JP3147515U - 携帯型空気清浄器 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋外でも清浄な空気が呼吸可能となる他、夏には使用者に涼風を送る扇風機にもなる携帯型空気清浄器を提供する。
【解決手段】バックケーシング2c及び、第1と第2のフロント(Fr)ケーシング2a、2bからなる機体を備え、バックケーシングと第1のFrケーシングとの間に、電池9、切替スイッチ14、モータ8、ファン7、風洞6、排気口11、及びルーバ10を備えた携帯用空気清浄器1であって、第1のFrケーシングにフィルタ格納部4を備え、フィルタ5を第1と第2のFrケーシング間に装着し得る様にした他、第1と第2のFrケーシング間にはスリット状の吸気口12が備えられる様にし、更に第1と第2のFrケーシング同士を係合させた時、両者の間に吸気口からの外気をフィルタへ案内する空隙が設けられる様にし、吸気口から外気がフィルタを介して風洞に吸引され、それがファンで機体外へ排出される様構成した。
【選択図】図4

Description

本考案は、花粉症や化学物質過敏症などのアレルギー症の人を主な使用対象として、主に屋外で使用可能な携帯型空気清浄器に係るもので、花粉や化学物質で汚染された空気を浄化して、屋外でも清浄な空気が呼吸可能となり、アレルギーの予防に資することが期待できるものである。
ところで、酷暑の夏の外出は辛いところ、移動時における扇子の使用もままならない街中の営業マンや買い物の主婦などにとっては、その辛さは計り知れないものがある。
本考案は、この様な時に、ポケットからさわやかな風を送り、ひと時の癒しを与える携帯型扇風機にもなり得る携帯型機器を提供せんとするものである。
空気清浄器と言えば、室内空気の浄化装置が一般的で、従来からイオン式、フィルター式、電気集塵式、光触媒式など、多くの種類の製品が一般家庭で使用され普及している。最近は、高性能フィルターによる花粉やダニなどのアレルゲン成分の高性能集塵、光触媒などによる有害物質の光分解脱臭、機体から放出されるイオンによる室内殺菌など、室内空気の浄化技術は大いに進み、花粉症や化学物質過敏症などの空気アレルギーの方には必需品になっている。
一方、室外での汚染空気からの防御についてみると、現状ではマスクが唯一の手段であり、花粉シーズンには多くの人がマスク予防している姿を見かける。また最近は、屋外でシーズンを問わずにマスクをしている人も多く見かけるようになった。それだけ、年中アレルギー傾向の人が増えている左証でもある。
しかし、屋外で空気を浄化する携帯用機器の開発はほとんど行われていない。
現状では、イオン式の携帯型空気清浄器が商品化を果たしているものの、イオン式は室内空気でも空気の循環浄化効果が無く、ましてや開放された外気の場合は鼻に接触させる程度まで空気清浄器本体(以下、「機体」と略称することがある)を近付けなければ、使用者が処理済みの浄化された空気を呼吸できる効果を得ることができない。
このように、従来知られたイオン式の携帯型空気清浄器に関していえば、屋外で使用した際に効果が全くと言っていいほど期待できないことが明らかである。
他方、ファン式に目を向けると、考え方はやはりイオン式同様に従来から存在し、下記に列挙する種々の参照特許文献が存在する。
[参照特許文献1]:特開2002−301146号(図2、請求項1、0004)
[参照特許文献2]:特開2002−315814号(図2、請求項1)
[参照特許文献3]:特開2003−262370号(図1、請求項1、0008)
参照特許文献1及び2に開示された携帯型空気清浄器に係る技術は、送風口の幅を人間の鼻の下面の幅と略同等としたことを特徴としたものである。
参照特許文献3に開示された携帯型空気清浄器に係る技術は、排気口と吸気口とを、それぞれケーシングの上面と底面に対向して配置したことを特徴としたものである。
しかしながら、参照特許文献1及び2に開示された携帯型空気清浄器に係る技術は、送風口を人間の鼻の下面の幅と略同等としたことを特徴としているところ、かかる構成では使用者が正面を向いたときしか効果が無く、しかも、鼻と送風口を近接して設けることは感覚的にケーシング自身が気になって使用感が大きすぎるという問題があった(参照特許文献1及び2の図2参照)。
求めるべきものとしてはやはり、i)使用者が顔を横に向けた場合でも、処理済みの空気が排気口から使用者に常時供給されるものであって、さらに、ii)永く愛用できる携帯用の機器として、意識せずに無感覚で使用できるものでなければならない。
また、参照特許文献3に開示された携帯型空気清浄器に係る技術は、排気口と吸気口とを、それぞれケーシングの上面と底面に対向して配置したことを特徴としたものであるが、後述する通り、例えばこの携帯型空気清浄器を使用者の着用するシャツの胸ポケット等に差し入れて使用しようとしたときなどには、構造上、外気の吸入路が確保できないほか、胸ポケット内の衣服をケーシング側へ吸い込もうとすることに伴う空気抵抗も無視できず、結果として装置の小型化が妨げられるという問題があった。
このように、従来知られた携帯型空気清浄器の構成においては、実用上の有効性と使いやすさが欠如しており、使用者に屋外でも、花粉や化学物質で汚染された空気を浄化して、清浄な空気を、しかもストレスなく供給することができないという問題があった。
すなわち、従来知られたイオン式の携帯型空気清浄器は、上記の通り室内型であっても空気浄化能力が十分であると言えないほか、原理上、人体に有害なオゾンやイオンの発生が避けられないという問題がある。特に、アレルギー症の人は機体から発生するオゾンを嫌う傾向があり、それゆえ、このイオン式の携帯型空気清浄器はやはり、広く普及させるのが困難であるという問題があった。
