JP2023072631A - 空気清浄機およびその使用 - Google Patents

空気清浄機およびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2023072631A
JP2023072631A JP2022038116A JP2022038116A JP2023072631A JP 2023072631 A JP2023072631 A JP 2023072631A JP 2022038116 A JP2022038116 A JP 2022038116A JP 2022038116 A JP2022038116 A JP 2022038116A JP 2023072631 A JP2023072631 A JP 2023072631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
virus
air purifier
purifier
air outlet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022038116A
Other languages
English (en)
Inventor
成樹 志野
Shigeki Shino
武宣 吉城
Takenobu Yoshiki
直哉 西村
Naoya Nishimura
凌輔 山田
Ryosuke Yamada
邦人 梶谷
Kunito Kajitani
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Publication of JP2023072631A publication Critical patent/JP2023072631A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】筐体の消毒、ウイルス吸着材の交換が容易で、ウイルスが存在する雰囲気中においてもウイルスが除去された清浄な空気をヒトの顔面周辺に供給可能で、且つ、ヒトが密集している状況においても周囲にウイルス感染を拡大させる恐れが小さい空気清浄機とその使用を提供する。【解決手段】外気流入口と、内気流出口と、該外気流入口と該内気流出口を接続する気体流路と、該気体流路内に該外気流入口から空気を取り込み、該内気流出口から該空気を排出させ得る送風手段と、該外気流入口の外気側に交換が可能なウイルス吸着材と、該内気流出口がヒトの顎部近傍に固定可能な装着手段を少なくとも有する空気清浄機。【選択図】図2

Description

本発明は、空気清浄機およびその使用に関する。
新型コロナウイルス感染症に代表されるウイルス感染症の流行を抑制する方法の一つとして、マスクを着用することが広く行われている。ウイルス感染者がマスクを着用している場合にはマスクがウイルスの拡散を抑制し、ウイルス未感染者がマスクを着用している場合、ウイルスの吸入を抑制する。
ウイルス感染症を抑制する観点ではマスクは常時着用することが推奨される。しかし、飲食時等では、マスクを一時的に外さざるを得ない状況が存在する。実際に新型コロナウイルス感染症の流行では飲食店にて集団感染が発生する事例が多数見られた。そこで、マスクを着用することなく、飲食店において効果的にウイルス感染を抑制可能な手段が求められている。
ウイルス除去効果を有する空気清浄機が知られている。例えば特開2003-79714号公報(特許文献1)には、室内壁面等に付着した臭い、菌、ウイルスを除去することができる空気清浄機が開示されている。しかし、飲食店の繁忙時は来客が密集している状況になるため、当該空気清浄機にて飲食店全体の空気を浄化したとしても、ウイルス感染者の呼気からウイルス未感染者にウイルスが直接飛散してしまうため、ウイルス感染を抑制する効果は限定的であった。
特開2019-219145号公報(特許文献2)や特開2020-199149号公報(特許文献3)には、送風機構と、送風される空気を浄化する浄化手段(フィルター等)と、ヒトに装着するための装着手段を備える空気清浄機が開示されている。このような空気清浄機を飲食店の来客が装着して飲食すれば、ウイルスが存在する雰囲気中でウイルス未感染者が吸気する場合においても、空気清浄機により浄化した空気を吸気できるので、マスクを着用することなくウイルス感染を抑制することが可能になる。
飲食店の全来客に対し、空気清浄機を事前に装着した状態で来店することを求めるのは非現実的である。よって飲食店側で空気清浄機を複数個用意し、来店時に来客に貸し出し、退店時に返却してもらうことが望ましい。飲食店の繁忙時には多くの来客が想定されるため、返却された空気清浄機をそのまま次の来客に貸し出せることが理想だが、来客にウイルス感染者が含まれていることを想定すると、実際には返却された空気清浄機は筐体を完全に消毒し、例えば前述した特許文献2や特許文献3では浄化手段やウイルス吸着材等を洗浄または交換することが必須である。
