JP2023071448A - 超伝導量子回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】共振動作点の調整を容易化する超伝導量子回路の提供。【解決手段】超伝導量子回路は、第1の超伝導線路と第1のジョセフソン接合と第2の超伝導線路と第2のジョセフソン接合とが環状に接続されたループ構造を有し、前記第1のジョセフソン接合の接合面積と前記第2のジョセフソン接合の接合面積とが異なるSQUID(Superconducting Quantum Interference Device)を複数並列接続し、前記複数のSQUIDは、前記第1のジョセフソン接合の接合面積と前記第2のジョセフソン接合の接合面積の和と、前記第1のジョセフソン接合の接合面積と前記第2のジョセフソン接合の接合面積の比と、のいずれか一方又は両方が、前記複数のSQUID間で互いに異なる。【選択図】図2A

Description

本発明は、超伝導量子回路、量子ビット回路、量子ビット結合器、量子計算機に関する。
超伝導量子回路を用いた量子計算機の開発が広く行われている。このような量子計算機においては、一般に、超伝導体からなるマイクロ波域LC共振回路で構成されており、ジョセフソン接合(Josephson Junction)を含む非線形素子(例えば超伝導量子干渉デバイス(Superconducting Quantum Interference Device; SQUID)等)を含む。
このようなマイクロ波域LC共振回路は、例えば、半導体基板上に超伝導体材料が蒸着された平面回路から構成される。
特表2021-500737号公報 特開2021-108308号公報
上記先行技術文献に開示された技術では、後に詳細に説明するように、共振動作点の調整が難しい、という問題がある。
したがって、本開示の目的は、上記課題を解決する超伝導量子回路、量子ビット回路、量子ビット結合器、量子計算機を提供することにある。
本開示の一形態によれば、第1の超伝導線路と第1のジョセフソン接合と第2の超伝導線路と第2のジョセフソン接合とが環状に接続されたループ構造を有し、前記第1のジョセフソン接合の接合面積と前記第2のジョセフソン接合の接合面積とが異なるSQUID(Superconducting Quantum Interference Device)を複数並列接続し、前記複数のSQUIDは、前記第1のジョセフソン接合の接合面積と前記第2のジョセフソン接合の接合面積の和と、前記第1のジョセフソン接合の接合面積と前記第2のジョセフソン接合の接合面積の比と、のいずれか一方又は両方が、前記複数のSQUID間で互いに異なる、超伝導量子回路が提供される。
本開示によれば、共振動作点の調整の容易化を可能としている。
関連技術を説明する図である。 関連技術を説明する図である。 関連技術を説明する図である。 一実施形態を説明する図である。 一実施形態を説明する図である。 一実施形態の構成例を模式的に説明する図である。 一実施形態の構成例を模式的に説明する図である。 一実施形態の変形例を模式的に説明する図である。 別の実施形態の構成例を説明する図である 別の実施形態の構成例を模式的に説明する図である 別の実施形態の変形例を説明する図である。 別の実施形態の変形例を説明する図である。 さらに別の実施形態を説明する図である。
以下では、前述した課題について説明し、つづいていくつかの実施形態について説明する。
SQUIDはそのループ面を貫く磁束Φの大きさに依存した可変インダクタンスとして振る舞う。このため、SQUIDと相互インダクタンスを介して結合した制御ラインに直流電流を印加することにより、共振周波数等の回路特性を調整することが可能である。
SQUIDの持つ実効的な臨界電流値Iは磁束Φに依存しており、インダクタンス(自己インダクタンス)Lは臨界電流値Iに反比例する。すなわち、SQUIDの自己インダクタンスLは、臨界電流値をIとすると、以下で与えられる。
L=Φ0/(2Ic)∝1/Ic ・・・(1)

ここで、Φ0は磁束量子(Φ0=h/2e: hはPlank定数、eは素電荷)である。したがって、Lは以下のようにIに反比例する。なお、実際にはSQUIDに外部磁場を打ち消す遮蔽電流が流れるため、次式(2)のパラメータβが導入される(ただし、簡単のため、βは1として計算してもよい)。
β=2L*Ic0 ・・・(2)
SQUIDの二つのジョセフソン接合が同じ臨界電流値Iを持つ場合、SQUIDに流れる全電流Iは次式(3)と表すことができる。
I=I0sin(γA)+I0sinγB ・・・(3)
ここで、γA、γB は二つのジョセフソン接合のそれぞれにおける位相の飛び(位相差)であり、以下の式(4)で関係付けられている。
γB-γA=2πΦ/Φ0 ・・・(4)
ただし、ΦはSQUIDのループ面を貫く(鎖交する)磁束(外部磁束)である。
式(3)、(4)からSQUIDに流れる電流Iの最大値Imaxは次式で与えられる。
Imax=2I|cos(πΦ/Φ0)| ・・・(5)
maxは、磁束Φが磁束量子Φ0の整数倍(0を含む)(Φ/Φ0=n)のとき、2I、半整数倍(Φ/Φ0=1/2+n)のとき、0となる。
二つのジョセフソン接合が同じ臨界電流値Iを持つ場合、すなわち、対称なSQUIDの場合は、後述するように勾配(磁束に対する勾配)が0となりコヒーレンスが向上する動作点(共振動作点)は1点(磁束位相=πΦ/Φ=nπ, 最大共振周波数)しかない。なお、共振動作点は、SQUIDに印加される直流磁場Φdcにより設定される共振周波数を示す。共振器には、一般に、SQUID以外のインダクタンス成分Lcが存在し、インダクタンスは、SQUIDのインダクタンスL+Lcとなるが、簡単のため、Lc=0とすると、共振動作点での共振角周波数は、上式(1)から次式(6)で与えられる(ただし、上式(2)のβを1としている)。

Figure 2023071448000002
・・・(6)