他方、ファン式の携帯型空気清浄器については、上記の通り、常に移動する使用者に対して安定して浄化された空気を常時供給し得る機器構成の達成する困難さのほか、いまだに使用者が意識せずに無感覚で使用できるものが得られていないという現状もあった。
また、従来知られた携帯型空気清浄器の構成においては、当然、空気の浄化のみを念頭に設計されていたところ、夏の暑い時などに必要に応じて機体を使用者の胸ポケット等に差し込んでおく等してそこから涼風を使用者の許へ送り、使用者にひと時の癒しを与える、いわゆる携帯型扇風機にもなり得る携帯型機器を提供しようとする構想は、無論盛り込まれる余地も無かった。
したがって本考案は、携帯型といえども十分実用に足る性能を満たした空気清浄器を提供することを課題とする。すなわち、屋外でも、本考案に係る携帯型空気清浄器を用いることにより、花粉や化学物質で汚染された空気を浄化して、清浄な空気を呼吸することが可能となり、アレルギーの予防その他に大いに貢献することが可能となる空気清浄器を提供することを課題とする。
また本考案は、機体を使用者の胸ポケット等に収容可能なサイズとし、夏の暑いときには、機体の排気口から使用者にさわやかな風を送り、ひと時の癒しを与える携帯型扇風機として使用することも可能な携帯型空気清浄器を提供することを課題とする。
上記課題を解決可能な本考案の携帯型空気清浄器は、
バックケーシング(2c)、第1のフロントケーシング(2a)、及び第2のフロントケーシング(2b)からなるケーシング(3)と、
前記バックケーシング(2c)と前記第1のフロントケーシング(2a)との間に備え設けられた、
電池(9)と、
出力切り替え用スライドスイッチ(14)と、
前記電池(9)に前記スライドスイッチ(14)を介して接続されたモーター(8)と、該モーター(8)の回転軸にその回転中心が接続されたシロッコファン(7)と、
前記モーター(8)及びシロッコファン(7)を収容する風洞(6)と、並びに
前記風洞(6)に接続され、前記ケーシング(3)の、前記バックケーシング(2c)と前記第1のフロントケーシング(2a)とで形成される上面部分に設けられる排気口(11)に設けられたルーバー(10)と、
からなっており、
前記第1のフロントケーシング(2a)は、空気浄化フィルター(5)を着脱可能なフィルター格納部(4)を有しており、前記空気浄化フィルター(5)を前記第1のフロントケーシング(2a)と前記第2のフロントケーシング(2b)との間に装着し得る様構成されているほか、
前記第2のケーシング(2b)、又は前記第1のフロントケーシング(2a)と第2のフロントケーシング(2b)との間には、前記ケーシング(3)の左右側面或いは底面にあって、長さ方向或いは幅方向にのびる、1mmから5mm巾のスリット状の細長い間隙形状をなしている吸気口(12)が備えられる様構成され、さらに、
前記第1のフロントケーシング(2a)と第2のフロントケーシング(2b)とを係合させたとき、両者の間には、前記吸気口(12)から取り込んだ外気(IA)を前記空気浄化フィルター(5)へと案内する為の空隙(18)が設けられる様構成され、
前記吸気口(12)から吸い込まれた前記外気(IA)が前記空隙(18)を通って前記空気浄化フィルター(5)に入り、そして前記空気浄化フィルター(5)を経て処理の済んだ空気が前記風洞(6)に入り、そこから前記シロッコファン(7)の力で前記ケーシング(3)の外へ排出される様になっており、他方、
前記空気浄化フィルター(5)が取り外された際には携帯型扇風機としても使用し得る様構成されていること、を特徴とするものである。
また、本考案の携帯型空気清浄器は、[2]前記ルーバー(10)は、前記排気口(11)から排出される風の風向きを左右に調節できる格子状の構成となっており、さらに前記ルーバー(10)が左右に傾斜する角度が、最大で、前記ケーシング3の幅方向中央を鉛直方向に延びる仮想直線を基準に、プラスマイナス45°までとされているほか、
前記風洞(6)は、上方の前記排気口(11)に接続されている状況の下で、正面又は背面視したとき、
前記モーター(8)の回転軸及び前記ファン(7)の回転中心を通って鉛直方向に延びる仮想直線(P)を境に、
i)風が排出される側に関しては、前記風洞(6)の曲線終端部(E2)と前記排気口(11)の前記風が排出される側における一端を繋ぐ前記風洞(6)の直線状隔壁部(19)から延ばした仮想延長線(P’)と、前記モーター(8)の回転軸及び前記ファン(7)の回転中心を通って鉛直方向に延びる仮想直線(P)とのなす挟角θが0°<θ≦30°、或いは前記仮想延長線(P’)が前記仮想直線(P)と平行に延びる様形成されている一方、
ii)前記風洞(6)内に風を取り込む側に関しては、前記排気口(11)に繋がる前記風洞(6)の曲線初端部(E1)が前記モーター(8)の回転軸及び前記ファン(7)の回転中心を通って鉛直方向に延びる仮想直線(P)近傍に位置する様形成されていること、
を特徴とするものである。
また、本考案の携帯型空気清浄器は、[3]前記ケーシング(3)には、前記携帯型空気清浄器(1)を使用者が首から掛けて使用するための紐(15)が備えられているほか、前記紐(15)には、前記使用者の口から前記携帯型空気清浄器(1)までの高さ位置を調節できるように長さ調節具が備えられていることを特徴とするものである。
本考案によれば、携帯型とはいえども十分実用に足る性能を満たした空気清浄器を提供することが出来る。したがって、屋外でも、本考案に係る携帯型空気清浄器を用いることにより、花粉や化学物質で汚染された空気を浄化して、清浄な空気を呼吸することが可能となり、アレルギーの予防その他に大いに貢献することが可能となる。