空気清浄機の筐体の外面はアルコール等で拭くことで容易に消毒できる。しかし、浄化手段として電気集塵機やHEPAフィルター等のフィルターが空気清浄機に内蔵されている場合、該浄化手段は送風機構の中間に位置している。この構造では、ウイルスに汚染された外気が送風機構に侵入するため、空気清浄機の内部まで消毒する必要があり作業が煩雑になる。また、浄化手段が内蔵されているため、来客ごとに空気清浄機を分解して浄化手段を取り外して交換する必要があり、飲食店の繁忙時には対応が実質的に困難である。
顔の前に横向きの気流を生じさせ、対面からの飛沫を気流で横方向に押し流し、ウイルス感染を抑制する装置が知られており、例えば(株)ビットストロングからエアーマスクbasic BS-AirMask-B2(非特許文献1)が市販されている。しかし、人が密集している状況において横向きの気流を生じさせると、周囲にウイルス感染を拡大させる恐れがある。
つまり、筐体の消毒、ウイルス吸着材の交換が容易で、ウイルスが存在する雰囲気中においてもウイルスが除去された清浄な空気をヒトの顔面周辺に供給可能で、且つ、人が密集している状況においても周囲にウイルス感染を拡大させる恐れが小さい空気清浄機が求められていた。
一方、実用新案登録第3226219号公報(特許文献4)には、集塵フィルターを本体の吸込口外部側に有する空気清浄機が開示され、集塵フィルターが備える不織布の交換が容易であることが記載される。
また、実用新案登録第3147515号公報(特許文献5)には取り換え可能なフィルター(ウイルス吸着材)をフロントケーシング内に設ける空気清浄機が開示されている。また、実用新案登録第3157326号公報(特許文献6)には、集塵フィルターを本体の吸込口外部側に有する空気清浄機が開示されている。これらの空気清浄機では、ウイルスに汚染された外気が送風機構には侵入しにくくなるが、フィルターが収納されるフロントケーシングの内部、特にフロントケーシングとフィルターが接する部分はウイルスに汚染された外気が侵入するため消毒する必要があり、作業の煩雑さについては改善の余地があった。
さらに、空気清浄機を使用するヒトの体格差が空気清浄機から送風される空気の方向に影響するため、ウイルス感染を防止する効果が安定しなかったり、飲食の際に空気清浄機を装着した場合、空気清浄機が飲食に伴う動作に干渉して不快に感じたりする問題もあった。
特開2003-79714号公報 特開2019-219145号公報 特開2020-199149号公報 実用新案登録第3226219号公報 実用新案登録第3147515号公報 実用新案登録第3157326号公報
(株)ビットストロング、[online]、製品/エアカーテン/エアーマスクbasic BS-AirMask-B2、[2021年10月25日検索]、インターネット<URL:https://www.bitstrong.co.jp/store/bs-airmask-b2/>
本発明の目的は、筐体の消毒、ウイルス吸着材の交換が容易で、ウイルスが存在する雰囲気中においてもウイルスが除去された清浄な空気をヒトの顔面周辺に供給可能で、且つ、人が密集している状況においても周囲にウイルス感染を拡大させる恐れが小さい空気清浄機を提供することにある。また、その効果がヒトの体格差に影響されない空気清浄機およびその使用を提供することにある。
上述した課題は、以下の発明により解決される。
(1)外気流入口と、内気流出口と、該外気流入口と該内気流出口を接続する気体流路と、該気体流路内に該外気流入口から空気を取り込み、該内気流出口から該空気を排出させ得る送風手段と、該外気流入口の外気側に交換が可能なウイルス吸着材と、該内気流出口がヒトの顎部近傍に固定可能な装着手段を少なくとも有する空気清浄機。
(2)上記空気清浄機の底面から上記内気流出口までの長さが160mm以内であり、上記内気流出口が実質的に一つであることを特徴とする上記(1)記載の空気清浄機。
(3)上記ウイルス吸着材が強磁性体を有し、上記外気流入口の周辺に磁石を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の空気清浄機。
(4)上記装着手段により、上記内気流出口の位置を、ヒトの左右の鎖骨の正中線側の端部を結んだ線より1~5cm上部に固定することを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の空気清浄機の使用。
(5)上記装着手段により、上記空気清浄機から内気が排出される方向を鉛直方向に対して5~25°の範囲に固定することを特徴とする上記(4)記載の空気清浄機の使用。