共振周波数(角周波数)が磁束Φに対して勾配を持つ場合、例えば環境中の磁場ノイズ等により共振周波数が変動する。このため、高いコヒーレンスを求められる場合、共振周波数の磁束に対する勾配が小さくなる動作点があることが望ましい。しかし、磁束に対する感受性とパラメータの調整能力はトレードオフの関係があり、両立することは難しいことが知られている。
超伝導体のループに二つのジョセフソン接合を挿入したSQUIDではなく、例えば図1Aに例示したように、単一のジョセフソン接合を利用してLC共振器を構成すると、磁束Φに対する感受性は極めて小さくなるが、共振器のパラメータの調整はほぼ不可能(著しく困難)となる。なお、図1Aにおいて、ジョセフソン接合の非線形性により、超電導LC共振回路の共振モードは非線形性を有し、エネルギー準位間隔は非等間隔となり、二つの状態を有する量子2準位系である量子ビットとして動作する。
SQUIDを用いた共振器に対して磁束Φに対する感受性が小さい動作点を持たせるための方法として、図1Bのような非対称SQUIDを用いることが一般的に行われている(例えば特許文献1、2等が参照される)。図1Bには、非対称SQUIDを用いた集中定数型共振器が例示されている。図1Bを参照すると、SQUID10は、第1の超伝導線路103と第1のジョセフソン接合101と第2の超伝導線路104と第2のジョセフソン接合102とが環状に接続されているループ構造を有する。不図示のnm(nano-meter)オーダの厚さの絶縁体を第1の超伝導線路103と第2の超伝導線路104で挟んだ第1、第2のジョセフソン接合101、102において、超伝導状態の電子対(クーパー対)のトンネル効果により超伝導電流が流れる。12は入出力キャパシタ、13は入出力ラインであり、入出力ライン13の信号(入力/出力信号)はSQUID10に交流結合される。フラックスライン14には、直流電流が、不図示の信号源(電流源)から供給され磁場発生部として機能し、SQUID10に鎖交する磁束Φを与える。すなわち、フラックスライン14で生成される磁束はSQUID10のループ面を、紙面表から裏、又はその逆に貫く。
SQUID10において、第1のジョセフソン接合101の臨界電流値I(1+x)と第2のジョセフソン接合102の臨界電流値I(1-x)とが異なる(ただし、0<x<1)。なお、ジョセフソン接合の臨界電流値は、ジョセフソン接合の接合面積に比例する。このため、第1のジョセフソン接合101の接合面積と第2のジョセフソン接合102の接合面積の比を調整することで、第1のジョセフソン接合101の臨界電流値と第2のジョセフソン接合102の臨界電流値の比を調整することができる。
SQUID10のインダクタンスは、キャパシタ11と並列共振回路を構成している。SQUID10の第1の超伝導線路103上の第1のノード105と第2の超伝導線路104上の第2ノード106はキャパシタ11の対向電極に接続されており、キャパシタ11でシャントされている。図1Bに示されるように、SQUID10の一端はグランドに接続される構成としてもよい。
図1Bに例示した非対称SQUIDを用いた共振器では、その共振周波数fは、SQUIDに鎖交する磁束Φを磁束量子Φで割った値が0のときに最大、1/2の場合に最小となり、磁束Φに対する勾配が0となる。
SQUID10において、第1、第2のジョセフソン接合101、102における臨界電流をI(1+x)、I(1-x)とした場合、SQUID10に流すことができる電流の最大値は次式(7)とみなせる。
Figure 2023071448000003
・・・(7)
式(7)において、0<x<1であるため、SQUID10に流れる電流の最大値は、磁束Φが磁束量子Φの整数倍のとき2Iとなり、半整数倍のとき最小値2Ixとなる。最小値2Ixは、最大値のx倍であり、第1、第2のジョセフソン接合101、102における臨界電流の差I(1+x)-I(1-x)に等しい。なお、式(7)から、x=0の場合、SQUID10に流れる電流の最大値は0となる。
図1Cは、図1Bの非対称SQUID10を用いた共振器の共振周波数fと、SQUID10のループを貫く磁束Φとの関係を示す図である。横軸(X)はSQUID10のループを貫く磁束Φを磁束量子Φで割った値(0~1までの範囲)であり、縦軸(Y)は共振周波数f(単位:GHz(gigahertz))である。
上式(2)に示したように、SQUID10が有するインダクタンスLは臨界電流値に反比例する。このため、上式(7)から、共振器の共振周波数は、図1Cに示すように、磁束位相(SQUID10のループを通る磁束Φを磁束量子Φで割った値)が0(整数)、1/2(半整数)の場合に、最大/最小となり、磁束に対する勾配が0となる。なお、図1Cの共振周波数fは、上式(6)、(7)から、以下で与えられる。
Figure 2023071448000004
・・・(8)
ここで、
Figure 2023071448000005

・・・(9)
とおくと、g(θ)のθに関する一階微分は、
Figure 2023071448000006
・・・(10)
二階微分は、
Figure 2023071448000007

・・・(11)
0<x<1より、x-1<0であり、0≦θ≦πの範囲では、θ=0、π(図1Cの横軸X=0,1)で極大(最大)、θ=π/2(図1Cの横軸X=1/2)で極小(最小)となり、磁束位相θに対する傾き(勾配)は0となる。なお、最小値は最大値の√x倍である。変曲点はg''(θ)=0より、0≦θπ≦πの間で、πΦ/Φ0=π/4、3π/4となる(図1Cでは、X=1/4, 3/4)。
非対称SQUIDを用いた場合、対称なSQUIDの共振器では1点(磁束位相0, 最大共振周波数)しかない共振動作点を、2点(磁束位相0/0.5, 最大/最小共振周波数)に増やすことができる。