また本考案によれば、空気清浄フィルター(集塵フィルター、或いは脱臭フィルターや抗菌フィルター)を機体から着脱可能にしておくことで、例えば夏の屋外でも、使用者の胸ポケット等に本考案に係る携帯型空気清浄器を忍ばせておけば、必要に応じて本考案に係る携帯型空気清浄器から上記空気清浄フィルターを取り外すだけで、ケーシングの排気口から空気清浄器として使用するときよりも強く、さわやかな風を送り、使用者にひと時の癒しを与える携帯型扇風機として使用することも可能となる。
以下、本考案を実施するに際し、その一構成例を、添付図面を参照しつつ、順を追って説明する。
図1に本考案に係る携帯型空気清浄器の概略構造図を示す。図1Aは正面から見た透視図、図1Bは図1Aのa−a線断面図である。
[必要条件等の列挙、検討]
まずはじめに、本考案に係る携帯型空気清浄器1の基本動作原理について説明すると、上述した通りイオン式に関しては原理上避けがたい問題点があるため採用を見送り、浄化された空気を効果的に供給可能なファン式を採用した。図1に示す通り、ファン式の基本原理は、外気IAをファン7によってケーシング3内に取り込んだ後、ケーシング3内に備え設けられた空気清浄フィルター5で集塵等の処理を行ってから、ケーシング3に設けられた排気口11(本考案の場合は、ケーシング3上面)より排気するものである。
具体的に、図1A及びBに示す携帯型空気清浄器1の構成につき説明すると、
本考案に係る携帯型空気清浄器1は、装置の基本的な筐体を形成するバックケーシング2cと第1のフロントケーシング2aとの間に、電池9にスライドスイッチ14を介して接続されたモーター8、該モーター8の回転軸にその回転中心が接続されたファン7、上記モーター8及びファン7を収容する風洞6、電池9、ルーバー10並びにスライドスイッチ14とを備えている。スライドスイッチ14は電源ON/OFF及びモーター8出力の強弱切り替え用である。
ここで、本考案に係る携帯型空気清浄器1は、バックケーシング2c、第1のフロントケーシング2a、そして第2のフロントケーシング2bからなるケーシング3を中心に構成されている。排気口11は、ケーシング3の、バックケーシング2cと第1のフロントケーシング2aとで形成される上面部分に設けられる。
なお、図1Bに示す例では、バックケーシング2cと第1のフロントケーシング2aとの嵌め合わせ部分を示す境界線は省略されている。
第1のフロントケーシング2aは、フィルター格納部4を有しており、空気清浄フィルター5が第1のフロントケーシング2aと第2のフロントケーシング2bとの間に備えられる様構成されている。
第1のフロントケーシング2aと第2のフロントケーシング2bとの間にはまた、吸気口12が、ケーシング3の上面を除いた複数面に備えられる。本実施例では、吸気口12は、左右側面のほか、底面にも備えられている。
さらに、第1のフロントケーシング2aと第2のフロントケーシング2bとを係合させたとき、両者の間には、吸気口12から取り込んだ外気IAを空気清浄フィルター5へと案内する為の空隙18が設けられる様に構成されている。
次に、本考案に係る携帯型空気清浄器1において最大の特徴とも言えるであろう、性能を確保しつつ小型化を実現するという上で最も困難な課題は、
i)電池式なので多くの風量が得られないことに起因する、処理の済んだ排出空気OAを、使用者に無駄なく効率よく供給できる装置構成を提供すること、および
ii)身に付ける携帯型機器である故に、意識せずに無感覚で使用できる装置構成を提供すること、
である。
ここで、前者i)については、電池容量が少ないことに従ってファン7を回転させる小型モーター8の容量も限定される。これに伴い、風量が多く得られないので、効果的な排気構造が求められる。
また、使用者が正面を向いている以外に左右に顔を向けている際にも、処理の済んだ排出空気OAを呼吸させ得る構造を工夫することが求められる。
なお、使用する電池9の種類としては、単2〜単4程度が適当である。
後者ii)については、空気清浄器を頭、顔、手、背中などに装着するのは使用感覚として受け容れにくく、使用者の首に掛けたり、胸ポケットに掛けたり差し入れたりするのが使用感覚としてより自然に受け入れられやすい形態といえる。
以下では、これらにつきさらなる検討を加えたのち、実施例において本考案の有用性を説明することとする。
本考案では、無駄なく効果的に空気浄化を行うべく、小型でも適切な風量が得られるシロッコファン7を採用した。なお、適切な風量が得られるには、直径はφ30以上が好ましい。その一方で、実施した際のいわゆるポケッタブル性を考慮すると、ファンの直径としてはφ50程度が適当である。
ここで、図6に、次に説明する本実施例に係る携帯型空気清浄器1の、正面側から見たときの透視図(参考:図4)を示す。
シロッコファン7については、i)その周囲に設けられた風洞6の形状や、ii)設計上における風の流れの方向によって、実際にケーシング3の外に排気される空気の方向が大きく左右される。このことから、本実施例では、最終的に排気口11に繋がる風洞6の形状は、図6に示す通り、モーター8の回転軸及びファン7の回転中心を通って鉛直方向に真っ直ぐに延びる仮想線Pを境に、
i)図6の右側に示される風が排出される側に関しては、図6に示す通り、風洞6の曲線終端部E2と排気口11の一端(風が排出される側の端に相当。図6では右端)を繋ぐ風洞6の直線状隔壁部19から延ばした(仮想)延長直線P’と上記モーター8の回転軸及びファン7の回転中心を通って鉛直方向に真っ直ぐに延びる仮想線Pとのなす挟角θが0°<θ≦30°、或いは上記仮想延長線P’が上記仮想直線Pと平行に延びる様、形成されていることが望ましい。