本発明により、筐体の消毒、ウイルス吸着材の交換が容易で、ウイルスが存在する雰囲気中においてもウイルスが除去された清浄な空気をヒトの顔面周辺に供給可能で、且つ、ヒトが密集している状況においても周囲にウイルス感染を拡大させる恐れが小さい空気清浄機を提供することができる。また、その効果がヒトの体格差に影響されない空気清浄機およびその使用を提供することができる。さらに、ウイルス吸着材の交換がより簡単に行える空気清浄機およびその使用を提供することができる。
本発明の空気清浄機の一実施例を示す概略断面図 本発明の空気清浄機をヒトが装着した一例を示す概略図 本発明の空気清浄機の一使用例を示す概略図 本発明の空気清浄機の別の一実施例を示す概略断面図 本発明の空気清浄機をヒトが装着した一例を示す概略側面図 本発明の空気清浄機をヒトが装着した一例を示す概略正面図 実施例で作製した本発明の空気清浄機を示す概略図 本発明の空気清浄機の別の一実施例を示す概略図
以下、本発明の詳細について図を用いて説明する。
図1は本発明の空気清浄機の一実施例を示す概略断面図である。図1において空気清浄機1は、外気流入口10と内気流出口11を有し、外気流入口10と内気流出口11を接続する気体流路16内に送風手段12を有する。さらに外気流入口10の外気側に交換が可能なウイルス吸着材13を有し、送風手段12に電力を供給する電源14を好ましく有する。そして内気流出口11がヒトの顎部近傍に固定可能な装着手段15を有する。
図2は本発明の空気清浄機をヒトが装着した一例を示す概略図である。図2では内気流出口11がヒトの顎部近傍(好ましくは顎より下部)に位置するように固定する装着手段15(図2においては首掛け紐)を用いてヒト100が空気清浄機1を装着している。空気清浄機1の送風手段12を駆動することで外気20が空気清浄機1に流入する。その過程でウイルス吸着材13にて外気20中のウイルスが吸着・浄化され、内気流出口11から浄化された内気21がヒト100の顎部近傍(顔面下部から顔面上部)へと排出する。よってウイルスが存在する雰囲気中においても、ウイルスが除去された清浄な空気をヒト100の顔面周辺に供給可能であり、さらに上方への気流を生じさせることから、人が密集している状況においても、ヒト100からの飛沫が周囲の人に直接飛散することを効果的に防止することができ、ウイルス感染を拡大させる恐れが小さくなる。
図3は本発明の空気清浄機の一使用例を示す概略図である。ヒト100が空気清浄機1を使用した後は、空気清浄機1からウイルス吸着材13を取り外して廃棄し、新しいウイルス吸着材13’を取り付ける。そして、図3には図示していないが、筐体17の外面を消毒してから、前述のヒト100とは別のヒト101が空気清浄機1を使用する。
図4は本発明の空気清浄機の別の一実施例を示す概略断面図である。空気清浄機1は、外気流入口10と内気流出口11を有し、外気流入口10と内気流出口11を接続する気体流路16内に送風手段12を有する。さらに外気流入口10の外気側に交換可能なウイルス吸着材13を有し、送風手段12に電力を供給する電源14を好ましく有する。そして内気流出口11がヒトの顎部近傍に固定可能な装着手段15-1と内気21を排出する方向を調整可能な装着手段15-2を有する。
図5は本発明の空気清浄機をヒトが装着して使用した一例を示す概略側面図である。内気流出口11がヒトの顎部近傍(好ましくは顎より下部)に位置するように固定する装着手段15-1(図5においては首掛け紐を例示している)を用いてヒト100が空気清浄機1を装着している。空気清浄機1を作動させることで外気20が空気清浄機1に流入する。その過程でウイルス吸着材13にて外気20はウイルスが吸着・浄化され、内気流出口11から浄化された内気21がヒト100の顎部近傍(顔面下部から顔面上部)へと排出される。この際、空気清浄機1は装着手段15-2によって、鉛直方向に対して角度26(鉛直方向を示す線22と内気流出方向と平行な線24の角度)に調整される。該角度26は5~25°であることが好ましい。これにより、ウイルスが存在する雰囲気中においても、ウイルスが除去された清浄な空気をヒトの顔面周辺に効率よく供給可能であり、ヒトの体格差に影響されない空気清浄機とすることができる。さらに上方への気流を生じさせることから、ヒトが密集している状況においても周囲にウイルス感染を拡大させる恐れが小さくなる。また、空気清浄機1の底面から内気流出口11までの長さ50は、ヒトの体格差による影響を小さくする観点から、160mm以内であることが好ましい。
図6は本発明の空気清浄機をヒトが装着した一例を示す概略正面図である。空気清浄機1はヒトの正中線上に位置するように装着することが好ましく、また、空気清浄機1の内気流出口11の位置を、ヒト100の左右の鎖骨30の正中線側の端部を結んだ線より1~5cm上部に固定することが好ましく、この固定は装着手段15-1で調整することが好ましい。これにより、周囲からの飛沫が内気流出口11から排出された内気21に混ざる可能性が低くなり、より効果的にウイルス感染を防止することができる。