なお、以下の実施形態にかかる共振器は、例えば、基板上に超伝導体により形成した線路(配線)により実現される。基板はシリコンが用いられるが、サファイアや化合物半導体材料(IV族、III-V族、II-VI族)等の他の電子材料を用いてもよい。また、基板は単結晶である方が望ましいが、多結晶やアモルファスでもあってもよい。線路の材料として、例えばNb(ニオブ)又はAl(アルミニウム)が用いられるが、これらに限定されるものでなく、ニオブ窒化物、インジウム(In)、鉛(Pb)、錫(Sn)、レニウム(Re)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、Mo(モリブデン)、Ta(タンタル)、タンタル窒化物、及び、これらのうちの少なくともいずれかを含む合金など、極低温に冷却すると超伝導状態となる任意の金属が用いられてもよい。また、超伝導状態を実現するために、冷凍機により実現される10mK(ミリケルビン)程度の温度環境において共振器の回路は利用される。
図2Aは、第1の実施形態を説明する図である。なお、図2Aでは簡単のため、並置された複数個のSQUIDとして二つのSQUID10A、10Bが示されているが、SQUIDの数は2個に制限されるものでない。並列接続された二つのSQUID10A、10Bは、非対称型SQUID10として構成され、SQUID10Aにおいて、第1のジョセフソン接合101Aの臨界電流値と第2のジョセフソン接合102Aの臨界電流値とが異なり、SQUID10Bにおいて、第1のジョセフソン接合101Bの臨界電流値と第2のジョセフソン接合102Bの臨界電流値とが異なる構成とされる。さらに、二つのSQUID10A、10Bにおいて、第1のジョセフソン接合の臨界電流値と第2のジョセフソン接合の臨界電流値の和(又はその1/2)と、第1のジョセフソン接合の臨界電流値と第2のジョセフソン接合の臨界電流値の比のいずれか一方又は両方が、SQUID10A、10B間で互いに異なる構成とされる。
図2Aにおいて、SQUID10Aの第1のジョセフソン接合101Aの臨界電流値I(1+x)と第2のジョセフソン接合102Aの臨界電流値I(1-x)とが異なる(0<x<1) 。なお、Iは、SQUID10Aの第1、第2のジョセフソン接合101A、102Aの臨界電流値の和I(1+x)+I(1-x)=2Iの1/2(平均値)である。上述したように、SQUID10Aの第1のジョセフソン接合101Aの臨界電流値I(1+x)は、第1のジョセフソン接合101Aの接合面積に対応(比例)し、第2のジョセフソン接合102Aの臨界電流値I(1-x)は第2のジョセフソン接合102Aの接合面積に対応(比例)する。ここで、第1のジョセフソン接合101Aと第2のジョセフソン接合102Aを同一材料の絶縁体からなるものとする。第1のジョセフソン接合101Aの臨界電流値と第2のジョセフソン接合102Aの臨界電流値の和の1/2は、線形性が成り立つものとして、第1のジョセフソン接合101Aの接合面積と第2のジョセフソン接合102Aの接合面積の和の1/2に対応させることができる。12、13は入出力(IO)キャパシタ、入出力(IO)ラインである。フラックスライン14Aには、直流電流が、不図示の電源(電流源)から供給され、磁場発生部として機能し、SQUID10Aのループ面と鎖交する磁束ΦAを生成する。
SQUID10Bの第1のジョセフソン接合101Bの臨界電流値I'(1+x')と第2のジョセフソン接合102Bの臨界電流値I'(1-x')とが異なる(0<x'<1)。 なお、I'は、SQUID10Bの第1、第2のジョセフソン接合101B、102Bの臨界電流値の和I'(1+x')+I'(1-x')=2I'の1/2(平均値)である。SQUID10Bの第1のジョセフソン接合101Bの臨界電流値I'(1+x')は、第1のジョセフソン接合101Bの接合面積に対応(比例)し、第2のジョセフソン接合102Bの臨界電流値I'(1-x')は第2のジョセフソン接合102Bの接合面積に対応(比例)する。ここで、第1のジョセフソン接合101Bと第2のジョセフソン接合102Bを同一材料の絶縁体からなるものとする。第1のジョセフソン接合101Bの臨界電流値と第2のジョセフソン接合102Bの臨界電流値の和の1/2は、線形性が成り立つものとして、第1のジョセフソン接合101Bの接合面積と第2のジョセフソン接合102Bの接合面積の和の1/2に対応させることができる。フラックスライン14Bには、直流電流が、不図示の電源(電流源)から供給され、磁場発生部として機能し、SQUID10Bのループ面と鎖交する磁束ΦBを生成する。
SQUID10Aの第1のノード105AとSQUID10Bの第1のノード105Bとキャパシタ11(Cavity Capacitor:共振器20の持つキャパシタンス)の一端はノード107(共通接続点)に共通接続され、入出力(IO)キャパシタ12を介して、入出力(IO)ライン13に接続されている。SQUID10Aの第2のノード106AとSQUID10Bの第2のノード106Bとキャパシタ11(Cavity Capacitor:共振器20の持つキャパシタンス)の他端はノード108に共通接続され、グランドに接続されている。
SQUID10A、10Bのインダクタンスは、キャパシタ11と並列共振器を構成している。SQUID10Aの第1の超伝導線路103A上の第1のノード105Aと第2の超伝導線路104A上の第2ノード106Aはキャパシタ11の対向電極に接続されており、キャパシタ11でシャントされている。SQUID10Bの第1の超伝導線路103B上の第1のノード105Bと第2の超伝導線路104B上の第2ノード106Bはキャパシタ11の対向電極に接続されており、キャパシタ11でシャントされている。図2Aに示されるように、SQUID10A、Bの一端はグランドに接続される構成としてもよい。
共振器20は、SQUID10A、10Bと、共振器20の持つキャパシタ11が並列に接続されたLC共振器である。
この場合、共振器20の持つ実効的なインダクタンスは、SQUID10A、10Bの持つ実効的な臨界電流値の和に反比例する。すなわち、SQUID10A、10BのインダクタンスをL、Lとすると、並列インダクタンスLは、