ii)他方、図6の左側に示される風洞6内に風を取り込む側に関しては、排気口11に繋がる風洞6の曲線初端部E1が上記モーター8の回転軸及びファン7の回転中心を通って鉛直方向に延びる仮想直線P近傍に位置する様形成されていることが望ましい。
以上のような風洞設計を採ることにより、本考案に係る携帯型空気清浄器1を口より下に設置した場合、例えば使用者の首からぶら下げたり、使用者のシャツの胸ポケットに差し込んでおいた場合であっても、顔中心から左右に顔を横向けた状況下においても清浄な空気を呼吸させることが可能となる。
空気清浄器の設置方法としては、首から掛ける方法のほか、胸ポケットに入れて目立たなくする方法等が考えられる。
その一方で、使用者がこのような空気清浄器を使用するに際して想定される条件としては、上記の通り空気清浄器を付ける位置の他にも、使用者の身体の大きさなど、種々異なる要素が存在し、何らかの調整手段がない以上、各人に常に適切な使用状態を提供することは困難である。
このように、空気清浄器の条件を各人に常に適切な使用状態に設定することは困難であるが、可能な限りそれに近い状態に調節する事が必要とされる。
上記空気清浄器条件の調節は、
i)風量を適宜スライドスイッチ等で切り替え可能な機構を上記空気清浄器に設けることによって実現される。
ii)また、上記空気清浄器が首から掛けるタイプのものの場合、紐に高さ調節具を設けることでより微妙な調節が可能になる。
屋外に日常存在するいわゆる外部空気(外気)IAのケーシング3内への導入は、ケーシング3上面を除いたケーシング3の少なくとも1以上の面に設けられた吸気口12より行われる。
図1、或いは以下に述べる実施例に示す通り、上記外気IAのケーシング3内への導入は、ケーシング3の厚み方向に係る全周囲、即ち左右側面、さらには底面に設けたスリット状にのびる間隙より行われる構造となっている。
このように、外気IAをケーシング3の周り部分から、そして複数の箇所より分散して取り入れることにより、例えば使用者の胸ポケットに入れても衣服を強く吸い込むようなことはなく、衣服による空気抵抗も無視できる程度に抑えられ、結果として装置の小型化が可能となる効果が得られる。
なお、ケーシング3を胸ポケットに入れて使用する際の利便性を考え、必要に応じて排気口11から出る風(排出空気)OAを左右に傾斜させて噴き出させることが出来る様、排気口11に、左右に風向きを調節できる格子(ルーバー)10を組み込む構成とするのが効果的である。
こうすることにより、ケーシング3をポケットに入れた際、風向きを実際に顔が向いている方向に向ける操作がやり易い。
以下、上で検討して得た必要条件を踏まえて製造した、本考案に係る携帯型空気清浄器の一実施例につき説明する。
図2に本実施例に係る携帯型空気清浄器を正面側から見たときの外観斜視図(図2A:左斜視図、図2B:右斜視図)を、図3に本実施例に係る携帯型空気清浄器のフロントケース及び空気清浄フィルターを本体から分離した状態の斜視図を、図4に本実施例に係る携帯型空気清浄器の、正面側から見たときの分解斜視図を、図5に本実施例に係る携帯型空気清浄器の、背面側から見たときの分解斜視図を、図6に本実施例に係る携帯型空気清浄器の、正面側から見たときの透視図(参考:図4)を、図7に図6のb−b線断面図を示す。
[構成]
先ず初めに、本実施例の携帯型空気清浄器1の構成要素につき図2、4及び5を参照しつつ説明すると、本実施例の携帯型空気清浄器1は、バックケーシング2c、第1のフロントケーシング2a、そして第2のフロントケーシング2bからなるケーシング3を中心に構成されている。
第1のフロントケーシング2aは、フィルター格納部4を有しており、空気清浄フィルター5が第1のフロントケーシング2aと第2のフロントケーシング2bとの間に備えられる様構成されている。
第1のフロントケーシング2aと第2のフロントケーシング2bとの間にはまた、吸気口12が、ケーシング3の上面を除いた複数面に備えられる。本実施例では、吸気口12は、左右側面のほか、底面にも備えられている。
さらに、第1のフロントケーシング2aと第2のフロントケーシング2bとを係合させたとき、両者の間には、吸気口12から取り込んだ外気IAを空気清浄フィルター5へと案内する為の空隙18が設けられる様に構成されている。
一方、排気口11は、ケーシング3の、バックケーシング2cと第1のフロントケーシング2aとで形成される上面部分に設けられる。
バックケーシング2cと第1のフロントケーシング2aとの間には、電池9にスライドスイッチ14を介して接続されたモーター8、該モーター8の回転軸にその回転中心が接続されたファン7、上記モーター8及びファン7を収容する風洞6、電池9、ルーバー10、給電ジャック13並びにスライドスイッチ14が備えられている。
給電ジャック13は、電池9に充電池を使用した場合等に、外部電源から充電を行える様に備えられたものであり、スライドスイッチ14はモーター8出力の強弱切り替え用である。
次に、本実施例の携帯型空気清浄器1の概略につき説明すると、吸気口12から吸い込まれた外気IAは、DCモーター8で回転するシロッコファン7によってケーシング3内に取り込まれた後、ケーシング3内に備え設けられた空気清浄フィルター5(集塵フィルター、或いは脱臭フィルターや抗菌フィルター)でハウスダストや花粉などが集塵されてから、ケーシング3上部に設けられた排気口11より排出される構造になっている。
具体的には、吸気口12から吸い込まれた外気IAは空隙18を通って空気清浄フィルター5に入り、そして空気清浄フィルター5で濾過された清浄な空気が風洞6に入り、そこからシロッコファン7の力でケーシング3の外へ排出される(図7参照)。
本実施例では、この携帯型空気清浄器1の大きさを使用者のシャツの胸ポケットに納まる程度までとし、全長、全幅及び厚みは概ね113mm×69mm×36mmとした。
