、導体1から複数回に分けて剥離する第二の剥離工程としての剥離工程と、を有し、第二の剥離工程は、最後の回の剥離工程においてシェービング加工により剥離するものである。
また、本実施の形態1に係る被膜剥離装置によれば、樹脂被膜2を有する導体1である平角線100の樹脂被膜2を剥離する被膜剥離装置であって、平角線100の長辺に平行な方向に移動させ、長辺側の樹脂被膜2を、導体1から剥離する一対の第一の被膜剥離刃としての被膜剥離刃20a、20bと、長辺に垂直な方向に移動させ、平角線100の短辺側の樹脂被膜2を、導体1から複数回に分けて剥離し、前記複数回のうち最後の回はシェービング加工により剥離する一対の第二の被膜剥離刃としての被膜剥離刃21a、21bと、を備えたものである。
これにより、本実施の形態1に係る被膜剥離方法および被膜剥離装置によれば、シェービング加工を用いることで、破断面を生じさせることなく、被膜を剥離する際の導体のバリ、樹脂被膜の捲れ、および被膜バリの発生を抑制し、樹脂被膜を確実かつ高効率に剥離することが可能となる。
なお、本実施の形態1では、短辺側の剥離工程の最後の2回目の剥離にシェービング加工を実施したが、これに限るものではない。樹脂被膜2の捲れ2f、および被膜バリ2gを許容できるなら、最後の剥離工程がシェービング加工であれば、それより前の剥離工程では破断を伴う普通せん断加工でもシェービング加工でも問題は無い。
図9は、上記実施の形態1に係る他の平角線の被膜剥離方法での短辺側の最終剥離工程を示す断面図である。図9に示すように、短辺側の前の剥離工程で生じた導体1のダレ1h、バリ1i(図7参照)および破断面1j(図8参照)を含む導体1の短辺側をそれぞれ、一方の長辺側から他方の長辺側に向けて、導体1の短辺に平行で長辺に垂直なC方向に、被膜剥離刃22a、22bを移動させることで、シェービング加工により剥離する。このとき、剥離された導体1k、1lには導体1のダレ1h、バリ1iおよび破断面1jがすべて含まれ、導体1の側面は、全域がせん断面1gとなる。
このように、上記実施の形態1に他の平角線の被膜剥離方法でも、被膜を剥離する際の導体のバリおよび樹脂被膜の捲れの発生を抑制し、樹脂被膜を確実かつ高効率に剥離することができる。
また、本実施の形態1では、平角線100の対向する2面(フラットワイズ面:矩形断面の長辺側の面)を1回被膜剥離して、前記2面に垂直な対向する2面(エッジワイズ面:矩形断面の短辺側の面)を2回被膜剥離する被膜剥離方法を説明したが、これに限るものではない。
平角線100の対向する2面(フラットワイズ面:矩形断面の長辺側の面)を2回被膜剥離して、前記2面に垂直な対向する2面(エッジワイズ面:矩形断面の短辺側の面)を1回被膜剥離する被膜剥離方法でも、同様の効果を得られる。
また、本実施の形態1では、2回以上被膜剥離する2面の剥離工程は、処理効率に優れることから連続して行われる例を示したが、これに限るものではない。
2回以上の被膜剥離のうちの最後の被膜剥離を行う時点で、導体1のR部1raの四方に樹脂被膜2の残部2eが形成される状況であれば良いことから、1回被膜剥離する2面の剥離工程が、2回以上被膜剥離する2面の剥離工程の個々の剥離工程の間に行われるように工程の順番を変更することも可能である。
実施の形態2.