L=LA×LB/(LA+LB) ・・・(12)
上式(2)のβを1とおいた上式(1)から、SQUID10A、10Bに流れる電流をI、Iとすると、
LA0/(2IA) ・・・(13)
LB0/(2IB) ・・・(14)
式(13)、(14)を式(12)に代入すると、次式(15)が得られる。
L=Φ0/(2IA)*Φ0/(2IB)/{Φ0/(2IA)+Φ0/(2IB)}
0/{2(IA+IB)} ・・・(15)
SQUID10A、10Bの各々は、磁束Φと磁束量子Φの比Φ/Φが整数(n)、半整数(1/2+n)において、臨界電流の磁束Φに対する勾配が0となるため、磁束位相が整数、半整数の場合、磁束Φに対する感受性が抑制される。
並列接続されたN個のSQUIDの臨界電流値の最大値、最小値を互いに異なる値に設定することで、最大2個の互いに共振周波数の異なる共振動作点を実現することが可能である。
SQUID10Aの二つのジョセフソン接合101A、102Aの臨界電流値IA1、IA2は以下のように互いに異なる値とする。
IA1=I0(1+x) ・・・(16)
IA2=I0(1-x) ・・・(17)
ただし、IはSQUID10Aのジョセフソン接合101Aの臨海電流値とジョセフソン接合102Aの臨界電流値の和の1/2(平均臨界電流値)である。xはSQUID10Aの非対称性を表すパラメータである(0<x<1)。
SQUID10Bの二つのジョセフソン接合101B、102Bの臨界電流値IB1',IB2'は以下のように互いに異なる値とする。
IB1'=I'(1+x') ・・・(18)
IB2'=I'(1-x') ・・・(19)
ただし、I'は、SQUID10Bのジョセフソン接合101Bに流れる臨海電流値とジョセフソン接合102Bの臨界電流値の和の1/2(平均臨界電流値)である。x'はSQUID10Bの非対称性を表すパラメータである。(0<x’<1)。
SQUID10Aの臨界電流値IA1とIA2の比をrとすると、
r=(1-x)/(1+x) ・・・(20)
したがって、x=(1-r)/(1+r) ・・・(21)
となり、xはSQUID10Aの臨界電流値IA1とIA2の比rに一対一で対応する。同様に、SQUID10Bの臨界電流値IB1'とIB2'の比をr'とすると、
r'=(1-x')/(1+x') ・・・(22)
したがって、x'=(1-r')/(1+r') ・・・(23)
となり、x'はSQUID10Bの臨界電流値IB1'とIB2'の比r'に一対一で対応する。
SQUID10Aにおいて、第1、第2のジョセフソン接合101A、102Aにおける電流は、それぞれI(1+x)、 I(1-x)であり、上式(7)から、SQUID10Aの臨界電流値(SQUIDに流すことができる電流の最大値)は式(24)と表せる。
Figure 2023071448000008
・・・(24)
ただし、ΦはSQUID10Aのループに鎖交する磁束である。
SQUID10Bにおいて、第1、第2のジョセフソン接合101B、102Bにおける電流は、それぞれI'(1+x')、 I'(1-x')であり、SQUID10Bの臨界電流値(SQUIDに流すことができる電流の最大値)は式(25)とみなせる。
Figure 2023071448000009
・・・(25)
ただし、ΦはSQUID10Bのループに鎖交する磁束である。
上式(24)から、SQUID10Aの臨界電流値Iは、
磁束Φが磁束量子Φの整数倍のとき、最大値:2Io、
磁束Φが磁束量子Φの半整数倍のとき、最小値:2Ixとなる。
上式(25)から、SQUID10Bの臨界電流Iは、
磁束Φが磁束量子Φの整数倍のとき、最大値:2Io’、
磁束Φが磁束量子Φの半整数倍のとき、最小値:2I'x'となる。
SQUID10A, 10Bの臨界電流値の和I+Iは、SQUID10A, 10Bの鎖交磁束Φ、Φに関して、
a) 2I+2I' (ΦA/Φ0=n, ΦB/Φ0=n')・・・(26)
b) 2xI +2I' (ΦA/Φ0=1/2+n, ΦB/Φ0=n') ・・・(27)
c) 2I+2x'I' (ΦA/Φ0=n, ΦB/Φ0=n'+1/2 ) ・・・(28)
d) 2xI+2x'I' (ΦA/Φ0=1/2+n,ΦB/Φ0=1/2+n') ・・・(29)
の4つの組合せがあり、これが共振動作点に対応する。すなわち、ΦA/Φ0、ΦB/Φ0が0~1/2の範囲で4つの共振動作点が存在する。
共振器20の共振周波数fは、次式(30)で与えられるものとする。
Figure 2023071448000010
・・・(30)
したがって、上式(26)~(29)の4つの共振動作点での共振周波数f、f、f、fは式(31)~(34)で与えられる。
Figure 2023071448000011
・・・(31)
Figure 2023071448000012
・・・(32)
Figure 2023071448000013
・・・(33)

Figure 2023071448000014
・・・(34)
(A)SQUID10A、10Bの平均臨界電流値は等しいが、非対称性が互いに異なる場合、すなわち、I=I', x≠x'の場合、
>f,f>f ・・・(35)
となる。fとfの大小関係は、xとx'の大小によって入れ替わる。
x>x'のとき、
>f >f>f・・・(36)
x<x'のとき、
>f >f>f・・・(37)
したがって、異なる四つの共振動作点となる。
(B)SQUID10A、10Bの非対称性は等しいが、平均臨界電流値が互いに異なる場合、すなわち、I≠I', x=x'の場合、
>f,f>f・・・(38)
となる。fとfの大小関係は、IとI'の大小によって入れ替わる。
I<I'のとき、
>f>f>f・・・(39)
I>I'のとき、
>f >f>f・・・(40)
(C)SQUID10A、10Bの平均臨界電流値と非対称性の各々が互いに異なる場合、すなわち、I≠I', x≠x'の場合、
>f ,f>f・・・(41)
となる。fとfの大小関係は、IとI'の大小、及びxとx'の大小によって入れ替わる。すなわち、