また、携帯型であることから、バッグやポケットからの出し入れが当然頻繁に行われるあろうことを勘案して、全ての角に丸みを持たせ、持つ際の安全や見た目のソフト感が強調される様構成されている。
本実施例では、空気清浄フィルター5は集塵フィルターに脱臭フィルターが積層された構成とされる。脱臭フィルターでは、タバコ臭や新建材臭等の臭気成分が捕集される。
更に本実施例では、集塵フィルターの基材に抗菌剤を塗布することで、空気清浄フィルター5について抗菌フィルター機能をも併せ備えた構成となっている。
空気清浄フィルター5の集塵、脱臭、そして抗菌フィルターの各構成については後段で説明する。
外気IAのケーシング3内への導入は、ケーシング3上面を除いたケーシング3の少なくとも1以上の面に設けられた吸気口12より行われる。
図1−7に示す通り、本実施例では、上記外気IAのケーシング3内への導入は、ケーシング3の厚み方向に係る全周囲、即ち左右側面及び底面に設けた概ね2mmのスリット状にのびる細長い間隙からなる吸気口12より行われる構造となっている。このスリットの間隔は、狭めすぎると十分な吸入空気量を確保できず、却って空気抵抗となってしまう。そのため、このスリット間隔は、必要な吸入空気量に影響を与えない程度に十分配慮、確保されている。
本考案では、上記吸気口12は、ケーシング3の左右側面或いは底面にあって、長さ方向或いは幅方向にのびる、1mmから5mm巾のスリット状の細長い間隙形状をなしていることが適当とされる。
ここで、図7を参照すると、ケーシング3の底面に設けられた吸気口12と、空気清浄フィルター5の第2のフロントケーシング2bと直接対向する側の面5aとの間は、第1のフロントケーシング2aと第2のフロントケーシング2bとを組み合わせる際にできる空気清浄フィルター5の面5a前に拡がる空隙18を通じて互いに連通している。
なお、図7は図6のb−b線断面図であり、このb−b線は、P線上に存在する。
同様に、図2−5に示されたケーシング3の左右側面に設けられた吸気口12と、空気清浄フィルター5の第2のフロントケーシング2bと直接対向する側の面5aとの間も、第1のフロントケーシング2aと第2のフロントケーシング2bとを組み合わせる際にできる空気清浄フィルター5の面5a前に拡がる空隙18を通じて互いに連通している。
例えば図7を参照すれば明らかに理解される通り、本実施例では、ケーシング3の底面、左右側面に設けられた吸気口12からケーシング3内へと導入された上記外気IAは、空隙18を通って空気清浄フィルター5の第2のフロントケーシング2bと直接対向する側の面5aに先ず最初に至った後、シロッコファン7の吸引力によって空気清浄フィルター5を通過する。このときに、塵や臭気成分等が空気清浄フィルター5に捕集され、残った清浄な空気のみが風洞6側に通過してくる構成となっている。風洞6側に通過してきた清浄な空気は、シロッコファン7の回転力により、風洞6からケーシング3の外へ排気される。排気口は11は、ケーシングの上面に設けられる。シロッコファン7の回転は、小型DCモーター8により行われる。
空気清浄フィルター5について、i)はじめに、集塵フィルターとしては、HEPAフィルターや強静電フィルターが挙げられるが、本実施例の携帯型空気清浄器1には、高価で高性能であるほか、一般に空気抵抗が大きいHEPAフィルターよりも、空気抵抗が少なく、一般に安価な強静電フィルターの方が適していると判断した為、こちらを採用した。
本実施例では、PP製集塵不織布をプリーツ状(59mm×55mm×7mm、アポロトレイデイング社製、PP40型)に加工して、花粉の集塵効率を99.9%以上有する比較的高精度なフィルター(財団法人日本紡績検査協会によるスギ花粉透過率試験:0%)を使用した。
なお、花粉の大きさが20〜40μmであることを踏まえると、携帯型空気清浄器1の使用目的が花粉対策の場合には、必ずしも一般の室内向け空気清浄機に使用されるような高い集塵性能(例えば、0.3μm粒子で99.9%以上のもの等)を示すフィルターを用いなくとも良い。
例えば、0.3μmの粒子については70%台の集塵性能しかないフィルターであっても、10μmの粒子が99.9%以上捕集されるフィルターであれば十分花粉アレルギー対策効果を発揮する。
ii)また、脱臭フィルターとしては、網目状のウレタンフォーム(70mm×50mm×2mm、集塵フィルターの後ろに配置)や不織布(集塵フィルターに積層してプリーツ加工する)に添着された活性炭フィルターを採用した。
ここで、活性炭の種類は脱臭の目的成分で異なるが、外気の場合は何が浮遊するか判らないので一般的な空気浄化用活性炭を採用した。
なお、脱臭目的が、タバコの煙や新建材からでる特有の臭気(VOCやホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等、石油化学物質より発生する臭気成分)など、例えば出掛ける先に応じて明確な場合は、タバコ臭や新建材臭に特化した成分を含む活性炭を選ぶことも可能である。
iii)さらに、抗菌フィルターに関しては、一般的に不織布をベースに、細菌の場合は抗菌剤が、ウイルスの場合は抗ウイルス剤が塗布される。
例えば、抗菌剤は、抗菌化合物、自然成分としてはカテキン、金属系では銀や銅イオン、光触媒など、抗ウイルス剤は、ウイルス抗体、カテキン、光触媒などが使用される。
本実施例では、集塵フィルターの濾材の基材にカテキンを塗布することにより抗菌フィルター機能を併せ持たせた。
なお、空気清浄フィルター5の具体的態様については、携帯型空気清浄器1の使用目的に応じて適宜使い分けをしても良く、例えば花粉対策などの集塵目的の場合には、脱臭フィルターを併せて装着しておく必要はない。