実施の形態2では、平角線のR部が、実施の形態1のR部1raに比べて大きく、円形に近い場合について説明する。
図10は、本願の実施の形態2に係る被膜剥離方法により剥離する平角線101の構成を示す図である。図10(a)は平角線の側面図、図10(b)は図10(a)のAA矢視断面図である。
図10(b)に示すように、平角線101は、平角線101のR部1rbが、実施の形態1のR部1raに比べて大きく構成されている。実施の形態2に係る平角線101のその他の構成については、実施の形態1に係る平角線100と同様であり、対応する部分には同符号を付してその説明を省略する。
本願の実施の形態2に係る被膜剥離方法について図11から図15に基づき説明する。図11は、実施の形態2に係る被膜剥離方法での剥離工程の手順を示すフローチャート図である。図12から図15は、実施の形態2に係る被膜剥離方法での各剥離工程を示す断面図である。
最初に、図12に示すように、平角線の対向する長辺側の樹脂被膜2a、2bをそれぞれ、一方の短辺側から他方の短辺側に向けて、平角線の長辺に平行なB方向に、第一の被覆剥離刃としての被膜剥離刃20a、20bを移動させることで、せん断加工により剥離する(図11のステップS111)。長辺側の樹脂被膜2a、2bを剥離する際には、導体1と樹脂被膜2の界面ではなく、導体1の一部1a、1bを含めて切削するように剥離する。
次いで、図13に示すように、平角線の対向する短辺側の樹脂被膜2c、2dをそれぞれ、一方の長辺側から他方の長辺側に向けて、平角線の短辺に平行で長辺に垂直なC方向に、被膜剥離刃21a、21bを移動させることで、せん断加工により剥離する(図11のステップS112)。短辺側の樹脂被膜2c、2dを剥離する際には、導体1と樹脂被膜2の界面ではなく、導体1を一部1c、1b含めて切削するように剥離する。
実施の形態2に係る平角線101の場合、樹脂被膜2の残部2eが大きく残るため、シェービング加工が成立する程度の取り代により樹脂被膜2の残部2eが剥離できる状態になるまで被膜剥離刃21aと被膜剥離刃21bの間隔を段階的に狭めながら、この工程を繰り返す(図11のステップS113のNo)。
図14には、樹脂被膜2の残部2eが、シェービング加工が成立する程度の取り代により剥離できる状態となったN回目の第二の剥離工程を示す。図14に示すように、剥離された導体1には、シェービング加工が成立する程度の取り代により剥離できる樹脂被膜2の残部2eを含む(図11のステップS113のYes)。
最後に、図15に示すように、平角線の長辺側および短辺側の四辺の樹脂被膜を剥離した、四方のR部に残部2eを含む導体1の短辺側をそれぞれ、一方の長辺側から他方の長辺側に向けて、導体1の短辺に平行で長辺に垂直なC方向に、被膜剥離刃22a、22bを移動させることで、シェービング加工により剥離する(図11のステップS114)。
シェービング加工であると樹脂被膜の捲れおよびバリを抑えられるため、全ての被膜剥離においてシェービング加工であることが望ましいが、工程の増加を避けるため、このように最後の1回だけがシェービング加工であれば導体の切り口におけるダレ、破断面およびバリを無くすことができる。
表1は、最後の1回のシェービング加工で剥離する残部2eを含む導体1の厚さ(片側)の例を示す。
Figure 2023073577000002
以上のように、本実施の形態2に係る被膜剥離方法によれば、短辺側の剥離工程は、最後の回の剥離工程においてシェービング加工で剥離可能となるまで、せん断加工により剥離することを繰り返すようにしたので、R部の大きな平角線においても、導体のバリ、樹脂被膜の捲れ、および被膜バリを抑制した上で、R部の樹脂被膜を確実に剥離することができる。
なお、本実施の形態2では、平角線101の対向する2面を1回被膜剥離して、前記2面に垂直な対向する2面を2回以上の複数回被膜剥離する被膜剥離方法を説明したが、これに限るものではない。