I0'/I0>(1-x)/(1-x')のとき、
>f >f>f・・・(42)
I0'/I0<(1-x)/(1-x')のとき、
>f >f>f・・・(43)
したがって、異なる四つの共振動作点となる。
ただし、I0'/I0=(1-x)/(1-x')の場合、
>f =f>f・・・(44)
となり、この場合、共振動作点は三つに縮退する。したがって、(C)の場合、SQUID10A、10Bの平均臨界電流値と非対称性の各々が互いに異なる場合に、異なる四つの共振動作点となるように、SQUID10A、10Bの平均臨界電流値と非対称性を設定するようにしてもよい。
(D)SQUID10A、10Bの平均臨界電流値が互いに等しく、非対称性が互いに等しい場合、すなわち、I=I', x=x'の場合、
>f =f>f・・・(45)
となり、共振動作点は三つとなる。
並列接続された2個の非対称型のSQUID10A、10Bの各々において、各SQUIDの二つのジョセフソン接合の臨界電流値の和(2I、2I’)の1/2である電流値I、I'と、非対称性を表すパラメータx、x'(二つのジョセフソン接合の臨界電流値の比に対応する)の少なくともいずれかが互いに異なる場合、2=4個の互い異なる共振動作点を実現することができる。同様に、並列接続されたN個の非対称型のSQUIDの場合も、上記(C)のような縮退を回避するように、SQUID間で、各SQUIDの二つのジョセフソン接合の臨界電流値の和(2I、2I’)の1/2であるIoと、パラメータxの値を変えることで、異なる2個の共振動作点を実現することができる。
上記した本実施形態は、SQUID10A、10Bを含む共振器20の共振動作点(磁場勾配が無く磁場ノイズに強い動作点)の調整のために、フラックスライン14A、14Bから直流電流を印加し静磁場をSQUID10A、10Bに印加している。なお、図2Aにおいて、入出力ライン13から周波数ωの信号を入力し、SQUID10A、10Bに静磁場を印加した時の共振周波数をωとすると、共振周波数ωの2倍に近い周波数ωpの十分に強い強度のポンプ光(マイクロ波電流+直流電流)をフラックスライン14A、14Bから印加することで、磁場ノイズに強い動作点以外の磁場勾配のあるような条件で、パラメトリック発振させるようにしてもよい。
図2Bは、図2Aの共振器20における共振周波数の計算結果を等高線で表した図である。X軸はΦ/Φ0に対応し、Y軸はΦ/Φ0に対応する(Φ、Φは図2AのSQUID10A、10Bのループをそれぞれ貫通する磁束である)。図2Bにおいて、グレースケールは共振周波数の値が高いほど濃くなる。(X、Y)=(0.5、0.5)で谷(勾配=0)となり、(X,Y)=(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)で頂き(勾配=0)となっており、(X,Y)=(0.5,0)、(0.5,1)、(0,0.5)、(1,0.5)で中位のレベルとなっている。
一般に、回路のパタンが大きなループをつくると、当該ループから磁界が発生しほかの回路と干渉する。また、ループの面積が大きくなると、外部磁界の影響を受けループ内に不要な信号が誘起される。そこで、隣り合うSQUID10AとSQUID10B間のループによる閉ループ電流の寄与を減らすために、SQUID10A、10B間の距離を離すことが望ましい。例えばマイクロメートルサイズに加工されたSQUID10A、10Bに対してSQUID10A、10B間の距離は例えばミリメートルオーダとされる。
図3は、集中定数型の共振器20を示す図である。図3では、例えばシリコン基板上の回路面(主面)に形成された、SQUID10A、10Bと単一の電極15を持つ共振器20の配線パタン(平面回路)の一部が模式的に例示されている。電極15やグランドパタン16等、灰色色付き)の領域は、シリコン基板上に超伝導体薄膜が蒸着された領域を表し、白抜き部分18はシリコン基板の露出した領域(コプレーナ導波路の空隙)を表している。すなわち、共振器20は、シリコン基板上に、信号線と、信号線(信号電極)を囲むグランドパタン16が共に同一面に設置されているコプレーナ型平面回路で形成されている。図3において、図2Aのキャパシタ11は、例えば電極15と対向するグランドパタン16間の間隙等で形成される。図3では、二つのSQUID10A、10Bの一端はそれぞれ電極15の一端に接続され、二つのSQUID10A、10Bの他端はグランドパタン16に接続されている。電極15は、長手方向の両端がSQUID10A、10Bの一端にそれぞれ接続された第1のパタンと、長手方向の一端が、入出力ライン13に容量結合された第1パタンが交差する形状とされている。ただし、電極15の平面形状は、図3の例に制限されるものでないことは勿論である。
電極15、グランドパタン16は、例えば超電導素材のNb、Al等で構成してもよい。SQUID10A、10Bもシリコン基板上に、例えばNb-Al系の超電導導体の配線パタンで形成してもよい。ジョセフソン接合は、公知の手法で形成される(例えばNb配線の上に薄いAlを成膜し例えばAl表面を熱酸化することによって所定の膜厚のAlOxを作製し上部のNbを成膜するようにしてもよい)。
フラックスライン14A、14Bには、それぞれ、不図示の電源(電流源)から直流電流信号が供給される。グランドパタン16は、フラックスライン14A、14Bの長手方向両側に空隙を介して対向して配設される。フラックスライン14A、14Bの長手方向端部は、それぞれ、ライン状のグランドパタン(グランドライン)16A、16Bに長手方向の一側で当接している。グランドライン16A、16Bは、長手方向の他側でそれぞれSQUID10A、10Bに対向している。フラックスライン14A、14Bの長手方向端部にそれぞれ当接しフラックスライン14A、14Bの長手方向と直交する向きに延在されるグランドライン16A-1、16B-1に沿って延設された切欠き部17A、17Bが、グランドパタン16(フラックスライン14A、14Bの長手方向の一側に空隙を介して対向して配置されるグランドパタン)に配設されている。