空気清浄フィルター5は、使用すれば汚れてくるのでメンテナンス(清掃や交換など)を必要とする。したがって、図8に例示する如く、空気清浄フィルター5を格納する第2のフロントケーシング2bと、これらをカバーする第1のフロントケーシング2aとの係合構造は、両者がワンタッチで着脱可能なものとされている。その一例として、本実施例ではいわゆるツメ構造が採用されている。
ここで、図8は、図6のc−c線断面図である。図8において、符号21で示す辺りの箇所が、ツメ部に相当する。
本実施例では、空気送風用の小型ファン7として、静圧がかかったときでも安定した送風量を確保できる等、比較的外部からの抵抗に強いシロッコファンを採用した。小型シロッコファン7の形状による送風能力は、後段で試験結果と併せて詳細に説明する
図11に示すように、ファン径及び各羽根の厚さ(モーター8の軸方向の長さ[mm]を表わす。以下同様)が増せば送風量も大きくなることがわかるが、携帯目的の機器には小型化が望まれ、かつ、駆動用のDCモーター8も当然小型であることから、モーター8に掛かる負荷を軽減するためにも、適切なサイズとすべきである。
種々検討の結果、本実施例に適用するシロッコファンの形状としては、φ50mm、厚さ15mm、羽数24枚(自製、ナイロン製)で有効であることが確認できた。
なお、本実施例では、上記シロッコファン7駆動用のDCモーター8として、マブチモーター製、RF−400CA型を採用した。
また本実施例では、シロッコファン7の回転数はスライドスイッチ14による3段階(OFF/弱/強)切り替え式とした。
例えば、駆動電源を電池9(アルカリ乾電池)とした場合、小型DCモーター8の端子電圧(乾電池2個直列接続の両端電圧に相当)は3.0Vとなり、このときを、強運転(回転数:約3210rpm、風速:約2.2m/s)とした。
そして、スライドスイッチ14を切り替えてモーター端子電圧1.5Vで運転した場合を弱運転(回転数:約2487rpm、風速:約1.1m/s)とした。
なお、駆動電源を充電池(ニッケル水素、ニッケルカドミウム電池等)とした場合は、2.4Vで強運転になる。
図6は、本実施例に係る携帯型空気清浄器1の、正面側から見たときの透視図(参考:図4)である。
シロッコファン7については、i)その周囲に設けられた風洞6の形状や、ii)設計上における風の流れの方向によって、実際にケーシング3の外に排気される空気の方向が大きく左右される。このことから、本実施例では、最終的に排気口11に繋がる風洞6の形状は、図6に示す通り、モーター8の回転軸及びファン7の回転中心を通って鉛直方向に真っ直ぐに延びる仮想線Pを境に、
i)図6の右側に示される風が排出される側に関しては、図6に示す通り、風洞6の曲線終端部E2と排気口11の一端(風が排出される側の端に相当。図6では右端)を繋ぐ風洞6の直線状隔壁部19から延ばした(仮想)延長直線P’と上記モーター8の回転軸及びファン7の回転中心を通って鉛直方向に真っ直ぐに延びる仮想線Pとのなす挟角θが0°<θ≦30°、或いは上記仮想延長線P’が上記仮想直線Pと平行に延びる様、形成されていることが望ましい。
ii)他方、図6の左側に示される風洞6内に風を取り込む側に関しては、排気口11に繋がる風洞6の曲線初端部E1が上記モーター8の回転軸及びファン7の回転中心を通って鉛直方向に延びる仮想直線P近傍に位置する様形成されていることが望ましい。
以上のような風洞設計を採ることにより、本実施例に係る携帯型空気清浄器1を例えば口から約150mm下に設置したときに、顔中心から左右に顔を横向けた状況下においても清浄な空気を呼吸することが可能である。
なお、ケーシング3を使用者のシャツの胸ポケットに入れて使用する際の利便性を考え、必要に応じて排気口から出る風(排出空気)OAを左右に傾斜させて噴き出させることが出来る様、排気口11に、左右に風向きを調節できる格子(ルーバー)10を組み込んだ構成とした。ルーバー10は、風向調節用スライダ20を利用して風向きを容易に変えることが可能な様、構成されている。
本実施例では、ルーバー10が左右に傾斜する角度は、最大でケーシング3の幅方向中央を垂直に延びる仮想直線(不図示)を基準に、プラスマイナス45°とした。
[試験結果]
以下、上記構成からなる本実施例に係る携帯型空気清浄器1の、屋外における肝心の空気浄化性能について試験を実施した結果について説明する。
図11にファン形状と風量に関する特性をあらわすグラフを、図12に風速分布の一例に係るグラフを、そして図13に、集塵試験の結果得られた除塵分布の一例に係るグラフを、それぞれ示す。
[1.測定条件]
ここで、図9に、以下の試験でも用いた、本実施例に係る携帯型空気清浄器を首から提げた場合の一態様を示す。また図10に、本実施例に係る携帯型空気清浄器を首から提げて以下の性能試験を行ったときにおける試験条件の一例を示す。
図10に示す通り、まず前提として、口から垂直に下に150mmの位置に、本実施例に係る空気清浄器1を、図9に例示する態様で紐15を用いて首から吊り下げ、その上で、口の近傍位置(具体的には、口から水平方向に左右75mmにのびる各位置)において下記の各測定を実施した。このとき、紐15の長さの調整は、首の背後側に別途設けた不図示のアジャスターにより適宜行った。なお、図9の符号16は、本実施例に係る携帯用空気清浄器1と紐15とをワンタッチ接続する為の接続具を略示したものである。
[2.ファン形状と風量に関して]
図11にファン形状と風量に関する特性を示すグラフを示す。図11において、グラフの右に○○−△△Rと示すのは、○○がファン直径(φ、[mm])、△△が各羽根の厚さ[mm]である。