平角線の対向する2面を2回以上の複数回被膜剥離して、前記2面に垂直な対向する2面を1回被膜剥離する被膜剥離方法でも、同様の効果を得られる。また、平角線101の対向する2面を2回以上の複数回被膜剥離して、前記2面に垂直な対向する2面を2回以上の複数回被膜剥離する被膜剥離方法でも、同様の効果を得られる。
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2では、3回以上の剥離工程で剥離する場合について説明したが、実施の形態3では、2工程のみの剥離工程で剥離する場合について説明する。
図16は、本願の実施の形態3に係る被膜剥離刃23a、23bでの短辺側の剥離工程を示す断面図である。
図16に示すように、被膜剥離刃23a、23bは、それぞれ複数の刃先23a1~23a3および刃先23b1~23b3を有している。刃先23a1、23a2および刃先23b1、23b2は、せん断加工可能な刃幅で設けられ、刃先23a3および刃先23b3は、シェービング加工可能な刃幅で設けられている。
次に、本願の実施の形態3に係る平角線の被膜剥離方法について説明する。ここでは、実施の形態2で示したR部の大きな平角線101で、N=2の場合について説明する。
最初の平角線の長辺側樹脂被膜の剥離は、実施の形態2と同様であり、図12に示すように、平角線の対向する長辺側の樹脂被膜2a、2bをそれぞれ、一方の短辺側から他方の短辺側に向けて、平角線の長辺に平行なB方向に、第一の被覆剥離刃としての被膜剥離刃20a、20bを移動させることで、せん断加工により剥離する(図11のステップS111)。
次いで、図16に示すように、一方の長辺側から他方の長辺側に向けて、平角線の短辺に平行で長辺に垂直なC方向に、被膜剥離刃23a、23bを移動させることで、まず刃先23a1と刃先23b1が平角線の対向する短辺側の樹脂被膜2c、2dをそれぞれ、せん断加工により剥離し(N=1に対応)、刃先23a2と刃先23b2が樹脂被膜2の残部2e含む導体1m、1nをそれぞれ、せん断加工により剥離し(N=2に対応)、続けて刃先23a3と刃先23b3が樹脂被膜2の残部2eのすべてを含む導体1o、1pをそれぞれ、シェービング加工により剥離する(図11のステップS112~ステップS114に対応)。
このとき、図17に示すように、逃げ角D1、D2およびD3が設けられた刃先24a1~24a3、24b1~24b3を備えた被膜剥離刃24a、24bを用いると、剥離した導体を逃がすスペースができるため、刃先に導体が詰まることが無くなる。
以上のように、本実施の形態3に係る被膜剥離刃23a、23bによれば、樹脂被膜2を有する導体1である平角線の樹脂被膜2を剥離する被膜剥離刃23a、23bであって、平角線の短辺に平行な方向に移動させ、短辺側の樹脂被膜2を、せん断加工により剥離する第一の刃先としての刃先23a1、23b1および刃先23a2、23b2と、前記第一の刃先を追って短辺に平行な方向に移動させ、樹脂被膜2の残部2eをシェービング加工により剥離する第二の刃先としての刃先23a3、23b3と、を備えるようにしたので、2工程のみで、平角線において、導体のバリ、樹脂被膜の捲れ、および被膜バリを抑制した上で、R部の樹脂被膜を確実に剥離でき、被膜剥離装置のサイズ低減も同時に達成できる。
また、平角線の被膜剥離刃24a、24bによれば、刃先24a1~24a3、24b1~24b3に、それぞれ逃げ角D1~D3をもうけるようにしたので、剥離した導体を逃がすスペースができるため、刃先に導体が詰まることが無くなる。
なお、本実施の形態3では、被膜剥離刃23a、23b、24a、24bのそれぞれの刃先の数を3としたが、これに限るものではない。刃先の数および間隔はR部サイズ、導体種類によって決めることができ、平角線の形態に合わせて刃先が2以上あるものを構成すればよい。
また、本実施の形態3では、短辺側の剥離に複数の刃先がある被膜剥離刃23a、23b、24a、24bを用いたが、これに限るものではない。長辺側の剥離に複数の刃先がある剥離刃を用い、短辺側の剥離に刃先が単一の剥離刃を用いてもよいし、長辺側の剥離、短辺側の剥離ともに複数の刃先を持つ剥離刃を用いてもよい。さらに、工程数は2工程に限定するものでもない。