本発明における外気流入口10と内気流出口11の構造は特に限定されず、通気可能な公知の構造とすることができる。送風手段12に指等が接触するのを防ぐ観点から、内気流出口11はスリット構造、メッシュ構造、パンチング構造等の通気可能で指等を入れることが困難な構造とすることが好ましい。外気流入口10と内気流出口11の開口率は特に限定されないが、風量を十分なものとする観点から30~99%が好ましく、40~98%がより好ましく、50~97%が特に好ましい。外気流入口10と内気流出口11の構造は同じであってもよく、異なっていてもよい。外気流入口10と内気流出口11は風向きを変更するための機構を備えていてもよい。
本発明における内気流出口11は実質的に1つであることが好ましい。実質的に1つであることとは、内気流出口11に上述したような各構造(指等を入れることが困難な構造)の違いがあったり、気体流路16が隔壁で仕切られていたりする場合でも、内気21が排出される箇所が隣接していることで同じ方向に内気21が排出され、1つの内気流出口として機能することを言う。これにより、より効率的に内気21を排出し、ウイルス感染を防止することができる。
なお、前述した図1において示した外気流入口10と内気流出口11の配置はあくまで一例であり、配置は限定されないが、本発明では図2に示すように、空気清浄機1を装着したヒト100の顔面下部から顔面上部へと内気流出口11から浄化された内気21が流出することが必要であるため、それを満足する位置、好ましくは空気清浄機の天面に内気流出口11を配置することが望ましい。
送風手段12としては、本発明の空気清浄機1が好ましく有する電源14が供給する電力で駆動するものであれば特に限定されないが、あまりに大型、高出力だと消費電力が大きくなり短時間しか使用できない場合があり、また駆動音が大きくなって装着するヒトが不快になる場合がある。そのため送風手段12の仕様は、消費電力(定格入力)は0.1~10Wが好ましく、定格回転数は100~10000回/分が好ましく、最大風量は1~100CFMが好ましく、ノイズレベルは1~50dBが好ましい。送風手段12としては、シロッコファン、ターボファン、エアホイルファン、プレートファン等の各種ファンを例示することができる。また、内気流出口11からの風量を調整するため、送風手段12の回転速度は可変であってもよい。
本発明においては、シロッコファンなどの遠心送風機を用いることが、空気清浄機1の厚みを薄くできる点で好ましい。遠心送風機を用いる場合、より効率的に内気21を排出する観点から、該遠心送風機のファンの軸方向が内気21を排出する方向に対して直角であることが好ましい。
なお、前述した図1および図4においては送風手段12を1個有する例を示したが、これに限定されず、送風手段を2個以上有していてもよい。送風手段を2個以上有する場合の配置は限定されず、直列状に(一方の送風手段から吹き出された風が他方の送風手段に吸い込まれるように重ねて)配置してもよく、並列状に(2個の送風手段から吹き出した風が横並びになるように)配置してもよく、2個の送風手段から吹き出された風が交差するように配置してもよい。
本発明において外気流入口10と内気流出口11を接続する気体流路16の構造は特に限定されないが、内気流出口11から流出する内気21の風量が十分なものになるように、圧力損失が小さい構造であることが好ましい。
このような気体流路16の構造としては、送風手段12の排出方向上に内気流出口11が位置する構造を例示することができる。これにより、より効率的に内気21を排出することができる。
本発明において空気清浄機1は、交換可能なウイルス吸着材13を、外気流入口10の外気側に有する。これにより、ウイルス吸着材13の交換が容易になり、また、繰り返し使用した場合でもウイルスが空気清浄機1の内部に入り込まないので、空気清浄機1の内部を消毒する必要がなくなり、筐体17の消毒が容易になる。
ウイルス吸着材13としては、公知のウイルスを吸着する材料を用いることができる。例えば不織布、織布、ガーゼ、紙等が挙げられ、中でも不織布を用いることは通気性とウイルスの吸着性を両立する観点から好ましい。不織布を構成する繊維は限定されず、ガラス、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース系材料(酢酸セルロース、天然セルロース、レーヨン等)あるいはこれらの共重合体や複合体等の公知の材料を含有する繊維を用いることができる。上記した中でもポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂を用いることがウイルス吸着性能に優れることから好ましい。