フラックスライン14A(14B)からの電流は、その端部でグランドライン16A-1と16A-2(グランドライン16B-1と16B-2)へと二股に分流する。その際、グランドライン16A-2(16B-2)側に流れる電流と、これとは逆方向のグランドライン16A-1(16B-1)側に流れる電流が、SQUID10A(SQUID10B)のループに印加する磁場を互いに打ち消し合うことはない。すなわち、切欠き部17Aに沿って延在されたグランドライン16A-1のライン長は、グランドライン16A-2よりも、ほぼ切欠き部17Aの長さ分長く設定されており、グランドライン16A-1側に流れる電流が作る磁場(SQUID10Aのループを貫く第1の磁場)の方が、グランドライン16A-2側に流れる電流が作る磁場(SQUID10Aのループを第1の磁場とは反対向きに貫く第2の磁場)よりも大きい。このため、図3に例示した、フラックスライン14Aとグランドライン16A-1、16A-2の構成により、SQUID10Aのループに印加する磁場の効率的な生成を可能としている。同様に、フラックスライン14Bについても、グランドライン16B-1側に流れる電流が作る磁場(SQUID10Bのループを貫く第1の磁場)の方が、グランドライン16B-2側に流れる電流が作る磁場(SQUID10Bのループを第1の磁場とは反対向きに貫く第2の磁場)よりも大きいことから、SQUID10Bのループに印加する磁場の効率的な生成を可能としている。グランドライン16A-1と16A-2(16B-1と16B-2)の線幅は同一でなくてもよく、例えばグランドライン16A-1(16B-1)の方をグランドライン16A-2(16B-2)よりも大とするというように、互いに異なっていてもよい。なお、図3に例示したフラックスライン14A、14Bはあくまで一例であり、SQUIDのループに印加する磁場を効率的に生成するための条件を満たせば、図3以外の任意の構成を用いてもよいことは勿論である。
なお、図3では、共振器20は、並列に接続された二つのSQUID10A、10Bが例示されているが、SQUIDの個数は二つに制限されるものでないことは勿論である。
図4の例は、図3の電極15とグランドパタン16間に4つのSQUID10A、10B、10C、10Dが接続されている。4つのSQUID10A、10B、10C、10Dには、それぞれフラックスライン14A、14B、14C、14Dが設けられており、それぞれのSQUIDのループに磁束Φを与える。フラックスライン14A、14B、14C、14Dには、それぞれ不図示の電源(電流源)から直流電流信号が供給される。並列接続された4個のSQUIDについて、二つのジョセフソン接合の平均臨界電流値や、非対称性(SQUIDの二つのジョセフソン接合の臨界電流値の比)を互いに異なる値とすることで、2=16個の互いに共振周波数の異なる共振動作点を実現することが可能である。
なお、図2A、図3、図4には、集中定数型の共振器が例示されているが、実施形態の共振器は、集中定数型に制限されるものでなく、例えば図5に例示したように、λ/4共振器等の分布定数型共振器を用いてもよいことは勿論である。図5の例では、入出力キャパシタ12と、SQUID10A、10Bの第1ノード105A、105Bの共通接続点であるノード107との間に、共振波長(定在波の波長)λの4分の1に近い長さの導波路(λ/4導波路)19を備え、λ/4導波路19の終端をSQUID10A、10Bにてグランドに接続した構成とされる。なお、図5において、図2Aの集中定数型の共振器20のSQUID10A、10Bに並列接続されたキャパシタ11は示されていない。図5の分布定数型共振器20では、例えば、SQUID10A、10Bとグランドパタンとの間のキャパシタンス(容量)成分やλ/4導波路19とグランドパタン間のキャパシタンス成分等が、分布定数型の容量に含まれる。また、SQUID10A、10Bのジョセフソン接合101A、102A、101B、102Bにもそれぞれ微小なキャパシタンス成分があることから、分布定数型の容量として、これらジョセフソン接合のキャパシタンス成分を含んでもよい。
図6A、図6Bは、本発明の第2の実施形態を説明する図である、図6Bを参照すると、二つのSQUID10A、10Bにより架橋された二つの電極15A、15Bからなる共振器20を示す。すなわち、図6A、図6Bに示すように、二つのSQUID10A、10Bの第1のノード105A、105Bは、第1の電極15Aに接続される(第1のノード105A、105Bの共通接続ノード107が第1の電極15Aである)。第1の電極15Aは、第1の入出力キャパシタ12Aを介して第1の入出力ライン13Aに接続される。二つのSQUID10A、10Bの第2のノード106A、106Bは、第2の電極15Bに接続される(第2のノード106A、106Bの共通接続ノード108が第2の電極15Bである)。第2の入出力キャパシタ12Bを介して第2の入出力ライン13Bに接続される。
図6Bを参照すると、フラックスライン14A、14Bは、それぞれに供給される電流により、SQUID10A、10Bのループを貫く磁束を生成する。フラックスライン14A(14B)、グランドライン16A-1、16A-2(16B-1、16B-2)、切欠き部17A(17B)は、前述した図3と同様のパタンとされ、同様の機能とされる。図6Bに示した例は、平面回路であるため、図4に例示したように、3個以上のSQUIDのループを貫く磁束をフラックスラインで個別に操作することはできない。