また、本実施の形態1~3では、平角線のエッジワイズ面(矩形断面の短片側の面)の被膜剥離を複数回に分けて、少なくとも最後に行う被膜剥離については、導体のダレ、破断面、バリを抑制するためにシェービング加工により行い、フラットワイズ面(矩形断面の長辺側の面)の被膜剥離については、せん断加工による被膜剥離を一回のみ行う方法について説明を行ったが、これに限るものではない。
例えば、フラットワイズ面の切り口における、ダレ、破断面、バリを極力少なくする必要がある場合には、フラットワイズ面に対して、適宜、薄い取り代でシェービング加工を追加しても良い。つまり、フラットワイズ面の被膜剥離についても複数回行われても構わない。
フラットワイズ面に追加するシェービング加工については、エッジワイズ面の被膜剥離による樹脂被膜2の残部2eの除去が完了した後に行っても良いし、複数回のエッジワイズ面の被膜剥離の間にて、樹脂被膜2の残部2eが存在した状態において行っても良い。
何れにしても、フラットワイズ面に追加するシェービング加工については薄い取り代で行われることから、平角線の厚みに対する影響も殆ど生ずることなく、フラットワイズ面の切り口における、ダレ、破断面、バリを極力少なくすることができる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1k、1l 導体、2、2a、2b、2c、2d 樹脂被膜、2e 残部、20a、20b、21a、21b、22a、22b 被膜剥離刃、100、101 平角線。

Claims (7)

  1. 平角線の被膜を剥離する被膜剥離方法であって、
    前記平角線の対向する一対の辺の前記被膜を、前記一対の辺に平行な方向に第一の被膜剥離刃を移動させて、導体から剥離する第一の剥離工程と、
    前記平角線の対向する他の対の辺の前記被膜を、前記一対の辺に垂直な方向に第二の被膜剥離刃を移動させて、前記導体から剥離する第二の剥離工程と、
    を有し、
    前記第二の剥離工程の最後の工程においてシェービング加工により剥離することを特徴とする被膜剥離方法。
  2. 前記第二の剥離工程は、前記最後の工程においてシェービング加工で剥離可能となるまで、せん断加工により剥離を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の被膜剥離方法。
  3. 平角線の被膜を剥離する被膜剥離装置であって、
    前記平角線の対向する一対の辺に平行な方向に移動させ、前記一対の辺の前記被膜を、導体から剥離する一対の第一の被膜剥離刃と、
    前記一対の辺に垂直な方向に移動させ、前記平角線の対向する他の対の辺の前記被膜を、前記導体から剥離し、最後にシェービング加工により剥離する一対の第二の被膜剥離刃と、
    を備えたことを特徴とする被膜剥離装置。
  4. 前記一対の第二の被膜剥離刃は、せん断加工により剥離可能に前記一対の第二の被膜剥離刃の間隔を段階的に狭め、前記最後の剥離においてシェービング加工で剥離可能な間隔に狭めることができることを特徴とする請求項3に記載の被膜剥離装置。
  5. 平角線の被膜を剥離する被膜剥離刃であって、
    前記平角線の対向する一対の辺に平行な方向に移動して、前記一対の辺の前記被膜を、せん断加工により剥離する第一の刃先と、
    前記第一の刃先を追って前記一対の辺に平行な方向に移動して、前記被膜の残部をシェービング加工により剥離する第二の刃先と、
    を備えたことを特徴とする被膜剥離刃。
  6. 前記第一の刃先は、複数設けられたことを特徴とする請求項5に記載の被膜剥離刃。
  7. 前記第一の刃先および前記第二の刃先は、逃げ角が設けられたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の被膜剥離刃。
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