図11に示すようにファン径及び各羽根の厚さが増せば送風量も大きくなることがわかるが、携帯目的の機器には小型化が望まれ、かつ、駆動用のDCモーター8も当然小型であることから、モーター8に掛かる負荷を軽減するためにも、ファン7の径及び各羽根の厚さは適切なものとすべきである。
また、風量を稼ぐには回転数を高く保つ必要があることが図11から読み取れるところ、本実施例によれば、外気IAをケーシング3の周り部分から、そして複数の箇所より分散して取り入れることにより、例えば本実施例に係る携帯型空気清浄器1を使用者の胸ポケット等に差し込んで使用した場合等であっても、空気と同時に衣服を強く吸い込むようなことがなく、モーター8に掛かる負荷や回転落ちができるだけ軽減される様工夫されていることが、同様に図11から十分読み取ることができる。
[3.風速分布]
図12に、排気口11からの風速分布の一例に係るグラフを示す。
風速測定は風速計(テストー社製、testo405−V1型)を使用した。
その結果、口と排気口11までの間隔が約150mmでファン7を強運転で運転した場合において、排気口11での風速は4.2m/s、口での風速は2.4m/s、および口から水平方向に左右75mmにのびる各位置での風速は0.8m/sであった。すなわち、図12に示す通り、風速は、口部を中心に、あたかも左右周囲に風が向かっているかのような分布をしており、本実施例に係る携帯型空気清浄器1を使用している際には、周囲の外気が直接は、口に流れ込まないような状況が看取される(図10参照)。
[4.集塵試験]
次に、集塵効果の試験を行った。図13に、試験の結果得られた除塵分布の一例に係るグラフを示す。試験は、チャンバー(800mm×500mm×500mm)の中心に機体を設置して、チャンバー内にタバコ(マイルドセブン(登録商標)No.10)1本を燃焼させて、チャンバー内の煙を均一化させた後、本実施例に係る携帯型空気清浄器1を稼動させてチャンバー内の埃、並びに排気口11、使用者の顔Fの口近傍及び口から水平方向に左右75mmにのびる各位置における埃を、それぞれパーティクルカウンター(リオン製、KR−12A型)で測定することにより行った。
その結果、図13に示すように、測定粒子の大きさが2μm以上の場合(参考:花粉は20〜40μm、黄砂は約数μm)、
i)ケーシング3の排気口11や口近傍では、粒子数は周囲と比較して約6%と清浄化され、また
ii)呼吸領域(口から水平方向に左右75mmにのびる各位置)でも、粒子数は周囲と比較して約16%と清浄化され、浄化効果が確認された。
[変形例]
以上、本考案の構成及び作用効果について一実施例に沿って詳細に説明したが、本考案は上記実施例の構成等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記した実施例では、脱臭フィルターと集塵フィルターとを順次積層して一体としたが、両者を別体化して取扱を別々にしても構わない。
また、実施例として上述した、脱臭フィルターと集塵フィルターとを順次積層して一体する場合のより具体的な構成例についても、i)集塵フィルターの裏面に薄い活性炭シートや活性炭を添着したウレタンフォームを貼り付ける例が挙げられるほか、ii)活性炭フィルターを集塵フィルターの前に設置するものであっても構わない。
また上記した一例では、図1〜7に示す通り、吸気口12は、第1のフロントケーシング2aと第2のフロントケーシング2bとの間に備えられる構成としたが、吸気口12は表現上、最も外側の第2のフロントケーシング2bに直接備えられるような構成となっていても構わない。その場合であっても、吸気口12は、ケーシング3の上面を除いた複数面、例えば、本実施例の場合と同様にケーシング3の左右側面のほか、底面に備えられる。
[携帯型扇風機としての使用]
また上記実施例では、携帯型空気清浄器1としての構成、動作、及び作用効果について説明したが、空気清浄フィルター5を第1のフロントケーシング2aのフィルター格納部4から着脱可能な様構成しておくことで、本実施例に係る携帯型空気清浄器1を例えば携帯型扇風機として使用することも可能である。
このように構成しておけば、必要に応じて本実施例に係る携帯型空気清浄器1から上記空気清浄フィルター5を取り外すだけで、ケーシング3の排気口11から空気清浄器として使用するときよりも強くさわやかな風を、使用者の顔Fに吹き上げることができる(図10参照)。
一例によれば、携帯型空気清浄器1の構成を上記実施例に記載の通りとしたとき、排気口11の風速は空気清浄フィルターありの場合4.2m/secとなる一方、空気清浄フィルターなしの場合、凡そ6.0m/secの風速が得られた。
なお、試験は、駆動電源として乾電池9を用い、モーター8を「強」で運転した条件の下で行った。
また、測定は、携帯型空気清浄器1の排気口11近傍に、上記3.風速分布を観察した際にも使用した風速計(テストー社製、testo405−V1型)をかざして実施した。
このとき、図14に例示する如く、バックケーシング2cにクリップ17を設けて、使用者のシャツの胸ポケット等に差し込むのを容易にする様、改良を施しても構わない。
以上の通り本考案は、花粉や化学物質で汚染された空気を浄化して、屋外でも清浄な空気が呼吸可能となり、アレルギーの予防に大いに寄与するほか、さらに、夏の暑いときには、胸ポケット等からさわやかな風を送り、ひと時の癒しを与える携帯型扇風機にもなり得る携帯型機器を提供する新規かつ有用なるものであることが明白である。