不織布を構成する繊維の平均繊維径は特に限定されないが、ウイルスの吸着性能が優れたものになること、および圧力損失を抑える観点から50μm以下であることが好ましく、30μm以下がより好ましい。平均繊維径の下限は0.1μm以上であることが好ましい。平均繊維径の測定方法としては、不織布の厚さ方向における断面を拡大した顕微鏡写真から50点の繊維を選出し、繊維断面における直径の算術平均値を用いることができる。なお、繊維断面形状が円形でない場合には、同じ断面積を有する円の直径を繊維径とする。
不織布を構成する繊維の繊維長は特に限定されず、短繊維であっても長繊維であってもよい。
上記した繊維は、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から繊維を抽出する方法、繊維を叩解して繊維を得る方法など公知の方法で得ることができる。
繊維を不織布にする方法としては、ニードル、水流等によって交絡させる方法、バインダーを用いて一体化させる方法、加熱処理により繊維同士を溶融し一体化させる方法等の公知の方法を用いることができる。直接紡糸法を用いて繊維を得る場合、紡糸直後に捕集して不織布としてもよい。不織布は、材料、平均繊維径、製造方法の異なる2種類以上の繊維から構成されていてもよい。
不織布の見かけ密度は特に限定されないが、圧力損失を抑える観点から、250kg/m以下であることが好ましい。なお、見かけ密度とは不織布1mあたりの質量を意味する。
不織布は公知の後処理を施されていてもよい。例えば特開2011-235219号公報等で開示されている方法に従い、極性液体を用いて帯電させる、いわゆるエレクトレット処理を施していてもよい。
ウイルス吸着材13の圧力損失は特に限定されないが、十分な風量を得るためには圧力損失は小さい方が好ましい。具体的にはJIS T9001:2021に準じて測定した圧力損失が60Pa/cm未満であることが好ましい。
ウイルス吸着材13のウイルス飛沫捕集効率は特に限定されないが、JIS T9001:2021に準じたVFE試験にて95%以上であることが好ましい。
ウイルス吸着材13のバクテリア飛沫捕集効率は特に限定されないが、JIS T9001:2021に準じたBFE試験にて95%以上であることが好ましい。
ウイルス吸着材13の微小粒子捕集効率は特に限定されないが、JIS T9001:2021に準じたPFE試験にて95%以上であることが好ましい。
ウイルス吸着材13は抗菌・抗ウイルス剤(例えば塩化ベンザルコニウム等)、消臭剤(活性炭等)、光安定剤(ヒンダードアミン系化合物等)、光触媒(二酸化チタン等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、顔料、染料、帯電防止剤、滑剤、界面活性剤等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
ウイルス吸着材13は単層構造であってもよく、2層以上の構造であってもよい。例えばスパンボンド法で得られた繊維を含有する不織布と、メルトブロー法で得られた繊維を含有する不織布とを組み合わせる等、異なる仕様の不織布を2層以上重ねた構造であってもよい。
ウイルス吸着材13の大きさは特に限定されず、外気流入口10の開口部を被覆できればよい。ウイルス吸着材13の厚みは特に限定されないが、0.1~20mmであることが好ましい。
ウイルス吸着材13の目付は特に限定されないが、10~300g/mであることが好ましい。
ウイルス吸着材13は外気流入口10の開口部の被覆を容易にすることを目的として、プリーツ加工が施されていてもよく、形状記憶のため金属製、樹脂製のワイヤーを含んでいてもよい。
ウイルス吸着材13を外気流入口10の外気側に固定する機構は特に限定されないが、本発明のウイルス吸着材13は交換可能であり、図3に示したように使用後にウイルス吸着材13は取り外して廃棄し、新たなウイルス吸着材13’に交換するので、容易に固定できる方法が好ましい。具体的な固定方法としては、ウイルス吸着材13及び/または外気流入口10に磁石を設けて磁力で固定する方法、ウイルス吸着材13及び外気流入口10に面ファスナーを設ける方法、両面粘着テープを用いてウイルス吸着材13を外気流入口10に貼り付ける方法、ウイルス吸着材13をカセット状、カートリッジ状にして外気流入口10に設けたハウジングに挿入する方法等が例示できる。ウイルス吸着材13の交換を容易にすることを目的として、ウイルス吸着材13は紐や取手を有していてもよい。