第2の実施形態において、共振器20は、図7に示したように、λ/2共振器等の分布定数型共振器でもよい。二つのSQUID10A、10Bの第1のノード105A、105Bは、共振波長(定在波の波長)λの4分の1に近い長さの導波路(λ/4導波路)19Aの一端に接続され、導波路19Aの他端は、第1の入出力キャパシタ12Aを介して第1の入出力ライン13Aに接続される。二つのSQUID10A、10Bの第2のノード106A、106Bは、共振波長(定在波の波長)λの4分の1に近い長さの導波路(λ/4導波路)19Bの一端に接続され、導波路19Bの他端は、第2の入出力キャパシタ12Bを介して第2の入出力ライン13Bに接続される。なお、図7において、図5と同様、図2の集中定数型の共振器20のSQUID10A、10Bに並列接続されたキャパシタ11は示されていない。図7の分布定数型共振器20では、例えば、SQUID10A、10Bとグランドパタンとの間のキャパシタンス(容量)成分やλ/4導波路19A、19Bとグランドパタン間のキャパシタンス成分等が、分布定数型の容量に含まれる。また、SQUID10A、10Bのジョセフソン接合101A、102A、101B、102Bにもそれぞれ微小なキャパシタンス成分があることから、分布定数型の容量として、これらジョセフソン接合のキャパシタンス成分を含んでもよい。
なお、図6Aでは、二つのSQUID10A、10Bの第1のノード105A、105Bの接続点と、第2のノード106A、106Bの接続点は、それぞれ第1、第2の入出力キャパシタ12A、12Bを介して第1、第2の入出力ライン13A、13Bにそれぞれ接続された構成が例示されているが、第2の実施形態は、かかる構成に制限されない。例えば第2の実施形態の変形例として、二つのSQUID10A、10Bの第1のノード105A、105Bの接続点と、第2のノード106A、106Bの接続点を、不図示の他の量子ビットやグランドに接続する構成としてもよい。一例として、一方をグランドに接続し、他方を入出力ラインに接続する構成とした場合、単一の量子ビットとして動作する。また、図8に例示したように、二つのSQUID10A、10Bの第1のノード105A、105Bの共通接続点であるノード107と、第2のノード106A、106Bの共通接続点であるノード108をそれぞれ第1、第2の量子ビット22A、22Bに接続した場合、共振器20は量子ビット結合器として動作する。
上記したように、実施形態の共振器20は、量子ビットとして用いてもよく、あるいは、量子ビット間の結合器として用いるようにしてもよい。以下では、上記実施形態の共振器を量子計算機用の量子ビット回路として用いる一例について説明する。なお、量子計算機は、イジングモデルにマッピング可能な組み合わせ最適化問題の解を計算する量子アニーリング型の計算機である。図9に示した量子計算機では、4個の共振器20A~20Dを1つの結合回路21で接続している。結合回路21は、4個の共振器20A~20Dを結合する回路であり、1個のジョセフソン接合213と4個のキャパシタ211A~211Dで構成される。共振器20A、20Bの入出力ライン13は、結合回路21のキャパシタ211A、211Bを介して超伝導導体212-1の一端に接続され、超伝導導体212-1の他端がジョセフソン接合213の一端に接続される。共振器20C、20Dの入出力ライン13は、結合回路21のキャパシタ211C、211Dを介して超伝導導体212-2の一端に接続され、超伝導導体212-2の他端がジョセフソン接合213の他端に接続される。図9では、共振器20の個数が4個の場合の量子計算機を例示したが、図9に示した構成を単位構造として、複数の単位構造を並べて接続することにより、任意の個数の共振器20を集積した量子計算機を実現するようにしてもよい。
なお、上記の特許文献1、2の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ乃至選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
<補遺>
以下、上式(7)の導出を説明する。非対称SQUIDの二つのジョセフソン接合に流れる電流I1、I2は、
I1=I0(1+x) ・・・(A.1)
I2=I0(1-x) ・・・(A.2)
I1+I2=2I0 ・・・(A.3)
この非対称SQUIDに流れる電流Iは以下で与えられる。
I=I0(1+x)*sin(γA)+I0(1-x)*sin(γB) ・・・(A.4)
式(A.4)は、
γB-γA=2πΦ/Φ0 ・・・(A.5)
を用いて以下で与えられる。
I=I0(1+x)*sin(γA)+I0(1-x)*sin(γA―2πΦ/Φ0)}
=I0{sin(γA)+sin(γA―2πΦ/Φ0)}+ xI0{sin(γA)-sin(γA―2πΦ/Φ0)}
=2I0[cos(πΦ/Φ0) sin {γA―πΦ/Φ0)}]+ 2xI0[sin(πΦ/Φ0) cos{γA―πΦ/Φ0)}]
=2I0[cos(πΦ/Φ0) {sin(γA) cos(πΦ/Φ0)-sin(πΦ/Φ0)cos(γA)}]
+2xI0[sin(πΦ/Φ0){cos(γA)cos(πΦ/Φ0)+sin(γA)sin(πΦ/Φ0)}]
=2I0{cos(πΦ/Φ0) +xsin(πΦ/Φ0)}sin(γA)
+2I0{-sin(πΦ/Φ0)cos(πΦ/Φ0) + x cos(πΦ/Φ0)sin(πΦ/Φ0)}cos(γA)
=2I0{cos(πΦ/Φ0) +xsin(πΦ/Φ0)}sin(γA)
- 2I0(1-x) sin(πΦ/Φ0)cos(πΦ/Φ0) cos(γA) ・・・(A.6)
ここで、
α={cos(πΦ/Φ0) +xsin(πΦ/Φ0)} ・・・(A.7)
β=(1-x) sin(πΦ/Φ0)cos(πΦ/Φ0) ・・・(A.8)
とおくと、式(A.6)は、
I=2I0[αsin(γA)+β cos(γA)]=2I0√(α+β)sin(γA+C)
・・・(A.9)
ただし、
cos (C)=α/√(α+β), sin (C)=β/√(α+β) ・・・(A.10)
式(A.9)のSQRT内を計算すると、以下の式(A.11)で与えられる。
√(α+β
=([cos(πΦ/Φ0) +xsin(πΦ/Φ0)]2+[(1-x) sin(πΦ/Φ0)cos(πΦ/Φ0)]2)1/2