本考案に係る携帯型空気清浄器の概略構造図である。 本実施例に係る携帯型空気清浄器の外観斜視図である。 本実施例に係る携帯型空気清浄器の、フロントケース及び空気清浄フィルターを本体から分離した状態の斜視図である。 本実施例に係る携帯型空気清浄器の、正面側から見たときの分解斜視図である。 本実施例に係る携帯型空気清浄器の、背面側から見たときの分解斜視図である。 本実施例に係る携帯型空気清浄器の、正面側から見たときの透視図である。 図6のb−b線断面図である。 図6のc−c線断面図である。 紐高さ調整具の一例を示す図である。 本実施例に係る携帯型空気清浄器を首から提げて以下の性能試験を行ったときにおける試験条件の一例を示す図である。 ファン形状と風量に関する特性を示す図である。 風速分布の一例に係る図である。 集塵試験の結果得られた除塵分布の一例に係る図である。 変形例を示す図である。
符号の説明
1 携帯型空気清浄器
2a 第1のフロントケーシング
2b 第2のフロントケーシング
2c バックケーシング
3 ケーシング
4 フィルター格納部
5 空気清浄フィルター
6 風洞
7 ファン
8 モーター
9 電池
10 ルーバー
11 排気口
12 吸気口
13 給電ジャック
14 スライドスイッチ
15 紐
16 接続具
17 クリップ
18 空隙
19 直線状隔壁部
20 風向調節用スライダ
21 ツメ部
E1 風洞の曲線初端部
E2 風洞の曲線終端部
F 顔
IA 外気
OA 排出空気

Claims (3)

  1. 携帯型空気清浄器(1)であって、
    バックケーシング(2c)、第1のフロントケーシング(2a)、及び第2のフロントケーシング(2b)からなるケーシング(3)と、
    前記バックケーシング(2c)と前記第1のフロントケーシング(2a)との間に備え設けられた、
    電池(9)と、
    出力切り替え用スライドスイッチ(14)と、
    前記電池(9)に前記スライドスイッチ(14)を介して接続されたモーター(8)と、該モーター(8)の回転軸にその回転中心が接続されたシロッコファン(7)と、
    前記モーター(8)及びシロッコファン(7)を収容する風洞(6)と、並びに
    前記風洞(6)に接続され、前記ケーシング(3)の、前記バックケーシング(2c)と前記第1のフロントケーシング(2a)とで形成される上面部分に設けられる排気口(11)に設けられたルーバー(10)と、
    からなっており、
    前記第1のフロントケーシング(2a)は、空気浄化フィルター(5)を着脱可能なフィルター格納部(4)を有しており、前記空気浄化フィルター(5)を前記第1のフロントケーシング(2a)と前記第2のフロントケーシング(2b)との間に装着し得る様構成されているほか、
    前記第2のケーシング(2b)、又は前記第1のフロントケーシング(2a)と第2のフロントケーシング(2b)との間には、前記ケーシング(3)の左右側面或いは底面にあって、長さ方向或いは幅方向にのびる、1mmから5mm巾のスリット状の細長い間隙形状をなしている吸気口(12)が備えられる様構成され、さらに、
    前記第1のフロントケーシング(2a)と第2のフロントケーシング(2b)とを係合させたとき、両者の間には、前記吸気口(12)から取り込んだ外気(IA)を前記空気浄化フィルター(5)へと案内する為の空隙(18)が設けられる様構成され、
    前記吸気口(12)から吸い込まれた前記外気(IA)が前記空隙(18)を通って前記空気浄化フィルター(5)に入り、そして前記空気浄化フィルター(5)を経て処理の済んだ空気が前記風洞(6)に入り、そこから前記シロッコファン(7)の力で前記ケーシング(3)の外へ排出される様になっており、他方、
    前記空気浄化フィルター(5)が取り外された際には携帯型扇風機としても使用し得る様構成されていること、を特徴とする携帯型空気清浄器。
  2. 前記ルーバー(10)は、前記排気口(11)から排出される風の風向きを左右に調節できる格子状の構成となっており、さらに前記ルーバー(10)が左右に傾斜する角度が、最大で、前記ケーシング3の幅方向中央を鉛直方向に延びる仮想直線を基準に、プラスマイナス45°までとされているほか、
    前記風洞(6)は、上方の前記排気口(11)に接続されている状況の下で、正面又は背面視したとき、
    前記モーター(8)の回転軸及び前記ファン(7)の回転中心を通って鉛直方向に延びる仮想直線(P)を境に、
    i)風が排出される側に関しては、前記風洞(6)の曲線終端部(E2)と前記排気口(11)の前記風が排出される側における一端を繋ぐ前記風洞(6)の直線状隔壁部(19)から延ばした仮想延長線(P’)と、前記モーター(8)の回転軸及び前記ファン(7)の回転中心を通って鉛直方向に延びる仮想直線(P)とのなす挟角θが0°<θ≦30°、或いは前記仮想延長線(P’)が前記仮想直線(P)と平行に延びる様形成されている一方、
    ii)前記風洞(6)内に風を取り込む側に関しては、前記排気口(11)に繋がる前記風洞(6)の曲線初端部(E1)が前記モーター(8)の回転軸及び前記ファン(7)の回転中心を通って鉛直方向に延びる仮想直線(P)近傍に位置する様形成されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の携帯型空気清浄器。
  3. 前記ケーシング(3)には、前記携帯型空気清浄器(1)を使用者が首から掛けて使用するための紐(15)が備えられているほか、前記紐(15)には、前記使用者の口から前記携帯型空気清浄器(1)までの高さ位置を調節できるように長さ調節具が備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型空気清浄器。
JP2008007348U 2008-10-20 携帯型空気清浄器 Expired - Lifetime JP3147515U (ja)

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