上記したウイルス吸着材13及び/または外気流入口10に磁石を設けて磁力で固定する方法としては、ウイルス吸着材13が強磁性体40、40’を有し(図8の8-b)、外気流入口10の周辺に磁石41~41’’’を有し(図8の8-a)、強磁性体40、40’と磁石41~41’’’が磁力で吸着することによって少なくともウイルス吸着材13の2辺を固定する方法を例示することができる(図8の8-c)。この磁力で固定する方法は、ウイルスの捕集効率を下げずに、かつ、ウイルス吸着材13の交換をより簡単に行うことができる点で好ましい。強磁性体40、40’としては鉄、ニッケル、コバルト、およびこれらを含む合金が例示でき、外気20の流入を妨げず、外気流入口10に密着できる任意の形状及び個数とすることができる。ウイルス吸着材13に強磁性体40、40’を取り付ける方法としては、ウイルス吸着材13を2層以上で構成し、層の間に例えば接着剤や熱融着により、ワイヤー形状や板形状とした強磁性体40、40’を固定する方法を例示することができる。特にワイヤー形状とした強磁性体40、40’を2層以上で構成されたウイルス吸着材13の間に挿入し、該強磁性体40、40’の周辺を熱圧着することにより(好ましくはウイルス吸着材13の少なくとも2ヶ所の端部に)固定する方法は、既存のマスクの製造設備を流用でき、専用の製造設備を設ける必要がないため、安価に製造できるという観点からより好ましい。磁石41~41’’’としては永久磁石の他、電磁石を用いることもでき、ウイルス吸着材13を空気清浄機1に安定して保持、密着させることができる任意の形状及び個数とすることが好ましい。磁石41~41’’’を外気流入口10の周辺に取り付ける方法としては、接着剤で取り付ける方法を例示することができるが、ウイルス吸着材13が外気流入口10の全体に密着できるように凸凹を少なくすることが好ましい。
ウイルス吸着材13及び交換用のウイルス吸着材13’には、エチレンオキサイドガス等を用いた滅菌処理を施してもよい。
本発明において空気清浄機が好ましく有する電源14としては特に限定されず、送風手段12を連続的に駆動可能な電力を供給できる任意の電源を用いることができる。具体的にはリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、アルカリ乾電池、マンガン乾電池等が例示できる。電源14は一次電池であってもよく、二次電池であってもよい。なお、前述した図1では図示していないが、電源14から送風手段12には電気配線が接続されており、電力が供給され、送風手段12が駆動される。
内気流出口11がヒト100の顎部近傍に位置するように固定する装着手段15として、図2においては首掛け紐を図示しているが、該装着手段15は首掛け紐に限定されず、ヒト100の顎より下部に空気清浄機1を装着できればよい。ここでヒト100に装着するとは、ヒト100に直接接触するものに限定されず、ヒト100が着用している服に面ファスナーやクリップで固定する方法も本発明に含まれる。ヒト100への装着手段15を構成する素材は限定されず、樹脂、皮革、繊維、金属等の公知の材料を用いることができる。ヒト100への装着手段15として首掛け紐を用いる場合、紐の長さを調節する機構や、紐を外したり留めたりする機構を有していてもよい。
本発明において筐体17を構成する素材は特に限定されず、樹脂、金属、木材、ガラス等の公知の材料を用いることができる。中でも軽量であることから樹脂を用いることが好ましく、アルコール消毒を可能にする観点から耐アルコール性を有する樹脂を用いることが特に好ましい。樹脂の具体例としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。
前述した図4において内気流出口11から内気21が排出される方向を調整する装着手段15-2は、使用時に筐体17から引き起こして固定できる機構を備えていてもよいし、筐体17自体の形状によって内気21が排出される方向が調整されるようにすることもできる。装着手段15-2を構成する素材は、上述した筐体17を構成する素材と同様の材料を用いることができる。
前述した各図面において図示していないが、本発明の空気清浄機1は送風手段12のスイッチ、送風手段12の風量調節ボタン、筐体17の内部にある気体流路16や送風手段12を掃除するための構造(例えば、外気流入口10や内気流出口11を構成する部品が脱着可能)、電源14を交換するための構造(例えば、電源14の保護カバーが脱着可能)、電源14を充電するための外部電源接続部を有していてもよい。また、図1、図2、及び図3では直方体の空気清浄機を例示したが、外観は限定されず、立方体、球体等、任意の形状とすることができる。
以下に本発明を実施例により更に詳細に示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、作製した空気清浄機は試験を容易にするため、一部は好ましい範囲から外れた形態を取っている。
<空気清浄機>