=([cos4(πΦ/Φ0)+ cos(πΦ/Φ0) sin(πΦ/Φ0)] + x2[sin4(πΦ/Φ0)+ cos(πΦ/Φ0) sin(πΦ/Φ0)])1/2
=([cos2(πΦ/Φ0)(cos(πΦ/Φ0)+ sin(πΦ/Φ0)] + x2[sin2(πΦ/Φ0)(sin2(πΦ/Φ0)+ cos(πΦ/Φ0) )])1/2
=√{cos2(πΦ/Φ0) + x2sin2(πΦ/Φ0)} ・・・(A.11)
したがって、式(A.9)は
I=2I0{cos2(πΦ/Φ0) + x2sin2(πΦ/Φ0)}1/2sin(γA+C)
=Asin(γA+C) ・・・(A.12)
ただし、
A=2I0{cos2(θ) + x2sin2(θ)}1/2 (θ=πΦ/Φ0) ・・・(A.13)
|I|≦A ・・・(A.14)
であるため、式(A.13)の振幅Aを非対称SQUIDに流れる電流の最大値(臨界電流値)とみなすことができる。
10、10A、10B、10C、10D SQUID
11 キャパシタ
12 入出力キャパシタ
12A 第1の入出力キャパシタ
12B 第2の入出力キャパシタ
13 入出力ライン
13A 第1の入出力ライン
13B 第2の入出力ライン
14、14A、14B、14C、14D フラックスライン
15 電極(導体)
15A 第1の電極
15B 第2の電極
16 グランドパタン
16A、16A―1、16A-2、16B、16B―1、16B-2、16C、16D グランドライン
17A、17B、17C、17D 切欠き部
18 シリコン基板表面
19、19A、19B 4分の1波長導波路
20、20A、20B、20C、20D 共振器
21 結合回路
22A 第1の量子ビット
22B 第2の量子ビット
101、101A、101B、101C、101D 第1のジョセフソン接合
102、102A、102B、102C、102D 第2のジョセフソン接合
103、103A、103B 第1の超伝導線路
104、104A、104B 第2の超伝導線路
105、105A、105B 第1のノード
106、106A、106B 第2のノード
107、108 ノード(共通接続点)
211A、211B、211C、211D キャパシタ
212-1 第1の超電導導体
212-2 第2の超電導導体
213 ジョセフソン接合

Claims (10)

  1. 第1の超伝導線路と第1のジョセフソン接合と第2の超伝導線路と第2のジョセフソン接合とが環状に接続されたループ構造を有し、前記第1のジョセフソン接合の接合面積と前記第2のジョセフソン接合の接合面積とが異なるSQUID(Superconducting Quantum Interference Device)を複数並列接続し、
    前記複数のSQUIDは、
    前記第1のジョセフソン接合の接合面積と前記第2のジョセフソン接合の接合面積の和と、
    前記第1のジョセフソン接合の接合面積と前記第2のジョセフソン接合の接合面積の比と、
    のいずれか一方又は両方が、前記複数のSQUID間で互いに異なる、超伝導量子回路。
  2. 前記複数のSQUIDは、一の電極とグランドの間に架橋されてなる、請求項1に記載の超伝導量子回路。
  3. 前記複数のSQUIDは、二つの電極の間に架橋されてなる、請求項1に記載の超伝導量子回路。
  4. 前記各SQUIDのループに鎖交する磁束を生成する電流供給線路を、前記各SQUIDに対応して個別に備えた、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超伝導量子回路。
  5. 基板面上に、前記複数のSQUIDと、前記複数のSQUIDの各SQUIDに対して配設された前記電流供給線路と、少なくとも前記電流供給線路の長手方向両側に沿って前記電流供給線路に対向して配置されるグランドパタンと、を備え、
    前記グランドパタンは、
    長手方向の一側で前記電流供給線路の長手方向端部に当接し、長手方向の他側で前記SQUIDに対向し、前記電流供給線路との当接部から前記電流供給線路に直交する方向に沿って互いに逆向きに延在された第1及び第2のラインからなるグランドラインと、
    前記グランドラインの前記第1及び第2のラインの一方の長手方向の前記一側に沿って延設された切欠き部と、
    を有する、請求項4に記載の超伝導量子回路。
  6. 前記複数のSQUIDは、
    前記第1のジョセフソン接合の臨界電流値と前記第2のジョセフソン接合の臨界電流値の和と、
    前記第1のジョセフソン接合の臨界電流値と前記第2のジョセフソン接合の臨界電流値の比と、
    のいずれか一方又は両方が、前記複数のSQUID間で互いに異なる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超伝導量子回路。
  7. 並列に接続された前記SQUIDをN個(Nは2以上の整数)備え、共振周波数の磁束に対する勾配が0となる動作点の個数を2のN乗個としてなる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超伝導量子回路。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超伝導量子回路を備えた量子ビット回路。
  9. 量子ビットを結合する回路であって、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超伝導量子回路を備えた量子ビット結合器。
  10. 量子ビットと量子ビット結合器を複数結合することで構成される量子計算機であって、
    前記量子ビットと前記量子ビット結合器の少なくとも一つが、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超伝導量子回路を備えた量子計算機。
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