厚さ1mmのアクリル板を使いD×W×H=24×170×113mmの筐体17を作製した。図7は実施例で作製した本発明の空気清浄機を示す概略図である。筐体17の上面の中央部に長さ90mm×幅22mmの内気流出口11を設け(図7上面図)、次に送風手段12として、(株)アイネックス製シロッコファンRSF-06Aを設置した(図7正面図)。空気清浄機の外気流入口10となる筐体17の前面には、幅2mm×長さ170mmのアクリル板18を3ヶ所に取り付けた(図7正面図)。筐体17およびアクリル板18の端部前面にDIC(株)製#8602テープ(両面粘着テープ)を貼り、ウイルス吸着材13としてエレクトレット処理したメルトブロー不織布(帯電処理したポリプロピレン製メルトブロー不織布で目付け30g/m、平均繊維径2.5μm、見かけ密度70kg/m、圧力損失25Pa、微小粒子捕集効率が99.9%)を貼り付けた。また厚さ5mm、幅120mm、長さは後述の治験者Aでの装着条件になる長さのアクリル板を装着手段15-2として取り付けた(図7背面図、側面図、上面図)。また、図示していないが、装着手段15-1としてポリプロピレン製の紐を取り付け、電源については、評価の簡便化のため、有線で供給した。
<治験者>
上記空気清浄機を用いて、表1に記載する4名を治験者として、試験1:内気排出方向、試験2:快適度、試験3:ブロック性(正面)、および試験4:ブロック性(横)を実施した。
Figure 2023072631000002
先ず、空気清浄機を治験者Aに装着させ、表2に示す条件1~8の位置に空気清浄機が固定されるように装着手段15-1および15-2を調整した。表2において位置Aは、図6における内気流出口11の位置を表し、治験者の左右鎖骨の正中線側の端部を結んだ線34を基準とし、線34より上側を+、下側を-として、その長さ(cm)を記載した。なお、条件4のみ筐体17をD×W×H=24×170×213mmの大きさとし、内気流出口11に送風手段12が接するよう取り付けた以外は同じように作製した空気清浄機を使用した。
治験者Aで条件1~8に調整した空気清浄機をそのまま治験者B~Dに装着させ、位置Aおよび角度を測定し、表2に記載した。位置Aの測定はcm単位(小数点以下は四捨五入)で実施した。鉛直方向に対する内気が排出される方向の角度26(すなわち送風方向の角度)は、便宜上5°単位で測定した。
<試験1:内気排出方向>
空気清浄機からウイルス吸着材13を外した状態で各治験者に空気清浄機を装着させた。各治験者に装着させた空気清浄機の外気吸入口10へ光明理科工業(株)製気流検査機AS-1(送気用ゴム球を押しつぶすことによって煙を排出できる)を用いて発生させた煙を吸入させ、該煙が各治験者の口、鼻の方向に排出されているかを、各治験者の正面方向と横方向から目視にて確認した。煙が口、鼻の方向に排出されている場合を○、方向が少しずれている場合を△、方向がまったくずれている場合を×とした。結果を表2に示す。
<試験2:快適度>
空気清浄機を装着した状態で、首を上下に動かすなどの飲食に伴う動作を行った際に、空気清浄機が干渉して邪魔にならないか評価した。まったく干渉しない場合を○、僅かに干渉する場合を△、干渉する場合を×とした。結果を表2に示す。
<試験3:ブロック性:正面>
ウイルス吸着材13を装着した空気清浄機を作動させた状態で、治験者の正面50cm程度の位置から、高さは治験者の口の高さで、治験者に向けて気流検査機AS-1を用いて、煙を弱く(送気用ゴム球を0.5秒程度で押しつぶす)噴射した。その際、治験者の顔面に煙が到達した場合は×(ブロック性なし)とし、治験者の顔面に到達しなかった場合は△(ブロック性あり)とした。同様に気流検査機AS-1を用いて、煙を勢い良く(送気用ゴム球を瞬間的に押しつぶす)噴射し、治験者の顔面に煙が到達しなかった場合は○(ブロック性が特に優れる)とした。結果を表2に示す。
<試験4:ブロック性:横>
ウイルス吸着材13を装着した空気清浄機を作動させた状態で、治験者の右横50cm程度の位置から、高さは治験者の口の高さで、治験者に向けて気流検査機AS-1を用いて、煙を弱く(送気用ゴム球を0.5秒程度で押しつぶす)噴射した。その際、治験者の顔面に煙が到達した場合は×(ブロック性なし)とし、治験者の顔面に到達しなかった場合は△(ブロック性あり)とした。同様に気流検査機AS-1を用いて、煙を勢い良く(送気用ゴム球を瞬間的に押しつぶす)噴射し、治験者の顔面に煙が到達しなかった場合は○(ブロック性が特に優れる)とした。結果を表2に示す。
Figure 2023072631000003
表2の結果から本発明の効果が良く分かる。
本発明は飲食を伴う際に使用する空気清浄機として好適に利用可能である。
1 空気清浄機
10 外気流入口
11 内気流出口
12 送風手段
13、13’ ウイルス吸着材
14 電源
15、15-1、15-2 装着手段
16 気体流路
17 筐体
18 実施例で作製した空気清浄機前面に取り付けたアクリル板
20 外気
21 内気
22 鉛直方向を示す線
24 内気流出方向と平行な線
26 鉛直方向を示す線22と内気流出方向と平行な線24の角度
30 鎖骨
32 内気流出口11の位置
34 左右鎖骨の正中線側を結ぶ線の位置
36 位置A
40、40’ 強磁性体
41、41’、41’’、41’’’ 磁石
50 空気清浄機1の底面から内気流出口11までの長さ
100、101 ヒト

Claims (5)

  1. 外気流入口と、内気流出口と、該外気流入口と該内気流出口を接続する気体流路と、該気体流路内に該外気流入口から空気を取り込み、該内気流出口から該空気を排出させ得る送風手段と、該外気流入口の外気側に交換が可能なウイルス吸着材と、該内気流出口がヒトの顎部近傍に固定可能な装着手段を少なくとも有する空気清浄機。
  2. 前記空気清浄機の底面から前記内気流出口までの長さが160mm以内であり、前記内気流出口が実質的に一つであることを特徴とする前記請求項1に記載の空気清浄機。
  3. 前記ウイルス吸着材が強磁性体を有し、前記外気流入口の周辺に磁石を有することを特徴とする前記請求項1又は2に記載の空気清浄機。
  4. 前記装着手段により、前記内気流出口の位置を、ヒトの左右の鎖骨の正中線側の端部を結んだ線より1~5cm上部に固定することを特徴とする前記請求項1~3のいずれかに記載の空気清浄機の使用。
  5. 前記装着手段により、前記空気清浄機から内気が排出される方向を、鉛直方向に対して5~25°の範囲に固定することを特徴とする前記請求項4に記載の空気清浄機の使用。
JP2022038116A 2021-11-12 2022-03-11 空気清浄機およびその使用 Pending JP2023072631A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021184472 2021-11-12
JP2021184472 2021-11-12
JP2022006882 2022-01-20
JP2022006882 2022-01-20

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023072631A true JP2023072631A (ja) 2023-05-24

Family

ID=86424655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022038116A Pending JP2023072631A (ja) 2021-11-12 2022-03-11 空気清浄機およびその使用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023072631A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111156624A (zh) 空气净化装置及具有其的空气净化器
CN103585844B (zh) 多功能电子口罩
KR101858329B1 (ko) 접힘가능 공기 여과 장치
KR20150139591A (ko) 공기 여과 장치
KR20150139592A (ko) 공기 여과 장치
KR20180089557A (ko) 공기를 여과하는 방법
CN111194955A (zh) 一种紫外线杀菌口罩
CN105833441A (zh) 一种脖挂式空气净化系统
KR20080089727A (ko) 휴대용 공기청정기
US20230135994A1 (en) Multilayered textile as/for durable and washable high-performance filtration media and method of assembling thereof
JP2023072631A (ja) 空気清浄機およびその使用
KR101276388B1 (ko) 푸시팬 및 풀팬 혼합형 가습 청정기
KR102065578B1 (ko) 이필름 필터를 구비한 마스크
JP2014064802A (ja) 複合エアフィルタ
JP2004069290A (ja) 卓上型空気清浄機
CN211822870U (zh) 空气净化装置及具有其的空气净化器
CN212157470U (zh) 空气净化装置及具有其的空气净化器
KR20210125876A (ko) 필터 튜브를 구비한 마스크
CN207203247U (zh) 层流式净化呼吸器
JP3147515U (ja) 携帯型空気清浄器
JP2023169912A (ja) フィルター
KR20220138358A (ko) 보건용 마스크
JP7406866B1 (ja) マスク
JP6137799B2 (ja) 送風装置
CN219229105U (zh) 一种抗过敏式滤芯口罩